JP5981733B2 - システムおよび制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置及びその通信装置と連携するシステムに関するものであり、特に、近接無線通信が可能な通信装置及びその通信装置と連携するシステムに関するものである。
スマートフォンを初めとする携帯型通信端末は、通話やメール等の連絡ツールに留まらず、様々な用途で利用されているが、通信やGPS、アプリケーションに依存した電力消費が大きい。
一方で、電磁波によりデータを送受信するNFC(Near Field Communication)のような近接無線通信機能による通信を行う通信機器がある(特許文献1)。この特許文献1では、1:1の無線通信において、電磁波を発生しない側(ターゲット)の電力供給が無い状態でも、電磁波を発生する側(イニシエータ)の要求に応じてNFCユニット内のメモリに記憶されたデータの送受信を行うことが可能である。
特開2004−200840号公報
携帯型通信端末において、電池が切れたり故障したりすると、ユーザは連絡ツールを失ってしまう。この場合、公衆電話等の代替ツールは用意されているが、携帯型通信端末に登録している連絡先を別途記憶していないユーザは多く、例えば、重要な交渉の最中に連絡がとれなくなってしまう、という不便さがある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、不測の給電停止時にも、携帯型通信端末に管理されている情報を、安全かつ容易に外部の装置に出力することを可能にすることである。
上記の目的を達成するための本発明によるシステムは以下の構成を備える。即ち、
NFC(Near Field Communication)による通信を行う第1の近接無線通信部を有する通信装置と、NFCによる通信を行う第2の近接無線通信部を有する出力装置とを含むシステムであって、
前記通信装置は、
前記通信装置で管理されているデータの内のバックアップ対象として設定されている項目に対応するバックアップデータと、第1のユーザ認証情報とを、前記第1の近接無線通信部が備える不揮発性メモリに保存する保存手段を備え、
前記出力装置は、
バックアップ出力機能の起動に応じて、NFCにおけるターゲットとして動作している前記第2の近接無線通信部を、NFCにおける前記ターゲットからイニシエータに移行させる制御手段と、
ユーザから第2のユーザ認証情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記通信装置が備える電池に残量がない電池切れ状態でありかつ前記電池から前記通信装置への電力が供給されていない給電停止状態でありかつ前記第1の近接無線通信部がNFCにおけるターゲットである場合に、前記不揮発性メモリに前記保存手段により保存された前記バックアップデータと前記第1のユーザ認証情報とを、前記制御手段により前記イニシエータとして動作する前記第2の近接無線通信部を介して受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記第1のユーザ認証情報と、前記入力手段により前記入力として受け付けられた前記第2のユーザ認証情報とが一致することを条件に、前記受信手段で受信したバックアップデータに基づく情報を出力する情報出力手段と
を備える。


本発明によれば、不測の給電停止時にも、携帯型通信端末に管理されている情報を、安全かつ容易に外部の装置に出力することを可能にすることができる。
無線通信システムの構成の一例を示す図である。 携帯型通信端末装置の外観を示す図である。 MFPの外観を示す図である。 MFPの操作部の一例を示す図である。 NFC通信におけるパッシブモードの概念図である。 NFC通信におけるアクティブモードの概念図である 携帯型通信端末装置の構成を示すブロック図である MFPの構成を示すブロック図である。 NFCユニットの詳細構成を示す図である。 MFPのRAMの構成を示す図である。 MFPの不揮発性メモリの構成を示す図である。 MFPのNFCメモリの構成を示す図である。 携帯型通信端末装置のNFCメモリの構成を示す図である。 NFCユニットがイニシエータとして動作するためのフローチャートである。 パッシブモードによるデータ交換を行うシーケンスを示す図である。 アクティブモードによるデータ交換を行うシーケンスを示す図である。 ターゲットの状態遷移を示す図である。 携帯型通信端末装置の設定画面の一例を示す図である。 MFPのUI表示の一例を示す図である。 バックアップ印刷の処理シーケンスの一例を示す図である。 携帯型通信端末装置200がバックアップを行うときのフローチャートの例である MFP側のデータ交換を示すフローチャートである。 携帯型通信端末装置側のデータ交換を示すフローチャートである。 MFPが実行するバックアップ印刷のフローチャートである。 バックアップ印刷の出力結果の一例である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但し、本実施形態に記載されている構成要素の相対配置、表示画面等は、特に、特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本実施形態では、携帯型通信端末装置と印刷装置による携帯型通信端末のバックアップデータ出力システムについて説明する。具体的には、携帯型通信端末装置は予め設定されたバックアップ対象データを、所定のタイミングでバックアップとして保存する。保存先は、NFC(Near Field Communication)のような近接無線通信部が内蔵する、データを書き込み可能な不揮発性の記憶領域(不揮発性メモリ)とする。印刷装置は、NFCによって、電力供給の無い(例えば、不測の給電停止状態にある)携帯型通信端末装置からデータを受信する。次に、印刷装置は、受信したデータを元に本人認証を行い、認証が成功した場合、受信したデータを画像として画像形成し、印刷する。認証が失敗した場合は、携帯型通信端末装置のユーザの連絡先を表示する。
尚、近接無線通信とは、NFCに代表される、通信範囲が、比較的小さい所定範囲(例えば、1メートル〜数センチ)となる無線通信を意味する。
図1は携帯型通信端末装置のバックアップデータ出力システムの構成を示す図である。
携帯型通信端末装置200は、近接無線通信部を有する装置である。携帯型通信端末装置200は、PDA(Personal Digital Assistant)等の個人情報端末、携帯電話、デジタルカメラ等、印刷対象となるデータを扱える装置であれば何でも良い。印刷装置(MFP)300は、印刷を初めとする出力機能を有していれば何でも良く、その他、読取機能やFAX機能、電話機能を有していても良い。本実施形態では、読取機能を有するMulti Function Printer(MFP)を例にしている。携帯型通信端末装置200とMFP300は共にNFCによる近接無線通信部を有し、携帯型通信端末装置200に電力供給が無い状態でも、携帯型通信端末装置200をMFP300にNFC通信可能な所定距離に近づけることで、近接無線通信が可能である。また、MFP300は、NFCとは別の通信部によって、外部のネットワークやパーソナルコンピュータや、ディスプレイに接続されていても良い。
図2は携帯型通信端末装置200の外観を示す図である。
本実施形態では、スマートフォンを例にしている。スマートフォンとは、携帯電話の機能の他に、カメラや、ネットブラウザ、メール機能等を搭載した多機能型の携帯電話のことである。近接無線通信部であるNFCユニット201は、NFCを用いて通信を行うユニットであり、実際にNFCユニット201を相手先のNFCユニットに所定距離(例えば、10cm程度)以内に近づけることで通信を行うことができる。
WLANユニット202はWLANで通信を行うためのユニットであり、携帯型通信端末装置200内に配置されている。表示部203は、例えば、LCD方式の表示機構を備えたディスプレイである。操作部204は、タッチパネル方式の操作機構を備えており、ユーザの押下情報を検知する。代表的な操作方法には、表示部203がボタンアイコンやソフトウェアキーボードの表示を行い、ユーザが操作部204を押下することによってボタンが押下されたイベントを発行することがある。電源キー205は電源のオン及びオフをする際に用いる。
図3はMFP300の外観を示す図である。
本実施形態では、読取機能(スキャナ)を有するMulti Function Printer(MFP)を例にしている。図3(a)において、原稿台301は、ガラス状の透明な台であり、原稿をのせてスキャナで読み取る時に使用する。原稿蓋302は、スキャナで読取を行う際に読取光が外部に漏れないようにするための蓋である。印刷用紙挿入口303は様々なサイズの用紙をセットする挿入口である。印刷用紙挿入口303にセットされた用紙は一枚ずつ印刷部に搬送され、所望の印刷を行って印刷用紙排出口304から排出される。
図3(b)において、原稿蓋302の上部には操作表示部305及びNFCユニット306が配置されている。操作表示部305については、図4を用いて詳細に説明する。NFCユニット306は近接無線通信を行うためのユニットであり、実際に、携帯型通信端末装置200をMFP300に近接させる場所である。NFCユニット306から所定距離(約10cm)が接触の有効距離である。WLANアンテナ307は、WLANで通信するためのアンテナが埋め込まれている。
図4は操作表示部305の平面図である。
表示部406は、画像や操作メニュー等のユーザインタフェースを表示する表示画面であり、例えば、ドットマトリクスLCDが例に挙げられる。十字キー401は表示部406上のカーソル移動等の操作に用いる。セットキー402は設定入力のためのキーである。機能キー403は機能設定等の操作に用いる。スタートキー404は印刷の開始等の機能の実行指示を行う。
次に、NFC通信について説明する。NFCユニットによる近接通信を行う場合、初めにRF(Radio Frequency)フィールドを出力して通信を開始する装置をイニシエータと呼ぶ。また、イニシエータの発する命令に応答し、イニシエータとの通信を行う装置をターゲットと呼ぶ。
NFCユニットの通信モードには、パッシブモードとアクティブモードが存在する。パッシブモードでは、ターゲットは、イニシエータの命令に対し、負荷変調を行うことで応答する。一方、アクティブモードでは、ターゲットは、イニシエータの命令に対し、ターゲット自らが発するRFフィールドによって応答する。
図5はNFC通信におけるパッシブモードの概念図である。
図5(a)のように、イニシエータ501からターゲット502にデータ504をパッシブモードで送信する場合、イニシエータ501がRFフィールド503を発生させる。イニシエータ501は、RFフィールド503を自ら変調することで、ターゲット502にデータ504を送信する。
また、図5(b)のように、ターゲット506からイニシエータ505にデータ508をパッシブモードで転送する場合、図5(a)と同様にイニシエータ505がRFフィールド507を発生させる。ターゲット506は、RFフィールド507に対して負荷変調を行うことで、イニシエータ505にデータ508を送信する。
図6はNFC通信におけるアクティブモードの概念図である。
図6(a)のように、イニシエータ601からターゲット602にデータ604をアクティブモードで送信する場合、イニシエータ601がRFフィールド603を発生させる。イニシエータ601は、RFフィールド603を自ら変調することで、ターゲット602にデータ604を送信する。イニシエータ601は、データ送信が完了した後、RFフィールド603の出力を停止する。
また、図6(b)のように、ターゲット606からイニシエータ605にデータ608をアクティブモードで送信する場合、ターゲット606がRFフィールド607を発生させる。ターゲット606は、自らが発するRFフィールド607によってデータ608を送信し、送信が終了したらRFフィールド607の出力を停止する。
図7は携帯型通信端末装置200の構成を示すブロック図である。
携帯型通信端末装置200は、装置自身のメインの制御を行うメインボード701と、WLAN通信を行うWLANユニット717と、NFC通信を行うNFCユニット718と、Bluetooth(登録商標)通信を行うBTユニット721からなる。
メインボード701において、CPU702は、システム制御部であり、携帯型通信端末装置200の全体を制御する。ROM703は、CPU702が実行する制御プログラムや組込オペレーティングシステム(OS)プログラム等を記憶する。本実施形態では、ROM703に記憶されている各制御プログラムは、ROM703に記憶されている組込OSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ等のソフトウェア制御を行う。
RAM704は、SRAM(Static RAM)等で構成され、プログラム制御変数等のデータを記憶し、また、ユーザが登録した設定値や携帯型通信端末装置200の管理データ等のデータを記憶し、各種ワーク用バッファ領域が設けられている。
画像メモリ705は、DRAM(Dynamic RAM)等のメモリで構成され、通信部を介して受信した画像データや、データ蓄積部712から読み出した画像データをCPU702で処理するために一時的に記憶する。ここで、通信部とは、WLANユニット717と、NFCユニット718及びBTユニット721を含む通信機能の総称である。
不揮発性メモリ722は、フラッシュメモリ(flash memory)等のメモリで構成され、電源がオフされた後でも保存しておきたいデータを記憶する。これには、例えば、アドレス帳や、メール履歴、発着信履歴、過去に接続したデバイス情報等がある。尚、このようなメモリ構成はこれに限定されるものではない。例えば、画像メモリ705とRAM704を共有させてもよいし、データ蓄積部712にデータのバックアップ等を行ってもよい。また、本実施形態では、画像メモリ705にDRAMを用いているが、ハードディスクや不揮発性メモリ等の他の記憶媒体を使用する場合もあるのでこの限りではない。
データ変換部706は、ページ記述言語(PDL)等の解析や、色変換、画像変換等のデータ変換を行う。電話部707は、電話回線の制御を行い、スピーカ部713を介して入出力される音声データを処理することで電話による通信を実現している。操作部708は、操作部204(図2)の信号を制御する。GPS(Global Positioning System)709は、現在の緯度や経度等の位置情報を取得する。表示部710は、表示部203(図2)の表示内容を電子的に制御しており、各種入力操作や、MFP300の動作状況、ステータス状況の表示等を行うことができる。
カメラ部711は、レンズを介して入力された画像を電子的に記録して符号化する機能を有している。カメラ部711で撮影された画像はデータ蓄積部712に保存される。スピーカ部713は電話機能のための音声を入力または出力する機能や、その他、アラーム通知等の機能を実現する。電源部714は、携帯可能な電池であり、装置内への電力供給制御を行う。電源状態には、電池に残量が無い電池切れ状態、電源キー205を押下していない電源オフ状態、通常起動している起動状態、起動しているが省電力になっている省電力状態がある。
携帯型通信端末装置200には無線通信するための通信部が3つ搭載されており、WLAN、NFC、BlueTooth(商標登録)で無線通信することができる。これにより、携帯型通信端末装置200は、MFP等の他デバイスとのデータ通信を行う。この通信部では、データをパケットに変換し、他デバイスにパケット送信を行う。逆に、外部の他デバイスからのパケットを、データに変換してCPU702に対して送信する。WLANユニット717、NFCユニット718及びBTユニット721はそれぞれバスケーブル715、716及び720を介してメインボード701に接続されている。WLANユニット717、NFCユニット718及びBTユニット721は規格に準拠した通信を実現するためのユニットである。NFCユニットの詳細は図9を用いて後述する。
メインボード701内の各種構成要素(703〜714、717、718、721及び722)は、CPU702が管理するシステムバス719を介して、相互に接続されている。
図8はMFP300の構成を示すブロック図である。
MFP300は、装置自身のメインの制御を行うメインボード801と、WLAN通信を行うWLANユニット817と、NFC通信を行うNFCユニット818と、Bluetooth(登録商標)通信を行うBTユニット819からなる。
メインボード801において、CPU802は、システム制御部であり、MFP300の全体を制御する。ROM803は、CPU802が実行する制御プログラムや組込オペレーティングシステム(OS)プログラム等を記憶する。本実施形態では、ROM803に記憶されている各制御プログラムは、ROM803に記憶されている組込OSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ等のソフトウェア制御を行う。RAM804は、SRAM(Static RAM)等で構成され、プログラム制御変数等のデータを記憶し、また、ユーザが登録した設定値やMFP300の管理データ等のデータを記憶し、各種ワーク用バッファ領域が設けられている。
不揮発性メモリ805は、フラッシュメモリ(flash memory)等のメモリで構成され、電源がオフされた後でも保持しておきたいデータを記憶する。具体的には、ネットワーク接続情報、ユーザデータ等である。画像メモリ806は、DRAM(Dynamic RAM)等のメモリで構成され、通信部を介して受信した画像データや、符号復号化処理部812で処理した画像データや、メモリカードコントローラ516を介して取得した画像データを蓄積する。また、携帯型通信端末装置200のメモリ構成と同様に、このようなメモリ構成はこれに限定されるものではない。データ変換部807は、ページ記述言語(PDL)等の解析や、画像データからプリントデータへの変換等を行う。
尚、通信部とは、WLANユニット817と、NFCユニット818及びBTユニット819を含む通信機能の総称である。
読取制御部808は、読取部810を制御して、例えば、CISイメージセンサ(密着型イメージセンサ)によって原稿を光学的に読み取る。次に、電気的な画像データに変換した画像信号を、画像処理制御部(不図示)を介して、2値化処理や中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データを出力する。
操作部809及び表示部811は、図4での操作表示部305に対応する。符号復号化処理部812は、MFP300で扱う画像データ(JPEG、PNG等)を符号復号化処理や、拡大縮小処理を行う。給紙部814は印刷のための用紙を保持する。記録制御部816からの制御で給紙部814から給紙を行うことができる。特に、給紙部814は、複数種類の用紙を一つの装置に保持するために、複数の給紙部を用意することができる。そして、記録制御部816により、どの給紙部から給紙を行うかの制御を行うことができる。
記録制御部816は、印刷される画像データに対し、画像処理制御部(不図示)を介して、スムージング処理や記録濃度補正処理、色補正等の各種画像処理を施し、高精細な画像データに変換し、記録部815に出力する。また、記録制御部816は記録部815の情報を定期的に読み出してRAM804の情報を更新する役割も果たす。具体的には、インクタンクの残量やプリントヘッドの状態等のステータス情報を更新することである。
MFP300にも、携帯型通信端末装置200と同様に無線通信するための通信部が3つ搭載されており、機能は同等のため、説明は省略する。ここで、WLANユニット817、NFCユニット818及びBTユニット819はそれぞれバスケーブル820、821及び822を介してメインボード801に接続されている。
メインボード801内の各種構成要素(802〜819)は、CPU802が管理するシステムバス823を介して、相互に接続されている。
図9はNFCユニット718あるいはNFCユニット818で使用されているNFCユニットの詳細を示すブロック図である。
図9では、NFCユニット718(図7)あるいはNFCユニット818(図8)をNFCユニット900として説明する。NFCユニット900は、NFCコントローラ部901と、アンテナ部902と、RF部903と、送受信制御部904と、NFCメモリ905と、電源906と、デバイス接続部907を有する。
アンテナ部902は、他のNFCデバイス(NFCユニットを搭載するデバイス)から電波やキャリアを受信したり、他のNFCデバイスに電波やキャリアを送信したりする。RF部903は、アナログ信号をデジタル信号に変復調する機能を備えている。RF部903は、シンセサイザを備えていて、バンド、チャネルの周波数を識別し、周波数割当データによるバンド、チャネルの制御を実行する。
送受信制御部904は、送受信フレームの組立及び分解、プリアンブル付加及び検出、フレーム識別等、送受信に関する制御を実行する。また、送受信制御部904は、NFCメモリ905の制御も行い、各種データやプログラムを読み書きする。アクティブモードとして動作する場合、電源906を介して電力の供給を受け、デバイス接続部907を通じてデバイスと通信を行ったり、アンテナ部902を介して送受信されるキャリアにより、通信可能な範囲にある他のNFCデバイスと通信する。パッシブモードとして動作する場合、アンテナ部902を介して他のNFCデバイスからキャリアを受信して電磁誘導により他のNFCデバイスから電力の供給を受け、キャリアの変調により当該他のNFCデバイスとの間で通信を行ってデータを送受信する。
図10はMFP300のRAM804の構成を示す図である。
1001はRAM804の記憶領域全体を表している。ワークメモリ1002はプログラムの実行のために確保されるメモリ領域である。画像処理バッファ1003は画像処理のために一時的なバッファとして使用される領域である。
機器状態記憶部1004はMFP300の現在の状態に関する様々な情報が記憶されている。ここでは、エラー状態1005、インク残量1006、次回推定起動時間1007及びその他1008がある。
エラー状態1005は、MFP300のエラーに関する状態を記憶している。インク少警告、インク無エラー、紙ジャムエラー、用紙無し警告、印刷画像不良警告、読取画像不良エラー、ネットワーク切断警告等がある。これらの警告やエラーには印刷機能への影響度、読取機能への影響度等が関連付けられている。例えば、インク無エラーの場合、印刷機能は使用できないが、読取機能は使用できる。ネットワーク切断警告の場合、ネットワークを使う機能は使用できないが、機器単体で行う設定変更や読取機能は使用できる。
インク残量1006は、現在取り付けられているインクタンクの型番やインク残量が記憶されている。インクタンクの型番は、インクタンクが取り付けられたタイミングで更新される。インク残量1006はインクが使用される毎に更新される。
次回推定起動時間1007は、電源がオフされた時に、次に起動する時の推定起動時間が記憶されている。MFP300の起動時間は状態によって大きく異なる。例えば、MFP300の電源状態は、ハードオフ状態、ソフトオフ状態、通常起動状態、スリープ状態等の状態が存在する。ハードオフ状態は、電力の供給が途絶えている状態であり、電源を投入してハードオフ状態から通常起動状態にする場合は大きな時間を要する。ソフトオフ状態は、部分的には電源は投入されているが、メインのプログラムは起動していない状態であり、ハードオフ状態よりは早い時間で起動することができる。スリープ状態は、電源消費が大きな部分がオフにされており、それ以外のプログラムや機構は動作しているため、直ぐに通常起動状態に戻ることができる。また、起動時間が変動する別の要因として、機器のエラー状態がある。例えば、インクジェット印刷ヘッドのノズルの目詰まりが多いと検知した時は、次の起動で長時間の回復処理を行ってから起動する。また、スキャナの光量が落ちている時は調整動作を行ってから起動する。このように電源の状態遷移、及び機器の状態によって、次に起動する時の推定起動時間が決定される。
その他1008は、現在のメモリ使用量、ハードウェアの温度、消耗品情報等、その他の機器状態が記憶されている。その他1009は、上述の各種データ以外のデータが記憶されている。
図11はMFP300の不揮発性メモリ805の構成を示す図である。
1101は不揮発性メモリ805の記憶領域全体を表している。ユーザデータ1102は、ユーザに関する情報が記憶されており、例えば、FAXの電話番号、通信履歴、ネットワーク情報等が記憶されている。過去に接続した装置リスト1103はMFP300がこれまでに接続した装置のリストが記憶されている。例えば、スマートフォンとNFCで通信した場合は、スマートフォンの識別子が記憶される。スマートフォンとWLANでP2P(ピアツーピア)接続した場合は、WLANで接続するための識別情報が記憶される。具体的には、WLAN接続のためにWPS(Wi−Fi Protected Setup)が使用される場合は、WPS Credential認証情報が記憶される。スマートフォンとBluetoothで接続した場合は、OOB認証情報が記憶される。サーバ装置とLAN経由で接続した場合は、サーバ装置のネットワーク情報が記憶される。設定情報1106は、MFP300の設定情報が記憶される。この設定情報は、例えば、印刷モード等のメニュー項目や、インクジェット印刷ヘッドの補正情報等である。その他1107にはその他の不揮発情報が記憶される。
図12はMFP300のNFCメモリ905の構成を示す図である。
1201はMFP300のNFCメモリ905の記憶領域全体を表している。機器状態記憶部1202は、所定のタイミングで機器状態記憶部1004(図10)の内容がコピーされる。ここで、エラー状態1203、インク残量1204及び次回推定起動時間1205はそれぞれ、図10のエラー状態1005、インク残量1006及び次回推定起動時間1007に対応する。
ターゲット情報記憶部1206は、携帯型通信端末装置200のバックアップ印刷を実行する場合に使用する領域である。認証状態1207は、携帯型通信端末装置200からのバックアップ印刷の認証状態が記憶される。認証パスワード1208は、携帯型通信端末装置200から受信した認証パスワードが記憶される。バックアップデータ1209は、携帯型通信端末装置200のバックアップデータが記憶される。その他 端末情報1210は、端末名やユーザ連絡先等、その他の端末固有情報が記憶される。
図13は携帯型通信端末装置200のNFCメモリ905の構成を示す図である。
1301は携帯型通信端末装置200のNFCメモリ905の記憶領域全体を表している。ユーザデータ1302は、電話番号1303、バックアップ印刷機能の本人認証パスワード1304等が記憶されている。バックアップデータ1305は、バックアップ対象となっているデータが記憶されている。ユーザの設定に応じて、メール履歴1306、発着信履歴1307、アドレス帳1308等が記憶される。携帯型通信端末装置200の電池残量が無くなった場合でも、パッシブモードでターゲットとして通信するときは、所定の手順でNFC認証キー1310を用いて認証を行うことでNFCメモリ905内のデータをリードライトすることができる。他にも、NFCの通信履歴1309等の情報が記憶されている。
図14はNFCユニット900がイニシエータとして動作するためのフローチャートである。
まず、初めに、ステップS1401で、すべてのNFCユニット900はターゲットとして動作し、イニシエータからの命令を待っている状態になる。ここで、NFCユニット900は、NFC規格による通信を制御するアプリケーションからの要求でイニシエータに切り替わることができる。そこで、ステップS1402で、NFCユニット900がイニシエータに切り替わるかどうかを判定する。NFCユニット900がイニシエータに切り替わらない場合(ステップS1402でNO)、ステップS1401に戻る。一方、NFCユニット900がイニシエータに切り替わる要求に応じることで、NFCユニット900がイニシエータに切り替わる場合(ステップS1402でYES)、ステップS1403に進む。
ステップS1403で、NFCユニット900のアプリケーションは、アクティブモードまたはパッシブモードのどちらかの動作モードを選択し、伝送速度を決める。次に。ステップS1404で、イニシエータとしてのNFCユニット900は、自装置以外が出力するRFフィールドの存在を検知する。つまり、外部のRFフィールドが存在するか否かを判定する。外部のRFフィールドが存在する場合(ステップS1405でNO)、イニシエータは自らのRFフィールドは発生させないようにして、RFフィールドが存在しなくなるまで待機する。一方、外部のRFフィールドが存在しない場合(ステップS1404でNO)、ステップS1405に進み、イニシエータとしてのNFCユニット900は、自らのRFフィールドを発生させる。以上のステップを経て、NFCユニット900は、イニシエータとして動作を開始する。
図15はパッシブモードによるデータ交換を行うシーケンスを示す図である。
ここでは、第一のNFCユニット1501がイニシエータ、第二のNFCユニット1502がターゲットとして動作している場合について説明する。
まず、ステップS1501で、第一のNFCユニット1501は、単一デバイス検知を行い、第二のNFCユニット1502を特定する。次に、ステップS1502で、第一のNFCユニット1501は、属性要求として自身の識別子や送受信のビット伝送速度、有効データ長等を送信する。また、属性要求は、汎用バイトを有しており、任意に選択して使用することができる。
ステップS1503で、第二のNFCユニット1502は、有効な属性要求を受信した場合、属性応答を送信する。ここで、第二のNFCユニット1502からの送信は負荷変調によって行われており、図中では負荷変調によるデータ送信は点線の矢印で表現している。
ステップS1504で、有効な属性応答を確認した後、第一のNFCユニット1501は、パラメータ選択要求を送信して、引き続き伝送プロトコルのパラメータを変更することができる。パラメータ選択要求に含まれるパラメータは、伝送速度と有効データ長である。
ステップS1505で、第二のNFCユニット1502は、有効なパラメータ選択要求を受信した場合、パラメータ選択応答を送信して、パラメータを変更する。尚、ステップS1504及びステップS1505は、パラメータ変更を行わない場合は省略しても良い。
ステップS1506で、第一のNFCユニット1501と第二のNFCユニット1502は、データ交換要求及びデータ交換応答によってデータの交換を行う。データ交換要求及び応答は、通信相手が有するアプリケーションに対する情報等をデータとして伝送することができ、データサイズが大きい場合には分割して送信することもできる。
データ交換が終了すると、ステップS1507で、第一のNFCユニット1501は、選択解除要求または解放要求のどちらか送信する。選択解除要求を送信した場合、第二のNFCユニット1502は、ステップS1508で、選択解除応答を送信する。第一のNFCユニット1501は、選択解除応答を受信すると、第二のNFCユニット1502を示す属性を解放して、ステップS1501に戻る。一方、解放要求を送信した場合、第二のNFCユニット1502は、ステップS1508で、解放応答を送信して初期状態へ戻る。第一のNFCユニット1501は、解放応答を受信する場合、ターゲットは完全に解放されており、初期状態へ戻ってもよい。
図16はアクティブモードによるデータ交換を行うシーケンスを示す図である。
ここでは、第一のNFCユニット1601がイニシエータ、第二のNFCユニット1602がターゲットとして動作している場合について説明する。
まず、ステップS1601で、第一のNFCユニット1601は、属性要求として自身の識別子や送受信のビット伝送速度、有効データ長等を送信する。
ステップS1602で、第二のNFCユニット1602は、有効な属性要求を受信した場合、属性応答を送信する。ここで、第二のNFCユニット1602からの送信は、自らの発生したRFフィールドによって行われる。このため、第一のNFCユニット1601及び第二のNFCユニット1602は、データ送信が終了するとRFフィールドの出力を停止する。
ステップS1603で、第一のNFCユニット1601は、有効な属性応答を確認した後、パラメータ選択要求を送信して伝送プロトコルのパラメータを変更することができる。パラメータ選択要求に含まれるパラメータは、伝送速度と有効データ長である。
ステップS1604で、第二のNFCユニット1602は、有効なパラメータ選択要求を受信した場合、パラメータ選択応答を送信し、パラメータを変更する。尚、パッシブモードの場合と同様に、ステップS1603及びステップS1604は、パラメータ変更を行わない場合は省略しても良い。
ステップS1605で、第一のNFCユニット1601と第二のNFCユニット1602は、データ交換要求及びデータ交換応答によってデータの交換を行う。データ交換要求及び応答は、アプリケーションに対する情報等をデータとして伝送することができ、データサイズが大きい場合には分割して送信することもできる。
データ交換が終了すると、ステップS1606で、第一のNFCユニット1601は、選択解除要求または解放要求のどちらか送信する。
第一のNFCユニット1601が、選択解除要求を送信した場合、第二のNFCユニット1602は、ステップS1607で、選択解除応答を送信する。第一のNFCユニット1601は、選択解除応答を受信すると、第二のNFCユニット1602を示す属性を解放する。その後、ステップS1608で、第一のNFCユニット1601は、識別子が既知な別のターゲットに対して起動要求を送信する。起動要求を受信したターゲットは、ステップS1609で、起動応答を送信し、ステップS1601に戻る。
一方、第一のNFCユニット1601が、解放要求を送信した場合、第二のNFCユニット1602は、ステップS1607で、解放応答を送信する。第一のNFCユニット1601は、解放応答を受信すると、ステップS1608で、解放応答を送信して初期状態へ戻る。第一のNFCユニット1601は、解放応答を受信する場合、ターゲットは完全に解放されており、初期状態へ戻ってもよい。
図17はNFCにおけるターゲットの状態遷移を表す図である。
POWER−OFF状態S1701は、電源切断の状態を表している。この状態S1701において、ターゲットは、しきい値Hminよりも大きな磁場Hの中に置かれている場合は、SENSE状態S1702に移行する。
SENSE状態S1702にある場合、ターゲットは、イニシエータからの命令を待ち受けている。ターゲットは、検知要求または全デバイス起動要求を受け取った場合、RESOLUTION状態S1703に移行して検知応答を返す。他の命令を受け取った場合は、そのままSENSE状態S1702にとどまる。
RESOLUTION状態S1703においては、単一デバイス検出が用いられる。単一デバイス検出の結果として、有効な選択要求を受け取った場合、ターゲットは選択応答をイニシエータに返してSELECTED状態S1704になる。他の命令を受け取った場合は、SENSE状態S1702に戻る。
SELECTED状態S1704において、ターゲットは、属性要求、パラメータ選択要求、または有効な独自仕様の命令を認識する。ターゲットは、有効な休止要求または選択解除要求を受け取った場合、SLEEP状態S1705になる。その他の命令を受け取った場合には、SENSE状態S1702に戻る。
SLEEP状態S1705のターゲットは、全デバイス起動要求を受け取った場合、検知応答を返してからRESOLUTION*状態S1706に移行する。他の命令を受け取った場合は、そのままSLEEP状態S1705にとどまる。
RESOLUTION*状態S1706はRESOLUTION状態S1703とほぼ同じ状態であり、単一デバイス検出が用いられる。有効な選択要求を受け取った場合、ターゲットはSELECTED*状態S1707に遷移する。その他の命令を受け取った場合は、SLEEP状態S1705に戻る。
SELECTED*状態S1707はSELECTED状態S1704とほぼ同じ状態であり、ターゲットは、属性要求、パラメータ選択要求、または有効な独自仕様の命令を認識する。有効な休止要求または選択解除要求を受け取った場合は、SLEEP状態に遷移する。その他の命令を受け取った場合は、SLEEP状態にフォールバックする。
次に、NFCを用いて実現した場合の、バックアップ印刷機能について説明する。まず、携帯型通信端末とMFPの操作部について説明する。
図18は携帯型通信端末装置200において、バックアップ項目を設定するための設定画面の表示例を示す図である。
バックアップ項目1801は、携帯型通信端末装置200が電力供給を失った際に、参照したい情報のリストである。スマートフォンであれば、直近の着信履歴やメール履歴、アドレス帳等が該当する。チェックボックス1802は、バックアップ項目1801をバックアップ対象とする場合にチェックする。バックアップ対象は複数選択することができても良く、バックアップ項目が1画面で表示しきれない場合は、スクロール操作によって表示されていないバックアップ項目を表示するようにしても良い。図18では、バックアップする項目として、『着信履歴』、『メール履歴』及び『位置情報』が選択されていることを示している。選択操作が終了したら、設定完了キー1803を押下することで、バックアップ対象が携帯型通信端末装置200のRAM704に設定される。
図19はMFP300の表示部406の表示例を示す図である。
まず、MFP300は、バックアップ印刷機能の指示を受け付けると、パッシブモードでNFCユニット818を動作させる。MFP300がイニシエータとして動作し、バックアップ印刷待機画面1901が表示される。MFP300が携帯型通信端末装置200をターゲットとして認識すると、バックアップ印刷認証画面1902を表示する。MFP300は、十字キー401とセットキー402の押下を検知することで、パスワード入力を受け付ける。パスワード認証が失敗した場合は、バックアップ印刷認証失敗画面1903を表示する。バックアップ印刷認証失敗画面1903には、携帯型通信端末装置200の所有者の連絡先等が表示される。一方、パスワード認証が成功した場合は、バックアップ印刷画面1904を表示する。続けて、MFP300は、携帯型通信端末装置200から受信したデータを成型し、ページ数を表示する。その後、MFP300は、スタートキー404の押下を検知し、バックアップデータの印刷を開始する。
図20はMFP2002がイニシエータとなって、電力供給の無い携帯型通信端末装置2001のNFCメモリ905に記憶された、バックアップデータを印刷する場合の一例である。
ステップS2001で、NFC通信を確立するため、MFP2002のNFC通信部2004がイニシエータとなって、携帯型通信端末装置2001のNFC通信部2003をターゲットとして検知する。NFC通信部2003が正しく検知された場合、ステップS2002で、NFC通信部2003は検知応答を送信する。検知応答を正しく受信した場合、NFC通信部2004は、ステップS2003で、NFC通信を行うための属性要求を送信する。属性要求を受信したNFC通信部2003は、ステップS2004で、属性応答を返信する。ここで、属性要求及び応答では、それぞれイニシエータ及びターゲットのNFC IDを送信し、このNFC IDによって通信相手を特定する。ステップS2005で、NFC通信部2004がNFC通信部2003と相互認証を行い、データ暗号化のための暗号鍵等を渡すことができる。尚、暗号鍵を渡す必要がない場合等は、この相互認証は行わないことも可能である。
その後、ステップS2006で、バックアップ印刷アプリケーション部2005が、NFC通信部2004にパスワードを要求する。要求を受けたNFC通信部2004は、ステップS2007で、NFC通信部2003にパスワードを要求する。パスワード要求を受信したNFC通信部2003は、ステップS2008で、NFCメモリ905に記憶されている本人認証パスワードを通知する。パスワード応答を受信したNFC通信部2004は、ステップS2009で、バックアップ印刷アプリケーション部2005にパスワードを通知する。
パスワードを受信したバックアップ印刷アプリケーション部2005は、ステップS2010で、操作部2006にユーザ入力のパスワードを要求する。操作部2006はユーザにパスワード入力を促し、入力されたら、ステップS2011で、バックアップ印刷アプリケーション部2005にパスワードを応答する。バックアップ印刷アプリケーション部2005は、ステップS2012で、パスワードを照合する。
パスワード照合が成功したら、ステップS2013で、バックアップ印刷アプリケーション部2005はNFC通信部2004にバックアップデータを要求する。NFC通信部2004は、ステップS2014で、バックアップデータをNFC通信部2003に要求する。要求を受けたNFC通信部2003は、ステップS2015で、バックアップデータを送信する。NFC通信部2004は、ステップS2016で、バックアップデータをバックアップ印刷アプリケーション部2005に通知し、バックアップ印刷アプリケーション部2005はバックアップデータの印刷フローに入る。
図21は携帯型通信端末装置200がMFP300のNFCユニット900上のNFCメモリ905にバックアップデータを保存するまで処理例を示すフローチャートである。
尚、バックアップデータの候補となる、アドレス帳、メール履歴、発着信履歴等の各種情報は、携帯型通信端末装置200の不揮発性メモリ722に記憶されている。
図21(a)は、電話着信を受けたとき、着信履歴をバックアップするフローチャートの一例である。携帯型通信端末装置200は、バックアップ対象とする情報が設定された上で、待ち受け状態になっている。ステップS2101で、携帯型通信端末装置200は、電話着信を検知する。電話着信が検知された場合(ステップS2101でYES)、ステップS2102で、携帯型通信端末装置200は、着信履歴はバックアップ対象であるか否かを判定する。発着信履歴がバックアップ対象である場合(ステップS2102でYES)、ステップS2103で、携帯型通信端末装置200は、NFCメモリ905に記憶されている発着信履歴を更新する。後に、ユーザが通信を承諾するまで受話待ち状態となる。
図21(b)〜図21(d)は、バックアップ対象が異なるだけで、その処理内容は、図21(a)と同様である。図21(b)〜図21(d)はそれぞれ、バックアップ対象が発信履歴、メール履歴、及び位置情報の場合を示している。
このようにバックアップ対象とするデータは着信履歴に限定されず、メール受信であったり、携帯型通信端末装置200上のアプリケーションによって受動的に通知されるいかなる情報であっても良い。バックアップするタイミングも任意に設定して構わない。また、着信の中でも頻度の高い番号だけを保存する、アドレス帳に登録されている番号だけを保存する等、バックアップ対象の中で更に保存するデータを限定しても良い。
図22はMFP300側のデータ交換のフローチャートの一例である。
この処理は、MFP300が、バックアップ印刷アプリケーションを起動し、アプリケーション利用者がターゲットの持ち主なのか認証を行い、バックアップデータを取得して印刷するまでの処理の一例である。
尚、このバックアップ印刷アプリケーションは、ユーザによるパスワード入力及びバックアップデータの印刷を行うインターフェースと、NFCユニットをイニシエータとして動作させるための機能等を有する。
バックアップ印刷アプリケーションが起動されると、ステップS2201で、MFP300はイニシエータになり、通信相手となる装置、つまり、ターゲットのNFCユニット900を検知するためのモードに移行する。ターゲットは電力供給されていないことを前提とするため、通信モードはパッシブモードでなければならない。ステップS2202で、通信相手となる装置(ターゲット)を検知する。通信相手となる装置を検知しない場合(ステップS2202でNO)、検知するまで待機する。一方、通信相手となる装置を検知した場合(ステップS2202でYES)、ステップS2203へ進む。尚、装置を検知する時間や回数は、バックアップ印刷アプリケーションに依存しており、一定時間または回数で中断しても良いし、ユーザが中断することを明示的に指示する構成であっても良い。
ステップS2203で、MFP300は、属性要求を検知したターゲットへ送信する。ステップS2204で、MFP300は、属性応答をターゲットから受信する。ここで正しい応答が得られなかった場合、再度パラメータ選択要求を送信するか、もしくは通信を中断する。正しい応答が得られた場合は、ステップS2205へ移行する。
ステップS2205で、MFP300は、パスワード要求をターゲットへ送信する。ステップS2206で、MFP300は、パスワードをターゲットから受信する。パスワードをターゲットから受信したら、ステップS2207で、MFP300は、ユーザのパスワード入力待ちモードに移行する。ステップS2208で、MFP300は、パスワードの入力の有無を判定する。パスワードの入力がない場合(ステップS2208でNO)、入力されるまで待機する。一方、パスワードの入力がある場合(ステップS2208でYES)、ステップS2209に進む。ここで、パスワードの形式は、バックアップ印刷アプリケーションに依存しており、ユーザからの入力で照合できるものであれば、文字列や番号でも良いし、指紋情報等でも良い。
ステップS2209で、MFP300は、ステップS2206でターゲットから受信したパスワード(第一のパスワード)と、ステップS2208で入力されたパスワード(第二のパスワード)を照合する。ステップS2210で、MFP300は、照合(認証)が成功したか否かを判定する。つまり、MFP300は、第一のパスワードと第二のパスワードとが一致するか否かを判定する。認証が成功しない場合(ステップS2210でNO)、ステップS2213に進む。一方、認証が成功した場合(ステップS2210でYES)、ステップS2211に進む。
ステップS2211で、MFP300は、バックアップデータ要求をターゲットへ送信する。ステップS2212で、MFP300は、バックアップデータをターゲットから受信する。バックアップデータをターゲットから受信したら、ステップS2213で、MFP300は、解放要求をターゲットへ送信する。ステップS2214で、MFP300は、解放応答をターゲットから受信することで、ターゲットを解放する。ターゲットの解放は、バックアップ印刷後に行っても良いが、印刷中にターゲットが検知できなくなっても、印刷結果に影響しないことが望ましい。その後、ステップS2215で、MFP300は、ステップS2212にて受信したバックアップデータを印刷する処理へと移り、バックアップ印刷アプリケーションを終了する。
図23は携帯型通信端末装置200側のデータ交換のフローチャートの一例である。
この処理は、携帯型通信端末装置200が、MFP300の検知要求を受信してから、NFC通信を終了するまでの処理の一例である。尚、携帯型通信端末装置200は電力供給されていない(給電停止状態)ことが前提であるため、ここでの通信モードはパッシブモードである。
ステップS2301で、携帯型通信端末装置200は、イニシエータであるMFP300からの正しい検知要求の受信の有無を判定する。正しい検知要求を受信しない場合(ステップS2301でNO)、受信するまで待機する。一方、正しい検知要求を受信する場合(ステップS2301でYES)、ステップS2302に進む。
ステップS2302で、携帯型通信端末装置200は、検知応答をイニシエータへ送信する。ステップS2303で、携帯型通信端末装置200は、正しい属性要求の受信の有無を判定する。正しい属性要求を受信しない場合(ステップS2303でNO)、受信するまで待機する。一方、正しい属性要求を受信する場合(ステップS2303でYES)、ステップS2304に進む。
ステップS2304で、携帯型通信端末装置200は、属性応答をイニシエータへ送信する。属性応答を送信したら、ステップS2305で、携帯型通信端末装置200は、正しいパスワード要求の受信の有無を判定する。正しいパスワード要求を受信しない場合(ステップS2305でNO)、受信するまで待機する。一方、正しいパスワード要求を受信する場合(ステップS2305でYES)、ステップS2306に進む。
ステップS2306で、携帯型通信端末装置200は、パスワード応答をイニシエータへ送信する。その後、ステップS2307で、携帯型通信端末装置200は、バックアップデータ要求の受信の有無を判定する。バックアップデータ要求を受信しない場合(ステップS2307でNO)、受信するまで待機する。一方、バックアップデータ要求を受信する場合(ステップS2307でYES)、ステップS2308に進む。
ステップS2308で、携帯型通信端末装置200は、バックアップデータをイニシエータへ送信する。その後、ステップS2309で、携帯型通信端末装置200は、正しい解放要求の受信の有無を判定する。正しい解放要求を受信しない場合(ステップS2309でNO)、受信するまで待機する。一方、正しい解放要求を受信する場合(ステップS2309でYES)、ステップS2310に進み、解放応答をイニシエータへ送信して、NFC通信を終了する。
図24は図22のステップS2215におけるバックアップ印刷の一例である。
まずは、ステップS2401で、MFP300は、NFC通信によりターゲットから取得したバックアップデータを取得する。バックアップデータのデータ形式はアプリケーション依存であり、特に限定されるものでは無い。MFP300と携帯型通信端末装置200の間に規格を定めても良いし、テキストやxml等の一般的な形式でやりとりしても良い。
ステップS2402で、MFP300は、バックアップデータに基づいて印刷ジョブを生成する。印刷ジョブの生成方法はアプリケーションに依存し、バックアップデータが着信履歴やメール履歴であればテキスト形成しても良いし、GPS情報であれば、ネットワークからGPS情報に基づいた周辺地図を受信して画像形成しても構わない。加えて、複数ページからなる印刷ジョブを形成しても良いし、1ページに収まるような印刷ジョブを形成しても良い。
印刷ジョブの生成が終了したら、ステップS2403で、MFP300は、印刷ジョブの情報を表示部811に表示されるUIに表示する。ここで、印刷ジョブの情報とは、ジョブのページ数等、ユーザが印刷開始するために必要な情報を通知する。
その後、ステップS2404及びステップS2405で、MFP300は、印刷開始の指示あるいはキャンセル指示を受信するまで待機する。ステップS2404で、印刷開始を受信する場合(ステップS2404でYES)、ステップS2406に進み、MFP300は、バックアップデータの印刷を実行して、バックアップ印刷処理を終了する。一方、ステップS2405で、キャンセル指示を受信する場合(ステップS2405でYES)、バックアップデータの印刷をすることなく、バックアップ印刷処理を終了する。
図25に、バックアップ印刷の出力結果の一例を示す。
図25(a)は着信履歴を出力する場合の一例である。図25(b)は受信メール履歴を出力する場合の一例である。レイアウトは図の例に限らず、画像で表示したり、通話履歴と受信メール履歴を複合的に同一紙面上にレイアウトしても構わない。本実施形態では印刷装置を例に取っているが、バックアップデータの出力方法は紙面出力に限定されるものではなく、バックアップデータを受信した装置が、別のディスプレイ装置に表示しても良い。また、本発明によれば、印刷装置の代わりに、他の携帯型通信端末へバックアップデータを送信する事も可能である。バックアップデータを受信した携帯型通信端末は、直ちにバックアップされた連絡先に発信することが可能であり、緊急時に有効である。
以上により、携帯型通信端末の電力供給が無い場合でも、出力装置からバックアップ情報を出力し、メール履歴や通話履歴等の情報から代替機器で直ちに連絡をとることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、例えば、スマートフォンが電池切れになったり、故障して起動しなくなった場合でも、公共の印刷装置やディスプレイ装置を利用して、通話履歴、アドレス帳、メール履歴等の情報を直ちに出力することが可能となる。また、本機能を利用するのがスマートフォンの持ち主でない場合もあるため、本人認証を行い、本人と判定した場合のみ情報出力することも可能である。
本発明は、無線通信装置及び無線通信システムで、特に、近接無線通信が可能な装置と、それらの機器間で確立する一対一の接続の確立及びそれらの無線通信システムに利用可能である。
尚、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムを実行するコンピュータは、1つであってもよいし、複数のコンピュータが協働してプログラムを実行するものであってもよい。さらに、プログラムの一部を実行する回路等のハードウェアを設け、そのハードウェアと、ソフトウェアを実行するコンピュータが協働して、本実施例で説明した処理を実行する場合であってもよい。

Claims (8)

  1. NFC(Near Field Communication)による通信を行う第1の近接無線通信部を有する通信装置と、NFCによる通信を行う第2の近接無線通信部を有する出力装置とを含むシステムであって、
    前記通信装置は、
    前記通信装置で管理されているデータの内のバックアップ対象として設定されている項目に対応するバックアップデータと、第1のユーザ認証情報とを、前記第1の近接無線通信部が備える不揮発性メモリに保存する保存手段を備え、
    前記出力装置は、
    バックアップ出力機能の起動に応じて、NFCにおけるターゲットとして動作している前記第2の近接無線通信部を、NFCにおける前記ターゲットからイニシエータに移行させる制御手段と、
    ユーザから第2のユーザ認証情報の入力を受け付ける入力手段と、
    前記通信装置が備える電池に残量がない電池切れ状態でありかつ前記電池から前記通信装置への電力が供給されていない給電停止状態でありかつ前記第1の近接無線通信部がNFCにおけるターゲットである場合に、前記不揮発性メモリに前記保存手段により保存された前記バックアップデータと前記第1のユーザ認証情報とを、前記制御手段により前記イニシエータとして動作する前記第2の近接無線通信部を介して受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された前記第1のユーザ認証情報と、前記入力手段により前記入力として受け付けられた前記第2のユーザ認証情報とが一致することを条件に、前記受信手段で受信したバックアップデータに基づく情報を出力する情報出力手段と
    を備えることを特徴とするシステム。
  2. 前記通信装置は、前記通信装置で管理される複数種類のデータの内、バックアップ対象とする項目を、ユーザの指示に応じて設定する設定手段を更に備え、
    前記保存手段は、前記設定手段により予め設定されている項目に対応するデータが、前記第1の近接無線通信とは異なりかつ前記通信装置が備える通信部により取得された場合に、前記取得されたデータを前記不揮発性メモリに保存する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記受信手段は、前記第1のユーザ認証情報を受信したときには前記バックアップデータを受信せず、受信した前記第1のユーザ認証情報と前記第2のユーザ認証情報とが一致することを条件に、前記バックアップデータを受信し、前記情報出力手段は、前記バックアップデータに基づく情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記情報出力手段は、前記受信手段で受信したバックアップデータに基づく情報を印刷する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記情報出力手段は、前記受信手段で受信したバックアップデータに基づく情報を表示する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 前記バックアップデータは、電話による通信を実現するための、前記通信装置が備える電話部による着信履歴を含む、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記バックアップデータは、前記通信装置が備えるGPSにより取得された前記通信装置の位置情報を含む、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
  8. NFC(Near Field Communication)による通信を行う第1の近接無線通信部を有する通信装置と、NFCによる通信を行う第2の近接無線通信部を有する出力装置とを含むシステムにおける制御方法であって、
    前記通信装置に、前記通信装置で管理されているデータの内のバックアップ対象として設定されている項目に対応するバックアップデータと、第1のユーザ認証情報とを、前記第1の近接無線通信部が備える不揮発性メモリに保存させる保存工程と、
    前記出力装置に、バックアップ出力機能の起動に応じて、NFCにおけるターゲットとして動作している前記第2の近接無線通信部をNFCにおける前記ターゲットからイニシエータに移行させる制御工程と、
    前記出力装置に、前記通信装置が備える電池に残量がない電池切れ状態でありかつ前記電池から前記通信装置への電力が供給されていない給電停止状態でありかつ前記第1の近接無線通信部がNFCにおけるターゲットである場合に、前記不揮発性メモリに前記保存工程において保存された前記第1のユーザ認証情報を、前記制御工程において前記イニシエータに移行した前記第2の近接無線通信部を介して受信させる第1の受信工程と、
    前記出力装置に、ユーザから第2のユーザ認証情報の入力を受け付けさせる入力工程と、
    前記出力装置に、前記第1の受信工程において受信された前記第1のユーザ認証情報と前記入力工程において前記入力として受け付けられた前記第2のユーザ認証情報とが一致することを条件に、前記不揮発性メモリに保存されたバックアップデータを、前記第2の近接無線通信部を介して受信させる第2の受信工程と、
    前記出力装置に、第2の受信工程において受信された前記バックアップデータに基づく情報を出力させる情報出力工程と、
    を備えることを特徴とする制御方法。
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