JP5977194B2 - 管材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特性の異なる複数の管材を管軸方向に接合した管材(以下、テーラードチューブという)とその製造方法に関する。
強度や厚さ等の特性が異なる管材を管軸方向に接合したテーラードチューブは、近年、軽量化や高剛性化を目的に、自動車用構造部材の素材等で注目を集めている。テーラードチューブの製造方法には大きく二つの方法がある。方法1は、特性の異なる金属板の端面を突き合わせ溶接等の方法で接合し、その後、管状に成形してシーム部を溶接等の方法で接合する方法である(例えば特許文献1)。方法2は、特性の異なる管材の端面を突き合わせ溶接等の方法で接合する方法である(例えば特許文献2)。
特開2004−34060号公報 特開2006−21236号公報
ところで、方法1は、上記特許文献1記載のように、金属板接合部を有するテーラードブランクを管状に成形するので、得られるテーラードチューブはシーム部を有する管材(いわゆる電縫管)に限定される。さらに、金属板接合部とシーム部が互いに交差する部位の強度が特に低下するのは避けられない。また、金属板接合部の両側の金属板の特性が異なるので、テーラードブランクを管状に成形する際にシーム部の突き合わせ精度が低下し、接合不良や形状不良が発生するという短所がある。
一方、方法2は、方法1と異なり、電縫管に限らず押し出し加工等あらゆる工法の管材を用いることができる長所がある。その反面、上記特許文献2記載のように、異種類の管材、すなわち板厚や材質の異なる2つの管材の端面相互を突き合わせるときに、同軸的に配置して接合しなければならず、管材の突き合わせ部にすき間が生じたり、径方向のみでなく円周方向にも寸法のずれが発生しやすい。このため、接合する際には管材の真円度や突き合わせ端部の切断形状等の精度管理をしなければならないという短所がある。さらに、この接合の際の位置ずれは、技術的に0にすることは困難である。また、前記接合により管軸方向の曲がりが生じる可能性もある。
そこで、本発明は上記のような問題を解決し、その代表的な目的は、高精度かつ高強度のテーラードチューブを簡便な方法で製作する技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本発明における代表的なテーラードチューブの製造方法は、長手方向に板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が変化する管材の製造方法である。前記テーラードチューブの製造方法は、長手方向に板厚が一様である第1の管材と、長手方向に板厚が一様であり、かつ前記第1の管材と板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なる第2の管材とを突き合わせ、この突き合わせ部を接合して第3の管材を製造する工程と、前記第3の管材の内部に挿入した中子と、前記第3の管材の長手方向に対して垂直な方向に、前記第3の管材を挟むように配置した金型とで、前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程と、を有する。
さらに、前記テーラードチューブの製造方法で製作されたテーラードチューブにも適用する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的な効果は、高精度かつ高強度のテーラードチューブを簡便な方法で製作することが可能となる。
(a)(b)は一般的な2つのテーラードチューブの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明による一実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法の一例を示すフローチャートである。 (a)(b)は図2において、テーラードチューブの断面形状の一例を示す図である。 (a)〜(c)は図2において、金型の形状の一例を示す図である。 (a)(b)は図2において、金型の形状の別の一例を示す図である。 (a)〜(e)は図2において、中子の形状の一例を示す図である。 (a)(b)は図2において、中子の形状の別の一例を示す図である。 (a)〜(c)は図2において、金型に付与する段差部の形状の一例を示す図である。 (a)(b)は図2において、金型に付与する段差部の形状の異なる一例を示す図である。 図2において、保護シートを使用する場合の配置の一例を示す図である。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[実施の形態の概要]
まず、実施の形態の概要について説明する。本実施の形態の概要では、一例として、括弧内に実施の形態の対応する構成要素の符号等を付して説明する。
本実施の形態のテーラードチューブの製造方法は、周溶接等の方法を用いた突き合わせ部分の接合後の工程において、この接合時に発生する接合形状の不良や接合位置のずれを塑性加工によって修正することで、接合時の精度管理の負担を軽減することができる。
すなわち、本実施の形態の代表的なテーラードチューブの製造方法は、長手方向に板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が変化するテーラードチューブ(20等)の製造方法である。前記テーラードチューブの製造方法は、長手方向に板厚が一様である第1の管材と、長手方向に板厚が一様であり、かつ前記第1の管材と板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なる第2の管材とを突き合わせ、この突き合わせ部を接合して第3の管材を製造する工程(S21、S22)と、前記第3の管材の内部に挿入した中子(40等)と、前記第3の管材の長手方向に対して垂直な方向に、前記第3の管材を挟むように配置した金型(30等)とで、前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程(S31)と、を有する。
前記板厚方向への圧縮工程は、最低1回以上実施する。このとき、前記第3の管材が角管の場合、前記角管の横断面角部が上下部になるように前記角管を配置する。さらに、前記板厚方向への圧縮工程を2回以上実施する場合、前記板厚方向への2回目の圧縮をする前に、前記第3の管材を長手方向の中心軸に対して90度回転させる。さらに、3回目以降の圧縮をする場合も同様に、その都度、90度ずつ回転させていくことが望ましい。これにより、横断面形状の対象性よく加工することが可能となる。
また、前記板厚方向への圧縮工程において、前記第3の管材の内部に挿入した中子の外形寸法が、前記第3の管材の内側寸法の設計値より小さい。これにより、内側寸法のばらつきや接合時の位置ずれが生じた場合においても中子の挿入が可能となる。
また、前記板厚方向への圧縮工程において、前記第3の管材の横断面角部を、前記横断面角部と同じか異なる角度を有する金型で圧縮する。異なる角度の場合には、大きいもしくは小さい角度の金型を用いる。これにより、スプリングバックを利用し、効果的に形状修正を行うことが可能となる。
さらに、前記第3の管材の上下に配置した金型、前記第3の管材の内部に挿入した中子、もしくはその両方が、前記第1の管材と前記第2の管材の板厚差と同程度(同じもしくはほぼ同じ)の段差部を有する。これにより、効果的に位置ずれの修正が可能となる。
また、前記第3の管材の上下に配置した金型が有する段差部にコーナーRや面取りをつける、もしくは前記第3の管材の上下に配置した金型が有する段差部にテーパー形状をつける。これにより、加工時の傷を防止できる効果がある。
さらに、前記板厚方向への圧縮工程において、前記第3の管材と前記第3の管材の上下に配置した金型の間に保護シートを挟む。これにより、より効果的に傷を防止することができる。
また、前記板厚方向への圧縮工程において、1回の加工における加工範囲を全体の60%以下となるように金型形状を調整する。これにより、加工により変形した管材が金型に片当たりすることを抑制でき、傷防止が可能となる。
本発明を用いて製作されたテーラードチューブは、接合部分の位置ずれ段差もしくは突起部分の高さが設計公差の範囲内になる。
以下、上述した実施の形態の概要に基づいた一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、類似する部材には英字を付して、その繰り返しの詳細な説明を省略する場合がある。
[一実施の形態]
本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法、およびこの製造方法で製作されたテーラードチューブについて、図1〜図10を用いて説明する。以下においては、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法の特徴を分かり易くするために、一般的な2つのテーラードチューブの製造方法と比較して説明する。
<一般的な2つのテーラードチューブの製造方法>
まず、一般的な2つのテーラードチューブの製造方法について説明する。図1は、一般的なテーラードチューブの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1(a)に、1つ目の製造方法(方法1)を示す。図1(a)に示すように、方法1の製造方法は、板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なる板材を溶接等の方法を用いて接合し(S11)、その後、長手方向に板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なるチューブ形状、すなわち筒状になるように円状もしくは角状に曲げ加工をし(S12)、溶接等の方法を用いてシーム部を接合する(S13)。
図1(b)に、2つ目の製造方法(方法2)を示す。図1(b)に示すように、方法2の製造方法は、板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なる管材同士の端部を突き合わせて配置し(S21)、この突き合わせ部を溶接等の方法を用いて接合する(S22)。このため、方法2の製造方法は、方法1の製造方法と異なり、電縫管に限らず、押し出し加工等あらゆる工法の管材を用いることができる。以下に説明する本発明による一実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法は、主に方法2の製造方法に該当する。
<本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法>
次に、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法について説明する。図2は、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、方法2(S21、S22)を実行し、この方法2の次工程に、接合部のずれ、接合剤のだれや変形をプレス加工で修正、すなわち接合部に対して修正を行う工程(S31)を入れることによって、突き合わせ部を接合する際の、端部の突き合わせ精度を緩めることが可能となる。
すなわち、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法は、まず、長手方向に板厚が一様である第1の管材と、長手方向に板厚が一様であり、かつ第1の管材と板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なる第2の管材とを突き合わせ(S21)、この突き合わせ部を接合して(S22)、第3の管材を製造する。
次に、第3の管材の内部に挿入した中子と、第3の管材の長手方向に対して垂直な方向に、第3の管材を挟むように上下に配置した金型とで、第3の管材の突き合わせ部を板厚方向に圧縮して(S31)、接合部に対して修正を行う。これにより、テーラードチューブを、高精度かつ高強度に、簡便な方法で製作することができる。
<テーラードチューブの断面形状>
図3は、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法を実施するときのテーラードチューブの断面形状の一例を示す図である。図3(a)に断面形状が円の円管のテーラードチューブ10の例を、図3(b)に断面形状が角(四角)の角管のテーラードチューブ20の例をそれぞれ示す。このとき、図3(a)の円管が楕円形状でもよく、図3(b)の角管のコーナー部に面取りやコーナーRがあってもよい。
なお、以下においては、主に角管のテーラードチューブ20を例に説明するが、本発明においては円管のテーラードチューブ10にも同様に適用できるものである。
<プレス加工の金型の形状>
次に、テーラードチューブの接合部にプレス加工を加える金型の形状の一例を、図3(b)に示した角管のテーラードチューブ20の断面形状を用いて、図4を参照して説明する。このとき、この金型を使用するプレスは、油圧式でもサーボモーター式でもよい。
図4は、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法の金型の形状の一例を示す図である。図4には、角管のテーラードチューブ20の周囲に配置される金型の形状の一例を示している。図4は、テーラードチューブ20の横断面(長手方向に対して垂直な面)を見た図である。なお、図4は金型の一部分を示しており、実際にはその周囲にプレスに取り付けるための治具やダイセット等が適宜取り付けてある。
この金型を使用するプレス加工では、テーラードチューブ20の内部に挿入した中子40と、テーラードチューブ20の長手方向に対して垂直な方向に、テーラードチューブ20を挟むように上下に配置した金型(上型、下型)とで、テーラードチューブ20の突き合わせ部を板厚方向に圧縮する。角管のテーラードチューブ20の場合は、角管の横断面角部が上下部になるように配置する。さらに、圧縮を2回以上実施する場合は、対象性よく加工するために、2回目の圧縮をする前に、テーラードチューブ20を長手方向の中心軸に対して90度回転させる。さらに、3回目以降の圧縮を実施する場合も同様に、その都度、90度ずつ回転させていくことが望ましい。
図4(a)に示すように、上型31と下型32とからなる金型30を用いて、1パスで全領域を加工してもよいし、図4(b)に示すように、上型31aと下型32aとからなる金型30aを用いて、一部ずつ何パスかに分けて加工してもよい。図4(a)に示す金型30は、テーラードチューブ20の外周部を上型31と下型32とで全領域を覆うような形状である。図4(b)の金型30aは、テーラードチューブ20の外周部を上型31aと下型32aとで1/2の領域を覆うような形状である。図4(b)の金型30aでは、1回の加工における加工範囲が全体の50%となるように調整された形状となっている。
このとき、下死点位置においてテーラードチューブ20が変形するため、図4(b)のような形状とすることで、テーラードチューブ20が変形することにより、テーラードチューブ20と金型30aが片当たりしてテーラードチューブ20に傷がつくことを抑制できる。このため、一回の加工範囲が全体の60%以下となるように金型30aの形状を調整することが望ましい。また、図4(a)に示すように、1パスで全面を加工できる形状とすることで、加工時間の短縮が図れる。
また、図4(c)に示すように、金型30b(上型31b、下型32b)の角度をテーラードチューブ20と異なる大きさにすることで、スプリングバックを利用し、より効果的に形状修正を行うことが可能となる。図4(c)は、テーラードチューブ20の角管の上下部の角度に対して上型31b、下型32bの角度を小さくしたが、変形傾向によってはテーラードチューブ20の角度に対して上型31b、下型32bの角度を大きくしてもよい。
また、図4(a)(b)(c)の例では、金型30,30a,30bのダイ型部にコーナーが残った状態だが面取りもしくはコーナーRを付与してもよく、面取りやコーナーRを付与することにより、金型傷を防止することができる。
図5は、本実施の形態における金型の形状の別の一例を示す図である。図5はテーラードチューブ20aの断面形状のコーナー部にRが付いている場合の例であり、図5(a)に示すように、金型30c(上型31c、下型32c)に付与するコーナーRとテーラードチューブ20aのコーナーRを同じにしてもよいし、図5(b)に示すように、金型30d(上型31d、下型32d)に付与するコーナーRとテーラードチューブ20aのコーナーRを異なる大きさにしてもよい。
このとき、図5(b)に示すように、金型30dのコーナーRとテーラードチューブ20aのコーナーRを異なる大きさにすることで、スプリングバックを利用し、より効果的に形状修正を行うことが可能となる。また、図5(b)はテーラードチューブ20aのコーナーRに対して金型30dのコーナーRを小さくしたが、変形傾向によっては、テーラードチューブ20aのコーナーRに対して金型30dのコーナーRを大きくしてもよい。
また、図5(a)(b)において、中子40aについては、この中子40aの外形形状のコーナーRとテーラードチューブ20aの内部形状のコーナーRは同じになっている。
<中子の形状>
次に、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法を実施するときの中子の形状の一例を、図3(b)に示した角管のテーラードチューブ20の形状を用いて、図6を参照して説明する。
図6(a)に示すように、中子40の外形形状はテーラードチューブ20と同じとし、外形寸法のみテーラードチューブ20の内側寸法の設計値より小さくする形状を基本とするが、図6(b)に示すように、中子40bのコーナー部を落とすことも考えられる。また、図6(c)に示すように、中子40cの角度をテーラードチューブ20と異なる大きさにすることで、スプリングバックを利用し、より効果的に形状修正を行うことが可能となる。図6(c)は、テーラードチューブ20の角度に対して中子40cの角度(図6(c)において上下のコーナー部)を小さくしたが、変形傾向によってはテーラードチューブ20の角度に対して中子40cの角度を大きくしてもよい。なお、図6(c)における左右のコーナー部は、テーラードチューブ20の角度に対して中子40cの角度が大きくなっている。
このとき、図6(a)(b)(c)はいずれも一体形状であるが、図6(d)に示すように、中子40dを分割形状(4分割の例を図示)にしてもよいし、図6(e)に示すように、中子40eの断面形状に対して周方向に可動式としてもよい。図6(d)に示すような分割形状もしくは図6(e)に示すような可動式にすることで、中子40d,40eの挿入及び取り外しが更に容易になる。また、図6(e)に示すように、中子40eを可動式とすることで、テーラードチューブ20の内部に挿入後に中子40eとテーラードチューブ20間のクリアランスを調整することが可能となるため、より高精度に加工できる。
図7は、本実施の形態における中子の形状の別の一例を示す図である。図7はテーラードチューブ20aの断面形状のコーナー部にRが付いている場合の例であり、図7(a)に示すように、中子40fの外形形状はテーラードチューブ20aと同じとし、寸法のみ小さくする形状を基本とし、さらに図6(b)(c)(d)(e)に示したような、角度の異なる構造や分割構造も同じく適用できる。
また、図7(b)に示すように、中子40gのコーナーRをテーラードチューブ20aと異なる大きさにすることで、スプリングバックを利用し、より効果的に形状修正を行うことが可能となる。このとき、図7(b)は、テーラードチューブ20aのコーナーRに対して中子40gのコーナーRを大きくしたが、変形傾向によってはテーラードチューブ20aのコーナーRに対して中子40gのコーナーRを小さくしてもよい。
<金型の段差部の形状>
図8〜図9は、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法を実施するときの金型に付与する段差部、および圧縮前後のテーラードチューブの断面形状の一例を示す図である。図8〜図9は、板厚の異なるテーラードチューブを製作する場合に、内部段差を小さくすることを目的とした金型の例であり、図8(b)(c)及び図9(a)(b)はいずれも図8(a)のA−A断面における接合部近傍を見た図を示している。また、図8(b)(c)及び図9(a)(b)は、金型に付与した段差部による圧縮前後のテーラードチューブの断面形状の一例を示す図であり、図8(b)及び図9(a)は金型による圧縮前の状態を示し、図8(c)及び図9(b)は圧縮後の状態を示している。
図8〜図9は、板厚の異なるテーラードチューブ20bを製作する場合に、内部段差を小さくすることを目的とした金型30e(上型31e、下型32e)の例であり、ここでは、板厚の異なるテーラードチューブ20bを製作する場合を例に説明するが、テーラードチューブとしては、板厚、材質、もしくは板厚と材質の両方が異なる場合に適用できるものである。
図8(b)(c)は、金型30e(上型31e、下型32e)に、テーラードチューブ20bの板厚差分と同じ段差部を付与した例であるが、この段差部はテーラードチューブ20bの板厚差より大きくても小さくてもよい。このとき、図8(b)(c)は段差部にコーナーが残った状態だが、面取りもしくはコーナーRを付与してもよく、面取りやコーナーRを付与することにより、金型傷を防止することができる。
図8(b)(c)の例では、第1の管材21と第2の管材22とを突き合わせ、この突き合わせ部分を接合し、この接合部23に対して圧縮による修正を行って第3の管材であるテーラードチューブ20bを製造する場合である。(b)に示す圧縮前の状態から、圧縮後には(c)に示すように、テーラードチューブ20bの接合部23の左側に位置する管材21の内側が中子40hに当接する位置まで加工修正されている。
また、図9(a)(b)は、金型30e(上型31e、下型32e)に、テーラードチューブ20bの板厚差分をテーパー形状として付与した例であるが、この段差部はテーラードチューブ20bの板厚差より大きくても小さくてもよい。
図9(a)(b)の例では、図8(b)(c)と同様に、第1の管材21と第2の管材22とを突き合わせ、この突き合わせ部分を接合し、この接合部23aに対して圧縮による修正を行って第3の管材であるテーラードチューブ20bを製造する場合である。(a)に示す圧縮前の状態から、圧縮後には(b)に示すように、テーラードチューブ20bの接合部23aの左側に位置する管材21の内側が中子40hに当接する位置まで加工修正され、かつ、接合部23aの丸み部分が金型30eに付与されたテーパー形状に沿った形状に加工修正されている。このとき、接合部の形状によっては図8(b)(c)で示した金型形状を用いて、図9(a)で示した接合部23aの丸み部分のような形状を修正することも可能であるし、逆に、図9(a)(b)で示した金型形状を用いて、図8(c)で示したように接合部23を押しつぶすことなく段差のみ修正することも可能である。
さらに、図8〜図9は、テーラードチューブ20bの内部段差を小さくするために金型30e(上型31e、下型32e)に段差部を付けたが、テーラードチューブ20bの外部段差を小さくする場合には中子40hに段差部を付ける場合もある。中子40hに段差部を付ける場合にも同様に、テーラードチューブ20bの板厚差分と同じにする場合の他、板厚差より大きくても小さくてもよい。このとき、段差部にコーナーが残った状態や、面取りもしくはコーナーRを付与してもよい。なお、金型30e、中子40hに段差部を付けない場合は、それぞれ、長手方向に一様な形状となる。
以上のように加工修正されたテーラードチューブ20bは、この接合部分の位置ずれ段差もしくは突起部分の高さが設計公差の範囲内で完成され、特に、設計公差に対して十分小さいことが望ましい。
<保護シートを使用する場合の配置>
図10は、本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法における保護シートを使用する場合の配置の一例を示す図である。図10に示すように、保護シート50は金型30f(上型31f、下型32f)とテーラードチューブ20cの間に配置して使用する。図10で用いる保護シート50は、加工するテーラードチューブ20cの材質により異なる。これは、テーラードチューブ20cが変形しやすい材質であれば加工力が少なくてすむため、保護シート50の耐久性がある程度低くても傷防止効果を発揮する。しかし、テーラードチューブ20cが変形しづらい材質であれば加工力が大きくなるため、その分、保護シート50も耐久性に優れている必要がある。
<本実施の形態における効果>
以上説明した本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法、およびこの製造方法で製作されたテーラードチューブによれば、第1の管材と第2の管材とを突き合わせ、この突き合わせ部を接合して第3の管材(テーラードチューブ)を製造する工程(S21、S22)と、このテーラードチューブの突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程(S31)とを有することで、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施の形態によれば、管材同士を接合する際に、従来のように管材の真円度や突き合わせ位置精度等の高度な精度管理をすることなく、接合部近傍の形状精度に優れたテーラードチューブを簡便な方法で製作することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、使用する管材は電縫管に限定されず、シーム部のないシームレス管にも適用することができる。このシームレス管を用いてテーラードチューブを製造すると、管材同士の接合部が生じるものの、シーム部は存在しない。したがって、シームレス管のテーラードチューブの強度は、電縫管のテーラードチューブに比べて向上することが可能となる。
以上により、本実施の形態によれば、高精度かつ高強度のテーラードチューブを製作することができ、かつ、このテーラードチューブを簡便な方法で製作することが可能となる。より詳細には、以下のような効果も得ることができる。
(1)テーラードチューブの圧縮工程において、2回目以降の圧縮をするその都度、テーラードチューブを長手方向の中心軸に対して90度ずつ回転させていくことで、横断面形状の対象性よく加工することが可能となる。
(2)テーラードチューブの圧縮工程において、テーラードチューブの内部に挿入した中子の外形寸法が、テーラードチューブの内側寸法の設計値より小さいことで、内側寸法のばらつきや接合時の位置ずれが生じた場合においても中子の挿入が可能となる。
(3)テーラードチューブの圧縮工程において、テーラードチューブの横断面角部と異なる角度を有する金型で圧縮することで、スプリングバックを利用し、効果的に形状修正を行うことが可能となる。
(4)テーラードチューブの上下に配置した金型、テーラードチューブの内部に挿入した中子、もしくはその両方が、第1の管材と第2の管材の板厚差と同程度の段差部を有することで、効果的に位置ずれの修正が可能となる。
(5)テーラードチューブの上下に配置した金型が有する段差部にコーナーRや面取りをつけるか、もしくはテーパー形状をつけることで、加工時の傷を防止できる効果がある。
(6)テーラードチューブの圧縮工程において、テーラードチューブと金型の間に保護シートを挟むことで、より効果的に傷を防止することができる。
(7)テーラードチューブの圧縮工程において、1回の加工における加工範囲を全体の60%以下となるように金型形状を調整することで、加工により変形したテーラードチューブが金型に片当たりすることを抑制でき、傷防止が可能となる。
(8)本実施の形態におけるテーラードチューブの製造方法で製作されたテーラードチューブは、接合部分の位置ずれ段差もしくは突起部分の高さが設計公差の範囲内になるように製作することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記した実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
例えば、前記実施の形態においては、主に角管のテーラードチューブを例に説明したが、本発明においては円管のテーラードチューブにも同様に適用することができる。この場合には、円管のテーラードチューブに対応して、テーラードチューブの内部に挿入する中子や、テーラードチューブを挟むように配置する金型の形状も、円形状になることは言うまでもない。
10 テーラードチューブ(円管)
20,20a〜20c テーラードチューブ(角管)
21 管材
22 管材
23,23a 接合部
30,30a〜30f 金型
31,31a〜31f 上型
32,32a〜32f 下型
40,40a〜40i 中子
50 保護シート

Claims (12)

  1. 長手方向に板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が変化する管材の製造方法であって、
    長手方向に板厚が一様である第1の管材と、長手方向に板厚が一様であり、かつ前記第1の管材と板厚もしくは材質のいずれか1つ以上が異なる第2の管材とを突き合わせ、この突き合わせ部を接合して第3の管材を製造する工程と、
    前記第3の管材の内部に挿入した中子と、前記第3の管材の長手方向に対して垂直な方向に、前記第3の管材を挟むように配置した金型とで、前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程と、
    を有する、管材の製造方法。
  2. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材の上下に配置した金型で圧縮を1回以上実施し、前記第3の管材が角管の場合、前記角管の角部が上下部になるように前記角管を配置する、管材の製造方法。
  3. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材の上下に配置した金型で圧縮を2回以上実施し、2回目以降の圧縮をするその都度、前記第3の管材を長手方向の中心軸に対して90度ずつ回転させる、管材の製造方法。
  4. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材の内部に挿入した中子の外形寸法が、前記第3の管材の内側寸法の設計値より小さい、管材の製造方法。
  5. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材の角部を、前記角部と同じか大きい角度を有する金型で圧縮する、管材の製造方法。
  6. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材の上下に配置した金型が、前記第1の管材と前記第2の管材の板厚差と同程度の段差部を有する、管材の製造方法。
  7. 請求項6記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の上下に配置した金型が有する段差部に、コーナーRもしくは面取りを有する、管材の製造方法。
  8. 請求項6記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の上下に配置した金型が有する段差部に、テーパー形状を有する、管材の製造方法。
  9. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材の内部に挿入した中子が、長手方向に一様な形状、もしくは、前記第1の管材と前記第2の管材の板厚差と同程度の段差部を有する、管材の製造方法。
  10. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第3の管材の前記突き合わせ部を板厚方向に圧縮する工程では、前記第3の管材と前記第3の管材の上下に配置した金型との間に、シートを挟む、管材の製造方法。
  11. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第1の管材、前記第2の管材、および、前記第3の管材は、角管である、管材の製造方法。
  12. 請求項1記載の管材の製造方法において、
    前記第1の管材、前記第2の管材、および、前記第3の管材は、円管である、管材の製造方法。
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