JP5976558B2 - 生体モニタリング装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、生体状態を監視するための生体モニタリング装置およびプログラムに関する。
自律神経には、人体を活動させる際に優位になる交感神経と、人体を鎮静させる際に優位になる副交感神経とがある。そして、正常な人体では、この交感神経と副交感神経とが適切に切り替わることにより人体の各種機能が正常に動作するようになっている。
そして、この交感神経を優位な状態にしようとする際にはアドレナリンやノルアドレナリンという神経伝達物質が体内に放出され、このノルアドレナリンが交感神経の受容体に取り込まれることにより交感神経の状態が亢進する。
そして、この交感神経の受容体には、大きくα受容体とβ受容体という2種類の受容体が存在することが知られている。そして、α受容体が刺激を受けると、末梢血管の収縮等のα作用が起こり、β受容体が刺激を受けると、心拍数の増加、気管支拡張等のβ作用が起こることも知られている。
そして、自律神経の変化により人体の血圧も変化するため、人体の血圧値を測定して測定された血圧値に基づいて自律神経の状態を推定することも行われている。
ここで、血圧は、下記のような要素により式(1)により算出される。
血圧=心拍出量(ml/分)×抹消血管抵抗・・・・(1)
ここで、心拍出量とは、心臓から単位時間(例えば1分間)あたりに拍出(駆出)される血液量を意味し、特に1分間に拍出される血液量を毎分心拍出量と呼ぶ場合もある。
そして、この心拍出量(ml/分)は、一回拍出量(Stroke Volume)(ml)と、心拍数(回/分)から下記の式(2)により算出される。
心拍出量(ml/分)=一回拍出量(ml)×心拍数(回/分)・・・(2)
つまり、上記の式(1)および式(2)から、血圧は下記の式(3)により算出される
血圧=一回拍出量(ml)×心拍数(回/分)×抹消血管抵抗・・・(3)
ここで、一回拍出量(または一回駆出量)とは、心臓の一回の収縮により拍出(駆出)される血液の量である。
そして、一回拍出量の増加(静脈還流量の増加)は交感神経機能のうちα作用によるものであり、心拍数の増加は、β作用によるものである。また、抹消血管抵抗の増加(細動脈の収縮)はα作用によるものである。
そのため、単に人体の血圧値を監視しても、交感神経機能のうちのα作用が機能しているのかβ作用が機能しているのかを推定することはできなかった。
ここで、上記でも説明したように一回拍出量は、交感神経機能のうちのα作用により変化する。そのため、交感神経機能のうちのα作用の状態を推定しようとすると、一回拍出量を測定してその変化を監視すれば良い。
そして、一回拍出量を測定するための方法として、従来から様々な測定方法が開示されている(例えば特許文献1〜4参照)。
例えば、特許文献1には、一回拍出量を超音波心臓断層法、超音波ドプラ血流計測法やアドミッタンス法により算出することが開示されている(特許文献1の段落[0079])。しかし、この特許文献1に開示されている測定方法を実現するためには高価で大規模な装置が必要であり大病院等の専門的な設備がある場所でしか測定できないという問題がある。
また、特許文献2には、脈波伝播時間PWTTと、患者固有の係数であるα、β、Kとから一回拍出量SVを算出する方法が開示されている(特許文献2の段落[0053])。しかし、この特許文献2に開示された測定方法では、脈波伝播時間の測定や、被診断者固有の係数α、β、Kの値を予め測定する必要があるため、簡便に一回拍出量を測定することができないという問題がある。
また、特許文献3では、動脈の血圧を測定する際に得られた脈波波形から収縮期面積法により一回拍出量を算出する方法が開示されている(特許文献3の段落[0008])。しかし、この特許文献3に開示された測定方法では、脈波波形から収縮期面積法により一回拍出量を算出しているため、脈波波形から駆出期間を検出して、この駆出期間に対応する脈波波形の血圧値を積分して係数を乗じるという面倒な計算が必要となる。
さらに、特許文献4には、指先に装着したパルスオキシメータ等により測定された指尖容積脈波の脈波変動率を測定することにより一回拍出量変動率を推定可能であることが開示されている。
しかし、指尖容積脈波は、指先の皮膚血管(抹消血管)の膨張・収縮を皮膚表面から波形としてとらえたものであるため、抹消血管抵抗の影響を受けており、特許文献4のように指尖容積脈波の脈波変動率を一回拍出量変動率の指標とすると、交感神経機能のうちのα作用の状態をかならずしも推定することができないという問題がある。
特開2008−86568号公報 特開2007−44352号公報 特開平11−113862号公報 特開2004−105682号公報
上述したような先行技術では、高価で大規模な装置や面倒で複雑な方法によらなければ一回拍出量を測定することができないという問題や、交感神経活動のα作用の状態を精度良く推定可能な一回拍出量の相対的変化を把握できないというような様々な問題があった。
ここで、近年ではカフ(またはマンシェット、環状帯)を上腕に装着して人体の血圧を測定可能な血圧測定器が一般家庭でも普及している。このような血圧計を用いて血圧測定を行う際に一回拍出量の相対的変化を測定することができれば、一般家庭においても一回拍出量の相対的変化を測定して、交感神経活動のα作用の状態を推定することが可能となる。
そこで、本発明の目的は、一回拍出量の相対的変化を容易に測定することにより、交感神経活動による作用のうちのα作用の状態を推定することが可能な生体モニタリング装置およびプログラムに関する。
[生体モニタリング装置]
上記目的を達成するために、本発明の生体モニタリング装置は、生体の動脈が存在する特定部位に装着されたカフのカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、
前記カフのカフ圧が前記カフ圧制御手段により所定範囲内で変化される際の、生体の特定部位の動脈内に起こる圧変動を脈波として検出する脈波検出手段と、
生体情報を表示するための表示手段と、
前記カフのカフ圧が前記カフ圧制御手段により所定範囲内で変化される間の、前記脈波検出手段により検出された脈波振幅の最大値を、1回の心拍により心臓から拍出される血液量である一回拍出量の指標として前記表示手段に表示するとともに、前記カフ圧制御手段によるカフ圧の所定範囲内の変化を一定時間間隔で繰り返して、当該脈波振幅の最大値の初期値からの変化率を測定して表示する制御手段とを備えている。
本発明によれば、血圧測定の際に使用されるカフを体の動脈が存在する特定部位に装着するだけで、一回拍出量の相対的変化を容易に測定して、交感神経活動による作用のうちのα作用の状態を推定することが可能になる。
また、本発明の他の生体モニタリング装置では、前記制御手段は、前記脈波振幅の最大値の初期値からの変化率が、予め設定された値を超えた場合に、生体に異常が発生した旨の警告を行うようにしても良い。
本発明によれば、一回拍出量が大幅に変化した場合に警告が行われるため、生体の循環器系における異常を容易に把握することが可能となる。
さらに、本発明の他の生体モニタリング装置では、前記制御手段は、前記カフのカフ圧が前記カフ圧制御手段により所定範囲内で変化される間の、前記脈波検出手段により検出された脈波振幅の総和を、心臓から単位時間あたりに拍出される血液量である心拍出量の指標として前記表示手段に表示するようにしても良い。
本発明によれば、一回拍出量の相対的変化だけでなく、心拍出量の相対的変化も把握することができるので、交感神経活動の状態をより詳しく把握することが可能となる。
[プログラム]
また、本発明のプログラムは、生体の動脈が存在する特定部位に装着されたカフのカフ圧が所定範囲内で変化される際の、生体の特定部位の動脈内に起こる圧変動を脈波として検出するステップと、
前記カフのカフ圧が所定範囲内で変化される間の、検出された脈波振幅の最大値を、1回の心拍により心臓から拍出される血液量である一回拍出量の指標として表示するステップと、
カフ圧の所定範囲内の変化を一定時間間隔で繰り返して、当該脈波振幅の最大値の初期値からの変化率を測定して表示するステップとをコンピュータに実行させる。
以上、説明したように、本発明によれば、一回拍出量の相対的変化を容易に測定することにより、交感神経活動による作用のうちのα作用の状態を推定することが可能になるという効果を得ることができる。
本発明の一実施形態の生体モニタリング装置の構成を示すブロック図である。 カフ圧と脈波振幅との関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態における制御装置18の動作を説明するためのフローチャートである。 制御装置18が血圧測定装置10から受信する測定データの一例である。 制御装置18が血圧測定装置10から受信する測定データの一例である。 図4、図5の測定データに基づく表示装置22の表示例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態の生体モニタリング装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の生体モニタリング装置は、図1に示されるように、被測定者の上腕に装着されるカフ(またはマンシェット、環状帯)8と、カフ8を用いて被測定者の血圧を測定するための血圧測定装置10と、制御装置18と、記憶装置20と、生体情報を表示するための表示装置22とから構成されている。また、血圧測定装置10は、カフ圧制御部11と、脈波検出部12を備えている。
ここで、制御装置18、表示装置22、記憶装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等から構成され、データを入力するためのキーボード、データを処理するための演算装置を備えている。
カフ(またはマンシェット、環状帯、腕帯)8は、被測定者の動脈が存在する特定部位、一般的には上腕に装着される。
血圧測定装置10は、いわゆるオシロメトリック法により被測定者の血圧を測定するための装置である。オシロメトリック法とは、カフ8のカフ圧を最高血圧以上に上昇させ、徐々にカフ圧を下げながら脈波振幅(容積変動)を検出して、被測定者の最高血圧(収縮期血圧)、平均血圧、最低血圧(拡張期血圧)を測定する方法である。なお、このオシロメトリック法の詳細については後述する。
カフ圧制御部11は、例えば、ポンプや圧力調整弁等から構成され、被測定者の上腕に装着されたカフ8のカフ圧を制御する。そのため、カフ8は、カフ圧制御部11の制御により、被測定者の上腕部に対して所定の圧力(カフ圧)を加える。
脈波検出部12は、カフ8のカフ圧がカフ圧制御部11により所定範囲内で変化される際の、被測定者の上腕の動脈内に起こる圧変動を脈波(容積脈波)として検出して制御装置18に対して出力する。
なお、本実施形態では、脈波検出部12は、カフ8のカフ圧に基づいて脈波を検出するものとして説明しているが、カフの内側と被測定者の上腕との間に装着する圧力センサを別途設けて、この圧力センサの出力に基づいて脈波を検出するようにすることも可能である。
先ずは、この血圧測定装置10により行われる血圧測定の動作について説明する。この血圧測定方法は、上記でも説明したオシロメトリック法と呼ばれる測定方法であり、従来から行われている測定方法である。
図2は、カフ圧制御部11により制御されるカフ圧と、脈波検出部12により検出される脈波振幅との関係を説明する図である。
図2に示すように、カフ圧は、血圧測定装置10のカフ圧制御部11の制御により、まずは最高血圧以上の高い値の所定値から徐々に下げられる。カフ圧が下げられる過程において、脈波検出部12は、生体の血管に発生する容積脈波を検出する。血圧測定装置10では、脈波検出部12により検出された容積脈波を1拍ごとに記憶する。脈波の振幅(容積変動)は、次第に大きくなり、脈波振幅のピークを過ぎると、次第に小さくなる。血圧測定装置10は、記憶された容積脈波から脈波振幅を算出し、この脈波振幅の最大点の圧力を平均血圧とする。また、血圧測定装置10は、脈波振幅が予め設定された判定基準点以上となった時の血圧を最高血圧とし、予め設定された判定基準点以下となった時の血圧を最低血圧とする。
そして、1回の血圧測定が終了した後に、制御装置18は、血圧測定装置10から、カフ圧、振幅の最大値、最小値の測定データを受信する。
制御装置18は、カフ8のカフ圧がカフ圧制御部11により所定範囲内で変化される間の、脈波検出部12により検出された脈波振幅の最大値を、1回の心拍により心臓から拍出される血液量である一回拍出量の指標として表示装置22に表示する。さらに、制御装置18は、カフ圧制御部11によるカフ圧の所定範囲内の変化を一定時間間隔で繰り返して、脈波振幅の最大値の初期値からの変化率を測定して表示装置22に表示する。
また、制御装置18は、脈波振幅の最大値の初期値からの変化率が、予め設定された値を超えた場合に、被測定者に異常が発生した旨の警告を行う。例えば、脈波振幅の最大値の初期値からの変化率が、−30%以上となった場合、危険水準であるとして音声、ブザー、ランプの点滅等により被測定者に異常が発生した旨の警告を行う。
さらに、制御装置18は、カフ8のカフ圧がカフ圧制御部11により所定範囲内で変化される間の、脈波検出部12により検出された脈波振幅の総和を、心臓から単位時間あたりに拍出される血液量である心拍出量の指標として表示装置22に表示するようにしても良い。
記憶装置20は、制御装置18が血圧測定装置10から受信した脈波振幅等のデータ等の各種データを記憶するための装置である。
次に、本実施形態における制御装置18の動作を図3のフローチャートを参照して詳細に説明する。
なお、図4、図5は、制御装置18が血圧測定装置10から受信する測定データの一例である。図6は、図4、図5の測定データに基づく表示装置22の表示例を示す図である。
先ず、制御装置18は、血圧測定器12からの測定データを受信すると(ステップS101)、各カフ圧毎に振幅の最大値と最小値との差を演算することにより振幅値を算出し、算出された振幅値の中の最大値を検出する(ステップS102)。また、制御装置18は、この振幅値の値を全て加算することにより振幅値の総和を算出する(ステップS103)。
ここで、血圧測定器12からの測定データにおける振幅の値は、血圧測定器12における検出値であり、具体的な単位はない。
そして、制御装置18は、血圧測定器12から受信した測定データが最初の測定データであるか否かを判定し(ステップS104)、最初の測定データである場合には、ステップS102、S103において検出された最大振幅値および振幅値の総和を初期値として設定する(ステップS105)。
なお、制御装置18は、血圧測定器12から受信した測定データが最初の測定データでない場合には、予め設定されている初期値からの変化率を算出する(ステップS106)。
そして、制御装置18は、検出された振幅値の最大値の変化を一回拍出量の相対的変化の指標として表示する。そして、制御装置18は、新たな値が算出されると表示装置22の表示内容を更新し(ステップS107)、血圧測定器12からの次の測定データを受信して同様の処理を繰り返す。そして、測定が終了すると、制御装置18は処理を終了する(ステップS108)。
例えば、制御装置18が血圧測定器12から図4に示すような測定データを受信した場合、制御装置18は、初回の測定データにおいてカフ圧が112(mmHg)の時の振幅値である1486を最大値として検出し、この値を初期値として設定する。そして、2回目の測定データにおける振幅値の最大値である784について、この初期値1486からの変化率を算出して、変化率として53%(784/1486×100)を算出する。
また、同様に振幅値の総和についても、初回の測定データの総和が15652であり、2回目の測定データにおける振幅値の総和が6324であるため、制御装置18は、変化率として40%(6324/15652×100)を算出する。
このようにして制御装置18は、図5に示す3回目の測定データ、4回目の測定データについても同様の処理を行う。
そして、制御装置18は、このようにして得られた算出結果を表示装置22に図6に示すように表示する。なお、図6では、振幅値の総和の値および変化率についての表示は省略している。
なお、図6では、各カフ圧毎の振幅値を棒グラフにて表示しており、振幅値が最大となったものを黒色にて表示している。そして、各測定回における最大振幅値の初期値からの変動率を折れ線グラフにて示している。なお、棒グラフの面積は、振幅値の総和を示している。
本実施形態の生体モニタリング装置によれば、カフを被測定者の上腕に装着して血圧を測定する際に得られる脈波振幅の最大値を検出して、その変化率を一回拍出量の相対的変化の指標として表示するようにしているので、血圧測定の際に使用されるカフを体の動脈が存在する特定部位に装着するだけで、一回拍出量の相対的変化を容易に測定して、交感神経活動による作用のうちのα作用の状態を推定することが可能となる。
なお、脈波振幅の最大値の変化率が一回拍出量の相対的変化と相関するかについての理由については以下に説明する。
オシロメトリック法の血圧測定はカフ(腕帯)により血管に圧力をかけると同時に、血管内の微小振動信号(1拍ごとの圧変化によって生じる脈振幅信号)を採取し血圧を測定している。カフ外圧(カフ8のカフ圧)が血管内圧(平均血圧)より大きい時は、血管がつぶされ血流が遮断されるため血管内の脈振幅信号自体が小さくり、カフの脈振幅信号も小さくなる。カフ外圧が下がると、血流の回復とともに血管内の脈振幅信号が大きくなり、カフの脈振幅信号も大きくなる。カフ外圧が血管内圧(平均血圧)より小さくなると、血管壁の血管内圧に対する圧力(経壁圧)が生じ、血管内の脈振幅信号は経壁圧の分だけ減衰してカフの脈振幅信号となる。血管内の脈振幅信号がそのままカフの脈振幅に伝わるのは、カフ外圧と血管内圧(平均血圧)が同じ時点であり振幅信号として最高値を示す。
そして、オシロメトリック法の血圧測定は、カフ外圧をおよそ170mmhGから40mmhgに下げながら、およそ30拍程度の脈振幅信号を採取し、減圧時の最大増加変換点で最高血圧、最小減少変換点で最低血圧、最大振幅時点で平均血圧を決定している。
カフ外圧と血管内圧(平均血圧)が等しいときのカフ内の脈振幅信号は、血管内の脈振幅信号と等しく、血管内脈振幅信号は圧によって生じる。血管内の血液流量は圧力の差に比例(ポワズイユの公式)するため、脈振幅の大きさは血管内の血液流量を表している。その結果、平均血圧時のカフ内の脈振幅は血管内の脈振幅と同じであり、その大きさは流量(一回拍出量)を表している。
ただし、血圧測定装置10から制御装置18に送信される測定データにおける振幅の値は、血圧測定装置10に依存する検出値であり一般的な単位は存在しない。そのため、本実施形態の生体モニタリング装置では、一回拍出量の絶対値を把握することはできない。ただし、脈振幅の最大値が一回拍出量と相関することにより、本実施形態のように脈振幅の最大値の変化率を算出することにより、一回拍出量の変化を把握することは可能となる。
さらに、本実施形態の生体モニタリング装置では、制御装置18は、脈波振幅の最大値の初期値からの変化率が、予め設定された値を超えた場合に、生体に異常が発生した旨の警告を行うようにするので、被測定者の循環器系における異常を容易に把握することが可能となる。
例えば、ヘッドアップチルト試験、起立試験等の自律神経機能の検査を行うような場合、平静時の値を初期値として設定し、その後ヘッドアップチルト試験、起立試験等を開始して、試験を行っている間に本実施形態の生体モニタリング装置による測定を継続するようにする。ヘッドアップチルト試験や起立試験等では、被測定者の循環機能が大きく変動するため、本実施形態の生体モニタリング装置を用いることにより、試験中に発生する失神やめまいなどの危険性を事前に把握することが可能となる。また、自律神経機能の検査のための試験だけでなく、人工透析中に本実施形態の生体モニタリング装置による監視を行うようにすることにより、失神やめまい等の発生の危険性を事前に把握することが可能となる。
また、本実施形態の生体モニタリング装置では、制御装置18は、1回の血圧測定処理における間に検出された脈波振幅の総和を、心臓から単位時間あたりに拍出される血液量である心拍出量の指標として表示装置22に表示するようにしている。そのため、本実施形態によれば、一回拍出量の相対的変化だけでなく、心拍出量の相対的変化も把握することが可能となる。その結果、本実施形態の生体モニタリング装置によれば、交感神経活動の状態をより詳しく把握することが可能となる。
8 カフ
10 血圧測定装置
11 カフ圧制御部
12 脈波検出部
18 制御装置
20 記憶装置
22 表示装置

Claims (3)

  1. 生体の動脈が存在する特定部位に装着されたカフのカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、
    前記カフのカフ圧が前記カフ圧制御手段により所定範囲内で変化される際の、生体の特定部位の動脈内に起こる圧変動を脈波として検出する脈波検出手段と、
    生体情報を表示するための表示手段と、
    前記カフのカフ圧が前記カフ圧制御手段により所定範囲内で変化される間の、前記脈波検出手段により検出された脈波振幅の最大値を、1回の心拍により心臓から拍出される血液量である一回拍出量の指標として前記表示手段に表示するとともに、前記カフ圧制御手段によるカフ圧の所定範囲内の変化を一定時間間隔で繰り返して、当該脈波振幅の最大値の平静時における初期値からの変化率を測定して表示し、前記脈波振幅の最大値の平静時における初期値からの変化率が、予め設定された値を超えた場合に、生体に異常が発生した旨の警告を行う制御手段と、
    を備えた生体モニタリング装置。
  2. 前記制御手段は、前記カフのカフ圧が前記カフ圧制御手段により所定範囲内で変化される間の、前記脈波検出手段により検出された脈波振幅の総和を、心臓から単位時間あたりに拍出される血液量である心拍出量の指標として前記表示手段に表示する請求項記載の生体モニタリング装置。
  3. 生体の動脈が存在する特定部位に装着されたカフのカフ圧が所定範囲内で変化される際の、生体の特定部位の動脈内に起こる圧変動を脈波として検出するステップと、
    前記カフのカフ圧が所定範囲内で変化される間の、検出された脈波振幅の最大値を、1回の心拍により心臓から拍出される血液量である一回拍出量の指標として表示するステップと、
    カフ圧の所定範囲内の変化を一定時間間隔で繰り返して、当該脈波振幅の最大値の平静時における初期値からの変化率を測定して表示するステップと、
    前記脈波振幅の最大値の平静時における初期値からの変化率が、予め設定された値を超えた場合に、生体に異常が発生した旨の警告を行うステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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