JP5990042B2 - 通過人数推定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

通過人数推定方法及びコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5990042B2
JP5990042B2 JP2012141123A JP2012141123A JP5990042B2 JP 5990042 B2 JP5990042 B2 JP 5990042B2 JP 2012141123 A JP2012141123 A JP 2012141123A JP 2012141123 A JP2012141123 A JP 2012141123A JP 5990042 B2 JP5990042 B2 JP 5990042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
pixel
projection
foreground
estimating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012141123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014006655A (ja
Inventor
新井 啓之
啓之 新井
勇 五十嵐
勇 五十嵐
伊藤 直己
直己 伊藤
行信 谷口
行信 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2012141123A priority Critical patent/JP5990042B2/ja
Publication of JP2014006655A publication Critical patent/JP2014006655A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5990042B2 publication Critical patent/JP5990042B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

本発明は、通過人数を推定する技術に関する。
カメラ画像を利用して通路等を通過する通過人数を計測する技術は、マーケティングや安全管理支援の観点から必要とされており、すでに一部では実用化されている。これらの通過人数を計測するための技術を実現する様々な画像処理技術が提案されており、大きく2つのアプローチに分けることができる。
1つ目のアプローチは画像上に存在する個々の人物を検出しながらその位置を捕捉・追跡していく人物追跡技術(トラッキング技術)に基づくものである。しかし、人物追跡技術では、オクルージョン(画像において対象物が前にある別の物体に隠蔽されること)が発生することにより個々の人物の検出、追跡が困難になるという問題がある。このような問題は、例えば、大きな駅のコンコースのように人が多く混雑する場所に適用しようとした場合に、人と人とが画像上で重なり合ってしまうことにより生じる。
2つ目のアプローチは、個々の人物の検出を行わず、人物の集団全体をあたかも流体のようにひとまとまりのものとして捉える手法である(非特許文献1参照)。この手法では瞬間瞬間の領域内の人数と、一定時間内での集団全体の移動量(移動速度)とを算出することで通過人数を推定する。このような個々の人物の検出を必要としないアプローチは混雑時であっても安定に動作することが期待できる。
五十嵐勇、外3名、「局所移動量に関する投票に基づく集団移動量を用いた映像からの通過人数測定」、IS3-03、2011年画像センシングシンポジウム、2011年
上述した非特許文献1の方法では、時間的に隣接する2枚のフレーム画像間において、人物の特徴点の対応付けを行い、その対応付けの結果に基づいて集団全体の代表的な速度を推定していた。また、推定された代表的な速度と、瞬間瞬間の領域内の人数とを推定することにより通過人数を推定していた。
しかしながら、この方法では、人数の増加に伴い特徴点の数が多くなってくると、特徴点の対応付けのコストが非常に大きくなってしまうという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、通過人数推定にかかる計算コストを減少させる技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、撮影装置によって撮影されたフレーム画像系列から算出された前景画像の各画素の画素値と、前記撮影装置から被写体までの距離の違いによる画像上の大きさの違いを正規化するための変換係数が画素値として記録されている変換画像の各画素の画素値とを乗算することによって生成される前景係数画像の所定時間分に対して一次元射影を行うことによって一次元上の各位置における画素値の乗算結果の合計値である射影値を前記前景係数画像毎に取得し、取得した前記前景係数画像毎の射影値を時系列に並べることによって生成される射影画像の射影値の総和を求めることによって所定時間内の移動体の総数を取得する取得ステップと、前記射影画像の各画素において算出される勾配方向を投票することによってその最頻値を求めその最頻値を与える勾配方向と直交する線の傾きを求めることにより移動体の実空間における代表的な移動速度を推定し、推定した前記移動速度と、前記一次元射影における射影軸の長さとに基づいて前記移動体が滞在していた滞在時間を推定する滞在時間推定ステップと、前記取得ステップで取得した前記移動体の総数と、前記滞在時間推定ステップで推定した前記移動体の滞在時間と、を用いて通過した前記移動体の数を推定する通過推定ステップと、を有する推定方法である。
本発明の一態様は、撮影装置によって撮影されたフレーム画像系列から算出された前景画像の各画素の画素値と、前記撮影装置から被写体までの距離の違いによる画像上の大きさの違いを正規化するための変換係数が画素値として記録されている変換画像の各画素の画素値とを乗算することによって生成される前景係数画像の所定時間分に対して一次元射影を行うことによって一次元上の各位置における画素値の乗算結果の合計値である射影値を前記前景係数画像毎に取得し、取得した前記前景係数画像毎の射影値を時系列に並べることによって生成される射影画像の射影値の総和を求めることによって所定時間内の移動体の総数を取得する取得ステップと、前記射影画像の各画素において算出される勾配方向を投票することによってその最頻値を求めその最頻値を与える勾配方向と直交する線の傾きを求めることにより移動体の実空間における代表的な移動速度を推定し、推定した前記移動速度と、前記一次元射影における射影軸の長さとに基づいて前記移動体が滞在していた滞在時間を推定する滞在時間推定ステップと、前記取得ステップで取得した前記移動体の総数と、前記滞在時間推定ステップで推定した前記移動体の滞在時間と、を用いて通過した前記移動体の数を推定する通過推定ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
本発明により、通過人数推定にかかる計算コストを減少させることが可能となる。
通過人数推定システムのシステム構成を示す図である。 本発明の通過人数推定装置100の機能構成を表す概略ブロック図である。 スケール変換係数w(x,y)を算出する方法を表す図である。 一次元射影の処理の様子を示す図である。 一次元射影の処理の一例を表す図である。 オプティカルフローの方向に応じて生成される画像の具体例を表す図である。 射影画像の他の具体例を示す図である。 本発明の初期設定の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の通過人数推定の処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、通過人数推定システムのシステム構成を示す図である。本発明の通過人数推定システムは、固定カメラ10及び通過人数推定装置100を備える。
固定カメラ10は、セキュリティカメラのように斜め下向きに設置されており、撮影領域20を撮影する。また、固定カメラ10は、通路などの人物の移動方向に対して、真横もしくは斜め横方向から撮影することで、画像上の人物の動きが横方向の動き成分を持つように撮影する。すなわち、固定カメラ10に向かって真正面に近い方向で人物が移動することが少なくなるように固定カメラ10が設置される。
通過人数推定装置100は、情報処理装置を用いて構成される。通過人数推定装置100は、固定カメラ10が撮影したフレーム画像に基づいて画像処理を行うことによって、撮影領域20を通過した人数を推定する。
撮影領域20は、固定カメラ10によって撮影される領域である。符号30−1〜3は、撮影領域20を移動している人物を表す。矢印40−1〜3は、人物30−1〜3が移動している進行方向を表す。
図2は、本発明の通過人数推定装置100の機能構成を表す概略ブロック図である。通過人数推定装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、通過人数推定プログラムを実行する。通過人数推定プログラムの実行によって、通過人数推定装置100は、フレーム画像入力部101、スケール変換係数記憶部102、前景検出部103、オプティカルフロー検出部104、前景分割部105、一次元射影部106、射影画像生成部107、流動パラメータ推定部108、通過人数推定部109を備える装置として機能する。なお、通過人数推定装置100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、通過人数推定プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、通過人数推定プログラムは、電気通信回線を介して送受信されても良い。
フレーム画像入力部101は、固定カメラ10が撮影したフレーム画像を時系列順に入力する。
スケール変換係数記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。スケール変換係数記憶部102は、固定カメラ10によって撮影されるフレーム画像の各画素に対応するスケール変換係数w(x,y)を記憶している。
前景検出部103は、フレーム画像入力部101によって入力されたフレーム画像において前景画素を検出する。前景画素とは、一時的にその場に現れた物体(ここでは主に人物)に関する画素である。一方、定常的にその場所に存在している物体に関する画素を背景画素と呼ぶ。
前景画素の検出は、画像処理の分野で古くから存在する技術であり、既に様々な方法が提案されている。例えば、前景検出部103は、過去の一定時間(例えば、5分程度)の各画素の平均値を背景画素値として取得する。前景検出部103は、現在のフレーム画像の各画素値と背景画素値との差分の絶対値を算出し、その値が閾値以上である画素を前景画素として検出する。なお、上記処理は前景画素の検出処理の一例にすぎず、他の検出処理が用いられても良い。
オプティカルフロー検出部104は、フレーム画像入力部101によって入力された時間的に近接するフレーム画像において、オプティカルフローを検出する。以下、オプティカルフロー検出処理の一例について説明する。オプティカルフロー検出部104は、人物の特徴点を検出する。オプティカルフロー検出部104は、人物の特徴点の対応付けを行い、オプティカルフローを検出する。オプティカルフロー検出部104は、各画素に対するオプティカルフローを検出することで、フレーム画像の各画素における動きを検出する。
以上の処理によって、オプティカルフロー検出部104は、フレーム画像上における速度場Vx(x,y)及びVy(x,y)を取得する。Vxはx軸方向の速度成分を示し、Vyはy軸方向の速度成分を示す。これらの速度場Vx(x,y)及びVy(x,y)が各画素(x,y)について算出される。
前景分割部105は、前景検出部103が検出した前景画素と、オプティカルフロー検出部104が検出したオプティカルフローと、を用いて分割処理を行う。分割処理では、前景分割部105は、オプティカルフローの方向(例えば、左方向及び右方向)に応じて前景画素を分類し、左方向画像及び右方向画像を生成する。左方向画像とは、左方向の前景画素(以下、「左前景画素」という。)のみに背景画素値と異なる画素値を与えた画像である。右方向画像とは、右方向の前景画素(以下、「右前景画素」という。)のみに背景画素値と異なる画素値を与えた画像である。
一次元射影部106は、前景分割部105が分割した各画像(左方向画像及び右方向画像)とスケール変換係数w(x,y)と、を用いて所定の軸(例えば、x軸)に応じた射影値p(x)を算出する。
射影画像生成部107は、所定時間分のフレーム画像に応じた射影値p(x)を取得する。射影画像生成部107は、取得した各射影値p(x)を時系列に並べることで射影画像P(x,t)を生成する。
流動パラメータ推定部108は、射影画像生成部107が生成した射影画像P(x,t)に基づいて、流動パラメータを推定する。流動パラメータとは、撮影領域内における人物の移動に関するパラメータのことである。流動パラメータは、例えば、人物の移動速度、人物の滞在時間などである。
通過人数推定部109は、流動パラメータ推定部108が推定した流動パラメータを用いて、入力された所定時間分のフレーム画像における撮影領域の通過人数を推定する。
次に図3を用いて、スケール変換係数w(x,y)を算出する方法を説明する。
図3は、スケール変換係数w(x,y)を算出する方法を表す図である。図3(A)〜(C)は、それぞれ人物が固定カメラ10に近い場所、離れた場所、さらに離れた場所に位置する状態で撮影された画像の具体例を表す。このように、固定カメラ10で撮影された画像上では、固定カメラ10に近い場所に位置する人物は画像上で大きな面積を占め、固定カメラ10から離れた場所に位置する人物は画像上で小さな面積を占める。図(A)における一人分の前景画素の集合を集合fと表し、図3(B)における一人分の前景画素の集合を集合f1と表し、図3(C)における一人分の前景画素の集合を集合f2と表す。この場合、式1が成立するようなs(x,y)(sの上にハットを表記。以下同様。)を定義できる(参考文献1:新井啓之、外3名、「映像からの人数計測のための幾何不変量に関する検討」、映情学技報、vol.34、no.45、ME2010-163、pp.41-45参照)。
式1のシグマは、フレーム画像中の全ての画素(x,y)における総和を表す。上記のs(x,y)を用いてスケール変換係数w(x,y)を式2のように表すと、式3が成立する。
なお、スケール変換係数w(x,y)の具体的な算出方法については、必ずしも参考文献1に準拠する必要は無い。例えば以下のような方法によってスケール変換係数w(x,y)が算出されても良い。まず、固定カメラ10によって撮影されたフレーム画像の各画素が、実空間上の人物の高さ付近において、どの程度の表面積に対応するか(画素の実空間での広がり具合)を定量的に推定する。上述した推定を行い、スケール変換係数w(x,y)を近似的に求めることも可能である。
スケール変換係数w(x,y)は、カメラパラメータを用いて、各画素に対して予め算出される。スケール変換係数記憶部102は、算出されたスケール変換係数w(x,y)を予め記憶している。カメラパラメータとは、固定カメラ10の内部パラメータ及び外部パラメータである。例えば、内部パラメータは、固定カメラ10の構成に関するパラメータである。内部パラメータは、焦点距離、アスペクト比、歪みパラメータなどを表す。外部パラメータは、実空間上における固定カメラ10の位置(高さを含む)や向きに関するパラメータである。各カメラパラメータは、固定カメラ10のキャリブレーションを行うことで算出される。
カメラキャリブレーションでは、内部パラメータの推定と外部パラメータの推定とが行われる。内部パラメータの推定では、固定カメラ10の光学系(焦点距離、アスペクト比、歪みパラメータなど)が求められる。外部パラメータの推定では、実空間における固定カメラ10の3次元位置(X,Y,Z)と、固定カメラ10の撮影する方向(θ,φ,ω)とが求められる。3次元位置(X,Y,Z)において、例えば、X及びYは、撮影領域20上の二次元位置を表し、Zは床面からの高さを表す。固定カメラ10の撮影する方向(θ、φ、ω)において、例えば、θはx軸周りの回転を表し、φはy軸周りの回転を表し、ωはz軸周りの回転を表す。これら両方の推定結果に基づいてフレーム画像の各画素が実空間のどの位置を撮影しているか予め判定される。
なお、固定カメラ10の内部パラメータ及び外部パラメータを算出するカメラキャリブレーションには様々な技術が存在している。本実施形態ではどのような技術が適用されても良い。
図4は、一次元射影の処理の様子を示す図である。以下、図4を用いて一次元射影の処理について説明する。
図4(A)は、スケール変換係数画像を表す図である。スケール変換係数画像は、各画素にスケール変換係数w(x,y)が画素値として記録されている画像である。図4(B)上図は、前景画像を表す図である(人物の身体に対応する画素が前景画素であるとする)。前景画像とは、前景画素と背景画素とに異なる画素値を付与した画像である。例えば、前景画素に“1”を付与し、背景画素に“0”を付与した場合、前景画像の各画素値F(x,y)は以下の式4のとおりに表される。
図4(B)下図は一次元射影の結果の具体例を表す図である。図4(B)下図の縦軸は射影値p(x)を表し、横軸はx軸を表す。
一次元射影部106は、図4(B)上図の前景画像及び図4(A)のスケール変換係数画像の各画素値を乗算することによって、前景係数画像を生成する。前景係数画像の各画素の画素値は、w(x,y)とF(x,y)との乗算結果である。すなわち、前景画素のみがスケール変換係数w(x,y)を有し、背景画素は“0”を有する。一次元射影部106は、前景係数画像に対し一次元射影を行う。本実施形態では、一次元射影部106は、前景係数画像をx軸に一次元射影する。一次元射影によって得られる各X座標の値が射影値p(x)である。したがって、射影値p(x)は式5のように表される。なお式5のシグマは画像の高さ方向の座標yに関する和である。
なお、上述した処理において、一次元射影部106が射影する軸は必ずしもx軸上でなく、画像上の任意の直線への射影が可能である。画像を所定の角度だけ予め回転してから処理を行うことによって、上記のx軸への射影と同様の処理で、任意の直線上への一次元射影が可能となる。どの方向を射影軸として選ぶかは、画像内での人物の移動方向に応じて決定されても良い。固定カメラ10が、通路を横方向から撮影する場合には、画像上での人物の動きは左右方向への移動となるため、x軸(画像の横方向)への射影が望ましい。
図5は、一次元射影の処理の一例を表す図である。図5(A)は、固定カメラ10が撮影したフレーム画像を表す。横軸はx軸を表し、縦軸はy軸を表す。図5(B)は、図5(A)に示されるフレーム画像の前景画像を表す。図5(C)は、一次元射影の結果の具体例を表す。
図6は、オプティカルフローの方向に応じて生成される画像の具体例を表す図である。図6(A)は、オプティカルフローの方向に応じて前景画素に異なる画素値を付与することによって生成した方向画像の具体例を表す図である。いいかえると、図6(A)は、左前景画素と右前景画素と背景画素とにそれぞれ異なる画素値を与えることによって生成された画像である。
図6(A)では、フレーム画像中で右方向(つまり正の方向)への移動が観測された前景画素(右前景画素)に第一の値を画素値として与え、左方向(つまり負の方向)への移動が観測された前景画素(左前景画素)に第二の値を画素値として与え、背景画素に第三の値を画素値として与えている。右方向画像の画素値をR(x,y)、左方向画像の画素値をL(x,y)、と定義すると、各画素値は式6によって算出される。
一次元射影部106は、前景画像として、右方向画像と左方向画像とをそれぞれ用いることによって前景係数画像を生成する。具体的には、一次元射影部106は、右方向画像とスケール変換係数画像の各画素値を乗算することによって、右前景係数画像を生成する。一次元射影部106は、左方向画像とスケール変換係数画像の各画素値を乗算することによって、左前景係数画像を生成する。右前景係数画像の各画素の画素値は、w(x,y)とR(x,y)との乗算結果である。左前景係数画像の各画素の画素値は、w(x,y)とL(x,y)との乗算結果である。
図6(B)は、左前景係数画像の一次元射影の結果の具体例を表す図である。図6(C)は、右前景係数画像の一次元射影の結果の具体例を表す図である。図6(D)は、射影画像P(x、t)の具体例を表す図である。射影画像P(x,t)は、左前景係数画像及び右前景係数画像の各射影値p(x)を時系列に並べることによって生成される。射影画像P(x、t)の横軸xは、フレーム画像のx軸であり、縦軸tは固定カメラ10が撮影した時刻を表す。右前景係数画像の射影値p(x)に対する射影画像をPr(x,t)と表し、左前景係数画像の射影値p(x)に対する射影画像をPl(x,t)と表す。流動パラメータ推定部108は、Pr(x,t)又はPl(x,t)によって形成される線の傾きを推定することによって、人物の代表的な移動速度を推定する。
図7は、射影画像の他の具体例を示す図である。以下、図7を用いて通過人数を推定する処理について説明する。射影画像Pl(X,T)を用いる。射影画像Pl(X,T)の横軸Xは、フレーム画像のx軸であり、縦軸Tは固定カメラ10が撮影した時刻を表す。流動パラメータ推定部108は、射影画像Pl(X,T)の線の傾きを求める。この線の傾きを求める方法として、射影画像Pl(X,T)の勾配検出による方法がある。流動パラメータ推定部108は、射影画像Pl(X,T)の各画素について勾配方向(図7の矢印の向く方向)を算出する。勾配方向の算出方法は、縦・横方向の1次微分フィルタを適用して各方向成分の逆正接をとることで算出しても良い。
流動パラメータ推定部108は、算出された勾配方向について射影画像Pl(X,T)の各画素から投票を行う。投票は、射影画像Pl(X,T)の各画素から算出された勾配方向において、同じ角度(例えば、1度単位ごとに分ける)が算出される毎に、一票ずつ票を追加していく処理である。流動パラメータ推定部108は、投票された結果に基づいて勾配方向の最頻値を推定する。
流動パラメータ推定部108は、推定された勾配方向の最頻値を、射影画像Pl(X,T)の勾配方向とする。この勾配方向に直交する線(図7において右下から左上方向に伸びる線)の傾きを、射影画像Pl(X,T)の代表的な速度(以下、速度Vと表す)と推定する。流動パラメータ推定部108は、速度V及び射影画像Pl(X,T)のx軸から、人物の滞在時間τを推定する。滞在時間とは、撮影領域20に人物が滞在していた時間である。したがって、人物の滞在時間τは式7のように表される。
式7によって求められた滞在時間τは、速度Vで撮影領域20を通過する一人の人物が所定時間分のフレーム画像に滞在していた時間である。
次に、流動パラメータ推定部108は、所定時間における射影画像Pl(X,T)全体(0〜T)の射影値p(x)の総和Nsumを求める。この、射影値p(x)の総和Nsumは、式8のように表される。
Nsumは、所定時間分の左方向画像に基づいて、左前景画素に対応するスケール変換係数w(x,y)の総和をとったものである。つまり、Nsumは、各左方向画像に存在した撮影領域20を通過する人物の人数を、固定カメラ10の撮影時刻0〜Tの間で撮影された全左方向画像から加算した結果となっている。以上の結果より、通過人数推定部109は、人物の滞在時間τと所定時間分の左前景画像の総和Nsumとを用いて、左方向に通過した人数(通過人数)Nを推定する。通過人数Nを推定する式は、式9のように表される。
上述した式9に基づいて、通過人数推定部109は、通過人数Nを推定する。また、通過人数推定部109は、右方向に移動する人物についての通過人数も同様の方法で推定する。
次に、図8及び図9を用いて本発明の処理の流れを説明する。
図8は、本発明の初期設定の処理の流れを示すフローチャートである。この初期設定の処理は、通過人数の計測を行う前に一度しておけばよい処理である。初期設定は、例えば通過人数推定システムの管理者によって実行されても良い。まず、管理者は、固定カメラ10のキャリブレーションを行い、カメラパラメータを算出する(ステップS101)。そして、管理者は、カメラパラメータを用いて、画像上の位置に対する大きさの違いを正規化するスケール変換係数w(x,y)を算出する(ステップS102)。管理者は、算出したスケール変換係数w(x,y)を、通過人数推定装置100のスケール変換係数記憶部102に記録しておく。
図9は、本発明の通過人数推定の処理の流れを示すフローチャートである。まず、フレーム画像入力部101が、フレーム画像を時系列に入力する(ステップS201)。前景検出部103は、フレーム画像入力部101によって入力されたフレーム画像の前景画素を検出する(ステップS202)。オプティカルフロー検出部104は、フレーム画像入力部101によって入力された時間的に近接するフレーム画像から人物の特徴点を検出する。オプティカルフロー検出部104は、フレーム画像から人物の特徴点を検出した後、フレーム画像の特徴点を対応付けて、オプティカルフローを検出する。(ステップS203)。
前景分割部105は、前景検出部103が検出した前景画素と、オプティカルフロー検出部104が検出したオプティカルフローと、を用いて分割処理を行う。前景分割部105は、オプティカルフローの方向に応じて前景画素を分類し、左方向画像及び右方向画像を生成する(ステップS204)。一次元射影部106は、前景分割部105が分割した各画像と、スケール変換係数w(x,y)との各画素値を乗算することによって、前景係数画像を生成する。その後、一次元射影部106は、前景係数画像に対し一次元射影を行い、射影値p(x)を取得する。射影画像生成部107は、一次元射影部106が取得した射影値p(x)を時系列に並べることで射影画像P(x,t)を生成する(ステップS205)。
次に、流動パラメータ推定部108は、流動パラメータの推定から所定時間が経過したか否か判断する(ステップS206)。流動パラメータの推定から所定時間が経過した場合(ステップS206−YES)、流動パラメータ推定部108は、射影画像P(x,t)に形成された線の勾配を推定する処理を行う(ステップS207)。流動パラメータ推定部108は、推定した射影画像P(x,t)の線の勾配から人物の代表的な速度を推定する。流動パラメータ推定部108は、所定時間分の全フレーム画像における撮影領域20の通過人数を推定する(ステップS208)。通過人数推定部109は、流動パラメータ推定部108が推定した人物の滞在時間τと、流動パラメータ推定部108が推定した所定時間分の全フレーム画像の通過人数と、に基づいて通過人数を推定する(ステップS209)。
一方、流動パラメータの推定から所定の時間が経過していない場合、通過人数推定システムは、ステップS201の処理に戻り、通過人数を推定する処理を繰り返し実行する(ステップS206−NO)。なお、通過人数推定システムは、ユーザによる終了指示が入力されるか、ユーザによって電源が落とされるまで上記の処理を繰り返し実行する。
以上のように構成された通過人数推定システムによれば、人物の高さに関する各特徴点の対応付けを行わずに、人物の移動方向を検出することで射影画像を生成する。生成した射影画像から射影値の勾配を算出することで、代表的な人物の移動速度Vを検出できる。そして、代表的な人物の移動速度Vを検出することで、通過人数を推定することができる。そのため、通過人数を推定する際にかかる特徴点の対応付けの計算コストを減少することが可能となる。
<変形例>
固定カメラ10と通過人数推定装置100とが一体化して構成されても良い。
固定カメラ10が撮影したフレーム画像を一度ハードディスクなどの記録媒体に記録して、通過人数推定装置100がフレーム画像を読み出しながら処理を行っても良い。
通過人数推定装置100が、長時間にわたり通過人数を推定する際(例えば、1時間などの時間幅T)、時間幅Tの間での通過人数を上述した方法で繰り返し計測を行っても(1分ごとの計測を60回行い、結果を加算していく)良いし、時間幅Tを1時間として一気に計測しても良い。
なお、通過人数推定装置100が、時間幅Tを1時間として一気に計測する場合、時間幅Tの間に流動の状態(速度や人数)が大きく変化するような場所では、短い時間間隔tで繰り返し計測を行うことが望ましい。
前景検出部103は、各画素の移動方向の平均値を背景画素値として取得しても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。以下にその一例を記載する。仮に人物の流動方向が一方向に固定されているような場所では、上述した説明において、オプティカルフローの検出およびオプティカルフローによる前景画像の分類(分割)、を行わずとも、通過人数の推定が可能である。この場合は、図6(D)の射影画像P(x、t)は、前景画像そのものの射影画像P(x、t)となり、左右の方向別に分類(分割)されていない画像となる。この画像に対して、上記の例と同様に投票により勾配(滞在時間τ)を算出できることは自明である。
10…固定カメラ, 20…撮影領域, 30−1〜3…人物, 40−1〜3…矢印(進行方向), 100…通過人数推定装置, 101…フレーム画像入力部, 102…スケール変換係数記憶部, 103…前景検出部, 104…オプティカルフロー検出部, 105…前景分割部, 106…一次元射影部, 107…射影画像生成部, 108…流動パラメータ推定部, 109…通過人数推定部

Claims (2)

  1. 撮影装置によって撮影されたフレーム画像系列から算出された前景画像の各画素の画素値と、前記撮影装置から被写体までの距離の違いによる画像上の大きさの違いを正規化するための変換係数が画素値として記録されている変換画像の各画素の画素値とを乗算することによって生成される前景係数画像の所定時間分に対して一次元射影を行うことによって一次元上の各位置における画素値の乗算結果の合計値である射影値を前記前景係数画像毎に取得し、取得した前記前景係数画像毎の射影値を時系列に並べることによって生成される射影画像の射影値の総和を求めることによって所定時間内の移動体の総数を取得する取得ステップと、
    前記射影画像の各画素において算出される勾配方向を投票することによってその最頻値を求めその最頻値を与える勾配方向と直交する線の傾きを求めることにより移動体の実空間における代表的な移動速度を推定し、推定した前記移動速度と、前記一次元射影における射影軸の長さとに基づいて前記移動体が滞在していた滞在時間を推定する滞在時間推定ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記移動体の総数と、前記滞在時間推定ステップで推定した前記移動体の滞在時間と、を用いて通過した前記移動体の数を推定する通過推定ステップと、
    を有する推定方法。
  2. 撮影装置によって撮影されたフレーム画像系列から算出された前景画像の各画素の画素値と、前記撮影装置から被写体までの距離の違いによる画像上の大きさの違いを正規化するための変換係数が画素値として記録されている変換画像の各画素の画素値とを乗算することによって生成される前景係数画像の所定時間分に対して一次元射影を行うことによって一次元上の各位置における画素値の乗算結果の合計値である射影値を前記前景係数画像毎に取得し、取得した前記前景係数画像毎の射影値を時系列に並べることによって生成される射影画像の射影値の総和を求めることによって所定時間内の移動体の総数を取得する取得ステップと、
    前記射影画像の各画素において算出される勾配方向を投票することによってその最頻値を求めその最頻値を与える勾配方向と直交する線の傾きを求めることにより移動体の実空間における代表的な移動速度を推定し、推定した前記移動速度と、前記一次元射影における射影軸の長さとに基づいて前記移動体が滞在していた滞在時間を推定する滞在時間推定ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記移動体の総数と、前記滞在時間推定ステップで推定した前記移動体の滞在時間と、を用いて通過した前記移動体の数を推定する通過推定ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
JP2012141123A 2012-06-22 2012-06-22 通過人数推定方法及びコンピュータプログラム Expired - Fee Related JP5990042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141123A JP5990042B2 (ja) 2012-06-22 2012-06-22 通過人数推定方法及びコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141123A JP5990042B2 (ja) 2012-06-22 2012-06-22 通過人数推定方法及びコンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014006655A JP2014006655A (ja) 2014-01-16
JP5990042B2 true JP5990042B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=50104327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012141123A Expired - Fee Related JP5990042B2 (ja) 2012-06-22 2012-06-22 通過人数推定方法及びコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5990042B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6622150B2 (ja) 2016-06-29 2019-12-18 株式会社東芝 情報処理装置および情報処理方法
JP6564756B2 (ja) * 2016-10-26 2019-08-21 日本電信電話株式会社 流動状況計測装置、方法、及びプログラム
JP6867612B1 (ja) * 2019-12-19 2021-04-28 日本電気株式会社 計数システム、計数方法、プログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3831112B2 (ja) * 1998-03-30 2006-10-11 東日本旅客鉄道株式会社 移動物体計測装置
JP5478520B2 (ja) * 2010-02-18 2014-04-23 日本電信電話株式会社 人数計測装置、人数計測方法、プログラム
JP5658963B2 (ja) * 2010-09-29 2015-01-28 オリンパス株式会社 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014006655A (ja) 2014-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6374107B2 (ja) アイトラッキングシステムのための改良されたキャリブレーション
JP5976198B2 (ja) 人数計数装置および人数計数方法
KR102070562B1 (ko) 이벤트 기반 이미지 처리 장치 및 그 장치를 이용한 방법
JP3944647B2 (ja) 物体計測装置、物体計測方法、およびプログラム
JP6779699B2 (ja) 画像処理装置、情報処理方法及びプログラム
US9361706B2 (en) Real-time optical flow sensor design and its application to obstacle detection
JP6159179B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法
CN107016705A (zh) 计算机视觉系统中的地平面估计
Zhu et al. A computer vision-based system for stride length estimation using a mobile phone camera
KR102001636B1 (ko) 이미지 센서와 대상 객체 사이의 상대적인 각도를 이용하는 깊이 영상 처리 장치 및 방법
JP5990042B2 (ja) 通過人数推定方法及びコンピュータプログラム
JP7484924B2 (ja) 撮像装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラム
JP2013246490A (ja) 推定装置、推定方法及びコンピュータプログラム
KR101640527B1 (ko) 단일객체의 크기를 추정하는 영상 감시장치 및 방법
JP2018197945A (ja) 障害物検出装置および障害物検出方法
JP2004046464A (ja) 移動物体3次元位置推定装置及びその方法、プログラム並びにその記録媒体
JP2009294755A (ja) 混雑度計測装置、混雑度計測方法、混雑度計測プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP5559749B2 (ja) 位置検出装置、位置検出方法及びコンピュータプログラム
JP4675368B2 (ja) 物体位置推定装置、物体位置推定方法、物体位置推定プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
Rajakaruna et al. Image deblurring for navigation systems of vision impaired people using sensor fusion data
JP2018097776A (ja) 障害物検出装置および障害物検出方法
JP5419925B2 (ja) 通過物体数計測方法、通過物体数計測装置、及びプログラム
JP6023678B2 (ja) 人数計測方法、人数計測装置及び人数計測プログラム
JP2011090465A (ja) 物体位置推定装置および物体位置推定プログラム
JP6995960B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5990042

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees