JP5976432B2 - ボイラの空燃比制御方法及び空燃比制御装置 - Google Patents
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例えば、図6及び図7は、排ガス中の酸素濃度を主制御要素とする空燃比制御システムの一例を示すものである。即ち、図6はボイラ1の蒸気圧力を圧力センサ2により検出し、蒸気圧力調節計3、操作器4aを介して燃料Fの調整弁4の開度を制御すると共に、排ガス酸素濃度検出器5により排ガスGの酸素濃度を検出し、排ガス酸素濃度調節計6及び操作器7aを介して空気ダンパ7の開度並びにインバータ制御器8aを介して押込送風機8の回転数を制御するように構成されている(特開2004−69104号)。
同様に、ボイラの点火前のプレパージや消火後のポストパージに際しては、パージ設定器9aから、予め設定されたパージ時の空気量設定信号SWが比較演算器H2へ入力され、前記調整器12からのインバータ制御用の風量信号MIに優先して、前記空気流量設定信号SWがインバータ制御器8aへ出力される。尚、図9において、20は制御盤、9aはパージ設定器であり、ボイラの起動時等に於けるいわゆるプレパージやポストパージに際して、ボイラの安全性確保に必要な供給空気量や供給燃料量等を予め設定するものである。
その結果、空気温度や湿度等が変動することに伴って、制御空気量も変動することになり、季節によって燃焼状態が不安定になったり、或いは空気供給量が過剰となってボイラ効率が低下したりし、有効な送風機消費電力の低減が図れないと云う問題がある。
図10及び図11はその一例を示すものであり、前者の図10では、風箱14内の圧力センサ13で検出した風箱圧力PW、排ガス温度センサ15で検出した排ガス温度TG、ボイラ炉内圧力センサ16で検出した炉内圧力Pf等をマスターコントローラ(制御器)9へ入力し、風箱圧力PW、排ガス温度TG、炉内圧力Pf等の変動を捕らえてインバータ制御器8aを介して送風機8の回転数を補正するようにしている(特開平11−108348号)。
そのうえ、送風機吸込サイレンサを長くすることで、騒音の低減が可能になると共に、整流格子を空気吸引口側に設けることにより、1個の風速センサ若しくは風量センサにより、実風速(又は実風量)をより正確に測定することができる。
加えて、ボイラの起動及び又は停止時におけるパージに際して、安全確保に必要な風量を正確に把握し且つ供給することができ、燃焼室内や煙道内に滞留する未燃成分による爆発等を完全に防止することが可能となる。
図1は、本願発明の適用対象であるボイラの側面概要図であり、図1に記載のボイラに基づいて、本発明の各実施形態を説明する。尚、以下の図1〜図5に於いて、前記図6〜図11に示した部位、部材と同じ部位、部材には、これと同一参照番号を使用するものとする。
尚、図1では、説明の便宜上インバータ制御器8aをインバータ本体8bに付設した構成としているが、一般的には、インバータ制御器8aは制御盤20内に設けられている。 また、ボイラ1の構成、運転方法及び空燃比制御装置用機器の配置等は任意に選択、選定されるものであり、且つ何れも公知のものであるため、ここではその詳細な説明は省略する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る空気量フィードバック制御式空燃比制御システムの制御系統図であり、空気吸込サイレンサ21の空気入口側に設けた比較的安価で制御応答性に優れた風速センサ22を用いて空気量を検出し、燃焼燃料量に応じた空気量になるように空燃比制御を行う構成としたものである。
尚、図2の実施形態に於いても、ボイラのパージに際しては、定常運転時の燃料流量信号MVに代えて、比較演算器H1からパージ設定器9aからのパージ時の燃料流量設定信号SVが優先してリンク機構操作器10aへ入力され、同様に、前記補正後の風量信号MW‘に代えて、比較演算器H4からパージ時の空気流量設定信号SWが優先してインバータ制御器8aへ入力される構成となっている。
更に、風速センサ22の取付位置は、空気の流れが安定し且つ圧力変動が少ない送風機8の吸込側に取付けるのが望ましい。具体的には、送風機吸込側のサイレンサ21のダクトを延長し、その入口側に整流格子25を取付けして空気の流れを整流させ、この整流させた部分で空気流速を計測している。
また、空気過剰率mは、ボイラ負荷が50%〜100%(燃料流量が多い状態下)の場合には、m=1.31〜1.50程度に設定される。即ち、良好な燃焼状態が得られるO2濃度範囲から、最適な空気過剰率が設定される。
尚、図2において、37は送風機の異常判定・警報器である。また、前記比較演算器H5はボイラの燃焼中のみ作動状態に置かれるものであることは勿論である。
即ち、燃料流量に応じた必要な空気量は、空気の温度によりその比容積が変化したり、湿度によりその酸素濃度が変化したりするため、ボイラ周辺の温度や湿度に応じて必然的に変動する。そのため、ボイラ周辺の温度や湿度が大きく変化する環境においては、空気温度や湿度の変化に応じて供給空気量を適宜に補正をするのが望ましい。
これ等の問題に対応するため、図3の第2実施形態に於いては、実測した空気流速(空気量)を実測した空気温度および湿度により補正する構成としている。
[式2] Q=Qf×Qa×m×a×b・・・・(2)
但し、式(2)に於けるQ、Qf、Qa及びmは前記(1)式の場合と同じである。
また、aは空気温度の補正係数であり、下記の(3)式により求められる。
[式3] a=(273+T)/273・・・・(3)
但し、(3)式に於けるTは空気温度である。
更に、bは相対湿度による補正係数であり、図4に示した相対湿度(%Rh)と空気温度Tとの線図より求められるものである。
また、湿度の影響が大きくないと判断される場合には、上式補正係数bの値を固定して、空気温度のみの補正で対応するようにしてもよい。
尚、上記比較演算切換器Aは、風量信号MIと風量制御信号MWの加減算の他に、切離信号Scや切換信号Ssの入力により、風量信号MIに対する風量制御信号MWの断・接をコントロールする機能を備えているものである。
G 排ガス
MV 燃料流量信号(定常運転時)
TV 制御位置信号
SV 燃料流量設定信号(パージ時)
VP 圧力検出信号
VS 風速検出信号
VS´ 補正後の風速検出信号
VS1 風速検出信号
VS2 風速検出信号
VSA 風速センサ異常信号
VF 燃料流量信号
VSP 風量演算信号(SP信号)
VAR 警報信号
VAR´ 送風機異常警報信号
VT 温度検出信号
VW 湿度検出信号
VS´ 補正後の風速検出信号
T 空気温度
T1 外気温度
SW 空気流量設定信号(パージ時)
MW 風量制御信号
MW` 風量信号
MI 風量信号
SC 切離信号
SS 切換信号
H1〜H6 比較演算器
A 比較演算切換器
PW 風箱圧力
TG 排ガス温度
Pf 炉内圧力
PS 蒸気圧力
1 ボイラ
1a バーナ
2 蒸気圧力センサ
3 蒸気圧力調節計
4 燃料調整弁
4a 操作器
5 酸素濃度検出器
5a 調節器
6 酸素濃度調節計
7 空気ダンパ
7a 操作器
8 押込送風機
8a インバータ制御器
8b インバータ本体
9 マスターコントローラ(制御器)
9a パージ設定器
10 リンク機構
10a リンク機構操作器
11 制御位置発信器
12 調整器
13 風箱内の圧力センサ
14 風箱
15 排ガス温度センサ
16 炉内圧力センサ
17 空気温度計
18 補正装置
19 周波数検出器
20 制御盤
21 空気吸込サイレンサ
22 風速(若しくは風量)センサ
23 吸込空気の温度センサ
24 湿度センサ
25 整流格子
26 燃焼空気
27 燃料流量計
28 ボイラ給水
28a 給水口
29 圧力センサ取付管
30 エコノマイザ
31 排ガス排出口
32 送風ダクト
32a 吸込ダクト
33 空気量調節計
34 空気量補正用制御器
35 SP調整器(必要空気量演算器)
36 温度・湿度補正器
37 送風機異常判定・警報器
38 風速センサ異常判定器
Claims (7)
- ボイラ圧力の検出値に基づいて燃料供給量及び燃焼用空気供給量を制御しつつ所定の蒸気発生量でもって運転するボイラの空燃比制御方法であって、送風機の吸込ダクトに設けた風速センサ若しくは風量センサにより実測した空気供給量と、燃料供給管に設けた燃料流量計の検出値から算出した必要燃焼空気量とに基づいて、前記ボイラの燃焼用空気供給量を調整するようにしたボイラの空燃比制御方法に於て、前記送風機の吸込ダクトに設けた風速センサ若しくは風量センサを2基とし、夫々のセンサの検出値を比較することにより何れかのセンサの異常を判別すると共に、風速センサ若しくは風量センサの異常時には、前記実測した空気供給量と算出した必要燃焼空気量とに基づく燃焼用空気供給量の調整を行なわずにボイラを運転するようにしたことを特徴とするボイラの空燃比制御方法。
- 送風機の吸込ダクトへ流入する燃焼用空気の温度と湿度を検出し、当該温度検出値及び湿度検出値により前記必要燃焼空気供給量を補正するようにした請求項1に記載のボイラの空燃比制御方法。
- 圧力センサ(2)により検出したボイラ圧力が入力され、必要燃料流量を演算して出力する圧力調節計(3)と、ボイラパージ時の供給空気流量及び供給燃料流量を設定するパージ設定器(9a)と、圧力調節計(3)及びパージ設定器(9a)の各出力信号が入力され、前記圧力調節計(3)の出力信号に優先してパージ設定器(9a)からの出力信号をリンク機構操作器(10a)へ出力する比較演算器H1と、前記リンク機構操作器(10a)に設けた制御位置発信器(11)からの検出信号により風量信号を出力する調整器(12)と、前記調整器(12)及び空気量補正用制御器(34)の各出力信号が入力され、補正後の風量信号を出力する比較演算切換器Aと、前記比較演算切換器Aからの風量信号及びパージ設定器(9a)からの空気流量設定信号が入力され、比較演算切換器Aからの風量信号に優先してパージ設定器(9a)からの空気流量設定信号をインバータ制御器(8a)へ出力する比較演算H4とから成るマスターコントローラ(9)と,風速センサ若しくは風量センサ(22)の検出信号が入力される空気量調節計(33)と、燃料流量計(27)の検出信号により必要燃焼空気量を演算し、算出した風量演算信号を前記空気量調節計(33)へ入力するSP調整器(35)とから成る空気量補正用制御器(34)と,から構成され、前記空気量補正用制御器(34)からの風量制御信号を前記マスターコントローラ(9)の比較演算切換器Aへ入力して前記調整器(12)からの風量信号を補正し、補正後の風量信号をインバータ制御器(8a)へ出力する構成としたボイラの空燃比制御装置。
- 空気量補正用制御器(34)の風速センサ若しくは風量センサからの検出信号の入力側に温度・湿度補正器(36)を設けると共に、押込送風機の吸込ダクト(32a)に設けた温度センサ(23)及び湿度センサ(24)の各検出値を前記温度・湿度補正器(36)へ入力し、空気量調節計(33)へ入力する風速若しくは風量検出値を補正するようにした請求項3に記載のボイラの空燃比制御装置。
- 空気量補正用制御器(34)に、風速センサ若しくは風量センサからの検出信号と、前記SP調整器(35)からの風量演算信号が適正範囲を外れたときに発信される警報信号とを比較する比較演算器H 5 を設け、当該比較演算器H 5 からの異常警報信号の発信により、送風機(8)を停止するようにした請求項3に記載のボイラの空燃比制御装置。
- 空気量補正用制御器(34)に、2個の風速センサ若しくは風量センサからの各信号を比較する比較演算器H 6 を設け、当該比較演算器H6からの風速センサ若しくは風量センサの異常信号の発信により切離信号Scを前記マスターコントローラ(9)の比較演算切換器Aへ入力し、空気量補正用制御器(34)による風量信号の補正を停止するようにした請求項3に記載のボイラの空燃比制御装置。
- 空気量補正用制御器(34)に、風速センサ若しくは風量センサからの検出信号と前記SP調整器(35)からの風量演算信号が適正範囲を外れたときに発信される警報信号とを比較する比較演算器H 5 並びに2個の風速センサ若しくは風量センサからの各信号を比較する比較演算器H 6 を夫々設け、前記比較演算器H6から異常信号の発信によりインバータ制御用の風量信号の補正が停止され且つ前記比較演算器H5からの送風機異常警報信号が無い時には、比較演算器H5から切換信号Ssを前記マスターコントローラ(9)の比較演算切換器Aへ入力し、空気量補正用制御器(34)によるインバータ制御用の風量信号の補正を開始するようにした請求項3に記載のボイラの空燃比制御装置。
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