JP5978612B2 - 照明装置および表示装置 - Google Patents

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Description

本開示は、レーザ光を含む光を照射する照明装置、およびそのような照明装置を用いて映像表示を行う表示装置に関する。
プロジェクタ(投射型表示装置)の主要部品の1つである光学モジュールは、一般に、光源を含む照明光学系(照明装置)と、光変調素子を含む投射光学系(投影光学系)とから構成されている。このようなプロジェクタの分野では、近年、マイクロプロジェクタと呼ばれる小型(手のひらサイズ)かつ軽量な携帯型プロジェクタが普及し始めている。このマイクロプロジェクタでは、従来、照明装置の光源として主にLED(Light Emitting Diode)が使用されている。
一方で、最近では照明装置の新たな光源として、レーザが注目されている。例えば、赤(R),緑(G),青(B)の3原色のレーザ光を用いたプロジェクタとして、従来から気体レーザを用いたものが知られている。このように、レーザを光源として用いたプロジェクタは、例えば特許文献1,2において提案されている。光源としてレーザを用いることにより、色再現範囲が広く、かつ消費電力も小さいプロジェクタを得ることができる。
特開昭55−65940号公報 特開平6−208089号公報
ところで、レーザ光のようなコヒーレント光を拡散面に照射すると、通常の光では見られない斑点上の模様が観察される。このような模様は、スペックル模様と呼ばれている。このスペックル模様は、拡散面の各点で散乱された光が、面上の微視的な凹凸に応じたランダムな位相関係で干渉し合うために生じるものである。
ここで、上記したレーザを光源として用いたプロジェクタでは、スクリーン上において、このようなスペックル模様(干渉パターン)が表示画像に重畳される。このため、人間の眼には強度のランダムノイズとして認識され、表示画質が低下してしまうことになる。
そこで、レーザを光源として用いたプロジェクタにおいて、このようなスペックル模様(スペックルノイズ)の発生を低減する手法として、プロジェクタ内でレーザ光が通過する所定の光学素子等を微小振動させるようにしたものが提案されている。一般に、人間の眼および脳は、約20〜50ms内の画像のちらつきは判別できない。つまり、その時間内の画像は眼の中で積分され、平均化されている。したがって、この時間内に、スクリーン上において独立のスペックルパターンを多数重量させることにより、スペックルノイズを人間の眼の中で気にならない程度に平均化しようとするものである。この手法を用いることにより、レーザ光に起因した干渉パターンの発生を低減することが可能となる。
ところが、このようにして光学素子を微小振動させた場合、干渉パターンの発生については低減されるものの、場合によっては照明光における輝度むらが見え易くなってしまい、表示画質低下の要因となってしまう。なお、照明光におけるこのような輝度むらは、光学素子を微小振動させた場合には限られず、他の手法を用いて光学素子を駆動した場合においても発生し得るものである。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、干渉パターンの発生を低減しつつ輝度むらを抑えることが可能な照明装置および表示装置を提供することにある。
本開示の照明装置は、レーザ光源を含んで構成され、このレーザ光源から出射されたレーザ光が所定の周波数で間欠的に出射される光源部と、この光源部から間欠的に出射されたレーザ光が通過する光学素子と、この光学素子を所定の駆動周波数で駆動することにより、レーザ光における可干渉性を変化させる駆動部とを備えたものである。上記所定の周波数をf1[Hz]、上記光学素子から出射される照明光において光学素子に対する駆動により生ずる輝度の変動周波数をf2[Hz]、n1を0以上かつ10以下の任意の整数、n2,n3をそれぞれ0以上かつ10以下の所定の整数としたとき、以下の(1)式を満たし、かつ、以下の(3)式を満たし、かつ、以下の(5)式を満たすと共に、光学素子に対する振動が停止しているときにおける照明光における輝度分布の空間周波数を、低周波側から順にf31,…,f3M(M:2以上の整数)とし、かつ、光学素子が振動しているときにおける照明光の輝度分布の空間振幅をA0としたとき、以下の(7)式を更に満たしている。
|2×f2−n1×f1|≧20 ……(1
2≧20 ……(3
f2−n1×f1|≧20 ……(5)
(1/f32)≦A0 ……(7)
ここで、上記光学素子は、典型的には正弦波による駆動がなされるため(例えば、後述する図10(B)参照)、その場合には、上記「輝度の変動周波数(f2)」は正弦波の周波数となる。ただし、上記光学素子の駆動波形は必ずしも正弦波には限定されない。そのような場合における上記「輝度の変動周波数(f2)」は、最大の振幅成分を持つ主要周波数とすればよい。ただし、そのような主要周波数が存在しない場合(例えば、後述する変形例7におけるホワイトノイズを考慮した場合等)には、上記「輝度の変動周波数(f2)」は、そのときの任意の周波数(全ての周波数)となる。また、上記レーザ光源は、典型的には矩形パルスを用いて間欠的に出射される(例えば、後述する図10(A)参照)。この矩形パルスには、一般に基本周波数の高調波成分が含まれるが、上記「所定の周波数(f1)」は、駆動パルス(例えば矩形パルス)の基本周波数そのものを意味している。なお、上記レーザ光における「可干渉性(コヒーレンシー)」としては、ここでは、レーザ光の位置、角度、偏光および位相のうちの少なくとも1つが挙げられる。
本開示の表示装置は、照明光を出射する上記本開示の照明装置と、照明光を映像信号に基づいて変調する光変調素子とを備えたものである。
本開示の照明装置および表示装置では、レーザ光源からのレーザ光が通過する光学素子を駆動してそのレーザ光の可干渉性を変化させることにより、レーザ光に起因した干渉パターンの発生が低減する。また、上記(1)式を満たし、かつ、上記(3)式を満たし、かつ、上記(5)式を満たすことにより、照明光において光学素子に対する駆動により生ずる輝度の変動周波数(振動周波数)と上記所定の周波数との関係に起因したビート(うなり)現象が、見えにくくなる。
本開示の照明装置および表示装置によれば、レーザ光源からのレーザ光が通過する光学素子を駆動してそのレーザ光の可干渉性を変化させると共に、上記(1)式を満たし、かつ、上記(3)式を満たし、かつ、上記(5)式を満たすようにしたので、レーザ光に起因した干渉パターンの発生を低減することができると共に、照明光における輝度の変動周波数(振動周波数)と上記所定の周波数との関係に起因したビート現象を見えにくくすることができる。よって、干渉パターンの発生を低減しつつ輝度むらを抑える(表示画質を向上させる)ことが可能となる。
本開示の一実施の形態に係る表示装置の全体構成を表す図である。 図1に示した各レーザ光源におけるパルス発光動作の一例を表すタイミング図である。 図1に示した光学素子の作用について説明するための模式図である。 図1に示した光学素子の一例としてのプリズムアレイの詳細構成例を模式的に表す斜視図である。 比較例に係る表示装置の全体構成を表す図である。 図4に示したプリズムアレイの作用について説明するための模式図である。 プリズムアレイの振動によるビームスキャンについて説明するための模式図である。 実施の形態に係るスクリーン上で視認される輝度むらの一例を表す模式図である。 発光周波数および振動周波数とスクリーン上での輝度むらとの関係の一例を表すタイミング図である。 発光周波数および振動周波数とスクリーン上での輝度むらとの関係の他の例を表すタイミング図である。 図1に示した各レーザ光源から出射されるレーザ光におけるファーフィールドパターン(FFP)の一例を表す模式図である。 実施の形態に係るビート周波数の一例について説明するための図である。 実施の形態に係るビート周波数およびビート現象を回避可能な周波数範囲の一例を表す図である。 実施の形態に係るビート現象を回避可能な周波数範囲の一例について説明するための図である。 実施の形態に係るビート現象を回避可能な周波数範囲の他の例について説明するための図である。 スクリーン上における輝度むら低減領域および輝度むら不変領域と、光学素子の振動による輝度分布の空間振幅との関係について説明するための模式図である。 各レーザ光源におけるパルス発光動作の際の発光波形例を表すタイミング図である。 変形例1に係るビート周波数の一例について説明するための図である。 振動周波数と照明光における輝度の変動周波数との関係の一例について説明するための図である。 変形例3に係るビート現象を回避可能な周波数範囲の一例について説明するための図である。 変形例3に係るビート現象を回避可能な周波数範囲の他の例について説明するための図である。 変形例4に係る表示装置の全体構成を表す図である。 変形例5に係る照明装置の要部構成を表す図である。 変形例6に係る表示装置の全体構成を表す図である。 図24に示した光学素子の一例としての液晶素子の詳細構成例を模式的に表す平面図である。 図25に示した液晶素子の作用について説明するための模式図である。 図25に示した液晶素子に印加される駆動電圧およびレーザ光の直線偏光角度の時間的変化の一例を表す特性図である。 変形例6に係るスクリーン上で視認される輝度むらの一例を表す模式図である。 図24に示した光学素子の一例としての液晶素子の他の構成例を模式的に表す平面図である。 変形例7に係るホワイトノイズについて説明するための特性図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(光学素子としてプリズムアレイを用いた例)
2.変形例
変形例1(発光波形のデューティ≠50%、発光波形がなまっている場合の例)
変形例2(発光周波数が複数の周波数成分を含む場合の例)
変形例3(振動周波数と照明光における輝度の変動周波数との関係を考慮した例)
変形例4(発光周波数および振動周波数を制御部によって動的に制御する例)
変形例5(光学素子として回折素子を用いた例)
変形例6(光学素子として液晶素子を用いて電気的に振動させる例)
変形例7(輝度むらにおいてホワイトノイズを考慮した例)
その他の変形例
<実施の形態>
[表示装置3の全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置(表示装置3)の全体構成を表すものである。この表示装置3は、スクリーン30(被投射面)に対して映像(映像光)を投射する投射型の表示装置であり、照明装置1と、この照明装置1からの照明光を用いて映像表示を行うための光学系(表示光学系)とを備えている。
(照明装置1)
照明装置1は、赤色レーザ11R、緑色レーザ11G、青色レーザ11B、レンズ12R,12G,12B、ダイクロイックプリズム131,132、光学素子(プリズムアレイ)14、駆動部15、コリメータレンズ16、フライアイレンズ17およびコンデンサレンズ18を備えている。なお、図中に示したZ0は光軸を表している。
赤色レーザ11R、緑色レーザ11Gおよび青色レーザ11Bはそれぞれ、赤色レーザ光、緑色レーザ光または青色レーザ光を発する3種類の光源である。これらのレーザ光源により光源部が構成されており、ここでは、これら3種類の光源がいずれもレーザ光源となっている。赤色レーザ11R、緑色レーザ11Gおよび青色レーザ11Bはそれぞれ、例えば半導体レーザや固体レーザ等からなる。なお、例えばこれらのレーザ光源がそれぞれ半導体レーザである場合、一例として、赤色レーザ光の波長λr=600〜700nm程度、緑色レーザ光の波長λg=500〜600nm程度、青色レーザ光の波長λb=400〜500nm程度である。
ここで、赤色レーザ11R、緑色レーザ11Gおよび青色レーザ11Bはそれぞれ、例えば図2(A),(B),(C)に示したようにしてパルス発光を行うようになっている。すなわち、赤色レーザ11Rは、所定の発光周波数f1r[Hz](発光周期Tr=1/f1r)により間欠的(断続的)に赤色レーザ光を出射する。緑色レーザ11Gは、所定の発光周波数f1g[Hz](発光周期Tg=1/f1g)により間欠的に緑色レーザ光を出射する。青色レーザ11Bは、所定の発光周波数f1b[Hz](発光周期Tb=1/f1b)により間欠的に青色レーザ光を出射する。そして、ここでは図2に示したように、赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光の順に時分割的に順次発光されるようになっている。ここで、これらの発光周波数f1r,f1g,f1bは、各々の基本周波数を意味している。なお、ここでは一例として、発光周波数f1r,f1g,f1bは互いに等しくなっているものとする(以下では適宜、f1r=f1g=f1b=f1として示す)。また、このときの発光周波数f1は、典型的にはf1=60〜120[Hz]程度であるが、これには限定されず、プロジェクタ(表示装置1)における表示画質等に応じて決定されればよい。
レンズ12R,12Gは、赤色レーザ11Rから出射された赤色レーザ光および緑色レーザ11Gから出射された緑色レーザ光をそれぞれコリメートして(平行光として)、ダイクロイックプリズム131と結合するためのレンズ(結合レンズ)である。同様に、レンズ12Bは、青色レーザ11Bから出射されたレーザ光をコリメートして(平行光として)、ダイクロイックプリズム132と結合するためのレンズ(結合レンズ)である。なお、これらのレンズ12R,12G,12Bによって、ここでは入射した各レーザ光をコリメートしている(平行光としている)が、この場合には限られず、レンズ12R,12G,12Bによってコリメートしなくてもよい(平行光としてなくてもよい)。ただし、上記のようにコリメートしたほうが装置構成の小型化を図ることができるため、より望ましいと言える。
ダイクロイックプリズム131は、レンズ12Rを介して入射した赤色レーザ光を選択的に透過させる一方、レンズ12Gを介して入射した緑色レーザ光を選択的に反射させるプリズムである。ダイクロイックプリズム132は、ダイクロイックプリズム131から出射した赤色レーザ光および緑色レーザ光を選択的に透過させる一方、レンズ12Bを介して入射した青色レーザ光を選択的に反射させるプリズムである。これにより、赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光に対する色合成(光路合成)がなされるようになっている。
光学素子(プリズムアレイ)14は、光源とフライアイレンズ17との間の光路上(具体的には、ダイクロイックプリズム132とコリメータレンズ16との間の光路上)に配置されており、本開示における「光学素子」の一具体例に対応するものである。プリズムアレイ14は、後述するスペックルノイズ(干渉パターン)を低減するための光学素子であり、図中に示した光軸Z0上を進行するレーザ光がこのプリズムアレイ14を通過するようになっている。すなわち、このプリズムアレイ14には、光源部(赤色レーザ11R、緑色レーザ11Gおよび青色レーザ11B)から発光周波数f1(=f1r,f1g,f1b)により間欠的に出射される各レーザ光(赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光)が通過する。
このようなプリズムアレイ14を一例とする本開示における「光学素子」では、例えば図3に示したように、入射した光束(入射光Lin)が2方向以上(互いに異なる2種類以上の方向)に分割され、出射光Loutとして出射されるようになっている。換言すると、入射光Linの光路を変化させて1方向のみに出射させるのではなく、入射光Linに対して位相差を付与することにより、2方向以上(不均一な方向)に出射光Loutを出射させるようになっている。
ここで、図4は、プリズムアレイ14の詳細構成例を模式的に斜視図で表わしたものである。このプリズムアレイ14では、複数(ここでは、n/2個(n:2以上の整数))のプリズム140(単位構造)が、Y軸方向(後述するプリズムアレイ140自身の振動方向)に沿って並んで配置されている。各プリズム140は、レーザ光の出射側(+Z軸側)に、各々がX軸方向に延在する一対の傾斜面を有している。すなわち、これらのプリズム140は、光出射面(X−Y平面)内における一対の傾斜面の延在方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に沿って、並んで配置されている。具体的には、図中のY軸の負方向に向かって順に、1個目のプリズム140は一対の傾斜面(第1面)S1および傾斜面(第2面)S2を、2個目のプリズム140は一対の傾斜面(第3面)S3および傾斜面(第4面)S4を、…、(n/2)個目のプリズム140は一対の傾斜面Sn-1(第(n−1)面)および傾斜面(第n面)Snを、それぞれ有している。これにより各プリズム140は、X軸方向に沿って延在する三角柱状(Y軸方向に沿ったプリズム140のピッチ(プリズムピッチ):d、各傾斜面の傾斜角:θ)となっており、光出射面全体に山部(凸部)および谷部(凹部)が交互に形成されている。なお、この例では、凸部(傾斜面)が各プリズム140における出射面側に設けられているが、これには限られず、各プリズム14における入射面および出射面のうちの少なくとも一方の側に設けられているようにすればよい。また、このプリズムアレイ14の詳細な作用については後述する(図6,図7)。
駆動部15は、プリズムアレイ14を所定の駆動周波数で駆動することにより、レーザ光における可干渉性(コヒーレンシー;ここでは、レーザ光の位置、角度、偏光および位相のうちの少なくとも1つ)を変化させるものである。本実施の形態では特に、この駆動部15は、上記駆動周波数としての所定の振動周波数f0によって、プリズムアレイ14を機械的に振動(微小振動)させることにより、レーザ光の位置および角度のうちの少なくとも一方を変化させるようになっている。
具体的には、駆動部15は、プリズムアレイ14とフライアイレンズ17との間の相対位置を変位させることにより、フライアイレンズ17の入射面内において、レーザ光の入射位置および入射角度のうちの少なくとも一方(入射位置、入射角度、または、入射位置および入射角度の双方)を変化させる。また、特に本実施の形態では、駆動部15は、プリズムアレイ14を振動(微小振動)させる(具体的には、ここでは図4に示したプリズム140の配列方向であるY軸方向に沿って振動させる)ことにより、上記相対位置を変位させるようになっている。このようにしてプリズムアレイ14を振動させる際における、振動周波数f0を規定(決定)する手法(本実施の形態の特徴的部分の1つ)の詳細については、後述する。ここで、この振動周波数f0は、最大の振幅を持つ主要周波数を意味している(ただし、そのような主要周波数が存在しない場合(ホワイトノイズを考慮した場合等)については、変形例7において後述する)。なお、このような駆動部15は、例えば、コイルおよび永久磁石(例えば、ネオジム(Nd)や鉄(Fe)、ホウ素(ボロン;B)等の材料からなる永久磁石)等を含んで構成されている。
コリメータレンズ16は、プリズムアレイ14とフライアイレンズ17との間の光路上に配置されており、プリズムアレイ14から出射した光をコリメートして平行光とするためのレンズである。
フライアイレンズ17は、基板上に複数のレンズが2次元配置された光学部材(インテグレータ)であり、これらのレンズの配列に応じて入射光束を空間的に分割して出射させるものである。これにより、このフライアイレンズ17からの出射光が均一化され(面内の強度分布が均一化され)、照明光として出射されるようになっている。なお、このフライアイレンズ17が、本開示における「光学部材」の一具体例に対応している。
コンデンサレンズ18は、フライアイレンズ17により均一化されて入射した光(照明光)を集光するためのレンズである。
(表示光学系)
前述した表示光学系は、偏光ビームスプリッタ(PBS;Polarization Beam Splitter)22、反射型液晶素子21および投射レンズ23(投射光学系)を用いて構成されている。
偏光ビームスプリッタ22は、特定の偏光(例えばs偏光)を選択的に透過させると共に、他方の偏光(例えばp偏光)を選択的に反射させる光学部材である。これにより、照明装置1からの照明光(例えばs偏光)が選択的に反射されて反射型液晶素子21へ入射すると共に、この反射型液晶変調素子21から出射した映像光(例えばp偏光)が選択的に透過し、投射レンズ23へ入射するようになっている。
反射型液晶素子21は、照明装置1からの照明光を、図示しない表示制御部から供給される映像信号に基づいて変調しつつ反射させることにより、映像光を出射する光変調素子である。このとき、反射型液晶素子21では、入射時と出射時とにおける各偏光(例えば、s偏光またはp偏光)が異なるものとなるように、反射がなされる。このような反射型液晶素子21は、例えばLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の液晶素子からなる。
投射レンズ23は、反射型液晶素子21により変調された照明光(映像光)をスクリーン30に対して投射(拡大投射)するためのレンズである。
[表示装置3の作用・効果]
(1.表示動作)
この表示装置3では、図1に示したように、まず照明装置1において、赤色レーザ11R、緑色レーザ11Gおよび青色レーザ11Bからそれぞれ出射された光(レーザ光)が、レンズ12R,12G,12Bによってそれぞれコリメートされ、平行光となる。次いで、このようにして平行光とされた各レーザ光(赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光)は、ダイクロイックプリズム131,132によって色合成(光路合成)がなされる。光路合成がなされた各レーザ光は、プリズムアレイ14を通過したのち、コリメータレンズ16によってコリメートされて平行光となり、フライアイレンズ17へ入射する。この入射光は、フライアイレンズ17によって均一化(面内の強度分布の均一化)がなされて出射したのち、コンデンサレンズ18によって集光される。このようにして、照明装置1から照明光が出射される。
次いで、この照明光は、偏光ビームスプリッタ22によって選択的に反射され、反射型液晶素子21へ入射する。反射型液晶素子21では、この入射光が映像信号に基づいて変調されつつ反射されることにより、映像光として出射する。ここで、この反射型液晶素子21では、入射時と出射時とにおける各偏光が異なるものとなるため、反射型液晶素子21から出射した映像光は選択的に偏光ビームスプリッタ22を透過し、投射レンズ23へと入射する。そして、この入射光(映像光)は、投射レンズ23によって、スクリーン30に対して投射(拡大投射)される。
この際、赤色レーザ11R、緑色レーザ11Gおよび青色レーザ11Bはそれぞれ、例えば図2に示したように、所定の発光周波数f1(=f1r,f1g,f1b)による間欠的な発光動作を行う。これにより、各レーザ光(赤色レーザ光,緑色レーザ光,青色レーザ光)が、時分割的に順次出射される。そして、反射型液晶素子21では、各色成分(赤色成分、緑色成分、青色成分)の映像信号に基づいて、対応する色のレーザ光が時分割的に順次変調される。このようにして、映像信号に基づくカラー映像表示が表示装置3においてなされる。
(2.特徴的部分の作用)
次に、本開示の特徴的部分の作用(照明装置1の作用)について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。
(2−1.比較例)
図5は、比較例に係る表示装置(表示装置100)の全体構成を表したものである。この比較例の表示装置100は、本実施の形態の表示装置3と同様に、スクリーン30に対して映像光を投射する投射型の表示装置である。表示装置100は、赤色レーザ101R、緑色レーザ101G、青色レーザ101B、ダイクロイックミラー102R,102G,102B、拡散素子103、モータ(駆動部)104、レンズ105、光変調素子106および投射レンズ107を備えている。
この表示装置100では、赤色レーザ101R、緑色レーザ101Gおよび青色レーザ101Bから出射された各色のレーザ光は、ダイクロイックミラー102R,102G,102Bにおいて色合成(光路合成)がなされ、拡散素子103へ入射する。この入射光は、拡散素子103によって拡散されたのち、レンズ105によって照明光として光変調素子106へ照射される。この光変調素子106では、この照明光が映像信号に基づいて変調されつつ反射されることにより、映像光として出射する。そして、この映像光は、投射レンズ107によってスクリーン30に対して投射(拡大投射)され、これにより映像信号に基づくカラー映像表示が表示装置100においてなされる。
ところで、レーザ光のようなコヒーレント光を拡散面に照射すると、通常の光では見られない斑点上の模様が観察される。このような模様は、スペックル模様と呼ばれている。このスペックル模様は、拡散面の各点で散乱された光が、面上の微視的な凹凸に応じたランダムな位相関係で干渉し合うために生じるものである。
ここで、上記比較例の表示装置100のようにレーザ光源を用いたプロジェクタでは、スクリーン上において、このようなスペックル模様(干渉パターン)が表示画像に重畳される。したがって、そのままでは人間の眼には強度のランダムノイズとして認識され、表示画質が低下してしまうことになる。
そこで、レーザ光源を用いたプロジェクタにおいて、このようなスペックル模様(スペックルノイズ)の発生を低減するために、プロジェクタ内でレーザ光が通過する所定の光学素子やスクリーンを微小振動させる手法が考えられる。一般に、人間の眼および脳は、約20〜50ms内の画像のちらつきは判別できない。つまり、その時間内の画像は眼の中で積分され、平均化されている。したがって、この時間内に、スクリーン上において独立のスペックルパターンを多数重畳させることにより、スペックルノイズを人間の眼の中で気にならない程度に平均化しようとするものである。
そこで、上記比較例の表示装置100では、モータ104によって拡散素子103を機械的に回転させ、スペックルパターンの位置をスクリーン30上で高速に変位させる(微小振動させる)ことにより、スペックルノイズの発生を低減させている。
(2−2.本実施の形態)
一方、本実施の形態の照明装置1においても、レーザ光が通過する光学素子(プリズムアレイ)14が振動(微小振動)するように、駆動部15によって光学素子140を駆動する。これにより、以下詳述するようにして、レーザ光に起因したスペックルノイズ(干渉パターン)の発生が低減する。
(A.干渉パターンの低減作用について)
まず、プリズムアレイ14では、各プリズム140への入射光が、以下のようにして一対の傾斜面から出射する。すなわち、図6に示したように、各プリズム140の一対の傾斜面において、入射光の位置と、プリズムアレイ14から所定の距離を隔てた面上(ここでは、フライアイレンズ17の入射面上)における出射光の位置とが互いに入れ替わるように、出射光が出射する。具体的には、プリズムアレイ14における前述した1個目のプリズム140では、傾斜面S1および傾斜面S2の間で、入射光の入射位置と、フライアイレンズ17の入射面上における出射光の位置とが、互いに入れ替わる。すなわち、傾斜面S1からの出射光は、傾斜面S2への入射光の入射位置(1個目のプリズム140の出射面内における下方側)に向かって出射する一方、傾斜面S2からの出射光は、傾斜面S1への入射光の入射位置(1個目のプリズム140の出射面内における上方側)に向かって出射する。同様に、前述した(n/2)個目のプリズム140では、傾斜面Sn-1および傾斜面Snの間で、入射光の入射位置と、フライアイレンズ17の入射面上における出射光の位置とが、互いに入れ替わる。すなわち、傾斜面Sn-1からの出射光は、傾斜面Snへの入射光の入射位置((n/2)個目のプリズム140の出射面内における下方側)に向かって出射する一方、傾斜面Snからの出射光は、傾斜面Sn-1への入射光の入射位置((n/2)個目のプリズム140の出射面内における上方側)に向かって出射する。なお、このような入射光と出射光との位置の入れ替わり作用は、図4中に示したプリズムピッチdおよび傾斜角θの設定によって、任意に調整可能となっている。
そして、駆動部15は、このプリズムアレイ14とフライアイレンズ17との間の相対位置を変位させる。具体的には、駆動部15は、例えば図7中の矢印P1で示したように、プリズムアレイ14を、光軸Z0と直交する面内におけるプリズム140の配列方向(Y軸方向)に沿って振動させることにより、上記相対位置を変位させる。すなわち、上記した各プリズム140の傾斜面からの出射光(一対の傾斜面間で互いに位置が入れ替わるように出射された出射光)の位置も、例えば図7中の矢印P21,P21で示したようにY軸方向に沿って変位(シフト)する。これにより、フライアイレンズ17の入射面上において、プリズムアレイ14内の各プリズム140からの入射光によるビームスキャンがなされる。その結果、上記した原理(スペックルパターンの多重化(時間平均))によって、レーザ光に起因したスペックルノイズ(干渉パターン)の発生が低減する。
また、本実施の形態では、駆動部15は、フライアイレンズ17の入射面内において、レーザ光の入射位置および入射角度のうちの少なくとも一方が変化するように、プリズムアレイ14とフライアイレンズ17との間の相対位置(ここではプリズムアレイ14自体)を変位(振動)させている。これにより、上記した相対位置の変位(ビームスキャン)がなされても、プリズムアレイ14からフライアイレンズ17への入射の際における光損失が、低減もしくは回避される。すなわち、上記比較例の手法では、拡散素子103によってこの拡散素子103への入射光を拡散させていることから、光の利用効率が低下してしまう。これに対して本実施の形態では、この比較例の手法とは異なり、スペックルノイズの多重化(時間平均)を利用したスペックルノイズの低減を行う際に、レーザ光の損失(ロス)が最小限に低減もしくは回避される。
(B.輝度むらの低減作用について)
(輝度むらの発生原理の概要)
ところで、このようにして光学素子(プリズムアレイ14)を微小振動させた場合、干渉パターンの発生については低減されるものの、場合によっては、例えば図8に示したような輝度むら(照明むら)が照明光において発生し、表示画質低下の要因となってしまう。このような輝度むらは、比較例のような拡散板の代わりにプリズムアレイ14を用いて干渉パターンの発生を低減させていることに起因している。
すなわち、プリズムアレイ14では、拡散板のように光の利用効率を低下させずに(光を拡散させずに)入射光Linの光路を変化させる(曲げる)ようにしていることから、原理的に、照明光(スクリーン30上)において輝度のばらつきが生じ易い。例えば、このプリズムアレイ14の場合、各プリズム140における凹凸(傾斜面S1〜Sn)の影によって、照明光に輝度むらが発生し易い。一方で、このような凹凸による輝度むらが視認されない程度にまで凹凸の角度(傾斜面S1〜Snにおける傾斜角θ)を小さく設定した場合、干渉パターンの低減作用が小さくなる(低減量が少なくなる)ため、本末転倒である。
また、このような輝度むらは、プリズムアレイ14の振動によってある程度は低減されるものの、このプリズムアレイ14の振動周波数f0とレーザ光の発光周波数f1との関係によっては、輝度むらがかえって強調される結果となる。つまり、これらの振動周波数f0および発光周波数f1の値によっては、以下詳述するビート(うなり)現象が発生する(生じ易くなる)ことから、輝度むらが視認され易くなってしまうのである。具体的には、振動周波数f0および発光周波数f1同士が互いに近い値である場合、これらの周波数同士でビート周波数が形成され、輝度むらがゆっくりと動くのが視認され易くなる。
具体的には、まず、例えば図9(A),(B)に示したレーザ光源のパルス発光および光学素子(プリズムアレイ)14の振動の場合(振動周波数f0=発光周波数f1)、これらの波形同士を掛け合わせてなる照明光(スクリーン30上での映像光)の輝度は、例えば図9(C)に示したようになる。すなわち、一定の周期の変動を有するタイミング波形となる。ただし、1周期内の輝度変動は人間の眼には見えずに(視認されずに)平均化されて(時間的に積分されて)しまい、図9(C)中の破線で示したような視認可能信号の動き、つまり動きが止まっているように見える。このため、照明光において空間的な輝度むらが元々発生していたとしても、その輝度むらは動かずに止まって見えることになる。
一方、例えば図10(A),(B)に示したように、振動周波数f0と発光周波数f1との間にわずかな違いがある(略等しい)場合(振動周波数f0≒発光周波数f1)、照明光(スクリーン30上での映像光)の輝度は、例えば図10(C)に示したようになる。すなわち、時間的に平均化された結果である視認可能信号(図10(C)中の破線)は、上記のような一定値ではなく例えば低周波の正弦波を示すようになり、その低周波の動き(上記したビート現象の発生)が視認され得る。このため、照明光において空間的な輝度むらが元々発生していた場合、その輝度むらの動きが明滅として見えてしまうおそれがある。
なお、このような輝度むらは、上記したように拡散板の代わりにプリズムアレイを用いて干渉パターンの発生を低減させていることに起因して発生する他、以下のことに起因しても発生する。すなわち、例えば図11に示したように、レーザ光のファーフィールドパターン(FFP;Far Field Pattern)の形状が円形(等方的)ではない場合(ここでは楕円形の場合)、照明光の輝度分布にも空間的な不均等性が生じ、輝度むらが発生し易くなる。つまり、フライアイレンズ17の機能によっても、照明光の輝度むらを低減しきれない(輝度分布が一様にはならない)場合が起こり得るのである。なお、この対策として、アナモフィックレンズ(レンズの曲率が等方的ではないレンズ)を設けるという手法が考えられるが、この場合には部材のコストが増大してしまうことになる。
(輝度むらの発生原理の詳細)
ここで、図12および図13を参照して、上記した輝度むらの発生原理の詳細について説明する。
まず、発光周波数f1による光の明暗(明滅)を規定する関数をFL(t)とし、明状態(ここではレーザ光の出射状態)を「1」、暗状態(ここではレーザ光の非出射状態)を「0」とする。すると、このような明状態と暗状態とのデューティ(Duty)=50%の場合、光の明滅を矩形波の振動とみなすことにより、フーリエ展開を用いて、上記した関数FL(t)は以下の(A)式のように表すことができる。一方、光学素子14の振動(振動周波数f0)により生ずる輝度変動の周期が、光学素子14の振動周期に比例するものとし、その輝度変動の際の明暗レベルを規定する関数をF0(t)とすると、この関数F0(t)は以下の(B)式のように表すことができる。
Figure 0005978612
そして、照明装置1から出射される照明光において、発光周波数f1および振動周波数f0に起因して生ずるトータルの輝度変動を規定する関数FA(t)は、上記した関数FL(t)と関数F0(t)との掛け合わせ(乗算)により表すことができる。すなわち、この関数FA(t)は、以下の(C)式のように表わすことができる。
Figure 0005978612
上記(C)式により、関数FA(t)を構成する周波数には、関数FL(t)および関数F0(t)に元々存在していた周波数成分(周波数f0,(2X−1)×f1)(X:任意の自然数)の他、周波数{f0±(2X−1)×f1}が存在することが分かる。ここで、関数FA(t)を構成する周波数成分を、以下の3種類の周波数のグループ(第一構成周波数1(No.1)、第一構成周波数2(No.2)、第二構成周波数)に分けて定義する。
・第一構成周波数1 …… f0
・第一構成周波数2 …… {(2X−1)×f1}
・第二構成周波数 …… {f0±(2X−1)×f1}
すると、例えば図12(A),(B)に示したように、上記したビート現象が発生し得る周波数(ビート周波数)は、これらの各構成周波数同士の和(和周波数)および差(差周波数)によって規定されることになる。ここで、X’は0以上の任意の整数であり、基本的にはXと同等であるが、和や差の結果で0が含まれる可能性と、和や差の結果、偶数や奇数の項をもつ点とを考慮して再設定したものである。なお、図12(A),(B)中において、黒色(濃い色のハッチング)で示した部分(周波数2X1,±2Xf1,±2(X−1)×f1)は、振動周波数f0の成分が存在しないため、後述する振動周波数f0の決定には関与しないことを意味している。したがって、図12(A),(B)中に示したビート周波数のうち、振動周波数f0の成分が存在するもの(振動周波数f0の決定に関与するもの)は、以下の3種類となる。なお、ここでは、図12(A),(B)中における「2(X−1),−2(X−1),±2(X−1),±2X'」を、任意の整数X”としてひとまとめに表している。
・f0 … 第一構成周波数1
・(2f0+X”f1) … 白色で示した部分(「ビート周波数B」)
・(f0+X”f1) … 灰色(薄い色のハッチング)で示した部分
(「ビート周波数C」)
具体的には、例えば振動周波数f0=90Hz,発光周波数f1=60Hzの場合、関数FA(t)を構成する周波数(構成成分周波数)は、図13(A)に示したようになる。また、例えば振動周波数f0=92Hz,発光周波数f1=60Hzの場合、関数FA(t)における構成成分周波数は、図13(B)に示したようになる。ここで、これらの全ての構成成分周波数が、20Hz(より好ましくは50Hz)以上となるか、あるいは3Hz以下(より好ましくは0.5Hz以下)となると、後述するように、人間の眼にはビート現象(輝度むらの明滅,輝度変化)が知覚(視認)できなくなる。なお、図13(A),(B)中には、ビート現象が視認され易い周波数領域(知覚禁則領域:ここでは、3Hzよりも大きくかつ20Hz未満の周波数領域)を、斜線領域で示している。図13(A)に示した例(f0=90Hz,f1=60Hzの場合)では、この知覚禁則領域内には構成成分周波数が存在しないことから、ビート現象(上記したビート周波数B,Cにそれぞれ対応するビート現象B,C等)の視認が回避されていることが分かる。一方、図13(B)に示した例(f0=92Hz,f1=60Hzの場合)では、この知覚禁則領域内に構成成分周波数(ビート周波数Bの一部;ここでは4Hz)が存在していることから、ビート現象(ここではビート現象B)が視認され易いことが分かる。
ここで、上記した「20Hz」という値は、Temporal Contrast Sensitivity Function(Hart.Jr W.M.による“The Temporal Responsiveness of Vision"などを参照)において、50ルーメンの明るさの映像を25インチに投影した場合に、その1%の明るさの輝度分布が生じていると仮定した条件下で規定することができる。その条件とは、7トロランド(瞳径φ=3mm、完全拡散仮定)に相当し、輝度分布が表示画面のX方向において10%程度であるとすると(50mm)、20Hz以上で人間の眼に知覚されなくなることに対応している。つまり、「20Hz」というのは、人間が知覚できる周波数として最悪環境の場合の上限値である。また、一般的には50Hz程度でTemporal Contrast Sensitivity Functionの減衰が大きくなることが知られており、これに基づき、CRTなどの走査線周波数は60Hzとしている。よって一般的な環境としては、「50Hz」を周波数の下限値とすることが望ましいと言える。なお、一般的には更に条件が厳しい場合が多く、その場合にはさらに周波数の使用可能領域が狭まることになる。
一方、上記した「3Hz」という値は、約0.33秒間に1回の頻度でビート現象が発生することを意味しており、この程度のビート現象の発生であれば、同一の映像表示が長期間行われない限り視認されにくいと言える。ただし、この場合にはわずかな周波数のずれによってもビート現象が視認され易くなってしまうことから、後述する振動周波数f0および発光周波数f1同士での周波数同期を、厳密に行うようにするのが望ましい。ここで、この「3Hz」という値は、前述したTemporal Contrast Sensitivity Functionにおいて、人間の眼の応答感度が鈍る周波数に対応している。また、「3Hz」の代わりに「0.5Hz」という値にすれば、ビート現象の発生の頻度(周波数)が2秒に1回程度となることから、条件によらずビート現象がほとんど視認されなくなることが実験的にも確認できており、より効果が大きいと言える。
(輝度むらの発生を低減するための条件)
以上説明した輝度むら(ビート現象)の発生原理を考慮して、本実施の形態の照明装置1では、そのような輝度むらの発生を低減する(ビート現象が視認されにくくなる)ように、以下の所定の条件式が満たされるようになっている。すなわち、上記した第一構成周波数1(f0)、ビート周波数B,Cのいずれの周波数もが、上記した3Hz以下となるか、あるいは上記した20Hz以上となるように設定されている。
具体的には、発光周波数をf1[Hz]、光学素子14から出射される照明光においてこの光学素子14の振動(光学素子14に対する駆動)により生ずる輝度の変動周波数をf2[Hz]、n1を0以上かつ10以下の任意の整数、n2,n3をそれぞれ0以上かつ10以下の所定の整数としたとき、以下の条件式を満たすように設定されている。すなわち、以下の(1)式または(2)式(条件1:ビート現象Bについての条件)を満たし、かつ、以下の(3)式または(4)式(条件2:第一構成周波数1についての条件)を満たし、かつ、以下の(5)式または(6)式(条件3:ビート現象Cについての条件)を満たすように設定されている。この際、(1)式,(3)式,(5)式(20Hz以上となる場合)と、(2)式,(4)式,(6)式(3Hz以下となる場合)との、いずれを満たすようにしてもよい。なお、本実施の形態では、上記した変動周波数f2=振動周波数f0であるものとし、以下の(1)〜(6)式では変動周波数f2を用いて規定している。また、ビート周波数B,Cについては、X”≦0として、(1)式,(2)式,(5)式,(6)式が書き直されている。これは、算出の結果としてf2の周波数が正となるものについてのみ、注目したためである。
|2×f2−n1×f1|≧20 ……(1)
|2×f2−n2×f1|≦3 ……(2)
f2≧20 ……(3)
f2≦3 ……(4)
|f2−n1×f1|≧20 ……(5)
|f2−n3×f1|≦3 ……(6)
これにより本実施の形態では、上記したような、照明光において光学素子14の振動により生ずる輝度の変動周波数f2(振動周波数f0)と、発光周波数f1との関係に起因したビート現象が、見えにくくなる(人間の眼に視認されにくくなる)。なお、実際には図12中に示した周波数において、成分の大きいビート周波数成分のみが強力に寄与することになり、2種の周波数間によるビート現象というよりも、数種類の周波数によるビート現象が混在する状況となる。詳細には、上記(1)〜(6)式はそれぞれ、図12中に示した周波数のうちの任意の2種類の周波数同士が干渉する場合を仮定して計算した値であるため、複数種類の周波数が混在する場合には、若干挙動が異なってくる。したがって、そのような場合には、上記した条件1〜3によって決定される許容周波数範囲が、若干広がる傾向にある。ただし、避けなくてはならない中心周波数は同一であり、特に条件1を満たすように振動周波数f0付近に設定する必要がある。
ここで、発光周波数f1(基本周波数)の高調波成分(高調波の周波数)を考慮すると、以下のことが言える。すなわち、例えば図2,図9,図10に示したように、レーザ光の発光パルスが矩形パルスである場合、高調波成分の信号レベルは(1/高調波の次数n)に比例することから、一般にはn≦10程度までの高調波を考慮すれば十分であると言える。このことから、0≦n1≦10の場合(n1が0以上かつ10以下の任意の整数である場合)について、上記(1)式,(5)式を満たすように設定されている。また、n=0の場合は、レーザ光が常時出射される場合に相当する。したがって、1≦n≦10の高調波を考慮するのが望ましいと言える。つまり、特に1≦n1≦10の場合(n1が1以上かつ10以下の任意の整数である場合)について、上記(1)式,(5)式を満たすようにするのが望ましいと言える。なお、振動周波数f0(変動周波数f2)については、最大の振幅成分を持つ主要周波数(基本周波数)だけを考慮すればよい(高調波成分を考慮しなくてもよい)。
具体的には、例えば発光周波数f1=60Hzの場合には、例えば図14中に示した周波数範囲(ビート現象を回避可能な周波数範囲)内に、振動周波数f0(=変動周波数f2)を設定すればよいことになる。ここで、図14(A)は、上記した条件1に関して回避可能(ビート現象Bを回避可能)な振動周波数f0の範囲の一例を示し、図14(B)は、上記条件3に関して回避可能(ビート現象Cを回避可能)な振動周波数f0の範囲の一例を示し、図14(C)は、上記した条件1〜3の全てに関して回避可能(前述した全てのビート現象を回避可能)な振動周波数f0の範囲(図14(A),(B)の積集合の範囲)の一例を示している。なお、上記した条件2は、条件1および条件3に内包されている。
図14(A)および()式により、条件1のうちの()式を満たす条件(条件1−)に関して回避可能な振動周波数f0は、ここでは、f0=0〜1.5Hz,28.5〜31.5Hz,58.5〜61.5Hz,88.5〜91.5Hz,118.5〜121.5Hz,148.5〜151.5Hz,…であることが分かる。
また、図14(A)および()式により、条件1のうちの()式を満たす条件(条件1−)に関して回避可能な振動周波数f0は、ここでは、f0=10〜20Hz,40〜50Hz,70〜80Hz,100〜110Hz,130〜140Hz,…であることが分かる。
更に、図14(B)および()式により、条件3のうちの()式を満たす条件(条件3−)に関して回避可能な振動周波数f0は、ここでは、f0=0〜3Hz,57〜63Hz,117〜123Hz,177〜183Hz,…であることが分かる。
加えて、図14(B)および()式により、条件3のうちの()式を満たす条件(条件3−)に関して回避可能な振動周波数f0は、ここでは、f0=20〜40Hz,80〜100Hz,140〜160Hz,…であることが分かる。
なお、条件2のうちの()式を満たす条件(条件2−1)および()式を満たす条件(条件2−2)に関して回避可能な周波数f0は、ここでは、f0=0〜3Hz,20Hz〜である。
これらのことから、図14(C)に示した、上記条件1−1〜3−2の全てを満たす周波数f0は、ここでは、f0=0〜1.5Hz,28.5〜31.5Hz,58.5〜61.5Hz,88.5〜91.5Hz,118.5〜121.5Hz,148.5〜151.5Hz,…となる。
一方、例えば発光周波数f1=120Hzの場合には、例えば図15中に示した周波数範囲(ビート現象を回避可能な周波数範囲)内に、振動周波数f0(=変動周波数f2)を設定すればよい。ここで、図15(A)は、上記した条件1に関して回避可能(ビート現象Bを回避可能)な振動周波数f0の範囲の一例を示し、図15(B)は、上記条件3に関して回避可能(ビート現象Cを回避可能)な振動周波数f0の範囲の一例を示し、図15(C)は、上記した条件1〜3の全てに関して回避可能(前述した全てのビート現象を回避可能)な振動周波数f0の範囲(図15(A),(B)の積集合の範囲)の一例を示している。なお、この場合においても上記した条件2は、条件1および条件3に内包されている。
また、本実施の形態では、前述したように、第一構成周波数1(f0)、ビート周波数B,Cのいずれの周波数もが、0.5Hz以下となるか、あるいは50Hz以上となるように設定されているのがより望ましい。具体的には、以下の(8)式または(9)式を満たし、かつ、以下の(10)式または(11)式を満たし、かつ、以下の(12)式または(13)式を満たすようにするのが望ましい。この際にも、(8)式,(10)式,(12)式(50Hz以上となる場合)と、(9)式,(11)式,(13)式(0.5Hz以下となる場合)との、いずれを満たすようにしてもよい。なお、ここでも、変動周波数f2=振動周波数f0であるものとし、以下の(8)〜(13)式では変動周波数f2を用いて規定している。
|2×f2−n1×f1|≧50 ……(8)
|2×f2−n2×f1|≦0.5 ……(9)
f2≧50 ……(10)
f2≦0.5 ……(11)
|f2−n1×f1|≧50 ……(12)
|f2−n3×f1|≦0.5 ……(13)
このように設定した場合、上記した変動周波数f2(振動周波数f0)と発光周波数f1との関係に起因したビート現象が、更に見えにくくなる(人間の眼に更に視認されにくくなる)。なお、この場合、上記した条件2((10)式または(11)式)を満たす振動周波数f0の範囲は少なくなる。プロジェクタとしてそれなりに明るいもの(例えば、10lm程度以上)が求められる場合には、上記(8)〜(13)式を満たす必要が生じる場合があり、実際の実験でもこちらの条件を満たすほうがより望ましいことが確認されている。
また、輝度むらの発生を抑えるという観点からは、発光周波数f1と輝度の変動周波数f2(振動周波数f0)とは上記関係式を満足すればよいが、干渉パターンの発生を低減するという観点からは、輝度の変動周波数f2はある程度以上大きいことが望ましい。この場合、上記(4)式(f2≦3)よりも上記(3)式(f2≧20)を満足するように、輝度の変動周波数f2を決定するとよい。また、上記(10)式(f2≧50)を満足するように輝度の変動周波数f2を決定すると更によい。
ここで、上記(1)式、(3)式または(5)式を満たす場合(あるいは、上記(8)式、前記(10)式または前記(12)式を満たす場合)には、本実施の形態では更に以下の条件を満たすことが望ましい。すなわち、プリズムアレイ14の振動が停止しているときに生じる照明光の輝度むらの大きさ(幅)と比べ、プリズムアレイ14が振動しているときの照明光の輝度むらの振幅(振動幅)のほうが大きいほうが望ましい。つまり、プリズムアレイ14の振動時におけるスクリーン30上での照明光の輝度むらの移動範囲のほうが、この照明光の輝度むらの範囲よりも大きいことが望ましい。これは、例えば図16に示したように、スクリーン30上において、輝度むら低減領域同士が常に重なり続けている領域は、輝度むら不変領域(輝度むらが低減されない領域)となってしまうためである。このことは、換言すると、プリズムアレイ14の振動時におけるスクリーン30上での照明光の変動空間周波数が、輝度むらの空間周波数よりも大きいことを意味している。つまり、プリズムアレイ14の振動(プリズムアレイ14に対する駆動)が停止しているときの照明光における輝度分布の空間周波数を、低周波側から順にf31,…,f3M(M:2以上の整数)とし、プリズムアレイ14が振動(プリズムアレイ14を駆動)しているときにおける照明光の輝度分布の空間振幅をA0とすると、以下の(7)式を更に満たすようにするのが望ましい。なお、ここでf31を除いたのは、一般に照明光では中心付近が明るくかつ周辺が暗いことから、f31の成分はかなり大きなものとなっており、人間の眼には視認されにくいためである。
(1/f32)≦A0 ……(7)
また、本実施の形態のように、光源部から複数種類の波長のレーザ光(ここでは赤色レーザ光,緑色レーザ光,青色レーザ光の3種類)が出射される場合には、以下の波長のレーザ光について、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにするのが望ましい。すなわち、まず、これら複数種類の波長のうち、少なくとも、視感度が最も高い色に対応する波長のレーザ光における発光周波数f1について、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにするのが望ましい。また、これら複数種類の波長のうち、少なくとも、視感度が相対的に高い2色以上の各色に対応する波長のレーザ光における発光周波数f1について、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにしてもよい。そして、複数種類の波長の全てのレーザ光における発光周波数f1について、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにするのが最も望ましい。なお、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たす代わりに、上記(8)式または上記(9)式を満たし、かつ、上記(10)式または上記(11)式を満たし、かつ、上記(12)式または上記(13)式を満たすようにしてもよく、以下同様である。
具体的には、本実施の形態のように、赤色レーザ光(R),緑色レーザ光(G),青色レーザ光(B)の3種類の波長のレーザ光が出射される場合には、まず、視感度が最も高い色(緑色)に対応する緑色レーザ光(G)における発光周波数f1gについて、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにするのが望ましい。また、例えば、R,G,B,黄色レーザ光(Y)の4種類の波長のレーザ光が出射される場合や、R,G,B,白色レーザ光(W)の4種類の波長のレーザ光が出射される場合には、例えば、G,Y,Wの各色のレーザ光における発光周波数f1g,f1y,f1wについて、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにするのが望ましい。更に、例えば、R,G,Bの3種類の波長のレーザ光が出射される場合、R,G,B,Yの4種類の波長のレーザ光が出射される場合、R,G,B,Wの4種類の波長のレーザ光が出射される場合のいずれにおいても、全ての波長(色)のレーザ光における発光周波数f1について、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすようにするのが最も望ましい。なお、これまでは各色のレーザ光における発光周波数f1がいずれも等しくなっている場合について説明したが、例えばR→G→B→Gの各色レーザ光を周期的に出射させる場合のように、一部の発光周波数が他の発光周波数と異なっている場合についても同様である。また、例えばR,G,Bの3種類の波長のレーザ光のうち、Rのレーザ光の出射期間とGのレーザ光の出射期間とが一部重なっている場合などについても、各レーザ光の発光周波数f1について個別に考えればよい。
以上のように本実施の形態では、レーザ光源(赤色レーザ11R,緑色レーザ11G,青色レーザ11B)からのレーザ光(赤色レーザ,緑色レーザ,青色レーザ)が通過する光学素子(プリズムアレイ)14を振動させると共に、上記(1)式または(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または(6)式を満たすようにしたので、レーザ光に起因した干渉パターンの発生を低減することができると共に、照明光における輝度の変動周波数f2(振動周波数f0)と発光周波数f1との関係に起因したビート現象を見えにくくすることができる。よって、干渉パターンの発生を低減しつつ輝度むらを抑える(表示画質を向上させる)ことが可能となる。
また、上記比較例のような拡散板の代わりにプリズムアレイ14を用いて干渉パターンの発生を低減させるようにしたので、レーザ光の損失を最小限に低減もしくは回避することができ、光の利用効率を向上させる(省電力化を図る)ことが可能となる。
更に、レーザ光のFFPの形状が等方的ではない場合であっても、プリズムアレイ14を振動させることにより、そのような非等方的なFFPに起因した輝度むらを見えにくくすることができる。よって、例えばアナモフィックレンズ等の部材を設けることなく画質向上を図ることができ、部材コストの増大を回避することが可能となる。
なお、本実施の形態(および以下の各変形例)の手法は、レーザ光(照明光)を走査する方式(いわゆるビームスキャン方式)の画像変調デバイス以外について有効である。これは、このビームスキャン方式においては、レーザ光における空間的なコヒーレント性が強く残るため、干渉パターンの低減に対して他の手段を講じなければ不十分なためである。また、本実施の形態等の手法では、干渉パターンの発生対策だけでなく輝度むらの低減対策をも兼ねている点において、上記ビームスキャン方式とは、周波数の特性および得られる効果が大きく異なっている。
<変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1〜7)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
まず、上記実施の形態では、例えば図17(A),(C)に示したように、レーザ光の発光波形(矩形波)が急峻に立ち上がり、周波数の奇数倍の高周波しか存在しない場合を仮定した。ただし、実際には、例えば図17(B),(D)に示したように、レーザ光の発光波形の立ち上がりが、液晶の応答速度等に起因してなまることも多々ある。また上記実施の形態では、例えば図17(A),(B)に示したように、各レーザ光源11R,11G,11Bの発光波形におけるデューティ=50%に設定されていた。ただし、実際には、例えば図17(C),(D)に示したように、各レーザ光源11R,11G,11Bの発光波形におけるデューティ=33%ずつに設定されているのが一般的である。
ここで、このように、レーザ光の発光波形がなまっていたり、発光波形のデューティ≠50%となっている場合には、これまで説明した(1)〜(6)式および(8)〜(13)式において、基本周波数の偶数倍周波数(偶数次数の高次周波数成分)も含まれることになる。具体的には、この場合、(1)〜(6)式および(8)〜(13)式において、構成成分周波数における2Xの項がXに変わるだけであり、例えば図12(A),(B)に示したビート周波数は、図18(A),(B)に示したようになる。
これは、発光波形のデューティ=50%であり、偶数次数の高次周波数成分が含まれないと考えた場合における、構成成分周波数およびビート周波数と全く同様の表現形式となっている。したがって、本変形例においても上記実施の形態と同様の条件式を満たすことにより、同様の効果を得ることが可能である。なお、実際には成分の大きさが異なるため、周波数範囲についてはデューティ=50%のときよりも狭まる傾向にあるが、前述した条件1〜3の範囲が最小の範囲であると言える。
[変形例2]
また、発光周波数f1が複数の周波数成分を含む(周波数成分が混合している)場合には、上記実施の形態で説明した条件式を満たすように計算された結果(振動周波数f0の範囲)において、全条件の積集合を取った部分が使用可能となる。ただし、例えばf1=60Hzとf1=120Hzとのような倍数関係の混在がある場合、60Hzの考察の際には120Hzの高調波は考慮済みであるため、低倍の結果について有効となる。
[変形例3]
更に、これまでは、光学素子14の振動周波数f0=照明光における輝度の変動周波数f2(照明光において光学素子14の振動により生ずる輝度の変動周波数)であるものと仮定した条件下において説明していた。ただし、実際には、これらの振動周波数f0と変動周波数f2とは一致しないことが多い。例えば図19に示したように、光学素子14が1次元配列のシリンドリカルレンズアレイであって、この光学素子14の振動の際の振幅がこの2倍周期である場合、光学素子14の1周期振動で得られる輝度分布の明滅(変動周波数f2)は、振動周波数f0の4倍となる(f2=4×f0)。
したがって、振動周波数f0は、元々、輝度分布の明滅周波数を指し示すものであることから、このような場合には、上記実施の形態で説明した各条件式((1)〜(6)式および(8)〜(13)式)において、以下の置き換えをする必要がある。すなわち、本変形例では、上記したような振動周波数f0と照明光における輝度の変動周波数f2との関係を考慮した例に対応しており、以下の(14)式を満たすようにしている。ただし、N=(光学素子14が振動する際の振幅/光学素子14において振動方向に沿った単位構造のピッチ)である。例えば図4に示したプリズムアレイからなる光学素子14の例では、プリズム140のピッチd=単位構造のピッチとなる。
f2=(2×N×f0) ……(14)
具体的には、上記実施の形態における各条件式((1)〜(6)式および(8)〜(13)式)はそれぞれ、上記(14)式を用いると、以下の(15)〜(20)式および(21)〜(26)式のように置き換えることができる。
|4N×f0−n1×f1|≧20 ……(15)
|4N×f0−n2×f1|≦3 ……(16)
2N×f0≧20 ……(17)
2N×f0≦3 ……(18)
|2N×f0−n1×f1|≧20 ……(19)
|2N×f0−n3×f1|≦3 ……(20)
|4N×f0−n1×f1|≧50 ……(21)
|4N×f0−n2×f1|≦0.5 ……(22)
2N×f0≧50 ……(23)
2N×f0≦0.5 ……(24)
|2N×f0−n1×f1|≧50 ……(25)
|2N×f0−n3×f1|≦0.5 ……(26)
したがって本変形例では、上記(15)式または上記(16)式を満たし、かつ、上記(17)式または上記(18)式を満たし、かつ、上記(19)式または上記(20)式を満たすようにすればよい。そして、上記(21)式または上記(22)式を満たし、かつ、上記(23)式または上記(24)式を満たし、かつ、上記(25)式または上記(26)式を満たすようにするのが望ましい。
なお、どの周波数成分(明滅周波数成分)が主であるかの問題は存在し、例えば上記のような場合であっても、輝度分布の明滅は4倍周波数が主成分ではあるものの、1倍周波数も変わらず持っている。このため、上記変形例2において説明した周波数が混在している場合に準じて、f0および4f0について上記条件式を計算し、それらの積集合を取ったものが最も適していることとなる。
ここで、図20および図21はそれぞれ、上記した内容(振動周波数f0と変動周波数f2との関係を考慮した内容)を加味して、図14および図15に対応するグラフ(ビート現象を回避可能な振動周波数f0の範囲)を書き換えたものである。
まず、例えば図20に示したように、f1=60Hzの十分に明るいプロジェクタの場合、最大視感度は50Hzになる。よって、f0=60,120Hz付近の振動が最も適しているのはもちろん、f0=90HzかつN=2とするのも良い手法であると言える。
ここでN=2とした場合でも、温度変動等によってN=1.8程度に実際には振動してしまうことは良くあり、N=1,N=2両方で回避可能な周波数としておくのが望ましい。その意味では、f0=60Hz,120Hzがもっとも望ましい。しかし実験的には、30Hzを最大視感度としても、かなりの低減効果が生じていることは確認できており、f0=90Hzは次点として望ましい解であると言える。
一方、例えばf0=110Hzについては、N=2ではビート現象が知覚困難であっても、N=1では知覚されてしまうと予想され、冗長性の点で不適切である。また、f0=100HzはN=1,N=2で共通ではあるが、最大視感度が20Hzにおいてプロジェクタが明るくなると低減が厳しくなる他、f0=100Hzだけしか低減可能ではないため、周波数変動に対する冗長性が確保されていない。
また、f0=90Hzは周波数変動にもNの変動にもある程度耐久性があり。その意味ではかなり冗長性が確保された解であると言える。また、電力の関係からN=1を使用して電流量を減らした場合でも、f0=60Hz,90Hz,120Hz近辺が最もビート現象が知覚されづらく最適であると言える。この際には、N=2とするときよりも許容周波数変動幅が大きくなっており、例えば温度範囲が大きく振れてNが変動しやすい車載用の条件ではこちらを使うほうが望ましいと言える。
ここで、図21は、f1=120Hzの場合に対応している。f1=60Hzの場合と比べて許容周波数範囲が更に広がっていることから、可能であればf1=120Hzとするほうが望ましいと言える。
なお、図19では、光学素子14が1次元配列のシリンドリカルレンズアレイである場合を例に挙げて説明したが、複数の単位構造が振動方向に沿って配列されたものであれば、光学素子14の構成はこれには限られない。この際、例えばミラー等によって照明像を重ねるなどの特殊な照明手法の場合には、前述した、N=(光学素子14が振動する際の振幅/光学素子14において振動方向に沿った単位構造のピッチ)が成り立たない例外もあり得る。
[変形例4]
図22は、変形例4に係る表示装置(表示装置3A)の全体構成を表すものである。本変形例の表示装置3Aは、上記実施の形態の表示装置3において、照明装置1の代わりに以下説明する照明装置1Aを設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
照明装置1Aは、上記実施の形態の照明装置1において制御部19を更に設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
この制御部19は、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たすように、振動周波数f0および発光周波数f1(f1r,f1g,f1b)をそれぞれ動的に(ダイナミックに,随時)制御するものである。あるいは、上記(1)式または上記(2)式を満たし、かつ、上記(3)式または上記(4)式を満たし、かつ、上記(5)式または上記(6)式を満たす代わりに、上記(8)式または上記(9)式を満たし、かつ、上記(10)式または上記(11)式を満たし、かつ、上記(12)式または上記(13)式を満たすようにしてもよい。また、上記(15)式または上記(16)式を満たし、かつ、上記(17)式または上記(18)式を満たし、かつ、上記(19)式または上記(20)式を満たすようにしてもよい。更に、上記(21)式または上記(22)式を満たし、かつ、上記(23)式または上記(24)式を満たし、かつ、上記(25)式または上記(26)式を満たすようにしてもよい。
本変形例では、このような制御部19を設けるようにしたので、上記実施の形態における効果に加え、ビート現象をより視認されにくくする(より厳密な周波数設定を行う)ことができ、表示画質を更に向上させることが可能となる。
[変形例5]
図23は、変形例5に係る照明装置(照明装置1B)の要部構成(一部の構成)を表したものである。本変形例の照明装置1Bは、本開示における「光学素子」の一具体例として、上記実施の形態および変形例1で説明したプリズムアレイ14の代わりに、以下説明する回折素子14Bを設けたものであり、他の構成は照明装置1と同様となっている。
回折素子14Bは、図23中に示したように、入射光を回折させてコリメータレンズ16およびフライアイレンズ17へと出射する光学素子である。
本変形例では、駆動部15は、この回折素子14Bとフライアイレンズ17との間の相対位置を変位させることにより、フライアイレンズ17の入射面内において、レーザ光の入射位置および入射角度のうちの少なくとも一方を変化させる。具体的には、駆動部15は、回折素子14Bを、この回折素子14Bおよびフライアイレンズ17の光軸(光軸Z0)の方向(Z軸方向)に沿って振動(微小振動)させることにより、上記相対位置を変位させる。
このようにして、回折素子14Bによる入射光の回折作用(回折光の出射)と、駆動部15による回折素子14Bの光軸方向への振動動作とがなされることにより、上記実施の形態と同様のビームスキャンがなされる。すなわち、フライアイレンズ17の入射面上において、回折素子14Bからの入射光によるビームスキャンがなされる。その結果、上記実施の形態と同様に、スペックルパターンの多重化(時間平均)によって、レーザ光に起因したスペックルノイズ(干渉パターン)の発生が低減する。
また、本変形例においても、駆動部15は、フライアイレンズ17の入射面内において、レーザ光の入射位置および入射角度のうちの少なくとも一方が変化するように、回折素子14Bとフライアイレンズ17との間の相対位置(ここでは回折素子14B自体)を変位(振動)させている。したがって、本変形例においても上記実施の形態と同様に、上記した相対位置の変位(ビームスキャン)がなされても、回折素子14Bからフライアイレンズ17への入射の際における光損失が、低減もしくは回避される。
ここで、図23中に示したように、回折素子14Bからの回折光のうちのm次光(m次回折光)は、コリメータレンズ16およびフライアイレンズ17の位置における光軸Z0からの高さ(Y軸方向の距離)をそれぞれ、H,Tとする。また、このm次光の回折角をθm、回折素子14Bとコリメータレンズ16との距離をZ1、コリメータレンズ16とフライアイレンズ17との距離をD、コリメータレンズ16の合成焦点距離をf(図示せず)とすると、以下の(27)式が成り立つ。このため、回折素子14Bの振動の際の振幅をΔLとすると、フライアイレンズ17上の高さTの変化量ΔTは、以下の(28)式により表わすことができる。したがって、本変形例では、この変化量ΔTが、スペックルノイズ低減に効果的な範囲内の値となるように、振動の際の振幅ΔLを設定すればよいことになる。また、上記した回折角θmは、回折素子14Bにおける回折格子のピッチをp、入射光の波長をλとすると、以下の(29)式により表わすことができる。したがって、本変形例において、フライアイレンズ17上でのスペックル低減に効果的なビームシフト量をSとすると、このビームシフト量Sについて、以下の条件式((30)式)が成り立つことになる。
Figure 0005978612
このような構成の照明装置1Bおよびそれを用いた表示装置においても、上記実施の形態等と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。すなわち、小型化および光の利用効率向上を図りつつ、干渉パターンの発生を低減する(表示画質を向上させる)ことが可能となる。
なお、本変形例では、本開示における「光学素子」の一具体例として回折素子14Bを設けた場合について説明したが、これには限られない。すなわち、「光学素子」としては、例えばプリズムアレイ、回折素子、レンズまたはレンズアレイの他、場合によっては拡散素子を用いるようにしてもよい。
また、本変形例においても上記変形例1と同様に、制御部19を設けて動的な周波数制御を行うようにしてもよい。
[変形例6]
(表示装置3Cの構成)
図24は、変形例6に係る表示装置(表示装置3C)の全体構成を表すものである。本変形例の表示装置3Cは、上記実施の形態の表示装置3において、照明装置1の代わりに以下説明する照明装置1Cを設けると共に、1つの投射レンズ23の代わりに一対の投射レンズ23a,23bを設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
照明装置1Cは、上記実施の形態の照明装置1において、光学素子(プリズムアレイ)14およびその駆動部15の代わりに、光学素子(液晶素子)14Cおよびその駆動部15Cを設けるようにしたものであり、他の構成は同様となっている。
液晶素子14Cは、例えば、一対の透明基板間に液晶層が封止されてなる素子(電気光学素子)であり、各透明基板上に形成された電極(透明電極)間に電圧(後述する駆動電圧V0)が印加されることで、入射光の偏光状態等を変化させることが可能となっている。液晶素子14Cは、ここでは、一対の投射レンズ23a,23bの間の光路上(具体的には、投射レンズ23a,23bにおける瞳近傍または瞳の共役点近傍)に配置されている。
この液晶素子14Cは、ここでは例えば図25に示したように、光入射面(Y−Z平面)上に、2次元配列(マトリクス配列)された複数の矩形状の単位セル(単位偏光領域)141を有している。各単位セル141は、互いに独立して駆動することが可能であり、例えば図25中に示したように個別に駆動電圧V0が印加されることで、入射したレーザ光に対して様々な偏光方向P3の分布(偏光成分分布)を形成することが可能となっている。
駆動部15Cは、液晶素子14Cに対して上記した駆動電圧V0を印加して、所定の駆動周波数で駆動することにより、入射するレーザ光における可干渉性(コヒーレンシー;ここでは、レーザ光の位置、角度、偏光および位相のうちの少なくとも1つ)を変化させるものである。本変形例では特に、駆動部15Cは、駆動周波数(振動周波数f0)によって液晶素子14Cを電気的に振動させることにより、レーザ光の偏光および位相のうちの少なくとも一方を変化させるようになっている。なお、この駆動部15Cによる液晶素子14Cの駆動方法の詳細については、後述する。
(表示装置3Cの作用・効果)
この表示装置3Cでは、まず、照明装置1Cから照明装置1と同様にして、照明光が出射される。次いで、この照明光は、偏光ビームスプリッタ22によって選択的に反射され、反射型液晶素子21へ入射する。反射型液晶素子21では、この入射光が映像信号に基づいて変調されつつ反射されることにより、映像光として出射する。このようにして反射型液晶素子21から出射した映像光は、選択的に偏光ビームスプリッタ22を透過する。そして、偏光ビームスプリッタ22を透過した映像光は、投射レンズ23a、液晶素子14Cおよび投射レンズ23bをこの順に通過し、スクリーン30に対して投射(拡大投射)される。
この際、例えば図26に示したように、液晶素子14C内の各単位セル141から出射したレーザ光の偏光方向P3(偏光成分)はそれぞれ、スクリーン30上の全面において互いに重畳される。この例では、一の単位セル141から出射されたレーザ光の偏光方向P3y(Y軸方向)と、他の単位セル141から出射されたレーザ光の偏光方向P3z(Z軸方向)とが、スクリーン30上の全面で重ね合わされていることを示している。なお、このような偏光成分の重ね合わせの効果は、前述したように、液晶素子14Cが投射レンズ23a,23bにおける瞳や瞳の共役点の近くに配置されているほど顕著となる。
また、このとき例えば図27に示したように、駆動部15Cは液晶素子14C内の各単位セル141に対して、所定の駆動周波数f0を示す駆動電圧V0を印加し、液晶素子14Cを電気的に振動(微小振動)させる。これにより、各単位セル141から出射されるレーザ光における偏光状態(直線偏光角度等)が時系列的に切り替わり、スクリーン30上において様々な偏光成分を時系列的に重ね合わせることができる。その結果、あたかもレーザ光の可干渉性(コヒーレンシー)が低下したような効果が得られ、実施の形態等と同様にレーザ光に起因したスペックルノイズ(干渉パターン)の発生を低減することができる。
ところが、このような液晶素子14Cを用いて干渉パターンの低減を図る場合においても、上記実施の形態と同様に、場合によっては例えば図28に示したような輝度むら(照明むら)が照明光において発生し、表示画質低下の要因となってしまう。
ここで、液晶素子を用いた場合において輝度むらが発生する原因としては、例えば以下のものが挙げられる。すなわち、まず、一般に液晶素子には液晶の配向に応じた射出強度の角度依存性があり、このためにスクリーン上では輝度むらが生じたように見える。ここで、駆動周波数f0を、十分に人の眼に知覚できない程度の高い周波数(例えば30Hz以上)に設定すれば、3板式のプロジェクタ等では特に問題は生じない。しかしながら、本変形例のように、混色方法としてフィールドシーケンシャル方式を採用する場合、実施の形態で説明したようなビート現象が生じ得る。なお、輝度むらが発生するのは、このような角度依存性を要因とするものには限られず、例えば、液晶素子内の単位セル自体が大きくてセル内部での輝度むらがある場合や、液晶素子における応答遅延等に起因して結果的に輝度むらが生じてしまう場合なども想定される。
そこで本変形例においても、そのような輝度むらの発生を低減する(ビート現象が視認されにくくする)ため、実施の形態等で説明した所定の条件式(前述した(1)〜(6)式等)が満たされるように設定されている。すなわち、(1)式または(2)式を満たし、かつ、(3)式または(4)式を満たし、かつ、(5)式または(6)式を満たすように設定されている。
これにより本変形例においても、照明光において液晶素子14Cに対する駆動(電気的振動)により生ずる輝度の変動周波数f2(振動周波数f0)と、発光周波数f1との関係に起因したビート現象が、見えにくくなる(人間の眼に視認されにくくなる)。したがって、本変形例においても実施の形態と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。すなわち、干渉パターンの発生を低減しつつ、輝度むらを抑える(表示画質を向上させる)ことが可能となる。
また、本変形例では、液晶素子14Cが、投射レンズ23a,23bにおける瞳近傍または瞳の共役点近傍に配置されているようにしたので、投影像への影響を低減することができ、偏光重畳の効果を最大化できる。なお、液晶素子14Cの配置位置はこれには限られず、他の位置に配置してもよい。ただし、反射型液晶素子21等のように、偏光による往復光路の分離を行う素子がある場合、液晶素子14Cの配置場所は、偏光ビームスプリッタ22よりも投影側(スクリーン30側)に限られることになる。
なお、図25に示した、液晶素子14C内の各単位セル141における偏光方向P3の分布(偏光成分分布)は、あくまでも一例であり、他の偏光成分分布としてもよい。ただし、各単位セル141における偏光状態がランダムに近いほうが、レーザ光の可干渉性をより効果的に低減できると考えられる。また、各単位セル141に対する駆動方法(駆動電圧V0の印加手法)としても、共通(同一)の駆動周波数f0を用いるのではなく、複数種類の振動周波数を用いることも考えられるが、この場合には全ての振動周波数について、上記した条件式を満たすようにすればよい。
また、液晶素子14C内では、複数の独立した偏光領域が形成されているようにすればよく、図25に示したように、駆動電圧V0が印加されるセル(単位セル141)自体が複数設けられているようにしなくともよい。すなわち、例えば図29に示した液晶素子14Cのように、光入射面(Y−Z平面)内において単一セル142を設けると共に、この単一セル142内に複数の独立した偏光領域(ここでは5つの偏光領域142a〜142e)が形成されるようにしてもよい。具体的には、この単一セル142では、その中心部分である電圧印加点Pv上に駆動電圧V0が印加されることで、入射したレーザ光に対して個別の偏光方向P3を有する偏光領域142a〜142eの分布(ここでは同心円状の偏光成分分布)が形成されるようになっている。このような構成(単一セル142を有する構成)の液晶素子14Cでは、図25に示した構成(複数の独立した単位セル141を有する構成)の液晶素子14Cと比べ、低コストで偏光多重を実現できる利点がある。ただし、偏光や位相の重ね合わせ数が多いほどスペックルノイズの低減効果がより高くなるため、その観点からは、図25に示した構成の液晶素子14Cのほうが望ましいと言える。
更に、本変形例では主に、光学素子を駆動してレーザ光の偏光を変化させる場合について説明したが、これには限られず、例えば光学素子を駆動することによって、前述したようにレーザ光の位相を変化させるようにしてもよい。このような光学素子(電気光学素子)は、例えば、PLZT(例えば、Pb0.814La0.213(Ti0.6Zr0.4)O3をベースとした組成の材料)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、LiTaO3、KTP,KDP(KHH2PO4)等の固体透明位相変調材料を用いて構成することができる。また、例えば、二酸化テルル(TeO2)やモリブデン酸鉛(PbMoO4)等をの材料を含んで構成された音響光学素子を用いて、レーザ光の位相および角度のうちの少なくとも一方を変化(変調)させることも可能である。これらの場合においても、スペックルノイズの低減効果をより高くするという観点からは、複数の独立した単位セルを設けることが望ましいと言える。
加えて、本変形例で説明した液晶素子14Cに対する駆動(電気的振動)と、実施の形態等で説明した駆動(機械的振動)とを、組み合わせて行うようにしてもよい。すなわち、液晶素子14Cに対して駆動電圧V0を印加して電気的な振動をさせたうえで、更に液晶素子14C自体に機械的な振動を加えるようにしてもよい。このようにして組み合わせた駆動方法を採用した場合、更なるスペックルノイズの低減を図ることが可能となる。また、この場合における輝度むら低減のための周波数の設定としては、電気的振動の際の駆動周波数と、機械的振動の際の駆動周波数(振動周波数f0)とのうちの少なくとも一方について、前述した条件式を満たすようにすればよい。ただし、これら2つの駆動周波数の双方について満たすようにすれば、輝度むらについても更なる低減を図ることが可能となる。
また、本変形例において、これまで説明した手法(実施の形態および変形例1〜5において記載した内容)のうちの少なくとも1つを、組み合わせて用いるようにしてもよい。
[変形例7]
これまで(実施の形態および変形例1〜6)の例では、照明光における輝度の変動周波数f2として、最大の振幅成分を持つ主要周波数を採用する場合について説明してきた。これに対して本変形例では、照明光における輝度むらにおいて、例えば以下説明するいわゆるホワイトノイズを含む場合のように、そのような主要周波数が存在しない場合について説明する。
図30は、このようなホワイトノイズNwの特性例を表したものであり、(A)はホワイトノイズNwの大きさ(電圧)の時間変化例を、(B)はホワイトノイズNwの大きさの周波数特性例を、それぞれ示している。
このホワイトノイズNwは、例えば図30(A)に示したようにランダムな波形(時間的変化)を有するノイズの一種であり、例えば図30(B)に示したように、主要周波数と言えるべき周波数は存在していない。この例では、ノイズの大きさに周波数依存性がなく、周波数によらずに一律の大きさとなっている。
このような場合、照明光における輝度の変動周波数f2としては、そのときの任意の周波数(全ての周波数)を採用して、前述した各条件式に適用すればよい。換言すると、このような場合においても、いずれかの周波数においては必ず条件式は満たされていることから、ビート現象の低減がある程度は行えると言える。このことから、本変形例のようなホワイトノイズNw等を考慮した使用した場合であっても、これまでの説明と同様の原理によって同様の効果を得ることが可能である。
[その他の変形例]
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、本開示における「光学素子」の一例として、プリズムアレイ、回折素子、レンズ、レンズアレイおよび液晶素子等を挙げて説明したが、これら以外の他の光学素子を用いてもよい。同様に、本開示における「光学部材」として、上記実施の形態等で説明したフライアイレンズ以外の光学部材(例えば、ロッドインテグレータなど)を用いてもよい。
また、上記実施の形態等では、レーザ光源が発光周波数f1により間欠的にレーザ光を照射することによって、光源部から所定の周波数f1により間欠的にレーザ光が出射される場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、例えば、レーザ光源から出射されたレーザ光を何らかの手法で遮ったり、音響光学素子や電気光学効果を用いた素子等を用いることによって、光源部から所定の周波数f1により間欠的にレーザ光が出射されるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等では、複数種類(赤色用,緑色用,青色用)の光源がいずれもレーザ光源である場合について説明したが、この場合には限られず、複数種類の光源のうちの少なくとも1つがレーザ光源であればよい。すなわち、光源部内に、レーザ光源と他の光源(例えばLED等)とを組み合わせて設けるようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態等では、光変調素子が反射型の液晶素子である場合を例に挙げて説明したが、この場合には限られない。すなわち、例えば透過型の液晶素子であってもよく、更には、液晶素子以外の光変調素子(例えば、DMD(Digital Micromirror Device)など)であってもよい。なお、光変調素子としてDMDを用いた場合には、上記変形例7において説明した光学素子(液晶素子等)の配置場所として、前述した偏光ビームスプリッタ22よりも投影側等の制約がなくなる。
また、上記実施の形態等では、異なる波長の光を発する3種類の光源を用いた場合について説明したが、例えば3種類の光源ではなく、1種類や2種類,4種類以上の光源を用いるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等では、照明装置および表示装置の各構成要素(光学系)を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を更に備えていてもよい。具体的には、例えばダイクロイックプリズム131,132の代わりに、ダイクロイックミラーを設けるようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態等では、光変調素子により変調された光をスクリーンに投射する投射光学系(投影レンズ)を備え、投射型の表示装置として構成されている場合について説明したが、本技術は、直視型の表示装置などにも適用することが可能である。
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
[1]
レーザ光源を含んで構成され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が所定の周波数で間欠的に出射される光源部と、
前記光源部から間欠的に出射されたレーザ光が通過する光学素子と、
前記光学素子を所定の駆動周波数で駆動することにより、前記レーザ光における可干渉性を変化させる駆動部と
を備え、
前記周波数をf1[Hz]、前記光学素子から出射される照明光において前記光学素子に対する駆動により生ずる輝度の変動周波数をf2[Hz]、n1を0以上かつ10以下の任意の整数、n2,n3をそれぞれ0以上かつ10以下の所定の整数としたとき、
以下の(1)式または(2)式を満たし、かつ、以下の(3)式または(4)式を満たし、かつ、以下の(5)式または(6)式を満たす
照明装置。
|2×f2−n1×f1|≧20 ……(1)
|2×f2−n2×f1|≦3 ……(2)
f2≧20 ……(3)
f2≦3 ……(4)
|f2−n1×f1|≧20 ……(5)
|f2−n3×f1|≦3 ……(6)
[2]
前記(1)式、前記(3)式または前記(5)式を満たす場合において、
前記光学素子に対する駆動が停止しているときにおける前記照明光の輝度分布の空間周波数を、低周波側から順にf31,…,f3M(M:2以上の整数)とし、かつ、
前記光学素子を駆動しているときにおける前記照明光の輝度分布の空間振幅をA0としたとき、
以下の(7)式を更に満たす
上記[1]に記載の照明装置。
(1/f32)≦A0 ……(7)
[3]
前記光源部は、複数種類の波長のレーザ光を出射するものであり、
前記複数種類の波長のうち、少なくとも、視感度が最も高い色に対応する波長のレーザ光における前記周波数について、
前記(1)式または前記(2)式を満たし、かつ、前記(3)式または前記(4)式を満たし、かつ、前記(5)式または前記(6)式を満たす
上記[1]または[2]に記載の照明装置。
[4]
前記複数種類の波長のうち、少なくとも、視感度が相対的に高い2色以上の各色に対応する波長のレーザ光における前記周波数について、
前記(1)式または前記(2)式を満たし、かつ、前記(3)式または前記(4)式を満たし、かつ、前記(5)式または前記(6)式を満たす
上記[3]に記載の照明装置。
[5]
前記複数種類の波長の全てのレーザ光における前記周波数について、
前記(1)式または前記(2)式を満たし、かつ、前記(3)式または前記(4)式を満たし、かつ、前記(5)式または前記(6)式を満たす
上記[4]に記載の照明装置。
[6]
前記(1)式または前記(2)式を満たし、かつ、前記(3)式または前記(4)式を満たし、かつ、前記(5)式または前記(6)式を満たすように、前記駆動周波数および前記周波数をそれぞれ動的に制御する制御部を備えた
上記[1]ないし[5]のいずれかに記載の照明装置。
[7]
前記(3)式を満たす
上記[1]ないし[6]のいずれかに記載の照明装置。
[8]
以下の(8)式または(9)式を満たし、かつ、以下の(10)式または(11)式を満たし、かつ、以下の(12)式または(13)式を満たす
上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の照明装置。
|2×f2−n1×f1|≧50 ……(8)
|2×f2−n2×f1|≦0.5 ……(9)
f2≧50 ……(10)
f2≦0.5 ……(11)
|f2−n1×f1|≧50 ……(12)
|f2−n3×f1|≦0.5 ……(13)
[9]
前記(10)式を満たす
上記[8]に記載の照明装置。
[10]
前記レーザ光源は、前記周波数としての所定の発光周波数により、間欠的に前記レーザ光を出射する
上記[1]ないし[9]のいずれかに記載の照明装置。
[11]
前記駆動部は、前記光学素子を駆動することにより、前記レーザ光の位置、角度、偏光および位相のうちの少なくとも1つを変化させる
上記[1]ないし[10]のいずれかに記載の照明装置。
[12]
前記駆動部は、前記駆動周波数としての所定の振動周波数によって、前記光学素子を機械的に振動させることにより、前記レーザ光の位置および角度のうちの少なくとも一方を変化させる
上記[11]に記載の照明装置。
[13]
前記光学素子は、自身の振動方向に沿って配列された複数の単位構造を有し、
前記振動周波数をf0、(前記光学素子が振動する際の振幅/前記振動方向に沿った前記単位構造のピッチ)=Nとしたとき、
f2=(2×N×f0)を満たす
上記[12]に記載の照明装置。
[14]
前記駆動部は、前記駆動周波数によって前記光学素子を電気的に振動させることにより、前記レーザ光の偏光および位相のうちの少なくとも一方を変化させる
上記[11]に記載の照明装置。
[15]
前記光学素子が液晶素子である
上記[14]に記載の照明装置。
[16]
前記光源部は、赤色光、緑色光または青色光を発する3種類の光源を有する
上記[1]ないし[15]のいずれかに記載の照明装置。
[17]
前記3種類の光源のうちの少なくとも1つが、前記レーザ光源である
上記[16]に記載の照明装置。
[18]
照明光を出射する照明装置と、
前記照明光を映像信号に基づいて変調する光変調素子と
を備え、
前記照明装置は、
レーザ光源を含んで構成され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が所定の周波数で間欠的に出射される光源部と、
前記光源部から間欠的に出射されたレーザ光が通過する光学素子と、
前記光学素子を所定の駆動周波数で駆動することにより、前記レーザ光における可干渉性を変化させる駆動部と
を有し、
前記周波数をf1[Hz]、前記光学素子から出射される照明光において前記光学素子に対する駆動により生ずる輝度の変動周波数をf2[Hz]、n1を0以上かつ10以下の任意の整数、n2,n3をそれぞれ0以上かつ10以下の所定の整数としたとき、
以下の(1)式または(2)式を満たし、かつ、以下の(3)式または(4)式を満たし、かつ、以下の(5)式または(6)式を満たす
表示装置。
|2×f2−n1×f1|≧20 ……(1)
|2×f2−n2×f1|≦3 ……(2)
f2≧20 ……(3)
f2≦3 ……(4)
|f2−n1×f1|≧20 ……(5)
|f2−n3×f1|≦3 ……(6)
[19]
前記光変調素子により変調された照明光を被投射面に対して投射する投射光学系を更に備えた
上記[18]に記載の表示装置。
[20]
前記光学素子が、前記投射光学系における瞳近傍または瞳の共役点近傍に配置されている
上記[19]に記載の表示装置。
1,1A,1B,1C…照明装置、11R…赤色レーザ、11G…緑色レーザ、11B…青色レーザ、12R,12G,12B…レンズ、131,132…ダイクロイックプリズム、14…光学素子(プリズムアレイ)、14B…光学素子(回折素子)、14C…光学素子(液晶素子)、140…プリズム、141…単位セル(単位偏光領域)、142…単一セル、142a〜142e…偏光領域、15,15C…駆動部、16…コリメータレンズ、17…フライアイレンズ、18…コンデンサレンズ、19…制御部、21…反射型液晶素子、22…偏光ビームスプリッタ、23,23a,23b…投射レンズ、3,3A,3C…表示装置、30…スクリーン、Z0…光軸、S1,S2,Sn-1,Sn…傾斜面、Lin…入射光、Lout…出射光、FFP…ファーフィールドパターン、f0…振動周波数(駆動周波数)、f1,f1r,f1g,f1b…発光周波数、f2…変動周波数、Tr,Tg,Tb…発光周期、V0…駆動電圧、P3,P3y,P3z…偏光方向、Pv…電圧印加点、Nw…ホワイトノイズ。

Claims (17)

  1. レーザ光源を含んで構成され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が所定の周波数で間欠的に出射される光源部と、
    前記光源部から間欠的に出射されたレーザ光が通過する光学素子と、
    前記光学素子を所定の駆動周波数で駆動することにより、前記レーザ光における可干渉性を変化させる駆動部と
    を備え、
    前記所定の周波数をf1[Hz]、前記光学素子から出射される照明光において前記光学素子に対する駆動により生ずる輝度の変動周波数をf2[Hz]、n1を0以上かつ10以下の任意の整数、n2,n3をそれぞれ0以上かつ10以下の所定の整数としたとき、
    以下の(1)式を満たし、かつ、以下の(3)式を満たし、かつ、以下の(5)式を満たすと共に、
    前記光学素子に対する駆動が停止しているときにおける前記照明光の輝度分布の空間周波数を、低周波側から順にf31,…,f3M(M:2以上の整数)とし、かつ、
    前記光学素子を駆動しているときにおける前記照明光の輝度分布の空間振幅をA0としたとき、
    以下の(7)式を更に満たす
    照明装置。
    |2×f2−n1×f1|≧20 ……(1
    2≧20 ……(3
    f2−n1×f1|≧20 ……(5)
    (1/f32)≦A0 ……(7)
  2. 前記光源部は、複数種類の波長のレーザ光を出射するものであり、
    前記複数種類の波長のうち、少なくとも、視感度が最も高い色に対応する波長のレーザ光における前記所定の周波数について、
    前記(1)式を満たし、かつ、前記(3)式を満たし、かつ、前記(5)式を満たす
    請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記複数種類の波長のうち、少なくとも、視感度が相対的に高い2色以上の各色に対応する波長のレーザ光における前記所定の周波数について、
    前記(1)式を満たし、かつ、前記(3)式を満たし、かつ、前記(5)式を満たす
    請求項に記載の照明装置。
  4. 前記複数種類の波長の全てのレーザ光における前記所定の周波数について、
    前記(1)式を満たし、かつ、前記(3)式を満たし、かつ、前記(5)式を満たす
    請求項に記載の照明装置。
  5. 前記(1)式を満たし、かつ、前記(3)式を満たし、かつ、前記(5)式を満たすように、前記駆動周波数および前記所定の周波数をそれぞれ動的に制御する制御部を備えた
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 以下の(8)式を満たし、かつ、以下の(10)式を満たし、かつ、以下の(12)式を満たす
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
    |2×f2−n1×f1|≧50 ……(8
    2≧50 ……(10
    f2−n1×f1|≧50 ……(12
  7. 前記レーザ光源は、前記所定の周波数としての所定の発光周波数により、間欠的に前記レーザ光を出射する
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 前記駆動部は、前記光学素子を駆動することにより、前記レーザ光の位置、角度、偏光および位相のうちの少なくとも1つを変化させる
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 前記駆動部は、前記駆動周波数としての所定の振動周波数によって、前記光学素子を機械的に振動させることにより、前記レーザ光の位置および角度のうちの少なくとも一方を変化させる
    請求項に記載の照明装置。
  10. 前記光学素子は、自身の振動方向に沿って配列された複数の単位構造を有し、
    前記振動周波数をf0、(前記光学素子が振動する際の振幅/前記振動方向に沿った前記単位構造のピッチ)=Nとしたとき、
    f2=(2×N×f0)を満たす
    請求項に記載の照明装置。
  11. 前記駆動部は、前記駆動周波数によって前記光学素子を電気的に振動させることにより、前記レーザ光の偏光および位相のうちの少なくとも一方を変化させる
    請求項に記載の照明装置。
  12. 前記光学素子が液晶素子である
    請求項1に記載の照明装置。
  13. 前記光源部は、赤色光、緑色光または青色光を発する3種類の光源を有する
    請求項1ないし請求項1のいずれか1項に記載の照明装置。
  14. 前記3種類の光源のうちの少なくとも1つが、前記レーザ光源である
    請求項1に記載の照明装置。
  15. 照明光を出射する照明装置と、
    前記照明光を映像信号に基づいて変調する光変調素子と
    を備え、
    前記照明装置は、
    レーザ光源を含んで構成され、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が所定の周波数で間欠的に出射される光源部と、
    前記光源部から間欠的に出射されたレーザ光が通過する光学素子と、
    前記光学素子を所定の駆動周波数で駆動することにより、前記レーザ光における可干渉性を変化させる駆動部と
    を有し、
    前記所定の周波数をf1[Hz]、前記光学素子から出射される照明光において前記光学素子に対する駆動により生ずる輝度の変動周波数をf2[Hz]、n1を0以上かつ10以下の任意の整数、n2,n3をそれぞれ0以上かつ10以下の所定の整数としたとき、
    以下の(1)式を満たし、かつ、以下の(3)式を満たし、かつ、以下の(5)式を満たすと共に、
    前記光学素子に対する駆動が停止しているときにおける前記照明光の輝度分布の空間周波数を、低周波側から順にf31,…,f3M(M:2以上の整数)とし、かつ、
    前記光学素子を駆動しているときにおける前記照明光の輝度分布の空間振幅をA0としたとき、
    以下の(7)式を更に満たす
    表示装置。
    |2×f2−n1×f1|≧20 ……(1
    2≧20 ……(3
    f2−n1×f1|≧20 ……(5)
    (1/f32)≦A0 ……(7)
  16. 前記光変調素子により変調された照明光を被投射面に対して投射する投射光学系を更に備えた
    請求項1に記載の表示装置。
  17. 前記光学素子が、前記投射光学系における瞳近傍または瞳の共役点近傍に配置されている
    請求項1に記載の表示装置。
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