本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶数表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶数表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示(第2保留記憶数表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、例えば、共に丸型の白色表示等の同一態様であってもよい。
図1に示す例では、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図1中実線位置参照)と傾動位置(図1中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。尚、この実施例では、図1中右側のみが可動翼片とされ、左側は傾動しない非可動翼片されている。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bが一体化された特別可変入賞球ユニット7が設けられている。
ここで、図9〜図13に基づいて、特別可変入賞球ユニット7の構成について説明する。図9は、(A)は特別可変入賞球ユニットを示す斜視図、(B)は背面図である。図10は、(A)は第1特別可変入賞球装置の閉鎖状態を示す正面図、(B)は開放状態を示す正面図である。図11は、(A)(B)は第2特別可変入賞球装置の内部構造を示す斜視図である。図12は、(A)は規制部材が規制状態にあるとき、(B)は規制部材が許容状態にあるときの遊技球の流れを示す概略図である。図13は、(A)は図12(A)のA−A断面図、(A)は図12(A)のB−B断面図である。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機1を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図9〜図11に示すように、特別可変入賞球ユニット7は、第1特別可変入賞球装置7Aと、その上部に設けられる第2特別可変入賞球装置7Bと、から構成されている。
第1特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、その第1大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口702を形成する。第1大入賞口702は、第1特別可変入賞球装置7Aと第2特別可変入賞球装置7Bとの間に、右側から左側に向けて下方に傾斜するように延設された傾斜通路700に上向きに開放するように形成されている。第1大入賞口扉701は、第1大入賞口702の傾斜上位側の右辺に沿うように設けられた前後方向を向く回動軸K(図10参照)を中心として、第1大入賞口702を閉鎖するとともに傾斜通路700の一部を構成する閉鎖位置と、傾斜下位側が下方に位置して第1大入賞口702を開放する開放位置と、の間で揺動可能に設けられている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できなくする(図10(A)参照)。その一方で、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を開放状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)しやすくする(図10(B)参照)。このように第1大入賞口702は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口702を通過(進入)した遊技球は、図10に示す第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口702を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が開放状態となれば、その第1大入賞口702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が閉鎖状態となれば、第1大入賞口702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第1大入賞口702に進入することなく傾斜通路700を流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置6Bに誘導され、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
第2特別可変入賞球装置7Bは、ソレノイド83によって開閉駆動される第2大入賞口扉711を備え、その第2大入賞口扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口712を形成する。第2大入賞口712は、傾斜通路700の上方位置に前向きに開放するように形成される横長長方形状をなす入賞口であり、第2大入賞口扉711は、第2大入賞口712の下辺に沿うように設けられた左右方向を向く回動軸(図示略)を中心として、第2大入賞口712を閉鎖する閉鎖位置(例えば図10参照)と第2大入賞口712を開放する開放位置(例えば図13参照)と、の間で揺動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口712を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できなくする(図9(A)参照)。その一方で、第2大入賞口扉用のソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口712を開放状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)しやすくする(図11参照)。このように第2大入賞口712は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口712を通過(進入)した遊技球は、図11及び図12に示す第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれかによって検出される。第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が開放状態となれば、その第2大入賞口712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が閉鎖状態となれば、第2大入賞口712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、この実施例では、大当り遊技中に第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出されるだけでなく、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を後述する確率変動遊技状態とするようになっている。
第2大入賞口712の下辺からは、該第2大入賞口712の左右幅と同幅をなし、遊技球を後方に向けて誘導する誘導通路721が後方に向けて下方に傾斜するように延設されており、誘導通路721の後辺には、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bが左右に並設されている。
誘導通路721の後辺における第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bの間には、誘導通路721上を転動する遊技球を第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのうち一方にのみ進入可能とする規制部材720が設けられている。つまり、誘導通路721の下流側は、規制部材720を中心として、第2カウントスイッチ24Aへ遊技球を誘導する第1誘導通路721Aと、第2カウントスイッチ24Aへ遊技球を誘導する第2誘導通路721Bと、に二股状に分かれている。
図11〜図13に示すように、規制部材720は、左右方向に延びる略水平な第1規制片720A及び第2規制片720Bと、上下方向に立設され第1規制片720A及び第2規制片720Bを水平回動可能に支持する回動軸720Cと、から構成されている。第1規制片720Aは、第1誘導通路721Aの左右幅寸法より若干短寸に形成され、第2規制片720Bは、第2誘導通路721Bの左右幅寸法より若干短寸に形成されており、互いに平面視略L字形をなすように配設されている。また、回動軸720Cは、図示しないリンク部材を介してソレノイド84(図9(B)参照)のプランジャに連結されており、ソレノイド84のオンオフにより回転駆動されるように構成されている。
また、規制部材720は、第2規制片720Bが第2誘導通路721Bを横切るように配置されて遊技球の第3カウントスイッチ24B(特定領域)の通過を規制する規制位置に位置するとともに、第1規制片720Aが第1誘導通路721Aの右側方に沿うように配置されて遊技球の第2カウントスイッチ24Aの通過を許容する許容位置に位置する規制状態(図12(A)参照)と、第2規制片720Bが第2誘導通路721Bの左側方に沿うように配置されて遊技球の第3カウントスイッチ24B(特定領域)の通過を許容する許容位置に位置するとともに、第1規制片720Aが第1誘導通路721Aを横切るように配置されて遊技球の第2カウントスイッチ24Aの通過を規制する規制位置に位置する許容状態(図12(B)参照)と、に変化可能に設けられ、規制部材用のソレノイド84がオフ状態であるときに規制状態となり、オン状態であるときに許容状態となる。
第1規制片720A及び第2規制片720Bは、それぞれ規制位置において、遊技球の規制位置側の第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bへの流下を規制するとともに、反対の許容位置側の第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bへ遊技球を誘導可能に構成されている(例えば、図13(A)参照)。また、許容位置において、遊技球の許容位置側の第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bへ遊技球を誘導可能に構成されている(例えば、図13(B)参照)。
具体的には、図13(A)に示すように、第1規制片720A及び第2規制片720Bは、規制位置において遊技球に当接可能に設けられ、許容位置において、図12に示すように一部が第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bの直上に位置するが、図13(B)に示すように、第1誘導通路721A及び第2誘導通路721Bが一段落ち込んでいることで、遊技球が接触せずに下方を通過可能とされている。また、誘導通路721の左右側には、第2大入賞口712の左右側に進入した遊技球を中央側に向けて誘導するガイド板722(図12参照)が形成されている。
このように第2特別可変入賞球装置7Bは、規制状態であるときは、第2カウントスイッチ24Aにのみ遊技球が通過可能となり、許容状態であるときは、第3カウントスイッチ24Bにのみ遊技球が通過可能となるように構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び各大入賞口702、712とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球ユニット7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
この実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701や第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.5秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702または第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aまたは第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に第1大入賞口702を開放状態とした第1大入賞口扉701または第2大入賞口712を開放状態とした第2大入賞口扉711は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に第1大入賞口702または第2大入賞口712を閉鎖状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置7Aまたは第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第1,2大入賞口702,712の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1,2大入賞口702,712に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
この実施例では、大当り遊技状態におけるラウンドとして、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間を第1期間(例えば約29秒など)とする通常開放ラウンドと、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間を第1期間よりも短い第2期間(例えば約0.5秒など)とする短期開放ラウンドと、がある。
この実施例では、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は大当り図柄とされている。特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態では、第1ラウンド〜第9ラウンド及び第11ラウンド〜第14ラウンドにおいて、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が第1期間である上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第1大入賞口702を開放状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる通常開放ラウンドが実行される。
また、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が第1期間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口712を開放状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる通常開放ラウンドが実行される場合と、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口712を開放状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる短期開放ラウンドが実行される場合と、がある。
このような短期開放ラウンドでは、第2大入賞口712に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出球(賞球)が得られる。しかし、第2大入賞口712の開放期間は第2期間(0.5秒間など)であって非常に短い。そのため、短期開放ラウンドは実質的には出球(賞球)が得られないラウンドである。
また、演出制御用CPU120は、第2特別可変入賞球装置7Bが開放対象となる第10ラウンドや第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドを実行する場合、規制部材720が規制状態にある状態で第2大入賞口扉711を開放状態とした後、第1期間が経過して閉鎖状態とする前に規制部材720を許容状態とする第1制御を実行可能としている。つまり、この第1制御が実行される場合、ラウンド中において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過する可能性が極めて高くなるため、当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性が極めて高くなる。
また、演出制御用CPU120は、第2特別可変入賞球装置7Bが開放対象となる第10ラウンドや第15ラウンドにおいて短期開放ラウンドを実行する場合、規制部材720が規制状態にある状態で第2大入賞口扉711を開放状態とし、第2期間が経過してから閉鎖状態とした後、所定の待機期間が経過したときに規制部材720を許容状態とする制御を行う第2制御を実行可能としている。つまり、この第2制御が実行される場合、ラウンド中において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過する可能性が極めて低くなるため、当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性が極めて低くなる。尚、規制部材720の駆動制御を含む第2大入賞口扉711の具体的な開放制御内容は後述する。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施例では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、スーパーリーチDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。
演出図柄の変動表示中には、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであってもよいし、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものであってもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、特別図柄のうち、「5」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当りA組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。大当りA組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「9」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、特別図柄のうち、「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当りB組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。大当りB組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「9」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「5」、「9」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、特別図柄のうち、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当りC組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。大当りC組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「9」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「3」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
尚、本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成され、特別図柄のうち「5」の数字を示す大当り図柄は大当りA、特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄は大当りB、特別図柄のうち「7」の数字を示す大当り図柄は大当りCに対応しているため、遊技者は停止表示された確定特別図柄から大当り種別を判別可能とされているが、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンや記号等を複数種類の特別図柄として予め設定し、大当り種別の判別が困難となるようにしてもよい。
また、演出表示装置5において表示される演出図柄は「1」〜「9」を示す数字から構成され、演出図柄のうち「2」「4」「6」「8」いずれかの大当り組合せは大当りA、演出図柄のうち「1」「5」「7」いずれかの大当り組合せは大当りB、演出図柄のうち「3」「7」いずれかの大当り組合せは大当りCに対応しているため、遊技者は停止表示された確定演出図柄の組合せから大当り種別を判別可能とされているが、例えば大当り種別に関係なく「1」〜「9」いずれかの大当り組合せが停止表示されるようにして大当り種別の判別が困難となるようにしてもよい。
また、大当り遊技状態中に実行される大当り中演出も、第15ラウンドが開始されるまでは大当り種別に関わりなく同一の演出を実行するようにすることで、大当り中演出の種別による大当り種別の判別が困難となるようにしてもよい。
このように確定特別図柄や演出図柄の組合せ、大当り中演出の種別による大当り種別の判別が困難となるようにすることで、遊技者は第10ラウンドまたは第15ラウンドが通常開放ラウンド及び短期開放ラウンドのいずれとなるかを特定することが困難となるため、大当り遊技状態において通常開放ラウンドが実行される大当りBや大当りCであることに対する期待感を持続させることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が大当りA図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りA組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当りA」となる場合における「大当りA」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「大当りA」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドにおいては第1大入賞口702を対象とした通常開放ラウンドに対応する通常開放制御が実行され、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいては第2大入賞口712を対象とした短期開放ラウンドに対応する第2制御が実行される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当りB図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りB組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当りB」となる場合における「大当りB」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「大当りB」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドにおいては第1大入賞口702を対象とした通常開放ラウンドに対応する通常開放制御が実行され、第10ラウンドにおいて短期開放ラウンドに対応する第2制御が実行され、第15ラウンドにおいては第2大入賞口712を対象とした通常開放ラウンドに対応する第1制御が実行される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当りC図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りC組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当りC」となる場合における「大当りC」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「大当りC」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドにおいては第1大入賞口702を対象とした通常開放ラウンドに対応する通常開放制御が実行され、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいては第2大入賞口712を対象とした通常開放ラウンドに対応する第1制御が実行される。
このように、この実施例では、第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドに対応する第1制御が実行される大当りBと、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドに対応する第1制御が実行される大当りCとは、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて短期開放ラウンドに対応する第2制御が実行される大当りAに比べて、大当り遊技状態中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過する可能性が高い大当りとされている。
また、各大当りA〜Cに対応する大当り遊技状態における第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球を検出しなかった場合、つまり、第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過しなかった場合、その大当り遊技状態の終了後には、所定の変動回数の範囲(例えば100回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
また、各大当りA〜Cに対応する大当り遊技状態における第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球を検出した場合、つまり、第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過した場合、その終了後には、時短制御が実施されるとともに、確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。時短制御及び確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。
尚、時短制御は、確変制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに終了するものだけでなく、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに終了してもよい。また、確変制御が大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば70回など)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するものにおいては、確変制御が終了したときに終了するようにしてもよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。尚、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が大当りA組合せや大当りB組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに大当りA組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、大当りB組合せや大当りC組合せやとなる演出図柄(実質確変図柄)と、大当りA組合せとなる演出図柄(実質通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「大当りA」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に大当りBまたは大当りC組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「大当りC」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当りAや大当りB組合せとなる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において第10ラウンドや第15ラウンドが開始されるまでの期間などにて、第10ラウンドや第15ラウンドにて第1制御を実行するか否かの報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。
また、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出としての「エンディング演出」においては、第10ラウンドまたは第15ラウンドのいずれにて遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したかによって、大当りが終了したこと及び第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されなかったこと、つまり、確変状態を獲得できなかったことを報知する旨を示す通常用エンディング演出(例えば、「大当り終了」の他に「確変GET失敗」などのメッセージを表示する演出など)と、大当りが終了したことともに、確変状態に移行する旨を示す確変入賞用エンディング演出(例えば、「確率変動突入!」などのメッセージを表示する演出など)と、のいずれかを実行可能である。
確変入賞用エンディング演出では、大当りが終了したこと及び確変状態に移行する旨だけでなく、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したラウンドが第10ラウンド及び第15ラウンドのいずれであったかを示す確変入賞ラウンド数を示唆するようになっている。具体的には、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したラウンドが第10ラウンドであった場合には、確変入賞用エンディング演出1(例えば、「確率変動突入!」の他に「第10ラウンドで確変GET」などのメッセージを表示する演出など)を決定し、第15ラウンドであった場合には、確変入賞用エンディング演出2(例えば、「確率変動突入!」の他に「第15ラウンドで確変GET」などのメッセージを表示する演出など)を決定する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜84に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bからの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの判定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの判定結果(大当り種別判定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。
コマンドA301Hは、確変入賞ラウンドが第10ラウンドであること、つまり、第10ラウンドにおいて遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことを指定する確変入賞ラウンド1指定コマンドであり、コマンドA302Hは、確変入賞ラウンドが第15ラウンドであること、つまり、第15ラウンドにおいて遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことを指定する確変入賞ラウンド2指定コマンドである。コマンドA4XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶数表示エリア5Dにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶数表示エリア5Uにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立して第1特図保留記憶数が増加したときや、新たな変動表示が開始されて第1特図保留記憶数が減少したときに第1特図保留記憶数の変化を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立して第2特図保留記憶数が増加したときや、新たな変動表示が開始されて第2特図保留記憶数が減少したときに第2特図保留記憶数の変化を通知するものとして送信される。
この実施例では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。尚、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに加えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施例における変動パターンを示している。この実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。また、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。
尚、図5に示す変動パターンは、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−2〜3や、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−5を含んでいるが、例えば、変動パターンPA1−2を、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンとして、合計保留記憶数が2〜4個であることに対応して実行される変動パターンとし、変動パターンPA1−3を、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンとして、合計保留記憶数が5〜8個であることに対応して実行される変動パターンとしてもよい。
また、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−5を、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して実行される変動パターンとしてもよい。このようにすることで、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、第2始動入賞口への始動入賞が少ない状況において、第1始動入賞口への始動入賞に基づく第1保留記憶が高速で消化されてしまうことを回避できるようにしても良い。このように、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
この実施例では、特図表示結果判定テーブルとして、第1特図表示結果判定テーブル(図示略)と、第2特図表示結果判定テーブル(図示略)とが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブルは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(時短付と時短なしの双方を含む高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果判定テーブルや第2特図表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられる判定用データとなっている。第1特図表示結果判定テーブルと第2特図表示結果判定テーブルのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブルと第2特図表示結果判定テーブルのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなるように判定用データが割り当てられている。
図6(A)は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブル131の構成例を示している。大当り種別判定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1において発生する大当りの種別「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」について説明する。「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が低い低確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。この高ベース状態は、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
図6(B)は、開放パターン一覧を示している。開放パターン一覧に示すように、各大当り遊技状態では、第1ラウンド〜第9ラウンド及び第11ラウンド〜第14ラウンドにおいて、開放対象大入賞口は第1大入賞口702となり、第1大入賞口扉701の開放パターンは、大当りA〜Cそれぞれで通常開放制御に基づく開放パターンKP−Nとされている。また、第10ラウンドにおいて、開放対象大入賞口は第2大入賞口712となり、第2大入賞口扉711の開放パターンは、大当りA、Bでは第2制御に基づく開放パターンKP−S、大当りCでは第1制御に基づく開放パターンKP−Lとされている。第15ラウンドにおいて、開放対象大入賞口は第2大入賞口712となり、第2大入賞口扉711の開放パターンは、大当りAでは第2制御に基づく開放パターンKP−S、大当りB,Cでは第1制御に基づく開放パターンKP−Lとされている。尚、開放パターンKP−NとKP−Lでは、第1大入賞口702と第2大入賞口712の開放パターンは、開放時間が同一(約29秒)の開放パターンとされている。
そして、15ラウンドの大当りA〜C全ての大当り遊技状態における第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて、第3カウントスイッチ24Bにより遊技球が検出された場合、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り遊技終了後に高確高ベース状態に制御する。この高確高ベース状態は、特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。尚、本実施例の高確高ベース状態は、特図ゲームの回数に拘らず、大当りに当選するまで継続するが、前述のように特図ゲームが所定回数実行されるか、該所定回数の特図ゲーム実行中に大当りに当選するまで継続するようにしてもよい。
この大当り種別判定テーブル131においては、図6(A)に示すように、特図表示結果が「大当り」となる特図が第1特図である場合、乱数値MR2の1〜35の範囲が「大当りA」に割り当てられており、乱数値MR2の36〜70が「大当りB」に割り当てられており、乱数値MR2の71〜100が「大当りC」に割り当てられている。また、特図表示結果が「大当り」となる特図が第2特図である場合、乱数値MR2の1〜10の範囲が「大当りA」に割り当てられており、乱数値MR2の11〜15が「大当りB」に割り当てられており、乱数値MR2の16〜100が「大当りC」に割り当てられている。
このように、本実施例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の大当り種別にそれぞれほぼ均等に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「大当りA」「大当りB」よりも「大当りC」の大当り種別に対して多くの判定値が割り当てられている。また、確変状態になる可能性が極めて低い「大当りA」よりも、確変状態になる可能性が極めて高い「大当りB」や「大当りC」の大当り種別に対して多くの判定値が割り当てられている。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合とで、大当り種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」に判定する割合を、異ならせることができる。
尚、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の判定を行うようにしてもよい。
また、この実施例では、大当り中の第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて第3カウントスイッチ24Bにより遊技球が検出されなかった場合に実行される時短制御の回数を一定回数である100回としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当りが発生した遊技状態が高ベース状態であれば100回とする一方、大当りが発生した遊技状態が低ベース状態である場合には10回とするように、大当りが発生した遊技状態に応じて時短制御とする期間を異なる期間とするようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留情報となる。
尚、本実施例では、遊技球の通過(進入)における第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1、MR2、MR3を示す数値データを保留データとして第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bに記憶しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、乱数値MR3を示す数値データは、第1始動条件または第2始動条件の成立時ではなく、該始動条件成立による保留記憶の変動表示開始時に抽出するようにすることで、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bには、MR3の記憶領域を設けない構成としても良い。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
ROM101には、遊技制御用のプログラムの他にも、第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711の開放動作や規制部材720の回動動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM101には、CPU103が第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711の開放動作や規制部材720の回動動作を制御するために使用する開放制御パターンを複数種類格納した開放制御パターンテーブルが記憶されている。開放制御パターンは、大当り遊技状態の進行状況に応じて実行される各種の動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
開放制御パターンは、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでの期間における、第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711の開放動作や規制部材720の回動動作といった、様々な動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、各大当り種別の進行状況に応じて実行される各種の開放動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図8(A)は、開放制御パターンの構成例を示している。開放制御パターンは、例えば開放時間タイマ判定値、第1大入賞口扉制御データ、第2大入賞口扉制御データ、規制部材制御データ、終了コードといった、各種の開放動作や回動動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の開放制御の内容や、開放制御の切換タイミング等が設定されていればよい。開放制御プロセスタイマ判定値は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された遊技制御用RAMの所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマの値(遊技制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各開放動作や回動動作の実行時間(開放時間や規制時間)に対応した判定値が予め設定されている。
第1大入賞口扉制御データ及び第2大入賞口扉制御データには、例えば各ラウンド中における開放態様を示すデータ等が含まれている。規制部材制御データには、例えば各ラウンド中における規制態様を示すデータ等が含まれている。尚、これらの制御データは、全ての開放制御パターンに含まれなければならないものではなく、各開放制御パターンによる開放動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される開放制御パターンがあってもよい。
CPU103は、開放制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、開放動作や回動動作の制御内容を決定する。例えば、開放時間タイマ値が開放時間タイマ判定値のいずれかと合致したときには、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた開放制御データにより指定される態様で第1大入賞口扉701や第2大入賞口扉711を開閉させるとともに、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた規制制御データにより指定される態様で規制部材720を回動させる制御を行う。
開放動作や回動動作は、各ラウンドが開始されてから終了するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、大当り遊技状態における全てのラウンドに対応した全期間に対応して開放動作や回動動作を実行するための開放制御パターンが大当り種別毎に個別に設けられてもよい。
CPU103は、例えば各ラウンドを開始するときなどに、大当り種別やラウンド数などに基づいて複数のうちいずれかの開放制御パターンをセットする。ここで、開放制御パターンをセットする際には、該当する開放制御パターンを構成するパターンデータを、ROM101から読み出してRAM102の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する開放制御パターンを構成するパターンデータのROM101における記憶アドレスを、RAM102の所定領域に一時記憶させて、ROM101における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、開放時間タイマ値が更新されるごとに、開放時間タイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた開放動作や回動動作の制御を行う。このように、CPU103は、開放制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711、規制部材720の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、開放制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた第1大入賞口扉制御データ#1〜第1大入賞口扉制御データ#n、第2大入賞口扉制御データ#1〜第2大入賞口扉制御データ#n、規制部材制御データ#1〜規制部材制御データ#nは、開放動作や回動動作の制御内容を示し、開放制御の実行を指定する開放制御実行データ#1〜開放制御実行データ#nを構成する。こうしてセットした開放制御パターンに従った指令が、CPU103からソレノイド82〜84などに対して出力される。
また、図8(B)に示すように、この実施例では、開放パターンKP−Nに対応する開放制御パターンKSP−Nと、開放パターンKP−Lに対応する開放制御パターンKSP−Lと、開放パターンKP−Sに対応する開放制御パターンKSP−Sと、がある。また、開放制御パターンKSP−N及び開放制御パターンKSP−Lに基づく開放時間は29秒であり、開放制御パターンKSP−Sに基づく開放時間は0.5秒である。
尚、本実施例では、各大当り種別やラウンドに応じて異なる開放制御パターンが用意されているが、大当り種別毎に、第1〜第15ラウンドに対応した開放制御パターンが個別に用意されていてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。尚、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や予告演出画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受付けて演出内容を決定する制御を行う。尚、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが個別に設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図14(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施例では、図14(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という2つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図14(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。尚、図14(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図14(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bにおける第1大入賞口702や第2大入賞口712の開閉動作や規制部材720の回動動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理として、図15に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理において、CPU103は、始動入賞があったことを条件に、該始動入賞に対応する変動表示において大当りとなるか否かや、変動パターンの種別がどの種別となるか等を予め判定し、該判定結果を前述した始動入賞時受信コマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド)にて演出制御基板12(演出制御用CPU120)に通知する。
図16のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図17は、特別図柄通常処理として、図16のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図17に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS151)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS151の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS151にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS152)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS152の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS153)。また、ステップS153の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS154)。
ステップS151にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS151;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS155)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS155の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS155の処理は、ステップS151にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS155にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS155;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS156)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS156の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS157)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS158)。
ステップS154、S158の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(ステップS159)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果判定テーブル(図示略)を使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果判定テーブル(図示略)を使用テーブルにセットする。続いて、CPU103は、現在の遊技状態と、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」または「ハズレ」のいずれとするかを判定する(ステップS160)。
ステップS159では現在の遊技状態に対応した特図表示結果判定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS160の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる判定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが判定される。例えば、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブルや第2特図表示結果判定テーブルにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。これに対して、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブルや第2特図表示結果判定テーブルにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。具体的には、第1特図表示結果判定テーブルや第2特図表示結果判定テーブルにおいて、遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果の「大当り」よりも「ハズレ」に対して多くの判定値が割り当てられている一方で、遊技状態が確変状態であるときには、「ハズレ」よりも「大当り」に対して多くの判定値が割り当てられている。
ステップS160にて特図表示結果を判定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS161)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS161;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS162)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS163)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、「大当りA、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを判定する(ステップS164)。
ステップS164の処理にて大当り種別を判定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に判定されることになる。こうして判定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS165)、判定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
ステップS161にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS161;No)、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の判定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS168)。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS161にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS164における大当り種別の判定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「大当りA」とする判定結果に応じて、大当り図柄「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする判定結果に応じて、大当り図柄「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする判定結果に応じて、大当り図柄「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS168にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS169)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS155にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS155;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS170)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前判定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類のいずれかに判定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが判定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を判定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。
図18は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大当り開放前処理(ステップS114)を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU103は、大当り遊技状態において特別図柄を導出表示してから第1大入賞口702を開放するまでの時間、つまり、大当りが発生したことを、演出表示装置5において報知する時間を計測するためのタイマであり、特別図柄停止処理にてセットされる大当り開放前タイマの値を1減算する(ステップS201)。大当り開放前タイマがタイムアウト(大当り開放前タイマの値が0)したら(ステップS202;Yes)、CPU103は、大当り種別および開始するラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドを選択し、その大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在のラウンド数カウンタの値に所定値をセットして、演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップS203)。
次いで、CPU103は、第1〜第3カウントスイッチ23,24A,24Bにより検出された遊技球数を計数するための入賞個数カウンタを初期化する(ステップS204)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、現在のラウンド数カウンタの値に基づいて第1ラウンドを開始する場合であるか否かを判定し(ステップS205)、第1ラウンドを開始する場合であれば(ステップS205;Yes)、第3カウントスイッチ24Bにより検出された遊技球数を計数するための確変入賞カウンタを初期化する(ステップS206)。すなわち、確変入賞カウンタの値を0にする。第1ラウンドを開始する場合でなければ(ステップS205;No)、確変入賞カウンタを初期化せずにステップS207に進む。
尚、本実施例では、第1ラウンドを開始するときに確変入賞カウンタを初期化するようにしているが、第2大入賞口712を開放する前に初期化するようにしてもよいし、あるいは、各ラウンドの終了時に初期化するようにしてもよい。
ステップS207では、現在のラウンド数を示すラウンド数カウンタの値に基づいて、第2特別可変入賞球装置7Bが開放対象となる第10ラウンドまたは第15ラウンドを開始する場合であるか否かを判定する(ステップS207)。第10ラウンドまたは第15ラウンドを開始する場合でなければ、つまり、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドを開始する場合であれば(ステップS207;No)、第1大入賞口702を開放対象に設定し(ステップS208)、開放制御パターンKSP−Nのプロセステーブルを選択する(ステップS209)。また、第10ラウンドまたは第15ラウンドを開始する場合であれば(ステップS207;Yes)、第2大入賞口712を開放対象に設定し(ステップS220)、大当り種別及び第10ラウンドであるか第15ラウンドであるかに応じて、開放制御パターンKSP−LまたはKSP−Sのいずれかのプロセステーブルを選択する(ステップS221)。
具体的には、図6(B)の開放パターン一覧に示すように、大当りAの第10ラウンド、第15ラウンド及び大当りBの第10ラウンドであれば、開放パターンKP−Sに対応する開放制御パターンKSP−Sのプロセステーブルを選択し、大当りBの第15ラウンド及び大当りCの第10ラウンド、第15ラウンドであれば、開放パターンKP−Lに対応する開放制御パターンKSP−Lのプロセステーブルを選択する。
次いで、CPU103は、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS210)。
ステップS210では、CPU103は、ステップS209またはステップS221で選択した開放制御パターンに基づいて、そのラウンドにおける第1大入賞口702や第2大入賞口712の開放時間が29秒であるか0.5秒であるかを特定する。つまり、開放制御パターンKSP−N、KSP−Lが選択された場合は29秒であると特定し、開放制御パターンKSP−Sが選択された場合は0.5秒であると特定する。そして、CPU103は、特定した開放時間(29秒または0.5秒)を開放時間タイマにセットする。
次いで、CPU103は、第1大入賞口702や第2大入賞口712(役物)を開放状態に制御した後、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り開放中処理(ステップS115)に対応した値に更新する(ステップS211)。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。
図19は、大当り開放中処理(ステップS115)を示すフローチャートである。大当り開放中処理において、CPU103は、まず、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS251)。
尚、ここでは第1大入賞口702の第1カウントスイッチ23及び第2大入賞口712の第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B双方を監視対象としているが、開放中(開放対象)のカウントスイッチからの検出信号の入力のみを確認するようにしてもよい。また、開放中(開放対象)ではない大入賞口のカウントスイッチから検出信号の入力があった場合、異常入賞エラーとして報知するようにしてもよい。
第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bのいずれかがオンしたら、すなわち、第1大入賞口702または第2大入賞口712に入賞した遊技球を検出したら(ステップS251のYes)、入賞個数カウンタの値を1加算する(ステップS252)。
次いで、ステップS251にて入力されたのは第3カウントスイッチ24Bからの検出信号であるか否かを判定し(ステップS253)、第3カウントスイッチ24Bからの検出信号である場合は(ステップS253;Yes)、確変入賞カウンタの値を1加算する(ステップS254)。
次いで、加算後の確変入賞カウンタの値が「1」であるか否かを判定し(ステップS255)、確変入賞カウンタの値が「1」であれば、つまり、大当りが開始されてから第3カウントスイッチ24Bにより最初に遊技球が検出されたときには(ステップS255;Yes)、ラウンドに応じた確変入賞ラウンド指定コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS256)。具体的には、第10ラウンドで第3カウントスイッチ24Bにより最初に遊技球が検出されたときには、確変入賞ラウンド1指定コマンドを送信し、第15ラウンドで第3カウントスイッチ24Bにより最初に遊技球が検出されたときには、確変入賞ラウンド2指定コマンドを送信する。これにより、第3カウントスイッチ24Bにより最初に遊技球が検出されたラウンドが第10ラウンド及び第15ラウンドのいずれであるかを演出制御用CPU120が特定できるようになる。
また、ステップS253にて第3カウントスイッチ24Bからの検出信号でない場合(ステップS253;No)、ステップS255にて確変入賞カウンタの値が「1」でない場合(ステップS255;No)は、そのままステップS257に進む。
そして、CPU103は、加算後の入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定し(ステップS257)、入賞個数カウンタの値が10になった場合は(ステップS257;Yes)、ステップS264に移行する。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば(ステップS257;No)、CPU103は、開放時間タイマを1減算する(ステップS258)。
次いで、開放時間タイマのタイマ値が、確変入賞可能化タイミングであるか否か、つまり、各開放制御パターンKSP−L、KSP−Sにおいて規制部材720を許容状態とするタイミング(例えば、後述する図21(A)であればta2、図21(B)であればtb3/図22(A)であればtc1、図22(B)であればtd1)であるか否かを判定する(ステップS259)。すなわち、規制部材720を許容状態に切替える内容の規制部材制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、規制部材720を許容状態とするタイミングである場合は(ステップS259;Yes)、規制部材720を許容状態に制御し(図12(B)参照)、許容状態とするタイミングでない場合は(ステップS259;No)、そのままステップS261に進む。
次いで、開放時間タイマのタイマ値が、確変入賞不能化タイミングであるか否か、つまり、各開放制御パターンKSP−L、KSP−Sにおいて規制部材720を規制状態とするタイミング(例えば、後述する図21(A)であればta4、図21(B)であればtb4/図22(A)であればtc2、図22(B)であればtd2)であるか否かを判定する(ステップS261)。すなわち、規制部材720を規制状態に切替える内容の規制部材制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、規制部材720を規制状態とするタイミングである場合は(ステップS261;Yes)、規制部材720を規制状態に制御し(図12(A)参照)、規制状態とするタイミングでない場合は(ステップS261;No)、そのままステップS263に進む。
次いで、開放時間タイマのタイマ値が、大入賞口の閉タイミングであるか否か、つまり、各開放制御パターンKSP−N、KSP−L、KSP−Sにおいて第1大入賞口扉701または第2大入賞口扉711を閉鎖状態とするタイミング(例えば、後述する図21(A)であればta3、図21(B)であればtb2/図22(A)であればtc2、図22(B)であればtd3)であるか否かを判定する(ステップS263)。すなわち、第1大入賞口扉701または第2大入賞口扉711を閉鎖状態に切替える内容の第1大入賞口扉制御データや第2大入賞口扉制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、閉鎖状態とするタイミングである場合は(ステップS263;Yes)、第1大入賞口扉701または第2大入賞口扉711を閉鎖状態に制御する(ステップS264)。具体的には、ソレノイド82,83の駆動を停止して第1大入賞口扉701または第2大入賞口扉711を閉鎖状態にした後、現在のラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御基板12に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265)。
また、閉鎖状態とするタイミングでない場合は(ステップS263;No)、そのまま処理を終了する。
次いで、CPU103は、ラウンド数カウンタの値が「15」となっているか否かを確認する(ステップS266)。ラウンド数カウンタの値が「15」となっている場合(すなわち、大当り遊技における全てのラウンド(第1〜第15ラウンド)が終了している場合)には(ステップS266;Yes)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS116)に対応した値に更新する(ステップS270)。
ラウンド数カウンタの値が15未満、すなわち、まだ残りのラウンドがあれば(ステップS266;No)、CPU103は、大当り開放前タイマにラウンド開始前時間{新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置5において報知する時間(インターバル演出を行い期間に相当)}に相当する値(例えば1秒)を設定し(ステップS267)、ラウンド数カウンタの値を1加算する(ステップS268)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値に更新する(ステップS269)。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS116)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS281)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には(ステップS281;Yes)、ステップS285に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には(ステップS281;No)、大当りフラグをリセットし(ステップS282)、大当り種別に応じた当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS283)。具体的には、大当りの種別が大当りAである場合には当り終了1指定コマンドを送信する。また、大当りの種別が大当りBである場合には当り終了2指定コマンドを送信する。また、大当りの種別が大当りCである場合には当り終了3指定コマンドを送信する。尚、大当りの種別が大当りA〜Cのいずれであるかは、大当り種別バッファに記憶されているデータに基づいて判定される。また、大当りフラグは、大当りが終了してから、つまり、ステップS290の前にリセットするようにしてもよい。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS284)、処理を終了する。
ステップS285では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS286)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS286;No)、CPU103は、確変入賞カウンタのカウント値が0ではないか否かを確認する(ステップS287)。確変入賞カウンタのカウント値が0ではない、つまり、大当り遊技状態において第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過した場合は(ステップS287;Yes)、CPU103は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS288)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS289)。そして、ステップS290に進む。
確変入賞カウンタのカウント値が0である、つまり、大当り遊技状態において第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過していない場合は(ステップS287;No)、CPU103は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させるとともに(ステップS291)、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS292)。そして、ステップS292に進む。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップS290)。
次に、図21に示すタイミングチャートに基づいて、CPU103が大当り遊技状態における第10ラウンド及び第15ラウンドにて行う第1制御及び第2制御に基づく第2大入賞口扉711の開放動作及び規制部材720の回動動作の一例を説明する。尚、第10ラウンド及び第15ラウンドにて行う第1制御及び第2制御は同様であるため、ここでは第10ラウンドにて行う第1制御及び第2制御内容のみを説明し、第15ラウンドにて行う第1制御及び第2制御内容の説明は省略する。
図21(A)は、開放パターンKP−Lに対応する開放制御パターンKSP―Lに基づく第1制御内容の一例を示している。まず、CPU103は、第10ラウンドが開始されると、ソレノイド83をオン状態として第2大入賞口扉711を開放させる(ta1)。このとき、規制部材720は規制状態とされている。
次いで、第10ラウンドが開始されて第2大入賞口扉711を開放させてから所定の通過不能期間(例えば約1秒)が経過したタイミングで、ソレノイド84をオン状態として規制部材720を規制状態から許容状態に変化させる(ta2)。
そして、第2大入賞口扉711を開放させてから第1期間である29秒が経過したときに、ソレノイド83をオフ状態として第2大入賞口扉711を閉鎖させる(ta3)。その後、所定期間が経過したときに、ソレノイド84をオフ状態として規制部材720を許容状態から規制状態に変化させる(ta4)。
ここで、所定の通過不能期間(例えば約1秒)とは、第2大入賞口扉711が開放した後に第2大入賞口712に進入した遊技球が、規制部材720が許容状態に切り替わったとしても第1誘導通路721Aに誘導され、第2誘導通路721Bに誘導される可能性がほぼなくなるようになるまでに要する期間であるため、第2大入賞口扉711が開放してから規制部材720が許容状態に切り替わるまでに進入する遊技球は、ほぼ第1誘導通路721Aに誘導され、第2カウントスイッチ24Aにて検出される。
また、この所定の通過不能期間(例えば約1秒)が経過してから第2大入賞口扉711が閉鎖されるまでの規制解除期間(約28秒)は、規制部材720が許容状態に維持されるため、この規制解除期間中に進入した遊技球は全て第3カウントスイッチ24Bにて検出される。
よって、開放制御パターンKSP―Lに基づく第1制御が行われる場合は、極めて高い確率で遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する可能性が高くなる。尚、第10ラウンドにおける規制解除期間中において第3カウントスイッチ24Bにて最初に遊技球が検出されたときに、確変入賞ラウンド1指定コマンドが演出制御基板12に送信される。
図21(B)は、開放パターンKP−Sに対応する開放制御パターンKSP―Sに基づく第2制御内容の一例を示している。まず、CPU103は、第10ラウンドが開始されると、ソレノイド83をオン状態として第2大入賞口扉711を開放させる(tb1)。このとき、規制部材720は規制状態とされている。
次いで、第10ラウンドが開始されて第2大入賞口扉711を開放させてから第2期間である0.5秒が経過したときに、ソレノイド83をオフ状態として第2大入賞口扉711を閉鎖させる(tb2)。
また、第2大入賞口扉711を閉鎖させてから所定の待機期間(例えば、約0.5秒)が経過したタイミングで、ソレノイド84をオン状態として規制部材720を規制状態から許容状態に変化させる(tb3)。
そして、所定の待機期間である約0.5秒が経過したときに、ソレノイド84をオフ状態として規制部材720を許容状態から規制状態に変化させる(tb4)。
ここで、所定の待機期間(例えば約0.5秒)とは、ほぼ遊技球の進入はあり得ないが、仮に第2大入賞口扉711が閉鎖する間際に第2大入賞口712に進入した遊技球が、許容状態に切り替わった規制部材720により第1誘導通路721Aに誘導され、第2誘導通路721Bに誘導される可能性がほぼなくなるまでに要する期間、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出される可能性がほぼなくなるまで待機するための期間であるため、第2大入賞口扉711が開放してから規制部材720が許容状態に切り替わるまでに進入する遊技球は、ほぼ第1誘導通路721Aに誘導され、第2カウントスイッチ24Aにて検出される。
尚、所定の待機期間(例えば約0.5秒)は、第2大入賞口扉711から第3カウントスイッチ24Bまでの遊技球の誘導距離、誘導面の傾斜角度、通路構造等によって変わるため、設計上で第2大入賞口扉711から第3カウントスイッチ24Bに到達する最短期間よりも長い期間を設定することが好ましい。
つまり、第2大入賞口扉711を開放させてから規制部材720が許容状態に切り替わるまでの期間は、通過不能期間である約1秒とされる。
さらに、この所定の通過不能期間(例えば約1秒)が経過した後、約1秒が経過したときに規制部材720が規制状態に戻されるため(tb4)、この期間中に遊技球が進入したとしても、全て第2カウントスイッチ24Aにて検出される。
よって、開放制御パターンKSP―Sに基づく第2制御が行われる場合は、遊技球が第2大入賞口712内に進入する確率はもとより、第3カウントスイッチ24Bにて検出される可能性は極めて低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する可能性はほぼない。
このように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、価値の付与を許容することが決定されているとき、つまり、大当り終了後に確変状態に移行する可能性が高い大当りBまたは大当りCに制御されている場合には、第1期間において第2大入賞口扉711が開放状態に制御されるとともに、規制部材720も許容状態に制御されることで、遊技球がほぼ確実に特定領域である第3カウントスイッチ24B通過して確変状態が付与される一方で、価値の付与を許容することが決定されていないとき、つまり、大当り終了後に確変状態に移行する可能性が極めて低い大当りAに制御されている場合には、第2大入賞口扉711が第1状態である開放状態となった後に閉鎖状態にとされた後、所定の待機期間である約0.5秒が経過した時点、例えば、第2大入賞口712を開放状態としてから進入した遊技球が規制部材720に到達するまでに要する時間(約0.5秒)が経過してから規制部材720が許容状態に制御されるので、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することがほぼ確実に規制されて確変状態が付与されてしまうことがないので、大当りA〜Cの決定割合から大きく外れた割合にて確変状態が付与されてしまうことが防止される。
このように、確変状態を付与するか否かを、予め抽選により決定してしまうのではなく、第2大入賞口712が開放している間に第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されることにより決定するため、第10ラウンドや第15ラウンドにて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されることに対する遊技者の期待感を維持しつつ、確変状態になる可能性が高い開放制御(第1制御)が実行される大当りB,Cと、確変状態になる可能性が低い開放制御(第2制御)が実行される大当りAと、があることで、遊技者の技量の差によらず好適に確変状態を付与できるため、遊技の公平性を担保できる。
図22は、CPU103が大当り遊技状態における第10ラウンド及び第15ラウンドにて行う第1制御及び第2制御の変形例を示すタイミングチャートである。
図22(A)は、開放パターンKP−Lに対応する開放制御パターンKSP―Lに基づく第1制御内容の変形例を示している。まず、CPU103は、第10ラウンドが開始されると、ソレノイド83をオン状態として第2大入賞口扉711を開放させるとともに、ソレノイド84をオン状態として規制部材720を規制状態から許容状態に変化させる(tc1)。
次いで、第10ラウンドが開始されて第2大入賞口扉711を開放させてから第1期間(維持期間)である29秒に亘り、第2大入賞口扉711を開放状態とするとともに規制部材720を許容状態とする状態を維持する。
尚、維持期間(例えば約29秒)は、第2大入賞口扉711を開放させてから、第2大入賞口712に遊技球が進入し、かつ、進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Bに到達してほぼ確実に検出されるのに必要な期間である。つまり、第2大入賞口扉711から第3カウントスイッチ24Bまでの遊技球の誘導距離、誘導面の傾斜角度、通路構造等によって変わるため、設計上で第2大入賞口扉711から第3カウントスイッチ24Bに到達する最短期間よりも長い期間を設定することが好ましい。
また、本実施例では、所定の維持期間は、第2大入賞口扉711の開放期間である第1期間と同期間とされていたが、第1期間よりも短い期間(または長い期間)であってもよい。
そして、第2大入賞口扉711を開放させてから第1期間である29秒が経過したときに、ソレノイド83をオフ状態として第2大入賞口扉711を閉鎖させるとともに、ソレノイド84をオフ状態として規制部材720を許容状態から規制状態に変化させる(tc2)。
このように、第2大入賞口扉711を開放状態とするとともに規制部材720を許容状態とし、この状態を第1期間(所定の維持期間)に亘り維持するため、この維持期間中に進入した遊技球は全て第3カウントスイッチ24Bにて検出される。
よって、開放制御パターンKSP―Lに基づく変形例としての第1制御が行われる場合は、極めて高い確率で遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する可能性が高くなる。尚、第10ラウンドにおける規制解除期間中において第3カウントスイッチ24Bにて最初に遊技球が検出されたときに、確変入賞ラウンド指定コマンドが演出制御基板12に送信される。
図22(B)は、開放パターンKP−Sに対応する開放制御パターンKSP―Sに基づく変形例としての第2制御内容の一例を示している。まず、CPU103は、第10ラウンドが開始されると、ソレノイド83をオン状態として第2大入賞口扉711を開放させるとともに、ソレノイド84をオン状態として規制部材720を規制状態から許容状態に変化させる(td1)。
次いで、第10ラウンドが開始されて第2大入賞口扉711を開放させてから第2期間(例えば約0.5秒)が経過する前の所定時点(例えば、第2大入賞口扉711を開放させてから約0.2秒が経過したとき)で、ソレノイド84をオフ状態として規制部材720を許容状態から規制状態に変化させる(td2)。
さらに、第10ラウンドが開始されて第2大入賞口扉711を開放させてから第2期間である約0.5秒が経過した時点で、ソレノイド83をオフ状態として第2大入賞口扉711を閉鎖させる(td3)。
このように、第10ラウンドが開始されて第2大入賞口扉711を開放させてから、第2期間である0.5秒が経過する前の所定時点(td2)でソレノイド84をオフ状態として規制部材720を許容状態から規制状態に変化させてしまうので、この期間中に遊技球が進入したとしても、全て第2カウントスイッチ24Aにて検出される。
よって、開放制御パターンKSP―Sに基づく変形例としての第2制御が行われる場合は、遊技球が第2大入賞口712内に進入する確率はもとより、第3カウントスイッチ24Bにて検出される可能性は極めて低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する可能性はほぼない。
このように、本変形例にあっては、価値の付与を許容することが決定されているとき、つまり、大当り終了後に確変状態に移行する可能性が高い大当りBまたは大当りCに制御されている場合には、第1期間(維持期間)において第2大入賞口扉711が第1状態である開放状態に制御されるとともに規制部材720も許容状態に制御されることで、遊技球がほぼ確実に特定領域である第3カウントスイッチ24Bを通過して確変状態が付与されるとともに、価値の付与を許容することが決定されていないとき、つまり、大当り終了後に確変状態に移行する可能性が極めて低い大当りAに制御されている場合には、第2大入賞口扉711が第1状態である開放状態に制御されるとともに規制部材720も許容状態に制御されるものの、例えば第2大入賞口712に進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Bに到達するまでに要する時間(例えば約1秒)よりも短い期間(例えば約0.2秒)が経過した時点で規制部材720が規制状態に制御されるので、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することがほぼ確実に規制されて確変状態が付与されてしまうことがないので、大当りA〜Cの決定割合から大きく外れた割合にて確変状態が付与されてしまうことを防止することができる。
このように、確変状態を付与するか否かを、予め抽選により決定してしまうのではなく、第2大入賞口712が開放している間に第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されることにより決定するため、第10ラウンドや第15ラウンドにて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されることに対する遊技者の期待感を維持しつつ、確変状態になる可能性が高い開放制御(第1制御)が実行される大当りB,Cと、確変状態になる可能性が低い開放制御(第2制御)が実行される大当りAと、があることで、遊技者の技量の差によらず好適に確変状態を付与できるため、遊技の公平性を担保できる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図23のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図23に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図24は、演出制御プロセス処理として、図23のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS160)。
図21に示すステップS160にて保留表示更新処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置5における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。
ステップS172の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、ラウンド中及びラウンドインターバル中における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの大入賞口開放後指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えばラウンドインターバル中に大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされていれば、新たなラウンドに対応するラウンド中演出に対応した演出制御パターン等を設定するとともに、大当り遊技状態の終了を示す当り終了指定コマンドを受信したことを示す当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の終了に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図25及び図26は、演出制御プロセス処理におけるエンディング演出処理(ステップS175)を示すフローチャートである。エンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り終了指定コマンドを受信したことを示す当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS401)。当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS401;No)、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS402;No)、演出期間計測タイマによる演出期間の計測が開始されているか否か、つまり、演出期間計測タイマに値がセットされているか否かを判定する(ステップS402A)。そして、演出期間計測タイマによる演出期間の計測が開始されている、つまり、演出期間計測タイマに値がセットされていれば(ステップS402A;Yes)、演出期間計測タイマのタイマ値を1減算し(ステップS402B)、演出期間計測タイマはタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS403)。
演出期間計測タイマはタイムアウトしていない場合は(ステップS403;No)、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS404)、後述するエンディング演出に対応する演出制御プロセスデータのプロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)の制御を実行する(ステップS405)。
また、演出期間計測タイマによる演出期間の計測が開始されていない、つまり、演出期間計測タイマに値がセットされていなければ(ステップS402A;No)プロセスタイマの値を1減算し(ステップS404)、ラウンドインターバル演出に対応する演出制御プロセスデータのプロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)の制御を実行する(ステップS405)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS406)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS407)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS408)。
当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS401;Yes)、当り終了指定コマンド受信フラグをリセットした後(ステップS410)、確変入賞ラウンド1指定コマンドを受信したことを示す確変入賞ラウンド1指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS411)、確変入賞ラウンド1指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS411;Yes)、第10ラウンドにて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されたこと、つまり、第10ラウンドにて確変状態を獲得したことを報知する確変入賞用エンディング演出1(例えば、「確率変動突入!」の他に「第10ラウンドで確変GET」などのメッセージを表示する演出など)に応じたプロセスデータを選択し(ステップS412)、ステップS416に進む。
また、確変入賞ラウンド1指定コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS411;No)、確変入賞ラウンド2指定コマンドを受信したことを示す確変入賞ラウンド2指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS413)、確変入賞ラウンド2指定コマンド受信フラグがセットされていない、つまり、第10ラウンド及び第15ラウンドのいずれにおいても第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されていなければ、大当りが終了したこと及び第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されなかったこと、つまり、確変状態を獲得できなかったことを報知する通常用エンディング演出(例えば、「大当り終了」の他に「確変GET失敗」などのメッセージを表示する演出など)に応じたプロセスデータを選択し(ステップS414)、ステップS416に進む。
また、確変入賞ラウンド2指定コマンド受信フラグがセットされている、つまり、第15ラウンドにおいて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されていれば、第15ラウンドにて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されたこと、つまり、第15ラウンドにて確変状態を獲得したことを報知する確変入賞用エンディング演出2(例えば、「確率変動突入!」の他に「第15ラウンドで確変GET」などのメッセージを表示する演出など)に応じたプロセスデータを選択し(ステップS415)、ステップS416に進む。
尚、これら通常用エンディング演出、確変入賞用エンディング演出1、2の演出内容は上記のものに変更可能であり、特に確変入賞用エンディング演出1、2においては、第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出されたラウンドが第10ラウンド及び第15ラウンドのいずれであるかを示唆するものであれば、報知態様は任意である。
そして、ステップS412、414、415の処理を実行した後は、演出期間計測タイマ及びプロセスタイマをスタートして(ステップS416)、処理を終了する。
また、大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS402;Yes)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS451)。次いで、新たなラウンドに対応するラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS452)、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせた後(ステップS453)、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理(ステップS174)に対応した値である“4”に設定する(ステップS454)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしているときは(ステップS403;Yes)、演出制御用CPU120は、所定のフラグをリセットし(ステップS461)、演出制御プロセスフラグの値を変動表示開始待ち処理(ステップS170)に対応した値である“4”に設定する(ステップS462)。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、価値の付与を許容することが決定されているとき、つまり、大当り終了後に確変状態に移行する可能性が高い大当りBまたは大当りCに制御されている場合には、第1期間において第2大入賞口扉711が開放状態に制御されるとともに、規制部材720も許容状態に制御されることで、遊技球がほぼ確実に特定領域である第3カウントスイッチ24B通過して確変状態が付与される一方で、価値の付与を許容することが決定されていないとき、つまり、大当り終了後に確変状態に移行する可能性が極めて低い大当りAに制御されている場合には、第2大入賞口扉711が第1状態である開放状態に制御された後、所定の待機期間である約1秒が経過した時点、例えば、第2大入賞口712を開放状態としてから進入した遊技球が規制部材720に到達するまでに要する時間(約1秒)が経過してから規制部材720が許容状態に制御されるので、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することがほぼ確実に規制されて確変状態が付与されてしまうことがないので、大当りA〜Cの決定割合から大きく外れた割合にて確変状態が付与されてしまうことが防止される。よって、遊技者の技量の差によらず好適に確変状態を付与できるため、遊技の公平性を担保できる。
また、本実施例では、大当り遊技状態中に第3カウントスイッチ24Bにより遊技球の通過を検出したことに基づいて、所定の価値の一例として、遊技者にとって有利な確変状態への移行を決定するようになっていることで、確変状態への移行に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
尚、本実施例では、所定の価値の一例として、遊技者にとって有利な確変状態を例示したが、確変状態を付与するものに限定されるものではなく、例えば時短状態への移行を決定することや、ラウンドの継続を決定すること等、遊技者にとって有利となる価値であれば任意に変更可能である。
また、本実施例では、遊技領域に設けられた第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の第1特図や第2特図の可変表示を行って表示結果を導出する第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを備え、第1特図や第2特図の表示結果として予め定められた大当り図柄が導出されたときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御するパチンコ遊技機1であって、CPU103は、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで異なる割合にて、第1制御または第2制御を実行する。つまり、例えば、ステップS163〜165にて図6に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を決定し、ステップS207〜209、220、221において該決定した大当り種別及びラウンドに基づいて開放制御パターンを選択する処理を実行するため、第1特図ゲームが実行されるときと第2特図ゲームが実行されるときとで、確変状態の付与に対する遊技者の期待感を異ならせることができるので、遊技の興趣が向上する。
また、本実施例では、エンディング演出等を実行可能であり、CPU103は、例えば、ステップS115の大当り開放中処理を実行し、第10ラウンドや第15ラウンドにて開放制御パターンKSP−Lに基づく開放制御を行い、例えば、第10ラウンドの第1制御にて第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過したときと、第15ラウンドの第1制御にて第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過したときと、とで異なるエンディング中演出を実行することで、複数回の第1制御のうちいずれのタイミングで遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したかに注目させることができる。
また、本実施例では、エンディング演出において第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過したラウンドが第10ラウンド及び第15ラウンドのいずれであるかが報知されるようになっていたが、エンディング演出ではなく、ラウンドインターバル中に実行されるラウンドインターバル演出や、次のラウンド中に実行されるラウンド中演出にて報知するようにしてもよい。また、第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過したラウンドが第10ラウンドであった場合と第15ラウンドであった場合とで、大当り終了後の確変状態において実行される確変中演出の態様(例えば、背景画像態様など)を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bの規制部材720は、特定領域である第3カウントスイッチ24Bへの遊技球の進入を規制する規制位置と、進入を許容する許容位置と、の間で水平回動可能に設けられたものであったが、このように回動可能に設けられる規制部材に限定されるものではなく、例えばスライド移動可能に設けられたシャッタ部材や蓋部材等により構成してもよく、種々に変形可能である。
また、本実施例の規制部材720は、1つの回動軸720Cに第3カウントスイッチ24B及び第2カウントスイッチ24Aそれぞれに対応する規制片720A,720Bが設けられ、回動軸720Cの回動により規制片720A,720Bが選択的に規制位置と許容位置とに位置するようになっていたが、第3カウントスイッチ24B及び第2カウントスイッチ24Aに対応する規制部材をそれぞれ個別に駆動可能に設けてもよい。
また、本実施例では、第2大入賞口712に進入した遊技球の誘導方向に対し、第3カウントスイッチ24B及び第2カウントスイッチ24Aがそれぞれ幅方向に並設されていたが、遊技球の誘導方向に向けて並設してもよい。具体的には、例えば後方に向けて下方に傾斜する誘導通路721の所定箇所に第3カウントスイッチ24Bを設けるとともに、さらにその下流側に第2カウントスイッチ24Aを設け、第3カウントスイッチ24Bの通過孔を開放する開放位置と、閉鎖するとともに誘導通路を構成する閉鎖位置と、の間で出退可能に規制部材を設ければよい。
また、本実施例では、開放制御パターンKSP−Sに基づく開放パターンKP−Sでは、第2大入賞口扉711の開放期間が、遊技球の進入が極めて困難な期間(0.5秒)とされていたが、遊技球の進入が可能な期間(2秒)とし、規制部材720の回動動作により第3カウントスイッチ24Bへの遊技球の進入を規制または許容できるようにしてもよい。
また、本実施例では、第10ラウンドと第15ラウンドにて第2大入賞口712が開放対象となり、開放制御パターンKSP−L,KSP―Sに基づく開放が行われるようになっていたが、開放制御パターンKSP−L,KSP―Sに基づく開放が行われるラウンドを、第10ラウンドまたは第15ラウンドのみとしてもよいし、あるいは、第10ラウンドや第15ラウンド以外のラウンドにおいても実行可能としてもよい。
また、本実施例では、全ての大当りA〜Cにおいて、第10ラウンドと第15ラウンドとで開放制御パターンKSP−L,KSP―Sいずれかに基づく開放が行われるようになっていたが、例えば大当り種別によって、開放制御パターンKSP−L,KSP―Sいずれかに基づく開放が行われるラウンドが異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームにおいて、第10ラウンド及び第15ラウンド双方が開放制御パターンKSP−Sに基づく短期開放ラウンドとなる大当りAの表示結果が導出される可能性があるが、例えば、確変制御が大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば70回など)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するもの等においては、第2特図ゲームにおいて大当り種別として大当りAを決定しないようにしてもよい。
また、本実施例では、大当り種別及びラウンドに応じて予め定められた開放パターンが実行されるようになっていたが、大当り種別とは別個に、開放パターン種別や実行するラウンド等を抽選等により決定するようにしてもよい。
また、本実施例では、複数の大入賞口(第1大入賞口702と第2大入賞口712)を有し、開放制御パターンKSP−L,KSP―Sに基づく開放が行われる第10ラウンドと第15ラウンドにて第2大入賞口712が開放対象となるようにしていたが、開放制御パターンKSP−L,KSP―Sに基づく開放が行われるラウンドも、規制部材が動かない開放が行われるそれ以外のラウンドも、1つの大入賞口のみを対象としてもよい。
また、本実施例では、複数の大入賞口(第1大入賞口702と第2大入賞口712)を有し、特定領域である第3カウントスイッチ24Bが第2大入賞口712内に設けられていたが、例えばこれら第1大入賞口702や第2大入賞口712とは別個に設けた特定入賞口内に特定領域である第3カウントスイッチ24Bを設けてもよい。
また、本実施例では、特定領域である第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過する確率が低い開放パターンKP−Sと、これよりも確率が高い開放パターンKP−Lと、の2種類の開放パターンが用意されていたが、特定領域である第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過する確率が第1確率である第1開放パターンと、特定領域である第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過する確率が第1確率よりも高い第2確率である第2開放パターンと、特定領域である第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過する確率が第2確率よりも高い第3確率である第3開放パターンと、を含む3以上の開放パターンを実行可能としてもよい。
また、本実施例では、開放制御パターンKSP−Sに基づく開放が行われる短期開放ラウンドにおいては、実質的に遊技球が入賞することが極めて困難な開放時間(約0.5秒)が設定されているとともに、第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出される可能性が極めて困難な回動動作が行われるため、例えば短期開放ラウンドにおいて第3カウントスイッチ24Bにて遊技球が検出された場合、例えば、演出表示装置5等において異常入賞があった旨を報知したり、パチンコ遊技機1の外部にエラー信号等を出力するようにしてもよく、このようにすることで、異常入賞が発生した可能性があることを発見しやすくなる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。