本発明は、in vivoまたはin vitroにてβ−カテニン遺伝子のレベルおよび/または発現を減少可能な、二本鎖RNA(「dsRNA」)を含む組成物、それらを調製するための方法を指向する。dsRNAの鎖の1つは、標的化β−カテニン転写産物の破壊および/または転写阻害を指向可能な19〜35ヌクレオチドの範囲の長さを持つヌクレオチド配列の領域を含む。
定義
他に定義しない限り、本明細書で使用するところの全ての技術および科学的用語用語が、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を持つ。以下の参照は、本発明内で使用される多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する。Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(2nd ed.1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology (Walker ed.,1988);The Glossay of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et al.(eds.),Springer Verlag (1991); and Hale & Maham,The Harper Collins Dictionay of Biology(1991)。本明細書で使用するように、以下の用語は、他に特定しない限り、以下のそれらに帰する意味を持つ。
本発明は、β−カテニン発現を調節(たとえば阻害)可能な1つまたはそれ以上のDsiRNA分子を特徴とする。本発明のDsiRNAは任意に、β−カテニン誤調節に関連した疾患または障害(例えば腫瘍形成および/または増殖など)の維持または発現に関連した他の遺伝子および/または遺伝子産物のモジュレータとの組み合わせで使用可能である。本発明のDsiRNA試薬は、一般的に「β−カテニン」として以下で列挙し、本明細書に対して引用する、GenBank 寄託番号NM_001904.3(ヒトβ−カテニン、転写産物変異体1)、NM_001098209.1(ヒトβ−カテニン、転写産物変異体2)、NM_001098210.1(ヒトβ−カテニン、転写産物変異体3)およびNM_007614.2およびNM_007614.3(マウスβ−カテニン)によって引用されたcDNA配列に相当するもののように、β−カテニンRNAを調節する。
本発明の種々の態様および実施形態の以下の記述が、典型的β−カテニンRNAに対する参照で提供され、一般的にβ−カテニンと本明細書で引用される。しかしながら、そのような参照は、例示のみであると意味され、本発明の種々の態様および実施形態はまた、齧歯類β−カテニンRNAまたはさらなるβ−カテニンスプライスバリアントのような、他のβ−カテニンRNAも指向する。特定の態様および実施形態がまた、治療に対して標的化されうる表現型の効果(例えば腫瘍形成および/または増殖など)を産出するために、その誤調節が、β−カテニンのものと関連して働く(またはβ−カテニン調節に効果を与えたか、または与える)遺伝子を含む、β−カテニン経路に関与する他の遺伝子も指向する。そのようなさらなる遺伝子は、β−カテニン標的化DsiRNAの利用に関して本明細書で記述されたDsiRNAおよび方法を用いて標的化可能である。したがって、他の遺伝子のそのような阻害剤の阻害および効果を、本明細書で記述したように実施可能である。
用語「β−カテニン」および「CYNNB1」は、β−カテニンタンパク質、ペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸配列を意味する(例えば、β−カテニンGenbank 寄託番号NM_001904.3、MN_001098209.1、NM_001098210.1、NM_007614.2およびNM_007614.3の配列のような、β−カテニン転写産物)。特定の実施形態において、用語「β−カテニン」はまた、他のβ−カテニンアイソフォーム、変異体β−カテニン遺伝子、β−カテニン遺伝子のスプライスバリアント、およびβ−カテニン遺伝子多型のような、他のΒ−カテニンコード配列を含むことも意味する。用語「β−カテニン」は、β−カテニン遺伝子/転写産物のポリペプチド遺伝子産物、例えば、β−カテニンGenbank 寄託番号NM_001904.3、MN_001098209.1、NM_001098210.1、NM_007614.2およびNM_007614.3によってコードされたもののような、β−カテニンタンパク質、ペプチドまたはポリペプチドを意味するために使用される。
本明細書で使用するところの、「β−カテニン関連疾患または障害」は、変化したβ−カテニン発現、レベルおよび/または活性に関連すると本技術分野で公知の疾患または障害を意味する。とりわけ、「β−カテニン関連疾患または疾病」は、癌および/または増殖性疾患、病態または障害を含む。2つの典型的「β−カテニン関連疾患または障害」は結腸直腸癌とメラノーマである。
本明細書で使用するところの「増殖性疾患」または「癌」によって、単独または他の治療との組み合わせで、白血病、例えば急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、および慢性リンパ性白血病、カポジ肉腫のようなAIDS関連癌、乳癌、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維肉腫、巨細胞腫、アダマンチノーマおよび脊索腫のような骨癌、髄膜腫、膠芽細胞腫、下級星状細胞腫、オリゴデンドロサイトーマ、下垂体腫瘍、神経鞘腫および転移脳腫瘍のような脳腫瘍、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、アデノーマ、扁平上皮癌、喉頭癌、胆嚢および胆管癌、網膜芽腫のような網膜の癌、食道癌、胃癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮癌、甲状腺癌、精巣癌、子宮内膜腺癌、メラノーマ、結腸直腸癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌、(非小細胞肺癌を含む)肺癌、膵臓癌、肉腫、腎芽細胞腫、子宮頸癌、頭頸部癌、皮膚癌、鼻咽腔癌、脂肪肉腫、上皮性腫瘍、腎細胞癌、胆嚢腺癌、耳下腺癌、子宮内膜肉腫、多剤耐性癌のような種々のリンパ腫を含む頭頸部癌、および腫瘍血管形成に関連した新血管形成、黄斑変性(例えば湿/乾AMD)、角膜血管新生、糖尿病性レチオパシー、血管新生緑内障、近視性変性のような増殖性疾患および状態、および再狭窄および多発性嚢胞腎のような他の増殖性疾患および状態、細胞または組織内での疾患関連遺伝子発現の調節に応答可能な他の癌または増殖性疾患、病態、形質、遺伝型または表現型を含む、本技術分野で公知のように、制御されていない細胞増殖または複製によって特徴付けられる疾患、病態、形質、遺伝型または表現型を意味する。
特定の実施形態において、β−カテニン標的配列のdsRNA−仲介阻害を評価する。そのような実施形態において、β−カテニンRNAレベルは、任意に、そのような抗−β−カテニンdsRNAが存在しないことに対する、本発明の抗−β−カテニンdsRNAの存在におけるβ−カテニンレベルの比較を介して、本技術分野で認識された方法(例えばRT−PCR、ノーザン法、発現アレイなど)によって評価可能である。特定の実施形態において、抗−β−カテニンdsRNAの存在下のβ−カテニンレベルを、賦形剤のみの存在下、関連しない標的RNAに対して指向したdsRNAの存在下、または任意の治療のない状態で、観察したものと比較する。
β−カテニンタンパク質のレベルを、β−カテニンタンパク質のレベルが、β−カテニンRNAレベルに直接的または間接的に関連するかどうか、与えられた細胞および/または組織条件の設定下、公知である程度まで、および/またはdsRNAがβ−カテニン発現を阻害する程度を、β−カテニンRNAレベルの指示として評価可能であり、したがってβ−カテニンタンパク質レベルを査定する本技術分野で認識されている方法(例えばウエスタンブロット、免疫沈降、他の抗体に基づく方法など)もまた、本発明のdsRNAの阻害効果を検討するために使用可能である。
選択された対照と比較して、システム(例えば、細胞がないin vitroシステム)、細胞、組織または生命体に投与された時に、β−カテニンRNAにおける統計学的に有意な減少が見られた場合に、本発明の抗β−カテニンdsRNAが、「β−カテニン阻害活性」を有すると見なされる。実験値と、実施された複数アッセイ数の分布によって、(%または絶対値のいずれかとして)β−カテニンRNAにおけるどんな減少レベルが、(本技術分野で公知の統計学的有意差を決定する標準の方法によって査定されたように)統計学的に有意と判断するかのパラメータが決定づけられる傾向にある。しかしながら、特定の実施形態において、「β−カテニン阻害活性」は、システム、細胞、組織または生命体におけるβ−カテニンRNAのレベルにおける減少の%または絶対レベルに基づいて定義される。例えば、特定の実施形態において、本発明のDsiRNAは、好適な対照に対して見られるΒ−カテニンレベルに対して、本発明のDsiRNAの存在下で、β−カテニンRNAにおいて、少なくとも5%減少または少なくとも10%減少が観察される場合に、β−カテニン阻害活性を有すると見なされる。(例えば、特定の実施形態において、対照に対して、β−カテニンレベルにおける例えば5%または10%の減少が観察される場合に、組織および/または対象中のin vivoβ−カテニンレベルが、本発明のDsiRNA試薬によって阻害されると見なされうる。)特定の他の実施形態において、本発明のDsiRNAは、β−カテニンRNAレベルが、選択された対照に対して、少なくとも15%まで、選択された対照に対して、少なくとも20%まで、選択された対照に対して、少なくとも25%まで、選択された対照に対して、少なくとも30%まで、選択された対照に対して、少なくとも35%まで、選択された対照に対して、少なくとも40%まで、選択された対照に対して、少なくとも45%まで、選択された対照に対して、少なくとも50%まで、選択された対照に対して、少なくとも55%まで、選択された対照に対して、少なくとも60%まで、選択された対照に対して、少なくとも65%まで、選択された対照に対して、少なくとも70%まで、選択された対照に対して、少なくとも75%まで、選択された対照に対して、少なくとも80%まで、選択された対照に対して、少なくとも85%まで、選択された対照に対して、少なくとも90%まで、選択された対照に対して、少なくとも95%まで、選択された対照に対して、少なくとも96%まで、選択された対照に対して、少なくとも97%まで、選択された対照に対して、少なくとも98%まで、選択された対照に対して、少なくとも99%まで減少するのが観察される場合に、β−カテニン阻害活性を持つと見なされる。いくつかの実施形態において、β−カテニンの完全阻害が、Β−カテニン阻害活性をもつと見なされるために、DsiRNAに対して要求される。特定のモデル(例えば細胞培養)において、DsiRNAは、好適な対照に対して、β−カテニンレベルの少なくとも50%の減少が観察される場合に、β−カテニン阻害活性を有すると見なされる。特定の他の実施形態において、DsiRNAは、好適な対照に対して、β−カテニンレベルの少なくとも80%の減少が観察される場合に、β−カテニン阻害活性を有すると見なされる。
特定の例の方法によって、以下の実施例において、一連のDsiRNA標的化Β−カテニンを、そのような細胞の環境下、およびトランスフェクション試薬(LipofectamineTM RNAiMAX、Invitrogen)の存在下、1nM濃度にて、in vitroにてヒトHeLaまたはマウスHepa 1−6細胞中のβ−カテニン mRNAレベルを減少させる能力に関して試験した。以下の実施例中、β−カテニン阻害活性はまず、アッセイした条件下、β−カテニンmRNAレベルの少なくとも70%の減少に効果があると観察されたDsiRNAに対してまずみなした。β−カテニン阻害活性は、同一またはほとんど同じアッセイおよび条件が使用された時でさえ、以下の実施例に対して使用したものとくらべて、よりストリンジェントか、それほどストリンジェントでない条件下のいずれかで、dsRNAに帰することも企図される。例えば、特定の実施形態において、試験した本発明のdsRNAは、β−カテニンmRNAレベルにおいて、好適な対照に対して、少なくとも10%減少、少なくとも20%減少、少なくとも30%減少、少なくとも40%減少、少なくとも50%減少、少なくとも60%減少、少なくとも75%減少、少なくとも80%減少、少なくとも85%減少、少なくとも90%減少、少なくとも95%減少が、細胞環境下、1nM dsRNA濃度またはそれ以下で、in vitroにて哺乳動物細胞内で観察された場合に、β−カテニン阻害活性を有するとみなされる。
本発明の二本鎖RNAがβ−カテニン阻害活性を有するかどうかを決定するための他のエンドポイントの利用も企図される。特に、1つの実施形態において、β−カテニンmRNAレベルを査定することに加えて、またはそれとは別に、(例えば、in vitroまたはin vivoにて、哺乳動物細胞を接触させた48時間後にて)試験したdsRNAの、β−カテニンタンパク質レベルを減少させる能力を査定し、試験したdsRNAが、好適な対照と比べて、β−カテニンタンパク質レベルにて、少なくとも10%減少、少なくとも20%減少、少なくとも30%減少、少なくとも40%減少、少なくとも50%減少、少なくとも60%減少、少なくとも70%減少、少なくとも75%減少、少なくとも80%減少、少なくとも85%減少、少なくとも90%減少、少なくとも95%減少が、in vitroまたはin vivoにて、アッセイした二本鎖RNAに接触させた哺乳動物内で観察される場合に、β−カテニン阻害活性を有するとみなされる。企図されたさらなるエンドポイントには、例えばβ−カテニンレベルの減少の原因となる表現型−例えば、より詳細に本明細書の他の場所で記述したような、腫瘍または癌細胞レベルの増殖を停止させること、または減少させることを含む、in vitroにて接触させた哺乳動物細胞株の増殖の減少および/またはin vivoでの腫瘍の増殖の減少の評価が含まれる。
β−カテニン阻害活性をまた、なにが、投与した濃度、および投与後の時間間隔にしたがって調整したβ−カテニン阻害活性を有するdsRNAを構成するかという評価で、時間(間隔)にわたり、濃度範囲(強度)にわたり評価可能でもある。したがって、特定の実施形態において、本発明のDsiRNAは、β−カテニン活性において少なくとも50%の減少が、投与が観察され、存続した後、2時間、5時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日またはそれ以上の期間で観察される場合に、β−カテニン阻害活性を有すると見なす。さらなる実施形態において、本発明のDsiRNAは、例えば本明細書で記述したようなβ−カテニン阻害活性に対するin vitroアッセイ内で、細胞の環境中、1nMまたはそれ以下、500pMまたはそれ以下、200pMまたはそれ以下、100pMまたはそれ以下、50pMまたはそれ以下、20pMまたはそれ以下、10pMまたはそれ以下、5pMまたはそれ以下、2pMまたはそれ以下、または1pMまたはそれ以下の濃度にて、β−カテニン阻害活性(例えば特定の実施形態において、少なくとも50%のβ−カテニン阻害)が観察された場合、強力なβ−カテニン阻害試薬であると見なす。特定の実施形態において、本発明の強力なβ−カテニン阻害dsRNAは、効果的な伝達賦形剤(例えば効果的な脂質ナノ粒子製剤)中で対象に投与した時に、10mg/kgまたはそれ以下の処方された濃度にて、β−カテニン阻害活性(例えば特定の実施形態において、少なくとも20%のβ−カテニンレベルの減少)を可能なものとして定義される。好ましくは、本発明の強力なβ−カテニン阻害dsRNAは、効果的な伝達賦形剤中対象に投与された時に、5mg/kgまたはそれ以下の処方された濃度にて、β−カテニン阻害活性(例えば特定の実施形態において、少なくとも50%のβ−カテニンレベルの減少)を可能なものとして定義される。より好ましくは、本発明の強力なβ−カテニン阻害dsRNAは、効果的な伝達賦形剤中対象に投与された時に、5mg/kgまたはそれ以下の処方された濃度にて、β−カテニン阻害活性(例えば特定の実施形態において、少なくとも50%のβ−カテニンレベルの減少)を可能なものとして定義される。任意に、本発明の強力なβ−カテニン阻害dsRNAは、効果的な伝達賦形剤中対象に投与された時に、2mg/kgまたはそれ以下、または1mg/kgまたはそれ以下の処方された濃度にて、β−カテニン阻害活性(例えば特定の実施形態において、少なくとも50%のβ−カテニンレベルの減少)を可能なものとして定義される。
特定の実施形態において、本発明のdsRNAの強度を、特定のレベルの標的遺伝子ノックダウンを達成するために必要な標的細胞の細胞質内に存在する、dsRNAのコピー数に対する参照で明らかにする。例えば、特定の実施形態において、強力なdsRNAは、1000またはそれ以下のRISC−ロードアンチセンス鎖のコピー数/細胞にて標的細胞の細胞質内に存在した場合に、標的mRNAの50%またはそれより大きなノックダウンを引き起こしうるものである。より好ましくは、強力なdsRNAは、500またはそれ以下のRISC−ロードアンチセンス鎖のコピー数/細胞にて標的細胞の細胞質内に存在した場合に、標的mRNAの50%またはそれより大きなノックダウンを引き起こしうるものである。任意に、強力なdsRNAは、300またはそれ以下のRISC−ロードアンチセンス鎖のコピー数/細胞にて標的細胞の細胞質内に存在した場合に、標的mRNAの50%またはそれより大きなノックダウンを引き起こしうるものである。
さらなる実施形態において、本発明のDsiRNAの強度は、同一の標的遺伝子内の同一の標的配列を指向した19〜23merのdsRNAに対する参照で定義可能である。例えば、相当する19〜23merのdsRNAに対して増強した強度を有する本発明のDsiRNAは、強度の差の検出を許容するのに十分低い濃度(例えば、本明細書で記述したようなin vitroアッセイ中、細胞の環境中1nMまたはそれ以下の、細胞の環境中100pMまたはそれ以下、細胞の環境中10pMまたはそれ以下、細胞の環境中1nMまたはそれ以下のトランスフェクション濃度)、とりわけ強度の差は、用量応答曲線を産生し、DsiRNA/dsRNAに関連したIC50値を同定する目的のための濃度範囲−例えば0.1pM〜10nMにわたり、そのようなアッセイを実施することを介してもっともよく検出可能である)にて、本明細書で記述したin vitroアッセイでアッセイした時に、相当する19〜23merのdsRNAと比較して、さらに5%またはそれ以上、さらに10%またはそれ以上、さらに20%またはそれ以上、さらに30%またはそれ以上、さらに40%またはそれ以上、さらに50%またはそれ以上まで標的遺伝子を減少させるDsiRNAでありうる。
β−カテニン阻害レベルおよび/またはβ−カテニンレベルはまた、間接的に評価してもよく、例えば、MYC、サイクリンD1またはAxin2のようなβ−カテニン関連疾患マーカータンパク質または標的遺伝子における減少、または対象中のポリープまたは腫瘍の大きさまたは数の減少の測定を、本発明の二本鎖核酸のβ−カテニンレベルおよび/またはβ−カテニン阻害効果を評価るために使用してよい。
特定の実施形態において、用語「から本質的になる」は、本発明の抗−β−カテニンdsRNAの参照にて使用される。いくつかのそのような実施形態において、「から本質的になる」は、β−カテニン阻害活性の少なくとも特定のレベル(例えば、少なくとも50%のβ−カテニン阻害活性)を有する本発明のdsRNAを含み、およびまた、dsRNAのβ−カテニン阻害活性に有意に影響を与えない1つまたはそれ以上のさらなる構成要素および/または修飾も含む組成物を意味する。例えば、特定の実施形態において、本発明のdsRNAおよび/または組成物のdsRNA−関連構成要素の修飾が、単離において、本発明のdsRNAに対して、3%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上まで(任意にβ−カテニン阻害活性の強度または間隔を含む)β−カテニン阻害活性を変えない場合、組成物は、本発明のdsRNA「から本質的になる」。特定の実施形態において、組成物は、β−カテニン阻害活性のより劇的な減少(例えば有効性、間隔および/または強度において、80%減少、90%減少など)が、さらなる構成要素または修飾の存在下で発生し、そこでまだβ−カテニン阻害活性が、さらなる構成要素および/または修飾の存在下、有意に上昇しない(例えばβ−カテニン阻害活性の観察されたレベルが、本発明の単離されたdsRNAに対して観察されたものの10%以内である)場合でさえ、本発明のdsRNAから本質的になると見なされる。
本明細書で使用するところの、用語「dsRNAが、哺乳動物細胞内で、1ナノモルまたはそれ以下の前記細胞の環境下の効果的な濃度にてin vitroにてアッセイした時に、少なくともX%までβ−カテニンmRNAレベルを減少させる」は、LipofectaminTMRNAiMAX(Invitorgen)の存在下、1ナノモルまたはそれ以下のトランスフェクション濃度にて、製造業者の取扱説明書にそってアッセイした時に、少なくともX%まで、HeLa細胞集団の天然のβ−カテニンmRNAレベルを減少させるためのdsRNAに対する要求を意味する。そのようなHeLa細胞は、ATCCより入手され、10%ウシ胎児血清(HyClone)を含むDMEM(HyClone)中、37℃、5%のCO2下で維持する。ついで、β−カテニンmRNAレベルをトランスフェクション後24時または48時でアッセイし、本明細書の他で記述したような適切な対照に関して、%阻害を評価する。特定の実施形態において、そのようなアッセイのHeLa細胞を、HepG2、HCT116、HuH7または他の細胞株で置換する。
本明細書で使用するところの用語「核酸」は、一本鎖または二本鎖形状での、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドおよびそれらのポリマーを意味する。本用語用語は、合成、天然に存在するおよび天然に存在せず、参照の核酸と同様の結合特性を持ち、参照ヌクレオチドとほぼ同じ様式で代謝される、公知のヌクレオチド類似体、または修飾骨格残基または結合を含む核酸を企図する。そのような類似体の例には、ホスホロチオエート類、ホスホルアミデート類、メチルリン酸塩類、キラル−メチルリン酸塩類、2−O−メチルリボヌクレオチド類、ペプチド−核酸(PNA)が含まれるが、これらに限定はされない。
本明細書で使用するところの「ヌクレオチド」は、天然塩基(標準)および本技術分野でよく知られている修飾塩基を持つものを含み、本技術分野で認識されたように使用される。そのような塩基は一般的に、ヌクレオチド糖部位の1’位に位置している。ヌクレオチドは一般的に、塩基、糖およびリン酸基を含む。ヌクレオチドは、糖、リン酸および/または塩基部位にて修飾されないか、修飾されうる(ヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、非標準ヌクレオチドおよびその他として交互に引用される、例えば本明細書にて参考文献によってすべて組み込まれている、Usman and McSwiggen、上記; Eckstein,et al., 国際PCT特許第92/07065号パンフレット;Usman et al,国際PCT特許第WO 93/15187号パンフレット;Uhlman & Peyman、米国特許第6,326,487号明細書を参照のこと)。Limbach,et al,Nucleic Acids Res.22:2183,1994によって要約されたような、本技術分野で公知の修飾核酸塩基の種々の例が存在する。核酸分子内に導入可能な塩基修飾の非限定例のいくつかは、ヒポキサンチン、プリン、ピリジン−4−オン、フェニル、ピリジン−2−オン、シュードウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン類(例えば5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン類(例えばリボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば5−ブロモウリジン)または6−アザピリミジン類または6−アルキルピリミジン類(例えば6−メチルウリジン)、プロピンおよびその他(Burgin, et al.,Biochemistry 35:14090,1996;Uhlman & Peyman,上記)が挙げられる。本態様において、「修飾塩基」は、1’位でのアデニン、グアニン、シトシンおよびウラシルまたはそのそれらの等価物以外のヌクレオチド塩基を意味する。
本明細書で使用するところの「修飾ヌクレオチド」は、ヌクレオシド、ヌクレオ塩基、ペントース環またはリン酸基への1つまたはそれ以上の修飾を持つヌクレオチドを意味する。例えば、修飾ヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、グアノシン一リン酸、ウリジン一リン酸およびシチジン一リン酸を含むリボヌクレオチド類、およびデオキシアデノシン一リン酸、デオキシグアノシン一リン酸、デオキシチミジン一リン酸およびデオキシシチジン一リン酸を含むデオキシリボヌクレオチド類を除外する。修飾には、メチルトランスフェラーゼのような、ヌクレオチドを修飾する酵素による修飾の結果である、天然に発生するものが含まれる。修飾ヌクレオチドにはまた、合成または天然に発生しないヌクレオチドが含まれる。ヌクレオチドにおける合成または天然に存在しない修飾には、2’修飾、例えば2’−メトキシエトキシ、2’−フルオロ、2’−アリル、2’−O−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]、4’−チオ、4’−CH2−O−2’−ブリッジ、4’−(CH2)2−O−2’−ブリッジ、2’−LNA、および2’−O−(N−メチルカルバメート)を持つもの、または塩基類似体を含むものが含まれる。本明細書のために記述されたような、2’−修飾ヌクレオチドに関連して、「アミノ」によって、2’−NH2または2’−O−NH2が意味され、修飾されてよく、または修飾されなくてよい。そのような修飾基は、例えば、Eckstein et al.,米国特許第5,672,695号明細書およびMatulic−Adamic et al.,米国特許第6,248,878号明細書にて記述されている。
本明細書の核酸分子に関して、修飾は、二本鎖リボ核酸(dsRNA)の1つまたは両方の鎖上のパターンで、これらの試薬上に存在しうる。本明細書で使用するところの「交互部位」は、すべての他のヌクレオチドが修飾ヌクレオチドであるか、または定義された長さのdsRNAの鎖にわたるすべての修飾ヌクレオチド間で修飾されていないヌクレオチド(例えば、修飾されていないリボヌクレオチド)が存在する(例えば5’−MNMNMN−3’、3’−MNMNMN−5’、式中Mは修飾ヌクレオチドであり、Nは修飾されていないヌクレオチドである)パターンを意味する。修飾パターンは、例えば本明細書で記述したような、位置ナンバリング慣例にしたがって、5’または3’末端いずれかの第一ヌクレオチド位置から開始する(特定の実施形態において、位置1は、本発明のDsiRNA試薬の推定されるDicer開裂事象に続く鎖の終末残基に関して指定される。したがって位置1は常に、本発明の前処理試薬の3’末端または5’末端残基を構成しない)。交互位置での修飾ヌクレオチドのパターンは、鎖の全長で走ってよいが、しかし特定の実施形態で、それぞれ、少なくとも2、3、4、5、6または7つの修飾ヌクレオチドを含む、少なくとも4、6、8、10、12、14ヌクレオチドが含まれる。本明細書で使用するところの、「位置の交互対」は、2つの連続した修飾ヌクレオチドが、dsRNAの鎖の定義された長さにわたり、2つの連続した修飾されていないヌクレオチドによって分離されるパターンを意味する(例えば、5’−MMNNMMNNMMNN−3’、3’−MMNNMMNNMMNN−5’、式中Mは修飾ヌクレオチドであり、Nは修飾されていないヌクレオチドである)。修飾パターンは、本明細書で記述したもののような、位置ナンバリング慣例にしたがって、5’または3’末端いずれかでの、第一ヌクレオチド位置から開始する。交互位置における修飾ヌクレオチドのパターンは、鎖の全長を走ってよいが、好ましくは、それぞれ、少なくとも4、6、8、10、12または14の修飾ヌクレオチドを含む、少なくとも8、12、16、20、24、28ヌクレオチドが含まれる。上記修飾パターンは例示であり、本発明の範囲における制限は意図しないことを強調したい。
本明細書で使用するところの「塩基類似体」は、核酸二本鎖に組み込むことが可能な修飾ヌクレオチド中のヌクレオチド糖部位の1’位(または核酸二本鎖内に組み込むことが可能なヌクレオチド糖部位置換中の等価の位置)に位置するヘテロ環状部位を意味する。本発明のdsRNAにおいて、塩基類似体は一般的に、一般的塩基グアニン(G)、シトシン(C)、アデニン(A)、チミン(T)およびウラシル(U)を除く、プリンまたはピリミジン塩基のいずれかである。塩基類似体は、dsRNA中他の塩基または塩基類似体と二本鎖となりうる。塩基類似体には、本発明の化合物および方法にて有用なもの、たとえば、参考文献によって本明細書に組み込まれている、Bennerに付与された米国特許第5,432,272号明細書および第6,001,983号明細書、およびManoharanに付与された米国公開第20080213891号明細書に開示されたものが含まれる。塩基の非限定例には、ハイポキサンチン(I)、キサンチン(X)、3β−D−リボフラノシル−(2,6−ジアミノピリミジン)(K)、3−β−D−リボフラノシル−(1−メチル−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5,7(4H,6H)−ジオン)(P)、イソ−シトシン(イソ−C)、イソ−グアニン(イソ−G)、1−β−D−リボフラノシル−(5−ニトロインドール)、1−β−D−リボフラノシル−(3−ニトロピロール)、5−ブロモウラシル、2−アミノプリン、4−チオ−dT、7−(2−チエニル)−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(Ds)およびピロール−2−カルボアルデヒド(Pa)、2−アミノ−6−(2−チエニル)プリン(S)、2−オキソピリジン(Y)、ジフルオロトリル、4−フルオロ−6−メチルベンズイミダゾール、4−メチルベンゾイミダゾール、3−メチルイソカルボスチリリル、5−メチルイソカルボスチリリルおよび3−メチル−7−プロピニルイソカルボスチリリル、7−アザインドリル、6−メチル−7−アザインドリル、イミジゾピリジニル、9−メチル−イミジゾピリジニル、ピローロピリジニル、イソカルボスチリリル、7−プロピニルイソカルボシチリリル、プロピニル−7−アザインドリル、2,4,5−トリメチルフェニル、4−メチルインドリル、4,6−ジメチルインドリル、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントラセニル、ピレニル、スチルベンジル、テトラセニル、ペンタセニルおよびそれらの構造誘導体(Schweitzer et al.,J.Org.Chem.,59:7238−7242(1994);Berger et al.,Nucleic Acids Research,28(15):2911−2914(2000);Moran et al.,J.Am.Chem.Soc.,119:2056−2057(1997);Morales et al.,J.Am.Chem.Soc.,121:2323−2324(1999);Guckian et al.,J.Am.Chem.Soc.,118:8182−8183(1996);Morales et al.,J.Am.Chem.Soc.,122(6):1001−1007(2000);McMinn et al.,J.Am.Chem.Soc.,121:11585−11586(1999);Guckian et al.,J.Org.Chem.,63:9652−9656(1998);Moran et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,94:10506−10511(1997);Das et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.,1:197−206(2002);Shibata et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.,1:1605−1611(2001);Wu et al.,J.Am.Chem.Soc.,122(32):7621−7632(2000);O'Neill et al.,J.Org.Chem.,67:5869−5875(2002);Chaudhuri et al.,J.Am.Chem.Soc.,117:10434−10442(1995);および米国特許第6,218,108号明細書)が含まれる。塩基類似体はまたユニバーサル塩基であってよい。
本明細書で使用するところの「ユニバーサル塩基」は、核酸二本鎖中に存在する場合に、二本鎖ヘリックス構造(例えばリン酸骨格の構造)を変化させずに、1つ以上の型の塩基と反対に位置可能な、修飾ヌクレオチド中のヌクレオチド糖部位の1’位、またはヌクレオチド糖部位置換基中の等価位置に位置するヘテロ環状部位を意味する。さらに、ユニバーサル塩基は、標的核酸に対して二本鎖とする一本鎖核酸の能力を破壊しない。ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸の、標的核酸を二本鎖とする能力を、当業者に理解される方法(例えば、UV吸収、円偏光二色性、ゲルシフト、一本鎖ヌクレアーゼ感受性など)によってアッセイ可能である。さらに、二本鎖形成が観察される条件は、二本鎖安定性または形成を明らかにするために変化してよく、融解温度(Tm)が、核酸二本鎖の安定性と相関するので、例えば温度が変化してよい。標的核酸に厳密に相補的である参照一本鎖核酸と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、相補的核酸と形成された核酸二本鎖よりも低いTmを持つ標的核酸と一緒に二本鎖を形成する。しかしながら、ユニバーサル塩基が単一ミスマッチを産出するために塩基で置換された参照一本鎖核酸と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、ミスマッチした塩基を持つ核酸と形成された二本鎖よりも、より高いTmを持つ標的核酸と二本鎖を形成する。
いくつかのユニバーサル塩基は、塩基対形成条件下、ユニバーサル塩基と、すべての塩基グアニン(G)、シトシン(C)、アデニン(A)、チミン(T)およびウラシル(U)間で水素結合を形成することによって塩基対化可能である。ユニバーサル塩基は、ただ1つの単一相補塩基と塩基対を形成する塩基ではない。二本鎖内で、ユニバーサル塩基は、水素結合を形成しなくてよく、また二本鎖の反対の鎖上、それと反対の各G、C、A、TおよびUと1つの水素結合または1つ以上の水素結合を形成してよい。好ましくは、ユニバーサル塩基は、二本鎖の反対の鎖上で、それと反対の塩基と相互作用しない。二本鎖において、ユニバーサル塩基が関与する塩基対化は、リン酸骨格の二本ヘリックス構造を変えずに発生する。ユニバーサル塩基はまた、スタッキング相互作用によって、同一の核酸鎖上の隣接ヌクレオチド中の塩基と相互作用してもよい。そのようなスタッキング相互作用は、とりわけ、ユニバーサル塩基が、二本鎖の反対の鎖上で、それとは反対に位置する塩基と、任意の水素結合を形成しない条件下で、二本鎖を安定化させる。ユニバーサル−結合ヌクレオチドの非限定例には、イノシン、1−β−D−リボフラノシル−5−ニトロインドール、および/または1−β−D−リボフラノシル−3−ニトロピロールが含まれる(Quay et al.に付与された米国特許第20070254362号、Van Aerschot et al.,An acyclic 5−nitroindazole nucleoside analogue as ambiguous nucleoside.Nucleic Acids Res.1995 Nov 11;23(21):4363−70;Loakes et al.,3−Nitropyrrole and 5−nitroindole as universal bases in primers for DNA sequencing and PCR.Nucleic Acids Res.1995 Jul 11;23(13):2361−6;Loakes and Brown,5−Nitroindole as an universal base analogue.Nucleic Acids Res.1994 Oct 11;22(20):4039−43)。
本明細書で使用するところの「ループ」は、特定の一本鎖ヌクレオチド領域の側面の相補領域が、相補領域間の一本鎖ヌクレオチド領域が、二本鎖形成またはワトソン−クリック塩基対化から除外される方法でハイブリッド形成する、核酸の一本鎖によって形成される構造を意味する。ループは、任意の長さの一本鎖ヌクレオチド領域である。ループの例には、ヘパリン、ステムループまたは伸長ループのような構造中に存在する、対になっていないヌクレオチドが含まれる。
本明細書で使用するところの、dsRNAの文脈中の「伸長ループ」は、一本鎖ループ、および加えて、1、2、3、4、5、6または20までの塩基対またはループの側面の二本鎖を意味する。伸長ループ中、5’側上のループの側面に存在するヌクレオチドは、3’側上でループの側面に存在するヌクレオチドと二本鎖を形成する。伸長ループはヘアピンまたはステムループを形成してよい。
本明細書で使用するところの、dsRNAの文脈中の「テトラループ」は、隣接するワトソン−クリックハイブリッド形成ヌクレオチドの安定性に寄与する、安定二次構造を形成する4つのヌクレオチドからなるループ(一本鎖領域)を意味する。理論に制限されることなしに、テトラループは、スタッキング相互作用によって、隣接するワトソン−クリック塩基対を安定化させてよい。加えて、テトラループ中の4つのヌクレオチド間の相互作用には、非ワトソン−クリック塩基対化、スタッキング相互作用、水素結合、および接触相互作用が含まれるが、これらに限定はされない(Cheong et al.,Nature 1990 Aug 16;346(6285):680−2;Heus and Pβ−カテニンdi,Science 1991 Jul 12;253(5016):191−4)。テトラループは、4つの無作為塩基からなる単一モデルループ配列から推測されるものよりも高い隣接二本鎖の融解温度(Tm)における増加を与える。例えば、テトラループは、長さにして少なくとも2塩基対の二本鎖を含むヘアピンに、10mM NaHPO4中、少なくとも55℃の融解温度を与えうる。テトラループには、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドおよびそれらの混合物が含まれてよい。RNAテトラループの例には、テトラループのUNCGファミリ−(例えばUUCG)、テトラループのGNRAファミリー(例えばGAAA)、およびCUUGテトラループが含まれる(Woese et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1990 Nov;87(21):8467−71;Antao et al.,Nucleic Acids Res.1991 Nov 11;19(21):5901−5)。DNAテトラループの例には、テトラフープのd(GNNA)ファミリー(例えば、d(GTTA)、テトラループのd(GNRA))ファミリー、テトラループのd(GNAB)ファミリー、テトラループのd(CNNG)ファミリー、テトラフープのd(TNCG)ファミリー(例えばd(TTCG))が含まれる。(Nakano et al.Biochemistry,41(48),14281−14292,2002.;SHINJI et al.Nippon Kagakkai Koen Yokoshu VOL.78th;NO.2;PAGE.731(2000).)。
本明細書で使用するところの用語用語「siRNA」は、各鎖が、RNA、RNA類似体(複数可)またはRNAおよびDNAを含む二本鎖核酸を意味する。siRNAは、19〜23ヌクレオチドを含み、または21ヌクレオチドを含む。siRNAは典型的には、siRNA中の二本鎖領域が17〜21ヌクレオチド、または19ヌクレオチドを含むように、各鎖の3’末端上に2bpオーバーハングを持つ。典型的には、siRNAのアンチセンス鎖は、β−カテニン遺伝子/RNAの標的配列と十分に相補的である。
本発明の抗−β−カテニンDiRNAは、少なくとも25ヌクレオチドの鎖長を有する。したがって、特定の実施形態において、抗−β−カテニン DsiRNAは、1つのオリゴヌクレオチド配列、長さにして少なくとも25ヌクレオチドであり、35または50まででしかない、またはそれ以上のヌクレオチドである、第一配列を含む。RNAの本配列は、長さにして26〜35、26〜34、26〜33、26〜32、26〜31、26〜30、26〜29ヌクレオチドでありうる。本配列は、長さにして27または28ヌクレオチドでありえ、長さにして27ヌクレオチドであり得る。DsiRNA試薬の第二配列は、真核細胞の細胞質内のような、生物学的状態下第一配列にアニールする配列でありうる。一般的に、第二オリゴヌクレオチド配列は、第一オリゴヌクレオチドと少なくとも19の相補塩基対を持ち、より典型的には、第二オリゴヌクレオチド配列は、第一オリゴヌクレオチド配列と、21またはそれ以上の相補塩基対を持ち、または25以上の相補塩基対を持つ。1つの実施形態において、第二配列は、第一配列と同一の長さであり、DsiRNA試薬は平滑末端である。他の実施形態において、DsiRNA試薬の末端は1つまたはそれ以上のオーバーハングを持つ。
特定の実施形態において、DsiRNA試薬の第一および第二オリゴヌクレオチド配列は、典型的に化学的に合成される別のオリゴヌクレオチド鎖上に存在する。幾つかの実施形態において、両方の鎖は、長さにして26〜35ヌクレオチドである。他の実施形態において、両方の鎖は、長さにして、25〜30または26〜30である。1つの実施形態において、両方の鎖は、長さにして27ヌクレオチドであり、完全に相補的であり、平滑末端を持つ。本発明の特定の実施形態において、抗−Β−カテニンDsiRNAの第一および第二配列は、別のRNAオリゴヌクレオチド(鎖)上に存在する。1つの実施形態において、1つまたは両方のオリゴヌクレオチド鎖は、Dicerに対する基質として働くことが可能である。他の実施形態において、少なくとも1つの修飾が、遺伝子発現を阻害することにおいて、二本鎖RNA構造の有効性を最大化する方向で、Dicerに二本鎖RNA構造に結合することを促して存在する。本発明の特定の実施形態において、抗−β−カテニンDsiRNA試薬は、第一鎖(センス鎖)の3’末端で平滑末端を有し、第二鎖(アンチセンス鎖)の3’末端で3’オーバーハングを有する抗−β−カテニンDsiRNAと、長さの異なる2つのオリゴヌクレオチド鎖からなる。DsiRNAはまた、1つまたはそれ以上のデオキシリボ核酸(DNA)塩基置換基を含んでもよい。
2つの別のオリゴヌクレオチドを含む好適なDsiRNA組成物は、化学結合基によって、それらのアニーリング領域外で化学的に連結可能である。多くの好適な化学連結基が、本技術分野で公知であり、使用可能である。好適な基は、DsiRNAにおけるDicer活性を妨げず、標的遺伝子から転写されたRNAの指向性破壊と干渉しない。あるいは、2つの別のオリゴヌクレオチドは、ヘアピン構造が、DsiRNA組成物を作製している2つのオリゴヌクレオチドのアニーリングに際して産出されるように、第三オリゴヌクレオチドによって連結可能である。ヘアピン構造は、DsiRNA上のDicer活性を妨げず、標的RNAの指向性破壊を干渉しない。
本明細書で使用するように、標的RNAまたはcDNA配列(例えばΒ−カテニンmRNA)に「十分に相補的な」配列を持つdsRNA、例えばDsiRNAまたはsiRNAは、dsRNAが、RNAi機構(例えばRISC複合体)または工程によって、標的RNA(cDNA配列が列挙される場合、列挙されたcDNA配列に相当するRNA配列)の崩壊を引き起こすのに十分な配列を持つことを意味する。例えば、RNAi機構または工程によって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNA配列に「十分に相補的な」dsRNAは、dsRNA活性の適切なアッセイ(例えば、以下実施例2にて記述したようなin vitroアッセイ)中の、標的RNAのレベルにおける検出可能な減少を引き起こすdsRNAとして同定可能であり、またはさらなる実施例において、RNAi機構または工程によって、標的RNAの破壊を引き起こすための標的RNAまたはcDNAに十分に相補的なdsRNAを、dsRNA活性の適切なアッセイ中の、標的RNAのレベルにおける、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の減少を産出するdsRNAとして同定可能である。さらなる実施例において、RNAi機構または工程によって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNAに十分に相補的なdsRNAは、細胞または生物における標的RNAまたはタンパク質レベルに関して、阻害活性の特定のレベルの期間の評価に基づいて同定可能である。例えば、RNAi機構または工程によって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNAに十分に相補的なdsRNAは、細胞または生物への前記dsRNAの投与少なくとも48時間後に、少なくとも20%まで、標的mRNAレベルを減少可能なdsRNAとして同定可能である。好ましくは、RNAi機構または工程によって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNAに十分に相補的なdsRNAは、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも72時間後に、少なくとも40%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも4、5または7日に、少なくとも40%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも48時間に、少なくとも50%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも72時間に、少なくとも50%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも4、5または7日に、少なくとも50%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも48時間に、少なくとも80%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも72時間に、少なくとも80%まで、細胞または生命体への前記dsRNAの投与後少なくとも4、5または7日に、少なくとも80%まで、標的mRNAレベルを減少可能なsdRNAとして同定可能である。
dsRNA分子は、アンチセンス鎖のすべての残基が、標的分子内の残基に相補的であるようにデザイン可能である。あるいは、置換を、分子の安定性を増加させ、および/または処理活性を増強するために、前記分子内で実施可能である。置換は、鎖内にて実施可能であり、または鎖の末端での残基にて実施可能である。特定の実施形態において、置換および/または修飾は、DsiRNA試薬内の特定の残基にて実施される。そのような置換および/または修飾には、例えばDsiRNAのセンス鎖の3’末端位置からナンバリングした場合、1つまたはそれ以上の位置1、2および3でのデオキシ−修飾、DsiRNA試薬のアンチセンス鎖の3’末端残基での、2’−O−アルキル(例えば2’−O−メチル)修飾の導入が含まれ、そのような修飾はまた、アンチセンス鎖の3’末端のオーバーハング位置、および活性siRNA試薬を形成するために処理されるDsiRNA試薬の領域内に含まれるDsiRNAのアンチセンス鎖の交互残基にて実施される。以上の修飾は、例として提供され、任意の様式にて制限の意図はない。本発明の抗−β−カテニンDsiRNA試薬において実施可能な修飾および置換のさらなる記述を含む、好ましいDsiRNA試薬の構造のさらなる考慮を以下で見ることが可能である。
第一配列が、本明細書の第二配列に関して「本質的に相補的である」として引用される場合、2つの配列は完全に相補的であってよく、またはそれらの根本的な適用にもっとも関連のある条件下、ハイブリッド形成する能力を維持したまま、それらはハイブリッド形成に際して、1つまたはそれ以上に、しかし一般的に4、3または2以下のミスマッチ塩基を形成してよい。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリッド形成に際して、1つまたはそれ以上の一本鎖オーバーハングを形成するようにデザインされる場合、そのようなオーバーハングは、相補性の決定に関して、ミスマッチとして見なされるものではない。例えば、より長いオリゴヌクレオチドが、より短いオリゴヌクレオチドに対して完全に相補的である21ヌクレオチドの配列を含む場合、長さにして21ヌクレオチドの1つのオリゴヌクレオチドを含むdsRNAと、長さにして23ヌクレオチドの他のオリゴヌクレオチドがまた、本発明の目的に対して、「完全に相補的である」としてまた引用されてよい。
本明細書で使用する、用語「二本鎖RNA」または「dsRNA」は、以上で定義したような、2つの逆平行および本質的に相補的な核酸鎖を含む二本鎖構造を持つ、リボ核酸分子の複合体を意味する。二本鎖構造を形成する2つの鎖は、1つのより長いRNA分子の異なる位置であってよく、別々のRNA分子であってよい。別々のRNA分子の場合、そのようなdsRNAはしばしば、siRNA(「短い干渉RNA」)またはDsiRNA(「Dicer基質siRNA」)として引用される。2つの鎖が1つのより長い分子の一部分である場合、したがって二本鎖構造を形成する1つの鎖の3’末端と、個々の他の鎖の5’末端間のヌクレオチドの干渉しない鎖によって連結される場合、連結しているRNA鎖は、「ヘアピンループ」、「短ヘアピンRNA」または「shRNA」として引用される。2つの鎖が、二本鎖構造を形成する1つの鎖の3’末端と、個々の他の鎖の5’末端間のヌクレオチドの干渉しない鎖以外の方法によって共有的に連結する場合、連結している構造は、「リンカー」として引用される。RNA鎖は、同一または異なる数のヌクレオチドを持ってよい。塩基対の最大数は、dsRNAのもっとも短い鎖中のヌクレオチドの数から二本鎖中に存在する任意のオーバーハングを引いたものである。二本鎖構造に加えて、dsRNAは、1つまたはそれ以上のヌクレオチドオーバーハングを含んでよい。加えて、本明細書で使用するところの「dsRNA」には、多重ヌクレオチドにおける本質的な修飾を含み、本明細書で開示されたか、本技術分野で公知のすべての型の修飾を含む、リボヌクレオチド、ヌクレオシド間結合、末端基、キャップおよび共役部位への化学的修飾が含まれうる。siRNA−またはDsiRNA−型分子内で使用されるような、任意のそのような修飾は、本明細書および請求項の目的に対して、「dsRNA」によって包含される。
用語「二本鎖領域」は、ワトソン−クリック塩基対化または相補的であるか、または本質的に相補的であるオリゴヌクレオチド鎖間の二本鎖に対して許容する他の様式のいずれかによって、互いに塩基対を形成する2つの相補的であるか、または本質的に相補的なオリゴヌクレオチド中の領域を意味する。例えば、21ヌクレオチドユニットを持つオリゴヌクレオチド鎖は、21ヌクレオチドユニットの他のオリゴヌクレオチドと塩基対化可能であり、「二本鎖領域」が19塩基対からなるように、各鎖上の19塩基のみが、相補的であるか、本質的に相補的である。残りの塩基対は、例えば、5’および3’オーバーハングとして存在する。さらに、二本鎖領域内で、100%の相補性は要求されず、本質的な相補性が二本鎖領域内で許容可能である。本質的な相補性は、生物学的条件下でアニーリング可能であるような、鎖間の相補性を意味する。2つの鎖が、生物学的条件下でアニーリング可能であるかどうかを実験的に明らかにするための技術が、本技術分野でよく公知である。あるいは、2つの鎖を、それらが互いにアニールするかどうかを明らかにするために、合成し、生物学的条件下で一緒に加えることが可能である。
多数の塩基にわたり塩基対を形成する一本鎖核酸が、「ハイブリダイズする」と呼ばれる。ハイブリッド形成は、生理学的および生物学的に関連のある条件(例えば、細胞内:pH7.2、140mMカリウムイオン、細胞外pH7.4、145mMナトリウムイオン)下で典型的に決定される。ハイブリッド形成条件は一般的に、一価カチオンと生物学的に許容可能な緩衝液を含み、二価カチオン、複合体アニオン、例えばグルタミン酸カリウムからのグルタミン酸、スクロースのような非荷電種、および例えばPEGといった試料中の水の活性を減少させるための不活性ポリマーを含んでよく、または含まなくてよい。そのような条件には、塩基対が形成される条件が含まれる。
ハイブリッド形成は、二本鎖を形成している一本鎖核酸を乖離させるために必要な温度、すなわち(融解温度、Tm)によって測定される。ハイブリッド形成条件はまた、塩基対が形成されうる条件である。種々のストリンジェントな条件を使用して、ハイブリッド形成を決定可能である(Wahl,G.M.and S.L.Berger(1987)Methods Enzymol.152:399;Kimmel.A.R.(1987)Methods Enzymol.152:507を参照のこと)。ストリンジェントな温度条件は通常、少なくとも約30℃の、より好ましくは少なくとも約37℃、最も好ましくは少なくとも約42℃の温度を含む。長さにして50塩基対以下であると予想されるハイブリッドに対するハイブリッド形成温度は、ハイブリッドの融解温度(Tm)の5〜10℃下であるべきであり、そこでTmは、以下の等式にしたがって決定される。長さにして18塩基対以下のハイブリッドに対して、Tm(℃)=2(A+T塩基の#)+4(G+C塩基の#)。長さにして18〜49塩基対のハイブリッドに対して、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)、式中Nはハイブリッド中の塩基数であり、[Na+]はハイブリッド形成緩衝液中のナトリウムイオンの濃度である(1×SSC=0.165Mに対する[Na+])。例えば、ハイブリッド形成決定緩衝液を表1に示す。
表1
ハイブリッド形成条件における有用な変化が、当業者に容易に理解されるであろう。ハイブリッド形成技術は、当業者によく公知であり、例えば、Benton and Davis(Science 196:180,1977);Grunstein and Hogness(Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 72:3961,1975);Ausubel et al.(Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,New York, 2001);Berger and Kimmel(Antisense to Molecular Cloning Techniques,1987,Academic Press,New York);およびSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New Yorkにて記述されている。
本明細書で使用するところの、「オリゴヌクレオチド鎖」は、一本鎖核酸分子である。オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド(例えば2’修飾を持つヌクレオチド、合成塩基類似体など)またはそれらの組み合わせを含んでよい。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、例えば細胞取込の増強、ヌクレアーゼの存在下での安定性の増加のような特性のために、天然の形態より好ましい。
本明細書で使用するところの用語「リボヌクレオチド」は、天然および合成、非修飾および修飾リボヌクレオチドを包含する。修飾には、糖部分に対する、塩基部分に対する、および/またはオリゴヌクレオチド中のリボヌクレオチド間の結合に対する変化が含まれる。本明細書で使用するところの用語「リボヌクレオチド」はとりわけ、2’リボース環位置にて、単一プロトン基を有するヌクレオチドである、デオキシリボヌクレオチドを除外する。
本明細書で使用するところの用語「デオキシリボヌクレオチド」は、天然および合成、非修飾および修飾デオキシリボヌクレオチドを包含する。修飾には、糖部分に対する、塩基部分に対する、および/またはオリゴヌクレオチド中のデオキシリボヌクレオチド間の結合に対する変化が含まれる。本明細書で使用するところの用語「デオキシリボヌクレオチド」にはまた、dsRNA試薬のDicer開裂を許容しない修飾リボヌクレオチド、例えば、そのような残基の結合においてDicer開裂が発生することを許容しない、2’−O−メチルリボヌクレオチド、ホスホロチオエート−修飾リボヌクレオチド残基なども含まれる。
本明細書で使用するところの用語「PS−NA」は、ホスホロチオエート−修飾ヌクレオチド残基を意味する。用語「PS−NA」はしたがって、ホスホロチオエート−修飾リボヌクレオチド(「PS−RNA」)およびホスホロチオエート−修飾デオキシリボヌクレオチド(「PS−DNA」)両方を包含する。
本明細書で使用するところの「Dicer」は、dsRNAまたはdsRNA−含有分子、例えば二本鎖RNA(dsRNA)またはプレ−ミクロRNA(miRNA)を、通常3’末端に2塩基オーバーハングを持つ、二本鎖核酸断片19〜25ヌクレオチド長に開裂する、RNase IIIファミリー内のエンドリボヌクレアーゼを意味する。本発明のdsRNAに関して、本発明の試薬のdsRNA領域によって形成される二本鎖は、Dicerによって認識され、二本鎖の少なくとも1つの鎖上Dicer基質である。Dicerは、RNA干渉経路中の第一段階を触媒し、結果として、標的RNAの分解にいたる。ヒトDicerのタンパク質配列は、寄託番号NP_085124下、NCBIデータベースにて提供され、引用によって本明細書で組み込まれる。
Dicer「開裂」は、以下に明らかにされている(例えば、Collingwood et al.,Oligonucleotides 18:187-200(2008)を参照のこと)。Dicer開裂アッセイにおいて、RNA二本鎖(100pmol)を、1ユニットの組換え体ヒトDicer(Stratagene、ラホヤ,カリフォルニア州)あり、またはなしで、20μLの20mM Tris pH8.0、200mM NaCl、2.5mM MgCl2中、37℃にて18〜24時間インキュベートする。試料を、Performa SR96−穴プレート(Edge Biosystems,ゲイザースバーグ,メリーランド州)を用いて脱塩する。Dicerでの前処理および後処理二本鎖RNAの電子噴霧イオン化液体クロマトグラフィー質量分析(ESI−LCMS)を、ThermoFinnigan TSQ7000、Xcaliburデータシステム、ProMassデータ処理ソフトウェアおよびParadigm MS4 HPLC(Michrom BioResources,オーバーン,カリフォルニア州)からなるOligo HTCSシステム(Navatia,プリンストン,ニュージャージー州:Hail et al.,2004)を用いて実施する。本アッセイにおいて、Dicer開裂が、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%のDicer基質dsRNA(すなわち25〜30bp、dsRNA、好ましくは26〜30bp dsRNA)が、より短いdsRNA(例えば、19〜23bp dsRNA、好ましくは21〜23bp dsRNA)に開裂される場で発生する。
本明細書で使用するところの「Dicer開裂部位」は、DicerがdsRNA(例えば、本発明のDsiRNA試薬のdsRNA領域)を開裂する部位を意味する。Dicerは、典型的にdsRNAのセンスおよびアンチセンス鎖両方を開裂する、2つのRNaseIIIドメインを含む。RNaseIIIドメインとPAZドメイン間の平均距離が、産出する短い二本鎖核酸断片の長さを決定し、この距離は、変化可能である(Macrae et al.(2006)Science 311:195−8)。図1に示すように、Dicerは、アンチセンス鎖の3’末端から除去された、21番目と22番目のヌクレオチド間の部位にて、およびセンス鎖の5’末端より除去された、21番目と22番目のヌクレオチド間の相当する部位で、2ヌクレオチド3’オーバーハングを持つアンチセンス鎖を有する、本発明の特定の二本鎖リボ核酸を開裂すると予想される。図1にて描写したものと異なる、dsRNA分子に対する予想された、および/または一般的なDicer開裂部位(複数可)は、Macrae et al.にて記述されたものを含む、本技術分野で認識される方法を介して、同様に同定されうる。図1に記述のDicer開裂事象が、21ヌクレオチドsiRNAを産出する一方で、dsRNA(例えばDsiRNA)のDicer開裂が結果として、長さにして19〜23ヌクレオチドのDicer−処理siRNA長の産出となりうることに留意されたい。実際、特定の実施形態において、二本鎖DNA領域は、21merではなく、一般的にに好ましくない19merまたは20merのsiRNAの一般的なDicer切除を指向する目的のために、dsRNA内に含まれてよい。
本明細書で使用するところの、「オーバーハング」は、dsRNAの5’末端または3’末端にて1つまたはそれ以上の遊離末端を持つ二本鎖の文脈において、対になっていないヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、オーバーハングは、アンチセンス鎖またはセンス鎖上の3’または5’オーバーハングである。いくつかの実施形態において、オーバーハングは、1〜6ヌクレオチド、任意に1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜6、2〜5、2〜4、2〜3、3〜6、3〜5、3〜4、4〜6、4〜5、5〜6ヌクレオチド、または1、2、3、4、5または6ヌクレオチドの長さを持つ3’オーバーハングである。
本発明のdsRNAは、二本鎖構造を形成するためにハイブリッド形成するのに十分に相補的である2つのRNA鎖を含む。dsRNAの1つの鎖(アンチセンス鎖)は、β−カテニン標的遺伝子の発現の間に形成されたmRNAの配列から誘導された、標的配列に本質的に相補的な、一般的には完全に相補的な相補性の領域を含み、他の鎖(センス鎖)は、アンチセンス鎖に相補的な領域を含み、それによって2つの鎖は、好適な条件下で結合した時に、ハイブリッド形成し、二本鎖構造を形成する。一般的に、二本鎖構造は、長さにして15〜35、任意に25〜30、26〜30、18〜25、19〜24または19〜21塩基対である。同様に、標的配列に相補的な領域は、長さにして、15〜35、任意に18〜30、25〜30、19〜24または19〜21ヌクレオチドである。本発明のdsRNAはさらに、1つまたはそれ以上の一本鎖ヌクレオチドオーバーハング(複数可)を含んでよい。(一般的に長さにして25塩基対の)DsiRNAおよびsiRNA(特定の実施形態において、siRNAの二本鎖構造は、20〜23、任意に特に21塩基対)を含む、長さにして15〜35塩基対の二本鎖構造を含むdsRNAが、RNA干渉を誘導することにおいて効果的であり得ることが明らかにされてきた(Elbashir et al.,EMBO 20:6877−6888)。また、20塩基対より短い二本鎖を有するdsRNAも同様に効果的であり得ることが同定されてきた(例えば15、16、17、18または19塩基対)。特定の実施形態において、本発明のdsRNAは、19ヌクレオチドまたはそれ以上の長さの少なくとも1つの鎖を含みうる。特定の実施形態において、以下の表10の配列の1つに相補的な配列から1つまたは両方の末端上の2〜3個のヌクレオチドを引くことを含む、より短いdsRNAが、上述および表2〜5および7〜10にて記述したdsRNAと比較して同様に効果的であり得る。したがって、表10の配列の1つに十分に相補的な、少なくとも15、16、17、18、19、20またはそれ以上の近接するヌクレオチドの部分配列を含み、完全な配列を含むdsRNAから5、10、15、20、25または30%以下の阻害まで、本発明で記述したようなアッセイにて、Β−カテニン標的遺伝子の発現を阻害する能力において異なるdsRNAが、本発明によって企図される。1つの実施形態において、dsRNAの少なくとも1つの末端が、1〜5、任意に1〜4、特定の実施形態において、1または2ヌクレオチドの一本鎖ヌクレオチドオーバーハングを持つ。少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを持つ特定のdsRNA構造は、dsRNA分子の両端にて、塩基対形成平滑末端を有する相当物と比較して、優れた阻害特性を有する。
本明細書で使用するところの用語「RNA処理」は、以下により詳細に記述されている(以下「RNA処理」項目を参照のこと)siRNA、miRNAまたはRNase H経路の構成要素(例えばDrosha、Dicer、Argonaute2または他のRISCエンドリボヌクレアーゼおよびRNaseH)によって行われる処理活性を意味する。本用語は、RNAの5’キャッピングの転写後工程と、非RISCまたは非RNase H−仲介工程を介したRNAの分解と明示的に区別される。RNAのそのような「分解」は、例えば脱アデニル化(3’ポリ(A)テールの除去)、および/または1つまたはそれ以上の種々のエンド−またはエキソ−ヌクレアーゼ(例えばRNaseIII、RNaseP、RNaseT1、RNaseA(1、2、3、4/5)、オリゴヌクレオチダーゼなど)による、RNAの本体の部分または全てのヌクレアーゼ消化といった種々の形態を取り得る。
「相同配列」によって、遺伝子、遺伝子転写産物および/または非コードポリヌクレオチドのような、1つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列によって共有されるヌクレオチド配列を意味する。例えば、相同配列は、サイトカインおよびその対応する受容体のような、遺伝子ファミリーの異なるメンバー、異なるタンパク質エピトープ、異なるタンパク質イソフォームまたは完全に相違する遺伝子のような、関係性はあるが異なるタンパク質をコードしている2つまたはそれ以上の遺伝子によって共有されるヌクレオチド配列でありうる。相同配列は、非コードDNAまたはRNA、制御配列、イントロン、および転写制御または調節の部位のような、2つまたはそれ以上の非コードポリヌクレオチドによって共有されるヌクレオチド配列でありうる。相同配列はまた、1つ以上のポリヌクレオチド配列によって共有される保存配列領域を含みうる。相同性は、部分相同配列(例えば99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%など)もまた本発明で企図されるので、完全相同性(例えば100%)である必要はない。実際、本発明のDsiRNA試薬のデザインおよび利用は、本明細書で記述したDsiRNA試薬と完全な相補性を有するβ−カテニンの標的RNAに対してのみでなく、前記DsiRNA試薬に対して例えば99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%等だけ相補的である配列を有するβ−カテニンRNAに対しての、そのようなDsiRNA試薬を利用する可能性を企図する。同様に、本発明の本明細書で記述されたDsRNA試薬は、前記DsiRNA試薬と標的β−カテニンRNA、例えばβ−カテニンの特定の対立変異体(例えば増強された治療対象の対立遺伝子)間の相補性の程度を増強するために、当業者によって簡単に変更されうる。実際、標的β−カテニン配列に関する挿入、欠損および単一点変異を持つDsiRNA試薬配列がまた、阻害に対して効果的であり得る。あるいは、ヌクレオチド類似体置換または挿入を持つDsiRNA試薬配列が阻害に対して効果的であり得る。
配列同一性は、本技術分野で公知の配列比較および整列アルゴリズムによって明らかしてよい。2つの核酸配列の(または2つのアミノ酸配列の)パーセント同一性を明らかにするために、配列を比較の目的で整列させる(例えばギャップを、最適配列のために、第一配列または第二配列中に導入可能である)。対応するヌクレオチド(またはアミノ酸)位置でのヌクレオチド(またはアミノ酸残基)をついで比較する。第一配列中の位置が、第二配列中の相当する位置と同様の残基によって占有される場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間のパーセント同一性は、配列によって共有された同一の位置の数の関数であり(すなわち%相同性=同一位置の#/位置.時間.100の総#)、任意に、導入されたギャップの数および/または導入されたギャップの長さに対するスコアをを科してもよい。
2つの配列間の配列の比較と、パーセント同一性の決定を、数学的アルゴリズムを用いて実施可能である。1つの実施形態において、整列は、十分な同一性をもって整列させた整列の特定の部分にわたり、しかし低度の同一性を持つ部分にはわたらず(すなわち局所配列)産出された。配列の比較のために使用した局所整列アルゴリズムの好ましい、非限定例は、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−77にてのように修飾された、Karlin and Altschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−68のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、Altshul,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403−10のBLASTプログラム(バージョン2.0)内に組み込まれる。
他の実施形態において、ギャップ整列は、適切なギャップを導入することによって形成され、パーセント同一性が、整列した配列の長さにわたり決定される(すなわちギャップ整列)。比較の目的のために、ギャップ整列を得るために、ギャップBLASTを、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389−3402にて記述したように使用可能である。他の実施形態において、グローバル整列が、適切なギャップを導入することによって形成され、パーセント同一性が、整列した配列の全長にわたり決定される。配列のグローバル比較のために利用される数学的アルゴリズムの好ましい、非限定例は、Myers and Miller,CABIOS(1989)のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列整列ソフトウェアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)内に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する時に、PAM120ウェイト残基表、12のギャップ長ペナルティー、および4のギャップペナルティーを使用可能である。
DsiRNAアンチセンス鎖およびβ−カテニンRNA配列の部分間の80%より大きな配列同一性、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性が好ましい。あるいは、DsiRNAは、β−カテニンRNAの一部とハイブリッド形成可能なヌクレオチド配列(またはオリゴヌクレオチド配列)として機能的に定義してよい(例えば、400mM NaCl、40mM PIPES pH6.4、1mM EDTA、12〜16時間の50℃または70℃ハイブリッド形成とそれに続く洗浄)。さらなる好ましいハイブリッド形成条件には、1×SSC中70℃、または1×SSC中50℃、50%ホルムアミドでのハイブリッド形成と、続く0.3×SSC中70℃での洗浄、または4×SSC中70℃、または4×SSC中50℃、50%ホルムアミドでのハイブリッド形成と、続く1×SSC中67℃での洗浄が含まれる。長さにして50塩基対以下であると見込まれるハイブリッドに対するハイブリッド形成温度は、当該ハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低いものであり、Tmは以下の等式にしたがって決定される。長さにして18塩基対より少ないハイブリッドに対して、Tm(℃)=2(A+T塩基の#)+4(G+C塩基の#)。長さにして18〜49塩基対のハイブリッドに対して、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)、式中Nはハイブリッド中の塩基数であり、[Na+]はハイブリッド形成緩衝液中のナトリウムイオンの濃度である(1×SSC=0.165Mに対する[Na+])。ポリヌクレオチドハイブリッド形成に対するストリンジェントな条件のさらなる例が、Sambrook,J.,E.F.Fritsch,and T.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,9および11章、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,1995,F.M.Ausubel et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,項目2.10および6.3〜6.4にて提供される。等しいヌクレオチド配列の長さは、少なくとも10、12、15、17、20、22、25、27または30塩基であってよい。
「保存配列領域」によって、ポリヌクレオチド内の1つまたはそれ以上の領域のヌクレオチド配列が、世代間で、または1つの生物学的システム、対象または生命体から、他の生物学的システム、対象または生命体の間に有意に変化しないことを意味する。ポリヌクレオチドは、コードおよび非コードDNAおよびRNA両方を含みうる。
「センス領域」によって、DsiRNA分子のアンチセンス領域に対して相補性を持つDsiRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。さらに、DsiRNA分子のセンス領域は、標的核酸配列と相同性を持つ核酸配列を含みうる。
「アンチセンス領域」によって、標的核酸配列に対して相補性を持つDsiRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。さらに、DsiRNA分子のアンチセンス領域は、DsiRNA分子のセンス領域に対して相補性を持つ核酸配列を含む。
本明細書で使用するところの「アンチセンス鎖」は、標的RNAのものに対して相補的な配列を持つ、一本鎖核酸分子を意味する。アンチセンス鎖が、塩基類似体で修飾されたヌクレオチドを含む場合、その全長にわたり相同的である必要はないが、少なくとも標的RNAでハイブリッドしなければならない。
本明細書で使用するところの「センス鎖」は、アンチセンス鎖のものに対して相補的な配列を持つ、一本鎖核酸分子を意味する。アンチセンス鎖が、塩基類似体で修飾されたヌクレオチドを含む場合、センス鎖は、アンチセンス鎖の全長にわたり相補的である必要はないが、しかしアンチセンス鎖と少なくとも二本鎖を形成しなければならない。
本明細書で使用するところの「ガイド鎖」は、dsRNAまたはdsRNA−含有分子の一本鎖核酸分子を意味し、結果としてRNA干渉となる、標的RNAのものと十分に相補的である配列を持つ。DicerによるdsRNAまたはdsRNA含有分子の開裂後、ガイド鎖の断片が、RISCに結合したままとなり、RISC複合体の一成分として標的RNAに結合し、RISCによって標的RNAの開裂を促進する。本明細書で使用するように、ガイド鎖は、連続一本鎖核酸を意味する必要はなく、好ましくはDicerによる開裂の部位で、不連続性を含んでよい。ガイド鎖はアンチセンス鎖である。
本明細書で使用するところの「パッセンジャー鎖」は、dsRNAまたはdsRNA含有分子のオリゴヌクレオチド鎖を意味し、ガイド鎖のものと相補的である配列を持つ。本明細書で使用するように、パッセンジャー鎖は、連続一本鎖核酸を意味する必要はなく、好ましくはDicerによる開裂の部位で、不連続性を含んでよい。パッセンジャー鎖はセンス鎖である。
「標的核酸」によって、その発現、レベルまたは活性が調整されるべきである核酸配列を意味する。標的核酸は、DNAまたはRNAでありうる。ARを標的とする試薬に関して、特定の実施形態において、標的核酸はβ−カテニンRNAでありうる。β−カテニンRNA標的部位はまた、相当するcDNA配列によって互換的に参照されうる。β−カテニンのレベルはまた、β−カテニンの上流効果器の標的化を介して標的化されてよく、または調整されたまたは誤調節されたβ−カテニンの効果がまた、β−カテニンシグナル伝達経路中のβ−カテニンの下流の分子の標的化によって調整されてもよい。
「相同性」によって、核酸が、伝統的なワトソン−クリック、または他の非伝統的な型のいずれかによって、他の核酸配列と水素結合(複数可)を形成可能であることを意味する。本発明の核酸分子に関して、その相補的な配列を持つ核酸分子に対する結合自由エネルギーは、核酸の関連ある機能、例えばRNAi活性を進めることを許容するのに十分である。核酸分子に対する結合自由エネルギーの決定が、本技術分野でよく知られている(例えば、Turner et al.,1987,CSH Symp.Quant.Biol.LII pp.123−133;Frier et al.,1986,Proc.Nat.Acad.Sci. USA 83:9373−9377;Turner et al.,1987,J.Am. Chem.Soc.109:3783−3785を参照のこと)。パーセント相補性は、第二核酸配列と水素結合を形成可能な(例えばワトソン−クリック塩基対化)核酸分子中の近接する残基の割合を示唆する(例えば10ヌクレオチドを持つ第二核酸配列に対して対となる、第一オリゴヌクレオチド中の合計10ヌクレオチドのうち5、6、7、8、9または10ヌクレオチドが、それぞれ50%、60%、70%、80%、90%および100%相同性を表す)。「完全に相補的」は、核酸配列の近接する残基の全てが、第二核酸配列中の同一の数の近接する残基と水素結合することを意味する。1つの実施形態において、本発明のDsiRNA分子は、1つまたはそれ以上の標的核酸分子またはそれらの部分に対して相補的である、19〜30(例えば19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30またはそれ以上)のヌクレオチドを含む。
1つの実施形態において、β−カテニン遺伝子発現を下方制御または減少させる本発明のDsiRNA分子を、対象または生命体内のΒ−カテニン関連疾患または障害(例えば癌)を治療する、予防するまたは減少させるために使用する。
本発明の1つの実施形態において、本発明のDsiRNA分子の各配列は、独立して、長さにして25〜35ヌクレオチド、特定の実施形態において、長さにして25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35ヌクレオチドである。他の実施形態において、本発明のDsiRNA二本鎖は独立して、25〜30塩基対(例えば25、26、27、28、29または30)を含む。他の実施形態において、本発明のDsiRNA分子の1つまたはそれ以上の鎖は、標的(AR)核酸分子に相補的である、19〜35ヌクレオチド(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35)を含む。特定の実施形態において、本発明のDsiRNA分子は、長さにして25〜34ヌクレオチド(例えば長さにして25、26、27、28、29、30、31、32、33または34ヌクレオチド、全てのそのようなヌクレオチドは、反対の鎖の同種ヌクレオチドと塩基対を形成する)の二本鎖ヌクレオチドの長さを有する。(本発明の典型的DsiRNA分子を図1および以下に示す。
本明細書で使用するところの「細胞」は、その通常の生物学的意味において使用され、全多細胞生物を意味せず、例えば特にヒトを意味しない。細胞は、生命体、例えば鳥類、植物およびヒト、ウシ、ヒツジ、類人猿、サル、ブタ、イヌおよびネコのような哺乳動物中に存在しうる。細胞は、原核生物(例えば細菌細胞)または真核生物(例えば哺乳動物または植物細胞)でありうる。細胞は、体細胞または生殖細胞由来、全能細胞または多能性細胞、分裂細胞または非分裂細胞でありうる。細胞はまた、配偶子または胚、幹細胞または完全に分化した細胞から由来してもよく、または含んでもよい。特定の態様内で、用語「細胞」は、本明細書の1つまたはそれ以上の単離されたdsRNA分子を含むヒト細胞のような特に哺乳動物細胞を意味する。特定の態様において、細胞は、結果として標的核酸のRNA干渉となる、dsRNAまたはdsRNA含有分子を有し、RNAiに対して必要とされるタンパク質およびタンパク質複合体、例えばDicerおよびRISCを含む。
特定の実施形態において、本発明のdsRNAは、Dicer基質siRNA(「
DsiRNA」)である。DsiRNAは、dicer基質ではない阻害核酸(「非DsiRNA」)と比較して、特定の利点を有しうる。そのような利点には、非DsiRNAに対して、DsiRNAの効果の期間の増強、ならびに各阻害核酸が好適に処方され、同一の濃度で、哺乳動物細胞内の阻害活性に関して評価される時、非DsiRNA(例えば19〜23mer1のsiRNA)と比較した、DsiRNAの阻害活性の増強が含まれるが、これらに限定はされない(後者のシナリオの場合、DsiRNAは、非DsiRNAよりもより強力なものとして同定されうる)。非DsiRNAに対するDsiRNAの強度の増強の検出はしばしば、結果としてDisRNAが、標的RNA(例えばmRNA)におけるおよそ30〜70%のノックダウン活性を誘発することとなる、処方された濃度(例えばdsRNAのトランスフェクション濃度)でほぼ容易に達成される。活性DsiRNAに関して、そのようなノックダウン活性のレベルは、ほとんどの場合、1nMまたはそれ以下の好適に処方されたin vitro哺乳動物細胞のDsiRNA形質移入濃度で達成され、特定の例において、200pMまたはそれ以下、100pMまたはそれ以下、50pMまたはそれ以下、20pMまたはそれ以下、10pMまたはそれ以下、5pMまたはそれ以下、または1pMまたはそれ以下のDsiRNAトランスフェクション濃度で観察される。実際、標的RNAの30〜70%ノックダウンが観察される正確な濃度のDsiRNA間の変動に起因して、効果的な濃度の範囲にわたる、DsiRNAおよび非DsiRNAの阻害活性の評価を介した、IC50曲線の構築が、非DsiRNA阻害試薬に対するDsiRNAの強度の増強した能力を検出するための好ましい方法である。
特定の実施形態において、(Dicer開裂前、最初に形成されたような状態での)DsiRNAは、その中に含まれる19、20、21、22または23塩基対配列よりも、哺乳動物細胞中のβ−カテニン標的遺伝子発現を減少させることにおいて、より強力である。特定のそのような実施形態において、dicer開裂前のDsiRNAは、その中に含まれる19〜21merより強力である。任意に、dicer開裂前のDsiRNAは、(それによって、dTdTオーバーハングを持つ21ヌクレオチド鎖長を有するsiRNAを形成する)対称dTdTオーバーハングで合成される、その中に含まれた19塩基対二本鎖よりも強力である。特定の実施形態において、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに対して列挙される21ヌクレオチド標的配列の少なくとも15ヌクレオチドを標的とする、19〜23merのsiRNA(例えばdTdTオーバーハングを持つ19塩基対二本鎖)よりも強力である(理論に結びつける希望はなしに、DsiRNAに対するそのような標的部位の同一性は、DsiRNAに対するAgo2開裂部位の同定を介して明らかにされる。いったんDsiRNAのAgo2開裂部位がDsiRNAに対して決定されたらば、任意の他の阻害dsRNAに対するAgo2開裂部位の同定が実施され、それらのAgo2開裂部位を整列可能であり、それによって多数のdsRNAに対する予想された標的ヌクレオチド配列の整列が決定される)。特定の関連した実施形態において、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに対して列挙される21ヌクレオチド標的配列の少なくとも20ヌクレオチドを標的とする、19〜23merのsiRNAよりも強力である。任意に、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに対して列挙される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする、19〜23merのsiRNAよりも強力である。特定の実施形態において、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに対して列挙される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする、任意の21merのsiRNAよりも強力である。任意に、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに対して列挙される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする、任意の21または22merのsiRNAよりも強力である。特定の実施形態において、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに対して列挙される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする任意の21、22または23merのsiRNAより強力である。以上に言及するように、そのような強度の評価は、1nMまたはそれ以下の濃度で、好適に処方された(例えば適切なトランスフェクト試薬で処方された)dsRNAにおいてもっとも効果的に実施される。任意に、IC50による評価を、効果的な阻害濃度の範囲にわたる活性を評価するために実施し、それによって、アッセイされたdsRNAの相対的な強度のしっかりとした比較が許容される。
本発明のdsRNA分子は、直接加えられ、または脂質(例えばカチオン性脂質)と複合体化、リポソーム内にパッケージ、または標的細胞または組織に伝達可能である。核酸または核酸複合体を、バイオポリマー内への組み込みあり、またはなしで、直接皮膚適用、経皮適用、または注射を介して、ex vivoまたはin vivoで、関連する組織に局所的に投与可能である。特定の実施形態において、本発明の核酸分子は、図1に示す配列と、以下の典型構造を含む。そのような核酸分子の実施例は、これらの図および典型構造にて定義した構造から本質的になる。さらに、そのような試薬を、DsiRNA試薬の修飾パターン化の以下の記述にしたがって修飾する場合、図1にて記述された構造物の化学的に修飾された形態、および以下の典型構造を、図1および以下の典型構造のDsiRNA試薬に対して記述した全ての使用において利用可能である。
他の態様において、本発明は、本発明の1つまたはそれ以上のDsiRNAを含む哺乳動物細胞を提供する。1つまたはそれ以上のDsiRNA分子は独立して、同一または異なる部位を標的とすることが可能である。
「RNA」は、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも4、8および12リボヌクレオチド残基を含む分子を意味する。少なくとも4、8または12のRNA残基は近接してよい。「リボヌクレオチド」によって、β−D−リボフラノース部位の2’位でヒドロキシル基を持つヌクレオチドを意味する。本用語には、二本鎖RNA、一本鎖RNA、部分的に精製したRNAのような単離RNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換えで産出されたRNA、ならびに1つまたはそれ以上のヌクレオチドの添加、欠損、置換および/または変更によって、天然に存在するRNAとは異なる変更RNAが含まれる。そのような変更には、DsiRNAの末端(複数可)または例えばRNAの1つまたはそれ以上のヌクレオチドで内部で、非ヌクレオチド物質の添加が含まれる。本発明のRNA分子中のヌクレオチドはまた、天然に存在しないヌクレオチドまたは化学的に合成されたヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのような、非標準のヌクレオチドも含みうる。これらの変化したRNAは、類似体または天然に存在するRNAの類似体として引用可能である。
「対象」は、移植された細胞のドナーまたはレシピエントまたは細胞それら自身である、生命体を意味する。「対象」はまた、本発明のDsiRNA試薬を投与可能な生命体を意味する。対象は、ヒトまたはヒト細胞を含む、哺乳動物または哺乳動物細胞でありうる。
用語「薬理学的に許容可能な担体」は、治療薬剤の投与のための担体を意味する。典型的な担体には、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびこれらの組み合わせが含まれる。経口で投与される薬物に対して、薬理学的に許容可能な担体には、不活性希釈液、分散剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、香味料、着色料および保存料などのような、薬理学的に許容可能な賦形剤が含まれるが、これらに限定はされない。好適な不活性希釈液には、炭酸ナトリウムおよびカリウム、リン酸ナトリウムおよびカリウムおよびラクトースが含まれ、トウモロコシデンプンおよびアルギン酸が好適な分散剤である。結合剤には、デンプンおよびゼラチンが含まれてよく、潤滑剤は存在するのであれば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクが一般的である。望むのならば、消化器管での吸収を遅延させるために、錠剤を一ステアリン酸塩グリセリルまたは二ステアリン酸塩グリセリルのような物質でコーティングしてよい。開示されたdsRNAの薬理学的に許容可能な担体は、リポソーム、カプシド、カプソイド、ポリマー性ナノカプセルまたはポリマー性ミクロカプセルのようなミセル構造であってよい。
ポリマー性ナノカプセルまたはマイクロカプセルは、カプセル封入されたか、または結合したdsRNAの細胞内への伝達および放出を促進する。これらには、とりわけポリブチルシアノアクリレートを含む、ポリマー性および単量体物質が含まれる。物質および製造法の要約が発行されている(Kreuter,1991を参照のこと)。ポリマー化/ナノ粒子産出段階で、単量体および/または多量体前駆体から形成されるポリマー性物質は、ナノ粒子を製造する領域の当業者が通常の技術にしたがって好適に選択してよいポリマー性物質の分子量および分子量分布であるように、先行技術からそれ自体公知である。
本発明の種々の方法には、本明細書で「適切な制御」として互換的に引用される、「好適な制御」に対して、値、レベル、機能、特徴、特性などを比較することを含む段階が含まれる。「好適な制御」または「適切な制御」は、比較の目的のために有用な、当業者によく知られた制御または標準である。1つの実施形態において、「好適な制御」または「適切な制御」は、本明細書で記述したような、RNAi法を実施する前に決定される、値、レベル、機能、特徴、特性などである。例えば、転写率、mRNAレベル、翻訳率、タンパク質レベル、生物学的活性、細胞特徴または特性、遺伝子型、表現型などを、本発明のRNAサイレンシング試薬(例えばDsiRNA)を細胞または生物内に導入する前に決定可能である。他の実施形態において、「好適な制御」または「適切な制御」は、細胞または生物内で決定される値、レベル、機能、特徴、特性など、例えば正常な形質を示している対照または正常な細胞または生命体である。また他の実施形態において、「好適な制御」または「適切な制御」は、前もって定義された値、レベル、機能、特徴、特性などである。
用語「in vitro」は、当該分野で認識された意味を持ち、例えば、精製された試薬または抽出物、例えば細胞抽出物を含む。用語「in vivo」はまた、当該分野で認識された意味を持ち、例えば、生細胞、例えば不死化細胞、初代細胞、細胞株および/または生物内の細胞を含む。
本明細書で使用するところの「治療」または「治療すること」は、治療薬剤(例えばDsiRNA試薬またはそれをコードしているベクターまたはトランスジーン)の、疾患または障害を、または疾患または障害の症状を治癒させる、直す、緩和する、軽減する、変化させる、治療する、改善する、改良するまたは影響を与える目的で、疾病をもつ患者への適用または投与、または治療薬剤の患者からの単離した組織または細胞株への適用または投与として定義される。用語「治療」または「治療する」はまた、予防的に薬剤を投与する文脈でも使用される。用語「効果的用量」または「効果的投与量」は、望む効果を達成するか、または少なくとも部分的に達成するために十分な量として定義される。用語「治療に効果的な用量」は、疾患をすでに患っている患者における疾患またはその合併症を治癒する、または少なくとも部分的に停止させるのに十分な量として定義される。用語「患者」には、予防的または治療的治療いずれかを受けるヒトまたは他の哺乳動物対象が含まれる。
抗−β−カテニンDsiRNA試薬の構造
特定の実施形態において、本発明の抗−β−カテニンDsiRNA試薬は以下の構造を持つ。
1つの実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNAおよび「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインである。関連の実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNAおよび「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNAである。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
本発明のDsiRNAは、広範囲の修飾パターン(例えば、2’−O−メチルRNAパターン、例えば伸長DsiRNA試薬内)を持ちうる。本発明のDsiRNAの第二鎖の特定の修飾パターンを以下に示す。
1つの実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線の残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
他の実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
他の実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNAおよび「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
他の実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
他の実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
他の実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
他の実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’−O−メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。他の関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
以上の修飾パターンをまた、例えば、以下記述した伸長DsiRNA構造およびミスマッチおよび/またはほつれたDsiRNA構造内に組み込むことも可能である。
他の実施形態において、DsiRNAは、Dicer開裂を正しい方向にするように働く、1〜3ミスマッチ残基を有する等しい長さを持つ鎖を含む(とりわけ、3’−末端残基からナンバリングした時に、DsiRNAの第一鎖上の位置1、2または3の1つまたはそれ以上が、第一および第二鎖が互いにアニールする時に、第二鎖上の5’末端領域の相当する残基とミスマッチする)。2つの末端ミスマッチ残基を持つ典型的27merのDsiRNA試薬を示し、
式中「X」=RNA、「M」=鎖がアニールする時、他の相補的鎖の相当する「M」残基と対を形成しない(水素結合)核酸残基(RNA、DNAまたは非天然または修飾核酸)。そのような試薬の任意の残基は任意に、2’−O−メチルRNAモノマーでありえ、上記非対称試薬に関して示したように、下(第二)鎖の3’−末端残基から始まる2’−O−メチルRNAモノマーの交互位置が、上記「平滑/ほつれ」DsiRNA試薬中でも使用可能である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
特定のさらなる実施形態において、本発明は、推定されるセンス鎖Dicer開裂部位の3’と、推定されるアンチセンス鎖Dicer開裂部位の相当する5’に位置する、二本鎖リボ核酸(dsRNA)の領域内に1つまたはそれ以上の塩基対化デオキシリボヌクレオチドを有するRNA干渉(RNAi)に対する組成物を提供する。本発明の組成物は、前駆体分子であるdsRNAを含み、すなわち本発明のdsRNAが、活性小干渉核酸(siRNA)を産出するようにin vivoで処理される。dsRNAは、Dicerによって、RISC内に組み込まれる活性siRNAに処理される。
特定の実施形態において、本発明のDsiRNA試薬は、以下の典型的構造を持ちうる(任意の以下の典型的構造は、例えば、上記構造の下鎖修飾パターンと組み合わせ可能であることに留意のこと−1つの特定の実施例において、任意の上記構造中で示した下鎖修飾パターンが、任意の以下の構造の下鎖の27のほとんどの3’残基に適用される。他の特定の実施例にて、下鎖の23のほとんどの3’残基における、任意の上記構造にて示した下鎖修飾パターンが、任意の以下の構造の下鎖の23のほとんどの3’残基に適用される)。
1つのそのような実施形態において、DsiRNAは、以下を含み(典型的「右伸長」、「DNA伸長」DsiRNA)、
式中「X」=RNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、および「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
関連実施形態において、DsiRNAは、以下を含み、
式中「X」=RNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、および「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、以下を含み、
式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNAおよび「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中に描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他のそのような実施形態において、DsiRNAは、以下を含み、
式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNAおよび「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他のそのような実施形態において、DsiRNAは、以下を含み、
式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNAおよび「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他の実施形態において、DsiRNAは、以下を含み、
式中「X」=RNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNAおよび「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10であり、少なくとも1つのD1
Nが上鎖中に存在し、下鎖中の相当するD2
Nと塩基対を形成する。任意にD1
NとD1
N+1は、相当するD2
NとD2
N+1と塩基対を形成し、D1
N、D1
N+1、D1
N+2は、相当するD2
N、D1
N+1およびD1
N+2などと塩基対を形成するなどである。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
本明細書で描写した構造において、センス鎖またはアンチセンス鎖いずれかの5’末端が任意にリン酸基を含む。
他の実施形態において、DNA:DNA−伸長DsiRNAは、Dicer開裂を正しい方向にするように働く、1〜3ミスマッチ残基を有する等しい長さを持つ鎖を含む(とりわけ、3’−末端残基からナンバリングした時に、DsiRNAの第一鎖上の位置1、2または3の1つまたはそれ以上が、第一および第二鎖が互いにアニールする時に、第二鎖上の5’末端領域の相当する残基とミスマッチする)。2つの末端ミスマッチ残基を持つ典型的DNA:DNA−伸長DsiRNA試薬を示し、
式中「X」=RNA、「M」=鎖がアニールする時、他の相補的鎖の相当する「M」残基と対を形成しない(水素結合)核酸残基(RNA、DNAまたは非天然または修飾核酸)、「D」=DNA、「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜15、または任意1〜8であり、「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。そのような試薬の任意の残基は任意に、2’−O−メチルRNAモノマーでありえ、上記非対称試薬に関して示したように、下(第二)鎖の3’−末端残基から始まる2’−O−メチルRNAモノマーの交互位置が、上記「平滑/ほつれ」DsiRNA試薬中でも使用可能である。1つの実施形態において、上鎖(第一鎖)はセンス鎖であり、下鎖(第二鎖)はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。非対称/オーバーハング試薬に関して上で示したものと平行である修飾およびDNA:DNA伸長パターンもまた、そのような「平滑/ほつれ」試薬内に組み込むことが可能である。
1つの実施形態において、伸長したDsiRNA試薬が、dsRNA構造中の塩基対を形成するデオキシリボヌクレオチドの存在を必要としない、Dicer開裂の特定の方向を介して機能するようにモデル化された部位に位置するデオキシリボヌクレオチドを含むように提供される。そのような分子の典型的な構造を示し、
式中「X」=RNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNAである。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。以上の構造は、Dicerが、その第一処理後形態として、最小21merの二本鎖を開裂するようにさせるようにモデルとする。上記構造の下鎖がアンチセンスである実施形態において、アンチセンス鎖の5’の最後および最後から二番目の残基で2つのデオキシリボヌクレオチド残基が存在することが、当該化合物に対する的外れの効果を減少させるのを助けうる。
1つの実施形態において、DsiRNAは、以下を含み(典型的「左伸長」、「DNA伸長」DsiRNA)、
式中「X」=RNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、および「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、任意に2’−O−メチルRNAモノマー、「D」=DNA、「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、任意に2’−O−メチルRNAモノマー、「D」=DNA、「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが、任意に0、1、2、3、4、5または6である。「Z」=DNAまたはRNAである。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他のそのような実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、任意に2’−O−メチルRNAモノマー、「D」=DNA、「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。「Z」=DNAまたはRNAである。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他のそのような実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、および「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他のそのような実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「
X」=2’−O−メチルRNA、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、および「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10である。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインである。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他のそのような実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、および「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10であり、そこで少なくとも1つのD1
Nが上鎖中に存在し、下鎖中の相当するD2
Nと塩基対を形成する。任意にD1
NとD1
N+1は、相当するD2
NとD2
N+1と塩基対を形成し、D1
N、D1
N+1、D1
N+2は、相当するD2
N、D1
N+1およびD1
N+2などと塩基対を形成するなどである。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
関連実施形態において、DsiRNAは、
を含み、式中「X」=RNA、「D」=DNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜8または1〜10であり、そこで少なくとも1つのD1
Nが上鎖中に存在し、下鎖中の相当するD2
Nと塩基対を形成する。任意にD1
NとD1
N+1は、相当するD2
NとD2
N+1と塩基対を形成し、D1
N、D1
N+1、D1
N+2は、相当するD2
N、D1
N+1およびD1
N+2などと塩基対を形成するなどである。「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’−O−メチルRNAモノマーが、上記スキーム中で本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖にそって交互残基で局在する。
他の実施形態において、DNA:DNA−伸長DsiRNAは、Dicer開裂を正しい方向にするように働く、1〜3ミスマッチ残基を有する等しい長さを持つ鎖を含む(とりわけ、3’−末端残基からナンバリングした時に、DsiRNAの第一鎖上の位置1、2または3の1つまたはそれ以上が、第一および第二鎖が互いにアニールする時に、第二鎖上の5’末端領域の相当する残基とミスマッチする)。2つの末端ミスマッチ残基を持つ典型的DNA:DNA−伸長DsiRNA試薬を示し、
式中「X」=RNA、「M」=鎖がアニールする時、他の相補的鎖の相当する「M」残基と対を形成しない(水素結合しない)核酸残基(RNA、DNAまたは非天然または修飾核酸)、「D」=DNA、「N」=1〜50またはそれ以上であるが、任意に1〜15、または任意1〜8であり、「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。そのような試薬の任意の残基は任意に、2’−O−メチルRNAモノマーでありえ、上記非対称試薬に関して示したように、下(第二)鎖の3’−末端残基から始まる2’−O−メチルRNAモノマーの交互位置が、上記「平滑/ほつれ」DsiRNA試薬中でも使用可能である。1つの実施形態において、上鎖(第一鎖)はセンス鎖であり、下鎖(第二鎖)はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。対称/オーバーハング試薬に関して上で示したものと平行である修飾およびDNA:DNA伸長パターンもまた、そのような「平滑/ほつれ」試薬内に組み込むことが可能である。
もう1つ別の実施形態において、伸長したDsiRNA試薬が、dsRNA構造中の塩基対を形成するデオキシリボヌクレオチドの存在を必要としない、Dicer開裂の特定の方向を介して機能するようにモデル化された部位に位置するデオキシリボヌクレオチドを含むように提供される。そのような分子の典型的な構造を示し、
式中「X」=RNA、「Y」は、特定の実施形態において、任意に2’−O−メチルRNAモノマーである0〜10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、「Y」は任意に2’−O−メチルRNAモノマーである、1〜4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「N*」=0〜15またはそれ以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態において、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
上記構造の下鎖がアンチセンス鎖である任意の以上の実施形態において、アンチセンス鎖の5’の最後および最後から二番目の残基での2つのデオキシリボヌクレオチド残基の位置が、的外れの効果を減少させるのを助けうる。
特定の実施形態において、上記構造の「D」残基には、少なくとも1つのPS−DNAまたはPS−RNAが含まれる。任意に、上記構造の「D」残基には、Dicer開裂を阻害する少なくとも1つの修飾ヌクレオチドが含まれる。
上記「DNA−伸長」DsiRNA試薬は、「左伸長」または「右伸長」のいずれかとして分類される一方で、単一の試薬内で左および右伸長DNA−含有配列両方を含むDsiRNA試薬(例えば、コアdsRNA構造を取り囲む側面がdsDNA伸長である)をまた、「右伸長」および「左伸長」試薬に関して本明細書で記述したものと同様の様式で、産出し、使用可能である。
いくつかの実施形態において、本発明のDsiRNAはさらに、DNA:DNA−伸長DsiRNA試薬のセンスおよびアンチセンス鎖を連結する結合部位またはドメインを含む。任意に、そのような結合部位ドメインは、センス鎖の3’末端と、アンチセンス鎖の5’末端を連結する。結合部位は、オリゴメチレンジオールリンカー、オリゴエチレングリコールリンカー、または他の本技術分野で認識されるリンカー部位のような、化学的(非ヌクレオチド)リンカーでありうる。あるいは、リンカーは、任意に伸長ループおよび/またはテトラループを含む、ヌクレオチドリンカーでありうる。
1つの実施形態において、DsiRNA試薬は、25塩基対長を持つセンス鎖と、1〜4塩基3’−オーバーハング(例えば1塩基3’オーバーハング、2塩基3’−オーバーハング、3塩基3’−オーバーハングまたは4塩基3’−オーバーハング)を持つ27塩基対長を持つセンス鎖を持つ、非対称構造を持つ。他の実施形態において、本DsiRNA試薬は、アンチセンス鎖の3’末端にて、2つのデオキシヌクレオチドをさらに含む、非対称構造を持つ。
他の実施形態において、DsiRNA試薬は、25塩基対長を持つアンチセンス鎖と、1〜4塩基3’−オーバーハング(例えば1塩基3’オーバーハング、2塩基3’−オーバーハング、3塩基3’−オーバーハングまたは4塩基3’−オーバーハング)を持つ27塩基対長を持つセンス鎖を持つ、非対称構造を持つ。他の実施形態において、本DsiRNA試薬は、アンチセンス鎖の3’末端にて、2つのデオキシヌクレオチドをさらに含む、非対称構造を持つ。
本発明の典型的β−カテニン標的化DsiRNA試薬は以下を含む。
表2
表3
表4
以上の表2〜4の、および以下表6〜8の各DsiRNAに対する推定される21ヌクレオチド標的配列を、表5に示す。
表5
表6
表7
表8
表9
上記表9および下記表11〜13の各DsiRNAに対する推定21ヌクレオチド標的配列を表10に示す。
表10
表11
表12
表13
上記表2〜4および9内で、下線の残基は、2’−O−メチル残基を示す。上記表2〜4、6〜9および11〜13中UPPER CASEはリボヌクレオチド類を示し、下ケースはデオキシリボヌクレオチドを意味する。上記表2〜4および9のDsiRNA試薬は、平滑末端を有する25/27merの試薬である。表2〜4、6、9および11の試薬の構造および/または修飾パターンを、上記の一般的な配列構造に対して容易に適合可能であり、例えば、第二鎖の3’オーバーハングを伸長させるか、または短縮させることが可能であり、第二鎖の2’−O−メチル化を第二鎖の5’末端まで、任意に交互部位で伸長させることが可能である。そのような修飾をもつ25/27merのDsiRNAをまた、上記DsiRNA試薬から簡単にデザイン可能であり、β−カテニン発現の機能的阻害剤としても予想されるので、そのようなさらなる修飾は任意である。同様に、上記表7〜8および12〜13の試薬の、27merの「平滑/ほつれ」および「平滑/平滑」DsiRNA構造および/または修飾パターンを、例えばそのような構造に対するアンチセンス鎖の修飾パターンの適用、および/またはそのような配列の上記の一般的な構造への適用のために、上記の一般的な配列構造に容易に適用可能である。
特定の実施形態において、各27ヌクレオチドの独立した鎖長を有する27merのDsiRNAsを、本明細書表2〜4、6、9および11にて示した、非対称「25/27」構造と同一のβ−カテニン転写物内の部位の標的化のために、デザインし、合成する。典型的な「27/27」DsiRNAは、上記表7および12のDsiRNAに関して示したような「平滑/ほつれ」構造で、または上記表8および13のDsiRNAに関して示したような「平滑/平滑」構造で、任意にデザインされる。
特定の実施形態において、本発明のDsiRNA試薬は、第一鎖の、たとえば少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、または少なくとも26の残基が、第二鎖の相当する残基に相補的であることを要求する。特定の関連実施形態において、第二鎖の相当する残基に相補的なこれらの第一鎖残基は任意に連続残基である。
本明細書で使用するところの「DsiRNAmm」は、DsiRNAのセンスおよびアンチセンス鎖によって形成された二本鎖の1、2、3または4つのミスマッチ塩基対を含む、「ミスマッチ耐性領域」を持つDsiRNAを意味し、そこでそのようなミスマッチは、DsiRNAのいずれかの末端の2つの末端塩基対間に横たわっている(およびしたがって末端塩基対を含まない)場所(複数可)で、DsiRNA内に位置する。ミスマッチ塩基対は、相当する標的核酸の推定されるAgo2切断部位の局所に関して本明細書で定義した、「ミスマッチ−耐性領域」内に局在する。ミスマッチ耐性領域は、標的鎖の推定Ago2切断部位「の上流」に局在する。本文脈中の「上流」は、DsiRNAmm二本鎖の5’−のほとんどの部位として理解され、5’はDsiRNA二本鎖のセンス鎖の方向を意味する。したがって、ミスマッチ耐性領域は、標的核酸の推定Ago2切断部位に相当するセンス(パッセンジャー)鎖上の塩基の上流であり(図1)、あるいは、DsiRNAmmのアンチセンス(ガイド)鎖に対していう場合、ミスマッチ耐性領域は、標的核酸の推定Ago2切断部位に相補的な塩基の下流に位置すると記述することも可能であり、すなわち、DsiRNAmmのアンチセンス鎖の3’のほとんどの部分として記述可能である(アンチセンス鎖の位置1は、アンチセンス鎖の5’末端ヌクレオチドである、図1を参照のこと)。
1つの実施形態において、例えば図1に描写したようなナンバリングで、ミスマッチ耐性領域は、二本鎖のセンス鎖の5’末端で開始したヌクレオチドからナンバリングした場合、塩基対3〜9の間、または塩基対3〜9を含んで位置する。したがって、本発明のDsiRNAmmは、右手伸長DsiRNAのセンス鎖の位置3、4、5、6、7、8または9のいずれか1つにおいて、単一のミスマッチ塩基対を有する(位置1は、センス鎖の5’末端ヌクレオチドであり、位置9は、センス鎖配列に相当する標的β−カテニンRNA配列の推定Ago2切断部位の5’に接したセンス鎖のヌクレオチド残基である)。特定の実施形態において、センス鎖の位置3、4、5、6、7、8または9の任意の位置で、ミスマッチ塩基対ヌクレオチドを有するDsiRNAmmに対して、アンチセンス鎖の相当するミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmのセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するだけでなく、DsiRNAmm標的β−カテニンRNA配列ともミスマッチ塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基対にて中断され、相補性は、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的β−カテニンRNA配列間で同様に中断される)。他の実施形態において、DsiRNAmmのアンチセンス鎖のミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmのセンス鎖配列の相当するヌクレオチドとミスマッチ塩基対を形成するだけでなく、その相当する標的β−カテニンRNA配列ヌクレオチドとも塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基対にて中断されるが、相補性は、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的β−カテニンRNA配列との間で維持される)。
上述したように、ミスマッチ耐性領域(ミスマッチ領域)内で単一のミスマッチ塩基対を有する本発明のDsiRNAmm(例えば、センス鎖の位置3、4、5、6、7、8または9のいずれか1つにてミスマッチヌクレオチド残基をもつDsiRNAmm)はさらに、1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対を含みうる。好ましい実施形態において、DsiRNAmmのこれらの1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対は、センス鎖の位置(複数可)3、4、5、6、7、8および/または9にて(そしてアンチセンス鎖の相当する残基にて)発生する。1つのさらなるミスマッチ塩基対が、DsiRNAmm内に存在する1つの実施形態において、センス鎖の2つのミスマッチ塩基対が、例えば(アンチセンス鎖の相当するヌクレオチド残基にて発生もするミスマッチとともに)センス鎖の位置4および位置6の両方のヌクレオチドで発生しうる。
2つのミスマッチ塩基対を有するDsiRNAmm試薬において、ミスマッチは、連続して発生可能である(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列にそった連続位置にて)。あるいは、アンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するセンス鎖のヌクレオチドが、アンチセンス鎖配列と塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置4および5ではなく、位置3および6にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、センス鎖位置3および6のミスマッチ残基は、アンチセンス鎖の相当する残基とマッチした塩基対を形成する2つのヌクレオチドによって分散される)。例えば、相当するアンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)センス鎖の2つの残基が、これらのミスマッチ塩基対間に局在する、0、1、2、3、4または5のマッチ塩基対で発生可能である。
3つのミスマッチ塩基対を有する特定のDsiRNAmm試薬において、ミスマッチは、連続して発生可能である(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列にそって三重に)。あるいは、アンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するセンス鎖のヌクレオチドが、アンチセンス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置5、6および7ではなく、位置3、4および8にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、センス鎖位置3および4のミスマッチ残基は、互いに隣接し、センス鎖位置4および8のミスマッチ残基は、アンチセンス鎖の相当する残基とマッチした塩基対を形成する3つの残基によって分散される)。例えば、相当するアンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)センス鎖の3つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に局在する、0、1、2、3または4のマッチ塩基対で発生可能である。
4つのミスマッチ塩基対を有する特定のDsiRNAmm試薬に関して、ミスマッチは、連続して発生可能である(たとえば、センス鎖ヌクレオチド配列にそって四重に)。あるいは、アンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するセンス鎖のヌクレオチドが、アンチセンス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置4および6ではなく、位置3、5、7および8にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、センス鎖位置7および8のミスマッチ残基は、互いに隣接し、センス鎖位置3および5のミスマッチ残基は、アンチセンス鎖の相当する残基とマッチした塩基対を形成する1つの残基によって分散される。同様に、センス鎖位置5および7のミスマッチ残基がまた、アンチセンス鎖の相当する残基と、マッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによっても分散される)例えば、相当するアンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)センス鎖の4つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に局在する、0、1、2または3のマッチ塩基対で発生可能である。
例えば図1でまた描写したようなナンバリングで、他の実施形態において、本発明のDsiRNAmmは、DsiRNAのアンチセンス鎖の位置17,18、19、20、21、22または23の任意の1つにて、単一のミスマッチ塩基対ヌクレオチドを有するミスマッチ耐性領域を含む(位置1はアンチセンス鎖の5’末端ヌクレオチドであり、位置17は、アンチセンス鎖配列に十分に相補的な標的β−カテニンRNA配列の推定Ago2切断部位のアンチセンス鎖中の3’(下流)隣接であるアンチセンス鎖のヌクレオチド残基である)。特定の実施形態において、DsiRNAmmのセンス鎖に関して、アンチセンス鎖の位置17、18、19、20、21、22または23の任意でミスマッチ塩基対ヌクレオチドを有するDsiRNAmmに対して、アンチセンス鎖のミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmセンス鎖配列とのみミスマッチ塩基対を形成するのみでなく、DsiRNAmm標的β−カテニンRNA配列ともミスマッチ塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基対にて中断され、相補性は同様に、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的β−カテニンRNA配列間で中断される)。他の実施形態において、DsiRNAmmのアンチセンス鎖のミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmのセンス鎖配列の相当するヌクレオチドとミスマッチ塩基対を形成するだけであるが、その相当する標的β−カテニンRNA配列ヌクレオチドと塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基で中断し、また相補性は、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的β−カテニンRNA配列間で維持される)。
以上で記述したように、ミスマッチ耐性領域内で単一ミスマッチ塩基対を有する本発明のDsiRNAmm(例えば、アンチセンス鎖の位置17、18、19、20、21、22または23にてミスマッチヌクレオチド残基を持つDsiRNAmm)はさらに、1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対を含みうる。好ましい実施形態において、DsiRNAmmのこれらの1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対が、アンチセンス鎖の位置17、18、19、20、21、22および/または23で(そしてセンス鎖の相当する残基にて)発生する。1つのさらなるミスマッチ塩基対がDsiRNAmm内に存在する1つの実施形態において、アンチセンス鎖の2つのミスマッチ塩基対が、(センス鎖の相当するヌクレオチド残基にてまた発生しているミスマッチと)アンチセンスの位置18および位置20の両方のヌクレオチドで発生しうる。
2つのミスマッチ塩基対を有するDsiRNAmm試薬において、ミスマッチは連続して(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列に沿った連続位置にて)発生しうる。あるいは、センス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドは、センス鎖配列と塩基対形成するヌクレオチドによって分散されうる(例えば位置18および19ではなく、位置17および20でミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに対して、アンチセンス鎖位置17および20のミスマッチ残基が、センス鎖の相当する残基とマッチ塩基対を形成する2つのヌクレオチドによって分散する)。例えば、相当するセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)アンチセンス鎖の2つの残基は、これらのミスマッチ塩基対間に局在する0、1、2、3、4、5、6または7マッチ塩基対で発生可能である。
3つのミスマッチ塩基対を有する特定のDsiRNAmm試薬に関して、ミスマッチは連続して起こりうる(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列にそって三重に)。あるいは、センス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチ鎖のヌクレオチドが、センス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置19、20および21ではなく、位置17、18および22にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、アンチセンス鎖位置17および18のミスマッチ残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置18および122のミスマッチ残基は、センス鎖の相当する残基とマッチした塩基対を形成する3つの残基によって分散される)。例えば、相当するセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)アンチセンス鎖の3つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に局在する、0、1、2、3、4、5または6のマッチ塩基対で発生可能である。
4つのミスマッチ塩基対を有する特定のDsiRNAmm試薬に関して、ミスマッチは、連続して発生可能である(たとえば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列にそって四重に)。あるいは、センス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドが、センス鎖配列と塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置19および21ではなく、位置18、20、22および23にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、アンチセンス鎖位置22および23のミスマッチ残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置18および20のミスマッチ残基は、センス鎖の相当する残基とマッチした塩基対を形成する1つの残基によって分散される−同様に、アンチセンス鎖位置20および22のミスマッチ残基がまた、センス鎖の相当する残基とマッチ塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって分散される)。例えば、相当するセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)アンチセンス鎖の4つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に局在する、0、1、2、3、4または5のマッチ塩基対で発生可能である。
明確化のために、上記DsiRNAmm試薬内のミスマッチヌクレオチド残基の配置(複数可)を、DsiRNAmmのセンスまたはアンチセンス鎖いずれかの5’末端残基に関してナンバリングする。アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域(ミスマッチ領域)内に配置される位置のナンバリングが、推定Ago2開裂部位に対するセンスまたはアンチセンス鎖の5’末端の近位での変動をもってシフト可能である。したがって、アンチセンス鎖またはセンス鎖いずれか内の好ましいミスマッチ部位の配置(複数可)をまた、推定Ago2切断部位に対して、そのようなミスマッチの許容される近位として同定可能でもある。したがって、1つの好ましい実施形態において、DsiRNAmmのセンス鎖のミスマッチヌクレオチドの位置は、相当する標的β−カテニンRNA配列の推定Ago2開裂部位の5’(上流)直近に配置されるセンス鎖のヌクレオチド残基である。他の好ましい実施形態において、DsiRNAmmのセンス鎖のミスマッチヌクレオチドは、推定Ago2開裂部位の2ヌクレオチド5’(上流)、推定Ago2開裂部位の3ヌクレオチド5’(上流)、推定Ago2開裂部位の4ヌクレオチド5’(上流)、推定Ago2開裂部位の5ヌクレオチド5’(上流)、推定Ago2開裂部位の6ヌクレオチド5’(上流)、推定Ago2開裂部位の7ヌクレオチド5’(上流)、推定Ago2開裂部位の8ヌクレオチド5’(上流)または推定Ago2開裂部位の9ヌクレオチド5’(上流)に局在するセンス鎖のヌクレオチド残基にて位置する。
典型的な単一ミスマッチ−含有25/27merのDsiRNA(DsiRNAmm)は、以下の構造を含む(そのようなミスマッチ−含有構造はまた、本明細書で示した他の典型的DsiRNA構造内に組み込んでもよい)。
式中、「X」=RNA、「D」=DNAおよび「M」=鎖がアニールする時に、他の相補的鎖の相当する「M」残基と塩基対(水素結合)を形成しない核酸残基(RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)。そのような試薬の任意の残基は、任意に2’−O−メチルRNAモノマーでありえ、−以上で示したように、下(第二)鎖の3’−末端残基から始まる2’−O−メチルRNAの交互配置をまた、以上のDsiRNAmm試薬中で使用可能でもある。上記ミスマッチ構造に関して、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
特定の実施形態において、本発明のDsiRNAは、DsiRNAの2つの鎖内のミスマッチ塩基対として必ずしも存在しない、標的β−カテニンRNA配列に関して存在するミスマッチを含みうる−したがって、DsiRNAは、DsiRNAの第一および第二鎖間で完全な相補性を有してよく、また(特定の実施形態において、有効性および/または強度および/または効果の期間を促進することにおいて有益であり得る)標的β−カテニンRNAに関してミスマッチ残基を有する。ミスマッチが、アンチセンス鎖と標的β−カテニンRNA配列間で発生する、特定の実施形態において、ミスマッチの位置が、標的領域の推定Ago2切断部位の5’に局在したセンス鎖の配列に相当する位置で、アンチセンス内で配置される−例えば標的配列の推定Ago2切断部位に相補的であるアンチセンス残基の3’に対して、アンチセンス鎖内に位置するアンチセンス鎖残基(複数可)。
標的配列に関する単一ミスマッチ残基を持つ典型的な25/27merのDsiRNAsは以下の構造を含む。
式中、「X」=RNA、「D」=DNAおよび「E」=鎖がアニールする時に、他の相補的(標的)鎖の相当する「A」RNA残基と塩基対(水素結合)を形成せず、また任意に相当する「B」残基と塩基対形成する(「B」残基はまた、RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)核酸残基(RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)。そのような試薬の任意の残基は、任意に2’−O−メチルRNAモノマーでありえ、−以上で示したように、下(第二)鎖の3’−末端残基から始まる2’−O−メチルRNAの交互配置をまた、以上のDsiRNAmm試薬中で使用可能でもある。
以上で例示した構造に加えて、本発明のDsiRNAはまた、標的β−カテニンRNA配列とさらなるミスマッチを形成する、1、2または3のさらなる残基を有しうる。そのようなミスマッチは連続であってよく、または標的β−カテニンRNA配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって分散しうる。マッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって分散される場合、ミスマッチ残基は、そのようなミスマッチ形成残基間の1、2、3、4、5、6、7または8塩基対形成ヌクレオチドの間隔にて単一鎖内で互いに離れて隔たりうる。
上記DsiRNAmm試薬に対してのように、(また相当するセンス鎖ヌクレオチドとミスマッチを形成してよく、または形成しなくてよい)標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖ヌクレオチドに関して、DsiRNA内の好ましい配置が、DsiRNAの推定Ago2切断部位に相補的なアンチセンス鎖配列の3’(下流)に局在するアンチセンス鎖領域内にある(たとえば、図1において、推定Ago2切断部位の3’であるアンチセンス鎖の領域が、ミスマッチ形成残基に関して好ましく、図1にて示した25/27merの試薬に対するアンチセンス鎖の位置17〜23に局在する)。したがって、1つの実施形態において、DsiRNAmmのアンチセンス鎖の(標的β−カテニンRNA配列に関する)ミスマッチヌクレオチドの位置が、相当する標的β−カテニンRNA配列の推定Ago2開裂部位のアンチセンス鎖配列内の3’(下流)直近に局在するアンチセンス鎖のヌクレオチド残基である。他の好ましい実施形態において、(標的β−カテニンRNA配列に関する)DsiRNAmmのアンチセンス鎖のミスマッチヌクレオチドは、相当する推定Ago2開裂部位の2ヌクレオチド3’(下流)、相当する推定Ago2開裂部位の3ヌクレオチド3’(下流)、相当する推定Ago2開裂部位の4ヌクレオチド3’(下流)、相当する推定Ago2開裂部位の5ヌクレオチド3’(下流)、相当する推定Ago2開裂部位の6ヌクレオチド3’(下流)、相当する推定Ago2開裂部位の7ヌクレオチド3’(下流)、相当する推定Ago2開裂部位の8ヌクレオチド3’(下流)または相当する推定Ago2開裂部位の9ヌクレオチド3’(下流)に局在するアンチセンス鎖のヌクレオチド残基にて位置する。
アンチセンス鎖の2つのミスマッチ形成ヌクレオチドを有するDsiRNA試薬において(ミスマッチ形成ヌクレオチドは、標的β−カテニンRNA配列に関してミスマッチ形成している)、ミスマッチは連続して発生しうる(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列にそって連続した位置で)。あるいは、標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドは、標的β−カテニンRNA配列と塩基対形成するヌクレオチドによって分散されうる(例えば、図1で示した25/27merの試薬のアンチセンス鎖の5’末端(位置1)から開始して)位置18および19ではなく、位置17および20でミスマッチ形成ヌクレオチドを有するDsiRNAに関して、センス鎖位置17および20のミスマッチ残基が、標的β−カテニンRNA配列の相当する残基とマッチした塩基対を形成する2つのヌクレオチドによって分散する)。例えば、相当する標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の2つの残基は、これらのミスマッチ形成塩基対間に局在する(標的β−カテニンRNA配列に関する)0、1、2、3、4または5つのマッチした塩基対で発生しうる。
(標的β−カテニンRNA配列に関してミスマッチを形成している)3つのミスマッチ形成塩基対を有する特定のDsiRNAに関して、ミスマッチ形成ヌクレオチドは、連続して発生しうる(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列にそって三重に)。あるいは、標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドが、標的β−カテニンRNA配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置19、20および21ではなく、位置17、18および22にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAに関して、アンチセンス鎖位置17および18のミスマッチ残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置18および22のミスマッチ形成残基は、標的β−カテニンRNA配列の相当する残基とマッチした塩基対を形成する3つの残基によって分散される)。例えば、相当する標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)センス鎖の3つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に局在する、0、1、2、3または4のマッチ塩基対で発生可能である。
(標的β−カテニンRNA配列に関してミスマッチを形成している)4つのミスマッチ形成塩基対を有する特定のDsiRNAに関して、ミスマッチ形成ヌクレオチドは、連続して発生しうる(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列にそって四重に)。あるいは、標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドが、標的β−カテニンRNA配列と塩基対を形成するヌクレオチドによって分散可能である(例えば、位置18および20ではなく、位置17、19、21および22にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAに関して、アンチセンス鎖位置21および22のミスマッチ残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置17および19のミスマッチ形成残基は、標的β−カテニンRNA配列の相当する残基とマッチした塩基対を形成する1つの残基によって分散される−同様に、アンチセンス鎖位置19および21のミスマッチ形成残基はまた、標的β−カテニンRNAの相当するヌクレオチドとマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって分散される)。例えば、相当する標的β−カテニンRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に局在する)アンチセンス鎖の4つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に局在する、0、1、2または3のマッチ塩基対で発生可能である。
上記DsiRNAmmと他のDsiRNA構造を、DsiRNAmmとDsiRNA試薬の特定の構造を例示するために記述する。上記DsiRNAmmとDsiRNA構造のデザインを、例えば以下に示した他のDsiRNA構造のDsiRNAmm形態を産出するために適合可能である。以上で例示したように、DsiRNAはまた、DsiRNAのアンチセンス鎖と標的配列間の単一ミスマッチ(または2、3または4ミスマッチ)を有するようにデザイン可能であり、また任意に、DsiRNAのセンスおよびアンチセンス鎖配列間の完全な相補性を維持可能である。
以下に例示するDsiRNA試薬はまた、それらの二本鎖および/または標的β−カテニンRNA−整列構造内に、挿入/欠損(in/del)構造を有しうる。したがって、本発明のDsiRNAは、例えば、ミスマッチおよび/またはミスマッチ形成塩基対の位置に関して以上に記述したそれらの局所に相当する、そのようなin/delヌクレオチドの配置に対して最適な局所(複数可)で、標的β−カテニンRNA配列と比較したアンチセンス配列、および/またはセンス鎖配列と比較したアンチセンス配列中、in/del変化を有するようにデザイン可能である。
本発明のDsiRNAは、Dicerによって処理され、RISCへ積み込むガイド鎖配列から自由であるようにモデル化されるので、センス鎖の3’−末端領域/アンチセンス鎖の5’−末端領域内でミスマッチを許容可能である。そのようなミスマッチを持つ本発明の典型的DsiRNA構造には、以下が含まれ、
式中「X」=RNA、「D」=DNAおよび「I」および「J」=互いに塩基対(水素結合)を形成しない核酸残基(RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)で、また任意に「J」は、標的RNA配列ヌクレオチド「H」に相補的である。そのような試薬の任意の残基は、任意に2’−O−メチルRNAモノマーでありえ、−以上で示したように、下(第二)鎖の3’−末端残基から始まる2’−O−メチルRNAの交互配置−または任意の上記メチル化パターン−をまた、以上のDsiRNA試薬中で使用可能でもある。上記ミスマッチはまた、本発明のDsiRNA内で組み合わせ可能である。
以下の構造において、そのようなミスマッチは、非対称βc1569 DsiRNA(新規に導入されたミスマッチ残基はイタリック体である)内に導入される。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=(5’末端より)センス鎖の22
任意に、センス鎖の位置22のミスマッチ「C」残基は、あるいは「U」または「G」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の23
任意に、センス鎖の位置23のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「C」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の24
任意に、センス鎖の位置24のミスマッチ「a」残基は、あるいは「t」または「g」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の25
任意に、センス鎖の位置25のミスマッチ「c」残基は、あるいは「t」または「g」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の1
任意に、アンチセンス鎖の位置1のミスマッチ「G」残基は、あるいは「A」または「C」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の2
任意に、アンチセンス鎖の位置2のミスマッチ「G」残基は、あるいは「A」または「C」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の3
任意に、アンチセンス鎖の位置3のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「G」である。
βc1569 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の4
任意に、アンチセンス鎖の位置4のミスマッチ「G」残基は、あるいは「A」または「C」である。
さらなる実施例として、そのようなミスマッチは、非対称βc−3393 DsiRNAsに導入される(新規に導入されたミスマッチ残基はイタリック体である)。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=(5’−末端から)センス鎖の22
任意に、センス鎖の位置22のミスマッチ「C」残基は、あるいは「U」または「G」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の23
任意に、センス鎖の位置23のミスマッチ「C」残基は、あるいは「G」または「U」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の24
任意に、センス鎖の位置24のミスマッチ「c」残基は、あるいは「a」または「g」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の25
任意に、センス鎖の位置25のミスマッチ「a」残基は、あるいは「t」または「g」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の1
任意に、アンチセンス鎖の位置1のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「C」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の2
任意に、アンチセンス鎖の位置2のミスマッチ「C」残基は、あるいは「G」または「U」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の3
任意に、アンチセンス鎖の位置3のミスマッチ「C」残基は、あるいは「U」または「A」である。
βc−3393 25/27merのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の4
任意に、アンチセンス鎖の位置4のミスマッチ「C」残基は、あるいは「U」または「A」である。
以上で記したように、そのようなミスマッチの導入は、本明細書で記述した任意のDsiRNA上で実施可能である。
そのようなDsiRNA構造のミスマッチは、例えばセンス鎖の3’末端4ヌクレオチド/アンチセンス鎖5’末端4ヌクレオチド内の2、3または4ミスマッチを有するDsiRNAを産出するために混合可能である。
実際、センス鎖の3’末端残基/アンチセンス鎖の5’末端残基にてDsiRNA内に導入可能な配列の柔軟性に関して、特定の実施形態において、本発明の非対称DsiRNAの配列要求を以下の(典型的なβc−1569 DsiRNA配列に関して示した)(ミニマリスト)構造で表すことが出来る。
式中n=1〜5、1〜10、1〜20、1〜30、1〜50、または1〜80またはそれ以上。
βc−1569標的:
β−カテニン標的目標はまた、その相補的標的部位が、規定された標的部位と重なる、1つまたはそれ以上の種々のオリゴヌクレオチドによって標的とされる部位であり得る。例えば、典型的βc−288 DsiRNAに関して、β−カテニン配列に重なり、わずかばかり補正されたΒ−カテニン配列を標的としている特定のDsiRNAが、βc−288のものとほとんど同じ活性レベルを示しうる(特に、以下図14のβc−284、βc−285、βc−286、βc−287、βc−289、βc−290およびβc−291DsiRNAを参照のこと)。したがって、特定の実施形態において、デザインされた標的配列領域は、広く重なっている配列を有している一連のDsiRNAによって効果的に標的とされる(例えばβc−288部位の周辺のDsiRNAを考慮する場合、より包括的なβ−カテニン標的配列が、例えば5’−CAGCGTGGACAATGGCTACTCAAGCTGATTTGAT−3’(配列番号:7786)として引用されえ、そこで任意の当該DsiRNA(例えば、βc−284、βc−285、βc−286、βc−287、βc−288、βc−289、βc−290およびβc−291)のみが、そのような配列領域内のサブ配列を標的とし、また全配列は、そのような一連のDsiRNAに対する実行可能な標的と考慮可能である。
さらに、および/またはあるいは、センス鎖の3’末端4ヌクレオチド/アンチセンス鎖の5’末端4ヌクレオチド内のミスマッチを、以上で記述したように、他のミスマッチ耐性位置にて位置するミスマッチと混合可能である。
特定のβ−カテニン配列の標的化を介して、β−カテニンレベルの阻害剤として、上記Dicer基質試薬(DsiRNA)の本同定を考慮して、本明細書で記述したものと同様の構造を持つDsiRNAがまた、配列番号:1〜3または配列番号:5〜6のβ−カテニン配列内、またはそれらの変異体(例えば、配列番号:1〜3または配列番号:5〜6の配列に対して、80%同一性、90%同一性、95%同一性、96%同一性、97%同一性、98%同一性、99%同一性またはそれ以上の同一性を有する標的配列)内の他の配列を標的とするように合成可能であることも認識される。
抗−β−カテニン DsiRNAデザイン/合成
25〜35ヌクレオチド、とりわけ25〜30ヌクレオチドのより長いdsRNA種(DsiRNA)が、19〜23merのsiRNA試薬と比較して、活性の強度および期間に関して、予期せぬ効果的な結果を与えることが、実験的にわかってきた。dsRNA処理機構の根本的な理論にとらわれずに、より長いdsRNA種が細胞の細胞質中のDicer酵素に対する基質として働くことが考えられる。本発明のdsRNAをより短い区画に分割することに加えて、Dicerは、分割されたdsRNAから由来する一本鎖分割産物の、標的遺伝子β−カテニン(またはβ−カテニン関連疾患または疾病と関連する他の遺伝子の、または当該遺伝子から由来する細胞質RNA(例えばβ−カテニンRNA)の崩壊に関与するRISC複合体内への導入を促進すると考えられる。先行する研究(Rossi et al.,米国特許第2007/0265220号明細書)は、DicerによるdsRNA種(特にDsiRNA試薬)の開裂性が、dsRNA種の活性の強度および期間の増加と一致することを示した。
特定の好ましい抗−β−カテニンDsiRNA試薬を、プレスクリーンした集団から選択した。DsiRNAsのデザインは任意に、配列の領域に広がっている可能性のある多数のDsiRNA試薬の推定有効性/効率のin silico評価にて実施する予測スコアリングアルゴリズムの利用を含みうる。より最近の「v3」アルゴリズムは、本技術分野ですでに利用可能なsiRNAスコアリングアルゴリズムに関する理論的に改善されたアルゴリズムを表すけれども、そのようなスコアリングアルゴリズムのデザインに関する情報は、例えば、Gong et al.(BMC Bioinformatics 2006,7:516)で見ることができる(例えば「v3」および「v4」スコアリングアルゴリズムは、ヒト配列中の任意のバイアスに依存していない機械学習アルゴリズムである。さらに、「v3」および「v4」アルゴリズムは、Gong et al.にて記述されたような、より古い「v2」アルゴリズムから由来するものよりも、複数倍大きいデータ組から由来する)。
本発明のDsiRNA試薬の第一および第二オリゴヌクレオチドは、完全に相補的であることを必要としない。実際、1つの実施形態において、センス鎖の3’−末端は、1つまたはそれ以上のミスマッチを含む。1つの態様において、2つのミスマッチが、センス鎖の3’末端に組み込まれる。他の実施形態において、本発明のDsiRNAは、それぞれが長さにおいて27ヌクレオチドであり、互いにアニールした時に、センス鎖の3’末端(アンチセンス鎖の5’末端)上に平滑筋末端と2つのヌクレオチド末端を持つ、2つのRNAオリゴヌクレオチドを含む二本鎖RNA分子である。(特に3’−センス/5’−アンチセンス位置での)ミスマッチまたは熱力学的安定性の減少の利用が、おそらくsiRNAのRISCへの進入とともに発生する速度制限巻き戻し段階に影響を与えることによって、アンチセンス鎖のRISCへの進入を促進するまたは有利に働かせるために提案されてきた(Schwarz et al.,2003,Cell 115:199−208;Khvorova et al.,2003,Cell 115:209−216)。したがって、末端塩基組成物は、活性21merのsiRNA二本鎖を選択するためのデザインアルゴリズムに含まれてきた(Ui−Tei et al.,2004,Nucleic Acids Res 32:936−948;Reynolds et al.,2004,Nat Biotechnol 22:326−330)。本実施形態のdsRNAのDicer開裂で、ミスマッチを含む小さな最終末端配列が、アンチセンス鎖と対を形成しないままであるか(3’−オーバーハングの一部となる)、または最終21−merのsiRNAを完全に開裂して除去されるか、いずれかである。これらの「ミスマッチ」はしたがって、RISCの最終RNA組成物中のミスマッチとして持続しない。Dicer基質のセンス鎖の3’−末端での塩基ミスマッチまたは区画の不安定化がおそらくDicerによる処理を促進することによって、RNAi中の合成二本鎖の強度を改善したという所見が、25〜30merのdsRNAのデザインと利用を記述している過去の働きの意外な発見であった(また本明細書で「DsiRNA」と呼ぶ。米国特許第2005/0277610号明細書、第2005/0244858号明細書および第2007/0265220号明細書)。
抗−β−カテニンDsiRNAの修飾
二本鎖RNA(「dsRNA」)の効果を阻害する1つの主要な因子は、ヌクレアーゼによるdsRNA(例えばsiRNAおよびDsiRNA)の分解である。3’−エキソヌクレアーゼは、血清中に存在する第一ヌクレアーゼ活性であり、アンチセンスDNAオリゴヌクレオチドの3’−末端の修飾が、分解を予防するために重要である(Eder et al.,1991,Antisense Res Dev,1:141−151)。RNase−Tファミリーヌクレアーゼは同定され、siRNAの制御および分解に関与する3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を持つERI−1と呼ばれた(Kennedy et al.,2004,Nature 427:645−649;Hong et al.,2005,Biochem J,390:675−679)。この遺伝子はまた、マウス内でのThex1(NM_02067)またはヒト内でのTHEX1(NM_153332)として知られ、ヒストンmRNAの分解に関与し、またsiRNA中の3’−オーバーハングの分解を仲介するが、二本鎖RNAを分解しない(Yang et al.,2006,J Biol Chem,281:30447−30454)。したがって、本発明のDsiRNAを含む、dsRNAsの3’−末端−安定化が安定性を改善すると予測することが合理的である。
XRN1(NM_019001)は、P−体中に存在し、miRNAによって標的化されたmRNAの分解に関与してきた5’から3’エキソヌクレアーゼであり(Rehwinkel et al.,2005,RNA 11:1640−1647)、またsiRNAによって指向されるような内部開裂によって開始される分解を完了するのに関与しうる。XRN2(NM_012255)は、核RNA処理に関与する異なる5’から3’エキソヌクレアーゼである。
RNase Aは、RNAを分解する哺乳動物における主要なエンドヌクレアーゼ活性である。ssRNAに対して特異的であり、ピリミジン塩基の3’−末端で開裂する。RNase A開裂と一致するsiRNA分解産物は、血清中でのインキュベーション後、質量分析によって検出可能である(Turner et al.,2007,Mol Biosyst 3:43〜50)。3’−オーバーハングは、RNase分解に対するsiRNAの感受性を増強する。血清からのRNase Aの枯渇が、siRNAの分解を減少させ、この分解が配列優先傾向を見せ、末端上でポリA/U配列を持つ配列に対してより悪い(Haupenthal et al.,2006 Bichem Pharmacol 71:702−710)。このことは、二本鎖のより安定性の低い領域が、「呼吸をし」え、RNase Aによる分解に対して利用可能な一時的な一本鎖種を提供する。RNase A阻害剤を血清に加え、siRNA寿命および強度を改善可能である(Haupenthal et al.,2007,Int J.Cancer 121:206−210)。
21mer中、ホスホロチオエートまたはボラノホスフェート修飾が、ヌクレオチド内リン酸結合を直接安定化させる。ボラノホスフェート修飾RNAは、ヌクレアーゼ耐性が高く、サイレンシング試薬として強力であり、比較的無毒性である。ボラノホスフェート修飾RNAは、標準の化学合成方法を用いて製造できず、代わりにin vitro転写(IVT)によって作製される(Hall et al.,2004,Nucleic Acids Res 32:5991−6000;Hall et al.,2006,Nucleic Acids Res 34:2773−2781)。ホスホロチオエート(PS)修飾は、任意の望む位置で、RNA二本鎖中容易に配置可能であり、標準の化学合成方法を用いて作製可能である。PS修飾は、用量依存毒性を示し、それにより、ほとんどの研究者は、siRNA内への組み込みの制限を推奨し、ヌクレアーゼからの保護が最も重要な3’−末端が好まれる(Harborth et al.,2003,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 13:83−105;Chiu and Rana,2003,Mol Cell 10:549−561; Braasch et al.,2003,Biochemistry 42:7967−7975; Amarzguioui et al.,2003,Nucleic Acids Research 31:589−595)。より広範囲なPS修飾が、強力なRNAi活性と両立可能であるが、しかし(2’−O−メチルRNAのような)糖修飾の利用がよりすぐれている可能性がある(Choung et al.,2006,Biochem Biophys Res Commun 342:919−927)。
種々の置換基を、一般的に二本鎖安定性(Tm)を増加させ、ヌクレアーゼ耐性を大きく改善可能な、リボースの2’−位置に配置可能である。2’−O−メチルRNAは、哺乳動物リボソームRNAおよび転写RNAにて見られる、天然に存在する修飾である。siRNA中の2’−O−メチル修飾が公知であるが、二本鎖内の修飾塩基の実際の位置が、強度を保つために重要である。RNAに対する2’−O−メチルRNAの完全な置換は、siRNAを不活性化する。例えば、交互2’−O−メチル塩基を使用するパターンは、修飾されていないRNAと等価の強度を持ち得、血清中極めて安定である(Choung et al.,2006,Biochem Biophys Res Commun 342:919−927;Czauderna et al.,2003,Nucleic Acids Research 31:2705−2716)。
2’−フルオロ(2’−F)修飾はまた、dsRNA(例えばsiRNAおよびDsiRNA)機能と両立可能であり、(試薬コストおよび利用可能性のため)最も一般的にはピリジン部位に位置し、プリン位置にて2’−O−メチル修飾と組み合わせ可能であり、2’−Fプリンが利用でき、使用可能である。この種類の非常に修飾された二本鎖は、in vitroにて、RNAiの強力なトリガーでありえ(Allerson et al.,2005,J Med Chem 48:901−904;Prakash et al.,2005,J Med Chem 48:4247−4253;Kraynack and Baker,2006,RNA 12:163−176)、in vivoで使用した時に、活性の性能を改善し、期間を延長可能である(Morrissey et al.,2005,Hepatology 41: 1349−1356;Morrissey et al.,2005,Nat Biotechnol 23:1002−1007)。非常に強力で、ヌクレアーゼ安定である、交互2’−Fおよび2’−O−Me塩基を含む平滑19merの二本鎖が、Alleronによって教示された。このデザインにおいて、交互2’−O−Me残基は、Czaudernaによって使用されたものと同一の位置で配置されるが、しかし残りのRNA残基は2’−F修飾塩基に変換される。Morrisseyによって使用された、非常に強力な、ヌクレアーゼ耐性のsiRNAは、in vivoにおいて、非常に強力な、ヌクレアーゼ耐性siRNAを使用した。2’−O−Me RNAおよび2’−F RNAに加えて、この二本鎖は、β−カテニンDNA、逆脱塩基残基、および3’−末端PSヌクレオシド内結合を含む。広範囲の修飾は、特定の利点を持つ一方で、二本鎖のより制限された修飾もまた、in vivo性能を改善し、製造がより単純で、よりコストがかからない。Soutschek et al.(2004, Nature 432:173−178)は、in vivoで二本鎖を使用し、主に2つの2’−O−Me RNA塩基および制限された3’−末端PSヌクレオシド内結合を持つRNAであった。
ロック核酸(LNA)は、dsRNA(例えばsiRNAおよびDsiRNA)を安定させるために使用可能な異なる種類の2’−修飾である。強度を維持するLNA組み込みのパターンは、2’−O−メチルまたは2’−F−塩基よりも制限され、そのように制限された修飾が好ましい(Braasch et al.,2003,Biochemistry 42:7967−7975;Grunweller et al.,2003, Nucleic Acids Res 31:3185−3193;Elmen et al.,2005,Nucleic Acids Res 33:439−447)。制限された組み込みでさえ、LNA修飾の利用は、in vivoにてdsRNAの性能を改善可能であり、標的効果特性を変えるか、改善しうる(Mook et al.,2007,Mol Cancer Ther 6:833−843)。
細胞内または生動物内に導入された合成核酸は、「外来」として認識され、免疫応答を引き起こしうる。免疫刺激は、劇的に実験結果を変化させ、細胞死を導きさえする的外れの効果の主な種類を構成する。生来の免疫システムには、これらの応答を仲介するDNAおよびRNAととりわけ相互作用する受容体分子の集団が含まれ、その幾つかは、細胞質内に局在し、その幾つかはエンドソーム内に存在する(Marques and Williams,2005,Nat Biotechnol 23:1399−1405;Schlee et al.,2006,Mol Ther 14:463−470))。カチオン性脂質またはリポソームによるsiRNAの伝達は、siRNAを、細胞質およびエンドソーム区画の両方に曝露し、in vitroおよびin vivo両方で、1型インターフェロン(IFN)応答を引き起こすリスクを最大化する(Morrissey et al.,2005,Nat Biotechnol 23:1002−1007;Sioud and Sorensen,2003,Biochem Biophys Res Commun 312:1220−1225;Sioud,2005,J Mol Biol 348:1079−1090;Ma et al.,2005,Biochem Biophys Res Commun 330: 755−759)。細胞内に転写されたRNAは免疫原性が少なく(Robbins et al.,2006 Nat Biotechnl 24:566−571)、脂質に基づく方法を用いて伝達した時に免疫原性である合成RNAは、in vivoでさえ、機械的方法によって細胞内に導入された時に、免疫刺激を逃れる(Heidel et al.,2004,Nat Biotechnol 22: 1579−1582)。しかしながら、脂質に基づく伝達方法は一般的で、効果的で、広く使用される。とりわけ、全ての細胞型が存在し、免疫応答が産出されるリスクが最も高いin vivo適用に対して、免疫応答を防止するためのいくつかの一般的な戦略が必要である。化学的に修飾したRNAの利用が、これらの問題のほとんどまたはすべてを解決しうる。
特定の実施形態において、修飾がβ−カテニン阻害活性を有することからDsiRNAを阻害しない限り、修飾を本発明の抗β−カテニンDsiRNA中に含められる。1つの実施形態において、1つまたはそれ以上の修飾が、DsiRNA試薬のDicer処理を増強するように実施される(DsiRNAのDicer処理を測定するためのアッセイが上述されている)。第二実施形態において、1つまたはそれ以上の修飾が、より効果的なβ−カテニン阻害となるように実施される(本明細書で記述したように。DsiRNAのβ−カテニン阻害/β−カテニン阻害活性は、RNAレベルを測定するため、またはΒ−カテニンポリペプチドレベルを測定するための本技術分野で認識されている方法を介してアッセイ可能であり、そのようなレベルは、たとえばβ−カテニンmRNAレベルの評価の代わりに、または加えて評価されるべきである)。第三の実施形態において、1またはそれ以上の修飾が、より大きなβ−カテニン阻害活性を支持するように実施される(β−カテニン阻害活性を決定する方法は上記されている)。第四の実施形態において、1つまたはそれ以上の修飾が、細胞に伝達されるべき各DsiRNA試薬分子あたりのβ−カテニン阻害活性がより強力な強度となるように実施される(β−カテニン阻害活性の強度が上記されている)。修飾は、配列内の3’−末端領域、5’−末端領域にて、3’−末端領域と5’−末端領域両方にて、または例えば種々の位置で組み入れることが可能である。以上で記した制限を考慮して、修飾の数および組み合わせをDsiRNA試薬内に組み込むことが可能である。多数の修飾が存在する場合、それらは同一であるか、または異なってよい。塩基、糖部位、リン酸骨格およびそれらの組み合わせに対する修飾が企図される。いずれかの5’−末端がリン酸化可能である。
リン酸骨格に対して企図される修飾の例には、メチルホスフェート、ホスホロチオエート、およびアルキルホスホトリエステルのようなホスホトリエステル修飾などを含むリン酸塩が含まれる。糖部位に対して企図される修飾の例には、2’−O−メチルのような2’−アルキルピリミジン、2’−フルオロ、アミノおよびデオキシ修飾など含まれる(例えば、Amarzguioui et al.,2003,Nucleic Acids Research 31:589−595を参照のこと)。塩基に対して企図される修飾の例には、脱塩基2−O−アルキル修飾ピリミジン類、4−チオウラシル、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシルおよび5−(3−アミノアルキル)−ウラシルなどが含まれる。ロック核酸すなわちLNAも組み込むことが可能である。多くの他の修飾が公知で有り、以上の基準を満足させる限り使用可能である。修飾の例はまた、米国特許題5,684,143号明細書、第5,858,988号明細書および第6,291,438号明細書、および米国特許第2004/0203145 A1号明細書に開示されている。他簿修飾は、Herdewijn (2000, Antisense Nucleic Acid Drug Dev 10:297−310),Eckstein(2000,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 10:117−21)、Rusckowski et al.(2000,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 10:333−345)、Stein et al.(2001,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 11:317−25)、Vorobjev et al.(2001,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 11:77−85)にて開示されている。
企図される1つまたはそれ以上の修飾をいずれかの鎖内に組み込むことが可能である。DsiRNA試薬中の修飾の位置は、より強力な強度および安定性の授与、毒性の減少、Dicer処理の増強および免疫応答の最小化を含む、DsiRNA試薬の特徴に大きく影響を与えうる。1つの実施形態において、アンチセンス鎖またはセンス鎖、または両方の鎖が、1つまたはそれ以上の2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを持つ。他の実施形態において、アンチセンス鎖は、2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを含む。他の実施形態において、アンチセンス鎖は、2’−O−メチル修飾ヌクレオチドからなる3’オーバーハングを含む。アンチセンス鎖はまた、2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを含みうる。
本発明の特定の実施形態において、抗−β−カテニンDsiRNA試薬は、1つまたはそれ以上の以下の特性を持つ。(i)DsiRNA試薬は非対称であり、例えばアンチセンス鎖上に3’オーバーハングを持つ、および(ii)DsiRNA試薬は、活性siRNAへのdsRNAのDicer結合と処理の方向を指向するために、センス鎖上に修飾3’末端を持つ。本実施形態にしたがって、dsRNA中最も長い鎖は、25〜35ヌクレオチド(例えば25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35ヌクレオチド)を含む。特定のそのような実施形態において、DsiRNA試薬は、センス鎖が25〜34ヌクレオチドを含み、センス鎖の3’末端が、アンチセンス鎖の5’末端と平滑末端を形成し、一方アンチセンス鎖が26〜35ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖の3’末端上にオーバーハングを形成するように非対称である。1つの実施形態において、DsiRNA試薬は、センス鎖が25〜38ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖が25〜30ヌクレオチドを含むように非対称である。したがって、得られたdsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端上にオーバーハングを持つ。オーバーハングは、1〜4ヌクレオチド、例えば2ヌクレオチドである。センス鎖はまた5’リン酸を持ちうる。
他の実施形態において、DsiRNA試薬のセンス鎖を、センス鎖の3’末端に位置する好適な修飾因子によるDicer処理のために修飾し、すなわちDsiRNA試薬が、Dicer結合および処理の方向を指向するようにデザインされる。好適な修飾因子には、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、アシクロヌクレオチドなど、および蛍光分子などのような立体的に込み入った分子が含まれる。アシクロヌクレオチドは、dNMP中に通常存在する2’−デオキシリボフラノシル糖の代わりに、2−ヒドロキシエトキシメチル基を置換する。他のヌクレオチド修飾因子には、3’−デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)、2’、3’−ジデオキシイノシン(ddI)、2’、3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(3TC)、2’、3’−ジデオキシチミジン(d4T)、および3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)の一リン酸ヌクレオチド、2’、3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(3TC)および2’、3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン(d4T)が含まれうる。1つの実施形態において、デオキシヌクレオチドを修飾因子として使用する。ヌクレオチド修飾因子を使用する時に、1〜3ヌクレオチド修飾因子、または2ヌクレオチド修飾因子を、センス鎖の3’末端上のリボヌクレオチドの代わりに使用する。立体的に込み入った分子を使用する場合、それらは、アンチセンス鎖の3’末端にてリボヌクレオチドに接続する。したがって、鎖の長さは、修飾因子の組み込みにともなって変化しない。他の実施形態において、本発明は、アンチセンス鎖のDicer処理の方向を指向するために、DsiRNA試薬中の2つのDNA塩基を置換することを企図する。本発明のさらなる実施形態において、2つの末端DNA塩基を、センス鎖の3’末端とアンチセンス鎖の5’末端上で、二本鎖の平滑末端を形成しているセンス鎖の3’−末端上の2つのリボヌクレオチドの代わりに使用し、2つのヌクレオチドRNAオーバーハングは、アンチセンスの3’−末端に位置する。これは、平滑末端上にDNA、オーバーハング末端上にRNA塩基を持つ、非対称組成物である。
本発明のDsiRNA試薬のセンスおよびアンチセンス鎖は、細胞の細胞質中で見られる条件のような、生物学的条件下でアニールする。さらに、DsiRNA試薬の、とりわけアンチセンス鎖の、1つの配列の一領域が、少なくとも15(特定の実施形態において、19)ヌクレオチドの配列長を持ち、そこでこれらの残基は、(例えば、アンチセンス鎖の3’末端に隣接する21−ヌクレオチド領域中)アンチセンス鎖の3’末端に隣接し、標的β−カテニンRNAのヌクレオチド配列に十分に相補的である。
さらに、DsiRNA試薬構造は、Dicerの開裂から産出されるオリゴヌクレオチド区画が、遺伝子発現を阻害することにおいてもっとも効果的であるオリゴヌクレオチドの部分であり得ることを確かにするために最適化可能である。例えば、本発明の1つの実施形態において、DsiRNA試薬構造の27−bpオリゴヌクレオチドが合成され、そこで予想される遺伝子発現を阻害する21〜22−bp区画が、アンチセンス鎖の3’末端上に局在する。アンチセンス鎖の5’−末端上に局在する残りの塩基は、Dicerによって開裂され、捨てられる。この開裂された部分は均一であるか(すなわち標的配列の配列に基づく)、または不均一であり、核酸鎖を伸長するために加えられる。
DsiRNA試薬はまた、1つまたはそれ以上の以下のさらなる特性を持ちうる。(a)アンチセンス鎖は、典型的に21merから右シフトを持つ(例えば、DsiRNAは、DsiRNA内の推定Dicer開裂部位の5’まで伸長するアンチセンス鎖ヌクレオチドの長さを含み、そのようなアンチセンス鎖ヌクレオチドは、センス鎖中の推定Dicer開裂の3’を伸長しているセンス鎖の相当するヌクレオチドと塩基対を形成する)、(b)鎖は、完全に相補的でなくてよい、すなわち鎖は、単一のミスマッチ塩基対を含んでよい(ミスマッチ塩基対を有するDsiRNAのβ−カテニン阻害活性が、十分なレベルで維持される(例えばミスマッチ塩基対を有しない相当するDsiRNAと比較して、少なくとも50%β−カテニン阻害活性またはそれ以上、少なくとも60%β−カテニン阻害活性またはそれ以上、少なくとも70%β−カテニン阻害活性またはそれ以上、少なくとも80%β−カテニン阻害活性またはそれ以上、少なくとも90%β−カテニン阻害活性またはそれ以上または少なくとも95%β−カテニン阻害活性またはそれ以上を維持する)という条件で、特定の実施形態において、本発明のDsiRNAは、1、2、3、4または5またはそれ以上のミスマッチ塩基対を有する。特定の実施形態において、ミスマッチ塩基対は、DsiRNAのアンチセンスとセンス鎖の間に存在する。いくつかの実施形態において、ミスマッチ塩基対は、アンチセンス鎖と標的RNA間に存在する(または存在すると予想される)。特定の実施形態において、アンチセンス鎖残基と、想定Ago2開裂部位の標的RNA配列中3’に局在する標的RNA内の相当する残基間でのミスマッチ塩基対の存在が維持され、本発明のDsiRNAのΒ−カテニン阻害活性を増強してもよい)、(c)ロック核酸(複数可)のような塩基修飾が、センス鎖の5’末端に含まれてよい。「典型的」21merのsiRNAは、従来の技術を用いてデザインされる。1つの技術において、種々の部位が、平行して、または試薬の1つが効果的であるという希望とともに、同一の標的に特異的な種々の異なるsiRNA二本鎖を含むプール中で一般に試験される(Ji et al.,2003,FEBS Lett 552:247−252)。他の技術は、活性RNAi効果器分子を得る可能性を増加させるためのデザインルールおよびアルゴリズムを使用する(Schwarz et al.,2003,Cell 115:199−208;Khvorova et al.,2003,Cell 115: 209−216;Ui−Tei et al.,2004,Nucleic Acids Res 32:936−948;Reynolds et al.,2004,Nat Biotechnol 22:326−330;Krol et al.,2004,J Biol Chem 279:42230−42239;Yuan et al.,2004,Nucl Acids Res 32(ウェブ発行):W130−134;Boese et al.,2005,Methods Enzymol 392:73−96)。SiRNAのハイスループット選別もまた開発されてきた(米国特許第2005.0042641 A1号明細書)。潜在的標的部位をまた、二次構造予測によって解析可能である(Heale et al.,2005,Nucleic Acids Res 33(3): e30)。ついで、この21merを、21merの5’末端上に3〜9のさらなるヌクレオチドを含めるために、右シフトをデザインするために使用する。これらのさらなるヌクレオチドの配列は制限されない。1つの実施形態において、追加したリボヌクレオチドは、標的遺伝子の配列に基づく。本実施形態においてさえ、標的配列とアンチセンスsiRNA間の完全な相補性は要求されない。
本発明のDsiRNA試薬の第一および第二オリゴヌクレオチドは、完全な相補性を要求されない。これらは、生物学的条件下でアニールするのに、また標的配列に対して十分に相補的なsiRNAを産出するDicerに対する基質を提供するのに十分に相補的である必要があるのみである。ロック核酸すなわちLNAが当業者によく公知である(Elmen et al.,2005,Nucleic Acids Res 33:439−447;Kurreck et al.,2002,Nucleic Acids Res 30:1911−1918;Crinelli et al.,2002,Nucleic Acids Res 30:2435−2443;Braasch and Corey, 2001,Chem Biol 8:1−7;Bondensgaard et al., 2000,Chemistry 6:2687−2695;Wahlestedt et al.,2000,Proc Natl Acad Sci USA 97:5633−5638)。1つの実施形態において、LNAをセンス鎖の5’末端に組み込む。他の実施形態において、LNAを、アンチセンス鎖上に3’オーバーハングを含むようにデザインされた二本鎖中のセンス鎖の5’末端に組み込む。
特定の実施形態において、本発明のDsiRNA試薬は、25−塩基対長を持つセンス鎖と、2塩基3’−オーバーハングを持つ27−塩基対長を持つアンチセンス鎖の非対称構造を持つ。他の実施形態において、非対称構造を持つこのDsiRNA試薬はさらに、2つのリボヌクレオチドの代わりに、センス鎖の3’末端にて2−デオキシヌクレオチドを含む。
2つの別々のオリゴヌクレオチドを含む、特定のDsiRNA試薬組成物が、三次構造によって連結可能である。三次構造は、DsiRNA試薬上のDicer活性を阻害せず、標的遺伝子から転写されたRNAの指向崩壊を干渉しない。1つの実施形態において、三次構造は、化学結合基であってよい。多くの好適な化学結合基が本技術分野で公知であり、使用可能である。あるいは、三次構造は、ヘアピン構造が、dsRNA組成物を作製している2つのオリゴヌクレオチドのアニーリングに際して産出されるような様式で、DsiRNA試薬の2つのオリゴヌクレオチドを結合させるオリゴヌクレオチドであってよい。ヘアピン構造は、DsiRNA試薬上のDicer活性を阻害せず、β−カテニンRNAの指向崩壊を干渉しない。
特定の実施形態において、本発明の抗−β−カテニンDsiRNA試薬は、Dicerによるその処理を増強する種々の特性を持つ。そのような実施形態にしたがって、DsiRNA試薬は、siRNAを産出するためにDicerによって有され、以下の特性の少なくとも1つを有すように十分な長さを持つ。(i)DsiRNAは非対称である、例えばセンス鎖上に3’オーバーハングを持つ、および(ii)DsiRNA試薬は、活性siRNAへのdsRNAのDicer結合と処理の方向を指向するために、センス鎖上に修飾3’末端を持つ。これらの実施形態にしたがって、DsiRNA中最も長い鎖は、25〜35ヌクレオチドを含む。1つの実施形態において、センス鎖は25〜30ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖は25〜28ヌクレオチドを含む。したがって、得られるdsRNAは、センス鎖の3’末端上にオーバーハングを持つ。オーバーハングは、2ヌクレオチドのような、1〜4ヌクレオチドである。アンチセンス鎖は、5’リン酸を持ってもよい。
特定の実施形態において、DsiRNA試薬のセンス鎖を、センス鎖の3’末端に位置する好適な修飾因子によるDicer処理のために修飾し、すなわちDsiRNA試薬が、Dicer結合および処理の方向を指向するようにデザインされる。好適な修飾因子には、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、アシクロヌクレオチドなど、および蛍光分子などのような立体的に込み入った分子が含まれる。アシクロヌクレオチドは、dNMP中に通常存在する2’−デオキシリボフラノシル糖の代わりに、2−ヒドロキシエトキシメチル基を使う。他のヌクレオチド修飾因子には、3’−デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)、2’、3’−ジデオキシイノシン(ddI)、2’、3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(3TC)、2’、3’−ジデオキシチミジン(d4T)、および3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)の一リン酸ヌクレオチド、2’、3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(3TC)および2’、3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン(d4T)が含まれうる。1つの実施形態において、デオキシヌクレオチドを修飾因子として使用する。ヌクレオチド修飾因子を使用する時に、1〜3ヌクレオチド修飾因子、または2ヌクレオチド修飾因子を、センス鎖の3’末端上のリボヌクレオチドの代わりに使用する。立体的に込み入った分子を使用する場合、それらは、アンチセンス鎖の3’末端にてリボヌクレオチドに接続する。したがって、鎖の長さは、修飾因子の組み込みにともなって変化しない。他の実施形態において、本発明は、アンチセンス鎖のDicer処理の方向を指向するために、DsiRNA試薬中の2つのDNA塩基を置換することを企図する。さらなる本発明において、2つの末端DNA塩基を、センス鎖の3’末端とアンチセンス鎖の5’末端上で、二本鎖の平滑末端を形成している2つのリボヌクレオチドの代わりに3’−末端上に配置し、2ヌクレオチドRNAオーバーハングをアンチセンス鎖の3’末端上に配置する。これは、平滑末端上にDNA、オーバーハング末端上にRNA塩基を持つ、非対称組成物である。
特定の他の実施形態において、DsiRNA試薬のアンチセンス鎖を、アンチセンス鎖の3’末端に位置する好適な修飾因子によるDicer処理のために修飾し、すなわちDsiRNA試薬が、Dicer結合および処理の直接の方向を指向するようにデザインされる。好適な修飾因子には、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、アシクロヌクレオチドなど、および蛍光分子などのような立体的に込み入った分子が含まれる。アシクロヌクレオチドは、dNMP中に通常存在する2’−デオキシリボフラノシル糖の代わりに、2−ヒドロキシエトキシメチル基を使う。他のヌクレオチド修飾因子には、3’−デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)、2’、3’−ジデオキシイノシン(ddI)、2’、3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(3TC)、2’、3’−ジデオキシチミジン(d4T)、および3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)の一リン酸ヌクレオチド、2’、3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン(3TC)および2’、3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン(d4T)が含まれうる。1つの実施形態において、デオキシヌクレオチドを修飾因子として使用する。ヌクレオチド修飾因子を使用する時に、1〜3ヌクレオチド修飾因子、または2ヌクレオチド修飾因子を、アンチセンス鎖の3’末端上のリボヌクレオチドの代わりに使用する。立体的に込み入った分子を使用する場合、それらは、アンチセンス鎖の3’末端にてリボヌクレオチドに接続する。したがって、鎖の長さは、修飾因子の組み込みにともなって変化しない。実施形態において、本発明は、Dicer処理の方向を指向するために、dsRNA試薬中の2つのDNA塩基を置換することを企図する。さらなる発明において、2つの末端DNA塩基を、センス鎖の5’末端とアンチセンス鎖の3’末端上で、二本鎖の平滑末端を形成している2つのリボヌクレオチドの代わりにアンチセンス鎖の3’−末端上に配置し、2ヌクレオチドRNAオーバーハングをセンス鎖の3’末端上に配置する。これはまた、平滑末端上にDNA、オーバーハング末端上にRNA塩基を持つ、非対称組成物である。
センスおよびアンチセンス鎖は、細胞の細胞質中で見られる条件のような、生物学的条件下でアニールする。さらに、dsRNA試薬の、とりわけアンチセンス鎖の、1つの配列の一領域が、少なくとも19ヌクレオチドの配列長を持ち、そこでこれらのヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3’末端に隣接し、標的β−カテニンRNAのヌクレオチド配列に十分に相補的である。
さらに、DsiRNA試薬構造は、Dicerの開裂に基づいた2つの部分を含み、第一部分はDicer−開裂工程を生き延び、RISC複合体の一部として、標的RNAを活発にかみ合うように進み、第二部分はRISCでは活性ではない。第一部分は、標的RNA/RISCレベルにてRNA干渉でもっとも効果的である知られる配列を持ち、一方、第二部分は、標的配列と相補的であってよく、またはそうでなくてもよい。例えば、本発明の1つの実施形態において、DsiRNA試薬構造の27−bpオリゴヌクレオチドが合成され、そこで予想される遺伝子発現を阻害する21〜22−bp区画が、アンチセンス鎖の3’末端上に局在する。アンチセンス鎖の5’−末端上に局在する残りの塩基は、Dicerによって開裂され、したがって、Dicer開裂RNAi分子の連続部位ではない。この第二部分は均一であるか(すなわち標的配列の配列に基づく)、または不均一であり、核酸鎖を伸長するために加えられる。
米国特許出願公開第2007/0265220号明細書は、27merのDsiRNAが、化学修飾がない場合でさえ、相当する21merのsiRNA組成物に対して、血清中での改善された安定性を示すことを開示している。5’リン酸塩の添加と組み合わせた時に、以上で詳述したようなパターンで、アンチセンス鎖中の2’−O−メチルRNAの挿入のような、DsiRNAの修飾が、DsiRNA試薬の安定性を改善可能である。合成RNA二本鎖中のすべての鎖への5’−リン酸塩の添加が、ヌクレアーゼ安定性の程度の制御を与えるための、それほど費用のかからない、生理学的方法でありうる。
本発明のdsRNA試薬の化学修飾パターンは、そのような試薬の有効性を増強するためにデザインする。したがってそのような修飾は、dsRNAの強度の減少を避けるため、DsiRNA試薬のDicer処理との干渉を避けるため、dsRNA試薬の生物学的流体中の安定性を改善するため(ヌクレアーゼ感受性を減少させるため)、または生来の免疫システムによる検出を阻害する、または回避するためにデザインする。そのような修飾はまた、毒性であることを避けるため、および本発明の即時dsRNA試薬の製造コストの増加を避けるため、またはその簡便さに影響を与えるためにもデザインされる。
β−カテニン生物学および生化学
公知のヒトおよびマウスβ−カテニンcDNAおよびポリペプチド配列は以下を含む。
β−カテニンは、CTNNB1遺伝子によってコードされるヒト中でのタンパク質であり(Kraus et al.Genomics 23:272−4)、したがって具体的にはヒト「β−カテニン遺伝子」に対する本明細書の引用は、CTNNB1遺伝子を意味する。β−カテニンは、カドヘリンタンパク質複合体のサブユニットであり、Wntシグナル伝達中の統合構成要素として示されてきた。Drosophila armadilloは、β−カテニン相同体であり、アルマジロファミリーの一メンバーであるβ−カテニンを表す。
アルマジロファミリーの一メンバーとして、β−カテニンタンパク質は、アルマジロ反復ドメインと呼ばれる多数のコピーを含み、タンパク質−タンパク質結合に対して特異的なドメインである。β−カテニンは、カドヘリンとアルファ−カテニンとは結合せず、ICATおよびAPCのような他のタンパク質と相互作用する。
機能的に、カドヘリンは、接着結合(Ajs)を構成し、細胞増殖の制御と、近隣細胞間の接着を介して上皮細胞層の創造および維持に必要である。β−カテニンはまた、アクチン細胞骨格をしっかりと固定し、いったん上皮シートが完成したならば細胞が分裂を停止するのを引き起こす接触阻害シグナルを伝達することに対して応答するようにモデル化される(EnterzGene:カテニン)。β−カテニンは、肝臓生物学、例えば肝臓発達(胎児性および出生後両方)、部分的肝切除後の肝臓再生、HGF−誘導肝腫大、肝帯状および肝がんの病理において重要な役割を果たすことが示されてきた(Thompson and Monga.Hepatology 45:1298−1305)。
理論にとらわれずに、β−カテニンは、以下の様式で、Wntシグナル伝達経路中で機能するようにモデル化される。Wntが存在しない場合、GSK−3(キナーゼの一つ)は、β−カテニンタンパク質を構造的にリン酸化する。β−カテニンは、GSK3およびAPC(大腸腺腫症)と複合化したアキシン(足場タンパク質)と結合する。この複合体の創造が、GSK3の活性を促進することによって、β−カテニンのリン酸化を本質的に増加させるように働く。β−カテニンがリン酸化される時、それは分解され、したがってβ−カテニンは、有意なレベルまで細胞内で増大しない。Wntがfrizzled(Fz)に結合する時、その受容体であるdishevelled(Dsh)が膜に対して補充される。GSK3はFzによるDshの活性化により阻害される。このため、β−カテニンが細胞質ゾル中で増大することが許され、続いて核内に転座可能であり、そこで種々の機能を果たす。β−カテニンは、TCFおよびLEFと共役して働き、異なる工程に関与する特定の標的遺伝子を活性化可能である。
β−カテニンはがん遺伝子である。β−カテニン産出における増加が、基底細胞がんの対象中で指摘されており、そのような増加が、関連する腫瘍の増殖の増加を導く(Saldanha et al.Br.J Dermatol.151:157−64)。β−カテニン中の変異は、結腸直腸がん(CRC)、石灰化上皮腫(PTR)、髄芽細胞腫(MDB)および卵巣がんの原因である。β−カテニンはまた、結腸の線腫瘍ポリープ中の変異であるAPC遺伝子の産物に結合する。
β−カテニンの他のタンパク質に結合する能力は、チロシンキナーゼ(Lilien and Balsamo Curr.Opin.Cell Biol.17:459−65)およびGSK−3のようなセリンキナーゼ(Castellone et al.Science 310:1504−10)によって制御される。β−カテニンがカドヘリンとの複合体中でアセンブルされない時に、アキシンと複合体を形成可能である。アキシンに結合する一方で、β−カテニンは、GSK−3によってリン酸化され、プロテオソームによるβ−カテニンの急速ユビキチン依存分解のためのシグナルを産出する。Wntシグナル伝達経路のような種々のシグナルが、β−カテニンのGSK3−仲介リン酸化を阻害可能であり(Liu et al.Cuur.Biol.15:1989−97)、β−カテニンが細胞核に進み、転写因子と相互作用し、遺伝子転写を調節することが許容される。
β−カテニンは、タンパク質キナーゼA(PKA)のような他のキナーゼによってリン酸化可能である。PKAによるβ−カテニンのリン酸化は、β−カテニンの分解の減少、核内のβ−カテニンのレベルの増加、遺伝子発現を制御するためのTCFファミリー転写因子とのβ−カテニンの相互作用に関連付けられている(Hino et al. Mol. Cell. Biol. 25:9063−72)。
β−カテニンは、以下のタンパク質と相互作用することが示されている。アンドロゲン受容体、APC、AXIN1、CBY1、CDH1、CDH2、CDH3、CDK5R1、CHUK、CTNNA1、CTNND1、EGFR、FHL2、GSK3B、HER2/neu、HNF4A、IKK2、LEF1、MAGI1、MUC1、NR5A1、PCAF、PHF17、プラコグロビン、PTPN14、PTPRF、PRPRK、PSEN1、RuvB−様1、SMAD7、SLC9A3R1、SMARCA4、USP9XおよびVE−カドヘリン(hhtp://en.wikipedia.org/wiki/Beta−catenin)。
DsiRNAβ−カテニン阻害活性を評価するためのin vitroアッセイ
細胞フリー系でのRNAiを繰り返すin vitroアッセイを使用して、β−カテニンRNA配列(複数可)を標的化しているDsiRNA構造物を評価し、したがって、DsiRNAのβ−カテニン−特異的遺伝子阻害活性(またβ−カテニン阻害活性として本明細書に引用する)を評価可能である。アッセイには、β−カテニンRNAに対して指向したDsiRNA試薬との利用に適合した、Tushl et al.,1999,Genes and Development,13,3191−3197およびZamore et al.,2000,Cell,101,25−33によって記述されたシステムが含まれる。合胞体胚盤葉から由来したDrosophila抽出物を、in vitroにてRNAi活性を再構築するために使用する。標的RNAは、T7 RNAポリメラーゼを用いる選択されたβ−カテニン発現プラスミドからのin vitro転写を介して、または化学合成を介して産出される。センスおよびアンチセンスDsiRNA鎖(例えば各20μM)を、90℃にて1分間、ついで37℃にて1時間(100mM酢酸カリウム、30mM HEPES−KOH、pH7.4、2mM酢酸マグネシウムのような)緩衝液中でのインキュベーションによってアニールし、溶解緩衝液(例えば100mM 酢酸カリウム、pH7.4での30mM HEPES−KOH、2mM酢酸マグネシウム)中で希釈する。アニーリングをTBE緩衝液中アガロースゲル上のゲル電気泳動によってモニターし、臭化エチジウムで染色可能である。Drosophila溶解物を、脱塩素化し、溶解した酵母糖蜜寒天上で回収したOregon Rハエからの0〜2時間齢胚を用いて調製する。溶解物を遠心し、上清を単離する。アッセイには、50%溶解物[vol/vol]、RNA(10〜50pM最終濃度)、およびDsiRNA(10nM最終濃度)を含む10%[vol/vol]溶解緩衝液を含む反応混合物が含まれる。反応混合液はまた、10mMリン酸クレアチン、10ug/mlクレアチンホスホキナーゼ、100um GTP、100uM UTP、100uM CTP、500uM ATP、5mM DTT、0.1U/μL RNasin(Promega)および100uMの各アミノ酸を含む。酢酸カリウムの最終濃度を100mMに調節する。反応を氷上でプレアセンブルし、RNAを加える前に10分間、25℃にてプレインキュベートし、25℃にてさらに60分間インキュベートする。反応を4容量の1.25×Passive Lysis Buffer(Promega)でクエンチする。標的RNA開裂をRT−PCR解析または本技術分野で公知の他の方法によってアッセイし、DsiRNAが反応より除外された対照反応と比較する。
あるいは、アッセイのために内部標識した標的RNAを、[アルファ−32P]CTPの存在下、in vitro転写によって調製し、スピンクロマトグラフィーによるG50Sephadexカラムを通し、さらなる精製なしに標的RNAとして使用する。任意に、標的RNAは、T4ポリヌクレオチドキナーゼ酵素を用いて、5’−32P−末端標識する。アッセイを、上記のように実施し、標的RNAとRNAiによって産出される特定のRNA開裂産物を、ゲルの自動写真上で可視化する。開裂の割合を、無傷の対照RNA、またはDsiRNAなしの対照反応物からのRNA、およびアッセイによって産出された開裂産物を表すバンドのPHOSPHOR IMAGER(登録商標)(自動写真)定量によって決定する。
1つの実施態様において、本アッセイを、DsiRNA仲介RNAi開裂に対するβ−カテニンRNA標的中の標的部位を明らかにするために使用し、そこで多数のDsiRNA構造物を、例えば標識化標的RNAの電気泳動またはノーザン法によって、ならびに本技術分野でよく知られている他の方法論によってアッセイ反応を解析することで、β−カテニンRNA標的のRNAi仲介開裂に関して選別する。
特定の実施形態において、好適な対照に対して、本発明のDsiRNAは、例えばβ−カテニンレベルにおける50%減少がシステム、細胞、組織または生命体にて観察された場合、β−カテニン阻害活性を持つと見なされる。本発明のDsiRNAのβ−カテニン阻害活性の決定に対するさらなる境界および限界が以上に記述されている。
抗−β−カテニンDsiRNA試薬の共役と伝達
特定の実施形態において、本発明は、β−カテニン−関連疾患または障害、またはβ−カテニン関連疾患または障害を発達させるリスクを持つ患者を治療するための方法に関する。そのような実施形態において、DsiRNAは、β−カテニン関連疾患または障害を制御するための新規治療薬剤として働きうる。方法には、本発明の医薬組成物を患者(例えばヒト)に投与し、それによって、β−カテニンRNAの発現、レベルおよび/または活性が減少することが含まれる。β−カテニンRNAによってコードされたポリペプチドの発現、レベルおよび/または活性がまた、前記DsiRNAがβ−カテニン転写産物の非コード領域に対して指向する場合(例えば標的化5’UTRまたは3’UTR配列)でさえ本発明のDsiRNAによって減少しうる。それらの高い特異性のために、本発明のDsiRNAは、任意に多型対立遺伝子が個々および/または集団内で存在する対立遺伝子特異的様式にて、細胞および組織のβ−カテニン配列を特に標的化可能である。
β−カテニン−関連疾患または疾病の治療において、DsiRNAを、対象の細胞または組織、例えばβ−カテニンレベルの減少に対して標的化されたβ−カテニンおよび/または他の脱制御を示している対象の細胞または組織との接触に持ち込むことが可能である。例えば、β−カテニンRNA配列の全てまたは部分に、本質的に同一のDsiRNAを、in vivoまたはin vitroいずれかで、そのような細胞との接触に持ち込むか、またはそのような細胞内へ導入してよい。同様に、β−カテニンRNA配列のすべてまたは一部に本質的に同一のDsiRNAを、β−カテニン−関連疾患または疾病を持つ、または発達させるリスクの対象に直接投与してよい。
本発明のDsiRNA試薬の治療的利用は、多数の異なるDsiRNA試薬配列を含むDsiRNA試薬の処方の利用を含みうる。例えば、2またはそれ以上、3またはそれ以上、4またはそれ以上、5またはそれ以上などの本明細書で記述した試薬を、例えばβ−カテニンRNAの多数の異なる領域を標的とする、または標的β−カテニンRNAのみでなく、標的、例えばβ−カテニン関連疾患または障害と関連した細胞性標的遺伝子も標的とする処方を産出するように組み合わせることができる。本発明のDsiRNAはまた、DsiRNA試薬のいずれかの鎖が、2つまたはそれ以上のβ−カテニンRNAの領域を独立して標的するように、またはDsiRNA試薬の鎖の1つが、本技術分野で公知のβ−カテニンの細胞性標的遺伝子を標的とするように構築してもよい。
標的核酸分子の1つ以上の領域を標的とする多機能DsiRNA分子の利用がまた、β−カテニンRNAレベルおよび発現の強力な阻害剤を提供可能である。例えば、本発明の単一の多機能DsiRNA構造物が、同時にβc−1569とβc−1683部位両方を同時に標的としえ、さらにおよび/またはあるいは、本発明の単一または多機能薬剤を、他に対して、β−カテニンの1つのスプライスバリアントを選択的に標的とするためにデザイン可能である。
したがって、本発明のDsiRNA試薬は個々に、または他の薬剤との組み合わせまたは併せて、β−カテニン関連疾病または障害を治療する、阻害する、減少させるまたは予防するために使用可能である。例えば、DsiRNA分子を、治療に好適な条件下、単独で、または1つまたはそれ以上の薬剤との組み合わせで、対象に投与可能であり、当業者にとって明白な他の適切な細胞に投与可能である。
DsiRNA分子をまた、対象または生体中のβ−カテニン関連疾患または障害を治療する、阻害する、減少させるまたは予防するための他の公知の治療との組み合わせで使用可能である。例えば、記述した分子を、本技術分野で公知のように、対象または生体内のβ−カテニン関連疾患または障害を治療する、阻害する、減少させるまたは予防するために、1つまたはそれ以上の公知の化合物、治療または手順と組み合わせて使用可能である。
本発明のDsiRNA試薬は、他の部位(例えばペプチドのような非核酸部位)、有機化合物(例えば染料、コレステロールなど)と(例えばそのセンスまたはアンチセンス鎖のその5’または3’末端で)共役可能であり、または共役していなくてよい。この方法でDsiRNA試薬を修飾することは、相当する非共役DsiRNA試薬と比較して細胞取込を改善し、得られるDsiRNA試薬誘導体の細胞標的化活性を増強してよく、細胞内のDsiRNA試薬誘導体をトレースするために有用であり、または相当する非共役DsiRNA試薬と比較してDsiRNA試薬誘導体の安定性を改善する。
核酸、ベクターおよび宿主細胞を導入する方法
本発明のDsiRNA試薬を、直接細胞に(すなわち細胞内に)導入してよく、または空洞、間質腔内、生命体の循環中に細胞外で導入してよく、経口で導入してよく、または核酸を含む溶液中細胞または生命体を浴させることによって導入してよい。血管または血管外循環、血液またはリンパ系、および脳脊髄液が、核酸を導入してよい部位である。
本発明のDsiRNA試薬を、核酸を含む溶液の注射、核酸によって覆われた粒子の照射、核酸溶液中の細胞または生命体の浸漬、または核酸の存在下での細胞膜の電気泳動を含む、本技術分野で公知の核酸伝達方法を用いて導入可能である。脂質仲介担体伝達、化学仲介伝達、リン酸カルシウムのようなカチオン性リポソームトランスフェクションなどのような核酸を細胞に導入するための本技術分野で公知の他の方法を使用してよい。核酸を、以下の活性、細胞による核酸取込を増強する、または標的β−カテニンRNAの阻害を増加させる、の1つまたはそれ以上を達成する他の成分と一緒に導入してよい。
標的β−カテニンRNAを持つ細胞は、生殖系または体性、分化全能性または多能性、分裂または非分裂、柔組織または上皮、不死化または形質導入などからであってよい。細胞は、幹細胞または分化細胞であってよい。分化した細胞型には、脂肪細胞、繊維芽細胞、筋細胞、心筋細胞、内皮細胞、ニューロン、グリア細胞、血液細胞、巨核球、リンパ球、顆粒球、ケラチノサイト、コンドロサイト、骨芽細胞、破骨細胞、幹細胞、内分泌または外分泌腺の細胞が含まれる。
特定の標的β−カテニンRNA配列と、伝達されたDsiRNA試薬物質の用量に依存して、本工程は、β−カテニンRNAに対して部分的または完全な機能の欠損を提供しうる。標的細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%またはそれ以上でのRNAレベルまたは発現(β−カテニンRNA発現またはコードされたポリペプチド発現いずれか)の減少または欠損が例である。β−カテニンRNAレベルまたは発現の阻害は、β−カテニンRNAまたはβ−カテニンRNA−コードタンパク質のレベルにおける不在(または観察可能な減少)を意味する。特異性は、細胞の他の遺伝子における明らかな効果なしに、β−カテニンRNAを阻害する能力を意味する。阻害の結果は、細胞または生命体の外部特性の試験によって、またはRNA溶液ハイブリッド形成、ヌクレアーゼ保護、ノーザンハイブリッド形成、逆転写、マイクロアレイでの遺伝子発現モニタリング、抗体結合、酵素免疫測定法(ELISA)、ウエスタンブロット法、放射免疫アッセイ(RIA)、他の免疫アッセイ、および蛍光活性化細胞解析(FACS)のような生化学的技術によって確認可能である。本発明のDsiRNA試薬による標的β−カテニンRNA配列(複数可)の阻害は、in vivoまたはin vitroいずれかで、β−カテニン関連疾患または障害の発達/進行、例えば腫瘍形成、増殖、転移などにおける、そのようなDsiRNA試薬の投与の効果に基づいて測定可能でもある。腫瘍またはがん細胞レベルの処置および/または減少には、腫瘍またはがん細胞レベルの増殖の停止または減少、例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%またはそれ以上の減少が含まれ、また細胞、組織または対象への本発明のDsiRNA試薬の投与を介して達成可能であるがん細胞レベルにおける、対数言語、例えば10倍、100倍、1000倍、105倍、106倍、107倍減少で測定可能もある。
細胞株または全生命体でのRNA仲介阻害に関して、そのタンパク質産物が容易にアッセイされる、レポーターまたは薬物体制遺伝子の発現を測定可能である。そのようなレポーター遺伝子には、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)、アルカリホスファターゼ(AP)、βガラクトシダーゼ(LacZ)、βグルコロニダーゼ(GUS)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、グリーンフルオレセントタンパク質(GFP)、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、ルシフェラーゼ(Luf)、ノパリンシンターゼ(NOS)、オクトパインシンターゼ(OCS)およびそれらの誘導体が含まれる。多数の選別可能なマーカーが利用可能であり、アンピシリン、ブレオマイシン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、ヒグロマイシン、カナマイシン、リンコマイシン、メトトレキセート、ホスフィノリシン、プロマイシンおよびテトラサイクリンに対する耐性を供与する。アッセイに依存して、遺伝子発現の量の定量により、本発明に記載の処理されない細胞と比較して、10%、33%、50%、90%、95%または99%以上である阻害の程度が決定可能である。
より低用量の注射物質、およびRNAサイレンシング薬剤の投与後のより長い時間が、結果として、より小さな細胞画分における阻害となりうる(例えば少なくとも標的細胞の10%、20%、50%、75%、90%または95%)。細胞内での遺伝子発現の定量化は、標的β−カテニンRNAの蓄積または標的タンパク質の翻訳のレベルにてほぼ同じ量の阻害を示しうる。例として、阻害の効率を、細胞内の遺伝子産物の量を評価することによって決定してよく、RNAは、阻害DsiRNAのために使用した領域の外側にヌクレオチド配列を持つハイブリッド形成プローブで検出してよく、または翻訳されたポリペプチドは、その領域のポリペプチド配列に対して作製された抗体で検出してよい。
DsiRNA試薬は、少なくとも1つのコピー/細胞の伝達を許容する量で導入してよい。より高用量(例えば少なくとも5、10、100、500または1000コピー/細胞)の物質が、より効果的な阻害を産出し得、より低い用量がまた特定の適用のために有用であり得る。
医薬組成物
特定の実施形態において、本発明は、本発明のDsiRNAを含む医薬組成物を提供する。DsiRNA試薬試料は、好適に処方され、それが発生する場合に、試料の十分な部分が、遺伝子サイレンシングを誘導するために細胞内に入ることを許容する任意の方法によって細胞の環境内に導入可能である。dsRNAに関する多くの製剤は、当該技術分野で公知であり、dsRNAが標的細胞内に入り、働くことができる限り使用可能である。例えば、米国特許出願公開第2004/0203145 A1明細書および第2005/0054598 A1号明細書を参照のこと。例えば、本発明のDsiRNA試薬を、リン酸緩衝食塩水溶液、リポソーム、ミセル構造およびカプシドのような緩衝溶液中に処方可能である。カチオン性脂質でのDsiRNA試薬の製剤を、DsiRNA試薬の細胞内へのトランスフェクションを促進するために使用可能である。例えば、リポフェクチン(米国特許第5,705,188号明細書)のようなカチオン性脂質、カチオン性グリセロール誘導体、およびポリリシン(PCT国際特許公開第97/30731号明細書)のようなポリカチオン性分子を使用可能である。好適な脂質には、すべて製造業者の取扱説明書にしたがって使用可能な、オリゴフェクタミン、リポフェクタミン(Life Technologies)、NC388(Ribozyme Phβ−カテニンmaceuticals社、ボールダー,コロラド州)、またはFuGene6(Roche)が含まれる。
そのような組成物には典型的に、核酸分子と薬理学的に許容可能な担体が含まれる。本明細書で使用するところの用語「薬理学的に許容可能な担体」には、薬理学的投与に適合可能な食塩水、溶媒、分散培地、コーティング、抗菌剤、抗心筋剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。補助的な活性化合物もまた組成物内に組み込むことができる。
医薬組成物を、その意図する投与経路に適用するように処方する。投与経路の例には、非経口、例えば静脈内、皮膚内、皮下、経口(例えば吸入)、経皮(局所)、経粘膜および腸投与が含まれる。非経口、皮膚内または皮下適用のために使用される溶液および懸濁液には、以下の構成要素が含まれる。注射のための水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような無菌希釈液、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン類のような抗菌剤、アスコルビン酸または二硫化ナトリウムのような抗酸化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸のようなcHeLating薬剤、酢酸、クエン酸またはリン酸のような緩衝液および塩化ナトリウム、デキストロースのような張力の調節のための薬剤。pHを塩酸または水酸化物といった酸または塩基で調節することができる。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチックからなるアンプル、使い捨てシリンジまたは多重用量バイアル内に同封可能である。
注射可能な利用のために好適な医薬組成物には、無菌水溶液(水溶性である場合)または分散液、および無菌注射可能な溶液または分散液の即時の調整のための無菌粉末が含まれる。静脈内投与のために、好適な担体には、生理学的食塩水、静菌水、Cremophor EL.TM.(BASF、パーシッパニー,ニュージャージー州)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合で、組成物は無菌でなければならず、容易にシリンジ注入可能な程度まで流動的であるべきである。製造および保存の条件下で安定であるべきであり、細菌および真菌のような微生物の共雑活性に対して防止されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレンングリコールなど)、およびこれらの好適な混合液を含む、溶媒または分散培地でありうる。適切な流動性が、例えば、レシチンのようなコーティングの利用によって、分散液の場合、要求される粒子の大きさの維持によって、および界面活性剤の利用によって、維持可能である。微生物の活性の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成可能である。多くの場合、組成物中の等張剤、例えば糖類、マンニトール、ソルビトールのようなポリアルコール類、塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射可能組成物の吸収の延長を、組成物内に、吸収を遅延させる試薬、例えばアルミニウム一ステアリン酸およびゼラチンを加えることによって達成可能である。
無菌注射可能溶液は、要求された量で活性化合物を、要求されたように、1つまたは以上で列挙した成分の組み合わせとともに、選択された溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製可能である。一般的に、分散液は、基礎分散培地と、以上で列記した要求された他の成分を含む、無菌賦形剤内に活性化合物を組み込むことによって調製する。無菌注射可能溶液の調製のための無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、吸引乾燥と、その先に無菌濾過した溶液から活性成分+任意のさらなる望む成分の粉末を産出する凍結乾燥である。
経口組成物は一般的に、不活性希釈液または食用担体を含む。経口治療投与の目的のために、活性化合物を、賦形剤と組み込み、錠剤、トローチまたは例えばゼラチンカプセルのようなカプセルの形態で使用可能である。経口組成物を口腔洗浄剤として使用する流体の担体を用いて調整することもできる。薬理学的に適合可能な結合剤、および/またはアジュバント物質を、組成物の部分として含めることが可能である。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、任意の以下の成分、微晶質性セルロース、ガムトラガカントまたはゼラチンのような結合剤、デンプンまたはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、プリモゲルまたはトウモロコシデンプンのような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesのような潤滑油、二酸化コロイドシリコーンのような流動促進剤、スクロースまたはサッカリンのような甘味剤、またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香味料のような香味料、または同様の性質の化合物を含んでよい。
吸入による投与のために、化合物を、好適な高圧ガス、例えば二酸化炭素のような気体、またはネブライザーを含む、加圧容器またはディスペンサーからのエアロゾルスプレーの形状で伝達する。そのような方法には、米国特許第6,468,798号明細書に記述されたものが含まれる。
全身投与がまた、経粘膜または経皮法によって可能でもある。経粘膜または経皮投与のために、浸潤されるべきバリアに対して適切な浸潤剤が製剤内で使用される。そのような浸潤剤は一般的に当該技術分野で公知であり、例えば、経粘膜投与のために、合成洗剤、胆汁酸およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは座薬の利用を通して実施可能である。経皮投与のために、活性化合物を、本技術分野で一般的に公知の軟膏(ointments)、軟膏(salves)、ジェルまたはクリーム内に処方する。
化合物をまた、(例えばココアバターまたは他のグリセリド類のような従来の座薬基体で)座薬、または腸伝達のための停留かん腸の形態で調製可能である。
化合物はまた、McCaffrey et al.(2002),Nature,418(6893),38−9(流体力学トランスフェクション);Xia et al.(2002),Nature Biotechnol.,20(10),1006−10(ウイルス仲介伝達);またはPutnam (1996),Am.J.Health Syst.Phβ−カテニンm.53(2),151−160,erratum at Am. J. Health Syst.Pharm.53(3),325(1996)にて記述された方法を含むが、これらに限定はされない、本技術分野で公知の方法を用いてトランスフェクションまたは感染によって投与可能である。
化合物をまた、DNAワクチンのような核酸試薬の投与に好適な方法によって投与可能である。これらの方法には、遺伝子銃、生物注入器、および皮膚パッチならびに米国特許第6,194,389号明細書にて開示されたマイクロ粒子DNAワクチン技術のようなニードルフリー方法、および米国特許第6,168,587号明細書にて開示されたような粉末形状ワクチンによる哺乳動物経皮ニードルフリーワクチン化が含まれる。さらに、とりわけHamajima et al.(1998),Clin.Immunol.Immunopathol.,88(2),205−10.Liposomes、例えば、米国特許第6,472,375号明細書にて記述されたような)で開示されたように、経鼻伝達が可能であり、(例えば、米国特許第6,471,996号明細書にて記述されたような)マイクロカプセル化も利用可能である。生物分解性、標的化可能マイクロ粒子伝達システムもまた使用可能である。
1つの実施形態において、活性化合物を、インプラントおよびマイクロカプセル化伝達系を含む、放出制御処方のような、体からの急速な消失に対して化合物を保護する担体で調製する。酢酸エチレンビニル、ポリアンヒドリド類、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルソエステル類およびポリ酢酸のような生物分解性、生物適合性ポリマーが使用可能である。そのような処方は、標準技術を用いて調製可能である。物質はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals社から市販されており入手可能である。(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染した細胞を標的化したリポソームを含む)リポソーム懸濁液を、薬理学的に許容可能な担体として使用可能でもある。これらは、例えば米国特許第4,522,811号明細書にて記述されたような、当業者に公知の方法にしたがって調製可能である。
そのような化合物の毒性および治療効果を、例えばLD50(集団の50%が致死する用量)およびED50(集団の50%中の治療に効果的な用量)を明らかにするために、細胞培養液または実験動物における標準薬理学的手順によって決定可能である。毒性および治療効果の間の用量比が、治療指数であり、比LD50/ED50で表すことが可能である。高い治療指数を表す化合物が好ましい。毒性副作用を表す化合物を使用してよい一方で、感染していない細胞への可能性のあるダメージを最小化し、それによって副作用を減少させるために、影響を受けた組織の部位へ、そのような化合物を標的化する伝達系をデザインすることに注意が払われるべきである。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得たデータを、ヒトにおける使用のための用量の範囲を定式化することにおいて使用可能である。そのような化合物の用量は、好ましくは毒性がほとんどないか、全くないED50を含む循環濃度範囲内にある。用量は、使用する用量および利用した投与経路に依存して、この範囲内で変化してよい。本発明の方法にて使用される化合物に対して、治療に効果的な用量は、細胞培養アッセイからまず推定可能である。用量を、細胞培養液中で測定するIC50(すなわち、症状の半最大阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む、循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにて定式化してよい。そのような情報を、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用可能である。血漿中のレベルを、例えば高性能液体クロマトグラフィーによって測定してよい。
本明細書で定義したように、治療に効果的な量の核酸分子(すなわち効果的用量)は、選択した核酸に依存する。例えば、DsiRNA試薬をコードしているプラスミドを選択した場合、およそ1pg〜1000mgの範囲の単一投与用量を投与してよく、いくつかの実施形態において、10、30、100または1000pg、または10、30、100または1000ng、または10、30、100または1000μg、または10、30、100または1000mgを投与してよい。いくつかの実施形態において、1〜5gの組成物を投与可能である。組成物は、2日に一回を含む、1またはそれ以上の回数/日〜1またはそれ以上の回数/週投与可能である。当業者は、疾患または疾病の重症度、先行治療、対象の一般的健康および/または年齢、他の疾患の存在を含むが、限定はしない、特定の要因が、対象を効果的に処置するために要求される用量およびタイミングに影響を与えうることを理解するであろう。さらに、治療に効果的な量のタンパク質、ポリペプチド、または抗体での対象の治療には、単一治療が含まれてよく、または好ましくは一連の治療が含まれてよい。
本発明の核酸分子は、例えば、Xia et al.,(2002)上記にて記述されたものを含むが、限定はされない、本技術分野で公知の方法を用いて、発現構造物、例えばウイルスベクター、レトロウイルスベクター、発現カセット、またはプラスミドウイルスベクター内に挿入可能である。発現構造物は、例えば、吸入、経口、静脈注射、局所投与によって(米国特許第5,328,470号明細書を参照のこと)、または定位注射によって(例えばChen et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,3054−3057)対象に伝達可能である。伝達ベクターの薬理学的調製物には、適切な希釈液中のベクターが含まれてよく、伝達賦形剤が埋め込まれる徐放マトリックスを含んでよい。あるいは、完全な伝達ベクター、例えばレトロウイルスベクターを、組換え体細胞から完全なまま産出可能である場合、薬理学的調製物は、遺伝子伝達系を産出する1つまたはそれ以上の細胞を含みうる。
発現構造物は、適切な発現系での使用のために好適な構造物であってよく、当該技術分野で公知のような、レトロウイルスベクター、直線発現カセット、プラスミドおよびウイルスまたはウイルス由来ベクターを含むが、限定はされない。そのような発現構造物には、1つまたはそれ以上の誘導可能なプロモーター、U6 snRNAプロモーターまたはH1 RNAポリメラーゼIIIプロモーター、RNA Pol IIIプロモーター系、または本技術分野で公知の他のプロモーターのような、を含んでよい。構造物は、siRNAの1つまたは両方の鎖を含みうる。両方の鎖を発現している発現構造物にはまた、両方の鎖を連結しているループ構造が含まれてよく、または各鎖は、同一の構造物内の別々のプロモーターから別々に転写されうる。各鎖はまた、別々の発現構造物、例えばTuschl(2002,Nature Biotechnol 20:5005−505)から転写可能でもある。
細胞の環境内にDsiRNA試薬を導入する方法が、細胞の型、およびその環境の構成に依存しうることが理解可能である。例えば、細胞が液体内でみられる時に、1つの好ましい製剤は、リポフェクタミン中のような液体製剤でであり、DsiRNA試薬を細胞の液体環境に直接加えることが可能である。脂質製剤をまた、静脈内、筋肉内または腹腔内注射によって、または経口で、または吸入または当該技術分野で公知のような他の方法によって動物に投与可能である。製剤が、哺乳動物、とりわけヒトのような動物内への投与のために好適である場合、製剤はまた薬理学的に許容可能である。オリゴヌクレオチドを投与するための薬理学的に許容可能な製剤が公知であり、利用可能である。いくつかの例において、DsiRNA試薬を緩衝液または生理食塩水溶液中で処方し、処方したDsiRNA試薬を、卵母細胞での試験でのように、直接細胞内に注入することが好ましい可能性がある。DsiRNA試薬二本鎖の直接注射もまた実施されうる。dsRNA(例えばDsiRNA試薬)を導入する好適な方法に関して、米国特許公開第2004/0203145 A1号明細書を参照のこと。
好適な量のDsiRNA試薬を導入しなければならず、これらの量は、標準の方法を用いて実験的に決定可能である。典型的には、細胞の環境中の効果的な濃度の個々のDsiRNA試薬種は、50ナノモルまたはそれ以下、10ナノモルまたはそれ以下であり、または1ナノモルまたはそれ以下の濃度での組成物を使用可能である。他の実施形態において、200ピコモルまたはそれ以下、100ピコモルまたはそれ以下、50ピコモルまたはそれ以下、20ピコモルまたはそれ以下、および10ピコモルまたはそれ以下、5ピコモルまたはそれ以下、2ピコモルまたはそれ以下、または1ピコモルまたはそれ以下の濃度を用いる方法を、多くの環境で使用可能である。
DsiRNA試薬組成物が処方され、それによって十分な量のDsiRNA試薬が細胞内に入り、その効果を発揮するという条件で、細胞が生きることが出来る細胞外マトリックスにDsiRNA試薬組成物を添加することによって方法を実施可能である。例えば、液体培養液または細胞増殖培地のような液体中、組織外植片中、または哺乳動物、とりわけヒトのような動物を含む全生命体中に存在する細胞での利用に方法が従う。
β−カテニンRNAのレベルまたは活性は、当該技術分野で公知の、または後に開発される好適な方法によって決定可能である。標的RNAおよび/または標的遺伝子の「発現」を測定するために使用する方法が、標的遺伝子とそのコードされたRNAの性質に依存しうることが理解可能である。例えば、標的β−カテニンRNA配列が、タンパク質をコードする場合、用語「発現」は、β−カテニン遺伝子(ゲノムまたは外来由来のいずれか)から由来する、タンパク質またはβ−カテニンRNA/転写産物を意味しうる。そのような例において、標的β−カテニンRNAの発現を、β−カテニンRNA/転写産物の量を直接測定することによって、またはβ−カテニンタンパク質の量を測定することによって決定可能である。タンパク質を、染色または免疫ブロッティングによって、またはタンパク質が測定可能な反応を触媒する場合、反応速度を測定することによってのような、タンパク質アッセイにて測定可能である。すべてのそのような方法が、当該技術分野で公知であり、使用可能である。標的β−カテニンRNAレベルが測定されるべきである場合、RNAレベルを検出するための当該技術分野で認識された方法を使用可能である(例えばRT−PCR、ノーザンブロット法など)。本発明のDsiRNA試薬にてβ−カテニンRNAを標的化することにおいて、対象、組織中in vitroまたはin vivoいずれかでの、細胞中の、または細胞抽出物中の、β−カテニンRNAまたはタンパク質のレベルを減少させることにおける、DsiRNA試薬の有効性の測定をまた、β−カテニン関連表現型(例えばがんまたは腫瘍形成、増殖、転移、拡散などのような、たとえば疾患または障害)の減少の程度を決定するために使用可能でもある。上記測定は、細胞、細胞抽出物、組織、組織抽出物または他の好適な供給源物質上で実施可能である。
β−カテニンRNAの発現が、「減少」したかどうかの決定は、RNAレベルにおける変換を正確に検出可能な好適な方法によってでありうる。典型的には、決定は、それによって、少なくとも一部の当該DsiRNA試薬が細胞質に入るように細胞の環境内へ、消化していないDsiRNAを導入し、ついで標的RNAのレベルを測定することによって実施される。同様の測定を、同一の未処理細胞上で行い、それぞれの測定から得られた結果を比較する。
DsiRNA試薬は、薬理学的に効果的な量のDsiRNA試薬と、薬理学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物として処方可能である。薬理学的、または治療に効果的な量は、意図する薬理学的、治療または予防結果を産出するのに効果的なDsiRNA試薬の量を意味する。用語「薬理学的に効果的な量」および「治療に効果的な量」または単に「効果的な量」は、意図する薬理学的、治療または予防結果を産出するのに効果的なRNAの量を意味する。例えば、当該臨床治療が、疾患または障害に関連した測定可能なパラメータにおいて、少なくとも20%の減少が見られた時に、効果的であると認識され、当該疾患または障害の治療に対する薬物の治療に効果的な量は、当該パラメータにおける少なくとも20%減少に影響を与えるのに必要な量である。
本発明の好適な処方された医薬組成物を、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮、空路(エアロゾル)、腸、膣および(バッカルおよびサブリンガルを含む)局所投与を含む、非経口経路によってのような、当該技術分野で公知の方法によって投与可能である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、静脈または非経口内点滴または注射によって投与される。
一般に、dsRNAの好適な用量ユニットは、0.001〜0.25ミリグラム/レシピエントの体重キログラム/日の範囲、0.01〜20マイクログラム/レシピエントの体重キログラム/日の範囲、0.01〜10マイクログラム/レシピエントの体重キログラム/日の範囲、0.01〜5マイクログラム/レシピエントの体重キログラム/日の範囲、0.1〜2.5マイクログラム/レシピエントの体重キログラム/日の範囲である。dsRNAを含む医薬組成物は、1日一回投与可能である。しかしながら、治療薬剤はまた、一日を通して適切な間隔で投与される、2、3、4、5、6またはそれ以上の分割投与量を含む用量ユニットで投与されうる。この場合、各分割投与量に含まれるdsRNAは、一日の総用量ユニットを達成するために相応により小さくなければいけない。用量ユニットはまた、例えば数日間隔にわたり、dsRNAの持続および一定放出を提供する従来の徐放処方を用いて、数日にわたる単一用量に対して合成可能である。徐放製剤が当該技術分野でよく公知である。本実施形態において、用量ユニットは、相当する複数の一日量を含む。製剤に関係なく、医薬組成物は、処置されている動物またはヒト中の標的遺伝子の発現を阻害するのに十分な量で、dsRNAを含まなければいけない。組成物は、dsRNAの複数ユニットの合計が、一緒に十分な容量を含む方法で合成可能である。
ヒトに対する好適な用量範囲を処方するために、データを細胞培養アッセイと動物研究から得ることができる。本発明の組成物の用量は、毒性がほとんどまたは全くない、(公知の方法によって決定したような)ED50を含む、循環濃度の範囲内にある。用量は、使用した用量および利用した投与経路に依存して、この範囲内で変化してよい。本発明の方法にて使用する化合物に対して、治療に効果的な用量は、細胞培養アッセイよりまず推定可能である。細胞培養中で決定したような、IC50(すなわち、症状の半最大阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む化合物の循環血漿濃度範囲を達成するために、動物モデルにて用量を定式化してよい。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用可能である。血漿中のdsRNAのレベルを、標準方法によって、例えば高性能液体クロマトグラフィーによって測定してよい。
医薬組成物は、投与のための取扱説明書とともに、キット、容器、パックまたはディスペンサー内に含まれてよい。
治療方法
本発明は、β−カテニン(例えばβカテニン転写産物および/またはβ−カテニンタンパク質レベルの誤調節および/または上昇)によって、全体または部分的に引き起こされる、またはβ−カテニンを選択的に標的化することを介して処置可能な疾患または障害のリスク(または受けやすい)対象を治療する予防的および治療的両方の方法を提供する。
本明細書で使用するところの「治療」または「治療すること」は、疾患または、疾患または疾病の症状、または疾患に向かう傾向を治癒させる、治す、緩和する、軽減する、変化させる、治療する、改善する、好転させるまたは影響を与えるための目的で、疾患または障害、疾患または障害の症状、または疾患または障害に向かう傾向を持つ患者への治療的薬剤(例えばDsiRNA試薬またはそれをコードしているベクターまたはトランスジーン)の投与、またはそのような患者から単離した組織または細胞株への治療薬剤の適用または投与として定義される。
1つの態様において、本発明は、対象に治療薬剤(例えばDsiRNA試薬またはそれをコードしているベクターまたはトランスジーン)を投与することによって、対象中で、(例えばβ−カテニン発現の阻害を介して対象内での形質転換事象の開始を防止することを含む)上記のような疾患または障害を予防するための方法を提供する。疾患に対してリスクを有する対象を、例えば、本明細書で記述したような診断または予後アッセイの1つまたは組み合わせによって明らかにすることが可能である。予防的薬剤の投与は、例えば対象中の癌の検出、または疾患または障害の症状特徴の顕在化の前に実施可能であり、それによって疾患または障害が予防され、あるいはその進行が遅延する。
本発明の他の態様は、対象を治療的に治療する方法、すなわち疾患または障害の症状の開始を変更することに関する。これらの方法は、in vitro(例えば、DsiRNA試薬とともに細胞を培養することによって)、あるいはin vivo(例えば対象にDsiRNA試薬を投与することによって)で実施可能である。
治療の予防的および治療的両方の方法に関して、そのような治療はとりわけ、ファーマコジェノミクスの領域から得られた知識に基づいてあつらえ、または修飾してよい。本明細書で使用するところの「ファーマコジェノミクス」は、遺伝子シークエンシング、統計学的遺伝学、および臨床試験および市場における薬物に対する遺伝子発現解析のような、ゲノミクス技術の適用を意味する。よりとりわけ、本用語は、どのようにして患者の遺伝子が、彼または彼女の薬物に対する応答を決定するか(例えば、患者の「薬物応答表現型」または「薬物応答遺伝子型」)の研究を意味する。したがって、本発明の他の態様は、個々の薬物応答遺伝子型にしたがって、本発明の標的β−カテニンRNA分子または標的β−カテニンRNAモジュレータいずれかでの個々の予防的または治療的治療をあつらえるための方法を提供する。ファーマコジェノミクスは、臨床医または医師が、治療より最も利益を得る患者へ、予防的または治療的処置を標的化し、毒性薬物関連副作用を経験する患者の治療を避けることを可能にする。
治療薬剤を、選択した動物モデルで試験可能である。例えば、本明細書で記述したようなDsiRNA試薬(またはそれをコードしている発現ベクターまたはトランスジーン)は、前記試薬での治療の有効性、毒性または副作用を明らかにするために、動物モデルにて使用可能である。あるいは、試薬(例えば治療薬剤)を、そのような試薬の作用機序を決定するために、動物モデルにて使用可能である。
β−カテニンmRNAレベルと発現の下方調節を評価するために有用なモデル
細胞培養
本発明のDsiRNA試薬を、in vivoにて、例えば以下の手順を用いて、開裂活性に対して試験可能である。本発明のDsiRNA試薬によって標的化されたβ−カテニンcDNA内のヌクレオチド配列を、以上のβ−カテニン配列中に示す。
本発明のDsiRNA試薬を、β−カテニンRNAおよびβ−カテニンタンパク質阻害の程度を明らかにするために、HeLaまたは他の哺乳動物細胞を用いて、細胞培養液中で試験可能である。DsiRNA試薬(例えば図1および上述構造を参照のこと)を、本明細書で記述したように、β−カテニン標的に対して選択する。β−カテニンRNA阻害は、たとえば、培養HeLa細胞、または培養液中に形質転換されたか、形質転換されていないその他の哺乳動物細胞への、好適なトランスフェクション薬剤によるこれらの試薬の伝達後に測定する。標的β−カテニンRNAの相対量を、増幅のリアルタイムPCRモニタリングを用いて、アクチンまたは他の適切な対照に対して測定する(例えばABI7700TAQMAN(登録商標))。比較を、関係しない標的、または同一の総長および化学式を持つが、各位置において無作為に置換された無作為化DsiRNA対照、または単に適切な賦形剤処理または未処理対照に対して実施したオリゴヌクレオチド配列の混合物に対して実施する。第一および第二リード試薬を、標的に対して選択し、最適化を実施した。最適なトランスフェクション試薬濃度を選択した後に、阻害のRNA経時変化を、リードDsiRNA分子で実施する。
TAQMAN(登録商標)(増幅のリアルタイムPCRモニタリング)とmRNAのライトサイクラー定量化
総RNAを、例えば大規模抽出のためにAmbion Rnaqueous 4−PCR精製キット、または96−ウェルプレートに対してPromega SV96を用いて、DsiRNA伝達に続く細胞から調製する。Taqman解析のために、二重標識化プローブを、例えば5’末端にて共有結合したレポーター色素FAMまたはVICと3’末端に共役したクエンサー色素TAMARAで合成した。PCR増幅を、例えば10μL総RNA、100nMフォワードプライマー、100mMリバースプライマー、100mM プローブ、1×TaqMan PCR反応緩衝液(PE−Applied Biosystems)、5.5mM MgCl2、100μM各dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、0.2U RNase Inhibitor(Promega)、0.025U AmpliTaq Gold(PE−Applied Biosystems)および0.2U M−MLV Reverse Transcriptase(Promega)のからなる50μL反応液を用いて、ABI PRISM 7700 Sequence検出器上で実施する。温度サイクル条件は、48℃にて30分間、95℃にて10分間、続いて95℃にて15秒間と60℃にて1分間の40サイクルからなる。標的β−カテニンmRNAレベルの定量を、連続希釈総細胞RNA(300、100、30、10ng/rxn)から産出した標準に対して測定し、例えば、平行または同一チューブTaqMan反応中いずれかでの36B4 mRNAに対して標準化する。
ウエスタンブロット法
細胞タンパク質抽出物を、(例えばRIPA緩衝液を使用して)標準マイクロ調製技術を用いて調製可能である。細胞タンパク質抽出物を、4〜12% Tris−Glycineポリアクリルアミドゲル上で走らせ、膜上に移す。非特異的結合を、例えば5%無脂肪ミルクとの1時間のインキュベーションにて阻害し、続いて4℃にて16時間一次抗体でインキュベーション可能である。洗浄に続いて、二次抗体を、例えば室温にて1時間(1:10,000希釈)適用し、シグナルを、VersaDocイメージングシステム上で検出する。
種々の細胞培養系において、カチオン性脂質が、培養液中の細胞に対するオリゴヌクレオチドのバイオアベイラビリティを増強することが示されてきた(Bennet, et al.,1992,Mol.Pharmacology,41,1023−1033)。1つの実施形態において、本発明のDsiRNA分子を、細胞培養実験のために、カチオン性脂質と複合体化する。DsiRNAとカチオン性脂質混合物を、細胞への添加の直前に、血清を含まないOptimMEM(InVitrogen)中で調製する。OptiMEMを室温(約20〜25℃)まで温め、カチオン性脂質を最終の望む濃度まで加える。DsiRNA分子をOptiMEMに、望む濃度まで加え、溶液を希釈したDsiRNAに加え、15分間室温にてインキュベートする。用量応答実験において、RNA複合体を、カチオン性脂質の添加前に、OptiMEM内に連続希釈する。
動物モデル
動物モデルにおける抗−β−カチオンDsiRNAの有効性の評価を以下のように実施する。当該技術分野で公知のような癌および/または増殖性疾患、状態または障害の動物モデルを、抗−β−カテニンDsiRNAsの有効性、強度、毒性などの評価のために使用可能である。増殖性疾患の好適な動物モデルには、例えばプロト癌遺伝子(例えばMye、Src)の機能を得る、および/または腫瘍抑制タンパク質(例えばp53、Rb)の機能の欠損を持つトランスジェニック齧歯類(例えばマウス、ラット)、または新生物形成を促進するDNA変化を誘導する照射または化学突然変異原誘発物質に曝露した齧歯類が含まれる。多くのそのような動物モデルは、例えばThe Jackson Laboratory,Bar Harbor,ME,USAから市販されている。これらの動物モデルは、本発明の組成物のアッセイのための、供給源細胞または組織として使用してよい。そのようなモデルはまた、治療での使用に向かってβ−カテニン遺伝子発現を調節することにおいて、本発明のDsiRNA組成物の有効性の前臨床評価のための使用のために使用または適合可能である。
細胞培養モデルでのように、ほとんどのβ−カテニン関連マウス腫瘍異種移植片が、SW480またはHCT116結腸直腸癌細胞のような、β−カテニンタンパク質を発現する癌細胞から由来したものである。β−カテニンを調節することの抗腫瘍効果の研究に関連する結腸直腸癌の異種移植片モデルが種々のグループによって記述されてきた。本発明にしたがって有用な異種移植片動物モデルが、Verma et al.2003,Clinical Cancer Research 9:1291−1300にて記述されている。これらのモデルの利用は、抗−β−カテニンによるβ−カテニン発現の阻害が、動物における腫瘍増殖の阻害を引き起こすことを示した。
そのようなモデルを、本β−カテニンレベル、発現、腫瘍/癌形成、増殖、拡散、他のβ−カテニン関連表現型、疾患または障害の発達などを阻害する発明のDsiRNA分子の有効性を評価することにおいて使用可能である。これらのモデルおよび他を同様に、前臨床設定にて、本発明のDisRNA分子の安全性/毒性および有効性を評価するために使用可能である。
本発明のβ−カテニン−標的化DsiRNAの評価のために有用な動物モデル系の例には、野生型マウス、および同所性または皮下SW480またはHCT116異種移植片腫瘍モデルマウスが含まれる。in vivo実験における例において、本発明のDsiRNAを、そのようなマウスモデルに、1〜10mg/kgの範囲の用量で尾静脈注射するか、または繰り返し用量を、単一用量IC50レベルで投与し、臓器(例えば前立腺、肝臓、腎臓、肺、膵臓、結腸、皮膚、脾臓、骨髄、リンパ節、乳腺脂肪体など)を、最終用量の投与から24時間後に回収する。そのような臓器をついで、使用するモデルに依存して、マウスおよび/またはヒトβ−カテニンレベルに関して評価する。活性期間も最終DsiRNA投与後1、4、7、14、21またはそれ以上で試験可能である。
本発明の実施は、他に指摘しない限り、当業者の技術内である、化学、分子生物学、微生物学、組換え体DNA、遺伝学、免疫学、細胞生物学、細胞培養およびトランスジェニック生物学の従来の技術を使用する。例えば、Maniatis et al.,1982, Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,N.Y.);Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning,2nd Ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,N.Y.);Sambrook and Russell,2001,Molecular Cloning,3rd Ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.);Ausubel et al.,1992),Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,including periodic updates);Glover,1985,DNA Cloning(IRL Press,Oxford);Anand,1992;Guthrie and Fink,1991;Harlow and Lane,1988,Antibodies,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.);Jakoby and Pastan,1979;Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames&S.J.Higgins eds.1984);Transcription And Translation(B.D.Hames&S.J.Higgins eds.1984);Culture Of Animal Cells(R.I.Freshney,Alan R.Liss,Inc.,1987);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);the treatise, Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.); Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells(J.H.Miller and M.P.Calos eds.,1987,Cold Spring Harbor Laboratory);Methods In Enzymology,Vols.154 and 155(Wu et al.eds.),Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Mayer and Walker,eds.,Academic Press,London,1987);Handbook Of Experimental Immunology,Volumes I−IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986);Riott,Essential Immunology,6th Edition,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1988;Hogan et al.,Manipulating the Mouse Embryo,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1986);Westerfield,M.,The zebrafish book.A guide for the laboratory use of zebrafish(Danio rerio),(4th Ed.,Univ.of Oregon Press,Eugene,2000)を参照のこと。
他に定義しない限り、本明細書で使用したすべての技術および化学的用語は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同一の意味を持つ。本明細書で記述したものと同様の、または等価の方法および物質を、本発明の実施または試験で使用可能であり、好適な方法および物質が以下に記述されている。すべての発行物、特許明細書、特許、および本明細書で言及された他の参考文献が、その全てが参考文献によって組み込まれている。矛盾する場合、定義を含む本明細書が制御する。さらに、物質、方法および実施例は、例示のみであり、制限する意図はない。
(実施例)
本発明は、任意の様式で本発明の例示の方法を提供し、制限する意図はない、以下の実施例を参照して記述される。当該技術分野でよく公知の標準技術、または以下でとくに記述される技術を使用した。
抗−β−カテニンDsiRNA
抗−β−カテニンDsiRNA試薬は以下のように提供された。
実施例1
二本鎖RNAオリゴヌクレオチドの調製と評価
オリゴヌクレオチド合成および精製
本発明に記載のDsiRNA分子は、ヒトβ−カテニン配列またはマウスβ−カテニン配列上の部位を標的とする(そのようなDsiRNAは「一般的」DsiRNAと呼ばれる)。各DsiRNA分子の1つの鎖の配列は、以上に記述した標的β−カテニン部位配列と相補的であった。DsiRNA分子は、本明細書に記述した方法を用いて化学的に合成した。一般に、DsiRNA構造物を、19〜23merのsiRNAに対して記述したような固相オリゴヌクレオチド合成法を用いて合成した(例えば、Usman et al.,米国特許第5,804,683号明細書;第5,831,071号明細書;第5,998,203号明細書;第6,117,657号明細書;第6,353,098号明細書;第6,362,323号明細書;第6,437,117号明細書;第6,469,158; Scaringe et al.,米国特許第6,111,086号明細書;第6,008,400号明細書;第6,111,086号明細書を参照のこと)。
個々のRNA鎖を合成し、標準の方法にしたがってHPLC精製した(Integrated DNA Technologies,コラルヴィル,アイオワ州)。例えば、RNAオリゴヌクレオチドを、標準技術(Damha and Olgivie, 1993, Methods Mol Biol 20: 81−114; Wincott et al., 1995, Nucleic Acids Res 23: 2677−84)を用いて、固相ホスホロアミダイト化学反応を用いて合成し、脱保護し、NAP−5カラム(Amersham Pharmacia Biotech,ピスカタウェイ,ニュージャージー州)上で脱塩した。オリゴマーを、15分間段階直線勾配を用いて、Amersham Source 15Q column (1.0 cm x 25 cm; Amersham Pharmacia Biotech,ピスカタウェイ,ニュージャージー州)上のイオン交換高性能液体クロマトグラフィー(IE−HPLC)を用いて精製した。勾配は、90:10 緩衝液A:B〜52:48 緩衝液A:Bで変化し、ここで緩衝液Aは100mM Tris pH8.5であり、緩衝液Bは100mM Tris pH8.5、1M NaClである。試料を260nmでモニターし、全長オリゴヌクレオチド種に相当するピークを回収し、プールし、NAP−5カラム上で脱塩し、凍結乾燥した。
各オリゴマーの精度を、Beckman PACE 5000 (Beckman Coulter社,フラートン,カリフォルニア州)上でのキャピラリー電気泳動(CE)によって決定した。CEキャピラリーは、100μm内径を持ち、ssDNA 100R Gel(Beckman−Coulter)を含む。典型的に、約0.6nmolのオリゴヌクレオチドをキャピラリー内に注入し、444V/cmの電場中で走らせ、260nmでのUV吸収によって検出した。変性Tris−Borate−7M−尿素ランニング緩衝液をBeckman−Coulterから購入した。オリゴリボヌクレオチドを、以下に記述する実験での使用のために、CEによって評価したように、少なくとも90%純度で得た。化合物同一性を、製造業者の推奨プロトコールにしたがって、Voyager DE.TM Biospectometry Work Station(Applied Biosystems,フォスターシティー,カリフォルニア州)上での、マトリックス補助レーザー吸収イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析によって確認した。多くは0.2%の予測分子量内で、すべてのオリゴマーの比較分子量を得た。
二本鎖の調製
一本鎖RNA(ssRNA)オリゴマーを、例えば100mM酢酸カリウム、20mM HEPES,pH7.5からなる二本鎖緩衝液中100μM濃度で、再懸濁した。相補的センスおよびアンチセンス鎖を等モル量で混合し、例えば50μM二本鎖の最終溶液を得た。試料をRNA緩衝液(IDT)中5’間100℃まで熱し、使用の前に室温まで冷却した。二本鎖RNA(dsRNA)オリゴマーを−20℃で保存した。一本鎖RNAオリゴマーを、凍結乾燥または−80℃にてヌクレアーゼが含まれていないの水中で保存した。
命名法
一貫性のために、以下の命名法を本明細書で使用した。二本鎖に与えた名前は、オリゴマーの長さと、オーバーハングの有無を示唆する。「25/27」は、25塩基センス鎖と、2−塩基3’−オーバーハングを含む、27塩基アンチセンス鎖を持つ非対称二本鎖である。「27/25」は、27塩基センス鎖と25塩基アンチセンス鎖を持つ非対称二本鎖である。
細胞培養およびRNAトランスフェクション
HeLa細胞を、ATCCより得、5%CO2下、37℃にて、10%ウシ胎児血清(HyClone)を補充したDMEM(HyClone)中で維持した。Hepa 1−6細胞をATCCより得、5%CO2下、37℃にて、10%ウシ胎児血清(HyClone)を含むDMEM(HyClone)中で維持した。RNAトランスフェクションのために、細胞を、LipofectamineTM RNAiMAX(Invitorogen)を用いて、製造業者の取り扱い説明書にしたがって、1nMまたは0.1nMの最終濃度で、示唆したようなDsiRNAsでトランスフェクトした。端的に記すと、各DsiRNAのストック溶液の一部を、Opti−MEM I(Invitrogen)と混合し、容量87.5μLとした。LipofectaminTM RNAiMAXを、OptiMEM中に87.5μまで希釈した。得られた150μL混合液を、50μL/ウェルにて、96ウェルプレートの個々のウェルに三重で加え、RTにて20分間インキュベートして、DsiRNA:Lipofectamine(登録商標)RNAiMAX複合体を形成させた。一方、HeLa細胞をトリプシン処理し、培地中に再懸濁させた。最後に、各細胞懸濁液100μLを各ウェル加え(最終用量150μL)、プレートを24時間インキュベーター内に配置した。
β−カテニン阻害の評価
β−カテニン標的遺伝子ノックダウンを、値をHPRTおよびSFRS9ハウスキーピング遺伝子に対して、そして対照DsiRNAsでのトランスフェクションに対して標準化して、qRT−PCRによって決定した。
RNA単離および解析
培地を吸引し、総RNAをSV96キット(Promega)を用いて抽出した。およそ100ngの総RNAを、製造業者の取扱説明書にしたがって、SuperscriptII、Oligo dTおよびランダムヘキサマーを用いて逆転写した。典型的に、得られたcDNAの1/6を、β−カテニン遺伝子、およびヒト遺伝子HPRT−1およびSFRS9両方に特異的なプライマーとプローブを用いて、qPCRによって解析した。ABI7700を、増幅反応のために使用した。各試料を三重に試験した。相対β−カテニンRNAレベルを、HPRT1およびSFRS9 RNAレベルに対して標準化し、対照DsiRNAsで処理した対照試料中に得たRNAレベルと比較した。
実施例2
β−カテニンのDsiRNA阻害−一次スクリーン
β−カテニンを標的としているDsiRNA分子を、上述のようにデザインして合成し、阻害に関してHeLa細胞中で試験した。トランスフェクションのために、アニールしたDsiRNAを、50μl/ウェルの容量で、トランスフェクション試薬(LipofectaminTM RNAiMAX、Invitrogen)と混合し、室温にて20分間インキュベートした。HeLa(ヒト)またはHepa 1−6(マウス)細胞をトリプシン処理し、培地中に再懸濁し、ウェルに加え(100μL/ウェル)、150μlの容量で、1nMの最終DsiRNA濃度を得た。各DsiRNAトランスフェクション混合液を、三重のDsiRNA処理のために3ウェルに加えた。細胞を37℃にて24時間、DsiRNAトランスフェクション混合液の継続存在下、インキュベートした。24時間の時点で、RNAを処理した細胞の各ウェルから調製した。トランスフェクション混合液を含む上清をまず除去して捨て、ついで細胞を溶解し、各ウェルからRNAを調製した。処理後の標的β−カテニンRNAレベルを、値を対照から得られた値に対して標準化して、β−カテニン標的遺伝子に対してqRT−PCRによって評価した。三重のデータを平均し、%エラーを各処置に対して決定した。標準化データをグラフにし、対照との比較で、活性DsiRNAsによる標的mRNAの減少を明らかにした。
上記表2〜4のDsiRNAを標的としているβ−カテニンを、β−カテニン阻害有効性に関して試験した
488非対称DsiRNA(試験DsiRNAsは、25/27merの構造を有した)を調製し、1nMの濃度でそのようなDsiRNAsの存在下インキュベートしたヒトHeLaおよびマウスHepa 1−6細胞におけるβ−カテニン阻害有効性に関して試験した。すべての488の試験した非対称DsiRNAの配列と構造を、表2〜4にて以上に示しており、下線で示すヌクレオチド残基は、2’−O−メチル修飾残基を示唆し、リボヌクレオチド残基をUPPER CASEとして示しており、一方デオキシリボヌクレオチド残基を下場合として示している。
1nMでのヒトHeLaおよびマウスHepa 1−6細胞中のこれらの488のβ−カテニン標的化DsiRNAsのアッセイは、表14〜17にて示した、以下のβ−カテニン阻害有効性を明らかにした。β−カテニンレベルを、β−カテニン転写産物内の位置で配置されたqPCRアッセイを用いて決定した(ヒトHeLa細胞実験に対して、対となるqPCRアッセイをヒトβ−カテニン1297−1397アンプリコン(Yakima Yellow)およびヒトβ−カテニン3506−3659アンプリコン(FAM)に対して実施した。マウスHepa 1−6細胞実験に対して、対となるqPCRアッセイを、マウスβ−カテニン1232−1394アンプリコン(FAM)およびマウスβ−カテニン2848−2930アンプリコン(MAX)に対して実施した。以下表14〜17に示した値は、これらの対となるqPCRアッセイの平均値である)。
表14
表15
表16
以上表16で示したデータをまたグラフでプロットした(図4および5を参照のこと)。
表17
以上の表14にて示したように、ヒトHeLa細胞中で試験した440の非対称DsiRNAの内348が、1nMにてHeLa細胞内で、ヒトβ−カテニンレベルの70%以上の減少を示した。これらの348DsiRNAのうち、317が、1nMにて、HeLa細胞中のヒトβ−カテニンレベルの80%またはそれ以上の減少を示し、229が、1nMにて、HeLa細胞中のヒトβ−カテニンレベルの90%またはそれ以上の減少を示した。多数のこれらのDsiRNAは、一意的にヒトβ−カテニンを標的とした。
以上の表16で示した様に、マウスHepa 1−6細胞中で試験した416の非対称DsiRNAsの内295が、1nMにてHepa 1−6細胞内で、マウスβ−カテニンレベルの70%以上の減少を示した。これら295のDsiRNAのうち、225が1nMにて、Hepa 1−6細胞内で、マウスβ−カテニンレベルの80%またはそれ以上の減少を示し、68が、1nMにて、Hepa 1−6細胞内で、マウスβ−カテニンレベルの90%またはそれ以上の減少を示した。多数のこれらのDsiRNAsは、一意的にマウスβ−カテニンを標的とした。
実施例3
β−カテニン標的化DsiRNAは、腫瘍細胞内のβ−カテニンRNAレベルを効果的に減少させ、腫瘍細胞増殖を阻害した
細胞培養、RNAトランスフェクションおよび解析
HCT116細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むMcCoy’s 5a Medium中に維持した。HepG2細胞を、10% FBSを含むMEM中で維持した(両方の培地はペニシリンとストレプトマイシンを含んだ)。トランスフェクションのために、細胞をトランスフェクションの前日に、抗生物質を含まない培地中、40,000細胞/ウェルにて24−ウェルプレート内に播いた。トランスフェクトするために、DsiRNAをOptiMem培地中、脂質トランスフェクション試薬RNAiMAXと複合体形成させ、ついで培地中の細胞に加えて、示した最終DsiRNA濃度を産出した。対照には、トランスフェクトされていない細胞、DsiRNAなしのRNAiMAXで処理したMock細胞、およびControl DsiRNA#114(特定の配列なし)が含まれた。曝露から6時間後、細胞培養培地を除去し、細胞を洗浄し、新鮮な培地を加えた。
RNA発現解析のために、Promega SV96 RNA単離キットを用いて、RNAをトランスフェクション1日後に単離した。RNAを逆転写し、ついで標準化のために、CTNNB1/β−カテニンおよびハウスキーピング遺伝子HPRT1に対して特異的なプライマーおよびプローブ組を用いて多重で、Taqman定量PCRをBioRad CFX96上で実施した。
細胞増殖を、Promega Cell Titer Blue(CTB試薬)を用いて、トランスフェクション3日後にアッセイした。端的に記すと、培養液培地を、CTB試薬を含む新鮮な培地に交換し、1時間後、適切な波長での蛍光を、プレートリーダー上で測定した。細胞数の値を、Mock処置に対してグラフにした。
HeLa細胞中、β−カテニン転写産物レベルの減少において効果的であることが明らかとなったヒトβ−カテニン標的化DsiRNAがまた、結腸癌細胞におけるβ−カテニンの効果的な阻害剤であるかどうかを試験するために、4つのDsiRNA(βc−1569、βc−1683、βc−2612およびβc−3393)を、結腸癌細胞株HCT116内にトランスフェクトした。図6で示すように、βc−1569、βc−1683、βc−2612およびβc−3393 DsiRNAsは、結腸癌細胞株HCT116において、これらの細胞の環境下、3nMおよび10nM両方で、ヒトβ−カテニン転写産物レベルを劇的に(>80%)減少させた。
β−カテニン標的化DsiRNAのβc−1569、βc−1683、βc−2612およびβc−3393の効果をまた、肝癌細胞株HepG2においても試験し、肝癌細胞株の増殖におけるDsiRNA処置の効果を評価した。図7に示すように、HepG2細胞の環境下、3nM濃度でのインキュベーションから3日後、全ての4つのアッセイしたβ−カテニン標的化DsiRNAが、腫瘍細胞数の有意な減少を示した(モック処理および対照DsiRNA処理細胞に対して、およそ30%〜60%またはそれ以上の細胞増殖阻害がトランスフェクション後3日の時点で観察された)。とりわけ、β−カテニン標的化βc−1569 DsiRNAは、腫瘍細胞数のおよそ70%減少を示し、これは、本β−カテニン標的化DsiRNAの、治療的優位性の表現型における明らかな有効性を示唆している。
実施例4
β−カテニンのDsiRNA阻害−二次スクリーン
以上の実験の96の非対称DsiRNAを、二次アッセイで試験する(「相2」)。特に、96非対称DsiRNA(例えば、βc−284、βc−288、βc−639、βc−830、βc−893、βc−894、βc−895、βc−900、βc−1306、βc−1310、βc−1314、βc−1541、βc−1545、βc−1566、βc−1567、βc−1568、βc−1569、βc−1652、βc−1662、βc−1667、βc−1681、βc−1682、βc−1683、βc−1820、βc−2097、βc−2144、βc−2151、βc−2277、βc−2350、βc−2442、βc−2445、βc−2517、βc−2521、βc−2525、βc−2611、βc−2612、βc−2620、βc−3111、βc−3195、βc−3389、βc−3393、βc−3399、βc−3500、βc−3534、βc−3589、βc−3591、βc−3653、βc−3659、βc−3708、βc−3712、βc−240、βc−244、βc−253、βc−259、βc−264、βc−496、βc−516、βc−540、βc−582、βc−686、βc−692、βc−697、βc−707、βc−753、βc−870、βc−889、βc−1060、βc−1070、βc−1154、βc−1180、βc−1412、βc−1418、βc−1579、βc−1620、βc−1816、βc−2282、βc−3203、βc−3333、βc−3354、βc−3426、βc−3431、βc−3605、βc−3615、βc−3674、βc−3686、βc−3691、βc−m1354、βc−m1515、βc−m1763、βc−m2568、βc−m2806、βc−m3092、βc−m3207、βc−m3444、βc−m3449およびβc−m3533)を、ヒトHeLa細胞の環境中1nM、0.3nMおよび0.1nMにて、ヒトβ−カテニンの阻害に関して評価した。これらの96非対称DsiRNAをまた、マウスHepa 1−6細胞の環境中1nM、0.3nMおよび0.1nMにて、マウスβ−カテニンの阻害に関して評価した。図8〜11にて示すように、顕著な数の非対称DsiRNAが、HeLa細胞の環境中でアッセイした時に、サブナノモル濃度にて、強いヒトβ−カテニン阻害有効性を再現可能に示した。さらに、図12〜15に示すように、多数のこれらの非対称DsiRNAがまた、マウスHepa 1−6細胞の環境中でアッセイした時に、1nM、300pMおよび100pMにて、強いマウスHIF−1α阻害有効性を示した。(一方、ヒトβ−カテニン特異的、およびマウスβ−カテニン特異的阻害非対称DsiRNA両方をまた同定した。)
IC50値を二次スクリーニングの間に正式に計算しなかった一方で、図8〜11より、サブナノモル(および実際サブ−100pM)IC50値が、広く主なDsiRNAに対して観察されたことが明らかである。したがってβ−カテニン標的化DsiRNAは、β−カテニン発現の明らかに強力で効果的な阻害剤であることが示された。
実施例5
β−カテニン標的化DsiRNAの修飾形態が、β−カテニンレベルをin vitroで減少させる
32のβ−カテニン標的化DsiRNA(βc−1545、βc−1683、βc−2097、βc−2277、βc−2612、βc−3111、βc−3195、βc−3389、βc−3393、βc−3399、βc−3534、βc−3653、βc−3659、βc−3708、βc−3712、βc−253、βc−259、βc−686、βc−692、βc−697、βc−870、βc−889、βc−1154、βc−1180、βc−1412、βc−2282、βc−3203、βc−3431、βc−m1763、βc−m2806、βc−m3207およびβc−m3533)を、図16の略図に示したように、2’−O−メチル修飾パターンで調製した。32DsiRNA配列のそれぞれに対して、それぞれの6アンチセンス(ガイド)鎖修飾パターンを有するDsiRNAを、HeLa細胞の環境中、0.1nM(平行アッセイにて)および1.0nM濃度にて、ヒトHeLa細胞中のβ−カテニン阻害に関してアッセイした。これらの実験の結果を、図17〜24にてヒストグラムとして示す。一般に、32のDsiRNA配列は、ガイド鎖の2’−O−メチル修飾の程度が増加するように、β−カテニン阻害有効性を何らかの形で減少させる傾向を示した。しかしながら、試験したほとんどすべてのDiRNA配列に関して、修飾パターンは、in vitroにて有意なβ−カテニン阻害有効性をDsiRNAが維持するように同定可能であった。また、多くのDsiRNAs(例えば、βc−1545、βc−1683、βc−3195、βc−3389、βc−3393、βc−3399、βc−3534、βc−3659、βc−3712、βc−253およびβc−3203)が、試験した最も高く修飾した状態においてさえも、強力なβ−カテニン阻害有効性を示したことに注目すべきであった。これらのデータは、修飾に対して確実に耐性のある、きわめて効果的なβ−カテニン阻害DsiRNAを同定することが可能であり、それによって、そのようなDsiRNAを安定化させるのに十分な修飾レベルおよび/またはin vivoにて対象に治療的に投与した時の、そのようなDsiRNAの免疫原性の減少を、これらのDsiRNAに適用可能であることを確認する。
特定の実施形態において、本発明は、以下の1つまたはそれ以上から選択されたDsiRNAを提供する。
表18
上記修飾DsiRNAアッセイにて試験した、表18のDsiRNAの内、βc−1545、βc−3203およびβc−3399が、修飾をした時にさえ、確実に効果的なDsiRNA配列であることが示された(そしてβc−1545およびβ−3399は、試験した全ての修飾条件下で、β−カテニンの非常に効果的な阻害剤であることが観察された)。
実施例6
β−カテニン標的化DsiRNAは、in vitroでAxin−2レベルを減少させた
β−カテニンの公知の下流標的である、Axin−2におけるβ−カテニン標的化DsiRNAの影響を、HCT116(結腸癌)とHepG2(肝細胞癌)細胞株両方で試験した。図26に示すように、βcat−h1569、βcat−h1683、βcat−h2612およびβcat−h3393はすべて、およそ80〜90%のノックダウが両方の細胞株におけるこれらのDsiRNAのそれぞれに関して観察され、すべてAxin−2の強力な阻害剤であった。細胞を、示唆した濃度(3nMおよび10nM)にて消化したDsiRNAでのトランスフェクション2日後にアッセイした。したがって、β−カテニンノックダウンの効果がまた、β−カテニンの下流標的、Axin−2のmRNAレベルにて観察された。
実施例7
β−カテニン標的化DsiRNAは、結腸直腸および肝細胞癌細胞株において腫瘍細胞増殖を阻害した
上記のように、図7は、HepG2肝細胞癌細胞における、β−カテニン標的化DsiRNAの増殖阻害の影響を示している。そのような細胞増殖抑制効果がまた、他の癌細胞株にて観察されるかどうかを明らかにするために、HCT116(結腸直腸癌)およびHuH7(肝細胞癌)細胞株両方の増殖における、β−カテニン標的化DsiRNAの影響も試験した。図26に示すように、ヒト結腸直腸癌細胞株HCT116細胞の、特定のDsiRNA標的化ヒトβ−カテニン(βc−1683、βc−2612およびβc−3393)でのトランスフェクションが、対照DsiRNAを投与した細胞と比較して、トランスフェクション後5日の時点でそのような細胞の増殖を阻害した。細胞増殖阻害は、トランスフェクション5日後に、CellTiter−Blue(登録商標)Cell Viability Assay(Promega)を用いてアッセイした。
癌細胞増殖のより強力な阻害が、βc−3393 DsiRNAのヒト肝細胞癌細胞HuH7細胞への投与に続いて観察された(図27)。トランスフェクション5日後、対照DsiRNAを投与した細胞と比較して、およそ40%のHuH7細胞増殖の阻害が観察された。細胞増殖阻害は、トランスフェクション5日後に、CellTiter−Blue(登録商標)Cell Viability Assay(Promega)を用いてアッセイした。したがって、β−カテニン標的化DsiRNAsの癌細胞株増殖阻害効果が、少なくとも3つの特異的な細胞株にわたり一般化されることが観察され(試験した2つの異なる肝細胞癌細胞株、HepG2とHuH7にて以外にも強力であった)。
図28にて示すように、ヒト肝細胞癌細胞株HuH7細胞の、DsiRNA標的化ヒトβ−カテニン(特に、アンチセンス鎖の5’−末端(位置1)から開始した以下の位置、1、2、3、4,11、13、25および27で、2’−O−メチル修飾からなる「M11」修飾アンチセンス(ガイド)鎖を有するβc−3393 25/27mer)でのトランスフェクションが、対照DsiRNAのみを投与した細胞と比較して、対照DsiRNAで投与した時に、トランスフェクション2日後に、およそ80%のβ−カテニンmRNAレベルのノックダウンを産出した。したがって、β−カテニン標的化DsiRNAは、β−カテニン発現レベルの、そして肝細胞癌細胞株HepG2およびHuH7における細胞増殖の強力な阻害剤であった。
ヒトHeLa、HepG2およびHCT116腫瘍細胞株におけるβ−カテニンの発現を、in vitroにて確認し、発現したβ−カテニンタンパク質の細胞下分布も試験した。β−カテニンの核および細胞質レベルを、ウエスタンブロットを介して各細胞株に対して同定し(図29)、β−アクチンレベルを内部対照としてアッセイした。細胞抽出物を、NE−PER Nuclear and Cytoplasmic Extraction Reagents Kit(Thermo Fisher Scientific社)を用いて、コンフルエントな6ウェルパテから得た。75ugのタンパク質を各細胞株からロードした。HeLa(子宮頸癌)、HepG2(肝細胞肝癌)およびHCT116(結腸直腸癌)細胞株それぞれが強いレベルでβ−カテニンタンパク質を発現し、(有意な核画分もまた各細胞型について観察されたけれども)β−カテニンタンパク質は主に各細胞型の細胞質中に見られた。注目すべきことに、β−カテニンタンパク質の公知の切頂変異体形態がHepG2細胞にて観察された。
実施例8
β−カテニン標的化DsiRNAは、β−カテニンmRNAとタンパク質レベルをin vivoにて減少させた
β−カテニン発現レベルにおけるβ−カテニン標的化DsiRNAの影響をin vivoにて試験した。特に、(先にマウスβ−カテニンの活性阻害剤であるとまた言及した)ヒトβ−カテニン標的化DsiRNA βc−1683、βc−1820およびβ−3393が、正常マウス肝臓にて、in vivoにて、マウスβ−カテニン発現の明らかに効果的な阻害剤であることが示され、10mg/kgにて、正常マウス(n=5マウス/群)に静脈内で単一用量として投与し、Invivofectamine(登録商標)2.0(InvitrogenTM、カールスバッド,カリフォルニア州)中に処方した時に、有意に、β−カテニンmRNA(図30、上パネル)およびタンパク質(図30、下パネル)レベル両方を阻害する(例えば、これらのDsiRNAに対して、およそ70〜90%ノックダウンが観察された)。そのような実験において、肝臓組織を投与から72時間後に回収した。すべてのDsiRNA標的化β−カテニンは、「M11」修飾アンチセンス(ガイド)鎖を有した。特に、βc−1653はまた、in vivoにてβ−カテニンmRNAレベルの強力な阻害を示したが、しかし相当するβ−カテニンタンパク質レベルは、本DsiRNAに関して評価しなかった。一方βc−2612はまた、βc−1653、βc−1683、βc−1820およびβc−3393に関して観察された程度まで、または以下に記述した追加実験におけるβc−2612の特定の修飾形態に関して観察された程度までではなくとも、β−カテニンmRNAレベルを阻害することが観察された。
以上のin vivo結果を、特定のDsiRNAの修飾形態をまた使用する続く実験において、異なる条件下において確認し、展開した。図31にて示すように、DsiRNA標的β−カテニンは、正常マウス肝臓にて、β−カテニンおよびAxin−2両方の活性in vivo阻害剤であることが示され、10mg/kgにて、正常マウス(n=5マウス/群)に静脈内で単一用量として投与し、Invivofectamine(登録商標)2.0(Invitrogen(登録商標)、カールスバッド,カリフォルニア州)中に処方した時に、有意に、β−カテニンmRNA(上パネル)およびAxin−2 mRNA(下パネル)レベル両方を阻害する(例えば、多くの例で、およそ70〜90%ノックダウンが観察された)。そのような実験のために、肝臓組織を投与から72時間後に回収した。これらの実験において、βc−3393およびβc−2612 DsiRNAは、例えば未修飾センス(パッセンジャー)鎖と、2’−O−メチル化の「M11」パターンを持つ修飾アンチセンス(ガイド)鎖を有する25/27merのDsiRNAに相当する「M0/M11」パターンで、図31に示したような異なる修飾パターンを有した(一方で、βc−3393−M14/M12に対して使用したセンス鎖の「M14」修飾パターンは、センス鎖の5’−末端(位置1)から開始して、以下の位置2、4、6、8、12、14、16および18にてセンス鎖の修飾に相当する)。全ての3つのアッセイしたDsiRNA(βc−2612−M0/M11およびβc−3393の平行した異なった修飾形態)は、正常マウス肝臓において、in vivoにてβ−カテニンレベルの80%以上の阻害、およびAxin−2の少なくとも60%ノックダウンを示した。
βc−3393およびβc−2612 DsiRNAの修飾形態がまた、正常マウス肝臓において、in vivoで、48時間の時点にて、β−カテニンおよびAxin−2発現の活性阻害剤であると観察された。特に、図32において示したように、βc−3393−M0/M11(MS)、βc−3393−M0/M11(LS)、βc−3393−M14/M12およびβc−2612−M0/M11 DsiRNAはすべて、10mg/kgにて、正常マウス(n=5マウス/群)に静脈内で単一用量として投与し、Invivofectamine(登録商標)2.0(InvitrogenTM、カールスバッド,カリフォルニア州)中に処方した時に、強力に、有意にβ−カテニンmRNA(上パネル)およびAxin−2 mRNA(下パネル)レベル両方を阻害した(例えば、全ての場合で、およそ70〜90%のノックダウンが観察された)。これらの実験において、肝臓組織を投与から48時間後に回収した。DsiRNA標的化β−カテニンは、図32にて示し、以上で記述したように、種々の修飾パターンを有した。対照DsiRNAは、センスおよびアンチセンス鎖の修飾の同様のパターンを有した。
したがって、β−カテニンDsiRNAは、in vivoにて、β−カテニン発現の、意外なほどに強力で、効果的な阻害剤であると観察された。
実施例9
その他の好ましいDsiRNAによるβ−カテニンの阻害
示したようなセンスおよびアンチセンス鎖配列と、標的化β−カテニン野生型配列(および適用可能な場合、バリアント配列)を有する、表9に示した残りのDsiRNA分子を、以上に記述したようにデザインおよび合成し、HeLa細胞(および任意に、マウスHepa 1−6細胞)中で、以上実施例3および4で記述したように阻害有効性に関して試験した。これらのDsiRNA試薬の、β−カテニン発現を阻害する能力を任意に、相当するβ−カテニン標的配列指向21merのsiRNAと比較して評価した(本明細書で記述したβ−カテニンdsRNA試薬の21ヌクレオチド標的配列を、以上表5および10で示している)。これらのその他のDsiRNAおよび本明細書で試験したDsiRNAをまた、同族21merのsiRNA試薬と比べて、β−カテニン標的のレベルを減少させることにおける有効性の測定を介して明らかにしたように、同族siRNAをしのぐ能力に関しても検討する。そのような阻害効果の期間をまた、試験した0.1nM、0.3nM、1nMおよび5nMの濃度で、投与後24時間および48時間で試験する。本発明のDsiRNAを、効果の強度および/または期間の測定を介して明らかにしたように、それらの同族21merのsiRNAをしのぐ能力に関して検討する。
任意に、以上表6〜8および11〜13にて示したDsiRNA分子をまた同様に合成し、試験する。
実施例10
適応症
本明細書に記述したように、本発明の核酸分子を、β−カテニンレベルに関連した疾患状態を診断するために、アッセイ中で使用する。さらに、核酸分子を、β−カテニン誤調節、レベルなど関連する疾患状態を処置するために使用可能である。
β−カテニン発現調節に関連する可能性のある特定の疾患および障害には、単独または他の治療との組み合わせで、癌および/または増殖性疾患、病態または障害、および細胞または組織中のβ−カテニンのレベルに関連する、または応答しうる他の疾患、病態または障害が含まれるが、限定はされない。β−カテニン発現調節に関連した特定の変性および疾患状態には、例えば前立腺癌、肺癌、結腸直腸癌、膀胱癌、膵臓癌および乳癌が含まれるが、限定はされない。
特定の治療実施形態において、処理されるべき疾患または障害は、結腸直腸癌、肝細胞癌、子宮内膜癌、悪性メラノーマ、卵巣癌、膵臓癌、下垂体癌、食道癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、造血系癌、子宮頸癌、CNS癌、骨癌、胆管癌および副腎癌からなる群より選択される癌のような、癌のような過形成障害からなる群より選択される。任意に、疾患または障害は、結腸直腸癌、肝細胞癌、子宮内膜癌および悪性メラノーマからなる群より選択される癌である。特定の実施形態において、障害は、肝癌および腎臓癌からなる群より選択される癌である。特定の実施形態において、疾患または障害は、APC遺伝子のような、β−カテニン遺伝子、または、そのタンパク質産物がβ−カテニンに結合し、または相互作用する遺伝子における変異に関連する。したがって、種々の実施形態において、標的mRNAは、β−カテニン配列の変異形態であり、例えば、癌に関連したSNPのような、1つまたはそれ以上の単一の点変異を含んでよい。
β−カテニンまたはAPC遺伝子中の変異が、異常なレベルのβ−カテニン活性を導くそのような疾患の例は、(1)結腸直腸癌、APCおよびβ−カテニンは、全ての場合の70%以上で互いに変異する(Powell et al.,Nature,1992;Morin et al.,Science,1997;Sparks et al.,Cancer Res,1998)、(2)肝細胞癌、β−カテニンは、25%以上の場合で変異する(de La Coste A,PNAS,1998)、(3)子宮内膜癌、β−カテニンは10%以上の場合で変異する、(4)悪性メラノーマ、β−カテニンは10%以上の場合で変異する(Rubinfeld et al.,Science,1997)、である。
そのような疾患のさらなる例は、卵巣、膵臓、下垂体、食道、肺、乳、腎臓、造血系、子宮頸、CNS、骨、胆管及び副腎の癌である。β−カテニンまたはAPC遺伝子における変異がこれらの疾患に関連することが示されてきた(Catalogue of Somatic Mutations in Cancer available from the Sanger Institute(英国)ホームページhttp://www.sanger.ac.uk/)。
特定の実施形態において、疾患または障害は、異常なレベルの、β−カテニンの変異形態が原因となる。特定の実施形態において、疾患または障害は、異常なレベルのβ−カテニンの野生型形態が原因となる。本発明の1つの態様は、治療に効果的な量の、β−カテニンを標的とする本発明のDsiRNAまたはその種々の組成物または共役物を哺乳動物に投与することを含む、β−カテニンの異常なレベルに関連した病態を患っている、またはそのような状態を受けやすい哺乳動物を治療するための方法を指向する。
ゲムシタビンおよびシクロホスファミドは、本発明の核酸分子(例えばDsiRNA分子)との組み合せ可能、または併用可能な化学治療剤の非限定例である。当業者は、抗癌化合物および治療のような、他の薬剤を同様に、本発明の核酸分子(例えばDsiRNA分子)と容易に混合可能であり、したがって本発明の範囲内であることを認識するであろう。そのような化合物および治療は、本技術分野で公知であり(たとえば、Cancer:Principles and Practice of Oncology,Volumes 1 and 2, eds Devita,V.T.,Hellman,S., and Rosenberg,S.A.,J.B.Lippincott Company,フィラデルフィア州,米国を参照のこと)、抗葉酸類、フルオロピリミジン類、シタラビン、プリン類似体、アデノシン類似体、アムサクリン、トポイソメラーゼI阻害剤類、アントラピラゾール類、レチノイド類、ブレオマイシン、アントラサイクリン類、マイトマイシンC、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのような抗生物質類、ヘキサメチルメラミン、デカルバジン、1−アスペルギナーゼ、白金類似体、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、イホスファミド、4−ヒドロペルオキシシクロホスファミド、ニトロソウレア、チオテパのようなアルキル化剤、ビンカアルカロイド類、エピポドフィロトキシン類、タキソールのような植物由来化合物、タモキシフェン、放射線治療、手術、栄養補助剤、遺伝子治療、3D−CRTのような放射療法、リシン、モノクローナル抗体Herceptinのような免疫毒素療法などが含まれるが、これらに限定はされない。組み合わせ療法のために、本発明の核酸を2つの方法のうち1つで調製する。第一に、試薬を、静脈内投与のための溶液中の、リポソーム内にカプセル封入した本発明の核酸と、イホスファミドの混合液のような、核酸と化学療法剤の調製において物理的に混合し、そこで両方の薬剤は、治療に効果的な濃度で存在する(例えば1000〜1250mg/m2/日を伝達するための溶液中のイホスファミドと、0.1〜100mg/kg/日を伝達するための同一の溶液中の本発明のリポソーム結合核酸)。あるいは、試薬を、それぞれの効果的な用量で別々に、しかし同時に投与する(例えば、イホスファミド1000〜1250mg/m2/dと本発明の核酸0.1〜100mg/kg/日)。
当業者は、本明細書で記述した疾患および病態を治療するために使用する他の化合物および治療を、本発明の核酸分子(例えばsiNA分子)と同様に混合可能であり、したがって本発明の範囲内である。
実施例11
DsiRNAの血清安定性
DsiRNA試薬の血清安定性を、37℃にて種々の時間間隔(〜24時間)の間、50%ウシ胎児血清中でのDsiRNA試薬のインキュベーションを介して評価する。血清を抽出し、核酸を、20%非変性PAGE上で分離し、Gelstar染色によって可視化可能である。ヌクレアーゼ分解からの保護の相対レベルを、(修飾ありおよびなしで)DsiRNAsに関して評価する。
実施例12
β−カテニン遺伝子発現の下方制御を評価するための、その他の細胞培養モデルの利用
抗−β−カテニン試薬での処置の後のβ−カテニン−仲介効果を見るために、種々のエンドポイントが細胞培養モデルで使用されてきた。表現型エンドポイントには、細胞増殖の阻害、RNA発現、およびβ−カテニンタンパク質発現の減少が含まれる。β−カテニン変異が、特定の腫瘍細胞の増殖の増加の直接の原因となるので、細胞増殖アッセイに対する増殖エンドポイントは、例えば以上の実施例にて記録されたように、スクリーンとして使用可能である。本エンドポイントを測定可能な種々の方法が存在する。DsiRNAでの細胞の処置後、細胞を増殖させ(一般的には5日間)、その後細胞生存能力、ブロモデオキシウリジン(BrdU)の細胞DNA内への取込および/または細胞密度を測定する。細胞密度のアッセイは、例えば、(Syto(登録商標)13またはCyQuant(登録商標)のような)市販されている蛍光核酸鎖を用いることによって、96−ウェルフォーマットで実施可能である。第二の、確認エンドポイントとして、β−カテニンタンパク質発現のレベルにおけるDsiRNA−仲介減少を、β−カテニン−特異的ELISAを用いて評価可能である。
実施例13
β−カテニン誤調節のマウスモデルにおける、抗β−カテニンDsiRNA有効性の評価
in vitroアッセイから選んだ抗−β−カテニンDsiRNAをさらに、例えば異種移植片および以上で引用したような他の動物モデルを含む、マウスモデルにてさらに試験可能である。1つの例において、誤調節された(例えば上昇した)β−カテニンレベルを有するマウスに、流体力学尾静脈注射を介して、本発明のDsiRNA試薬を投与する。3〜4匹のマウス/群(試験した特定のDsiRNA試薬に基づき分割)に、50μgまたは200μgのDsiRNAを注射する。β−カテニンRNAのレベルを、RT−qPCRを用いて評価する。さらに、またはあるいは、β−カテニンのレベル(例えばβ−カテニンタンパク質レベルおよび/または癌細胞/腫瘍形成、増殖または拡散)を、本技術分野で認識される方法を用いて評価可能であり、またはβ−カテニンの誤調節に関連する表現型(例えば腫瘍形成、増殖、転移など)を、(任意にβ−カテニン転写産物またはβ−カテニンタンパク質レベルの測定のための代理として)モニターする。そのような動物モデルにおける活性DsiRNAを、標準の化学療法との組み合わせで続けて試験可能でもある。
実施例14
診断利用
本発明のDsiRNA分子を、種々の適用、例えば臨床、工業、環境、農業および/または研究設定にて、分子標的(例えばRNA)の同定においてのような、種々の診断適用で使用可能である。DsiRNA分子のそのような診断利用には、再構築RNAi系を利用すること、例えば、細胞溶解物または部分的に精製した細胞溶解物を用いることが含まれる。本発明のDsiRNA分子は、疾患細胞内の遺伝的ドリフトおよび変異を検討するための診断ツールとして使用可能である。DsiRNA活性と、標的β−カテニンRNAの構造間の近い関係により、標的β−カテニンRNAの塩基対形成と三次元構造を変化させる、β−カテニン分子の領域における変異の検出が許容される。本発明にて記述された多数のDsiRNA分子を用いることによって、RNA構造およびin vitroかつ細胞および組織内での機能に対して重要である、ヌクレオチド変化をマッピング可能である。標的β−カテニンRNAのDsiRNA分子での開裂を、遺伝子発現を阻害し、β−カテニン関連疾患または障害の進行における、特定の遺伝子産物の役割を定義するために使用可能である。この様式において、他の遺伝的標的を、疾患の重要なメディエータとして定義可能である。これらの実験は、組み合わせ療法(例えば異なる遺伝子を標的とした多数のDsiRNA分子、公知の低分子阻害剤と結合したDsiRNA分子、またはDsiRNA分子および/または他の化学または生物学的物質と組み合わせでの断続的な治療)の可能性を提供することによって、疾患の進行のよりよい治療を導きうる。本発明のDsiRNA分子の他のin vitro利用が本技術分野でよく公知であり、疾患または関係する病態の原因となるRNAの存在の検出が含まれる。そのようなRNAは、標準の方法、例えば蛍光共鳴放射移動(FRET)を用いて、DsiRNAでの治療後、開裂産物を測定することによって検出する。
特定の例において、標的β−カテニンRNAの野生型または変異体または多型形態のみを開裂するDsiRNA分子をアッセイのために使用する。第一DsiRNA分子(すなわち、標的β−カテニンRNAの野生型形態のみを開裂するもの)を使用して、試料中に存在する野生型β−カテニンRNAを同定し、第二DsiRNA分子(すなわち標的RNAの変異体または多型形態のみを開裂するもの)を使用して、試料中の変異体または多型β−カテニンRNAを同定する。反応対照として、野生型、および変異体または多型β−カテニンRNA両方の合成基質が、両方のDsiRNA分子によって開裂され、反応物中の相対DsiRNA効率と、「非標的化」β−カテニンRNA種の開裂がないことを示す。合成基質からの開裂産物がまた、試料集団中の野生型および変異体β−カテニンRNAの解析のために、サイズマーカーを産出するために働く。したがって、各解析は、2つのDsiRNA分子、2つの基質および1つの未知の試料を必要とし、6つの反応物にあわせる。開裂産物の存在を、各β−カテニンRNAの全長および開裂断片を、ポリアクリルアミドゲルの1つのレーン内で解析可能であるように、RNase保護アッセイを用いて明らかにする。変異体または多型β−カテニンRNAの発現、および標的細胞内のβ−カテニン関連表現型変化の推定リスクへの洞察を得るために結果を定量化する必要はまったくない。そのタンパク質産物が、表現型(すなわち疾患相関/関連)の発達において暗示されるβ−カテニンmRNAの発現が、リスクを確立するのに十分である。比較可能な特定の活性のプローブを、両方の転写産物のために使用する場合、β−カテニンRNAレベルの定性的比較が十分であり、初期診断のコストを減少させる。より高い変異体または多型形態の野生型に対する比が、β−カテニンRNAレベルを定性的または定量的に比較するかどうかのより高いリスクと相関する。
本明細書に言及されたすべての特許および発行物は、本発明が属する技術分野の当業者のレベルの指標である。本明細書で引用したすべての参考文献は、各参考文献が、その全てが個々に参考文献によって組み込まれたのと同様の程度まで、参考文献によって組み込まれている。
当業者は、本発明が目的を実施するためによく適合することを容易に理解し、言及した結果および利点ならびにその中の固有のものを得る。好ましい実施形態の代表例として本明細書で記述する方法および組成物は例示であり、本発明の範囲を制限する意図はない。そこでの変化および他の利用が当業者に対して存在し、本発明の精神の範囲内で企図され、請求項の範囲によって定義される。
種々の置換および修飾を、本発明の範囲および精神から逸脱せずに本明細書で開示された本発明に対して実施可能であることが、当業者に容易に理解されるであろう。したがって、そのような追加実施形態は、本発明および続く請求項の範囲内にある。本発明は、RNAi活性を仲介するために、改善された活性をもつ核酸構造物を産出することに対して、本明細書で記述した化学的修飾の種々の組み合わせおよび/または置換を試験することを当業者に教示する。そのような改善された活性は、改善された安定性、改善されたバイオアベイラビリティ、および/またはRNAi仲介細胞応答の改善された活性を含みうる。したがって、本明細書に記述した特定の実施形態は、限定ではなく、当業者は、本明細書で記述した修飾の特定の組み合わせが、改善されたRNAi活性を持つDsiRNA分子を同定することに対して、不必要な実験なしに試験可能であることを容易に理解可能である。
本明細書に例示的に記述された発明は、本明細書に特に開示されていない、任意の要素または複数の要素、制限または複数の制限なしに好適に実施することができる。したがって、例えば、本明細書の各例において、任意の用語「含む」、「から本質的になる」および「からなる」は、他の2つの用語のいずれかに置換してよい。使用された用語および表現は、制限をするための用語ではなく記述の用語として使用され、示し、記述した機能の任意の等価物またはその部分を除外するそのような用語および発現の利用において意図しておらず、種々の修飾が、請求された本発明の目的の範囲内にある可能性が認識される。したがって、本発明が、好ましい実施形態によって特に開示されているけれども、本明細書で開示されたコンセプトの任意の特徴、修飾およびバリエーションが、当業者によって頼みとなり得ること、およびそのような修飾およびバリエーションが、記述ならびに付随する請求項によって定義されたように、本発明の範囲内であると考慮されることが理解されるものである。
さらに、本発明の特徴または態様が、マーカッシュグループまたは他の代替グルーピングにて記述される場合、当業者は、マーカッシュグループまたは他のグループの任意の個々のメンバー、またはメンバーのサブグループに関してそれによって記述もされることを理解されうる。
本発明を記述する文脈中(特に続く請求項の文脈中)用語「a」、「an」および「the」ならびに同様の参照は、本明細書の他で指摘するか、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数および複数両方をカバーすると理解されるべきである。用語「含む(comprising)」、「持つ(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、他に言及しない限り、無制限の用語として構築されるべきである(すなわち、「含むが、限定されない」と意味する)。本明細書の値の範囲の口述は単に、本明細書で他に指摘しない限り、その範囲内にある各別々の値を個々に引用する簡潔にした方法として供給する意図があり、各別々の値は、本明細書で個々に引用されるものとして、本明細書内に組み込まれる。本明細書で記述されたすべての方法を、本明細書他に引用しない限り、または文脈において明確に他に矛盾しない限り、好適な順番で実施可能である。任意の、そしてすべての例、または本明細書で定義される例示的言語(「たとえば「のような」)の利用は、単に本発明をよりよく例示する意図であり、他に請求しない限り、本発明の範囲における制限を提起するものではない。明細書中言及がないものは、本発明の実施に必須であるような、任意の非請求要素を示唆しているとして構成されるべきである。
本発明の実施形態が本明細書に記述されており、本発明を実施するために本発明者等に公知の最適な様式が含まれる。これらの実施形態のバリエーションが、以下の記述を読むことに際して、当業者に明確になり得る。
本発明者らは、当業者が、適切にそのようなバリエーションを利用することを期待しており、本発明に関して、本明細書で特に記述したもの以外で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に付随する請求項にて引用された対象のすべての修飾および等価物を含む。さらに、全ての可能性あるそれらのバリエーションにおける任意の上記要素の任意の組み合わせが、他に指摘されない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、本明細書によって企図される。当業者は、ただ通常の実験を使用して、本明細書で記述される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または究明することが出来る。そのような等価物は、以下の請求項によって含まれることを企図する。