JP5979354B2 - 融雪リング - Google Patents
融雪リング Download PDFInfo
- Publication number
- JP5979354B2 JP5979354B2 JP2012107512A JP2012107512A JP5979354B2 JP 5979354 B2 JP5979354 B2 JP 5979354B2 JP 2012107512 A JP2012107512 A JP 2012107512A JP 2012107512 A JP2012107512 A JP 2012107512A JP 5979354 B2 JP5979354 B2 JP 5979354B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- ring body
- pair
- tip
- portions
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)
Description
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、既設の送電線に取り付け可能で、その取付状態を維持することができる融雪リングを提供することを目的としている。
この構成によれば、リング体は、既設の送電線に取り付け可能であり、且つ、各先端部が弾性変形した状態で嵌合し、送電線への取り付け状態を維持することができる。
また、前記リング体は、ニッケル系又はパーマロイで形成されるので、弾性域が相対的に狭いニッケル系又はパーマロイで形成されたリング体であっても、既設の送電線に取り付け可能で、その取付状態を維持することができる。
また、上記構成において、前記先端部の先端面は、前記リング体を閉環するように近づけて互いを当接させた際に前記一方の先端部を前記他方の先端部に対して前記リング体の軸方向に相対移動させる傾斜面を有するようにしても良い。この構成によれば、先端面を容易にリング体の軸方向に相対移動させて嵌合させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る融雪リングの取付状態を示しており、図2(A)は融雪リング10の平面図を示し、図2(B)は図2(A)を上方から見た図を示している。
図1に示すように、融雪リング10は、架空送電線(以下、送電線という)11の外周部に取り付けられる環状のリング体12を有している。このリング体12は、磁性体材料で形成されており、これによって、送電線11の電流によって生じる磁界の変化により発熱する発熱部材として機能する。このリング体12の材料には、導体であるニッケル系又はパーマロイ(Fe−Ni系)の低キュリー材が使用されている。なお、それ以外の強磁性体材料を用いても良く、発熱部材として機能する磁性体材料を広く適用可能である。
この断熱体21は、リング体12の径方向に沿う分割面21Aで半割(2分割)され、リング体12の後述する一対の半円リング部33,43に各々接着剤等で取り付けられている。断熱体21の材料としては、非金属材料で形成されることが望ましく、耐久性やコストの面からポリカーボネート等の樹脂製が好適である。
この融雪リング10を用いる方法は、送電線11全体を着氷雪対策品で覆う必要がないので、部品コストを低減できるとともに、雪対策による送電線重量の増大を抑えることができる、というメリットがある。
なお、図2中、符号C1は、リング体12の中心軸を示し、符号C2は、リング体12の幅の中央を通って中心軸C1に直交する直交面を示している。この中心軸C1は、融雪リング10の中心軸と一致し、また、送電線11及び断熱体21の中心軸とも一致している。以下、説明を判りやすくするため、この中心軸C1が延びる方向を、リング体12及び融雪リング10の軸方向と適宜に表記し、直交面C2を、リング体12の中心軸C1に直交する直交方向と適宜に表記する。
リング体12は、一対の先端部31,41が開いた開環形状を有しており、その厚さD1(図3(A)参照)及び幅W1(図3(B)参照)が一定に形成されている。この一対の先端部31,41の離間距離L1(図3(A)参照)は、リング体12内に入れる送電線11の直径よりも大きい値に設定されており、これによって、リング体12の装着時に、リング体12内に送電線11を容易に出し入れ自在に形成されている。
一対の半円リング部33,43は、半円の円弧形状に形成され、連結部51は、半円リング部33,43よりも平坦形状に形成され、リング体12を閉環する場合に、この連結部51で曲がり易くしている。より具体的には、連結部51は、一対の先端部31,41からの距離が等しい中間部52が、一対の先端部31,41の開口側に向けて緩やかに盛り上がる略平坦形状に形成され、この中間部52を基準にして一対の半円リング部33,43が曲がることによって、正面視で真円の閉環形状に容易に曲げることができる。
各先端部31,41の側面31A,41Aは、リング体12の軸方向C1に突出する凸部36,46と軸方向C1に凹む凹部37,47とによって凹凸形状に形成され、これら凸部36,46と凹部37,47との間に、所定の角度θ1で傾斜する段差面31D,41Dが形成されている。
上記した段差面31D,41Dの角度θ1は、リング体12の中心軸C1に対して鋭角の角度に設定されており、本実施形態では、30°に設定している。この角度θ1の段差面31D,41Dに沿う方向α(図4(A)参照)が、先端部31,41同士を相対移動させる方向に相当している。上記角度θ1が45°を超えると、嵌め合わせる際に距離が必要になり、リング体12に負担がかかってしまい、また、0<θ1(角度θ1が大きくなるに従って)、幅方向の衝撃に強くなる。このため、角度θは、0°〜45°の範囲内が良く、より好ましくは30°〜40°の範囲内(35°前後)とされる。
ここで、図4(B)に示す外力P1が作用した場合には、つまり、一対の先端部31,41を、リング体12の直交方向C2に沿って離そうとする外力P1が作用した場合には、角度θ1の段差面31D,41D同士がより密着することとなる。
これに対し、本願実施形態では、リング体12の軸方向C1及び直交方向C2の両方に対して斜めの方向αに力が作用した場合にしか先端部31,41同士が相対移動しないので、上記外力P1,P2のいずれに対しても先端部31,41同士が外れることがない。
しかも、リング体12は弾性を有するため、一対の先端部31,41を嵌合させた場合に、先端部31,41には元の形状(図3参照)に戻ろうとする弾性復元力(弾性力とも言う)が作用し、つまり、上記力P1と同方向に弾性復元力が作用するため、本実施形態では、この弾性復元力P1を利用して一対の先端部31,41同士をより確実に密着させることができる。
詳述すると、このリング体12は、図3(A)に示すように、一対の先端部31,41の先端面31F,41Fからリング体12に沿って等距離の位置に相当する中間部52を基準にして、軸方向C1一方側に設けられる先端部31を、図3(A)における紙面奥行き側に寝かし、且つ、軸方向C1他方側に設けられる先端部41を、図3(A)における紙面手前側に起こすようにねじることによって形成されており、当該リング体12を型成形する際に、上記のようにねじった形状に形成されている。つまり、上記オフセット量K1,K2は、リング体12のねじれ量に相当している。
なお、図3(B)において、符号C3は、ねじれの基準位置を示しており、符号C1は、リング体12を閉環したときの中心軸に対応する位置を示している。
本実施形態のリング体12は、ニッケル系又はパーマロイの磁性体材料であるため、変形が元に戻る弾性域(弾性変形範囲とも言う)が相対的に狭くなっており、変形量が大きいと、変形が元に戻らない塑性域(塑性変形範囲)に入り易い。発明者らの検討によれば、上記オフセット量K1,K2をリング体12の幅W1の50%程度までの範囲に抑えることによって、塑性変形が生じても弾性変形により一対の先端部31,41が接触嵌合し、十分に結合できることを確認した。また、リング体12の直径、幅W1、厚さD1に応じてオフセット量を適宜に変更すれば良い。
上記したように、一対の先端部31,41は互いの先端面31F,41Fが直交面C2上で相体するので、直交面C2に沿って近づけていくと、先端面31F,41F同士が当接する。この場合、両先端面31F,41Fは、相手の先端面31F,41Fを嵌合面側に案内する傾斜面に形成されているので、図5(C)に示すように、一対の先端部31,41が、先端面31F,41Fに沿ってオフセットされた側と反対側に変形していく(撓んでいく)。その後、連結部51の中間部52(図3(B)参照)を基準して、両先端部31,41が各々オフセット量K1,K2(図3(A)参照)に相当する量だけ変形すると、図5(D)に示すように、各先端部31,41が他方の先端部41,31を乗り越えて、各先端部31,41の側面31A,41A同士が嵌合し、これによって、先端部31,41が連結する。
上記したように、本実施形態のリング体12は、弾性域が相対的に狭いニッケル系又はパーマロイで形成されているため、上記の連結の際に弾性変形と塑性変形の両方が生じる。
この場合、一対の先端部31,41がオフセット量K1,K2の分、リング体12の軸方向C1にも変形した状態で嵌合しているので、リング体12そのものの弾性復元力を利用して嵌合力を効率よく高めることができ、且つ、先端部31,41同士を確実に密着させることができる。
開閉機構76は、各プレート72,74の先端部に雌ねじ部材(例えば、ナット)77,78を首振り自在に設け、これら雌ねじ部材77,78に雄ねじ部材79を螺合させて構成される。そして、この雄ねじ部材79を、作業員が手動で、或いは、モータ等の駆動源を用いて回転させることにより、一対のプレート72,74を開閉させることができる。この取付工具71を用いれば、金属製のリング体12を比較的簡便に変形させて取り付けることができる。
このため、送電線11の振動・腐食、送電線点検時の宙乗り機通過、雷等の種々のストレスを受けた場合でも、先端部31,41のずれを防止することができ、取付状態を維持することができる。また、リング体12は、一対の先端部31,41を有する開環形状であるため、既設の送電線11へ容易に装着できる。また、先端部31,41同士を確実に密着させることができるので、送電線11の電流によってリング体12を適切に発熱させることが可能である。
また、先端部31,41の先端面31F,41Fは、リング体12を閉環するように近づけて互いを当接させた際に一方の先端部31を他方の先端部41に対してリング体12の軸方向C1に相対移動させる傾斜面を有しているので、先端面31F,41Fを容易にリング体12の軸方向C1に相対移動させて嵌合させることができる。
すなわち、本実施形態では、一対の先端部31,41を近づけるようにリング体12を閉じていくだけで、自動的に軸方向C1に相対移動させて先端部31,41同士を連結させることが可能である。
例えば、上述の実施形態において、一対の先端部31,41の嵌合形状は、上記の形状に限らず、他の形状を適用しても良い。また、上述の実施形態では、環状の断熱体21を半割してリング体12に固定する場合を説明したが、これに限らず、断熱体21を、先端部31,41が開いたリング体12の内周面に沿って湾曲するU字の開環形状にしてリング体12に固定し、リング体12と一体に屈曲させるようにしても良い。
11 架空送電線
12 リング体
21 断熱体
31,41 先端部
31A,31B,41A,41B 側面
31D,41D 段差面(段差)
31F,41F 先端面
52 中間部
C1 リング体の軸方向
Claims (4)
- 送電線の外周部に断熱体を介して取り付けられる磁性体材料からなるリング体を備えた融雪リングにおいて、
前記磁性体材料は、弾性域が相対的に狭いニッケル系又はパーマロイであり、
前記リング体は、
このリング体の軸方向に位置する側面同士が嵌合自在に形成された一対の先端部を有する開環形状であって、前記一対の先端部から等距離の中間部と一方の前記先端部との間の部分が、前記中間部を基準にして、前記一方の先端部を他方の前記先端部と嵌合する側に起こすように前記リング体の軸方向にねじれ、前記中間部と前記他方の先端部との間の部分が、前記中間部を基準にして、前記他方の先端部を前記一方の先端部と嵌合する側に起こすように前記リング体の軸方向にねじれ、
前記リング体の径方向に沿う長さである厚さ、及び、前記リング体の軸方向に沿う長さである幅のそれぞれは一定であり、前記中間部を基準とした前記一方の先端部側のねじれと、前記中間部を基準とした前記他方の先端部側のねじれとは、前記一対の先端部の側面同士が嵌合した嵌合時に相殺されるねじれ量に設定されていることを特徴とする融雪リング。 - 前記先端部の先端面は、前記リング体を閉環するように近づけて互いを当接させた際に前記一方の先端部を前記他方の先端部に対して前記リング体の軸方向に相対移動させる傾斜面を有していることを特徴とする請求項1に記載の融雪リング。
- 前記一対の先端部の側面は、前記傾斜面と平行の段差で係合することを特徴とする請求項2に記載の融雪リング。
- 前記リング体は、真円の円弧に沿って延びる一対の半円リング部と、一対の半円リング部の基端部同士をつなぐ連結部とを一体に備え、前記一対の半円リング部のそれぞれの端部が、前記一対の先端部をそれぞれ構成し、
前記連結部は、前記一対の先端部から等距離の前記中間部を含むとともに、前記一対の先端部の側面同士が嵌合した嵌合時に前記真円の円弧に沿って曲がる形状となる、前記一対の先端部の開口側に向けて盛り上がる形状を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の融雪リング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012107512A JP5979354B2 (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | 融雪リング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012107512A JP5979354B2 (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | 融雪リング |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013236477A JP2013236477A (ja) | 2013-11-21 |
JP5979354B2 true JP5979354B2 (ja) | 2016-08-24 |
Family
ID=49762146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012107512A Expired - Fee Related JP5979354B2 (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | 融雪リング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5979354B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0458042U (ja) * | 1990-09-19 | 1992-05-19 | ||
JPH05292639A (ja) * | 1992-04-07 | 1993-11-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 融雪部材 |
JPH0988918A (ja) * | 1995-09-27 | 1997-03-31 | Suncall Corp | クランプ及びクランプ構体 |
JP4624250B2 (ja) * | 2004-12-08 | 2011-02-02 | 株式会社リヒトラブ | ファイル・バインダ |
-
2012
- 2012-05-09 JP JP2012107512A patent/JP5979354B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013236477A (ja) | 2013-11-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2015145841A1 (ja) | 回転検出センサおよびその樹脂成形型 | |
JPWO2016199833A1 (ja) | 歯間清掃具 | |
JP2019500123A5 (ja) | ||
WO2015151889A1 (ja) | コネクタ | |
CN102990679B (zh) | 柔轮保护结构及采用该柔轮保护结构的机器人臂部件 | |
JP5972590B2 (ja) | 回転伝達部材、軸直結型カップリングおよび軸連結機構 | |
US9841079B2 (en) | Device for guiding elongate object | |
JP6415174B2 (ja) | 磁気治療具の製造方法 | |
JP6602105B2 (ja) | コネクタ | |
JP5979354B2 (ja) | 融雪リング | |
JP2019075235A (ja) | グロメット | |
JP6101665B2 (ja) | 車両用グリルシャッタ | |
WO2014141935A1 (ja) | 固定部材およびワイヤハーネス | |
JP5950062B2 (ja) | バルブステムシール | |
JP4929245B2 (ja) | 工具類のグリップ | |
JP4794299B2 (ja) | ホースプロテクタ及びその製造方法 | |
JP6517669B2 (ja) | トルクを伝達する装置 | |
US20160178017A1 (en) | Transmitter for a synchronising assembly of a manual transmission and a method for producing a transmitter | |
JP2014157715A (ja) | 雌端子及び端子製造装置 | |
KR200467767Y1 (ko) | 자동차 케이블 연결용 소켓 | |
JP5803752B2 (ja) | スリット装着部材装着治具及びワイヤーハーネスの製造方法 | |
JP2016024952A5 (ja) | ||
US20180194022A1 (en) | Manual cutting tool | |
JP2014030319A (ja) | 融雪リング | |
CN109312586A (zh) | 具有加固的扭杆的铰链组件 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160628 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160712 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5979354 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |