JP5976162B1 - 車両用盗難防止装置 - Google Patents
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Abstract
Description
下記特許文献1に記載された車両盗難防止装置は、使用者が携帯している送受信機(電子キー)と車両に搭載された制御装置との間で無線通信を行い、IDを照合して正規の使用者からの要求である場合にエンジンの始動等を行う、自動二輪車に用いて好適な車両用電子キーシステムである。
一方、小型二輪車への盗難防止装置の搭載にあたっては、当然ながら車載機を搭載可能なスペースが小さいため、より小型の車載機が求められる。しかしながら、パターンアンテナの受信性能を確保するためには、電子部品及び銅箔パターンとの干渉を防ぐために電子部品及び銅箔パターンの配置を禁止とする空隙部をパターンアンテナの周囲に設けなくてはならない。この空隙部は、小型の車載機の実現にあたり障害となるという問題があった。
この発明に係る車両用盗難防止装置によれば、
パターンアンテナを使用することで部品コスト、組立コストを抑えることができ、
また、プリント基板の外縁に沿ってパターンアンテナを配置し、その内側に設けられる空隙部をプリント基板と筐体の保持のために有効に利用することで小型化が可能となり、更に保持するために十分な面積を確保することができるため振動に強い車両用盗難防止装置を提供することができる。
図1は、この発明の実施の形態1の車両用盗難防止装置の構造を模式的に示した透過分解斜視図である。車両用盗難防止装置は、車両に搭載されて、携帯機との間で無線通信を行う。この車両用盗難防止装置は、パターンアンテナ10及び電子部品25を搭載したプリント基板3と、このプリント基板3を主面の表側と裏側からそれぞれに覆って保護する筐体を構成するカバー1及びベース2と、カバー1の外側に一体成型されたコネクタ4と、を備える。
なお、この発明の特徴部分の構成を分かり易くするために、各実施の形態を示す図において、電子部品及び銅箔パターン25は概略的な位置だけを符号で示し、実際には図示を省略してある。
これらのカバー1及びベース2はパターンアンテナ10との干渉を避けるために誘電体からなる樹脂で形成される。図1ではカバー1の内部の形状がわかるようにカバー1の輪郭のみを破線で示している。
パターンアンテナ10はプリント基板3の外縁に沿って配置され、その内側には電子部品及び銅箔パターン25との干渉を防ぐために、電子部品及び銅箔パターン25の配置を禁止する、図においてハッチングで示される、空隙部11を設ける必要がある。空隙部はプリント基板3の裏面及び内層にも同様の位置に設けられている。この空隙部11はアンテナの利得を大きく得ようとする程広くしなくてはならないが、前述のとおりこの空隙部11には銅箔パターンや電子部品を配置不可であり、装置を小型化するためには空隙部11を広く取ると不利となる。
組み付けは、最初にプリント基板3の貫通穴13をカバー1側のリブ31に合わせ、プリント基板3の貫通穴13にカバー1のリブ31を挿入する。貫通穴13及びリブ31は4点に設けられており、この時点で図1に示すx軸方向とy軸方向の固定が可能となる。カバー1側に設けられたコネクタ4の端子は、プリント基板3に設けられたコネクタ端子用の穴26に入り、このコネクタ端子をプリント基板3に半田付けする。次に、カバー1側の各リブ31をベース2側の対応した位置にあるそれぞれの台座35の嵌合穴35aに圧入させて、プリント基板3が組み付けられたカバー1に、ベース2を嵌合させることでz軸方向の固定が可能となる。なお、x軸方向とy軸方向はカバー1、ベース2、プリント基板3の主面に平行な面内の互いに直交する方向、z軸方向は主面に垂直な方向である。
カバー1とベース2の嵌合部の構造はz軸方向への固定ができればよく、例えば、カバー1の側面にベース2側に延びるフックを設け、ベース2の側面にフックと対抗する位置に凹み部を設けてフックがかかるように嵌合させてもよい。または、カバー1とベース2の接合面に接着剤を塗布し、接着剤が硬化するまでは設備にて固定させておくことなども考えられる。
なお、防水性が必要な場合にはカバー1とベース2は図示しないシール剤またはパッキンを介して接合される。
カバー1に設けた台座30及びベース2に設けた台座35は、プリント基板3をz軸方向に固定できるのであればその形状または位置は図1の構成に限定されない。図1ではリブ31の根本に形成しているが、空隙部11及びパターンアンテナ10上であればどこを押さえても構わない。
図3は実施の形態2による車両用盗難防止装置の組み付け状態を示す。(a)は組み付け状態での斜視図であり、カバー1及びベース2は外形のみ破線で示されている。(b)は(a)の矢印(A)で示す方向から見た断面図を示す。
実施の形態1との相違点はプリント基板3上に貫通穴13を設けていないことであり、プリント基板3の保持構成が異なる。組み付け方法及び全体構成は実施の形態1と同じであり同等部分については説明を省略する。
カバー1及びベース2に設けた台座36,37の位置は、プリント基板3の表面の空隙部11及びパターンアンテナ10上およびプリント基板3の裏面のこれらに当たる部分であればどこでもよい。
耐振動性を向上させるためには台座36,37とプリント基板3の間には接着剤または緩衝剤を塗布することが好ましい。
また、カバー1、ベース2、プリント基板3の主面はそれぞれ一般的には正方形を含む略長方形または長方形である。従って、4辺のそれぞれに少なくとも1つの突起38が形成されている。但しカバー1、ベース2、プリント基板3の主面の形状はこれらに限定されものではなく、カバー1とベース2でプリント基板3を両側から挟んで固定できる形状であればよく、強度を考慮して固定に必要な部分に必要な数の突起38を設ければよい。
台座36,37のプリント基板3側の端面は、プリント基板3をz軸方向から支持し、z軸方向の位置を規定する。またカバー1の各突起38のプリント基板3側先端の内側側面は、プリント基板3をx軸またはy軸方向から支持し、x軸またはy軸方向の位置を規定する。
さらに各突起38のプリント基板3側の端面の内側に、図3に示すように、プリント基板3をx軸またはy軸方向とさらに主面と垂直なz軸方向とで支持し、x軸方向とz軸方向、またはy軸方向とz軸方向の位置を規定する切り欠き部が形成されていてもよい。
図4は実施の形態1においてコイルアンテナ21を同じプリント基板3上に搭載した際の分解斜視図を示している。コイルアンテナ21をプリント基板3上のパターンアンテナ10を搭載した位置の対辺上に配置する。これにより、空隙部12にプリント基板3を保持するための台座30,35を新たに設置するための面積を必要とせずに配置することができる。空隙部12を有効に利用し、かつプリント基板3上の対角位置に保持点を設けることができるため、耐振動性に有利な構成となる。
さらに実施の形態1においてカバー1の各台座30、ベース2の各台座35の先にリブおよび嵌合穴を設けずに、実施の形態2の台座36.37ように、カバー1の各台座30とベース2の各台座35のそれぞれの先端でプリント基板3を両側から挟み付け、間に接着剤または緩衝剤を塗布するようにしてもよい。
なお、台座30,35,36,37、リブ31,嵌合穴35a、さらに突起38はプリント基板のための保持部を構成する。
この場合、図示は省略されているが、例えば図1において、リブ31および嵌合穴35aを設けていない台座30,35をカバー1及びベース2にそれぞれに設けてz軸方向の固定を行うと共に、別途、リブ31だけをカバー1及びベース2の一方に設けてプリント基板3の貫通穴13に差し込んでxy軸方向の固定を行う構造となる。
10 パターンアンテナ、11,12 空隙部、13 貫通穴、21 コイルアンテナ、
22 給電パターン、23 整合回路、24 終端回路、26 穴、
30,35,36,37 台座、31 リブ、32 突起、35a 嵌合穴、
38 突起。
Claims (9)
- 車両に搭載され携帯機との間で無線通信を行う車両用盗難防止装置であって、
パターンアンテナ及び電子部品が搭載されたプリント基板を誘電体からなる筐体に収容し、前記プリント基板の外縁の一部に沿って配置された前記パターンアンテナの内側に設けられた空隙部にプリント基板のための保持部を設け、
前記筐体は、前記プリント基板を主面の表側と裏側からそれぞれに覆うカバー及びベースを含む2つ以上の部材により構成され、前記プリント基板の前記空隙部に貫通穴を設け、前記カバー及びベースの一方に前記貫通穴に対応する位置に前記保持部として根元に台座を有したリブを形成し、前記プリント基板の貫通穴に前記リブが差し込まれさらに前記カバー及びベースの他方に前記保持部として形成された嵌合穴と嵌合させる際に前記台座と前記嵌合穴とで前記プリント基板を前記空隙部に当たる部分を挟み込んで前記筐体に保持する、車両用盗難防止装置。 - 前記リブが外周に突起を設けた形状を有する、請求項1に記載の車両用盗難防止装置。
- 前記リブが先端に返しを有する、請求項1に記載の車両用盗難防止装置。
- 車両に搭載され携帯機との間で無線通信を行う車両用盗難防止装置であって、
パターンアンテナ及び電子部品が搭載されたプリント基板を誘電体からなる筐体に収容し、前記プリント基板の外縁の一部に沿って配置された前記パターンアンテナの内側に設けられた空隙部にプリント基板のための保持部を設け、
前記筐体は、前記プリント基板を主面の表側と裏側からそれぞれに覆うカバー及びベースを含む2つ以上の部材により構成され、前記カバー及びベースは、前記パターンアンテナの空隙部に対応する位置に前記保持部として台座を形成し、カバーとベースを嵌合させる際に前記台座で前記空隙部を挟み込んで前記プリント基板を筐体に保持する、車両用盗難防止装置。 - 車両に搭載され携帯機との間で無線通信を行う車両用盗難防止装置であって、
パターンアンテナ及び電子部品が搭載されたプリント基板を誘電体からなる筐体に収容し、前記プリント基板の外縁の一部に沿って配置された前記パターンアンテナの内側に設けられた空隙部にプリント基板のための保持部を設け、
前記筐体は、前記プリント基板を主面の表側と裏側からそれぞれに覆うカバー及びベースを含む2つ以上の部材により構成され、前記プリント基板の前記空隙部に貫通穴を設け、前記カバー及びベースの一方に前記貫通穴に対応する位置に前記保持部としてリブを形成し、前記カバー及びベースの前記パターンアンテナの空隙部に対応する位置に前記保持部として台座を形成し、前記プリント基板の貫通穴に前記リブが差し込まれ、前記カバーとベースを嵌合させる際に前記台座にて前記プリント基板を前記空隙部に当たる部分を挟み込んで前記筐体に保持する、車両用盗難防止装置。 - 周囲に空隙部を必要とする第2のアンテナが前記プリント基板上にさらに搭載され、前記第2のアンテナと前記パターンアンテナは前記プリント基板の対辺上に配置された、請求項1から5までのいずれか1項に記載の車両用盗難防止装置。
- 周囲に空隙部を必要とする第2のアンテナが前記プリント基板上にさらに搭載され、前記パターンアンテナの空隙部と前記第2のアンテナの空隙部とが重なっている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の車両用盗難防止装置。
- 前記パターンアンテナが、前記プリント基板の外縁に沿って略U字状またはU字状に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項に記載の車両用盗難防止装置。
- 前記パターンアンテナが、前記プリント基板の内層に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の車両用盗難防止装置。
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