JP5985528B2 - 陰圧操作トレーニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、陰圧操作トレーニング装置に関する。
例えば、抗ガン剤などの劇薬を扱う医療現場に於て、薬液が収容されたバイアルから注射器(シリンジ)にて薬液を抜き取る際、又は、固形の薬剤が入ったバイアルに注射器にて液体を注入する際、バイアル内を常に陰圧状態に保ちつつ薬液を吸引又は液体を吐出する操作(以下、陰圧操作と言う)を行う必要があった。この陰圧操作は、バイアル及び注射器の扱いが難しく、薬剤師の熟練が要求されていた。
従来、薬剤師の熟練度に頼ることなく、電気的に制御された機械を用いて注射器を操作して薬液を吸引又は吐出する薬液移注方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2014−237号公報
しかし、特許文献1記載の薬液移注方法は、機械を用いた装置が大掛かりで、コストが増大するという欠点があった。
そこで、上述の陰圧操作を人の手で確実に行える薬剤師の育成が急務であり、熟練度の高いベテランの薬剤師が指導者となって、経験の浅い薬剤師、あるいは、薬剤師の卵、を指導している。しかしながら、ベテランの薬剤師は、指導者に専念できる訳ではなく、薬剤師としての日々の業務をこなしながら、後輩への陰圧操作の指導に時間を取られる為、ベテランの薬剤師の負担は大きかった。
そこで、本発明は、陰圧操作の訓練を効率よく行える陰圧操作トレーニング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る陰圧操作トレーニング装置は、練習者がバイアル及び注射器を操作する手元を撮影した画像情報をコンピュータに入力するための撮像手段と、上記バイアル内の圧力情報を上記コンピュータに入力するための圧力検出手段とを、備え、上記コンピュータは、圧力設定手段から入力された所定の設定圧力領域と、上記圧力検出手段にて検出される上記バイアル内の圧力状態とを、比較し評価する比較手段と、上記撮像手段からの上記画像情報、及び、上記圧力検出手段からの上記圧力情報、及び、上記比較手段からの上記圧力状態の評価情報を、同じ時間軸に同調させて合成した一連の情報として記憶する記憶手段と、上記画像情報として入力された上記練習者の手元を撮影した画像と、上記圧力情報として入力された上記バイアル内の圧力状態の数値と、上記評価情報に基づいた上記評価を複数段階に色分けして表示する棒グラフ状評価表示部とを、同時に表示する表示手段を、備え、上記記憶手段は、記憶した上記一連の情報を、いつでも何度でも上記表示手段に再入力可能であるものである。
また、上記撮像手段は、カメラを有し、該カメラが、上記練習者の顔の目の近傍に取付可能な取着具を有しているものである。
また、上記棒グラフ状評価表示部は、上記バイアル外部の気圧と上記バイアル内部の差圧に応じて、長手方向の長さ寸法が変化するように構成されているものである。
本発明の陰圧操作トレーニング装置によれば、練習者がバイアル及び注射器を操作するのと同時にバイアル内が陰圧状態に保たれているか目で見て確認できる。指導者が練習者に付き添っていなくても、後で、指導者がコンピュータに記憶した練習者の操作を、いつでもチェックできる。即ち、ベテランの薬剤師が時間を有効活用でき、負担を軽減できる。練習者の手元の操作を記録した画像と、その時のバイアル内の圧力状態と評価の状況を、同じ時間軸で確認でき、指導者が容易に練習者の改善点を確認して指導できる。練習者の操作を、何回でも繰返し確認することができる。装置として簡便で、コストを低減できる。
本発明の実施の一形態を示した簡略構成図である。 ブロック図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1に示すように、本発明の陰圧操作トレーニング装置は、練習者EがバイアルB及び注射器Sを操作する手元を撮影した画像情報Dをコンピュータ3に入力するための撮像手段1と、バイアルB内の圧力情報Dをコンピュータ3に送信するための圧力検出手段2とを、備えている。
撮像手段1は、カメラ10を有し、カメラ10が、練習者Eの顔の目の近傍に取付可能な取着具11を有している。カメラ10は、練習者Eの目線に近い視線で練習者Eの手元を撮影可能であって、いわゆる、ヘッドマウントカメラが用いられる。カメラ10は、コンピュータ3に接続可能なケーブル12を有し、撮影した練習者Eの手元の画像をデジタル化して、画像情報Dを、ケーブル12を介してコンピュータ3に入力する。
圧力検出手段2は、圧力センサ20と、圧力センサ20からのアナログ信号をデジタル信号に変換する電子回路を有する基盤23とを、有している。圧力センサ20は、圧力伝送用のチューブ22が設けられ、チューブ22の先端にバイアルB内に挿入可能な検出針21を有している。基盤23は、圧力センサ20に隣接して設けられ、圧力センサ20と基盤23は、ケーシング25によってユニット化されている。基盤23は、圧力センサ20にて検出したバイアルB内の圧力状態をデジタル化して、圧力情報Dを、ケーブル24を介してコンピュータ3に入力する。
図2に示すように、コンピュータ3は、圧力設定手段30から入力された所定の設定圧力領域と圧力検出手段2にて検出されるバイアルB内の圧力状態とを比較し評価する比較手段31と、撮像手段1からの画像情報D及び圧力検出手段2からの圧力情報D及び比較手段31からの圧力状態の評価情報Dを同じ時間軸で記憶する記憶手段32と、画像情報Dと圧力情報Dと評価情報Dを同時に表示する表示手段33とを、備えている。
比較手段31は、圧力検出手段2からの圧力情報Dを受け取って、バイアルB内の圧力状態を算出する。圧力設定手段30は、予め所定の設定圧力領域の数値が入力されて記憶装置に記憶しており、比較手段31にて、バイアルB内の圧力状態の数値と設定圧力領域の数値を比較する。本発明に於て、所定の設定圧力領域とは、バイアルBの外部の圧力(大気圧)に対し、バイアルBの内部の圧力の差圧が、0kPa 未満の状態を「陰圧状態」とし、差圧が0kPa 以上で、かつ、1kPa 未満である状態を「外部の気圧とほぼ等しい状態」とし、差圧が1kPa 以上に高い状態を「陽圧状態」として設定している。また、この設定値の閾値は任意の値を設定することができる。
比較手段31は、バイアルB内の圧力状態が、圧力設定手段30に於ける所定の設定圧力領域の「陰圧状態」、「外部の気圧とほぼ等しい状態」、「陽圧状態」の内のどの状態であるかを判定し、その結果を評価情報Dとして、圧力情報Dと共に記憶手段32に入力する。
記憶手段32は、画像情報Dと同じ時間軸に、圧力情報D及び評価情報Dを合成してシンクロさせ、一連の情報(D,D,D)として表示手段33に入力すると共に記憶媒体に保存する。記憶手段32は、保存した情報(D,D,D)を、いつでも何度でも表示手段33に再入力可能である。なお、記憶媒体は、コンピュータ3に内蔵された記憶装置(ハードディスク)でも良く、外付けの記憶装置を用いるも好ましい。
表示手段33は、画像情報Dと圧力情報Dと評価情報Dを同時に出力する。表示手段33は、バイアルB内の圧力状態の評価情報Dを、複数段階に色分けして表示するように構成されている。
図1に示すように、コンピュータ3の画面40には、カメラ10で撮影される画像がリアルタイムで映し出され、同時に、バイアルB内の圧力状態の数値が表示されている。さらに、棒グラフ状評価表示部41が設けられ、バイアルB内の圧力状態がどの状態であるか一目でわかるように表示されている。
評価表示部41は、バイアルB内の圧力状態に応じて、下記〔表1〕のように色が変化する。なお、評価表示部41は、外部の気圧とバイアルB内の差圧に応じて、長手方向の長さ寸法Lが変化するも好ましい。
Figure 0005985528
上述した本発明の陰圧操作トレーニング装置の使用方法(作用)について説明する。
図1に示すように、練習者Eの顔の目の近くにカメラ10を取付け、圧力センサ20の検出針21をバイアルBのゴム栓に刺通して内部に挿入する。バイアルBには、練習用の液体が入れられている。この状態で、バイアルBのゴム栓に注射器Sの針を刺して、バイアルBから液体を抜き取る。この際、コンピュータ3の画面40には、練習者EがバイアルB及び注射器Sを操作する手元の画像がリアルタイムで映し出され、同時に、バイアルB内の圧力状態の数値とその評価を表わす評価表示部41が表示される。
練習者Eは、バイアルB及び注射器Sを操作しつつコンピュータ3の画面40でバイアルB内が陰圧状態に保たれているか同時に目で見て確認できる。即ち、陰圧操作が正しく行えているか否か、(練習者Eに)一目瞭然と言える。
次に、練習者Eを指導するベテランの薬剤師が、練習者Eの行った操作をチェックする際、記憶手段32によって保存された画像情報Dと圧力情報Dと評価情報Dを表示手段33に入力し、コンピュータ3の画面40にて再生する。ベテランの薬剤師は、練習者Eの目線から手元の操作を記録した画像を確認するのと同時に、その時のバイアルB内の圧力状態と評価の状況を同じ画面40上で確認する。ベテランの薬剤師は、自分の都合の良い時に、コンピュータ3に記憶した練習者Eの操作を、いつでも(コンピュータ3の画面40に再生して)チェックできる。この際、コンピュータ3に記憶した練習者Eの操作を早送りして再生し、時間を短縮することもでき、評価表示部41の色を注視して、赤色になった時の練習者Eの操作を見れば、改善すべき点を効率よく見つけ出すことができる。
そして、ベテランの薬剤師が練習者Eを指導する際に、画像を見ながら操作の改善点を指摘して、どのようにバイアルB及び注射器Sを操作すれば正しい陰圧操作が行えるかを指導でき、良い陰圧操作の例と悪い操作の例を何回でも繰返し確認することができる。
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、コンピュータ3の画面40の画像や数値、評価表示部41の表示位置の変更は自由である。
以上のように、本発明に係る陰圧操作トレーニング装置は、練習者EがバイアルB及び注射器Sを操作する手元を撮影した画像情報Dをコンピュータ3に入力するための撮像手段1と、バイアルB内の圧力情報Dをコンピュータ3に入力するための圧力検出手段2とを、備え、コンピュータ3は、圧力設定手段30から入力された所定の設定圧力領域と、圧力検出手段2にて検出されるバイアルB内の圧力状態とを、比較し評価する比較手段31と、撮像手段1からの画像情報D、及び、圧力検出手段2からの圧力情報D、及び、比較手段31からの圧力状態の評価情報Dを、同じ時間軸で記憶する記憶手段32と、画像情報Dと圧力情報Dと評価情報Dを、同時に表示する表示手段33とを、備えているので、練習者EがバイアルB及び注射器Sを操作するのと同時にバイアルB内が陰圧状態に保たれているか目で見て確認できる。指導者が練習者Eに付き添っていなくても、後で、指導者がコンピュータ3に記憶した練習者Eの操作を、いつでもチェックできる。即ち、ベテランの薬剤師が時間を有効活用でき、負担を軽減できる。練習者Eの手元の操作を記録した画像と、その時のバイアルB内の圧力状態と評価の状況を、同じ時間軸で確認でき、指導者が容易に練習者Eの改善点を確認して指導できる。練習者Eの操作を、何回でも繰返し確認することができる。装置として簡便で、コストを低減できる。
また、撮像手段1は、カメラ10を有し、カメラ10が、練習者Eの顔の目の近傍に取付可能な取着具11を有しているので、練習者Eの目線から手元を見た画像をカメラ10にて撮影でき、指導者が後で操作をチェックする際、練習者Eの操作を容易に確認できる。
また、表示手段33は、バイアルB内の圧力状態の評価情報Dを、複数段階に色分けして表示するように構成されているので、練習者Eは、バイアルB及び注射器Sを操作しつつコンピュータ3の画面40でバイアルB内が陰圧状態に保たれているか目で見て確認でき、陰圧操作が正しく行えているか否か、一目瞭然である。また、コンピュータ3に記憶した練習者Eの操作を早送りして再生し、指導者がチェックする時間を短縮できる。
1 撮像手段
2 圧力検出手段
3 コンピュータ
10 カメラ
11 取着具
20 圧力センサ
30 圧力設定手段
31 比較手段
32 記憶手段
33 表示手段
41 棒グラフ状評価表示部
E 練習者
B バイアル
S 注射器
画像情報
圧力情報
評価情報
,D ,D 一連の情報
L 長さ寸法

Claims (3)

  1. 練習者(E)がバイアル(B)及び注射器(S)を操作する手元を撮影した画像情報(D)をコンピュータ(3)に入力するための撮像手段(1)と、
    上記バイアル(B)内の圧力情報(D)を上記コンピュータ(3)に入力するための圧力検出手段(2)とを、備え、
    上記コンピュータ(3)は、
    圧力設定手段(30)から入力された所定の設定圧力領域と、上記圧力検出手段(2)にて検出される上記バイアル(B)内の圧力状態とを、比較し評価する比較手段(31)と、
    上記撮像手段(1)からの上記画像情報(D)、及び、上記圧力検出手段(2)からの上記圧力情報(D)、及び、上記比較手段(31)からの上記圧力状態の評価情報(D)を、同じ時間軸に同調させて合成した一連の情報(D ,D ,D )として記憶する記憶手段(32)と、
    上記画像情報(D)として入力された上記練習者(E)の手元を撮影した画像と、上記圧力情報(D)として入力された上記バイアル(B)内の圧力状態の数値と、上記評価情報(Dに基づいた上記評価を複数段階に色分けして表示する棒グラフ状評価表示部(41)とを、同時に表示する表示手段(33)を、備え、
    上記記憶手段(32)は、記憶した上記一連の情報(D ,D ,D )を、いつでも何度でも上記表示手段(33)に再入力可能であることを特徴とする陰圧操作トレーニング装置。
  2. 上記撮像手段(1)は、カメラ(10)を有し、該カメラ(10)が、上記練習者(E)の顔の目の近傍に取付可能な取着具(11)を有している請求項1記載の陰圧操作トレーニング装置。
  3. 上記棒グラフ状評価表示部(41)は、上記バイアル(B)外部の気圧と上記バイアル(B)内部の差圧に応じて、長手方向の長さ寸法(L)が変化するように構成されている請求項1又は2記載の陰圧操作トレーニング装置。
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