JP5987152B2 - 成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
行う方法が知られている。特許文献3には、鉄合金製機構部品をオーステナイト領域の温度に急速加熱した後、オーステナイト領域以下の温度まで急速冷却する加熱及び冷却工程を少なくとも3回以上繰り返す熱処理を施して焼き入れする鉄合金製機構部品の表面改質法が記載されている。ここで、前記熱処理の方法として、電子線焼入れによる方法が記載されている。特許文献3には、前記表面改質法によれば、マルテンサイト、炭化物、ベイナイト等の焼入れ組織を従来よりも微細化できると記載されている。そして、前記表面改質法によれば、部品の表面の硬度、耐疲労強度、耐摩耗性、耐食性が向上するとともに、靭性も保持されると記載されている。しかしながら、特許文献3には、鉄合金製機構部品表面に、硬質皮膜を蒸着することについて一切記載されていない。
日本電子株式会社製X線マイクロアナライザー「JXA−8500FS」を用いて電子顕微鏡写真を撮影した。なお、断面測定用の試験片は、以下のとおり作製した。成形品をフェノール樹脂に包埋した後に、成形品表面に対して垂直方向に切断した。成形品の切断面をダイヤモンド砥粒による鏡面研磨を行い、測定用の試験片を得た。
日本電子株式会社製X線マイクロアナライザー「JXA−8500FS」を用いて、基材断面の元素分布を測定した。測定は、加速電圧15kV、試料照射電流1×10−8Aの条件で行った。測定用の試験片は、電子顕微鏡観察における断面測定用の試験片の作製方法と同様の方法により作製した。
X線回折装置(株式会社リガク製「MultiFlex」)を用いて、基材表面の結晶構造解析を行った。測定は下記の条件にて実施した。
X線管球: CuKα
X線出力: 40kV−40mA
発散スリット: 1°
散乱スリット: 1°
受光スリット: 0.3mm
測定モード: 2θ−θスキャン
サンプリング幅: 0.020°
サンプリング速度: 2.000°/min
solartron社製ポテンシオスタット「SI 1287」を用い、pH6.5の5重量%塩化ナトリウム水溶液中で分極曲線を得た。縦15mm、横15mmの試験片を用い、測定面積は10mm×10mmとした。参照電極には飽和カロメル電極(SCE)を、対極にはPt電極を用いた。測定中温度は20℃に保持し、等速電位走査による電流−電位曲線を測定した。電位走査速度は1mV/secとした。
直径200μmのダイヤモンド圧子を用いて成形品表面を引っ掻いた。このとき、成形品表面に加える荷重を0Nから100Nまで徐々に増やした。硬質皮膜が剥離した時の荷重から硬質皮膜の密着性を評価した。
直径200μmであるダイヤモンド圧子を、150kgfの荷重にて成形品に押込んだ後の圧痕を観察して、成形品表面の硬質皮膜の密着性を評価した。
電子線照射に供する基材には、焼入れ、焼き戻しにより、硬さがHRC(ロックウェルCスケール)60に調質された、JIS G4404に規定された合金工具鋼であるSKD11の板材(縦1.2cm、横1.2cm、厚み5mm)であり、その表面が鏡面研磨されたものを用いた。当該基材の化学組成を表1に示す。電子線照射前の前記基材表面のマトリックスの部分の結晶構造解析を行った。このとき得られたX線回折パターンを図1に示す。電子線照射には、永田精機株式会社製電子線加工装置「CRS−SOLO」を用いた。前記基材を前記加工装置の処理室内にセットしてから処理室内を真空(0.05Pa)にした後、以下の条件で基材表面に電子線をパルス照射した。照射後すぐに処理室内に大気を導入して基材を冷却した。
一回の照射当たりのエネルギー密度:5.7J/cm2
パルス幅:1μs
パルス発射間隔:20sec
パルス回数:10回
基材に電子線を照射する際に、一回の照射当たりのエネルギー密度を表4に示すとおりに変えたこと以外は、実施例1と同様にして基材に電子線を照射した。電子線照射後における各基材表面のビッカース硬さを表4に示す。電子線照射後における、基材表面の結晶構造解析を行った。このとき得られた各基材のX線回折パターンを図1に示す。実施例1と同様にして、基材の電子線が照射された表面にCrNからなる硬質皮膜を形成した。
実施例1において使用したものと同じ、硬さがHRC60に調質され、表面が鏡面研磨されたSKD11からなる基材に実施例1と同様にしてボンバード処理を行い、当該処理後の基材表面の電子顕微鏡観察を行った。このときの電子顕微鏡写真を図11に示す。
実施例1において使用したものと同じ、硬さがHRC60に調質され、表面が鏡面研磨されたSKD11からなる基材の分極測定を行った。このとき得られた分極曲線を図6に示す。
実施例1と同様にして電子線照射まで行った基材の分極測定を行った。このとき得られた分極曲線を図6に示し、分極測定後の基材表面の光学顕微鏡写真を図15に示す。
2 表面改質層
3 硬質皮膜
4 炭化物粒子
5 マトリックス
Claims (6)
- 基材表面に硬質皮膜が蒸着されてなる成形品であって、
前記基材が、主相としてマルテンサイト相を含むマトリックス中に炭化物粒子が分散してなる基部と、オーステナイト相を含む表面改質層とを有し、
前記基部が、炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる化学組成を有し、
前記表面改質層の表面に前記炭化物粒子が露出しておらず、
前記表面改質層の厚みが0.1〜10μmであり、
前記硬質皮膜が、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種からなり、かつ
前記硬質皮膜の厚みが0.1〜50μmであることを特徴とする成形品。 - 炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる基材表面に、電子線を照射した後に、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着することを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
- 前記基材表面に電子線をパルス照射する請求項2に記載の成形品の製造方法。
- 電子線が照射された前記基材の表面に、イオンプレーティング法又はスパッタリング法により、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着する請求項2又は3に記載の成形品の製造方法。
- 冷間加工用工具である請求項1に記載の成形品。
- 冷間金型である請求項1に記載の成形品。
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