JP5974395B2 - 光学装置の製造方法 - Google Patents
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Description
従来から複数のレンズを組み合わせてユーザーの任意の平均度数や乱視度数(C度数)を設定する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、2枚の非球面レンズを上下方向に進退させることで平均度数を設定し、更に2枚のシリンダレンズを回転させることで乱視度数を設定する検眼システムが開示されている。この考えを敷衍すれば1つの光学系で平均度数や乱視度数(あるいは非点収差)を調整することのできる光学装置を提供することが可能である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。本発明の目的は、2枚のレンズのみで平均度数や非点収差を調整でき、特に非点収差を調整する際に2枚のレンズを別個に回転させることなく非点収差を調整することができる光学系を備えた光学装置の製造方法を提供することにある。
(1)前記新たな複数の軸に沿った方向における曲面Pの曲率
(2)曲面Pを境界としたその前後の異なる媒質の屈折率
また請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記数1の式で定義される前記第1のレンズ素子の曲面Pと、前記数2の式で定義される前記第2のレンズ素子の曲面PがA1=A2、B1=B2の関係であり、かつ前記屈折率n11の媒質、前記屈折率n12の媒質、前記屈折率n22の媒質、前記屈折率n21の媒質がn11=n21、n12=n22の関係であり、前記レンズ素子の曲面Pは下記数5の式で定義され、同式中のA,B,C,p,qは下記数6の式の関係が成り立つようにしたことをその要旨とする。
また請求項6の発明では光軸に対して垂直な2次元平面上において直交するX軸方向とY軸方向を設定するとともに、前記X軸とY軸によって表される座標に基づいて前記2次元平面上に存在する新たな複数の軸方向を設定し、下記(1)及び(2)の条件の曲率と屈折率に基づいて定まる断面屈折力が各軸方向に沿って直線的かつ連続的に変化するようなカーブ形状となる曲面Pを設計し、表裏に付加サグ量を合成するための基準となる面が形成されたベース形状について、そのいずれか一方の面に曲面Pを合成して第1及び第2のレンズ素子を得るようにし、前記第1及び第2のレンズ素子をそれぞれの前記X軸及びY軸方向及び前記新たな複数の軸方向が相互に一致するように並列配置させて光学系を構成し、前記第1及び第2のレンズ素子を前記2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向へ直線的に移動をさせることで非点収差の方向を制御させるようにするとともに、前記第1及び第2のレンズ素子の接触面のカーブ形状を複数用意し、設定されるS度数とC度数に応じて前記カーブ形状を適用するようにしたことをその要旨とする。
(1)前記新たな複数の軸に沿った方向における曲面Pの曲率を取得する。
(2)曲面Pを境界として前後の異なる媒質の屈折率を取得する。
また請求項8の発明では、請求項6又は7に記載の発明の構成に加え、に前記2次元的な移動とは、前記2枚のレンズ素子を前記2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向への直線的な移動が可能なようにしたことをその要旨とする。
また請求項12の発明では請求項8又は9に記載の発明の構成に加え、前記数1の式で定義される前記第1のレンズ素子の曲面Pと、前記数2の式で定義される前記第2のレンズ素子の曲面PがA1=A2、B1=B2の関係であり、かつ前記屈折率n11の媒質、前記屈折率n12の媒質、前記屈折率n22の媒質、前記屈折率n21の媒質がn11=n21、n12=n22の関係であり、前記両レンズ素子の曲面Pは下記数4の式で定義されるようにしたことをその要旨とする。
また請求項13の発明では請求項1〜12のいずれかに記載の発明の構成に加え、直線的に移動させる際には前記2枚のレンズ素子は同時に逆方向に移動させるようにしたことをその要旨とする。
また請求項14の発明では請求項13に記載の発明の構成に加え、前記2枚のレンズ素子は同時に逆方向に等距離移動させるようにしたことをその要旨とする。
また請求項15の発明では請求項1〜14のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記2枚のレンズ素子の間に光学的機能性膜を介在させたことをその要旨とする。
また請求項16発明では請求項1〜15のいずれかの光学装置を眼鏡としたことをその要旨とする。
このように曲面を合成した第1及び第2のレンズ素子を、光軸を一致させるとともにX軸及びY軸方向及び複数の軸方向がすべて一致するように並列配置させて光学系を構成する。このような軸の一致が得られればレンズ素子の表裏面が物体側であっても眼球側であっても基本的にその面の向きは問わない。このような第1及び第2のレンズ素子を2次元的に移動させることでこの光学系の非点収差量を制御することができる。
このような構成であれば、2枚のレンズ素子のみで、かつこれらを光軸に対して垂直な2次元平面を単に2次元的に移動させるだけで非点収差量を容易に制御することができる。
また、新たな複数の軸方向がX軸及びY軸方向と一致することは構わない。
本願では2次元平面上に存在する新たな軸方向は複数、つまり2以上の軸に対してそれら軸方向に沿って直線的かつ連続的に変化するカーブ形状となる曲面を第1及び第2のレンズ素子は有することとなっている。1方向の軸のみを有し、その軸方向に沿って直線的かつ連続的に変化するカーブ形状となる曲面を有するようなレンズ素子を組み合わせたレンズ対は、どのように相対移動させてもその軸と直交する方向の断面屈折力を増減させない。このような光学製品は排除される。また、クロスシリンダレンズのように、2つのレンズ素子から構成される光学系の光軸方向を一致させ相対的に回転させるような構造の光学製品は排除される。さらにクロスシリンダレンズの面は、どの方向に軸をとっても、その軸にそったカーブは増減はせず一定の値なので、その意味でも排除される。
第1及び第2のレンズ素子がそれぞれ2つの面で構成された1枚のレンズであって、それらを面を接合させて使用する場合、第1及び第2のレンズ素子の素材屈折率は同じであることが望ましい。2枚のレンズの屈折率に差があると、接合面で反射が起きるためである。屈折率差が小さければ反射は小さいが、接合面に隙間が発生し、その隙間が場所によって一定でないと干渉縞が発生する。ただし、接合面に調光膜・偏光膜をはさんで使用する場合は問題ない。2枚のレンズの屈折率に差をつける場合は、付加サグ量は1/(それぞれの屈折率−1)の値に応じて比例配分する。
また、同じく2次元的な移動としては、第1及び第2のレンズ素子を光軸を中心に同方向に同期させて回動させるとともに、所定の回動変位位置において2枚のレンズを2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向へ直線的に移動させることが考えられる。第1及び第2のレンズ素子を光軸を中心に同方向に同期させて回動させることによって乱視の軸方向を自在に変更させることができ、所定の乱視の軸方向を基準として非点収差量を制御することが可能となる。これは例えば実施例1及び2において第1及び第2のレンズ素子を回動させることに相当する。
また、2枚のレンズ素子を任意のある第1の方向に沿って相対的に移動させることで、ある方向の非点収差を増減させるとともに、第1の方向と平行ではない第2の方向に沿って相対的に移動させることで前記とは異なる方向の非点収差を増減させ、これら第1及び第2の方向への移動によって平均度数は変化しないように構成することが考えられる。この移動パターンは本願における実施例3に反映されている。
半径がRで中心を(0、R)とする円の方程式はx2+(y−R)2=R2で表される。
この式は y=R−√(R2−x2)と変形される。ただし平方根を求める際に√の複合マイナスとしたので、円のX軸に近い領域を表す。この式はxの値がRに対して十分小さい原点付近で次のように近似される。
y=R−R(1−x2/R2)1/2≒R−R+R・(x2/R2)・(1/2)=(1/2)x2/R
y=(1/2)x2/Rxで2階微分すると∂2f(x)/∂x2=1/Rとなる。このことから、曲線上のある点における2階微分値は曲率半径の逆数であり、それはすなわち曲率である。
円の上側を屈折率1の真空または空気とし、円の下側の素材屈折率をnとして、曲率に1000(n−1)を乗ずると面屈折力を得る。1000を乗じているのはRをmm単位で表したためであり、Rをm単位で表す場合は(n−1)を乗じて面屈折力を得る。
以上から、X軸方向の断面屈折力は∂2f(x)/∂x2・1000(n−1)から得られる。
以上の説明は円形断面に関するものだが、3次元の立体形状であるレンズに関しては、レンズ外面と内面の対応する2点における2階偏微分値の差に1000(n−1)を乗ずるとレンズの屈折力(眼鏡レンズでは度数と呼ぶ)を得る。ここではX軸に沿った方向、Y軸に沿った方向を含む様々な断面方向を想定し、その方向に関して2階偏微分を行うことにより、断面屈折力を得る。すべての方向の断面屈折力のうち、最大値と最小値の差を非点隔差と呼び、その半分を非点収差と呼ぶ。すべての方向の断面屈折力の平均値を平均屈折力と呼ぶ。
数1及び数2の式は第1及び第2のレンズ素子ごとに定義したもので、これらをより一般化すると、
数5の一般式は以下のすべての実施例を含みうる一般形である。考察する対象の形状によっては座標回転して、X座標を基準に考えるので、A≠0とする。
C(x+qy)3の項においてqをどのような値にしてもY軸方向のカーブを表すことができない。そのため、B(px+y)3の項でp=0としたときにY軸方向のカーブを表すことができるようにするため、B≠0 とする。
Ax3の項はX軸方向の偏3次構造を表す。ここでは、この方向をA軸方向とも呼ぶこととする。
B(px+y)3の項はX軸方向すなわちA軸方向とは異なる方向(平行も反行もしない)の偏3次構造を表す。この方向をB軸方向と呼ぶことにする。実施例1ではB=A、実施例2ではB=2Aであるが、ともにC=0、p=0でありB軸方向がY軸方向に一致した状態である。
C(x+qy)3はA軸とB軸のどちらとも異なる方向の偏3次構造を表す。この方向をC軸方向と呼ぶことにする。実施例3では、B=A、C=−A/2、p=0、q=1であり、y=xで表される直線方向の偏3次構造を表す。これはB軸方向がY軸方向に一致し、C軸がA軸およびB軸と135度をなす状態である。
上記のようにB軸やC軸をY軸方向と一致させることができるが、必ずしも一致させなければならないわけではない。A軸、B軸、C軸のすべてと異なる方向に第4番目およびそれ以降の軸方向の偏3次構造を加えることもできる。その場合は数式5に、さらに「D(rx+sy)3」といった形の項を加えることになる。ただし、D≠0とし、r:sの比がp:1または1:qに一致しないようする。そのような新しい軸を追加したものも本発明に含まれる。
尚、数3の式において、「屈折率n12の媒質」と「屈折率n22の媒質」の関係は、以下(1)(2)(3)のどれでもよい。
(1)2つの媒質の屈折率が同じであっても違っても構わない。
(2)2つの媒質が同一の液体であっても構わない。その場合は2つの媒質が何かの面で区切られていても、区切られていなくてもよい。
(3)2つの媒質の間に、その他の媒質(空気や真空を含む)や、別のレンズ系があっても構わない。
例えば、C=0、p=0の場合では式は2つの軸が直交する双3次構造を表す。具体的には数4の関数式で表される双3次構造である。実施例1及び2の第1及び第2のレンズ素子の双3次構造の曲面はこの数4の式を用いている。
この数4の式はB=Aとした場合下記数8で示されるアルバレス構造の一般式と等価である。ここにアルバレス構造とはレンズにおいて数8の式で示されるようなレンズ面を有するものをいう。それは次のように証明できる。
アルバレス構造を原点中心に45度右回転する(座標の行列変換の実行)。つまり軸の方向を、y=x及びy=−xの直線の方向にする。さらにxy平面内で相似形に拡大縮小すると、以下の形式で表すことができる。
(A/6)(x+y)3+(A/2)(x+y)(x−y)2
この式は以下の様に変形される。
(A/6)(x3+3x2y+3xy2+y3)+(A/2)(x3−x2y−xy2+y3)=(2A/3)x3+(2A/3)y3
これは数5の一般式においてAを0ではない任意の値として、B=A、C=0、p=0とした場合と同じであるといえる。
f(x、y)=Ax3+B(px+y)3+C(x+qy)3
=Ax3+B(p3x3+3p2x2y+3pxy2+y3)+C(x3+3qx2y+3q2xy2+q3y3)
これをxとyでそれぞれ2階偏微分する。
∂2f/∂x2=(6A+6Bp3+6C)x+(6Bp2+6Cq)y
∂2f/∂y2=(6B+6Cq3)y+(6p+6q2C)x
この2式に1000(素材屈折率−1)を乗ずれば、X軸方向とY軸方向の断面屈折力を得る。それらの和が一定であるためには、∂2f/∂x2+∂2f/∂y2の値がx、yによらずに一定である必要があり、そのためには以下の関係が成り立たねばならない。
(6A+6Bp3+6C)+(6p+6q2C)=0
(6Bp2+6Cq)+(6B+6Cq3)=0
これを整理すると数6の式を得る。A,B,C,p,qの各係数が数6の式を充足すると、レンズ素子に合成する曲面は、いたるところで全断面方向の屈折力の平均値が0Dとなる。更に、各係数の値を適当に設定することにより、x=y=0の原点を除くいたるところで ∂2f/∂x2と∂2f/∂y2が非0となるように、つまり面乱視が存在するようにできる。このような面を組み合わせて得られる度数は、常に平均度数が0Dであり、かつレンズ素子の位置関係が基準位置である場合を除いて非点収差があるようなクロスシリンダ度数である。更に、レンズ素子の位置関係によって、非点収差の方向と大きさを調整することができるが、その原理は実施例3にて説明する。
この条件をより限定したものが数7の式である。数7の式はクロスシリンダ構造の一般式であり、この式は数5の一般式を変形したものであってやはり数5の式と等価である。実施例3の第1及び第2のレンズ素子の曲面はこの数7の式を用いている。ここにクロスシリンダ構造とは数7の式で示されるようなレンズ面を有するものをいう。
クロスシリンダ構造を原点中心に45度右回転し(座標の行列変換の実行)、さらにxy平面内で相似形に拡大縮小すると、以下の形で表すことができる。
(A/6)(x+y)3−(A/2)(x+y)(x−y)2
この式は以下の様に変形される。
(A/6)(x3+3x2y+3xy2+y3)−(A/2)(x3−x2y−xy2+y3)
=−(A/3)x3+Ax2y+Axy2−(A/3)y3
=−(2A/3)x3−(2A/3)y3+(A/3)(x+y)3
従って、クロスシリンダ構造は数5の一般式においてAを0ではない任意の値として、B=A、C=−A/2、p=0、q=1とした場合と同じであるといえる。これは数6の式の条件を充足する。この他にも、B=2A、C=−A/5、p=0、q=2とした場合などが数6の式の条件を充足し、レンズ素子を回転移動させることなく非点収差の方向を制御することができる。
これは、両方のレンズ素子を同時に移動させることによってなるべくレンズ中央の収差の少ない部分を可視領域に適用することと、少なくともレンズ中央付近でのプリズム発生を抑制させることができるからである。
また、2つのレンズ素子の素材屈折率が同じ場合に同時に逆方向に移動させる際にはプリズム発生をちょうどキャンセルさせるためには2枚のレンズは同時に同じ距離だけ逆方向に移動させることが必要である。
また、第1及び第2のレンズ素子は互いに面接触状態に配置されることが厚み軽減の点で好ましい。第1及び第2のレンズ素子のそれぞれの接触面となりうる形状としては例えば平面、球面あるいはトリック面の特殊な場合として一方の主曲率が0であるシリンダ面が挙げられる。一方、第1及び第2のレンズ素子が接触しないのであれば、ベース形状のカーブ面は特に限定されるものではない。そのため、第1及び第2のレンズ素子が接触しない場合合成すべき曲面は第1及び第2のレンズ素子の表裏面両方に対して設定する(つまり、実務的には両面に付加サグ量を与える)ようにしてもよい。
2つのレンズ素子のどちらかのベース形状が、それを透過する光線に関して屈折力を生じる場合、これをベース屈折力と呼ぶこととする。ベース屈折力がレンズ面上の場所によって一定でない場合には、そのレンズ素子の移動にともなってベース屈折力の分布が変化する。レンズ面上の各点において断面方向別の屈折力が変化すると、その点における非点収差の方向と大きさが変化することになるが、本発明の目的は非点収差を調整することにあるので、レンズ素子の移動にともなってベース屈折力の分布が大きく変わることは好ましくない。以上のことから、ベース屈折力は各断面方向それぞれについてできるだけ一定であることが好ましい。ただし、異なる断面方向に関して屈折力が異なることは構わない。たとえば両面がトリック面、あるいは片面球面で片面トリック面であるような乱視レンズはそのようなベース形状になりうる。実施例2の第8〜14セットにおいて、第1及び第2のレンズ素子のベース形状を両面トリック面としている。
次に、メニスカス形状のレンズで考えると図6に示すように、例えば、第1のレンズ素子を外側に、第2のレンズ素子を内側に配置させ、表裏面に同じカーブの球面あるいは参照球面のカーブが等しい非球面を設定したベース形状を想定する(図では破線で示されている)。そして、両レンズ素子の対向する面が接触面とすると第1のレンズ素子の物体側の面と第2のレンズ素子の眼球側の面にそれぞれ付加サグ量を与えることとなる。
更に、面屈折力を作りだすための付加サグ量が多い場合は近似のための誤差が増大するので、度数範囲を複数に区切って、各範囲の中心的な屈折力をベース形状によって生成するほうが良い。すなわち外面と接合面の曲率に差をつけ、さらに接合面と内面の曲率に差をつけることによって大きな屈折力を生成し、双3次構造面によってこれを調整する方法が望ましい。例えば、図7のようにベース形状としてプラスレンズを出発点として第1のレンズ素子の物体側の面と第2のレンズ素子の眼球側の面にそれぞれ付加サグ量を与えるようにしてもよい。また、図8のようにベース形状としてマイナスレンズを出発点として第1のレンズ素子の物体側の面と第2のレンズ素子の眼球側の面にそれぞれ付加サグ量を与えるようにしてもよい。図5〜図8の2枚のレンズは第1のレンズ素子の眼球側の面と第2のレンズ素子の物体側の面(対向面)が同じカーブの曲面を有するとして接触させている状態で図示説明したが、両レンズ素子は離間して配置されていても構わない。
本実施例1では、まずその構造と原理を説明し、その原理に基づいた具体的な光学系の説明をする。
1.構造
実施例1では光学装置として2枚のレンズを面接触させ、かつその接触面を平面とした検眼装置用のレンズとした。そのため、図1に示すような具体的な数値が設定されたレンズをデザインした。2枚の同じレンズを図示しないレンズ用フレームに装着して使用する。両レンズは完全に重なった状態(基準位置)から相対的にすべての方向に移動可能に支持されている。移動させるための手段としては例えば第1のレンズを第1の軸で左右方向に移動可能に支持し、第2のレンズを第2の軸でそれと直交する上下方向に移動可能に支持し、第1及び第2の軸を支持する部材が二次元的に移動できるような構造や、各レンズごとに平面モータを設けて二次元的な移動を制御することが考えられる。
(1)設計手法
各レンズに対して所定のベース形状に所定の付加サグ量を合成して外側のレンズの物体側の面と内側のレンズの眼球側の面を設計する。付加サグ量としては数4の式の双3次構造を与えるものとする。
(2)屈折力制御のメカニズム
ベース形状 b(x、y)=CTとすると、
外側レンズの外面形状f1(x、y)= CT+(A/6)x3+(B/6)y3
内側レンズの内面形状f2(x、y)=−CT+(A/6)x3+(B/6)y3
双3次構造のレンズ対が基準位置にあるとき、つまり外側レンズの設計原点と内側レンズの設計原点がともにx=y=0の位置にあるとき、外面と内面は並行なので、任意の位置(x、y)の厚さはxyによらず一定値2CTである。
t(x、y)
=2CT+{(A/6)(x−Δx)3+(B/6)y3}−{(A/6)(x+Δx)3+(B/6)y3}
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3
このうち2CT−(A/3)Δx3はXY原点の厚さであり、xyの値によらない。残りの−Ax2Δx の項はxの2次式である。これはレンズの厚さが原点からのX軸方向の距離の2乗に比例して厚く(Aの値が負であれば薄く)なることを表す。したがって、双3次構造のレンズ対のレンズ効果が近似的にシリンダレンズと等価であることがわかる。このレンズ対の屈折力はX軸方向に生じ、Y軸方向の屈折力はいたるところで0のままである。つまり、X軸方向へのレンズ移動によって断面屈折力を変化させることとなり、光学系の度数が変化することとなる。
次に、基準位置から外側レンズをΔyだけY軸方向に移動し、内側レンズを−ΔyだけY軸方向に移動する。このときも同様の計算によって、双3次レンズ対のレンズ効果が近似的にシリンダレンズと等価であることがわかる。このレンズの屈折力はY軸方向にのみ生じ、X軸方向の屈折力はいたるところで0のままである。つまり、Y軸方向へのレンズ移動についても同様に断面屈折力を変化させることとなり、光学系の度数が変化することとなる。
t(x、y)
=2CT+{(A/6)(x−Δx)3+(B/6)(y−Δy)3}
−{(A/6)(x+Δx)3+(B/6)(y+Δy)3}
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3−By2Δy−(B/3)Δy3
このうち、2CT−(A/3)Δx3−(B/3)Δy3の項はXY原点の厚さであり、これはxyの値によらない。残りの−Ax2Δx−By2Δyの項はxとyの2次式である。ここで、A=B、Δx=Δyとすると、この式は−AΔx(x2+y2)と表される。x2+y2はXY原点からの距離の2乗である。したがって、この式はレンズの厚さが原点からの距離の2乗に比例して厚く(Aの値が負であれば薄く)なることを表す。このことから、双3次構造レンズ対のレンズ効果(屈折力)が近似的に球面レンズと等価であることがわかる。A=BであればΔxとΔyを同期させながら、A=Bでない場合は、Δy=Δx(A/B)という関係を保つようにレンズ対の移動量ΔxとΔyを制御すれば、近似的に球面レンズと等価な屈折力を得ることができる。
また、上記−Ax2Δx−By2Δyの式に対して、
xによる偏微分 ∂t/∂x=−2AxΔx
yによる偏微分 ∂t/∂y=−2ByΔy
となるため、外側レンズと内側レンズの移動量をX軸方向とY軸方向に関してそれぞれ等量とすると、x=y=0において常に∂t/∂x=∂t/∂y=0となる。これはX軸方向とY軸方向に沿った厚さの変化が0であること、つまり水平方向と垂直方向のプリズム効果が0であることを表す。さらにX軸方向とY軸方向だけでなく、原点から反対向きの2方向に沿う厚さの増加量(減少量)は同じである。したがって、原点における厚さの勾配はすべての断面方向に関して0であり、このことは原点にプリズム効果が生じないこと、すなわち原点が光学中心であることを示す。
一方、外側レンズと内側レンズの移動量を不等とした場合、例えば外側レンズと内側レンズの移動量をX軸方向に不等量とすれば、レンズ対の厚さは、
t(x、y)
=2CT+{(A/6)(x−Δx1)3+(B/6)y3}−{(A/6)(x+Δx2)3+(B/6)y3}
=2CT−(A/2)x2(Δx1+Δx2)−(A/2)x(Δx1 2−Δx2 2)−(A/6)(Δx1 3+Δx2 3)
xによる偏微分∂t/∂x=−Ax(Δx1+Δx2)−(A/2)(Δx1 2−Δx2 2)
となり、この場合はx=0においても∂t/∂xは0にならない。したがって、x=y=0において水平プリズムが発生する。同様に、Y軸方向に不等量とすれば垂直プリズムが発生することとなるのがわかる。すなわち、本発明の双3次構造のレンズ対は、水平方向と垂直方向の屈折力に加えて、水平方向と垂直方向のプリズム量も任意の値に制御することができる。これは2枚のレンズを移動させる自由度が4であること(1枚のレンズを移動する自由度が水平方向と垂直方向)に対応する。
図1のレンズについて、有効径を直径30mmとし、片方のレンズの厚さを1mmとした。レンズ素材の屈折率nは1.5のものを用いた。片方のレンズを上下左右及び斜め45度方向に10mmずつ移動して使用することとする。A軸またはB軸のどちらかの方向に沿った10mm移動で、片方のレンズの軸方向の断面屈折力の変化を0.5Dとする。2枚のレンズを相互に移動するので、A軸またはB軸のどちらかの方向に沿って双方を10mmずつ移動すれば、軸方向の断面屈折力を±1.0D変化させることができる。
これらの前提により、X軸方向の断面屈折力は1000(n−1)AΔx(D)となる。Δx=10で、断面屈折力を0.5Dとする。レンズ素材の屈折率nは1.5であるため、1000(1.5−1)A・10=0.5、従って、係数A=0.0001とされる(本実施例1ではA=B)。2枚のこのようなレンズを各スライド移動可能方向に移動させた配置状態とその際のレンズ特性を図2に示す。図2では移動の一例として基準位置から上下左右と斜め方向上下45度の計8方向の移動パターンを例示したが、任意の位置に移動可能であり、移動位置におけるS度数、C度数等の数値は水平距離と垂直距離からすべて算出可能である。
レンズ対をX軸方向に相対移動させるとX軸方向断面の屈折力のみが変化し、Y軸方向に相対移動させるとY軸方向断面の屈折力のみが変化する。X軸方向とY軸方向を等量だけ移動させると、移動の向きによって全体の度数(眼鏡レンズのS度数)が変化するか、あるいは、S+1.00D、C−2.00Dとして表記されるミックス度数のレンズを得る。
図2によれば、基準位置からレンズ対を相対的に水平方向及び垂直方向に移動させることでそれぞれ水平方向及び垂直方向での断面屈折力を増減させることができる。また、その際に平均度数も増減させることができる。一方、レンズ対を相対的に左上と右下の斜め方向へ移動させる場合では平均度数は変化しない。逆にレンズ対を相対的に右上と左下の斜め方向へ移動させる場合では乱視度数を発生させずに平均度数のみを増減させることができる。
乱視軸としては90度方向と180度方向の2方向に乱視軸が設定されることとなる。従来のクロスシリンダレンズは2枚のレンズを個別に少なくとも90度回転する必要があるが、この実施例の場合は最大45度までの同期回転によってすべての軸方向を実現することが可能である。
本実施例2もまずその構造と原理を説明し、次いでその原理に基づいた具体的な光学系の説明をする。
1.構造
実施例2は眼鏡レンズに(つまり光学装置としての眼鏡)に適用した例である。図3に示すような具体的な数値が設定された眼鏡レンズをデザインした。眼鏡レンズはメニスカスレンズ形状であって、外側と内側に配置された両レンズは所定のベースカーブ面で面接触されている。両眼鏡レンズは完全に重なった状態(基準位置)から相対的にすべての方向に移動させることができる。例えば眼科医で当該装用者において最適となるレンズの度数を検眼により決定し、眼鏡店ではその処方度数にもとづいて2枚のレンズの位置関係を確定した状態で不要な部分をカットし、フレーム入れを行うようにして眼鏡を作製する。
(1)設計手法
各レンズに対して所定のベース形状に同じ付加サグ量を合成することで外側のレンズの物体側の面と内側のレンズの眼球側の面を設計する。付加サグ量としては上記数4の式の双3次構造を与えるものとする。この場合のベース形状を、
b(x、y)=CT+Cx+Dy
とする。
(2)屈折力制御のメカニズム
この点は実施例1と同様であるが、実施例2では実施例1とは双3次構造の式が異なるため、改めて説明する。
まず、基準位置から外側レンズをΔxだけX軸方向に移動し、内側レンズを−ΔxだけX軸方向に移動する。つまり2つのレンズをXY原点に関して対称に等量だけ移動するものとする。このとき任意の位置(x、y)の厚さは以下の式で表される。
ベース形状 b(x、y)=CT+Cx+Dyとすると、
外側レンズの外面形状f1(x、y)= CT+Cx+Dy+(A/6)x3+(B/6)y3
内側レンズの内面形状f2(x、y)=−CT+Cx+Dy+(A/6)x3+(B/6)y3
t(x、y)
=2CT+{(A/6)(x−Δx)3+C(x−Δx)}
−{(A/6)(x+Δx)3+C(x+Δx)}
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3−2CΔx
ここで、2CT−(A/3)Δx3−2CΔx はXY原点の厚さであり、xyの値によらない。−Ax2Δxの項は、レンズの厚さが原点からX軸方向の距離の2乗に比例して変化すること、すなわちX軸方向の屈折力を表す。したがって、このレンズ対が近似的にシリンダレンズと等価であることがわかる。このレンズ対の屈折力はX軸方向にのみ生じ、Y軸方向の屈折力はいたるところで0のままである。つまり、X軸方向へのレンズ移動によって断面屈折力を変化させることとなり、光学系の度数が変化することとなる。
t(x、y)
=2CT+{(B/6)(y−Δy)3+D(y−Δy)}
−{(B/6)(y+Δy)3+D(y+Δy)}
=2CT−By2Δy−(B/3)Δy3−2DΔy
ここで、2CT−(B/3)Δy3−2DΔy はXY原点の厚さであり、xyの値によらない。−By2Δyの項はY軸方向の屈折力を表し、このレンズ対が近似的にシリンダレンズと等価であることを示す。つまり、Y軸方向へのレンズ移動によって断面屈折力を変化させることとなり、光学系の度数が変化することとなる。
以上の説明から、このレンズ対の水平方向の相対移動と垂直方向の相対移動を適当に組み合わせることによって、X軸方向の屈折力とY軸方向の屈折力を独立して制御することが可能であることがわかる。
2枚のレンズをX軸方向に相対的に10mmずつ移動させて、X軸方向の断面屈折力を±1Dの範囲で変化させるには、実施例1と同様の理論から、A=0.0001とすればよい。
ところが、実施例2ではレンズが大きいため、レンズ水平方向の端位置(x=40、y=0)における付加サグ量は、(A/6)x3の項に関しては、x=40を代入して、(0.0001/6)・403=1.067となる。これは1.067mmなので、CT=1mmとすると、場所によっては厚さがマイナスになってしまう。そこで、この付加サグ量を半分だけ相殺するようなx1次の項をベース形状に設けて全体の厚さバランスをとる。
(0.0001/6)・403=1.067
C・40=−1.067/2より、係数C=−0.0133とする。
また、2枚のレンズをY軸方向に相対的に20mmずつ移動させて、Y軸方向の断面屈折力を0〜−4Dの範囲で変化させるものとする。
Y軸方向の断面屈折力の変化量は 1000(n−1)BΔYである。
ΔY=20で、断面屈折力の変化量を2.0とする。レンズ素材の屈折率nは1.5として、1000(1.5−1)B・20=2.0となる。従って、係数B=0.0002とすればよい。
また、レンズ垂直方向の端でレンズが最も薄くなる位置(x=0、y=−35)を設定する。この場合における付加サグ量は、(B/6)y3の項に関しては、y=−35を代入して、として、(0.0002/6)・(−35)3=−1.429 となる。これは−1.429mmなので、その付加サグ量を半分だけ相殺するためにy1次の項Dyをベース形状に設けて全体の厚さバランスをとる。
D・(−35)=1.429/2より、係数D=−0.0204とする。
基準位置から、外側レンズをΔxだけX軸方向に、ΔyだけY軸方向に移動し、内側レンズを−ΔxだけX軸方向に、−ΔyだけY軸方向に移動する。つまり2つのレンズをXY原点に関して対称に等量だけ移動する。このとき任意の位置(x、y)の厚さは以下の式で表される。
t(x、y)=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3−2CΔx
−By2Δy−(B/3)Δy3−2DΔy
∂t/∂x=2AxΔxなので、原点においてX軸方向に厚さ変化は無く、水平プリズムは0である。
∂t/∂y=2AyΔyなので、原点においてY軸方向に厚さ変化は無く、垂直プリズムは0である。
xyによって値が変化するのは−Ax2Δx−By2Δyの部分である。原点に関して対称位置にある2つの座標において、この値は等しい。したがって、x=y=0においてはどの方向にも厚さの変化率は0であり、水平・垂直だけでなくすべての方向に関してプリズム効果は生じない。したがって、原点を光学中心として維持できる。
1つのベースカーブのみであらゆるS度数、C度数のレンズに対応させるには無理が生じるため、いくつかの領域にわけて、その領域ごとにベースカーブを適用することとする。本実施例2では製作度数範囲を、S−8.00D〜+6.00D、C−0.00D〜−4.00Dとする。これを以下の表1のように14セットでまかなうように領域分割する。
表1においては、外面レンズの外側ベースカーブ、内面レンズの内側ベースカーブ、接合面のカーブを素材屈折率の1.5換算カーブで表した。カーブ値は(1.5−1を)m単位で表した曲率半径の値で割ることによって得られる。たとえば曲率半径500mmなら1カーブ、100mmなら5カーブ、200mmなら2.5カーブとなる。この実施例では、外面レンズと内面レンズで、均等に度数を配分する構造とした。
図3の眼鏡レンズについて直径60mmの円形が、上下左右に合計20mm移動する範囲が1枚のレンズの形状となる。図3では移動の一例として基準位置から上下左右と27度(26.6度)斜め上下方向(計8方向)に移動させた場合の計8方向の移動パターンを例示したが、任意の位置に移動可能であり、移動位置におけるS度数、C度数等の数値は水平距離と垂直距離からすべて算出可能である。直径60mmの円形が描く軌道を、水平20mm+垂直10mmの斜め移動と10mmの垂直単独移動とした。2枚のこのような眼鏡レンズを各スライド移動可能方向に移動させた配置状態とその際のレンズ特性を図4に示す。図4では当初からレンズが水平面に対して27度(26.6度)傾斜させた状態を基準に移動させているが、これは係数A及びBが実施例1と異なりA≠Bであることからx軸方向とy軸方向の移動量が同じでなくなるため、計算のしやすさを考慮したものである。また、なるべく広い使用領域を確保するために(つまり基準サイズを60mmとするため)に2枚の眼鏡レンズは設計原点を上下方向に10mmずらし、乱視をC−0.00D(別のセット群ではC−2.00D)とする基準位置で重ね合わせた状態で横幅80mmとした。そして、両レンズを20mmずつ左右(X軸方向)及び10mmずつ上下(Y軸方向)に移動して、S度数を±1.00Dの範囲で変化させる。両レンズを垂直方向に10mmずつ上下(Y軸方向)に移動して、最大の乱視C−2.00D(別のセット群ではC−4.00D)を得るようにしている。そして、両レンズを20mmずつ左右(X軸方向)及び10mmずつ上下(Y軸方向)に移動して、S度数を±1.00Dの範囲で変化させる。
1.構造
レーザー光線用ピックアップレンズ用のやや小さいレンズを想定したものである。この実施例3では、レンズを回転させることなく水平移動量と垂直移動量を組み合わせることによって任意方向の非点収差(検眼装置の実施例1と眼鏡レンズの実施例2では乱視と呼んだ)を作り出す。実施例3は上記実施例に対してより小さい移動で、小さい屈折力変化を素早く達成することを目的としたものである。
2枚のレンズの屈折率を1.5、1枚のレンズは厚さ1mm、一辺が12mmの正方形を想定した。有効径を10mmとし、各レンズの最大移動量は上下左右方向に1mmとした。
(1)設計手法
各レンズに対して所定のベース形状に所定の付加サグ量を合成して外側のレンズの物体側の面と内側のピックアップレンズの眼球側の面を設計する。付加サグ量としては数7の式の面構造を与えるものとする。それぞれのレンズの設計中心は、幾何中心に一致させた。係数Aの値は0.0001とした。
それぞれのレンズの幾何中心を原点に配置して、2枚のレンズが完全に重なる状態を基準位置とする。レンズ対が基準位置の状態にあるとき、レンズ対全体の厚さはいたるところで一定値2CTである。これまでに説明した実施例のように、2枚のレンズを移動させたとき、厚さは場所によって異なる値となり、その結果としてレンズ対はプリズム効果と特定断面方向の屈折力を得る。
基準位置から外側レンズをΔxだけX軸方向に、ΔyだけY軸方向に移動する。内側レンズを−ΔxだけX軸方向に、−ΔyだけY軸方向に移動する。つまり2つのレンズをXY原点に関して対称的に移動する。このとき任意の位置(x、y)の厚さは以下の式で表される。
=2CT+{(A/6)(x−Δx)3−(A/2)(x−Δx)(y−Δy)2}−{(A/6)(x+Δx)3−(A/2)(x+Δx)(y+Δy)2}
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3
−(A/2)(x−Δx)(y2−2yΔy+Δy2)+(A/2)(x+Δx)(y2+2yΔy+Δy2)
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3
−(A/2)(xy2−2xyΔy+xΔy2−y2Δx+2yΔxΔy−ΔxΔy2)
+(A/2)(xy2+2xyΔy+xΔy2+y2Δx+2yΔxΔy+ΔxΔy2)
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3+2AxyΔy+Ay2Δx+AΔxΔy2
このうち、2CT−(A/3)Δx3+AΔxΔy2の部分はxyによらず一定値であり、中心厚が2CTから変化した値である。残りの項は屈折力に影響を及ぼすが、それを2つに分けて説明する。
AΔx(−x2+y2) ・・・(A)
2AxyΔy ・・・(B)
ここで、まずΔx=1、Δy=0とすると(A)式はS+0.10D、C−0.20D、AX180のクロスシリンダレンズ(乱視度数があり、かつ平均度数が0Dであるようなレンズ)と近似的に等価である。実際にはΔxの値は±1の範囲を動くので、レンズ対の度数は表2のように乱視軸は移動に伴って連続的に変化し、一方、平均度数は変化しない(この表では平均度数はどの位置でも0Dである)。
y=xの直線上にあって、原点からの距離が1である点は2つあるが、その2点においては、x=y=1/√2または、x=y=−1/√2である。いずれの点においても(B)式の値は、Aとなる。したがって、y=xの直線に沿った断面において、(B)式は屈折力−0.1Dの円と近似的に等しい。
y=−xの直線上にあって、原点からの距離が1である点は2つあるが、その2点においては、x=1/√2、y=−1/√2または、x−1/√2、y=1/√2である。いずれの点においても(B)式の値は、−Aとなる。したがって、y=−xの直線に沿った断面において(B)式は屈折力0.1Dの円と近似的に等しい。
以上から、Δx=0、Δy=1とすると(B)式で表される成分は、S+0.10D、C−0.20D、AX135のクロスシリンダレンズと近似的に等価な屈折力を生じる。実際にはΔyの値は±1の範囲を動くので、レンズ対の度数は表3のように乱視軸は移動に伴って連続的に変化し、一方、平均度数は変化しない(この表では平均度数はどの位置でも0Dである)。
尚、移動量が上記のようなΔx=±1の範囲、Δy=0の場合とΔx=0、Δy=±1の範囲の場合以外でもどの方向の移動によっても平均度数は変化することはない。
軸が45度または135度異なる2つのクロスシリンダレンズを組み合わせることで、任意の大きさ・任意の方向の非点収差を生成できることが知られている。このことを応用し、クロスシリンダレンズと等価な効果を生じる(A)と(B)を組み合わせることによって、回転構造無しで非点収差の大きさと方向を制御するピックアップレンズを構成することができる。
上記表2におけるS+0.05D、C−0.10D AX180と表3におけるS+0.05D、C−0.10D AX45 を合成する計算を例示する。このとき、それぞれのレンズ中心座標は、外側レンズ(+0.05、−0.05)であり、内側レンズ(−0.05、+0.05)である。
まず、S+0.05D、C−0.10D AX180 をJCC(ジャクソンクロシシリンダ)に変換すると、
M 0.00D、J00 0.05D、J45 0.00D となる。
次に、S+0.05D、C−0.10D AX45 をJCCに変換すると、
M 0.00D、J00 0.00D、J45 0.05D となる。
これら2つの結果を加え合わせると、M 0.00D、J00 0.05D、J45 0.05D となる。
これをSCA方式に再変換すると、S+0.07D、C−0.14D、AX22.5 となる。
このようにして、回転構造無しで非点収差の大きさと方向を制御する方法を提供することができる。これは、レーザー光線用ピックアップレンズなどの、高速な応答性を要する機器に適したものである。
基準位置から、外側レンズをΔxだけX軸方向に、ΔyだけY軸方向に移動し、内側レンズを−ΔxだけX軸方向に、−ΔyだけY軸方向に移動する。つまり2つのレンズをXY原点に関して対称に等量だけ移動する。このとき任意の位置(x、y)の厚さは以下の式で表される。
t(x、y)
=2CT−Ax2Δx−(A/3)Δx3+2AxyΔy+Ay2Δx+AΔxΔy2
このうち、2CT−(A/3)Δx3+AΔxΔy2の部分はxyによらず一定値なので、屈折力だけでなくプリズムにも影響しない。残りの項 AΔx(−x2+y2)+2AxyΔyはプリズムに影響を及ぼす。しかしこの項はxの値を−xとして、yの値を−yとしたときに値が変わらない。したがって、原点に関して対称な位置にある2点の厚さは等しいので、原点において水平・垂直を含むすべての方向に関してプリズム効果は生じない。したがって、原点を光学中心として維持できる。
・各レンズ配置における収差分布を最適化するために、上記のような3次の付加サグ量よりも次数の多い項を用いるようにしてもよい。具体的には xαyβ (α≧0、β≧0、α+β≧4)の項を設定し、その係数を調整する。収差分布を最適化するために4次以上の項を用いる理由として、以下のようなものがある。
(1)例えば、眼鏡レンズの場合、レンズを透過して瞳孔を通過する光線が物を見るために利用される。すると、レンズの周辺領域にあっては、光線が光軸に対して斜めになる。すると、外面と内面における光線通過位置のXY座標の違いが大きくなる。本発明においては、外面と内面の対応する光線通過点における、カーブ形状の関係を利用しているので、対応する点のXY座標の違いが大きい場合は調整が必要となる。
(2)レンズを透過する光線が光軸に対してほぼ平行である場合であっても、レンズ外面または内面のほとんどの位置においては、面が光軸に対して傾いている。そのため、光線の角度が変化するプリズム効果があるため、上記(1)ほどではないにせよ、外面と内面の対応する光線通過点のXY座標が異なったものとなる。
(3)3次以上の高次収差を制御するため。(本発明は高次収差のうち2次の収差を制御するため)。
・上記実施例ではレンズの移動方向が計8方向に特定されていたが、それら以外のすべての方向に移動可能としてもよい。
・ 例えば、上記実施例1では、図に9種類の度数を示している。それらは以下A〜Cのどれかである。
A)乱視度数が0Dの、いわゆる球面度数(実施例1では3種類)
B)2つの主経線方向の度数のうち片方が0Dの、いわゆる単性乱視度数(実施例1では4種類)
C)乱視度数があって、平均度数が0Dの度数。クロスシリンダレンズが生じる度数(実施例1では2種類)
ここで他の度数変化の態様のバリエーションとしてD)乱視度数があって、平均度数が0Dでなく、2つの主経線方向の度数の両方とも0Dではないという度数、たとえばS−0.50D、C−0.50D、AX90を得たい場合には上記実施例1でΔx=−10、Δy=−5とすればよい。
・本発明を乱視度数を調整可能な眼鏡、とくに緊急用のものとして応用するようにしてもよい。レンズを移動させるための手段としては、通常は眼鏡フレームで両レンズが動かないように前後から挟みこんで固定し、移動させる際に一旦緩めて所定の移動位置に移動させて再度固定するような手段が想定される。
・本発明では両レンズは一体的に回動するものであって、両レンズがそれぞれ回動するものではない。そのような一方のレンズの他方のレンズに対する回動を防止するために、両レンズが面接触する接合面をシリンダ面として、相対的な回動を防止するように構成してもよい。
・両レンズの間に偏光膜を挟持させるようにしてもよい。また、接合面に染色加工を施してもよい。調光レンズ、偏光レンズ、染色したレンズなどは需要が少ないため眼鏡店に在庫レンズを常備しづらい。とりわけ偏光レンズはレンズを透過する偏光の方向を一定にしなくてはならないので、乱視軸が異なる処方に対してレンズを回転させて枠入れするような対応ができず、そのため作りおきしたレンズを在庫することがほとんど不可能である。そこで、一般には偏光膜を内在させたセミフィニッシュを製造し、これを所定の向きに設定して処方の乱視軸に合わせた切削加工を行う方法によって製造している。2枚のガラスモールドの間に偏光膜を挟んでモノマーを注入、重合してフィニッシュレンズを製造する方法も考えられるが、受注後からレンズ製造するまでに時間がかかってしまうこと、ガラスモールドの間に挟んだ偏光膜の向きを正しく固定することが難しいといった、実際上の問題がある。しかし本発明によれば、乱視軸を処方通りの向きにして、偏光膜の向きを所定の方向に設定した状態で両レンズを接合して固定することができる。そして、固定した後でフレーム入れすることで(フレーム入れすることで固定するようにしてもよい)乱視軸方向と偏光膜の向きが正確な眼鏡を容易に作製することができる。
・両レンズの接合面ではない側にあらかじめハードマルチの二次加工を施すようにしてもよい。プラスチックレンズを切削加工後に2次加工を施すと、その工程でレンズが微妙に変形または変質して度数が変化するので、レンズの度数を正確に仕上げることは非常に難しいことであるが、あらかじめ二次加工を施した両レンズを、度数を測定しながら接合位置を決定して接合すれば、正確な度数を容易に得ることができる。
Claims (16)
- 光軸に対して垂直な2次元平面上において直交するX軸方向とY軸方向を設定するとともに、前記X軸とY軸によって表される座標に基づいて前記2次元平面上に存在する新たな複数の軸方向を設定し、下記(1)及び(2)の条件の曲率と屈折率に基づいて定まる断面屈折力が各軸方向に沿って直線的かつ連続的に変化するようなカーブ形状となる曲面Pを設計し、表裏に付加サグ量を合成するための基準となる面が形成されたベース形状について、そのいずれか一方の面に曲面Pを合成して第1及び第2のレンズ素子を得るようにし、前記第1及び第2のレンズ素子をそれぞれの前記X軸及びY軸方向及び前記新たな複数の軸方向が相互に一致するように並列配置させて光学系を構成し、前記第1及び第2のレンズ素子を前記2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向へ直線的に移動をさせることで非点収差の方向を制御させるようにしたことを特徴とする光学装置の製造方法。
(1)前記新たな複数の軸に沿った方向における曲面Pの曲率
(2)曲面Pを境界としたその前後の異なる媒質の屈折率 - 前記第1のレンズ素子の曲面Pは下記数1の式で定義され、前記第2のレンズ素子の曲面Pは下記数2の式で定義され、屈折率n11の媒質、前記第1のレンズ素子の曲面P、屈折率n12の媒質、屈折率n22の媒質、前記第2のレンズ素子の曲面P及び屈折率n21の媒質の順で配列され下記数3の式が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の光学装置の製造方法。
- 前記2枚のレンズ素子を任意のある第1の方向に沿って相対的に移動させることで、ある方向の非点収差を増減させるとともに、同第1の方向と平行ではない第2の方向に沿って相対的に移動させることで前記とは異なる方向の非点収差を増減させ、これら第1及び第2の方向への移動によって平均度数は変化しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置の製造方法。
- 前記数1の式で定義される前記第1のレンズ素子の曲面Pと、前記数2の式で定義される前記第2のレンズ素子の曲面PがA1=A2、B1=B2の関係であり、かつ前記屈折率n11の媒質、前記屈折率n12の媒質、前記屈折率n22の媒質、前記屈折率n21の媒質がn11=n21、n12=n22の関係であり、前記レンズ素子の曲面Pは下記数5の式で定義され、同式中のA,B,C,p,qは下記数6の式の関係が成り立つことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学装置の製造方法。
- 前記2枚のレンズ素子の曲面Pは下記数7の式で定義されることを特徴とする請求項4に記載の光学装置の製造方法。
- 光軸に対して垂直な2次元平面上において直交するX軸方向とY軸方向を設定するとともに、前記X軸とY軸によって表される座標に基づいて前記2次元平面上に存在する新たな複数の軸方向を設定し、下記(1)及び(2)の条件の曲率と屈折率に基づいて定まる断面屈折力が各軸方向に沿って直線的かつ連続的に変化するようなカーブ形状となる曲面Pを設計し、表裏に付加サグ量を合成するための基準となる面が形成されたベース形状について、そのいずれか一方の面に曲面Pを合成して第1及び第2のレンズ素子を得るようにし、前記第1及び第2のレンズ素子をそれぞれの前記X軸及びY軸方向及び前記新たな複数の軸方向が相互に一致するように並列配置させて光学系を構成し、前記第1及び第2のレンズ素子を前記2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向へ直線的に移動をさせることで非点収差の方向を制御させるようにするとともに、前記第1及び第2のレンズ素子の接触面のカーブ形状を複数用意し、設定されるS度数とC度数に応じて前記カーブ形状を適用するようにしたことを特徴とする光学装置の製造方法。
(1)前記新たな複数の軸に沿った方向における曲面Pの曲率を取得する。
(2)曲面Pを境界として前後の異なる媒質の屈折率を取得する。 - 前記第1のレンズ素子の曲面Pは下記数1の式で定義され、前記第2のレンズ素子の曲面Pは下記数2の式で定義され、屈折率n11の媒質、前記第1のレンズ素子の曲面P、屈折率n12の媒質、屈折率n22の媒質、前記第2のレンズ素子の曲面P及び屈折率n21の媒質の順で配列され下記数3の式が成り立つことを特徴とする請求項6に記載の光学装置の製造方法。
- 前記2次元的な移動とは、前記2枚のレンズ素子を前記2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向への直線的な移動が可能なことである請求項6又は7に記載の光学装置。
- 前記2次元的な移動とは、前記2枚のレンズ素子を光軸を中心に同方向に同期させて回動させるとともに、所定の回動変位位置において前記2枚のレンズを前記2次元平面内で相対的に動線方向が互いに平行とならない複数の方向への直線的な移動が可能なことである請求項6又は7に記載の光学装置。
- 前記2枚のレンズ素子をある特定の第1の方向に沿って相対的に移動させることで、同第1の方向における断面屈折力を増減させるとともに同第1の方向と直交する方向については断面屈折力を増減させず、同第1の方向と平行ではない所定の第2の方向に沿って相対的に移動させることで同第2の方向における断面屈折力を増減させるとともに同第2の方向と直交する方向については断面屈折力を増減させないことを特徴とする請求項6又は7に記載の光学装置の製造方法。
- 前記2枚のレンズ素子をある特定の第1の方向に沿って相対的に移動させることで、あらゆる方向の断面屈折力を均等に増減させ、同第1の方向と平行ではない所定の第2の方向に沿って相対的に移動させることで同第2の方向における断面屈折率を増減させるとともに同第2の方向と直交する方向については断面屈折力を増減させないことを特徴とする請求項8又は9に記載の光学装置の製造方法。
- 前記数1の式で定義される前記第1のレンズ素子の曲面Pと、前記数2の式で定義される前記第2のレンズ素子の曲面PがA1=A2、B1=B2の関係であり、かつ前記屈折率n11の媒質、前記屈折率n12の媒質、前記屈折率n22の媒質、前記屈折率n21の媒質がn11=n21、n12=n22の関係であり、前記両レンズ素子の曲面Pは下記数4の式で定義されることを特徴とする請求項10又は11に記載の光学装置の製造方法。
- 直線的に移動させる際には前記2枚のレンズ素子は同時に逆方向に移動させるようにしたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学装置の製造方法。
- 前記2枚のレンズ素子は同時に逆方向に等距離移動させるようにしたことを特徴とする請求項13に記載の光学装置の製造方法。
- 前記2枚のレンズ素子の間に光学的機能性膜を介在させたことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の光学装置の製造方法。
- 前記光学装置は眼鏡であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の光学装置の製造方法。
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