JP5973817B2 - 締結構造及び自動車 - Google Patents

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本発明は、複数の被締結部材を締結するための締結具による締結構造、及び、締結構造を有する自動車に関する。
従来から、複数の被締結部材の締結に関する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。具体的に特許文献1には、外観の見栄え良く確実に接合できる接合具として、外側面に逆止爪を形成し中央にくさび圧入部を形成した本体と、この本体のくさび圧入部に圧入して本体を押し広げるくさびとを備えた接合具が開示されている。また、特許文献1には、この接合具を用いて、換気ガラリをドアの開口に取付ける方法が開示されている。この方法では、先ず換気ガラリに本体の上端を固定するとともに、本体の下方よりくさび圧入部にくさびの先端部を挿入する。ドアに本体が嵌入可能な内径を有しかつ本体の全高と略同じ深さを有した凹部を形成する。さらに、所定の方向から本体およびくさびを凹部に押し込む。これによって、くさびがくさび圧入部に圧入し本体を押し広げるので、逆止爪が内周面に掛止する。
なお、出願人においても、複数の被締結部材の締結に関し、樹脂リベットについての提案を行っている(例えば、特許文献2参照)。
実開平5−89932号公報 特開2006−118672号公報
自動車、船舶、鉄道、航空機等の車両を製作(生産)する場合、その組立に接着剤を用いることがある。しかし、接着剤は、完全に乾くまでは、固着力が低い。接着後、熱を加えて接着剤を乾燥させる場合がある。このような場合、接着剤の乾燥のための温度変化等に起因して材料が変形することもある。その際、被締結部材同士が接着された接着構造は、例えば、温度変化等に起因した変形に伴い発生するせん断荷重に耐える必要がある。組立対象の複数の被締結部材の各材質が、異種材であることもある。異種材である場合、前述したせん断荷重がより大きくなることもある。そこで、接着剤を用いた組立においては、接着剤が完全に乾くまで、被締結部材同士を締結し、仮固着させるとよい。これによって好適な組立が実現可能となる。
自動車等の車両製作の場合、上述したような仮固着は、次のような条件を満足するとよいと考えられる。先ず、自動車等の車両は外観が重視される。そのため、仮固着された部分が、自動車等の外観に現れず、表面から視認されないようにするとよい。一般的に用いられている締結具として、例えば、ブラインドリベットがある。ブラインドリベットは、一の被締結部材の一方側から、複数の被締結部材を締結できるという特徴がある。しかし、複数の被締結部材が締結された締結状態において、リベット本体が、被締結部材の表面に突出してしまうため、外観の見栄えが低下する場合がある。さらに、ブラインドリベットによる締結では、複数の被締結部材が締結された部分において、気密性を保てないといった問題が生じる場合もある。
次に、仮固着のための締結時に要する荷重を低荷重とするとよい。現状の自動車等の組立ラインには、例えば、スポット溶接が用いられる。仮固着のための締結に、このスポット溶接のための溶接ガンのような既存の構成が流用できると、新たな設備等を追加する必要がない。即ち、既存設備を用いて、仮固着のための締結を行うことができる。そのため、仮固着のための締結に要する荷重は、溶接ガンのような既存の構成によって発生させることができる加圧荷重と同等以下であるとよい。締結に要する荷重が高いと締結時に表面を凹ませ外観性を損なう。また、締結に必要な設備が大型化し、高額な設備投資が必要となる。なお、上述したような外観性及び低荷重に関する条件は、接着剤による仮固着に限らず、自動車等のような車両の他、各種の製品で複数の被締結部材を締結する場合にも、満足するとよいと考えられる。
本発明は、複数の被締結部材を好適に締結し、複数の被締結部材が締結された締結状態において、好適な外観を実現することができる、締結構造を提供し、好適な外観の自動車を提供することを目的とする。
本発明の側面は、第一被締結部材と、前記第一被締結部材に重なり合う第二被締結部材と、を、中空部が形成された筒状であって、前記第一被締結部材と前記第二被締結部材とが重なり合う重畳方向において前記第二被締結部材を貫通する貫通孔に挿通される筒状部と、第一頭部と、を有する第一締結部と、前記筒状部の中空部に挿入される軸部と、前記軸部の外径より大きな外径を有し、前記筒状部の開口部に配置され、前記筒状部を周方向に切断して複数の筒状部片に分割し、前記筒状部片のそれぞれを、前記第二被締結部材の第二面の側に変形させるための第二頭部と、を有する第二締結部と、を有する締結具によって締結させた締結構造であって、前記第一頭部の外径は、前記筒状部の外径及び前記貫通孔の内径より大径であり、前記第一頭部は、前記第二被締結部材の第二面とは反対側の第一面に対向する前記第一被締結部材の第二面に接合され、且つ、前記第二被締結部材の第一面に接し、前記貫通孔の外周部である前記第二被締結部材の部分は、前記第一頭部が前記第二被締結部材の第一面に接した状態において、前記第二頭部の側に変形し、前記筒状部片は、それぞれ、前記第二被締結部材の第二面の側に変形し、前記第二被締結部材の第二面に接している、締結構造である。
これによれば、第二被締結部材を第一被締結部材の側に押圧させることが可能となり、好適な締結状態とすることができる。締結具は、第一被締結部材に覆われるため、視認されず、好適な外観とすることができる。筒状部を切断・分割させ、変形させるといった構成は、軸部を筒状部の中空部に挿入させ、第二締結部を、第一締結部の側に相対移動させることで実現することができる。例えば、第一締結部が接合された第一被締結部材の第二面と反対側の面(第一被締結部材の第一面)の側から、第一被締結部材を押圧等することで実現することができる。また、筒状部の切断・分割と、筒状部片の変形とは、低荷重で好適に行うことができる。第一被締結部材の第二面に接合される第一頭部の接合面積を大きくすることが可能で、第一頭部を介して行われる第一締結部と第一被締結部材との接合の強度を高めることができる。第一頭部で第二被締結部材の貫通孔が覆われ、貫通孔を封鎖することができる。その結果、貫通孔の部分における気密性を確保することができる。第二被締結部材の第二面の側に変形した筒状部片が、第二頭部の側に変形した第二被締結部材によって第二頭部の側に押され、この押された状態の筒状部片からの反力(筒状部片の弾性力)によって、第一被締結部材と第二被締結部材とを、密着させた締結状態の締結構造とすることができる。筒状部片の反力によって、貫通孔の外周部である第二被締結部材の部分は、第一頭部に押圧されるため、さらに、貫通孔の部分における気密性を向上させることもできる。
本発明の他の側面は、上述した締結構造を有する、自動車である。これによれば、締結構造が自動車の外観に現れることがなく、好適な外観の自動車とすることができる。
本発明によれば、複数の被締結部材を好適に締結し、複数の被締結部材が締結された締結状態において、好適な外観を実現することができる、締結構造を得ることが可能で、好適な外観の自動車を得ることができる。
締結具の一例を説明する断面図である。 第一頭部を説明する図である。 第二締結部が第一締結部に固定された状態の一例を説明する断面図である。 (A)は、締結方法の第一工程を説明する断面図である。(B)は、締結方法の第二工程を説明する断面図である。 (A)は、締結方法の第三工程を説明する断面図である。(B)は、締結方法の第四工程と、締結具による締結構造とを説明する断面図である。 (A)は、他の締結具を説明する断面図である。(B)は、図6(A)に示す他の締結具による締結状態及び締結構造を説明する断面図である。 (A)は、第二頭部の底部が第二凸状面を含む第二締結部を説明する図である。(B)は、第二頭部の底部が平面を含む第二締結部を説明する図である。 (A)は、他の第一締結部を説明する半断面図である。(B)は、さらに他の第一締結部を説明する半断面図である。 荷重受け治具を用いた締結方法を説明する図である。 (A)は、溝部が形成された軸部を有する第二締結部を説明する図である。(B)は、筋立部が形成された軸部を有する第二締結部を説明する図である。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各図面には、それぞれに図示された構成同士の向きの対応が明らかとなるよう、方向等を示す共通の矢印を記載した。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<締結具>
締結具10について、図1を参照して説明する。図1に示すハッチングは、断面を示す(他の図において同じ)。締結具10は、例えば図1に示すような、第一被締結部材70と、第二被締結部材80とを締結する。締結具10は、例えば、アルミニウム(アルミニウム合金)材若しくはチタン(チタン合金)のような非鉄金属、又は、鋼材によって形成される。締結具10を何れの材質とするかは、第一被締結部材70及び第二被締結部材80の材質を考慮し適宜決定するとよい。第一被締結部材70及び第二被締結部材80は、例えば、アルミニウム(アルミニウム合金)材若しくはチタン(チタン合金)のような非鉄金属、又は、鋼材のような金属材料である。第一被締結部材70及び第二被締結部材80の材質は、金属材料の他、GFRP、CFRP等の繊維強化樹脂である場合もある。第一被締結部材70と第二被締結部材80とは、異種材である場合もある。このような材質の第一被締結部材70及び第二被締結部材80としては、各種の車両、例えば自動車を形成する薄板材が例示される。第一被締結部材70と第二被締結部材80とを組み立てる場合、例えば、接着剤が用いられる。接着剤による組立において、締結具10は、接着剤が乾き硬化するまでの仮固着のために用いられる。即ち、締結具10は、塗布等された接着剤が未硬化で、第一被締結部材70と第二被締結部材80とが十分に固着されていない状態において、第一被締結部材70と第二被締結部材80とに作用する力に抗して、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを締結し、仮固着させるために用いられる。第一被締結部材70と第二被締結部材80とに作用する力は、例えば、せん断荷重である。せん断荷重は、接着剤を乾燥させるための熱による温度変化等に起因した変形に伴い発生する。なお、接着剤が乾き硬化した後において、締結具10は、取り外されることなく、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを締結した状態のまま、自動車等に残存する。
締結具10は、図1に示すように、第一締結部20と、第二締結部40とを有する。第一締結部20及び第二締結部40に関し、第二締結部40は、第一締結部20より高硬度としてもよい。後述する切断等を好適に行うことが可能となる。例えば、第一締結部20をアルミニウム材で形成し、第二締結部40を鋼材で形成するようにしてもよい。第一締結部20は、筒状部22と、第一頭部26とを有する。筒状部22は、周壁(側壁)の内部に、内径φ1の中空部24が形成された筒状である。後述するように、筒状部22の第二側の所定の範囲が塑性変形されていない状態の第一締結部20において、筒状部22の外径は、外径φ2で一定である。筒状部22の周壁は、一定の厚みである。筒状部22は、第二被締結部材80を貫通する貫通孔82に挿通される。貫通孔82は、重畳方向に形成される。重畳方向は、第一被締結部材70と第二被締結部材80とが締結された締結状態において、第一被締結部材70と第二被締結部材80とが重なり合う方向である。
第一頭部26は、筒状部22の第一側で、筒状部22と一体をなして形成される。第一締結部20は、筒状部22の第一側において第一頭部26によって閉口し、筒状部22の第二側において開口する。中空部24を塞ぐ第一頭部26の部分には、この部分を貫通する孔等は形成されない。第一締結部20は、第一被締結部材70に接合される。この接合は、第一頭部26を第一被締結部材70の第二面702に接合して行われる。第一頭部26の外径φ3は、筒状部22の外径φ2より大径である。第一頭部26の外径φ3は、貫通孔82の内径φ6より大径である。第一頭部26には、図2に示すように、突起部30が形成される。突起部30は、第一被締結部材70の第二面702に対向する第一頭部26の面の中央部に形成される。第一被締結部材70の第二面702に対向する第一頭部26の面は、突起部30が形成された部分を除き、例えば、その全体が凹凸のない平面とされる(図2参照)。突起部30の形状は諸条件の下、適宜決定される。例えば、突起部30は、前述の第一頭部26の面を基端として先細となるテーパ形状とされる(図2参照)。突起部30に関するこの他の説明は、後述する。
第二締結部40は、軸部42と、第二頭部46とを有する。軸部42は、凹凸のない外周面を有する。軸部42は、筒状部22の第二側において、筒状部22の開口部から中空部24に挿入される。軸部42が中空部24に挿入された状態で、筒状部22の第二側の所定の範囲は、筒状部22と軸部42とが押圧状態となるように塑性変形される。例えば、筒状部22の第二側の所定の範囲は、外径φ2及び内径φ1が縮小するように塑性変形される。このような塑性変形は、例えば、転造によって行われる。このとき、軸部42が中空部24に挿入された筒状部22の第二側の所定の範囲には、所定のダイス等を介して、外周から径方向を軸心Lの側に荷重が付与される。筒状部22の第二側の所定の範囲は、軸部42が挿入された状態で軸部42が存在する軸心方向の範囲を含む。軸心方向は、図1等に一点鎖線で示す軸心Lの方向である。図1に示すように、軸心方向は、重畳方向に一致する。
塑性変形した筒状部22の第二側の所定の範囲において、筒状部22の外径φ2は、図3に示すように、外径φ2’(外径φ2>外径φ2’)となる。また、塑性変形した前述の範囲において、筒状部22の内径φ1は、内径φ1’(内径φ1>内径φ1’)となる。内径φ1’は、軸部42の外径φ5と同一の寸法である。筒状部22と軸部42とが押圧状態となることで、第二締結部40が第一締結部20に対して固定される。図1に示すような状態の締結具10において、第二締結部40が第一締結部20から脱落することを防止することができる。筒状部22の第二側の所定の範囲を塑性変形するための加工は、上述したような転造とは異なる方法で行うようにしてもよい。また、軸部42の外径φ5を筒状部22の内径φ1より所定の量だけ大きくし、軸部42が中空部24に圧入状態となるようにして挿入されるようにしてもよい。なお、図1は、筒状部22の内径φ1及び軸部42の外径φ5が同一で、筒状部22の内径φ1及び外径φ2が一定とされた状態(図3に示すような詳細な構成が省略された状態)で図示されている(中空部24に軸部42が挿入された状態が図示された各図において同じ)。
第二頭部46は、軸部42の第二側で、軸部42と一体をなして形成される。第二頭部46は、軸部42の側から底部52の側に向けて径が拡大するテーパ形状とされる。底部52は、第二頭部46の第二側を形成する。従って、第二頭部46の外径(最大径)φ4は、軸部42の外径φ5より大径である。また、第二頭部46の外径φ4は、筒状部22の外径φ2以上とされる。第二頭部46は、図1に示すように、複数の刃部48と、複数のカール形成部50とを有する。刃部48とカール形成部50とは、同数とされ、第二頭部46において、刃部48とカール形成部50とは、テーパ形状の傾斜領域に、周方向に所定の間隔で交互に繰り返して設けられる。具体的に、複数の刃部48は、テーパ形状の傾斜領域に、周方向に一定の間隔で等配されると共に、隣り合う刃部48,48の間の傾斜領域は、カール形成部50となる。
刃部48は、対向する筒状部22を切断する。即ち、複数の刃部48によって、筒状部22は、周方向に切断され、刃部48の数と同数の筒状部片28(図4(B)及び図5(A),(B)参照)に分割される。カール形成部50は、分割された筒状部片28のそれぞれを、第二被締結部材80の第二面802の側に変形させるための成形部となる。刃部48による切断・分割と、カール形成部50による変形とについては、後述する。底部52は、第一凸状面522と、環状面524とを含む。第一凸状面522及び環状面524は、第二締結部40の底面を形成する。図1に基づけば、第二締結部40の底面は、第二締結部40の第二側の面である。第一凸状面522は、第二締結部40の底面の中央部を形成する面である。第一凸状面522は、球面状又は非球面状の曲面である。環状面524は、第二締結部40の底面において、第一凸状面522の外周に形成された環状の平面である。後述する締結方法において、底部52の第一凸状面522は、荷重受け部材90の平らな底面904に接する(例えば、図4(A),(B)及び図5(A),(B)参照)。
<締結方法及び締結構造>
締結具10を用いて、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを締結するための締結方法と、この締結方法によって締結された後の締結構造とについて、図4及び図5等を参照して説明する。締結方法は、所定の装置を用いて行われる。締結方法では、図4(A)に示す第一工程に先立ち、次のような準備工程が行われる。即ち、第一被締結部材70の第二面702に、第一頭部26を接触させた状態で、第一締結部20と第一被締結部材70とが、所定の方法で接合される。例えば、第一締結部20と第一被締結部材70とが、共にアルミニウム材、共にチタン材又は共に鋼材である場合、例えばアーク溶接のような溶接による方法で接合される。アーク溶接のような溶接によって接合する場合、突起部30は、溶融して固化する。第一締結部20と第一被締結部材70は、同種の金属材料で形成するとよい。これによって、第一被締結部材70と第一締結部20とを好適に接合することができる。アーク溶接は、軸部42が中空部24に挿入され、上述したようにして、第一締結部20に第二締結部40が予め固定された締結具10(図1参照)を対象として行われる。なお、アーク溶接は、第二締結部40が固定される前の第一締結部20を対象として行うようにしてもよい。この場合、第一被締結部材70に第一締結部20を接合した後、中空部24に軸部42を挿入し、筒状部22の第二側の所定の範囲を塑性変形する等して、図1に示すような状態とされる。第一締結部20への第二締結部40の固定と、第一被締結部材70への第一締結部20の接合とを行う順序は、諸条件を考慮し、適宜決定するとよい。例えば、第一被締結部材70の形状等が考慮される。
アーク溶接を行った場合、スパッタが発生することがある。発生したスパッタが、中空部24に侵入すると、軸部42のスムーズな挿入が阻害される場合がある。この点に関し、第一締結部20は、筒状部22の第一側において閉口している。そのため、スパッタが発生したとしても、飛び散ったスパッタが中空部24に入り込むことを防止することができる。従って、軸部42をスムーズに挿入することができる。軸部42が中空部24に挿入され、予め第一締結部20と第二締結部40とが固定された締結具10である場合、中空部24へのスパッタの侵入をより好適に防止することができる。第一締結部20と第一被締結部材70との接合は、アーク溶接とは異なる溶接方法又は溶接以外の方法で行うようにしてもよい。突起部30は、採用する接合方法に応じて、適宜省略し、又は、その形状を変更するようにしてもよい。第一頭部26において突起部30が形成される位置も、適宜変更するようにしてもよい。
準備工程では、第二被締結部材80の第二面802に、平らな底面904を有する凹状をした荷重受け部材90が接合される。荷重受け部材90は、貫通孔82と底面904とが重複して配置されるような位置関係で、第二被締結部材80の第二面802に接合される。例えば、荷重受け部材90は、貫通孔82の下方に、底面904の中央部が配置された位置関係で、第二被締結部材80の第二面802に接合される。第二被締結部材80と荷重受け部材90との接合は、種々の方法で行うことができる。例えば、接着剤によって接合してもよく、又は、溶接によって接合してもよい。荷重受け部材90は、例えば、第一被締結部材70及び/又は第二被締結部材80と同種の材質とされる。接合が溶接による場合、第二被締結部材80と荷重受け部材90とが同種の材質であれば、好適に溶接することができる。
準備工程が終了すると、締結方法は具体的に開始され、第一工程が行われる。第一工程では、図4(A)に示すように、第一被締結部材70の第二面702と、第二被締結部材80の第一面801とが、対向するようにされる。そして、筒状部22が、貫通孔82に挿通され、第二頭部46における底部52の第一凸状面522が、荷重受け部材90の底面904に接する状態とされる。荷重受け部材90は、重畳方向の第二側において、締結方法のための所定の装置が有する所定の構成(不図示)によって支持される。
第一工程に続けて、第二工程が行われる。第二工程では、図4(B)に示すように、締結方法のための所定の装置によって、第一被締結部材70と、第二被締結部材80とが接近、詳細には、第一被締結部材70の第二面702と、第二被締結部材80の第一面801とが接近するように、第一被締結部材70及び/又は荷重受け部材90が、所定の荷重で押圧される。例えば、第一被締結部材70が、第二被締結部材80の側に向けて、第一被締結部材70の第一面701の側から所定の荷重で押圧される。本実施形態では、第一被締結部材70を、第二被締結部材80の側に向けて、第一被締結部材70の第一面701の側から所定の荷重で押圧することとする。但し、荷重受け部材90を、第一被締結部材70の側に向けて、所定の荷重で押圧するようにしてもよい。
押圧によって、第一被締結部材70に接合された第一締結部20は、第一被締結部材70と共に、荷重方向に移動する。換言すれば、荷重受け部材90の底面904に接し、この底面904によって荷重方向への移動が規制される第二締結部40は、第一締結部20に対して、反荷重方向に相対移動する。第一被締結部材70と第二被締結部材80とは、接近する。荷重方向は、重畳方向(軸心方向)のうち、第一側から第二側に向かう方向(第一被締結部材70から第二被締結部材80の側への方向)である。反荷重方向は、重畳方向(軸心方向)のうち、第二側から第一側に向かう方向(第二被締結部材80から第一被締結部材70の側への方向)である。第二締結部40の相対移動に伴い、複数の刃部48は、対向する筒状部22の第二側を重畳方向に切断し分割する。これによって、筒状部22の第二側には、短冊状をした刃部48の数と同数の筒状部片28が形成される。筒状部片28は、それぞれ、第二締結部40の継続した相対移動に伴い、複数のカール形成部50のそれぞれに沿って変形する。
第二工程が開始され、そのまま荷重方向への押圧が連続して続けられると、第二工程は、第三工程に移行する。なお、図5(A),(B)では、図4(B)の「押圧」を示すブロック状の矢印について、図示を省略している。第三工程では、図5(A)に示すように、第二締結部40の相対移動がさらに継続され、筒状部22がさらに切断される。これに伴い、筒状部片28は、それぞれ、その先端部がカール形成部50を越え、荷重受け部材90の底面904に接する。そして、筒状部片28は、それぞれ、重畳方向に一致する軸心方向に垂直な方向に拡がり、徐々に、アーチ形状に変形する。さらに、筒状部片28は、それぞれ、第二被締結部材80の第二面802の側に変形する。即ち、第三工程において、複数の筒状部片28は、それぞれ、図5(A)に示すように、第二被締結部材80の第二面802の側にカールした形状となる。このような状態において、筒状部片28の先端側の所定の部分は、それぞれ、図5(A)に示すように、第二被締結部材80の第二面802に接する。また、貫通孔82の内径φ6(図1参照)より大きな外径φ3(図1参照)である第一頭部26は、第二被締結部材80の第一面801の側で、貫通孔82の外周部である第二被締結部材80の部分に接する。
締結具10が図5(A)に示すような状態となった後、さらに、そのまま荷重方向への押圧が連続して続けられると、第三工程は、第四工程に移行する。第四工程は、締結方法の最終工程である。第四工程では、図5(B)に示すように、荷重方向への押圧によって、第二締結部40がさらに相対移動し、これに伴い、筒状部22は、さらに切断及び分割され、そして変形する。第四工程における筒状部22の切断、分割及び変形等については、第三工程と同様にして行われる。そのため、これに関する説明は、省略する。また、第四工程では、第二被締結部材80の第一面801の側で、貫通孔82の外周部である第二被締結部材80の部分に接した第一頭部26は、荷重方向への押圧によって、荷重方向に移動する。そして、第一頭部26は、貫通孔82の外周部である第二被締結部材80の部分を、荷重方向、換言すれば、第二頭部46の側に変形させる。このとき、カール状に変形し、第二被締結部材80の第二面802に接した状態の筒状部片28は、それぞれ、第二被締結部材80の第二面802と、荷重受け部材90の底面904との間で、重畳方向に押し潰される。押し潰されたカール状の筒状部片28は、それぞれ、その弾性力によって、第二被締結部材80を、第一被締結部材70の側に付勢する。
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)締結具10によれば、筒状部22を切断・分割し、これによって形成された筒状部片28をカール状に変形させることで、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを、好適に締結させることができる。例えば、締結具10を、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを接着する際の仮固着として用いる場合、締結具10は、少なくとも接着剤が乾くまでの間、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを好適に仮固着する。なお、締結具10は、締結対象となる第一被締結部材70及び第二被締結部材80の板厚等によってその大きさが変化するが、第一被締結部材70及び第二被締結部材80が、数ミリ程度までの薄板である場合、締結具10の大きさは、軸心方向の寸法が数ミリから数十ミリ程度で、第一頭部26の外径φ3が数ミリ程度である。締結具10が、このような大きさである場合、筒状部22の切断・分割及び変形は、低荷重で容易に行うことができる。
(2)図4及び図5に示すようにして行われる締結方法によれば、第一被締結部材70の第二面702と、第二被締結部材80の第一面801とが密着された締結状態の締結構造が実現される。この締結構造では、第一頭部26によって貫通孔82が覆われ、貫通孔82が封鎖される。その際、反荷重方向(図5(B)参照)に作用する筒状部片28のそれぞれによる弾性力によって、貫通孔82の外周部である第二被締結部材80の部分は、第一頭部26に押圧された状態となる。そのため、貫通孔82の部分における気密性を好適な状態とすることができる。
また、第二締結部40は、第二頭部46の底部52が第一凸状面522を含み、底面の中央部が曲面となっている。締結方法は、底部52の第一凸状面522が、荷重受け部材90の底面904に接した状態で行われる。そのため、締結方法の各工程において、荷重方向への押圧が行われ、これに伴い、第二締結部40が第一締結部20に対して反荷重方向に相対移動する際、軸部42の傾き(図4(A)に示す「軸心L」の傾き)を、筒状部22の内周面に沿って変化させることができる(図4(A)に示す「軸心L」を基準とした円弧状の両矢の矢印参照)。従って、軸部42が中空部24に挿入された状態において、第二締結部40の相対移動をスムーズに行うことができる。
(3)締結具10による締結構造によれば、締結状態において締結具10は、この締結構造を有する製品、例えば自動車の外観を形成する第一被締結部材70によって覆われる。そのため、締結具10が、例えば自動車のユーザ等から視認されることはない。従って、締結具10による締結構造は、この点において、好適な外観の自動車等を実現することができる。なお、締結具10を、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを接着する際の仮固着として用いる場合、所定のタイミング、例えば、上述した締結方法の準備工程で、第一被締結部材70の第二面702及び/又は第二被締結部材80の第一面801に、接着剤が塗布等される。
<変形例>
本実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例によっても、上述した効果と同様の効果を適宜得ることができる。以下に示す変形例は、それぞれ、適宜組み合わせて採用し、採用された各部を有する締結具10、締結構造及び/又は締結方法としてもよい。なお、以下では、上述した各部に付した符号と同一の符号を用いて説明する(一部については異なる符号を用いる)。
(1)上記では、第一頭部26の外径φ3が、筒状部22の外径φ2より大径である場合を例に説明した。第一頭部26の外径φ3は、例えば、第一締結部20と第一被締結部材70との接合に要求される強度等を考慮し、所定の寸法に設定される。例えば、図6(A)に示すような第一頭部26’とされた第一締結部20を有する締結具10としてもよい。図6(A)に示す締結具10では、第一頭部26’の外径φ7は、筒状部22の外径φ2と同じ寸法に設定されている。第一頭部26’についても、図2に示すような突起部30(図6(A),(B)で不図示)は、第一被締結部材70の第二面702に対向する第一頭部26’の面の中央部に形成される。なお、第一頭部26’についても、突起部30は、第一締結部20と第一被締結部材70との接合方法に応じて、適宜省略し、又は、その形状を変更するようにしてもよい。第一頭部26’において突起部30が形成される位置も、適宜変更するようにしてもよい。
図6(A)に示す締結具10による締結構造では、貫通孔82の外周部である第二被締結部材80の部分は、第一頭部26’によって変形されない。第一頭部26’は、図6(B)に示すように貫通孔82に挿入された状態となる。図6(B)に示す締結構造では、図5(B)に示す締結構造とは異なり、第一頭部26’の外周部が、第一被締結部材70の第二面702と、第二被締結部材80の第一面801との間に挟み込まれることはない。そのため、貫通孔82の外周部である第二被締結部材80の部分においても、第一被締結部材70の第二面702と、第二被締結部材80の第一面801とが、接触可能となる。従って、図6(B)に示す締結構造では、図5(B)に示すような締結構造と比較すると、凹状をした荷重受け部材90の深さを浅くすることが可能となり(深さD1(図1等参照)>深さD2(図6(A)参照))、締結構造の厚みを薄くすることができる場合もある(厚みT1(図5(B)参照)>厚みT2(図6(B)参照))。
第一頭部26’とされた第一締結部20等を有する締結具10による締結方法は、図4及び図5に基づき上述した締結方法と同様に行われる。そのため、これに関する説明は、省略する。第一頭部26’とされた第一締結部20等を有する締結具10であっても、筒状部片28は、図6(B)に示すように、第二被締結部材80の第二面802の側に変形し、第二被締結部材80の第二面802に接し、第二被締結部材80を、第一被締結部材70の側に付勢する。そのため、反荷重方向(図6(B)参照)に作用する筒状部片28のそれぞれによる弾性力によって、第二被締結部材80は、第一被締結部材70に押圧された状態となる。そのため、第一被締結部材70の第二面702と、第二被締結部材80の第一面801とが密着され、貫通孔82の部分における気密性を好適な状態とすることができる。なお、図6(A)は、図1に対応し、図6(B)は、図5(B)に対応する図である。
(2)上記では、底部52が第一凸状面522と環状面524とを含み、このような底部52とされた第二頭部46等を有する第二締結部40を例に説明した。第二締結部40は、図7(A)に示すように、第二頭部46の底部52が第二凸状面526を含むようにしてもよい。第二凸状面526は、第二締結部40の底面の全体を形成する。第二凸状面526は、第一凸状面522と同様、球面状又は非球面状の曲面である。第二凸状面526は、荷重受け部材90の底面904と接する。図7(A)に示すような第二締結部40によっても、第一凸状面522の場合と同様、締結方法の各工程において、荷重方向への押圧が行われ、これに伴い、第二締結部40が第一締結部20に対して反荷重方向に相対移動する際、第二凸状面526によって、軸部42の傾き(図7(A)に示す「軸心L」の傾き)を、筒状部22の内周面に沿って変化させることができる(図7(A)に示す「軸心L」を基準とした円弧状の両矢の矢印参照)。従って、軸部42が中空部24に挿入された状態において、第二締結部40の相対移動をスムーズに行うことができる。
この他、第二締結部40は、図7(B)に示すように、第二頭部46の底部52が平面528を含むようにしてもよい。平面528は、第二締結部40の底面の全体を形成する。第二締結部40の底面が平面528である場合、締結方法では、底部52の平面528と、荷重受け部材90の底面904との接触は、面接触となる。図7(A),(B)に示すような第二締結部40等を有する締結具10による締結方法は、図4及び図5に基づき上述した締結方法と同様に行われる。そのため、これに関する説明は、省略する。
(3)上記では、筒状部22の内径を内径φ1で一定とし、筒状部22の外径を外径φ2で一定とし、筒状部22の周壁の厚みを一定とした。即ち、一定の厚みの周壁によって形成された筒状の筒状部22を有する第一締結部20を例に説明した。第一締結部20は、例えば、図8(A),(B)に示すような筒状部22’を有するようにしてもよい。図8(A),(B)に示す第一締結部20は、何れも、筒状部22’の第一側において第一頭部26によって閉口し、筒状部22’の第二側において開口する。
図8(A)に示す第一締結部20において、筒状部22’は、筒状部22’の第二側が小径(外径φ2>外径φ8)となるような外周面形状を有する。図8(B)に示す第一締結部20において、筒状部22’は、筒状部22’の第二側が大径(内径φ1<内径φ9)となるような内周面形状を有する。即ち、筒状部22’は、第二側が薄肉とされた周壁によって形成される筒状であってもよい。薄肉とされる範囲は、筒状部片28として機能するために必要となる寸法に従い、適宜決定される。周壁における径の変化は、テーパ等により漸次行われるようにしてもよく(図8(A),(B)参照)、又は、階段状としてもよい。第二側が薄肉とされた周壁による筒状部22’を有する第一締結部20によれば、第一締結部20の軸心L(図8(A),(B)参照)の方向(軸心方向)に垂直な断面の面積が小さくなるため、より低荷重で、筒状部22’を切断・分割し、筒状部片28を変形させることができる。そのため、筒状部片28の先端側の所定の部分が、確実に第二被締結部材80の第二面802に接し、筒状部片28による弾性力によって、第二被締結部材80を、第一被締結部材70の側に付勢することができる。その結果、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを安定して締結することができる。
図8(A),(B)に示すような筒状部22’である第一締結部20とした場合においても、上記同様、軸部42が中空部24に挿入された状態で、筒状部22’の第二側の所定の範囲は、筒状部22’と軸部42とが押圧状態となるように塑性変形される。塑性変形は、上記同様にして行われる。そのため、これに関する説明は、省略する。なお、上記同様、軸部42の外径φ5を、筒状部22’の内径φ1(図8(A)参照)又は内径φ9(図8(B)参照)より所定の量だけ大きくし、軸部42が中空部24に圧入状態となるようにして挿入するようにしてもよい。図8(A),(B)に示すような筒状部22’である第一締結部20においても、第一頭部26は、図6(A)に示すような第一頭部26’としてもよい。
(4)上記では、図1、図4及び図5、又は、図6に示すように、第二被締結部材80に、荷重受け部材90を接合し、荷重受け部材90を介した締結方法を例に説明した。荷重受け部材90は、省略してもよい。この場合、締結方法では、図9に示すように、所定の荷重受け治具100が用いられる。荷重受け治具100が用いられる場合、第一締結部20が第一被締結部材70に接合された締結具10は、第二締結部40が荷重受け治具100の荷重受け面103の上に配置されるようにセットされる。このとき、底部52の第一凸状面522は、荷重受け部材90の底面904に対する場合と同様、荷重受け面103に接する。荷重受け面103は、荷重受け部材90の底面904に対応する。
荷重受け部材90が省略されると、締結構造において、第二締結部40は、重畳方向の第二側において支持されない。従って、図5(B)に示すような締結構造と比較すると、第二締結部40が第一締結部20から脱落し易くなる場合もある。この場合、第二締結部40の脱落に対する対策が必要となることもある。例えば、上述したように、軸部42の外径φ5を筒状部22の内径φ1より所定の量だけ大きくし、軸部42が中空部24に圧入状態となるようにすると、脱落を好適に防止することができる。また、塑性変形する範囲を、締結構造において、軸部42が存在することとなる中空部24に対応した範囲とし、この範囲で押圧状態が実現されるようにしてもよい。荷重受け治具100を用いた締結方法について、この他の点は、図4及び図5等に基づき上述した締結方法と同様に行われる。そのため、これに関する説明は、省略する。荷重受け治具100を用いる場合についても、荷重受け治具100を、第一被締結部材70の側(反加重方向)に、所定の荷重で押圧するようにしてもよい。この他、第二被締結部材80を、例えば、上記の荷重受け部材90による構造と同様の構造を含むような形状とし、これによって、荷重受け部材90を省略してもよい。この場合、第二被締結部材80は、上記の荷重受け部材90と同様の構造を含むような形状となるように加工等されて形成される。
(5)上記では、凹凸のない外周面である軸部42を例に説明した。軸部42の外周面には、筒状部22の内周面に係合する構成を形成するようにしてもよい。例えば、図10(A)に示すように、外周面に溝部44が形成された軸部42としてもよい。溝部44は、軸部42の周方向に沿った環状の凹凸が複数並んだ状態とされる。溝部44を形成する凹凸が並ぶ方向は、軸心方向である。溝部44は、例えば、軸心Lに沿った方向の断面が三角形となる。溝部44における凸部の数は、複数である場合(図10(A)に示す例では凸部の数は2つである)の他、1つであってもよい。軸部42の外周面に形成される溝部は、一条又は複数条の螺旋状であってもよい。
この他、図10(B)に示すように、外周面に筋立部45が形成された軸部42としてもよい。筋立部45は、軸心方向に延びた筋状で、且つ、軸部42の外周面から隆起した凸形状を有する。筋立部45は、例えば、軸部42の外周面に、周方向に所定の間隔で複数形成される。なお、第二頭部46の外径φ4は、筋立部45を考慮した軸部42の外径よりも大きく設定される。溝部44、螺旋状の溝部又は筋立部45によれば、軸部42が中空部24に挿入された状態において、第二締結部40を第一締結部20に好適に固定させ、第二締結部40が第一締結部20から脱落することを好適に防止することができる。図10(A),(B)に示す第二締結部40についても、第二頭部46の底部52が第二凸状面526(図7(A)参照)又は平面528(図7(B)参照)を含むようにしてもよい。
(6)上記では、締結構造を有する製品として、車両の一例である自動車を例に説明した。締結具10は、各種の製品に使用することができる。例えば、住宅等の建物等における外壁及び/又は内壁、家電製品等の外面を形成する化粧パネルの締結に用いることもできる。この場合、化粧パネルは、本実施形態における第一被締結部材70に対応する。締結具10(第一頭部26,26’)は、化粧パネルの化粧面(表面)とは反対側の裏面に接合される。なお、締結具10は、接着のための仮固着の用途の他、接着の有無に関わらず、自動車等の製作において、第一被締結部材70と第二被締結部材80とを締結するために用いられてもよい。
10 締結具
20 第一締結部
22,22’ 筒状部、 24 中空部、 26,26’ 第一頭部
28 筒状部片、 30 突起部
40 第二締結部
42 軸部、 44 溝部、 45 筋立部
46 第二頭部、 48 刃部、 50 カール形成部、 52 底部
522 第一凸状面、 524 環状面、 526 第二凸状面、 528 平面
70 第一被締結部材、 701 第一面、 702 第二面
80 第二被締結部材、 801 第一面、 802 第二面、 82 貫通孔
90 荷重受け部材、 904 底面
100 荷重受け治具、 103 荷重受け面
φ1,φ1’,φ6,φ9 内径
φ2,φ2’,φ3,φ4,φ5,φ7,φ8 外径
D1,D2 深さ、 L 軸心、 T1,T2 厚み

Claims (2)

  1. 第一被締結部材と、前記第一被締結部材に重なり合う第二被締結部材と、を、中空部が形成された筒状であって、前記第一被締結部材と前記第二被締結部材とが重なり合う重畳方向において前記第二被締結部材を貫通する貫通孔に挿通される筒状部と、第一頭部と、を有する第一締結部と、前記筒状部の中空部に挿入される軸部と、前記軸部の外径より大きな外径を有し、前記筒状部の開口部に配置され、前記筒状部を周方向に切断して複数の筒状部片に分割し、前記筒状部片のそれぞれを、前記第二被締結部材の第二面の側に変形させるための第二頭部と、を有する第二締結部と、を有する締結具によって締結させた締結構造であって、
    前記第一頭部の外径は、前記筒状部の外径及び前記貫通孔の内径より大径であり、
    前記第一頭部は、前記第二被締結部材の第二面とは反対側の第一面に対向する前記第一被締結部材の第二面に接合され、且つ、前記第二被締結部材の第一面に接し、
    前記貫通孔の外周部である前記第二被締結部材の部分は、前記第一頭部が前記第二被締結部材の第一面に接した状態において、前記第二頭部の側に変形し、
    前記筒状部片は、それぞれ、前記第二被締結部材の第二面の側に変形し、前記第二被締結部材の第二面に接している、締結構造。
  2. 請求項に記載の締結構造を有する、自動車。
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