JP5991705B2 - 水耕栽培における高機能性植物体の生産方法 - Google Patents

水耕栽培における高機能性植物体の生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、人工照明下での水耕栽培による野菜の生産方法に関し、より詳しくは抗酸化成分、栄養成分、食味成分等の有用成分の含有量を高め、硝酸イオン含有量を低減させ、色素アントシアニンを産生する野菜について同色素の含有量を高め、着色を向上させることのできる、水耕栽培による野菜の生産方法に関する。
土を使用せずに、ミネラルやその他のイオンを含有した養液を用いて植物を栽培する方法である水耕栽培は、農地を必要とせず、設備さえあれば立地や自然環境を問わず、適切な条件下に栄養、光、水、温度等の生育条件を完全に管理した状態で植物を栽培することが可能である、という利点を有し、また、それにより植物の生育を早め、収穫効率を高めることができ、収穫の時期調整も容易であるため、野菜等の農産物の生産に広く使用されている。
しかしながら、人工照明下における水耕栽培で得られる野菜は、生育が早い反面、アスコルビン酸(ビタミンC)等の抗酸化物質や各種の栄養成分含有量が低くなり易いという問題がある。これに対し、ヒトにおいてアスコルビン酸は、インフルエンザやその他の感染症などの罹患時等ストレスが加わったとき身体による要求量が増大することが知られており、健康志向の高まりとともに、野菜においてビタミンCの含有量の高いものが好まれる傾向がある。このため、アスコルビン酸含有量の高い野菜を水耕栽培で効率的に且つ低コストで生産できる方法が望まれている。
また、野菜中には通常、硝酸イオンが含まれる。硝酸イオンは、多量に含まれると野菜の苦味の原因となるほか、発癌物質の生成にもつながる可能性があることから、その含有量を低下させた野菜の生産が望ましい。既にEU(欧州連合)では、野菜の硝酸塩の基準値が定められており、それによれば現在、例えば、結球レタスで施設栽培のものや、それ以外のレタス(サラダ菜、サニーレタス、コスレタス等)で4〜9月に収穫される露地栽培のものは、硝酸塩の基準値を2,500mgNO /kg以下とすべきことが求められている。
従来、水耕栽培において野菜のアスコルビン酸等の抗酸化成分を含む栄養成分の含有量を高めるための検討が行われている。例えば、特開2004−305040号公報及び特開2008−86272号公報(それぞれ、特許文献1及び2)には、ビタミンCやトコフェロール等の機能性成分含有量を増大するために、315nm付近にピークを有する人工紫外線の照射を行うことが開示されている。しかしながら、このような方法は、通常の照明以外に別途、特定の紫外線ランプを含む追加の設備を必要とするためコストが嵩み、追加のエネルギーコストがかかり、また最適な光量の調節と維持・管理が煩雑であるという、欠点がある。
これに対し、硝酸態窒素(硝酸イオンの形で存在する窒素をいう。)が含まれる水耕肥料溶液(第1溶液)により野菜を水耕栽培してある程度生育させた後、当該水耕肥料溶液における硝酸態窒素を10mg/L以下且つキレート鉄を10mg/L以上とした別の水耕肥料溶液(第2溶液)を用いて、野菜の硝酸塩含有量が実質的にゼロとなる5日間にわたって水耕栽培した後、更に第2溶液で培養を続ける、という水耕栽培方法が特開平6−105625号公報(特許文献3)に開示されている。同文献には、第2溶液での5日間の水耕栽培で野菜中の硝酸塩含有量がほぼゼロとなった後の更なる培養中に、糖質及びビタミンCの含量が、それぞれ急増することが示されている。しかしながらこの方法では、野菜中の糖質やビタミンCの増加のためには、その前段階として5日間にわたる硝酸塩不含の水耕肥料溶液で栽培する必要があり、これに野菜中の糖質やビタミンCの含量増加のための同溶液中での栽培日数である1〜2日が加わるため、硝酸塩不含の水耕栽培溶液での栽培が1週間程度にわたって行われることとなり、出荷直前の野菜にかなり長期の生長阻害期間が加わることとなり、好ましくない。
他方、赤色レタス等のある種の野菜では、露地栽培では得られるアントシアニンによる着色が、人工照明下での水耕栽培にすると得られなくなるという現象があり、これは、人工照明下での水耕栽培を野菜の生産に広く利用する上での障害の一つとなっていた。これに対し、特開2003−204718号公報(特許文献4)には、水耕栽培においてサニーレタスに、昼間(6〜18時)は白色光を、夜間(18時〜翌6時)は波長400〜500nmの青色光を6時間以上照射しつつ、3日以上栽培を行うことで、アントシアニン含有量の増加が可能であることが記載されている。しかしながらこの場合も青色光用の光源を白色光源とは別に設置する必要があり、野菜の生産コストを上昇させる要因となる。
なお、水耕栽培によるものではないが、特開2005−245243号公報(特許文献5)に、野菜の脱窒素加工方法として、自然栽培において収穫前の無施肥状態の少なくとも3日間の夜間及び/又は収穫後1週間以内の期間に野菜に発熱電球からの300〜600ルクスの光を照射することにより、ニンジン及びホウレンソウ中の硝酸態窒素量を低下させること、及び収穫後に行う場合には、水に根部を浸漬して行うと鮮度低下を効果的に抑制できることが記載されている。
特開2004−305040号公報 特開2008−86272号公報 特開平6−105625号公報 特開2003−204718号公報 特開2005−245243号公報
上記背景において本発明は、人工照明下での水耕栽培において、紫外線ランプや青色光源のような別途の特殊な光源の設置を必要とせず、アスコルビン酸含有量や糖度や全糖含有量等の有用成分の含有量を高め、硝酸イオン含有量を低減させることができ、且つアントシアニンを産生するタイプの野菜においてはその産生を促進して赤色や紫色の着色を明瞭にさせることを可能にする野菜の生産方法の提供を目的とする。
上記目的のために検討の結果、本発明者は、野菜の水耕栽培の最終段階において、収穫直前の1〜数日にわたって、長い日長時間(1日における明期の時間長をいう。)にし且つ水耕肥料溶液(養液)を水に置き換えることによって、硝酸イオン含有量の急速な低減と、糖度、全糖、アスコルビン酸(ビタミンC)、ポリフェノール、葉緑素、及び/又はグルコシノレート含有量の急速な上昇とを起こすことができ、更には、露地栽培ではアントシアニンを産生して着色するが通常の人工照明下での水耕栽培ではそうでなかった野菜について、アントシアニンの産生を促して野菜にアントシアニンによる明瞭な赤色や紫色の着色をさせることも可能となることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ねて完成させたものである。すなわち、本発明は以下を提供する。
1.人工照明下での水耕栽培による野菜の生産方法であって、生育させた野菜を、その収穫直前に養液を水に置き換え且つ日長時間を17時間以上として1日以上水耕栽培するものである調整栽培に付すことを特徴とする、生産方法。
2.上記1の生産方法であって、該調整栽培の期間が2日以上である、生産方法。
3.上記1又は2の生産方法であって、日長時間が20時間以上である、生産方法。
4.該調整栽培の期間が7日以内である、上記1ないし3の何れかの生産方法。
5.該日長時間における光強度が少なくとも9,000luxである、上記1ないし4の何れかの生産方法。
6.該調整栽培において野菜の硝酸イオン含有量が低下するものである、上記1ないし5の何れかの生産方法。
7.該調整栽培において野菜の糖度、全糖、アスコルビン酸、アントシアニン、ポリフェノール、葉緑素、及び/又はグルコシノレート含有量が増加するものである、上記1ないし6の何れかの生産方法。
8.上記1ないし7の何れかの生産方法により生産された野菜。
本発明によれば、紫外線ランプ等の追加の照明設備の必要がなくコストのかからない方法で、且つアスコルビン酸、糖又はグルコシノレート等の栄養成分や食味成分等の含有量、全糖含有量、ポリフェノール、及び/又は葉緑素の含有量を速やかに高めつつ、硝酸イオン含有量を低減させた水耕栽培野菜を生産することができる。また、葉菜においては、葉厚や葉色の濃さという点も改善することができる。更には、露地栽培でアントシアニンを産生する野菜の場合、青色光源等の追加の光源を設置する必要なしにアントシアニン含有量を増加させて、明瞭に赤色や紫色に着色した野菜を生産することが可能となる。
図1は、実施例1−1における植物体の硝酸イオン含有量の推移を示すグラフである。 図2は、実施例1−1における植物体のアスコルビン酸含有量の推移を示すグラフである。 図3は、実施例1−1における植物体の糖度の推移を示すグラフである。 図4は、実施例1−1における植物体の葉厚の推移を示すグラフである。 図5は、実施例1−2における植物体のポリフェノール含有量の推移を示すグラフである。 図6は、実施例1−3における植物体の葉緑素含有量の推移を示すグラフである。 図7は、実施例2における水耕液中の硝酸態窒素濃度と植物体の硝酸イオン含有量との関係を示すグラフである。 図8は、実施例3における1日の水耕栽培後の植物体の硝酸イオン含有量を示すグラフである。 図9は、実施例3における1日の水耕栽培後の植物体のアスコルビン酸含有量を示すグラフである。 図10は、実施例3における1日の水耕栽培後の植物体の糖度を示すグラフである。 図11は、実施例4−1における各条件下での4日間栽培後の植物体のアントシアニン含有量及び色相値を示すグラフである(図中、「FW」は、Fresh Weightの略)。 図12は、実施例4−1における各条件下での4日間栽培後の植物体の全糖含有量を示すグラフである。 図13は、実施例4−2における各条件下での1日栽培後の植物体のアントシアニン含有量及び色相値を示すグラフである。 図14は、実施例4−2における各条件下での3日間栽培後の植物体のアントシアニン含有量及び色相値を示すグラフである。 図15は、実施例5における各条件下での植物体の硝酸イオン含有量を示すグラフである。 図16は、実施例6における各条件での植物体の硝酸イオン含有量の推移を示すグラフである。 図17は、実施例6における各条件での植物体の糖度の推移を示すグラフである。 図18は、実施例7における各条件での植物体のグルコシノレート含有量の変化を示すグラフである。 図19は、実施例7における各条件での植物体の硝酸イオン含有量の変化を示すグラフである。
本明細書において、「水耕栽培野菜」とは、水耕栽培によって生育させることにより得られた野菜をいう。
本明細書において、「野菜」は、「葉菜類」及び「根菜類」及び「果菜類」を包含する。ここに、「葉菜類」とは、葉や茎の部分を主に食用とする野菜をいい、例えば、レタス、水菜、ホウレンソウ、春菊、小松菜、チンゲンサイ、キャベツ、白菜、しそ、からし菜、ケール、ハーブ類(ルッコラ、バジル等)等が挙げられるが、これらに限定されない。また、「根菜類」とは、根や地下茎等、土耕栽培したとき地中にある部分を主に食用とする野菜をいい、例えば、大根、ニンジン、カブ、ゴボウ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、レンコン等が挙げられるが、これらに限定されない。また、「果菜類」とは、果実や種子を食用とする野菜をいい、イチゴ、トマト、キュウリ、なす等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、葉菜類で主に食する葉や茎は、光合成や硝酸還元を行う植物のソース部位に分類され、一方、根菜類及び果菜類において食用とする肥大根、肥大茎及び果実は、ソース部位からの養分を貯蔵して生長するシンク部位に分類される。
本発明において、野菜の収穫直前に養液を水に置き換え且つ日長時間を所定の長さに設定(17時間以上等)して行う水耕栽培(以下、「調整栽培」という。)を開始するに至るまでの水耕栽培(以下、「生育栽培」という。)は、当該野菜を十分に生育させればよいだけであるから、公知の種々の水耕栽培条件(温度、養液、日長時間)及び生育日数を、適宜選択して用いればよく、特に限定されない。例えば、生育栽培における日長時間(1日における明期)は、12時間、14時間、15時間、16時間等とすることができ、特に限定されない。
調整栽培は、出荷直前の1〜数日間行えばよい。例えば日長時間を17時間として1日水耕栽培するだけでも、植物体の硝酸イオン含有量の低減、アスコルビン酸含有量の増加及び糖度の増加という効果が得られる。日長時間は、17時間以上の適宜の時間、例えば18時間、・・・24時間(すなわち暗期なし)等と設定することができ、前記の効果は、日長時間の長さに応じて増大する。また、調整栽培の日数は、1日でもよいが、より多くの日数にわたって行うこともできる。例えば、調整栽培を2〜5日間行った場合、植物体の硝酸イオン含有量の低減、アスコルビン酸含有量の増加及び糖度の増加の効果は、栽培日数に応じて更に高まる。またその間、効果の増加率につき、調整栽培日数の増加によっても衰えは認められておらず、そのことは調整栽培を約1週間にわたって行ってもよいことを示している。
また、露地栽培した場合にアントシアニンを産生して着色する野菜では、調整栽培によりアントシアニン含有量を増加させ、着色を向上させることが可能である。アントシアニン含有量の増加及びそれによる着色の強さの増加も、調整栽培の日数が増えるほど、また日長時間が長いほど、顕著となる。外観の顕著な着色を求める場合には、例えば日長時間が17時間の場合、調整栽培を2日以上行うことが好ましく、3日以上行うことがより好ましい。また日長時間が20時間以上の場合には、調整栽培は1日行うだけでも十分であるが、それより長く行えば更に効果的である。
また、調整栽培における光強度は、9,000lux以上であることが好ましく、9,500lux以上であることがより好ましく、10,000lux以上であることが更に好ましい。また、光強度は、強すぎることによる悪影響を植物体に及ぼすほどでない限り、光強度に明確な上限はなく、例えば20,000lux又は19,000lux、18,000lux等と、所望により設定すればよい。
なお調整栽培において水耕液として用いる水は、硝酸態窒素濃度が15ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、8ppm以下であることが特に好ましい。水としては、例えば水道水を用いるのが便利である。また、水道水に含まれる程度の量のミネラルの存在は何ら支障はない。それら微量の硝酸態窒素やミネラルを含有する水も、調整栽培において養液の代わりに使用するに適した「水」に包含される。
以下、典型的な実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明がそれら実施例についての記載により限定されることは意図しない。
収穫時の野菜の特性に及ぼす日長時間及び水耕液の効果を検討した。以下の各実施例において、特に示さない限り、次の条件は共通とした。
(1)光源: 白色蛍光灯
(2)肥料: 大塚ハウスSA処方(表1)。

Figure 0005991705
(3)明期/暗期: 14時間/10時間
(4)CO施肥: 1,500ppm
〔生育栽培〕 播種〜育苗
実験材料種子をウレタン培地に播種し、照射強度5,000〜5,500lux、室温18〜20℃とし、EC(電気伝導度)=1.0mS/cmに調整した養液で6回/日灌水しつつ、5日間水耕栽培を行って植物体を生育させた。次いで根が完全に浸る状態に植物体を定植し、照射強度13,000〜18,000lux、室温20℃とし、EC=1.8mS/cmに調整した養液で、調整栽培の時期まで根が完全に養液に浸る状態とした湛水式水耕栽培を行った。
〔実施例1−1〕 レタスにおける水耕液及び日長時間変更による影響の検討−1
生育栽培の後、水耕液及び日長時間を変えて湛水式水耕栽培を行い、それらの条件変化が、収穫される野菜の硝酸イオン含有量及びアスコルビン酸含有量、糖度、葉厚にどのような影響を及ぼすかについて検討した。
(栽培方法)
レタスとして、リーフレタスを用いた。播種後30日間水耕栽培(生育栽培)により育苗した植物体を無作為に6群に分け、表2に示したように、うち5群の植物体につき、水耕液を養液から水(水道水:硝酸態窒素濃度1.29ppm以下)に変更し且つ日長時間を12時間、15時間、18時間、21時間及び24時間の何れかに設定して、湛水式水耕栽培を5日間継続した(調整栽培)。残りの1群を対照群とし、日長時間は12時間、水耕液は養液のまま(硝酸態窒素濃度約170ppm、EC=1.8mS/cm)として湛水式水耕栽培を5日間継続した。なお何れの群についても、光強度は10,000〜15,000luxとした。

Figure 0005991705
(評価項目及び評価方法)
1.硝酸イオン含有量の測定:
調整栽培を1日、3日、又は5日行った直後の植物体サンプルを採取し、これに一定量の水を加えて希釈しながらミキサーを用いてサンプルを破砕した後、破砕液を12,000rpmで1分間遠心分離した。こうして得られた上澄み液を用い、RQフレックス(藤原製作所製)で硝酸イオン濃度を測定し、植物体100g当たりの硝酸イオン含有量(mg)を算出した。
2.アスコルビン酸含有量の測定:
調整栽培を1日、3日、又は5日行った直後の植物体サンプルを採取し、これに一定量の5%メタリン酸を加えて希釈しながらミキサーを用いてサンプルを破砕した後、破砕液を12,000rpmで1分間遠心分離した。こうして得られた上澄み液を用い、RQフレックス(藤原製作所製)でアスコルビン酸濃度を測定し、植物体100g当たりのアスコルビン酸含有量(mg)を算出した。
3.糖度(Brix(%))の測定:
調整栽培を1日、3日、又は5日行った直後の植物体サンプルを採取し、これに水100mlを加えてミキサーで破砕し、破砕液を12,000rpmで1分間遠心分離した。上澄み液につきポケット糖度計(PAL−1:アタゴ製)を用いて糖度を測定した。
4.葉厚の測定:
調整栽培を1日、3日、又は5日行った直後の植物体サンプルにつき、葉先から約5〜10mmの箇所における葉の厚みをクイックミニ(ミツトヨ製)を用いて測定した。
(結果)
1.硝酸イオン含有量:
各群の植物体の硝酸イオン含有量の推移を図1に示す。図において、「H」は養液、「W」は水による水耕栽培であることをそれぞれ示し、それら記号の前に付された数値は日長時間(単位:時間)を示す(以下の実施例において同じ。)。
図1に見られるように、養液による日長時間12時間での水耕栽培を行った対照群(12H)では、栽培日数1日、3日又は5日後の植物体の硝酸イオン含有量が栽培日数と共に増加したのに対し、水耕液を養液から水に置き換えたA〜E群の各々において、植物体の硝酸イオン含有量は急速に低下し、日長時間が長い群におけるほど、また栽培日数が増えるほど、硝酸イオン含有量の低下の程度は一層顕著になった。具体的には、栽培1日後の時点において、日長時間12時間の12W群では、同じ日長時間の12H(対照群)より硝酸イオン含有量は僅かに低下しただけであったが、日長時間15時間の15W群では対照群に比して約50mg/100gという明瞭な低下が認められ、更に日長時間18時間の18W群では、対照群に比して約90mg/100gという大きな低下が、そして日長時間21時間の21W群及び24時間の24W群においては、約130〜135mg/100gという更に顕著な低下が認められた。また栽培3日後の時点においては、水耕液を水に変更した何れの群においても、硝酸イオン含有量は対照群の1/2未満〜1/3未満の範囲へと低下しており、日長時間が長い群ほど低下の程度は顕著であった。栽培5日後の時点では、それらの群における硝酸イオン含有量は更に低下しており、対照群との差は一層拡大していた。
2.アスコルビン酸含有量:
図2は、各群の植物体のアスコルビン酸含有量(mg/100g)の推移を示す。図2に見られるように、対照群(12H)では、栽培日数1日、3日、5日とアスコルビン酸含有量には特段の変化が見られなかったのに対し、水耕液を養液から水に置き換えた各群において、植物体のアスコルビン酸含有量は栽培日数に対応して急速に増加し、その増加の程度は日長時間が長い群におけるほど著しかった。具体的には、栽培1日後の時点において、日長時間が24時間の24W群では植物体のアスコルビン酸含有量は対照群の約1.7倍と顕著に増加しており、日長時間18時間の18W群においても約1.2倍と増加していた。また、栽培3日後の時点においては、日長時間15〜24時間の各群においてアスコルビン酸含有量が対照群の約1.2〜2.1倍と増加しており、増加の程度は日長時間が長い群におけるほど顕著であった。栽培5日後においては更に、対照群以外の何れの群についても植物体のアスコルビン酸含有量が増加しており、特に日長時間15〜24時間の群の植物体は、日長時間の長さと相関する形で、対照群の約1.7〜3倍のアスコルビン酸含有量を示した。
3.糖度(Brix(%)):
結果を図3に示す。5日間の栽培期間中に対照群の植物体の糖度には殆ど変化が見られなかったのに対し、栽培1日後の時点において、糖度は、日長時間を18時間とした18W群の植物体では対照群の約1.1倍、日長時間を21時間及び24時間とした21W群及び24W群においては、対照群の約1.2倍となった。また栽培3日後の時点においては、日長時間を15時間、18時間、21時間及び24時間とした15W群、18W群、21W群及び24W群の植物体で、糖度が対照群のそれぞれ約1.1倍、約1.3倍、約1.4倍及び約1.5倍と、増加が一層顕著となった。対照群以外の群の植物体の糖度は、栽培5日後の時点において更に増加し、特に、日長時間15時間の15W群、18時間の8W群、21時間の21W群及び24時間の24W群で、それぞれ対照群の約1.4倍、約1.6倍、約1.8倍及び約2倍となった。
4.葉厚
結果を図4に示す。葉厚についても、日長時間18時間の18W群から24時間の24W群まで、日長時間の長さに対応して対照群より厚くなるのが認められ、またそれは栽培日数を1日、3日及び5日と経るにつれて、一層顕著となった。一般に蛍光灯のような人工照明下での栽培では得られる植物体が軟弱であるという弱点があるが、この結果はその点について改善できることを示している。また、これらの群の植物体は、対照群の植物体に比して外観の緑色が濃く、水耕液中の硝酸態窒素を欠如させても色が薄くなる等の外観への悪影響が防止できることが確認された。
〔実施例1−2〕 レタスにおける水耕液及び日長時間変更による影響の検討−2
実施例1−1と同一の手順及び条件でリーフレタスを栽培(生育栽培及び調整栽培)し、以下の方法により植物体中のポリフェノール含有量を測定した。
植物体を液体窒素中で凍結させ破砕したサンプル1gに対し80%エタノールを10ml加えて、冷暗所で2時間静置し、3000rpmで5分間遠心分離して得られた上澄みをポリフェノール抽出液とした。抽出液のポリフェノール含有量を、フォーリンチオカルト法により測定した。すなわち抽出液1mlに1/2希釈したフェノール試薬(MPバイオケミカル社製)1mlを加えて混合し、更に10%炭酸ナトリウム水溶液を1ml加えて攪拌し室温で60分間静置した。その後、分光光度計(UV−160;島津製作所)にて吸光度700nmの吸光度を測定した。リファレンス試料としてケルセチンを用いて、試料中のポリフェノール含有量をケルセチン当量(mgケルセチン/100g)として算出した。結果を図5に示す。
日長時間18時間の18W群では、1日の調整栽培により、ポリフェノールの含有量は、対照群(12H群)と比較して43.5%増加し、また日長時間21時間の21W群及び24時間の24W群では、ポリフェノール含有量は更に増加する傾向が見られた。3日間の調整栽培では、18W群、21W群及び24W群は、ポリフェノール含有量の更に顕著な増加を示し、日長時間15時間の15W群、及び養液を水に換えただけの12W群においてさえも、増加したのに対し、対照群(12H群)では、逆に減少する傾向が見られた。5日間の調整栽培では、ポリフェノール含有量は、対照群では引き続き低下が認められたのに対し、18W群、21W群及び24W群の何れにおいても更に直線的に増加を続けており、15W群においても大幅に増加しているのが認められた。
〔実施例1−3〕
葉緑素は、皮膚疾患や火傷等において回復促進作用を示すことが知られている。また葉緑素含有量が多いすなわち緑色の濃い野菜が好まれる傾向があり、葉緑素含有量が多いことは野菜の商品価値の向上につながる。更に、葉緑素含有量とβ−カロテンの含有量とが高い相関を示すことが知られており、葉緑素含有量の増加はβ−カロテン含有量の増加を伴う可能性が高い。β−カロテンは、人体に摂取されるとビタミンAと同様の作用を示し、癌の増殖阻害や免疫機能の強化に有用な成分であることが知られている。そこで本発明の方法が野菜の葉緑素含有量に与える効果について検討した。
実施例1−1と同一の手順及び条件でリーフレタスを栽培(生育栽培及び調整栽培)し、葉緑素計SPAD502(コニカミノルタ製)を用いて、上記光処理を行ったレタスの葉中の葉緑素含有量を測定した。
結果を図6に示す。日長時間18時間の18W群では、僅か1日の調整栽培により、葉緑素含有量は、対照群(12H群)と比較して15.2%増加し、日長時間21時間の21W群及び24時間の24W群では、更に増加した。また、3日間及び5日間の調整栽培により、葉緑素含有量は、日長時間15時間の15W群でも増加したが、18W群、21W群及び24W群における葉緑素量の増加はこれより遥かに顕著であった。
〔実施例2〕 レタスにおける水耕液中の硝酸態窒素濃度の検討
調整栽培における水耕液中の硝酸態窒素濃度と植物体の硝酸イオン含有量との関係を検討した。
(栽培方法)
レタスとして、リーフレタスを用いた。播種後30日間水耕栽培(生育栽培)により育苗した植物体を無作為に5群に分け、うち4群については水耕液の濃度を硝酸態窒素濃度38〜170ppm(EC=0.4〜1.8mS/cm)とし、残り1群については水耕液を水道水(硝酸態窒素濃度1.29ppm以下)に置き換えて、それぞれ日長時間を18時間、光強度を10,000〜15,000luxとして湛水式水耕栽培を4日間継続した後、植物体を収穫して、実施例1に記載した方法で硝酸イオン含有量を測定した。
(結果)
結果を図7に示す。水耕液中の硝酸態窒素濃度170ppmで栽培した場合の植物体の硝酸イオン含有量(約390mg/100g)に比して、38ppmまで濃度を下げた栽培での植物体の硝酸イオン含有量はもとの約85%(約330mg/100g)までしか低下しなかった。これに対し、水耕液を水道水に置き換えた場合には、もとの約33%(約130mg/100g)まで低減した。これらの結果からみて、本発明の目的のためには、調整栽培の段階における水耕液の硝酸態窒素濃度は約15ppm以下とするのが好ましい。
〔実施例3〕 野菜類における水耕液および日長時間の変更の効果の検討
水菜、小松菜、春菊について、水耕液および日長時間の変更の効果を以下のようにして検討した。
(栽培方法)
水菜、小松菜、春菊を、それぞれ各野菜についての最適期間である21日間、28日間及び32日間生育栽培した後、野菜毎に無作為に4群に分割し、うち3群について水耕液を水道水に変更すると共に日長時間を12時間、18時間及び21時間にそれぞれ設定して湛水式水耕栽培を1日継続した。残り1群(対照群)については条件を日長時間は12時間、水耕液は養液のまま(硝酸態窒素濃度約170ppm、EC=1.8mS/cm)として湛水式水耕栽培を1日継続した。次いで植物体を収穫し、各群の植物体につき、硝酸イオン含有量及びアスコルビン酸含有量並びに糖度を、実施例1と同様にして測定した。
(結果)
結果を図8〜10に示す。
1.硝酸イオン含有量
図8に各群の植物体の硝酸イオン含有量を示す。図に見られるとおり、水耕液を水に変更すると共に日長時間を18時間以上とすることにより、僅か1日の調整栽培で、硝酸イオン含有量の低減が認められた。水菜及び小松菜では、水耕液の水への変更及び日長時間を12時間とした群でも硝酸イオン含有量の僅か(10%未満)の低減が認められたものの、水耕液の変更及び日長時間を18時間以上とした群では、硝酸イオン含有量の低減は、はるかに顕著であった。また何れの野菜についても、水耕液を水に変更し日長時間を21時間としたとき、硝酸イオン含有量の一層の低減が認められた。
2.アスコルビン酸含有量
図9に各群の植物体のアスコルビン酸含有量を示す。図にみられるように、水耕液を水道水に変更し日長時間12時間とした群(12W)では、1日の栽培では何れの植物体においてもアスコルビン酸含有量の増加は認められなかった。しかしながら、水耕液の変更と併せて日長時間を18時間とした群(18W)では、僅か1日の栽培でもアスコルビン酸含有量は顕著に増加した。対照群との比較における増加率は、水菜約33%、小松菜約28%、春菊約16%であった。また日長時間を21時間とした群(21W)ではアスコルビン酸含有量の増加は一層顕著となり、対照群との比較における増加率は、水菜約66%、小松菜約39%、春菊約38%であった。
3.糖度
図10に各群の植物体の糖度を示す。図にみられるように、水耕液を水道水に変更し日長時間12時間とした群(12W)では、1日の水耕栽培では糖度の増加は僅かであったが、日長時間を18時間とした群(18W)では、何れの植物体も、対照群との比較において糖度が15%以上向上していた。また日長時間を21時間とした群(21W)では、何れの植物体も、対照群との比較において糖度が20%以上向上していた。
〔実施例4−1〕 赤色レタスにおける水耕液および日長時間変更の効果の検討−1
赤色レタスとしてリーフレタスを用いて、水耕液および日長時間変更の効果を検討した。
(栽培方法)
上記リーフレタスを34日間生育栽培した後、無作為に4群に分割した。うち2群(14W、24W)については水耕液を水道水に変更すると共に日長時間をそれぞれ14時間及び24時間に設定し、残り2群(14H、24H)については水耕液を硝酸態窒素濃度約170ppm、EC=1.8mS/cmの養液とし日長時間を14時間及び24時間にそれぞれ設定して、何れも4日間栽培した。次いで各群の植物体を収穫して以下の項目につき分析・評価した。
(評価項目及び評価方法)
1.アントシアニン含有量測定
植物体を液体窒素中で凍結させ破砕したサンプル1gに対し、1%塩酸−メタノールを10ml加えて冷蔵庫に一晩静置し、アントシアニンを抽出した。その後3,000rpmで10分間遠心分離を行い、分光光度計(UV−160:島津製作所製)にて530nm及び657nmにおける吸光度を測定し、以下の計算式:
アントシアニン量 A’530=A530−A657×0.25
により、クロロフィルによる吸光の影響を除いた値をアントシアニン含有量とした(参考文献Plant Physiol. (1991) 96、1079-1085) 。
2.色相値解析
色相値は色味の違いを示す値であり、外観の赤色の発色を評価することができる。植物体の真上70cmからデジタルカメラ(μ725SW:OLYMPUS製)にて640×480ピクセルの画像を、照明条件を一定にして撮影した。撮影した画像を三原色のカラープレーンに分解し、レタス領域の画素の色情報から、当該画像全体の平均としての色相値を算出した。
3.全糖含有量測定
植物体を液体窒素中で凍結させ破砕したサンプル1gに蒸留水10mlを加え、95℃で1時間加熱して抽出した。適当な濃度となるよう希釈した分析試料に等量の5%フェノール溶液を加えた後、2.5倍量の濃硫酸を加えてすぐに攪拌した。20分室温で放置し、分光光度計(UV−160:島津製作所製)にて490nmにおける吸光度を測定した。標準溶液(グルコース水溶液)の検量線から、全糖含有量を算出した。
(結果)
結果を図11及び12に示す。
1.アントシアニン含有量及び色相値
結果を図11に示す。水耕液を水道水に変更すると共に日長時間を24時間とした群(24W)では、アントシアニン含有量は対照群(14H)に比して3.6倍と著しく増加しており、また外観の色の指標である色相値は、赤色を示す方向へ約40°変位しており、また肉眼的にも赤色レタスとしての色を呈していた。これに対し、対照群に比して、水耕液を水道水に変更しただけの群(14W)も、日長時間を24時間に延長しただけの群(24H)の何れも、植物体のアントシアニン量の増加は限定的であり、前者では約1.2倍、後者では約1.8倍に止まり、色相値において赤方への変位は僅か5°程度に過ぎず、肉眼的にも着色は僅かしか見られなかった。このことは、アントシアニン含有量の十分な増加と十分な赤色の着色のためには、水耕液の水への変更と日長時間の延長とを併せて行うことが極めて効果的であることを示している。
2.全糖含有量
結果を図12に示す。植物体の全糖含有量は、対照群(14H)に比して、水耕液を水道水に変更し且つ日長時間を24時間とした群(24W)において、約2.5倍と著しく増加していた。これに対し、対照群に比して、水耕液を水道水に変更しただけの群(14W)及び日長時間を24時間に延長しただけの群(24H)では、植物体の全糖含有量は対照群の1.5〜1.6倍に止まった。このことは、さまざまな有用成分の元となる全糖含有量の十分な増加のためには、水耕液の水への変更と日長時間の延長とを併せて行うことが極めて効果的であることを示している。
〔実施例4−2〕 赤色レタスにおける水耕液および日長時間変更の効果−2
実施例4−1と同様にしてリーフレタスを32日間生育栽培した後、無作為に7分割し、うち5群については、水耕液を水道水に変更し且つ日長時間を12時間(12W)、15時間(15W)、18時間(18W)、21時間(21W)及び24時間(24W)にそれぞれ設定した。残り2群については、水耕液を硝酸態窒素濃度約170ppm、EC=1.8mS/cmの養液とし日長時間を12時間及び24時間にそれぞれ設定(12H、24H)した。各群の植物体を1〜3日栽培し、栽培1日後及び3日後の時点での各群の植物体のアントシアニン含有量及び色相値を、実施例4−1の方法に従って求めた。
(結果)
結果を図13及び14に示す。
図13に栽培1日後における結果を、図14に栽培3日後における結果を、それぞれ示す。対照群(12H)との比較において、水耕液を水道水に変更し日長時間を18時間とした群(18W)では、1日の栽培後に植物体のアントシアニン含有量が約26%増加し色相値も赤方に変位していた。また水耕液を水道水に変更し日長時間を21時間とした群(21W)では、1日の栽培後に植物体のアントシアニン含有量及び色相値の双方共に大幅に向上し、肉眼的にも葉に赤色の発色が認められた。また3日間の栽培後には、前者(18W)でアントシアニン含有量の2.5倍以上への増加及び色相値の15°以上の赤方への変位が、後者(21W)でアントシアニン含有量の3.5倍以上への増加及び色相値の30°以上の赤方への変位が、それぞれ認められ、何れも赤色がより強くなった。これに対し、水耕液として養液を用い日長時間を24時間に設定した群(24H)では、1日の栽培後にアントシアニン含有量及び色相値に向上が見られたものの、3日間の栽培後にはアントシアニン含有量及び色相値共に、対照群(12H)と同程度にまで後退した。
〔実施例5〕 赤色レタスの調整栽培における光強度と硝酸イオン含有量の低減効果との関係の検討
赤色レタスを用いて、水耕液を水に変更して水耕栽培した場合における日長時間24時間での光強度と植物体の硝酸イオン含有量の低減効果との関係を検討した。
(方法)
実施例4−1と同様にして生育栽培した赤色レタスを無作為に3群にわけ、何れの群についても水耕液を水に変更すると共に、光強度10,000〜15,000luxで日長時間12時間(P群)、光強度5,000〜7,500luxで日長時間24時間(Q群)、及び光強度10,000〜15,000luxで日長時間24時間(R群)にそれぞれ設定して4日間栽培した後、各群の植物体の硝酸イオン含有量を測定した。
(結果)
結果を図15に示す。植物体の硝酸イオン含有量は、光強度を10,000〜15,000luxとし日長時間を12時間としたP群の142mg/100g(日長時間12時間)に比べ、光強度を5,000〜7,500lux、日長時間24時間としたQ群では133mg/100gと僅か7%程度の低下しか示さなかったが、光強度を10,000〜15,000luxとし日長時間を24時間としたR群では93mg/100gと約35%の顕著な低下を示した。また、肉眼的にもQ群では葉に赤色の発色の向上は認められなかったが、R群では顕著な赤色の発色が認められた。このことは、光強度5,000〜7,500luxでは実質的に効果がないことを示している。
〔実施例6〕 カブにおける水耕液及び日長時間変更の効果の検討
植物の養分貯蔵器官(シンク部位)においても本発明の方法による効果が得られるか否かを確認するため、カブを用いて、その養分貯蔵器官である肥大根の硝酸イオン含有量及び糖度が水耕液及び日長時間の変更によりどのように変化するかを調べた。すなわち、カブの種子を播種し28日間育成栽培した後、一部はそのまま養液を用いた日長時間12時間の対照群(12H群)とし、他は水耕液を水道水に変更し日長時間を12時間、18時間及び21時間に変えた群(それぞれ、12W群、18W群及び21W群)として、湛水式水耕栽培を1日又は5日間継続した。なお、光強度は、10,000〜15,000luxとした。次いで植物体を葉部および茎部(地上部)と根の肥大部(地下肥大部)とに分けて収穫し、それぞれの硝酸イオン含有量及び地下肥大部の糖度を測定した。
(結果)
1.硝酸イオン含有量:
結果を図16に示す。硝酸イオン含有量は、他の葉菜類と同様に水耕液を水に変更し日長時間を18時間、21時間とした群(それぞれ18W群、21W群)では、1日の栽培で、地上部、地下肥大部ともに対照群に比して18%を超える低減が見られた。また5日間の栽培では、硝酸イオンの低減は更に顕著となった。
2.糖度(Brix(%)):
結果を図17に示す。18W群、21W群では、僅か1日の栽培で対照群より糖度が5.4%以上増加し、5日間の栽培では更に大幅に増加した。これに対して日長時間は対照群と同じ12時間とし水耕液を水に変更したのみの群(12W群)では、糖度の増加は認められなかった。
〔実施例7〕 グルコシノレート含有量に対する水耕液及び日長時間の効果の検討
ケール等のアブラナ科植物を中心に含有されるカラシ油配糖体であるグルコシノレートは、ワサビやダイコンの辛味成分であるイソチオシアネートの前駆物質である。本成分は解毒機能を強化し、また抗癌作用を有することが知られている。またケールに含まれるグルコシノレートの殆どはシニグリンであることが分かっているが、人体に対しては、消化促進作用や利尿作用がある。また本成分の増加は、その独特の食味を増すことにもつながる。そこで、本発明の方法がケールのグルコシノレート含有量に与える効果について検討した。
実施例1−1と同一の手順及び条件でケールを最適期間である30日間生育栽培した後、無作為に6群に分け、うち5群については水耕液を水道水に変更すると共に日長時間を12時間、15時間、18時間、21時間及び24時間にそれぞれ設定して湛水式水耕栽培を1日継続した(それぞれ、12W群、15W群、18W群、21W群、24W群)。対照として残り1群(12H群)については日長時間を12時間、水耕液は養液のまま(硝酸態窒素濃度約170ppm、EC=1.8 mS/cm)として、湛水式水耕栽培を1日継続した。次いで植物体を収穫し、各群の植物体につき次の方法でグルコシノレート含有量を測定した。
植物体を液体窒素中で凍結させこれを粉砕したサンプル0.5gに、(1)70%熱メタノール2.5mlを加え75℃で10分間加熱し、3000rpmで2分間遠心して上澄みを採取する操作を行った。この(1)の操作を3回行い、抽出液を得た。抽出液のグルコシノレート含有量をパラジウム比色法により測定した。すなわち、抽出液0.5mlに2mM塩化パラジウムを3ml加え、30分間静置した後、分光光度計(UV−160;島津製作所)にて吸光度425nmを測定した。リファレンス試料としてシニグリンを用い、試料中のグルコシノレート含有量をシニグリン当量(μmol/g)として算出した。また別途、水耕液を水道水に変更し日長時間を12時間及び24時間とした群(それぞれ、12H群及び24H群)及び日長時間を12時間、水耕液は養液のままとした対照群(12H群)について湛水式水耕栽培を3日間行った後、植物体を収穫し、各群の植物体につき実施例1−1と同様の方法で硝酸イオン含有量を測定した。
グルコシノレートについての結果を図18に示す。水耕液を水に変更し日長時間を18時間、21時間及び24時間とした群(それぞれ、18W群、21W群及び24W群)では、僅か1日の処理で、グルコシノレート含有量は18%以上増加した。また硝酸イオン含有量を図19に示す。水耕液のみ変更した12W群では3日間の処理によって40%の低減をさせたのに対し、日長時間を合わせて変更した群(24W群)では57%の低減をさせることができていた。この差は実施例1−1のレタスでの試験と同様の傾向であることから、本植物種の調整栽培でも実施例1−1と同様の結果を示すと予測される。
本発明は、コストのかからない方法でアスコルビン酸、糖、グルコシノレート、ポリフェノール、葉緑素等の有用成分(栄養成分,食味成分その他)の含有量を速やかに高め、且つ硝酸イオン含有量を低減させた水耕栽培野菜を生産するために利用することができる。更には、葉厚や葉色の濃さを改善した葉菜の生産にも、また青色光源等の追加の光源を設置する必要なしにアントシアニン含有量を増加させて明瞭に着色させた野菜を生産するためにも利用することができる。

Claims (5)

  1. 生育条件としての栄養,光,水及び温度を管理した状態における人工照明下での水耕栽培による葉菜類野菜の生産方法であって、生育させた野菜を、その収穫直前に養液を水に置き換え且つ日長時間を20時間以上とし該日長時間における光強度の上限を20000luxとして,2日以上5日以内の期間水耕栽培するものである調整栽培に付すことを特徴とする、生産方法。
  2. 該野菜がレタス、水菜、ホウレンソウ、春菊、小松菜、チンゲンサイ、キャベツ、白菜、しそ、からし菜、ケール、及びハーブ類よりなる群から選ばれるものである、請求項1の生産方法。
  3. 該日長時間における光強度が少なくとも9,000luxである、請求項1又は2の何れかの生産方法。
  4. 該調整栽培において野菜の硝酸イオン含有量が低下するものである、請求項1ないしの何れかの生産方法。
  5. 該調整栽培において野菜の糖度、全糖、アスコルビン酸、アントシアニン、ポリフェノール、葉緑素、及び/又はグルコシノレート含有量が増加するものである、上記1ないしの何れかの生産方法。
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