JP5988934B2 - 肺癌についての多重遺伝子予後診断アッセイ - Google Patents

肺癌についての多重遺伝子予後診断アッセイ Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は2007年6月1日出願の米国特許出願第60/941,550号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
連邦支援の研究または開発に基づいてなされる発明に対する権利についての声明
適用されない
コンパクトディスクにより提出される「配列表」、表またはコンピュータプログラムリストの付属物の参照
適用されない
肺癌患者における長期死亡率の可能性は、臨床段階および組織病理学的知見によってはっきりと定義されていない。我々の仮説は、多重遺伝子の定量的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイによって、肺癌患者における死亡のリスクを予測することができるというものであった。
発明の概要
一側面において、本発明は、対象における肺癌の予後診断を提供する方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:(a)対象からの生物学的サンプルを、ctnnb1、wnt3a、tp53、kras、erbb3、muc1、erbb2およびdusp6を含むバイオマーカーの一群に特異的に結合する試薬群と接触させる工程、および(b)そのサンプルを対照の非癌性細胞サンプルと比較することによって、そのマーカーがそのサンプルにおいて示差的に発現されるかどうかを決定する工程;これにより肺癌の予後診断が提供される。
一実施態様において、その試薬は核酸である。別の実施態様において、その試薬はオリゴヌクレオチドである。別の実施態様において、試薬はPCRプライマーセットである。別の実施態様において、試薬は抗体である。
一実施態様において、サンプルは手術により摘出された腫瘍からのものである。別の実施態様において、サンプルは肺組織または肺腫瘍生検からのものである。
一側面において、本発明は、ctnnb1、wnt3a、tp53、kras、erbb3、muc1、erbb2およびduspを含むバイオマーカーの一群に特異的に結合する試薬群を含むキットを提供する。一実施態様において、その試薬はPCRプライマーセットである。
別の態様において、本発明は、生物学的サンプル中のRnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1の群から選択される少なくとも2の(例えば、少なくとも3または少なくとも4の)遺伝子の発現レベルを定量化することによって肺癌を有する対象の予後を判定する方法を特徴とする。この側面において、生物学的サンプル(例えば腫瘍生検、肺生検および血液サンプル)は対象に由来し、発現レベルは予後の指標となるものである。
上述のいずれかの側面において、発現レベルはmRNA発現レベルまたはタンパク質レベルまたは両方の組合せであり得る。本発明は、例えば定量的rtPCRによってmRNA発現レベルを測定することを特徴とする。本発明は、例えば抗体結合アッセイ(例えばELISAアッセイ)によってタンパク質レベルを測定することを特徴とする。
さらなる別の態様において、本発明は、生物学的サンプル中のRnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1からなる群から選択される少なくとも2(例えば少なくとも3または少なくとも4)の遺伝子のメチル化レベルを測定することによって、肺癌を有する対象の予後を判定する方法を特徴とする。この側面において、生物学的サンプル(例えば腫瘍生検、肺生検および血液サンプル)は対象に由来し、メチル化レベルは予後の指標となるものである。
上述のいずれかの側面において、肺癌は、例えば、ステージI、ステージII、ステージIIIまたはステージIVの肺腺癌であり得る。
また、上述のいずれかの側面において、予後診断は、長期死亡率についての高リスクまたは低リスクの評価を提供する。
発明の詳細な説明
イントロダクション
本発明は、初期段階の肺癌における長期死亡率の正確な予後診断を可能にする特定の遺伝子群の発現プロファイルの同定を特徴とする。一実施態様において、我々は、3つのマイクロアレイ研究の報告および2つのPCRに基づく研究の報告において初期段階の肺癌における長期死亡率についての予後として以前に同定された、65遺伝子を同定した。RNAは、完全に肺腺癌を摘出し、少なくとも3年の臨床経過観察を行っている治療継続患者からの124の新鮮凍結腫瘍サンプルから抽出した。無作為に80サンプルを試験グループに割り当て、残りを検証グループに割り当てた。その試験セットについて65の同定された遺伝子のリアルタイムPCRをTaq-manアッセイを用いて行った。後退的モデル選択法(backwards model selection)を用いて標準化された遺伝子発現レベルの比例ハザードモデルを用いて予測モデルを作製した。モデル係数および個々の遺伝子発現レベルを用いて、それぞれの患者についてモデルスコアを算出した。モデルスコアが中央値スコアより高い場合、患者を高リスクとした。
全80患者において十分なリアルタイムPCRプロファイルを同定した。18遺伝子を最終モデルに含めた。高リスクおよび低リスクと同定された患者の比率はそれぞれ52%および48%であった。Kaplan-Meierにより見積もった5年生存率は、低リスク群において82%、高リスク群において5%であった(P<0.001、ログランク(log-rank)検定)。生存期間中央値は高リスク群において22ヶ月であり、低リスク群においては計算できなかった。多変量生存分析において、予後スコアによって、腫瘍ステージおよびサイズとは関係なく生存率を予測した(P<0.001)。予後スコアによって、モデル対数尤度値に基づいて、臨床ステージより良く死亡率を予測した(P<0.001)。臨床ステージ分けについては、例えば、Mountain, Clifton F;Herman I Libshitz、Kay E Hermesの「A Handbook for Staging、Imaging and Lymph Node Classification(ステージ分け、イメージングおよびリンパ節分類のためのハンドブック)」、Charles P Young CompanyおよびMountain, CF(1997)、「Revisions in the international system for staging lung cancer(肺癌をステージ分けするための国際システムにおける改訂)」、Chest 111: 1710-1717を参照のこと。
別の実施態様において、本発明は、肺癌による死亡の予後診断指標としての以下の遺伝子の発現の定量化を特徴とする:rnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1(例えばwnt3a、rnd3、lckおよびerbb3)(以下の実施例2を参照)。
8メンバーの多重遺伝子RT-PCRアッセイ(ctnnb1、wnt3a、tp53、kras、erbb3、muc1、erbb2およびdusp6)、13メンバーの多重遺伝子RT-PCRアッセイ(rnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1)またはwnt3a、rnd3、lckおよびerbb3を含むいずれかの多重遺伝子RT-PCRアッセイは、肺癌患者における長期死亡率の予測に役立つ。
本発明は、肺癌患者について予後診断を提供するのに用いることができる本明細書に記載のマーカーから構成される多重遺伝子診断キットも含む。
定義
「肺癌」は一般に、悪性細胞のサイズおよび外観によって分類される肺癌の2つの主なタイプ、非小細胞(80%)および小細胞(およそ20%)肺癌を意味する。「非小細胞肺癌」(NSCLC)は肺癌のおおよそ29%を占める扁平上皮癌を含む。肺腺癌は、肺癌のおおよそ32%を占めるNSCLCの最も一般的なサブタイプである。肺腺癌のサブタイプ、細気管支肺胞上皮癌は、女性の喫煙未経験者においてより一般的である。大細胞癌は肺癌のおおよそ9%を占める。「小細胞肺癌」は、肺癌のそれほど多くない形態であるSCLC(「燕麦細胞癌」とも呼ばれる)を含む。他のタイプの肺癌は、カルチノイド、腺様嚢胞癌、円柱腫および粘表皮癌を含む。一実施態様において、肺癌はステージI-IVに沿って段階分けされ、Iは早期であり、IVは最も進行している。
「予後」は、例えば、全生存率、長期死亡率および無病生存率を意味する。一実施態様において、長期死亡率は、肺癌の診断から5年後の生存率を意味する。一実施態様において、長期死亡率についての予後は、「高リスク」、例えば高死亡リスク、または「低リスク」、例えば低死亡リスクである。癌のステージおよび予後は、より良い成果を提供するために患者の治療をしつらえる(tailor)(例えば、標的療法および外科手術、外科手術のみまたは標的療法のみなど)ために用いられ得る。
癌の他の形態は、細胞腫、肉腫、腺癌、リンパ腫、白血病などを含み、固形およびリンパ系癌、頭頸部癌、例えば、口腔、咽頭および舌癌、腎臓、乳房、腎臓、膀胱、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、胃、脳、頭頸部、皮膚、子宮、精巣、食道および肝臓癌(肝細胞癌を含む)、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫(例えば、バーキット、小細胞型および大細胞型リンパ腫)およびホジキンリンパ腫を含む)、白血病および多発性骨髄腫などを含む。
「マーカー」なる用語は、非癌細胞と比較して、癌細胞中に発現される、癌細胞の表面上に発現される、または癌細胞によって分泌され、癌の診断、予後診断の提供、および癌細胞に対する薬剤の優先的な標的化に有用な分子(典型的にはタンパク質、核酸、炭水化物または脂質)を意味する。しばしば、かかるマーカーは、非癌細胞と比較して肺癌または他の癌細胞において過剰発現する、例えば、正常な細胞と比較して1倍の過剰発現、2倍の過剰発現、3倍の過剰発現、またはそれ以上の過剰発現をする分子である。さらに、マーカーは、癌細胞において不適切に合成された分子、例えば、正常細胞上に発現される分子と比較して欠失、付加または突然変異を含有する分子であり得る。あるいは、かかるバイオマーカーは、非癌細胞と比較して癌細胞において低発現される分子、例えば、1倍の低発現、2倍の低発現、3倍の低発現またはそれ以上の低発現となる分子である。さらに、マーカーは、癌において不適切に合成される分子、例えば、正常細胞上に発現される分子と比較して欠失、付加または突然変異を含有する分子であり得る。
マーカーは、他のマーカー、または本明細書に記載のいずれかの用途、例えば癌の予測、診断または予後診断についての試験と組合せて用いることができることは当業者には理解できるであろう。
「生物学的サンプル」は、組織の切片、例えば、生検および剖検サンプルおよび組織学的目的のために採取される凍結切片を含む。かかるサンプルは、血液および血液画分または血液製剤(例えば、血清、血小板、赤血球など)、痰、気管支肺胞洗浄液、培養細胞、例えば、初代培養物、外植片および形質転換細胞、便、尿などを含む。生物学的サンプルは典型的には、真核生物、最も好ましくは哺乳動物、例えば霊長類、例えばチンパンジーまたはヒト;雌ウシ;イヌ;ネコ;齧歯類、例えばモルモット、ラット、マウス;ウサギ;またはトリ;爬虫類;または魚から得られる。
「生検」は、診断上のまたは予後評価のために組織サンプルを摘除する過程および組織試料自体を意味する。当分野において知られるあらゆる生検技術を本発明の診断および予後診断方法に適用することができる。適用する生検技術は、数ある因子のうちでもとりわけ評価すべき組織の種類(例えば肺など)、腫瘍のサイズおよびタイプに依拠するであろう。代表的な生検技術は、限定するものではないが、切除生検、切開生検、針生検、外科生検および骨髄生検を含む。「切除生検」は、腫瘍を取り巻く正常組織の少しの余分とともに全腫瘍塊を摘除することを意味する。「切開生検」は、腫瘍の断面直径を含むくさび形の組織片を摘除することを意味する。内視鏡検査または蛍光透視法によってなされる診断または予後診断において、「コア針生検」または一般に標的組織内からの細胞懸濁が得られる「穿刺吸引生検」を行うことができる。生検技術については、例えば、「Harrison’s Principles of Internal Medicine(ハリソンの内科学の原理)」、Kasperら編、第16版、2005の70章およびパートVを通して議論されている。
「過剰発現する」、「過剰発現」または「過剰発現した」なる用語は互換的に、通常、癌細胞において、正常細胞と比較して検出可能な程度に、より高いレベルにて転写または翻訳されるタンパク質または核酸(RNA)を意味する。この用語は、転写、転写後プロセシング、翻訳、翻訳後プロセシング、細胞局在性(例えば細胞小器官、細胞質、核、細胞表面)およびRNAおよびタンパク質安定性に起因する、正常細胞と比較した過剰発現を含む。過剰発現は、mRNAまたはタンパク質を検出する従来技術(すなわち、mRNAについてはRT PCR、PCR、ハイブリダイゼーション、タンパク質についてはELISA、免疫組織化学的技術)を用いて検出することができる。過剰発現は、正常細胞に対して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上であり得る。特定の例において、過剰発現は、正常細胞と比較して1倍、2倍、3倍、4倍またはそれ以上高いレベルの転写または翻訳である。
「低発現する」、「低発現」または「低発現した」または「下方制御された」なる用語は互換的に、正常細胞と比較して癌細胞において検出可能な程度に、より低いレベルにて転写または翻訳されるタンパク質または核酸を意味する。この用語は、転写、転写後プロセシング、翻訳、翻訳後プロセシング、細胞局在性(例えば、細胞小器官、細胞質、核、細胞表面)およびRNAおよびタンパク質安定性に起因する、対照と比較した低発現を含む。低発現は、mRNAまたはタンパク質を検出するための従来技術(すなわち、mRNAについてはRT PCR、PCR、ハイブリダイゼーション、タンパク質についてはELISA、免疫組織化学的技術)を用いて検出することができる。低発現は、対照と比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以下であり得る。特定の例において、低発現は、対照と比較して1倍、2倍、3倍、4倍またはそれ以下のレベルの転写または翻訳である。
「示差的に発現された」または「示差的に調節された」なる用語は一般に、1のサンプルにおいて少なくとも1の他のサンプルと比較して、本発明の文脈においては、一般に癌患者において癌を有さない患者と比較して、過剰発現した(上方制御された)または低発現した(下方制御された)タンパク質または核酸を意味する。
「治療的処置」および「癌治療」は、化学療法、ホルモン療法、放射線治療、免疫治療および生物学的(標的)治療を意味する。
「治療上有効量または用量」または「十分量または用量」は本明細書において、投与の目的とする効果を生じる用量を意味する。正確な用量は処置の目的に依拠するであろう、そして当業者によって既知の技術を用いて解明可能であろう(例えば、Lieberman、「Pharmaceutical Dosage Forms(製薬剤形)」(第1-3巻、1992);Lloyd、「The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(製薬配合の技巧、科学およびテクノロジー)」(1999);Pickar、「Dosage Calculations(用量計算)」(1999);およびRemington:「The Science and Practice of Pharmacy(薬学の科学と実践)」、第20版、2003、Gennaro編、Lippincott, Williams&Wilkinsを参照のこと)。
2以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において、「同一の」または百分率の「同一性」なる用語は、下記のデフォルトパラメーターを用いるBLASTまたはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを用いて、または手作業のアライメントおよび目視検査によって測定すると、同じである、あるいは特定の比率の同じアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する(すなわち、比較窓(comparison window)または所定の(designated)領域にわたって最大の対応について比較しアライメントした場合に、特定の領域にわたって、約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性)2以上の配列またはサブ配列を意味する(例えば、NCBIウェブサイト、ncbi.nlm.nih.gov/BLASTなどを参照のこと)。かかる配列は「実質的に同一の」とも称する。この定義は試験配列の相補体も意味する、または相補体にも適用され得る。この定義は欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列も含む。下記のように、好ましいアルゴリズムはギャップなどを計数することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25アミノ酸またはヌクレオチド長またはそれ以上の領域にわたって、好ましくは50-100アミノ酸またはヌクレオチド長の領域にわたって存在する。本明細書に記載のバイオマーカーは、例えば、アクセッション番号によって提供される参照配列に対して、特定の領域にわたって70%より高い同一性、または80%より高い同一性、または90%より高い同一性、かつ100%までの同一性を有するプローブによって検出することができる。
配列比較において、典型的には1つの配列が、試験配列と比較する参照配列として働く。配列比較アルゴリズムを用いると、試験配列および参照配列をコンピューターに入力し、サブ配列コーディネートを指定し、必要であれば配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。好ましくは、デフォルトのプログラムパラメーターを用いることができる、または別のパラメーターを指定することができる。次いで配列比較アルゴリズムによって、プログラムパラメーターに基づき、試験配列について参照配列に対する百分率の配列同一性を計算する。
本明細書において用いる場合「比較窓」は、20〜600、通常約50〜約200、より一般的には約100〜約150からなる群から選択される数の隣接する位置のいずれかのセグメントの参照を含み、そこである配列が、参照配列と最適にアライメントされた後に、同数の隣接する位置の参照配列と比較され得る。比較のための配列のアライメント方法は当分野においてよく知られている。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith&Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)の局所ホモロジーアルゴリズムによって、Needleman&Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)のホモロジーアライメントアルゴリズムによって、Pearson&Lipman, Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似度探索法(search for similarity method)によって、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行によって(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)、または手作業のアライメントおよび目視検査によって行うことができる(例えば、「Current Protocols in Molecular Biology」(Ausubelら編、1987-2005、Wiley Interscience)を参照のこと)。
百分率の配列同一性および配列類似性を決定するのに適するアルゴリズムの好ましい例は、それぞれAltschul et al., Nuc. Acids Res. 25:3389-3402 (1977)およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に記載されているBLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムである。BLASTおよびBLAST 2.0を本明細書に記載のパラメーターとともに用いて、本発明の核酸およびタンパク質についての百分率の配列同一性を決定する。BLAST解析を実行するソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)から公的に入手可能である。このアルゴリズムはまず、データベース配列中の同じ長さのワードとアライメントすると、ある程度のポジティブ値の閾値スコアTにマッチするかまたはそれを満たす、クエリー配列中の長さWの短いワードを同定することによって、ハイスコア配列対(high scoring sequence pair)(HSP)を同定することを含む。Tは文字列(neighborhood word)スコア閾値と称される(Altschul et al.、上記を参照)。これらのはじめの文字列ヒットはそれらを含有する、より長いHSPを見つける探索を開始するための種として働く。累積的なアライメントスコアが増大可能な限りの間、各配列に沿って両方向へ文字ヒットを延長させる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメーターM(マッチする残基対のためのリワード(reward)スコア;常に>0)およびN(ミスマッチの残基のためのペナルティースコア;常に<0)を用いて計算する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアを計算する。文字ヒットの各方向への延長は、その最大達成値から量X分累積アライメントスコアが減少した時;1以上の負のスコアの残基のアライメントによってその累積スコアがゼロ以下になった時;またはいずれかの配列が終わりに達した時に、停止する。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アライメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)はデフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列用のBLASTPプログラムはデフォルトとしてワード長3および期待値(E)10およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff&Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915 (1989)を参照)アライメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4および両鎖の比較を用いる。
「核酸」は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよび一本鎖または二本鎖型のそれらのポリマーおよびそれらの相補体を意味する。この用語は、合成、天然および非天然であり、参照核酸と同様の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと同様に代謝される、既知のヌクレオチド類似体または修飾された基本骨格残基または結合部分を含有する核酸を包含する。かかる類似体の例は、限定するものではないが、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)を含む。
格別に断りのない限り、特定の核酸配列は、その保存的に修飾された変異体(例えば縮重コドン置換)および相補的配列、ならびに明示的に示された配列も暗黙のうちに包含する。特に、縮重コドン置換は、1以上の選択された(または全ての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基によって置換された配列を作製することにより達成され得る(Batzer et al., Nucleic Acid Res. 19:5081 (1991);Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260:2605-2608 (1985);Rossolini et al., Mol. Cell. Probes 8:91-98 (1994))。核酸なる用語は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドと互換的に用いられる。
特定の核酸配列は、「スプライス変異体」およびタンパク質の切断型をコードする核酸配列も暗黙のうちに包含する。同様に、特定の核酸によってコードされたタンパク質は、スプライス変異体またはその核酸の切断型によってコードされたあらゆるタンパク質を暗黙のうちに包含する。「スプライス変異体」は、その名の通り、遺伝子の選択的スプライシングの産物である。転写の後、はじめの核酸転写物はスプライスされ得、その結果、異なる(別の)核酸スプライス産物が異なるポリペプチドをコードする。スプライス変異体の産生メカニズムは異なるが、エキソンの選択的スプライシングを含む。リードスルー(read-through)転写により同じ核酸に由来する別のポリペプチドもこの定義に包含される。スプライス反応のいずれかの産物(スプライス産物の組み換え型を含む)もこの定義に含まれる。核酸は5’末端または3’末端にて切断され得る。ポリペプチドはN末端またはC末端にて切断され得る。核酸またはポリペプチド配列の切断型は、天然であり得る、または組換え技術によって創出され得る。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」なる用語は、本明細書において互換的に用いられ、アミノ酸残基のポリマーを意味する。この用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーに適用される。
「アミノ酸」なる用語は、天然および合成アミノ酸、ならびに天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物を意味する。天然アミノ酸は、遺伝コードによってコードされたアミノ酸、ならびに後に修飾されたそれらのアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸およびO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、つまり、水素、カルボキシル基、アミノ基およびR基と結合したα炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを意味する。かかる類似体は、修飾されたR基(例えばノルロイシン)または修飾されたペプチド基本骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する化合物を意味する。
アミノ酸は本明細書において、それらの一般に知られる3文字記号またはIUPAC-IUBの生化学命名法委員会(Biochemical Nomenclature Commission)により推奨さている1文字記号によって呼ばれ得る。ヌクレオチドは、同様に、それらの一般に認められている1文字コードによって呼ばれ得る。
「保存的修飾変異体」は、アミノ酸および核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的修飾変異体は、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードするそれらの核酸、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は本質的に同一の配列を意味する。遺伝コードの縮重のために、多数の機能的に同一な核酸がいずれかの所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUは全てアミノ酸アラニンをコードする。よって、コドンによってアラニンが特定される全ての位置において、コドンはコードされるポリペプチドを変化させることなく記載の対応するコドンのいずれかに改変することができる。かかる核酸の変化型は、保存的に修飾された変化型の一種である「サイレント変化型(silent variation)」である。本明細書において、ポリペプチドをコードする全ての核酸配列は、その核酸の全ての可能性あるサイレント変化型も表す。当業者であれば、それぞれの核酸のコドン(通常メチオニンのための唯一のコドンであるAUG、および通常トリプトファンのための唯一のコドンであるTGG以外)は、機能的に同一の分子を生じるように修飾され得ることを認識するであろう。従って、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変化型は、発現産物に関しては、記載された各配列において暗黙のものであるが、実際のプローブ配列に関してはそうでない。
アミノ酸配列に関して、当業者であれば、単一アミノ酸またはコード配列中において少数の割合のアミノ酸を改変する、付加するまたは欠失させる、核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列への個々の置換、欠失または付加は、その改変によってあるアミノ酸が化学的に同様のアミノ酸に置き換わる場合は、「保存的に修飾された変異体」であることを認識するであろう。機能的に同様のアミノ酸を提供する保存的置換の表は当分野においてよく知られている。かかる保存的に修飾された変異体は、本発明の多型変異体、種間相同体およびアレルの他にさらに存在するもので、これらを除外するものではない。
以下の8つのグループはそれぞれが互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リシン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、スレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)。例えば、Creighton, Proteins (1984)を参照のこと。
「標識」または「検出可能部分」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的または他の物理的手段によって検出可能な組成物である。例えば、有用な標識には、32P、蛍光色素、高電子密度の試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて一般に用いられるようなもの)、ビオチン、ジゴキシゲニンまたはハプテンおよびタンパク質(例えば、そのペプチドに放射標識を組み込むことにより検出可能にすることができる、またはそのペプチドと特異的に反応する抗体を検出するのに用いることができるもの)が含まれる。
例えば、細胞または核酸、タンパク質またはベクターを参照して用いる場合の「組換え」なる用語は、その細胞、核酸、タンパク質またはベクターが、異種(heterologous)核酸もしくはタンパク質の導入またはネイティブな核酸もしくはタンパク質の改変によって修飾されていること、あるいはその細胞がそのように修飾された細胞に由来することを示す。よって、例えば、組換え細胞は、ネイティブな(非組換えの)細胞形態には見られない遺伝子を発現する、または組換え細胞でなければ異常に発現される、低発現される、または全く発現されないネイティブな遺伝子を発現する。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」なる句は、その条件下においては、プローブが、典型的には核酸の混合物中において、その標的サブ配列にはハイブリダイズするが他の配列にはハイブリダイズしないであろう条件を意味する。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、また種々の各環境において異なるであろう。より長い配列は、より高い温度において特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範なガイドはTijssen、「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays(核酸アッセイのハイブリダイゼーション原理と方略の全体像)」(1993)のTechniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Probes(生化学および分子生物学における技術−核酸プローブとのハイブリダイゼーション)、に見られる。一般に、ストリンジェントな条件は、既定のイオン強度、pHにおける特定配列についての融点温度(Tm)よりも約5-10℃低くなるように選択する。Tmは、(既定のイオン強度、pHおよび核酸濃度下において)標的に相補的なプローブの50%が標的配列と平衡状態にてハイブリダイズする温度である(標的配列が過剰に存在する場合、Tmにおいて、それらのプローブの50%が平衡状態にて占有されている)。ストリンジェントな条件は、不安定化物質、例えばホルムアミドの付加によっても達成され得る。選択的または特異的ハイブリダイゼーションにおいて、陽性シグナルは、少なくともバックグラウンドの2倍、好ましくはバックグラウンドの10倍のハイブリダイゼーションである。代表的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は以下であり得る:50%ホルムアミド、5×SSCおよび1%SDS、42℃にてインキュベート、または、5×SSC、1%SDS、65℃にてインキュベート、そして0.2×SSCおよび0.1%SDS中、65℃にて洗浄。
ストリンジェントな条件下において互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であるならば、依然として実質的に同一である。このことは、例えば、核酸のコピーが遺伝コードによって許容される最大のコドンの縮重を用いて作製される場合に起こる。かかる場合において、核酸は典型的には中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下においてハイブリダイズする。代表的な「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」には、40%ホルムアミド、1 M NaCl、1%SDSの緩衝液中37℃におけるハイブリダイゼーション、および1X SSC中45℃における洗浄が含まれる。陽性ハイブリダイゼーションは、少なくともバックグラウンドの2倍である。当業者であれば、別のハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を用いて、同様のストリンジェンシーの条件を提供することができることを容易に認識するであろう。ハイブリダイゼーションパラメーターを決定するためのさらなるガイドラインは、多くの参考文献、例えば「Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学の最新プロトコール)」、Ausubelら編(上記)に提供されている。
PCRにおいて、約36℃の温度が低ストリンジェンシー増幅において典型的であるが、アニーリング温度はプライマーの長さに応じて約32℃〜48℃の間で変動し得る。高ストリンジェンシーPCR増幅において、約62℃の温度が典型的であるが、高ストリンジェンシーのアニーリング温度は、プライマーの長さおよび特異性に応じて約50℃〜約65℃の範囲であり得る。高および低ストリンジェンシーの両方の増幅において典型的なサイクル条件は、90℃〜95℃の30秒〜2分の間の変性段階、30秒〜2分続くアニーリング段階および約72℃の1〜2分間の伸長段階を含む。低および高ストリンジェンシーの増幅反応のためのプロトコールおよびガイドラインは、例えば、Innisら(1990)「PCR Protocols、A Guide to Methods and Applications(PCRプロトコール、方法および適用のためのガイド)」、Academic Press, Inc. N.Y.に提供されている。
「抗体」は、抗原に特異的に結合し認識するイムノグロブリン遺伝子またはそのフラグメントからのフレームワーク領域を含むポリペプチドを意味する。認識されるイムノグロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンおよびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数のイムノグロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖はカッパまたはラムダとして分類される。重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタまたはイプシロンとして分類され、それらはそれぞれ順にイムノグロブリンクラス、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEと定義される。典型的には、抗体の抗原結合領域は結合の特異性および親和性において最も決定的に重要であろう。抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、血清に由来し得、ハイブリドーマまたは組換え技術によりクローニングされ得、またキメラであり得、霊長類化(primatized)またはヒト化され得る。
代表的なイムノグロブリン(抗体)構造単位はテトラマーを含む。各テトラマーはポリペプチド鎖の2つの同一物の対から構成され、それぞれの対は1つの「軽」鎖(約25 kDa)および1つの「重」鎖(約50-70 kDa)を有する。それぞれの鎖のN末端は主に抗原認識に関与する約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)なる用語は、それぞれこれらの軽鎖および重鎖を意味する。
抗体は、例えば、インタクトなイムノグロブリンとして、または様々なペプチダーゼによる消化によって産生されるよく特徴決定された多数のフラグメントとして存在する。このように、例えば、ペプシンは抗体をヒンジ領域中のジスルフィド結合の下で消化し、F(ab)’2、つまりFab(これ自体はジスルフィド結合によってVH-CH1と連結した軽鎖である)のダイマーを産生する。F(ab)’2は穏和な条件下において還元されてヒンジ領域中のジスルフィド結合が破壊され得、これによりF(ab)’2ダイマーがFab’モノマーへと変換される。Fab’モノマーは本質的にヒンジ領域の一部を有するFabである(「Fundamental Immunology(基礎免疫学)」(Paul編、第3版、1993)を参照のこと)。一方、様々な抗体フラグメントはインタクトな抗体の消化の観点から定義され、当業者であれば、かかるフラグメントは化学的にまたは組換えDNA法を用いて新規に合成され得ることを理解するであろう。よって、本明細書において用いる場合、抗体なる用語は、完全抗体の修飾によって産生された抗体フラグメント、または組換えDNA法を用いて新規に合成されたもの(例えば単鎖Fv)またはファージディスプレイライブラリーを用いて同定されたもの(例えば、McCafferty et al., Nature 348:552-554 (1990)を参照のこと)も含む。
一実施態様において、抗体を「エフェクター」部分とコンジュゲートさせる。エフェクター部分は、標識部分、例えば放射性標識または蛍光性標識を含む、多数の分子であり得、または治療的部分であり得る。一側面において、抗体はタンパク質の活性を調節する。
本発明の示差的に発現された遺伝子の核酸またはそれらのコードポリペプチドは、(核酸またはタンパク質に適用可能なように)(1)好ましくは少なくとも約25、50、100、200、500、1000またはそれ以上のアミノ酸の領域にわたって、本明細書に記載の参照核酸によってコードされたポリペプチドまたは参照アミノ酸配列に対して、約60%より高いアミノ酸配列同一性、65%、70%、75%、80%、85%、90%、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有する;(2)参照アミノ酸配列、それらの免疫原性フラグメントおよびそれらの保存的に修飾された変異体を含む免疫原に対する抗体、例えばポリクローナル抗体に特異的に結合する;(3)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において、参照アミノ酸配列をコードする核酸およびそれらの保存的に修飾された変異体と特異的にハイブリダイズする;(4)好ましくは少なくとも約25、50、100、200、500、1000またはそれ以上のヌクレオチドの領域にわたって、参照核酸配列に対して、約95%より高い、好ましくは約96%、97%、98%、99%またはそれ以上より高いヌクレオチド配列同一性を有する核酸配列を有する、核酸(例えば、遺伝子、プレmRNA、mRNA)またはタンパク質、それらの多型変異体、アレル、突然変異体および種間相同体の全ての形態を意味する。ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列は典型的には、哺乳動物、例えば、限定するものではないが、霊長類、例えばヒト;齧歯類、例えばラット、マウス、ハムスター;雌ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはいずれかの哺乳動物などからのものである。本発明の核酸およびタンパク質は、天然または組換え分子の両方を含む。これらの抗原の切断された形態および選択的にスプライスされた形態も定義内に含まれる。
タンパク質、核酸、抗体または小分子化合物を参照する場合の「特異的に(または選択的に)結合する」なる句は、しばしばタンパク質または核酸および他の生体物質(biologics)の不均一な(heterogeneous)集団中に、タンパク質または核酸、例えば、本発明の示差的に発現された遺伝子が存在することを決定付ける結合反応を意味する。抗体の場合、所定のイムノアッセイ条件下において、特定された抗体は、特定のタンパク質に少なくともバックグラウンドの2倍、より典型的にはバックグラウンドの10〜100倍以上にて結合し得る。かかる条件下における抗体への特異的結合には、特定タンパク質に対するその特異性について選択された抗体が必要とされる。例えば、選択された抗原と特異的に免疫反応性であり、他のタンパク質とはそうでないポリクローナル抗体のみが得られるように、ポリクローナル抗体を選択することができる。この選択は他の分子と交差反応する抗体を取り去ることにより達成され得る。様々なイムノアッセイフォーマットを用いて特定タンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択してもよい。例えば、固相ELISAイムノアッセイをルーチン的に用いて、あるタンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択する(例えば、特異的免疫反応性を決定するのに用いることができるイムノアッセイフォーマットおよび条件の記載については、Harlow&Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (1988)を参照のこと)。
マーカータンパク質を調節する化合物を試験するためのアッセイの文脈における「機能的効果」なる句は、間接的にまたは直接的に本発明のバイオマーカー、例えば化学マーカーまたは表現型マーカーの影響下にあるパラメーターの測定を含む。それ故に、機能的効果は、とりわけ、リガンド結合活性、転写活性化または抑制、細胞の増殖能、遊走能を含む。「機能的効果」は、イン・ビトロ、イン・ビボおよびエキソ・ビボ活性を含む。
「機能的効果を測定する」は、直接的または間接的に本発明のバイオマーカーの影響下にあるパラメーターを増大させるまたは減少させる化合物についてアッセイすること、例えば、物理的および化学的または表現型の効果を測定することを意味する。かかる機能的効果は、当業者に知られるいずれかの手段、例えば分光学的特徴(例えば蛍光、吸光度、屈折率)の変化;そのタンパク質についての水力学的(例えば形状)、クロマトグラフ的;または溶解性特性;リガンド結合アッセイ、例えば抗体への結合;誘導可能なマーカーまたはそのマーカーの転写活性の測定;酵素学的活性の変化の測定;細胞増殖、アポトーシス、細胞サイクル停止を増大させるまたは減少させる能力、細胞表面マーカーの変化の測定によって、測定することができる。機能的効果は、当業者に知られる多くの手段によって、例えば、形態学的特徴の変化の定量的なまたは質的な測定のための顕微鏡検査法、胎盤組織において発現された他の遺伝子についてのRNAまたはタンパク質レベルの変化の測定、RNA安定性の測定、例えば、化学発光、蛍光、比色反応、抗体結合、誘導可能なマーカーなどによる、下流またはリポーター遺伝子発現の同定(CAT、ルシフェラーゼ、β-gal、GFPなど)によって評価することができる。
マーカーの「インヒビター」、「アクチベーター」および「モジュレーター」は、癌バイオマーカーのイン・ビトロおよびイン・ビボアッセイを用いて同定された、活性化する分子、抑制する分子または調節する分子を意味するために用いられる。インヒビターは、例えば、癌バイオマーカーに結合する、活性を部分的または全体的にブロックする、活性化を減少させる、防ぐ、遅れさせる、不活性化する、鈍感化(desensitize)する、または癌バイオマーカーの活性または発現を下方制御する化合物である。「アクチベーター」は、癌バイオマーカーの活性を増大させる、解放する、活性化する、促進する、活性化を強める、増感させる、刺激する、または上方制御する化合物、例えばアゴニストである。インヒビター、アクチベーターまたはモジュレーターはまた、癌バイオマーカーの遺伝学的修飾型、例えば、活性変化型ならびに天然および合成リガンド、アンタゴニスト、アゴニスト、抗体、ペプチド、環状ペプチド、核酸、アンチセンス分子、リボザイム、RNAiおよびsiRNA分子、小有機分子などを含む。インヒビターおよびアクチベーターについてのかかるアッセイは、例えば、癌バイオマーカーをイン・ビトロにて、細胞または細胞抽出物において発現する、推定のモジュレーター化合物を適用する、次いで上記のような活性に対する機能的効果を測定することを含む。
潜在的アクチベーター、インヒビターまたはモジュレーターにより処理される癌バイオマーカーを含むサンプルまたはアッセイは、インヒビター、アクチベーターまたはモジュレーターを含まない対照サンプルと比較して阻害の程度を調べる。対照サンプル(インヒビターによって処理されていない)には、100%の相対タンパク質活性値が割り当てられる。癌バイオマーカーの阻害は、対照と比較した活性値が約80%、好ましくは50%、より好ましくは25-0%である場合に達成される。癌バイオマーカーの活性化は、対照(アクチベーターにより処理していない)と比較した活性値が110%、より好ましくは150%、より好ましくは200-500%(すなわち対照に対して1〜5倍高い)、より好ましくは1000-3000%高い場合に達成される。
本明細書において用いる場合、「試験化合物」または「薬剤候補」または「モジュレーター」なる用語または文法上の等価物は、癌バイオマーカーを直接的にまたは間接的に調節する能力について試験すべき天然または合成のいずれかの分子、例えばタンパク質、オリゴペプチド(例えば、約5〜約25アミノ酸長、好ましくは約10〜20または12〜18アミノ酸長、好ましくは12、15または18アミノ酸長)、小有機分子、ポリサッカライド、ペプチド、環状ペプチド、脂質、脂肪酸、siRNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドなどを表す。試験化合物は、試験化合物のライブラリーの形態、例えば、十分な範囲の多様性を提供するコンビナトリアルまたはランダム化ライブラリーであり得る。試験化合物は必要に応じて、融合パートナー、例えば、標的化する化合物、救出(rescue)化合物、二量化化合物、安定化する化合物、アドレス可能な(addressable)化合物および他の機能的部分と連結される。従来的に、有用な特性を有する新規な化学物質は、いくつかの所望の性質または活性、例えば阻害活性を有する試験化合物(「リード化合物」と呼ばれる)を同定する、リード化合物の変異体を作製する、およびそれらの変異体化合物の性質および活性を評価することによって創出する。しばしば、ハイスループットスクリーニング(HTS)法がかかる分析に用いられる。
「小有機分子」は、約50ダルトン以上から約2500ダルトン以下、好ましくは約2000ダルトン以下、好ましくは約100〜約1000ダルトン、より好ましくは約200〜約500ダルトンの分子量を有する天然または合成の有機分子を意味する。
予後診断方法
本発明は、癌において示差的に発現されるマーカーの一群の発現を検出することにより、肺癌についての予後を予測する、または予後診断を提供する方法を提供する。かかる群の例は、ctnnb1、wnt3a、tp53、kras、erbb3、muc1、erbb2およびdusp6の遺伝子のいくつかまたは全て、あるいは遺伝子rnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1のいくつかまたは全て(例えばwnt3a、rnd3、lckおよびerbb3)を含み得る。予測および予後診断は、患者または患者サンプル中の肺癌バイオマーカーポリヌクレオチドまたは対応するポリペプチドの一群のレベルを測定し、次いでそのレベルとベースラインまたは範囲を比較することを包含する。典型的には、ベースライン値は、生物学的サンプル、例えば肺生検または体液サンプルを用いて測定した、肺癌に罹患していないまたは肺癌を発症する運命にない健康人におけるポリヌクレオチドまたは核酸のレベルからの代表である。ベースライン範囲からの本発明のポリヌクレオチドまたは対応するポリペプチドのレベルの変動(上方または下方)は、その患者が長期死亡率の増大したリスクを有することを示す。
好ましい実施態様において、生物学的サンプル、例えば腫瘍組織からのRNAを用い、一群のうち8つのバイオマーカーの発現をリアルタイムまたは定量的PCRを用いて調べる。顕微解剖は必要ない。RNA抽出は当業者に既知のいずれかの方法によって、例えばTrizolおよびRNeasyを用いて行うことができる。リアルタイムPCRは、当業者に既知のいずれかの方法、例えば、Applied Biosystemアッセイを用いるTaqmanリアルタイムPCRによって行うことができる。遺伝子発現はプールされた正常な肺RNAに対して計算され、発現はハウスキーピング遺伝子に対して標準化される。適切なオリゴヌクレオチドプライマーは当業者によって選択される。一実施態様において、アッセイはステージI、ステージII、ステージIIIまたはステージIVの癌について用いられる。一実施態様において、組織サンプルは手術により摘出された腫瘍からのものである。
一実施態様において、RNAバイオマーカーを、核酸結合分子、例えばプローブ、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドアレイおよびプライマーを用いて試験し、患者サンプルにおける示差的RNA発現を検出する。一実施態様において、RT-PCRは当分野において知られる標準的方法に従って用いる。別の実施態様において、定量的PCRアッセイ、例えば、Applied Biosystemsなどから入手可能なTaqman(登録商標)アッセイを用いて、核酸およびそれらの変異体を検出することができる。他の実施態様において、核酸マイクロアレイを用いて核酸を検出することができる。核酸の分析はルーチン的な技術、例えばノーザン分析を用いて達成することができ、あるいはマーカーコード配列の一部に相補的な核酸配列とのハイブリダイゼーションに基づくいずれかの他の方法(例えば、スロットブロットハイブリダイゼーション)も本発明の範囲内である。選択された核酸バイオマーカーに結合する試薬は、当業者に知られる方法に従って調製することができる、または市販のものを購入することができる。
適用可能なPCR増幅技術は、例えばAusubelらおよびInnisら(上記)に記載されている。一般的な核酸ハイブリダイゼーション法は、Anderson、「Nucleic Acid Hybridization(核酸ハイブリダイゼーション)」BIOS Scientific Publishers、1999に記載されている。複数の核酸配列(例えば、ゲノムDNA、mRNAまたはcDNA)の増幅またはハイブリダイゼーションは、マイクロアレイ中に配置されたmRNAまたはcDNA配列から行うこともできる。マイクロアレイ法は一般に、Hardiman、「Microarrays Methods and Applications: Nuts&Bolts(マイクロアレイ法および適用:Nuts&Bolts)」、DNA Press、2003;およびBaldiら、「DNA Microarrays and Gene Expression: From Experiments to Data Analysis and Modeling(DNAマイクロアレイおよび遺伝子発現:実験からデータ解析およびモデリングまで)」、Cambridge University Press、2002に記載されている。
核酸マーカーの分析は、限定するものではないが、配列分析および電気泳動分析を含む、当分野にて既知の技術を用いて行うことができる。配列分析の非限定的な例は、Maxam-Gilbertシークエンシング、Sangerシークエンシング、キャピラリーアレイDNAシークエンシング、熱サイクルシークエンシング(Sears et al., Biotechniques, 13:626-633 (1992))、固相シークエンシング(Zimmerman et al., Methods Mol. Cell Biol., 3:39-42 (1992))、質量スペクトル分析法、例えばマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量スペクトル分析法によるシークエンシング(MALDI-TOF/MS;Fu et al., Nat. Biotechnol., 16:381-384 (1998))およびハイブリダイゼーションによるシークエンシング(Chee et al., Science, 274:610-614 (1996);Drmanac et al., Science, 260:1649-1652 (1993);Drmanac et al., Nat. Biotechnol., 16:54-58 (1998))を含む。電気泳動分析の非限定的な例は、スラブゲル電気泳動、例えば、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動および変性剤濃度勾配ゲル電気泳動を含む。
別の実施態様において、アッセイにおいて抗体試薬を用い、患者サンプル中の本発明のタンパク質バイオマーカーの発現レベルを当業者に知られる多数のイムノアッセイのいずれかを用いて検出することができる。イムノアッセイ技術およびプロトコールは、PriceおよびNewman、「Principles and Practice of immunoassay(イムノアッセイの原理と実践)」、第2版、Grove's Dictionaries、1997;およびGosling、「Immunoassays:A Practical Approach(イムノアッセイ:実践的アプローチ)」、Oxford University Press、2000に一般に記載されている。競合的および非競合的イムノアッセイを含む、様々なイムノアッセイ技術を用いることができる。例えば、 Self et al., Curr. Opin. Biotechnol., 7:60-65 (1996)を参照のこと。イムノアッセイなる用語は、限定するものではないが、酵素イムノアッセイ(EIA)、例えば、酵素増幅イムノアッセイ法(EMIT)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、IgM抗体捕捉ELISA(MAC ELISA)および微小粒子酵素イムノアッセイ(MEIA);キャピラリー電気泳動イムノアッセイ(CEIA);ラジオイムノアッセイ(RIA);免疫放射定量測定法(IRMA);蛍光偏光免疫測定法(FPIA);および化学ルミネセンスアッセイ(CL)などの技術を包含する。必要に応じて、かかるイムノアッセイは自動化することができる。イムノアッセイはまた、レーザー誘起蛍光法とともに用いることができる。例えば、Schmalzing et al., Electrophoresis, 18:2184-93 (1997);Bao, J. Chromatogr. B. Biomed. Sci., 699:463-80 (1997)を参照のこと。リポソームイムノアッセイ、例えば、フローインジェクションリポソームイムノアッセイおよびリポソームイムノセンサーも、本発明における使用に適している。例えば、Rongen et al., J. Immunol. methods, 204:105-133 (1997)を参照のこと。さらに、比濁分析アッセイ(ここでタンパク質/抗体複合体の形成によって増大した光散乱が生じ、これがマーカー濃度の関数としてピークレートシグナルに変換される)も、本発明の方法における使用に適している。比濁分析アッセイはBeckman Coulter(Brea, CA;キット番号449430)から市販購入でき、Behring Nephelometer Analyzerを用いて実行することができる(Fink et al., J. Clin .Chem. Clin. Biochem., 27:261-276 (1989))。
本明細書に記載のアッセイ(直接的または間接的検出)において検出可能部分を用いることができる。多種多様な検出可能部分を、必要とされる感度、抗体とのコンジュゲーションの容易性、要求される安定性および利用可能な器具類および廃棄規定に応じて標識を選択して、用いることができる。適切な検出可能部分には、限定するものではないが、放射性核種、蛍光性色素(例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、Oregon Green(商標)、ローダミン、テキサスレッド(Texas red)、テトラローダミンイソチオシアネート(tetrarhodimine isothiocynate)(TRITC)、Cy3、Cy5など)、蛍光性マーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、フィコエリトリンなど)、自己消光(autoquenched)蛍光性化合物(腫瘍関連プロテアーゼによって活性化される)、酵素(例えば、ルシフェラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼなど)、ナノ粒子、ビオチン、ジゴキシゲニン、金属などが含まれる。
核酸に特異的な化学発光抗体を用いる化学ルミネセンスアッセイは、タンパク質レベルの高感度の、非放射性の検出に適している。蛍光色素により標識された抗体も適している。蛍光色素の例には、限定するものではないが、DAPI、フルオレセイン、ヘキスト(Hoechst)33258、R-フィコシアニン、B-フィコエリトリン、R-フィコエリトリン、ローダミン、テキサスレッドおよびリサミンが含まれる。間接的な標識には、当分野においてよく知られている様々な酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、ウレアーゼなどが含まれる。西洋ワサビペルオキシダーゼ検出系は、例えば、過酸化水素の存在下において450 nmにて検出可能な可溶性生成物を生じる発色性基質テトラメチルベンジジン(TMB)とともに用いることができる。アルカリフォスファターゼ検出系は、例えば、405 nmにて容易に検出可能な可溶性生成物を生じる、発色性基質p-ニトロフェニルリン酸とともに用いることができる。同様に、β-ガラクトシダーゼ検出系は、410 nmにて検出可能な可溶性生成物を生じる、発色性基質o-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(ONPG)とともに用いることができる。ウレアーゼ検出系は、基質、例えばウレア-ブロモクレゾールパープル(Sigma Immunochemicals;St. Louis, MO)とともに用いることができる。
直接的なまたは間接的な標識からのシグナルを、例えば発色性基質からの色を検出するために分光光度計を用いて;放射線を検出するために放射線測定器、例えば125Iの検出のためのガンマカウンターを用いて;または特定の波長の光の存在下において蛍光を検出するために蛍光光度計を用いて、分析することができる。酵素結合抗体の検出において、定量的な分析を、分光光度計、例えばEMAX Microplate Reader(Molecular Devices;Menlo Park, CA)を製造者の説明書に従って用いて行うことができる。必要に応じて、本発明のアッセイはロボット制御で自動化または遂行することができ、多数サンプルからのシグナルを同時に検出することができる。
抗体は、様々な固体担体、例えば、磁性のまたはクロマトグラフィーのマトリックス粒子、アッセイプレートの表面(例えば、マイクロタイターウェル)、固体基質材または膜(例えば、プラスチック、ナイロン、紙)の断片などの上に固定化することができる。アッセイストリップは、固体支持体上のアレイに抗体または複数の抗体を被覆することによって調製することができる。次いでこのストリップを試験サンプル中にさっと浸け、洗浄および検出工程を通して素早く処理して、測定可能なシグナル、例えば、色の付いたスポットを創出することができる。
有用な物理的フォーマットは、複数の異なるマーカーの検出のための、複数の別々の指定可能な(addressable)位置を有する表面を含む。かかるフォーマットはマイクロアレイおよび特定のキャピラリー装置を含む。例えば、Ng et al., J. Cell Mol. Med., 6:329-340 (2002);米国特許第6,019,944号明細書を参照のこと。これらの実施態様において、表面のそれぞれの別々の位置は、各位置において検出するための1以上のマーカーを固定化するための抗体を含み得る。あるいは、表面は、表面の別々の位置に固定化された1以上の別々の粒子(例えば、微小粒子またはナノ粒子)を含み得、ここで微小粒子は、検出するための1以上のマーカーを固定化するための抗体を含む。
分析は様々な物理的フォーマットにおいて行うことができる。例えば、多数の試験サンプルの処理を促進するために、マイクロタイタープレートまたは自動化を利用し得る。あるいは、時宜にかなった診断または予後診断が促進されるように、シグナルサンプルフォーマットを開発し得る。
あるいは、本発明の抗体または核酸プローブを、顕微鏡スライド上に固定化された患者の生検の切片に適用することができる。得られる抗体染色またはインサイチュハイブリダイゼーションパターンは、当分野において知られる様々な光または蛍光の顕微鏡法のいずれかを用いて可視化することができる。
別のフォーマットにおいて、様々な本発明のマーカーは、イン・ビボにおけるイメージング、例えば、本発明のバイオマーカーの核酸またはコードタンパク質を検出する標識された試薬のイメージングなど、のための試薬も提供する。イン・ビボイメージングのために、癌バイオマーカーによってコードされたタンパク質の存在を検出する試薬、例えば抗体を、適切なマーカー、例えば蛍光性マーカーを用いて標識化してもよい。
レポート
別の態様において、本発明は、癌を有する対象の予後診断を示すレポートを特徴とする。レポートは、例えば、電子形態または紙形態であり得る。レポートは、基本的な患者情報(対象を確認するもの(例えば、対象の氏名、社会保障番号、医療保険番号またはランダムに作成された番号)を含む)、対象の身体的特性(例えば、年齢、体重または性別)、依頼した医師の氏名、予後診断がなされた日付およびサンプル採取日を含み得る。レポートされる予後診断は、特定期間の間の生存可能性、特定期間内の特定処置(例えば化学療法的または外科的処置)に対する反応の見込みおよび/または癌の再発の可能性に関係し得る。レポートされる予後診断は、特定期間の間の生存可能性のパーセンテージ、処置に対する好ましい反応の可能性のパーセンテージ(好ましい反応は、例えば、腫瘍の縮小または腫瘍成長の減速と定義され得る)または既定の期間にわたる再発可能性(例えば、5年にわたる生存の20%可能性)の形態であり得る。あるいは、レポートされる予後診断は、算出されたスコアの形態であり得る。より高いまたはより低いスコアが、例えば、好ましい予後の指標となるものであり得る。別の実施態様において、レポートされる予後診断は、一定期間にわたる生存可能性、処置に対する反応の可能性または再発可能性の一般的な記載(例えば、5年間の生存の可能性が非常に高い、おそらく生存するであろう、または生存の見込みがない)であり得る。別の実施態様において、レポートされる予後診断はグラフの形態であり得る。遺伝子発現レベルに加え、レポートされる予後診断は対象のさらなる特徴(例えば、年齢、癌のステージ、性別、先の処置、身体の健康(fitness)、心臓脈管の調子およびメンタルヘルス)も考慮に入れてもよい。
予後診断に加え、レポートは必要に応じてRnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1から選択される少なくとも2の遺伝子の発現レベルに関する生データを含み得る。
組成物、キットおよび組み込み系
本発明は、本発明のポリペプチドに特異的な抗体または本発明のポリヌクレオチドに特異的な核酸を用いて、本明細書に記載のアッセイを行うための、組成物、キットおよび組み込み系を提供する。
本発明の診断アッセイを行うためのキットは典型的には、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに特異的に結合する抗体または核酸配列を含むプローブおよびプローブの存在を検出するための標識を含む。キットは、本発明のポリペプチドをコードするいくつかの抗体またはポリヌクレオチド配列、例えば、本発明のバイオマーカーによってコードされたタンパク質を認識する抗体カクテルを含み得る。
図1は、肺癌が癌死亡の最も一般的な要因であることを示し、ステージ1の癌について、長期死亡率(5年生存率)の予後判定はおおよそ60%であることを示す。 図2は、予後診断のゲノムモデルを示す。 図3は、RT PCT分析に用いたサンプルを記載している。 図4は、予後について経過観察した患者集団を記載している。 図5は、定量的(RT)PCR法を記載している。 図6は、訓練(training)セットにおける全ての肺腺癌についてのマーカーの結果を記載している。 図7は、検証(validation)セットにおける全ての肺腺癌のについてのマーカーの結果を記載している。 図8(シート1)は、訓練セットにおけるステージ1肺腺癌についてのマーカーの結果を記載している。 図8(シート2)は、検証セットにおけるステージ1肺腺癌についてのマーカーの結果を記載している。 図9は、ステージ1肺腺癌についてのRT-PCR多重遺伝子予後診断アッセイに用いた8遺伝子を列挙している。 図10は、検証セットにおけるステージ、腫瘍サイズおよびハイスコアによるCoxモデルについての結果を示す。 図11aは、4遺伝子の予後モデルを用いて、低リスクおよび高リスク(全ステージ)の患者における全生存率を比較するKaplan-Meier曲線である。 図11bは、低リスクおよび高リスクスコア(全ステージ)の患者における無病生存率を比較するKaplan-Meier曲線である。 図12aは、4遺伝子の予後モデルを用いて、低リスクおよび高リスクスコアのステージI患者における全生存率を比較するKaplan-Meier曲線である。 図12bは、低リスクおよび高リスクスコアのステージI患者における無病生存率を比較するKaplan-Meier曲線である。 図13は、Chenらにより報告された5の遺伝子モデルを用いて、低リスクおよび高リスクスコアのステージI患者を比較するKaplan-Meier曲線である。
実施例
以下の実施例は例証のために提供するのであって、特許請求する本発明を限定するものではない。
実施例1 CTNNB1、WNT3A、TP53、KRAS、ERBB3、MUC1、ERBB2およびDUSP6
本発明は、肺腺癌を外科的に切除し、少なくとも3年経過観察し、採取しやすい質の高い組織を有していた105人の患者におけるデータを解析した。リアルタイムPCRを65の遺伝子およびハウスキーピング遺伝子(18SおよびPOL2RA、表1も参照のこと)について行った。PCR出力(サイクル閾値、CTにおける)を市販のプールされた正常な肺RNAおよびハウスキーピング遺伝子としての18Sに標準化した。得られた値(表2に示す)は正常な肺RNAに対する発現の比率である。表2において、それらの遺伝子は行方向に配置し、遺伝子は簡略化した。各遺伝子(例えば7-FZD)の前の数字は、遺伝子を整理するために我々が用いた数字であり、他の意味はない。次いで、これらの値を対数変換した(表2における第2のセットの値)。
以下のように分析を行った。サンプル(患者)を2セットに分けた:無作為に、訓練セット(n=70)および検証セット(n=35)。Coxモデリングを訓練セットの個々の各遺伝子について行い、生存率のための開放性(liberal)P値の閾値0.2を用いて遺伝子を選択した。次いで、我々は訓練セットについてこれらの全ての遺伝子を一緒に逆方向選択した、つまり、0.2のP値基準に基づいて1つずつ遺伝子を落とし、その遺伝子を落とした時に1以上の残りの遺伝子の係数が有意に変化した時に止めた。最終モデルは以下の8つの遺伝子を含有していた:ctnnb1、wnt3a、tp53、kras、erbb3、muc1、erbb2およびdusp6。次いで、各サンプルについてスコアを得るためにモデルに個々のサンプル発現値を当てはめた。我々はハイスコアのためのカットポイントをトップの三分位のスコアにおくことを選択した。Kaplan-Meier曲線を、全サンプルについて、およびステージIの患者のみについても作成した。これを検証セットにおいても繰り返した。coxモデルを腫瘍サイズおよび腫瘍ステージを含めて行い、これらの他の変数について調整した後に、ハイスコアによって高い死亡リスクを予測した。
実施例2 WNT3A、RND3、LCKおよびERBB3
理想的には、予後診断ツールは正確なリスクの層別化を提供すべきであり、毎日の実施に用いるのに臨床的に実行可能であるべきであり、対費用効果が高く有るべきである。かかるアッセイは、ステージIのNSCLCが外科的に切除された患者に特に有利であろう。ステージIのNSCLCのための現在の標準的治療は、肺葉切除術および縦隔リンパ節切開であり、アジュバント化学療法は行わない。良好な予後の患者サブセットのより良い同定によって、同じ生存可能性において行われる外科的処置をより少なくでき得る。反対に、予後不良のステージIのサブセットを選択して、新たなアプローチおよび新たな治療剤を試験する臨床試験に含めることができるであろう。現在のステージIの疾患における化学療法の制限を考慮すると、予後診断および化学療法の利益の予測の両方が得られるバイオアッセイは、特に有利であり得る。最後に、ステージIのNSCLCは将来的に重大性が増大すると見込まれる。一方、現在NSCLCと診断されている患者のおおよそ20パーセントはステージIであり、この比率はおそらく、最近のコンピューター断層撮影による肺癌スクリーニングの出現によって増大するであろう。
我々はWnt3a、rnd3、lckおよびerbb3の発現が、肺癌患者の生存の予後指標になることを見出した。研究した患者の臨床的および組織学的特徴を表3に列挙する。我々ははじめに全データセットを分析し、次にその分析をステージIの患者に制限した。年齢、腫瘍サイズおよびステージについて強制的に調整した後に行った交差検定は、以下の順に選択された4遺伝子を含有するモデルを支持した:Wnt3a、rnd3、lckおよびerbb3。全生存(OS)を、これらの4遺伝子(とL1収縮係数(shrunken coefficient))を用いるモデルにおけるリスクスコアを用いて解析した。患者の年齢、疾患ステージおよび腫瘍サイズについて調整した後、連続型変数としてのリスクスコアについてのハザード比(HR)は、表4に列挙するように6.7(95%CI:1.6-28.9、p=0.005)であった。
この4遺伝子モデルからの二分されたリスクスコアに基づく全研究コホートについての生存曲線を図11aおよび11bに示す。70人のステージI患者における二分されたリスクスコアについての対応する生存曲線を図12aおよび12bに示す。5年OSは全患者については56%であり、ステージI患者については65%であった。全患者において、5年OSは低リスク患者のうち62%であり、高リスク患者のうち41%であった(p=0.0054)。5年DFSは低リスク患者のうち60%であり、高リスク患者のうち28%であった(p=0.0053)。ステージI患者において、5年OSは低リスク患者のうち87%であり、高リスク患者のうち38%であり(p=0.0002)、DFSは低リスク患者のうち77%であり、高リスク患者のうち35%であった(p=0.0045)。
Chenらの5遺伝子モデルを我々の研究集団に適用すると、年齢、ステージおよび腫瘍サイズについて調整したHRは2.4(95% CI:1.3-4.3、p=0.0047)であった13 .(Chen et al, N Engl J Med 356:11-20 (2007))。全患者において、5年OSは低リスク患者のうち65% であり、高リスク患者のうち43%であった(p=0.045)。ステージI患者において、5年OSは低リスク患者のうち80%であり、高リスク患者のうち47%であった(p=0.022)(図13)。
我々は肺腺癌を完全に切除された患者の長期生存の予後指標になる4遺伝子の遺伝子発現(定量的PCRによる)に基づいてリスクスコアを同定した。この遺伝子発現に基づくスコアは、臨床ステージおよび腫瘍サイズより良く生存率(調整したHR 6.7)および疾患再発を予測した。我々のモデルは、ステージI疾患の患者における死亡リスクを最も良く予測した。我々の交差検定したコホートにおいて、低および高リスクスコアは、ステージI患者のうち87%および38%の5年全生存率と連関していた。
我々はモデル選択およびモデル検証の両方のために交差検定を用いた。試験および検証セットにデータを分割するよりむしろ、交差検定は、繰り返しデータ分割を用いて、モデルの過剰な適合(over-fitting)を防ぎ、またモデル係数の正確な推定を行う。交差検定は検証されたモデル係数の作成を可能にするが、単純なデータ分割よりも効率的にデータを利用する。
この予後モデルは、肺癌の診断および肺癌の予後診断の提供において、例えば、ステージIの肺腺癌の患者のリスク層別化において臨床ステージ分けを補完するツールとして、重要な臨床的意味を有する。ステージIのNSCLCを有する患者のための現在の標準的治療は、外科的切除、典型的には肺葉切除術のみである。反対に、再発について低リスクの切除後の患者は、観察のみという最良の処置がなされ得、全摘より少ない肺切除の候補でもあり得る。
我々の患者集団において、我々のモデルの予後値はChenら(Id.)の予後値に勝るとも劣らない。この知見についていくつかの可能性ある説明が存在する。第1に、我々のモデルについての候補遺伝子は先に報告されたゲノムワイドな発現のマイクロアレイ研究に基づいて選択し、Chenモデルにおける遺伝子はより限定されたカスタム発現アレイプラットフォームから選択した。さらに、我々の遺伝子モデルは遺伝子の比較的大きなセットをRT-PCRにより評価してから確定した。さらに、我々の患者の経過観察期間は比較的長く、最大経過観察期間は3年であり、経過観察期間の中央値は61ヶ月であった。このファクターによって、我々はリスクグループ間の生存における差異をより正確に検知することができたであろう。
方法
患者
肺腺癌の完全な外科的切除を行い、新鮮な凍結組織をゲノム分析の間バンクした120人の患者を1997年1月〜2004年6月の間研究した。適格な患者は、治癒を目的とした外科的切除を行い、縦隔リンパ節の十分なステージ分けを行った患者である。純粋な予後診断ツールの開発を混乱させないために、手術前に化学療法を受けた患者は研究から除外した。バンクした組織が不十分であった、RNAの質が不十分であった、またはハウスキーピング遺伝子の発現が弱かったために、31人の患者を除外した。主要評価項目は全生存であった。無病生存期間(DFS)は、外科術時から、X線検査にて再発疾患が証明されるまで、または再発疾患が存在しなかった最後に記録した医師の経過観察訪問時までと定義した。患者はあらかじめ組織試料採取に同意しており、研究はUCSF治験審査委員会により承認されている(CHR番号H8714-28880-01)。
遺伝子選択
先に報告された、早期ステージの肺癌における予後のマイクロアレイおよびPCRに基づく研究から同定された217遺伝子のうち(例えば、Beer et al. Nat Med 8:816 (2002);Potti et al. N Engl J Med 355:570 (2006);Wigle et al. Cancer Res 62:3005 (2002);Garber et al. Proc Natl Acad Sci U S A 98:13784 (2001);Miura et al. Cancer Res 62:3244 (2002);およびSchneider et al. Br J Cancer 83:473 (2000)を参照)、76の癌関連遺伝子を内容の専門家または文献調査によって同定した。パイロット研究におけるRT-PCRによると非機能性のプライマーであった、または腫瘍組織において発現が非常に弱かったために、15遺伝子を除外した。残りの61の遺伝子を表5に列挙する。
サンプル調製および分析
全ての組織を操作時に液体窒素中において凍結させた。組織を1cm3切片に切り(macrodissect)、液体窒素中で粉砕した。RNAをTriZol(Invitrogen、Carlsbad、CA)抽出プロトコールを用いて抽出した。384ウェルプレート中のcDNA について7900HT装置(Applied Biosystems、Foster City、CA)を用いてTaqman RT-PCRを行った。各遺伝子の発現を3回アッセイした。サンプルを市販のプールされた正常な肺RNA(Clontech、Mountain View、CA)と比較し、18SリボゾームrRNA(Applied Biosystems)に標準化した。
腫瘍試料のおおよそ1cm角のブロックを、新たに肺から摘除し、直ちに液体窒素中で瞬間冷凍することによって得た。凍結組織は−80℃Cにて保存した。全RNAを131の個々の腫瘍試料からTriZol(Invitrogen)抽出プロトコールを用いて抽出した。RNAサンプルの質をAgilent 2100 BioAnalyzer(商標)(Agilent)を用いて検証し、各サンプルのRNA濃度をNanodrop ND-1000(商標)(Nanodrop)によって測定した。3μgの全RNAテンプレートからiScript cDNA合成キット(BioRad)を用いて第一鎖cDNAを合成し、86の異なる遺伝子転写物のそれぞれに対応する発現レベルを、ABI PRISM 7900 HT配列検出系と自動化アクセサリ(Applied Biosystems)を用いて、定量的リアルタイムPCRによって測定した。3回繰り返し行った各20μLの反応は、TaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems)、適切なTaqman遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems)および反応あたり120ngの全RNAに対応する1.8μL cDNAテンプレートから構成された。
Ct値は配列検出系(SDS)2.3ソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて得、相対的な遺伝子発現値はΔΔCtとして計算し、これから、キャリブレーターサンプル(全てのサンプルについての参照)と比較した、内在参照遺伝子の発現レベルに対して標準化した標的遺伝子の相対的な発現レベルを得た。用いたキャリブレーターサンプルはClontech提供の正常なヒト肺の全RNAから合成されたcDNA(カタログ番号636524)であった。内在性参照遺伝子を選択するために、先に報告された多数の一般に用いられる参照遺伝子の肺癌(腫瘍および正常組織の両方)における発現レベルを比較した。3つの遺伝子(18SリボソームRNAサブユニット、POL2RA RNAポリメラーゼおよびTBP TATAボックスタンパク質をコードする)を選択し、それらの発現レベルを腫瘍および正常サンプルの両方からのいくつかのcDNA試料の希釈物間で比較した。18S rRNAが肺サンプル(腫瘍および正常)において最も安定な発現を示し、それ故に生の遺伝子発現値を、18S rRNAの発現値に標準化した。
統計解析
我々のデータ構造の顕著な特徴は、(i)適度の事象数(47−行方不明者を除外するサブ設定後)を用いて検閲された正しい生存終点(死亡);(ii)RT-QPCRから得られた(log)遺伝子発現値(上述のデルタ-デルタCt)によって構成される多数の(61)予測因子;および(iii)臨床的および人口統計的共変数を選択することである。これらの特性および規模を鑑みて、我々が用いた主なデータ分析ツールはL1罰則のCox比例ハザード回帰であった。この方法はL1罰則に備わっている同時収縮係数および予測因子選択を拡張し、それは生存データ設定に高度に効果的であることが証明された。マイクロアレイ遺伝子発現の適用によってかなり動機付けられた初期の拡張は、コンピューター的に禁止されるか、または概算に頼っていた。我々はモデルサイズ;すなわち選択された遺伝子数を決定するための交差検定を用いた。次いで、モデル係数に基づいて各対象についてリスクスコアを作成した。得られた予測されたリスクスコアを二分し(中央で)、対応するKaplan-Meier生存曲線を示し、ログランク統計値によって比較した。全ての分析は統計パッケージR(バージョン2.3.1、2006)を用いて行った。
本明細書に記載の実施例および実施態様は例証のみを目的としており、それらを踏まえると当業者には様々な修飾または改変が示唆されているであろう、そしてそれらは本出願の精神および権原範囲および添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるべきであると理解されたい。本明細書に引用されている全ての刊行物、特許および特許出願は、これによりその全体が参照により組み込まれる。
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Claims (12)

  1. 肺癌を有する対象の予後評価を補助する方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)対象由来の生物学的サンプルを、rnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1からなる群から選択される少なくとも4つを含むバイオマーカーの一群の1つのメンバーにそれぞれ特異的に結合する試薬群と接触させる工程、ここに、該少なくとも4つのバイオマーカーがerbb3、lck、wnt3aおよびrnd3を含む、
    (b)試料中の少なくとも4つのバイオマーカーの発現レベルを決定する工程、
    (c)該少なくとも4つのバイオマーカーの発現レベルを用いて、該対象のリスクスコアを算出する工程;および
    (d)該リスクスコアに基づいて、該対象の予後を提供する工程、ここに、より高いリスクスコアが死亡のより高い可能性を示し、より低いリスクスコアが死亡のより低い可能性を示す。
  2. 肺癌を有する対象の予後評価を補助する方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)対象由来の生物学的サンプルを、rnd3、wnt3a、erbb3、lck、sh3bgr、fut3、il11、cdc6、cdk2ap1、bag1、emx2、six3およびbrca1からなる群から選択される少なくとも4つを含むバイオマーカーの一群の1つのメンバーにそれぞれ特異的に結合する試薬群と接触させる工程、ここに、該少なくとも4つのバイオマーカーがerbb3、lck、wnt3aおよびrnd3を含む、
    (b)試料中の少なくとも4つのバイオマーカーの発現レベルを決定する工程、
    (c)該少なくとも4つのバイオマーカーの発現レベルを用いて、該対象のリスクスコアを算出する工程;および
    (d)該リスクスコアに基づいて、該対象の予後を提供する工程、ここに、より高いリスクスコアが全生存率のより低い可能性を示し、より低いリスクスコアが全生存率のより高い可能性を示す。
  3. 前記発現レベルがmRNA発現レベルである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記発現レベルが定量的rtPCRを用いて定量化される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記発現レベルがタンパク質発現レベルである、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記発現レベルが抗体結合アッセイを用いて定量化される、請求項5に記載の方法。
  7. 抗体結合アッセイがELISAである、請求項6に記載の方法。
  8. 生物学的サンプルが血液サンプルである、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 生物学的サンプルが腫瘍生検である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  10. 生物学的サンプルが肺生検である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  11. 少なくとも4つのバイオマーカーの発現レベルを決定することが、少なくとも4つのバイオマーカーのメチル化レベルを測定することを含む、請求項1または2記載の方法。
  12. 前記バイオマーカーの一群がerbb3、lck、wnt3aおよびrnd3からなる、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
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