JP5978800B2 - 回転電機、及び回転電機の固定子の冷却方法 - Google Patents

回転電機、及び回転電機の固定子の冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機の固定子の冷却技術に関し、特に、回転電機の固定子の端部における周方向の冷却ムラを改善して固定子をその周方向へ略均一に冷却する技術に関する。
直流機、同期機さらには誘導機等の回転電機は、回転子と、絶縁物を装着された固定子から構成され、電磁誘導原理を利用して電気エネルギー及び機械エネルギー(回転エネルギー)の相互変換を行う。運転時の回転電機に発生する、鉄損,銅損,機械損,風損等の各種損失の大部分は熱エネルギーに変換されるため、固定子の温度が上昇する。この温度上昇により、固定子のコイルの絶縁物が変化し、温度の上昇に伴って絶縁性能が低下して絶縁物の寿命が短くなる。絶縁物が劣化すると焼損や短絡事故の発生率が高くなるため、固定子のコイルの温度上昇を抑制する必要がある。
従来より、回転電機の内部に冷却ファンを配置し、この冷却ファンによって強制通風して固定子を冷却する方式が採用されている。例えば、回転電機の外部から空気を取り入れ、この空気を回転電機の内部に循環させて冷却後の空気を回転電機の外部に排出する開放型,回転電機の内部を外部から遮断し、回転電機のフレームをファン等により機械的に強制通風して外部から冷却する全閉外扇型,あるいは冷却媒体を冷却機もしくは熱交換器によって冷却する内冷型等の様々な冷却方式が実用化されている。これらの冷却方式では、固定子を効果的に冷却するため、電気鉄板を積層して回転子及び固定子を製作する際に、ある一定の間隔で通風用のダクトを設けて鉄心及び鉄心内の固定子を冷却する。
これらの冷却方式に基づいて固定子を冷却すると、固定子コイルの軸方向(長手方向)の部位に温度差が生じてコイルの熱膨張が軸方向位置で不均一になるために、コイルの絶縁物に亀裂や絶縁破壊が早期に発生するという問題があった。
特許文献1には、図15に示すように、固定子2及び回転子3を有する回転電機1における固定子コイル4と固定子フレーム5との間隙部分に、固定子コイル4の外周部側に鉄心端部2a側では狭い間隔とするとともに鉄心中央部2b側では広い間隔とした抵抗板6を配置することにより、固定子通風ダクト7を通過する冷却媒体8を固定子コイル4の軸方向に対して略均一化して、固定子コイル4を軸方向へ略均一に冷却できるとともに製作が容易で高効率の回転電機1に係る発明が開示されている。なお、図15における符号9は回転電機1のシャフトを、符号10は冷却媒体8の吸入ファンをそれぞれ示す。
特開2009−148140号公報
特許文献1により開示された発明は、特許文献1の段落0012に明記されているように、固定子通風ダクト7を通過する冷却媒体8を固定子コイル4の軸方向へ略均一化して固定子コイル4を軸方向へ略均一に冷却する。
本発明者らは、図15に示す型式の回転電機1とは異なり、回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備え、冷却媒体を、ケーシングに設けられた冷却媒体入口から固定子コイルの端部の側方に供給して回転電機の内部及び外部に流通させることによって固定子コイルを冷却する型式の回転電機の場合には、特許文献1により開示された発明を適用しても、固定子コイルをその周方向へ均一に冷却できないことを知見した。
固定子コイルがその周方向へ不均一に冷却されると、固定子コイルにヒートスポットが部分的に形成され、固定子コイルの寿命の低下は避けられない。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備え、冷却媒体を、ケーシングに設けられた冷却媒体入口から固定子コイルの端部の側方に供給して回転電機の内部及び外部に流通させることによって固定子コイルを冷却する回転電機において、固定子の軸方向の端部における周方向への冷却ムラを改善して固定子をその周方向へ略均一に冷却する技術を提供することを、目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記する知見A〜Cを得て、本発明を完成した。
(A)回転電機の固定子コイルの軸方向の端部の近傍に整流板を配置して、固定子コイルの端部の熱を抜熱する風量を固定子コイルの周方向へ略均一化すれば、固定子コイルの端部における冷却を、周方向へ略均一化できる。
(B)固定子コイルの端部を抜熱する冷却媒体の流入部は、固定子コイルの冷却方法,設置環境,ケーシングにより決定される。特に、冷却方法が熱交換機型である場合には、冷却媒体の流入箇所は限定される。例えば、回転電機の上部に熱交換器を備える冷却装置が配置されている場合には、冷却媒体は固定子コイルの端部の上部から吹き込まれ、固定子及び回転子の間を経由して固定子コイルの内部に設けられたエアダクトを流通して、熱交換機へ戻る。このため、固定子コイルの端部は、ケーシングの側部を流通しモータ中心部に至る冷却媒体の一部を固定子コイルの内部に分流させることにより、冷却される。
図16は、回転子及び固定子を外部から遮断するケーシング12を備え、冷却媒体である流体13を、ケーシング12に設けられた冷却媒体入口12aから固定子コイルの端部11aの側方に供給して回転電機11の内部及び外部に流通させることによって固定子コイルを冷却する型式の回転電機11を模式的に示す説明図である。回転電機12の上部には熱交換器15が配置されており、流体13は図中矢印で示すように固定子コイルの端部11aから中央部11bへ流れることにより、固定子コイルを冷却する。
ここで、流体13が管路14を流れるときの圧損ΔPは、Lを配管長とし、Dを配管内径とし、ρを流体13の密度とし、vを流速とすると、
ΔP=f・L/D・(ρv)/2 ・・・・・・・(1)
として表わされる。(1)式に基づいて回転電機11における流体13の圧損を検討する。
図16において、固定子コイルの端部11aの内部の管路14aを直接流通する流体13aの圧損は、回転電機11の端部11aが存在するために配管内径Dが小さくなり、大きい。これに対し、回転電機11の端部11aとケーシング12との間隙の管路14bの配管内径Dは、単位体積の径で比較すると、管路14bは間隙であるために単位体積の径100%で通風できるのに対して、端部11aでは単位体積を固定子コイルが一部占有するために、通風できる単位体積の径は100%未満となり、固定子コイルの内部の管路14aの配管内径Dよりも大きい。このため、管路14bを流れる流体13bの圧損は小さく、冷却媒体入口12aから供給される流体13は、管路14aを流通することなく、圧損の小さい管路14bを流通して中央部11bに到達してしまう。このため、回転電機11の固定子の端部11aを流体13により周方向へ略均一に冷却するためには、固定子コイルの端部11aとケーシング12との間の圧損を高めて固定子の端部11aの風量を増加することが有効である。
(C)図17は、図16におけるA−A断面図である。
図16に示すように、流体13は、冷却媒体入口12aを介して回転電機11の周方向の一部より供給される。供給される流体13のうちで、固定子コイルの端部11bに直接衝突して端部11bを冷却する流体13cの圧損と、その他の固定子コイルの端部11bを冷却する流体13dの圧損とを、(1)式に基づいて検討すると、流体13dの配管長Lは流体13cの配管長Lよりも大きいとともに、冷却媒体の経路やケーシングの形状にもよるが、一般的な回転電機の構造では、固定子コイルの下部を冷却する流体13dの配管内径Dは流体13cの配管内径Dよりも小さい。そのため、流体13cが直接衝突する固定子コイルの端部以外の箇所は、圧損が大きく、十分に冷却できない。
このように、この回転電機11では、固定子コイルにおける流体13cが直接衝突する部分以外の風量が少ない。このため、回転電機11の固定子の端部11aを流体13により周方向へ略均一に冷却するためには、流体13c,13dの圧損の周方向への分布を略均一化することが有効である。
本発明は、以下の通りである。
(1)回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備え、冷却媒体を、固定子コイルの端部の上部に位置する冷却媒体入口から固定子コイルの軸方向の端部に供給して回転電機の内部及び外部に流通させ、固定子コイルの軸方向の中央部から排出することによって固定子コイルを冷却する回転電機において、
前記固定子コイルの軸方向の端部の近傍に該固定子コイルの外周面に沿って配置されて、該固定子コイルの端部の熱を抜熱する冷却媒体の圧損の、固定子コイルの周方向へのばらつきを抑制する整流部材を備え、
前記整流部材は、多数の孔を備える整流板であって、当該整流板は、当該整流板が設置されていない場合に前記冷却媒体が直接衝突する前記固定子コイルの端部を含む範囲を前記固定子コイルの中心角で30〜60°の範囲で覆って、配置されること、および
前記整流部材は、複数の前記整流板が該整流板の長手方向端部で接続部を介して接続されており、前記接続部には前記固定子コイルと前記ケーシングとの間を遮蔽する遮蔽板が重ねて設けられていること
を特徴とする回転電機。
(2)回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備える回転電機における固定子コイルに、冷却媒体を、ケーシングに設けられた、固定子コイルの端部の上部に位置する冷却媒体入口から固定子コイルの端部に供給して回転電機の内部及び外部に流通させ、固定子コイルの軸方向の中央部から排出することによって固定子コイルを冷却する方法において、
前記固定子コイルの軸方向の端部の近傍に該固定子の外周面に沿って配置された整流部材によって、該固定子コイルの端部の熱を抜熱する冷却媒体の圧損の、該固定子コイルの周方向へのばらつきを抑制し、
前記整流部材は、多数の孔を備える整流板であって、当該整流板は、当該整流板が設置されていない場合に前記冷却媒体が直接衝突する前記固定子コイルの端部を含む範囲を前記固定子コイルの中心角で30〜60°の範囲で覆って、配置されること、および
前記整流部材は、複数の前記整流板が該整流板の長手方向端部で接続部を介して接続されており、前記接続部には前記固定子コイルと前記ケーシングとの間を遮蔽する遮蔽板が重ねて設けられていること
を特徴とする回転電機の固定子の冷却方法。
これらの本発明における整流板は、現地で容易に取外し,取付けが可能であり、実際の稼働状況を確認しながら現地で微調整することができる。
本発明により、回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備え、冷却媒体を、ケーシングに設けられた冷却媒体入口から固定子コイルの軸方向の端部に供給して回転電機の内部及び外部に流通させ、固定子コイルの軸方向の中央部から排出することによって固定子コイルを冷却する回転電機において、固定子コイルの端部における周方向への温度分布を略均一化でき、ヒートスポットの発生を抑制又は解消できるため、固定子コイルの絶縁物の延命を図ることができる。また、ヒートスポットを冷却する余分なエネルギーも不要になるので、必要となる冷却能力を低減することができ、回転電機における固定子コイルの冷却装置の小型化や小電力を図ることもできる。
整流部材として整流板、特にパンチングメタルを使用する場合には、整流板の製作,取付けは低コストで行うことができ、現地での調整も容易であるとともに、整流板や穴の形の自由度が高く、圧損の均一化に柔軟に対応できる。
図1は、製鉄所で使用される厚板板用圧延ミル主機モータを模式的に示す説明図である。 図2は、本発明に係る回転電機である厚板用圧延ミル主機モータの構成例を示す説明図である。 図3(a)は、解析に用いたFEMモデルの解析領域及び整流部材の設置位置を示す説明図であり、図3(b)は、整流部材の周方向長さが異なるケース1〜3を示す説明図である。 図4は、整流部材であるパンチングメタル状隔壁に形成した孔の配置を示す説明図である。 図5(a)は、ケース1〜3の解析結果を示す説明図であり、図5(b)は、ケース1〜3の解析結果を示すグラフである。 図6(a)は、装着したパンチングメタル状隔壁を示す説明図であり、図6(b)は、パンチングメタル状隔壁に形成した孔の配置を示す説明図である。 図7は、取付けに用いたパンチングメタル状隔壁の装着状況を示す説明図である。 図8は、パンチングメタル無(プレスボードなし)、パンチングメタル小(プレスボード30°)、パンチングメタル中(プレスボード45°)、パンチングメタル大(プレスボード60°)の、位置12,5,3における風速の測定値を示すグラフである。 図9(a)は、別の形状の整流部材を用いて実施した例を示す説明図であり、図9(b)は整流部材を示す説明図である。 図10は、固定子コイルとケーシングとの隙間を示す断面図である。 図11は、風速の測定結果を示すグラフである。 図12は、製作したコイルとケーシングとの間の空間の遮蔽板を示す説明図である。 図13は、風速の測定位置を示す説明図である。 図14は、風速の測定結果を示すグラフである。 図15は、特許文献1により開示された回転電機を示す説明図である。 図16は、回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備え、冷却媒体である流体を、ケーシングに設けられた冷却媒体入口から固定子コイルの端部の側方に供給して回転電機の内部及び外部に流通させることによって固定子コイルを冷却する型式の回転電機を模式的に示す説明図である。 図17は、図16におけるA−A断面図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、製鉄所で使用される厚板用圧延ミル主機モータ20を模式的に示す説明図である。本実施の形態では、本発明を、図2に示す厚板用圧延ミル主機モータ20に適用する。また、図2は、本発明に係る回転電機である厚板用圧延ミル主機モータ20の構成例を示す説明図である。同図に示すように、厚板用圧延ミル主機モータ20は、ケーシング22と整流部材27とを備えるので、これらについて順次説明する。
[ケーシング22]
この厚板用圧延ミル主機モータ20は、回転子(図示を省略)及び固定子コイル21を外部から遮断するケーシング22を備える。ケーシング22は、脚が中間取付(ケーシングの下部の一部が基礎に埋め込まれた状態で取り付けられる設置方式)であるために基礎23に据え付けられている。ケーシング22の上面には、冷却媒体である冷却風24を厚板用圧延ミル主機モータ20に吹き付けるための冷却風入口25,25が設けられている。さらに、ケーシング20の上部には、冷却風24を冷却するための熱交換機(図示しない)が設けられている。
冷却風24は、冷却風入口25,25より固定子コイル21の軸方向の端部21aの上部から吹き込まれ、固定子コイル21及び回転子の間を経由して固定子コイル21の内部に設けられたエアダクト(図示しない)を流通して固定子コイル21の軸方向の中央部から排出され、熱交換機へ戻る。このように、固定子コイル21の端部21aは、ケーシング22の側部を流通しモータ中心部に至る冷却風24の一部を固定子コイル21の内部に分流させることにより、冷却される。
厚板用圧延ミル主機モータ20は、上述したようにモータ据付として脚が中間取付であるためにモータ下部空間26が狭く、このためにモータ下部空間26の冷却風量が小さいという特徴を有する。
[整流部材27]
整流部材27は、固定子コイル21の軸方向の端部21aの近傍に固定子コイル21の外周面に沿って、配置される。
整流部材27は、冷却風24の風量が高い部分における圧損を高くして端部21aにおける周方向の風量を略均一化するために、固定子コイル21の端部21a及びケーシング22との間隙の圧損を高めるために固定子コイル21の端部21aの一部を覆って、配置される。
整流部材27としては、このような圧損を発生させることができる部材であれば如何なるものでもよいが、整流板(隔壁)を用いることが好ましい。さらに、整流板として多数の孔が設けられたパンチングを用いることも好ましい。
整流部材27は、固定子コイル21の周方向への冷却風の風量をできるだけ略均一化するために、整流部材27を取り付けない状態において、冷却風の量が多い位置では圧損が高くなるとともに冷却風の量が少ない場所では圧損が低くなるように、配置する。そのため、一般には直接風が当たる位置の圧損を最も圧損を高く(整流板としてパンチングメタルを用いる場合にはこの位置の穴を狭くするか、又は塞ぐ)し、周方向はこの位置から離れるにつれて徐々に圧損を低くなるようにする(整流板の穴を徐々に広くする)ことが好ましい。
また、ケーシング22の形状や構造を工夫することにより、固定子コイル21とケーシング22との間隙を、コイルとケーシングとが接触しない範囲でできるだけ小さくすることが好ましい。コイルとケーシングが接触しない程度で、間隔をできるだけ小さくするのが好ましい。
このように、整流部材27は、固定子コイル21の端部21aの熱を抜熱する冷却風24の圧損の、固定子コイル21の周方向へのばらつきを抑制する部材である。
本発明者らは、流動解析によって必要となる圧力損失を発生させる整流部材(厚さ2mmのパンチングメタル状隔壁)27の性状(開口率、設置範囲)について評価を実施し、流量略均一化に対して十分となる形態を解析した。
図3(a)は、解析に用いたFEMモデルの解析領域及び整流部材27の設置位置を示す説明図であり、図3(b)は、整流部材27の周方向長さが異なるケース1〜3を示す説明図である。
FEMモデルの形状は、図1,2に示す厚板用圧延ミル主機モータ(厚板2ndモータ実機)20をモデルにした。図3(b)に示すように、解析条件として、整流部材27の周方向長さを3パターンで変化させた。ケース1〜3における整流部材27の周方向が厚板用圧延ミル主機モータ27を覆う範囲は厚板用圧延ミル主機モータ20の中心角で、それぞれ、15°,30°,45°とした。また、図3(b)では省略したが図3(a)により代表して示すように、固定子コイル21の最底部から最頂部までの部分を12分割し、下から順に位置1、2・・・とし、最頂部を位置12と名付けた。
図4は、整流部材であるパンチングメタル状隔壁27に形成した孔27aの配置を示す説明図である。パンチングメタル状隔壁27には、直径20mmの孔27aが、図4に示すように穿設されている。
図5(a)は、ケース1〜3の解析結果を示す説明図であり、図5(b)は、ケース1〜3の解析結果を示すグラフである。
図5(a)及び図5(b)に示すように、パンチングメタル状隔壁27を配置しない現状のモデルでは、位置9、10の風量が大きい。これは、冷却風24が直接当たる値であり、圧損が小さい位置である。また、最頂部の位置12の風量が最も小さい。
これに対し、パンチングメタル状隔壁27を配置することによって、位置9、10の流量を減少させ、位置11、12の流量を増加させることが可能になり、定子コイル21の周方向への冷却風の風量のばらつきを低減できることがわかる。
次に、本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
本発明者らは、整流部材であるパンチングメタル状隔壁27を、その大きさ,穴の形状,取付位置を変化させて、モータ20に実際に装着し、風量を測定した。
図6(a)は、装着したパンチングメタル状隔壁27を示す説明図であり、図6(b)は、パンチングメタル状隔壁27に形成した孔27aの配置を示す説明図である。
パンチングメタル状隔壁27として、厚さ約1mm,幅530mmのプレスボードを用い、長さは、大1780mm,中1335mm,小890mmの3水準とした。また、孔27aの径は20mmとし、孔27aの設置間隔は、図6(b)に記載した通りとした。
図7は、取付けに用いたパンチングメタル状隔壁27の装着状況を示す説明図である。
図7に示すように、パンチングメタル小では、固定子コイル21の位置9,10を覆うように長さ890mmのパンチングメタル状隔壁27を配置し、パンチングメタル中では、固定子コイル21の位置8〜10を覆うように長さ1335mmのパンチングメタル状隔壁27を配置し、さらに、パンチングメタル大では、固定子コイル21の位置7〜10を覆うように長さ1780mmのパンチングメタル状隔壁27を配置した。
図8は、パンチングメタル無(プレスボードなし)、パンチングメタル小(プレスボード30°)、パンチングメタル中(プレスボード45°)、パンチングメタル大(プレスボード60°)の、位置12,5,3における風速の測定値を示すグラフである。
図8にグラフで示すように、パンチングメタルを設置することで、設置しない場合と比較して、周方向への風量の均一化が認められた。特に、パンチングメタル中(プレスボード45°)が最も風速が均一化されていた。
なお、パンチングメタルを設置しない場合、図5(b)のグラフに示すように位置12(最頂部)の風速が最も小さいと考えられる。そのため、この状態で長期間稼働していたモータは、位置12(最頂部)の絶縁物の劣化が他の位置1〜11よりも進行していると推定される。そのようなモータに適用する場合は、周方向の均一性には若干劣るものの位置12(最頂部)をより冷却するため、パンチングメタル大(プレスボード60°)を用いることも有効である。
図9(a)は、実施例1を参考にして別の形状の整流部材27−1を用いて実施した例を示す説明図であり、図9(b)は整流部材27−1を示す説明図である。
この例における整流板27−1は、設置容易性を考慮して、図9(b)に示すように、複数のパンチングメタル大(プレスボード60°)を接続した構成とした。
図10は、固定子コイル21とケーシング22との隙間を示す断面図である。
図10に示すように、固定子コイル21の端部を有効に冷却する風量を稼ぐため、冷却への寄与の小さい領域である、固定子コイル21とケーシング22との隙間を塞ぐように、整流板27の接続部に重ねて樹脂製の遮蔽板30を設けた。
風速の測定結果を図11にグラフで示す。
図11にグラフで示すように、実施例1とは整流板の形状が異なるので風量分布は異なるものの、周方向の風速分布の均一化が図れた。
さらに、実施例2の整流板27を用い、遮蔽板30の形状の影響を検討した。
図12は、製作したコイルとケーシングとの間の空間の遮蔽板30を示す説明図である。
図12に示すように、性能試験を行うことができるように、遮蔽板30は、径14mmの孔付きと、穴なしを準備した。さらに、遮蔽板30は整流板の上下面個別に取付可能とした。これらの遮蔽板30を支持リングの外側に装着して、確認試験を行った。
径14mmの孔付きの遮蔽板30は整流板27の上面及び下面の両方に取付け、孔なしの遮蔽板30は整流板27の上面及び下面に取り付けるものと、上面のみに取付けるものの2パターン、合計3パターンをそれぞれ試験した。
図13は、無地の遮蔽板30を上部のみの取り付けた厚板用圧延ミル主機モータ20における風速の測定箇所を示す説明図であり、図14は、結果をまとめて示すグラフである。
整流板27及び遮蔽板30を厚板用圧延ミル主機モータ20に取り付け、実際に使用し、図13に示すように、位置12,5,3における風速を測定した。
図14にグラフで示すように、遮蔽板30の形状や取り付け方によって微妙な違いはあるものの、周方向に風量の均一化が図れた。
具体的には、整流板27及び遮蔽板30の取り付け前に風速を実測した結果、位置5付近の風速が高く、位置12,3付近の風速が小さい。そのため、位置3、12付近の温度が高くなるため、固定子コイルの端部の周方向への温度分布にムラがあった。
これに対し、整流板27及び遮蔽板30の取り付け後には、流動解析で検討した流量略均一化に対して十分となる形態の整流板27及び遮蔽板30を配置して風速を測定した結果、流動解析の評価通りに位置5付近の風速が低下し、位置12,3付近の風量が上昇した。
以上の結果から、整流板27及び遮蔽板30を配置することにより全体的に冷却風の風速を略均一化でき、固定子コイルの端部における冷却風の周方向へのばらつきを抑制できるため、固定子コイルの周方向への温度ムラを抑制できることができる。
また、整流板27は、現地で容易に取外し,取付けが可能であり、実際の稼働状況を確認しながら、現地で微調整することができる。すなわち、整流板の位置や形状は、回転機や冷却系の形態によって一元的に決まるものの、上述した試験の通り、事前に解析を行っても、実際に現地で配置を行うと、解析通りの結果が出ない。これは、解析では現地の細部の寸法の再現が不可能であり、取付位置の実際のズレ,施工等による止むを得ない現地変更などに起因する。そのため、現地で容易に取外し,取付けを行うことができ、現地で調整できることは極めて有用である。
1 回転電機
2 固定子
2a 鉄心端部
2b 鉄心中央部
3 回転子
4 固定子コイル
5 固定子フレーム
6 抵抗板
7 固定子通風ダクト
8 冷却媒体
9 回転電機のシャフト
10 冷却媒体の吸入ファン
11 回転電機
11a 端部
11b 中央部
12 ケーシング
12a 冷却媒体入口
13,13a,13b,13c,13d 冷却媒体(流体)
14,14a,14b 管路
15 熱交換器
20 厚板用圧延ミル主機モータ
21 固定子コイル
21a 軸方向の端部
22 ケーシング
23 基礎
24 冷却風
25 冷却風入口
26 モータ下部空間
27 整流部材(パンチングメタル状隔壁)
27a 孔
30 遮蔽板

Claims (2)

  1. 回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備え、冷却媒体を、固定子コイルの端部の上部に位置する冷却媒体入口から固定子コイルの軸方向の端部に供給して回転電機の内部及び外部に流通させ、固定子コイルの軸方向の中央部から排出することによって固定子コイルを冷却する回転電機において、
    前記固定子コイルの軸方向の端部の近傍に該固定子コイルの外周面に沿って配置されて、該固定子コイルの端部の熱を抜熱する冷却媒体の圧損の、固定子コイルの周方向へのばらつきを抑制する整流部材を備え、
    前記整流部材は、多数の孔を備える整流板であって、当該整流板は、当該整流板が設置されていない場合に前記冷却媒体が直接衝突する前記固定子コイルの端部を含む範囲を前記固定子コイルの中心角で30〜60°の範囲で覆って、配置されること、および
    前記整流部材は、複数の前記整流板が該整流板の長手方向端部で接続部を介して接続されており、前記接続部には前記固定子コイルと前記ケーシングとの間を遮蔽する遮蔽板が重ねて設けられていること
    を特徴とする回転電機。
  2. 回転子及び固定子を外部から遮断するケーシングを備える回転電機における固定子コイルに、冷却媒体を、ケーシングに設けられた、固定子コイルの端部の上部に位置する冷却媒体入口から固定子コイルの端部に供給して回転電機の内部及び外部に流通させ、固定子コイルの軸方向の中央部から排出することによって固定子コイルを冷却する方法において、
    前記固定子コイルの軸方向の端部の近傍に該固定子の外周面に沿って配置された整流部材によって、該固定子コイルの端部の熱を抜熱する冷却媒体の圧損の、該固定子コイルの周方向へのばらつきを抑制し、
    前記整流部材は、多数の孔を備える整流板であって、当該整流板は、当該整流板が設置されていない場合に前記冷却媒体が直接衝突する前記固定子コイルの端部を含む範囲を前記固定子コイルの中心角で30〜60°の範囲で覆って、配置されること、および
    前記整流部材は、複数の前記整流板が該整流板の長手方向端部で接続部を介して接続されており、前記接続部には前記固定子コイルと前記ケーシングとの間を遮蔽する遮蔽板が重ねて設けられていること
    を特徴とする回転電機の固定子の冷却方法。
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