JP5974154B2 - ロータリーエンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータリーエンコーダに関する。
従来、角度を計測する目的で、インクリメンタルロータリーエンコーダやアブソリュートロータリーエンコーダが用いられる。インクリメンタルエンコーダは一定周期のスリットを放射状にディスクに記録し、そのスリットの相対回転移動を光学的または磁気的に読み取り、原点検出機構と組合せて絶対角度を算出するものである。なお近年はスリットのピッチを80ミクロン程度にまで高精細化し、更に電気分割器にて1ピッチ内の位相を10000分割程度で内挿する高分解能な製品も多数ある。また通常はスリットを1本ずつ読み取るのではなく、複数本を光学的に平均して読み取るため、ごみ、傷、欠陥やスリット自身のパターンのバラツキ誤差が平均化されて、高精度である。しかし最初に原点を検出しないと絶対角度情報が得られないため、特に工作機械やロボット分野への応用は限られていた。
アブソリュートエンコーダは、バイナリーパターンとして各種考案されていて、バイナリーパターンを複数のトラックに記録する所謂グレイコード方式と1トラックに乱数符号を記録する方式がある。しかし、グレイコード方式では異なるトラックの情報の検出の同期が取付誤差により困難になりやすく、分解能はあまり高くない。そこでバイナリー符号1,0を、透過率の大小や、スリット幅の太細や、等間隔に配置したスリットやピットの有無などで表現し、それを循環符号パターンとして、1トラックに記録する方式が提案されている。循環符号パターンとは、1周に1、0をランダムに配置し、隣接するM個のパターンに注目したとき、全周にて同じ配列の箇所が絶対に無いパターンを言う。特許文献1には、循環符号の一種のM系列コードを用いたアブソリュートエンコーダが開示されている。特許文献1記載のアブソリュートエンコーダは、アブソリュートコードパターンの透過部分と非透過部分との比率を変調する方式で、符号の切り替わり部(エッジ部)の位置を高精細な画素の受光素子アレイにて内挿することで分解能を向上させようとしている。
特許文献2には、等間隔に周期的に配列した反射スリットを部分的に除去したアブソリュートコードを使用するするアブソリュートエンコーダが開示されている。特許文献2記載のアブソリュートエンコーダは、アブソリュートコードを記録したスケールを受光素子アレイで撮像した実際の画像情報と予め計算した参照デーブルデータとをパターンマッチング(相関演算)して絶対位置を計測する。
しかし、以上のような1トラック方式のアブソリュートエンコーダを円筒面にスケールが形成されたロータリーエンコーダに適用する場合、特有の問題が発生する。第1の問題は、円筒面に形成されたマークに光束を照明しマークで反射した光を受光素子アレイで検出する際に、円筒面と投受光ユニット(ヘッド部)との間隔dが変化することにより投影倍率が変動することである。この第1の問題に関し、特許文献3には、間隔の大きさを検出するセンサを設置することで、円筒面とヘッド部とを適正な間隔dで取り付けることが開示されている。
第2の問題は、周期歪みが発生することである。周期歪みは、特に円筒面の半径Rが小さい場合、円筒面の正面に照明される光束に比較して円筒面の周辺部に照明される光束が直線状の受光素子アレイ上に投影される際に拡大倍率が大きくなってしまう現象である。周期歪みが存在すると、受光素子アレイ上の明暗パターンの周期が周辺部ほど伸びてしまう。特許文献3には、
周期歪みに関しては何ら示唆がない。
1トラック方式のアブソリュートロータリーエンコーダの場合、受光素子アレイの中央部も周辺部も高精度に投影パターンの強度、位相情報を正しく検出しないとコードの誤りや位相の検出(内挿)誤差が生じる。そこで従来は近似的に平面と見なされる比較的大きなR(50mm程度)の円筒面にスケールが形成された製品のみが実用化されている。
特開昭60−89713号公報 特表2004−529344号公報 特表2008−539409号公報
したがって、円筒面にスケールが形成されたアブソリュートロータリーエンコーダの場合、円筒面とヘッド部との間隔の変化によるマークの投影倍率の変化、周期歪の影響をキャンセルして円筒面の小型化にも対応可能とすることが求められる。また、円筒面とヘッド部を分離した所謂モジュール型エンコーダにおいては、取り付け誤差への寛容性があることや、取り付け状態が適正であることの情報を出力する機能も具備することも実用化には重要である。したがって、そのような機能を内蔵するアブソリュートロータリーエンコーダが望まれる。
本発明は、計測精度の点で有利なロータリーエンコーダを提供することを例示的目的とする。
本発明は、ロータリーエンコーダであって、複数のマークが周方向に沿って周期をもって配列された円筒面を含み、該円筒面の軸を回転軸として回転する円筒体と、前記円筒面に向けて光を射出する光源と、複数の光電変換素子を含み、該複数の光電変換素子によって前記複数のマークの中の所定の数のマークを前記光源から射出された光で検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて前記円筒体の回転角度を得る信号処理部と、を備え、前記検出器は、不均一な複数の周期をもった、前記所定の数のマークに対応する周期信号を出力し、前記信号処理部は、前記周期信号と、前記光源と前記円筒面と前記検出器との幾何学的配置に基づいて得られる不均一な複数の周期および基準位相をもったデータとに基づいて、前記回転角度を得る、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、計測精度の点で有利なロータリーエンコーダを提供することができる。
アブソリュートロータリーエンコーダの上面図及び側面図である。 アブソリュートロータリーエンコーダの信号処理のフローを説明する図である。 円筒面の半径と受光素子アレイ上の投影位相との関係を示すグラフである。 アブソリュートコードの整数部の決定を説明する図である。
以下に、本発明の実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、複数のマークが円筒面に形成された円筒体を有するアブソリュートロータリーエンコーダの構成を説明する図であり、図2は、その信号処理のフローを説明する図である。図1に示すように、半径Rの円筒面に間隔dをおいてヘッド部HEADが配置されている。ヘッド部Headには、円筒面に向けて光を射出する光源(点光源LED)と円筒面に配列されたマークで反射された光を検出する検出器(受光素子アレイPDA)とが設置されている。
円筒体は、円筒面の中心軸(回転軸)Oを回転中心としてヘッド部Headに対して回転する。円筒面には、非反射スリットが等間隔で放射状に配置され、非反射スリットの間に反射スリット又は半反射スリットが一定の周期で周方向に配列されている。この反射スリット及び半反射スリットが、受光素子アレイPDAによって検出される複数のマークを構成している。もちろん、円筒面に、反射スリットを等間隔で放射状に配置し、反射スリットの間に非反射スリット又は半反射スリットを一定の周期、間隙で周方向に配列し、非反射スリット及び半反射スリットで複数のマークを構成することもできる。半反射スリットは、反射スリットに薄膜の付設、反射スリットのサイズの縮小、ハッチングパターン等による部分遮断などにより実現できるが、反射光量を減少できるのであればどの手法を用いても構わない。図1ではマークを構成する反射スリット、半反射スリットを模式的に太い線で示している。図1では詳細は記述しないが、スリットの反射光量の大小が受光素子アレイPDAの周期信号の振幅の大小に対応している。
この実施形態では反射スリット及び半反射スリットの2種類(複数種類)のスリットが2種類(複数種類)のマークを構成し、2種類のマークが複数配列されてMビットのアブソリュートコードを形成している。この実施形態では、2種類のマークは形状が同じで反射率が互いに異なり、かつ、2種類のマークのそれぞれはマーク内において一様の反射率を有している。受光素子アレイPDAは、マークの周期よりも小さいピッチで配置された複数の光電変換素子を含む。複数の光電変換素子は、円筒面に形成された複数のマークの中の所定の数のマーク(反射スリット及び半反射スリット)を検出する。受光素子アレイPDAへの入射光の明暗分布は図2のGRPH0のようになる。受光素子アレイPDAの各光電変換素子から明暗に応じた複数のマークの信号が電気信号として出力される。本実施形態では、受光素子アレイPDAから出力される複数の電気信号は一旦レジスタに収容され、それを外部から印加されたクロック信号をトリガにしてシリアル転送される。
シリアル転送された信号波形GRPH1は、受光素子アレイPDAに入射する光量分布を示すGRPH0と同じである。信号波形GRPH1は、中央部の周期が狭く周辺部が広がった正弦波波形がアブソリュートコードによってその振幅が変調されたものとして示されている。しかし、実際の波形は、円筒面と受光素子アレイPDAとの間隔の変動により三角波になったり台形状になったりして正弦波に歪が加わっている。この受光素子アレイPDAからの出力波形は、以降、受光素子アレイPDAの有効チャンネル数に対応した「波形データ」として扱い、以降の算出部(信号処理部)CULCにて次々と「波形データ」が変換されるとする。
円筒体の絶対回転角度を算出する算出部CULCにおける信号処理を図2にて説明する。算出部CULCは、受光素子アレイPDAの出力するシリアル転送波形GRPH1に基づいて受光素子アレイPDAの位置における円筒体の絶対回転角度を算出する。受光素子アレイPDAには、円筒面のスリットからの反射光が明暗パターンとして投影される。しかし、光源LEDと円筒面と受光素子アレイPDAとの幾何学的配置に起因して、円筒面における所定の数のマークの領域が受光素子アレイPDAに歪んで投影される。その結果、受光素子アレイPDAの中央部から周辺部に行くに従って明暗パターンの間隔が伸びていく。また、受光素子アレイPDAの各光電変換素子から出力される明暗の位相がずれていく。すなわち、受光素子アレイPDAによって検出された所定のマークの信号は、周期が不均一にされている。
この受光素子アレイPDA上に投影されるパターンの不均一性を示す位相のずれ(補正データ)は、光源LEDと円筒面と受光素子アレイPDAとの幾何学的配置に関するパラメータを用いて予め演算することができる。そして、算出部CULCは、この位相ずれデータを用いて周期の不均一性を低減するように各光電変換素子からの出力を補正する。幾何学的配置に関するパラメータは、円筒面の半径R、円筒面と点光源及び受光素子アレイとの間の間隔d、光電変換素子番号N(中央部を0として±で表現する)、受光素子アレイのピッチPT、円筒面に形成されたスリットの本数/周Uを含む。今、N番目の光電変換素子に入射する明暗パターンの基準位相φを関数φ(N)で表現することとする。円筒面に形成されたスリットがヘッド部Headから見たときの正面に位置する状態にあるとき、そのスリットの明暗パターンの基準位相をゼロと定義する。すなわち位相ゼロでは光電変換素子番号No.0に入射した反射光量が極大になる。
例えば、図3(a)のように、PT=0.0125mm、R=6.25mm、d=3mm、U=512とする。そうすると、円筒面におけるスリットの周上のピッチは約0.077mmである。このとき光電変換素子番号に対応するパターンの基準位相φは、図3(a)のようになる。なお、横軸は光電変換素子番号、縦軸は位相φを表す。グラフは直線ではなく曲がっている。この計算例の円筒面におけるスリット本数は、U=512=2^9で、9ビットなので、9周期分の領域の明暗パターンを正しく受光すればよい。しかし、位相を計算する都合で前後の明暗パターンの情報も必要なため更に±1周期分の領域のデータを用いる。そうすると、図3(a)の縦軸でφ=±5.5の領域の基準位相の値を、図2のレジスタRGST(SIN+)に保持する。またレジスタRGST(SIN-)には、この基準位相に半周期即ち+0.5加算した値を保持する。レジスタRGST(cos+)には、この基準位相に1/4周期即ち+0.25加算した値を保持する。レジスタRGST(cos-)には、この基準位相に3/4周期即ち+0.75加算した値を保持する。
別の例では、図3(b)に示されるように、PT=0.0125mm、R=25mm、d=3mm、U=2048とする。そうすると、円筒面におけるスリットのピッチは前と同じ約0.077mmである。このとき光電変換素子番号に対応するパターンの基準位相φは、図3(b)のようになる。なお、横軸は光電変換素子番号、縦軸は位相φを表す。グラフは直線に近いが僅かに曲がっている。また傾きが図3(a)と違っている。この計算例の円筒面におけるスリット本数は、U=2048=2^11で、11ビットなので、11周期分の明暗パターンを正しく受光すればよいが、位相を計算する都合で前後の情報も必要なため更に±1周期分の領域のデータを用いるとする。そうすると、図3(b)の縦軸でφ=±6.5の領域の基準位相の値を 図2のレジスタRGST(SIN+)に保持する。またレジスタRGST(SIN-)には、この基準位相に+0.5加算した値を保持し、レジスタRGST(cos+)には、この基準位相に+0.25加算した値を保持し、レジスタRGST(cos-)には、この基準位相に+0.75加算した値を保持する。
演算ユニットAVEは、各光電変換素子およびその周辺の相対位相が(−π〜+π)の一周期にわたる領域の光電変換素子の和信号を演算しGRPH2のような波形に変換し、波形の最大値Maxと最小値Minを記憶しておく。更に、コンパレータCOMは、演算ユニットAVEによって演算されたGRPH2の波形を中間強度にて量子化(2値化)してGRPH3のようなデータ列に変換する。このデータ列は、アブソリュートコードの仮の整数部となる。算出部CULCは、第1の仮のアブソリュートコードをマークの周期を最小単位とする第1角度データに変換する。
更に、演算ユニットGAINにて、GRPH4のようなゲイン補正データを生成し、受光素子アレイPDAから得られたGRPH1の波形データにGRPH4のゲイン補正データ乗算器MULT0で乗算する。この乗算によって、アブソリュートコードの振幅変調の影響が除去されて振幅が規格化されたGRPH5のような波形データを生成する。
このGRPH5の波形データは、4つの信号に分配される。乗算器MULT1は、分配された信号の中の1番目とレジスタRGST(SIN-)に保持された波形データ{(1−sin2πφ)/2}とを乗算する。乗算器MULT2は、分配された信号の中の2番目とレジスタRGST(cos-)に保持された波形データ{(1−cos2πφ)/2}とを乗算する。乗算器MULT3は、分配された信号の中の3番目とレジスタRGST(sin+)に保持された波形データ{(1+sin2πφ)/2}とを乗算する。乗算器MULT4は、分配された信号の中の4番目とレジスタRGST(cos+)に保持された波形データ{(1+cos2πφ)/2}とを乗算する。加算器SUM1〜SUM4は、各要素の出力値の総和を演算することで、所謂インクリメンタルエンコーダにおける互いに90°の位相差を有するA(+)、B(+)、A(-)、B(-)の4相の位相信号(電圧)を生成する。
アークタンジェント演算器ATANは、総和信号A(+)とA(-)との差信号、及び、総和信号B(+)とB(-)との差信号を用いてアークタンジェント演算ATN(または、除算によるテーブル参照)する。そうすると、算出部CULCは、所謂インクリメンタルエンコーダと同等の分解能を有する周期信号の位相PHSを算出することができる。なお、φ はシリアル転送波形が明暗1周期分移動する位相を2πで割った値に相当する。この位相PHSの情報は、受光素子アレイPDA自体から出力される元の正弦波信号が三角波に近くなっていたり台形になっていたりしても、非常に高精度であり通常1000分割以上に位相の内挿が可能である。例えばアークタンジェントした値をKビットのレジスタRGST7に収容すれば、内挿部である周期信号の位相PHSをKビットで表現できる。算出部CULCは、振幅が規格化された周期信号の少なくとも1つの位相PHSの情報から、マークの周期を分割した区分の長さの分解能で第1角度データよりも最小単位が小さい第2角度データを算出する。
GRPH3の仮の整数部からアブソリュートコードのMビットの整数部を生成する方法を説明する。まず周期信号の位相PHSを10進数表示の小数点以下の値に換算した値をθとし、0≦θ<1の領域の値を有するとする。図4は、円筒面に形成されたスリットが一方向に回転移動していきθの値が0.25刻みで変動した場合の7ビット分の(明暗7周期分)の領域を示す。図4の6つのθの値における2つのグラフは、それぞれ受光素子アレイ出力波形のグラフ(図2のGRPH1に相当)と仮の整数部のグラフ(図2のGRPH3に相当)である。そして、θの値に相当する基準位相の光電変換素子を選定しそこからデータを抜き出した値をその下部に0または1の数値を記している。
図4の(C)、(D)に示されるように、0≦θ<0.5の場合は、7ビットのデータの前後を捨ててコード「01001」を採用する。また、図4の(E)に示されるように、0.5≦θ<1の場合は、7ビットのデータの前2つを捨ててコード「01001」を採用する。
図4の(A)、(B)は(C)より反対向きに移動した場合に相当する。そのため、0.5≦θ<1の場合なので、7ビットのデータの前2つを捨ててコード「10011」を採用する。なお、(C)の位相をゼロとするとマイナス側なので1つ前のコードになることで正しい。このような取得ルールは1例であるが、内挿部の位相θにより、仮の整数部から規定のルールに従いデータを抜き出して配列させることで、アブソリュートコードのMビットの真の整数部が決定できる。
最終的に出力するMビットの整数部は円筒面に形成されたスリットに記録された循環符号のままでも良いが、望ましくは一般的な2進符号に変換する。算出部CULCは、以上のように得られたMビットの整数部M-CODEとKビットの内挿部K-CODEとを合成して円筒体の絶対回転角度を表すデータを生成し、シリアル信号として出力する。
以上の動作は、周期の不均一性の補正データの演算の基礎とされたヘッド部HEADと円筒面の幾何学的配置が設計時の基準値とおりである場合に成立する。しかし実際は、ヘッド部HEADと円筒面との間隔d(相対位置)は、設計時の基準値とおりではなく誤差が発生している。このヘッド部HEADと円筒面との間隔dの誤差が許容範囲内か否かは、算出部CULCにより補正された所定の数のマークの信号を用いて判定することができる。本実施形態では、誤差が許容範囲内か否かを判定するために用いられる、補正されたマークの信号として、図2のレジスタRGST6に保存された、4相インクリメンタルエンコーダ相当の4相信号(A+,B+,A-,B-)の二乗和を使用する。例えば4相信号(A+,B+,A-,B-)の二乗和の値が規定の値以上になると発光ダイオード(LED)が連続点灯し、規定の値より僅かに下回ると点滅し、更に少ないと点灯しないなどの方法で、誤差の程度を表示することが可能である。もちろん出力端子より二乗和の値を直接出力しても良い。
誤差の程度が大きい場合、算出部CULCは、間隔の値の変更、変更された間隔の値を用いた周期の不均一性の値の修正、修正された不均一性の値を用いたマークの信号の補正を、誤差が許容範囲内となるまで繰り返し実行する。具体的には、間隔dの値を変化させてレジスタRGST(SIN-)、RGST(COS-)、RGST(SIN+)、RGST(COS+)の波形データを変更し、その結果としても二乗和の値を確認し、二乗和の値が極大になるようなdに変更する。そうすることで、自動的に最適な状態で信号の検出が出来るようになる。即ち、ヘッド部Headと円筒面との配置時に両者の間隔に配置誤差があっても、安定して動作することが可能になり結果として配置誤差に対して寛容性の高い、アブソリュートロータリーエンコーダを実現できる。
本実施形態では、マークの領域が検出器に歪んで投影されることに起因するマークの周期の不均一性の影響をキャンセルできるので、大径から小径に至る所望の径の円筒面を有するアブソリュートロータリーエンコーダの計測精度を向上できる。 また、円筒面とヘッド部との間隔が適正であるかどうかの情報が得られるので、ヘッド部を円筒面に対して適正な位置に容易に修正することが可能になる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態の構成にとらわれず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。上記の実施形態では、スリットは円筒面の外側面に形成されていて、ヘッド部Headが円筒面の外側に配置されていた。しかし、円筒面の内面にスリットを形成し、ヘッド部Headを円筒面の内側に配置しても良い。この場合、中上記の実施形態とは逆に、周辺部に行くに従って徐々に明暗周期が狭まるようになる。そのため各受光素子から出力される位相が不等間隔にずれているように構成されている。それの対応は上記の実施形態と同様の方法で解決される。
上記の実施形態では、非反射スリットを等間隔で配置し、その間に反射スリット又は半反射スリットを配置することでアブソリュートコードの埋め込みを行っている。しかし、逆に、全反射スリットを等間隔で配置し、その間に非反射スリット又は半反射スリットを配置することでアブソリュートコードの埋め込みを行っても良い。その場合の光量分布は、GRPH0の波形を上下反転させたものになり、それに応じて2値化処理等を変更すれば同様に構成が可能である。
上記の実施形態では、反射光量を100%と50%の2値とした。しかし、反射光量をその他の値、例えば100%及び70%にしたり、2値以上、例えば、100%、75%、50%及び25%の4値にした循環コードを用いても良い。その場合は1スリットあたり2ビット以上の情報を埋め込める。さらに、受光素子アレイPDAは、アブソリュートコードのビット数以上の明暗数のパターンを受光素子数にして、信号を取り込み演算しても良い。その場合は、周期信号の所謂「インクリメンタルエンコーダの格子の平均化効果」が増大し、更なる高精度化が得られる。また適切な信号処理により部分的な読込みエラーの影響を軽減する(冗長性が増す)方法も適用できる。
上記の実施形態では、光源(発光素子)LEDと円筒面との間隔dと円筒面と受光素子アレイPDAとの間隔dを等しく構成したが、その条件からずれても本発明の構成は成立する。但し、投影倍率が変わることに留意が必要である。また、本発明は、円筒面に形成したマークを透過した光を受光するように構成した透過型エンコーダに変形が可能である。その場合は、円筒面の内部及び外部に発光素子LED及び受光素子アレイPDAをそれぞれ別々に配置すればよい。但し、投影倍率が変わることに留意が必要である。
本実施形態では、図2に示されるように、算出部CULCは、4つのレジスタに基準位相波形を保持し、それを受光素子アレイPDAから得た周期信号(振幅規格化済み)と乗算することで、インクリメンタルエンコーダと同等な4相位相差信号を生成した。しかし、同等の機能を他のアルゴリズムやフローで実現させても良い。例えば、受光素子アレイからの信号を並列アナログ回路で加減乗算処理する方法、シリアルアナログ回路で加減乗算処理又はフィルタリング処理する方法、受光素子アレイの信号を直ちにAD変換し、デジタル情報としてFPGA等にて演算処理する方法がある。本実施形態では、発散光を直接円筒面のスリットに照明したが、コリメートして平行光を照明する方法、シリンダーレンズで一方向のみコリメートする方法など投影光学系の変形が可能である。
LED:光源。PDA:検出器。CULC:信号処理部。

Claims (11)

  1. ロータリーエンコーダであって、
    複数のマークが周方向に沿って周期をもって配列された円筒面を含み、該円筒面の軸を回転軸として回転する円筒体と、
    前記円筒面に向けて光を射出する光源と、
    複数の光電変換素子を含み、該複数の光電変換素子によって前記複数のマークの中の所定の数のマークを前記光源から射出された光で検出する検出器と、
    前記検出器の出力に基づいて前記円筒体の回転角度を得る信号処理部と、
    を備え、
    前記検出器は、不均一な複数の周期をもった、前記所定の数のマークに対応する周期信号を出力し、
    前記信号処理部は、前記周期信号と、前記光源と前記円筒面と前記検出器との幾何学的配置に基づいて得られる不均一な複数の周期および基準位相をもったデータとに基づいて、前記回転角度を得る、
    ことを特徴とするロータリーエンコーダ。
  2. 前記信号処理部は、前記周期信号と前記データとの間の乗算を行う乗算器と、該乗算器の出力値の総和を得る加算器とを含み、前記総和に基づいて、前記回転角度を得る、ことを特徴とする請求項1に記載のロータリーエンコーダ。
  3. 前記信号処理部は、前記基準位相の互いに異なる複数の前記データに関する複数の前記総和から互いに位相の異なる複数の位相信号を得、該複数の位相信号に基づいて前記回転角度を得る、ことを特徴とする請求項2に記載のロータリーエンコーダ。
  4. 前記光源は点光源である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のロータリーエンコーダ。
  5. 前記複数のマークは、複数種類のマークを含み、前記周期および間隙をもって前記周方向に沿って配列され、
    前記信号処理部は、
    前記複数の周期それぞれに関して前記周期信号の振幅を量子化することによって前記所定の数のデータで構成されるデータ列を生成し、該データ列に基づいて第1角度データを得、
    前記周期信号と前記データとに基づいて、前記複数の周期のうち少なくとも1つに関する前記周期信号の位相を得、該位相に基づいて、前記第1角度データの分解能より分解能の高い第2角度データを得、
    前記第1角度データと前記第2角度データとに基づいて、前記円筒体の絶対回転角度を表すデータを生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のロータリーエンコーダ。
  6. 前記量子化の前に、前記複数の光電変換素子のそれぞれとその周辺の、前記複数の周期のうちの対応する一周期にわたる光電変換素子に関して前記周期信号の和を得る、ことを特徴とする請求項5に記載のロータリーエンコーダ。
  7. 前記データは、前記幾何学的配置に基づいて予め得られて保持されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のロータリーエンコーダ。
  8. 前記信号処理部は、前記周期信号と前記データとに基づいて、前記幾何学的配置のその基準値からの誤差が許容範囲内にあるか判定する、ことを特徴とする請求項7に記載のロータリーエンコーダ。
  9. 前記信号処理部は、前記誤差が前記許容範囲内にないと判定した場合、前記基準値の変更と、該変更のなされた該基準値に基づく前記データの変更とを、前記誤差が前記許容範囲内になるように実行する、ことを特徴とする請求項7に記載のロータリーエンコーダ。
  10. 前記複数の光電変換素子は、前記光源から射出されて前記所定の数のマークで反射した光を検出する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のうちいずれか1項に記載のロータリーエンコーダ。
  11. 前記複数の光電変換素子は、前記光源から射出されて前記所定の数のマークを透過した光を検出する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のうちいずれか1項に記載のロータリーエンコーダ。
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