JP5988435B2 - 放射線照射された生分解性微粒子 - Google Patents

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Description

(関連出願)
本出願は、2010年1月24日に出願された米国仮出願番号61/297,805号からの優先権を主張し、上記米国仮出願は、その全容が参考として本明細書に援用される。
(背景)
粒状キャリアは、適切な免疫応答を誘発しようとする試みにおいて、吸着もしくは捕捉された抗原とともに使用されてきた。このようなキャリアは、免疫系に選択された抗原の複数のコピーを提示し、局所リンパ節において抗原の捕捉および保持を促進すると考えられる。上記粒子は、マクロファージによってファゴサイトーシスを受け得、サイトカイン放出を介して抗原提示を増強し得る。
例えば、共有に係る特許文献1および同時係属中の特許文献2は、免疫学的応答(細胞媒介性免疫学的応答を含む)を刺激するために、抗原が吸着され、抗原が閉じ込められた微粒子の使用、ならびに上記微粒子を作製するための方法を記載する。上記微粒子を形成するために使用され得るポリマーは、ポリ(ラクチド)およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLG)を含む。
共有に係る特許文献3および特許文献4、ならびに特許文献5は、吸着された高分子(ポリヌクレオチドおよびポリペプチド抗原が挙げられる)を有する微粒子を作製するための方法を開示している。上記微粒子は、例えば、ポリマー(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)(例えば、PLGA、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物など))を含み、例えば、カチオン性、アニオン性もしくは非イオン性の界面活性剤を使用して形成される。アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むPLG微粒子)を含む微粒子は、正に荷電した高分子(例えば、ポリペプチド)とともに使用され得る。カチオン性界面活性剤を含む微粒子(例えば、CTAB(セトリミド(cetrimide)もしくはセチルトリメチルアンモニウムブロミドとしても公知)を有するPLG微粒子)は、負に荷電した高分子(例えば、DNA)とともに使用され得る。免疫学的応答(細胞媒介性免疫学的応答が挙げられる)を刺激するためのこのような微粒子の使用もまた、開示されている。
国際公開第98/33487号 米国特許出願公開第2003/0049298号明細書 国際公開第00/06123号 国際公開第01/36599号 米国特許第6,884,435号明細書
(発明の要旨)
本発明は、生分解性微粒子を含む滅菌微粒子組成物を提供し、上記生分解性微粒子は、少なくとも1種の生分解性ポリマーを含む。
特定の実施形態において、上記滅菌微粒子組成物は、乾燥している。
特定の実施形態において、上記微粒子組成物は、ブランクである(すなわち、それらは、活性薬剤(例えば、薬物、免疫学的アジュバント、抗原などを含む医薬)を含まない)。
特定の実施形態において、本発明の滅菌微粒子組成物内の上記生分解性ポリマーは、合成生分解性ポリマーであり、例えば、とりわけ、ポリエステル(例えば、ポリ[ヒドロキシ酸]、ポリ[環式エステル]など)、ポリカーボネート、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリシアノアクリレート、ポリホスファジン、およびこれらの組み合わせから選択される。
特定の実施形態において、上記滅菌微粒子組成物は、γ線照射されている。それらの調製後に密封環境において上記微粒子組成物をγ線照射することによって、上記微粒子組成物が、無菌条件下で製造された場合でも、滅菌生成物を提供することは可能である。
本発明に従う滅菌微粒子組成物は、例えば、滅菌流体の導入および除去を可能にするように構成されている密封容器内で(例えば、ゴム製隔壁などを有するガラス製バイアル内で)提供され得る。
このような密封容器内で滅菌乾燥微粒子組成物を提供することによって、上記微粒子は、水性流体(例えば、注射用水)に曝され得、それによって、上記微粒子の水性懸濁物を形成し、これは、その後、引き抜かれて、患者に投与され得る。
好ましくは、上記微粒子組成物が25mg/mlの濃度で存在するような量の水が添加された際に、上記懸濁した微粒子が10μm未満(例えば、10μmから5μmまで、2.5μmまで、1μmまで、500nmまで、250nmまで、100nmまでもしくはこれ以下の範囲に及ぶ)のD(v,0.5)値を有する懸濁物が形成される。
特定の実施形態において、このような密封容器は、以下:(a)上記微粒子処方物がγ線照射されたという表明、(b)貯蔵情報、(c)投与情報、および(d)上記微粒子形成物をどのように投与するかに関する指示書からなる群の1つ以上の要素を示すラベルとともに、提供され得る。いくつかの場合において、上記密封容器およびラベルは、適切なパッケージ材料内に含まれ得る。
特定の実施形態において、本発明に従う微粒子組成物は、抗原を含む。抗原の例としては、とりわけ、ペプチド含有抗原、ポリサッカリド含有抗原、ポリヌクレオチド含有抗原、およびこれらのハイブリッド(例えば、ペプチド−ポリサッカリドハイブリッド抗原)が挙げられる。抗原は、例えば、腫瘍細胞および病原性生物(例えば、ウイルス、細菌、真菌および寄生生物)に由来し得る。
上記微粒子組成物がγ線照射によって滅菌され、かつ抗原がこのような照射の効果に対して抵抗性である場合、上記抗原は、例えば、上記微粒子の表面と会合し(例えば、吸着され)得るか、上記微粒子内に捕捉され得るかもしくは封じ込められ得るか、またはその両方であり得る。
しかし、多くの抗原は、このような照射の効果に抵抗性ではない。その場合、上記抗原は、照射滅菌後に、上記微粒子と合わされ得る。例えば、滅菌水性抗原含有流体(例えば、溶液、懸濁物など)は、本発明の微粒子組成物に導入され得(上記微粒子組成物は、例えば、乾燥形態、水性懸濁物などの状態であり得る)、それによって、上記微粒子および抗原を含む滅菌水性懸濁物を形成し、これは、その後、引き抜かれて、患者に投与され得る。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、上記抗原の実質的なパーセンテージ(例えば、25重量%以上)が、短期間(例えば、30分以下)の内に上記微粒子に吸着され、好ましくは、30分から、10分まで、5分まで、1分まで、もしくはこれ以下の範囲の期間内に、例えば、上記抗原のうちの25重量%から、50重量%まで、75重量%まで、90重量%まで、95重量%までもしくはこれ以上が、上記微粒子に吸着され得る。
特定の実施形態(例えば、上記投与されるべき抗原がペプチド含有抗原である場合)において、正味の負電荷を有する微粒子は、吸着を増強するために使用され得る。特定の他の実施形態(例えば、上記投与されるべき抗原が、ポリヌクレオチド含有抗原である場合)において、正味の正電荷を有する微粒子は、吸着を増強するために使用され得る。
所定の微粒子集団の正味の電荷は、上記微粒子のゼータ電位の測定を含む公知の技術を使用して測定され得る。特定の実施形態において、上記微粒子組成物が25mg/mlの濃度で存在するような量の水を添加した際に、懸濁物が形成され、ここで上記懸濁した微粒子は、生理学的pHにおいて+20mVより大きいか(正に荷電した粒子に関して)、または−20mV未満(負に荷電した粒子に関して)であるゼータ電位を有する。
特定の実施形態において、上記微粒子は、荷電した生分解性ポリマーを使用して形成される。特定の実施形態において、微粒子は、荷電した種の存在下で形成されるか、またはその後、荷電した種で処理される。このような荷電した種の例としては、とりわけ、イオン性低分子、イオン性ペプチド、イオン性ポリマーおよびイオン性表面活性剤が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明の滅菌微粒子組成物は、凍結保護因子を含む。このような因子は、例えば、滅菌乾燥微粒子組成物が凍結乾燥(freeze−drying)プロセス(例えば、凍結乾燥(lyophilization))を使用して形成される場合に、特に望ましい。凍結保護因子の例としては、とりわけ、ポリオール、炭水化物およびこれらの組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態において、本発明に従う微粒子組成物は、免疫学的アジュバントを含む。免疫学的アジュバントの例としては、とりわけ、CpGオリゴヌクレオチド、二本鎖RNA、E.coli熱不安定性毒素、アルミニウム塩、リポサッカリドホスフェート化合物、リポポリサッカリドホスフェート模倣物、モノホスホリルリピドAアナログ、低分子免疫増強剤(例えば、TLRアゴニスト(ベンゾナフチリジン化合物、リポペプチドなどを含む)、ムラミルトリペプチドホスファチジルエタノールアミンおよびトコフェロール)が挙げられる。
上記微粒子がγ線照射によって滅菌され、かつ上記免疫学的アジュバントがこのような照射の効果に対して抵抗性である場合、上記免疫学的アジュバントは、例えば、上記微粒子の表面と会合し得る(例えば、吸着され得るかもしくは別の方法で結合される)か、上記微粒子内に捕捉され得るかもしくは封じ込められ得るか、またはその両方である。
免疫学的アジュバントがこのような照射の効果に対して抵抗性でない場合、上記免疫学的アジュバントは、照射滅菌後に、上記微粒子と合わせられ得る。例えば、滅菌抗原含有溶液もしくは懸濁物は、上記微粒子に導入され(これは、例えば、乾燥形態、水性懸濁物形態などであり得る)、それによって、上記微粒子およびアジュバントを含む滅菌水性懸濁物を形成する。特定の実施形態において、上記免疫学的アジュバントのうちの実質的なパーセンテージ(例えば、25重量%以上)が、上記微粒子に短期間(例えば、30分以下)の内に吸着され、例えば、上記免疫学的アジュバントのうちの25重量%から、50重量%まで、75重量%まで、90重量%まで、95重量%まで、もしくはこれ以上が、30分から、10分まで、5分まで、1分まで、もしくはこれ以下の範囲の期間内で、上記微粒子に吸着され得る。
特定の実施形態において、本発明に従う微粒子組成物は、上記微粒子内で捕捉されるかもしくは封じ込められるγ線照射の効果に抵抗性の低分子免疫増強剤を含む。ガンマ線照射後、抗原は、捕捉された低分子免疫増強剤とともに上記微粒子の表面に吸着される。特定の実施形態において、上記低分子免疫増強剤は、TLR7アゴニスト(例えば、ベンゾナフチリジン化合物)である。他の実施形態において、上記低分子免疫増強剤は、TLR2アゴニスト(例えば、リポペプチド)である。特定の実施形態において、本発明の微粒子組成物は、上記微粒子内に封じ込められたTLR7およびTLR2アゴニストの両方を含む。
特定の実施形態において、本発明に従う微粒子組成物は、治療剤もしくは他の荷電した薬物を含む。上記微粒子がγ線照射によって滅菌され、かつ治療剤もしくは荷電した薬物がこのような照射の効果に対して抵抗性である場合、上記治療剤もしくは荷電した薬物は、場合によって、例えば、上記微粒子の表面と会合し(例えば、吸着されるかもしくは別の方法で結合され)得るか、上記微粒子内で捕捉され得るかもしくは封じ込められ得るか、またはその両方であり得る。治療剤もしくは荷電した薬物が、このような照射の効果に抵抗性でない場合、上記治療剤もしくは荷電した薬物は、照射滅菌後に、上記微粒子と合わせられる。
本発明の他の局面は、本発明に従う微粒子組成物を含むキットに関する。例えば、特定の実施形態において、キットは、以下を含んで提供される:(a)本明細書に記載される滅菌乾燥微粒子組成物を含む第1の密封容器、(b)1種以上の滅菌ワクチン抗原(例えば、乾燥形態、滅菌溶液/懸濁物形態などにある)を含むさらなる密封容器、および/または(c)1種以上の滅菌免疫学的アジュバント(例えば、乾燥形態、滅菌溶液/懸濁物形態などにある)を含むさらなる密封容器。特定の実施形態において、キットは、以下を含んで提供される:(a)本明細書に記載される滅菌乾燥微粒子組成物を含む第1の密封容器、(b)1種以上の滅菌治療剤(例えば、乾燥形態、滅菌溶液/懸濁物形態などである)を含むさらなる密封容器、および/または(c)1種以上の滅菌の薬学的に受容可能なキャリアを含むさらなる密封容器。
上記第1の密封容器および上記1個以上のさらなる密封容器は、滅菌流体の導入および除去を可能にするように構成される(例えば、ゴム製隔壁などを介して)。このようなキットは、上に記載されるように、表示および/もしくはパッケージングとともに提供され得る。
他の局面において、本発明は、微粒子組成物(例えば、前述のもの)を生成するための方法を提供する。
なお他の局面において、本発明は、上記微粒子組成物を宿主被験体に(例えば、治療目的、予防目的、もしくは診断目的で)送達する方法を提供する。上記宿主動物は、好ましくは、脊椎動物、より好ましくは、哺乳動物、およびさらにより好ましくは、ヒトである。
特定の実施形態において、上記微粒子組成物を宿主被験体に送達する方法が提供され、上記方法は、(a)滅菌乾燥生分解性ポリマー微粒子と、1種以上の抗原を含む水性流体とを合わせ、それによって、上記抗原のうちの少なくとも一部を上記微粒子の表面に吸着させる工程、および(b)上記合わせたものを、哺乳動物に、好ましくは、混合して30分以内に、より好ましくは、混合して10分以内に、さらにより好ましくは、都合がよければ混合してできるだけ直ぐに、投与する工程を包含する。
本発明のこれらおよび他の局面、実施形態、ならびに利点は、本明細書の開示に鑑みれば、当業者により容易に明らかになる。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
密封容器および該密封容器内に含まれる滅菌乾燥微粒子組成物を含む製造物品であって、該微粒子組成物は、生分解性ポリマーを含むブランク生分解性微粒子を含み、ここで該密封容器は、滅菌流体の導入および除去を可能にするように構成されている、製造物品。
(項目2)
前記密封容器は、隔壁を含む、項目1に記載の製造物品。
(項目3)
前記製造物品は、γ線照射されている、項目1〜2のいずれかに記載の製造物品。
(項目4)
前記生分解性微粒子は、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む、項目1〜3のいずれかに記載の製造物品。
(項目5)
前記微粒子組成物が25mg/mlの濃度を有するような量の水を添加した際に、前記微粒子が0.5〜5μmの間のD(v,0.5)値を有する懸濁物が、形成される、項目1〜4のいずれかに記載の製造物品。
(項目6)
前記微粒子組成物は、凍結乾燥した微粒子組成物である、項目1〜5のいずれかに記載の製造物品。
(項目7)
前記微粒子組成物は、凍結保護因子をさらに含む、項目6に記載の製造物品。
(項目8)
前記容器は、4〜50mgの間の前記微粒子および5〜150mgの1種以上の薬学的賦形剤を含む単一用量容器である、項目1〜7のいずれかに記載の製造物品。
(項目9)
前記微粒子組成物は、荷電した微粒子を含む、項目1〜8のいずれかに記載の製造物品。
(項目10)
前記荷電した微粒子は、前記生分解性ポリマーに加えて、荷電した種を含む、項目9に記載の製造物品。
(項目11)
前記荷電した種は、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤から選択される、項目10に記載の製造物品。
(項目12)
前記微粒子組成物が25mg/mLの濃度となる量の水を添加した際に、懸濁物が形成され、ここで前記微粒子が生理学的pHにおいて+20mVより高いかもしくは−20mV未満であるゼータ電位を有する、項目1〜11のいずれかに記載の製造物品。
(項目13)
前記微粒子組成物は、免疫学的アジュバントをさらに含む、項目1〜12のいずれかに記載の製造物品。
(項目14)
前記免疫学的アジュバントは、モノホスホリルリピドAアナログ、低分子免疫増強剤、ムラミルトリペプチドホスファチジルエタノールアミンおよびトコフェロールから選択される、項目13に記載の製造物品。
(項目15)
(a)前記微粒子処方物がγ線照射されたという表明、(b)貯蔵情報、(c)投与情報、および(d)該微粒子形成物をどのように投与するかに関する指示書からなる群の1つ以上の要素を示すラベルをさらに含む、項目1〜14のいずれかに記載の製造物品。
(項目16)
前記ラベルは、前記微粒子組成物が、水および1種以上の抗原を含む流体組成物と合わせられ得ることを示す、項目15に記載の製造物品。
(項目17)
パッケージング材料をさらに含み、前記密封容器およびラベルは、該パッケージング材料内に含まれる、項目15または16のいずれかに記載の製造物品。
(項目18)
前記免疫学的アジュバントは、Toll様レセプター(TLR)の活性化因子である、項目13〜17のいずれかに記載の製造物品。
(項目19)
前記免疫学的アジュバントは、Toll様レセプター2(TLR 2)、Toll様レセプター7(TLR 7)、Toll様レセプター8(TLR8)、もしくはこれらの組み合わせから選択されるToll様レセプター(TLR)の活性化因子である、項目13〜17のいずれかに記載の製造物品。
(項目20)
項目1〜19のいずれかに記載の製造物品ならびに滅菌流体の導入および除去を可能にするように構成されているさらなる密封容器を含むキットであって、該さらなる密封容器は、抗原を含む滅菌抗原性組成物を含む、キット。
(項目21)
前記抗原性組成物は、凍結乾燥した組成物である、項目20に記載のキット。
(項目22)
前記抗原性組成物は、ペプチド含有抗原およびポリヌクレオチド含有抗原から選択される抗原を含む、項目20〜21のいずれかに記載のキット。
(項目23)
滅菌水性液体、シリンジ、もしくはその両方をさらに含む、項目20〜22のいずれかに記載のキット。
(項目24)
(a)ブランク生分解性微粒子を含む滅菌乾燥微粒子組成物と、(b)抗原を含む水性液体とを合わせる工程;および
該合わせたものを、混合して30分以内に脊椎動物被験体に投与する工程、
を包含する、プロセス。
(項目25)
前記滅菌乾燥微粒子組成物は、γ線照射されている、項目24に記載のプロセス。
図1は、(a)非γ線照射PLGに対するMen一晩吸着および凍結乾燥、(b)非γ線照射PLGに対するMen 30分吸着、ならびに(c)γ線照射PLGに対するMen 30分吸着についての、3種のMen抗原(287−953、961および936−741)に関して1μgおよび10μgの投与量でのマウスにおけるELISA抗体力価を示す棒グラフである。
(発明の詳細な説明)
1.微粒子
本発明は、少なくとも1種の生分解性ポリマーを含む生分解性微粒子を含む滅菌微粒子組成物を提供する。特定の実施形態において、上記滅菌微粒子組成物は、乾燥しており、そして/もしくはブランクである。
本発明の微粒子を形成するのに有用な生分解性ポリマーとしては、ホモポリマー、コポリマーおよびポリマーブレンド(天然および合成の両方)が挙げられる。このようなポリマーは、例えば、以下に由来し得る:ポリエステル(例えば、ポリヒドロキシ酸、ポリカプロラクトンなど)、ポリカーボネート、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリシアノアクリレート(例えば、ポリアルキルシアノアクリレートもしくは「PACA」)、ポリホスファジン、およびこれらの組み合わせ。より代表的なのは、とりわけ、ポリエステル(例えば、グリコール酸、L−酪酸、D,L−酪酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、カプロラクトンおよびジオキサノンのホモポリマーおよびコポリマー)である。さらにより代表的なのは、L−ラクチド、D,L−ラクチド、およびグリコリドのホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリグリコリド、ポリラクチド(例えば、ポリ(L−ラクチド)もしくはポリ(D,L−ラクチド)(本明細書でPLAともいわれる))およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(例えば、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)およびポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(本明細書において「PLG」もしくは「PLGA」と称される))である。
上記ポリマーは、種々の分子量において利用可能であり、所定の用途に適切な分子量は、当業者によって容易に決定される。従って、例えば、PLAに適切な分子量は、約2,000〜5,000のといったものであり得る。PLGに適切な分子量は、約5,000〜約200,000の範囲であり得る。
コポリマーが使用される場合、種々のモノマー比を有するコポリマーが、利用可能であり得る。例えば、PLGが上記微粒子を形成するために使用される場合、種々のラクチド:グリコリドモル比が、本明細書での使用を見いだされ、上記比は、任意の同時に投与される、吸着そして/または捕捉される種、ならびに所望の分解速度に一部依存して、たいてい選択事項である。例えば、50:50 PLGコポリマー(50%のD,L−ラクチドおよび50%のグリコリドを含む)は、より早い再吸収性コポリマー(resorbing copolymer)を提供する一方で、75:25 PLGは、よりゆっくりと分解し、85:15および90:10は、増大したラクチド成分に起因して、さらによりゆっくりと分解する。種々のラクチド:グリコリド比率を有する微粒子の混合物はまた、所望の放出動力学を達成するために、本明細書での使用を見いだされ得る。本発明の微粒子の分解速度はまた、ポリマー分子量およびポリマー結晶化度のような因子によって、制御され得る。
使用される場合、PLGコポリマーは、代表的には、例えば、20:80から、25:75まで、40:60まで、45:55まで、55:45まで、60:40まで、75:25まで、80:20までの範囲に及ぶラクチド/グリコリドモル比を有し、とりわけ、例えば、5,000ダルトンから、10,000ダルトンまで、20,000ダルトンまで、40,000ダルトンまで、50,000ダルトンまで、70,000ダルトンまで、100,000ダルトンまで、200,00ダルトンまでの範囲の分子量を有するものである。
種々のラクチド:グリコリド比、分子量および末端基を有するPLGコポリマーは、Boehringer Ingelheim(Germany)、Birmingham Polymers,Inc.(Birmingham,AL,USA)、DURECT Corporation(Pelham,AL)およびLakeshore Biomaterials(Birmingham,AL,USA)を含む多くの供給源から容易に入手可能である。Boehringer Ingelheimから入手可能ないくつかの例示的なPLGコポリマーとしては、以下が挙げられる:(a)RG502(上記鎖の末端のうちの1つに主にアルキルエステル末端基を有し、50:50のラクチド/グリコリドモル比を有し、かつ分子量12,000Daを有するPLG)、(b)RG503(上記鎖の末端のうちの1つに主にアルキルエステル末端基を有し、50:50のラクチド/グリコリドモル比を有し、かつ分子量34,000Daを有するPLG)、(c)RG504(上記鎖の末端のうちの1つに主にアルキルエステル末端基を有し、50:50のラクチド/グリコリドモル比を有し、かつ分子量48,000Daを有するPLG)、(d)RG752(上記鎖の末端のうちの1つに主にアルキルエステル末端基を有し、75:25のラクチド/グリコリドモル比を有し、かつ分子量22,000Daを有するPLG)、(e)RG755(上記鎖の末端のうちの1つに主にアルキルエステル末端基を有し、75:25のラクチド/グリコリドモル比を有し、かつ分子量68,000Daを有するPLG)、(f)RG502H(50:50のラクチド/グリコリドモル比を有し、上記鎖の末端のうちの1つに主に遊離カルボキシル末端基を有するPLG)、および(g)RG503H(50:50のラクチド/グリコリドモル比を有し、上記鎖の末端のうちの1つの主に遊離カルボキシル末端基を有するPLG)。
本発明に従う微粒子は、任意の適切な方法を使用して調製され得る。
例えば、いくつかの実施形態において、微粒子は、例えば、Thomasinら,J.Controlled Release,41:131(1996);米国特許第2,800,457号に記載されるようなスプレー乾燥およびコアセルベーション;Masters,K.(1976) Spray Drying 2nd Ed.Wiley,New York;Hallら,(1980) The 「Wurster Process」 in Controlled Release Technologies:Methods,Theory,and Applications(A.F.Kydonieus,ed.),Vol.2,pp.133−154 CRC Press,Boca Raton,Florida and Deasy,P.B.,Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.S(2):99−139(1988)によって記載されるように、空気懸濁コーティング技術(例えば、パンコーティングおよびWursterコーティング);および例えば、Limら,Science 210:908−910(1980)によって記載されるように、イオン性ゲル化を使用して形成され得る。
より好ましくは、微粒子は、水中油中水型(w/o/w)溶媒エバポレーションプロセスを使用して、もしくはナノ沈殿法を使用して、形成され得る。
上記w/o/w溶媒エバポレーションプロセスは、例えば、O’Haganら,Vaccine 11:965−969(1993)、Jefferyら,Pharm.Res.10:362(1993)、およびWO00/06123(O’Haganら)に記載されている。一般に、目的のポリマー(例えば、PLG)は、有機溶媒(例えば、ジメチルクロリド(塩化メチレンおよびジクロロメタンともいわれる)、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、クロロホルムなど)中に溶解する。次いで、上記ポリマー溶液は、第1の体積の水溶液と合わせられ、o/wエマルジョンを形成するために乳化され得る。上記水溶液は、とりわけ、例えば、脱イオン水、通常の生理食塩水、緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)もしくはクエン酸ナトリウム/エチレンジアミン四酢酸(クエン酸ナトリウム/ETDA)緩衝溶液)であり得る。代表的には、ポリマー溶液 対 水溶液の体積比は、約5:1〜約20:1の範囲、より代表的には、約10:1である。乳化は、この課題に適切な任意の装置を使用して行われ、代表的には、高剪断デバイス(例えば、ホモジナイザー)である。次いで、上記o/wエマルジョンの体積は、より大きな第2の体積の水溶液と合わせられ、上記第2の体積の水溶液は、代表的には、表面活性剤(例えば、とりわけ、非荷電の表面活性剤(例えば、PVA(ポリビニルアルコール)、ポピドン(ポリビニルピロリドンもしくはPVPとしても公知)、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ポリオキシエチル化グリコールモノエーテル、ポリオキシエチル化アルキルフェノール、もしくはポロキサマー))、カチオン性表面活性剤(以下で考察される)もしくはアニオン性表面活性剤(以下で考察される)を含む。水溶液 対 o/wエマルジョンの体積比は、代表的には、約2:1〜10:1の範囲、より代表的には、約4:1である。次いで、この混合物は、安定なw/o/w二重エマルジョンを生成するためにホモジナイズされる。次いで、有機溶媒は、微粒子を得るためにエバポレートされる。荷電した表面活性剤(例えば、アニオン性もしくはカチオン性表面活性剤)の存在下で製造される微粒子は、正味の負電荷もしくは正味の正電荷を有する表面を有する微粒子を生じ得、これは、広く種々の分子を吸着し得る。例えば、アニオン性表面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))で製造される微粒子(例えば、SDS−PLG微粒子)は、正に荷電した種(例えば、ポリペプチド含有種(例えば、タンパク質))を吸着し得る。同様に、カチオン性表面活性剤(例えば、CTAB)で製造される微粒子(例えば、PLG/CTAB微粒子)は、負に荷電した種(例えば、ポリヌクレオチド含有種(例えば、DNA、RNA、DNA−RNAヘテロポリマー、もしくはオリゴヌクレオチド))を吸着し得る。
上記ナノ沈殿法(溶媒置換法としても言及される)は、本発明における使用のための微粒子を形成するのに適切な方法の別の例である。例えば、欧州特許第0274961B1号(発明の名称「Process for the preparation of dispersible colloidal systems of a substance in the form of nanocapsules」,Devissaguetら)、米国特許第5,049,322号(発明の名称は同一、Fessiら)、米国特許第5,118,528号(発明の名称「Process for the preparation of dispersible colloidal systems of a substance in the form of microparticles」およびWendorfら)、WO2008/051245(発明の名称「Nanoparticles for use in Immunogenic compositions」)を参照のこと。この技術において、例えば、ポリマーは、有機溶媒(例えば、親水性有機溶媒(例えば、アセトン、エタノールなど))中に溶解し得る。次いで、得られた有機溶液は、有機溶媒と混和性である一方で、上記ポリマーに対しては溶媒でないさらなる溶媒(代表的には、水溶液)と合わせられ得る。上記水溶液は、例えば、脱イオン水、通常の生理食塩水、緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)もしくはクエン酸ナトリウム/エチレンジアミン四酢酸(クエン酸ナトリウム/EDTA)緩衝溶液)であり得る。次いで、上記有機溶液および水溶液は、適切な相対体積(例えば、代表的には、1:2〜2:1、より代表的には、約1:1)で合わせられ得る。例えば、上記有機溶液は、撹拌しながら、上記非溶媒へと注がれ得るかもしくは注入され得、逆もまた同様である。上記ポリマーが上記有機溶媒中に可溶性であると同時に、上記有機溶媒と上記非溶媒との混和性のブレンドで顕著に溶解性が低い系を選択することによって、微粒子の懸濁物は、実質的に即座に形成され得る。その後、上記有機溶媒は、例えば、エバポレーションによって、上記懸濁物から排除され得る。
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる種(生分解性ポリマーに加えて)を提供することは望ましい。これらは、上記微粒子の内部(例えば、捕捉される)および/もしくは表面(例えば、吸着される)と会合してもよいし、上記微粒子と会合しなくてもよい。このようなさらなる種としては、例えば、張度もしくはpHを調節する因子、凍結保護因子、微粒子荷電誘導因子(例えば、荷電した表面活性剤、荷電したポリマーなど)、免疫学的アジュバント、抗原などが挙げられ得る。
このようなさらなる種は、特に、上記さらなる種が、いかなるその後の滅菌プロセス(例えば、γ線照射プロセス)によっても機能不能にされない場合に、上記微粒子形成プロセスの間に提供され得る。上記の微粒子形成技術(例えば、w/o/w溶媒エバポレーション、ナノ沈殿など)において、使用される有機溶液および/もしくは水溶液は、従って、望ましい場合、種々のさらなる種をさらに含み得る。例えば、これらさらなる種は、(a)油溶性形態であるかもしくは油分散性の形態である場合には有機溶液に、または(b)水溶性形態もしくは水分散性形態である場合には水溶液に、添加され得る。
他の実施形態において、1種以上のさらなる種は、微粒子形成に続いて(代表的には、有機溶媒除去に続いて、ならびにあるとすれば、洗浄工程に続いて)添加され得る。これらさらなる種は、頻繁には、上記微粒子に、水溶液もしくは分散物として添加され得る。これら種は、例えば、溶液中にあり得るか、そして/または上記粒子−溶液界面に蓄積し得る(例えば、上記微粒子表面に吸着される)。
微粒子を含む適切な微粒子組成物がいったん形成されると(例えば、上記もしくは他の技術を使用して)、それは、さらなる使用のために凍結乾燥され得る。
多くの実施形態において、上記微粒子組成物は、例えば、適切な滅菌プロセス(例えば、γ線照射)を使用して滅菌される。このような微粒子組成物は、例えば、密封容器(例えば、隔壁付きのバイアル)の中へ充填された後に滅菌され得る。代表的なγ線照射線量は、例えば、10〜30kGyユニットの範囲である。
2.抗原
上記のように、本発明に従う微粒子組成物およびキットは、1種以上の抗原を含み得る。各抗原は、有効量(例えば、本発明に従う治療法、予防法もしくは診断法における使用に有効な量)で提供される。例えば、本発明の組成物は、以下に列挙した病原体もしくは腫瘍のうちのいずれかによって引き起こされる疾患を処置もしくは予防するために使用され得る。
本発明とともに使用するための抗原としては、以下に示される抗原のうちの1種以上、または以下に示される病原体および腫瘍のうちの1種以上に由来する抗原が挙げられるが、これらに限定されない。
(A.細菌抗原)
本発明において使用するのに適した細菌抗原としては、細菌から単離され得るか、精製され得るか、もしくは由来し得るタンパク質、ポリサッカリド、リポポリサッカリド、および外膜小胞が挙げられる。さらに、細菌抗原としては、細菌溶解物および不活性化細菌処方物が挙げられる。細菌抗原は、組換え発現によって生成され得る。細菌抗原は、好ましくは、その生活環の少なくとも1段階の間に、上記細菌の表面に露出されるエピトープを含む。細菌抗原は、好ましくは、複数の血清型にわたって保存される。細菌抗原としては、以下に示される細菌のうちの1種以上に由来する抗原および以下に同定される具体的抗原例が挙げられる。
Neisseria meningitides: 髄膜炎抗原としては、N.meningitides血清群(例えば、A、C、W135、Y、および/もしくはB)から精製されるか由来するタンパク質(例えば、WO99/24578;WO99/36544;WO99/57280;WO00/22430;Tettelinら(2000)Science 287:1809−1815;WO96/29412;およびPizzaら(2000)Science 287:1816−1820において同定されるもの)、サッカリド(ポリサッカリド、オリゴサッカリドもしくはリポポリサッカリドが挙げられる)、もしくは外膜小胞(WO01/52885;Bjuneら(1991)Lancet 338(8775):1093−1096;Fuskasawaら(1999)Vaccine 17:2951−2958;およびRosenqistら(1998)Dev.Biol.Strand 92:323−333)が挙げられる。髄膜炎タンパク質抗原は、接着、オートトランスポーター(autotransporter)、毒素、Fe獲得タンパク質(Fe acquisition protein)、および膜会合タンパク質(好ましくは、内在性外膜タンパク質)から選択され得る。
Streptococcus pneumoniae: Streptococcus pneumoniae抗原としては、Streptococcus pneumoniaeに由来するサッカリド(ポリサッカリドもしくはオリゴサッカリドが挙げられる)および/もしくはタンパク質が挙げられる。サッカリド抗原は、血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23F、および33Fから選択され得る。タンパク質抗原は、WO98/18931;WO98/18930;米国特許第6,699,703号;米国特許第6,800,744号;WO97/43303;およびWO97/37026に同定されるタンパク質から選択され得る。Streptococcus pneumoniaeタンパク質は、ポリヒスチジン三つ組ファミリー(Poly Histidine Triad family)(PhtX)、コリン結合タンパク質ファミリー(CbpX)、CbpX短縮物、LytXファミリー、LytX短縮物、CbpX短縮物−LytX短縮物キメラタンパク質、ニューモリシン(Ply)、PspA、PsaA、Sp128、Sp101、Sp130、Sp125もしくはSp133から選択され得る。
Streptococcus pyogenes(グループA Streptococcus):グループA Streptococcus抗原としては、WO02/34771およびWO2005/032582において同定されたタンパク質(GAS 40を含む)、GAS Mタンパク質のフラグメントの融合物(WO02/094851;およびDale(1999)Vaccine 17:193−200、およびDale(1996)Vaccine 14(10):944−948に記載されるものを含む)、フィブロネクチン結合タンパク質(Sfb1)、連鎖球菌性のヘム会合タンパク質(Shp)、およびストレプトリジンS(SagA)が挙げられる。
Moraxella catarrhalis: Moraxella抗原としては、WO02/18595;およびWO99/58562において同定される抗原、外膜タンパク質抗原(HMW−OMP)、C抗原、および/もしくはLPSが挙げられる。
Bordetella pertussis: 百日咳抗原としては、B.pertussisに由来する百日咳ホロ毒素(PT)および線維状血球凝集素(FHA)、必要に応じて、同様に、パータクチンおよび/もしくは凝集原2および凝集原3抗原との組み合わせが挙げられる。
Staphylococcus aureus: Staph aureus抗原としては、非毒性組換えPseudomonas aeruginosaエキソトキシンAに必要に応じて結合体化されたS.aureus タイプ5およびタイプ8の莢膜ポリサッカリド(例えば、StaphVAXTM)および表面タンパク質に由来する抗原、インベージン(ロイコシジン、キナーゼ、ヒアルロニダーゼ)、ファゴサイトーシスによる包み込みを阻害する表面因子(莢膜、プロテインA)、カロテノイド、カタラーゼ生成、プロテインA、コアグラーゼ、凝固因子、および真核生物細胞膜を溶解する膜損傷毒素(membrane−damaging toxin)(必要に応じて、無毒化される)(溶血素、ロイコトキシン、ロイコシジン)が挙げられる。
Staphylococcus epidermis: S.epidermidis抗原としては、スライム関連抗原(slime−associated antigen)(SAA)が挙げられる。
Clostridium tetani(破傷風): 破傷風抗原としては、破傷風トキソイド(TT)が挙げられ、好ましくは、本発明の組成物とともに/結合体化されてキャリアタンパク質として使用される。
Cornynebacterium diphtheriae(ジフテリア): ジフテリア抗原としては、ジフテリア毒素(好ましくは、無毒化されたもの(例えば、CRM197))が挙げられる。さらに、ADPリボシル化を調節するか、阻害するかもしくは関連し得る抗原は、本発明の組成物との組み合わせ/同時投与/結合について企図される。上記ジフテリアトキソイドは、キャリアタンパク質として使用され得る。
Haemophilus influenzae B(Hib): Hib抗原としては、Hibサッカリド抗原が挙げられる。
Pseudomonas aeruginosa: Pseudomonas抗原としては、エンドトキシンA、Wzzタンパク質、P.aeruginosa LPS(より具体的には、PAO1(O5血清型)から単離されたLPS)、および外膜タンパク質(外膜タンパク質F(OprF)が挙げられる)(Priceら(2001)Infect Immun.69(5):3510−3515)が挙げられる。
Legionella pneumophila. 細菌抗原は、Legionella pneumophilaから得られ得る。
Streptococcus agalactiae(グループB Streptococcus): グループB Streptococcus抗原としては、タンパク質およびサッカリド抗原(例えば、WO02/34771;WO03/093306;WO04/041157;およびWO2005/002619に同定されるもの(タンパク質GBS 59、GBS 67、GBS 80、GBS 104、GBS 276、GBS 322が挙げられ、そして血清タイプIa、Ib、Ia/c、II、III、IV、V、VI、VIIおよびVIIIに由来するサッカリド抗原が挙げられる)が挙げられる。
Neiserria gonorrhoeae: 淋病抗原としては、Por(もしくはポリン)タンパク質(例えば、PorB(例えば、Zhuら(2004)Vaccine 22:660−669を参照のこと)、トランスフェリン結合タンパク質(transferring binding protein)(例えば、TbpAおよびTbpB(例えば、Priceら(2004)Infect.Immun.71(1):277−283を参照のこと))、混濁タンパク質(opacity protein)(例えば、Opa)、還元修飾性タンパク質(reduction−modifiable protein)(Rmp)、および外膜小胞(OMV)調製物(例えば、Planteら(2000)J.Infect.Dis.182:848−855;WO99/24578;WO99/36544;WO99/57280;およびWO02/079243を参照のこと)が挙げられる。
Chlamydia trachomatis: Chlamydia trachomatis抗原としては、血清型A、B、BaおよびC(トラコーマ(失明の原因)の因子)、血清型L、LおよびL(鼡径リンパ肉芽腫と関連)、および血清型D−Kに由来する抗原が挙げられる。Chlamydia trachomas抗原としてはまた、WO00/37494;WO03/049762;WO03/068811;およびWO05/002619に同定される抗原(PepA(CT045)、LcrE(CT089)、ArtJ(CT381)、DnaK(CT396)、CT398、OmpH様(CT242)、L7/L12(CT316)、OmcA(CT444)、AtosS(CT467)、CT547、Eno(CT587)、HrtA(CT823)、MurG(CT761)、CT396およびCT761が挙げられる)、およびこれらの抗原の具体的組み合わせが挙げられる。
Treponema pallidum(梅毒): 梅毒抗原としては、TmpA抗原が挙げられる。
Haemophilus ducreyi(軟性下疳を引き起こす): Ducreyi抗原としては、外膜タンパク質(DsrA)が挙げられる。
Enterococcus faecalisもしくはEnterococcus faecium: 抗原は、トリサッカリド反復および米国特許第6,756,361号に提供される他のEnterococcus由来抗原が挙げられる。
Helicobacter pylori: H pylori抗原としては、Cag、Vac、Nap、HopX、HopYおよびウレアーゼ抗原が挙げられる。
Staphylococcus saprophyticus: 抗原としては、S.saprophyticus抗原の160kDa血球凝集素が挙げられる。
Yersinia enterocolitica抗原としては、LPS(Xuら(2002)Infect.Immun.70(8):4414−4423)が挙げられる。
E.coli: E.coli抗原は、腸管毒素原性E.coli(ETEC)、腸管凝集性E.coli(EAggEC)、分散接着性(diffusely adhering)E.coli(DAEC)、腸管病原性E.coli(EPEC)、もしくは腸管出血性E.coli(EHEC)に由来し得る。
Bacillus anthracis(炭疽): B.anthracis抗原は、必要に応じて、無毒化され、A成分(致死因子(LF)および浮腫因子(EF))から選択され得、これらはともに、防御抗原(PA)として公知の共通するB成分を共有し得る。特定の実施形態において、本発明の組成物は、炭疽抗原を含まない。
Yersinia pestis(ペスト(plague)):ペスト抗原としては、F1莢膜抗原(Gosfeldら.(2003)Infect.Immun.71(1)):374−383)、LPS(Fieldsら(1999)Infect.Immun.67(10):5395−5408)、Yersinia pestis V抗原(Hillら(1997)Infect.Immun.65(11):4476−4482)が挙げられる。
Mycobacterium tuberculosis: 結核抗原としては、リポタンパク質、LPS、BCG抗原、抗原85B(Ag85B)とESAT−6(必要に応じて、カチオン性脂質小胞中に処方される)との融合タンパク質(Olsenら(2004)Infect.Immun.72(10):6148−6150)、Mycobacterium tuberculosis(Mtb)イソクエン酸デヒドロゲナーゼ関連抗原(Banerjeeら(2004)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12652−12657)、およびMPT51抗原(Suzukiら(2004)Infect.Immun.72(7):3829−3837)が挙げられる。
Rickettsia: 抗原としては、外膜タンパク質(外膜タンパク質Aおよび/もしくはB(OmpB)(Chaoら(2004)Biochim.Biophys.Acta.1702(2):145−152)、LPS、および表面タンパク質抗原(SPA)(Carlら(1989)J.Autoimmun.2 補遺:81−91)が挙げられる)が挙げられる。
Listeria monocytogenes. 細菌抗原は、Listeria monocytogenesに由来し得る。
Chlamydia pneumoniae: 抗原としては、WO02/02606およびWO05/084306に同定されるもの(CPn0324、Cpn0301、Cpn0482、Cpn0503、Cpn0525、Cpn0558、Cpn0584、Cpn0800、Cpn0979、Cpn0498、Cpn0300、Cpn0042、Cpn0013、Cpn450、Cpn0661、Cpn0557、Cpn0904、Clpn0795、Cpn0186およびCpn0604、ならびにこれらの抗原の具体的組み合わせが挙げられる)が挙げられる。
Vibrio cholerae: 抗原としては、プロテイナーゼ抗原、LPS、特に、Vibrio cholerae IIのリポポリサッカリド、O1 Inaba O特異的ポリサッカリド、V.cholera O139、IEM108ワクチンの抗原(Liangら(2003)Infect.Immun.71(10):5498−5504)、およびZonula occludens毒素(Zot)が挙げられる。
Salmonella typhi (腸チフス): 抗原としては、莢膜ポリサッカリド、好ましくは、結合体(Vi、すなわち、vax−TyVi)が挙げられる。
Borrelia burgdorferi(ライム病): 抗原としては、リポタンパク質(例えば、OspA、OspB、OspCおよびOspD)、他の表面タンパク質(例えば、OspE関連タンパク質(Erps))、デコリン結合タンパク質(例えば、DbpA)、および抗原的に可変性のVIタンパク質(例えば、P39およびP13と関連する抗原(内在性膜タンパク質、Noppaら(2001)Infect.Immun.69(5):3323−3334))、VlsE抗原性バリエーションタンパク質(Lawrenzら(1999)J.Clin.Microbiol.37(12):3997−4004)が挙げられる。
Porphyromonas gingivalis: 抗原としては、P.gingivalis外膜タンパク質(OMP)が挙げられる。
Klebsiella: 抗原としては、OMP(OMP Aが挙げられる)、およびポリサッカリド(必要に応じて、破傷風トキソイドに結合体化される)が挙げられる。
他の細菌抗原としては、莢膜抗原、ポリサッカリド抗原もしくは上記のうちのいずれかのタンパク質抗原が挙げられる。さらなる細菌抗原としてはまた、外膜小胞(OMV)調製物が挙げられる。さらに、抗原としては、前述の細菌のうちのいずれかの生の、弱毒化、および/もしくは精製バージョンが挙げられる。抗原は、グラム陰性細菌もしくはグラム陽性細菌に由来し得る。抗原は、好気性細菌もしくは嫌気性細菌に由来し得る。
さらに、上記細菌由来のサッカリド(ポリサッカリド、LPS、LOSもしくはオリゴサッカリド)のうちのいずれかは、別の因子もしくは抗原(例えば、キャリアタンパク質(例えば、CRM197))に結合体化され得る。このような結合体化は、米国特許第5,360,897号;およびRoyら(1984)Can.J.Biochem.Cell Biol.62(5):270−275に提供されるように、上記サッカリドのカルボニル部分の、上記タンパク質のアミノ基への還元的アミノ化によってもたらされる直接結合体化であり得る。別の実施形態において、上記サッカリドは、リンカーを介して(例えば、スクシンイミド、もしくはHermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,1st ed.,Academic Press(1996)およびWong,S.S.,CRC,Chemistry of Protein Conjugation and Cross−Linking,1st ed.,CRC−Press(1991)に提供される他の連結と)結合体化され得る。
(B.ウイルス抗原)
本発明における使用に適切なウイルス抗原としては、不活性化(もしくは死滅)ウイルス、弱毒化ウイルス、スプリットウイルス処方物、精製サブユニット処方物、ウイルスから単離され得るか、精製され得るか、もしくは由来し得るウイルスタンパク質、およびウイルス様粒子(VLP)が挙げられる。ウイルス抗原は、細胞培養もしくは他の基質上で増殖させられたか、または組換え発現されたウイルスに由来し得る。ウイルス抗原は、好ましくは、その生活環の少なくとも1つの段階の間に上記ウイルスの表面に曝されるエピトープを含む。ウイルス抗原は、好ましくは、複数の血清型もしくは単離物にわたって保存されている。ウイルス抗原としては、以下に示されるウイルスのうちの1種以上、および以下に同定される特定の抗原例に由来する抗原が挙げられる。
オルソミクソウイルス: ウイルス抗原は、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザA、BおよびC)に由来し得る。オルソミクソウイルス抗原は、血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、マトリクスタンパク質(M1)、膜タンパク質(M2)を含むウイルスタンパク質のうちの1つ以上、転写酵素成分(PB1、PB2およびPA)のうちの1種以上から選択され得る。好ましい抗原としては、HAおよびNAが挙げられる。
インフルエンザ抗原は、大流行期間の(例年の)インフルエンザ株に由来し得る。インフルエンザ抗原は、汎流行性の大発生を引き起こす可能性を有する株(すなわち、現在広まっている株における血球凝集素と比較して、新たな血球凝集素を有するインフルエンザ株、もしくはトリ被験体において病原性でありかつヒト集団において水平感染する可能性を有するインフルエンザ株、もしくはヒトに対して病原性であるインフルエンザ株)に由来し得る。インフルエンザ抗原は、卵もしくは細胞培養において増殖させられるウイルスに由来し得る。
パラミクソウイルス科のウイルス: ウイルス抗原は、パラミクソウイルス科のウイルス(例えば、肺炎ウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIV)およびモルビリウイルス(麻疹)に由来し得る。
肺炎ウイルス: ウイルス抗原は、肺炎ウイルス(例えば、RSウイルス(RSV)、ウシRSウイルス、マウス肺炎ウイルス、および七面鳥鼻気管炎ウイルス)に由来し得る。好ましくは、上記肺炎ウイルスは、RSVである。肺炎ウイルス抗原は、以下のタンパク質(表面タンパク質融合物(F)、糖タンパク質(G)および低分子疎水性タンパク質(SH)、マトリクスタンパク質MおよびM2、ヌクレオキャプシドタンパク質N、PおよびL、ならびに非構造タンパク質NS1およびNS2が挙げられる)のうちの1種以上から選択され得る。好ましい肺炎ウイルス抗原としては、F、GおよびMが挙げられる。例えば、Johnstoneら(2004)J.Gen.Virol.85(Pt 11):3229−3238を参照のこと。肺炎ウイルス抗原はまた、キメラウイルス中に処方され得るかもしくはキメラウイルスに由来し得る。例えば、キメラRSV/PIVウイルスは、RSVおよびPIVの両方の成分を含み得る。
パラミクソウイルス: ウイルス抗原は、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルスタイプ1〜4(PIV)、ムンプス、センダイウイルス、シミアンウイルス5、ウシパラインフルエンザウイルス、およびニューカッスル病ウイルスに由来し得る。好ましくは、上記パラミクソウイルスは、PIVもしくはムンプスである。パラミクソウイルス抗原は、以下のタンパク質:血球凝集素ノイラミニダーゼ(HN)、融合タンパク質F1およびF2、核タンパク質(NP)、ホスホプロテイン(P)、巨大タンパク質(L)、およびマトリクスタンパク質(M)のうちの1種以上から選択され得る。好ましいパラミクソウイルスタンパク質としては、HN、F1およびF2が挙げられる。パラミクソウイルス抗原はまた、キメラウイルスに処方され得るかもしくはキメラウイルスに由来し得る。例えば、キメラRSV/PIVウイルスは、RSVおよびPIVの両方の成分を含み得る。市販のムンプスワクチンは、1価形態において、もしくは麻疹および風疹ワクチン(MMR)と組み合わせてのいずれかで、生の弱毒化ムンプスウイルスを含む。
モルビリウイルス: ウイルス抗原は、モルビリウイルス(例えば、麻疹)に由来し得る。モルビリウイルス抗原は、以下のタンパク質:血球凝集素(H)、糖タンパク質(G)、融合因子(F)、巨大タンパク質(L)、核タンパク質(NP)、ポリメラーゼホスホプロテイン(P)、およびマトリクス(M)のうちの1種以上から選択され得る。市販の麻疹ワクチンは、代表的には、ムンプスおよび風疹と組み合わせて(MMR)、生の弱毒化麻疹ウイルスを含む。
ピコルナウイルス: ウイルス抗原は、ピコルナウイルス(例えば、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパルナウイルス(Heparnavirus)、カルジオウイルスおよびアフトウイルス)に由来し得る。エンテロウイルス(例えば、ポリオウイルス)に由来する抗原は、好ましい。
エンテロウイルス: ウイルス抗原は、エンテロウイルス(例えば、ポリオウイルス タイプ1、2もしくは3、コクサッキーAウイルス タイプ1〜22および24、コクサッキーBウイルス タイプ1〜6、エコーウイルス(ECHO))タイプ1〜9、11〜27および29〜34、ならびにエンテロウイルス 68〜71)に由来し得る。好ましくは、上記エンテロウイルスは、ポリオウイルスである。エンテロウイルス抗原は、好ましくは、以下のキャプシドタンパク質:VP1、VP2、VP3およびVP4のうちの1種以上から選択される。市販のポリオ・ワクチンとしては、不活性化ポリオワクチン(IPV)および経口ポリオウイルスワクチン(OPV)が挙げられる。
ヘパルナウイルス: ウイルス抗原は、ヘパルナウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス(HAV))に由来し得る。市販のHAVワクチンとしては、不活性化HAVワクチンが挙げられる。
トガウイルス: ウイルス抗原は、トガウイルス(例えば、ルビウイルス、アルファウイルス、もしくはアルテリウイルスに由来し得る。ルビウイルス(例えば、風疹ウイルス)に由来する抗原は、好ましい。トガウイルス抗原は、E1、E2、E3、C、NSP−1、NSPO−2、NSP−3およびNSP−4から選択され得る。トガウイルス抗原は、好ましくは、E1、E2およびE3から選択される。市販の風疹ウイルスワクチンとしては、生の低温適応ウイルスを、代表的には、ムンプスおよび麻疹ワクチンと組み合わせて(MMR)含む。
フラビウイルス: ウイルス抗原は、フラビウイルス(例えば、ダニ媒介脳炎(TBE)、デング(タイプ1、2、3もしくは4)、黄熱、日本脳炎、西ナイル脳炎、セントルイス脳炎、ロシア春夏脳炎、ポワッサン脳炎)に由来し得る。フラビウイルス抗原は、PrM、M、C、E、NS−1、NS−2a、NS2b、NS3、NS4a、NS4b、およびNS5から選択され得る。フラビウイルス抗原は、好ましくは、PrM、MおよびEから選択される。市販のTBEワクチンとしては、不活性化ウイルスワクチンが挙げられる。
ペスチウイルス: ウイルス抗原は、ペスチウイルス(例えば、牛ウイルス性下痢(BVDV)、豚コレラ(CSFV)もしくはボーダー病(BDV))に由来し得る。
ヘパドナウイルス: ウイルス抗原は、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)に由来し得る。ヘパドナウイルス抗原は、表面抗原(L、MおよびS)、コア抗原(HBc、HBe)から選択され得る。市販のHBVワクチンとしては、表面抗原Sタンパク質を含むサブユニットワクチンが挙げられる。
C型肝炎ウイルス: ウイルス抗原は、C型肝炎ウイルス(HCV)に由来し得る。HCV抗原は、E1、E2、E1/E2、NS345ポリプロテイン、NS 345コアポリプロテイン、コア、および/もしくは非構造領域に由来するペプチド(Houghtonら(1991)Hepatology 14:381−388)のうちの1種以上から選択され得る。
ラブドウイルス: ウイルス抗原は、ラブドウイルス(例えば、リッサウイルス(狂犬病ウイルス)およびベシクロウイルス(VSV))に由来し得る。ラブドウイルス抗原は、糖タンパク質(G)、核タンパク質(N)、巨大タンパク質(L)および非構造タンパク質(NS)から選択され得る。市販の狂犬病ウイルスワクチンは、ヒト二倍体細胞もしくは胎児アカゲザル肺細胞(fetal rhesus lung cell)で増殖させた死滅ウイルスを含む。
カリシウイルス科: ウイルス抗原は、カリシウイルス科(例えば、ノーウォークウイルス、およびノーウォーク様ウイルス(例えば、ハワイウイルスおよびスノーマウンテンウイルス))に由来し得る。
コロナウイルス: ウイルス抗原は、コロナウイルス、SARS、ヒト呼吸器コロナウイルス、トリ伝染性気管支炎(IBV)、マウス肝炎ウイルス(MHV)、およびブタ伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)に由来し得る。コロナウイルス抗原は、スパイク(S)、エンベロープ(E)、マトリクス(M)、ヌクレオキャプシド(N)、および血球凝集素−エステラーゼ糖タンパク質(HE)から選択され得る。好ましくは、上記コロナウイルス抗原は、SARSウイルスに由来する。SARSウイルス抗原は、WO04/92360に記載されている。
レトロウイルス: ウイルス抗原は、レトロウイルス(例えば、オンコウイルス、レンチウイルスもしくはスプマウイルスに由来し得る。オンコウイルス抗原は、HTLV−1、HTLV−2もしくはHTLV−5に由来し得る。レンチウイルス抗原は、HIV−1もしくはHIV−2に由来し得る。レトロウイルス抗原は、gag、pol、env、tax、tat、rex、rev、nef、vif、vpu、およびvprから選択され得る。HIV抗原は、gag(p24gagおよびp55gag)、env(gp160およびgp41)、pol、tat、nef、rev vpu、ミニプロテイン、(好ましくは、p55 gagおよびgp140v欠失)から選択され得る。HIV抗原は、以下の株:HIVIIIb、HIVSF2、HIVLAV、HIVLAI、HIVMN、HIV−1CM235、HIV−1US4のうちの1種以上に由来し得る。
レオウイルス: ウイルス抗原は、レオウイルス(例えば、オルトレオウイルス、ロタウイルス、オルビウイルス、もしくはコルチウイルス)に由来し得る。レオウイルス抗原は、構造タンパク質λ1、λ2、λ3、μ1、μ2、σ1、σ2、もしくはσ3、または非構造タンパク質σNS、μNS、もしくはσ1sから選択され得る。好ましいレオウイルス抗原は、ロタウイルスに由来し得る。ロタウイルス抗原は、VP1、VP2、VP3、VP4(もしくは切断された生成物VP5およびVP8)、NSP 1、VP6、NSP3、NSP2、VP7、NSP4、もしくはNSP5から選択され得る。好ましいロタウイルス抗原としては、VP4(もしくは上記切断された精製バットVP5およびVP8)、およびVP7が挙げられる。
パルボウイルス: ウイルス抗原は、パルボウイルス(例えば、パルボウイルス B19)に由来し得る。パルボウイルス抗原は、VP−1、VP−2、VP−3、NS−1およびNS−2から選択され得る。好ましくは、上記パルボウイルス抗原は、キャプシドタンパク質VP−2である。
デルタ肝炎ウイルス(HDV): ウイルス抗原は、HDV、特に、HDV由来のδ−抗原(例えば、米国特許第5,378,814号を参照のこと)に由来し得る。
E型肝炎ウイルス(HEV): ウイルス抗原は、HEVに由来し得る。
G型肝炎ウイルス(HGV): ウイルス抗原は、HGVに由来し得る。
ヒトヘルペスウイルス: ウイルス抗原は、ヒトヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV7)、およびヒトヘルペスウイルス8(HHV8))に由来し得る。ヒトヘルペスウイルス抗原は、最初期タンパク質(α)、初期タンパク質(β)、および後期タンパク質(γ)から選択され得る。HSV抗原は、HSV−1株もしくはHSV−2株に由来し得る。HSV抗原は、糖タンパク質gB、gC、gDおよびgH、融合タンパク質(gB)、もしくは免疫エスケープタンパク質(immune escape protein)(gC、gE、もしくはgI)から選択され得る。VZV抗原は、コア、ヌクレオキャプシド、テグメント(tegument)、もしくはエンベロープタンパク質から選択され得る。生の弱毒化VZVワクチンは、市販されている。EBV抗原は、初期抗原(EA)タンパク質、ウイルスキャプシド抗原(VCA)、および膜抗原(MA)の糖タンパク質から選択され得る。CMV抗原は、キャプシドタンパク質、エンベロープ糖タンパク質(例えば、gBおよびgH)、ならびにテグメントタンパク質から選択され得る。
パポバウイルス: 抗原は、パポバウイルス(例えば、パピローマウイルスおよびポリオーマウイルス)に由来し得る。パピローマウイルスとしては、HPV 血清型1、2、4、5、6、8、11、13、16、18、31、33、35、39、41、42、47、51、57、58、63および65が挙げられる。好ましくは、HPV抗原は、血清型6、11、16もしくは18に由来する。HPV抗原は、キャプシドタンパク質(L1)および(L2)、もしくはE1〜E7、またはその融合物から選択され得る。HPV抗原は、好ましくは、ウイルス様粒子(VLP)へと処方される。ポリオーマウイルスとしては、BKウイルスおよびJKウイルスが挙げられる。ポリオーマウイルス抗原は、VP1、VP2もしくはVP3から選択され得る。
本発明において使用するための他の抗原、組成物、方法および微生物は、Plotkin,S.A.ら,Vaccines,4th ed.,W.B.Saunders Co.(2004);Murray,P.R.ら,Medical Microbiology 5th ed.,Mosby Elsevier(2005);Joklik,W.K.(ed.),Virology,3rd ed.,Appleton & Lange(1988);Howley,P.M.ら(eds.),Fundamental Virology,4th ed.,Lippincott Williams & Wilkins(1991);およびFields,B.N.ら(eds.),Fields Virology,4th ed.,Lippincott Williams & Wilkins(2001)に記載される。
(C.真菌抗原)
本発明において使用するための真菌抗原は、以下に示される真菌のうちの1種以上に由来し得る。
真菌抗原は、皮膚真菌(以下が挙げられる:
)に由来し得る。
真菌病原体は、以下:
に由来し得る。
真菌抗原を生成するためのプロセスは、当該分野で周知である(米国特許第6,333,164号を参照のこと)。好ましい方法において、細胞壁が実質的に除去されたかもしくは少なくとも部分的に除去された真菌細胞から得られ得る不溶性画分から抽出および分離される、溶解した画分は、上記プロセスが以下の工程を包含する点で特徴付けられる:生きている真菌細胞を得る工程;細胞壁が実質的に除去されたかもしくは少なくとも部分的に除去された真菌細胞を得る工程;細胞壁が実質的に除去されたかもしくは少なくとも部分的に除去された上記真菌細胞を破裂させる工程;不溶性画分を得る工程;ならびに上記不溶性画分から溶解した画分を抽出および分離する工程。
(D.STD抗原)
本発明の組成物は、性感染症(STD)に由来する1種以上の抗原を含み得る。このような抗原は、STD(例えば、クラミジア、陰部ヘルペス、肝炎(例えば、HCV)、性器疣贅、淋病、梅毒および/もしくは軟性下疳)のための予防もしくは治療を提供し得る(WO00/15255を参照のこと)。抗原は、1種以上のウイルス性もしくは細菌性のSTDに由来し得る。本発明における使用のためのウイルス性STD抗原は、例えば、HIV、単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、および肝炎(HCV)に由来し得る。本発明における使用のための細菌性STD抗原は、例えば、Neiserria gonorrhoeae、Chlamydia trachomatis、Treponema pallidum、Haemophilus ducreyi、E.coli、およびStreptococcus agalactiaeに由来し得る。これら病原体に由来する具体的抗原の例は、上に記載される。
(E.呼吸器抗原(respiratory antigen))
本発明の組成物は、呼吸器疾患を引き起こす病原体に由来する1種以上の抗原を含み得る。例えば、呼吸器抗原は、呼吸器ウイルス(例えば、オルソミクソウイルス(インフルエンザ)、肺炎ウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIV)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、VZV、およびコロナウイルス(SARS)に由来し得る。呼吸器抗原は、呼吸器疾患を引き起こす細菌(例えば、Streptococcus pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Bordetella pertussis、Mycobacterium tuberculosis、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydia pneumoniae、Bacillus anthracis、およびMoraxella catarrhalis)に由来し得る。これら病原体に由来する具体的抗原の例は、上に記載される。
(F.小児用ワクチン抗原)
本発明の組成物は、小児被験体における使用に適した1種以上の抗原を含み得る。小児被験体は、代表的には、約3歳齢未満、もしくは約2歳齢未満、もしくは約1歳齢未満である。小児用抗原は、6ヶ月、1年、2年もしくは3年の経過にわたって複数回投与され得る。小児用抗原は、小児集団を標的とし得るウイルスおよび/もしくは小児集団が感染しやすいウイルスに由来し得る。小児用ウイルス抗原としては、以下のうちの1種以上に由来する抗原が挙げられる:オルソミクソウイルス(インフルエンザ)、肺炎ウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIVおよびムンプス)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、エンテロウイルス(ポリオ)、HBV、コロナウイルス(SARS)、および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)。小児用細菌抗原としては、以下のうちの1種以上に由来する抗原が挙げられる:Streptococcus pneumoniae、Neisseria meningitides、Streptococcus pyogenes(グループA Streptococcus)、Moraxella catarrhalis、Bordetella pertussis、Staphylococcus aureus、Clostridium tetani(破傷風)、Cornynebacterium diphtheriae(ジフテリア)、Haemophilus influenzae B(Hib)、Pseudomonas aeruginosa、Streptococcus agalactiae(グループB Streptococcus)、およびE.coli。これら病原体に由来する具体的抗原の例は、上に記載される。
(G.高齢者もしくは免疫が損なわれた個体における使用のための抗原)
本発明の組成物は、高齢者もしくは免疫が損なわれた個体における使用に適した1種以上の抗原を含み得る。このような抗体は、標的とされた抗原に対する彼らの免疫応答を改善するためにより高い用量でもしくはアジュバント付加された処方物で、より頻繁にワクチン接種される必要があり得る。高齢者もしくは免疫が損なわれた個体における使用のために標的とされ得る抗原としては、以下の病原体のうちの1種以上に由来する抗原が挙げられる:Neisseria meningitides、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes(グループA Streptococcus)、Moraxella catarrhalis、Bordetella pertussis、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermis、Clostridium tetani(破傷風)、Cornynebacterium diphtheriae(ジフテリア)、Haemophilus influenzae B(Hib)、Pseudomonas aeruginosa、Legionella pneumophila、Streptococcus agalactiae(グループB Streptococcus)、Enterococcus faecalis、Helicobacter pylori、Clamydia pneumoniae、オルソミクソウイルス(インフルエンザ)、肺炎ウイルス(RSV)、パラミクソウイルス(PIVおよびムンプス)、モルビリウイルス(麻疹)、トガウイルス(風疹)、エンテロウイルス(ポリオ)、HBV、コロナウイルス(SARS)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)。これら病原体に由来する具体的抗原の例は、上に記載される。
(H.青年期用ワクチンにおける使用に適した抗原)
本発明の組成物は、青年期被験体における使用に適した1種以上の抗原を含み得る。青年期は、以前に投与された小児用抗原の追加免疫の必要があり得る。青年期における使用に適切であり得る小児用抗原は、上に記載される。さらに、青年期は、性活動を開始する前に防御免疫もしくは治療的免疫を確実にするために、STD病原体に由来する抗原を受容するように標的とされ得る。青年期における使用に適切であり得るSTD抗原は、上に記載される。
(I.腫瘍抗原)
本発明の組成物は、1種以上の腫瘍抗原もしくは癌抗原を含み得る。腫瘍抗原は、例えば、ペプチド含有腫瘍抗原(例えば、ポリペプチド腫瘍抗原もしくは糖タンパク質腫瘍抗原)であり得る。腫瘍抗原はまた、例えば、サッカリド含有腫瘍抗原(例えば、糖脂質腫瘍抗原もしくはガングリオシド腫瘍抗原)であり得る。腫瘍抗原は、さらに、例えば、ポリペプチド含有腫瘍抗原を発現するポリヌクレオチド含有腫瘍抗原(例えば、RNAベクター構築物もしくはDNAベクター構築物(例えば、プラスミドDNA))であり得る。
腫瘍抗原としては、(a)ポリペプチド含有腫瘍抗原(以下が挙げられる:ポリペプチド(これは、例えば、8〜20アミノ酸長の範囲であり得るが、この範囲外の長さもまた、一般的である)、リポポリペプチドおよび糖タンパク質)、(b)サッカリド含有腫瘍抗原(以下が挙げられる:ポリサッカリド、ムチン、ガングリオシド、糖脂質および糖タンパク質)、ならびに(c)抗原性ポリペプチドを発現するポリヌクレオチド)が挙げられる。
腫瘍抗原は、例えば、(a)癌細胞と関連した全長分子、(b)上記のホモログおよび改変形体(欠失部分、付加部分および/もしくは置換部分を有する分子が挙げられる)、ならびに(c)上記のフラグメントであり得る。腫瘍抗原は、組換え形態で提供され得る。腫瘍抗原としては、例えば、CD8+リンパ球によって認識されるクラスI拘束性抗原もしくはCD4+リンパ球によって認識されるクラスII拘束性抗原が挙げられる。
多くの腫瘍抗原が、当該分野で公知であり、以下が挙げられる:(a)癌−精巣抗原(例えば、NY−ESO−1、SSX2、SCP1、ならびにRAGE、BAGE、GAGEおよびMAGEファミリーポリペプチド(例えば、GAGE−1、GAGE−2、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、およびMAGE−12(これらは、例えば、黒色腫、肺、頭頸部、NSCLC、乳房、胃腸、および膀胱の腫瘍に対処するために使用され得る)))、(b)変異抗原(例えば、p53(種々の固形腫瘍、例えば、結腸直腸癌、肺癌、頭頸部癌と関連する)、p21/Ras(例えば、黒色腫、膵臓癌および結腸直腸癌と関連する)、CDK4(例えば、黒色腫と関連する)、MUM1(例えば、黒色腫と関連する)、カスパーゼ−8(例えば、頭頸部癌と関連する)、CIA 0205(例えば、膀胱癌と関連する)、HLA−A2−R1701、β−カテニン(例えば、黒色腫と関連する)、TCR(例えば、T細胞非ホジキンリンパ腫と関連する)、BCR−abl(例えば、慢性骨髄性白血病と関連する)、トリオースホスフェートイソメラーゼ、KIA 0205、CDC−27、およびLDLR−FUT)、(c)過剰発現される抗原(例えば、ガレクチン4(例えば、結腸直腸癌と関連する)、ガレクチン9(例えば、ホジキン病と関連する)、プロテイナーゼ3(例えば、慢性骨髄性白血病と関連する)、WT 1(例えば、種々の白血病と関連する)、カルボニックアンヒドラーゼ(例えば、腎癌と関連する)、アルドラーゼA(例えば、肺癌と関連する)、PRAME(例えば、黒色腫と関連する)、HER−2/neu(例えば、乳房、結腸、肺および卵巣の癌と関連する)、α−フェトプロテイン(例えば、肝癌と関連する)、KSA(例えば、結腸直腸癌と関連する)、ガストリン(例えば、膵臓癌および胃癌と関連する)、テロメラーゼ触媒タンパク質、MUC−1(例えば、乳癌および卵巣癌と関連する)、G−250(例えば、腎細胞癌と関連する)、p53(例えば、乳癌、結腸癌と関連する)、および癌胎児性抗原(例えば、乳癌、肺癌、および胃腸管の癌(例えば、結腸直腸癌)と関連する))、(d)共通抗原(例えば、黒色腫−メラノサイト分化抗原(例えば、MART−1/Melan A、gp100、MC1R、メラノサイト刺激ホルモンレセプター、チロシナーゼ、チロシナーゼ関連タンパク質−1/TRP1およびチロシナーゼ関連タンパク質−2/TRP2(例えば、黒色腫と関連する)))、(e)前立腺関連抗原(例えば、PAP、PSA、PSMA、PSH−P1、PSM−P1、PSM−P2)(例えば、前立腺癌と関連する)、(f)免疫グロブリンイディオタイプ(例えば、骨髄腫およびB細胞リンパ腫と関連する)、ならびに(g)他の腫瘍抗原(例えば、ポリペプチド含有抗原およびサッカリド含有抗原)(以下が挙げられる:(i)糖タンパク質(例えば、シアリルTnおよびシアリルLe(例えば、乳癌および結腸直腸癌と関連)ならびに種々のムチン;糖タンパク質は、キャリアタンパク質に結合され得る(例えば、MUC−1は、KLHに結合され得る));(ii)リポポリペプチド(例えば、脂質部分に連結されたMUC−1);(iii)ポリサッカリド(例えば、Globo H合成ヘキササッカリド)(これはキャリアタンパク質に(例えば、KLHに)連結され得る)、(iv)ガングリオシド(例えば、GM2、GM12、GD2、GD3(例えば、脳、肺癌、黒色腫と関連する)(これはまた、キャリアタンパク質(例えば、KLH)に結合され得る)))。
他の腫瘍抗原としては、p15、Hom/Mel−40、H−Ras、E2A−PRL、H4−RET、IGH−IGK、MYL−RAR、エプスタイン・バー・ウイルス抗原、EBNA、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原(E6およびE7が挙げられる)、B型肝炎ウイルス抗原およびC型肝炎ウイルス抗原、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス抗原、TSP−180、p185erbB2、p180erbB−3、c−met、mn−23H1、TAG−72−4、CA 19−9、CA 72−4、CAM 17.1、NuMa、K−ras、p16、TAGE、PSCA、CT7、43−9F、5T4、791 Tgp72、beta−HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15−3(CA 27.29\BCAA)、CA 195、CA 242、CA−50、CAM43、CD68\KP1、CO−029、FGF−5、Ga733(EpCAM)、HTgp−175、M344、MA−50、MG7−Ag、MOV18、NB/70K、NY−CO−1、RCAS1、SDCCAG16、TA−90(Mac−2結合タンパク質\シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLP、TPSなどが挙げられる。これらならびに他の細胞成分は、例えば、米国特許公開第2002/0007173号およびそこで引用される参考文献に記載される。
腫瘍抗原は、例えば、変異したかもしくは改変された細胞成分に由来し得る。改変後、上記細胞成分は、それらの調節機能をもはや発揮せず、よって、上記細胞は、制御されない増殖を経験し得る。改変された細胞成分の代表例としては、ras、p53、Rb、ウィルムス腫瘍遺伝子によってコードされる改変されたタンパク質、ユビキチン、ムチン、DCCによってコードされるタンパク質、APC、およびMCC遺伝子、ならびにレセプターもしくはレセプター様構造物(例えば、neu、甲状腺ホルモンレセプター、血小板由来増殖因子(PDGF)レセプター、インスリンレセプター、上皮増殖因子(EGF)レセプター、およびコロニー刺激因子(CSF)レセプター)が挙げられる。これらならびに他の細胞成分は、例えば、米国特許第5,693,522号およびそこで引用される参考文献に記載される。
細菌抗原およびウイルス抗原は、癌の処置のために本発明の組成物とともに使用され得る。特に、キャリアタンパク質(例えば、CRM197、破傷風トキソイド、もしくはSalmonella typhimurium抗原)は、癌の処置のために、本発明の化合物とともに/本発明の化合物との結合体化において使用され得る。上記癌抗原組み合わせ治療は、既存の治療と比較して、増大した効力およびバイオアベイラビリティーを示す。
癌もしくは腫瘍抗原に関するさらなる情報は、例えば、
に見いだされ得る。
さらなる抗原はまた、外膜小胞(OMV)調製物を含み得る。
さらなる処方法および抗原(特に、腫瘍抗原)は、米国特許公開第2004/0202680号に提供される。米国特許第6,884,435もまた参照のこと。
(J.抗原参考文献)
本発明の組成物は、以下の参考文献のうちのいずれかにおいて記載される抗原を含み得る:
上記の引用されたすべての特許、特許出願および学術記事の内容は、本明細書に完全に示されるかのように本明細書に参考として援用される。
3.免疫学的アジュバント
上記のように、本発明に従う微粒子組成物およびキットは、1種以上の免疫学的アジュバントを含み得る。本発明とともに使用するための免疫学的アジュバントとしては、以下に示されるもののうちの1種以上が挙げられるが、これらに限定されない。
(A.ミネラル含有組成物)
免疫学的アジュバントとして使用するのに適したミネラル含有組成物は、ミネラル塩(例えば、アルミニウム塩およびカルシウム塩)を含む。本発明は、ミネラル塩(例えば、ヒドロキシド(例えば、オキシヒドロキシド)、ホスフェート(例えば、ヒドロキシホスフェート、オルトホスフェート)、スルフェートなどを含む(例えば、Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach(Powell,M.F. and Newman,M.J. eds.)(New York:Plenum Press) 1995,第8章および第9章を参照のこと))、または異なるミネラル化合物の混合物(例えば、必要に応じて、過剰のホスフェートとともに、ホスフェートおよびヒドロキシドアジュバントの混合物)を含み、上記化合物は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、不定形など)をとり、上記塩の吸着が、好ましい。上記ミネラル含有組成物はまた、金属塩の粒子として処方され得る(WO00/23105)。
アルミニウム塩は、Al3+の用量が0.2〜1.0mg/用量の間であるように、本発明のワクチン中に含まれ得る。
一実施形態において、本発明において使用するための上記アルミニウムベースのアジュバントは、明礬(硫酸アルミニウムカリウム(AlK(SO))、もしくは明礬誘導体(例えば、リン酸緩衝液中の抗原と明礬とを混合し、続いて、塩基(例えば、水酸化アンモニウムもしくは水酸化ナトリウム))での滴定および沈殿によって、その場で形成されるもの)である。
本発明のワクチン処方物における使用のための別のアルミニウムベースのアジュバントは、水酸化アルミニウムアジュバント(Al(OH))もしくは結晶性水酸化酸化アルミニウム(AlOOH)であり、これは、約500m/gの表面積を有する優れた吸着剤である。別の実施形態において、上記アルミニウムベースのアジュバントは、リン酸アルミニウムアジュバント(AlPO)もしくはヒドロキシリン酸アルミニウムであり、これは、水酸化アルミニウムアジュバントのヒドロキシル基のうちのいくらかもしくはすべての代わりにホスフェート基を含む。本明細書で提供される好ましいリン酸アルミニウムアジュバントは、不定形であり、酸性媒体、塩基性媒体および中性媒体に可溶性である。
別の実施形態において、上記アジュバントは、リン酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムの両方を含む。そのより好ましい実施形態において、上記アジュバントは、水酸化アルミニウムより多くの量のリン酸アルミニウムを有する(例えば、リン酸アルミニウム 対 水酸化アルミニウムの重量で、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1または9:1より大きい比)。別の実施形態において、上記ワクチン中のアルミニウム塩は、0.4〜1.0mg/ワクチン用量、もしくは0.4〜0.8mg/ワクチン用量、もしくは0.5〜0.7mg/ワクチン用量、もしくは約0.6mg/ワクチン用量で存在する。
一般に、上記好ましいアルミニウムベースのアジュバント、もしくは複数のアルミニウムベースのアジュバントの比(例えば、リン酸アルミニウム 対 水酸化アルミニウム)は、上記抗原が、所望のpHにおいて上記アジュバントと反対の電荷を有するように、分子間での静電引力の最適化によって選択される。例えば、リン酸アルミニウムアジュバント(iep=4)は、リゾチームを吸着するが、pH7.4ではアルブミンを吸着しない。アルブミンが標的であるとすると、水酸化アルミニウムアジュバントが選択される(iep 11.4)。あるいは、ホスフェートでの水酸化アルミニウムでの前処理は、その等電点を低下させ、このことは、水酸化アルミニウムを、より塩基性の抗原に対して好ましいアジュバントにする。
(B.油エマルジョン)
(他の特定の免疫刺激剤(例えば、ムラミルペプチドもしくは細菌細胞壁成分)と共に、またはそれなしで)免疫学的アジュバントとして使用するのに適した油エマルジョン組成物および処方物は、スクアレン−水エマルジョン(例えば、MF59(マイクロフルイダイザーを使用してサブミクロン粒子へと処方された5%のスクアレン、0.5%のTween 80、および0.5%のSpan 85))を含む。WO90/14837を参照のこと。Podda(2001)Vaccine 19:2673−2680;Freyら(2003)Vaccine 21:4234−4237もまた参照のこと。MF59は、FLUADTMインフルエンザウイルス三価サブユニットワクチン中にアジュバントとして使用される。
上記組成物中での使用のためのアジュバントは、水中油型サブミクロンエマルジョンを含む。本明細書での使用に好ましい水中油型サブミクロンエマルジョンは、必要に応じて種々の量のMTP−PEを含むスクアレン/水エマルジョン(例えば、4〜5%w/vのスクアレン、0.25〜1.0%w/vのTween 80TM(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、および/もしくは0.25〜1.0%のSpan 85TM(ソルビタントリオレエート)、および必要に応じて、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)を含む水中油型サブミクロンエマルジョン)、例えば、「MF59」(WO90/14837;米国特許第6,299,884号;米国特許第6,451,325号;およびOttら,「MF59−−Design and Evaluation of a Safe and Potent Adjuvant for Human Vaccines」 in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach(Powell,M.F. and Newman,M.J.eds.)(New York:Plenum Press) 1995,pp.277−296)として公知の水中油型サブミクロンエマルジョンである。MF59は、4〜5%w/vのスクアレン(例えば、4.3%)、0.25〜0.5%w/vのTween 80TM、および0.5%w/vのSpan 85TMを含み、必要に応じて、Model 110Yマイクロフルイダイザー(Microfluidics,Newton,MA)のようなマイクロフルイダイザーを使用して、サブミクロン粒子へと処方された種々の量のMTP−PEを含む。例えば、MTP−PEは、約0〜500μg/用量、より好ましくは、0〜250μg/用量、そして最も好ましくは、0〜100μg/用量の量で存在し得る。本明細書で使用される場合、用語「MF59−0」は、MTP−PEを欠いている上記水中油型サブミクロンエマルジョンを意味する一方で、用語MF59−MTPは、MTP−PEを含む処方物を示す。例えば、「MF59−100」は、100μgのMTP−PE/用量を含む、など。本明細書で使用するためのMF69(別の水中油型サブミクロンエマルジョン)は、4.3%w/vのスクアレン、0.25%w/vのTween 80TM、および0.75%w/vのSpan 85TM、ならびに必要に応じて、MTP−PEを含む。さらに別の水中油型サブミクロンエマルジョンは、10%のスクアレン、0.4%のTween 80TM、5%のプルロニックブロックポリマー(pluronic−blocked polymer) L121、およびthr−MDP(サブミクロンエマルジョンへとマイクロフルイダイズされる)を含むMF75(SAFとしても公知)である。MF75−MTPは、MTPを含むMF75処方物(例えば、100〜400μgのMTP−PE/用量)を示す。
水中油型サブミクロンエマルジョン、上記組成物における使用のために、同じおよび免疫刺激剤(例えば、ムラミルペプチド)を作製する方法は、WO90/14837;米国特許第6,299,884号;および米国特許第6,451,325号に詳細に記載される。
完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。
(C.サポニン処方物)
サポニン処方物はまた、本発明において免疫学的アジュバントとして使用するのに適切である。サポニンは、広い範囲の植物種の樹皮、葉、茎、根およびさらには花において見いだされるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異種由来の群である。Quillaia saponaria Molinaの木の樹皮から単離されたサポニンは、アジュバントとして広く研究されてきた。サポニンはまた、Smilax ornata(サルサパリラ(sarsaprilla))、Gypsophilla paniculata(ブライダルベール)、およびSaponaria officianalis(ソープルート)から商業的に得られ得る。サポニンアジュバント処方物は、精製処方物(例えば、QS21)、ならびに脂質処方物(例えば、ISCOM)を含む。サポニンアジュバント処方物としては、STIMULON(登録商標)アジュバント(Antigenics,Inc.,Lexington,MA)が挙げられる。
サポニン組成物は、高性能薄層クロマトグラフィー(HP−TLC)および逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用して精製された。これら技術を使用する特定の精製画分が同定された。これらとしては、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−BおよびQH−Cが挙げられる。好ましくは、上記サポニンは、QS21である。QS21の生成法は、米国特許第5,057,540号で開示される。サポニン処方物はまた、ステロール(例えば、コレステロール)を含み得る(WO96/33739を参照のこと)。
サポニンおよびコレステロールの組み合わせは、免疫刺激複合体(ISCOM)といわれる特有の粒子を形成するために使用され得る。ISCOMはまた、代表的には、リン脂質(例えば、ホスファチジルエタノールアミンもしくはホスファチジルコリン)を含む。任意の公知のサポニンは、ISCOM中で使用され得る。好ましくは、上記ISCOMは、Quil A、QHAおよびQHCのうちの1種以上を含む。ISCOMは、EP 0 109 942、WO96/11711およびWO96/33739にさらに記載される。必要に応じて、上記ISCOMSは、さらなる界面活性剤が全くなくてもよい。WO00/07621を参照のこと。
サポニンベースのアジュバントの開発の総説は、Barrら(1998)Adv.Drug Del.Rev.32:247−271において見いだされ得る。Sjolanderら(1998)Adv.Drug Del.Rev.32:321−338もまた参照のこと。
(D.ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP))
ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP)はまた、免疫学的アジュバントとして適切である。これら構造は、一般に、リン脂質と必要に応じて合わされるかもしくは処方されるウイルス由来の1種以上のタンパク質を含む。それらは、一般に、非病原性、非複製性であり、一般に、天然のウイルスゲノムのいずれも含まない。上記ウイルスタンパク質は、組換え生成されてもよいし、完全なウイルスから単離されてもよい。ビロソームもしくはVLPにおける使用に適したこれらウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス(例えば、HAもしくはNA)、B型肝炎ウイルス(例えば、コアタンパク質もしくはキャプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビス・ウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNAファージ、Qβファージ(例えば、コートタンパク質)、GAファージ、frファージ、AP205ファージ、およびTy(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質p1)に由来するタンパク質が挙げられる。VLPは、WO03/024480;WO03/024481;Niikuraら(2002)Virology 293:273−280;Lenzら(2001)J.Immunol.166(9):5346−5355;Pintoら(2003)J.Infect.Dis.188:327−338;およびGerberら(2001)J.Virol.75(10):4752−4760でさらに考察されている。ビロソームは、例えば、Gluckら(2002)Vaccine 20:B10−B16でさらに考察されている。免疫強化再構成インフルエンザビロソーム(IRIV)は、鼻内三価INFLEXALTM生成物(Mischler and Metcalfe(2002) Vaccine 20 補遺5:B17−B23)およびINFLUVAC PLUSTM生成物におけるサブユニット抗原送達系として使用される。
(E.細菌誘導体もしくは微生物誘導体)
本発明における使用に適した免疫学的アジュバントとしては、例えば、以下の細菌誘導体もしくは微生物誘導体が挙げられる。
(1)腸内細菌リポポリサッカリド(LPS)の非毒性誘導体:このような誘導体としては、モノホスホリルリピドA(MPL)および3−O−脱アセチルMPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAと、4,5もしくは6 アシル化鎖との混合物である。3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAの好ましい「小粒子」形態は、EP 0 689 454で開示される。3dMPLのこのような「小粒子」は、0.22ミクロン膜を通して無菌濾過をするのに十分に小さい(EP 0 689 454を参照のこと)。他の非毒性LPS誘導体は、モノホスホリルリピドA模倣物(例えば、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体(例えば、RC−529))が挙げられる。Johnsonら(1999)Bioorg.Med.Chem.Lett.9:2273−2278を参照のこと。
(2)リピドA誘導体:リピドA誘導体としては、Escherichia coliに由来するリピドAの誘導体(例えば、OM−174)が挙げられる。OM−174は、例えば、Meraldiら(2003)Vaccine 21:2485−2491;およびPajakら(2003)Vaccine 21:836−842に記載される。
(3)免疫刺激性オリゴヌクレオチド:免疫刺激性オリゴヌクレオチドもしくは本発明においてアジュバントとして使用するのに適したポリマー分子としては、CpGモチーフを含むヌクレオチド配列(非メチル化シトシン、続いて、グアノシンを含み、ホスフェート結合によって連結される配列)が挙げられる。細菌二重鎖RNAもしくはパリンドローム配列もしくはポリ(dG)配列を含むオリゴヌクレオチドはまた、免疫刺激性であることを示した。上記CpGは、ヌクレオチド改変/アナログ(例えば、ホスホロチオエート改変)を含み得、二本鎖もしくは一本鎖であり得る。必要に応じて、上記グアノシンは、アナログ(例えば、2’−デオキシ−7−デアザグアノシン)で置換され得る。例えば、考えられるアナログ置換についてはKandimallaら(2003)Nucl.Acids Res.31(9):2393−2400;WO02/26757;およびWO99/62923を参照のこと。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、Krieg(2003)Nat.Med.9(7):831−835;McCluskieら(2002)FEMS Immunol.Med.Microbiol.32:179−185;WO98/40100;米国特許第6,207,646号;米国特許第6,239,116号;および米国特許第6,429,199号においてさらに考察されている。
上記CpG配列は、TLR9(例えば、モチーフGTCGTTもしくはTTCGTT)に向けられ得る。Kandimallaら(2003)Biochem.Soc.Trans.31(part 3):654−658を参照のこと。上記CpG配列は、Th1免疫応答(例えば、CpG−A ODN)を誘導するのに特異的であり得るか、またはB細胞応答(例えば、CpG−B ODN)を誘導するのにより特異的であり得る。CpG−AおよびCpG−B ODNは、Blackwellら(2003)J.Immunol.170(8):4061−4068;Krieg(2002)TRENDS Immunol.23(2):64−65;およびWO01/95935において議論されている。好ましくは、上記CpGは、CpG−A ODNである。
好ましくは、上記CpGオリゴヌクレオチドは、その5’末端がレセプター認識に対して接近可能であるように構築される。必要に応じて、2個のCpGオリゴヌクレオチド配列は、それらの3’末端において結合し、「イムノマー(immunomer)」を形成し得る。例えば、Kandimallaら(2003)BBRC 306:948−953;Kandimallaら(2003)Biochem.Soc.Trans.31(part 3):664−658;Bhagatら(2003)BBRC 300:853−861;およびWO03/035836を参照のこと。
免疫刺激性オリゴヌクレオチドおよびポリマー分子はまた、代替のポリマー骨格構造(例えば、ポリビニル骨格(Pithaら(1970)Biochem.Biophys.Acta 204(1):39−48;Pithaら(1970)Biopolymers 9(8):965−977)、およびモルホリノ骨格(米国特許第5,142,047号;米国特許第5,185,444号)が挙げられるが、これらに限定されない。種々の他の荷電したポリヌクレオチドアナログおよび非荷電のポリヌクレオチドアナログは、当該分野で公知である。多くの骨格改変は、当該分野で公知であり、これらとしては、非荷電の連結(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、およびカルバメート)および荷電した連結(例えば、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエート)が挙げられるが、これらに限定されない。
(4)ADP−リボシル化毒素およびその無毒化誘導体:細菌ADP−リボシル化毒素およびその無毒化誘導体は、本発明においてアジュバントとして使用され得る。好ましくは、上記タンパク質は、E.coli(すなわち、E.coli熱不安定性腸毒素「LT」)、コレラ(「CT」)、もしくは百日咳(「PT」)に由来する。粘膜アジュバントとしての無毒化ADP−リボシル化毒素の使用は、WO95/17211において、およびWO98/42375において非経口アジュバントとして記載される。好ましくは、上記アジュバントは、無毒化LT変異体(例えば、LT−K63、LT−R72、およびLTR192G)である。アジュバントとしてのADP−リボシル化毒素およびその無毒化誘導体(特に、LT−K63およびLT−R72)の使用は、以下の参考文献:Beignonら(2002)Infect.Immun.70(6):3012−3019;Pizzaら(2001)Vaccine 19:2534−2541;Pizzaら(2000)Int.J.Med.Microbiol.290(4−5):455−461;Scharton−Kerstenら(2000)Infect.Immun.68(9):5306−5313;Ryanら(1999)Infect.Immun.67(12):6270−6280;Partidosら(1999)Immunol.Lett.67(3):209−216;Peppoloniら(2003)Vaccines 2(2):285−293;およびPineら(2002)J.Control Release 85(1−3):263−270において見いだされ得る。アミノ酸置換についての多くの参考文献は、好ましくは、Domenighiniら(1995)Mol.Microbiol.15(6):1165−1167に示されるADP−リボシル化毒素のAサブユニットおよびBサブユニットのアラインメントに基づく。
式I、式IIもしくは式IIIの化合物、またはその塩はまた、「ER 803058」、「ER 803732」、「ER 804053」、「ER 804058」、「ER 804059」、「ER 804442」、「ER 804680」、「ER 804764」、「ER 803022」もしくは「ER 804057」のように、WO03/011223において定義されるように、アジュバントとして使用され得る:
例えば:
(F.ヒト免疫調節剤)
免疫学的アジュバントとして使用するのに適したヒト免疫調節剤としては、サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、および腫瘍壊死因子(TNF))が挙げられる。
(G.生体接着剤および粘膜接着剤)
生体接着剤および粘膜接着剤はまた、免疫学的アジュバントとして使用され得る。適切な生体接着剤は、エステル化ヒアルロン酸マイクロスフェア(Singhら(2001)J.Cont.Release 70:267−276)もしくは粘膜接着剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリドおよびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体)を含む。キトサンおよびその誘導体はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る(WO99/27960を参照のこと)。
(H.リポソーム)
免疫学的アジュバントとして使用するのに適したリポソーム処方物の例は、米国特許第6,090,406号;米国特許第5,916,588号;およびEP特許公開第EP 0 626 169号に記載される。
(I.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル処方物)
本発明における使用に適した免疫学的アジュバントは、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルを含む(例えば、WO99/52549を参照のこと)。このような処方物は、オクトキシノール(WO01/21207)ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルと組み合わせて、ポリオキシエチレンソルビタンエステル表面活性剤を、または少なくとも1種のさらなる非イオン性表面活性剤(例えば、オクトキシノール(WO01/21152))と組み合わせて、エステル表面活性剤をさらに含む。
好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(ラウレス9)、ポリオキシエチレン−9−ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)−8−ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル。
(J.ポリホスファゼン(PCPP))
免疫学的アジュバントとしての使用に適したPCPP処方物は、例えば、Andrianovら(1998)Biomaterials 19(1−3):109−115;およびPayneら(1998)Adv.Drug Del.Rev.31(3):185−196に記載される。
(K.ムラミルペプチド)
免疫学的アジュバントとしての使用に適したムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−l−アラニル−d−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−l−アラニル−d−イソグルタミニル−l−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)が挙げられる。
(L.イミダゾキノリン化合物)
免疫学的アジュバントとしての使用に適したイミダゾキノリン化合物の例としては、イミキモドおよびそのアナログが挙げられ、これらは、Stanley(2002)Clin.Exp.Dermatol.27(7):571−577;Jones(2003)Curr.Opin.Investig.Drugs 4(2):214−218;および米国特許第4,689,338号;同第5,389,640号;同第5,268,376号;同第4,929,624号;同第5,266,575号;同第5,352,784号;同第5,494,916号;同第5,482,936号;同第5,346,905号;同第5,395,937号;同第5,238,944号;および同第5,525,612号にさらに記載される。
本発明の実施のためのイミダゾキノリンは、イミキモド、レシキモド、および
を含む。例えば、国際公開WO2006/031878およびWO2007/109810を参照のこと。このような化合物は、TLR7アゴニストであることが公知である。
(M.チオセミカルバゾン化合物)
免疫学的アジュバントとしての使用に適したチオセミカルバゾン化合物の例、ならびにこのような化合物を処方、製造、およびスクリーニングするための方法としては、WO04/60308に記載されるものが挙げられる。上記チオセミカルバゾンは、サイトカイン(例えば、TNF−α)の生成のために、ヒト末梢血単核球の刺激において特に有効である。
(N.トリプタントリン化合物)
免疫学的アジュバントとしての使用に適したトリプタントリン化合物の例、ならびにこのような化合物を処方、製造、およびスクリーニングするための方法としては、WO04/64759に記載されるものが挙げられる。上記トリプタントリン化合物は、サイトカイン(例えば、TNF−α)の生成のために、ヒト末梢血単核球の刺激において特に有効である。
(O.ヌクレオシドアナログ)
種々のヌクレオシドアナログは、免疫学的アジュバントとして使用され得る。例えば、(a)イサトリビン(Isatorabine)(ANA−245;7−チア−8−オキソグアノシン):
およびそのU d プロドラッグ;(b)ANA975;(c)ANA−025−1;(d)ANA380;(e)米国特許第6,924,271号;米国公開2005/0070556号;および米国特許第5,658,731号に開示される化合物;(f)以下の式を有する化合物:
ここで:
およびRは、各々独立して、H、ハロ、−NR、−OH、C1−6アルコキシ、置換されたC1−6アルコキシ、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、C6−10アリール、置換されたC6−10アリール、C1−6アルキル、もしくは置換されたC1−6アルキルであり;
は、存在しないか、またはH、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C6−10アリール、置換されたC6−10アリール、ヘテロシクリル、もしくは置換されたヘテロシクリルであり;
およびRは、各々独立して、H、ハロ、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリル、−C(O)−R、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキルであるか、または一緒に結合して、R4−5にあるように、5員環を形成し:
結合は、
によって示される結合において達成され;
およびXは、各々独立して、N、C、O、もしくはSであり;
は、H、ハロ、−OH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、−OH、−NR、−(CH−O−R、−O−(C1−6アルキル)、−S(O)、もしくは−C(O)−Rであり;
は、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、ヘテロシクリル、置換されたヘテロシクリルもしくはR9aであり、ここでR9aは、
であり、結合は、
によって示される結合で達成され;
10およびR11は、各々独立して、H、ハロ、C1−6アルコキシ、置換されたC1−6アルコキシ、−NR、もしくは−OHであり;
各RおよびRは、独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、−C(O)R、C6−10アリールであり;
各Rは、独立して、H、ホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、C1−6アルキル、もしくは置換されたC1−6アルキルであり;
各Rは、独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、置換されたC1−6アルコキシ、−NH、−NH(C1−6アルキル)、−NH(置換されたC1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−N(置換されたC1−6アルキル)、C6−10アリール、もしくはヘテロシクリルであり;
各Rは、独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C6−10アリール、置換されたC6−10アリール、ヘテロシクリル、もしくは置換されたヘテロシクリルであり;
各Rは、独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、−C(O)R、ホスフェート、ジホスフェート、もしくはトリホスフェートであり;
各nは、独立して、0、1、2、もしくは3であり;
各pは、独立して、0、1、もしくは2であるか、
あるいは(g)(a)〜(f)のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、(a)〜(f)のうちのいずれかの互変異性体、もしくは上記互変異性体の薬学的に受容可能な塩である。
(P.ホスフェート含有非環式骨格に結合した脂質)
ホスフェート含有非環式骨格に結合した脂質を含む免疫学的アジュバントとしては、TLR4アンタゴニストE5564(Wongら(2003)J.Clin.Pharmacol.43(7):735−742;US2005/0215517):
が挙げられる。
(Q.低分子免疫増強剤(SMIP))
SMIPとしては、以下が挙げられる:
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2,N2−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−エチル−N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・1−(2−メチルプロピル)−N2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−ブチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−ブチル−N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N2−ペンチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N2−プロパ−2−エニル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・1−(2−メチルプロピル)−2−[(フェニルメチル)チオ]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン;
・1−(2−メチルプロピル)−2−(プロピルチオ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン;
・2−[[4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル](メチル)アミノ]エタノール;
・2−[[4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−イル](メチル)アミノ]エチルアセテート;
・4−アミノ−1−(2−メチルプロピル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン;
・N2−ブチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−ブチル−N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・N2,N2−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)−N4,N4−ビス(フェニルメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン;
・1−{4−アミノ−2−[メチル(プロピル)アミノ]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}−2−メチルプロパン−2−オール;
・1−[4−アミノ−2−(プロピルアミノ)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−2−メチルプロパン−2−オール;
・N4,N4−ジベンジル−1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−N2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2,4−ジアミン。
(R.プロテオソーム)
1つのアジュバントは、第2のグラム陰性細菌に由来するリポポリサッカリド調製物と組み合わせた、第1のグラム陰性細菌から調製された外膜タンパク質プロテオソーム調製物である。ここで上記外膜タンパク質プロテオソーム調製物およびリポポリサッカリド調製物は、安定な非共有結合アジュバント複合体を形成する。このような複合体としては、Neisseria meningitidis外膜およびリポポリサッカリドから構成される複合体である「IVX−908」が挙げられる。それらは、インフルエンザワクチンのためのアジュバントとして使用されてきた(WO02/072012)。
(S.リポペプチド)
リポペプチド(すなわち、1個以上の脂肪酸残基および2個以上のアミノ酸残基を含む化合物)はまた、免疫刺激特徴を有することが公知である。グリセリルシステインに基づいたリポペプチドは、アジュバントとして使用するのに特に適している。このようなペプチドの具体例としては、以下の式の化合物:
が挙げられ、ここでRおよびRの各々は、必要に応じて酸素官能基でも置換される8〜30個、好ましくは、11〜21個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の、脂肪族もしくは混合脂肪族−シクロ脂肪族炭化水素ラジカルを表し、Rは、水素もしくはラジカルR−CO−O−CH−を表し、ここでRは、上記と同じ意味を有し、Xは、ペプチド結合によって結合しかつ遊離の、エステル化されたかもしくはアミド化されたカルボキシ基を有するアミノ酸、または末端カルボキシ基が遊離の、エステル化されたかもしくはアミド化された形態である2〜10個のアミノ酸のアミノ酸配列である。特定の実施形態において、上記アミノ酸配列は、D−アミノ酸(例えば、D−グルタミン酸(D−Glu)もしくはD−γ−カルボキシ−グルタミン酸(D−Gla))を含む。
細菌リポペプチドは、一般に、TLR6が関与する必要なしにTLR2を認識する(TLRは、種々のトリガーの特異的認識を提供するように協力して機能し、そしてTLR2とTLR6は一緒に、ペプチドグリカンを認識する一方で、TLR2は、TLR6なしでリポペプチドを認識する)。これらは、天然のリポペプチドおよび合成リポペプチドとして分類されることがある。合成リポペプチドは、同様の挙動をする傾向にあり、TLR2によって主に認識される。
アジュバントとして使用するのに適したリポペプチドとしては、式Iの化合物:
が挙げられ、
ここで*で表示されるキラル中心および***で表示されるキラル中心は、R配置であり;
**で表されるキラル中心は、R配置もしくはS配置のいずれかであり;
各R1aおよびR1bは、独立して、7〜21個の炭素原子を有し、脂肪族もしくはシクロ脂肪族−脂肪族炭化水素基(これは必要に応じて、酸素官能基によって置換される)であるか、またはR1aおよびR1bのうちの一方(しかし両方ではない)は、Hであり;
は、1〜21個の炭素原子を有し、かつ必要に応じて酸素官能基で置換される脂肪族もしくはシクロ脂肪族炭化水素基であり;
nは、0もしくは1であり;
Asは、−O−Kw−CO−もしくは−NH−Kw−CO−のいずれかを表し、ここでKwは、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり;
Asは、D−もしくはL−α−アミノ酸であり;
およびZは、各々独立して、−OH、またはアミノ−(低級アルカン)−スルホン酸の、もしくは上記D−およびL−αアミノカルボン酸およびアミノ−低級アルキル−スルホン酸から選択される最大6個までのアミノ酸を有するペプチドのD−もしくはL−α−アミノ酸のN末端ラジカルを表し;そして
は、Hもしくは−CO−Zであり、ここでZは、−OH、またはアミノ−(低級アルカン)−スルホン酸の、もしくは上記DおよびL−αアミノカルボン酸およびアミノ−低級アルキル−スルホン酸から選択される最大6個までのアミノ酸を有するペプチドのD−もしくはL−αアミノ酸のN末端ラジカルであるか;あるいはこのような化合物のカルボン酸から形成されるエステルもしくはアミドである。適切なアミドとしては、−NHおよびNH(低級アルキル)が挙げられ、適切なエステルとしては、C1−C4アルキルエステルが挙げられる。(低級アルキルもしくは低級アルカンは、本明細書で使用される場合、C−C直鎖もしくは分枝状アルキルを意味する)。
このような化合物は、米国特許第4,666,886号により詳細に記載されている。1つの好ましい実施形態において、上記リポペプチドは、以下の式:
のものである。
リポペプチド種の別の例は、LP40といわれ、TLR2のアゴニストである(Akdisら,Eur.J.Immunology,33:2717−2726(2003))。
これらは、E.coliに由来するリポペプチド(ムレインリポタンパク質といわれる)の公知のクラスに関連する。ムレインリポペプチドといわれるそれらタンパク質の特定の部分分解生成物は、Hantkeら(Eur.J.Biochem.,34:284−296(1973))に記載される。これらは、N−アセチルムラミン酸に連結されたペプチドを含み、従って、ムラミルペプチドに関連し、これらは、Baschangら(Tetrahedron,45(20):6331−6360(1989))に記載される。
(T.ベンゾナフチリジン)
アジュバントとしての使用に適したベンゾナフチリジン化合物の例としては、式(I)の構造:
を有する化合物、およびその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体が挙げられ、ここで:
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、およびC−Cヘテロシクロアルキルであり、ここでRの上記C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cシクロアルキル、もしくはC−Cヘテロシクロアルキル基は、各々必要に応じて、ハロゲン、−CN、−R、−OR、−C(O)R、−OC(O)R、−C(O)OR、−N(R、−C(O)N(R、−S(O)、−S(O)N(Rおよび−NRS(O)から独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
およびRは、H、ハロゲン、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R1112)、−N(R1112)、−N(R、−NHN(R、−SR、−(CHOR、−(CH、−LR、−LR10、−OLR、−OLR10、C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、およびC−Cヘテロシクロアルキルから各々独立して選択され、ここでRおよびRの上記C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、およびC−Cヘテロシクロアルキル基は、各々必要に応じて、ハロゲン、−CN、−NO、−R、−OR、−C(O)R、−OC(O)R、−C(O)OR、−N(R、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR10、−OP(O)(OR10、−C(O)N(R、−S(O)、−S(O)R、−S(O)N(R、および−NRS(O)から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されるか;
またはRとR、もしくはRとRは、隣接する環原子上に存在する場合、必要に応じて、一つに連結して、5〜6員環を形成し得、ここで上記5〜6員環は、必要に応じて、Rで置換され;
各Lは、結合、−(O(CH−、C−Cアルキル、C−CアルケニレンおよびC−Cアルキニレンから独立して選択され、ここでLの上記C−Cアルキル、C−CアルケニレンおよびC−Cアルキニレンは、各々必要に応じて、ハロゲン、−R、−OR、−N(R、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR10、および−OP(O)(OR10から独立して選択される1〜4個の置換基で置換され;
は、H、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、およびC−Cヘテロシクロアルキルから選択され、ここでRの上記C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、およびC−Cヘテロシクロアルキル基は、各々必要に応じて、1〜3個のR13基で置換され;
各Rは、H、−CH(R10、C−Cアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cヘテロアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−CヒドロキシアルキルおよびC−Cハロアルコキシから独立して選択され、ここでRの上記C−Cアルキル、C−Cアルケン、C−Cアルキン、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−CヒドロキシアルキルおよびC−Cハロアルコキシ基は、各々必要に応じて、−CN、R11、−OR11、−SR11、−C(O)R11、−OC(O)R11、−C(O)N(R、−C(O)OR11、−NRC(O)R11、−NR10、−NR1112、−N(R、−OR、−OR10、−C(O)NR1112、−C(O)NR11OH、−S(O)11、−S(O)R11、−S(O)NR1112、−NR11S(O)11、−P(O)(OR11、および−OP(O)(OR11から独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
各Rは、H、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)R10、−C(O)OR10、−S(O)10、−C−Cアルキル、C−CヘテロアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択されるか、または各Rは、独立して、これらが結合するNと一緒になって、C−Cヘテロシクロアルキルを形成するC−Cアルキルであり、ここで上記C−Cヘテロシクロアルキル環は、必要に応じて、N、OおよびSから選択されるさらなるヘテロ原子を含み、そしてRの上記C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cシクロアルキル、もしくはC−Cヘテロシクロアルキル基は、各々必要に応じて、−CN、R11、−OR11、−SR11、−C(O)R11、−OC(O)R11、−C(O)OR11、−NR1112、−C(O)NR1112、−C(O)NR11OH、−S(O)11、−S(O)R11、−S(O)NR1112、−NR11S(O)11、−P(O)(OR11、および−OP(O)(OR11から独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
各R10は、アリール、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールから独立して選択され、ここで上記アリール、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリール基は、必要に応じて、ハロゲン、−R、−OR、−LR、−LOR、−N(R、−NRC(O)R、−NRCO、−CO、−C(O)Rおよび−C(O)N(Rから選択される1〜3個の置換基で置換され;
11およびR12は、H、C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、およびC−Cヘテロシクロアルキルから独立して選択され、ここでR11およびR12の上記C−Cアルキル、C−Cヘテロアルキル、C−Cハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C−Cシクロアルキル、およびC−Cヘテロシクロアルキル基は、各々必要に応じて、ハロゲン、−CN、R、−OR、−C(O)R、−OC(O)R、−C(O)OR、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−C(O)N(R、C−Cヘテロシクロアルキル、−S(O)、−S(O)N(R、−NRS(O)、C−CハロアルキルおよびC−Cハロアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されるか;
またはR11とR12は、各々独立して、C−Cアルキルであり、かつこれらが結合するN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む、必要に応じて置換されたC−Cヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R13は、ハロゲン、−CN、−LR、−LOR、−OLR、−LR10、−LOR10、−OLR10、−LR、−LOR、−OLR、−LSR、−LSR10、−LC(O)R、−OLC(O)R、−LC(O)OR、−LC(O)R10、−LOC(O)OR、−LC(O)NR11、−LC(O)NR、−LN(R、−LNR、−LNR10、−L=NOH、−LC(O)N(R、−LS(O)、−LS(O)R、−LC(O)NROH、−LNRC(O)R、−LNRC(O)OR、−LS(O)N(R、−OLS(O)N(R、−LNRS(O)、−LC(O)NRLN(R、−LP(O)(OR、−LOP(O)(OR、−LP(O)(OR10および−OLP(O)(OR10から独立して選択され;
環Aは、アリールもしくはヘテロアリールであり、ここで環Aの上記アリールおよびヘテロアリール基は、1〜3個のR基で必要に応じて置換され、ここで各Rは、ハロゲン、−R、−R、−OR、−OR、−R10、−OR10、−SR、−NO、−CN、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(S)R、−NRC(O)N(R、−NRC(S)N(R、−NRCO、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)N(R、−NRNRCO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−(CHCO、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)N(R、−C(S)N(R、−OC(O)N(R、−OC(O)R、−C(O)N(OR)R、−C(NOR)R、−S(O)、−S(O)、−SON(R、−S(O)R、−NRSON(R、−NRSO、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR10、−OP(O)(OR10、−N(OR)R、−CH=CHCO、−C(=NH)−N(R、および−(CHNHC(O)Rから独立して選択されるか;または環A上の2個の隣接するR置換基は、環員として最大2個までのヘテロ原子を含む5〜6員環を形成し;
nは、各々において独立して、0、1、2、3、4、5、6、7もしくは8であり;
各mは、1、2、3、4、5および6から独立して選択され、そして
tは、1、2、3、4、5、6、7もしくは8である。
式(I)の化合物の特定の実施形態において、環Aは、芳香族環(例えば、フェニル、ピリジル、もしくはピリミジニル)であり、これらは、必要に応じて置換されたC−CアルキルもしくはC−Cアルコキシでか同じ置換基で置換され得、R、R、およびRの各々は、独立して、H、ハロ、もしくは必要に応じて置換されたC−Cアルキルもしくは必要に応じて置換されたC−Cアルコキシ基を表す。特定の実施形態において、RおよびRは、各々Hを表す。
これら化合物において、Rは、代表的には、必要に応じて置換されたC−Cアルキルであり、そしていくつかの実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたフェニル環もしくはヘテロアリール環(例えば、ピリジン、ピリミジン、インドール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾールなど)で置換されたC−Cアルキルである。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、Rは、Hである。上記必要に応じて置換されたフェニルもしくはヘテロアリール環は、Me、CN、CF、ハロ、OMe、NH、NHMe、NMe、および必要に応じて置換されたC−CアルキルもしくはC−Cアルコキシから選択される最大3個までの置換基を有し得、ここで式(I)における上記必要に応じて置換されたC−CアルキルもしくはC−Cアルコキシ基についての置換基は、ハロ、−OH、−OMe、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、COOH、−PO、−OPO、NH、NMe、C−Cシクロアルキル、アリール(好ましくは、フェニルもしくは置換されたフェニル)、C−Cヘテロシクリル(例えば、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン)から選択される;およびこれら化合物の薬学的に受容可能な塩。
アジュバントとしての使用に適したベンゾナフチリジン化合物の他の例としては、以下の式の化合物:
が挙げられ、
ここで各Rは、独立して、ハロ、CN、NH、NHMe、NMe、または必要に応じて置換されたC−Cアルキルもしくは必要に応じて置換されたC−Cアルコキシであり;Xは、CHもしくはNであり;
そしてRおよびRは、独立して、Hまたは必要に応じて置換されたアルキルもしくは必要に応じて置換されたアルコキシ基を表す。
好ましくは、上記式の化合物は、0〜1個のR置換基を有する。
これら化合物において、Rは、代表的には、必要に応じて置換されたC−Cアルキルであり、そしていくつかの実施形態において、Rは、必要に応じて置換されたフェニル環もしくはヘテロアリール環(例えば、ピリジン、ピリミジン、インドール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾールなど)で置換されたC−Cアルキルである。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、Rは、Hである。上記必要に応じて置換されたフェニルもしくはヘテロアリール環は、Me、CN、CF、ハロ、OMe、NH、NHMe、NMe、および必要に応じて置換されたC−CアルキルもしくはC−Cアルコキシから選択される最大3個までの置換基を有し得、ここで式(X)における上記必要に応じて置換されたC−CアルキルもしくはC−Cアルコキシ基の置換基は、ハロ、−OH、−OMe、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、COOH、−PO、−OPO、NH、NMe、C−Cシクロアルキル、アリール(好ましくは、フェニルもしくは置換されたフェニル)、C−Cヘテロシクリル(例えば、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン)から選択される;およびこれら化合物の薬学的に受容可能な塩。
特定の実施形態において、上記ベンゾナフチリジン化合物は、以下から選択される:
2−(4−(2−(5−アミノ−8−メチルベンゾ[f][1,7]ナフチリジン−2−イル)エチル)−3−メチルフェニル)プロパン−2−オール;
2−(4−メトキシ−2−メチルフェネチル)−8−メチルベンゾ[f][1,7]ナフチリジン−5−アミン;
2−(2,4−ジメチルフェネチル)ベンゾ[f][1,7]ナフチリジン−5−アミン;
エチル 4−(2−(5−アミノ−8−メチルベンゾ[f][1,7]ナフチリジン−2−イル)エチル)−3−メチルベンゾエート;
2−(4−(ジメチルアミノ)フェネチル)−8−メチルベンゾ[f][1,7]ナフチリジン−5−アミン、および
2−(4−メトキシフェネチル)−8−メチルベンゾ[f][1,7]ナフチリジン−5−アミン。
アジュバントとしての使用に適したベンゾナフチリジン化合物の他の例、ならびに処方および製造の方法は、国際出願PCT/US2009/35563(WO2009/111337として公開)に記載されるものが挙げられる。
(U.他のアジュバント)
免疫学的アジュバントとして作用する他の物質は、Burdman,J.R.ら(eds)(1995)(Vaccine Design:Subunit and Adjuvant Approach(Springer)(第7章)およびO’Hagan,D.T.(2000)(Vaccine Adjuvants:Preparation Methods and Research Protocols(Humana Press)(Volume 42 of Methods in Molecular Medicine series))に開示される。
さらに有用なアジュバント物質としては、以下が挙げられる:
・メチルイノシン5’−モノホスフェート(「MIMP」)(Signorelli & Hadden(2003)Int.Immunopharmacol.3(8):1177−1186)。
・ポリヒドロキシル化ピロリジジン(pyrrolizidine)化合物(WO2004/064715)(例えば、以下の式を有するものであって:
ここでRは、水素、直鎖状もしくは分枝状の、置換されていないかもしくは置換された、飽和もしくは不飽和のアシル、アルキル(例えば、シクロアルキル)、アルケニル、アルキニルおよびアリール基を含む基から選択されるもの)、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは誘導体。例としては、カスアリン、カスアリン−6−α−D−グルコピラノース、3−エピ−カスアリン、7−エピ−カスアリン、3,7−ジエピ−カスアリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
・γ−イヌリン(Cooper(1995)Pharm.Biotechnol.6:559−580)もしくはその誘導体(例えば、アルガムリン(algammulin))。
・PCT/US2005/022769に開示される化合物。
・WO2004/87153に開示される化合物(以下が挙げられる:アシルピペラジン化合物、インドールジオン化合物、テトラヒドロイソキノリン(THIQ)化合物、ベンゾシクロジオン化合物、アミノアザビニル化合物、アミノベンゾイミダゾールキノリノン(ABIQ)化合物(米国特許第6,605,617号;WO02/18383)、ヒドロフタルイミド(Hydrapthalamide)化合物、ベンゾフェノン化合物、イソオキサゾール化合物、ステロール化合物、キナゾリノン(Quinazilinone)化合物、ピロール化合物(WO2004/018455)、アントラキノン化合物、キノキサリン化合物、トリアジン化合物、ピラゾロピリミジン化合物、およびベンゾアゾール化合物(WO03/082272))。
・ロキソリビン(7−アリル−8−オキソグアノシン)(米国特許第5,011,828号)。
・カチオン性脂質および(通常は中性の)コリピド(co−lipid)(例えば、アミノプロピル−ジメチル−ミリストレイルオキシ−プロパンアミニウムブロミド−ジフィタノイルホスファチジル−エタノールアミン(「VaxfectinTM」)もしくはアミノプロピル−ジメチル−ビス−ドデシルオキシ−プロパンアミニウムブロミド−ジオレオイルホスファチジル−エタノールアミン(「GAP−DLRIE:DOPE」))の処方物。(±)−N−(3−アミノプロピル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(syn−9−テトラデセニルオキシ(tetradeceneyloxy))−1−プロパンアミニウム塩は、好ましい(米国特許第6,586,409号)を含む処方物。
本発明はまた、上で同定される上記免疫学的アジュバントのうちの1種以上の局面の組み合わせを含み得る。例えば、以下のアジュバント組成物は、本発明において使用され得る:(1)サポニンおよび水中油型エマルジョン(WO99/11241);(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)(WO94/00153を参照のこと);(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール;(4)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて、+ステロール)(WO98/57659);(5)3dMPLと、例えば、QS21および/もしくは水中油型エマルジョンとの組み合わせ(EP 0 835 318;EP 0 735 898;およびEP 0 761 231を参照のこと);(6)10%のスクアラン、0.4%のTween 80、5%のプルロニック−ブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含むSAF(サブミクロンエマルジョンへとマイクロフルイダイズされるか、もしくはボルテックスされて、より大きなサイズのエマルジョンを生成する);(7)2%のスクアレン、0.2%のTween 80、およびモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくは、MPL+CWS(DetoxTM)からなる群より選択される1種以上の細菌細胞壁成分を含むRibiTMアジュバントシステム(RAS)、(Ribi Immunochem,Hamilton,MT);(8)1種以上のミネラル塩(例えば、アルミニウム塩)+LPSの非毒性誘導体(例えば、3dPML);(9)1種以上のミネラル塩(例えば、アルミニウム塩)+免疫刺激性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGモチーフを含むヌクレオチド配列)。
アルミニウム塩およびMF59は、注射用のインフルエンザワクチンとともに使用するために好ましいアジュバントである。細菌毒素および生体接着剤は、粘膜送達されるワクチン(例えば、鼻用ワクチン)とともに使用するのに好ましいアジュバントである。
4.治療剤
本発明における使用に適した治療剤としては、低分子薬物および生物製剤が挙げられる。
このような治療剤としては、呼吸器疾患および/もしくは障害(以下が挙げられるが、これらに限定されない:喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘導性喘息、薬物誘導性喘息(アスピリンおよびNSAID誘導性が挙げられる)および粉塵誘導性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎(感染性気管支炎および好酸球増加性気管支炎が挙げられる);肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺臓炎;肺線維症(原因不明の特発性間質性肺炎、特発性間質性肺炎、抗癌治療を複雑にする線維症が挙げられる)および慢性感染(結核およびアスペルギルス症が挙げられる)および他の真菌感染;肺移植の合併症;肺血管系の血管炎障害および血栓障害、ならびに肺高血圧症;気道の炎症状態および分泌状態と関連した慢性の咳の処置を含む鎮咳活性、ならびに医原性の咳;急性および慢性の鼻炎(薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎が挙げられる);通年性アレルギー性鼻炎および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(花粉症)が挙げられる);鼻茸;急性ウイルス感染(風邪が挙げられる)、およびRSウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSが挙げられる)およびアデノウイルスに起因する感染の処置において使用される治療剤が挙げられる。
このような治療剤としては、皮膚障害の処置において使用される治療剤が挙げられ、皮膚障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎もしくは他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏反応;光線過敏症および光線過敏性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、基底細胞癌、日光角化症、円板状紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、脈管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症(cutaneous eosinophilias)、円形脱毛症、男性型脱毛症、スイート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;蜂巣織炎(感染性および非感染性の両方);脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫性皮膚癌および他の異形成病変;薬物誘導性障害(固定薬疹が挙げられる)。
このような治療剤としては、眼の疾患および/もしくは障害の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記眼の疾患および/もしくは障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:眼瞼炎;結膜炎(通年性アレルギー性結膜炎および春季アレルギー性結膜炎が挙げられる);虹彩炎;前部ぶどう膜炎および後部ぶどう膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響を及ぼす自己免疫障害、変性障害もしくは炎症性障害;眼炎(交感性眼炎が挙げられる);サルコイドーシス;感染症(ウイルス性、真菌性および細菌性が挙げられる)。
このような治療剤としては、尿生殖器の疾患および/もしくは障害の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記尿生殖器の疾患および/もしくは障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:腎炎(間質性腎炎および糸球体腎炎が挙げられる);ネフローゼ症候群;膀胱炎(急性膀胱炎および慢性(間質性)膀胱炎ならびにヒューナー潰瘍が挙げられる);急性および慢性の尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起不全(男性および女性の両方)。
このような治療剤としては、同種異系移植片拒絶の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記同種異系移植片拒絶としては、例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の、または輸血後の急性および慢性のもの;あるいは慢性移植片対宿主病が挙げられるが、これらに限定されない。
このような治療剤としては、他の自己免疫障害およびアレルギー性障害の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記他の自己免疫障害およびアレルギー性障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:関節リウマチ、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、クローン病、炎症性腸疾患(IBD)、グレーブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome)およびセザリー症候群。
このような治療剤としては、癌の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記癌としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳腫瘍、ならびに骨髄に影響を及ぼす悪性疾患(白血病が挙げられる)およびリンパ球増殖性系(例えば、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫);(転移性疾患および腫瘍再発、ならびに腫瘍随伴症候群の予防および処置を含む)。特定の実施形態において、式(I)の化合物、その薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、ならびに本明細書で提供される薬学的組成物は、toll様レセプター活性の調節因子として有用であり、新生物の処置において使用され、上記新生物としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:基底細胞癌、扁平上皮癌、日光角化症、黒色腫、癌腫、肉腫、白血病、腎細胞がん、カポジ肉腫、骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病および多発性骨髄腫。
このような治療剤としては、感染性疾患の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記感染性疾患としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ウイルス性疾患(例えば、性器疣贅、尋常性疣贅、足底疣贅、RSウイルス(respiratory syncytial virus、RSV)、B型肝炎、C型肝炎、デングウイルス、単純ヘルペスウイルス(単なる例示であるが、HSV−I、HSV−II、CMV、もしくはVZV)、伝染性軟疣腫、ワクシニア、痘瘡、レンチウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス(例えば、SARS)、インフルエンザ、パラインフルエンザ、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、パポバウイルス、ヘパドナウイルス、フラビウイルス、レトロウイルス、アレナウイルス(単なる例示であるが、LCM、フニンウイルス、マクポウイルス、グアナリトウイルスおよびラッサ熱)ならびにフィロウイルス(単なる例示であるが、エボラウイルスもしくはマールブルグウイルス))。
このような治療剤としては、細菌性、真菌性、および寄生生物性の感染の処置において使用される治療剤が挙げられ、上記感染としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:結核およびトリ型結核菌、らい病;ニューモシスチス肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染症、リーシュマニア症、Escherichia属、Enterobacter属、Salmonella属、Staphylococcus属、Klebsiella属、Proteus属、Pseudomonas属、Streptococcus属、およびChlamydia属の細菌によって引き起こされる感染症、ならびに真菌感染症(例えば、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラズマ症、クリプトコッカス髄膜炎。
5.凍結保護因子
先に示されるように、凍結保護因子は、本発明の微粒子組成物に添加され得、いくつかの実施形態において、例えば、本発明に従う凍結乾燥組成物が再懸濁させられる場合に微粒子凝集が実質的に起こらないように添加され得る。
凍結保護因子としては、以下が挙げられる:(a)アミノ酸(例えば、とりわけ、グルタミン酸およびアルギニン);(b)ポリオール(ジオール(例えば、エチレングリコール、プロパンジオール(例えば、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコール)、およびブタンジオール(例えば、とりわけ、2,3−ブチレングリコール))、トリオール(例えば、とりわけ、グリセロール)、ならびに他のより高級なポリオールが挙げられる);ならびに(c)炭水化物(例えば、(i)モノサッカリド(例えば、とりわけ、グルコース、ガラクトース、およびフルクトース)、(ii)ポリサッカリド(ジサッカリド(例えば、とりわけ、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、ゲンチオビオースおよびセロビオース)、トリサッカリド(例えば、とりわけ、ラフィノース)、テトラサッカリド(例えば、とりわけ、スタキオース)、ペンタサッカリド(例えば、とりわけ、ベルバスコース)、ならびに多くの他のより高級なポリサッカリドが挙げられる)、ならびに(iii)アルジトール(例えば、とりわけ、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトール(この点に関して、アルジトールは、より高級なポリオールであり、炭水化物である))。
本発明に従う組成物は、提供される場合、本発明の凍結乾燥組成物が再懸濁させる場合に実質的な微粒子凝集を妨げるのに有効な量に依存して、種々の量の凍結保護因子を含み得る。
6.荷電した種
上記に示されるように、本発明に従う微粒子組成物は、上記微粒子に表面電荷を付与するために、荷電した種を含み得る。荷電した種の例としては、例えば、荷電した表面活性剤、荷電したポリマーおよび荷電した低分子が挙げられる。このような種は、例えば、上記微粒子(例えば、抗原、免疫学的アジュバントなど)の表面への種の吸着を促進するのに有効な量で提供され得る。このような種はまた、例えば、受容可能な微粒子懸濁を促進するために(例えば、微粒子形成および/もしくは凍結乾燥後の再懸濁の間に)有効な量で提供され得る。
荷電した低分子の具体例としては、ビオチンおよび荷電した低分子免疫増強剤が挙げられる。
荷電した表面活性剤としては、カチオン性表面活性剤およびアニオン性表面活性剤が挙げられる。カチオン性表面活性剤としては、とりわけ、例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミドもしくは「CTAB」(例えば、セトリミド)、塩化ベンザルコニウム、DDA(ジメチルジオクトデシルアンモニウムブロミド)、およびDOTAP(ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン)が挙げられる。アニオン性表面活性剤としては、とりわけ、例えば、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、SLS(ラウリル硫酸ナトリウム)、DSS(ジスルホスクシネート)、および硫酸化脂肪アルコールが挙げられる。
荷電したポリマーは、複数の荷電した基を有するポリマーである(このようなポリマーは、一般に、「高分子電解質」ともいわれる)。いくつかの荷電したポリマーは、生理学的pHにおいてアニオン性基のみを有するので、正味の負電荷を有する(本明細書においてポリアニオンといわれる)。他の荷電したポリマーは、生理学的pHにおいてカチオン性基のみを有するので、生理学的pHにおいて正味の正電荷を有する(ポリカチオンといわれる)。なお他の荷電したポリマーは、アニオン性基およびカチオン性基の両方を有し(例えば、ペプチド、タンパク質など)、正味の負電荷(例えば、上記アニオン性基が上記カチオン性基より多くの電荷を与えるので)もしくは正味の正電荷(例えば、上記カチオン性基が、上記アニオン性基より多くの電荷を与えるので)を有し得る。どの基が生理学的pHにおいて優勢であるかに依存して、カチオン性基およびアニオン性基の両方を含む荷電したポリマーは、ポリカチオン(上記ポリマーが正味の正電荷を有する場合)もしくはポリアニオン(上記ポリマーが正味の負電荷を有する場合)のいずれかとして本明細書で分類され得る。
ポリカチオンの具体例としては、とりわけ、例えば、ポリアミン(ポリ(アミノメタクリレート)(以下が挙げられる:ポリ(ジアルキルアミノアルキルメタクリレート)(例えば、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)およびポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート))、ポリビニルアミン)、ポリビニルピリジン(以下が挙げられる:四級ポリビニルピリジン(例えば、ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジン)、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン))、ポリアルキルアミン(例えば、ポリ(アリルアミンヒドロクロリド)(PAH)およびポリ(ジアリルジアルキルアミン)(例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリアミドアミン、ポリイミン(以下が挙げられる:ポリアルキレンイミン(例えば、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(プロピレンイミン)およびエトキシル化ポリ(エチレンイミン))、ポリカチオン性ペプチドおよびタンパク質(塩基性アミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、オルニチンおよびこれらの組み合わせを含む)を含むヒストンペプチドおよびホモポリマーおよびコポリマー、ゼラチン、プロタミンおよび硫酸プロタミン、スペルミン、スペルミジン、ヘキサジメチレンブロミド(hexadimethrene bromide)(ポリブレン)、ならびにポリカチオン性ポリサッカリド(例えば、カチオン性デンプンおよびキトサン)、ならびに前述のコポリマー、塩、誘導体および組み合わせが挙げられる。
ポリアニオンの具体例としては、とりわけ、例えば、ポリスルホネート(例えば、ポリビニルスルホネート、ポリ(スチレンスルホネート)(例えば、ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)(PSS)、スルホン化ポリ(テトラフルオロエチレン))、ポリスルフェート(例えば、ポリビニルスルフェート、硫酸化および非硫酸化グリコサミノグリカン、ならびに特定のプロテオグリカン(例えば、ヘパリン、硫酸ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ポリカルボキシレート(例えば、アクリル酸ポリマーおよびこれらの塩(例えば、アンモニウム、カリウム、ナトリウムなど)(例えば、Atofina and Polysciences Inc.から市販されるもの)、メタクリル酸ポリマーおよびこれらの塩(例えば、EUDRAGIT,メタクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー))、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロースおよび種々の他のポリマーのカルボン酸誘導体、ポリアニオン性ペプチドおよびタンパク質(例えば、酸性アミノ酸(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸もしくはこれらの組み合わせ)のホモポリマーおよびコポリマー)、ウロン酸(例えば、マンヌロン酸、ガラクツロン酸およびグルロン酸)およびこれらの塩のホモポリマーおよびコポリマー、アルギン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、アルブミン、ゼラチン、カラギーナン、ポリホスフェート(例えば、種々のポリマーのリン酸誘導体)、ポリホスホネート(例えば、ポリビニルホスホネート)、ならびに前述のコポリマー、塩、誘導体および組み合わせが挙げられる。
7.さらなる賦形剤
1種以上のさらなる薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、生物学的緩衝化物質、張度調節剤など)はまた、本発明の微粒子組成物中に存在し得る。
8.投与
いったん処方されると(および必要な場合には、再懸濁させると)、本発明の微粒子組成物は、投与の経路のなかでもとりわけ、例えば、注射(これは、針がなくてもよい)によって、非経口投与され得る。この点に関して、上記微粒子組成物は、代表的には、隔壁もしくは再懸濁媒体(例えば、注射用水)を供給するためおよび得られた懸濁物を引き抜くための他の適切な手段とともに供給される、バイアルもしくは他の容器中に凍結乾燥されて供給される。適切なシリンジはまた、注射のために供給され得る。
上記に示されるように、特定の実施形態において、上記微粒子組成物は、γ線照射され、この場合、抗原および任意の他の照射に感受性の種(例えば、免疫学的アジュバントなど)を、投与時に添加することは、望ましいことであり得る。
例えば、1種以上の抗原および/もしくは1種以上の免疫学的アジュバントを含む溶液もしくは懸濁物は、バイアル内の凍結乾燥された微粒子組成物に導入され得、上記バイアルは、上記内容物を完全に混合するために撹拌される(例えば、渦を巻くように混ぜられる(swirled))。次いで、上記内容物は、脊椎動物被験体への投与のために引き抜かれる。
いくつかの実施形態において、上記組成物が投与される前に、上記抗原および/もしくは免疫学的アジュバントとの間の接触後に所定の期間が経過させられる。例えば、上記組成物は、このような接触後の30分から、10分まで、5分まで、1分まで、直後までの範囲の時間後に投与され得る。
上記組成物は、例えば、皮下に、皮内に、筋肉内に、静脈内に、動脈内に、もしくは腹腔内に注射され得る。他の投与態様としては、鼻投与、粘膜投与、眼内投与、直腸投与、膣投与、経口投与および肺投与、ならびに経皮適用もしくは皮膚を通しての適用が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、部位特異的な標的化された送達のために使用され得る。例えば、上記組成物の静脈内投与は、肺、肝臓、脾臓、血液循環、もしくは骨髄を標的とするために使用され得る。
処置は、単一投与スケジュールもしくは複数投与スケジュールに従って行われ得る。複数投与スケジュールは、投与の主な過程が、例えば、1〜10回の別個の用量で与えられ得、続いて、他の用量が、治療応答を維持および/もしくは強化するために選択されたその後の時間間隔で(例えば、2回目の用量については1〜4ヶ月、および必要である場合、数ヶ月後に引き続く用量で)与えられるものである。上記投与レジメンはまた、少なくとも一部、上記被験体の必要性によって決定され、開業医の判断に依存する。
さらに、疾患の予防が望まれる場合、上記組成物は、一般に、目的の感染もしくは障害の第1段階の発生に達する前に投与される。他の形態の処置(例えば、症状もしくは再発の軽減もしくは排除)が望ましい場合、上記組成物は、一般に、上記目的の感染もしくは障害の第1段階の発生に達した後に投与される。
9.キット
本発明は、被験体への免疫学的組成物の適切な量の投与を単純化し得るキットを含む。
本発明の代表的なキットは、本発明に従う凍結乾燥微粒子組成物の単位投与形態を、好ましくは、密封容器中に含む。
本発明のキットは、1種以上の抗原および/もしくは1種以上の免疫学的アジュバントを含む密封容器をさらに含む。上記抗原および/もしくはアジュバントは、凍結乾燥形態であってもよいし、水性流体の形態で提供されてもよい。
本発明のキットは、1種以上の治療剤および/もしくは荷電した薬物を含む密封容器をさらに含み得る。上記治療剤および/もしくは荷電した薬物は、凍結乾燥形態であってもよいし、水性流体の形態で提供されてもよい。
本発明のキットは、上記凍結乾燥微粒子組成物を懸濁および投与するために、およびいくつかの実施形態において、供給される任意の凍結乾燥抗原および/もしくはアジュバント組成物を懸濁/溶解させるために、ならびに他の実施形態において、任意の凍結乾燥治療剤および/もしくは荷電した薬物組成物を懸濁/溶解するために使用され得る薬学的に受容可能なビヒクルを含む密封容器をさらに含み得る。
上記キットは、本発明の組成物を脊椎動物被験体に投与するために使用され得る1種以上のデバイスをさらに含み得る。このようなデバイスの例としては、シリンジ、ドリップバッグ、および吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、シリンジは、適切な薬学的に受容可能なビヒクル(例えば、注射用水)を、密封容器中に1種以上の抗原(および必要に応じて、1種以上のアジュバント)を含む凍結乾燥組成物に導入するために使用され得る。次いで、得られた抗原含有懸濁物/溶液は、上記容器から引き抜かれ得、さらなる容器中の微粒子組成物に導入され得る。次いで、得られた懸濁物は、上記さらなる容器から引き抜かれ得、被験体へと投与され得る。上に示されるように、特定の実施形態において、適切な期間(例えば、上記微粒子への十分な抗原吸着を可能にするために)が、(a)上記抗原含有懸濁物/溶液が上記微粒子組成物に導入される時間と、(b)脊椎動物被験体への導入の時間との間で経過させられる。
10.定義
本発明を記載するにあたって、以下の用語が使用され、以下を示すと定義されるものと解釈される。
用語「微粒子」とは、本明細書で使用される場合、直径が10,000nm未満、例えば、直径が約10nm以下から、約150μmまで、より具体的には、10nmから、25nmまで、50nmまで、100nmまで、250nmまで、500nmまで、1000nmまで、2500nmまで、5000nmまで、10,000nmまでの範囲に及ぶ粒子を意味する。いくつかの実施形態において、乾燥微粒子は、直径が10,000nmより大きいが、水性流体に添加すると10,000nm未満の大きさの微粒子へと分散する集合体の状態で存在する。本発明の組成物内の上記微粒子は、代表的には、Z平均および/もしくはD(v,0.5)値が5,000nm未満(例えば、5,000nmから、2,500nmまで、1,000nmまで、500nmまで、250nmまで、もしくはこれ以下の範囲に及ぶ)である、水性流体における粒度分布を有する。
粒径は、当該分野で利用可能な方法を使用して決定(測定)され得る。例えば、粒径は、光子相関分光法、動的光散乱もしくは準弾性光散乱を使用して決定され得る。これらの方法は、粒径と、ブラウン運動測定から得られた粒子の拡散特性との相関に基づく。ブラウン運動は、上記粒子を取り囲む溶媒分子による衝撃に起因する、上記粒子のランダム運動である。粒子が大きいほど、ブラウン運動はゆっくりになる。速度は、並進拡散係数(D)によって定義される。測定される値は、粒子が液体内でどのように運動するか(流体力学的直径)を意味する。得られる直径は、粒子と同じ並進拡散係数を有する球の直径である。
粒径はまた、静的光散乱を使用して決定され得、これは、単一の時間において溶液中の粒子によって散乱された光の強度を測定する。静的光散乱は、散乱角および溶質濃度の関数として光強度を測定する。光源(例えば、レーザー光)を通過する粒子は、それらのサイズに対して反比例する角度で光を散乱させる。大きな粒子は、小さい散乱角で高い強度の回折パターンを生成するのに対して、小さな粒子は、大きな角度で低い強度のシグナルを生じる。粒径分布は、サンプルから散乱された光の強度が、角度の関数として測定される場合に計算され得る。角度情報は、上記粒径分布を計算するために、散乱モデル(例えば、ミー理論)と比較される。
一般に、粒径は、室温で決定され、上記粒子直径についての平均値を得るために、問題のサンプルの複数回の分析を要する(例えば、同じサンプルに対して少なくとも3回の反復測定)。
光子相関分光法に関しては、Z平均(キュムラント平均もしくは流体力学的径ともいわれる)は、代表的には、キュムラント(小幅単一様相)分析から計算される。
静的光散乱測定については(およびいくつかの実施形態においては、光子相関分光法についても)、体積ベースのサイズパラメーターが測定され得る。例えば、上記D(v,0.5)(ここでvは体積を意味する)は、上記組成物中の上記粒子のうちの50%(体積ベース)が、測定される場合に、上記D(v,0.5)値より小さいサイズを有しかつ上記組成物中の上記粒子のうちの50%が上記D(v,0.5)値より大きいサイズを有する点として値が定義されるサイズパラメーターである。
本明細書で定義される場合、「懸濁物」とは、懸濁した固体粒状物質を含む液相である。懸濁物は、安定であってもよいし、不安定であってもよい。本明細書で定義される場合、「溶液」とは、溶解した物質を含む液相である。本明細書で定義される場合、「水性」懸濁物もしくは溶液は、水(代表的には、50重量%以上の水、例えば、50重量%から、75重量%まで、90重量%まで、95重量%まで、もしくはこれ以上の範囲に及ぶ水)を含む懸濁物もしくは溶液である。
本明細書で定義される場合、「乾燥」微粒子組成物は、液体中に浸漬されていない(例えば、液体懸濁物内にない)微粒子組成物である。代表的には、「乾燥」微粒子組成物は、3%未満の水を含む。
本明細書で定義される場合、「ブランク」微粒子組成物は、活性薬剤を含まない微粒子組成物である(すなわち、それらは、医薬(薬物、免疫学的アジュバント、抗原などが挙げられる)を含まない)。
本明細書で使用するための微粒子組成物は、代表的には、滅菌可能な、実質的に非毒性かつ生分解性であるポリマーから形成される。このような物質としては、とりわけ、ポリエステル(例えば、ポリ[ヒドロキシ酸](例えば、ポリラクチドおよびポリグリコリド、ポリ[環式エステル](例えば、カプロラクトンなど)、ポリカーボネート、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリシアノアクリレート、ポリホスファジン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。より代表的には、本発明とともに使用するための微粒子は、ポリ(α−ヒドロキシ酸)に由来する(例えば、ポリ(ラクチド)(「PLA」)(例えば、ポリ(L−ラクチド)もしくはポリ(D,L−ラクチド)に由来する)、ラクチドおよびグリコリドのコポリマー(「PLGA」)(例えば、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)もしくはポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)に由来するか、またはラクチドおよびカプロラクトンのコポリマーに由来するポリマー微粒子である。上記ポリマー微粒子は、従って、種々の分子量を有する種々のポリマー出発物質のうちのいずれかを使用して、コポリマー(例えば、PLGA)の場合には、種々のモノマー(例えば、ラクチド:グリコリド)比を使用して、形成され得、これらの選択は、同時投与される種に一部依存して、主に選択の問題である。これらパラメーターは、以下でさらに考察される。
「ゼータ電位」とは、本明細書で使用される場合、すべての固体および液体の界面にまたがって存在する電位(例えば、荷電したコロイド粒子を取り囲むイオンの拡散層にまたがる電位)を意味する。ゼータ電位は、電気泳動移動度(すなわち、当該分野で周知の技術を使用して、測定されるべき物質と接触した状態で配置された荷電した電極間をコロイド粒子が移動する速度)から計算され得る。
用語「表面活性剤(surfactant)」とは、語句「表面活性剤(surface active agent)」から来ている。表面活性剤は、界面において(例えば、液体−液体、液体−固体および/もしくは液体−気体界面において)蓄積し、その界面の特性を変化させる。本明細書で使用される場合、表面活性剤としては、界面活性剤、洗浄剤、分散剤、懸濁剤、乳化安定化剤などが挙げられる。
本明細書で定義される場合、「炭水化物」とは、モノサッカリド、オリゴサッカリドおよびポリサッカリド、ならびにモノサッカリドから誘導される(例えば、還元によって(例えば、アルジトール)、カルボン酸(例えば、グルクロン酸)に対する1個以上の末端基の酸化によって、または1個以上のヒドロキシル基の、水素原子もしくはアミノ基での置換によって(例えば、β−D−グルコサミンおよびβ−D−ガラクトサミン))物質が挙げられる。
本明細書で定義される場合、「モノサッカリド」とは、多価アルコール(すなわち、アルデヒド基(この場合、上記サッカリドはアルドースである)もしくはケト基(この場合、上記サッカリドはケトースである)のいずれかをさらに含むアルコール)である。モノサッカリドは、代表的には、3〜10個の炭素を含む。さらに、モノサッカリドは、一般に、実験式(CHO)(ここでnは3以上(代表的には、3〜10)の整数である)を有する。3〜6個の炭素のアルドースの例としては、グリセルアルデヒド、エリスロース、トレオース、リボース、2−デオキシリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、およびタロースが挙げられる。3〜6個の炭素のケトースの例としては、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、およびタガトースが挙げられる。天然に存在するモノサッカリドは、L−形態とは対照的に、通常、D−異性体形態で見いだされる。
「オリゴサッカリド」とは、比較的短いモノサッカリドポリマー(すなわち、2〜30個のモノサッカリドユニットを含むもの)を意味する。「ポリサッカリド」は、オリゴサッカリドの長さを超えるモノサッカリドポリマー(すなわち、30個より多くのモノサッカリドユニットを含むもの)である。さらに、本明細書で使用される場合、用語「ポリサッカリド」はまた、2個以上の連結したモノサッカリドを含むモノサッカリドポリマーを意味する。多義性を回避するために、第2の定義は、そうでないと明確に示されなければ、いつでも適用されるべきである。用語「ポリサッカリド」はまた、ポリサッカリド誘導体(例えば、とりわけ、アミノ官能化およびカルボキシル官能化されたポリサッカリド誘導体)を含む。モノサッカリドは、代表的には、グリコシド結合によって連結される。具体例としては、ジサッカリド(例えば、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、ゲンチオビオースおよびセロビオース)、トリサッカリド(例えば、ラフィノース)、テトラサッカリド(例えば、スタキオース)、およびペンタサッカリド(例えば、ベルバスコース)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「サッカリド」とは、モノサッカリド、オリゴサッカリドおよびポリサッカリドを含む。「サッカリド含有種」とは、少なくともその一部分が、サッカリドである分子である。例としては、サッカリド凍結保護因子、サッカリド抗原、キャリアペプチドに結合体化されたサッカリドを含む抗原など)が挙げられる。「ポリサッカリド含有種」は、少なくともその一部分がポリサッカリドである分子である。
本明細書で使用される場合、「凍結保護因子」は、凍結および融解の際に、有害な影響を経験しないように組成物を保護する薬剤である。例えば、本発明において、凍結保護因子は、本発明の凍結乾燥組成物が再懸濁させられる場合に起こる、実質的な微粒子凝集を妨げるために添加され得る。
本明細書で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」とは、少なくとも2個のヌクレオチドユニット(本明細書では「ヌクレオチド」ともいわれる)のホモポリマーもしくはヘテロポリマーを意味する。ポリヌクレオチドを形成するヌクレオチドは、本明細書で定義される場合、天然に存在するヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチド)、ならびに天然に存在するヌクレオチドの等価物、誘導体、改変体およびアナログを含む。
ポリヌクレオチドは、一本鎖形態もしくは複数鎖形態(例えば、二本鎖、三本鎖など)のいずれかであり得る。ポリヌクレオチドは、直線状の形態であってもよいし、非直線状の形態(例えば、環式、分枝状などのエレメントを含む)であってもよい。ポリヌクレオチドは、天然であっても、合成であっても、もしくはこれら両方の組み合わせであってもよい。
ポリヌクレオチドは、宿主細胞へと導入された場合に自己複製する能力があり得る。このようなポリヌクレオチドの例としては、自己複製RNAおよびDNAが挙げられ、例えば、レプリコン、プラスミド、コスミド、ファージミド、トランスポゾン、ウイルスベクター、人工染色体(例えば、細菌、酵母など)、ならびに他の自己複製種から選択される。ポリヌクレオチドは、宿主細胞において抗原性ポリペプチドを発現するもの(例えば、ポリヌクレオチド含有抗原)を含む。ポリヌクレオチドは、真核生物もしくは原核生物に由来する天然もしくは合成の配列(例えば、ゲノムDNA配列、ゲノムRNA配列、cDNA配列など)が挿入された自己複製ポリヌクレオチドを含む。自己複製ポリヌクレオチドの具体例としては、とりわけ、RNAベクター構築物およびDNAベクター構築物が挙げられる。発現され得る配列は、とりわけ、天然の配列および天然のものに対する改変(例えば、欠失、付加および置換(一般に、本質的に保存的))を含む。これら改変は、部位指向性変異誘発を通じてのような故意であってもよいし、偶発的(例えば、抗原を生成する宿主の変異を介して)であってもよい。
本明細書で定義される場合、「オリゴヌクレオチド」は、5〜100個、そしてより好ましくは、5〜30個のヌクレオチドの範囲のサイズを有するポリヌクレオチドである。
本明細書で使用される場合、語句「核酸」は、DNA、RNA、およびこれらから形成されるキメラを含む。
「ポリヌクレオチド含有種」とは、この少なくとも一部部分がポリヌクレオチドである分子である。
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーをいい、そして上記生成物の最小限の長さに限定されない。従って、ペプチド、オリゴペプチド、ダイマー、マルチマーなどは、上記定義内に含まれる。全長タンパク質およびそのフラグメントの両方が、上記定義内に含まれる。上記用語はまた、例えば、上記タンパク質が、免疫学的応答を誘発するかもしくは上記タンパク質が投与される被験体に対して治療的効果を有する能力を維持するように、天然の配列に対する改変(例えば、欠失、付加および置換(一般には、本質的に保存的)を含む。
「ポリペプチド含有種」とは、少なくともこの一部分がポリペプチドである分子である。例としては、ポリペプチド、糖タンパク質を含むタンパク質、キャリアタンパク質に結合体化されたサッカリド抗原などが挙げられる。
用語「医薬」とは、生物的に活性な化合物(例えば、薬物、抗生物質、抗ウイルス剤、増殖因子、ホルモン、抗原、アジュバントなど)を意味する。
用語「アジュバント」とは、医薬の作用を補助もしくは改変する任意の物質(免疫学的アジュバントが挙げられるが、これらに限定されない)に言及し、これらは、抗原に対する免疫応答を増大もしくは多様化させる。従って、免疫学的アジュバントは、抗原に対する免疫応答を強化し得る化合物である。免疫学的アジュバントは、液性免疫および/もしくは細胞性免疫を強化し得る。
「抗原」は、宿主免疫系を刺激して、上記抗原が提示される場合に細胞の抗原特異的免疫応答もしくは液性抗体応答を作り得る1種以上のエピトープを含む分子を意味する。抗原は、単独で、もしくは別の分子と組み合わせて提示される場合に、細胞性応答および/もしくは液性応答を誘発し得る。
「エピトープ」は、抗原性分子もしくはその免疫学的特異性を決定する抗原性複合体の一部である。エピトープは、抗原の本定義の範囲内である。一般に、エピトープは、天然に存在する抗原では、ポリペプチドもしくはポリサッカリドである。人工抗原では、それは、低分子量物質(例えば、アルサニル酸誘導体)であり得る。エピトープは、インビボもしくはインビトロで、例えば、同一源の(homologous)抗体もしくはTリンパ球と特異的に反応する。代替の記述子は、抗原性決定基、抗原性構造グループ分けおよびハプテングループ分けである。
頻繁には、エピトープは、約5〜15個の間のアミノ酸を含む。所定のタンパク質のエピトープは、当該分野で周知の、任意の回数のエピトープマッピング技術を使用して、同定され得る。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66(Glenn E.Morris,Ed.,1996) Humana Press,Totowa,New Jerseyを参照のこと。例えば、直線状エピトープは、例えば、固相上で多数のペプチドを同時に合成する工程、ペプチドを上記タンパク質分子の一部に対応させる工程、および上記ペプチドと抗体とを反応させると同時に上記ペプチドが上記支持体とさらに結合する工程によって、決定され得る。このような技術は、当該分野で公知であり、例えば、米国特許第4,708,871号;Geysenら(1984)(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002);Geysenら(1986)(Molec.Immunol.23:709−715)に記載される。同様に、立体エピトープは、例えば、X線結晶解析および二次元核磁気共鳴法によって、アミノ酸の空間構造を決定することによって容易に同定される。例えば、Epitope Mapping Protocols(前出)を参照のこと。
用語「抗原」とは、本明細書で使用される場合、サブユニット抗原(すなわち、抗原が本来関係している完全な生物とは別個でありかつ分離した抗原)、ならびに死滅した、弱毒化された、もしくは不活性化された細菌、ウイルス、寄生生物もしくは他の病原体または腫瘍の両方を示す。抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)、もしくはそのフラグメント、および合成ペプチドミモトープ(これは。抗原もしくは抗原決定基を模倣し得る)はまた、本明細書で使用される場合、抗原の定義の下に表現される。
同様に、免疫原性タンパク質もしくは抗原決定基をインビボで発現する(例えば、核酸免疫適用において)オリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドはまた、本明細書で抗原の定義に含まれる。
さらに、本発明の目的のため、「抗原」とは、タンパク質が免疫学的応答を誘発する能力を維持する限りにおいて、天然配列に対する改変(例えば、欠失、付加および置換(一般に、本質的に保存的))を有するタンパク質をいう。これら改変は、部位指向性変異誘発を介する場合のように故意であってもよいし、偶発的(例えば、上記抗原を生成する宿主の変異を介する)であってもよい。
抗原もしくは組成物に対する「免疫学的応答」もしくは「免疫応答」とは、上記目的の組成物中に存在する分子に対する液性および/もしくは細胞性の免疫応答の、被験体における発生である。
免疫応答は、先天的および適応免疫応答を含む。先天的免疫応答は、上記免疫系の防御の第1線を提供する迅速に活動する応答である。対照的に、適応免疫は、所定の病原体もしくは障害(例えば、腫瘍)に由来する抗原を認識し、それによって特異性および免疫記憶を提供する、体細胞が再配置したレセプター遺伝子(例えば、T細胞レセプターおよびB細胞レセプター)を有する免疫細胞の選択およびクローン性発現を利用する。先天的免疫応答は、それらの多くの効果の中で、炎症性サイトカインの爆発的発生および抗原提示細胞(APC)(例えば、マクロファージおよび樹状細胞)の活性化をもたらす。病原体と自己成分を区別するために、上記先天的免疫系は、病原体関連分子パターン(すなわち、PAMP)として公知の病原体からのサインを検出する種々の比較的不変性のレセプターを利用する。実験ワクチンに微生物成分を追加することが、強くかつ持続性の適応免疫応答の発生をもたらすことは公知である。上記免疫応答のこの強化の背後にある機構は、パターン認識レセプター(PRR)を伴うことが報告された。これは、種々の免疫細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラル・キラー細胞、B細胞およびいくつかの非免疫細胞(例えば、上皮細胞および内皮細胞)が挙げられる)上に差次的に発現される。PRRの関与は、これら細胞のうちのいくつかの活性化、ならびにそれらのサイトカインおよびケモカインの分泌、ならびに他の細胞の成熟および移動をもたらす。連携して、このことは、上記適応免疫応答の樹立をもたらす炎症性環境を作り出す。PRRは、非ファゴサイトレセプター(例えば、Toll様レセプター(TLR)およびヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン(NOD)タンパク質)、およびファゴサイトーシスを誘導するレセプター(例えば、スカベンジャーレセプター、マンノースレセプターおよびβ−グルカンレセプター)を含む。
報告されたTLR(いくつかの報告されたTLRアゴニストの例とともに、それは、本発明の種々の実施形態において免疫学的アジュバントとして使用され得る)としては、とりわけ、以下が挙げられる:TLR1(Mycobacteria、Neisseriaに由来する細菌リポタンパク質)、TLR2(ザイモサン酵母粒子、ペプチドグリカン、リポタンパク質、糖脂質、リポポリサッカリド、リポペプチド)、TLR3(ウイルス二本鎖RNA、ポリ:IC)、TLR4(細菌リポポリサッカリドおよびアナログ、植物生成物タキソール)、TLR5(細菌フラジェリン)、TLR6(酵母ザイモサン粒子、リポテイコ酸、マイコプラズマ由来のリポペプチド)、TLR7(一本鎖RNA、イミキモド、レシキモド(resimiquimod)、および他の合成化合物(例えば、ロキソリビンおよびブロピリミン))、TLR8(一本鎖RNA、レシキモド(resimiquimod))およびTLR9(CpGオリゴヌクレオチド)。樹状細胞は、ナイーブCD4ヘルパーT(T)細胞の刺激を開始し、キラー細胞へのCD8T細胞分化を誘導するために最も重要な細胞タイプのうちのいくつかとして認識される。TLRシグナル伝達は、例えば、観察されるT応答の特定のタイプを決定するTLRシグナルの性質(例えば、T1 対 T2応答)とともに、これらヘルパーT細胞応答の質を決定するにあたって重要な役割を果たすと報告された。抗体(液性)免疫および細胞性免疫の組み合わせは、T1タイプ応答の一部として生成されるのに対して、T2タイプ応答は、主に抗体応答である。種々のTLRリガンド(例えば、CpG DNA(TLR9)およびイミダゾキノリン(TLR7、TLR8))は、インビトロで免疫細胞からのサイトカイン生成を刺激すると証明された。上記イミダゾキノリンは、TLRアゴニストであると示された最初の低分子薬物様化合物である。さらなる情報については、例えば、A.Pashine,N.M.Valiante and J.B.Ulmer(Nature Medicine 11,S63−S68(2005))、K.S.Rosenthal and D.H.Zimmerman(Clinical and Vaccine Immunology,13(8),821−829(2006))、およびそこで引用される参考文献を参照のこと。
本発明の目的のために、「液性免疫応答」とは、抗体分子によって媒介される免疫応答をいう一方で、「細胞性免疫応答」は、Tリンパ球および/もしくは他の白血球によって媒介されるものである。細胞性免疫の1つの重要な局面は、細胞溶解性T細胞(「CTL」)による抗原特異的応答を要する。CTLは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によってコードされるタンパク質と関連して提示され、細胞の表面に発現されるペプチド抗原に対して特異性を有する。CTLは、細胞内微生物の細胞内での破壊、またはこのような微生物に感染した細胞の溶解を誘導および促進するのを助ける。細胞性免疫の別の局面は、ヘルパーT細胞による抗原特異的応答を要する。ヘルパーT細胞は、それらの表面にMHC分子と関連してペプチド抗原を提示する細胞に対して非特異的エフェクター細胞の機能を刺激し、その活性に焦点を当てるのを助けるように作用する。「細胞性免疫応答」はまた、サイトカイン、ケモカイン、ならびに活性化T細胞および/もしくは他の白血球によって生成される他のこのような分子(CD4+T細胞およびCD8+T細胞から得られるもの)の生成を意味する。
細胞性免疫応答を誘発する免疫原性組成物もしくはワクチンのような組成物は、細胞表面においてMHC分子と関連した抗原の提示によって脊椎動物被験体を感作するように働き得る。上記細胞媒介性免疫応答は、表面で抗原を提示する細胞に向けられる、もしくはその付近に向けられる。さらに、抗原特異的Tリンパ球は、免疫された宿主のさらなる防御を可能にするように生成され得る。
特定の抗原もしくは組成物が細胞媒介性免疫学的応答を刺激する能力は、当該分野で公知の多くのアッセイによって(例えば、リンパ球増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞傷害性細胞アッセイによって、感作した被験体における上記抗原に対して特異的なTリンパ球をアッセイすることによって、または抗原での再刺激に応じたT細胞によるサイトカイン生成の測定によって)決定され得る。このようなアッセイは、当該分野で周知である。例えば、Ericksonら(1993)(J.Immunol.151:4189−4199);Doeら(1994)(Eur.J.Immunol.24:2369−2376);および以下の実施例を参照のこと。
よって、免疫学的応答は、例えば、以下の効果のうちの1つ以上:B細胞による抗体の生成;および/またはサプレッサーT細胞の活性化および/または上記目的の組成物もしくはワクチン中に存在する抗原に対して特異的に指向されるγδT細胞を含み得る。これら応答は、感染性を中和し、そして/または抗体−補体もしくは抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介して、免疫した宿主に防御を提供するように働き得る。このような応答は、当該分野で周知の標準的免疫アッセイおよび中和アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイおよびELISA)を使用して決定され得る。
本発明の免疫原性組成物は、異なる組成物中の等量の抗原によって誘発される免疫応答より大きな免疫応答を誘発する能力を本発明の免疫原性が有する場合に、「増強した免疫原性」を示す。従って、組成物は、例えば、上記組成物がより強い免疫応答を生成するか、またはより低い用量の抗原が、それが投与される被験体において免疫応答を達成する必要があるので、「増強された免疫原性」を提示し得る。このような増強された免疫原性は、例えば、本発明の組成物、および抗原コントロールを、動物に投与し、そしてその2つのアッセイ結果を比較することによって、決定され得る。
本明細書で使用される場合、「処置」(そのバリエーション、例えば、「処置する」もしくは「処置された」を含む)は、(i)問題の病原体もしくは障害の予防(例えば、伝統的なワクチンにおけるように、癌もしくは病原性感染)、(ii)症状の軽減もしくは排除、および(iii)上記問題の病原体もしくは障害の実質的もしくは完全な排除のうちのいずれかを意味する。処置は、予防的に(上記問題の病原体もしくは障害の出現の前に)もしくは治療的に(上記の出現の後に)もたらされ得る。
用語、本発明の免疫原性組成物の「有効量」もしくは「薬学的有効量」とは、本明細書では、目的の状態を処置もしくは診断するのに十分な上記免疫原性組成物の量を意味する。必要とされる正確な量は、とりわけ、例えば、上記被験体の種、年齢、および全身的な状態;処置されている上記状態の重篤度;目的の特定の抗原;免疫学的応答の場合には、上記被験体の免疫系が抗体を合成する能力(例えば、望ましい防御の程度);ならびに投与態様に依存して、被験体間で変動する。任意の個々の場合における適切な「有効」量は、当業者によって決定され得る。従って、「治療上有効な量」は、代表的には、慣用的な治験を介して決定され得る比較的広い範囲に入る。
「脊椎動物被験体」もしくは「脊椎動物」は、脊椎動物亜門(subphylum cordata)(哺乳動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、およびヒト);家庭の動物(例えば、イヌおよびネコ);およびトリ(家禽、野鳥および競技用のトリ(例えば、雄鳥および雌鳥(ニワトリ、七面鳥および他のキジ類のトリが挙げられる))が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない)の任意のメンバーを意味する。上記用語は、特定の年齢を示さない。従って、成体および新たに生まれた動物はともに、網羅される。
「薬学的に受容可能な」もしくは「薬理学的に受容可能な」は、生物学的にもしくは他の点で望ましくないわけではない物質を意味し、すなわち、上記物質は、上記個体における明らかに望ましくない生物学的効果を引き起こさず、上記物質が含まれる上記組成物の成分のうちのいずれとも明らかに有害な様式で相互作用することもなく、個体に投与され得る。
用語「賦形剤」とは、仕上げられた投与形態で存在し得る任意の本質的に補助的な物質を意味する。例えば、用語「賦形剤」は、ビヒクル、結合剤、崩壊剤、充填剤(希釈剤)、滑沢剤、滑剤、(流動性増強剤(flow enhancers))、圧縮補助物質、着色剤、甘味剤、保存剤、懸濁剤/分散剤、フィルム系製剤/コーティング、香味料および印刷インクを含む。
「生理学的pH」もしくは「生理学的範囲のpH」とは、約7.2〜8.0(両端含む)の範囲、より代表的には、約7.2〜7.6(両端含む)の範囲におけるpHを意味する。
本明細書で使用される場合、語句「ベクター構築物」は、一般に、目的の核酸配列もしくは遺伝子の発現を指向し得る任意のアセンブリをいう。ベクター構築物は、代表的には、転写プロモーター/エンハンサーもしくは遺伝子座規定エレメント、または他の手段によって遺伝子発現を制御する他のエレメント(例えば、選択的スプライシング(alternate splicing)、核RNAエクスポート、メッセンジャーの転写後修飾(post−translational modification)、もしくはタンパク質の翻訳後修飾(post−transcriptional modification))を含む。さらに、上記ベクター構築物は、代表的には、転写される場合、上記目的の配列もしくは遺伝子に作動可能に連結され、転写開始配列として作用する配列を含む。上記ベクター構築物はまた、必要に応じて、ポリアデニル化を指向するシグナル、選択マーカー、ならびに1個以上の制限部位および翻訳終結配列を含み得る。さらに、上記ベクター構築物がレトロウイルスに配置される場合、上記ベクター構築物は、パッケージングシグナル、長末端反復(LTR)、ならびに上記使用されるレトロウイルスに適切なプラス鎖およびマイナス鎖プライマー結合部位(これらがもう存在しない場合)を含み得る。
「DNAベクター構築物」は、目的の核酸配列もしくは遺伝子の発現を指向し得るDNA分子を意味する。
DNAベクター構築物の1つの具体的タイプは、プラスミドである。これは、宿主細胞内で自律複製し得る環式のエピソームDNA分子である。代表的には、プラスミドは、環式の二本鎖DNAループであり、その中にさらなるDNAセグメントが連結され得る。pCMVは、当該分野で周知の1つの具体的なプラスミドである。好ましいpCMVベクターは、CMVの最初期エンハンサー/プロモーターおよびウシ成長ホルモンターミネーターを含む。具体例は、Chapman,B.S.ら(1991)(Nucleic Acids Res.19:3979−3986)に詳細に記載される。
他のDNAベクター構築物が公知であり、これは、RNAウイルスに基づく。これらDNAベクター構築物は、代表的には、転写生成物がRNAベクター構築物(例えば、アルファウイルスRNAベクターレプリコン)であるcDNA配列の5’側にある真核生物細胞において機能するプロモーター、および3’末端領域を含む。上記RNAベクター構築物は、好ましくは、ピコルナウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、コロナウイルス、パラミクソウイルス、黄熱ウイルス、もしくはアルファウイルス(例えば、シンドビス・ウイルス、セムリキ森林ウイルス、ベネズエラ馬脳炎ウイルス、もしくはロスリバー・ウイルス)に由来するRNAゲノムを含み、これらは、1種以上の構造タンパク質遺伝子を目的の生成物をコードする選択された異種核酸配列で置換することによって改変された。上記RNAベクター構築物は、DNAテンプレートからインビトロで転写によって得られ得る。具体例としては、例えば、米国特許第5,814,482号および同第6,015,686号ならびに国際公開WO97/38087、WO99/18226およびWO02/26209に記載されるに記載されるシンドビス・ウイルスベースのプラスミド(pSIN)(例えば、pSINCP)を含む。このようなベクターの構築は、一般に、米国特許第5,814,482号および同第6,015,686号に記載される。
ベクター構築物の他の例としては、RNAベクター構築物(例えば、アルファウイルスベクター構築物)などが挙げられる。本明細書で使用される場合、「RNAベクター構築物」、「RNAベクターレプリコン」および「レプリコン」とは、それ自体の増幅もしくはインビボで(代表的には、標的細胞内で)自己複製を指向し得るRNA分子を意味する。上記RNAベクター構築物は、細胞へのDNAの導入および転写が起こるところである核へのトランスポートのための要件なく、直接使用される。上記宿主細胞の細胞質への直接送達のために上記RNAベクターを使用することによって、異種核酸配列の自律複製および翻訳が、効率的に起こる。
(一般)
本発明の実施は、別段示されなければ、当業者の技術範囲内である、化学、生物化学、分子生物学、免疫学および薬理学の従来法を使用する。このような技術は、文献中に十分に説明される。例えば、
を参照のこと。
別段示されなければ、もしくは状況が別のことを明らかに規定しなければ、本明細書中のすべてのパーセンテージおよび比は、重量ベースで示される。
(実験)
以下は、本発明を実施するための具体的実施形態の例である。実施例は、例示目的で提供されるに過ぎず、本発明の範囲を限定するとは如何様にも解釈されない。
RG503およびRG505 ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド) 50:50コポリマー組成物を、Boehringer Ingelheim(Ingelheim,Germany)から得た。ジオクチルナトリウムスルホスクシネート(DSS)を、Sigma Chemical(St.Louis,MO)製であった。Novartis Vaccines(IRIS,Siena,Italy)から得たEscherichia coli(E.coli)由来組換え髄膜炎菌Bタンパク質(Men B)抗原、287−953、936−741および961c(それぞれ、GNA2132−1030、GNA2091−1870、およびNadAとしても公知)を、WO2004/032958およびM.Pizzaら,Science 287:1816−1820(2000)に以前に記載されるように単離および精製した。酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)マイクロタイタープレートを、Nunc(Roskilde,Denmark)から得た。すべての他の試薬を、Sigma Chemical Companyから入手した。行ったすべての動物研究は、Novartis Animal Use and Care Committeeによって承認された。
さらなる詳細および選択肢的なバリエーションを含むさらなる裏付け実験は、S.Jain.ら,J.Pharm.Sci.100:646−654(2010)に見いだされ得る。
(実施例1:微粒子の調製)
微粒子を、先に記載されるように(M.Singhら,J.Pharm.Sci.93:273−282(2004)およびJ.Kazzazら,J.Control Release 67:347−356(2000))溶媒エバポレーション法によって調製した。微粒子を、W/O/Wエマルジョン技術を使用して合成した。6mLのリン酸緩衝化生理食塩水を、ジクロロメタン中の30mLの6%w/vのRG503もしくはRG505 ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマー溶液に添加し、2分間にわたって24,000rpmにおいて、10mmプローブ(Ultra−Turrax T25 IKA−Labortechnik,Wasserburg,Germany)を使用してホモジナイズして、W/O一時エマルジョンを形成した。このエマルジョンを、0.05%w/wのDSSを含む150mLの水に添加し、アイスバス中で20分間にわたって20mmプローブ(ES−15 Omni International,Jarrenton,VA)を使用して、16800rpmにおいて15〜20分間にわたってホモジナイズした。得られたエマルジョンを、1000rpmにおいて一晩撹拌して、ジクロロメタンをエバポレートした。微粒子を、53μmフィルタに通す濾過によって集められ、2〜8Cにおいて撹拌しながら、貯蔵した。
得られた微粒子の粒度分布を、粒径分析器(LA−920,Horiba)で決定した。予め秤量したガラスバイアルに、1mLの粒子懸濁物を添加し、凍結乾燥した(FreeZone 4.5 L Bench top freeze dry system Labconco)。ポリマー回収率を、重量差から決定した。PLG粒子懸濁物(48mgのPLG)を、54mgのマンニトールおよび18mgのスクロースとともに各ガラスバイアル(Metrohm)に添加した。これら賦形剤を添加して、上記最終的な再構成体積、それぞれ4.5%および1.5%w/vにおける凍結乾燥の間に処方物を安定させた。上記粒子懸濁物を、制御サイクルシェルフ凍結乾燥器(controlled cycle shelf lyophilizer)(Virtis)を使用して、2日間にわたって凍結乾燥した。凍結乾燥後、上記バイアルの上部空間を、窒素ガスでパージして、酸素を除去した(γ線照射の間の上記バイアル中の酸素含有量は、ポリマー分解に影響を及ぼし得る(T.N.Bowmerら,Journal of Applied Polymer Science 24:425−439(1979))。上記バイアルをシールして、若干数の上記バイアルを、15kGyもしくは25kGyでγ線照射した(H.Nguyenら,Cell Tissue Bank 8:93−105(2007)、H.Nguyenら,Cell Tissue Bank 8:81−91(2007)、H.Nguyenら,Cell Tissue Bank 9:139−147(2008))。バイアルを、使用するまで2〜8℃で貯蔵した。
上記凍結乾燥した生成物を、製造業者の指示書に従って、Karl−Fischer Volumetric Titration systemを使用して、残留水分含有量を分析した。残留酸素を、ガスクロマトグラフィーによって決定した。上記微粒子を、滅菌水中で再構成し、製造業者の指示書に従って、EndoSafe PTS System(Charles River Laboratories,USA)を使用してエンドトキシン含有量を試験した。
上記手順(照射前)の結果を、表1に提示する。RG503もしくはRG505で合成したPLG微粒子は、粒径約1μmを有する均一な集団を生じた。上記粒子合成プロセスの効率の尺度は、PLG回収率である。RG503およびRG505両方のポリマーについて、PLG回収率は、>70%であると決定した。上記処方物の残留水分含有量は、<3%であった。上記エンドトキシン含有量は、100μL用量において1EU/用量の推奨される限界より顕著に少なかった。
上記非照射およびγ線照射した(25kGy)RG503微粒子を、粒径および分子量について特徴付けて、上記微粒子に対する照射プロセスの効果を同定した。数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を、ゲル濾過クロマトグラフィーによって、非照射(非GI)およびγ線照射(GI)PLG粒子について測定した。
以下の表2に示されるように、上記RG503微粒子の平均粒径は、ガンマ線照射後に4.3μmに増大した。平均粒径の類似の増大は、照射後の上記RG505微粒子について観察された(データは示さず)。γ線照射による粒径のこの増大は、文献中に報告された(R.Doratiら.J Control Release 107:78−90(2005);R.Doratiら,J.Microencapsul.23:123−133(2006);C.E.Holyら,Biomaterials 22:25−31(2001))。RG503ポリマーは、25kGyにおいてγ線照射した場合に分子量の23%損失と関連した分解を受けた。
(実施例2:吸着効力分析およびインビボでの投与のための照射されたおよび照射されていない凍結乾燥した微粒子組成物の調製)
以下で試験される各MenB抗原に関して、凍結乾燥微粒子の3つの群を準備した。
群I(一晩吸着/凍結乾燥)。 微粒子(RG503もしくはRG505)を、実施例1に記載されるように調製した。3種の細菌MenB抗原(287−953、961c、936−741)を、独立して、2〜8℃において一晩、上記微粒子に吸着させた。上記タンパク質吸着微粒子を、4.8mgおよび48mgに対応する量でバイアルに添加した。上記量は、それぞれ、1μg/抗原および10μg/抗原の総抗原用量を得るに十分であった。54mgのD−マンニトールおよび18mgのスクロースを、各バイアルに添加し、Virtisシェルフ凍結乾燥器を使用して凍結乾燥した。上記バイアルを、免疫の前に注射用水で再構成して、それぞれ、4mg/mLおよび40mg/mLの微粒子濃度および総抗原用量1μg/抗原および10μg/抗原を得た。
群II(凍結乾燥/照射ブランク微粒子)。 実施例1に記載されるように調製した微粒子(RG503もしくはRG505)を、54mgのD−マンニトールおよび18mgのスクロースとともに、48mg/バイアルにおいて5mLバイアルに添加し、上記のように、Virtisシェルフ凍結乾燥器中で凍結乾燥した。凍結乾燥した後、上記バイアルを、窒素雰囲気下での15kGyもしくは25kGyのγ線照射で処理し、2〜8℃において貯蔵した。
群III(凍結乾燥/非照射ブランク微粒子)。 実施例1に記載されるように調製した微粒子(RG503もしくはRG505)を、54mgのD−マンニトールおよび18mgのスクロースとともに、48mg/バイアルにおいて5mLバイアルへと添加し、上記のように、Virtisシェルフ凍結乾燥器中で凍結乾燥した。凍結乾燥した後、上記バイアルを、2〜8℃において貯蔵した。
(実施例3.3種のMen B株の吸着効力)
三価MenBワクチンの3種の細菌抗原(287−953、961cおよび936−741)を、独立して、実施例2に記載されるように調製したバイアル中で、γ線照射(群II)微粒子組成物および非照射(群III)微粒子組成物に注射用水とともに添加して、それぞれ、4mg/mLおよび40mg/mLの微粒子濃度、ならびに100μlあたりの総抗原用量1μg/抗原および10μg/抗原を得た。1μg抗原用量については、10μg用量吸着抗原を、水中で10倍希釈した。上記バイアルを室温で30分間および2時間にわたってインキュベートした。群Iのバイアルを、注射用水で再構成した。
10μgの抗原用量を有するこれら微粒子懸濁物を、その後、Malyalaら(J.Pharm.Sci.,97:1155−1164(2008))に記載されるようにRP−HPLCベースの手順に供して、上記照射微粒子および非照射微粒子上への各MenB抗原の吸着%を決定した。具体的には、100μLの上清を、Waters 2690/432機器(Bedford,MA)付きのC4 4.6mm×150mmカラム(Waters)に注入した。直線状の較正曲線を、Men Bタンパク質で10〜200μg/mLの範囲において確立し、上記上清中に存在するタンパク質の量を計算した。次いで、結合していないタンパク質の総量を、最初に添加されたタンパク質の総量から差し引きし、差を、実際のローディング効率を計算するために使用した。
粒子再構成後のタンパク質吸着の効率をまた、半定量的SDS−PAGEによって測定した。タンパク質を吸着した微粒子を、遠心分離によって上記吸着媒体から分離し、上記上清中に残っている結合していないタンパク質の量を、SDS−PAGEによって測定した。本質的には、総上清の10%に対応する10μLの上記上清を、添加した。直線状較正曲線を、MenBタンパク質で0.5〜10μg/mLの範囲で確立し、上記上清中に存在するタンパク質の量を、計算した。次いで、結合されていないタンパク質の総量を、最初に添加されたタンパク質の総量から差し引きし、差を、実際のローディング効率を計算するために使用した(すべての標準回帰曲線のRは、0.98より優れていた)。γ線照射粒子に対するタンパク質吸着の効率を、上記非照射粒子に対するタンパク質吸着と比較した。
上記287−953タンパク質および936−741タンパク質は、>90%効率において30分以内に上記微粒子上に吸着することが観察された。これは、上記非照射微粒子での30分後のタンパク質吸着に匹敵した(表3)。961cタンパク質は、上記照射微粒子上に30分以内で、>35%において吸着した。比較すると、一晩インキュベートしたコントロールPLG粒子は、>80%の961c吸着を生じた。
吸着したタンパク質を、微粒子から抽出後のSDS−PAGEによって、完全性について評価した。この場合、タンパク質を、100μLのSDSサンプル緩衝液で1mgの微粒子から抽出し、上記処方物のうちの10%に対応する10μLを、SDS−PAGE分析のために、4〜12%の勾配のTris/グリシンポリアクリルアミドゲル(Novex,San Diego,CA)に対して載せた。上記ゲルを、コロイド製ブルー染色(Novex)で染色し、脱色し、スキャンした。上記照射微粒子および非照射微粒子から脱着した抗原は、分子量に基づいて、上記抗原構造と比較できかつ維持していた。このことは、上記PLG微粒子のγ線照射が、上記抗原吸着効率に対して、もしくは上記抗原が照射後に吸着される場合の抗原完全性に対して最小限の影響を有することを示唆する。また、結果は、PLG分子量の損失が、抗原吸着を与えないことを示す。
(実施例4.マウスにおけるELISA抗体力価)
免疫の前に、三価MenBワクチンの3種の細菌抗原(287−953、961cおよび936−741)を、独立して、実施例2に記載されるように調製したγ線照射(群II)(15kGyもしくは25kGy)微粒子組成物および非照射(グループIII)微粒子組成物(RG503もしくはRG505)のバイアルに、注射用水とともに添加して、4mg/mLもしくは40mg/mLの微粒子濃度、ならびに所望の抗原濃度(それぞれ、抗原あたり、1μg投与量/100μlおよび10μg投与量/100μl)を得た。上記バイアルを室温で30分間にわたってインキュベートし、その内容物を、その後、動物(CD−1マウス)免疫のために使用した。マウスを、10群で、3回、0日目、21日目、および35日目において、各バイアルから100μlの注射体積(1μg/抗原投与量もしくは10μg/抗原投与量の抗原投与量に対応する)を筋肉内免疫した。上記287−953、961cおよび936−741抗原の各々に関して、実施例2の群Iからのバイアルの内容物が、注射用水を注射して、それぞれ、1μg/抗原および10μg/抗原の100μlあたりの総抗原用量で、4mg/mLおよび40mg/mLの微粒子濃度を得た後に、この様式でも注射された。ELISA抗体力価を、Malyalaら(J.Pharm Sci.,97,1155−1164(2008))に先に公開された方法を使用して、2週間後にマウスで測定した。
上記結果を図1に示す(3本の棒の第1の群および第4の群は、群Iの微粒子で得られた結果に対応する)。上記IgG力価は、γ線照射微粒子および非照射微粒子について統計的に類似である。これら結果は、γ線照射は、PLG微粒子の効力に対する顕著な影響を有さず、γ線照射、続いて抗原吸着は、実現性のあるワクチン接種ストラテジーとして使用され得ることを実証する。
(実施例5.マウスにおける補体媒介性血清細菌死滅活性−第1の研究)
第1の研究において、RG503 PLGポリマーの免疫原性に対する処置の効果を評価し、タンパク質吸着のためのインキュベーション期間(30分 対 2時間)を最適化した。
免疫する前に、3種の細菌性MenB抗原(すなわち、287−953、961cおよび936−741)を、独立して、実施例2に記載されるように調製したγ線照射(グループII)(25kGy)および非照射(群III)微粒子組成物(RG503)のバイアルに注射用水とともに添加して、4mg/mLもしくは40mg/mLの微粒子濃度および望ましい抗原濃度(それぞれ、100μlあたり、1μg/抗原投与量および10μg/抗原投与量)を得た。上記バイアルを、室温において30分および2時間にわたってインキュベートし、その後、動物(CD−1マウス)免疫のために使用した。
マウスを、10の群において、3回、0日目、21日目、および35日目に筋肉内免疫した。血液サンプルを、3回目の免疫後の2週間において集め(49日目)、血清を集め、血清細菌死滅活性(SBA)力価を、Malyalaら(J.Pharm Sci.,97:1155−1164(2008))によって先に刊行された方法を使用して、5株(H44/76、5/99、M4407、NZ 98/254およびGB364)について2週間後にマウスで測定した。上記SBAアッセイは、抗体が細菌の表面に複合体を固定し、細菌溶解を誘発する能力を測定する(M.Pizzaら,Science 287:1816−1820(2000);R.A.Wall,Ann Med 34:624−634(2002)、およびS.S.Wildesら,BioDrugs 16:321−329(2002))。SBAの程度を、先に記載されるように(M.Pizzaら,Science 287:1816−1820(2000))アッセイした。血清を、N.meningitides株のパネルに対するSBA力価について分析した。上記アッセイは、2倍希釈において、プールしたマウス血清の評価を伴う。このアッセイの設計に基づくと、上記SBA力価の間の2倍の差異は、有意でないとみなされる(例えば、SBA力価512および1024は、力価1024および2048のように、等価とみなされる)。
これら研究の結果は、以下の表4に示され、PLG/DSS(非GI)+MenB−30分、PLG/DSS(非GI)+MenB−2時間、PLG/DSS(GI)+MenB−30分、PLG/DSS(GI)+MenB−2時間と称される。
また、この様式で注射および試験されたのは、注射用水を注入して、それぞれ、1μg/抗原および10μg/抗原の100 μlの注射体積あたりの総抗原用量において4mg/mLおよび40mg/mLの微粒子濃度を得た後に、上記287−953、961および936−741抗原の各々について、実施例2の群Iからのバイアルの内容物であった。これら研究の結果はまた、以下の表4に示され、PLG/DSS/MenB STDと称される。
また、この様式で注射および試験されたのは、水酸化アルミニウムに吸着させた3種の抗原組み合わせ(Alum/MenB)であった。3mg/mLの水酸化アルミニウムを、上記3種の抗原の各々の100μg/mL、10mM ヒスチジン緩衝液および150mM 塩化ナトリウムと混合した。抗原を、2〜8℃において一晩水酸化アルミニウム上に吸着させた。上記Alum/MenB処方物は、SDS−PAGEを使用して特徴付けし、マウスを、用量あたり各抗原の1μgおよび10μgに対応する100μL/用量において免疫した。これら研究の結果はまた、以下の表4に示され、Alum/MenBと称される。
表4から認められ得るように、非照射PLG微粒子上に吸着したMen Bタンパク質についての機能的細菌力価は、上記高い方の抗原用量について、γ線照射PLG微粒子上に吸着されたものに類似であるが、低い方の用量では、特定の株に関してBCA力価のいくらかの低下が、γ線照射で観察される。上記2つのインキュベーション期間30分および2時間は、匹敵する免疫原性応答を生じた。これら処方物についての上記SBA力価をまた、明礬に吸着した抗原に匹敵した。これら結果に基づいて、30分を、上記PLG粒子に対するMenBタンパク質抗原の吸着のための最適なインキュベーション期間として同定した。
(実施例6.マウスにおける補体媒介性細菌死滅活性−第2の研究)
第2の研究において、RG503を、第1の研究において同定した条件を使用して、より高い分子量のPLGポリマーであるRG505と比較した。上記PLG処方物に対するPLG分子量の効果を理解するために、上記PLGポリマーRG503(M 35kDa)およびRG505(M 69kDa)(R.Zangeら,Eur J Pharm Biopharm 44:149−157(1997))を、PLG/MenB処方物の免疫原性に対するγ線照射の効果について比較した。
免疫する前に、3種の細菌性MenB抗原(すなわち、287−953、961cおよび936−741)を、独立して、実施例2に記載されるように調製したγ線照射(群II)微粒子組成物のバイアルに注射用水とともに添加して、4mg/mLもしくは40mg/mLの微粒子濃度および所望の抗原濃度(それぞれ、100μlあたりの1μg/抗原投与量および10μg/抗原投与量)を得た。上記バイアルを、室温において30分間にわたってインキュベートし、その後、動物(CD−1マウス)免疫のために使用した。各動物を、各バイアルから100μlの体積(1μg/抗原投与量もしくは10μg/抗原投与量の抗原投与量に対応する)で、4週間間隔で2回筋肉内に免疫した。
血清細菌死滅活性(SBA)力価を、Malyalaら(J.Pharm Sci.,97:1155−1164(2008))に先に刊行された方法を使用して、5株(H44/76、5/99、M4407、NZ 98/254およびGB364)について2週間後にマウスで測定した。これら研究の結果は、以下の表5に示され、PLG 15kGy GI 30分およびPLG 25kGy GI 30分と称される。
また、この様式で注射および試験したのは、注射用水を注射して、それぞれ、1μg/抗原および10μg/抗原の100μlの注射体積あたりの総抗原用量で4mg/mLおよび40mg/mLの微粒子濃度を得た後に、上記287−953、961cおよび936−741抗原の各々について実施例2の群Iからのバイアルの内容物であった。これら研究の結果はまた、以下の表3に示され、PLG非GI一晩と称される。
表5から認められ得るように、上記SBA力価は、上記2種のPLGポリマーについて同等である。上記照射粒子に対する961cタンパク質の吸着は、上記コントロール粒子より劣っていた一方で、上記対応するN.meningitides株(5/99およびGB364)に対するSBA力価は、上記処理された粒子と処理されていない粒子との間で等価であった。上記第1の研究に類似して、γ線照射は、処理PLG微粒子 対 コントロールPLG微粒子で送達した上記MenB抗原の免疫原性に対して影響を有さなかった。
従って、本発明者らは、2工程アプローチを開発した。ここでhPLG微粒子を、第1の工程において、合成し、凍結乾燥し、γ線照射した。免疫の前に起こる第2の工程において、上記粒子を再構成し、滅菌抗原とインキュベートして、上記微粒子上のタンパク質の表面吸着を可能にする。
先の研究は、ワクチンとして使用するために上記PLGベースの処方物の最終滅菌のための評価可能なストラテジーを示す。上記PLG粒子を、バルク凍結乾燥し得、商業的ワクチンにおける使用のためにバルク滅菌し得る。ワクチン処方物の滅菌のためのこのストラテジーは、無菌製造の必要性を克服し得、それによって、開発コストを低減し得、製造の容易さを増大させ得る。さらに、免疫前に抗原を吸着させることは、上記滅菌PLG粒子が複数のワクチン抗原のために使用されることを可能にする。このストラテジーは、特に、発展途上国のために、およびPLG微粒子のような送達系がバルクで備蓄かつ維持され得る大流行に対して広範囲な価値がある。さらに、照射粒子は、種々の抗原とともに使用され得、それによって、上記PLG処方物の融通性を増大させ得る。
(実施例7.微粒子(化合物47ありおよびなしの)の調製)
化合物47を、WO2010/144734の実施例44に記載されるように調製する。
微粒子を、水中油型(o/w)単一エマルジョン技術を使用して調製する。簡潔には、ジクロロメタン中、PLGに対して1%のローディングのために、4mLの15%w/vのRG503 PLG(Boehringer Ingelheimから市販)溶液と、6mgの化合物47を、6mgのジオクチルスルホスクシネートを含む33mLの水(pH7.2に調節)に添加する。上記混合物を、IKA Ultra Turrex T−25ホモジナイザーを使用する24,000rpmにおいて1分間にわたるホモジナイズ、続いて、Omni Macroホモジナイザーを使用して12,900rpmにおいて6分間にわたるホモジナイズによって、ホモジナイズした。上記エマルジョンを、通風式化学ドラフトチャンバの中で3〜4時間にわたって、150rpmにおいて振盪して、ジクロロメタンをエバポレートする。化合物47なしの微粒子を、化合物47が上記微粒子合成の間に添加されないことを除いて、上記のように合成する。すべての微粒子懸濁物を、53ミクロンフィルタを使用して濾過する。
各得られた懸濁物内の上記微粒子の粒径を、Horiba LA−930粒径分析計を使用して測定する。この段階(凍結乾燥前)において、0.5〜5μmの標的平均サイズを有する微粒子処方物は望ましい。
PLG含有量を決定するために、1mLの上記微粒子懸濁物を、予め秤量したシンチレーションバイアルに添加し、上記バイアルを、Labconcoベンチ型凍結乾燥器を使用して凍結乾燥した。PLG含有量を、上記凍結乾燥したバイアルと空のバイアルとの間の差異として計算する。すべてのPLG処方物のPLG回収率を、>70%を目標とする。
化合物47を、C18 XTerraカラム(Waters Corporation)および6分間で勾配90%の水+0.1%のTFA/10%のアセトニトリル+0.1%TFA〜100%のアセトニトリル+0.1%TFAを使用するWaters Acquity Systemを使用して、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって分析する。
化合物47の濃度を決定するために、100μLの上記粒子懸濁物を、900μLのDMSOと混合し、RP−HPLCによって分析する。化合物47回収率を、>75%の目標で粒子懸濁物中、化合物47の濃度に基づいて決定する。
封じ込め効率を決定するために、100μLの上記微粒子懸濁物を、10mM HClで1mLに希釈し、30分間にわたって室温で振動させる。得られた粒子懸濁物を、遠心分離にかける。次いで、上記ペレットを、1mLのDMSO中に溶解し、上記RP−UPLCシステムで分析して、封じ込められた化合物47の量を決定する。上記上清もまた、上記RP−UPLCシステムで分析して、封じ込められていない化合物47の量を決定する。微粒子に封じ込められた化合物47の量は、>90%を目標とする。
(実施例8.抗原が吸着した(化合物47ありおよびなしの)コントロール微粒子組成物の調製)
MenB抗原287−953を、10mM ヒスチジン緩衝液(pH5.5)とともに、100μg/mLの抗原最終濃度(最終的に、用量あたり10μgの抗原に対応する)において、一晩2〜8℃において上記粒子に吸着させる。MenB抗原吸着を、以下の微粒子組成物に対して行う:
吸着1: PLGに対して1%の化合物47のローディングを有する化合物47封じ込め微粒子を、上記粒子に250μg/mLの化合物47を供給する量で提供する。
吸着2: 封じ込められた化合物47なしの微粒子を、吸着1において供給されたものに等しいPLG含有量を生じる量で提供する。
上記微粒子に対するMenB抗原吸着を、SDS−PAGE、続いて、クーマシーブルー染色、およびExperionシステム(Bio−Rad)によって特徴付ける。Malyalaら,J.Pharm.Sci.97:1155−1164(2008)を参照のこと。
次いで、凍結乾燥処方物を、6mLのホウケイ酸ガラスバイアル中に、以下のように形成する:
バイアル1: 吸着1において形成される上記微粒子懸濁物を、63mgのマンニトール、21mgのスクロースおよびPLGに対して5%w/wのPVAとともに、350μgの化合物47(25μgの化合物47の14用量)に対応する量でバイアルに添加し、凍結乾燥する(Virtisシェルフ凍結乾燥器を使用する)。
バイアル2: 同時凍結乾燥処方物について、吸着2において形成される上記微粒子懸濁物(封じ込められる化合物47なしのPLG)を、350μgの化合物47、63mgのマンニトール、21mgのスクロースおよびPLGに対して5%w/wのPVAに対応する量で、上記化合物47懸濁物とともに、バイアル1中と同じPLG含有量に等価な量でバイアルに添加し、上記内容物を凍結乾燥する。化合物47懸濁物を、国際特許出願PCT/US2010/060621(2010年12月15日出願)に記載されるように調製する。
バイアル3: コントロール処方物について、吸着2において形成される上記微粒子懸濁物(封じ込めされた化合物47なしのPLG)を、63mgのマンニトールおよび21mgのスクロースおよびPLGに対して5%w/wのPVAとともに、バイアル1中と同じPLG含有量に等しい量でバイアルに添加し、上記内容物を凍結乾燥する。
水分含有量を、Karl−Fischer滴定法を使用して決定し、すべての凍結乾燥処方物について<5%の目標で測定する。
Endosafe PTSシステム(Charles River Labs)を、<1EU/用量の目標で、上記凍結乾燥処方物におけるエンドトキシン含有量を決定するために使用する。
(実施例9.抗原が吸着した(化合物47ありおよびなし)照射された微粒子組成物の調製物)
微粒子を、実施例7に記載されるように調製する。処方物を、以下のように、6mLのホウケイ酸ガラスバイアル中に形成する:
バイアル4: PLGに対して1%の化合物47が入っている化合物47封じ込め微粒子を、63mgのマンニトール、21mgのスクロースおよびPLGに対して5%w/wのPVAとともに、350μgの化合物47(25μgの化合物47の14用量)に対応する量でバイアルに添加し、凍結乾燥する(Virtisシェルフ凍結乾燥器を使用する)。
バイアル5: 封じ込められた化合物47なしの微粒子を、350μgの化合物47、63mgのマンニトール、21mgのスクロースおよびPLGに対して5%w/wのPVAに対応する量で化合物47懸濁物とともに、バイアル4中と同じPLG含有量に等しい量でバイアルに添加し、凍結乾燥する(Virtisシェルフ凍結乾燥器を使用する)。化合物47懸濁物を、国際特許出願PCT/US2010/060621(2010年12月15日出願)に記載されるように調製する。
バイアル6: 封じ込められた化合物47なしの微粒子を、63mgのマンニトール、21mgのスクロースおよびPLGに対して5%w/wのPVAとともに、バイアル4中と同じPLG含有量に等しい量でバイアルに添加し、凍結乾燥する(Virtisシェルフ凍結乾燥器を使用する)。
凍結乾燥後、バイアル4〜6を、窒素でパージし、25kGy γ線照射で処理し、2〜8℃において貯蔵する。MenB抗原287−953を、100μg/mLの抗原最終濃度(最終的に、10μgの抗原/用量に対応する)において注射用水とともに、γ線照射微粒子組成物のバイアルの各々に添加する。上記バイアルを室温で30分間にわたってインキュベートして、タンパク質吸着を可能にする。
10μg抗原用量を有する上記微粒子懸濁物を、その後、Malyalaら(J.Pharm.Sci.,97:1155−1164(2008))に記載されるように、上記RP−HPLCベースの手順に供して、上記照射微粒子組成物に対するMenB抗原の吸着%を決定する。具体的には、100μLの上記上清を、Waters 2690/432機器(Bedford,MA)付きのC4 4.6mm×150mmカラム(Waters)に注入する。直線状較正曲線を、Men Bタンパク質での10〜200μg/mLの範囲において確立し、上記懸濁物中に存在するタンパク質の量を計算する。次いで、結合していないタンパク質の総量を、最初に添加したタンパク質の総量から差し引きし、差を実際のローディング効率(loading efficiency)を計算するために使用する。
粒子再構成後のタンパク質吸着の効率もまた、半定量的SDS−PAGEによって測定する。タンパク質が吸着された微粒子を、遠心分離にとって吸着媒体から分離し、上記上清中に残っている結合していないタンパク質の量を、SDS−PAGEによって測定する。本質的には、総上清の10%に対応する10μLの上記上清を入れる。直線的較正曲線を、MenBタンパク質で0.5〜10μg/mLの範囲において確立し、上記上清中に存在するタンパク質の量を計算する。次いで、結合していないタンパク質の総量を、最初に添加したタンパク質の総量から差し引きし、差を実際のローディング効率を計算するために使用する(すべての標準回帰曲線Rは、0.98より優れていた)。γ線照射粒子に対するタンパク質吸着の効率を、上記非照射粒子に対するタンパク質吸着と比較する。
(実施例10.インビボマウス研究−細菌死滅アッセイ)
実施例8および実施例9に記載される上記微粒子処方物を、免疫する前に、穏やかに混合しながら、1.4mLの注射用水中で再構成する。バイアル1〜3は、直ぐ使用できる状態であるのに対して、バイアル4〜6は、実施例9に記載されるように、使用前に30分間にわたってタンパク質抗原とともにインキュベートされる(再構成)。100μLの各処方物を、マウス1匹あたりに注射し、これは、10μgのMenB抗原および化合物47を含む処方物の場合には、25μgのアジュバントに対応する。各マウスを、0日目および21日目に筋肉内に免疫する(2部位で50μL)。いくつかの場合において、上記マウスをまた、35日目に免疫し得る。各マウスを、最終免疫の2週間後に採血する。
MenB抗原を注射したマウスについては、プールした血清を、最後の免疫の2週間後に、上記MenB株NZ98に対して細菌死滅アッセイについて分析する。
本発明は、例示によって記載されるに過ぎず、改変が行われ得る一方で、本発明の範囲および趣旨内にあることが、理解される。

Claims (19)

  1. 以下:
    (a)第1の密封容器および該密封容器内に含まれる滅菌乾燥微粒子組成物であって、該微粒子組成物は、生分解性ポリマーを含む、活性薬剤を含まない生分解性微粒子を含み、ここで、該生分解性ポリマーは、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリホスファジン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、ここで該密封容器は、滅菌流体の導入および除去を可能にするように構成されており、該微粒子組成物が、γ線照射により滅菌されている、密封容器および滅菌乾燥微粒子組成物;ならびに、
    (b)滅菌流体の導入および除去を可能にするように構成されている第2の密封容器であって、抗原を含む滅菌抗原性組成物を含む、第2の密封容器
    を含む、キット。
  2. 前記密封容器は、隔壁を含む、請求項1に記載のキット。
  3. 前記生分解性微粒子は、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む、請求項1または2に記載のキット。
  4. 前記微粒子組成物が25mg/mlの濃度を有するような量の水を前記第1の密封容器に添加した際に、前記微粒子が0.5〜5μmの間のD(v,0.5)値を有する懸濁物が、形成される、請求項1〜のいずれかに記載のキット。
  5. 前記微粒子組成物は、凍結乾燥した微粒子組成物である、請求項1〜のいずれかに記載のキット。
  6. 前記凍結乾燥した微粒子組成物は、凍結保護因子をさらに含む、請求項に記載のキット。
  7. 前記第1の密封容器は、4〜50mgの間の前記微粒子および5〜150mgの1種以上の薬学的賦形剤を含む単一用量容器である、請求項1〜のいずれかに記載のキット。
  8. 前記微粒子組成物は、荷電した微粒子を含む、請求項1〜のいずれかに記載のキット。
  9. 前記荷電した微粒子は、前記生分解性ポリマーに加えて、荷電した種を含む、請求項に記載のキット。
  10. 前記荷電した種は、アニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤から選択される、請求項に記載のキット。
  11. 前記微粒子組成物が25mg/mLの濃度となる量の水を前記第1の密封容器に添加した際に、懸濁物が形成され、ここで前記微粒子が生理学的pHにおいて+20mVより高いかもしくは−20mV未満であるゼータ電位を有する、請求項1〜1のいずれかに記載のキット。
  12. 前記微粒子組成物は、免疫学的アジュバントをさらに含む、請求項1〜1のいずれかに記載のキット。
  13. 前記免疫学的アジュバントは、モノホスホリルリピドA(MPL)、3−O−脱アセチル化MPL(3dMPL)、低分子免疫増強剤、ムラミルトリペプチドホスファチジルエタノールアミンおよびトコフェロールから選択される、請求項1に記載のキット。
  14. 前記免疫学的アジュバントは、Toll様レセプター(TLR)の活性化因子である、請求項1に記載のキット。
  15. 前記TLRは、Toll様レセプター2(TLR 2)、Toll様レセプター7(TLR 7)、Toll様レセプター8(TLR8)、もしくはこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のキット。
  16. 前記抗原性組成物は、凍結乾燥した組成物である、請求項1〜1のいずれかに記載のキット。
  17. 前記抗原性組成物は、ペプチド含有抗原およびポリヌクレオチド含有抗原から選択される抗原を含む、請求項1〜1のいずれかに記載のキット。
  18. 滅菌水性液体、シリンジ、もしくはその両方をさらに含む、請求項1〜1のいずれかに記載のキット。
  19. 前記滅菌抗原性組成物が水性液体であり、前記微粒子組成物が該水性液体と組み合わせられ、そして、混合され、該組み合わせ物が混合して30分以内に脊椎動物被験体に投与されることを特徴とする、請求項1〜1のいずれかに記載のキット。
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