本発明の一態様によると、長期間にわたって放出するように構成されるエネルギー貯蔵システムは、落下する重りを組み込んで商業的に実現可能なエネルギー源を達成することができる。さらに、短距離に限定される落下重りにとって使用可能な動作範囲を提供するようにシステムを構成することによって、現実世界の条件下でエネルギー貯蔵システムの有用性を確保する。従来の用途では、物体をより高く上昇させることで、より大きな位置エネルギーが得られる。しかしながら、物体をさらに長い距離にわたって上昇させることは必然的に物理的制限の制約を受ける。したがって、有効なエネルギー貯蔵システムは長い放出時間を持続できる必要があり、物理的に実現可能でなければならない。言い換えると、落下する重りは通常、長距離を移動できない。
短い距離に制約を受ける使用可能な放出時間の問題のバランスをとることで、大半の状況において、従来のエネルギー貯蔵及び生成システムが使用不能である。大重量の重りと非常に大きな機械比とを組み合わせ、重りと比とのバランスを確立することによって、エネルギー貯蔵システムは、システムを物理的に実現可能な運動距離に制限しつつ、数時間、数日間、又は数年間などの長い放出時間を有するように構成することができる。
環境によっては、物理的に実現可能な移動距離は、超高層ビルなどの高所構造の高さを含んでもよい。しかしながら、妥当な制約条件から最大閾値が設定され、その最大閾値を超えて物体を上昇させエネルギーを貯蔵するのは実現不可能である。よって、上昇距離は、使用可能なエネルギー貯蔵と関わる問題に対処する際の制約要因となる。
循環型貯蔵および生成
図1Aを参照すると、本発明の様々な態様に係る直接エネルギー貯蔵機構101および151と、間接エネルギー貯蔵機構171とを実現する例示的なシステム100が示されている。直接エネルギー貯蔵機構は、上昇された重りによって提供されるエネルギーを直接捕捉する能力により「直接」と広くみなされる。直接エネルギー貯蔵システムでは、質量体108が浮揚体106に連結される。質量体108は、チャンバ102内の液面(たとえば、水面)に基づき高所まで上昇させられる。水の除去または水面の降下時、質量体108は降下して増速機124を介して発電機110を動作させることができ、該増速機は質量体108の降下によって生成される毎分回転数の入力回転を受け取り、毎分回転数が増大されるとともにトルクが低減された出力回転を発電機に対して生成してエネルギーを生成する。間接エネルギー貯蔵機構は別の源(たとえば、直接エネルギー機構101)からエネルギーを入力され、入力エネルギーを、貯蔵される位置エネルギーへと変換する。エネルギーは減速機174の動作を通じて高所まで貯蔵要素(たとえば、質量体178)を上昇させることによって貯蔵され、該減速機は毎分回転数でのコンバータ172の動作によって生成された入力回転を受け取り、質量体178を上昇させるために、毎分回転数が低減されトルクが増大された出力回転を生成する。システム100の実施例では、複数のエネルギー源が、動作段階に応じて間接エネルギー貯蔵機構171に入力を供給する。図1Aに示される第1の段階では、水流によってタービン発電機131が回転される。タービン131からのエネルギー出力は、間接貯蔵機構171に関連付けられるコンバータ172に供給される。コンバータ172は入力エネルギーを、質量体178を高所まで上昇させるために印加される回転力へと変換する。エネルギーは、パワー出力が必要とされる時まで質量体178を高所に維持することによって間接エネルギー貯蔵機構171に貯蔵される。
図1Bは、システム100の第2の動作段階を示す。図示されるように、直接エネルギー貯蔵機構101は、質量体108の降下によって生成されるエネルギー出力を間接エネルギー貯蔵機構171に提供する。図1Cでは、第3の動作段階が示されており、間接エネルギー貯蔵システム171が、質量体178の降下によって発電機182の動作を通じて生成されるパワーを供給する。出力はポンプ190に伝達される。ポンプ190は、水を低レベル容器のチャンバ130から高レベル容器のチャンバ102に押し出すように動作する。水がチャンバ130から除去されると、第2の直接エネルギー貯蔵機構151はエネルギーを生成することができる。図1Dには第4の動作段階が示され、直接エネルギー貯蔵機構151がエネルギー出力を間接エネルギー貯蔵機構171に供給する。図示される段階(図1A〜1D)は所望に応じた頻度で繰り返すことができる。特定の実施形態では、センサを組み込んで、液面を判定し、直接エネルギー貯蔵機構、たとえば、機構101および151、間接エネルギー貯蔵機構171、ポンプ190、水門122のいずれかの自動操作のためにシステムを制御する信号を送ることができる。
間接エネルギー貯蔵機構171において入力の3段階および出力の1段階の間に生成される総エネルギーは、後の使用のために貯蔵することができる。前記段階を通して各付加的なサイクルを利用して、たとえば需要に応じ蓄積および解放できる間接エネルギー貯蔵機構171により多くの位置エネルギーを生成することができる。
図1Aを再度参照すると、第1の段階中、チャンバ102内の液面は所望レベルまたはその近傍である。所望レベルは、本実施例では、浮揚体106によって上昇させられた質量体108が達成する動作高さを指す。チャンバ102の所望の液面が達成されれば、水門122を開放させることができる。水門122が開放されると、水などの液体が高レベル容器のチャンバ102から低レベル容器のチャンバ130へと流れる。この液体流はタービン発電機131を動作させる。タービン131の動作によって生成されたエネルギーは間接エネルギー貯蔵機構171に入力される。図1Bはチャンバ102が空になっている様子を示すが、別の実施形態では、チャンバ102内の液体の水位が低減される方法を使用して、質量体108を降下させ、エネルギーを生成することができる。
間接エネルギー貯蔵機構では、入力されたエネルギーがコンバータ172によって回転力に変換される。回転力が動作してシャフト186Aを回転させる。シャフト186Aは減速機174に接続される。減速機174はシャフト186Aの回転を受け取り、回転を低減させてシャフト186Bに伝達するように構成される。減速機174はさらに、トルクを増大してシャフト186Bに供給することによって質量体178を上昇させるように構成される。一実施形態では、特定の毎分回転数の入力回転を前提とすると、減速機は、毎分回転数が低減されるとともにトルクが増大された出力回転を生成する。毎分回転数の変化量およびトルクの増大量は、間接エネルギー貯蔵機構のパラメータに基づき選択することができる。たとえば、所望のエネルギー出力を確定して、発電機182の選択を制御することができる。発電機182用の動作パラメータに基づき、質量体178のサイズと、選択された発電機に所与の回転速度およびトルクを提供するために必要な増速機180の入力対出力比とが決定される。一実施形態によると、減速機174は大きな入力対出力比で動作するように構成される。一実施例として、減速機174はシャフト186Bの3000回転を受け取り、シャフト186Cに1回転の出力を供給するように構成することができる。その他の回転入力対出力比を提供するように構成してもよい。特定の実施形態では、100:1より大きな比が使用される。
シャフト186Bの回転は、係合されたクラッチ175およびシャフト186Cを介してウインチ185に伝達される。クラッチ175は動作モードに応じてシャフト186Bおよび186Cを係合および脱離させるのに使用される。エネルギーの貯蔵(質量体178の上昇)中、クラッチ175は係合される。第2のクラッチ179を使用して、エネルギー出力動作モード中に使用されるエネルギー生成コンポーネントを係合および脱離させてもよい。シャフト186Bおよび186Cの回転によってウインチ185を動作させると、ケーブル176が巻き上げられる。ケーブル176を巻き上げることで、ウインチ185の回転がたとえばプーリ187Aおよび187Bを介して質量体178の上昇へと変換される。プーリ187Aおよび187Bは、ウインチ185の回転によって印加される力を伝達して質量体178の上昇を達成するように構成されており、質量体178の上昇中に安定性を提供するようにも構成される。つめ車およびレバー184はシャフト186Bおよび186Cの回転を防止するために採用することができる。具体的には、つめ車およびレバー184はシャフト186Bおよび186Cの1方向(上昇)への回転を許容し、逆回転を防止する。質量体178を上昇させるシャフト186Cの回転を許容するがその逆方向の回転を防止するつめ車およびレバー184が一実施例として示されているが、質量体178を上昇させながら回転を許容し、その逆回転を防止するその他の構造や機構を採用することも可能である。
水が高レベル容器のチャンバ102から低レベル容器のチャンバ130に流れ込むと、チャンバ130における液面が上昇する。液面が上昇すると、浮揚体134が動作して、直接エネルギー貯蔵システム151の質量体132が上昇する。ケーブル136はシャフト148Aの回転によって第1のウインチ138に巻回される。シャフト148Aは釣り合い重り140の降下に合わせて回転する。釣り合い重り140はケーブル136の作動重量を克服するように構成される。質量体132が上昇させられると、釣り合い重り140が降下し、第2のウインチ144が回転する。釣り合い重り140は自身のケーブル142によって第2のウインチ144に接続される。釣り合い重り140の降下によって供給される力はプーリ150Aおよび150Bを介して伝達され、第2のウインチ144を回転させる。第2のウインチ144は、第2のウインチ144と共に回転するシャフト148Aを介して第1のウインチ138に接続される。第1のウインチが回転すると、質量体132に装着されるケーブル136が巻き上げられる。シャフト148Aはクラッチ146に接続される。クラッチ146は、エネルギー貯蔵、つまり質量体132の上昇中に脱離される。
エネルギー放出中、クラッチ146を係合して、質量体132を増速機152に接続して発電機154を動作させることができる。増速機152は質量体132の降下速度を制御するように構成される。増速機152はさらに、入力回転を受け取り、増倍された出力回転を供給するように構成される。たとえば、増速機は、シャフト148Cの3000回転毎にシャフト148Bを1回転させて動作するように構成することができる。その他の回転入力対出力比も提供するように構成してもよい。特定の実施形態では、1:100よりも大きな比が使用される。また、増速機152はトルクを低減した出力回転を発電機154に伝達するように構成される。回転が発電機154に伝達されてエネルギーを生成する。シャフト148Cに供給される増速機152の出力は、発電機154の動作パラメータに合わせて構成される。たとえば、発電機は最適には1500rpmでエネルギーを生成し、737.6フィートポンド/秒(約1キロニュートンメートル/秒)での動作を要し、増速機152はその速度とトルクに適合する出力を供給するように構成することができる。また、質量体の重量は、必須の速度およびトルクの少なくとも一方に適合する出力を、増速機を通じて供給するように調整することができる。増速機によって供給される回転およびトルクの少なくとも一方と発電機154の動作パラメータとは、直接エネルギー貯蔵システムの特定の需要に合わせて調整することもできる。特定の実施例では、発電機は少なくとも1時間の期間で1000W以上を生成するように選択される。また、増速機152によって提供される出力(回転速度および/またはトルク)は任意の発電機の動作特性に適合するように構成することができる。
つめ車およびレバーは、シャフト148Aの回転を防止するために採用することができる。具体的には、つめ車およびレバーはシャフト148Aの1方向の回転を許容し(質量体132の上昇中)、逆回転を防止することができる。つめ車およびレバー156は、質量体132の上昇中のシャフト148Aの回転を許容するが、レバーの係合中は逆方向の回転を防止する。
一実施例では、高レベル容器のチャンバ102が空になると、直接エネルギー貯蔵システム101に貯蔵される位置エネルギーは、エネルギー出力を生成するのに使用することができる。特定の実施形態では、チャンバ102内の液面はたとえば、質量体108などの質量体の降下を制御するのに使用することができる。よって、チャンバ102はエネルギー生成のために空にする必要がない。特定の実施形態では、液面が使用されず、質量体108はチャンバ102が空になった時点で(すなわち、液体が低レベルに達しているがいくらかの量残っている)解放される。特定の実施形態では、タービン131を流れる液体流を質量体108の降下を制御するように構成することができる。流速は、増速機124および発電機110の動作パラメータに適合する速度で質量体108を降下させるように調整することができる。質量体の降下速度は、発電機110からの所望のエネルギー出力を生成する増速機124の出力速度を提供するように設定することができ、特定の実施形態では質量体の降下速度は流速によって制御することができる。
質量体108が降下すると、増速機124が作動し、次いで発電機110が作動する。図1Bに示されるように、直接エネルギー貯蔵システム101からの出力は間接エネルギー貯蔵システム171への入力として供給され、入力エネルギーは質量体178の上昇運動に変換される。特定の実施形態では、直接エネルギー貯蔵機構101および151は機構171などの各間接エネルギー貯蔵機構にリンクさせることができ、各自の出力はそれぞれの間接エネルギー貯蔵機構に伝達される。さらに別の実施形態では、2つの間接エネルギー貯蔵機構を備えることで、システム100は間接エネルギー貯蔵機構を用いてエネルギーを貯蔵すると同時に出力することができる。別の実施例では、1つの間接エネルギー貯蔵機構が、エネルギーを貯蔵および解放するために複数の質量体を組み込むことで、単独の間接エネルギー貯蔵機構が同時にエネルギーを貯蔵し放出することができる(より詳細に後述する、図2B)。
図1Bを再度参照して、質量体108の降下によって供給される力はケーブル112を介して伝達される。プーリ126Cおよび126Dは降下する質量体108の力を伝達して、第1のウインチ114を回転させる。第1のウインチが回転すると、シャフト128Aが第2のウインチ118を回転させる。第2のウインチはケーブル117を巻き上げて釣り合い重り116を上昇させる。プーリ126Aおよび126Bは第2のウインチの回転によって印加される力を伝達し、釣り合い重り116を上昇させる。シャフト128Aはクラッチ125に接続される。エネルギー放出中、直接エネルギー貯蔵機構のクラッチ125は係合される。エネルギー貯蔵中、クラッチ125を脱離させて増速機124および発電機110を作動させずにシャフト128Aを移動できるようにしてもよい。クラッチ125が係合されると、シャフト128Aの回転によって、増速機124に接続されるシャフト128Bが回転する。増速機は入力回転を受け取り、トルクが低減されること、および出力が増倍されることの少なくとも一方を施された回転を供給するように構成される。たとえば、増速機124は、シャフト128Cの3000回転毎にシャフト128Bを1回転させるように構成することができる。その他の回転入力対出力比を提供するように構成されてもよい。特定の実施形態では、1:100よりも大きな比が使用される。特定の実施形態によると、増速機124は質量体108の降下速度を制御するように構成される。
増速機の出力はシャフト128Cを介して発電機110に伝達されエネルギーを生成する。提供される出力は、発電機110の動作パラメータに合わせて設定される。たとえば、発電機が最適には1500rpmで動作し737.6フィートポンド/秒(約1キロニュートンメートル/秒)のトルクを必要とするように構成されると仮定すれば、増速機124はシャフト128Cの1500rpmの回転速度出力と所要のトルクとを供給するように構成することができる。増速機によって供給される出力速度およびトルクの少なくとも一方は、任意の発電機の動作パラメータに適合するように設定することができる。発電機、増速機、および質量体は、直接エネルギー貯蔵システムの特定の需要またはシステム100全体の需要に合わせて調整することができる。
状況によっては、システム100にとって所望のエネルギー出力を確定することができる。間接および直接エネルギー貯蔵機構(たとえば、直接エネルギー貯蔵機構101、151、および間接エネルギー貯蔵機構171)用の質量体(たとえば、質量体108、132、および178)のサイズは増速機(たとえば、増速機124、152、180)の動作パラメータと関連して選択し、発電機の動作および所望のエネルギー出力の生成を提供することができる。さらに、システム100用に所望のエネルギー出力を確定する際、最小エネルギー出力時間も確定することができ、質量体と増速機の選択は所望の総放出時間によって変わり得る。
特定の実施形態では、タービン131を通る液体の流速も、所与の質量体の所望の降下速度を達成するために調整することができる。特定の実施形態では、ポンプ190が液体を押し出す速度を調整して、質量体を所望の速度で降下させることもできる。質量体の所望の降下速度は、発電機、質量体、および増速機の少なくとも一つに関して選択されたパラメータに関連して設定することができる。特定の実施例では、質量体の重量を増大することで、増速機を介して発電機に提供される回転出力速度を高めることができる。別の実施例では、質量体の重量を低減することで回転出力速度を低下することができる。しかしながら、一実施形態によると、質量体の最小重量は増速機の動作抵抗を克服するように維持しなければならない。
図1Bは質量体108の降下を示す。特定の実施形態によると、つめ車およびレバー120は質量体108を降下させるように解放しなければならない。特定の実施形態によると、質量体108が降下を停止すると、直接エネルギー貯蔵機構101によるエネルギー生成は停止する。エネルギー生成が停止すれば、つめ車およびレバー120を係合することができ、クラッチ125を脱離して質量体108の上昇を促進することができる。特定の実施形態では、質量体108の降下はチャンバ102内の液面によって制御することができる。一実施例では、質量体108の降下を防止するために採用してもよい係止機構(たとえば、つめ車およびレバー120)を解除することができ、水門122が開放されてチャンバ102内の液面を低下させて質量体108を降下させる。特定の実施例では、液面は係止機構、たとえば、つめ車およびレバー120を採用せずに質量体108の降下を制御するように構成することができる。別の実施例では、液面および係止機構を採用することができ、さらに別の実施例では、液面に関係なく係止機構を使用することができる。
解放される液体の量とチャンバ102からたとえば水門122を通る液体の流速とは、質量体108の重量、増速機124によって提供される入力:出力比、発電機110の動作パラメータに関連して、所望のエネルギー出力を生成することができる設定される。チャンバ102を出る液体流は質量体108の降下速度を制御するのに使用することができる。状況によっては、液体チャンバ102は人工的に作製することができる。別の状況では、天然の特徴を液体チャンバとして動作するように構成することができる。特定の実施形態では、所与の液体チャンバは気密にすることができる。別の実施形態では、液体チャンバを大気に対して開放させてもよい。
図1Cに示されるように、間接エネルギー貯蔵機構の質量体178を降下させて、増速機180による発電機182の動作を通じてエネルギーを生成することができる。生成された出力エネルギーの少なくとも一部はポンプ190に伝達される。ポンプ190は低レベル容器のチャンバ130から水を除去し、水を高レベル容器102に戻すように構成される。間接エネルギー貯蔵機構171でつめ車およびレバー184を解放することで質量体178を降下させることができる。エネルギー出力モードでは、間接貯蔵機構のクラッチ175が脱離され、クラッチ179が係合される。これにより、質量体178の降下によって生成された力をプーリ187Aおよび187Bを介して伝達し、ウインチ185を回転させることができる。クラッチ179が係合されたウインチ185が回転すると、ウインチ185の回転はシャフト186Cを介してシャフト186Dに伝達される。シャフト186Dは増速機180に接続される。増速機180は質量体178の降下を制御し、動作パラメータに適した出力回転を発電機182に供給するように構成される。増速機180は入力回転を受け取り、トルクが低減された出力回転を供給するように構成される。増速機180は、シャフト186Eの3000回転毎にシャフト186Dを1回転させるように構成することができる。その他の回転入力対出力比も提供するように構成してもよい。特定の実施形態では、1:100よりも大きな比が使用される。出力回転は発電機182に伝達されてエネルギーを生成する。シャフト186Eによって提供される回転速度およびトルクは発電機180の動作パラメータに関連して構成される。たとえば、発電機は最適には1500rpmでエネルギーを生成するように構成することができ、増速機180はシャフト186Eの1500rpmの出力回転を供給するように構成することができる。増速機によって供給される出力は発電機182の動作パラメータに適合するように構成することができる。発電機、増速機、および質量体の少なくとも一つは、間接エネルギー貯蔵システム171の特定の需要またはシステム100全体の需要に合わせて調整することができる。特定の実施形態では、少なくとも1000Wのエネルギー出力が提供される。特定の実施例では、1000Wの出力を1時間超の期間にわたって実現することができる。動作範囲は、1時間、12時間、1日、数日間、1週間、数週間、1ヶ月間、数ヶ月間、およびさらに長い期間を含む。1000Wよりも大きなエネルギー出力範囲が各種実施形態で実現される。特定の実施例では、間接機構は図1A〜1Dに示される段階を通じて複数のサイクルで生成されるエネルギーと等しい貯蔵能力を有するように構成される。
チャンバ130はポンプ190の動作によって空にすることができる。直接エネルギー貯蔵システム151に貯蔵される位置エネルギーを使用してエネルギー出力を生成することができる。質量体132の降下は増速機152を作動させ、次いで発電機154を作動させる。図1Dに示されるように、直接エネルギー貯蔵システム151からの出力は間接エネルギー貯蔵システム171への入力として供給され、入力エネルギーは質量体178の上昇運動に変換される。質量体132の降下によって供給される力はケーブル136を介して伝達される。プーリ150Cおよび150Dは降下する質量体132の力を伝達して第1のウインチ138を回転させる。第1のウインチ138を回転させることで、シャフト148Aに第2のウインチ144を回転させる。第2のウインチ144はケーブル142を巻き上げて釣り合い重り140を上昇させる。プーリ150Aおよび150Bは第2のウインチの回転によって印加される力を伝達し、釣り合い重り140を上昇させる。シャフト148Aはクラッチ146に接続される。エネルギー放出中、直接エネルギー貯蔵機構のクラッチ146は係合される。エネルギー貯蔵中、クラッチ146が脱離されて、増速機152および発電機154を作動させずにシャフト148Aを移動できるようにしてもよい。クラッチ146が係合されると、シャフト148Aが回転して、増速機152に接続されるシャフト148Bを回転させる。増速機152は質量体132の降下を制御する。さらに、増速機152は入力回転を受け取り、増倍されること、およびトルクが低減されることが施された出力回転を供給するように構成される。たとえば、増速機152は、シャフト148Cの3000回転毎にシャフト148Bを1回転させるように構成することができる。他の回転入力対出力比を提供することもできる。特定の実施形態では、1:100よりも大きな比が使用される。
増速機の出力回転はシャフト148Cを介して発電機154に伝達されてエネルギーを生成する。提供される回転速度は、発電機154の動作パラメータに合わせて設定される。一実施形態によると、増速機152は質量体132の降下を制御し、動作パラメータ(たとえば、速度やトルク)に適した出力回転を発電機154に供給する。たとえば、発電機は最適には1500rpmでエネルギーを生成するように構成され、増速機152はシャフト148Cの1500rpmを供給するように構成される。増速機152から供給される出力と発電機154の動作パラメータとは、直接エネルギー貯蔵システムの特定の需要およびシステム100の全体の需要の少なくとも一方に合わせて調整することができる。
図1Dは、質量体132の降下中の直接エネルギー貯蔵機構151の出力段階を示す。特定の実施形態によると、つめ車およびレバー156は質量体132を降下させるように解放されなければならない。質量体132が停止すると、直接エネルギー貯蔵機構151によるエネルギー生成が停止する。つめ車およびレバー156を係合させ、クラッチ146を脱離させて、質量体132の以後の上昇を促進させることができる。
図1Aを再度参照すると、エネルギーシステム100は、液体104、一般的には水を含有するように構成される液体チャンバ102を備える。浮揚体106は、液体104上で浮くように液体チャンバ102内に配置される。浮揚体106は質量体108を支持する。チャンバ102に液体104が存在することで、浮揚体106および質量体108は液体チャンバ102の底部に対する高さ位置に配置される。別の言い方をすると、浮揚体106により質量体108は液体チャンバの底部の上方で支持され得るため、液体が液体チャンバに導入されるにつれて液体は浮揚体と重りを液体チャンバ内で上昇させる。
様々な浮力装置を採用することができ、各浮力装置は複数の構造で質量体102などの質量体を支持することができる。特定の実施形態では、浮揚体106はベース構造として質量体を支持する浮揚性材料で作製することができる。特定の実施形態では、浮揚性材料を所与の質量体の周囲に鋳造することができる。状況によっては、浮揚性材料を質量体自体の構造に組み込むことができる。別の実施形態では、空気チャンバを浮揚体構造または質量体自体に組み込むことができる。さらなる実施形態では、空気チャンバと浮揚性材料の両方を共に使用して所与の質量体のための浮揚体106を画定することができる。上記浮揚性材料はシンタクチックフォーム、ポリマー発泡体、剛性、半剛性、および/または弾性発泡体、ならびにその他の浮揚性材料を含むことができる。複数の浮力装置を浮揚体106として設置するために別個に作製して組み立てることができる。さらに、様々な既知の浮力装置をたとえば浮揚体106を架設するために使用し、所与の質量体を支持する、あるいは所与の質量体に直接的に一体に連結することができる。
質量体108はウインチ114に巻回されたケーブル112によって発電機110に作動可能に接続される。釣り合い重り116は質量体108の上昇中、ウインチ118の回転によってケーブル112を巻き上げるように構成される。質量体108及び浮揚体106が容器102内の液体量の増加によって上昇させられるにつれ、釣り合い重り116が落下してケーブル117を介してウインチ118を回転させる。ウインチ114はウインチ118と共に回転し、ケーブル112を巻き上げる。つめ車およびレバー120が質量体を適所に係止するため、液体チャンバ102の液面が低下するにつれ、浮揚体106と質量体108によって貯蔵された位置エネルギーを貯蔵することができる。液体チャンバ102内の液面は水門122によって制御することができる。
別の実施形態では、つめ車およびレバーを省略してもよい。その代わりに、液体チャンバ102の液面の制御を使用して、位置エネルギーを生成すると共に、ブレーキとしても機能してもよい。液面が低減するまで質量体108の降下を防止するように液面を操作することができる。特定の実施形態では、液面および係止機構の少なくとも一方は所与の質量体の降下を制御することができる。
液体チャンバ102内の液面は門122によって制御することができる。よって、質量体108の降下は、つめ車およびレバー120を使用する代わりに門122によって制御してもよい。さらに、質量体の降下速度は、液体がチャンバを離れる速度を制御することによって制御することができる。特定の実施例では、質量体の降下を制御するのに、つめ車およびレバー120の代わりに液体チャンバ102の液面を使用することによって、直接エネルギー貯蔵装置101の各種コンポーネントの寿命を延ばすことができる。
クラッチ125は、発電機110に作動可能に接続される増速機124に係合および脱離するように構成される。増速機および発電機の組合せは、より長いエネルギー放出期間を提供するように構成される。具体的には、増速機124と発電機110との組合せの各種実施例は、本発明の各種実施形態により数時間、数日間、さらには数週間にわたってエネルギーを放出できるように構成することができる。液体チャンバ102の高さ、質量体108のサイズ、ウインチ114の径、発電機110の動作パラメータに関連し増速機124によって供給される出力を調節して、所与のレベルのエネルギー消費のための所望レベルのエネルギー出力を達成してもよい。
図1Aでは、水門122が動作して、液体をチャンバ102から別のチャンバ130へ流動させる。液体流はタービン131を動作させることによって発電に使用される。タービン131の出力は間接貯蔵機構171へ伝達されて、さらに図1Aに示されるシステム100で使用される。もしくは、パワー出力は直接エネルギーグリッドに送ること、あるいはエネルギーを必要としている装置で消費することができる。液体(たとえば、水)をチャンバ130へ放出すると、液体体積が増加して、チャンバ130内に配置される別の浮揚体134によって別の質量体132が上昇する。質量体132が上昇するにつれ、ケーブル136は、ケーブル142によって別のウインチ144に接続される釣り合い重り140の動作を通じて、ウインチ138に巻回される。質量体132の上昇中、直接エネルギー貯蔵システム151のクラッチ146は脱離される。このため、シャフト148は増速機152および発電機154を作動させずに回転することができる。プーリ150A、150B、150C、150Dは、質量体132および釣り合い重り140の運動によって印加される力の方向を変更するように動作する。一実施形態では、プーリ150A〜150Dはケーブル136および142と共に使用される。一実施例では、液体チャンバ102からの液体が液体チャンバ130に移送されると、質量体132は、直接エネルギー貯蔵装置151に貯蔵される最大位置エネルギーを示す最大高さまで上昇させられる。
間接エネルギー貯蔵機構171は、液体チャンバ102からの液体が液体チャンバ130に流れ込む際に生成されるエネルギーを貯蔵する。エネルギーがコンバータ172に受け取られると、コンバータ172は減速機174を動作させてウインチ176を回転させ、重り178を上昇させる。減速機174は通常、少量のエネルギーも受け取るように構成される。一実施形態によると、減速機174は、直接エネルギー貯蔵機構101および151によって提供されるのと同様の機械的な比で動作するように構成される。一実施例として、減速機174は3000:1の回転入力対回転出力比で動作するように構成することができるが、他の実施形態では、異なる構成で異なる比を採用することができる。別の実施形態では、間接エネルギー貯蔵機構は、直接エネルギー貯蔵機構101および151とタービン発電機131との出力の両方のエネルギー出力全体を受け入れるように構成される。一実施例では、間接エネルギー貯蔵機構171は、図1A〜1Dに示されるエネルギー出力段階の複数のサイクルのエネルギー出力全体を受け入れるように構成される。たとえば、質量体178は、直接エネルギー貯蔵機構101および151、ならびにタービン発電機131の少なくとも一つによるエネルギー生成の複数の段階の出力以上である最大位置エネルギーを提供するように、増速機180および発電機182に関連したサイズに設定することができる。
動作中、質量体178が上昇すると、クラッチ175が係合され、別のクラッチ179が脱離される。質量体が上昇すれば、つめ車およびレバー184が質量体の降下を防止する。この時点で、間接貯蔵装置171は貯蔵されたエネルギーの放出のために準備される。
特定の実施形態では、間接貯蔵機構171は直接エネルギー貯蔵機構101および151から離間して配置することができる。間接貯蔵機構171を離して配置することで、質量体178の動作距離がより大きい構成を可能にし、よってより大きな位置エネルギーの貯蔵を可能にする。また、異なる設置位置はより大きな重り178を用いた実施例、ひいてはより大きな増速機180を用いた実施例を可能にする。一実施例として、発電機182が一定に維持されると仮定すれば、複数の増速機180を採用して、位置エネルギーの貯蔵及び放出時間を大きく増大させることができる。もしくは、質量体178の重量を増大させ、増速機180によって供給される出力を増大させる大規模な施設は、より大きなパワー出力を提供することができる。たとえば、放出時間を一定に保ち、質量体及び増速機の組合せのサイズの増大に対してパワー出力レベルを増大させることができる。
間接エネルギー貯蔵機構の場合、クラッチ179を係合させ、つめ車およびレバー184を解放させて、貯蔵されたエネルギーを所望の時間にわたって放出することができる。上述したように、エネルギー貯蔵機構は、用途固有のパワーレベルおよび出力時間を含め、ほぼいかなる放出量に関して容易に構成される。
同一のエネルギー出力でより長い放出時間を実現することは、質量体178を適切なサイズに設定し、増速機によって供給される入力対出力比のバランスをとることによる。一実施例において、それぞれが1:1000の比を提供する2つ増速機を、737,600キロポンド(約3.28ギガニュートン)の重量の重りに接続することができる。増速機の組合せは質量体の降下を制御し、2インチ(50.8mm)の質量体を移動させる約11時間の放出時間を提供するように構成することができる。移動範囲を50フィート(15.24m)まで広げることによって、3333時間の放出時間を実現することもできる。放出時間は様々な重りおよび増速機でシステムを構成することによって調整され得る。
高レベル容器のチャンバ102は天然の場所に設置することができる。大きな水体は、堰き止めること、水門で制御すること、あるいはその他の方法で制御することにより高レベル容器として作用することができる。システム100は、低レベル容器(たとえば、図1Aのチャンバ130)を形成する別の天然の大きな水体にアクセスできるように設置することができる。複数のタービンを水体に接続してもよい。もしくは、容器の一方または両方は1つの水体を利用して、あるいは利用せずに、人工のものにすることができる。浮揚体106および134は重い重りを収容する任意のサイズで作製することができる。排水量の大きな浮揚体の一実施例は、約100,000トンを排水する現代の航空母艦である。その他の実施例は、いわゆる「浮揚都市」および浮揚式石油掘削装置を含む。大きな排水量および浮力の少なくとも一方を備えた物体に適切なサイズの増速機を装着することで、重りをごくわずかに移動させるだけで長い放出時間を生成することができる。一実施形態では、浮揚島は天然の水体の表面全体を占めるようにサイズを設定することができる。このように大重量の重りを降下させることによってほぼ無限のエネルギーを生成することができる。特定の実施形態では、湖または池あるいは人工の水体から水を移送させるのに長時間かかる場合がある。しかしながら、それらを使用するエネルギーシステムは、利用可能でクリーンなエネルギーを同じくらい長く、またはより長く放出することができる。
さらに図1Aを参照すると、システム100の動作が示されている。図1Bでは、液体チャンバ102からの液体が重力作用によって下側の液体チャンバ130まで降下させられている。液体104の流動によって生成されたエネルギーは間接エネルギー貯蔵機構171に貯蔵される。図示されるように、エネルギー放出中、クラッチ125は係合され、つめ車120は解放される。総放出時間は増速機124のサイズ、発電機110、質量体108のサイズ、液体チャンバ102のサイズによって限定される許容運動範囲に関連して決まる。好適な実施形態では、システム100は商業利用に見合った放出時間で構成される。特定の状況では、商業的に実現可能なエネルギー放出は数時間の放出時間範囲内で提供される。一実施例では、循環型装置は各直接エネルギー貯蔵機構から12時間にわたる放出時間を提供し、ときには循環システム100のサイクル中、24時間のエネルギー生成も可能にする。別の実施形態では、より小さな増分のエネルギーが直接エネルギー貯蔵機構によって生成され、数時間、数日間、数週間、さらには数ヶ月の放出のために間接エネルギー貯蔵機構171によって蓄積される。一層小さな増分のエネルギーを上記システムに長期間にわたり蓄積することができ、大量の位置エネルギーを長期間蓄積し、放出することができる。各種の無限エネルギー源が活発な活動期間(パワー生成)および間欠的な非活動期間の条件下にある場合が多いことを考えると、上記システムの利点は明確である。太陽光によるエネルギー生成の場合、たとえば有効な日光がなければエネルギーは生成されない、同様に、風力発電所の場合、風がなければエネルギーが生成されない。生成されたエネルギーまたは生成されたエネルギーの少なくとも一部を貯蔵することによって、一定のエネルギー供給を確保することができる。特定の実施例では、複数の間接エネルギー貯蔵システムが、一定のエネルギー生成を提供するために1つまたはそれ以上の直接エネルギー貯蔵システムと併せて使用される。特定の実施形態では、単独の直接エネルギー貯蔵システムが単独の間接システムと連結される。
図1Bに示されるように、質量体108が降下を完了し、かつ位置エネルギーが放出され、かつ特定の実施形態によると、出力エネルギーが間接貯蔵機構171に貯蔵されると、質量体132をチャンバ130の高さまで上昇させることで生成される位置エネルギーは、使用および間接エネルギー貯蔵装置171への貯蔵の少なくとも一方のために解放することもできる。図1Bに示されるように、質量体132はこの時点で最大の高さ位置に配置されている。チャンバ130が空になった後の任意の時点で、あるいはレバーの解放時に、システム151によってエネルギーを放出するために、つめ車およびレバー156が係合される。図1Cに示されるように、ポンプ190はチャンバ130を排水しチャンバ102を充填するように動作する。ポンプ190は間接エネルギー貯蔵装置171に貯蔵されたエネルギーから作動させることができ、あるいは別のエネルギー源を採用してポンプ190に動力を供給してもよい。液体チャンバ102が充填されるにつれ、浮揚体106と質量体108は上側の位置に戻る。液体チャンバ130内の液面が低下すると、つめ車およびレバーの解放時に直接貯蔵機構151によってエネルギーを生成することができる。上述したように、質量体132の降下によって放出されたエネルギーは後の使用のために間接エネルギー貯蔵機構171によって貯蔵すること、および生成されたエネルギーの一部を他の用途に利用することの少なくとも一方を実施できる。貯蔵および生成の周期的動作は、システム100が質量体108および132の昇降を繰り返す際に、比較的大きなエネルギーを生成する能力を有する。別の実施形態では、付加的な重りと直接質量体の対を組み合わせて間接貯蔵機構171にパワーを供給することができる。また、循環システム100の複数の組合せを設置することができる。特定の実施例では、制御システムおよびセンサは、任意の直接および間接エネルギー貯蔵機構を自動的に動作させるように構成される。たとえば、水門122は、チャンバ102内の水センサに基づき自動的に動作させることができる。また、直接および間接エネルギー貯蔵システムのクラッチは自動動作を可能にするように自動的に係合または脱離させることができる。
別の実施形態では、複数の間接エネルギー貯蔵機構をシステム100に組み込むことができる。さらに、特定の実施形態は、エネルギーを貯蔵および解放する複数の質量体を備えた単独の間接エネルギー貯蔵機構を含むことができる。図1A〜図1Dを参照して上述した周期的段階は、複数の間接エネルギー貯蔵機構、および複数の質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構の少なくとも一方を利用するように変更することができる。具体的には、1つの間接エネルギー貯蔵機構がポンプ190に出力を供給する一方(チャンバ102の充填)、質量体132の降下によって生成されるエネルギー出力(図1Dに示す)を第2の間接エネルギー貯蔵機構に供給することができる。もしくは、たとえば図2Bに示されるように、複数の質量体を備える個々のエネルギー貯蔵機構の互いに対向する両側で同じ動作ができるように構成することができる。
特定の実施形態では、システム100は、図1A〜図1Dに示されるよりも少ない段階で動作するように構成することができる。一実施例では、システム100は複数の間接エネルギー貯蔵機構(たとえば、機構171)を含むことができ、別の実施例では、システム100は複数の質量体(たとえば、図2Bの質量体250)を備えた間接貯蔵機構を含むことができる。複数の間接エネルギー貯蔵機構または複数の質量体を備えた単独の間接エネルギー貯蔵機構を使用することにより、図1Aおよび図1Bに示される段階を1つの段階に組み合わせることができる。同様に、図1Cおよび図1Dに示される段階は組み合わせることができる。図1Aを参照すると、たとえば、質量体108は、タービン131を介して水流で降下するように構成することができる。発電機110の出力を間接エネルギー貯蔵機構(たとえば、機構171)に供給し、タービン131の出力を別の間接エネルギー貯蔵機構(図示せず)に供給することができる。別の実施形態では、タービン131の出力を複数の質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構のうちの特定の質量体(たとえば、図2Bの質量体212)を上昇させるように誘導させ、発電機110の出力は複数の質量体のうちの別の質量体(たとえば、図2Bの質量体262)に誘導させることができる。図1Cおよび図1Dに示される段階も同様に組み合わせることができる。たとえば、1つの間接貯蔵機構または別の実施例では、複数の質量体のうちの1つを降下させて、ポンプ190に送られる出力パワーを生成することができる。併せて、第2の間接エネルギー貯蔵機構または複数の質量体のうちの別の1つを持ち上げて、水流で質量体132を降下させ、発電機154から第2の間接エネルギー貯蔵機構または複数の質量体のうちの別の1つにエネルギーを出力することができる。
図1A〜図1Dに示され、以下さらに説明する動作段階を繰り返して、一定のエネルギー出力を得ることができる。さらに、2段階が使用される(たとえば、図1Aおよび図1Bに示される段階が共に発生し、図1Cおよび図1Dに示される段階が共に発生する)実施形態では、動作段階を繰り返すことによって、一定のエネルギー出力を任意の所望の期間にわたって提供することができる。図1Eはリレー199を含むシステム100の例示的実施形態を示す。リレー199はシステム100のコンポーネントに制御信号を供給して、動作段階中にコンポーネントを自動的に構成するように構成および配置される。リレー199はコンポーネントの状態を制御して、エネルギー貯蔵とエネルギー解放の間を変移させるように構成することができる。特定の実施形態では、リレー199はシステム内の液体流を制御するように構成することもできる。たとえば図1Aに示されるのは、水門122とポンプ190とを含むシステム100である。図1Eに示されるように、水門122は接続部198を介してリレー199によって送られる制御信号に応じて自動的に開閉するように構成することができる。さらに、ポンプ190は、接続部197を介してリレー199によって送られる制御信号に応じて液体を自動的に押し出すように構成することができる。たとえば図1A〜図1Dに示されるように、リレー199は複数の動作段階を管理するように構成することができる。特定の実施形態では、リレー199は図1A〜図1Dに示される段階を組み合わせるように構成することができる。一実施例では、図1Aおよび図1Bに示される段階が共に実行されるようにリレー199によって管理することができ、別の実施例では、図1Cおよび図1Dに示される段階が共に実行されるようにリレー199によって管理することができる。
一実施形態では、リレー199は、直接エネルギー貯蔵装置101のコンポーネントに接続される。リレー199は接続部195を介してクラッチ125に接続され、接続部196を介してつめ車およびレバー120に接続される。エネルギー生成が直接エネルギー貯蔵装置101によって必要とされると、リレー199は接続部195および196をそれぞれ通じて、クラッチ125を係合させ、つめ車およびレバー120を脱離させることができる。チャンバ102の液面が十分に低いと仮定すると、質量体108が降下してエネルギーを生成する。特定の実施形態では、チャンバ102の液面は質量体108の降下を制御することができる。リレー199は水門122を自動的に開閉することができ、リレー199によって接続部198を介して水門122を制御することにより、液面を制御することができる。水門122が解放されると、液体は水門122およびタービン131を流れ、チャンバ102の液面が低下する。質量体108は液面の低下に応じて降下してエネルギーを生成するように構成することができる。状況によっては、つめ車およびレバー120は質量体108の降下前に脱離させておかねばならない。リレー199は水門122の開放に合わせてつめ車およびレバー120を解放するように構成することができる。
エネルギー貯蔵が直接エネルギー貯蔵装置101によって必要とされる際、リレー199は制御信号を各自のコンポーネントに送信することによってクラッチ125を脱離させ、つめ車およびレバー120を係合させるように構成することができる。
一実施形態では、リレー199は直接エネルギー貯蔵装置151のコンポーネントに接続される。リレー199は接続部188を介してクラッチ146に接続され、接続部189を介してつめ車およびレバー156に接続される。エネルギー生成が直接エネルギー貯蔵装置151によって必要とされると、リレー199は接続部188および189をそれぞれ介してクラッチ146を係合させ、つめ車およびレバー156を脱離させるように構成することができる。チャンバ130の液面が十分に低い場合に、質量体132が降下してエネルギーを生成する。特定の実施形態では、チャンバ130の液面によって質量体132の降下を制御することができる。リレー199はポンプ190を自動的に始動および停止させることができ、リレー199によって接続部197を介してポンプ190を制御することにより、液面を制御することができる。特定の実施例では、接続部197へのパワーの供給により始動され、電源の停止により停止される。ポンプ190が作動されると、液体がチャンバ130から外部へ流れ出し、チャンバ130の液面が下降する。質量体132は液面の低下に応じて降下してエネルギーを生成するように構成することができる。状況によっては、つめ車およびレバー156を質量体132の降下前に脱離させなければならない。リレー199は、ポンプ190の始動に合わせてつめ車およびレバー156を解放するように構成することができる。特定の実施例では、つめ車およびレバー156はポンプ190の始動後に解放させることができる。別の実施例では、つめ車の解放は長時間にわたって遅延させることができる。
エネルギー貯蔵が直接エネルギー貯蔵装置151によって必要とされる際、リレー199は制御信号をそれぞれのコンポーネントに送信することによって、クラッチ146を脱離させ、つめ車およびレバー156を係合させるように構成することができる。
別の実施形態では、リレー199は間接エネルギー貯蔵装置171のコンポーネントに接続される。一実施例では、リレーは接続部194を介してクラッチ179に、接続部192を介してクラッチ175に、接続部193を介してつめ車およびレバー184に接続される。エネルギー生成が間接エネルギー貯蔵装置171によって必要とされると、リレー199は接続部194、192、193のそれぞれから送られる制御信号を用いて自動的にクラッチ179を係合させ、クラッチ175を脱離させ、つめ車およびレバー184を脱離させるように構成することができる。つめ車およびレバー184が脱離すると、質量体178は降下して、発電機182の動作を通じてエネルギーを生成する。
エネルギー貯蔵が間接エネルギー貯蔵装置171で必要とされると、リレー199は接続部194、192、193のそれぞれから送られる制御信号を用いて自動的にクラッチ179を脱離させ、クラッチ175を係合させ、つめ車およびレバー184を係合させるように構成することができる。コンバータ172にパワーを入力すると、質量体178は係合されたクラッチ175を介したコンバータ172の回転出力の伝達によって上昇させられ、質量体172が上昇してエネルギーを間接エネルギー貯蔵機構171に貯蔵する。さらに、リレー199は複数の質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構(たとえば、図2B)を制御するように構成することができる。リレー199は、複数の質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構の構成要素を自動的に制御するように構成することができる。一実施例では、2つの質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構の両側をリレー199によって個々に制御することができる。リレー199は、2つの質量体(たとえば、図2Bの質量体262に接続されるクラッチ253および256と図2Bの質量体212に接続されるクラッチ206および203)のそれぞれに接続されるクラッチを係合および脱離させて、2つの質量体それぞれについてエネルギー貯蔵とエネルギー生成との間で変移させるように構成することができる。一実施例では、クラッチ256を係合させクラッチ253を脱離させて、エネルギー生成用に二質量体間接エネルギー貯蔵機構の片側を構成する。クラッチ256を係合させてつめ車およびレバー254を解放すると、質量体262の降下によって生成された力が発電機208へと伝達されてエネルギーを生成する。逆にクラッチ256を脱離させクラッチ253を係合させて、エネルギー貯蔵用の一方(通常はつめ車およびレバー254を係合させる)を構成し、コンバータ251の回転出力を質量体262の上昇運動へと変換させる。
二質量体間接エネルギー貯蔵システムの2つ目の質量体も同様にエネルギー貯蔵およびエネルギー生成用に構成される。クラッチ206を係合させクラッチ203を脱離させて、エネルギー生成用の二質量体間接エネルギー貯蔵機構の他方を構成する。クラッチ206を係合させてつめ車およびレバー204を解放すると、回転入力として質量体212を降下させることによって生成された力が発電機208に伝達される。クラッチ206を脱離させクラッチ203を係合させると、第2の質量体はエネルギー入力をコンバータ201へ伝達して質量体212を上昇させることによってエネルギーを貯蔵するように構成される。エネルギー貯蔵は通常、エネルギー貯蔵中に質量体212が降下しないように確保するつめ車およびレバー204の係合を含む。
さらに別の実施形態では、スイッチ161Aおよび161Bをチャンバ102および130にそれぞれ設置してもよい。スイッチ161Aおよび161Bからの信号は、接続部191Aおよび191Bを介してリレー199によって受信される。リレー199はスイッチ161Aおよび161Bから受信した信号に応じて、エネルギー貯蔵とエネルギー生成との間で直接エネルギー貯蔵機構101および151を変移させるように構成することができる。一実施例では、スイッチ161Aは、質量体108が所望の高さに達し、エネルギー生成の準備が整ったことを示す信号を供給することができる。別の実施例では、スイッチ161Bは、質量体132が所望の高さに達し、エネルギー生成の準備が整ったことを示す信号を供給することができる。
特定の実施形態では、直接エネルギー貯蔵機構の状態は、接続された間接エネルギー貯蔵機構の状態に関連して移行する。一実施例では、エネルギーが直接エネルギー貯蔵機構によって生成されると、間接エネルギー貯蔵機構は、直接および間接エネルギー貯蔵機構を制御するリレーによる自動構成に基づき生成されたエネルギーを貯蔵するように構成される。エネルギーが直接エネルギー貯蔵機構によって貯蔵されているとき、間接エネルギー貯蔵機構は必要に応じてエネルギーを貯蔵または解放するように構成することができる。複数の質量体を備えた間接貯蔵機構は2つ以上の直接エネルギー貯蔵機構に接続することができる。上記構成により、複数の質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構はエネルギー貯蔵とエネルギー生成の両方を並行して提供できる。他の状況では、複数の間接エネルギー貯蔵機構を使用することができる。複数の間接エネルギー貯蔵機構の構成と使用は、位置および所望のエネルギー出力要件の少なくとも一方に基づき変動させることができる。
設置位置は変動する場合があり、たとえば、川は複数の直接および間接エネルギー貯蔵機構が設置できるように容易に適合可能である。さらに詳細に後述するように、自然発生する水をゲート制御して高水位を生成し、そこからエネルギーを抽出することができる。高い水位まで上昇させられた質量体がたとえばつめ車およびレバーの解放時に降下させられる際、水門から水を解放することで水位が下がることによって貯蔵エネルギーが放出される。図4は、直接エネルギー貯蔵機構に関連付けられる水チャンバの水位を高めるため水門での堰き止めを含む川に沿ったシステムの実施例を示す。もしくは、高度の変化を提供する地理的特徴(滝や傾斜流など)を備えた川は、直接エネルギー貯蔵機構用に上昇を生成するのに採用可能な水位の変動を提供することができる。特定の実施形態では、水チャンバを川に沿って組み合わせて配置することができ、第1のチャンバは川の通常の流れにより充填され、第2のチャンバはより低位に配置され、流出路によって第1のチャンバに接続される。特定の実施例では、チャンバは天然に発生する陸地を堀削する、あるいは川岸に沿って構築することができる。別の実施例では、第1のチャンバを川岸に沿って配置し、川岸の特徴に応じて第2のチャンバを高レベルまたは低レベルチャンバのいずれかとして機能させることができる。
流出路には、組み合わせられた直接エネルギー貯蔵機構の間に追加され、かつエネルギーを生成するタービンを設けることができる。このような組み合わせは図1A〜図1Dに示されるシステムに関して前述された循環システムと同様の機構を提供することができ、例外として、天然の川流またはその他の水体が高レベル容器を充填する実施例の場合、ポンプ190を省略してもよい。
図4に示されるように、直接エネルギー貯蔵機構は符号400および450で表示される。水チャンバ402は3つの側面で画定され、第4の側面は水体に開放されている。特定の実施例では、水チャンバ402は、水チャンバ402を閉鎖することによって、水門404が水体406を完全に堰き止めて浮揚体410上に配置される質量体408を上昇させるのに必要な時間を最小限にとどめるための門(図示せず)を含んでもよい。特定の実施形態では、水チャンバを閉鎖する門を水門404の代わりに使用することができる。図4は、水体に沿って実装できるような直接エネルギー貯蔵機構の特徴を示しているが、必ずしも直接エネルギー貯蔵機構のすべての特徴を示しているわけではない。直接エネルギーシステム450のコンポーネントはシステム400のコンポーネントに酷似しており、同様のコンポーネントには同様の参照符号を付してある。ウインチ412にケーブル422を巻回するように構成される釣り合い重りは明瞭化のために図4では省略されている。ケーブル422はウインチ412、質量体408(たとえば、重り)、浮揚体410に装着される。ケーブル422は質量体408の動作によって印加される力の方向を変えるように構成されたプーリ414および416にわたって延在する。水門404は水体406の水位を低下させるように開放することができる。水門404を開放し、それにしたがって水チャンバ402の水位を低下させることで、つめ車およびレバーの解放時に質量体408が降下する。質量体408がたとえば、つめ車およびレバーの解放に応じて低下するにつれ、エネルギーが生成される。ウインチ412は増速機418によって制御されて回転し、発電機420に出力を供給してエネルギーを生成する。特定の実施形態では、直接エネルギーシステムは、発電機420を作動させずに質量体408を移動させることのできるクラッチ(図示せず)を含むことができる。
水位の変更は水チャンバ402の閉鎖によっても達成することができる。排水を利用して閉鎖チャンバの水位を低下させてもよい。また、水をチャンバ402から押し出して質量体408を降下させてもよい。質量体、ウインチ、増速機、発電機のサイズは所望のエネルギー出力/貯蔵の目標値に応じて変動させることができる。実施例におけるサイズは水体の地理的特徴に応じても変動させることができる。たとえば、自然に高度が大きく変化する水体は、より大きな水チャンバを収容することができる。別の実施例は、多数のエネルギー貯蔵機構を収容できる長い水際線を有する水体である。また、水体は循環型エネルギー生成システム(たとえば、図1A〜図1D)の開放サイクルのための水源として使用してもよく、次の低い方の水容器は水体から離れて配置されており、重力作用によって、あるいはポンプ機構を組み込むことによって、次のサイクルを実行しエネルギーを貯蔵および出力してもよい。図4は直接エネルギー貯蔵機構400および450の設置を示す。特定の実施形態によると、達成されたエネルギー出力は間接エネルギー貯蔵機構を供給するために使用される。特定の実施形態では、各直接エネルギー貯蔵機構は間接貯蔵機構に連結することができる。特定の実施形態では、複数の直接貯蔵機構を1つの間接貯蔵機構に連結することができる。さらに、特定の実施形態によると、直接エネルギー貯蔵機構は電力網に接続することができる。特定の実施例では、直接エネルギー貯蔵機構は長期間エネルギーを貯蔵するように構成される。質量体が上昇すると、上昇した質量体の位置エネルギーは、エネルギーの損失なしにほぼ無限の貯蔵期間を得るように構成される。
最適には1500rpmで発電する発電機と2インチ(50.8mm)径のウインチ(たとえば、図1のウインチ114)とを想定すると、1500毎分回転数で、装着された質量体3000インチ(76.2m)の移動に基づき1分間のエネルギー出力が生成される。同一の発電機を前提とすると、1:3000の入力回転対出力回転比を供給する増速機は、1インチ(25.4mm)にわたって落下する質量体(たとえば、図1の質量体108)に基づき1分間のエネルギー出力を生成する。質量体は増速機を作動させるサイズに設定され、たとえば増速機を作動させるのに必須の入力を提供する。動作時、増速機は質量体の降下速度を制御して、質量体の降下中にエネルギー貯蔵システム(直接または間接)による一定のエネルギー生成を可能にするように構成される。上記システムの能力は、装着される質量体の実現可能な運動範囲において極めて長期間のエネルギー放出を提供するように拡張することができる。特定の実施形態では、発電機(たとえば、図1の発電機110)のサイズおよび出力を変更することで、より高レベルのエネルギー出力およびより長いエネルギー出力時間の少なくとも一方が実現される。また、質量体(たとえば、質量体108)のサイズを変更することで、直接エネルギー貯蔵装置(たとえば、101)のその他の要素(たとえば、装着される増速機)の適切に設定されたサイズを通じて、エネルギー出力を増加させることができる。
間接貯蔵機構
一態様によると、任意の量のエネルギーを効率的に貯蔵する商業的に実現可能なエネルギー生成システムが達成可能である。ほぼ任意のエネルギー源も効率的な貯蔵で強化して、使用可能な範囲のエネルギー出力および使用可能な範囲の出力時間を達成することができる。図2Aは間接エネルギー貯蔵機構200の一実施形態を示す。間接エネルギー貯蔵機構200は、様々な種類のエネルギーを装置200に貯蔵される機械エネルギーに変換するコンバータ201を含む。様々な種類のエネルギーは、異なる種類のコンバータの使用を必要とする場合がある(たとえば、モータが電気エネルギーを機械エネルギーに変換する。燃焼機関が化学物質、化石燃料、または鉱物を機械エネルギーに変換する。ミルが人力、動物の力、または水力を機械エネルギーに変換する。タービンが水蒸気、水位置エネルギー、または風力エネルギーを機械エネルギーに変換する)。
減速機202はコンバータ201からの入力回転の速度を低下させ、トルクが増大された低速の出力回転を供給するために使用される。クラッチ203は駆動シャフト214Aおよび214Bを接続および切断して、エネルギー貯蔵(充電)中にコンバータ201によって作動される減速機202からの力を伝達する。クラッチ203は充電のための貯蔵中に、「オン」として接続される。クラッチ203は放出中に、「オフ」として切断される。
クラッチ206は駆動シャフト214Cおよび214Dを接続および切断してエネルギーを増速機207に伝達し、発電機208を作動させるために使用される。解放(質量体の降下)中、クラッチ206は「オン」として接続される。実施形態によっては、貯蔵(質量体の上昇)中、クラッチは「オフ」として切断される。ラチェットレバー216を有するつめ車204は質量体または重り212を適所に保持するために使用される。エネルギーが貯蔵されるときに駆動シャフト214が質量体212によって印加される力で回転するのを防止するために、その他の機構を採用することができる。一実施形態によると、つめ車およびレバーは、エネルギー貯蔵のために駆動シャフト214B〜214Dを動作させるように構成されるが、貯蔵が停止されるときは常に、つめ車およびレバーが自動的にロックすることによって、貯蔵されたエネルギーの放出を防止する。
特定の実施形態では、エネルギーはレバー216を脱離させることによって解放させることができる。一実施例では、レバー216はつめ車204から脱離されて、質量体212に装着されるケーブル209を収容するウインチ205の繰り出し動作を可能にする。特定の実施例では、レバー216の解放は、システム200の状態に関する信号を送るセンサ(図示せず)に応答する制御システム(図示せず)によって自動的に達成することができる。一実施例では、制御システムは、質量体の高さまたは質量体が所望の高さを達成したことを示すその他の位置情報に関するセンサからの信号に応答する。別の実施例では、いずれかのウインチの回転を監視して、質量体の位置に関連付けることができる。ウインチ205はまた駆動シャフト214Bおよび214Cを回転させることによって生成される力の伝達を変更する。プーリ210および211はさらに、ケーブル209によって質量体212を上昇させるために印加される力の方向を変更する。プーリ210および211は、ケーブル209を支持し、力の方向を変更し、誘導するように作用する。特定の実施形態では、追加のプーリを組み込んで、質量体212にさらなる安定性および支持性の少なくとも一方を提供することができる。明瞭化のため、2つのプーリ210、211を有する間接エネルギー貯蔵機構200を示す。
増速機207は、質量体212(たとえば、重い重り)の移動によって生じる駆動シャフト214Cおよび214Dの速度を調節する。増速機207は、発電機208の動作パラメータ(たとえば、速度とトルク)に適合する出力を達成するようなサイズに設定される。発電機208は機械エネルギーを電気エネルギーに変換するために使用されて各種タスクを実行する。発電機208は、特定の機械に電力をバックアップエネルギーとして供給すること、および電力網(市町村またはそれ以外)に直接接続することの少なくとも一方のために用いることができる。発電機208のサイズおよび所望の出力は、望まれる実施例に応じて変動させることができる。一実施例では、一定のエネルギー生成の需要が制御の要因になる可能性がある。たとえば1000Wの出力を目標にすることによって、質量体を様々な高さまで上昇させて、数時間、数日間、さらには数ヶ月間にわたって、1000Wのエネルギーを生成することができる。所望の上昇が所望の出力時間にわたって達成されるまで、質量体は時間をかけて少しずつ緩やかに増分させて上昇させることができる。
複数の間接エネルギー貯蔵機構をつなぎ合わせることによって、長期間にわたり非常に大きなパワー出力を一貫して生成することができる。間接貯蔵機構200の各種コンポーネントのサイズは、ほぼ任意の特定された出力レベルおよび放出時間範囲に対しても柔軟に設定することができる。しかしながら、増速機によって提供される比を変動させるには通常、質量体212のサイズ(重量)を変動させる必要がある。質量体を調節せずに増速機による比を単純に増大させるだけでは、機構200が動作不能になる可能性がある。通常、増速機207によって提供される比を高めるには、増速機と発電機との組合せを動作させるのに十分な力を提供するために質量体212のサイズを増大させる必要がある。
任意の発電機のパワー出力は、増速機207および質量体212と両立するようなサイズに設定すべきである。特定の実施形態では、特定の発電機は所望のパワー出力を提供するように選択され、システムの残りの構成要素は所望のエネルギー出力および所望の出力時間を達成するように発電機を作動させるサイズに設定される。質量体(たとえば、質量体212)は上昇させられるときに位置エネルギーを生成する。質量体212が上昇させられる際、つめ車204およびレバー216は自動的に質量体212の降下を防止することができる。係止状態では、間接エネルギー貯蔵機構200はレバー216の解放時に、所定のパワーレベルのエネルギー出力を需要に応じて供給する。
図2Bは、間接エネルギー貯蔵機構250の別の実施形態を示す。明瞭化のため、類似のコンポーネントには類似の参照符号が付されている。間接エネルギー貯蔵機構200および250の間の主な動作上の差異は、間接エネルギー貯蔵機構が2つの質量体212および262を含むことである。この構造では、間接エネルギー貯蔵機構250はエネルギーを受け取り、他方の質量体の降下を通じてエネルギーを同時に出力しつつ、受け取ったエネルギーを一方の質量体の上昇へと変換することができる。
間接エネルギー貯蔵機構250は、発電機208で相互に接続される対称構造201〜212および251〜262を含む。構造201〜212は図2Aに示され記述される間接エネルギー貯蔵機構200に関連して上述したように動作する。構造251〜262の動作と構成を以下においてより詳細に説明する。間接エネルギー貯蔵機構250は、様々な種類のエネルギーを装置250に貯蔵される機械エネルギーに変換するコンバータ251を含む。様々な種類のエネルギーは様々な種類のコンバータ(たとえば、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するモータ)の使用を必要とする場合がある。燃焼機関は化学物質、化石燃料、または鉱物を機械エネルギーに変換する。ミルは人力、動物の力、または水力を機械エネルギーに変換する。タービンは水蒸気、水の位置エネルギー、または風力エネルギーを機械エネルギーに変換する。
減速機252は、コンバータ251からの入力回転速度を低減させ、より低速でトルクを増大した出力回転を供給するために使用される。クラッチ253は駆動シャフト264Aおよび264Bを接続および切断して、エネルギー貯蔵(質量体262の充電すなわち上昇)中にコンバータ251によって作動される減速機252からの力を伝達する。クラッチ253は充電用の貯蔵(質量体262の上昇)中、「オン」として接続される。クラッチ253はそれぞれの放出段階中に「オフ」として切断される。
クラッチ256は駆動シャフト264Cおよび264Dを接続および切断してエネルギーを各増速機257に伝達するために使用され、該増速機はクラッチ256が係合されるときに発電機208を作動させる。発電機208は増速機207または257のいずれかから入力回転を受け取り、供給される入力に応じて出力としてエネルギーを生成するように構成することができる。特定の実施形態では、発電機208は1度に1つのみの入力回転を受け取るように構成されるため、クラッチ206が係合されると、クラッチ256は脱離されて、反対側からの回転が同時に発電機208に伝達されないように保証される。しかし、特定の実施形態では、発電機208は同時に両側から入力回転を受け取るように構成することができる。特定の実施例では、2つ以上の発電機を208で採用してエネルギー出力を促進することができる。
エネルギー生成中、クラッチ256は「オン」として接続され、実施形態によっては、貯蔵中、「オフ」として切断される。ラチェットレバー266を備えるつめ車254は質量体または重り262を適所に保持するために使用される。エネルギーが貯蔵されるときに駆動シャフトが質量体262によって印加される力で回転するのを防止するために、その他の機構を採用することができる。一実施形態によると、つめ車およびレバーはエネルギー貯蔵のために駆動シャフト264B〜264Dを動作させるように構成されるが、貯蔵が停止されるときは常に、つめ車およびレバーが自動的に係止して、貯蔵されたエネルギーの放出を防止する。
特定の実施形態では、その後、エネルギーはレバー266を脱離させることによって解放することができる。一実施例では、レバー266は、質量体252に装着されるケーブル259を収容するウインチ255の繰り出し動作を可能にするようにつめ車254から脱離される。特定の実施例では、レバー256の解放は、システム250の状態に関する信号を供給するセンサ(図示せず)に応答する制御システム(図示せず)によって自動的に行なうことができる。一実施例では、制御システムは質量体の高さ、または質量体が所望の高さを達成したことを示すその他の位置情報に関するセンサからの信号に応答する。別の実施例では、いずれかのウインチの回転を監視して、質量体の位置に関連付けることができる。また、ウインチ255は、駆動シャフト254Bおよび254Cの回転によって生成される力の伝達を変更させる。プーリ260および261は、質量体262を上昇するためにケーブル259によって印加される力の方向を変更させる。プーリ260および261は、ケーブル259を支持し、力の方向を変更し、ケーブル259を誘導するように動作することができる。特定の実施形態では、追加のプーリを組み込んで、質量体262にさらなる安定性および支持性の少なくとも一方を提供することができる。明瞭化のため、間接エネルギー貯蔵機構250には、質量体262に対して2個のプーリ260および261が示されている。
増速機257は、質量体262(たとえば、重い重り)の移動によって生じる駆動シャフト264Cおよび264Dの速度を調節する。増速機257は、発電機208(たとえば、速度およびトルク)の動作パラメータに適合する出力を達成するようなサイズとされる。一実施例では、増速機は、速度が増加しトルクが低減された出力回転を発電機208に対して生成する回転を受け取り入力するように構成される。発電機208は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換して各種タスクを実行するために使用される。一実施形態では、複数の間接エネルギー貯蔵機構をつなぎ合わせることによって、長期間にわたり非常に大きなパワー出力を一貫して生成することができる。間接貯蔵機構250の各種コンポーネントのサイズは、ほぼ任意の特定された出力レベルおよび放出時間範囲に対しても柔軟に設定することができる。しかしながら、増速機によって提供される比を変動させるには通常、質量体262のサイズ(重量)を変動させる必要がある。質量体を調節せずに増速機による比を単純に増大させるだけでは、機構が動作不能になる可能性がある。通常、増速機257によって提供される比を高めるには、増速機および発電機の組合せを動作させるのに十分な力を提供するため質量体262のサイズを増大させる必要がある。
任意の発電機のパワー出力も、増速機257および質量体262に応じた大きさに設定されるべきである。二質量体の実施形態では、質量体262および212にそれぞれ異なる重量を用いることができ、各質量体が、質量体と協働するように構成される増速機(たとえば、増速機207および257)に接続される。特定の実施形態では、特定の発電機が所望のパワー出力を提供するように選択され、システムの残りの構成要素は所望のエネルギー出力および所望の出力時間を達成するように発電機を動作させるサイズに設定される。特定の実施形態では、2つの質量体212および262は、間接エネルギー貯蔵機構の片方が常にエネルギーを生成できるため、間接エネルギー貯蔵機構によって一貫して一定したエネルギー出力が可能である。質量体(たとえば、質量体212および262)は上昇させられる際に位置エネルギーを提供する。それぞれの質量体(212または262)が上昇させられるにつれ、それぞれのつめ車204、254およびレバー216、266は係合して、自動的にそれぞれの質量体212、262の降下を防止することができる。係止状態では、間接エネルギー貯蔵機構250は、レバー216、266のいずれかの解放時に、所定のパワーレベルのエネルギー出力を需要に応じて提供する。複数の質量体を備えた間接エネルギー貯蔵機構は、図1A〜図1Dに開示される循環工程を含め、様々なエネルギー生成用途に合わせて使用することができる。
一態様によると、無限エネルギー源生成を間接エネルギー貯蔵機構に接続して、無限エネルギー源の制約にかかわらず、一貫したパワー出力を供給するシステムを提供することができる。たとえば、太陽光エネルギー生成は間接貯蔵と結びつけて、生成されたエネルギーの一部を装着される間接貯蔵装置へと転送させることができる。適切なサイズの間接エネルギー貯蔵機構は、日光が利用できない期間において、エネルギー放出を提供することができる。
一態様では、エネルギー生成サイクルがエネルギー貯蔵サイクルに連結される図1A〜図1Dの循環型生成システムに似たシステムが提供される。各種実施形態では、システム全体が任意の所望期間にわたって、一定のエネルギーを生成することができる。具体的には、太陽光間接システムは、日中に生成されたエネルギーを貯蔵し、夜間などの暗い期間に、貯蔵されたエネルギーを放出することによって24時間生成を提供することができる。また、様々なサイズの間接エネルギー機構を上記システムと共に使用するように構成することができる。質量体および連結上昇機構(たとえば、コンバータおよび減速機の組合せ)は、数日間、数週間、数ヶ月間、さらには数年間かかって質量体を上昇させるサイズに構成することができる。同様のサイズの生成機構(たとえば、発電機と増速機の組合せ)は、数日間、数週間、数ヶ月間、さらには数年間にわたる放出を生成することができる。
その他のエネルギー生成システムを間接貯蔵機構に連結してもよい。たとえば、重りを手動で上昇させることによって生成されるエネルギーを使用することができる。貯蔵要素(重り)は、身体運動から消費されるエネルギーを収容するようにサイズを設定することができる。特定の実施形態では、エネルギー貯蔵機構は携帯可能に構成することができる。たとえば、質量体は適切なサイズのチャンバとすることができる。チャンバを任意の利用可能な材料で充填して十分な重量の質量体を実現することができる。これにより、容易にアクセスし易い従来のエネルギー源(有限または無限)を使用せずに遠隔地でも日々使用できるように、間接エネルギー貯蔵機構が携帯可能になる。上記実施例はエネルギー入力としての手動作業に依存するが、長時間の使用可能なエネルギー放出を提供する。
一実施例では、間接エネルギー貯蔵機構は、
上昇させられるとき、充電中にエネルギー入力をシステムに貯蔵することができ、降下中にエネルギーを生成することができる質量体と、
質量体の降下速度を制御し、エネルギー出力中に発電機に最適回転速度およびトルクを供給する増速機と、
貯蔵中に必要なトルクを供給して質量体を上昇させ、少なくとも増速機によって提供されるのと同じ機械的利点を有する減速機と、
使用可能なエネルギー放出期間を供給する発電機と、
少なくとも1つのクラッチとを備える。
表1は、可能な出力時間の算出例を示す。算出例では、2インチ(50.8mm)の周長を有するウインチ、737.6フィートポンド/秒(約1キロニュートンメートル/秒)の動作要件を有する発電機を備えること、便宜上、約1500毎分回転数を想定して最適なエネルギーを生成する。
直接エネルギー貯蔵機構
本発明の別の態様では、直接エネルギー貯蔵機構は、エネルギーの商業的に使用可能な放出を提供するのに採用することができる。直接エネルギー貯蔵機構によるエネルギー出力は、数時間、数日間、数ヶ月間、さらには数年間の期間にわたって放出を供給するように構成することができる。図3Aは直接エネルギー貯蔵機構300の一実施例を示す。機構300は機械的力を電気エネルギーに変換する発電機301を含む。異なるレベルのエネルギーを出力するには異なる動作特性を有する異なる発電機の使用を必要とする。発電機301は増速機302および質量体309の選択と合わせたサイズにされ、所望の出力レベルおよび放出時間の少なくとも一方を提供する。
増速機302は増速機302と発電機301との間で駆動シャフト314Aの速度およびトルクを調整するために使用され、さらに質量体309の降下を調整する。クラッチ303はエネルギー放出中に力を伝達し、充電中に駆動シャフト314Bおよび314Cを切断するために、駆動シャフト314Bおよび314Cを接続および切断する。クラッチ303は貯蔵(充電)と解放(放出)中に切断される(「オフ」にされる)。クラッチ303は接続されて(「オン」にされて)増速機302および発電機301を作動させるように駆動する。
質量体309の降下を防止するように構成することのできるラチェットレバー316を備えるつめ車304を設けてもよい。エネルギーが貯蔵されるときに駆動シャフト314Cが質量体309の印加力で回転するのを防止するその他の機構を採用することができる。一実施形態によると、つめ車304およびレバー316は、エネルギーの貯蔵(すなわち、質量体の上昇)のため駆動シャフト314Cを動作させるように構成されるが、貯蔵が停止されたときは常に、つめ車304およびレバー316が貯蔵されたエネルギーの放出(すなわち、質量体の降下)を自動的に防止する。特定の実施形態では、その後、エネルギーはレバー316を脱離させることによって解放することができる。一実施例では、ラチェットレバー316は運動を可能にするようにつめ車304から脱離される。レバー316の解放は制御システム(図示せず)の動作によって自動的に行なうことができる。制御システムは動作中にクラッチ303を係合および脱離させることができる。
第1のウインチ306は質量体309の上昇中、ケーブル307Bを巻き上げる。第1のウインチ306は、釣り合い重り311の降下に応じてケーブル307Bを巻き上げるように構成される。釣り合い重り311はケーブル307Aによって第2のウインチ305に接続される。プーリ308A、308B、308C、308Dは力の方向を変更させるように構成される。要素308A〜308Dはエネルギーの貯蔵および放出中に用いられ、質量体309および釣り合い重り311のそれぞれの昇降を誘導する。要素308A〜308Dはプーリとして示されるが、その他の機構も採用可能である。図3Aには、一対のプーリ308Cおよび308Dおよび308Aおよび308Bと、第1のウインチ306および第2のウインチ305を重りまたは質量体311および309にそれぞれ接続する1つのケーブルとが示されている。1つのケーブルと一対のプーリが図示されているが、ウインチを質量体に接続するには、複数のプーリを介して延びる複数のケーブルを使用することもできる。明瞭化のため、ケーブル307Aおよび307Bが個別のケーブルとして図示されているが、このように限定されるものではない。
第1のウインチ306はケーブル307Bを介して質量体309に接続される。動作時、第1のウインチ306は、質量体309が第2のウインチ305上で釣り合い重り311の降下動作によって上昇させられるときに回転する。釣り合い重り311はケーブル307Aおよび307Bの重量に対応するサイズに設定され、摩擦またはその他同様の力によるシステムの抵抗にも対応するように構成することができる。ケーブル307A、307Bは撚り線金属ケーブル、チェーンリンク、または重い貯蔵要素(重り)の動作に関連する応力および歪力に耐えるように設計されたその他の構成から成ることができる。特定の実施例では、チェーンリンクは、たとえばウインチ306およびウインチ305の少なくとも一方と関連する歯(図示せず)を用いて質量体309の上昇および降下を正確に制御することができるために好ましい。より重い質量体309およびより重い釣り合い重り311の少なくとも一方を支持するために必要に応じて追加の構成要素(たとえば、プーリ308A、308B、308C、308D)を使用することができる。明瞭化のために、重り毎に2つのプーリのみを図3Aに示すが、異なる数のプーリを採用してもよい。
増速機302は、質量体309の降下速度を調節するために設けられる。浮揚体310、たとえば、水位は質量体309の上昇速度を制御する。特定の実施形態によると、任意の水源を使用して質量体309を上昇させることができる。特定の実施例では、降水を水チャンバ(図示せず)に蓄積させることができる。水位が上昇するにつれ、浮揚体310は質量体309を所望の高さに上昇させるように構成される。通常、貯蔵された水は解放されて低い水位を提供する。特定の実施例では、図1A〜図1Dの例に示されるようなポンプの動作によって、あるいは放出パイプの動作によってこれを行なうことができる。別の実施例では、水チャンバは別の方法で水を解放するように構成されてもよい。さらに別の実施例では、その他のシステムは、別の目的のために捕捉された水を使用することができる。水位が低減されると、質量体は静止位置に戻るまで、つめ車およびレバーの解放に応じてエネルギーを放出するように構成される。
水位を上昇させるため、追加の特徴を直接エネルギー貯蔵機構300に組み込むことができる。たとえば、降水蓄積装置が質量体309および浮揚体310を含む水チャンバに水を供給してもよい。特定の実施例では、降水を捕捉して、水チャンバに充填するのに使用してもよい。高所で降水を捕捉することにより、質量体309および浮揚体310の「上昇」が促進される。たとえば、重力の作用により水体を供給する降水蓄積装置は、大量のエネルギーを貯蔵するのに追加のエネルギー入力を必要としない。雨または雪をこの目的で作用させ、エネルギー入力を必要とせずに水源を提供することができる。
図3Aを再度参照すると、増速機302は、発電機301の動作パラメータに適合する回転速度およびトルクを達成するようなサイズに設定される。また、質量体309はレバー316が解放されるまで降下し得ないため、損失なく位置エネルギーを貯蔵する能力はほぼ無限である。実際、貯蔵時間の最大長を検討する上での問題点は、貯蔵機構(たとえば、貯蔵機構300)のコンポーネントの構造的完全性によって制限される点である。他の実施例を用いて、異なるサイズの増速機と質量体(重り)と組み合わせた異なる発電機出力を達成してもよい。しかし、実施形態によっては、エネルギー貯蔵機構は少なくとも1時間の範囲で放出時間を提供するように構成されるべきである。他の実施例は、数時間、数日間、数週間、さらには数年間程度の放出時間を提供するように構成することができる。特定の実施形態では、より小さな規模の作業が望ましく、たとえば数分間の範囲の手動入力放出時間が特定の実施例には適切である。
上述したように、発電機301は機械エネルギーを電気エネルギーに変換して各種タスクを実行する。間接エネルギー貯蔵機構に関して上述したような発電機301は、特定の機械に電力をバックアップエネルギーとして供給すること、および電力網(市町村またはそれ以外)に直接接続することの少なくとも一方のために用いることができる。発電機のサイズおよび所望の出力は、必要とされる実施例に応じて変動させることができる。エネルギー貯蔵機構の各種コンポーネントのサイズは任意の特定された出力レベルおよび放出時間範囲に合わせて設定可能である。しかしながら、増速機を変動させるには通常、質量体のサイズ(重量)を変動させる必要がある。質量体を調節せずに増速機による比を単純に増大させるだけでは、機構が動作不能になる可能性がある。通常、増速機によって提供される機械的な比を高めるには、増速機を動作させるのに十分な力を提供するため質量体のサイズを増大させる必要がある。
図3Bは、エネルギーが高所で貯蔵される水の形で供給される別の直接エネルギー貯蔵機構を示す。一実施形態では、機構350は高層ビル内で作用するように構成される。ビルの通常動作では、高所に貯蔵された水をたとえば飲み水として提供する。その他の水源は、ビルを居住可能にするのに必要な排水を含む。一実施例では、高所の水源を容器362に捕捉することができる。容器はケーブル355によって第1のウインチ354に接続される。ケーブル355はプーリ356および357を介して延びている。第1のウインチ354はシャフト375Aおよびクラッチ353に接続される。クラッチ353が係合されると、第1のウインチの回転がシャフトを介して増速機352に伝達される。増速機は入力回転を受け取り、トルクが低減された出力回転を発電機351に供給する。様々な入力対出力比を提供してもよい。一実施形態では、その比は少なくとも1:100である。容器362を充填するのに水道(たとえば水栓358で示す)が使用される。容器362が満杯になると、容器362は降下させられる。容器362が降下すると、シャフト375Aの動作と第1のウインチ354および第2のウインチ354Aの回転とを介して第2の容器362Aが上昇する。
第2のウインチ354Aはシャフト375Aにも接続される。ウインチ354Aが回転すると、ケーブル355Aが巻き上がり、第2の容器362Aが上昇する。ケーブル355Aは、第2の容器362Aを上昇させるのに供給される力の方向を変えるプーリ357A及び356Aによって誘導および支持される。図示されるように、第2の容器362Aは、最も低い位置に到達すると総重量を放出する。たとえば、第2の容器は、開放されると第2の容器を排水させる栓359Aを含んでもよい。システム350は、空のときの第1の容器362および第2の容器362Aのいずれかを上昇させ、満杯のときの第1の容器362および第2の容器362Aのいずれかを降下させる。
第1の容器362が降下すると、第1のウインチ354およびシャフト375Aが回転して、第1のウインチ354の回転を、第2の容器362Aを上昇させる第2のウインチ354Aに伝達する。さらに、ウインチ354の回転は、シャフト375Bと、係合されたクラッチ353とを介して増速機352に伝達される。増速機352は容器の降下速度を制御し、シャフト375Dを介して出力を発電機351に供給する。発電機351はその動作パラメータに基づきエネルギーを生成する。特定の実施例では、発電機の動作パラメータは所望のエネルギー出力に基づき決定されるとともに、所望のエネルギー出力時間に基づいても決定することができる。発電機の特性が決定されると、システムの残りの構成要素は発電機によって要求される動作パラメータを提供するように構成することができる。たとえば、増速機352Aは、特定の発電機の所要のトルクおよび回転速度に適合する出力を供給するようなサイズに設定することができる。容器362および362Aは、増速機352を作動させるようなサイズに設定された載荷重を有するように構成することができる。
図示されるように、係止機構は貯蔵期間中、および総重量の放出および装荷中に、容器362および362Aを適所に保持するために採用することができる。たとえば、装置360A、361A、360、361(フック用棒とフック用固定具の組み合わせ)は、容器362および362Aを適所に保持するのに使用可能な係止機構の例である。係止機構は全重量の容器の力に耐えるように構成することができる。もしくは、制御装置(図示せず)は、容器362、362Aの排出および充填を管理して、容器の対向荷重が運動を防止するのを補助するように構成することができる。
容器362Aは、質量体362の装荷が完了するまで満杯にしておくことができる。エネルギー生成が必要とされると、質量体362Aに貯蔵される荷重が解放されて機構350を作動させることができる。放出359Aはたとえば放出口および栓359Aとして示されているが、その他の放出機構を採用してもよい。たとえば、質量体は門のある底部(図示せず)を有して構成することができる。門係止の解除時、質量体362Aに含まれる荷重を急速に解放させて、質量体362を降下させ対応するエネルギーを生成してもよい。
図3Bに示される符号356、357、356A、357Aは、ケーブル355および355Aを誘導し、支持を提供し、貯蔵要素(重り)362および362Aの昇降中に印加される力の方向を変更するように構成されたプーリである。プーリ356、356A、357、357Aは、ガイドケーブル355および355Aを誘導し、支持を提供し、印加される力の方向を変更するために採用することのできる装置の一例にすぎない。さらに、機構350は明瞭化のために容器1つにつき1つのケーブルを有するように示されているが、容器とその重りの作動重量を支えるために追加のケーブルを採用してもよく、さらなる支持を提供し、動作中に生成される力の方向を変更するために追加のプーリまたはその他の機構を採用することができる。
質量体362から放出される水はさらに、追加のエネルギーの生成および貯蔵の一方のために利用してもよい。放出口は、水が流れる際にエネルギーを生成するように設計されるタービンに接続されてもよい。もしくは、水の放出はたとえば、図3Aに示されるようにその他の直接エネルギー貯蔵機構と組み合わせてもよい。水を放出することによって、別の直接エネルギー貯蔵システムの水位を上昇させて浮揚体および質量体の組合せを上昇させるために使用してもよい。
一対のパイプおよび栓358、358Aが、高所に貯蔵されるそれぞれの水源に接続される。特定の実施形態では、排水を高所の水源として作用させることができる。別の実施形態では、高所の水源は、例えばビルの屋根に配置される降水蓄積装置を用いて達成することができる。特定の実施例では、容器362および362Aは、下降中に荷重を増加させるように構成することができる。このような実施例は、排水がビルの各フロアで利用可能であるビル環境に特に適する。増速機は符号362および362Aなどの容器内に可変重量を受け取り、可変増速機の採用によって発電機351にとって最適な回転速度を維持するように構成することができる。動作中の質量体、たとえば、質量体362の重量に基づき、増速機352は異なる回転比(入力回転対出力回転)を提供し、運動下での容器の重量の増加および低減時にその間を変移させる。
特定の実施形態では、直接エネルギー貯蔵機構350は、図1Aの直接エネルギー貯蔵機構101および151のような動作を実行するように構成されてもよい。たとえば、容器362および362Aは、液体チャンバ(図示せず)内で動作する浮揚体(図示せず)と共に構成されてもよい。さらに、直接エネルギー貯蔵機構350は1つまたはそれ以上の間接エネルギー貯蔵機構(たとえば、間接エネルギー貯蔵機構200および250の少なくとも一方)に接続されてもよい。さらに、複数の直接エネルギー貯蔵機構(たとえば、直接エネルギー貯蔵機構101、151、300、350)は1つまたはそれ以上の間接エネルギー貯蔵機構(たとえば、間接エネルギー貯蔵機構171、200、250)にエネルギーを供給することができる。
表2は、可能な出力時間の算出例を提示する。算出例では、2インチ(50.8mm)のウインチ、737.6フィートポンド/秒(約1キロニュートンメートル/秒)の動作要件の発電機を備えること、および便宜上、約1500毎分回転数を想定して最適なエネルギーを生成する。
放出時間
一態様によると、高所の物体が位置エネルギーを有するという周知の原理を、該高所の物体の降下速度を制御する厳密な制御機構と併せて使用することで、エネルギー源(有限、無限、直接エネルギー貯蔵機構など)にかかわらず長時間の放出時間を達成可能である。たとえば図5は、運動エネルギーと位置エネルギーとの相互作用を用いた従来モデルの実施例を示す。図5は、所与の重量の物体を所定の高さに上昇させる、あるいは所与の動作高さ範囲内で上昇させるコンバータ501を示す。この例では、質量体512は737.6ポンド(334.8kg)を有すると仮定される。ケーブル509はプーリ510、511を通って質量体512を発電機508(1500rpmの動作速度を想定)に接続される。ケーブル509はウインチ505(たとえば、2インチ(50.8mm)の周囲長さを有するウインチを想定)の周囲に巻かれる。この構成で電力を生成できる。しかし、符号500で示されるようなシステムに課せられる制限は容易に認識されるはずである。充電中、コンバータ501は入力エネルギーを受け取り、それをシャフト515Aの回転力に変換する。シャフト515Aは第1のクラッチ503に接続される。充電時、第1のクラッチ503は係合される。第1のクラッチはシャフト515Bおよび515Cとウインチ505に接続される。シャフト515Aの回転はシャフト515Bおよび515Cを介してウインチ505に伝達される。ウインチ505が回転すると質量体512が上昇する。ウインチ512は、プーリ510および511を介して巻回されるケーブル509によって質量体512に接続される。
エネルギー生成が必要とされれば、質量体512が高所(たとえば、3000インチ(76.2m))から解放され、第1のクラッチ503が脱離され、第2のクラッチ506がエネルギー生成のために係合される。第2のクラッチ506は質量体512の降下によって生成される力を発電機508に伝達する。ウインチ505が回転すればシャフト516Aが回転する。シャフト516Aが第2のクラッチ506に接続され、第2のクラッチはシャフト516Bに接続される。係合された第2のクラッチはシャフト516Aの回転をシャフト516Bに伝達する。シャフト516Bは発電機508に接続される。よって、第2のウインチの回転は発電機508を動作させる。発電機508の1500毎分回転数の動作特性に基づき、図示されるように達成可能な最長出力期間は1分間である。
提供される実施例では、1分の持続時間を提供するため、物体512は少なくとも250フィート(215.24m)、または25階まで上昇させなければならない。これは当然のことながら、2インチ(50.8mm)のウインチの周囲長さを想定している。より大きな周囲長さを有するウインチであれば必然的に、1分の放出の可能性を提供するためにより長い距離を必要とする。よって、より長い放出時間を提供することに関わる問題は、重りを上昇させることができる距離に関する物理的制限を受けることにある。図6に示されるように、1500rpmで動作する発電機608による1時間のエネルギー出力を供給するために同様の物体612を上昇させるのに必要な高さは約15,000フィート(4572m)である。エネルギー貯蔵機構にとって使用可能な放出時間を達成するためにより高く物体を上昇させるという解決策は、単に実現可能ではない。図6に示されるように、わずか2インチ(50.8mm)の周囲長さのウインチ605ですら、物体612は1時間の放出時間を達成するため180,000インチ(15,000フィート)(4572m)の高さに配置する必要がある。現実世界によって課せられる制限により、このように単純な方法での昇降の原理は適用できない。また、動作パラメータの範囲を超えてウインチ605の周囲長さを変えずに15,000フィート(4572m)のケーブル609を提供できるかどうかは極めて疑わしいため、この実施例は実現不能でさえあり得る。実際のところ、世界最高の建造物は2600フィート(792.48m)をわずかに超える程度である。
実現可能なエネルギー貯蔵機構が有限な運動範囲内にある必要があることを理解した上で、物理的に実現可能な高さ範囲におけるパワー出力の需要と長い放出時間を提供する需要とのバランスをとるために、上記システムを再設計して、大きな比の増速機に接続される大きなサイズの貯蔵要素(質量体)を提供する。
図5および図6に提示される仮定を拡張するため、同様の動作パラメータを有する間接エネルギー貯蔵機構の例を図7および図8に示す。ウインチ705は同一の周囲長さ(すなわち、2インチ(50.8mm))を有するとされ、発電機708は同一の動作特性(すなわち、約1500rpmで最適生成)を有すると仮定する。図示されるように、コンバータ701は減速機702および第1のクラッチ703に接続される。第1のクラッチ703が係合されると、コンバータ701へのパワー入力の結果、シャフト715Aが回転する。シャフト715Aの回転は減速機702に入力される。減速機702は入力回転を受け取り、速度が低減されトルクが増大された出力回転をシャフト715Bに供給するように構成される。減速機は特定の実施例では100:1の比、別の実施例では1000:1の比、さらに別の実施例では3000:1の比を提供するように構成されるが、その他の実施形態では、別の構成で別の比を採用することができる。シャフト715Bは係合された第1のクラッチ703を介してシャフト715Cおよび715Dに回転を伝達する。つめ車およびレバー704はシャフト715Cおよび715Dの逆回転を防止するために採用することができる。シャフト715Cおよび715Dが回転すると、ウインチ705が回転して質量体712を上昇させる。ウインチ705はケーブル709によって質量体712に接続される。ケーブル709はプーリ710および711によって誘導され支持される。
エネルギー生成が必要とされると、エネルギー生成のために質量体712が、特定の高さ(たとえば、30インチ(762mm))から解放され、第1のクラッチ703が脱離されて、第2のクラッチ706が係合される。質量体712の降下によって生成される力はプーリ710および711によって伝達されてウインチ705を回転させる。ウインチ705はシャフト716Aに接続される。シャフト716Aは第2のクラッチ706に接続される。第2のクラッチ706は、増速機707に接続されるシャフト716Bに接続される。ウインチの回転はシャフト716Aおよび716Bと、係合された第2のクラッチ706とを介して増速機707に伝達される。増速機707は質量体712の降下を制御し、シャフト716Cを通じてトルクが低減された出力を供給するように構成される。出力は発電機708の動作要件に適合するように構成される。増速機は特定の実施例では1:100の比、別の実施例では1:1000の比、さらに別の実施例では1:3000の比を提供するように構成される。別の比を提供することもできる。状況によっては、発電機の動作パラメータが使用される比を制御することができる。
ウインチ705の回転は、シャフト716Aおよび716Bと、係合されたクラッチ706とを介して増速機707に伝達される。増速機707は速度が増倍されること、およびトルクが低減されることの少なくとも一方を実施された出力を、シャフト716Cを介して発電機708に供給する。増速機を直列に実装することで長い放出時間が実現できる。図8に示されるように、たとえば増速機806は質量体812(重量はたとえば、737,600キロポンド(約3.28ギガニュートン))に接続されるとともに、第2の増速機807に連結される(各増速機はたとえば1:1000の動作比を提供するように構成することができる)。100時間の放出は、重り(たとえば、質量体812)を約2インチ(50.8mm)移動させることで実現することができる。上記構成は、同様のサイズの質量体を50フィート(15.24m)の高さまで上昇させるように拡張することにより、全体で30,000時間の放出時間を達成することができる。仮定の上では、これらのシステムには、エネルギーを無限に貯蔵し放出する能力がある。
貯蔵要素(質量体)
質量体、増速機、および発電機の組合せの各種構成は、本明細書に示されるエネルギー貯蔵および生成機構・システム(直接、間接、循環型、統合型、手動型など)と併せて使用される。本発明は質量体の実施例を特定のシステムまたは機構に限定するように解釈されるべきではない。むしろ、提示される各種実施例は、代替例として、様々に組み合わせて共に使用してもよいコンポーネントを有することを意図するものである。
一実施形態では、大きな重量の質量体を既存の構造を用いて実現することができる。たとえば、ビル(高層ビルや超高層ビルなど)をエネルギー貯蔵および生成の少なくとも一方のためのシステム内の質量体として使用することができる。間接貯蔵機構および直接貯蔵機構の両方とも大重量の重りの使用の恩恵を得る。大重量の質量体を使用することによって、それぞれの質量体をごくわずかに移動させるだけで長時間にわたり大きなエネルギー出力を貯蔵および放出することができる。特定の実施例では、小さな移動が長期間実行される(数年間の放出時間は十分な重量の質量体(重り)で可能になる)ため、ビル入居者にとってその小さな移動は無視できる程度である。その他の大重量の構造を、他の目的のために作用させつつエネルギー貯蔵生成システムと共に使用または構築することができる。特定の実施例では、質量体を降下させるのと同じように上昇させるのに長い時間がかかる。これらの実施例では、ビルの上昇は数ヶ月間、さらには数年間かけて行なえるため、充電中も放出中もその移動は知覚できない。その他の実施例は浮揚体都市とその中に配置される構造を企図しており、まさにその性質上、環境を構成する構造の幾分知覚できる移動を企図している。また、ずっと小さな実施例であってもよい。
特定の実施例では、質量体は、必要に応じて充填される空のチャンバを含んでもよい。別の実施例では、間接および直接貯蔵機構の少なくとも一方は携帯可能に設計することができ、質量体は設置場所で入手可能などんな物体によっても充填される。泥、石、および水の少なくとも一つは、質量体のチャンバを充填し作動重量を供給するのに利用可能であるとともに、簡単に入手できる材料である。別の実施形態では、任意の所与の重量の物体を高所に見出すことができる。高層ビルは通常の動作条件下で高所の水源を備える。高所で水を捕捉することで、これらの物体が表す位置エネルギーから直接エネルギーを生成することができる。
さらに別の実施形態では、後述するように、手動エネルギーシステムを実装して施設の近傍に配置される重量の物体を活用することができる。ここでも、(例示的ではあるが)泥、石、および水の少なくとも一つで必要な重量を提供して、直接または間接エネルギーシステムを作動させてもよい。通常、上記特定の実施例は、上に詳述したように、大きな質量体(重り)よりも小規模の(小さな重り)質量体を使用する。大きなサイズの質量体および小さなサイズの質量体のいずれも所望のエネルギー出力レベルおよび所望の出力時間に応じて任意のエネルギー貯蔵実施例で使用することができる。様々なパワーの需要に見合うようにコンポーネントのサイズを設定でき、実施例の多様性が広がる。また、直接システムと間接システムとを連結することでパワーの貯蔵および生成がともに行われる。ともに行われる貯蔵および生成は、所望の出力および所望の放出時間を実現するようにエネルギーシステムを構成する能力を向上させる。
手動装置
本発明の別の態様によると、エネルギー貯蔵システムは利用可能なエネルギー源を使用し貯蔵して、使用可能なエネルギーの放出を提供することができる。一実施例では、質量体を手動ウインチと組み合わせて使用して質量体をある高さまで上昇させることができる。通常、手動ウインチは、総電力消費量がたとえば都市の電力網に接続される実施例よりも比較的少ない家庭環境で使用可能であるように構成される。家庭環境では、質量体は通常数十トンの範囲であるが、各種実施形態ではより大きなまたは小さな質量体を実現することができる。
手動式の間接エネルギー貯蔵機構900の例を図9に示す。発電機901は家庭環境に適したサイズにされる(100W程度の発電機を有効に使用することができる)。一実施例では、220Wの発電機が標準的な家庭消費量に合わせて使用される。
発電機901は、質量体912の降下に基づき最適な回転速度およびトルクを発電機901に供給するように構成される増速機902に接続される。増速機902はさらに、その動作によって質量体912の降下速度を制御するように構成される。クラッチ903はエネルギー放出中に増速機902と質量体912とを接続する。クラッチ903はエネルギー貯蔵中に質量体912と増速機902とを切断する。つめ車およびレバー904は、放出が必要とされるまで、シャフト918が回転して貯蔵されたエネルギーを解放することがないことを保証する。ウインチ905はケーブル915によってシャフト918を質量体912に接続する。ケーブル915は任意のケーブル、チェーン、ワイヤ、撚り線ケーブル製とすることができ、特定の実施例では、質量体912の重量を支持することのできるロープまたは合成繊維であってもよい。質量体912を支持する様々な配置の構造を利用して、各種ケーブルやロープなどにわたって重りを分散させ、様々な材料をケーブル915として採用することができる。ケーブル915はプーリ913および914を介して巻かれ、質量体912に装着される。便宜上、装着は質量体912を取り巻く4点として示され、質量体はケーブル915の1点に装着される。容易に理解されるように、異なる装着構造を利用できる。別の実施例では、質量体912の中心を通る孔や、一体に装着することを確保するように特別に構成されたメッキを通じて質量体の下で装着することなどが含まれる。ウインチおよび増速機の少なくとも一方と発電機の組合せと共に使用するために質量体を装着するにあたって、その他の様々な構造を採用することができる。
引き続き図9を参照すると、クラッチ906は減速機907を介して手動ウインチ911に係合する。減速機907は入力速度を低減させて、トルクが増大された、より低速の出力回転を提供する。供給されるトルクは、ウインチ905の動作によって質量体912を上昇させるのに十分なトルクに設定される。駆動チェーンスプロケットおよびチェーン908は手動ウインチ911をシャフト920に接続する。動作中、シャフト920は減速機907、次いでウインチ905に接続されて、質量体912を上昇させる。手動ウインチ911は手動で動作するように構成することができる。特定の実施例では、手動ウインチ911は、ユーザの脚による運動から生じる物理的移動によって作動される構造を含む。明瞭化のため、手動ウインチ911が回転によって作動される例を示すが、他の実施例はユーザによって印加される垂直移動および長手方向の力の少なくとも一方を採用することができる。複数の手動クランク911を採用して追加の上昇機構を提供することができる。特定の実施形態では、追加の上昇機構はより短い期間で高さを達成するように構成され、実施形態によっては、複数のクランクを採用してより重い重りを上昇させることができる。
特定の実施例は可変比増速機902を提供する。可変増速機では、様々な重量を採用してより長い放出時間またはより大きなエネルギー出力を提供することができる。代表的な実施例でも、増加した放出時間が使用されている。図10は重量が可変の質量体1012の一実施例を示す。明瞭化のために、可変重量質量体の基本的構成要素のみを示す。符号1002Aで示されるように、所定重量のコンポーネントが係止機構と共に使用されるように構成される。係止機構はたとえば、ピン1004およびヨーク1006を備えることができるが、その他の係止機構を採用することもできる。一実施形態によると、各コンポーネント1002Aは片手クランクで最適に動作するように構成される。一実施例では、片手クランクを作動させて単独の貯蔵コンポーネント1002Aを所望の期間内に高所まで上昇させ、降下中に対応の放出時間、あるいはより長い放出時間を提供する。発電機901の動作パラメータは、重りの降下と増速機902によって提供される制御とに基づき所望の出力レベルおよび時間をもたらす。
一実施形態では、ユーザを追加してより大きな質量体を上昇させることができる。たとえば、複数の手動ウインチ(たとえば、図9の手動ウインチ911)を駆動シャフト(たとえば、図9の駆動シャフト920)に接続してもよい。追加の手動ウインチはそれぞれ、質量体1012を上昇させるのに提供される力を増大させる。特定の実施形態では、複数の手動ウインチが接続されて、可変重量質量体1012の上昇力を生み出すことができる。さらに、各手動ウインチは、上昇力を伝達する駆動シャフトを係合および脱離するように構成することができる。質量体1012の重量は、それぞれの係合された手動ウインチに基づき設定される。たとえば、第1のコンポーネント1002Aは、1つの手動ウインチが係合されて動作したときに上昇させられる。別の実施例では、第1のコンポーネント1002Aおよび第2のコンポーネント1002Bは、2つの手動ウインチが装着され動作したときに上昇させられる。さらに別の実施例では、コンポーネント1002A〜1002Hは、8個の手動ウインチが係合されて動作したときに上昇させられる。別の実施例では、追加のコンポーネント(たとえば、1002A〜1002H)は追加の手動ウインチと併せて使用することができる。特定の実施形態では、手動ウインチ自体が、(たとえば追加のオペレータを通じて)より大きな入力の追加によるより大きな上昇力を提供するように構成することができる。別の実施形態では、手動クランクと貯蔵コンポーネントとの比を変動させることができる。特定の実施例では、追加のユーザおよび手動クランクを採用して、質量体が特定の高さまで上昇する速度を速めることができる。
別の態様によると、家庭用の実施例は直接エネルギー貯蔵を利用することができる。たとえば、天然水源、井戸、帯水層、池、またはその他の水源を有する家庭が直接エネルギー貯蔵システムと共に採用されて、効率的なエネルギー貯蔵および出力を提供することができる。直接エネルギーシステムは、浮揚体の動作によって水チャンバ内の質量体を上昇させる水源として井戸水を利用する家庭環境で実現することができる。水はたとえば手動ポンプと併せて、ユーザによるエネルギーの入力によって供給することができる。もしくは、ポンプが水を供給して質量体を上昇させることができる。
少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を上述したが、当業者であれば様々な変更例、修正例、および改良例を容易に想到し得る。これらの変更例、修正例、および改良例は本発明の一部を成し、本発明の権利範囲に含まれる。上記明細書および図面は単に例示を目的とするものであり、本発明の権利範囲は特許請求の範囲およびその均等物の適切な解釈から決定される。