以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の紙面左下側、右上側、左上側、右下側、上側、下側を、それぞれ、包装装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側として説明する。
包装装置1の概要について説明する。包装装置1は、台紙等の台座80上に載置された物品3(以下、包装対象物3という。)を、平面視矩形状の台座80と共にフィルム24によって包装する装置である(図7参照)。包装装置1は、後側から前側に向けて台座80と搬送部材10(図8及び図9参照、後述)とを搬送しつつ、台座80及び包装対象物3を包装する(図3〜図7参照)。以下の説明では、前側を搬送方向下流側といい、後側を搬送方向上流側という場合がある。
図1及び図2に示すように、包装装置1は、平面視矩形状の底部の左右方向の端部から上方に立設された側板部111、112を備える。側板部111は、包装装置1の右側に設けられる。側板部112は、包装装置1の左側に設けられる。以下、側板部111、112を総称する場合、側板部11という。側板部11の形状は、上下方向を長手方向とする略長方形の板状である。側板部111、112の各内面は対向している。側板部111、112は、上端且つ側板部111、112で挟まれる部分に、フィルムカセット21を支持する。また、側板部111,112の内面には、スリット17が設けられている。スリット17は、左右の側板部11の搬送方向略中央を上下方向に延びる。
側板部111、112の上端には、ギア113が設けられている(図1及び図2参照)。フィルムカセット21が側板部111,112の上端に配置された場合、ギア113は、フィルムカセット21の左右の端部で外部に露出したギア273に噛合する。ギア113は、図示外のクラッチバネによって回転速度が規制されている。なお、図1では、右側の側板部111の上端のギア113とフィルムカセット21の右側のギア273のみを図示している。
フィルムカセット21は、フィルム24が巻回されたフィルムロール22を内部に収容する(図4参照)。包装対象物3が載置された台座80は、フィルムカセット21の下方且つ側板部111、112間を、搬送方向上流側から下流側に向けて搬送され、包装される。
図1に示すように、側板部11は、搬送方向下流側の端部で第一受け台12を支持する。第一受け台12の形状は、平面視で左右方向を長手方向とする略長方形の板状である。第一受け台12は、側板部111、112間を搬送方向上流側から下流側に向けて台座80が搬送され、フィルム24による包装が完了した場合に、包装が完了した台座80を上面で受ける。以下、第一受け台12の上面を第一支持面14という。第一支持面14は、搬送部40(後述)の搬送方向下流側に位置し、搬送部40によって搬送される台座80を支持する。
第一支持面14は、複数(5つ)のリブ141を備えている。複数のリブ141は、第一支持面14に直交する方向に第一支持面14から突出している。複数のリブ141は、搬送方向に延びる。複数のリブ141は、搬送方向に直交する方向且つ第一支持面14に平行な方向(すなわち、左右方向。以下、「第一方向」という場合がある。)に互いに離間している。より詳細には、リブ141は、第一支持面14の左右方向の端と中央との間、第一支持面14の左右方向の端、及び第一支持面14の左右方向の中央に設けられている。第一支持面14の左右方向の端のリブ141は、他のリブ141より左右方向の幅が小さい。第一受け台12の左右の端部には、案内部16が設けられている。案内部16は、下端に左右方向に凹んだ溝部164を備えている。搬送部材10は、溝部164に沿って案内される。
図2に示すように、側板部11は、搬送方向上流側の端部で第二受け台13を支持する。第二受け台13の形状は、平面視で左右方向を長手方向とする略長方形の板状である。第二受け台13は、側板部111、112間に向けて搬送方向上流側から搬送される台座80を上面で支持する。以下、第二受け台13の上面を第二支持面15という。第二支持面15は、搬送部40の搬送方向上流側に位置し、搬送部40によって搬送される台座80を支持する。
第二支持面15は、複数(5つ)のリブ151を備えている。複数のリブ151は、第二支持面15に直交する方向に第二支持面15から突出している。複数のリブ151は、搬送方向に延びる。複数のリブ151は、第一方向(左右方向)に互いに離間している。より詳細には、リブ151は、第二支持面15の左右方向の端と中央との間、第二支持面15の左右方向の端、及び第二支持面15の左右方向の中央に設けられている。第二支持面15の左右方向の端のリブ151は、他のリブ151より左右方向の幅が小さい。
図1及び図2に示すように、第一受け台12の第一支持面14及び第二受け台13の第二支持面15は同一平面を形成する。包装対象物3が載置された台座80は、形成された平面上を、搬送方向上流側から下流側に向けて搬送される。以下の説明では、第一受け台12の第一支持面14及び第二受け台13の第二支持面15によって形成される平面であって、搬送される台座80が通過する平面を、搬送面という。
図1〜図4を参照して、包装装置1の内部構造について説明する。図3に示すように、包装装置1は、左右の側板部11に搬送部40を備えている。搬送部40は、搬送ローラ41と付勢ローラ42とを備える。搬送ローラ41は搬送面の下側に設けられ、付勢ローラ42は搬送面の上側に設けられる。搬送ローラ41及び付勢ローラ42は、搬送面を挟んで対向している。
搬送ローラ41及び付勢ローラ42は、台座80に装着された搬送部材10(図9参照、後述)の第一部位101(図9参照、後述)に接触する。搬送ローラ41は、その外周面が搬送部材10の第一凹部104(図9参照、後述)に噛合する歯車状に形成されたギアである。搬送ローラ41は、搬送部材10の第一凹部104に対して下方から噛合した状態で回転する(図9参照)。付勢ローラ42は、例えば、車輪状のゴムローラである。付勢ローラ42は、搬送部材10に対して上方から接触した状態で、搬送部材10を下方に付勢する。搬送ローラ41及び付勢ローラ42によって挟まれた搬送部材10は、搬送ローラ41の回転によって、搬送方向上流側から下流側に向けて搬送される。これによって、台座80は搬送方向下流側に搬送される。
図1〜図3に示すように、包装装置1はガイドローラ71、73を備える。ガイドローラ71、73は、側板部111、112で挟まれる部分、且つ、搬送面よりも下方に設けられる。ガイドローラ71は、第二支持面15と搬送部40との間に位置する。ガイドローラ73は、第一支持面14と搬送部40との間に位置する。
ガイドローラ71は、軸部711及び複数のローラ部712を備える。ガイドローラ73は、軸部731及び複数のローラ部732を備える。軸部711、731は、側板部111、112間に架け渡される。軸部711,731は、左右方向に延びる。軸部711,731は従動回転可能である。
複数のローラ部712は、軸部711の周囲に軸方向に等間隔に設けられる。複数のローラ部712は、第二支持面15のリブ151の一部(中央3つ)の搬送方向下流側に位置する。すなわち、ローラ部712の左右方向の間隔は、リブ151の左右方向の間隔と同じである。複数のローラ部732は、第一支持面14のリブ141の一部(中央3つ)の搬送方向上流側に位置する。すなわち、ローラ部732の左右方向の間隔は、リブ141の左右方向の間隔と同じである。さらに、リブ141,151と、ローラ部712,732は、搬送方向に一直線状に並んでいる。
複数のローラ部712,732は、それぞれ軸部711,731に固定され、軸部711,731と共に回転可能である。ガイドローラ71、73は、搬送ローラ41及び付勢ローラ42によって搬送される台座80を、第一受け台12及び第二受け台13間で下方から支持する。搬送方向上流側から下流側に向けて搬送される台座80がローラ部712,732の上を通過すると、台座80がローラ部712,732に接触し、軸部711,731とローラ部712,732とが回転する。これによって、ガイドローラ71、73は、搬送方向上流側から下流側に向けて搬送される台座80を、第二受け台13から第一受け台12に誘導する。
図3に示すように、包装装置1は、搬送部40の上流側且つ搬送面の下側に保持ローラ72を備える。保持ローラ72の形状は円柱形である。保持ローラ72は左右方向に延びる。保持ローラ72の左右方向の端部は、保持部61によって回転可能に支持される。保持部61は揺動可能である。保持部61は、ガイドローラ71の搬送方向下流側に保持ローラ72が配置した状態(図5参照)と、ガイドローラ71に対して保持ローラ72が下方に離隔した状態(図6参照)とに切り替えることができる。保持ローラ72は、ガイドローラ71の搬送方向下流側に配置した状態で、フィルムカセット21から引き出されたフィルム24をガイドローラ71との間で挟持することが可能となる。
図3及び図4に示すように、包装装置1は切断部77を備える。切断部77は上面から上方に向けて突出する刃部771(図4参照)を備える。刃部771は、左右方向に延びる。切断部77には、ガイドレール74が挿通する。ガイドレール74は、側板部111、112で挟まれる部分、且つ、ガイドローラ73の下方に設けられる。ガイドレール74は、側板部111、112間に架け渡される。切断部77がガイドレール74に沿って左右方向に移動することによって、刃部771はフィルム24を切断する。
図3及び図4に示すように、包装装置1は、誘導ローラ31及び補助ローラ32を備える。誘導ローラ31及び補助ローラ32の形状は略円柱形である。誘導ローラ31及び補助ローラ32は左右方向に延びる。誘導ローラ31の左右の端部は、第一支持部33によって離脱可能に支持される。補助ローラ32の左右の端部は、第一支持部33によって支持される。
第一支持部33はスリット17(図1及び図2参照)に沿って上下方向に移動可能である。第一支持部33がスリット17に沿って上下方向に移動することによって、誘導ローラ31及び補助ローラ32は上下方向に移動する(図5及び図6参照)。以下、第一支持部33がスリット17に沿って移動することによって誘導ローラ31が上下方向に移動する場合の誘導ローラ31の経路を、第一経路という場合がある。
図4は、第一支持部33が第一経路の最上位に移動した状態を示している。図3に示すように、第一支持部33が第一経路の最上位に移動した状態で、第一支持部33は、フィルム24が収容されたフィルムカセット21(図1参照)の左右両側に配置する。図3及び図4に示すように、第一支持部33が最上位に移動した状態で、誘導ローラ31及び補助ローラ32は、搬送面の上方且つフィルムカセット21の下方に位置する。
図6は、第一支持部33(図3参照)が最下位に移動した状態を示している。包装装置1は、第一支持部33が最下位に移動した状態における誘導ローラ31及び補助ローラ32の下方に、第二支持部51及び保持部61を備える(図3参照)。第二支持部51は、搬送方向に移動可能である。第二支持部51は、第一支持部33から離脱した誘導ローラ31を支持する。第二支持部51が搬送方向に移動することによって、誘導ローラ31は搬送方向に移動する(図6及び図7参照)。以下、第二支持部51の移動によって誘導ローラ31が搬送方向に移動する場合の誘導ローラ31の経路を、第二経路という場合がある。第一支持部33及び第二支持部51が移動することによって、誘導ローラ31は、第一経路及び第二経路に沿って移動することになる。
図4〜図7を参照し、包装対象物3及び台座80がフィルム24によって包装される場合の包装装置1の動作について説明する。
図4に示すように、フィルムカセット21は、フィルム排出口26の近傍にフィルムガイドローラ23を備える。フィルムガイドローラ23の形状は円柱形である。フィルムガイドローラ23は左右方向に延びる。フィルムロール22から引き出されたフィルム24は、フィルムガイドローラ23の上流側に接触する。フィルム24はフィルムガイドローラ23によってフィルム排出口26に向けて誘導され、フィルム排出口26を介してフィルムカセット21の下方に排出される。
フィルムカセット21のフィルム排出口26から引き出されたフィルム24の先端は、ガイドローラ71及び保持ローラ72によって搬送方向両側から挟持される。第一支持部33は最上位に配置されている。第二支持部51は搬送方向の最上流側に配置されている。切断部77は左端に配置されている。作業者は、台座80に搬送部材10を装着し、包装対象物3を台座80に載置する。以下の説明では、台座80に搬送部材10が装着された状態を組付体81という(図9参照)。図4に示すように、作業者は、包装対象物3を載置した組付体81を、第二受け台13の第二支持面15に載置する。作業者は、組付体81の先端(下流側の端部)を搬送部40に配置するために、組付体81を下流側に向けて送り出す。このとき、台座80の下流側の端部は、第二受け台13、ガイドローラ71、及び保持ローラ72上を順に移動する。台座80の下流側の端部はフィルム24に接触する。
さらに作業者は、組付体81を下流側に向けて送り出す。台座80の下流側の端部はフィルム24を下流側に押す。搬送部40のやや上流側に設けられたセンサ431(図1参照)は、搬送部材10の下流側の端部によって下方に押されてオンする。センサ431がオンされると、包装装置1は、搬送ローラ41の回転を開始する。台座80(組付体81)の下流側の端部が搬送部40に配置されると、搬送部40は台座80の左右端部に設けられた搬送部材10を上下方向から挟む。搬送ローラ41の歯車が、搬送部材10の第一凹部104(図9参照、後述)に噛合する。搬送部40は、下流側に向けて台座80(組付体81)を適切に搬送する。
組付体81が下流側に移動することによって、台座80及び包装対象物3の下流側の端部はフィルム24に押し当てられる。フィルム24は、台座80及び包装対象物3との接触部分で曲折する。フィルムカセット21からフィルム24が徐々に引き出される。フィルムカセット21のギア273に噛合するギア113の回転速度が規制されているので、ギア273と共に回転するフィルムロール22の回転速度が規制され、引き出されるフィルム24には張力が加わっている。このため、台座80及び包装対象物3の下流側にフィルム24が強く押し当てられる。フィルム24は、台座80及び包装対象物3の下流側を覆う位置で、台座80及び包装対象物3に密着する。
下流側に向かう方向の力がフィルム24に加わることによって、ガイドローラ71及び保持ローラ72からフィルム24の先端が離れる。フィルム24の先端は台座80に追従して移動し、台座80及び保持ローラ72間を通過する。フィルム24の先端は、保持ローラ72によって下方から台座80の底面に押し付けられる。フィルム24の先端は、台座80の下流側且つ底面に設けられた粘着部に接着される。
搬送部40は継続して台座80(組付体81)を下流側に搬送する。センサ431(図1参照)上を組付体81が通過すると、センサ431がオフし、包装装置1は、搬送ローラ41の回転を停止する。図5に示すように、台座80及び包装対象物3の上側を覆う位置にフィルム24が配置される。
図5及び図6に示すように、包装装置1は、ガイドローラ71から保持ローラ72が離間する向きに保持部61を揺動させる(図5の矢印65参照)。次いで、包装装置1は、第一支持部33を第一経路に沿って最上位から最下位に移動させる(図5の矢印66参照)。誘導ローラ31は、下方に配置するフィルム24に上側から接触し、下方に向けて誘導する。フィルム24は、台座80及び包装対象物3の上流側を覆う位置に配置される。
図6に示すように、第一支持部33が最下位に移動した場合、誘導ローラ31は、ガイドローラ71の下流側の近傍に配置する。この位置で、誘導ローラ31は第一支持部33(図3参照)から第二支持部51(図3参照)に受け渡される。補助ローラ32は、第一支持部33が最下位に移動することによって、ガイドローラ71の上方に配置した状態となる。
図6及び図7に示すように、包装装置1は、第二支持部51を第二経路に沿って最上流側から最下流側に移動させる。第二支持部51に支持された誘導ローラ31は、台座80の上流側且つ底面を第二経路に沿って下流側に移動する。図7に示すように、フィルム24は、台座80及び包装対象物3の上流側を覆う位置から下方に延び、台座80の上流側の端部に接触し、台座80の底面に沿って下流側に曲折する。フィルム24は、誘導ローラ31が下流側に移動する過程で、台座80の上流側且つ底面に押し付けられる。これによって、台座80の底面の上流側の端部に設けられた粘着部にフィルム24が接着される。次いで、包装装置1は、ガイドレール74に沿って切断部77を左端から右端に移動させる。刃部771は、フィルム24のうち誘導ローラ31から補助ローラ32に向けて延びる部分を切断する。
フィルム24の先端、及び刃部771によって切断された端部は、台座80の底面に貼り付けられた状態となる。包装対象物3はフィルム24によって台座80上に固定される。フィルム24は包装対象物3に密着し、取扱者は外部から包装対象物3を直接触ることができなくなる。包装対象物3はフィルム24によって保護された状態となる。台座80及び包装対象物3のフィルム24による包装は完了する。
図8及び図9を参照して、搬送部材10について説明する。図8及び図9に示すように、本実施形態では、2つの搬送部材10が、台座80の左右の端に装着される。2つの搬送部材10は、同じ形状である。このため、以下の説明では、図8の紙面右下側の搬送部材10について説明する。以下の説明において、図8の紙面左下側、右上側、左上側、右下側、上側、下側、をそれぞれ、図8の紙面右下側の搬送部材10についての、前側、後側、左側、右側、上側、下側であるとする。また、前方向が、第二方向であるとする。
搬送部材10は、例えば、合成樹脂で形成されている。図8に示すように、搬送部材10は、第一部位101と複数の突出部102とを備えている。第一部位101は第二方向に長い板状の部位である。第一部位101は、第二方向に向かって延びる第一面部103を備えている。第一面部103は、第一部位101の底面である。第一部位101の第一面部103には、第一凹部104が複数設けられている。第一凹部104は、前記第一面部103に直交する方向に凹設されている(上方向に凹設)。第一凹部104は、第一部位101における第二方向に直交する且つ第一面部103に平行な方向(すなわち、左右方向)に凹設されている。第一凹部104は、第二方向に等間隔に複数設けられている。第一凹部104同士の間隔は、包装装置1の搬送ローラ41の歯車に噛合可能な間隔である。
複数の突出部102は、第二方向に直交する方向且つ第一面部に平行な一方向(図8の右下側の搬送部材10では左方向)に第一部位から突出している。突出部102は、第一部位101における第二方向側の端部、第一部位101における第二方向の反対方向側の端部、及び前記第一部位101における第二方向の中央部に、それぞれ、5つ設けられている。突出部102は円柱状であり、先端部は先細り形状である。
複数の突出部102の間隔は、段ボールに設けられる中芯802とライナー801とによって形成される複数の穴803(図10参照)の間隔の倍数である。なお、例えば、JIS(日本工業規格、Japanese Industrial Standards)では、中芯802の段の数が規定されているため、穴803の間隔を算出することができる。故に、複数の突出部102の間隔を穴803の間隔の倍数に設定することができる。
第一部位101は、第一面部103と突出部102との間に、第一面部103に直交する方向に延びる第二面部105を備えている。第二面部105は、第一部位101における突出部102が設けられている側の側面である。突出部102は、第二面部105の下端より上方に位置している。また、第二面部105の下端は、第一部位101(第一面部103)から下方にやや突出している(図14参照)。
図10〜図12を参照して、台座80について説明する。以下の説明において、図11の左上側、右下側、左下側、右上側、上側、下側を、それぞれ、台座80の前側、後側、右側、左側、上側、下側として説明する。
台座80は平面視長方形状の段ボールで形成されている。図10に示すように、一般的に、台座80は、ライナー801及び中芯802によって構成されている。台座80の左右方向の端には、ライナー801及び中芯802によって、穴803が形成されている。なお、段ボールの種類は限定されず、片段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等、種々の種類であってもよい。
図11及び図12に示すように、台座80は包装用の板状の部材である。台座80は、板状部804と粘着部805とを備えている。板状部804は、平面視長方形状である。板状部804は、表面807と底面808とを有する。表面807と底面808とは、ライナー801によって形成されている(図10参照)。
台座80が搬送部40によって搬送される場合には、リブ141,151が台座80に接触する。言い換えると、台座80にはリブ141,151が接触しない部位が存在する。このため、台座80のリブ141,151が接触しない部位に粘着部805を設ければ、粘着部805が第一支持面14と第二支持面15とに貼り付くことが防止される。即ち、包装装置1にリブ141,151が設けられていることによって、台座80に粘着部805を設けることができる。このため、リブ141,151が粘着部805に貼り付くことがなく、より確実に台座80が搬送される。以下、粘着部805について説明する。
粘着部805は、両面粘着テープによって構成されている。図12に示すように、粘着部805は、板状部804の一方の面(本実施形態では底面808)における対向する一対の端部809(前後方向の端部)と、一対の端部809の間の部位810とに配置されている。より詳細には、粘着部805は、底面808における一対の端部809(前後方向の端部)の一端部から他端部に向けて配置された第一粘着部806を複数(4つ)備えている。すなわち、第一粘着部806は、前後方向に延びている。第一粘着部806は、一対の端部809の一端部から他端部に向かう方向に直交する方向(すなわち、左右方向)に互いに離間している。離間した第一粘着部806の間の部位(第一粘着部806が配置されていない部位)は、包装時に台座80が搬送される際に、リブ141,151に接触する。換言すれば、第一粘着部806はリブ141,151に接触しない位置に配置されている。
包装対象物3と共に台座80を包装して梱包箱4内の底に貼り付ける作業工程について説明する。作業者は、2つの搬送部材10を台座80の左右に装着する。このとき、突出部102が台座80の穴803(図10参照)に挿入される。突出部102が穴803に挿入されることで、搬送部材10を台座80に固定することができる。以下の説明では、台座80が搬送部材10に装着された状態の台座80と搬送部材10とを組付体81という(図9参照)。
次いで、作業者は、台座80の上面に包装対象物3を載置する。作業者は、組付体81の先端を搬送部40に配置する。組付体81の先端を搬送部40に配置する作業を行う場合、作業者は、第二受け台13の側面(より詳細には、第二支持面15の左右の端部に設けられたリブ151の側面)に第二面部105を当接させる(図14参照)。これによって、組付体81の左右方向の位置を位置決めすることができる。すなわち、リブ151が設けられていることによって、組付体81の左右方向の位置を位置決めすることができる。故に、作業者は、左右方向の位置決めがされた状態で、組付体81を搬送方向に移動させることで、組付体81の先端を搬送部40に容易に配置することができる。なお、図14では、第一粘着部806の図示は省略しているが、第一粘着部806は、リブ151に接触しない部位に位置する。
組付体81の先端が搬送部40に配置される過程で、センサ431がオンし、前述したように、組付体81が搬送されて、包装対象物3が包装される。このとき、第二支持面15のリブ151と、第一支持面14のリブ141とが、台座80の第一粘着部806が配置されていない部位と当接し、台座80を支持する。故に、第一粘着部806が第一受け台12及び第二受け台13(リブ141,151)に接触しない。故に、第一粘着部806が第一受け台12及び第二受け台13(リブ141,151)に貼り付くことが防止される。
包装が行われた後、作業者は搬送部材10を台座80から取り外す。包装が行われると、第一粘着部806のうち、包装後の台座80の一対の端部809に位置する部位(より詳細には、図12における点線で示したフィルムを貼り付ける領域811)には、フィルム24が貼り付けられている。すなわち、一対の端部809以外の部位(一対の端部809の間の部位810)には、フィルム24が貼り付けられていない。故に、作業者は、台座80におけるフィルム24が貼り付けられていない部位を、梱包箱4(図13参照)内の底401に貼り付けて、台座80を固定することができる。すなわち、包装された包装対象物3を梱包箱4内に固定することができる。このように、本実施形態では、包装装置1がリブ141,151を備えており、粘着部805を搬送前に配置することができるので、梱包箱4に台座80(包装対象物3)を貼り付けるために粘着剤を新たに塗布する必要がなく、包装された包装対象物3を梱包箱4の底401に貼り付ける作業を効率的に行うことができる。
以上のように、包装対象物3を包装し、梱包箱4内の底に貼り付けることができる。本実施形態では、包装対象物3の包装後に、粘着剤を台座80に塗布する作業工程を行う必要がないので、梱包に係るコストを低減することができる。
また、搬送方向上流側から下流側に向けて搬送される台座80がローラ部712,732の上を通過すると、台座80がローラ部712,732に接触し、軸部711,731とローラ部712,732とが回転する。故に、台座80をスムーズに搬送することができる。
ローラ部712,732は、リブ141,151の搬送方向上流側、又は下流側に位置する。ローラ部712,732の左右方向の間隔は、リブ141,151の左右方向の間隔と同じであり、リブ141,151と、ローラ部712,732は、搬送方向に一直線状に並んでいる。このため、リブ141,151に接触しない部位に設けられていた粘着部805はローラ部712,732にも接触しない。換言すれば、台座80には、リブ141,151とローラ部712,732とに接触しない部位が存在するため、接触しない部位に粘着部805(第一粘着部806)を設けることができる。このため、粘着部805を搬送前に配置することができ、梱包箱4に台座80(包装対象物3)を貼り付けるために粘着剤を新たに塗布する必要がなく、包装された包装対象物3を梱包箱4の底401に貼り付ける作業を効率的に行うことができる。
また、仮に、包装後に、梱包箱4の底401に貼り付けるための粘着部を配置する場合、包装対象物3が台座80に載置されているので、台座80の底面に粘着剤を塗布し難い。このため、粘着剤の塗布量にバラツキが発生する虞がある。本実施形態では、事前に粘着部805が配置された台座80を使用するので、粘着剤の塗布量にバラツキが発生することを防止できる。
本実施形態において、第一支持面14、第二支持面15が本発明の「支持面」に相当し、軸部711,731が本発明の「軸部」に相当する。ローラ部712,732が本発明の「ローラ部」に相当する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、第一支持面14と第二支持面15とが設けられていたが、これに限定されない。例えば、第一支持面14と第二支持面15との少なくとも一方が設けられていてもよい。すなわち、第一受け台12と第二受け台13との少なくとも一方が設けられていてもよい。
また、ガイドローラ71,73が設けられていたが、これに限定されない。例えば、ガイドローラ71,73が設けられていなくてもよい。また、ガイドローラ71,73の少なくとも一方が設けられていてもよい。
また、複数のローラ部712は、第二支持面15のリブ151の一部(中央3つ)の搬送方向下流側に位置していたが、これに限定されない。例えば、複数のローラ部712は、第二支持面15の全てのリブ151の搬送方向下流側に位置してもよい。すなわち、複数のローラ部712は、第二支持面15の少なくとも一部のリブ151の搬送方向下流側に位置してもよい。
また、複数のローラ部732は、第一支持面14のリブ141の一部(中央3つ)の搬送方向上流側に位置していたが、これに限定されない。例えば、複数のローラ部732は、第一支持面14の全てのリブ141の搬送方向上流側に位置してもよい。すなわち、複数のローラ部732は、第一支持面14の少なくとも一部のリブ141の搬送方向上流側に位置してもよい。
また、ガイドローラ71,73において、軸部711,731は従動回転可能であったが、これに限定されない。例えば、軸部711,731がモータ等の駆動によって積極的に回転してもよい。また、例えば、軸部711,731が固定されており、ローラ部712,732が軸部711,731の周囲を回転可能であってもよい。
また、例えば、粘着部805は両面粘着テープで構成されていたが、これに限定されない。例えば、粘着部805は、粘着剤が塗布されることで形成されてもよい。
また、台座80は段ボールであったが、これに限定されない。例えば、台座80は合成樹脂で形成されてもよい。この場合、台座80の左右の端部の任意の場所に突出部102を挿入するための穴を設け、搬送部材10において該穴に対応する位置に突出部102が設けられていてもよい。
また、搬送部材10を使用するのではなく、台座80の左右の端部に搬送ローラ41の歯車に噛合する孔を設け、搬送ローラ41によって台座80そのものを搬送してもよい。また、台座80の左右の端部に搬送ローラ41の歯車に噛合する孔を設けるのではなく、該孔が設けられていない台座80(図12参照)の左右の端部が、搬送部40に搬送されてもよい。
また、搬送部40は、搬送ローラ41と付勢ローラ42とを備えていたが、これに限定されない。例えば、搬送ローラ41のみが設けられていてもよい。
また、搬送部材10の形状は限定されない。例えば、搬送部材は、台座80を搬送部材に載置して搬送可能な構成であってもよい。さらに、この搬送部材の台座80を載置する板状部位に、リブ141,151に沿った凹部を設け、該凹部にリブ141,151が配置されることで、搬送部材(台座80)が位置決めされるようにしてもよい。このように、リブ141,151と搬送部材とを合わせることで、台座80の位置決めが行われるようにしてもよい。
また、粘着部805の位置、形状は限定されない。例えば、複数のリブに接触する部位以外の部位の一部に円形の粘着部が複数設けられてもよい。