JP5988143B2 - 移動体の動作制御装置及びこれを用いたスロッシング制御装置 - Google Patents
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Description
ヒルベルト空間には、数ベクトル空間、多項式空間、実行列空間等の種々の空間が定義される。数ベクトル空間による制御方法は、いわゆる特徴量を抽出して制御する方法に相当する。本発明は、画像情報を、行列空間の1点と解釈して制御する方法であり、画像情報から特徴量を抽出することなく制御する方法である。
安定化制御方法とは、移動体を所望の状態に整定させるための制御手法であり、LQG制御方法、H∞制御方法などが利用できる。
本発明に係る移動体の動作制御装置の適用例として、スロッシング制御装置を構成した例について説明する。
図1は、スロッシング制御装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のスロッシング制御装置は、水を収容した水槽10と、水槽10を一方向に進退駆動するモータ12と、水槽10の前方に配置され水槽10の前面全体を撮影するカメラ14と、カメラ14から得られる画像を解析し、解析結果に基づいてモータ12を駆動制御する制御部16とを備える。本実施形態のスロッシング制御装置においては、水槽10が制御対象である移動体、モータ12が移動体の駆動部、カメラ14が視認部に相当する。移動体の動きにともなって変動する検知対象は、この場合、水槽10内における水の状態(波の状態)である。
モータ12を駆動制御する制御部16は、水槽10内で生じた波を、水槽10(支持板)の往復動作を制御して水を静止させる(水面が水平になるようにする)。本試験では、水槽10をはじめに一定時間往復動させて波を起こさせた後、制御を開始して水槽10内の水を静止させるようにした。
本実施形態においては、カメラ14によって取得した水槽10内の波の画像を解析し、安定化制御方法により水槽10の動きを制御して水を静止させた。水槽10内の波の状態は刻々と変化するから、カメラ14からは短周期(実施例では15fps)で水槽10の画像を取得し、個々の画像ごとに解析を行い、それぞれの解析結果に基づいて水槽10の動きを制御して波を静止させた。
図3は、この画像を解析して求めた近似曲線(破線)を示す。近似曲線は便宜的に1次曲線によって近似している。
水槽10内の水面の形状(波の形)は、カメラ14によって取得した画像をRGB化し、特定の閾値以上の画素の集合を選択して水面として特定した。得られた水面の形状(波の形)を関数としてみると、水面の形状はヒルベルト空間として定義される多項式空間における基底の一次結合として表現することができる。
水槽10内の水の表面は実際には3次元的に揺らぐが、本実施形態のように長手方向に平行に水槽10を往復動させて波を起こした場合は、波が2次元的に変動するとみても制御上、大きな誤差は生じない。
本実施形態における制御部16による制御手法は、観測した波の形状を多項式空間における基底の一次結合として表現した場合の成分am(t)の時間変化を監視し、その後の変化を推定して、目標とする状態(水面を静止させる状態)に漸近安定化させるものである。制御対象である観測量am(t)の次数は制限されるものではないが、本実施形態においては、検証のための第一段階として観測量をa2(k)、すなわち観測対象の成分のうち1次の成分を制御対象とする状態変数として制御することにし、予測誤差法の式誤差モデルであるARX法を用いてシステムを同定した。このモデルでは、次式(4)の離散時間線形時不変システムによって入出力応答が定義される。
u(t)=Acos(2πfct+παt2+θ)
A:振幅0.55(V)、fc:中心周波数0.198(Hz)、α:チャープ率2.3761×10-3(Hz/s)、
θ:初期位相-(1/2)π(rad)
水:2.52(l)、水温:22.4(℃)、流動パラフィン:5.05(l)、パラフィン温度:22.1(℃)、水槽サイズ:横幅490×奥行き180×高さ300(mm)、カメラモード:5Mモード、カメラ高さ:130(mm)、カメラ-水槽距離:430(mm)
図6に実際の出力と同定モデルの出力を示した。図7は図6の50〜150秒の範囲を拡大したものである。実出力と同定した出力が略一致しており、同定モデルが妥当であることを示す。
本実施形態の制御試験においては、式(4)に示す線形時不変システムに対し、目標とする水面の形状(水平面)にまで安定化させる手法としてLQG制御方法を利用した。制御対象を特定の挙動をなすように制御する手法にはさまざまな手法があり、LQG制御方法に限定されるものではない。
フィードバックゲインFは、リカッチ方程式
試験では、0〜15.00(s)までの間は、モータ(DCモータ)12への入力電圧を0.55sin(2πt×0.285)(V)として水槽10を揺動させ、15.00(s)経過後に制御を開始して、その後の水槽10の挙動を観察した。
図10は、上記の3方法について、重心xGの時間変化を示す。この場合も、本実施形態の制御方法と、重心を制御対象とする制御方法ともに、無制御の場合にくらべて整定時間が短くなっており、スロッシングを防止する制御がなされていることがわかる。
図12は、そのときのモータの回転角度を示す。試験結果は、本実施形態の制御方法による場合は、15秒間水槽10を揺動させた後、制御開始すると徐々に波が整定されて収束したが、重心を制御対象とした場合は中途で拡散し、制御不能となった。
上述した実施形態では、スロッシング制御装置の制御方法として水槽内の水面の形状を多項式空間の基底の一次結合とみて制御した。以下では、線形制御理論を行列空間上に再構築する方法によって制御する方法について説明する。
モータ12にチャープ信号(入力電圧c(t))を入力し、同定出力を行列M(t)と行列空間における正規直交基底ek,l(t)との内積によって得られる成分ak,l(t)とする。システムを入力1、出力36のSIMO系とし、部分空間法によって同定した。部分空間法として本実施形態ではn4sid法を利用した。使用したチャープ信号は下記のものである。
c(t)=Acos(2πfct+παt2+θ)[V]
A:振幅0.6(V)、fc:中心周波数 1.28×10-2(Hz)、α:チャープ率9.0×10-6(Hz/s)、
θ:初期位相-(1/2)π(rad)
図14に、同定出力の例として、出力a4,1(t)の実出力とモデル出力を示す。図14(b)は、図14(a)の100〜120秒の範囲を拡大して示したものである。
上記のスロッシング制御装置について、本実施形態の制御方法と、従来の重心に着目して制御する方法について比較実験を行った。
本実施形態による制御方法では、上述した同定結果に基づき、行列M(t)に対してLQG制御を施した。レギュレータの重みRI=5×104I、QI=100、カルマンフィルタの重みRg=1×108I、Qg=1×10-6Iとした。
従来法の重心を制御対象とする場合も、重心に対して同定する操作を行い、この同定結果に基づいてLQG制御を施した。レギュレータの重みRI=1、QI=1、カルマンフィルタの重みRg=1×103、Qg=1とした。
ここでノルムとは行列M(t)と目標画像との差の行列、または推定行列^M(t)と目標画像との差の行列について,全成分の二乗を足し合わせて平方根をとったものである。よって推定行列^M(t)のノルムが、オクルージョンによってはほとんど影響されないことは,オクルージョンが雑音として除去されて推定行列^M(t)を乱さないことを示す。同時に,ノルムがゼロになったとき行列M(t)または推定行列^M(t)は目標画像に整定したといえる。
図19は、LQG制御とP制御でのモータの入力電圧を示す。P制御による場合はオクルージョンの作用によって制御開始後の電圧が大きく変動するのに対して、LQG制御では短時間のうちに整定されている。
図20は、支持板上の水槽の位置を示す。LQG制御による場合は制御開始とともに一定位置に整定されているのに対して、P制御では水槽の制御が的確になされずに発散している。この実験結果は、LQG制御がP制御に比較して優位であること、行列空間におけるLQG制御理論が有用であることを示す。
なお、行列空間の考え方は、制御対象がまったく限定されずいかなる制御対象にも汎用的に利用できる、特徴量を全く抽出しないので画像処理・制御系設計の段階が試行錯誤的にならないという特徴がある。また、多項式空間の考え方は、制御対象が水槽の水面のように曲線で表されるもので多項式空間の考え方が適用しやすいものについては、効果的な制御が可能になるという特徴がある。
12 モータ
14 カメラ
16 制御部
Claims (3)
- 制御対象物である移動体と、
移動体を駆動する駆動部と、
前記移動体の動きにともなって変動する検知対象を視認する視認部と、
前記視認部による前記検知対象の画像情報に基づき、前記駆動部を介して前記検知対象が特定の目標状態に整定されるように前記移動体の動きを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
サンプリング周期にしたがって前記視認部から順次入力される個々の画像情報を、輝度値を要素とする行と列の画素からなる行列に変換し、
あらかじめ規定した行列空間の正規直交基底と前記行列との内積を演算して、個々の画像情報の行列の前記正規直交基底の各基底に対応する成分を求め、
安定化制御方法により、
前記個々の画像情報の行列の前記正規直交基底の各基底に対応する成分と、前記検知対象の目標状態における目標画像の行列の前記正規直交基底の各基底に対応する成分とが一致するように、前記移動体を制御することを特徴とする移動体の動作制御装置。 - 前記安定化制御方法として、LQG制御方法を利用することを特徴とする請求項1記載の移動体の動作制御装置。
- 水を収容した移動体としての水槽と、該水槽を一方向に往復動させる駆動部と、前記水槽を視認する視認部としてのカメラと、該カメラにより取得された画像情報に基づき前記駆動部により前記移動体を制御して前記水槽内の水を揺動状態から静止状態へ整定する制御部とを備えるスロッシング制御装置であって、
前記制御部は、
サンプリング周期にしたがって前記視認部から順次入力される個々の画像情報を、輝度値を要素とする行と列の画素からなる行列に変換し、
あらかじめ規定した行列空間の正規直交基底と前記行列との内積を演算して、個々の画像情報の行列の前記正規直交基底の各基底に対応する成分を求め、
安定化制御方法により、
前記個々の画像情報の行列の前記正規直交基底の各基底に対応する成分と、前記検知対象の目標状態における目標画像の行列の前記正規直交基底の各基底に対応する成分とが一致するように、前記移動体を制御することを特徴とするスロッシング制御装置。
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