JP5984538B2 - アイスリンク用床構造体 - Google Patents
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Description
また、プラスチック製の柔軟なパイプを幅方向に沿って密接して配設することで、短時間でアイススケートリンクの床面を氷結するため、ベースフィルムの上方に起立条を介して樹脂製の細かい多数の第1柔軟パイプを一体に並設し、係る第1柔軟パイプ同士の間に樹脂からなる同径の第2柔軟パイプを配列し、第1および第2柔軟パイプをフック枠で相互に連結固定したアイススケートリンク床面の冷却構造も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
そのため、カーリングや各種のスケート、アイスホッケー、更にはアイスショーのように、比較的長大であるか広いスペースのアイスリンクを短期間で施工できず、散水した水を短時間で氷結させられないと共に、冷媒が漏洩し易いなどの問題があった。更に、アイスショーのように、当該ショーの開催期間の前後において、短時間で正確に施工したり、解体することも困難であった。
即ち、本発明によるアイスリンク用床構造体(請求項1)は、アルミニウム合金の押出形材からなり、押出方向と直交する断面において水平板と該水平板の下方に一体に設けた冷媒用のパイプ部とを含む複数の単位床材を、押出方向および該押出方向と直交する方向の2方向に沿ってそれぞれ連設したアイスリンク用床構造体であって、上記押出方向に沿って隣接する一対の単位床材の端部には、パイプ部を除く上記水平板の一部を除去した除去部が隣接して形成され、該一対の除去部内に延びた一対の隣接するパイプ部の端部同士を、該端部の外側を軸方向に沿って互いにネジ結合する雄ネジスリーブと雌ネジスリーブとにより接続してなり、上記一対の隣接するパイプ部同士の端部には、互いに対称なフレア部を形成すると共に、該一対のフレア部が隣接する内側面に、断面が三角形状の金属シールリングを挿入してなると共に、上記雌ネジスリーブと該雌ネジスリーブを貫通する一方の上記パイプ部の端部におけるフレア部との間には、該フレア部の外斜面に接する円錐形状の内斜面を有するリングスペーサーが挟持されている、ことを特徴とする。
しかも、高い熱伝導率のアルミニウム合金からなる複数の単位床材を連設して用いるため、従来の前記樹脂からなるパイプやシートに比べて、各単位床材の上に水を一定のレベルまで順次または一度に給水して短時間で氷結できると共に、押出方向と直交する方向で隣接する単位床材同士の端部は、予め成形された所要の断面形状によって、カシメや嵌合方式により強固に接続することもできる。
更に、押出方向に沿って隣接する単位床材のパイプ部の端部同士には、該端部を円錐形状に拡径したフレア部が対称に形成され、該フレア部の内側面に断面がほぼ三角形状の金属シールリングを密に挿入した状態で、上記端部の外側を前記雄ネジスリーブと雌ネジスリーブとにより機械的に接続される。そのため、比較的少ない部品数と小さなスリーブとによって、高い密閉性を持ってパイプ部同士を接続できるので、パイプ部ごとの内部を流れる冷媒の漏洩を確実に防止できると共に、前記除去部を比較的小さい面積にすることもできる。
加えて、一方のパイプ部のフレア部に接触して配置された雄ネジスリーブに対し、他方のパイプ部のフレア部との間に該フレア部の外斜面に接触するリングスペーサを挟んで位置する雌ネジスリーブを回転させても、係る回転に伴って他方のパイプ部を含む前記単位床材(押出形材)自体が不用意に従動して回転し難くなる。従って、隣接する一対のフレア部を挟んだ雄ネジスリーブと雌ネジスリーブとをネジ結合させる回転操作を容易して且つ確実に行うこともできる。
前記アイスリンクは、カーリング(curling)、スケート(フィギアスケートやスピードスケートなど)、アイスホッケー、あるいはアイスショーなどの氷上で行われる各種のスポーツや競技やイベントに活用される氷結した床部分である。
また、前記単位床材は、水平板の下側にパイプ部を少なくとも1個を有しており、2個以上のパイプ部を同様にして併設しても良い。該パイプ部は、アルミニウム合金の押出形材やパイプであれば、水平板と別体のパイプ材からなり、水平板の下面側に物理的に接続する形態としても良い。
更に、前記複数の単位床材は、押出方向と直交する方向に沿った断面において隣接する両端部において、一方の単位床材の端部を他方の単位床材の端部が挟んでカシメる接続部、隣接する一対の端部同士を上下方向に沿って挿入する接続部、あるいは、複数の嵌合材を介して接続する接続部が予め形成されている。
更に、前記除去部は、平面視でほぼ矩形(長方形または正方形)状を呈するほか、前記各スリーブのネジ込み作業が可能な面積を有する任意の形状としても良く、例えば、切り欠き加工や打ち抜き加工などによって形成される。
また、前記床構造体を構成する複数の単位床材のうち、押出方向の両端に位置する各単位床材の一方の端面には、隣接するパイプ部の端部同士の間を接続する平面視がU字形の冷媒管が溶接や前記一対のスリーブを用いる機械的な管継手により接続され、各単位床材の他方の端面には、冷媒供給用ヘッダー管または冷媒戻し用ヘッダー管が上記同様の溶接や機械的な管継手により接続される。
加えて、前記雄ネジスリーブおよび雌ネジスリーブは、管継手を構成するが、係る管継手の上部側が、前記床構造体を構成する各単位床材の水平板よりも上方に位置する形態では、競技者やスケーターなどの心理的な不安を抑制するため、当該床構造体の上方に氷層を介して多孔性のメッシュシートを平行状に張設し、更に該シート上にも別の氷層を氷結させることが望ましい。
これによれば、前記他方のパイプ部のフレア部の外斜面に設けた凸部がリングスペーサーの内斜面に食い込むので、該リングスペーサーと別体で且つ該スペーサーに隣接している雌ネジスリーブのみを単独で回転できる。その結果、雌ネジスリーブの回転に伴って、該雌ネジスリーブと上記リングスペーサーとが滑り易くなるので、他方のパイプを含む単位床材の不用意な回転を防ぐと共に、該雌ネジスリーブを前記一方のパイプ部のフレア部に面接触させた雄ネジスリーブに対し、確実にネジ結合させことができる。
尚、前記凸部には、例えば、前記外斜面の放射(径)方向に沿った複数の凸条、該外斜面の円周方向に沿った円環状を呈する複数の凸条、あるいは、上記外斜面にほぼ等間隔あるいは散点状に突設した複数の突起などが含まれる。
これによれば、前記一対のパイプ部の端部をそれぞれフレア加工した際に、各パイプの軸方向の長さが短くなるが、各パイプ部を含む一対の押出形材の隣接する端面同士が接触させても、金属シールリングの外周側には、上記短くなった軸方向の長さに相当する平坦面が形成されているので、該平坦面に隣接する一対の斜面にフレア部の内側面を確実に密着させることが可能となる。
これによれば、前記雄ネジスリーブおよび雌ネジスリーブのうち、外周側に位置する雌ネジスリーブの上端部が、隣接する単位床材ごとの水平板と面一となるか、該水平板よりも低い位置にされるので、除去部の上方には、突出するものがなくなる。そのため、氷上で競技や演技するプレーヤーに対し、心理的な不安感を与えにくくなるので、好記録やハイレベルの演技を保証することが可能となる。
これによれば、前記除去部の上方に突出物がなくなるだけでなく、除去部自体が蓋やテープで目隠しされるため、氷上で競技や演技するプレーヤーに対し、心理的な不安感を一層与えにくくすることができる。
尚、前記蓋は、単位床材と同種のアルミニウム合金の平板あるいは平板をプレス加工したものとし、前記テープは、単位床材と同種の色彩であるアルミニウム箔を含む金属テープが耐久性の点でも望ましい。
図1は、本発明による一形態のアイスリンク用床構造体1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った部分垂直断面図である。
アイスリンク用床構造体1は、例えば、カーリング競技に用いられ、図1に示すように、アルミニウム合金の押出形材からなる複数の単位床材2を、押出方向(図1で上下方向)および該押出方向と直交する方向(図1で左右方向)の2方向に沿ってそれぞれ連続して配設(以下、連設と称する)したものである。
上記単位床材2は、例えば、JIS A6063−T5などのアルミニウム合金からなり、図2中の左側に示すように、押出方向と直交する方向の断面において、平坦な水平板6と、該水平板6の中央付近の下方に設けたパイプ部7と、上記水平板6の一端(右端)側に断面ほぼL字形の段部9を介して設けた縦片10と、上記水平板6の他端(左端)側に設けられ、上記縦片10を受け入れる縦溝11を内側に有する断面ほぼC字形の挟持片12とを、図示の奥行き方向の全長(約5〜6メートル)に沿って一体に有している。上記パイプ部7は、追って冷媒が流動する中空部8を軸方向の全長に沿って内蔵しており、該パイプ部7の上端部は、水平板6の表面(上面)とほぼ同じレベルに位置している。
更に、押出方向と直交する方向で隣接する単位床材2,2や単位床材2,2aは、一端側の縦片10を他端側の縦溝11内に挿入した後、図2中の破線で示すように、予め斜め外向きに傾斜して押出成形された挟持片12の先端部を垂直姿勢になるように押圧変形させ、縦溝11内に差し込んだ上記縦片10を挟持部12でカシメることにより連設されている。即ち、図1で押出方向と直交する方向に沿った複数の単位床材2,2aは、一体物(ユニット体)とされている。
そして、図1で下端側における1つ置きの単位床材2,2aのパイプ部7は、それぞれ接続管39を介して冷媒供給用ヘッダー管37に接続され、上記単位床材2,2aに挟まれた別途に1つ置きの別の単位床材2,2aのパイプ部7は、それぞれ接続管40を介して冷媒戻し用ヘッダー管38に接続されている。一方、図1で上端側において隣接する単位床材2,2aのパイプ部7,7の端部は、それぞれ平面視がU字形のU形管41を介して接続されている。
尚、上記ヘッダー管37,38、接続管39,40、およびU形管41は、単位床材2,2aと同種のアルミニウム合金からなるので、各単位床材2,2aのパイプ部7との接続や相互間の接続は、TIG溶接あるいはMIG溶接によって行われる。換言すると、前記床構造体1で押出方向の両端に位置し且つ互いに一体に接続された複数の単位床材2,2aからなる一体のユニット体には、上記ヘッダー管37,38と接続管39,40、あるいはU形管41が溶着されている。
図3に示すように、押出方向と直交する方向に沿って隣接する単位床材3,3(3a)は、それぞれのコ形部14を対称に接近させ、係る一対のコ形部14,14の下方を断面が扁平な凹部片15で覆うと共に、該凹部片15の両端に横向きで且つ対称に突設した凸条16を上記コ形部14ごとの横向きの溝に挿入して、上記方向に沿って単位床材3,3aが離間しないように拘束する。更に、図3に示すように、隣接するコ形部14,14間に、上方から断面ほぼ門形で且つ弾性変性可能な接続片17を挿入し、該接続片17における左右の縦片の先端に横向きで且つ対称に突設した一対の爪片18を、個別に上記コ形部14の下面に掛け止めさせる。上記凹部片15と接続片17とからなる一対の嵌合材により、押出方向と直交する方向に沿って複数の単位床材3,3aを連設することができる。
尚、単位床材3は、前記同様の端片13を他端に有する最外端用である。
図1および図4中のY−Y線の矢視に沿った部分垂直拡大断面図の図5で示すように、押出方向に沿って隣接する単位床材2,2、または単位床材2a,2aの各パイプ部7の端部7hには、互いに円錐形状に拡径するフレア部20が対称に形成され、隣接する該フレア部20,20間の内斜面21には、断面ほぼ三角形の金属シールリング(金属パッキン)22が嵌合されている。該リング22の硬度は、単位床材2などのアルミニウム合金と同じ硬度か、やや軟質である。
そして、図5に示すように、一対のフレア部20の内斜面21,21間に金属シールリング22を嵌合した状態で、雄ネジスリーブ23の雄ネジ24と雌ネジスリーブ25の雌ネジ26とをネジ結合して締結する。その結果、隣接するパイプ部7,7のフレア部20の端部7hを密接させ、且つフレア部20同士の内斜面21,21間に金属シールリング22を密に嵌合させた管継手J1を構成することができる。
上記のように、冷媒を押出方向と該押出方向に直交する方向とに沿った単位床材2,2、あるいは単位床材2a,2aごとのパイプ部7,7の前記中空部8を循環させて流通させることで、図5に示すように、本床構造体1を敷設した図示ないコンクリートなどのフロア上に、各単位床材2,2aごとの水平板6の上方のレベルまで給水した水を、順次凍結して氷結させたアイスリンクIが得られる。
尚、上記メッシュシートMは、例えば、ポリエステルのメッシュ基材にポリ塩化ビニルを被覆した複合材からなり、メッシュの番手は約♯1000〜♯2000程度であり、上下の氷層i1,i2間で挟むようにしても良い。
図6は、前記管継手J1の応用形態の管継手J1aを構成する各要素を示す分解垂直断面図、図7は、該管継手J1aを示す図5と同様な垂直断面図であり、且つ前述した問題点を解決した形態である。
係る管継手J1aは、図6に示すように、管端部7hにフレア部20を対称に設けた左右一対のパイプ部7において、右側のパイプ部7には、前記同様の雄ネジスリーブ23が予め挿通されている。一方、図6で左側のパイプ部7には、雌ネジ26の奥に環状の凹溝25bを介して円柱形状の凹部25aを設けた雌ネジスリーブ25が予め挿通され、且つ該凹部25aと上記フレア部20との間には、金属製のリングスペーサー37が挿通されている。該リングスペーサー37は、隣接するフレア部20側に、該フレア部20の外斜面21aと面接触可能な円錐形状の内斜面38を有している。また、上記フレア部20の外斜面21aには、放射(径)方向に沿った複数の凸条(凸部)21rを突設することが望ましい。
更に、図6に示すように、一対のフレア部20間に挟持される金属シールリング22aは、前記同様の三角形状の断面のうち、外周側に対称に位置する一対の傾斜面の間に、前記パイプ7の軸方向と平行な環状の平坦面22bを有している。該平坦面22bの軸方向に沿った長さは、隣接する単位床材2の各パイプ7の端部ごとに前記フレア部20を形成した際、該一対のパイプ部7が短くなった長さに相当する。これによって、一対の単位床材2を押出方向に沿って隣接させた際に、互いに隣接する一対の端面6hの何れか一方を、上記短くなった長さと同じ幅で切除する作業を省略することができる。
引き続いて、図6,図7に示すように、左側のパイプ部7に嵌挿した雌ネジスリーブ25を回転させつつ、その雌ネジ26の先端側を、右側の雄ネジスリーブ23の雄ネジ24の先端側にネジ結合させる。この際、リングスペーサー37は、雌ネジスリーブ25とは別体であるため、雌ネジスリーブ25を回転しても、そのトルクはリングスペーサー37およびフレア部20には伝わりにくく、且つ他方のパイプ部7を含む単位床材2の不用意な回転を防ぐ。その結果、雌ネジスリーブ25と雄ネジスリーブ23との締結が容易となる。
その結果、雌ネジスリーブ25を回転させて雄ネジスリーブ23とネジ結合することにより、図7に示すように、左右一対のパイプ部7,7のフレア部20,20間に、金属シールリング22aが蜜に挟持された管継手J1aが得られる。
そのため、従来の樹脂からなる多数のパイプを互いに接着する湿式の接続構造に比べ、少ない工数および短時間で施工できると共に、季節や開催期間の終了後には、少ない工数で且つ短時間で前記ユニット体ごとに解体することもできる。
しかも、高い熱伝導率のアルミニウム合金からなる複数の単位床材2,2aなどを連設して用いるため、従来の前記樹脂からなるパイプやシートに比べて、各単位床材2,2aの上に水を一定の水位ごとに順次給水し且つ氷結することにより、短時間でできる。更に、押出方向と直交する方向で隣接する単位床材2,2aの端部は、予め成形された所要の断面形状によるカシメや嵌合方式により強固に接続することができる。
更に、前記管継手J1aを用いることで、複数の単位床材2,2aのパイプ部7,7を押出方向に沿って容易、迅速、且つ確実に接続することが可能になる。
図9は、前記図3で示した単位床材3,3aの応用形態である単位床材5,5aを示す断面図である。単位床材5,5aも、前記同様のアルミニウム合金の押出形材からなり、図9に示すように、前記同様の水平板6、中空部8を内蔵するパイプ部7、および両端部に対称に設けた一対のコ形部14を有し、更に水平板6の中央部とパイプ部7との間には、一定の高さを有する吊り部19が一体に介在している。尚、端部用の単位床材5aの一端には、前記同様の端片13が設けられている。
更に、図10(b)は、前記単位床材4a,5aの異なる応用形態である単位床材5cを示す断面図であり、該単位床材5cも前記同様の押出形材からなり、図示のように、一端の端片13の上方に、垂直片40とその中間から水平板6上に延びた水平片42とが形成されている。係る水平片42の上側には、前記メッシュシートMの端縁を挟んで、前記同様の押出形材からなり、断面全体がほぼL字形状を呈する抑え材47の水平片49が載置され、且つ垂直片40の上部の内側には、抑え片47の垂直片48が添接し且つネジ止めなどにて固定されている。
以上のような単位床材5b,5cおよび抑え材44,47を用いることで、前記メッシュシートMを単位床材5群の上方における一定のレベルに容易に張設することが可能となる。
図11中のY−Y線の矢視に沿った拡大断面図である図12に示すように、押出方向に沿って隣接する単位床材4,4a(5,5a〜5c)のパイプ部7の端部7h付近には、前記同様の金属シールリング22を内斜面21ごとに密着した一対のフレア部20が対称に接触しており、これらの外側には、前記同様の雄ネジスリーブ23と雌ネジスリーブ25とが互いにネジ結合して締結することで、前記同様の管継手J1が構成されている。
更に、図12中の白抜きの矢印で示すように、平面視が除去部k2とほぼ相似形で厚みが前記高さtと同じであるアルミニウム合金の蓋27を用意し、その四辺に沿って下側の段部28と上側の断面が板状である端辺29とを設けた蓋27によって、除去部k2を塞いでも良い。該蓋27を用いることで、上記不安感を一層確実に解消ないし低減することも可能となる。尚、上記蓋27は、四辺の端辺29を周囲の水平板6に対しビスなどによって固定しても良い。
尚、上記蓋27に替え、アルミニウム箔を含む金属テープや銀色系統を呈する樹脂テープにより、除去部k2を上側から閉塞しても上記同様の効果が得られる。
尚、図13中で左側のパイプ部7におけるフレア部20の外斜面21aには、前記同様の複数の凸条(凸部)21rが突設されている。
更に、外斜面21aに位置する複数の凸条21rを更に設けておくことで、上記スペーサー37の内斜面38に食い込むので、上記スペーサー37と上記スペーサー37とが滑り易くなり、且つ該スペーサー37とフレア部20を含む左側のパイプ部7とは、回転不能で且つ緊密な結合状態となる。従って、これ以降では、雌ネジスリーブ25を回転しても、左側のパイプ部7やこれを含む単位床材2は、上記スリーブ25の回転に伴って不用意に同期して回転しにくくなる。
そして、雌ネジスリーブ25を回転させて雄ネジスリーブ23とネジ結合した後、更に除去部k2を前記蓋27により閉塞することによって、図13に示すように、左右一対のパイプ部7,7のフレア部20間に、金属シールリング22aが密着して挟持され、且つ上方から視認できない管継手J1bが得られる。
次いで、上記接続管30の外周面31の外側に、平行な内周面33を有する雄ネジスリーブ32を配置して、上記接続管30の外周面31の過半部分を覆う。尚、上記リングパッキンPは、例えば、合成ゴムあるいは合成樹脂からなる。
以上のような管継手J2に用いた雄ネジ・雌ネジスリーブ32,35の上部は、除去部k1が形成された隣接する単位床材2,2a(3,3a)の水平板6の表面よりも上方に突出している。そのため、図14に示すように、水平板6および上記スリーブ32,35の上方において、下層と上層の氷層i1,i2間に前記同様のメッシュシートMを張設することで、カーリング競技の選手に与える不安感を解消ないし抑制できる。尚、上記氷層i1,i2からなるアイスリンクIの厚みW1は、上記不安感を解消するには、約30〜50mmが必要とされる。
図15に示すように、単位床材4,4aごとのパイプ部7の端部7h,7hの外周側に跨って、前記同様の接続管30を配置し、その両端面に隣接してリングパッキンPを個別に配置し、該接続管30の外周面31の外側に、これと平行な内周面33を有する雄ネジスリーブ32を配置して、接続管30の外周面31の過半部を覆う。更に、雄ネジスリーブ32の外周面に設けた雄ネジ34に対し、雌ネジスリーブ35の内周面に設けた雌ネジ36をネジ結合して、雄ネジ・雌ネジスリーブ32,35が接近するように締結する。その結果、上記接続管30とリングパッキンPとにより上記隣接するパイプ部ごとの端部7hを密封状態で接続すると共に、雌ネジスリーブ35により外部に露出する接続管30の残部と上記雄ネジスリーブ32の外周部とを覆った管継手J2が形成される。
従って、予め、コンクリートなどの床版に固定された吊り部19を含む前記単位床材4,4a(5,5a〜5c)、これらの押出方向に沿って隣接する水平板6,6間に設ける除去部k2、および前記管継手J2によっても、これらの上方にメッシュシートMを張設する必要がなく、比較的薄く且つ競技者に対して不安感を与えにくいアイスリンクIを容易に提供することが可能である。
尚、除去部k2を蓋27で閉塞し且つ水平板6,6にビス止めなどにて固定することにより、隣接する単位床材4,4a(5,5a〜5c)の更なる強固な接続を得ることも可能となる。
例えば、図16に示すように、前記単位床材2,2aの変形形態として、前記同様の水平板6およびパイプ部7を有し、且つ一端側に縦片10と、他端側に該縦片10が差し込まれる傾斜部付きの縦溝11′および挟持辺12′を有する単位床材2′とし、更に縦片13を有する端部用の単位床材2a′としても良い。
尚、上記端部用の単位床材2a′についても、その端片13の上方に前記垂直片40および水平片41,42を形成しても良い。
加えて、前記単位床材2,2a,2′〜5,5a〜5cの水平板6は、陽極酸化皮膜(アルマイト)による銀色に限らず、アイスリンク上で行われる競技などに対応して、水平板6の全面に対し、あるいは押出方向に沿った一部に対して縞形状などを呈するように各種の色彩を、電着塗装などによって表示しても良い。
2,2a,2′〜5,5a〜5c…単位床材
6……………………………………水平板
6h…………………………………水平板の端面
7……………………………………パイプ部
7h…………………………………パイプ部の端部
19…………………………………吊り部
20…………………………………フレア部
21…………………………………フレア部の内斜面
21a………………………………フレア部の外斜面
21r………………………………凸条(凸部)
22,22a………………………金属シールリング
22b………………………………金属シールリングの平坦面
23,32…………………………雄ネジスリーブ
25,35…………………………雌ネジスリーブ
30…………………………………接続管
37…………………………………リングスペーサー
38…………………………………リングスペーサーの内斜面
I……………………………………アイスリンク
P……………………………………リングパッキン
k1,k2…………………………除去部
Claims (5)
- アルミニウム合金の押出形材からなり、押出方向と直交する断面において水平板と該水平板の下方に一体に設けた冷媒用のパイプ部とを含む複数の単位床材を、押出方向および該押出方向と直交する方向の2方向に沿ってそれぞれ連設したアイスリンク用床構造体であって、
上記押出方向に沿って隣接する一対の単位床材の端部には、パイプ部を除く上記水平板の一部を除去した除去部が隣接して形成され、該一対の除去部内に延びた一対の隣接するパイプ部の端部同士を、該端部の外側を軸方向に沿って互いにネジ結合する雄ネジスリーブと雌ネジスリーブとにより接続してなり、
上記一対の隣接するパイプ部同士の端部には、互いに対称なフレア部を形成すると共に、該一対のフレア部が隣接する内側面に、断面が三角形状の金属シールリングを挿入してなると共に、
上記雌ネジスリーブと該雌ネジスリーブを貫通する一方の上記パイプ部の端部におけるフレア部との間には、該フレア部の外斜面に接する円錐形状の内斜面を有するリングスペーサーが挟持されている、
ことを特徴とするアイスリンク用床構造体。 - 前記一方のパイプ部の前記フレア部の外斜面には、前記リングスペーサーの内斜面に食い込み可能な凸部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアイスリンク用床構造体。 - 前記金属シールリングの外周側における左右一対の斜面の間には、前記一対のパイプ部の軸方向と平行な平坦面が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアイスリンク用床構造体。 - 前記単位床材は、水平板の下方に吊り部を介してパイプ部を設けており、且つ前記除去部には、前記一部の水平板に隣接する上記吊り部が含まれていると共に、
前記雌ネジスリーブにおける上端部は、前記押出方向に沿って隣接する一対の単位床材の水平板ごとの表面と面一になるか、あるいは、該水平板の表面よりも低い位置にある、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のアイスリンク用床構造体。 - 前記押出方向に沿って隣接する一対の単位床材における水平板の端部間に形成された一対の除去部は、蓋により閉塞されるか、あるいはテープにより上方から被覆される、
ことを特徴とする請求項4に記載のアイスリンク用床構造体。
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