JP5975858B2 - 天井点検口 - Google Patents

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Description

この発明は、天井点検口に関するもので、更に詳細には、天井に形成された開口に取り付けられる方形状の外枠と、該外枠内に開閉可能に設けられる内枠と、内枠の開閉端側を外枠に係止する係止用錠部材とを具備する天井点検口に関するものである。
一般に、天井裏の配線や配管等のメンテナンスのために、天井点検口が設けられている。この天井点検口は、天井に形成された方形状の開口に取り付けられる外枠と、該外枠内に基端側が回動可能に枢着される開閉可能な蓋体を構成する内枠と、内枠(蓋体)の開閉端側を外枠に係止する係止用錠部材とを具備している。また、この天井点検口には、外枠の一辺を構成する外枠部材と内枠の一辺を構成する内枠部材を共通の部材にするために、外枠部材と内枠部材の下端に内外に延在するフランジ部を設け、外枠部材及び内枠部材の隣接する端部同士をコーナー部材で連結して外枠と内枠を額縁状にした額縁タイプの天井点検口が汎用されている。
上記天井点検口に使用される係止用錠部材として、軸棒の先端に設けた直線溝状の「すりわり」にコインやマイナスドライバを差し込み、回動させて内枠(蓋体)を開閉させるグレモン錠や回転式の係止金具等が知られている。しかし、グレモン錠や回転式の係止金具等は部品点数が多い上、コストが嵩み、しかも道具を用いて開閉するため開閉操作が面倒である等の問題があった。
上記グレモン錠や回転式の係止金具等に比較して部品点数の削減が図れ、開閉操作が容易な係止用錠部材を用いた天井点検口として、スライド式の掛止装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載のものは、内枠を構成する内枠条片に設けられたアリ溝状の案内溝に摺動自在に配置される摺動板と、該摺動板にビスで固定される下面に掛止突起を有する掛止片と、該掛止片の下面に設けられ、内枠条片の下端水平壁(フランジ部)に設けられた長孔を通って下方へ突出する操作突起とで構成されている。また、外枠を構成する外枠条片には掛止突条が設けられ、該掛止突条には掛止突起に対応する位置に切欠きが形成されており、内枠(蓋体)を閉じる際に、操作突起をもって摺動板を案内溝に沿って左右に移動して掛止片の掛止突起が掛止突条の上面に掛止される構造である。
実用新案登録第3170755号公報(実用新案登録請求の範囲、図1〜図6)
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、内枠を組み立てる前に摺動板を取り付け、その後に内枠部材をコーナー部材で連結して内枠を組み立てる必要がある。また、摺動板と掛止片は別部材にて形成され、ビスによって固定する必要がある。したがって、組立作業が面倒で多くの作業時間を要し、コストの削減が図れない等の課題がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、組立作業を容易にすると共に、作業時間の短縮によりコストの削減を図れるようにした天井点検口を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、この発明に係る天井点検口は、方形状の外枠と、該外枠内に基端側が枢着される開閉可能な内枠と、該内枠の開閉端側を上記外枠に係脱可能に係止する係止用錠部材と、を具備し、天井に形成された開口に取り付けて用いられる天井点検口であって、 上記内枠は、閉止状態で垂直壁状の内枠主部と、該内枠主部の上端から外側に下向きに形成される上方溝部と、上記内枠主部の下端から内枠の外方に延在するフランジ部と、上記内枠主部より外側の上記フランジ部に上向きに形成される下方溝部と、を具備し、 上記外枠は、該外枠を構成する外枠部材の略中央部に、水平状の係止突片を具備し、 上記係止用錠部材は、上記内枠の開閉端側の内枠部材の略中央部の上記内枠主部に摺接される本体部と、該本体部から外方に向かって突出し、上記係止突片に係脱可能に係止する係止凸部と、上記本体部の上端に設けられ、上記上方溝部と摺接及び係合可能な上縁部と、上記本体部の下端に設けられ、上記下方溝部と摺接及び係合可能な下縁部と、上記本体部の下端に延設され、上記外側のフランジ部に設けられた切欠き部内に水平方向に移動可能に貫通される連結部と、該連結部の下端に設けられる操作用摘まみ部とを一体に具備し、かつ、上記上縁部と下縁部のいずれか一方が上記本体部に対して弾性変形可能に形成され、 上記係止用錠部材の上縁部又は下縁部のいずれか一方を上記内枠の上記上方溝部又は下方溝部に係合させ、他方を弾性変形させて上記下方溝部又は上方溝部に係合させて、係止用錠部材を上記内枠に移動可能に装着してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
この場合、上記上縁部又は下縁部のいずれか一方は、上記本体部から外方に向かって屈曲する弾性付与部と、該弾性付与部の先端部に設けられ、上記内枠主部側に向かう面が先端に向かって下り傾斜状に形成される係合爪部と、を具備する(請求項2)か、又は、上記本体部の上縁部近傍又は下縁部近傍に設けられる横長状のスリットによって弾性変形可能に形成される(請求項3)のが好ましい。
このように構成することにより、係止用錠部材の上縁部又は下縁部のいずれか一方を内枠の上方溝部又は下方溝部に係合させ、他方を弾性変形させて下方溝部又は上方溝部に係合させることで、内枠の組立に関係なく係止用錠部材を内枠に取り付けることができる。
この場合、上縁部又は下縁部のいずれか一方が、本体部から外方に向かって屈曲する弾性付与部と、該弾性付与部の先端部に設けられ、内枠主部側に向かう面が先端に向かって下り傾斜状に形成される係合爪部と、を具備することにより、係止用錠部材の上縁部又は下縁部のいずれか一方を内枠の上方溝部又は下方溝部に係合させ、他方の屈曲状の弾性付与部を弾性変形させ、係合爪部を下方溝部又は上方溝部に係合させることができる(請求項2)。また、上縁部又は下縁部のいずれか一方が、本体部の上縁部近傍又は下縁部近傍に設けられる横長状のスリットによって弾性変形可能に形成されることにより、係止用錠部材の上縁部又は下縁部のいずれか一方を内枠の上方溝部又は下方溝部に係合させ、他方を上縁部近傍又は下縁部近傍に設けられる横長状のスリットを介して弾性変形させて下方溝部又は上方溝部に係合させることができる(請求項3)。
この発明において、上記操作用摘まみ部は、上記係止用錠部材の連結部が上記内枠に設けられた上記切欠き部内を移動した際に切欠き部との間に生じる隙間を塞ぐ大きさに形成され、移動方向の両端部が肉厚に形成されると共に、両端部から中央部に向かって漸次肉薄な凹円弧状に形成されるのが好ましい(請求項4)。
このように構成することにより、操作用摘まみ部によって切欠き部を外部から目隠しすることができる。また、操作用摘まみ部の移動方向の両端部を肉厚に形成することにより、摘み易くし係止用錠部材の操作を容易にすることができる。また、両端部から中央部に向かって漸次肉薄な凹円弧状に形成することで、天井面に突出して露呈する操作用摘まみ部の存在感を薄くすることができる。
また、この発明において、上記係止用錠部材は合成樹脂製部材にて形成されているのが好ましい(請求項5)。
このように構成することで、係止用錠部材の作製を容易にすることができ、生産性の向上を図ることができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1,2,3に記載の発明によれば、係止用錠部材の上縁部又は下縁部のいずれか一方を内枠の上記上方溝部又は下方溝部に係合させ、他方を弾性変形させて下方溝部又は上方溝部に係合させて、係止用錠部材を内枠に移動可能に装着するので、係止用錠部材の取り付けを容易にすることができると共に、組立作業を容易にし、かつ、組立作業の短縮が図れ、コストの削減が図れる。
また、係止用錠部材を一体に形成することができるので、部品点数の削減が図れ、コストの削減が図れる。
(2)請求項4記載の発明によれば、上記(1)に加えて、内枠の外側フランジに設けられた切欠き部を操作用摘まみ部によって外部から目隠しすることができると共に、天井面に突出して露呈する操作用摘まみ部の存在感を薄くすることができるので、天井面の美観が損なわれるのを抑制することができる。また、操作用摘まみ部の移動方向の両端部を肉厚に形成することにより、摘み易くし係止用錠部材の操作を容易にすることができる。
(3)請求項5記載の発明によれば、上記(1),(2)に加えて、係止用錠部材の作製を容易にすることができ、生産性の向上を図ることができるので、更にコストの削減が図れる。
この発明に係る天井点検口の閉止状態を示す断面図である。 この発明に係る天井点検口の閉止状態の要部を示す断面図である。 図2の要部平面図である。 図3の右側面図である。 この発明に係る天井点検口の施錠状態を示す一部断面斜視図である。 この発明に係る天井点検口の解錠状態を示す一部断面斜視図である。 この発明における係止用錠部材の第1実施形態を示す斜視図である。 上記係止用錠部材の正面図(a)、(a)のI−I線に沿う断面図(b)、上記係止用錠部材の背面図(c)及び(c)のII−II線に沿う断面図(d)である。 この発明における切欠き部を示す斜視図である。 この発明における係止突片を示す斜視図である。 上記係止用錠部材の取付手順を示す斜視図である。 この発明における第2実施形態の係止用錠部材を示す斜視図である。 第2実施形態の係止用錠部材の施錠状態を示す断面図である。 この発明における第3実施形態の係止用錠部材を示す斜視図である。 第3実施形態の係止用錠部材の施錠状態を示す断面図である。
以下に、この発明に係る天井点検口の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る天井点検口を額縁タイプの天井点検口に適用した場合について説明する。
<第1実施形態>
上記天井点検口1は、図1ないし図6に示すように、天井2に形成された方形状の開口2a内に吊り金具5によって取り付けられる方形状の外枠10と、外枠10内に基端側が枢着される開閉可能な方形状の内枠20と、内枠20の開閉端側を外枠10に係脱可能に係止する係止用錠部材30とを具備している。
内枠20は、内枠20を構成する内枠部材21の基端側の両側には回転軸40が出没可能に突設されており、この回転軸40が外枠10を構成する外枠部材11の基端側に設けられた軸受け41に摺動及び回動自在に枢支されている(図1参照)。
この場合、内枠20を構成する内枠部材21は、閉止状態で垂直壁状の内枠主部22と、内枠主部22の上端から外側に下向きに形成される上方溝部23と、内枠主部22の下端から内枠20の外方に延在するフランジ部25と、内枠主部22より外側のフランジ部25aに上向きに形成される下方溝部24と、を具備している。
また、内枠20の開閉端側の内枠部材21の長手方向の略中央部には外側に向かってコ字状に開口する切欠き部26が設けられている(図5,図6,図9参照)。この場合、切欠き部26は、内枠部材21の長手方向の中心線Cに対して5mmと14mmの計19mmに形成されている。また、内枠20の開閉端側の内枠部材21の内枠主部22の中央部側には、一対の半球状の位置規制用突起27が外側に向かって突設されている。
上記のように形成される内枠部材21はアルミニウム製押出形材にて形成されている。また、各内枠部材21の端部同士は、上方溝部23と下方溝部24に嵌挿される図示しないアングル状のコーナー部材によって連結されて方形状に形成され、その内方に天井下地材4と天井仕上げ材3を積層配置して蓋体を構成している。
外枠10は、外枠10を構成する外枠部材11が、垂直壁状の外枠主部12と、外枠主部12の上端部から外側に下向きに形成される上方溝部13と、外枠主部12の下端から外枠10の内外に延在するフランジ部15と、外枠主部12より外側のフランジ部15aに上向きに形成される下方溝部14と、を具備している。
また、内枠20の開閉端側と対向する外枠部材11の外枠主部12の略中央部には、内方に向かって水平状の係止突片16が設けられている(図5,図6,図10参照)。この場合、係止突片16は、長手方向の一端が外枠主部12より内側のフランジ部15bと同じ又は小さい寸法の小突出部16aと、内側のフランジ部15bより大きい寸法の大突出部16bとが段部16cを介して形成されている。この場合、係止突片16は、外枠部材11の長手方向の中心線Cに対して20mmの幅を有し、このうち小突出部16aが5mm、大突出部16bが15mmに形成されている。
上記のように形成される外枠部材11はアルミニウム製押出形材にて形成されている。また、各外枠部材11の端部同士は、上方溝部13と下方溝部14に嵌挿される図示しないアングル状のコーナー部材によって連結されて方形状に形成され、外側のフランジ部15a上に天井下地材4と天井仕上げ材3を積層配置されている(図1,図2参照)。
一方、内枠部材21に装着される係止用錠部材30は、図7及び図8に示すように、内枠20の開閉端側の内枠部材21の略中央部の内枠主部22に摺接される本体部31と、本体部31から外方に向かって突出し、係止突片16に係脱可能に係止する係止凸部32と、本体部31の上端に設けられ、上方溝部23と摺接及び係合可能な上縁部33と、本体部31の下端に設けられ、下方溝部24と摺接及び係合可能な下縁部34と、本体部31の下端に延設され、外側のフランジ部25aに設けられた切欠き部26内に水平方向に移動可能に貫通される連結部35と、連結部35の下端に設けられる操作用摘まみ部36とを一体に具備し、かつ、下縁部34が本体部31に対して弾性変形可能に形成される合成樹脂製部材にて形成されている。
この場合、下縁部34は、本体部31の下端両端部に分割して設けられており、本体部31の下端両端部からそれぞれ外方に向かってコ字状に屈曲する弾性付与部34aと、弾性付与部34aの先端部に設けられ、内枠主部22側に向かう面が先端に向かって下り傾斜状に形成される係合爪部34bとで形成されている。
また、連結部35は、本体部31の中央下端から外方に向かって水平に突出する水平片35aと、水平片35aの先端から直交状に垂下する垂下片35bとからなる逆L字状に突設されており、垂下片35bが切欠き部26内に移動可能に貫通されている。
また、操作用摘まみ部36は、連結部35の垂下片35bの下端に水平状に設けられ、係止用錠部材30の連結部35が切欠き部26内を移動した際に切欠き部26との間に生じる隙間を塞ぐ大きさに形成されている。また、操作用摘まみ部36は、移動方向の両端部に肉厚部36aが形成されると共に、両端部から中央部に向かって漸次肉薄な凹円弧状部36bが形成されている。
また、係止凸部32は、本体部31の中央部から外方に向かって突出する矩形状水平部32aの両端部に補強用の三角状リブ32bを有する形状になっている。この場合、係止凸部32は連結部35の鉛直線上に位置しており、係止凸部32の幅と連結部35の幅は同じ寸法例えば9mmに形成されている。また、係止凸部32は、係止突片16の大突出部16bと係脱可能になっており、段部16cの上方位置で係止突片16との係合が解かれるようになっている。このように形成することにより、係止用錠部材30の移動範囲を少なくすることができる。すなわち、上記切欠き部26と係止突片16の小突出部16a,大突出部16b及び連結部35の寸法を上述のように設定することにより、係止用錠部材30の移動範囲を10mmにすることができる。
なお、係止用錠部材30には、本体部31の鉛直方向の中央部及び上部の両側にスリット37を介して左右に延在する弾性変形可能な翼部38が突設されている。両翼部38は、図8(c),(d)に示すように、裏面(背面)側に矩形状の凹所38aが設けられ、翼部38の先端には裏面(背面)側に向かって突出する傾斜状の位置規制用凸条38bが設けられている。このように翼部38を形成することにより、係止用錠部材30が移動して位置規制用凸条38bが外枠10に設けられた位置規制用突起27を乗り越えて位置規制用突起27が凹所38aに係合することで、係止用錠部材30の係止凸部32と係止突片16の係止状態すなわち施錠状態と解錠状態が確認できる。また、係止凸部32と係止突片16の係止により振動等による開放が防止される。
次に、係止用錠部材30の取付(装着)手順について、図11を参照して説明する。まず、係止用錠部材30を斜めにして内枠部材21に設けられた切欠き部26の上方に位置する上方溝部23に上縁部33を挿入する(図11(a)参照)。次に、係止用錠部材30の連結部35を切欠き部26に向かって移動させて下縁部34を内枠部材21の下方溝部24に押し当て(図11(b)参照)、更に、下縁部34を内枠部材21の下方溝部24に向かって押し込むと、下縁部34は弾性付与部34aの弾性変形により係合爪部34bが下方溝部24内にスナップ係合(嵌合)される(図11(c)参照)。この状態で、係止用錠部材30は内枠20に移動可能に装着される。なお、係止用錠部材30は、工場において予め内枠20の開閉端側の内枠部材21に組み付けられる。
上記のようにして内枠20の開閉端側に係止用錠部材30を装着した後、外枠10内に内枠20の基端部側に突設された回転軸40を介して開閉可能に取り付けて天井点検口1を構成する。このように構成される天井点検口1において、内枠20を閉止すると、図6に示すように、係止用錠部材30の係止凸部32は外枠10に設けられた係止突片16の小突出部16aと大突出部16bの段部16cの上方に位置する。この状態で、操作用摘まみ部36を操作して係止用錠部材30を移動して係止凸部32を係止突片16の上方に係合させて施錠することができる(図5参照)。この状態において、係止用錠部材30に設けられた位置規制用凸条38bが外枠10に設けられた一方の位置規制用突起27を乗り越えて位置規制用突起27が凹所38aに係合することで、係止用錠部材30の係止凸部32と係止突片16の係止状態すなわち施錠状態が確認できる。
また、解錠する場合は、施錠状態において、操作用摘まみ部36を操作して上記と逆方向に係止用錠部材30を移動して係止凸部32を係止突片16の上方から係止突片16の段部16c側に移動させて解錠することができる(図6参照)。この状態において、係止用錠部材30に設けられた位置規制用凸条38bが外枠10に設けられた他方の位置規制用突起27を乗り越えて位置規制用突起27が凹所38aに係合することで、係止用錠部材30の係止凸部32と係止突片16の係止解除状態すなわち解錠状態が確認できる。
<第2実施形態>
図12は、この発明における係止用錠部材30Aの第2実施形態を示す斜視図、図13は、第2実施形態の係止用錠部材30Aの施錠状態を示す断面図である。
第2実施形態の係止用錠部材30Aは、第1実施形態の係止用錠部材30の上縁部33と下縁部34の構造を逆にした場合である。すなわち、図12及び図13に示すように、係止用錠部材30Aの上縁部33Aは、本体部31の上端部から外方に向かってコ字状に屈曲する弾性付与部33aと、弾性付与部33aの先端部に設けられ、内枠主部22側に向かう面が先端に向かって下り傾斜状に形成される係合爪部33bとで形成されている。また、下縁部34Aは、本体部31の下端面に本体部31の肉厚より薄い凸条にて形成されている。
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
上記のように形成される係止用錠部材30Aを内枠20に取り付ける場合は、まず、係止用錠部材30Aを斜めにして下縁部34Aを内枠部材21の下方溝部24に取り付ける。次に、係合爪部33bを押し込んで上縁部33Aを上方溝部23内に挿入してスナップ係合(嵌合)させる。
<第3実施形態>
図14は、この発明における係止用錠部材30Bの第3実施形態を示す斜視図、図15は、第3実施形態の係止用錠部材30Bの施錠状態を示す断面図である。
第3実施形態の係止用錠部材30Bは、第2実施形態の係止用錠部材30Aの上縁部33の構造を変更した場合である。すなわち、図14及び図15に示すように、係止用錠部材30Bの上縁部33Bは、本体部31の上縁部近傍に設けられる横長状のスリット39によって弾性変形可能に形成されている。なおこの場合、上縁部33Bの上端面には複数例えば3個の係合爪部33cが係止用錠部材30Bの移動方向と直交する方向に等間隔に並設されている。なお、下縁部34Bは、第2実施形態の下縁部34Aと同様に本体部31の下端面に本体部31の肉厚より薄い凸条にて形成されている。
なお、第3実施形態において、その他の部分は第1及び第2実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
上記のように形成される係止用錠部材30Bを内枠20に取り付ける場合は、まず、係止用錠部材30Bを斜めにして内枠部材21に設けられた切欠き部26の上方に位置する上方溝部23に上縁部33Aを押し込むと、横長状スリット39による弾性変形により係合爪部33cが上方溝部23内に挿入される。次に、係止用錠部材30Bを弾性変形させた状態で連結部35を切欠き部26に向かって移動させて下縁部34Bを内枠部材21の下方溝部24の上方に移動し、弾性力(付勢力)を解除して下方溝部24内に落とし込んでスナップ係合(嵌合)させる。
上記のように構成される実施形態の天井点検口1によれば、係止用錠部材30,30A,30Bの上縁部33,33A,33B又は下縁部34,34A,34Bのいずれか一方を内枠20の上方溝部23又は下方溝部24に係合させ、他方を弾性変形させて下方溝部24又は上方溝部23に係合させて、係止用錠部材30,30A,30Bを内枠20に移動可能に装着するので、係止用錠部材30,30A,30Bの取り付けを容易にすることができると共に、組立作業を容易にし、かつ、組立作業の短縮が図れ、コストの削減が図れる。
また、係止用錠部材30,30A,30Bを合成樹脂製部材によって一体に形成することで、部品点数の削減が図れ、コストの削減が図れる。また、係止用錠部材30,30A,30Bの作製を容易にすることができ、生産性の向上を図ることができるので、更にコストの削減が図れる。
また、内枠20の外側フランジ25aに設けられた切欠き部26を操作用摘まみ部36によって外部から目隠しすることができると共に、天井面に突出して露呈する操作用摘まみ部36の存在感を薄くすることができるので、天井面の美観が損なわれるのを抑制することができる。また、操作用摘まみ部36の移動方向の両端部を肉厚に形成することにより、摘み易くし係止用錠部材30の操作を容易にすることができる。
<その他の実施形態>
上記第3実施形態では、係止用錠部材30Bの上縁部33Bに横長状のスリット39を設けて弾性変形可能に形成したが、下縁部34Bの下縁部近傍に横長状のスリットを設けて下縁部34Bを弾性変形可能に形成し、上縁部33を第1実施形態と同様に形成してもよい。
また、この発明に係る天井点検口は上記実施形態に限定されるものではなく、内枠20が内枠部材21の内枠主部22の下端に内外に延在するフランジ部25を有するものであれば、外枠10はフランジ部のない目地タイプのものであってもよい。
1 天井点検口
2 天井
2a 開口
10 外枠
11 外枠部材
16 係止突片
16a 小突出部
16b 大突出部
16c 段部
20 内枠
21 内枠部材
22 内枠主部
23 上方溝部
24 下方溝部
25 フランジ部
25a 外側フランジ部
26 切欠き部
30,30A,30B 係止用錠部材
31 本体部
32 係止凸部
33,33A,33B 上縁部
33a 弾性付与部
33b 係合爪部
33c 横長状スリット(弾性付与部)
34,34A,34B 下縁部
34a 弾性付与部
34b 係合爪部
35 連結部
36 操作用摘まみ部
36a 肉厚部
36b 凹円弧状部

Claims (5)

  1. 方形状の外枠と、該外枠内に基端側が枢着される開閉可能な内枠と、該内枠の開閉端側を上記外枠に係脱可能に係止する係止用錠部材と、を具備し、天井に形成された開口に取り付けて用いられる天井点検口であって、
    上記内枠は、閉止状態で垂直壁状の内枠主部と、該内枠主部の上端から外側に下向きに形成される上方溝部と、上記内枠主部の下端から内枠の外方に延在するフランジ部と、上記内枠主部より外側の上記フランジ部に上向きに形成される下方溝部と、を具備し、
    上記外枠は、該外枠を構成する外枠部材の略中央部に、水平状の係止突片を具備し、
    上記係止用錠部材は、上記内枠の開閉端側の内枠部材の略中央部の上記内枠主部に摺接される本体部と、該本体部から外方に向かって突出し、上記係止突片に係脱可能に係止する係止凸部と、上記本体部の上端に設けられ、上記上方溝部と摺接及び係合可能な上縁部と、上記本体部の下端に設けられ、上記下方溝部と摺接及び係合可能な下縁部と、上記本体部の下端に延設され、上記外側のフランジ部に設けられた切欠き部内に水平方向に移動可能に貫通される連結部と、該連結部の下端に設けられる操作用摘まみ部とを一体に具備し、かつ、上記上縁部と下縁部のいずれか一方が上記本体部に対して弾性変形可能に形成され、
    上記係止用錠部材の上縁部又は下縁部のいずれか一方を上記内枠の上記上方溝部又は下方溝部に係合させ、他方を弾性変形させて上記下方溝部又は上方溝部に係合させて、係止用錠部材を上記内枠に移動可能に装着してなる、
    ことを特徴とする天井点検口。
  2. 請求項1記載の天井点検口において、
    上記上縁部又は下縁部のいずれか一方は、上記本体部から外方に向かって屈曲する弾性付与部と、該弾性付与部の先端部に設けられ、上記内枠主部側に向かう面が先端に向かって下り傾斜状に形成される係合爪部と、を具備する、ことを特徴とする天井点検口。
  3. 請求項1記載の天井点検口において、
    上記上縁部又は下縁部のいずれか一方は、上記本体部の上縁部近傍又は下縁部近傍に設けられる横長状のスリットによって弾性変形可能に形成される、ことを特徴とする天井点検口。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の天井点検口において、
    上記操作用摘まみ部は、上記係止用錠部材の連結部が上記内枠に設けられた上記切欠き部内を移動した際に切欠き部との間に生じる隙間を塞ぐ大きさに形成され、移動方向の両端部が肉厚に形成されると共に、両端部から中央部に向かって漸次肉薄な凹円弧状に形成される、ことを特徴とする天井点検口。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の天井点検口において、
    上記係止用錠部材は合成樹脂製部材にて形成されていることを特徴とする天井点検口。
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