しかしながら、上記サンシェードの駆動装置では、ケーブルがシェード軸からモータを介してサンシェードの先端部まで延びているため、ケーブルの長さが長くなる。また、第1,第2の両ケーブルドラムは、サンシェードの巻数に比例して形成する必要があるため、両ケーブルドラムがシェード軸方向に大きくなり、サンシェード装置が幅方向に大型化する可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮し、ケーブルの長さが長くなることを抑制しつつサンシェードの巻取時と引出時とのモータの作動負荷の差を抑制できるサンシェード装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のサンシェード装置は、シート状のサンシェードの基端部が固定され、巻取方向へ回転されることで前記サンシェードを巻取ると共に、前記サンシェードの先端部が引出されることで引出方向へ回転される巻取軸と、長尺状に形成され、一端部が前記サンシェードの先端部に連結され、長手方向へ移動されることで前記サンシェードの先端部を前記巻取軸に接近する方向又は前記巻取軸から離間する方向へ移動させるケーブルと、モータの回転に伴って回転されると共に、前記ケーブルに噛合され、回転されることで前記ケーブルを移動させる駆動側回転体と、前記ケーブルと前記巻取軸との間に設けられ、前記ケーブルの移動に伴って前記駆動側回転体と同一回転数で回転されると共に外径が前記駆動側回転体における前記ケーブルとの噛合ピッチ円と同径に設定されかつ前記モータが正転又は逆転された際に前記巻取軸に巻取られた前記サンシェードに当接されて前記巻取軸を巻取方向へ回転させる巻取ローラを有する巻取機構と、を備えている。
請求項1に記載のサンシェード装置によれば、巻取軸にサンシェードの基端部が固定されており、サンシェードの先端部はケーブルの一端部に連結されている。このケーブルには、駆動側回転体が噛合されており、駆動側回転体は、モータの回転に伴って回転される。そして、駆動側回転体が回転されると、ケーブルが移動されて、ケーブルの移動に伴ってサンシェードの先端部が巻取軸に接近する方向又は巻取軸から離間される方向へ移動される。
また、ケーブルと巻取軸との間には、巻取機構が設けられている。この巻取機構は巻取ローラを有しており、巻取ローラはケーブルの移動に伴って回転される。そして、モータが正転又は逆転された際に、巻取軸に巻取られたサンシェードに巻取ローラが当接されて、巻取軸が巻取方向へ回転される。
このため、サンシェードを巻取軸によって巻取る場合には、駆動側回転体が回転方向一方側へ回転されることで、ケーブルが移動されて、サンシェードの先端部が巻取軸に接近する方向へ移動される。また、この際には、巻取軸に巻取られたサンシェードに巻取ローラが当接されて、巻取軸が巻取方向へ回転される。
ここで、巻取ローラは、駆動側回転体と同一回転数で回転されると共に、巻取ローラの外径が、駆動側回転体におけるケーブルとの噛合ピッチ円と同じ径に設定されている。このため、サンシェードの先端部における移動量(すなわちケーブルの移動量)と、サンシェードが巻取軸に巻取られる量と、が同じになる。これにより、サンシェードが弛むことなく巻取軸に巻取られる。
一方、サンシェードを巻取軸から引出す場合には、駆動側回転体が回転方向他方側へ回転されることで、ケーブルが移動されて、サンシェードの先端部が巻取軸から離間する方向へ移動される。これにより、サンシェードが巻取軸から引出されて、巻取軸が引出方向へ回転される。したがって、この場合にも、サンシェードが弛むことなく巻取軸から引出される。
以上により、請求項1に係るサンシェード装置では、サンシェードの弛みを抑制するために巻取軸を巻取方向へ常に付勢する必要がなくなる。したがって、サンシェードを巻取る際と引出す際とのモータの作動負荷の差を抑制できる。
しかも、ケーブルはサンシェードの先端部と駆動側回転体(モータ)とを連結しているため、例えば、ケーブルがサンシェードの先端部から駆動側回転体(モータ)を経由して巻取軸へ延びる場合と比べて、ケーブルの長さを短くできる。
請求項2に記載のサンシェード装置は、請求項1に記載のサンシェード装置において、前記巻取機構は、前記ケーブルと噛合され、前記ケーブルの移動に伴って回転されると共に、前記駆動側回転体と同一回転数で回転される巻取側回転体と、連結軸を介して前記巻取側回転体と一体回転可能に連結された中間ローラと、を含んで構成されており、前記巻取ローラの外周面と前記中間ローラの外周面とが当接されて前記巻取ローラ及び前記中間ローラが同一回転数で回転される。
請求項2に記載のサンシェード装置によれば、巻取機構が巻取側回転体を含んで構成されている。この巻取側回転体は、ケーブルと噛合されてケーブルの移動に伴って回転される。また、巻取側回転体には、中間ローラが連結軸を介して一体回転可能に連結されている。つまり、中間ローラが巻取側回転体と同一回転数で回転される。そして、中間ローラの外周面と巻取ローラの外周面とが当接されて、中間ローラ及び巻取ローラが互いに回転される。これにより、ケーブルの直線運動を巻取側回転体によって回転運動に変換して、巻取側回転体によって変換された回転が中間ローラを介して巻取ローラへ伝達される。
さらに、巻取側回転体は駆動側回転体と同一回転数で回転されると共に、中間ローラは巻取ローラと同一回転数で回転される。すなわち、駆動側回転体におけるケーブルとの噛合いピッチ円の径、巻取側回転体におけるケーブルとの噛合いピッチ円の径、中間ローラの外径、及び巻取ローラの外径、が各々同じ径寸法に設定されて、巻取ローラが駆動側回転体と同一回転数で回転される。
以上により、巻取側回転体によってケーブルの直線運動を回転運動に変換して、駆動側回転体と巻取ローラとを同一回転数で回転させることができる。
請求項3に記載のサンシェード装置は、請求項2に記載のサンシェード装置において、前記巻取機構は、前記巻取ローラを回転可能に支持すると共に前記連結軸に回転可能に支持された支持プレートと、前記支持プレートと前記中間ローラとを一体回転可能に連結するクラッチと、を有しており、前記支持プレートが回転されることで、前記巻取ローラが巻取軸に対して接離移動され、前記クラッチに特定値以上の回転力が作用することで、前記中間ローラと前記支持プレートとの連結状態が解除される。
請求項3に記載のサンシェード装置によれば、巻取機構は支持プレートを有しており、支持プレートは連結軸に回転可能に支持されている。また、支持プレートは、巻取機構のクラッチによって中間ローラと一体回転可能に連結されている。そして、支持プレートには、巻取ローラが回転可能に支持されており、支持プレートが連結軸の軸心回りに回転されることで、巻取ローラが巻取軸に対して接離移動される。
これにより、例えば、支持プレートが連結軸の軸心回り一方側へ回転されることで、巻取ローラを巻取軸に接近させて巻取軸に巻取られたサンシェードに当接させることができる。そして、巻取ローラが当該サンシェードに当接された際には、支持プレートの回転が制限されるが、この際には、クラッチに特定値以上の回転力が作用して、中間ローラと支持プレートとの連結状態が解除される。このため、中間ローラが支持プレートに対して相対回転されて、中間ローラ及び巻取ローラの巻取方向への回転が維持される。これにより、巻取軸に巻取られたサンシェードに巻取ローラを当接させつつ、中間ローラ、巻取ローラ、及び巻取軸を巻取方向へ回転させることができる。したがって、巻取軸に巻取られたサンシェードの外径寸法が、巻取られるサンシェードの巻取数によって変化しても、巻取ローラと当該サンシェードとの当接状態を維持したまま、巻取軸を巻取方向へ回転させることができる。
請求項4に記載のサンシェード装置は、請求項3に記載のサンシェード装置において、前記クラッチはウェーブワッシャで構成されており、当該ウェーブワッシャが前記支持プレートと前記中間ローラとの間に配置されている。
請求項4に記載のサンシェード装置によれば、中間ローラと支持プレートとの間にウェーブワッシャを挟み込むように組付けることで、ウェーブワッシャを摩擦クラッチとして構成できる。これにより、簡易な構成で中間ローラと支持プレートとを一体回転可能に連結できる。
請求項5に記載のサンシェード装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のサンシェード装置において、前記巻取機構が前記巻取軸の両端部に一対設けられている。
請求項5に記載のサンシェード装置によれば、巻取機構が巻取軸の両端部にそれぞれ設けられているため、巻取機構による巻取力が巻取軸の両端部に付与される。このため、巻取軸の回転バランスが良好になり、サンシェードを良好に巻取ることができる。
以下、図面を用いて本実施の形態に係るサンシェード装置10について説明する。サンシェード装置10は、車両(自動車)のリヤウィンドシールドガラスに適用されて、当該リヤウィンドシールドガラスにおいて太陽光等を遮光するようになっている。以下、具体的に説明する。
図4に示されるように、サンシェード装置10は、巻取軸としてのシェード巻取軸12と、太陽光等を遮光するためのサンシェード14と、送り機構20と、一対の巻取機構40と、を含んで構成されている。
シェード巻取軸12は、略長尺棒状に形成されており、軸方向を車両の車両幅方向にして配置されている。また、シェード巻取軸12の両端部は、後述する巻取機構40のブラケット42に回転可能に支持されている。
サンシェード14はシート状に形成されており、サンシェード14の基端部がシェード巻取軸12の外周部に固定されている。また、サンシェード14の先端部には、略長尺板状のステー16が固定されており、ステー16は長手方向をサンシェード14の幅方向にして配置されている。そして、シェード巻取軸12が巻取方向(図5(A)及び(B)に示される矢印A方向)へ回転されることで、サンシェード14がシェード巻取軸12の外周部にロール状に巻取られる。この際には、サンシェード14の先端部(ステー16)が、シェード巻取軸12に接近する方向(図4の矢印C方向)へ移動されて、シェード巻取軸12に近接して配置されるようになっている(図4の2点鎖線で示される位置であり、以下この位置を「収納位置」という)。
一方、サンシェード14の先端部(ステー16)がシェード巻取軸12から離間される方向(図4の矢印D方向)へ移動(引出)されることで、シェード巻取軸12が引出方向(図6に示される矢印B方向)へ回転される。そして、ステー16が図4に示される位置(以下この位置を「展開位置」という)に配置されて、サンシェード14によって太陽光等を遮光するようになっている。
送り機構20は、一対のケーブル22と、駆動部30と、を含んで構成されている。一対のケーブル22は、可撓性を有する略長尺棒状に形成されている。そして、ケーブル22の外周部には、らせん状の溝が形成されており、この溝には、後述する駆動ピニオン34及び巻取ピニオン54が噛合されるようになっている。また、一対のケーブル22における一端側の部分は、サンシェード14の幅方向外側において、長手方向をシェード巻取軸12と直交する方向にして配置されている。さらに、ケーブル22の一端部は、スライダ24を介してステー16の長手方向両端部に連結されている。そして、このスライダ24及びケーブル22の一端側の部分は、ガイドレール(図示省略)内に移動可能に保持されて、シェード巻取軸12に対して直交する方向(図4に示される矢印C方向及び矢印D方向)へ移動するように構成されている。これにより、ケーブル22の一端部が移動することで、サンシェード14の先端部(ステー16)が収納位置と展開位置との間を移動するようになっている。また、一対のケーブル22の他端側の部分は、シェード巻取軸12の長手方向内側へ屈曲されて、ケーブルパイプ26内に移動可能に保持されている。
駆動部30は、モータ32と、略円筒形状の駆動側回転体としての駆動ピニオン34と、を含んで構成されており、駆動ピニオン34は、減速機構(図示省略)を介してモータ32の出力軸に連結されている。この駆動ピニオン34の外周部には、複数のピニオン歯(図示省略)が形成されており、駆動ピニオン34のピニオン歯が、一対のケーブル22の他端側の部分の各々に噛合されている。そして、モータ32が正転されると、駆動ピニオン34が回転方向一方側へ回転されてケーブル22(ステー16)が収納位置側(図4の矢印C方向側)へ移動されるようになっている。一方、モータ32が逆転されると、駆動ピニオン34が回転方向他方側へ回転されて、ケーブル22(ステー16)が展開位置側(図4の矢印D方向側)へ移動されるようになっている。
次に本発明の要部である巻取機構40について説明する。
巻取機構40は、シェード巻取軸12の軸方向両端部にそれぞれ設けられている。図1〜図3に示されるように、巻取機構40は、ブラケット42と、巻取側回転体としての巻取ピニオン54と、巻取ピニオン54の回転を伝達するための中間ローラ56と、支持プレート58と、中間ローラ56の回転をシェード巻取軸12へ伝達するための巻取ローラ64と、を含んで構成されている。
ブラケット42は、略矩形板状に形成されて、シェード巻取軸12とケーブル22との間において、板厚方向をシェード巻取軸12の軸方向にして配置されている。そして、ブラケット42には、円形状の第1支持孔44が貫通形成されており、第1支持孔44内にシェード巻取軸12の長手方向両端部が挿入されて、シェード巻取軸12がブラケット42に回転可能に支持されている。さらに、ブラケット42における駆動部30側の端部は、シェード巻取軸12の長手方向内側へ屈曲されており、この部分がストッパ片46とされている。
また、ブラケット42には、円形状の第2支持孔48が貫通形成されている。この第2支持孔48内には、略円筒形状のカラー50が軸方向をシェード巻取軸12の軸方向と平行にして挿入されている。また、カラー50のシェード巻取軸12側の端部には、フランジ部50Aが一体に形成されており、フランジ部50Aはカラー50の径方向外側へ突出されている。これにより、カラー50のブラケット42側への移動が制限されている。さらに、カラー50内には、円柱状の連結軸52が同軸上に配置されており、連結軸52はカラー50に回転可能に支持されている。これにより、連結軸52は、ケーブル22の一端側の部分と直交すると共にシェード巻取軸12と平行に配置されている。
巻取ピニオン54は、略円筒形状に形成されて、連結軸52と同軸上に配置されると共に、連結軸52の軸方向一端部に一体回転可能に固定されている。また、巻取ピニオン54の外周部には、複数のピニオン歯(図示省略)が形成されており、このピニオン歯はケーブル22に噛合されている。これにより、ケーブル22が長手方向へ移動されることで、巻取ピニオン54が連結軸52の軸心回りに回転されるようになっている。
そして、巻取ピニオン54におけるケーブル22との噛合いピッチ円は、駆動ピニオン34におけるケーブル22との噛合いピッチ円と同じ径に設定されると共に、巻取ピニオン54のピニオン歯(図示省略)の歯数と駆動ピニオン34のピニオン歯の歯数とが同じ数に設定されている。すなわち、巻取ピニオン54は、駆動ピニオン34と同一回転数で回転するように設定されている。
中間ローラ56は、略円筒形状に形成されると共に、連結軸52と同軸上に配置されて、連結軸52の軸方向他端部に一体回転可能に固定されている。これにより、中間ローラ56は、巻取ピニオン54と同一回転数で一体に回転されるようになっている。また、中間ローラ56の外径寸法は、巻取ピニオン54におけるケーブル22との噛合ピッチ円の径寸法と同じ寸法に設定されている。
支持プレート58は、略矩形板状に形成されて、中間ローラ56とカラー50との間において、板厚方向を連結軸52の軸方向にして連結軸52に回転可能に支持されている。また、中間ローラ56と支持プレート58との間には、クラッチとしてのウェーブワッシャ60が設けられており、ウェーブワッシャ60によって中間ローラ56と支持プレート58とが互いに離間する方向へ付勢されている。このため、支持プレート58がカラー50側へ押し付けられて、支持プレート58と中間ローラ56とが連結されており、通常では支持プレート58が中間ローラ56と一体回転されるようになっている。一方、ウェーブワッシャ60に特定値以上の回転力が作用すると、支持プレート58と中間ローラ56との連結状態が解除されて、中間ローラ56が支持プレート58に対して相対回転するように構成されている。
また、支持プレート58には、後述する巻取ローラ64を回転可能に支持する支持軸62が固定されている。この支持軸62は、略円柱状に形成されると共に、軸方向を連結軸52の軸方向と平行にして配置されている。
巻取ローラ64は、略円筒形状に形成されて、支持軸62と同軸上に配置されると共に、支持軸62に回転可能に支持されている。すなわち、巻取ローラ64と中間ローラ56とが平行に配置されている。そして、巻取ローラ64の外周面が中間ローラ56の外周面に当接されており、中間ローラ56が回転されると、巻取ローラ64の外周面と中間ローラ56の外周面との間の摩擦力によって巻取ローラ64が回転されるようになっている。さらに、巻取ローラ64の外径寸法は、中間ローラ56の外径寸法と同じ寸法に設定されている。すなわち、巻取ローラ64の外径、中間ローラ56の外径、巻取ピニオン54におけるケーブル22との噛合ピッチ円の径、及び駆動ピニオン34におけるケーブル22との噛合ピッチ円の径が、それぞれ同じ寸法に設定されている。したがって、駆動ピニオン34、巻取ピニオン54、中間ローラ56、及び巻取ローラ64の各々が、同一回転数で回転するように設定されている。
さらに、モータ32が正転される場合には、巻取ピニオン54及び中間ローラ56が巻取方向(図5(A)及び(B)に示される矢印参照)へ回転されると共に、支持プレート58が連結軸52の軸心回り一方(図5(A)の矢印E方向)へ回転されるようになっている。これにより、巻取ローラ64がシェード巻取軸12に接近して、巻取ローラ64の外周面が、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14に当接されることで、巻取ローラ64の回転に伴ってシェード巻取軸12が巻取方向へ回転されるように構成されている。
一方、モータ32が逆転される場合には、巻取ピニオン54及び中間ローラ56が引出方向(図6に示される矢印参照)へ回転されると共に、支持プレート58が連結軸52の軸心回り他方(図6の矢印F方向)へ回転されるようになっている。これにより、巻取ローラ64がシェード巻取軸12から離間されて、支持プレート58がブラケット42のストッパ片46に当接されるように構成されている。すなわち、支持プレート58及びウェーブワッシャ60によって、巻取ローラ64がシェード巻取軸12に対して接離移動するように構成されている。
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
初めに、サンシェード14をシェード巻取軸12に巻取る場合について説明する。この場合には、サンシェード14の先端部(ステー16)が展開位置に配置されている。そして、この状態からモータ32を正転させると、駆動ピニオン34が回転されて、ケーブル22の一端部が収納位置側(図4の矢印C方向側)へ移動される。これにより、サンシェード14の先端部(ステー16)が、展開位置から収納位置側へ移動される。
また、ケーブル22には、巻取機構40の巻取ピニオン54が噛合されているため、ケーブル22の移動に伴って巻取ピニオン54が巻取方向へ回転されて、中間ローラ56及び巻取ローラ64が巻取方向へ回転される(図5(A)参照)。さらに、支持プレート58はウェーブワッシャ60によって中間ローラ56と一体回転可能に連結されているため、中間ローラ56が巻取方向へ回転されると、支持プレート58が中間ローラ56と一体に連結軸52の軸心回り一方(図5(A)の矢印E方向)へ回転される。これにより、巻取ローラ64が、巻取方向へ回転しながらシェード巻取軸12に接近して、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14に当接される。その結果、サンシェード14がシェード巻取軸12の外周部にロール状に巻取られながら、シェード巻取軸12が巻取方向へ回転される(図5(B)参照)。
なお、巻取ローラ64が、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14に当接されることで、支持プレート58の連結軸52の軸心回り一方への回転が制限される。しかしながら、この場合には、ウェーブワッシャ60に特定値以上の回転力が作用して、中間ローラ56と支持プレート58との連結状態が解除される。これにより、中間ローラ56が支持プレート58に対して相対回転されて、中間ローラ56及び巻取ローラ64の回転が維持される。したがって、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14と巻取ローラ64との当接状態が維持されたまま、中間ローラ56及び巻取ローラ64が巻取方向へ回転される。
ここで、巻取ローラ64と駆動ピニオン34とが同一回転数で回転されると共に、巻取ローラ64の外径が、駆動ピニオン34におけるケーブル22との噛合ピッチ円と同じ径に設定されている。また、上述したように、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14に巻取ローラ64の外周面が当接されて、シェード巻取軸12が巻取方向へ回転される。
これにより、サンシェード14の先端部(ステー16)の移動量(すなわちケーブル22の移動量)と、サンシェード14がシェード巻取軸12に巻取られる量と、が同じになる。これにより、サンシェード14が弛むことなくシェード巻取軸12に巻取られる。
一方、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14をシェード巻取軸12から引出す場合には、モータ32を逆転させる。そして、モータ32が逆転すると、駆動ピニオン34が回転されて、ケーブル22の一端部が展開位置側(図4の矢印D方向側)へ移動される。これにより、サンシェード14の先端部(ステー16)が、収納位置から展開位置側へ移動されると共に、シェード巻取軸12が引出方向へ回転される。
また、上述と同様に、ケーブル22には、巻取機構40の巻取ピニオン54が噛合されているため、ケーブル22の移動に伴って巻取ピニオン54が引出方向へ回転されて、中間ローラ56及び巻取ローラ64が引出方向へ回転される。さらに、支持プレート58はウェーブワッシャ60によって中間ローラ56に一体回転可能に連結されているため、中間ローラ56が引出方向へ回転されると、支持プレート58が中間ローラ56と一体に連結軸52の軸心回り他方(図6の矢印F方向)へ回転される。これにより、図6に示されるように、巻取ローラ64がシェード巻取軸12から離間されて、巻取ローラ64の回転がシェード巻取軸12へ伝達されない。その結果、サンシェード14の先端部がケーブル22のみによって引張られてサンシェード14がシェード巻取軸12から引出されるため、サンシェード14が弛むことなく展開位置へ引出される。
なお、巻取ローラ64がシェード巻取軸12から離間された際には、支持プレート58が、ブラケット42のストッパ片46に当接される。したがって、支持プレート58の連結軸52の軸心回り他方への回転が制限される。そして、この場合には、ウェーブワッシャ60に特定値以上の回転力が作用して、中間ローラ56と支持プレート58との連結状態が解除される。これにより、巻取ローラ64がシェード巻取軸12から離間された状態で、中間ローラ56及び巻取ローラ64が空転される。
このように、サンシェード装置10では、サンシェード14が弛むことなくサンシェード14を巻取り又は引出しすることができるため、例えば、サンシェード14の弛みを抑制するためにシェード巻取軸12を巻取方向へ常に付勢する必要がなくなる。これにより、サンシェード14の巻取時と引出時とのモータ32の作動負荷の差を抑制でき、ひいては、モータ32の小型化を図ることができると共に、サンシェード14を巻取る際と引出す際とのモータ32の作動音の変化を抑制できる。
しかも、サンシェード装置10では、ケーブル22がサンシェード14の先端部と駆動部30とを連結している。このため、例えば、ケーブル22がサンシェード14の先端部から駆動部30を経由してシェード巻取軸12へ延びる場合と比べて、ケーブル22の長さを短くできる。以上により、ケーブル22の長さが長くなることを抑制できる。
また、巻取機構40が巻取ピニオン54と中間ローラ56とを含んで構成されている。そして、巻取ピニオン54によってケーブル22の直線運動を回転運動に変換して、巻取ピニオン54によって変換された回転が中間ローラ56を介して巻取ローラ64へ伝達される。さらに、巻取ローラ64の外径、中間ローラ56の外径、及び巻取ピニオン54におけるケーブル22との噛合いピッチ円、及び駆動ピニオン34におけるケーブル22との噛合いピッチ円が、それぞれ同じ径に設定されている。これにより、巻取ローラ64が駆動ピニオン34と同一回転数で回転される。したがって、巻取機構40によって、ケーブル22の直線運動を回転運動に変換して巻取ローラ64を駆動ピニオン34と同一回転数で回転させることができる。
さらに、上述したように、ウェーブワッシャ60によって支持プレート58と中間ローラ56とが一体回転可能に連結されており、支持プレート58が連結軸52の軸心回りに回転されることで、巻取ローラ64がシェード巻取軸12に対して接離移動される。
そして、巻取ローラ64が、シェード巻取軸12に接近してシェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14に当接された場合には、ウェーブワッシャ60に特定値以上の回転力が作用して、中間ローラ56と支持プレート58との連結が解除される。このため、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14に巻取ローラ64が当接された状態で、中間ローラ56及び巻取ローラ64が巻取方向へ回転される。これにより、シェード巻取軸12に巻取られたサンシェード14の径寸法が、巻取られるサンシェード14の巻取数によって変化しても、巻取ローラ64と当該サンシェード14との当接状態を維持できる(図5(A)及び(B)参照)。
一方、巻取ローラ64がシェード巻取軸12から離間されて、支持プレート58が、ブラケット42のストッパ片46に当接された場合には、ウェーブワッシャ60に特定値以上の回転力が作用して、ウェーブワッシャ60による中間ローラ56と支持プレート58との連結状態が解除される。これにより、巻取ローラ64がシェード巻取軸12から離間された状態で中間ローラ56及び巻取ローラ64が空転されるため、ケーブル22のみによってサンシェード14を引張ることで、サンシェード14をシェード巻取軸12から引出すことができる。
さらに、中間ローラ56と支持プレート58との間にウェーブワッシャ60を挟み込むように組付けることで、ウェーブワッシャ60を摩擦クラッチとして構成できる。このため、簡易な構成で中間ローラ56と支持プレート58とを一体回転可能に連結できる。
また、巻取機構40がシェード巻取軸12の長手方向両端部にそれぞれ設けられている。このため、巻取機構40による巻取力がシェード巻取軸12の長手方向両端部に付与されるため、シェード巻取軸12の回転バランスが良好になり、サンシェード14を良好に巻取ることができる。
なお、本実施の形態では、巻取機構40がシェード巻取軸12の長手方向両端部にそれぞれ設けられている。これに替えて、巻取機構40をシェード巻取軸12の長手方向両端部の何れか一方に設けるように構成してもよい。
また、本実施の形態では、中間ローラ56と支持プレート58との間にウェーブワッシャ60を設けて、ウェーブワッシャ60を本発明のクラッチとして構成しているが、本発明のクラッチはこれに限らない。例えば、中間ローラ56と支持プレート58との間に圧縮コイルばねを設けて、中間ローラ56と支持プレート58とを一体回転可能に構成してもよい。
さらに、本実施の形態では、サンシェード装置10が車両(自動車)のリヤウィンドシールドガラスに適用されているが、サンシェード装置10を車両(自動車)のルーフに適用してもよい。すなわち、サンシェード装置10を所謂パノラマルーフのルーフ窓に適用してもよい。