JP5974146B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って、画像表示部での表示や各種のランプの点灯、スピーカによる音響等の各種の演出が行われる。
このような遊技球の遊技に伴う各種の演出として、従来から種々の構成・態様が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、保留数が8個に達し、その8個の保留の中に当たりとなる保留が含まれていることを条件として、予告メッセージの各文字を8個の保留表示部に割り当て、操作ボタンを押すことを遊技者に促すボタン操作アイコンを各保留表示部に対応させて表示し、そして、操作ボタンが遊技者によって押される毎に、保留表示部を1つずつ選択し、その保留表示部に割り当てられていた文字を段階的に表示するという構成が開示されている。
特開2013−78554号公報
ここで、遊技をしている際に連続して入賞することは頻繁にあるわけではないことから、そのような連続入賞したときに遊技機が演出上の反応をすることで、遊技者は気持ちの高まりを感じて遊技に対する集中力を維持回復することがあり得る。
本発明は、入球状況に関する遊技性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明が適用される遊技機は、遊技球の入球を検出手段211,212,214,215,217で検出する遊技機100であって、前記検出手段211,212,214,215,217により入球が検出される時間情報を取得する取得手段301,304と、前記取得手段301,304により相前後して取得される時間情報により特定される入球の時間間隔Δtが所定値T未満であるか否かの判定を行う時間間隔判定手段301と、前記時間間隔判定手段301による判定結果を順次記憶する記憶手段303と、画像を表示する表示手段114と、を備え、前記記憶手段303により記憶されている前記判定結果が所定数のときに当該所定数の判定結果が所定条件を満たす場合に正常でないことを示唆する画像を前記表示手段114に表示することを特徴とするものである。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、入球状況に関する遊技性の向上を図ることが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 パチンコ遊技機の部分平面拡大図である。 パチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。 遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 乱数の構成例を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートである。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 エンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 第1の構成例に係る振り分け装置を説明する正面図である。 第2の構成例に係る振り分け装置を説明する正面図である。 第3の構成例に係る振り分け装置を説明する正面図である。 第1の実施の形態におけるモード移行を説明するタイムチャートである。 第2の実施の形態における振り分け制御処理を説明する図である。 演出テーブル選択処理を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態における保留表示演出処理を説明するフローチャートである。 保留表示演出処理により選択される保留表示の演出態様を説明する図である。 応用例に係る入賞個数表示の演出態様を説明する図である。 第4の実施の形態における遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図である。 事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部の動作の一部を示すフローチャートである。 演出制御部での事前判定コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部での演出実行コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 特定演出コマンド処理の内容を示すフローチャートである。 特定演出に伴って画像表示部に表示される画像例を説明する図である。 付加演出テーブルの概要を示す図である。 演出制御部での演出制御処理の内容を示すフローチャートである。 第5の実施の形態における保留表示態様選択処理の内容を示すフローチャートである。 保留表示態様選択処理により切り換えられる保留表示態様を説明する図である。 他の保留表示態様を説明する図である。 第6の実施の形態における特定演出コマンド処理を説明するフローチャートである。 演出テーブルの概要を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
通常の確率で大当たり抽選を行う低確率状態と、低確率状態よりも高い確率で大当たり抽選を行う高確率状態とを有している。なお、所定の条件において低確率状態と、高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。なお、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。ここで、時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたはすべての組合せによって制御される。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、パチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば8個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知してもよい。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば8個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば8個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことを言う。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たりが有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが例えば15回繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が15回行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121および第2始動口122の入賞における未変動分の保留数Uが上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を8個としている。保留数Uが上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
なお、ここにいう未変動分の保留数Uは、第1始動口121の入賞分と第2始動口122の入賞分とを加算した値である。
一方、保留数Uが上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Uの値を1加算する(ステップ603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態か低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターン(変動態様)を特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数Uの増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122および第2始動口122の入賞における未変動分の保留数Uが上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を8個としている。保留数Uが上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数Uが上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Uの値を1加算する(ステップ609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わないパチンコ遊技機100においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数Uの増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
ステップ704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、ステップ703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜804)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留と第2始動口122の入賞に係る保留とを区別していないので、この処理を対応する始動口ごとに個別に行うものではない。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、第1始動口121および第2始動口122の入賞に係る保留数Uが1以上か判断する(ステップ803)。保留数Uが1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数Uの値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動制御部233は、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ814)。
ステップ804で保留数Uを減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ805)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(ステップ814、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ806、807)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ808)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ809)。ステップ809でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ809で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ810)。すなわち、ステップ808で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ807の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ810でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ810でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をステップ806の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(ステップ811)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ812)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ813)。停止中処理の内容については後述する。ステップ812でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ806)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のステップ604または610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ807)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数値およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ809でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ813)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、ステップ1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。また、遊技制御部200は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ814)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄変動制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄変動制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄変動制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄変動制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では1009)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303(図3参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップ1901でNo)、またはステップ1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ809)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップ1901およびステップ1904でNo)、またはステップ1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップ1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ812)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904およびステップ1906でNo)、またはステップ1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1908)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(ステップ1118)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906およびステップ1908でNo)、またはステップ1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1910)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップ1413)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906、ステップ1908およびステップ1910でNo)、またはステップ1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップ1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図21は、図19の演出選択処理(ステップ1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
詳述しないが、ステップ2104における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図18のステップ1801において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図22は、図19の変動演出終了中処理(ステップ1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303(図3参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップ2203でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップ2205)。モードフラグが0でない場合(ステップ2205でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(ステップ2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップ2207)。Mの値が0になったならば(ステップ2207でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(ステップ2208)。
ステップ2205でモードフラグが0であった場合(ステップ2205でYes)、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップ2207でNo)、またはステップ2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップ2204でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップ2209)。ここで、図20を参照すると、ステップ2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、ステップ2205でモードフラグが0であった場合およびステップ2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図23は、図19の当たり演出選択処理(ステップ1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図24は、図19のエンディング演出選択処理(ステップ1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
図25は、図19の客待ちコマンド受信処理(ステップ1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップ2504でYesまたはステップ2503でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ2505)。タイムアップしていない場合(ステップ2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ2505でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップ2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップ2507)。
以上のようにして客待ちコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドのいずれかがセットされている。
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン等が操作されたならば(ステップ2601でYes)、演出制御部300は、演出ボタン等の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303(図3参照)にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップ2602)。
この後、演出制御部300は、図18(b)のコマンド送信処理(ステップ1813)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔振り分け装置10について〕
次に、遊技盤110の前面に配設される振り分け装置10(例えば図27参照)について説明する。ここにいう振り分け装置10は、遊技領域111(図1参照)に発射された遊技球を第1始動口121の方向または第2始動口122の方向に進ませるのに用いられるものである。すなわち、振り分け装置10は、振り分け装置10に進入した遊技球を第1始動口121の方向と第2始動口122の方向のいずれか一に振り分けるためのものである。なお、振り分け装置10の図示を図1では省略している。
付言すると、いずれか一に振り分けられた遊技球が、振り分けられた側の始動口121,122に必ず入球する構成(所謂こぼれない構成)のほか、必ず入球するとは限らない構成(所謂こぼれる構成)を採用することも考えられる。
このような振り分け装置10は、遊技球を振り分けるための振り分け部材12を備えており(例えば図27参照)、かかる振り分け部材12が動く仕組みにより、振り分け装置10を分類することができる。すなわち、振り分け装置10は、外部から入力される駆動力で振り分け部材12が動く場合(駆動力入力)と、振り分けられる遊技球の自重により振り分け部材12が動く場合(遊技球の自重利用)と、に分類される。
振り分け部材12の始動口121,122に対する状態切り換えに関して、振り分け装置10の種類を分けることができる。
まず、遊技球を第1始動口121の方向に振り分ける状態(第1始動口振り分け状態)と、遊技球を第2始動口122の方向に振り分ける状態(第2始動口振り分け状態)と、が選択的に出現するように構成される振り分け装置10を挙げることができる。
また、第1始動口振り分け状態と、第2始動口振り分け状態と、遊技球が第1始動口121の方向に振り分けられたり第2始動口122の方向に振り分けられたりするような状態(略均等振り分け状態)と、が選択的に出現するように構成される振り分け装置10を挙げることができる。
さらに、遊技球を第1始動口121の方向と第2始動口122の方向のうち予め定められた一の方向に振り分ける状態(特定方向振り分け状態)と、略均等振り分け状態と、が選択的に出現するように構成される振り分け装置10を挙げることができる。
このように、振り分け部材12の始動口121,122に対する姿勢に応じて、振り分け装置10の遊技球振り分け状態が変わる。
以下、振り分け装置10を具体的に説明する。すなわち、上述した振り分け装置10についての種々の構成を示しつつ、説明する。なお、後述する振り分け装置10の構成は、その一例を示すものであってこれに限定されることはなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変形することができる。
〔振り分け装置10についての第1の構成例〕
まず、振り分け装置10についての第1の構成例を説明する。
図27は、第1の構成例に係る振り分け装置10を説明する正面図であり、同図の(a)、(b)および(c)の各々は、互いに異なる振り分け状態を示す。
同図に示すように、振り分け装置10は、遊技領域111の一部を振り分け領域とするためのカバー部10a,10bを備えている。このカバー部10aは、正面視で、振り分け装置10の左側に位置し、また、カバー部10bは、振り分け装置10の右側に位置する。
カバー部10aとカバー部10bとの間には、流下する遊技球が進入する進入口10cが形成されている。そして、略中央に位置する進入口10cの下斜め左寄りに第1始動口121が位置し、また、進入口10cの下斜め右寄りには、電動チューリップ123を備える第2始動口122が位置する。
付言すると、振り分け装置10内において、進入口10cから第1始動口121に向かう領域10Lが存在し、また、進入口10cから第2始動口122に向かう領域10Rが存在する。
振り分け装置10は、進入口10cに位置する遊技くぎ11と、遊技くぎ11の下方に位置し、進入口10cから進入する遊技球を左右に振り分ける作用を行う振り分け部材12と、を備えている。
この振り分け部材12は、回転軸12a周りを回転可能に遊技盤110(図1参照)に保持されている。この回転軸12aは、振り分け部材12において下端寄りに位置する。
さらに説明すると、振り分け部材12には、駆動源としてのモータ(不図示)の駆動力が伝達される。より具体的には、かかるモータ(不図示)は、遊技制御部200の制御下でランプ制御部320(図3参照)により駆動制御される。こうして、振り分け部材12は、外部から供給される駆動力により、回転軸12aを中心に回転し、第1始動口121および第2始動口122に対する姿勢を変える。
なお、本構成例では、振り分け部材12に対する遊技球の衝撃を緩和するために遊技くぎ11を備えるが、遊技くぎ11を備えない変形例も考えられる。
図27の(a)を参照すると、振り分け装置10の振り分け部材12は、上端側が右側に傾いて位置し、カバー部10bに接している。すなわち、振り分け装置10内において、進入口10cと領域10Rとの間の連通を妨害する一方で、進入口10cと領域10Lとの間の連通を確保している。
これにより、進入口10cに進入した遊技球は、領域10R側の第2始動口122に入球し難くなり、領域10L側の第1始動口121に入球し易くなる。
なお、本実施の形態では、進入口10cに進入せずに振り分け部材12の右側を流下する遊技球は、電動チューリップ123が開くタイミングで第2始動口122に入球する場合がある。すなわち、図27の(a)に示す場合、進入口10cから第1始動口121に入球し易くなると共に、電動チューリップ123が開くことで進入口10cを介さずに第2始動口122に入球するという事態も想定される。
このような事態としては、例えば右打ちの場合に、ゲート124への入球を契機に行われる普通図柄抽選の当選により電動チューリップ123が開くことで第2始動口122への入球が可能になる場面である。
図27の(b)を参照すると、同図の(a)とは異なり、振り分け部材12の上端側は、左側に傾いて位置し、カバー部10aに接している。すなわち、振り分け部材12は、進入口10cと領域10Lとの間の連通を妨げる一方で、進入口10cと領域10Rとの間の連通を保つ。
これにより、発射された遊技球は、進入口10cから第2始動口122への入球が容易になり、進入口10cから第1始動口121への入球が困難になる。なお、電動チューリップ123が開くことにより、進入口10cから第2始動口122への入球がより確実になる。
図27の(c)を参照すると、同図の(a)および(b)と異なり、振り分け部材12の上端側は、カバー部10aに接しておらず、また、カバー部10bに接していない。より具体的には、振り分け部材12は、左側と右側のいずれにも傾いておらず、したがって、進入口10cと領域10Lとの間の連通が維持されると共に、進入口10cと領域10Rとの間の連通もまた維持される。これにより、進入口10cに進入した遊技球は、振り分け部材12内における自身の挙動に応じて、第1始動口121に入球したり第2始動口122に入球したりする。
より詳細に説明すると、進入口10cから第1始動口121に入球する確率と進入口10cから第2始動口122に入球する確率とは互いに略同じであるといえる(入球確率均等)。すなわち、図27の(c)の場合には、2つの始動口121,122の入球確率が均等であり、入球確率を偏らせて差異をもたせる同図の(a),(b)の場合(入球確率不均等)とは異なる。付言すると、同図の(a)の場合は、第1始動口121の入球確率が高くなり、同図の(b)の場合には、第2始動口122の入球確率が高くなる。
なお、ここに説明する入球確率は、電動チューリップ123が閉じている状態を前提としている。
このように構成された振り分け装置10において、遊技制御部200による振り分け部材12の振り分け態様の切り換え制御として、種々のものが考えられる。例えば3つの振り分け態様のうち任意の一を所定のタイミングで行う演出抽選の結果に応じて切り換える場合や、時間の経過と共に予め定められた順番で切り換える場合、始動口121,122への入球ごとに予め定められた順番で切り換える場合等である。
ここで、図27に示す振り分け装置10についての種々の変形例が考えられる。すなわち、本実施の形態では、3つの振り分け態様を持つ振り分け装置10を採用するが、3つの振り分け態様のうちいずれか2つを持つ種々の変形例である。
一の変形例としては、図27の(a)の振り分け態様と同図の(b)の振り分け態様とを持ち、同図の(c)の均等振り分け態様を持たない例である。
また、他の変形例として、図27の(a)または同図の(b)の振り分け態様と同図の(c)の振り分け態様とを持つ例も考えられる。すなわち、同図の(a)の振り分け態様と同図の(c)の振り分け態様とを持つ例や、同図の(b)の振り分け態様と同図の(c)の振り分け態様とを持つ例である。
より具体的には、入賞内容(例えば大当たりの種類や賞球の数等)が第1始動口121に入球した場合と第2始動口122に入球した場合とで互いに異なる場合において、遊技者にとって入賞内容が有利な方の振り分け態様と均等振り分け態様とを振り分け装置10が持つ例である。すなわち、始動口121,122のいずれか一方に入球を偏らせる状態と、それ以外の状態と、が選択的に行われるように構成した振り分け装置10である。
例えば、長当たりの割合が第1始動口121よりも第2始動口122の方が大きい場合(図17の(b)参照)、第2始動口122に偏らせる振り分け態様(図27の(b)参照)と均等振り分け態様(同図の(c)参照)とを振り分け装置10が持つようにする。また、内部状態が高確率であるときに低確率に転落する抽選(転落抽選)が第2始動口122の入賞内容に含まれる一方で第1始動口121の入賞内容に含まれない場合、振り分け装置10が、第1始動口121に偏らせる振り分け態様(図27の(a)参照)と均等振り分け態様(同図の(c)参照)とを持つようにする。
また、振り分け装置10は3つの振り分け態様を持ち、内部状態に応じて振り分け態様の選択肢を変えるように制御する例も考えられる。例えば、通常は、3つの振り分け態様のうち任意の一を選択する制御を行い、かつ、時短中には、電動チューリップ123を備える第2始動口122により多くの遊技球が振り分けられるようにする例(図27の(b)参照)である。
〔振り分け装置10についての第2の構成例〕
次に、振り分け装置10についての第2の構成例を説明する。第2の構成例に係る振り分け装置10では、上述した第1の構成例とは異なり、後述するように駆動源を備えていない。
図28は、第2の構成例に係る振り分け装置10を説明する正面図であり、同図の(a)、(b)、(c)および(d)の順で一連の振り分け動作が行われる。なお、第2の構成例は、上述した第1の構成例と共通する構成・機能を有する部分があることから、共通する部分には同じ符号を用い、また、その説明や図示を省略することがある。第1の構成例について上述した各種の変形例を、第2の構成例に適用することが考えられ、また、第2の構成例の一部を第1の構成例に適用することや第1の構成例の一部を第2の構成例に適用することを排除するものでもない。
振り分け装置10の振り分け部材12は、進入口10cに進入した遊技球の作用により、回転軸12a周りを回転する。すなわち、第2の構成例は、振り分けられる遊技球の自重および勢いを利用して振り分け態様を切り換えるものである。このように、第2の構成例は、駆動源の駆動力により振り分け態様を切り換える第1の構成例とは異なるものであり、そのために、第2の構成例における振り分け部材12は、第1の構成例の場合とは異なっている。
より具体的に説明すると、振り分け部材12は、回転軸12aよりも下方に位置する受け部13aおよび受け部13bを備えている。受け部13aと受け部13bとは、互いに異なる方向に延びている。より具体的には、受け部13aは領域10Lの方向に延び、また、受け部13bは領域10Rの方向に延びている。
受け部13a,13bは、振り分け部材12と共に一体に構成されており、振り分け部材12が回転軸12aを中心に回転すると、これに伴って回転する。また、受け部13a,13bの相対的な位置関係は変化せず、固定である。
図28の(a)に示す状態は、振り分け部材12の上端側は右側に傾いて位置し、これにより、進入口10cと領域10Rとの間の連通を阻害している。そして、振り分け部材12の受け部13aは、進入口10cと領域10Lとの間を部分的に仕切るように位置する。すなわち、遊技球は、進入口10cから領域10Lに向かおうとするときには、受け部13aが邪魔をする。その一方で、後述するように、振り分け部材12の回転に伴い、進入口10cと領域10Lとの間が開放され、遊技球が領域10Lに向かうのを許容することになる。
より具体的に説明すると、流下する遊技球が振り分け装置10の進入口10cに進入する場合、図28の(a)に示すように、振り分け部材12の受け部13aがその遊技球を受ける。そして、遊技球の自重およびその勢いにより、同図の(b)に示すように、受け部13aすなわち振り分け部材12が下方への回転(反時計方向への回転)を行う。
さらに説明すると、振り分け部材12の回転により、受け部13aによる進入口10cと領域10Lとの間の部分的な仕切りがなくなり、遊技球は、第1始動口121に向けて落下していく。このように、遊技球は、自重およびその勢いにより振り分け部材12を回転させ、自身が進むための通路を形成する。
振り分け部材12が反時計方向に回転すると、振り分け部材12の上端側は、カバー部10aに接し、これにより回転停止する。振り分け部材12の上端側が左側に傾いて位置する状態では、進入口10cと領域10Lとの間の連通を阻害している。そして、振り分け部材12の受け部13bは、進入口10cと領域10Rとの間を部分的に仕切るように位置する。
このような状態において、後続の遊技球が進入口10cに侵入すると、図28の(c)に示すように、受け部13bがその遊技球を受ける。そして、受け部13bは遊技球の自重およびその勢いにより、同図の(d)に示すように、振り分け部材12が下方への回転(時計方向への回転)を行う。これにより、受け部13bによる進入口10cと領域10Rとの間の部分的な仕切りがなくなり、遊技球は、第2始動口122に向けて落下していく。
なお、振り分け部材12の時計方向の回転は、振り分け部材12の上端側がカバー部10bに接することで停止する。この状態は、同図の(a)に示す状態である。
このように、第2の構成例に係る振り分け装置10は、振り分け部材12が遊技球の作用により振り子的な動きを行い、これにより、領域10Lへの落下と領域10Rへの落下という交互の振り分けが行われる。すなわち、上述した第1の構成例における3つの振り分け態様のうち、始動口121,122の入球確率をいずれかに偏らせる2つの振り分け態様(入球確率不均等)が交互に繰り返し行われる(図27の(a)および(b)参照)。
第2の構成例では、駆動源を備えておらず遊技球の自重を利用することから、第1の構成例に比し、振り分け装置10の構成を容易に簡素なものにすることができ、また、構成部品の数を減らすことが可能になる。
〔振り分け装置10についての第3の構成例〕
さらに、振り分け装置10についての第3の構成例を説明する。第3の構成例に係る振り分け装置10では、上述した第1の構成例で備えている駆動源を備えていない。すなわち、振り分け装置10の振り分け部材12は、遊技球の自重および勢いを利用するものである。かかる点で、第3の構成例は、上述した第2の構成例と共通する。
図29は、第3の構成例に係る振り分け装置10を説明する正面図であり、同図の(a)、(b)および(c)の各々は、互いに異なる振り分け状態を示す。なお、第3の構成例は、上述した第1ないし第2の構成例と共通する構成・機能を有する部分があることから、共通する部分には同じ符号を用い、また、その説明や図示を省略することがある。第1ないし第2の構成例について上述した各種の変形例を、第3の構成例に適用することが考えられ、また、第3の構成例の一部を第1ないし第2の構成例に適用することや第1ないし第2の構成例の一部を第3の構成例に適用することを排除するものでもない。
振り分け装置10の振り分け部材12は、回転軸12aよりも下方に延びる延在部14aを備えている。この延在部14aは、一方向に湾曲する湾曲部14bを下端に持つ。この湾曲部14bは、遊技球の一時的な載置が可能なように湾曲している。
より具体的には、延在部14aの湾曲部14bは、領域10Lの方向に湾曲し、略J字状である。
図29の(a)を参照すると、振り分け部材12の上端側は、カバー部10a,10bのいずれにも接しておらず、進入口10cと領域10Lとの間の連通が維持されると共に、進入口10cと領域10Rとの間の連通もまた維持される。このため、進入口10cに進入した遊技球は、振り分け部材12内における自身の挙動に応じて、領域10L側の第1始動口121に入球したり領域10R側の第2始動口122に入球したりする。すなわち、同図の(a)の場合では、第1始動口121に入球する確率と第2始動口122に入球する確率とが互いに略同じである(入球確率均等)。
さらに説明すると、遊技球が、進入口10cから領域10Rに振り分けられると、第2始動口122に入球する可能性が高く、また、入球確率均等の状態(図29の(a)参照)が維持される。
また、遊技球が、進入口10cから領域10Lに振り分けられると、第1始動口121に直接的に入球する場合があるほか、振り分け部材12の湾曲部14bに落下して湾曲部14bにいったん載置される場合がある。前者の場合には、振り分け部材12が揺動せず或いはわずかに揺動するものの、入球確率均等の状態が維持される。
ところが、後者の場合には、遊技球の自重およびその勢いにより、それまでのバランスが崩れ、図29の(b)に示すように、振り分け部材12の延在部14aが領域10Rの方向(反時計方向)に回転する。これによって振り分け部材12の上端側がカバー部10aに接するようになる。すなわち、振り分け部材12は、進入口10cと領域10Lとの間が連通されなくなる一方で、進入口10cと領域10Rとの間が連通される。
したがって、振り分け部材12の湾曲部14bに遊技球が載置されると、その後に進入口10cに進入した遊技球は、第2始動口122へ容易に入球するようになり、その一方で、第1始動口121へ入球し難くなる。すなわち、入球確率均等の状態から入球確率不均等の状態に移行する。
このような入球確率不均等の状態は、湾曲部14bに載置された遊技球が湾曲部14bから脱落するまで維持される。すなわち、湾曲部14bの遊技球は、安定して載置されているわけではなく、振り分け部材12の揺動や湾曲部14bの勢い等で遊技球は不安定に載置されることから、図29の(c)に示すように、やがて落下する。遊技球が湾曲部14bから落下すると、振り分け部材12自体のバランスに戻り、同図の(a)に示す入球確率均等の状態に移行する。
このように、第3の構成例に係る振り分け装置10は、振り分け部材12が遊技球の作用により振り子的な動きを行い、これにより、領域10Lまたは領域10Rへの選択的な落下と領域10Rへの落下という振り分けが行われる。すなわち、上述した第1の構成例における3つの振り分け態様のうち、始動口121,122の入球確率を略同じにする振り分け態様(入球確率均等)と始動口122の入球確率を高める振り分け態様(入球確率不均等)とが交互に繰り返し行われる(図27の(b)および(c)参照)。
当然ながら、入球確率不均等の状態を、第2始動口122への入球確率を高める代わりに、第1始動口121への入球確率を高めるように構成する例も考えられる。
なお、振り分け部材12の湾曲部14bから落下した遊技球(図29の(c)参照)は、第1始動口121に入球する可能性を高めるように構成する例が考えられる。また、振り分け部材12がいつまでも小さく動いてしまう微動を抑制するためのダンパー(不図示)を振り分け装置10が備える例も考えられる。
〔振り分け装置10を適用する実施の形態についての説明〕
上述したように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100は、第1始動口121についての保留数と第2始動口122についての保留数との合計数の上限が8であり、第1始動口121についての保留数と第2始動口122についての保留数のそれぞれに上限が設定されているものではない。
そして、その場合の保留消化は、始動口121,122に入球した順番で行われ、第1始動口121と第2始動口122のいずれか一方が優先して保留消化されるものではない。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100では、第1始動口121と第2始動口122とを横並びで配置し(例えば図1参照)、かつ第1始動口121への入球と第2始動口122への入球とを振り分けるための振り分け装置10を備えている。
なお、電動チューリップ123を第2始動口122に設けているが(例えば図1参照)、振り分け装置10の外に位置する別の始動口(不図示)に電動チューリップ123を設ける構成例も考えられる。
上述した振り分け装置10を適用する場合の種々の実施の形態を以下説明する。なお、以下説明する実施の形態の各々における構成や制御の全部または一部を他の実施の形態に応用することは、本書に言及がなくても可能である。また、各実施の形態について種々の変形例を説明するが、かかる変形例を他の実施の形態に適用することは、本書に言及がない場合であっても可能である。
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態について図30を用いて説明する。この第1の実施の形態は、振り分け装置10の振り分け態様を特別演出処理に対応して変更するものである。
第1の実施の形態では、上述した第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)を用い、モータ(不図示)の駆動力で振り分け態様を変更する場合を説明する。
〔特別演出処理〕
ここで、特別演出処理は、演出制御部300により割り込み処理(図18の(b)参照)で行われるものであり、より具体的には、遊技演出モードと特別演出モードとの間の相互の切り替えを行う。
ここにいう遊技演出モードとは、遊技演出を行うモードをいい、ここにいう遊技演出とは、始動口121,122への入球等に応じて行われる抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出をいい、遊技演出に用いる画像(抽選結果など)である遊技演出画像を画像表示部114(図1参照)に表示し、遊技演出に用いる音響(効果音など)をスピーカ156(図1参照)から流す。
また、ここにいう特別演出モードとは、予め定められた日時になると、抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出とは別に実行する演出である特別演出を行うモードをいい、RTC304(図3参照)から提供される時間情報に応じて移行するものである。また、特別演出は、始動口121,122への入球等に応じて行われる抽選の結果以外の所定条件を満たすときに行われるものであり、抽選の結果による遊技の進行に基づいて行う演出には含まれない。
特別演出の一例を示すと、歌手グループの歌唱ステージである楽曲公演を演出内容とするものである。かかる場合には、特別演出に用いる画像(ステージ映像など)である特別演出画像が画像表示部114に表示され、特別演出に用いる音響(楽曲など)がスピーカ156から出力される。
このような特別演出モードへの移行は、複数のパチンコ遊技機100を同期させて行われる。通常、ホールにおける同一機種の複数のパチンコ遊技機100は、島と呼ばれる複数のパチンコ遊技機100が列状に並べられた状態で配置される。複数のパチンコ遊技機100を同期させて特別演出を行うことで、パチンコ遊技機100の各々の画像表示部114に特別演出の画像が一斉に表示され、各々のスピーカ156から特別演出に用いる音響が一斉に流される。
〔特別演出処理でのモード移行制御について〕
図30は、第1の実施の形態におけるモード移行を説明するタイムチャートであり、(a)は、特別演出モードの移行タイミング例を説明するものであり、(b)は、特別演出モード移行後の演出内容例を説明するものである。
同図の(a)に示すように、パチンコ遊技機100(図1参照)の電源が投入されると、遊技演出モードに設定された状態になる。その後、予め定められた時間になると、遊技演出モードから特別演出モードに移行する。そして、1回目の特別演出モードにおける特別演出が終了すると、特別演出モードから遊技演出モードに移行する。このような特別演出モードへの移行は、ホール店で遊技可能な時間帯に複数回行われる。
図30の(a)に示すように、電源投入が9時30分になされて遊技演出モードに設定された場合、10時29分になった時点で、1回目の特別演出モードに移行する。そして、1回目の特別演出モードにおける特別演出が終了すると、再び遊技演出モードに移行する。また、11時29分になった時点で2回目の特別演出モードに移行し、2回目の特別演出モードの特別演出が終了すると、再び遊技演出モードに移行する。そして、21時29分に最後の12回目の特別演出モードへの移行が実行される。このように、特別演出モードへ移行する割り込みが1時間ごとに行われる。
そして、特別演出モードへの移行は、タイマによって計測する時間およびRTC304(図3参照)から提供される時間情報に基づいて管理される。
まず、特別演出モードに移行するタイミングは、タイマによって計測する時間に基づいて行う。タイマは、電源投入を契機として計測を開始するように設定されている。そして、タイマによって計測される時間が予め定められた値になった時点で、特別演出モードに移行するタイミングになる。タイマで計測される時間は、複数回の特別演出モードへの移行タイミングの回数分だけ設定される。
例えば、予めタイマによって計測される時間が0°59’00”になった時点で1回目の特別演出モードに移行するようにセットされる。1回目の特別演出モードの移行は10時29分に設定されており、電源投入が9時30分に行われる場合、59分後の10時29分に1回目の特別演出モードに移行する。
また、RTC304(図3参照)の時間に基づいて、特別演出モードに移行することを許可する許可状態の設定を行う。そして、タイマによる時間の計測に基づく特別演出モードへの移行のタイミングが、RTC304(図3参照)によって設定された許可状態となる時間内に限って、特別演出モードの移行を許可する。一方、タイマによる時間の計測に基づく特別演出モードへの移行のタイミングが許可状態の時間外であれば、特別演出モードには移行しない。
例えば、図30の(b)に示すように、10時29分が設定時間である1回目の特別演出モードに対しては、前後30秒間の時間幅をもたせ、RTC304(図3参照)の時間で10時28分30秒から10時29分30秒までを許可状態の期間として設定している。
そして、タイマによる時間の計測に加え、RTC304(図3参照)の時間を加味することによって、特別演出モードの実際に移行する日時が管理される。
これによって、予め定められた日付までは楽曲発表を待機させる状態とし、その日付以降になった場合に楽曲発表を行うという設定が可能になる。なお、その日付以降であっても、予定していた電源投入時間とは異なるタイミングで電源投入が行われた場合には、予定外のタイミングでの特別演出モードへの移行が行われない。
なお、RTC304(図3参照)の時間に基づいて、複数のパチンコ遊技機100の同期演出を行うように構成しても構わない。ただし、RTC304は、固体差によって若干の時間ずれが生じるおそれがある。そこで、本実施の形態では、電源投入を契機として計測を開始するタイマに基づくことで、特別演出モードへの移行タイミングについて複数のパチンコ遊技機100間で同期しているように構成している。
図30の(b)に示すように、特別演出モードは、楽曲公演の告知である公演告知を行う公演告知モードと、楽曲公演を行う楽曲公演モードと、によって構成される。
特別演出モードにおける公演告知モードとは、楽曲公演モードの設定時間前の一定時間(開始時間の60秒前から楽曲公演の開始時間まで期間)に設定されるモードをいい、間もなく楽曲公演が行われる旨のメッセージを表示する画像を用いる公演告知を行う。
例えば1回目の特別演出モードにおける楽曲公演の開始時間は10時30分に設定される場合、1回目の公演告知モードの設定期間は、10時29分から10時30分までの期間に設定される。そして、公演告知を開始するときには、10時29分から10時30分まで期間におけるいずれかのタイミングで実行する。なお、例えば1回目の特別演出モードにおける公演告知モードの設定時間になったか否かは、上述したように、タイマによって計測される電源投入からの経過時間に基づいて行う。
なお、公演告知モードにおいて実際に公演公知を行うタイミングは、抽選の結果による遊技の進行に応じて異なる。また、抽選の結果による遊技の進行によっては、公演告知モードの設定時間内に公演告知を行わない場合もある。
特別演出モードにおける楽曲公演モードとは、予め定められた日時に楽曲公演を行うモードをいう。楽曲公演モードにおいて、楽曲公演は、例えば抽選の結果による遊技の進行に関わらず、予め定めた日時に必ず実行する。本実施の形態では、楽曲公演は、300秒間行うように設定している。
図30の(b)に示すように、1回目の特別演出モードにおける楽曲公演の開始時間は、10時30分に設定される場合、1回目の楽曲公演は、10時30分になった時点で開始する。なお、例えば1回目の特別演出モードにおける楽曲公演の開始時間になったか否かは、上述のとおり、タイマによって計測される電源投入からの経過時間に基づいて行う。
〔モード移行制御に伴う振り分け態様の変更〕
このような特別演出処理によって遊技演出モードと特別演出モードとが切り換えられるのに対応して、振り分け装置10の振り分け態様が変更される。すなわち、遊技制御部200は、遊技演出モードでの振り分け態様と特別演出モードでの振り分け態様とが互いに異なるように振り分け装置10を制御する。
付言すると、かかる遊技制御部200の制御は、演出制御部300が備えるRTC304およびタイマを遊技制御部200が備え、モード移行タイミングを取得することで実現される。
より詳細には、図30の(b)に示すように、区間L1と区間L2とで振り分け装置10の振り分け態様を変える。遊技演出モードの場合は区間L1であり、また、特別演出モードにおける公演告知モードの場合も区間L1に含まれる。また、特別演出モードにおける楽曲公演モードの場合は区間L2である。
なお、特別演出モードにおける公演告知モードの場合を区間L2に含ませる変形例も考えられる。
振り分け装置10の振り分け態様を変更する仕方としては、区間L2における振り分け態様が、区間L1における振り分け態様よりも遊技者に有利となるようにする。例えば、長当たりの割合が第1始動口121よりも第2始動口122の方が大きいときには(図17の(b)参照)、第2始動口122の入球確率を区間L1の場合よりも区間L2の方で大きくする入球確率変更の制御を挙げることができる。
そのような入球確率変更の制御を実現するために、例えば区間L1では第2始動口122に入り難い状態であり、区間L2では第2始動口122に入り易い状態であるようにすることが考えられる。その一例としては、区間L1では、第1始動口121の入球確率に対する第2始動口122の入球確率が1/5であるのに対し、区間L2では、第1始動口121の入球確率に対する第2始動口122の入球確率が5であるものである。
なお、このような入球確率の偏りを予め定められた値に固定する場合のほか、入球確率が偏っている複数の選択肢を用意しておき、複数の選択肢のうちいずれか一を抽選で決定する場合も考えられる。
このような偏った入球確率の形成方法としては、区間L1では振り分け装置10の振り分け部材12が右側に傾く時間が長くなり、また、区間L2では左側に傾く時間が長くなるように制御することが考えられる。
その一制御例としては、区間L1は、振り分け部材12が右側に傾いて停止する状態(図27の(a)参照)が左側に傾いて停止する状態(同図の(b)参照)およびいずれにも傾いていない状態(同図の(c)参照)よりも長く維持されるように制御し、区間L2は、左側に傾いて停止する状態が右側に傾いて停止する状態およびいずれにも傾いていない状態よりも長く維持されるように制御する。
別の制御例としては、振り分け部材12が左方向および右方向の連続的な往復移動をする場合において、区間L1では振り分け部材12が起立する状態(図27の(c)参照)から右側に位置するときの動作が左側に位置するときの動作に比べてゆっくりである。そして、区間L2では逆になり、振り分け部材12が左側に位置するときの動作が右側に位置するときの動作に比べてゆっくりである。
また上述した入球確率変更の制御を実現するために、例えば区間L2では区間L1に比べて第2始動口122に入り易いようにすることが考えられる。その一例としては、区間L1では、振り分け装置10を、第1始動口121の入球確率と第2始動口122の入球確率とが略同じとなるようにし(図27の(c)参照)、区間L2では、第2始動口122の入球確率が高くなるようにする(同図の(b)参照)ものである。
また、他の例としては、振り分け装置10の振り分け部材12が左方向および右方向の連続的な往復移動をする場合において、振り分け部材12の移動速度が区間L1では等速である一方で、区間L2では第2始動口122へ振り分けられる状態が区間L1の場合よりも長時間になるように変速する制御例も考えられる。
〔各種の変形例について〕
なお、第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)の代わりに、上述した第3の構成例に係る振り分け装置10(図29参照)を適用することも考えられる。より具体的には、図30の(b)に示す区間L1では、入球確率均等の状態(図27の(c)参照)を維持するように、振り分け部材12が回転軸12aを中心として回転しないようにする(回転禁止)。そして、図30の(b)に示す区間L2では、振り分け部材12が回転軸12aを中心として回転可能なようにする(回転許容)。このような回転禁止と回転許容との相互変更は、振り分け部材12を一時的に固定する機構(不図示)を備え、かかる機構の操作を遊技制御部200による制御で行うことで実現可能である。
第1の実施の形態では、振り分け装置10における振り分け態様を変更するタイミング(切り換えタイミング)として、所定時間ごとに行われる特別演出を契機にする場合を説明したが、特別演出が電源投入からの所定時間ごとに行われる場合にも同様に適用することが考えられる。このような所定時間ごとの場合や電源投入からの所定時間ごとの場合には、他のパチンコ遊技機100と同期して振り分け態様が変更されることになる。
また、振り分け態様を変更するタイミングの他の場合としては、電源投入から所定回転数に達するまでを区間L2(図30の(b)参照)の場合の振り分け態様とし、所定回転数に達すると区間L1(同図の(b)参照)の場合の振り分け態様とすることも考えられる。
また他の場合としては、大当たり後の所定回転数後(後述する第2の実施の形態における図31の(b)を参照)とすることも考えられる。すなわち、大当たり終了後の所定回転数になった時点からさらに数回転経過した時点までを区間L2(図30の(b)参照)の場合の振り分け態様とし、それ以外を区間L1(同図の(b)参照)の場合の振り分け態様とすることである。
〔第1の実施の形態が有する意義について〕
次に、第1の実施の形態が有する意義について改めて説明する。
ホール店にて遊技を長く続けていると、遊技に対する集中力の維持が難しくなる。そのため、従来から、例えば演出面で種々の工夫をして遊技者の集中力を維持回復しようとする。しかしながら、そのような遊技に伴う演出は、賞球に関するものではないことから、その効果を期待できなくなってしまうことも予想される。
かかる課題を解決するための構成は、遊技領域111に遊技球が打ち出されて遊技が行われる遊技機100であって、遊技領域111に配設され、遊技球が入球すると大当たり抽選が行われる第1の始動口121および第2の始動口122と、遊技球が前記第1の始動口121と前記第2の始動口122のいずれか一方に入球し易い第1の振り分け状態と、当該第1の始動口121と当該第2の始動口122との遊技球の振り分けに関して当該第1の振り分け状態以外の状態である第2の振り分け状態と、を持つ振り分け手段10と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、所定の条件を満たす場合、前記振り分け手段10における前記第1の振り分け状態から前記第2の振り分け状態への切り換えまたは当該第2の振り分け状態から当該第1の振り分け状態への切り換えを行う切り換え制御手段201をさらに備えることを特徴とすることができる。
また、前記振り分け手段10に前記第1の振り分け状態と前記第2の振り分け状態とが所定の割合で出現するように制御する割合制御手段201をさらに備えることを特徴とすることができる。
付言すると、第1の実施の形態に係るパチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
第1始動口121(図1、図27、図28または図29参照)は第1の始動口の一例であり、第2始動口122(図1、図27、図28または図29参照)は第2の始動口の一例である。振り分け装置10(図27、図28または図29参照)は振り分け手段の一例である。
図27において(a)に示す状態が第1の振り分け状態の一例である場合、(b)または(c)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
図28において(a)に示す状態が第1の振り分け状態の一例である場合、(b)に示す状態は第2の振り分け状態の一例であり、また、同図において(b)に示す状態が第1の振り分け状態の一例である場合、(a)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
図29において(b)に示す状態が第1の振り分け状態の一例であり、(a)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
遊技制御部200のCPU201(図3参照)は、切り換え制御手段の一例であり、割合制御手段の一例である。
第1の実施の形態によれば、遊技中の遊技者の集中力の維持回復を効果的に行うことが可能になる。
すなわち、第1の実施の形態では、始動口121,122への入球確率を変更可能な振り分け装置10(図27〜図29参照)を備えるパチンコ遊技機100において、第2始動口122よりも第1始動口121に入球し易い状態(例えば図27の(a)参照)と、第1始動口121よりも第2始動口122に入球し易い状態(例えば図27の(b)、図29の(b)・(c)参照)と、第1始動口121への入球確率と第2始動口122への入球確率とが略等しい状態(例えば図27の(c)、図29の(a)参照)のうち、少なくともいずれか二つを切り換え可能に構成していることで、遊技性を高めることが可能になる。
これにより、遊技者にとって魅力的な状態を提供することが可能になり、また、遊技者にホール店の開店時から遊技を始めようというインセンティブを与えることが可能になる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について図31および図32を用いて説明する。この第2の実施の形態は、振り分け装置10の振り分け態様に応じて、演出内容を決めるのに用いる演出テーブルを変えるようにするものである。より具体的には、大入賞口125(図1参照)の開放動作が終了する当たり遊技終了の後に特別図柄変動制御部233による図柄変動の回数が所定数に達すると、所定回数の図柄変動が行われる間だけ振り分け態様をそれまでとは異なるように制御する。
第2の実施の形態では、上述した第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)を用い、モータ(不図示)の駆動力で振り分け態様を変更する場合を説明する。
〔振り分け制御処理〕
図31は、第2の実施の形態における振り分け制御処理を説明する図であり、(a)は、振り分け制御処理が実行される場面を説明するタイムチャートであり、(b)は、遊技制御部200による振り分け制御処理を説明するフローチャートである。
同図の(a)に示すように、大当たり遊技において、大当たり開始後に複数回のラウンドが繰り返されると、エンディング動作が行われて大当たり遊技が終了する。そして、大当たり遊技終了後には、遊技制御部200は、変動回数が所定回数に達するまで高確率状態に移行させるように制御する。そして、遊技制御部200は、所定回数に達すると低確率状態に移行させるように制御する。
より具体的には、大当たり終了後の変動回数が閾値K2になるまで高確率状態になって大当たりし易くなり、閾値K2になると、低確率状態に移行するため、大当たりし難くなる。
このような機種において、後述する振り分け制御処理(図31の(b)参照)および演出テーブル選択処理(図32参照)が行われる。
図31の(b)に示す振り分け制御処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部238(図4参照)によるエンディング動作が開始されたか否かを判断する(ステップ3101)。このエンディング動作の開始は、電動役物処理のうちの大入賞口処理で行われるものであり(図14のステップ1412参照)、これにより当たり遊技が終了する。
なお、大入賞口処理にてエンディング動作が開始されると、エンディングコマンドがRAM203にセットされ(同図のステップ1413参照)、演出制御部300へ送信される(図5のステップ506参照)。
エンディング動作が開始される場合(ステップ3101でYes)、遊技制御部200は、特別図柄の変動回数を計数するための変数Yを初期化(Y=0)し(ステップ3102)、ステップ3103に進む。また、エンディング動作が開始されない場合(ステップ3101でNo)、ステップ3103に進む。
そして、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233(図4参照)による特別図柄の変動が開始されたか否かを判断する(ステップ3103)。この特別図柄変動の開始は、図柄処理のうちの特別図柄処理で行われるものであり(図8のステップ808参照)、これにより、第2特別図柄表示器222(図2の(a)参照)で特別図柄の変動が開始される。
なお、特別図柄処理にて特別図柄変動が開始されると、変動開始コマンドがRAM203にセットされ(図8のステップ809参照)、演出制御部300へ送信される(図5のステップ506参照)。
付言すると、かかる特別図柄変動は、第1始動口121への入球に対応するものであるか第2始動口122への入球に対応するものであるかの区別をしていない。しかしながら、かかる区別を行う制御例も考えられる。
特別図柄変動が開始される場合(ステップ3103でYes)、遊技制御部200は、変数Yの値を現在の値から1加算し(ステップ3104)、変数Yの値が閾値K1未満か否かを判断する(ステップ3105)。変数Yの値が閾値K1に達していない場合(ステップ3105でYes)、通常振り分け状態とする(ステップ3107)。
また、変数Yの値が閾値K1に達している場合(ステップ3105でNo)、さらに、閾値K2未満であるか否かを判断する(ステップ3106)。この閾値K2は、閾値K1よりも大きい値である(K2>K1)。閾値K2と閾値K1との差分(K2−K1)は、例えば保留数に関連して設定されるものであり、例えば保留数の上限値である8を採用することが考えられる。
変数Yの値が閾値K2に達していない場合(ステップ3106でYes)、特定振り分け状態とする(ステップ3108)。また、変数Yの値が閾値K2に達している場合(ステップ3106でNo)、通常振り分け状態とする(ステップ3107)。
なお、特別図柄変動が開始されない場合(ステップ3103でNo)、変数Yの値をそのままにして振り分け制御処理を終了する。
このように、変数Yは、大当たり遊技の終了により初期化され(ステップ3101,3102)、特別図柄変動の開始により1加算される(ステップ3103,3104)。そして、加算後の変数Yの値を閾値K1,K2を用いて評価し(ステップ3105,3106)、評価結果に応じて通常振り分け状態と特定振り分け状態のいずれか一を選択する(ステップ3107,3108)。
すなわち、変数Yが閾値K1未満のとき(ステップ3105でYes)と変数Yが閾値K2以上のとき(ステップ3106でNo)は、通常振り分け状態を選択することになる。その一方で、変数Yが閾値K1以上で閾値K2未満のとき(ステップ3105でNoかつステップ3106でYes)は、特定振り分け状態を選択することになる。
ここにいう通常振り分け状態と特定振り分け状態は、第1始動口121の入球確率ないし第2始動口122の入球確率が互いに異なる状態であり、特定振り分け状態の方が遊技者にとって有利となる状態である。すなわち、通常振り分け状態は、上述した第1の実施の形態における区間L1(図30の(b)参照)における振り分け態様に対応するものであり、また、特定振り分け状態は、区間L2(同図の(b)参照)における振り分け態様に対応するものであるといえる。したがって、通常振り分け状態および特定振り分け状態についての説明を省略する。
また、振り分け制御処理において用いられる閾値K1および閾値K2は、遊技制御の内容に応じた値を予め設定しておくことが考えられる。例えば大当たり終了後に内部状態が高確率状態になる場合に所定回転数に到達すると低確率状態に移行してしまう遊技制御を採用する機種(ST機)において、閾値K2を低確率状態になる所定回転数の値に設定し、閾値K1を閾値K2よりも少し少ない値に設定する。
その一例としては、大当たり終了後54回転で低確率状態に落ちる機種では閾値K2が「55」となり、そして、閾値K1は、それよりも4つだけ少ない「51」に設定される。付言すると、特別図柄の変動時間を大当たり終了後50回転までは4秒とし、残りの4回を8秒とする制御例が考えられる。
〔演出テーブル選択処理〕
図32は、演出テーブル選択処理を説明するフローチャートであり、演出制御部300による制御内容を示す。
同図に示す処理例では、演出制御部300は、当たり遊技が終了したことを示す遊技制御部200からのエンディングコマンド(図14のステップ1413参照)を受信したか否かを判断する(ステップ3201)。
エンディングコマンドを受信すると(ステップ3201でYes)、演出制御部300は、特別図柄の変動回数を計数するための変数Zを初期化(Z=0)し(ステップ3202)、ステップ3203に進む。また、エンディングコマンドを受信しない場合(ステップ3201でNo)、ステップ3203に進む。
次に、演出制御部300は、特別図柄変動が開始されたことを示す遊技制御部200からの変動開始コマンド(図8のステップ809参照)を受信したか否かを判断する(ステップ3203)。
変動開始コマンドを受信すると(ステップ3203でYes)、演出制御部300は、変数Zの値を現在の値から1加算する(ステップ3204)。また、変動開始コマンドを受信しない場合(ステップ3203でNo)、演出テーブル選択処理を終了する。
なお、かかる変動開始コマンドは、第1始動口121への入球に対応するものであるか第2始動口122への入球に対応するものであるかの区別をしていない。しかしながら、かかる区別を行う制御例も考えられる。
その後、演出制御部300は、加算後の変数Zの値を評価する(ステップ3205,3206)。すなわち、変数Zが閾値K1未満か否かを判断し(ステップ3205)、もし変数Zの値が閾値K1に達している場合(ステップ3205でNo)、次に変数Zが閾値K2未満か否かを判断する(ステップ3206)。
閾値K2は閾値K1よりも大きい値である(K2>K1)。ここにいう閾値K1,K2は、振り分け制御処理(図31参照)で用いられるものと同じものを用いることができる。
変数Zの値が閾値K1に達していない場合(ステップ3205でYes)または閾値K2に達している場合(ステップ3206でNo)、演出制御部300は、演出テーブル1を選択する(ステップ3207)。また、変数Zの値が閾値K2に達していない場合(ステップ3206でYes)、演出制御部300は、演出テーブル2を選択する(ステップ3208)。
このようにして選択された演出テーブル1または演出テーブル2は、演出内容の決定(図21のステップ2104参照)の際に用いられる。言い換えると、演出テーブル1および演出テーブル2は、大当たり抽選の結果を図柄の変動および停止で示す変動態様の決定に用いられる。
このように、大当たり後の特別図柄の変動回数を計数する変数Zの値に応じ、演出テーブル1と演出テーブル2のいずれか一を選択する。そして、閾値K1,K2を振り分け装置10の振り分け状態を変更する値と同じものを用いることで、これにより、演出内容を変更するタイミングを遊技内容が変更されるタイミングに合わせることが可能になる。
ここにいう演出テーブル1と演出テーブル2の各内容は、互いに異なるものである。すなわち、演出テーブル1は、振り分け装置10の通常振り分け状態に対応する演出内容であり、演出テーブル2は、振り分け装置10の特定振り分け状態に対応する演出内容である。
さらに説明すると、演出テーブル2は、大当たり終了後における大当たり抽選で大当たりが出ていない状態であり、あと数回の大当たり抽選で大当たりが出ないと高確率状態から低確率状態に落ちるという緊迫した場面で選択されるものである。すなわち、演出テーブル2が選択されるのは、遊技者が是非とも大当たりしたいという望みを持つ心理状態にあり、高い集中力で遊技を行っている場面である。
そのような場面では、上述したように、振り分け装置10が遊技者にとって有利な振り分け態様に変更され、大当たりになるかもしれないという希望を遊技者に与えている。そして、演出面では、そのような心理状態の遊技者を煽りつつ応援する内容にすることで、遊技面と演出面との一体化を図ることができる。
そこで、演出テーブル2では、遊技者に対する煽りや応援を含む演出データを含む構成としている。
このように、演出テーブル2は、所定条件下で選択される専用のものであるといえるものであり、そのような所定条件を満たさないと選択されない。
また、演出テーブル2は、大当たり後の特別図柄抽選の結果に応じて選択される場合があり、選択されない場合があるものである。すなわち、大当たり後の変数Zが閾値K1未満で大当たりにならない場合(図32のステップ3205,3206参照)には、演出テーブル2が選択される一方で、大当たり後の変数Zが閾値K1未満で大当たりになった場合には演出テーブル2が選択されない。このため、演出テーブル2は、大当たり後の特別図柄に応じて演出面に変化を与えるものであるともいえる。
また、演出制御部300における変動時間についても演出テーブル1および演出テーブル2では互いに異なるものである。ここにいう変動時間は、装飾図柄の変動時間であり、上述した遊技制御部200における特別図柄の変動時間と一致するものである。
具体的には、演出テーブル1および演出テーブル2では、装飾図柄の変動時間を規定するためのデータが含まれており、演出テーブル1での変動時間はすべて一律であり、例えば4秒である。
その一方で、演出テーブル2では、演出テーブル1の場合よりも長い変動時間としている。例えば演出テーブル2における変動時間を4秒よりも長い8秒とし、遊技者に対して効果的な演出を行うのに必要な時間を確保することが可能になる。
なお、演出制御部300における変動時間のみならず、変動パターンについても演出テーブル1および演出テーブル2に含まれるものである。そして、演出テーブル2(専用の演出テーブル)において、変動時間を例えば8秒に固定し、変動ごとに例えばルーレット演出等の所定演出を実行するという変形例が考えられる。
〔第2の実施の形態が有する意義について〕
次に、第2の実施の形態が有する意義について改めて説明する。
ホール店にて遊技を長く続けていると、遊技に対する集中力の維持が難しくなる。そのため、従来から、例えば演出面で種々の工夫をして遊技者の集中力を維持回復しようとする。しかしながら、そのような遊技に伴う演出は、賞球に関するものではないことから、その効果を期待できなくなってしまうことも予想される。
かかる課題を解決するための構成は、遊技球の入球が検出されると抽選手段234により大当たり抽選が行われる第1の始動口121および第2の始動口122を備え、遊技球を用いる遊技に応じて演出を行う遊技機100であって、遊技球が前記第1の始動口121と前記第2の始動口122のいずれか一方に入球し易い第1の振り分け状態と、当該第1の始動口121と当該第2の始動口122との遊技球の振り分けに関して当該第1の振り分け状態以外の状態である第2の振り分け状態と、を持つ振り分け手段10と、前記抽選手段234による大当たり抽選の結果を図柄の変動および停止で示す変動態様を決定するのに用いられる第1のデータ(演出テーブル1)および第2のデータ(演出テーブル2)を保持する保持手段302と、前記抽選手段234による大当たり抽選で当選すると行われる当たり遊技の終了後における変動演出の回数が所定数に達する場合、前記振り分け手段10における前記第1の振り分け状態と前記第2の振り分け状態との間の切り換えを行う切り換え手段201と、前記切り換え手段201により切り換えが行われる場合、前記変動演出の構成決定に用いるデータを、前記保持手段302により保持される前記第1のデータ(演出テーブル1)と前記第2のデータ(演出テーブル2)との間で変更する変更手段301と、を備えることを特徴とするものである。
付言すると、第2の実施の形態に係るパチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
遊技制御部200の特別図柄判定部234(図4参照)は、抽選手段の一例である。第1始動口121(図1、図27、図28または図29参照)は第1の始動口の一例であり、第2始動口122(図1、図27、図28または図29参照)は第2の始動口の一例である。振り分け装置10(図27、図28または図29参照)は振り分け手段の一例である。
図27において(a)に示す状態が第1の振り分け状態の一例である場合、(b)または(c)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
図28において(a)に示す状態が第1の振り分け状態の一例である場合、(b)に示す状態は第2の振り分け状態の一例であり、また、同図において(b)に示す状態が第1の振り分け状態の一例である場合、(a)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
図29において(b)に示す状態が第1の振り分け状態の一例であり、(a)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
演出制御部300のROM302(図3参照)は、保持手段の一例であり、演出テーブル1(図32参照)は第1のデータの一例であり、演出テーブル2(同図参照)は第2のデータの一例である。
遊技制御部200のCPU201(図3参照)は、切り換え制御手段の一例であり、演出制御部300のCPU301(図3参照)は、変更手段の一例である。
第2の実施の形態によれば、遊技中の遊技者の集中力の維持回復を効果的に行うことが可能になる。
すなわち、第2の実施の形態では、始動口121,122への入球確率を変更可能な振り分け装置10(図27参照)を備え、大当たり後の図柄変動が所定回数に達するまでに限って高確率状態に移行するパチンコ遊技機100において、大当たり後の変動回数が増えていくに従ってもしかしたら大当たりにならずに低確率状態に移行してしまうかもしれないという不安な心理状態を遊技者が持ち始めたり、低確率状態に移行するまでに再度の大当たりになるかもしれないという期待感(ドキドキ感)を持ち始めたりすることが予想される。そして、大当たりせずに、ついに高確率状態での大当たり抽選が例えば保留消化のみに対して行われる状況に至ると、遊技者はさらに高い緊張感を持つことが予想される。
そのような遊技者の心理状態を、振り分け装置10による振り分け状態の切り換えに伴って遊技者のドキドキ感をさらに高める演出を行うことで、興趣性を高めることが可能になる。これにより、遊技者にとって魅力的な状態を提供することが可能になる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について図33、図34および図35を用いて説明する。この第3の実施の形態は、第1始動口121または第2始動口122への入球に対応する特別図柄抽選が変動表示動作の終了まで保留されていることを示す保留表示に関するものである。
第3の実施の形態では、上述した第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)、第2の構成例に係る振り分け装置10(図28参照)または第3の構成例に係る振り分け装置10(図29参照)のいずれでも用いることが可能である。
〔保留表示演出処理〕
図33は、第3の実施の形態における保留表示演出処理を説明するフローチャートであり、演出制御部300による制御内容を示す。
同図に示す処理例では、演出制御部300が、まず遊技制御部200からの入賞コマンドを受信したか否かを判断する(ステップ3301)。この入賞コマンドは、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したこと(第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212がONになったこと)を示すものであり、遊技制御部200による始動口スイッチ処理にてRAM203にセットされ、演出制御部300へ送信される(図5のステップ506参照)。なお、ここにいう入賞コマンドの代わりに、保留数増加コマンド(図6のステップ606、612参照)の受信の有無を演出制御部300が判断する制御例も考えられる。
入賞コマンドを受信すると(ステップ3301でYes)、演出制御部300は、時間情報を取得し、保持する(ステップ3302)。すなわち、RTC304(図3参照)から時間情報の提供を受け、これにより、入賞コマンドを受信した時間を特定するための情報である時間情報を取得する。また、このようにしてRTC304からの時間情報は、RAM303(図3参照)に書き込まれる。
このような時間情報の取得および保持は、入賞コマンドを受信する度に行われる。なお、取得する時間情報は、RTC304から提供されるものの代わりに、タイマ(不図示)から提供されるものとすることが考えられる。
そして、演出制御部300は、前回の入賞コマンドを受信した時間情報をRAM303から読み出し(ステップ3303)、前回の入賞コマンドの受信時から今回の入賞コマンドの受信時の時間差Δtを算出する。
演出制御部300は、こうして算出した時間差Δtを評価する。すなわち、時間差Δtが時間閾値Tよりも小さいか否かを判断する(ステップ3304)。ここにいう時間閾値Tは、事前に設定されるものであり、ROM302に格納されている。なお、時間閾値Tを固定とするほか、変動する制御例も考えられる。
時間差Δtの評価を行うタイミングとしては、入賞コマンドを受信する毎に行う場合(図33参照)のほか、所定時間が経過するごとに行う場合が考えられる。
所定時間が経過するごとに評価を行う場合について補足説明すると、入賞コマンドの受信時の時間情報はRAM303に逐次格納されるものの、所定時間が経過した後の入賞コマンドの受信を契機に時間差Δtを算出し、評価する例が考えられる。また、入賞コマンドの受信時に時間差Δtを算出し、算出した時間差ΔtをRAM303に格納しておき、所定時間が経過すると、時間差Δtを評価するという例も考えられる。
ここで、時間閾値Tとして設定する値としては、例えば機種開発の際に第1始動口121または第2始動口122に入球する時間間隔を計測し、その平均値(算術平均値)や中央値、最頻値のいずれかを採用することが考えられる。
また、時間閾値Tとして、例えば算術平均値よりも少し小さい値、より具体的には計測した値のうちの最小値と算術平均値との間のいずれかの値を採用することが考えられる。また、例えば算術平均値よりも少し大きい値、より具体的には計測した値のうちの最大値と算術平均値との間のいずれかの値を採用することも考えられる。
このように設定される値に対して時間差Δtが小さいかどうかを判断することで、保留表示の演出態様を決定する。さらに説明すると、時間差Δtの評価結果は、遊技領域111(図1参照)に配設されている遊技くぎの調整具合が反映されると考えられる。
すなわち、おおむね機種開発時に想定したどおりの入球環境あるいはそれに近い環境になっていれば(入球環境が想定範囲内の場合)、時間差Δtが時間閾値Tよりも小さいという評価結果が出る傾向にある。その一方で、第1始動口121または第2始動口122に入球し難いように遊技くぎが調整されると(入球環境が想定範囲外の場合)、時間差Δtが時間閾値Tよりも小さいという評価結果が出にくい傾向にある。そして、想定範囲内の場合は、保留表示をいつもとは違う表示態様(専用の保留表示態様)とし、想定範囲外の場合は、保留表示をいつもの表示態様(通常の保留表示態様)とする。
当然ながら評価結果にばらつきがあり、入球環境が想定範囲内の場合であっても、遊技中に評価結果が変わっていくことが予想される。しかしながら、遊技をしばらく続けていくと、入球環境が想定範囲内の場合であれば、良好な入球状況になり、専用の保留表示態様に変わる傾向が顕著になる。逆に、入球環境が想定範囲外の場合には、専用の保留表示態様に変わる傾向が顕著ではなく、むしろ専用の保留表示態様に変わらないおそれもある。
このように、画像表示部114に表示される保留表示態様によって、遊技者は、第1始動口121または第2始動口122についての入球環境を容易に把握することが可能になる。
図33に示す処理手順について説明を続ける。時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい場合(ステップ3304でYes)、演出制御部300は、専用の保留表示態様を選択し(ステップ3305)、これにより、画像表示部114にて保留数に応じて特別な保留演出が行われる(図34の(b)参照)。
また、時間差Δtが時間閾値Tよりも小さくない場合(ステップ3304でNo)、演出制御部300は、通常の保留表示態様を選択する(ステップ3306)。こうして、保留表示演出処理を終了する。
なお、入賞コマンドを受信しない場合(ステップ3301でNo)、保留表示演出処理を終了する。
さらに説明すると、保留表示の演出態様の決定を行うタイミング(保留表示の演出態様が切り換えられるタイミング)としては、入賞コマンドを受信する毎に行う場合(図33参照)のほか、入賞コマンドを受信する毎には行わない場合が考えられる。
また、後者の場合としては、入賞コマンドが所定回数受信する毎に行うことや、保留数が所定個に達する毎ないし所定個以上のときに行うこと等が考えられる。具体的な制御例としては、時間差Δtの評価結果すなわち、時間閾値Tよりも小さいか(○)小さくないか(×)を評価の都度記憶する。すなわち、複数回にわたる時間差Δtの評価結果(○または×の別)をRAM303に格納しておく。そして、演出態様の決定タイミングの到来時に、○が所定割合(例えば過半数)のときに専用の保留表示態様を選択し、所定割合に達していないときには通常の保留表示態様を選択するという例が考えられる。
ここで、図33に示す処理例では、評価する時間差Δtは、第1始動口121と第2始動口122のいずれか一に入球する場合の値であり、入球が第1始動口121であるか第2始動口122であるかを区別していない。しかしながら、このような区別を行う変形例が考えられる。すなわち、時間差Δtを第1始動口121への入球に関するものとし、第2始動口122への入球の場合を排除する例が考えられ、また、第2始動口122への入球に関するものとし、第1始動口121への入球の場合を排除する例が考えられる。
そのような第1始動口121への入球と第2始動口122への入球のいずれか一方のみで時間差Δtを算出する場合において、第1始動口121よりも第2始動口122への入球の方が遊技者に有利な内容であるときには、時間閾値Tをより小さい値のものとすることが考えられる。
また、本実施の形態では、保留数の最大値が8の場合であるが、保留数の最大値が4の場合の機種にも適用することが可能である。その場合における時間差Δtの算出、その評価および保留表示態様の決定を、第1始動口121の場合と第2始動口122の場合とに分けて行う変形例が考えられる。
また、第1始動口121への入球および/または第2始動口122への入球の時間間隔である時間差Δtを、保留表示の演出態様の決定に用いる演出制御以外の演出制御に適用することも考えられる。
例えば、時間差Δtがある閾値(例えば8秒ないし9秒)を超える場合、画像表示部114に正常でないことを示唆する画像(保留画像以外の画像)を表示する制御例が考えられる。このような画像としては、例えば調子が優れずゆっくりしか前に進めない動物の画像が考えられる。また、そのような画像と共に、それまでに保留が発生した数の累積値を画像表示部114に表示することが考えられる。
ここで、第1始動口121への入球および第2始動口122への入球についての保留表示態様を決定するのに、始動口121,122への相前後する入球の時間差Δtを用いているが、種々の適用例も考えられる。
具体的に説明すると、例えば、ゲート124(図1参照)への入球についての保留表示を行う場合、保留表示態様の決定にゲート124への相前後する入球の時間差Δtを用いる適用例である。すなわち、入球の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい場合(ステップ3304でYes参照)に専用の態様で保留表示され、時間差Δtが時間閾値Tよりも小さくない場合(ステップ3304でNo参照)に通常の態様で保留表示されるように制御する。
このようなゲートの保留表示は、通常の場合には行われず、ある条件下で行う制御例が考えられる。例えば、専用の保留表示態様が時短状態のときに表示され、時短状態ではないときには表示されないという制御例である。このような時短中のときに限って保留表示制御を行う演出により、ゲート124(図1参照)への入球に注目しがちな状況においてゲート保留表示を行うことで、時短状態での演出により面白みを持たせることが可能になる。
なお、時間情報の取得の仕方として、他の態様も考えられる。すなわち、本実施の形態では、入賞する度に時間情報を取得し、入賞してから次に入賞するまでの時間差Δtを評価するが、入賞コマンド(ないし保留数増加コマンド)以外のコマンドを受信したときに時間情報を取得する変形例も考えられる。例えば変動開始コマンド(図8のステップ809参照)の受信間隔を時間差Δtとして評価する。
なお、後述するように、大入賞口125への入賞間隔(入球の時間差Δt)を用いて演出に反映させることも考えられる。
〔保留表示の具体例〕
次に、保留表示の演出態様について説明する。
図34は、保留表示演出処理により選択される保留表示の演出態様を説明する図であり、(a)は、通常の保留表示態様が選択される場合の保留画像(アイコン)の例であり、(b)は、専用の保留表示態様が選択される場合の保留画像(アイコン)の例である。
同図の(a)に示す場合は、第1通常画像21、第2通常画像22、第3通常画像23、第4通常画像24および第5通常画像25が表示され、保留数が5である通常の保留表示態様である。これらの通常画像21〜25は、いずれも外形が円形状の画像であり、同径である。
なお、保留数の最大値は「8」であり(8個保留)、同図の(a)では、残りの3つの保留分は表示されていない(同図では破線表示)。
図34の(b)に示す場合は、第1通常画像21および第2通常画像22(同図の(a)参照)に対応する第1専用画像31が表示されている。すなわち、通常の保留表示態様の場合に円形状で表示される2つの画像は、専用の保留表示態様では、同図の(b)に示すように、1台の自動車を横から見た画像に置き換えられる。
また、図34の(b)に示す場合は、第3通常画像23および第4通常画像24(同図の(a)参照)に対応する第2専用画像32と、第5通常画像25(同図の(a)参照)に対応する第3専用画像33と、が表示されている。専用の保留表示態様では、遊技者が通常の保留表示態様とは明確に区別できるような保留画像が表示されることになる。
〔各種の応用例について〕
次に、第3の実施の形態を保留表示演出以外の演出に応用する例を説明する。
例えば、入球の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい場合(ステップ3304でYes参照)に専用の態様で保留表示されると共に、または、かかる保留表示の代わりに、入球の音を普段と異なる音にすること等の音響の変更が考えられる。
また、このような音響の変更ではなく、盤ランプ116や枠ランプ157(図1または図3参照)の発光を普段と変えたり、可動役物115(図1または図3参照)の動きを変えたりすることが考えられる。
また、他の応用例について説明する。より詳細には、大入賞口125(図1参照)への入賞個数についての表示演出を行う場合、大入賞口125への相前後する入球の時間差Δtを表示演出に反映する応用例である。すなわち、入賞個数表示演出に応用する例であり、入賞個数表示態様の決定に入賞の時間間隔を用いることになる。
そのような応用例では、大入賞口125への入球の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい場合(ステップ3304でYes参照)に専用の態様で入賞数表示され、時間閾値Tよりも小さくない場合(ステップ3304でNo参照)に通常の態様で入賞数表示されるように制御する例が考えられる。
また、大入賞口125への入球の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい場合(ステップ3304でYes参照)に加算する一方で時間閾値Tよりも小さくない場合(ステップ3304でNo参照)に加算しない不図示のカウンタ(計数部、計数手段)を備え、カウンタによる値の表示演出を行うように制御する例も考えられる。
なお、第3の実施の形態の応用例として、普通入賞口126(図1参照)についての演出も考えられる。
図35は、応用例に係る入賞個数表示の演出態様を説明する図であり、(a)は、大入賞口125(図1参照)の入賞個数を表示する演出態様の一例であり、(b)は、かかる演出態様の他の例である。
図35では、画像を表示する装置として、画像表示部114のほかに小型表示部118を遊技盤110(図1参照)に備える場合において、小型表示部118に表示する例を示している。なお、当然ながら、画像表示部114に表示することも考えられる。
また、図35の(a)または(b)に示す演出態様を、上述した時短中にゲートへの入球個数を表示する場合に適用する例も考えられる。
図35の(a)に示す演出態様は、1ラウンド(単位ラウンド)内で大入賞口125に入賞した合計個数を示す合計バー40と、合計個数のうち、大入賞口125への入賞の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい場合(ステップ3304でYes参照)の個数を示す時間制限バー50と、を画像表示部114に並べて表示するものである。合計バー40および時間制限バー50はいずれも、一方向すなわち下から上へと延びるメータ形式で表示されている。
さらに説明すると、同図の(a)における合計バー40では、発光要素41,42,43,44,45が表示されている。すなわち、現在のラウンド中に5個の遊技球が入賞している。そして、大入賞口125への入賞個数Cの上限値(ステップ1409参照)である規定の個数は、8個であり、現在のラウンド中に3つの遊技球の入賞が可能である。
そして、時間制限バー50では、発光要素51,52が表示されている。したがって、合計バー40に示す5個の入賞のうち時間差Δtが時間閾値Tよりも小さい入賞分が2個しかなかったことになる。このため、例えば遊技くぎの調整具合が大入賞口125に入球し難い状況にあり、入球環境が想定範囲外であるということがいえる。
図35の(b)に示す演出態様は、同図の(a)における合計バー40を表示するものであり、時間制限バー50を表示していない。より詳細には、合計バー40では、発光要素41〜45によって現在のラウンドにおける合計の入賞個数が5個であることを表示している。
さらに説明すると、合計バー40のうち発光要素42,45と発光要素41,43,44とは互いに異なる表示形態である。すなわち、発光要素42,45に係る入賞の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さいものであり、発光要素41,43,44に係る入賞の時間差Δtが時間閾値Tよりも小さくないものである。このため、発光要素42,45は、発光要素41,43,44とは異なる表示形態である。より具体的には、発光要素42,45が発光要素41,43,44よりも目立つように色分けされた表示形態や、逆に発光要素41,43,44が発光要素42,45よりも目立つように色分けされた表示形態が考えられる。
〔第3の実施の形態が有する意義について〕
次に、第3の実施の形態が有する意義について改めて説明する。
遊技機が設置されるホール店にて、ホール店に設置される前に比べて遊技機の固体差が大きい場合には、メーカの機種開発どおりの遊技内容とは異なるものになり、好ましくない。そして、そのような機種の状態について把握可能になれば、ホール店側や遊技者側にとって便利な場合が考えられる。
かかる課題を解決するための構成は、遊技球の入球を検出手段211,212,214,215,217が検出すると抽選および/または賞球の払い出しが行われる遊技機100であって、前記検出手段211,212,214,215,217により入球が検出される時間情報を取得する取得手段301,304と、前記取得手段301,304により相前後して取得される時間情報により特定される入球の時間間隔Δtが所定値T未満の場合と当該所定値T以上の場合とで演出を変更する演出変更手段300と、を備えることを特徴とするものである。
付言すると、第3の実施の形態に係るパチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215、普通入賞口スイッチ217(図3参照)は、検出手段の一例である。
演出制御部300のCPU301およびRTC304(図3参照)は、取得手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は、演出変更手段の一例である。
第3の実施の形態によれば、ホール店における各遊技機の状態を把握することが可能になる。
すなわち、第3の実施の形態では、始動口121,122等への相前後する入球の時間差を演出に反映させる構成を採用し、パチンコ遊技機100における入球に関する固体差に応じて演出が変わることから、遊技者は、入球状況を容易に把握することが可能になる。
従来では、変動回転数や大当たり回数等の過去のデータを表示することで、そのパチンコ遊技機100の状態を把握することを可能する表示装置を備える構成が提案されている。しかしながら、他人が遊技したことによる過去のデータであることから目安になるものの、実際に遊技してみないと分からない。
これに対し、第3の実施の形態では、遊技者が実際に遊技を行って演出内容を確認できることから、自分の遊技に基づき、パチンコ遊技機100における遊技くぎの調整等の評価が可能である。すなわち、画像表示部114等に表示される演出が入球し易い遊技台とそうでない遊技台とで異なることから、専用演出の有無で、入球し易いか否かを予測することが可能になる。言い換えると、入球状況に関する遊技性の向上を図ることが可能になる。
また、他の遊技者が、他人が遊技中のパチンコ遊技機100の演出を調べることで、入球の状況を容易に把握することが可能になり、遊技する遊技台を選ぶ際の目安にすることが可能である。
さらには、ホール店は、パチンコ遊技機100の各々についての入球環境がどのような状態であるかをホール営業中に確認することが可能になり、その後の営業に反映させることが可能になる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態について図36〜図45を用いて説明する。この第4の実施の形態は、保留による事前判定の結果に基づく連続予告演出(ゾーン演出)を、保留数に応じて変更する演出制御に関するものである。
第4の実施の形態では、上述した第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)、第2の構成例に係る振り分け装置10(図28参照)または第3の構成例に係る振り分け装置10(図29参照)のいずれでも用いることが可能である。
〔保留先読み〕
まず、保留先読みについて説明する。
第4の実施の形態に係るパチンコ遊技機100は、いわゆる保留先読みおよびこの保留先読みの結果を報知する先読み報知演出を行う。
保留先読みとは、図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に、特別図柄処理における各種の判定と同様の判定(事前判定)を行うものである。すなわち、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入球(始動口入賞)すると、遊技制御部200において、大当たり判定処理等を行うための各種の乱数が取得される(図6のステップ604、610参照)。このとき、他の始動口入賞に伴う特別図柄処理により特別図柄の変動表示が行われていると、今回の始動口入賞に伴う特別図柄処理は直ちには行われずに保留される(図8参照)。大当たり判定を受ける権利が保留された保留球に関しては、特別図柄の変動表示が終了するたびに、保留された順(入賞順)に特別図柄処理が行われる。なお、本実施の形態では、第2始動口入賞に伴う特別図柄処理は第1始動口入賞に伴う特別図柄処理に優先して処理されることはない。
一方、これとは別に、保留先読み(事前判定)が図柄変動開始時まで待つことなく直ちに行われる(図6のステップ605、611参照)。
〔保留先読みを行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような保留先読みを実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図36は、第4の実施の形態における遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。同図の(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
同図の(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、同図の(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部204a〜204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部204a〜204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のステップ605、611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図37は、演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図37の(a)は、保留記憶領域305の構成を示すブロック図であり、(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図37の(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての保留記憶領域305を備えている。この保留記憶領域305は、第1始動口121への入賞に対する保留と第2始動口122への入賞に対する保留の最大値に対応する8つの記憶部を有している。具体的には、保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305d、第5記憶部305e、第6記憶部305f、第7記憶部305g、第8記憶部305hを有している。
また、同図の(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305hの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、記憶部305a〜305hごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3であり、第2始動口122への入賞による保留数が0の場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のステップ605、611および後述の図37参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、先読み報知演出を行う演出制御手段である。
〔事前判定処理〕
ここで、保留先読みの場合の事前判定処理(図6のステップ605,611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図38は、事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。
同図の(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、(b)には事前判定処理での図柄乱数の構成例、(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
同図の(a)を参照すると、大当たり乱数は、低確率遊技状態(通常遊技状態)である場合と高確率遊技状態(確変遊技状態)の場合の2種類が設定されている。乱数の値の範囲はいずれも0〜600の601個である。さらには、大当たり乱数は、低確率遊技状態と高確率遊技状態とで、それぞれ大当たりのときと小当たりのときの2種類が設定されている。すなわち、事前判定処理の際に用いられる乱数判定テーブルとして、低確率遊技状態での大当たり乱数の判定に用いられる低確率時乱数判定テーブルと、高確率遊技状態での大当たり乱数の判定に用いられる高確率時乱数判定テーブルと、が用意されている。
そして、低確率遊技状態の場合、大当たり当選値および小当たり当選値のいずれも2つ設定され、大当たり当選確率は2/601であり、小当たり当選確率もまた2/601である。また、高確率遊技状態の場合、大当たり当選値は20個設定され、大当たり当選確率は20/601であり、また、小当たり当選値は2個設定され、小当たり当選確率は2/601である。すなわち図示の例では、確変遊技状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率遊技状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、大当たり当選確率が10倍となる。
なお、本実施形態においては、低確率時乱数判定テーブルと高確率時乱数判定テーブルのいずれも、小当たり当選値が50と100である。このため、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかとは関係なく、大当たり乱数が50または100であった場合に小当たりと判定される。
同図の(b)には、第1始動口入賞による大当たり時の図柄乱数と、第2始動口入賞による大当たり時の図柄乱数と、小当たり時の図柄乱数と、が示されている。
同図の(b)を参照すると、第1始動口入賞による大当たりの種類として、高確率時短付き長当たり、通常時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短無し短当たり、および、通常時短無し短当たりの6種類が用意されている。乱数の値の範囲は0〜250の251個である。そして、高確率時短付き長当たりに、0〜100の値が割り当てられているので、第1始動口入賞の保留先読みを行う場合に高確率時短付き長当たりである確率は101/251となる。また、通常時短付き長当たりに101〜150の値が割り当てられているので、第1始動口入賞の保留先読みを行う場合に通常時短付き長当たりである確率は50/251となる。また、高確率時短付き短当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短無し短当たり、および、通常時短無し短当たりにはそれぞれ、151〜175,176〜200,201〜225,226〜250の値が割り当てられているので、その確率はいずれも25/251となる。
また、同図の(b)を参照すると、第2始動口入賞による大当たりの種類として、高確率時短付き長当たり、および、通常時短付き長当たりの2種類が用意されている。乱数の値の範囲は0〜250の251個である。そして、高確率時短付き長当たりに、0〜150の値が割り当てられているので、第2始動口入賞の保留先読みを行う場合に高確率時短付き長当たりである確率は151/251となる。また、通常時短付き長当たりに、151〜250の値が割り当てられているので、第2始動口入賞の保留先読みを行う場合に通常時短付き長当たりである確率は100/251となる。
ここで、第2始動口入賞による大当たり時に、高確率時短付き長当たりまたは通常時短付き長当たりのいずれかのみに当選するように制御する理由を以下説明する。
すなわち、非時短遊技状態においては、第2始動口122にほとんど遊技球が入球しない。言い換えれば、非時短遊技状態においては、大当たりの抽選のほとんどが、第1始動口121に遊技球が入球したことを契機として行われる。したがって、非時短遊技状態において、6種類の大当たりのうちのいずれかが当選するようにすることで、遊技の興趣性を高めるようにしている。
その一方で、仮に、第2始動口122に遊技球が入球した場合も6種類の大当たりが当選するようにしてしまうと、時短遊技状態を設けたことによって遊技者の遊技に対する意欲をかえって減退させてしまうおそれがある。例えば、高確率時短付き短当たりに当選して時短遊技状態となった場合に、さらに通常時短付き短当たりや通常時短無し短当たりに当選してしまうと、高確率時短付き短当たりに当選したことによる遊技価値を享受することができず、遊技に対する遊技者の意欲が一気に減退してしまう。また、例えば、高確率時短付き短当たりに当選して時短遊技状態となった場合に、再度いずれかの「短当たり」に頻繁に当選することとなれば、遊技者は多量の賞球を獲得するという遊技の最大の目的を達成することがなかなかできず、遊技に対する意欲が一気に減退しかねない。このような事態が、時短遊技状態においては頻繁に発生することとなる。
そこで、かかる事態が頻繁に発生することがないよう、第2始動口入賞については、高確率時短付き長当たりまたは通常時短付き長当たりのいずれかのみに当選するようにしたのである。
また、同図の(b)を参照すると、小当たり時における小当たりの種類として、小当たりAおよび小当たりBの2種類が用意されている。乱数の値の範囲は0〜250の251個である。そして、小当たりAに、0〜120の値が割り当てられているので、第1始動口入賞ないし第2始動口入賞での保留先読みを行う場合に小当たりAである確率は121/251となる。また、小当たりBに、121〜250の値が割り当てられているので、その確率は130/251となる。
なお、小当たりAおよび小当たりBは、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同じであり、異なる点としては、小当たりAの場合に特別図柄表示器221,222(図3参照)に停止表示される特別図柄と小当たりBの場合に特別図柄表示器221,222に停止表示される特別図柄とが別のものであることである。
また、図38の(c)を参照すると、リーチ乱数の値の範囲は0〜250の251個である。そして、リーチ有りの場合とリーチ無しの場合とがリーチ乱数判定テーブルとして用意されている。すなわち、リーチ有りに、0〜24の値が割り当てられ、リーチ無しに、25〜250の値が割り当てられている。したがって、第1始動口入賞ないし第2始動口入賞での保留先読みを行う場合にリーチ有りである確率は25/251となり、リーチ無しである確率は226/251となる。
さらに説明すると、大当たり乱数がハズレであると判定された場合にのみ、リーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定を行う。そして、上述したように、ハズレ時には、リーチ無し演出が実行される確率が高くなる一方で、遊技者に期待感を与えるいわゆるガセリーチ演出が10%程度の確率で実行されることとなる。その一方で、大当たり時および小当たり時には、必ずリーチ有り演出が実行されるため、本実施形態においては、リーチ乱数が取得されるものの、当該リーチ乱数の判定は行わないこととしている。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図39は、事前判定処理(図6のステップ605,611)の内容を示すフローチャートである。
図39に示すフローチャートでは、遊技制御部200のCPU201は、内部状態が高確率遊技状態か否かを判断し(ステップ3901)、高確率状態であると判断すると(ステップ3901でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率遊技状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、以後の遊技状態が高確率遊技状態となる大当たり(高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、「高確率時短付き長当たり」に当選した場合には、RAM203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、CPU201が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(ステップ3902)。
そして、CPU201は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(ステップ3903)。ここでいう所定回数Xというのは、高確率時当たり判定用テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、本実施形態においては、以後の遊技状態が高確率遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率時当たり判定用テーブルに基づいて行われる。したがって、本実施形態においては、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率時当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率遊技状態が終了して低確率時当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率時短付き短当たりに当選したとする。その後、高確率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留Bはステップ3903で「YES」と判断され、保留Cはステップ3903で「NO」と判断される。
このように、ステップ3902およびステップ3903の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率遊技状態から低確率遊技状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
CPU201は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(ステップ3903でYes)、以後の内部状態を低確率遊技状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(ステップ3904)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のステップ605において、記憶領域204の第5記憶部204e(図36参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第4記憶部204d(同図参照)に、通常時短付き長当たり、通常時短付き短当たり、通常時短無し短当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において留保された保留球よりも先に消化される保留球に、遊技状態を低確率遊技状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に留保されているとなれば、始動口スイッチ処理(図6参照)において留保された保留球を消化するときに、遊技状態が低確率遊技状態になってしまうからである。
したがって、ステップ3904でYesと判断した場合には、高確率時乱数判定テーブルを選択し(ステップ3906)、また、ステップ3904でNoと判断した場合には、低確率時乱数判定テーブルを選択する(ステップ3907)。
ここで、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合(ステップ3901でNo)や、現在の遊技状態が高確率遊技状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(ステップ3903でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、CPU201は、RAM203の記憶領域204(図36参照)に、以後の遊技状態を高確率遊技状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(ステップ3905)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のステップ605において、記憶領域204の第6記憶部204f(図36参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第5記憶部204e(同図参照)に高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において留保された保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高確率遊技状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に留保されているとなれば、始動口スイッチ処理において留保された保留球を消化するときに、内部状態が高確率遊技状態になってしまうからである。
したがって、ステップ3905でNoと判断した場合には、低確率時乱数判定テーブルを選択し(ステップ3907)、Yesと判断した場合には、高確率時乱数判定テーブルを選択する(ステップ3906)。
なお、詳しくは図示しないが、ステップ3904およびステップ3905において、仮に、以後の遊技状態を高確率遊技状態に変更する大当たりと、以後の遊技状態を低確率遊技状態に変更する大当たりとが記憶領域204(図36参照)に記憶されている場合には、これら2つの大当たりのうち、後に消化される保留球に係る事前判定情報に基づいた判断を行う。例えば、第1記憶部204a(同図参照)に高確率時短付き長当たりに係る事前判定情報が記憶され、第3記憶部204c(同図参照)に通常時短付き長当たりに係る事前判定情報が記憶されているとする。この場合には、第3記憶部204c(同図参照)に記憶された事前判定情報に基づいて判断するため、ステップ3904においてはYesと判断し、ステップ3905においてはNoと判断する。
このように、ステップ3904およびステップ3905の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率遊技状態から低確率遊技状態へと内部状態が変化する場合や、低確率遊技状態から高確率遊技状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
そして、低確率時乱数判定テーブルと高確率時乱数判定テーブルのうち選択されたテーブルに基づいて各乱数の判定が行われ(ステップ3908)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域204(図36参照)に記憶する(ステップ3909)。そして、その事前判定の結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(ステップ3910)、大当たりまたは小当たりであった場合には(ステップ3910でYes)、予兆コマンドをセットし(ステップ3911)、また、ハズレであった場合(ステップ3910でNo)には、通常コマンドをセットする(ステップ3912)。これにより、事前判定処理が終了する。なお、セットされた事前判定コマンドは、出力処理(図5のステップ506参照)において演出制御部300に送信される。
ここで、これらの事前判定コマンドは、新たに留保されて第1保留または第2保留の保留個数が変更されたという情報を演出制御部300に送信するものであり、また、事前判定した結果が大当たり、小当たり、ハズレのいずれであるかという情報が含まれている。
〔演出制御部の動作〕
次に、遊技制御部200から送信される各コマンドに対応して演出制御部300が行う動作を説明する。具体的には、本実施の形態では、演出制御部300は、事前判定コマンド受信処理、演出実行コマンド受信処理および演出制御処理を行う。これらの処理は、演出制御部300のCPU301がROM302に格納されているプログラムの読み出しを行い、そのプログラムにより実行されるものである。
図40は、演出制御部300の動作の一部を示すフローチャートである。なお、出力処理(図5のステップ506参照)により遊技制御部200から送信された各種のコマンドは、演出制御部300のRAM303に設けられた不図示のコマンド記憶部にいったん記憶される。そして、演出制御部300のCPU301は、不図示のコマンド記憶装置に記憶されたコマンドを所定の間隔で見に行くと共に、記憶されている各コマンドに基づいて演出を制御する。
演出制御部300は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図40に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、事前判定コマンド受信処理、演出実行コマンド受信処理および演出制御処理が順次実行される(ステップ4001〜4003)。
同図に示すように、演出制御部300は、遊技制御部200から事前判定コマンドを受信すると事前判定コマンド受信処理を行い(ステップ4001)、遊技制御部200から演出実行コマンドを受信すると演出実行コマンド受信処理を行う(ステップ4002)。そして、演出制御部300は、その後に演出制御処理を行う(ステップ4003)。
なお、これら事前判定コマンド受信処理、演出実行コマンド受信処理および演出制御処理の詳細な内容については後述する。
〔演出制御部による事前判定コマンド受信処理〕
図41は、演出制御部300での事前判定コマンド受信処理(図40のステップ4001)の内容を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、CPU301は、不図示のコマンド記憶部に事前判定コマンドが記憶されているか否かを判断する(ステップ4101)。事前判定コマンドが記憶されていると判断すると(ステップ4101でYes)、CPU301は、RAM303の保留記憶領域305の保留フラグ記憶領域(図37(b)参照)にて保留フラグをONする(ステップ4102)。
なお、事前判定コマンドが記憶されていない場合(ステップ4101でNo)には、事前判定コマンド受信処理を終了する。
次に、CPU301は、RAM303の保留記憶領域305のいずれかの記憶部305a〜305h(図37参照)に予兆フラグがONされているか否かを判断する(ステップ4103)。その結果、CPU301は、いずれかの記憶部305a〜305h(同図参照)に予兆フラグがONされていると判断した場合(ステップ4103でYes)には、保留数予兆表示コマンドをセットし(ステップ4104)、特定演出コマンド処理を行う(ステップ4105)。かかる特定演出コマンド処理は、特定演出についての設定を行う処理であり、その詳細は後述する。
その一方で、いずれの記憶部305a〜305h(図37参照)にも予兆フラグがONされていないと判断した場合(ステップ4103でNo)には、保留数通常表示コマンドをセットする(ステップ4106)。
なお、保留数予兆表示コマンドおよび保留数通常表示コマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、第1保留および第2保留に係る情報を有している。また、保留数予兆コマンドには、いずれの記憶部に予兆フラグがONされているのかという情報も有している。
このようにしてコマンドをセットしたら、事前判定コマンド受信処理を終了する。
〔特定演出コマンド処理〕
図42は、特定演出コマンド処理(図41のステップ4105)の内容を示すフローチャートである。
ここにいう特定演出とは、先読み報知演出として行われるものをいう。先読みの結果が遊技者にとって有利なものである場合に保留先読み連続予告へ突入する制御を行うことによって、保留の消化に伴う次変動以降に大当たりへの期待感を遊技者に与えることができる。このような特定演出では、画像表示部114(図1参照)に表示される背景画像が、先読みの結果を示唆する内容に変更される。
そして、特定演出には、所定の条件を満たすことで実行される付加演出が含まれる。ここにいう付加演出とは、大当たりへの期待感を更に高めるための専用の演出である昇格演出をいう。なお、昇格演出では、それまでの特定演出で表示される背景画像とは別の背景画像が画像表示部114(図1参照)に表示される。
このように、特定演出コマンド処理では、特定演出の内容決定が行われるほか、そのような付加演出(昇格演出)についての設定も行われる。以下、説明する。
図42に示すフローチャートでは、演出制御部300のCPU301は、まず、特定演出を実行している最中か否かを調べる(ステップ4201)。特定演出実行中でない場合(ステップ4201でNo)、特定演出における昇格演出に関する抽選を行う(ステップ4202)。かかる昇格抽選は、特定演出の内容決定に用いられるテーブルを選択するためのものである。すなわち、昇格抽選の結果に応じて、テーブルを選択する。
より具体的には、CPU301は、昇格抽選用の乱数を取得し、その乱数を判定して当選か否かを判断する(ステップ4203)。このような昇格抽選の結果に応じて、特定演出における昇格演出を許容するか否か(昇格の許否)、そして、許容する場合には、昇格演出をどのような条件を満たすときに実行するのかということ(昇格演出実行条件、昇格条件)が定められる。
なお、昇格演出の内容が複数用意される場合、どのような条件を満たすときに複数の昇格演出内容のなかのいずれを実行するかというような対応関係を定めることも考えられる。
昇格抽選が当選の場合(ステップ4203でYes)、第1の付加演出テーブルを選択し(ステップ4204)、また、当選でない場合(ステップ4203でNo)、第2の付加演出テーブルを選択する(ステップ4205)。なお、昇格抽選の当選確率を一律に同じにする制御例のほか、例えば遊技状態ないし内部状態に応じて選択することで可変にする制御例も考えられる。
さらに説明すると、第1の付加演出テーブルか第2の付加演出テーブルかの選択を、当たり種に応じて行ったり、長当たりか短当たりかに応じて行ったりすることが考えられる。また、特定演出開始時の保留数が所定の値(例えば6個)以上の場合に付加演出を行う制御や、逆に付加演出を行わない制御の例が考えられ、また、特定演出開始時の保留数が1の場合には付加演出を行わない制御の例も考えられる。
また、特定演出開始後に保留数を増やしたり、特定演出中に当たりがあった場合に付加演出を行う制御の例も考えられる。また、入賞したときの当該変動や次変動で付加演出を行う制御の例も考えられる。
そして、CPU301は、特定演出の内容を決定し(ステップ4206)、決定した内容に係る特定演出コマンドをセットする(ステップ4207)。その後、特定演出コマンド処理を終了する。
また、演出制御部300のCPU301は、特定演出実行中の場合(ステップ4201でYes)、現在の保留数を確認すると共に(ステップ4208)、昇格演出に関する乱数を取得する(ステップ4209)。
なお、上述したステップ4208における保留数確認は、コマンド受信処理において遊技制御部200からの保留数増加コマンドの受信に伴う処理(ステップ1901〜1903参照)により現在の保留数を取得していることから、それを調べることで行われる。
付言すると、特定演出実行中に、所定個数の保留数が溜まったら昇格演出を行うかもしれないという報知ないし示唆を例えば画像表示部114(図1参照)に表示するという制御例が考えられる。また、そのような報知ないし示唆を表示しないという制御例も考えられる。
ここで、確認した保留数および取得した乱数(ステップ4208、4209参照)は、昇格抽選の結果により選択された付加演出テーブルの参照時に用いられる。このような付加演出テーブルの概要について説明する。
図43−1は、付加演出テーブルの概要を示す図である。同図の(a)は第1の付加演出テーブル(ステップ4204参照)についてのものであり、(b)は第2の付加演出テーブル(ステップ4205参照)についてのものである。
同図の(a)および(b)を参照すると、第1の付加演出テーブルと第2の付加演出テーブルの各々の項目は、選択比率(%)および演出の種類である。なお、選択比率の合計はいずれも100である。
同図に示す第1の付加演出テーブルないし第2の付加演出テーブルでは、特定演出において昇格演出ないし未昇格演出を行うか否かが決定される。特定演出における昇格は、遊技者に大当たり抽選の結果が遊技者に有利なものであることの期待を抱かせることができる。
ここにいう昇格演出とは、上述のとおり、昇格することで大当たりへの期待感を更に高めるための専用の演出をいい、特定演出の始まりにおける演出(昇格前の演出)よりもさらに大当たりを期待し易いような内容の演出である。また、未昇格演出とは、昇格するかもしれないという昇格への期待感を遊技者に持たせることを目的とする専用の演出をいう。言い換えると、昇格演出は、実際に昇格する場面であり、また、未昇格演出は、昇格に至らない場面である。
後述するように、第1の付加演出テーブルでは、昇格演出を行うか否かが決定され、また、第2の付加演出テーブルでは、未昇格演出を行うか否かが決定される。すなわち、第1の付加演出テーブルが選択される場合(ステップ4204参照)、未昇格演出が実行されることはなく、また、第2の付加演出テーブルが選択される場合(ステップ4205参照)、昇格演出が実行されることはない。
なお、第1の付加演出テーブルが選択される場合でも未昇格演出が実行される場合があったり、逆に、第2の付加演出テーブルが選択される場合でも昇格演出が実行される場合があったりするテーブル例も考えられる。
図43−1の(a)に示す第1の付加演出テーブルおよび同図の(b)に示す第2の付加演出テーブルでは、演出の種類として、所定条件を満たすと昇格演出または未昇格演出を実行する場合(条件付き実行)と、所定条件を満たすことに関係なく昇格演出または未昇格演出を行う場合(無条件実行)と、所定条件を満たすことに関係なく昇格演出および未昇格演出を実行しない場合(不実行)と、がある。
ここにいう所定条件としては、保留数(保留球の数)に関するものであり、例えば保留球が所定個数になること(保留数が所定値に達すること)である。そして、上述したように、保留数の上限値は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数との合計数について設定されるものであり、その上限値が8個である。すなわち、始動口121,122ごとに保留数の上限値(例えば4個)が設定されるものではない。
このため、第1始動口121についての保留球か第2始動口122についての保留球かの別を問わず、保留球の合計が所定個数に達すると、特定演出に昇格演出または未昇格演出が付加される。
さらに説明すると、特定演出の実行中に昇格演出または未昇格演出を割り込ませるタイミングは、所定条件を満たした時以降である。より具体的には、保留球の合計が所定個数に達する時点で昇格演出または未昇格演出を実行する制御例(即時実施)のほか、特定演出に起因するタイミングで昇格演出または未昇格演出を実行する制御例等が考えられる。
図43−1の(a)に示す第1の付加演出テーブルを参照すると、昇格演出の条件付き実行における所定条件は、保留数が8個となること、保留数が6個になることおよび保留数が4個になること、の3つである。より詳細には、保留数が8個になった時点で昇格演出を実行するという演出は、70%の確率で選択される。そして、保留数が6個になった時点で昇格演出を実行するという演出は、10%の確率で選択され、また、保留数が4個になった時点で昇格演出を実行するという演出は、10%の確率で選択される。
また、保留数に関係なく実行する場合(無条件実行)すなわち、直ちに昇格演出を実行するという演出は、5%の確率で選択される。また、昇格演出を実行しない(未昇格演出も実行しない)という演出は、5%の確率で選択される。
なお、第1の付加演出テーブルは、特定演出において昇格演出を実行するタイミングを定めているということもいえる。
図43−1の(b)に示す第2の付加演出テーブルを参照すると、未昇格演出の条件付き実行における所定条件は、第1の付加演出テーブルの場合と同じく、保留数が8個となること、保留数が6個になることおよび保留数が4個になること、の3つである。より詳細には、保留数が8個になった時点で未昇格演出を実行するという演出は、40%の確率で選択される。そして、保留数が6個になった時点で未昇格演出を実行するという演出は、30%の確率で選択され、また、保留数が4個になった時点で未昇格演出を実行するという演出は、20%の確率で選択される。
また、保留数に関係なく未昇格演出を実行しない(昇格演出も実行しない)という演出は、10%の確率で選択される。
なお、第2の付加演出テーブルは、特定演出において未昇格演出を実行するタイミングを定めているということもいえる。
ここで、図43−2は、特定演出に伴って画像表示部114に表示される画像例を説明する図であり、より具体的には同図において(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の各々に示す。
特定演出が開始されると、同図の(a)に示す画像、すなわち「保留を8個にして下さい!」という文字が表示される。これにより、遊技者は、遊技球の発射を止めずに打ち続けて保留を増やせば何かあるかもしれないという期待感を持つ。
そして、保留数の確認と付加演出テーブルによる演出の種類とを基に、画像表示部114に表示される画像が選択される。例えば、演出の種類が、第1の付加演出テーブルの「直ちに昇格演出を実行する」のときには、同図の(b)に示す画像、すなわち「昇格!」という文字が表示される。なお、「昇格」の代わりに「当たり」を表示する例も考えられる。
また、演出の種類が、第1の付加演出テーブルの「保留数が8個、6個、4個になった時点で昇格演出を実行する」のときには、同図の(c)に示す画像、すなわち「もう少し増やしたら昇格演出するよ!」という文字が表示される。なお、すでに所定の保留数になったら、同図の(a)の画像例が表示される。
また、演出の種類が、第2の付加演出テーブルの「保留数が8個、6個、4個になった時点で未昇格演出を実行する」のときには、同図の(d)に示す画像、すなわち「もう少し増やしたら昇格演出するかも」という文字が表示される。
また、演出の種類が、第1の付加演出テーブルおよび第2の付加演出テーブルの「昇格演出および未昇格演出を実行しない」のときには、同図の(e)に示す画像、すなわち「ハズレ」の文字が表示される。
なお、これらの画像例は、その一例を示すものであり、これ以外の画像を画像表示部114に表示する制御も考えられる。
図42に戻って、特定演出コマンド処理の説明を続ける。
演出制御部300のCPU301は、昇格抽選(ステップ4203参照)の結果として選択された付加演出テーブルが第1の付加演出テーブルであるか否かを調べる(ステップ4210)。
そして、第1の付加演出テーブルを選択している場合(ステップ4210でYes)、CPU301は、第1実行条件を具備するか否かを判断する(ステップ4211)。
ここにいう第1実行条件とは、昇格演出を実行するための条件をいい、より具体的には、条件付き実行が選択された場合に上述の所定条件を満たすことを指し、また、無条件実行が選択されたことを指す。なお、不実行が選択された場合には、第1実行条件を具備することはない。
保留数が所定個数に達したら昇格演出を実行する条件付き実行が選択された場合に上述の所定条件を満たすときや、直ちに昇格演出を実行する無条件実行が選択されたときには、第1実行条件を具備するとして(ステップ4211でYes)、昇格演出の内容を決定し(ステップ4212)、決定した昇格演出に応じた昇格演出コマンドをセットする(ステップ4213)。そして、特定演出コマンド処理を終了する。
また、第1実行条件を具備しない場合には(ステップ4211でNo)、特定演出コマンド処理を終了する。
また、第2の付加演出テーブルを選択している場合(ステップ4210でNo)、CPU301は、第2実行条件を具備するか否かを判断する(ステップ4214)。
ここにいう第2実行条件は、未昇格演出を実行するための条件をいい、より具体的には、第1実行条件と同じく、条件付き実行が選択された場合に上述の所定条件を満たすことを指し、また、無条件実行が選択されたことを指す。不実行が選択された場合には、第2実行条件を具備することはない。
第2実行条件を具備する場合(ステップ4214でYes)、CPU301は、未昇格演出の内容を決定し(ステップ4215)、決定した未昇格演出に応じた未昇格演出コマンドをセットした後(ステップ4216)、特定演出コマンド処理を終了する。
また、第2実行条件を具備しない場合には(ステップ4214でNo)、特定演出コマンド処理を終了する。
このように、第1の付加演出テーブルまたは第2の付加演出テーブルが選択されている場合、演出の種類として設定されている複数の演出の中のいずれとするかの判定は、取得乱数(ステップ4209参照)で定められる。そして、判定結果が条件付き実行の場合は、さらに保留数(ステップ4208参照)が所定値に達するか否かの判断が行われ、昇格演出ないし未昇格演出を実行するか否かを決定する。
また、判定結果が無条件実行の場合は、昇格演出ないし未昇格演出を実行することを決定し(ステップ4211でYes、ステップ4214でYes)、判定結果が不実行の場合は、昇格演出および未昇格演出を実行しないことを決定する(ステップ4211でNo、ステップ4214でNo)。
すなわち、付加演出テーブルを基に、取得乱数(ステップ4209参照)を用いて演出の種類を選び、選ばれた演出の種類が条件付き実行の場合にはさらに保留数(ステップ4208参照)を基に昇格演出を行うか否かを決定する。
ここで、図43−1に示す第1の付加演出テーブルおよび第2の付加演出テーブルでは、条件付き実行における所定条件は事前に設定されている。すなわち、保留数が8個となること、保留数が6個になることおよび保留数が4個になること、の3つであり、それぞれについての選択確率が事前に設定されている(事前の設定)。しかしながら、他の付加演出テーブルを用いて付加演出に関する決定を行うことも考えられる。
例えば、演出の種類についての抽選および所定条件についての抽選を行う制御例である(抽選による設定)。より具体的には、付加演出テーブルと所定条件テーブル(不図示)とを備える構成例である。
すなわち、付加演出テーブルでは、「所定条件になった時点で昇格演出(未昇格演出)を実行する」、「直ちに昇格演出(未昇格演出)を実行する」および「昇格演出および未昇格演出を実行しない」という演出の種類が選択比率と共に設定されている。また、付加演出テーブルとは別のテーブルである所定条件テーブル(不図示)では、保留数が例えば8個、7個、6個、5個、4個という所定条件が選択比率と共に設定されている。
そして、特定演出コマンド処理における乱数取得(ステップ4209参照)では、付加演出テーブル用の乱数と所定条件テーブル用の乱数とを取得する。前者では、付加演出テーブルに応じて演出の種類が決定され、後者では、所定条件テーブルに応じて所定条件が決定される。
このような制御例を採用することで、遊技者が特定演出における昇格演出の出現についての予測が付きにくくなり、より興趣性を高めることが可能になる。
〔演出制御部による演出実行コマンド受信処理〕
図44は、演出制御部300での演出実行コマンド受信処理(図40のステップ4002)の内容を示すフローチャートである。
図44に示すフローチャートでは、演出制御部300のCPU301は、RAM303に演出実行コマンドが記憶されているか否かを判断する(ステップ4401)。ここにいう演出実行コマンドとは、特別図柄処理(図5のステップ503参照)により生成されるものをいい、少なくとも「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果に係る情報と、特別図柄の変動時間および演出の態様(リーチ有り演出かリーチ無し演出か)と、に係る情報を有する。より具体的に説明すると、演出実行コマンドは、これから変動表示が開始される特別図柄の内容、すなわち、大当たり、小当たり、ハズレのいずれに係る特別図柄の変動表示が開始されるのかという情報を有する。また、演出実行コマンドは、この特別図柄の変動表示の際に行われる演出が、リーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、さらにはそのリーチ演出の時間に係る情報を有する。
CPU301は、演出実行コマンドが記憶されていると判断すると(ステップ4401でYes)、ROM302に格納された複数の演出テーブルの中から、演出実行コマンドに基づいて一の演出テーブルを選択する(ステップ4402)。
なお、演出制御部300のROM302には、長当たり演出テーブル、短当たりおよび小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチ無し演出テーブルが格納されている。
その後、CPU301は、0〜250の乱数の中から一の乱数を無作為に抽出して取得し(ステップ4403)、選択された演出テーブルに基づいてその乱数を判定する。この演出テーブルにおいては、乱数と演出パターンとが対応付けられており、乱数に応じて多数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定する。これにより、CPU301は、演出内容を決定する(ステップ4404)。より具体的には、画像表示部114における装飾図柄パターン、可動役物115の動作パターン、盤ランプ116と枠ランプ157の照射パターン、スピーカ156から出力する音声パターンがそれぞれ決定される。
このようにして、特別図柄の変動表示中に行われる演出パターンが決定した後に、CPU301は、決定された演出パターンに係る演出確定コマンドをセットする(ステップ4405)。そして、CPU301は、RAM303の保留記憶領域305のシフト処理を行う(ステップ4406)。例えば、第1記憶部305a〜第4記憶部305dにフラグが記憶されている場合に第1保留に係る演出実行コマンドを受信したときには、第4記憶部305dに記憶されているフラグを第3記憶部305cにシフトして記憶する。そして、第3記憶部305cに記憶されているフラグを第2記憶部305bにシフトして記憶し、第2記憶部305bに記憶されているフラグを第1記憶部305aにシフトして記憶する。なお、この場合には、第1記憶部305aに記憶されているフラグは消去する。
CPU301は、保留記憶領域305のいずれかの記憶部305a〜305hに予兆フラグがONされているか否かを判断する(ステップ4407)。いずれかの記憶部305a〜305hに予兆フラグがONされていると判断した場合(ステップ4407でYes)には、CPU301は保留数予兆表示コマンドをセットする(ステップ4408)。そうでないと判断した場合(ステップ4408でNo)には、保留数通常表示コマンドをセットする(ステップ4409)。これらのコマンドは、演出制御処理において保留数を遊技者に報知するためのものであり、第1保留の保留数および第2保留の保留数に係る情報を有する。また、保留数予兆コマンドには、いずれの記憶部305a〜305hに予兆フラグが記憶されているのかという情報も有する。
なお、具体的には図示していないが、演出制御部300のCPU301がルーチン処理を実行する際に、事前判定コマンドと演出実行コマンドとを同時に受信する場合がある。この場合には、図41に示す事前判定コマンド受信処理のステップ4104またはステップ4106において、すでに保留数予兆表示コマンドまたは保留数通常表示コマンドがセットされている。一方で、図44に示す演出実行コマンド受信処理においては、事前判定コマンド受信処理とは別に、ステップ4406にてシフト処理された後の情報に基づいて、保留数予兆表示コマンドまたは保留数通常表示コマンドをセットする。そのため、ステップ4104またはステップ4106でセットされたコマンドと、ステップ4408またはステップ4409でセットされたコマンドとは異なったものとなる。
このように、事前判定コマンドと演出実行コマンドとを同時に受信した場合には、事前判定コマンド受信処理においてセットされたコマンドを消去したうえで、演出実行コマンド受信処理において、新たなコマンドをセットすることとなる。
このようにしてコマンドをセットしたら、演出実行コマンド受信処理を終了する。
図45は、演出制御部300での演出制御処理(図40のステップ4003)の内容を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、上述した事前判定コマンド受信処理または演出実行コマンド受信処理において保留数予兆表示コマンドがセットされている場合には、画像/音響制御部310のCPU311は、ROM312からプログラムを読み出して画像表示部114について保留数予兆表示制御としての演出表示装置制御を開始する(ステップ4501)。すなわち、画像表示部114の装飾図柄の変動中に所定画像の表示を行う。なお、画像表示部114に保留数表示が表示されているときには、保留数表示を変更する。
また、ランプ制御部320のCPU321は、ROM322からプログラムを読み出して可動役物115について保留数予兆表示制御としての演出役物装置制御を開始する(ステップ4502)。同様に、ランプ制御部320のCPU321は、盤ランプ116および枠ランプ157について保留数予兆表示制御としての演出用照明装置制御を開始する(ステップ4503)。また、画像/音響制御部310のCPU311は、スピーカ156について保留数予兆表示制御としての音出力装置制御を開始する(ステップ4504)。
また、保留数通常表示コマンドがセットされている場合には、CPU311による画像表示部114の保留数通常表示制御としての演出表示装置制御(ステップ4501)、およびCPU321による可動役物115の保留数通常表示制御としての演出役物装置制御(ステップ4502)を行う。また、CPU321による盤ランプ116および枠ランプ157の保留数通常表示制御としての演出用照明装置制御(ステップ4503)、およびCPU311によるスピーカ156の保留数通常表示制御としての音出力装置制御(ステップ4504)を行う。
〔第4の実施の形態が有する意義について〕
次に、第4の実施の形態が有する意義について改めて説明する。
保留球による事前判定の結果に基づく連続予告は、複数の図柄変動にわたって行われ、また、そのような連続予告はいつも行われるというわけではないことから、連続予告中には、その保留球が消化されて大当たり抽選の結果が表示されるまで、連続予告を楽しむ等のために遊技球の発射を一時的に止めることが想定される。しかしながら、そのような一時的な遊技球の発射停止は、ホール店での稼働率の低下を招くおそれがあり、好ましくない。
かかる課題を解決するための構成は、第1の始動口121への遊技球の入球を第1の検出手段211が検出する場合および第2の始動口122への遊技球の入球を第2の検出手段212が検出する場合に大当たり判定を判定手段234が入球順に行い、当該大当たり判定の結果を示す図柄を背景画像と共に表示手段114が表示する遊技機100であって、前記判定手段234による前記大当たり判定を受ける権利が保留される保留球を記憶する記憶手段203と、前記記憶手段203により記憶される前記保留球に係る前記大当たり判定が行われる前に事前判定を行う事前判定手段201と、前記記憶手段203により記憶される前記保留球に対応して行われる前記大当たり判定の結果が前記表示手段114に表示される前に、当該表示手段114での前記背景画像を当該保留球に対応する前記事前判定手段201の事前判定結果を示唆する内容に変更する背景表示制御手段301と、前記背景表示制御手段301により前記背景画像が変更されている間において前記記憶手段203により記憶される前記保留球の数が所定の値に達する場合、当該背景表示制御手段301による当該背景画像を別の背景画像に変更するか否かを決定する決定手段301と、を備えることを特徴とするものである。
付言すると、第4の実施の形態に係るパチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
第1始動口121(図1、図27、図28または図29参照)は第1の始動口の一例であり、第2始動口122(図1、図27、図28または図29参照)は第2の始動口の一例である。第1始動口スイッチ211(図3参照)は第1の検出手段の一例であり、第2始動口スイッチ212(同図参照)は第2の検出手段の一例である。
遊技制御部200の特別図柄判定部234(図4参照)は判定手段の一例である。画像表示部114(図1または図3参照)は表示手段の一例である。
遊技制御部200のRAM203(図3または図36参照)は記憶手段の一例であり、CPU201(図3参照)は事前判定手段の一例である。
演出制御部300のCPU301(図3参照)は背景表示制御手段の一例であり、決定手段の一例である。昇格演出による背景画像は、別の背景画像の一例である。
第4の実施の形態によれば、演出に起因するホール店での稼働率の低下を抑制することが可能になる。
すなわち、第4の実施の形態では、連続予告演出が開始された後の保留数に応じて、付加演出としての昇格演出を実行するか否かを決定することから、連続予告演出中にも遊技球の発射を停止しない遊技者に対して、あまり出現しない昇格演出を見せることになる。そのため、連続予告演出中に遊技を継続する意義を理解する遊技者は、遊技球の発射を停止しないようになり、ホール店での稼働率低下を抑制することが可能になる。
付言すると、保留球は8個まで溜めることができ、かつ、始動口121,122ごとに上限設定されているのではない。そのため、連続予告演出が開始されてから当該変動になるまでの時間が長くなり、そのような遊技球の発射停止による影響はより大きいと言える。したがって、第4の実施の形態により、稼働率低下の抑制効果も大きくなることが期待される。違う見方をすれば、保留数に応じて実行される昇格演出のための時間を長く確保することが可能になり、遊技者に魅力的な昇格演出を実行することが可能になる。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態について図46〜図48を用いて説明する。この第5の実施の形態は、第1始動口121または第2始動口122への入球に対応する特別図柄抽選が変動表示動作の終了まで保留されていることを示す保留表示に関するものである。
第5の実施の形態では、上述した第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)、第2の構成例に係る振り分け装置10(図28参照)または第3の構成例に係る振り分け装置10(図29参照)のいずれでも用いることが可能である。
〔保留表示態様選択処理〕
図46は、第5の実施の形態における保留表示態様選択処理の内容を示すフローチャートであり、複数の保留表示態様のうちいずれか一を選択するための処理手順を示す。より具体的には、保留表示態様選択処理は、第1保留表示態様(図47の(a)参照)と第2保留表示態様(同図の(b)参照)との相互切り換えを行うものである。
なお、ここにいう第1保留表示態様は、保留表示として通常用いられる表示形式である。ここにいう第2保留表示態様は、通常では表示されない特殊な表示形式である。詳細は後述するが、第1保留表示態様は、第1始動口121の入球による保留であるか第2始動口122の入球による保留であるかの区別が容易な表示態様である。そして、第2保留表示態様は、そのような区別が第1保留表示態様の場合よりも困難な表示態様である。
図46に示す処理例では、演出制御部300が、予め定められた変更条件を具備するか否かを判定する(ステップ4601)。ここにいう変更条件とは、保留表示態様を通常のもの(第1保留表示態様)から特殊なもの(第2保留表示態様)に変更するか否かを決めるための条件をいう。したがって、ステップ4601では、特殊な保留表示態様に切り換えるタイミングを調べる。
変更条件を具備する場合(ステップ4601でYes)、演出制御部300は第2保留表示態様に変更する(ステップ4602)。その後、保留表示態様選択処理を終了する。
また、変更条件を具備しない場合(ステップ4601でNo)、演出制御部300は、予め定められた復帰条件を具備するか否かを判定する(ステップ4603)。ここにいう復帰条件とは、保留表示態様を特殊なもの(第2保留表示態様)から通常のもの(第1保留表示態様)に変更するか否かを決めるための条件をいう。したがって、ステップ4603では、通常の保留表示態様に切り換えるタイミングを調べる。
復帰条件を具備する場合(ステップ4603でYes)、演出制御部300は第1保留表示態様に変更し(ステップ4604)、保留表示態様選択処理を終了する。
また、復帰条件を具備しない場合(ステップ4603でNo)、保留表示態様選択処理を終了する。すなわち、変更条件を具備せず復帰条件をも具備しないときは、保留表示態様を切り換えるタイミングではなく、現在の保留表示態様が維持される。
ここで、変更条件および復帰条件についての具体例を説明する。すなわち、保留表示態様の切り換えタイミングについて説明する。
例えば、リーチ演出に関し、変更条件としては「リーチが成立すること」、復帰条件として「リーチ演出が終了すること」ないし「大当たり演出が終了すること」、「大当たり後の時短演出が終了すること」等を挙げることができる。このような変更条件を設定することにより、リーチ図柄成立を契機に、第1保留表示態様よりも始動口121,122による保留の区別が困難な第2保留表示態様への切り換えが行われる。
また、変更条件および復帰条件についての他の例としては、モード変更時の切り換えや事前判定に基づく切り換えが考えられる。
例えば、先読みの連続予告に関する切り換えの場合には、「複数の図柄変動をまたがって行われる連続予告演出に突入すること」が変更条件であり、「連続予告演出が終了すること」が復帰条件である。
〔第1保留表示態様および第2保留表示態様について〕
図47は、保留表示態様選択処理により切り換えられる保留表示態様を説明する図であり、(a)が第1保留表示態様(第1保留表示形式)、(b)が第2保留表示態様(第2保留表示形式)をそれぞれ示す。
なお、同図の(a)に示す保留画像61,63および同図の(b)に示す保留画像71,73は、第1始動口121の入球によるものであり、同図の(a)に示す保留画像62,64,65および同図の(b)に示す保留画像72,74,75は、第2始動口122の入球によるものであるとする。
また、同図の(a)および(b)では、画像表示部114に保留画像61〜65,71〜75が表示される場合の例を図示しているが、他の表示部に表示する場合にも適用することが考えられ、また、ランプで表示する場合にも適用することが考えられる。
図47の(a)を参照すると、画像表示部114に、第1保留画像61、第2保留画像62、第3保留画像63、第4保留画像64および第5保留画像65が表示されており、保留数は5である。なお、同図の(a)では、あと3個の保留が可能であることを破線で図示する。
さらに説明すると、図47の(a)では、第1保留画像61および第3保留画像63と、残りの保留画像すなわち、第2保留画像62、第4保留画像64および第5保留画像65と、が互いに異なる表示になっている。より詳細には、表示される保留が第1始動口121によるものか第2始動口122によるものかの区別を容易に行うことができるようになっている。すなわち、保留画像61,63と保留画像62,64,65とが、例えば互いに異なる色彩であったり、互いに異なる模様であったりする表示である。
また、他の表示としては、保留画像が互いに異なる形状であったり、形状が同じであるものの互いに異なる大きさであったりする制御例も考えられる。
また、図47の(b)を参照すると、画像表示部114には、第1保留画像61(同図の(a)参照)に対応する第1保留画像71と、第2保留画像62に対応する第2保留画像72と、第3保留画像63に対応する第3保留画像73と、第4保留画像64に対応する第4保留画像74と、第5保留画像65に対応する第5保留画像75が表示されている。
さらに説明すると、図47の(b)では、表示される保留が第1始動口121によるものか第2始動口122によるものかの区別を容易に行うことができないようになっている。言い換えると、かかる区別は、同図の(b)の方が同図の(a)の場合よりも困難である。
より具体的には、保留画像71,73は丸形状の図形で表示される一方で、保留画像72,74,75は丸形状の図形とこの図形の上側に位置する小さな点とで表示されている。すなわち、小さな点の有無で第1始動口121によるものか第2始動口122によるものかを表示している。
したがって、一見すると、保留画像71,73と保留画像72,74,75との間の区別を行うことが困難である。より正確には、同図の(b)に示す第2保留表示態様は、保留が第1始動口121によるものか第2始動口122によるものかの区別が可能であるものの、同図の(a)に示す第1保留表示態様の場合よりも区別し難い。
このように、パチンコ遊技機100は、始動口121,122のいずれによる保留であるかの区別が明らかになるように表示する第1保留表示態様(通常表示の形式)と、第1保留表示態様よりも区別が困難になるように表示する第2保留表示態様(特殊表示の形式)と、の間の相互切り換えが可能なように構成されている。
すなわち、遊技者は、第1保留表示態様の場合には保留が第2始動口122によるものであるか否かの判断が容易である一方で、第2保留表示態様の場合には保留が第2始動口122によるものであるか否かの判断が困難である。
さらに説明すると、大当たり抽選の結果が大当たりのときの大当たり内容が、第1始動口121による大当たり抽選の場合よりも第2始動口122による大当たり抽選の場合の方が遊技者にとって有利な機種が従来から知られている。例えば、大当たりの場合に行われる大当たり遊技で払い出される賞球の数の上限設定が、第1始動口121による大当たり抽選の場合よりも第2始動口122による大当たり抽選の場合の方が多い機種である。
このような設定としては、例えば、大当たり遊技のラウンド数や、大当たり遊技終了後の内部状態が高確率状態である確率、大当たり遊技終了後の時短の回数などが、第1始動口121よりも第2始動口122による場合の方が多いことを挙げることができる。
かかる機種での遊技において例えばリーチが成立すると、遊技者はリーチが第1始動口121によるものであるか第2始動口122によるものであるかを、保留表示によって調べようとする。遊技者はときどき保留表示を見ていることから、現在の保留表示を基に、保留消化された当該変動が第2始動口122によるものであるか否かを判断することが可能であることによる。
遊技者は、第2始動口122によるものでないことが推測されると残念な気持ちを持ちがちであり、また、第2始動口122によるものであることが推測されると多くの賞球を獲得できるかもしれないという期待を持ちがちである。すなわち、大当たり抽選が報知される前に遊技者の心理状態が、保留表示によって影響を受けるおそれがある。
また、このような大当たり抽選に関して第1始動口121と第2始動口122との間の偏りがある機種のほかに、保留球に基づく事前判定の結果が、第1始動口121に入球することによる保留の場合よりも第2始動口122に入球することによる保留の場合の方が遊技者にとって有利な機種も従来から知られている。
かかる機種での遊技において、事前判定結果が遊技者にとって有利なものであるとして所定の演出(例えば先読みによる連続予告)が開始されると、遊技者はその事前判定結果が第1始動口121によるものであるか第2始動口122によるものであるかを、保留表示によって確認しようとする。そのような遊技者心理からすると、保留表示を見て、第2始動口122の保留によるものではないことが分かった時点で、却って残念な気分になってしまい、その後の事前判定結果に基づく所定の演出を十分に楽しめないおそれがある。このように、事前判定結果に係る保留が消化される前に遊技者の心理状態が、保留表示によって影響を受けるおそれがある。
そこで、遊技者が、当該変動が第2始動口122によるものであるか否かを判断するために改めて保留表示を確認しようとする場面では、第1保留表示態様(図47の(a)参照)ではなく第2保留表示態様(同図の(b)参照)に切り換えるように演出制御を行う。これにより、リーチ成立に係る入賞や事前判定結果が第2始動口122の保留によるものであるか否かの確認が困難になることから、その後の演出にドキドキ感をもって楽しむことが可能になり、演出の効果が低下することを抑制することが可能になる。
さらに説明すると、リーチのときには、それまで表示されていた第1保留表示態様を画像表示部114から消し、保留表示を再表示するタイミングで第2保留表示態様に切り換える演出制御例が考えられる。このような演出制御例は、事前判定結果の場合に対しても適用することが考えられる。
なお、第2始動口122によるものが第1始動口121によるものよりも遊技者にとって有利な機種の場合について説明したが、逆の場合すなわち、第1始動口121によるものが第2始動口122によるものよりも遊技者にとって有利な機種にも同様に適用することが可能である。
すなわち、第1始動口121による場合と第2始動口122による場合とで、賞球に関する設定(大当たり抽選や大当たり内容、事前判定結果等)が遊技者にとって有利/不利という偏りを持つ機種に対して適用することが考えられる。
〔第3保留表示態様について〕
ここで、保留表示態様についての他の切り換えタイミングとしては、電断復旧時を挙げることができる。以下、電断復旧時の保留表示態様に関して説明する。
図48は、他の保留表示態様を説明する図であり、より具体的には、上述した第1保留表示態様(図47の(a)参照)および第2保留表示態様(同図の(b)参照)とは異なる第3保留表示態様である。
すなわち、図48に示す第3保留表示態様では、画像表示部114に、第1保留画像81、第2保留画像82、第3保留画像83、第4保留画像84および第5保留画像85が表示されており、図47の場合と同じく保留数が5になっている。さらに説明すると、保留画像81〜85の各々は、始動口121,122のいずれによる保留であるかの区別を行うことができないようになっている。
このような第3保留表示態様は、第1保留表示態様や第2保留表示態様とは異なる表示である。より具体的には、保留画像81〜85はいずれも同じ表示であり、例えば特定の色彩や模様、形状等で表示する画像である。その一例を示すと、保留画像81〜85の画像が、黄色の円形状の図形で統一されている演出制御が考えられる。すなわち、第3保留表示態様では、保留数の数は表示しているものの、それが第1始動口121によるものであるか第2始動口122によるものであるかを表示していない。
さらに説明すると、電断前には、第1保留表示態様または第2保留表示態様(図47の保留画像61〜65,71〜75参照)で表示されているものの、電断が発生して画像表示部114の表示が消える。そして、やがて電断復旧した時には、第3保留表示態様(図48の保留画像81〜85参照)に切り換わって表示される。
なお、電断復旧時に保留表示を行う場合の態様として、第1保留表示態様、第2保留表示態様または第3保留表示態様のいずれかを予め決定しておく制御例も考えられる。
ここで、第3保留表示態様を表示する技術的な意味を説明する。
ホール店の開店中にパチンコ遊技機100が電断すると、そのパチンコ遊技機100の演出制御部300は、電断前の状態を特定するための情報を保持できない。すなわち、演出制御部300では、保留に関する情報や事前判定の結果に関する情報等が消去されてしまい、復旧後に例えば保留が有ったのか無かったのか(保留の有無)等が不明な状態であり、そのような状態では、保留に関する演出を行うことができない。
電源復旧時には、電源投入処理が開始され、遊技制御部200から演出制御部300に様々なコマンドが所定の手順で送信される。そのような電源投入処理において、保留に関する情報がどのタイミングで演出制御部300に送信されるのかは、メーカないし機種ごとに異なる。すなわち、保留に関する情報の演出制御部300への送信が一度にまとめて行われるのか、段階的に行われるのかは仕樣に関する事項であり、統一的に定められているものではない。
したがって、演出制御部300は、電源投入処理において、保留の有無を特定する情報および保留数を特定する情報(例えば5個保留)を取得するものの、始動口121,122のいずれによる保留であるかを特定する情報を取得していない状況が存在し得る。そして、かかる状況にあるにもかかわらず、演出として保留表示が行われる場面があり得る。
そのような場面では、演出制御部300は、とりあえず第3保留表示態様(図48の保留画像81〜85参照)で画像表示部114に保留表示を行う。そして、遊技制御部200から、始動口121,122のいずれによる保留であるかを特定する情報を取得した段階で、演出制御部300は、第1保留表示態様または第2保留表示態様(図47の保留画像61〜65,71〜75参照)に切り換える。
このように、演出制御部300は、復旧後に遊技制御部200からコマンドを介して保留に関する情報を取得するまでは、正確な保留表示を行うことができないものの保留表示を行う必要がある場面では、第1保留表示態様や第2保留表示態様ではなく、第3保留表示態様で保留表示を行うように演出制御する。
第3保留表示態様を表示する意義としては、例えば上述したようなものがある。
〔第5の実施の形態が有する意義について〕
次に、第5の実施の形態が有する意義について改めて説明する。
従来から、種々の保留表示が提案されているが、演出画像を表示する画像表示部に保留表示を行うと、演出内容によっては保留表示の存在がかえって演出効果を減じてしまうおそれがある。
かかる課題を解決するための構成は、第1の始動口121への遊技球の入球を第1の検出手段211が検出する場合および第2の始動口122への遊技球の入球を第2の検出手段212が検出する場合に大当たり抽選を抽選手段234が行う遊技機であって、前記第1の検出手段211により検出される入球に対応して行われる前記抽選手段234の大当たり抽選が保留される第1の保留球の発生および前記第2の検出手段212により検出される入球に対応して行われる当該抽選手段234の大当たり抽選が保留される第2の保留球の発生についての保留球発生情報を取得する取得手段301と、前記取得手段301により取得される前記保留球発生情報に基づく保留表示を行い、かつ、当該保留表示が前記第1の保留球の場合と前記第2の保留球の場合とが互いに区別される第1の状態(図47の(a))と、当該第1の保留球の場合と当該第2の保留球の場合とが当該第1の状態よりも互いに区別し難い第2の状態(図47の(b))と、を持つ保留表示手段114、301と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、前記抽選手段234による大当たり抽選の結果が大当たりの場合に行われる大当たり遊技で払い出される賞球数の上限設定が、前記第1の始動口121による当該大当たり抽選の場合よりも前記第2の始動口122による当該大当たり抽選の場合の方が多いことを特徴とすることができる。
また、前記保留表示手段114,301は、電断後の保留表示を、前記第1の保留球の場合と前記第2の保留球の場合とが互いに区別されない第3の状態(図48)で行うことを特徴とすることができる。
付言すると、第5の実施の形態に係るパチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
第1始動口121(図1、図27、図28または図29参照)は第1の始動口の一例であり、第2始動口122(図1、図27、図28または図29参照)は第2の始動口の一例である。第1始動口スイッチ211(図3参照)は第1の検出手段の一例であり、第2始動口スイッチ212(同図参照)は第2の検出手段の一例である。遊技制御部200の特別図柄判定部234(図4参照)は抽選手段の一例である。
演出制御部300のCPU301(図3参照)は取得手段の一例である。画像表示部114および演出制御部300のCPU301(図3参照)は、保留表示手段の一例である。
図47の(a)に示す保留表示態様は、第1の状態の一例であり、(b)に示す保留表示態様は第2の状態の一例である。図48に示す保留表示態様は、第3の状態の一例である。
第5の実施の形態によれば、保留表示が演出に及ぼす影響を低減することが可能になる。
すなわち、第5の実施の形態では、振り分け装置10により振り分けられて第1始動口121に入球した場合の保留と第2始動口122に入球した場合の保留との区別が明確になるように表示する第1保留表示態様と、かかる区別が第1保留表示態様よりも明確ではないように表示する第2保留表示態様と、を持つことから、演出の内容に応じた保留表示態様を選択することが可能になる。
とりわけ、8個の保留数を表示すると共に入球順に保留消化する機種においては、第1始動口121の入球による保留であるか第2始動口122の入球による保留であるかを遊技者が確認する傾向がある。また、第1始動口121へ入球した場合と第2始動口122へ入球した場合とで、大当たり抽選の大当たり確率が異なったり時短回数が異なったりする等の機種においても、いずれの保留であるのかを注目する傾向がある。したがって、そのような機種において、状況に応じた保留表示態様の切り換えを行うことで、演出効果をより高めることが可能になる。
また、第1始動口121と第2始動口122のいずれの保留であるかの区別をしないように表示する第3保留表示態様をも持つことで、電源復旧時の保留表示をより迅速にかつ安定的に行うことが可能になる。
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態について図49〜図50を用いて説明する。この第6の実施の形態は、保留による事前判定の結果に基づく連続予告演出(ゾーン演出)や大当たり抽選の結果に基づく図柄変動演出等を、第1始動口121の入球の場合と第2始動口122の入球の場合とで変更する演出制御に関するものである。
第6の実施の形態では、上述した第1の構成例に係る振り分け装置10(図27参照)、第2の構成例に係る振り分け装置10(図28参照)または第3の構成例に係る振り分け装置10(図29参照)のいずれでも用いることが可能である。
〔特定演出コマンド処理〕
図49は、第6の実施の形態における特定演出コマンド処理を説明するフローチャートであり、上述した第4の実施の形態に係る特定演出コマンド処理(図41のステップ4105、図42参照)に対応するものである。
ここにいう特定演出コマンド処理は、特定演出の内容決定を行うためのものであり、図49では昇格演出の設定について言及していないが、昇格演出の設定をする場合にも適用することが考えられる。
図49に示す処理手順では、CPU301は、新たに記憶された予兆フラグONが第2始動口122の入球による保留に対するものであるか否かを調べる(ステップ4901)。
そして、第2始動口122の入球によるものでない場合(ステップ4901でNo)、CPU301は、第1用演出テーブルを選択する(ステップ4902)。また、第2始動口122の入球によるものである場合(ステップ4901でYes)には、第2用演出テーブルを選択する(ステップ4903)。
第1用演出テーブルおよび第2用演出テーブルは、先読みによる連続予告演出の内容を決定するためのものであり、その概要は後述する(図50参照)。
このように、保留が第2始動口122によるものであるか否かに応じて、事前判定の結果による複数の変動演出をまたぐ連続予告演出に用いるテーブルを選択する。上述したように、大当たり抽選に関して第1始動口121と第2始動口122との間の偏りがあり、それゆえ事前判定についても同様な偏りを持たせている機種の場合において、そのような偏りが演出面に反映されるようになる。
このような偏りは、第2始動口122による入球の方が遊技者にとって有利な内容となる設定のほか、第1始動口121による入球の方が遊技者にとって有利な内容となる設定も考えられる。
CPU301は、演出に用いられる乱数(演出乱数)を取得し(ステップ4904)、取得した乱数および選択した演出テーブルを基に、特定演出の内容を決定する(ステップ4905)。そして、決定した内容についての特定演出コマンドをセットし(ステップ4906)、特定演出コマンド処理を終了する。
〔演出テーブルの概要〕
図50は、演出テーブルの概要を示す図である。同図の(a)は第1用演出テーブル(ステップ4902参照)についてのものであり、(b)は第2用演出テーブル(ステップ4903参照)についてのものである。
同図の(a)および(b)を参照すると、第1用演出テーブルと第2用演出テーブルの各々の項目は、選択比率(%)および演出の種類であり、図43に示す演出テーブルと同じである。なお、選択比率の合計はいずれも100である。
図50の(a)に示す第1用演出テーブルおよび同図の(b)に示す第2用演出テーブルでは、演出の種類として、特定演出を実行する場合と特定演出を実行しない場合とがある。より具体的は、前者の場合には、特定演出として、高期待度のもの、中期待度のものおよび低期待度のものに分けられている。すなわち、特定演出実行の場合には、「高期待度の特定演出を実行する」、「中期待度の特定演出を実行する」および「低期待度の特定演出を実行する」の3つが含まれる。
図50の(a)に示す第1用演出テーブルを参照すると、高期待度の特定演出は0%の確率で選択され、中期待度の特定演出は20%の確率で選択され、低期待度の特定演出は50%の確率で選択される。また、特定演出を実行しないという演出は、30%の確率で選択される。
このように、第1用演出テーブルでは、高期待度の特定演出は実行されず、実行される場合には、中期待度または低期待度のいずれかになる。
図50の(b)に示す第2用演出テーブルを参照すると、高期待度の特定演出は30%の確率で選択され、中期待度の特定演出は50%の確率で選択され、低期待度の特定演出は0%の確率で選択される。また、特定演出を実行しないという演出は、20%の確率で選択される。
このように、第2用演出テーブルは、低期待度の特定演出は実行されず、実行される場合には、高期待度または中期待度のいずれになる。
図50の(a)の第1用演出テーブルと同図の(b)の第2用演出テーブルとを互いに比較すると、特定演出が実行される場合としては、前者が70%であるのに対し後者が80%である。
また、高期待度の特定演出は、第2用演出テーブルでなければ出現せず、第1用演出テーブルでは出現しない。また、低期待度の特定演出は、第2用演出テーブルでは出現せず、第1用演出テーブルで出現する。さらには、中期待度の特定演出が実行される割合は、第1用演出テーブルが20%であるのに対し、第2用演出テーブルでは50%であり、中期待度の特定演出さえも第2用演出テーブルの方が出現し易い。
このように、図50に示す第1用演出テーブルおよび第2用演出テーブルを用いることで、第2始動口122への入球による場合の方が、遊技者がより楽しめる演出が実行される可能性が高くなる。
ここにいう期待度とは、遊技者が遊技を継続することで将来的に賞球に関して期待できる度合いをいい、大当たりによる利益の期待度ということもできる。より具体的には、期待度として、大当たりであるか否かの期待度や、高確率状態に移行するか否か(確変か否か)の期待度、低確率状態に移行しないか否かの期待度を挙げることができる。また、期待度として、時短が付くか否かの期待度や、時短の回数が多いか否かの期待度、出球が多いか否かの期待度を挙げることができる。
さらに説明すると、第2用演出テーブルの方が第1用演出テーブルと比べ、相対的に期待度は高いといえる。また、第1用演出テーブルと第2用演出テーブルのいずれの場合にも、特定演出が常に実行されるとは限らず、特定演出が実行されないことがある。
〔特定演出について〕
ここで、かかる特定演出は、第1始動口121の入球による保留の場合と第2始動口122の入球による保留の場合とで、演出内容が互いに異なるものになる。例えば、第1始動口121の入球と第2始動口122の入球とで、連続予告における背景画像を互いに異なるものにしたり、保留表示を互いに異なるものにしたりすることが考えられる。
また、第1始動口121の入球と第2始動口122の入球とで、変動図柄を互いに異なるものにしたり、役物の動きを互いに異なるものにしたり、音楽ないし音を互いに異なるものにしたりすることが考えられる。
また、不図示の第1の役物および不図示の第2の役物を備える構成を採用し、第1始動口121の入球による保留の場合に第1の役物が動き、第2始動口122の入球による保留の場合に第2の役物が動くようにすることも考えられる。
さらには、第1始動口121の入球と第2始動口122の入球とで画像表示部114に表示される演出画像は変わらないものの、画像表示部114とは別に備える小型表示部118(図35参照)に表示される演出画像を、第1始動口121の入球と第2始動口122の入球とで変えるようにすることも考えられる。
なお、上述した図50に示す演出テーブルでは、連続予告としての特定演出を実行する確率を、第1始動口121の入球と第2始動口122の入球とで変えている。
上述したように、保留の事前判定による連続予告演出についての演出制御を説明したが、かかる演出制御を、当該変動における図柄変動表示演出に適用することも考えられる。例えば、大当たり抽選の結果を報知するための変動時の演出を、当該大当たり抽選に係る入球が第1始動口121によるものであるか第2始動口122によるものであるかに応じて、互いに異なるように制御する例である。
なお、不図示の第3始動口をも備える機種の場合には、第3始動口による大当たり抽選の結果報知ないし事前判定の結果報知を、第1始動口121や第2始動口122の場合とは異なるように制御する例も考えられる。
また、ゲート124への入球に応じた演出を行い、かつゲート124を複数備える機種においては、ゲート124への入球演出を、入球したゲート124に応じて異なる演出とする例も考えられる。
〔第6の実施の形態が有する意義について〕
次に、第6の実施の形態が有する意義について改めて説明する。
発射された遊技球の入球を検出する検出部を複数備え、いずれか一の検出部の検出により抽選ないし判定を行い、その結果について報知ないし示唆する演出を行う場合において、その結果が確定する前の遊技者の期待感や不安感をより刺激するように演出制御すれば、遊技の楽しみを一層高めることが可能になる。
かかる課題を解決するための構成は、遊技に応じて演出を行う遊技機100であって、第1の始動口121への遊技球の入球を検出する第1の検出手段211と、第2の始動口122への遊技球の入球を検出する第2の検出手段212と、前記第1の検出手段211により入球が検出される場合および前記第2の検出手段212により入球が検出される場合に大当たり抽選を入球順に行う抽選手段234と、前記第1の検出手段211により検出される入球に対応して行われる前記抽選手段234の大当たり抽選が保留される保留球の発生および前記第2の検出手段212により検出される入球に対応して行われる当該抽選手段234の大当たり抽選が保留される保留球の発生についての保留球発生情報を取得する取得手段201と、前記取得手段201により取得される前記保留球発生情報に係る入球について前記抽選手段234による大当たり抽選が行われる前に行われる事前判定の結果および/または当該抽選手段234による大当たり抽選の結果の報知ないし示唆を行う演出を、前記第1の検出手段211によるものである場合と前記第2の検出手段212によるものである場合とで互いに異ならしめるように制御する制御手段301と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、遊技球が前記第1の始動口121に入球し易い第1の振り分け状態(図27の(a)、図28の(a))と遊技球が前記第2の始動口122に入球し易い第2の振り分け状態(図27の(b)、図28の(b))とが入球を契機に交互に切り替わる振り分け手段10をさらに備えることを特徴とすることができる。
また、前記抽選手段234による大当たり抽選の結果が大当たりの場合に行われる大当たり遊技で払い出される賞球数の上限設定が、前記第1の始動口121による当該大当たり抽選の場合よりも前記第2の始動口122による当該大当たり抽選の場合の方が多いことを特徴とすることができる。
また、前記抽選手段234による大当たり抽選の結果が大当たりの場合に行われる大当たり遊技の終了後の内部状態が高確率遊技状態であることが、前記第1の始動口121による当該大当たり抽選の場合よりも前記第2の始動口122による当該大当たり抽選の場合の方が多いことを特徴とすることができる。
付言すると、第6の実施の形態に係るパチンコ遊技機100(図1参照)は、遊技機の一例である。
第1始動口121(図1、図27、図28または図29参照)は第1の始動口の一例であり、第1始動口スイッチ211(図3参照)は第1の検出手段の一例である。
第2始動口122(図1、図27、図28または図29参照)は第2の始動口の一例であり、第2始動口スイッチ212(図3参照)は第2の検出手段の一例である。遊技制御部200の特別図柄判定部234(図4参照)は抽選手段の一例である。
遊技制御部200のCPU201(図3参照)は、取得手段の一例である。
演出制御部300のCPU301(図3参照)は、制御手段の一例である。
振り分け装置10(図27または図28参照)は振り分け手段の一例である。図27において(a)に示す状態が第1の振り分け状態の一例であり、(b)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。図28において(a)に示す状態が第1の振り分け状態であり、(b)に示す状態は第2の振り分け状態の一例である。
第6の実施の形態によれば、入球に伴って行われる抽選ないし判定の結果を報知ないし示唆する演出を遊技者の期待感や不安感をより刺激するものとすることが可能になる。
すなわち、第6の実施の形態では、第1始動口121への入球の場合と第2始動口122への入球の場合とで演出テーブルを切り換える演出制御を行うことで、従来とは異なる新たな演出とすることが可能になる。
とりわけ、第1始動口121への遊技球の振り分けと第2始動口122への遊技球の振り分けが交互に行われる振り分け装置10(図27または図28参照)を備える場合には、演出テーブルがほぼ交互に切り換わることになり、変動演出や先読み演出を従来とは異なる内容とすることが可能になる。また、第1始動口121の入球の場合と第2始動口122への入球の場合との間で、いずれか一方が遊技者にとって有利/不利という抽選ないし判定のときには、そのような有利/不利に起因する演出面で工夫することが可能になり、興趣性をより向上させることが可能になる。
100…パチンコ遊技機、211…第1始動口スイッチ、212…第2始動口スイッチ、214…ゲートスイッチ、215…大入賞口スイッチ、217…普通入賞口スイッチ、300…演出制御部、301…CPU、304…RTC

Claims (1)

  1. 遊技球の入球を検出手段で検出する遊技機であって、
    前記検出手段により入球が検出される時間情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により相前後して取得される時間情報により特定される入球の時間間隔が所定値未満であるか否かの判定を行う時間間隔判定手段と、
    前記時間間隔判定手段による判定結果を順次記憶する記憶手段と、
    画像を表示する表示手段と、
    を備え、
    前記記憶手段により記憶されている前記判定結果が所定数のときに当該所定数の判定結果が所定条件を満たす場合に正常でないことを示唆する画像を前記表示手段に表示することを特徴とする遊技機。
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