[実施の形態1]
以下、図を用いて実施の形態1にかかる移動体制御システム1を説明する。
図1は、実施の形態1にかかる移動体制御システム1を示す図である。移動体制御システム1は、例えばワイヤレスキー等である入力装置10、携帯端末A100A及び携帯端末B100Bが、移動体200と無線通信を行うように構成されている。また、移動体200は、鍵登録装置2と有線通信又は無線通信を行うように構成されている。
また、図2に、移動体200の構成を示す。図3に、入力装置10の構成を示す。図4に、携帯端末100の構成を示す。なお、以下、携帯端末A100Aと携帯端末B100Bとを総称して説明するときは、単に、携帯端末100と称することがある。
移動体200は、例えば1人乗りの電動式の倒立二輪車等である。また、図2に示すように、移動体200は、動作制御部210及び通信制御部300を有する。動作制御部210及び通信制御部300は、例えばECU(Electronic Control Unit)であって、電子的な方法で移動体200を制御する。動作制御部210は、移動体200の動作に関する構成要素を制御する。具体的には、動作制御部210は、音声出力部204、発光部206、移動操作部220及びモータ222の動作を制御する。
通信制御部300は、入力装置10及び携帯端末100と無線通信を行うための制御を行う。具体的には、無線通信部202及び記憶部230を制御する。さらに、通信制御部300は、後述する構成要素によって、入力装置10及び携帯端末100の少なくとも一方からの信号に応じて、動作制御部210を制御する。つまり、ユーザは、入力装置10又は携帯端末100のどちらを用いても、移動体200を動作させることができる。
また、通信制御部300は、入力装置10又は携帯端末100からの信号に応じて、動作制御部210の電源のオンオフを制御する。つまり、通信制御部300は、動作制御部210の電源がオフの状態であっても、通電されているように構成されている。言い換えれば、移動体200の電源がオフとなっている状態でも(移動体200が起動されていない状態であっても)、通信制御部300は通電されており、したがって、各種処理を実行することが可能である。
なお、以下、「移動体200の電源をオンする」とは、動作制御部210の電源をオンすることをいう。同様に、「移動体200の電源をオフする」とは、動作制御部210の電源をオフすることをいう。また、動作制御部210の電源がオンとなることによって、移動体200の動作が可能となる。つまり、動作制御部210の電源がオフ状態からオン状態になることによって、移動体200が起動する。また、動作制御部210の電源がオン状態からオフ状態になることによって、移動体200の作動が停止する。ただし、上述したように、移動体200の電源がオフとなっていても、通信制御部300は通電されている。
なお、通信制御部300の詳細な構成については、後述する。
移動操作部220は、例えばプレート形状に構成されており、ユーザ(使用者)が足を乗せることができるように構成されている。また、移動体200の左右には車輪224が設けられている。その左右の車輪224ごとに、モータ222が接続されている。車輪224は、モータ222の駆動によって回転される。
ユーザが移動操作部220上に乗り、例えば体重移動をすることによって、車輪224に接続されたモータ222の回転数及び回転方向が制御される。具体的には、ユーザ(搭乗者)が体重移動をすると、動作制御部210は、移動操作部220の傾斜角度及び傾斜方向を検知する。そして、動作制御部210は、その傾斜角度及び傾斜方向に応じて、モータ222の回転数及び回転方向を制御する。
例えば、搭乗者が前方に体重移動をすると、動作制御部210は、移動操作部220の前方への傾斜及びその傾斜角度を検知する。動作制御部210は、前方へ傾斜している場合は、モータ222を正方向に回転させるように制御する。これによって、移動体200は、前方へ進行する。また、動作制御部210は、移動操作部220の傾斜角度に応じて、モータ222の回転数を制御する。これによって、搭乗者は、移動体200の移動速度を調整できる。
また、例えば、搭乗者が右に体重移動をすると、動作制御部210は、移動操作部220の右方向への傾斜及びその傾斜角度を検知する。動作制御部210は、右方向へ傾斜している場合は、右側の車輪224に接続されたモータ222が逆回転し、左側の車輪224に接続されたモータ222が正回転するように制御する。これによって、移動体200は、右旋回するように構成されている。
音声出力部204は、例えばスピーカ等であって、動作制御部210の制御によって、音声を出力する。具体的には、音声出力部204は、周囲に移動体200の存在を知らせるための警報音(クラクション)、及び、走行音を出力する。ここで、走行音とは、例えば一般的な自動車のエンジン音等を疑似的に出力させたものであって、周囲の人は、走行音を聞くことによって、移動体200の存在を認識することができる。
発光部206は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の電飾(イルミネーション)であって、例えば移動体200に3箇所設けられている。動作制御部210は、どの発光部206を発光させるか、又は、どの色に発光させるかを制御してもよい。
後述するように、音声出力部204及び発光部206は、入力装置10又は携帯端末100からの信号に応じて、その動作を制御される。言い換えれば、通信制御部300は、入力装置10又は携帯端末100からの信号に応じて、動作制御部210に対して、音声出力部204及び発光部206の動作を制御させる。
無線通信部202は、アンテナ202aを介して、入力装置10又は携帯端末100から無線信号を受信し、アナログ/デジタル変換等の必要な処理を施して、通信制御部300に対して出力する。また、無線通信部202は、通信制御部300からの信号を受け付け、デジタル/アナログ変換等の必要な処理を施して、アンテナ202aを介して、携帯端末100に対して信号を送信する。
記憶部230は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)であって、通信制御部300が入力装置10又は携帯端末100と通信を行う際に必要な情報を記憶する。
鍵登録装置2は、例えばPC(Personal Computer)等のコンピュータである。鍵登録装置2は、携帯端末100に、移動体200の使用権限を示す鍵情報を登録するための装置である。具体的な処理は、後述する。
入力装置10は、移動体200に無線信号を送信することによって、移動体200に関する予め定められた操作を行う。また、図3に示すように、入力装置10は、電源・降車ボタン12、アシストボタン14、クラクションボタン16及び走行音・発光ボタン18を有する。また、入力装置10は、鍵情報を記憶している。ユーザによって、電源・降車ボタン12、アシストボタン14、クラクションボタン16及び走行音・発光ボタン18(総称して操作ボタンという)が押下されると、入力装置10は、その操作を示す信号(操作信号)と、鍵情報とを、移動体200に対して送信する。
ユーザが電源・降車ボタン12を押下(例えば長押し)すると、入力装置10は、移動体200の電源をオンさせるための操作信号(電源オン信号)を、移動体200に対して送信する。移動体200の電源がオフしている状態(動作制御部210の電源がオフしている状態)で入力装置10から電源オン信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、移動体200の電源をオン(動作制御部210の電源をオン)する。
また、移動体200の電源がオンしている状態で、ユーザが電源・降車ボタン12を押下(例えば短押し)すると、入力装置10は、ユーザが移動体200から降車したことを示す操作信号である降車信号を、移動体200に対して送信する。入力装置10から降車信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、動作制御部210に対し、ユーザが降車した状態であるときに必要な制御をさせる。
また、例えばユーザが降車した状態で、電源・降車ボタン12を押下(例えば2回連続押し)すると、入力装置10は、移動体200の電源をオフさせるための操作信号(電源オフ信号)を、移動体200に対して送信する。移動体200の電源がオンしている状態(動作制御部210の電源がオンしている状態)で入力装置10から電源オフ信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、移動体200の電源をオフ(動作制御部210の電源をオフ)する。
ユーザがアシストボタン14を押下すると、入力装置10は、アシスト信号を移動体200に対して送信する。入力装置10からアシスト信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、動作制御部210に対し、アシスト状態であるときに必要な制御をさせる。アシスト状態とは、ユーザが移動体200に乗車せずに、移動体200を引っ張る等して移動させるときに、ユーザの負担を軽減させるために、モータ222を回転させることをいう。
ユーザがクラクションボタン16を押下すると、入力装置10は、警報音を出力させるための操作信号であるクラクション信号を移動体200に対して送信する。入力装置10からクラクション信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、動作制御部210に対し、音声出力部204が警報音を出力するように、制御させる。
ユーザが走行音・発光ボタン18を押下(長押し)すると、入力装置10は、走行音を出力させるための操作信号である走行音信号を移動体200に対して送信する。入力装置10から走行音信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、動作制御部210に対し、音声出力部204が走行音を出力するように、制御させる。
また、ユーザが走行音・発光ボタン18を押下(短押し)すると、入力装置10は、発光させるための操作信号である発光信号を移動体200に対して送信する。入力装置10から発光信号を受信すると、移動体200の通信制御部300は、鍵情報を用いて認証を行った上で、動作制御部210に対し、発光部206が発光するように、制御させる。
上記のように、1つのボタンで複数の機能を兼用することによって、ボタンの数の増加を抑制でき、入力装置10のサイズをコンパクトにすることができる。
携帯端末100は、例えば汎用の携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)又はタブレット端末等の、ユーザが持ち運び可能な端末である。携帯端末100は、移動体200と無線通信を行う。例えば、携帯端末100は、移動体200と、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の、近距離無線通信方式で、無線通信を行ってもよい。ここで、実施の形態1にかかる近距離無線通信方式は、移動体200が1つの携帯端末100とのみ無線接続可能となるような方式であってもよい。つまり、移動体200が携帯端末A100Aと無線接続している場合、携帯端末B100Bは、移動体200と無線接続できない。
また、携帯端末100は、移動体200の操作用のアプリケーションソフトウェア(以下単に「アプリケーション」と称する)を用いて、移動体200を操作することができる。具体的には、携帯端末100は、アプリケーションを用いて無線信号を送信することによって、移動体200に予め定められた動作をさせ、さらに、移動体200から無線信号を受信して、移動体200に関する情報を表示させる。
図4に示すように、携帯端末100は、無線通信部102、表示部104、入力キー106、記憶部108及び制御部120を有する。無線通信部102は、制御部120からの信号を受け付け、デジタル/アナログ変換等の必要な処理を施して、アンテナ102aを介して、移動体200に対して信号を送信する。また、無線通信部102は、アンテナ102aを介して、移動体200から無線信号を受信し、アナログ/デジタル変換等の必要な処理を施して、制御部120に対して出力する。
表示部104は、制御部120によって処理された情報を表示する。表示部104は、例えば、GUI(Graphical User Interface)で構成されている。さらに、表示部104は、例えば、表示デバイスと入力デバイスとが一体となったタッチスクリーンとして構成されている。つまり、携帯端末100は、表示部104の表面に、使用者が指などの操作体を接触させることによって操作することができるように、構成されている。
入力キー106は、携帯端末100の側面等に設けられている。入力キー106は、例えば、電源ボタンと、音量増減ボタンとから構成される。
記憶部108は、例えばROM又はRAMである。記憶部108は、制御部120の処理に必要な情報と、制御部120の制御によって各種の機能を実行するアプリケーションとを記憶する。
制御部120は、例えば中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、主記憶装置及び入出力ポート等を含んでもよく、記憶部108に記憶されたアプリケーション(プログラム)を用いて、各種処理を実行する。さらに、制御部120は、入力キー106又は表示部104に設けられた入力デバイスに対する使用者の操作に応じて、無線通信部102、表示部104及び記憶部108の動作を制御する。
特に、制御部120は、移動体200の操作用のアプリケーションを用いて、以下の構成要素を実現する。つまり、制御部120は、接続処理部122と、鍵情報格納部124と、端末情報格納部126と、ボタン表示制御部128と、操作受付部130と、操作信号送信部132と、閲覧情報受信部134と、閲覧表示制御部136とから構成される構成要素を有する。
接続処理部122は、移動体200と例えばブルートゥース等の近距離無線通信方式で無線接続を行うために必要な処理を行う。具体的には、例えば、接続処理部122は、移動体200からの、無線接続用の公開電波を受信し、受信した公開電波を用いて、無線接続のための処理(ペアリング処理;初期接続処理)を行う。接続処理部122は、移動体200から公開電波が発信されていない場合は、移動体200に対し、無線接続を要求するための接続要求信号を送信してもよい。この接続要求信号は、自身の携帯端末100の端末情報と、後述する鍵情報とを含む。
また、移動体200が、後述する携帯端末鍵登録モードである場合には、接続処理部122は、移動体200から、移動体200の使用権限を示す鍵情報を受信する。鍵情報格納部124は、鍵情報を格納する。端末情報格納部126は、携帯端末100を識別するための端末情報を格納する。この端末情報は、例えば、ICCID(Integrated Circuit Card identifier)であってもよい。なお、鍵情報及び端末情報は、後述するように、携帯端末100と移動体200とを無線接続する際に用いられる。
ボタン表示制御部128は、移動体200を操作するための操作ボタンを、表示部104に表示させるための制御を行う。図5は、表示部104に表示された操作ボタンを例示する図である。図5に例示するように、ボタン表示制御部128は、例えば、電源オンボタン152、電源オフボタン154、降車ボタン156、アシストボタン158、クラクションボタン160、走行音ボタン162、発光ボタン164及び閲覧情報要求ボタン166を、表示部104に表示させる。
操作受付部130は、ユーザが操作体を表示部104に接触させると、その接触位置が、表示部104に表示された操作ボタンのどの位置に対応するかを判断する。さらに、操作受付部130は、対応する操作ボタンに応じた操作信号を生成する。操作信号送信部132は、携帯端末100と移動体200とが例えばブルートゥース方式等で無線接続されている場合に、生成された操作信号を、移動体200に対して送信する。また、操作信号送信部132は、操作信号を送信する際に、鍵情報及び端末情報を、操作信号に付加して送信してもよい。なお、操作信号送信部132は、操作信号が電源オン信号である場合は、携帯端末100と移動体200とが無線接続されていなくても、その電源オン信号である操作信号を、移動体200に対して送信してもよい。
例えば、ユーザが電源オンボタン152に操作体を接触させると、操作受付部130は、電源オン信号を生成し、操作信号送信部132は、電源オン信号を移動体200に対して送信する。また、ユーザが電源オフボタン154に操作体を接触させると、操作受付部130は、電源オフ信号を生成し、操作信号送信部132は、電源オフ信号を移動体200に対して送信する。
また、ユーザが降車ボタン156に操作体を接触させると、操作受付部130は、降車信号を生成し、操作信号送信部132は、降車信号を移動体200に対して送信する。また、ユーザがアシストボタン158に操作体を接触させると、操作受付部130は、アシスト信号を生成し、操作信号送信部132は、アシスト信号を移動体200に対して送信する。また、ユーザがクラクションボタン160に操作体を接触させると、操作受付部130は、クラクション信号を生成し、操作信号送信部132は、クラクション信号を移動体200に対して送信する。
また、ユーザが走行音ボタン162に操作体を接触させると、操作受付部130は、走行音信号を生成し、操作信号送信部132は、走行音信号を移動体200に対して送信する。また、ユーザが発光ボタン164に操作体を接触させると、操作受付部130は、発光信号を生成し、操作信号送信部132は、発光信号を移動体200に対して送信する。また、ユーザが閲覧情報要求ボタン166に操作体を接触させると、操作受付部130は、閲覧情報を要求する旨を示す閲覧情報要求信号を生成し、操作信号送信部132は、閲覧情報要求信号を移動体200に対して送信する。なお、閲覧情報については、以下で説明する。
閲覧情報受信部134は、移動体200から、各種閲覧情報(ログ情報等)を受信する。閲覧情報とは、移動体200の情報をユーザに閲覧させるための情報であって、例えば、移動体200の走行距離及び走行時刻等を示す走行ログ情報の他、現在の走行速度及び充電容量を示す情報も含む。閲覧情報表示制御部136は、表示部104に対し、閲覧情報を表示させるように制御する。
上述したように、実施の形態1にかかる移動体制御システム1においては、移動体200が入力装置10又は携帯端末100と無線通信を行うことによって、移動体200が予め定められた動作を行い、さらに、携帯端末100に、閲覧情報を表示させる。これによって、移動体200には、搭乗者が乗るための移動操作部220以外に、操作ボタン及び表示パネル等を設ける必要はない。したがって、移動体200に操作ボタン及び閲覧情報を表示させるための表示パネル等のための配線を施す必要がなくなり、移動体200の寸法を小さくすることができる。
また、移動体200に電源ボタンを設ける必要がないので、使用権限のない第三者が電源ボタンを操作して、移動体200を操作することを防止することができる。また、ユーザは、ワイヤレスキーのような入力装置10がなくても、(ユーザが普段持ち歩いている)携帯端末100を用いて移動体200の動作を制御することができるので、入力装置10を持ち歩く必要がない。
以下、移動体200の通信制御部300の構成及び処理について説明する。図6〜図9は、通信制御部300の構成を示す図である。また、図10は、移動体200の通信状態の遷移を例示する状態遷移図である。また、図11〜図13は、移動体制御システム1の全体的な処理を示すシーケンス図である。なお、図10において、状態群Aは、移動体200から公開電波が発信された状態であり、状態群Bは、移動体200から公開電波が発信されていない状態である。
図6に示すように、通信制御部300は、鍵情報格納部302、接続済端末情報格納部304、初期化処理部310、携帯端末鍵登録モード処理部320、入力装置起動モード処理部340、及び携帯端末起動モード処理部360から構成される。
通信制御部300が実現する各構成要素は、例えば、コンピュータである通信制御部300が備える演算装置(図示せず)の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、通信制御部300は、記憶部230に格納されたプログラムを主記憶装置(図示せず)にロードし、演算装置の制御によってプログラムを実行して実現する。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
鍵情報格納部302は、移動体200の使用権限を示す鍵情報を格納する。接続済端末情報格納部304は、後述するように、移動体200と無線接続した携帯端末100の端末情報を格納する。
初期化処理部310は、図10の初期モード(M100)における処理を行う。具体的には、移動体200が鍵登録装置2から鍵登録要求を受信した場合には、初期化処理部310は、携帯端末鍵登録モード処理部320に処理をするように指示する。これにより、移動体200の通信状態は、携帯端末鍵登録モード(M110)に遷移する。
また、移動体200が入力装置10から電源オン信号を受信した場合には、初期化処理部310は、入力装置起動モード処理部340に処理をするように指示する。これにより、移動体200の通信状態は、入力装置起動モード(M120〜M124)に遷移する。
また、移動体200が携帯端末100からオン信号を受信した場合には、初期化処理部310は、携帯端末起動モード処理部360に処理をするように指示する。これにより、移動体200の通信状態は、携帯端末起動モード(M140〜M148)に遷移する。
まず、携帯端末鍵登録モード(M110)について説明する。図7は、携帯端末鍵登録モード処理部320の構成を示す図である。また、図11は、携帯端末鍵登録モードにおけるシーケンス図である。図7に示すように、携帯端末鍵登録モード処理部320は、鍵登録要求受付部322、公開電波送信部324、端末接続処理部326及び鍵情報送信部328から構成される。
鍵登録要求受付部322は、鍵登録装置2から受信した鍵登録要求を、初期化処理部310から受け付け(S102)、受け付けた鍵登録要求を、公開電波送信部324に対して出力する。公開電波送信部324は、鍵登録要求を受け付けると、携帯端末100に対して公開電波を出力する(S104)。
移動体200は、携帯端末A100Aとペアリング処理を行う(S106)。具体的には、携帯端末A100Aが公開電波を受信できる状態にある場合、携帯端末A100Aの接続処理部122が無線通信部102を介して公開電波を受信する。このとき、携帯端末A100Aの接続処理部122と移動体200の端末接続処理部326とが、例えばSSP(Simple Secure Pairing:シンプルセキュアペアリング)方式を用いることによって、携帯端末A100Aが移動体200とペアリング処理を行い、これによって、携帯端末A100Aは移動体200と無線接続される。
このとき、携帯端末A100Aの接続処理部122は、自身の端末情報格納部126に格納された端末情報を、移動体200の端末接続処理部326に対して送信してもよい。このとき、端末接続処理部326は、受信した携帯端末A100Aの端末情報を、接続済端末情報格納部304に出力してもよい。これによって、携帯端末A100Aの端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納される。また、移動体200の端末接続処理部326は、1つの携帯端末100(例えば携帯端末A100A)と無線接続している場合に、他の携帯端末100(例えば携帯端末B100B)と無線接続しないように処理してもよい(以降で説明する端末接続処理部346,端末接続処理部362についても同様)。
次に、鍵情報送信部328は、鍵情報を、携帯端末A100Aに対して送信する(S108)。具体的には、端末接続処理部326は、無線接続処理が終了すると、その旨を示す信号を鍵情報送信部328に対して出力する。鍵情報送信部328は、その信号を受け付けると、鍵情報格納部302から鍵情報を取得して、携帯端末A100Aに対して送信する。そして、携帯端末A100Aの鍵情報格納部124は、移動体200の鍵情報を格納する(S110)。
なお、携帯端末鍵登録モード(M110)が終了すると、移動体200の通信状態は、携帯端末起動モード(M140〜M148)に遷移してもよい。また、状態群Bにおいて、移動体200が鍵登録装置2から鍵登録要求を受信した場合に、携帯端末鍵登録モード(M110)に遷移するようにしてもよい。
次に、入力装置起動モード(M120〜M124)について説明する。図8は、入力装置起動モード処理部340の構成を示す図である。また、図12は、入力装置起動モードにおけるシーケンス図である。図8に示すように、入力装置起動モード処理部340は、入力装置認証部342、公開電波送信部344、端末接続処理部346、操作信号判断部348、操作制限判断部350、閲覧情報送信部352及び閲覧情報格納部354から構成される。
移動体200は、入力装置10から、電源オン信号を受信する(S202)。移動体200が入力装置10から電源オン信号を受信すると、移動体200は、認証処理を行った後、動作制御部210の電源をオンする(S204)。具体的には、入力装置認証部342は、電源オン信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合して、両者が一致する場合には、入力装置10の認証がなされる。このとき、入力装置認証部342は、電源オン信号を動作制御部210に対して出力する。これによって、動作制御部210の電源がオンされる。なお、認証が失敗した場合には、入力装置認証部342は、電源オン信号を動作制御部210に対して出力しなくてもよい。
移動体200は、公開電波を送信する(S204)。具体的には、入力装置認証部342は、認証処理が終了すると、その旨を示す信号を、公開電波送信部344に対して出力する。公開電波送信部344は、その信号を受け付けると、携帯端末100に対して公開電波を出力する。これにより、移動体200の通信状態は、接続待ち受け(公開電波出力)モード(M120)に遷移する。
移動体200は、携帯端末A100Aとペアリング処理を行う(S208)。具体的には、携帯端末A100Aが公開電波を受信できる状態にある場合、S106の処理と同様に、携帯端末A100Aの接続処理部122が無線通信部102を介して公開電波を受信する。このとき、携帯端末A100Aの接続処理部122と移動体200の端末接続処理部326とが、例えばSSP(Simple Secure Pairing:セキュアシンプルペアリング)方式を用いることによって、携帯端末A100Aが移動体200とペアリング処理を行い、これによって、携帯端末A100Aは移動体200と無線接続される。
このとき、携帯端末A100Aの接続処理部122は、自身の端末情報格納部126に格納された端末情報を、移動体200の端末接続処理部326に対して送信してもよい。このとき、端末接続処理部346は、受信した携帯端末A100Aの端末情報を、接続済端末情報格納部304に出力してもよい。これによって、携帯端末A100Aの端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納される。
移動体200は、入力装置10から操作信号を受信する(S210)。具体的には、入力装置認証部342は、無線通信部202を介して入力装置10から操作信号を受信する。入力装置認証部342は、操作信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合して、両者が一致する場合には、入力装置10の認証がなされたものとして、その操作信号を操作信号判断部348に対して出力する。なお、認証が失敗した場合には、入力装置認証部342は、操作信号を操作信号判断部348に対して出力しなくてもよい。
移動体200は、携帯端末A100Aから操作信号を受信する(S212)。具体的には、端末接続処理部346は、携帯端末A100Aから操作信号を受信して、その操作信号を操作信号判断部348に対して出力する。なお、端末接続処理部346は、操作信号に含まれる端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納されている場合に、操作信号を操作信号判断部348に対して出力してもよい。
移動体200は、操作信号を用いて動作を制御する(S220)。具体的には、まず、操作信号判断部348が、入力装置10からの操作信号と、携帯端末A100Aからの操作信号とを、同じタイミングで受け付けた場合は、操作信号判断部348は、入力装置10からの操作信号について処理し、携帯端末A100Aからの操作信号は破棄してもよい。つまり、操作信号判断部348は、入力装置10からの操作信号及び携帯端末100からの操作信号のうち、入力装置10からの操作信号を優先させるようにしてもよい。一方、操作信号判断部348が、入力装置10からの操作信号と、携帯端末A100Aからの操作信号とを、別のタイミングで受け付けた場合は、操作信号判断部348は、入力装置10からの操作信号、及び、携帯端末A100Aからの操作信号について、それぞれ処理する。
また、操作信号判断部348は、入力装置10からの操作信号を処理する場合、その操作信号を、動作制御部210に対して出力する。これによって、動作制御部210は、操作信号に応じた制御を行う。例えば、操作信号が「クラクション信号」である場合、動作制御部210は、音声出力部204に対し、警報音を出力するように制御する。
一方、操作信号判断部348は、携帯端末A100Aからの操作信号を処理する場合、その操作信号に含まれる鍵情報を、操作制限判断部350に対して出力する。操作制限判断部350は、その鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された鍵情報と照合して、両者が一致する場合には、その旨を示す鍵有信号を、操作信号判断部348に対して出力する。ここで、携帯端末A100Aは、上述した処理によって、移動体200に対応する鍵情報を取得している。したがって、携帯端末A100Aからの操作信号は、移動体200に対応する鍵情報を含む。よって、操作制限判断部350は、携帯端末A100Aからの操作信号について、鍵有信号を操作信号判断部348に対して出力する。
操作信号判断部348は、鍵有信号を受け付けた場合には、その操作信号を、動作制御部210に対して出力する。これによって、動作制御部210は、操作信号に応じた制御を行う。これによって、移動体200の通信状態は、全機能可能モード(M122)に遷移する。なお、携帯端末100からの操作信号に含まれる鍵情報と、鍵情報格納部302に格納された鍵情報とが一致しない場合については、後述する。
また、操作信号判断部348は、閲覧情報要求信号である操作信号を受け付けた場合、その閲覧情報要求を、閲覧情報送信部352に対して出力する。閲覧情報送信部352は、閲覧情報要求を受け付けると、閲覧情報を、携帯端末A100Aに対して送信する。具体的には、閲覧情報格納部354は、動作制御部210から、閲覧情報を抽出して格納している。閲覧情報送信部352は、閲覧情報格納部354から閲覧情報を取得して、携帯端末A100Aに対して送信する。なお、閲覧情報送信部352は、携帯端末A100Aから閲覧情報要求が送信されなかった場合であっても、定期的に(例えば5分おきに)、携帯端末A100Aに対して閲覧情報を送信してもよい(以下に説明する閲覧情報送信部370においても同様)。
次に、何らかの通信障害等によって、移動体200と携帯端末A100Aとの無線接続が切断される(S230)。これによって、移動体200の通信状態は、接続待ち受け(公開電波出力)モード(M120)に戻る。このとき、移動体200は、再度、公開電波を送信する(S232)。具体的には、移動体200と携帯端末A100Aとの無線接続が切断されると、公開電波送信部344は、携帯端末100に対して公開電波を出力する。
移動体200は、携帯端末B100Bとペアリング処理を行う(S234)。具体的には、携帯端末B100Bが公開電波を受信できる状態にある場合、S208の処理と同様に、携帯端末B100Bの接続処理部122が無線通信部102を介して公開電波を受信する。このとき、携帯端末B100Bの接続処理部122と移動体200の端末接続処理部326とが、例えばSSP方式を用いることによって、携帯端末B100Bが移動体200とペアリング処理を行い、これによって、携帯端末B100Bは移動体200と無線接続される。このとき、携帯端末B100Bの接続処理部122は、自身の端末情報格納部126に格納された端末情報を、移動体200の端末接続処理部326に対して送信してもよい。このとき、端末接続処理部346は、受信した携帯端末B100Bの端末情報を、接続済端末情報格納部304に出力してもよい。これによって、携帯端末B100Bの端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納される。
移動体200は、携帯端末B100Bから操作信号を受信する(S236)。具体的には、端末接続処理部346は、携帯端末B100Bから操作信号を受信して、その操作信号を操作信号判断部348に対して出力する。なお、端末接続処理部346は、操作信号に含まれる端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納されている場合に、操作信号を操作信号判断部348に対して出力してもよい。
移動体200は、操作信号を用いて動作を制御する(S240)。具体的には、操作信号判断部348は、携帯端末B100Bからの操作信号を処理する場合、その操作信号に含まれる鍵情報を、操作制限判断部350に対して出力する。操作制限判断部350は、その鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された鍵情報と照合する。ここで、携帯端末B100Bは、移動体200に対応する鍵情報を取得していない。したがって、携帯端末B100Bからの操作信号は、移動体200に対応する鍵情報を含まない。
よって、操作制限判断部350は、携帯端末B100Bからの操作信号に含まれる鍵情報と、鍵情報格納部302に格納された鍵情報とが一致しないと判断する。このとき、その旨を示す鍵無信号を、操作信号判断部348に対して出力する。操作信号判断部348は、鍵無信号を受け付けた場合には、その操作信号を、動作制御部210に対して出力しない。したがって、動作制御部210は、移動体200の動作を制御しない。このとき、移動体200の通信状態は、閲覧のみ可能モード(M124)に遷移する。
移動体200は、閲覧情報を、携帯端末B100Bに対して送信する(S242)。具体的には、操作信号判断部348は、閲覧情報要求信号である操作信号を受け付けた場合、その閲覧情報要求を、閲覧情報送信部352に対して出力する。このように、携帯端末B100Bは、移動体200の動作を制御することはできないが、移動体200の閲覧情報の閲覧を行うことはできる。
次に、入力装置10は、電源オフ信号を、移動体200に対して送信する(S250)。移動体200は、電源オフ信号を受信すると、電源をオフする(S252)。具体的には、入力装置認証部342が上記の処理を行ったあと、操作信号判断部348は、電源オフ信号を動作制御部210に対して出力し、動作制御部210の電源をオフする。
動作制御部210の電源がオフすると、端末接続処理部346は、そのときに接続していた携帯端末100(携帯端末B100B)との接続を切断する(S252)。つまり、入力装置10を所持しているユーザが、携帯端末B100Bとの接続を切断したい場合は、入力装置10に電源オフ信号を発信させるようにすればよい。
次に、携帯端末起動モード(M140〜M148)について説明する。図9は、携帯端末起動モード処理部360の構成を示す図である。また、図13は、携帯端末起動モードにおけるシーケンス図である。図9に示すように、携帯端末起動モード処理部360は、端末接続処理部362、携帯端末認証部364、起動端末情報記憶部366、操作信号判断部368、閲覧情報送信部370、閲覧情報格納部374及び起動端末判定部380から構成される。
まず、移動体200は、接続待ち受けモード(M140)にある(S300)。具体的には、移動体200は、以前に無線接続したことがある携帯端末100とは、公開電波を発信することなく、無線接続可能である。つまり、この状態では、移動体200は、公開電波を発信していない。
この状態で、移動体200は、携帯端末A100Aと無線接続及び認証処理を行う(S302)。具体的には、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aから、接続要求信号を受け付ける。ここで、移動体200は、携帯端末A100Aとは、以前にペアリング処理をし、無線接続をしたことがあるので(S106の処理)、接続済端末情報格納部304に、携帯端末A100Aの端末情報が格納されている。つまり、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aから接続要求信号を受信すると、接続要求信号に含まれる携帯端末A100Aの端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納されていることを確認する。
さらに、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aの端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納されていることを確認後、接続要求信号を携帯端末認証部364に対して出力する。これによって、移動体200の通信状態は、認証モード(M142)に遷移する。
携帯端末認証部364は、接続要求信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合して、両者が一致する場合には、携帯端末A100Aの認証がなされる。なお、携帯端末認証部364は、ICCID及び初期化ベクトルを使用して認証処理を行ってもよい。これによって、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aと無線接続可能とするために必要な処理を行い、移動体100は、携帯端末A100Aと無線接続される。この際、移動体200は、公開電波を送信しない。一方、認証が失敗した場合には、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aと無線接続可能とするために必要な処理を行わない。
移動体200は、携帯端末A100Aから、電源オン信号を受信する(S304)。つまり、携帯端末A100Aの所有者であるユーザが、携帯端末A100Aの表示部104に表示された電源オンボタン152に操作体を接触させる。これによって、携帯端末A100Aの操作受付部130は電源オン信号を生成する。さらに、携帯端末A100Aの操作信号送信部132は、電源オン信号を、移動体200に対して送信する。
移動体200が携帯端末A100Aから電源オン信号を受信すると、移動体200は、認証処理を行った後、動作制御部210の電源をオンし、電源オン信号を送信した(つまり移動体200を起動した)携帯端末A100Aの端末情報を記憶する(S306)。具体的には、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aから電源オン信号を受信した後、その電源オン信号を、携帯端末認証部364に対して出力する。これによって、移動体200の通信状態は、認証モード(M142)に遷移する。
携帯端末認証部364は、電源オン信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合して、両者が一致する場合には、携帯端末A100Aの認証がなされる。このとき、携帯端末認証部364は、電源オン信号を動作制御部210に対して出力する。これによって、動作制御部210の電源がオンされる。なお、認証が失敗した場合には、携帯端末認証部364は、電源オン信号を動作制御部210に対して出力しなくてもよい。
さらに、携帯端末認証部364における認証が成功すると、移動体200の通信状態は、起動端末記憶モード(M144)に遷移する。携帯端末認証部364は、電源オン信号を送信した携帯端末100(携帯端末A100A)の端末情報を、起動端末情報として、起動端末情報記憶部366に記憶する。なお、無線通信方式がブルートゥースの場合、起動端末情報は、BD_ADDR(Bluetooth(登録商標) Device Address)であってもよい。これによって、移動体200の通信状態は、接続モード(M146)に遷移し、操作信号を受信することができるようになる。
移動体200は、携帯端末A100Aから操作信号を受信する(S310)。具体的には、端末接続処理部346は、携帯端末A100Aから操作信号を受信して、その操作信号を操作信号判断部368に対して出力する。なお、端末接続処理部346は、操作信号を携帯端末認証部364に出力し、携帯端末認証部364は、操作信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合してもよく、両者が一致する場合に、端末接続処理部346は、操作信号を操作信号判断部368に対して出力してもよい。
次に、移動体200は、操作信号を用いて動作を制御する(S312)。具体的には、操作信号判断部348は、端末接続処理部346から受け付けた操作信号を、動作制御部210に対して出力する。これによって、動作制御部210は、操作信号に応じた制御を行う。例えば、操作信号が「クラクション信号」である場合、動作制御部210は、音声出力部204に対し、警報音を出力するように制御する。
一方、操作信号判断部368は、閲覧情報要求信号である操作信号を受け付けた場合、その閲覧情報要求を、閲覧情報送信部370に対して出力する。閲覧情報送信部370は、閲覧情報送信部352と同様に、閲覧情報要求を受け付けると、閲覧情報を、携帯端末A100Aに対して送信する。具体的には、閲覧情報格納部372は、動作制御部210から、閲覧情報を抽出して格納している。閲覧情報送信部370は、閲覧情報格納部372から閲覧情報を取得して、携帯端末A100Aに対して送信する。
次に、何らかの通信障害等によって、移動体200と携帯端末A100Aとの無線接続が切断される(S320)。これによって、移動体200の通信状態は、接続待ち受け(公開電波停止)モード(M140)に戻る。
この状態で、携帯端末B100Bは、移動体200に対して、接続要求信号を送信する(S322)。このとき、端末接続処理部362は、接続要求信号を受信すると、接続要求信号に含まれる端末情報が、接続済端末情報格納部304に格納されているか否かを判断する。携帯端末B100Bが以前に移動体200と無線接続を行ったことがある場合、端末接続処理部362は、携帯端末B100Bの端末情報が接続済端末情報格納部304に格納されていると判断する。
移動体200は、以下に説明するように、携帯端末B100Bとの無線接続を拒否する(S324)。具体的には、端末接続処理部362は、携帯端末B100Bの端末情報が接続済端末情報格納部304に格納されていると判断した場合、接続要求信号を、携帯端末認証部364に対して出力する。これによって、移動体200の通信状態は、認証モード(M142)に遷移する。なお、携帯端末B100Bが以前に移動体200と無線接続を行ったことがない場合、端末接続処理部362は、携帯端末B100Bの端末情報が接続済端末情報格納部304に格納されていないと判断する。このとき、端末接続処理部362は、携帯端末B100Bとの接続処理を中止し、したがって、認証モード(M142)には遷移しない。
携帯端末認証部364は、接続要求信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合する。接続要求信号に含まれる鍵情報と自身の鍵情報とが一致せず、携帯端末B100Bの認証に失敗した場合、移動体200の通信状態は接続待ち受けモード(M140)に戻り、携帯端末認証部364は、以降の処理を中止してもよい。したがって、携帯端末B100Bとの接続はなされない。
一方、携帯端末認証部364は、接続要求信号に含まれる鍵情報と自身の鍵情報とが一致し、携帯端末B100Bの認証を行うと、接続要求信号を、起動端末判定部380に対して出力する。これによって、移動体200の通信状態は、起動端末判定モード(M148)に遷移する。起動端末判定部380は、接続要求信号に含まれる携帯端末B100Bの端末情報が、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報と一致するか否かを判定する。
ここで、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報は、携帯端末A100Aを示す。したがって、起動端末判定部380は、接続要求信号に含まれる携帯端末B100Bの端末情報が、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報と一致しないと判定する。つまり、起動端末判定部380は、接続要求信号を送信した携帯端末100が、電源オン信号を送信した携帯端末100とは異なると判定する。
このとき、起動端末判定部380は、端末接続処理部362に対し、接続要求信号を送信した携帯端末B100Bとの無線接続を確立しないように指示する。これによって、移動体200の通信状態は、接続待ち受けモード(M140)に遷移し、端末接続処理部362は、携帯端末B100Bとの無線接続を確立しない。
その後、携帯端末A100Aは、移動体200に対して、接続要求信号を送信する(S328)。このとき、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aから接続要求信号を受信すると、携帯端末A100Aの端末情報が接続済端末情報格納部304に格納されていることを確認する。
移動体200は、以下に説明するように、携帯端末A100Aとの無線接続を確立する(S330)。具体的には、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aの端末情報が接続済端末情報格納部304に格納されていると判断した場合、接続要求信号を、携帯端末認証部364に対して出力する。これによって、移動体200の通信状態は、認証モード(M142)に遷移する。
携帯端末認証部364は、接続要求信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合する。携帯端末認証部364は、接続要求信号に含まれる鍵情報と自身の鍵情報とが一致し、携帯端末A100Aの認証を行うと、接続要求信号を、起動端末判定部380に対して出力する。これによって、移動体200の通信状態は、起動端末判定モード(M148)に遷移する。
起動端末判定部380は、接続要求信号に含まれる携帯端末A100Aの端末情報が、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報と一致するか否かを判定する。ここで、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報は、携帯端末A100Aを示す。したがって、起動端末判定部380は、接続要求信号に含まれる携帯端末A100Aの端末情報が、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報と一致すると判定する。つまり、起動端末判定部380は、接続要求信号を送信した携帯端末100が、電源オン信号を送信した携帯端末100と同一であると判定する。
このとき、起動端末判定部380は、端末接続処理部362に対し、接続要求信号を送信した携帯端末A100Aとの無線接続を確立するように指示する。これによって、移動体200の通信状態は、接続モード(M146)に遷移し、端末接続処理部362は、S306の処理と同様に、携帯端末A100Aとの無線接続を確立する。
次に、携帯端末A100Aは、電源オフ信号を、移動体200に対して送信する(S340)。移動体200は、電源オフ信号を受信すると、電源をオフする(S342)。具体的には、端末接続処理部362は、携帯端末A100Aから受信した電源オフ信号を、操作信号判断部368に対して出力する。操作信号判断部368は、電源オフ信号を動作制御部210に対して出力し、動作制御部210の電源をオフする。
このとき、操作信号判断部368は、起動端末情報記憶部366に記憶された起動端末情報(携帯端末A100Aの端末情報)を消去する。これによって、次回、携帯端末B100Bは、電源オン信号を移動体200に送信することによって、移動体200の電源をオンすることができる。
また、動作制御部210の電源がオフすると、端末接続処理部362は、そのときに接続していた携帯端末100(携帯端末A100A)との接続を切断する(S344)。
なお、上述した処理においては、一旦、携帯端末A100Aによって移動体200(動作制御部210)の電源がオンされ、携帯端末A100Aとの接続が切断された後で、起動端末判定部380の処理が行われるとした。つまり、電源をオンするときには、起動端末判定部380の処理は行われないとした。しかしながら、起動端末判定部380は、電源オン信号を処理するときにおいても、処理するようにしてもよい。
つまり、携帯端末認証部364は、電源オン信号に含まれる鍵情報を、鍵情報格納部302に格納された自身の鍵情報と照合し、携帯端末A100Aの認証を行った後、起動端末判定部380は、電源オン信号に含まれる端末情報と、起動端末情報記憶部366に記憶された端末情報とを比較処理してもよい。この場合、移動体200(動作制御部210)の電源はオンしていないので、起動端末情報記憶部366には、端末情報は記憶されていない。起動端末判定部380は、起動端末情報記憶部366に端末情報が含まれていない場合に、端末接続処理部362に対し、電源オン信号を送信した携帯端末A100Aとの無線接続を確立するように指示してもよい。
図14は、実施の形態1にかかる入力装置起動モードにおける、移動体200と、入力装置10及び携帯端末100との関係を説明する図である。ここで、入力装置10は、移動体200の正規の鍵情報を含んでいる。また、携帯端末B100Bは、移動体200の正規の鍵情報を含んでいない。
状態#11においては、移動体200の電源はオフしている。この状態で、ユーザAが、入力装置10の電源・降車ボタン12を押下(例えば長押し)すると、入力装置10が電源オン信号を移動体200に対して送信することによって、移動体200の電源がオンする。
移動体200の電源がオンすると、ユーザAが移動体200を使用することができる(状態#12)。この状態で、ユーザAは、移動体200に搭乗しながら、入力装置10を用いて、移動体200の動作を制御することができる。また、状態#12では、移動体200は、公開電波を発信するので、任意の携帯端末100とペアリング処理を行うことが可能である。
また、携帯端末B100BがユーザAの所有物であると仮定する。携帯端末B100Bは、移動体200の正規の鍵情報を含んでいないので、ユーザAは、携帯端末B100Bを用いて移動体200の動作を制御することができないが、携帯端末B100Bを用いて、移動体200の閲覧情報(走行ログ情報等)を閲覧することができる。つまり、移動体200に表示パネル等がなくても、ユーザAは、閲覧情報を閲覧することができる。
一方、携帯端末B100BがユーザA以外のユーザ(例えばユーザB)の所有物であると仮定する。状態#12では、ユーザBは、携帯端末B100Bを用いて、移動体200の動作を制御することができないが、移動体200の閲覧情報(走行ログ情報等)を閲覧することができる。
ユーザAは、ユーザBに閲覧情報を閲覧させることを欲しない場合、入力装置10の電源・降車ボタン12を押下(例えば2回連続押し)すると、入力装置10が電源オフ信号を移動体200に対して送信することによって、移動体200の電源がオフする。これによって、ユーザAは、携帯端末B100Bと移動体200との接続を切断することができる(状態#13)。
再び、ユーザAが、入力装置10を用いて移動体200の電源をオンする。このとき、ユーザAは、再び、移動体200に搭乗しながら、入力装置10を用いて、移動体200の動作を制御することができるようになる(状態#14)。そして、ユーザAは、入力装置10を操作して、移動体200の電源をオフすることができる(状態#15)。
図15は、実施の形態1にかかる携帯端末起動モードにおける、移動体200と携帯端末100との関係を説明する図である。移動体200は、ユーザAとユーザBとに共有(シェア)されているとする(例えば、ユーザAとユーザBは家族であるとする)。そして、ユーザAの携帯端末A100A及びユーザBの携帯端末B100Bは、ともに、移動体200の正規の鍵情報を有しているとする。さらに、携帯端末A100A及び携帯端末B100Bは、ともに、移動体200と無線接続(ペアリング処理)をしたことがあるとする。
状態#21においては、移動体200の電源はオフしている。この状態で、ユーザAが、携帯端末A100Aを操作して電源オン信号を移動体200に対して送信させると、移動体200の電源がオンする。これに伴い、携帯端末A100Aは、移動体200と無線接続する(状態#22)。状態#22では、移動体200は、携帯端末A100Aと接続がなされているので、携帯端末A100Aと通信を行うことはできる。一方、移動体200は、携帯端末B100Bと接続がなされないので、携帯端末B100Bと通信を行うことはできない。
何らかの通信障害により、移動体200と携帯端末A100Aとの無線接続が切断される(状態#23)。状態#23では、移動体200は、公開電波を発信しない。また、状態#23では、ユーザBは、携帯端末B100Bを用いて、移動体200の動作を制御することはできない。携帯端末B100Bは、移動体200を起動した携帯端末100ではないため、移動体200と接続できないからである。一方、携帯端末A100Aは、再び、移動体200と無線接続することができる(状態#24)。このとき、ユーザAは、携帯端末A100Aを用いて、移動体200の電源をオフすることができる(状態#25)。なお、状態#25においては、ユーザBは、携帯端末B100Bを用いて、移動体200の電源をオンすることができる。
移動体200は、このように構成されているので、移動体200を使用しているユーザAの意図に反して、移動体200の動作が制御されることを防止できる。さらに、携帯端末B100Bが正規の鍵情報を有している場合であっても、ユーザAが移動体200を使用しているときには、移動体200の電源がオフになるまで、携帯端末B100Bを用いて移動体200の動作が制御されることを防止できる。
[比較例]
次に、上述した実施の形態1との比較例について説明する。図16は、比較例にかかる移動体400と、携帯端末100との関係を説明する図である。ここで、ユーザAの携帯端末A100Aは、移動体400の正規の鍵情報を有しているとする。また、携帯端末B100Bは、ユーザBの所有物であるとする。さらに、移動体400は、どの携帯端末100とも無線接続していない状態では任意の携帯端末100と無線接続できる点で、実施の形態1にかかる移動体200と異なる。
状態#31においては、移動体400の電源はオフしている。この状態で、ユーザAが、携帯端末A100Aを操作して電源オン信号を移動体400に対して送信させると、移動体400の電源がオンする。これによって、携帯端末A100Aは、移動体400と無線接続する(状態#32)。状態#32では、移動体400は、携帯端末A100Aと接続がなされているので、携帯端末A100Aと通信を行うことはできる。一方、移動体400は、携帯端末B100Bと接続がなされないので、携帯端末B100Bと通信を行うことはできない。
何らかの通信障害により、移動体400と携帯端末A100Aとの無線接続が切断される(状態#33)。状態#23では、移動体400は、公開電波を発信する。このとき、ユーザBが携帯端末B100Bを操作し、携帯端末B100Bが公開電波を受信して移動体400と接続処理を実行することができる。これによって、携帯端末B100Bは、移動体400と無線接続することができる。
ここで、移動体400と携帯端末B100Bとが無線接続を確立させてしまうと、携帯端末A100Aは、移動体400と無線接続することができない。したがって、本来、移動体400を使用していたユーザAは、携帯端末A100Aを用いて、移動体400の動作を制御することができなくなってしまう。
つまり、移動体400と携帯端末100との無線通信が、1対1のみの通信方式(移動体400が1つの携帯端末100のみと通信を行うような方式)であるケースを考える。このようなケースにおいて、ユーザAが携帯端末A100Aを操作して移動体400を使用している場合に、ユーザAの携帯端末A100Aと移動体400との無線通信が切断されると、ユーザBの携帯端末B100Bがその移動体400と無線接続できてしまう。このとき、当初、この移動体400を使用していたユーザAの携帯端末A100Aが、この移動体400と無線通信することができなくなってしまう。
一方、上述したように、実施の形態1にかかる移動体200においては、携帯端末A100Aと無線接続した後、公開電波を送信せず、したがって、携帯端末B100Bとの接続を拒否する。よって、実施の形態1にかかる移動体200は、移動体200を操作しているユーザの携帯端末100(携帯端末A100A)以外の携帯端末(携帯端末B100B)との接続を拒否することが可能である。また、上述したように、実施の形態1にかかる移動体200においては、移動体200を起動させた携帯端末100(携帯端末A100A)以外の携帯端末100(携帯端末B100B)との接続を拒否する。よって、実施の形態1にかかる移動体200は、移動体200を起動した携帯端末100(携帯端末A100A)との接続が切断された場合であっても、他の携帯端末100(携帯端末B100B)が接続することを防止できる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、以下のように、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態1においては、携帯端末100の数は、2つとしたが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、携帯端末100を操作する操作体は、ユーザの指であるとしたが、指に限られない。例えば、タッチペン又はスタイラス等であってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、入力装置10はワイヤレスキーであるとしたが、正規のユーザであると認証するための装置としては、ワイヤレスキーに限られない。例えば、何らかの赤外線(正規のユーザであると認証できるための情報を含む)を発信する装置であってもよい。また、移動体200に、例えば指紋認証等の生体認証システム()を設け、ユーザが例えば指紋読み取り装置に指紋を読み取らせるようにしてもよい。
また、実施の形態1における移動体200の例としては、前述のような2輪型のものに限られず、前2輪、後2輪の4輪型の車両など、種々のタイプの車両であってもよい。さらには、移動体200としては車両に限られるものではなく、脚式歩行を行う歩行ロボットなどであってもよい。
また、実施の形態1における無線通信の方式の例としては、前述のようなブルートゥースに限られず、例えば、赤外線通信(IrDA:Infrared Data Association)、無線LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等の、種々のタイプの無線通信方式であってもよい。
また、上述した実施の形態において示した各構成要素の2つ以上は、一体に構成されてもよい。また、上述した実施の形態1においては、携帯端末鍵登録モード、入力装置起動モード及び携帯端末起動モードの3つの処理モードについて、それぞれ、携帯端末鍵登録モード処理部320、入力装置起動モード処理部340及び携帯端末起動モード処理部360が処理するとしたが、これに限られない。例えば、携帯端末鍵登録モード、入力装置起動モード及び携帯端末起動モードの3つの処理モードについて、1つの構成要素が処理するように構成してもよい。例えば、図7に示した端末接続処理部326、図8に示した端末接続処理部346及び図9に示した端末接続処理部362は、別個の構成要素でなくてもよく、1つ構成要素であってもよい。
また、図11〜図13のシーケンス図において、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、1つの処理(ステップ)が実行されている間に他の処理(ステップ)が実行されてもよい。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。同様に、図10の状態遷移図において、各モードの遷移順序は、適宜、変更可能である。また、複数あるモードのうちの1つ以上は、省略されてもよい。