JP5973340B2 - 電力シミュレーション装置 - Google Patents

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本発明は、鉄道路線における各時刻の総所要電力を求めるための電力シミュレーション装置に関する。
鉄道では、省エネルギー化を図るために、制動中の列車から力行中の列車に回生電力が与えられる。すなわち、力行中の列車については、消費電力から回生電力を差し引いた値が、変電所から受けるべき所要電力となる。
鉄道路線のダイヤを検討する際には、特定のダイヤとしたときに鉄道路線全体の総所要電力が経時的にどのように変化するかを知ることが重要である。例えば、非特許文献1には、鉄道路線全体の列車運行に対してシミュレーションを行うことにより、各時刻における変電所の電圧および電流を求めることができる鉄道統合評価システムが開示されている。変電所の電圧と電流を積算すれば、総所要電力を算出できる。
中村恭之、外3名、「鉄道システムの消費電力および輸送力評価技術と省エネルギーへの取り組み」、日立評論、株式会社日立製作所、2012年6月、p.36−40
しかしながら、上記のような鉄道路線全体の列車運行に対するシミュレーションを行うには、全列車のデータを入力する必要があり、その膨大なデータの入力に多大な労力を要する。また、このような膨大なデータを処理する複雑な計算には、多くの時間がかかる。
そこで、本発明は、入力の手間が少なく、かつ、短時間で総所要電力を算出することができる電力シミュレーション装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の発明者らは、一定周期で同じダイヤが繰り返されるパターンダイヤの鉄道路線においては、その周期内で同じ種類の列車が複数本運行されることがあることに着目した。この場合、全ての列車を同時にシミュレーションせずに、1つの列車に対してシミュレーションを行えば、その結果を他の列車で近似的に流用することが可能であり、このようにしてもある程度の精度の総所要電力が求められることを見出した。本発明は、このような観点からなされたものである。
すなわち、本発明の電力シミュレーション装置は、一定周期で同じダイヤが繰り返されるパターンダイヤの鉄道路線であって前記周期内に複数の上り列車および複数の下り列車が走行する鉄道路線における各時刻の総所要電力を求めるための電力シミュレーション装置であって、上りの代表列車と下りの代表列車のそれぞれについて走行シミュレーションを行って、当該代表列車の力行時の消費電力および制動時の回生可能電力ならびに位置の時刻歴データを求める第1時刻歴データ導出手段と、他の列車の時刻歴データを、上りまたは下りの前記代表列車の時刻歴データを時間的にシフトさせることにより求める第2時刻歴データ導出手段と、各時刻において、制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる回生電力を、制動中の各列車の回生可能電力、力行中の各列車の消費電力、および制動中の各列車と力行中の各列車との位置関係に基づいて算出する個別回生電力算出手段と、各時刻において、力行中の全列車の消費電力の合計値から前記回生電力の合計値を差し引いて総所要電力を算出する総所要電力算出手段と、を備える。ここで回生可能電力とは、架線に戻すことができる電力に上限がない場合に制動中の列車が回生可能な最大の電力を指し、回生電力とは、実際に力行中の列車に受け渡される電力を指す。
上記の構成によれば、代表列車に対して走行シミュレーションを行うだけで、全ての列車の時刻歴データ(電力波形および位置情報)が得られる。また、各時刻における制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる回生電力の概算値は、その電力波形および位置情報に基づく簡易な計算によって算出することができる。個別の回生電力が算出されれば、総所要電力はさらに単純な足し算および引き算によって算出される。すなわち、総所要電力を算出するためには、代表列車に関するデータを入力するだけでよいため、入力の手間が少ない。また、代表列車についての走行シミュレーション以外は簡易な計算を用いるため、短時間で総所要電力を算出することができる。
前記個別回生電力算出手段は、前記回生電力を求める際に、制動中の各列車と力行中の各列車との位置関係から、制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを決定してもよい。
上記の電力シミュレーション装置は、前記鉄道路線上に設定された複数の計測地点間の電路の抵抗またはインピーダンスが予め定められたテーブルを記憶する記憶装置をさらに備え、前記個別回生電力算出手段は、前記記憶装置に記憶された前記テーブルを使用して制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを決定してもよい。この構成によれば、制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを簡単に決定することができる。
前記個別回生電力算出手段は、制動中の各列車のパンタ点電圧、および制動中の各列車から力行中の各列車に流れる回生電流を決定しながら、前記回生電力を求めてもよい。
前記個別回生電力算出手段は、制動中の列車の本数をm、そのうちのi番目(i=1〜m)の列車のパンタ点電圧および回生可能電力をVRi,PRiとし、力行中の列車の本数をn、そのうちのj番目(j=1〜n)の列車の消費電力をPPjとしたときに、以下の3つの制約条件(1)〜(3)を満たし、かつ、式(4)における回生電力の路線全体の合計値Pを最大化するように、制動中の各列車のパンタ点電圧、および制動中の各列車から力行中の各列車に流れる回生電流を決定してもよい。
Figure 0005973340
Figure 0005973340
Figure 0005973340
Figure 0005973340
式中、
ij:列車iから列車jに与えられる回生電力
P:回生電力の路線全体の合計値
ij:列車iから列車jに流れる回生電流
0:架線電圧
lim:制動中の列車のパンタ点電圧の上限
ij:列車iと列車jとの間の抵抗またはインピーダンス
Lij:列車jが列車iの基点側にあれば1、終点側にあれば0をとる係数
Rij:列車jが列車iの基点側にあれば0、終点側にあれば1をとる係数
である。
前記鉄道路線は、複数種類の列車が走行するものであり、前記第1時刻歴データ導出手段は、全ての種類の列車に対して上りおよび下りの代表列車の走行シミュレーションを行ってもよい。この構成によれば、複数種類の列車が走行する鉄道路線を対象として電力シミュレーションを行うことができる。
上記の電力シミュレーション装置は、少なくとも1つの前記代表列車を基準列車とするとともに、前記基準列車以外の列車の始発駅からの発車時刻をパラメータとし、前記第2時刻歴データ導出手段、個別回生電力算出手段および前記総所要電力算出手段を繰り返し働かせ、前記総所要電力が最小となる発車時刻を決定する最適化計算手段をさらに備えてもよい。
従来のように鉄道路線全体の列車運行に対してシミュレーションを行う場合には、列車の発車時刻を変更した場合には再度シミュレーションを行わなければ総所要電力を算出することができない。すなわち、総所要電力を最小とする発車時刻を決定するには、多大な時間がかかる。これに対し、最適化計算手段が第2時刻歴データ導出手段、個別回生電力算出手段および総所要電力算出手段を繰り返し働かせる構成であれば、簡易な計算が繰り返されるだけであるので、総所要電力を最小とする発車時刻を極めて短時間で決定することができる。
本発明によれば、入力の手間が少なく、かつ、短時間で総所要電力を算出することができる電力シミュレーション装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電力シミュレーション装置のブロック図である。 鉄道路線の一例を示す模式図である。 代表列車の時刻歴データを示す図である。 総所要電力の経時的変化を示すグラフである。 抵抗またはインピーダンスの計算方法を説明するための図である。 計測地点間の抵抗またはインピーダンスが定められたテーブルを示す図である。 鉄道路線のダイヤを示す図である。 電力シミュレーションの流れを示すフローチャートである。
図1に、本発明の一実施形態に係る電力シミュレーション装置1を示す。この電力シミュレーション装置1は、図4に示すような鉄道路線における各時刻の総所要電力を求めるためのものである。
鉄道路線は、図7に示すような一定周期で同じダイヤが繰り返されるパターンダイヤの鉄道路線である。鉄道路線には、前記周期内に複数の上り列車および複数の下り列車が走行する。例えば図7に示すように、上り列車が駅1から駅3まで走行し、下り列車が駅3から駅1まで走行する場合、上り列車については駅1が始発駅、駅3が終着駅であり、下り列車については駅3が始発駅、駅1が終着駅である。
図2に、図7に対応する鉄道路線を示す。この鉄道路線は、上り線と下り線の2本の本線を持つ複線である。上り線の架線と下り線の架線は、変電所やき電タイポストなどで相互に接続されているので、一方の本線を走行する列車が制動中の場合、その列車の回生ブレーキで発生する電力は、同一本線の力行中の列車だけでなく、他方の本線の力行中の列車にも受け渡され得る。
鉄道路線は、単一種類の列車が走行するものであってもよいし、特急列車、急行列車、普通列車などの複数種類の列車が走行するものであってもよい。後者の場合、列車の種別ごとに上り列車および下り列車の始発駅および終着駅が異なっていてもよい。例えば、特急列車が駅1と駅20の間を往復する場合、普通列車が駅5と駅15の間を往復してもよい。
図1に戻って、電力シミュレーション装置1は、処理装置2および記憶装置5を含むコンピュータと、処理装置2上で実行されるプログラムとによって実現される。プログラムは、記憶装置5あるいはコンピュータ読み取り可能な他の記録媒体から読み出されて実行されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して外部のサーバ装置からコンピュータへ送信されて実行されてもよい。
電力シミュレーション装置1は、前記コンピュータの他に、ユーザがデータを入力するための入力装置3と、ユーザにシミュレーション結果等を提示するための出力装置4を備える。入力装置3は、キーボードおよびマウスといったマン−マシンインタフェース、通信インタフェース、USBポート等でよい。出力装置4は、ディスプレイ装置、プリンタ、通信インタフェース、USBポート等でよい。
記憶装置5は、鉄道路線の構成に関するデータ、き電設備に関するデータ、走行が想定される列車の種別ごとの特性および性能に関するデータ、などの電力シミュレーションの実行に必要なデータを記憶する。鉄道路線の構成に関するデータには、本線の本数(1本であれば単線、2本以上であれば複線)、駅数、本線上の曲線および勾配、などが含まれる。き電設備に関するデータには、き電方式、変電所の位置、き電タイポストの有無、き電タイポストがある場合はその位置、などが含まれる。なお、これらのデータは、入力装置3を介した入力により適宜書き替え可能である。
さらに、記憶装置5は、後述する抵抗/インピーダンス算出手段22により計測地点間の電路の抵抗またはインピーダンスが算出されると、それを図6に示すようなテーブルとして記憶する。
処理装置2は、入力受付手段21と、抵抗/インピーダンス算出手段22と、第1時刻歴データ導出手段23と、第2時刻歴データ導出手段24と、個別回生電力算出手段25と、総所要電力算出手段26と、最適化計算手段27と、を含む。以下、処理装置2が行う処理を、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1において、処理装置2は、記憶装置5から、電力シミュレーションの実行に必要なデータを読み込んで初期設定処理を行い、鉄道路線およびき電設備のモデルを作成する。
ステップS2において、入力受付手段21は、入力装置3を介して、電力シミュレーションのための解析条件の入力を受け付ける。また、入力受付手段21は、受け付けた解析条件を記憶装置5に送って記憶させる。
解析条件は、パターンダイヤの一周期およびその周期内に何種類の列車が何本ずつ走行するかを定めた初期ダイヤと、1列車についての走行シミュレーションのための運転条件と、電路の抵抗またはインピーダンスの計算のための計測地点情報である。初期ダイヤは、一周期内で少なくとも1種類の列車が上り下りのそれぞれで複数本走行するものである限り、特に限定されるものではない。初期ダイヤでは、各列車の始発駅からの発車時刻が暫定的に定められる。なお、一周期の開始点は、特定の上りまたは下り列車の発車時刻とすることができる。運転条件は、列車の種別ごとの、最高速度、駅間走行時間および運転に使用する加減速度などである。計測地点情報は、鉄道線路上に設定される複数の計測地点の位置である。なお、計測地点の位置および数は、上り線と下り線とで同じであってもよいし異なっていてもよい。
なお、解析条件としては、鉄道路線の両端の二駅ではなく、その間の特定の二駅間で電力シミュレーションが行えるように、特定の二駅が選択されてもよい。
ステップS3において、抵抗/インピーダンス算出手段22は、計測地点間の距離および電路構成に基づいて、直流き電の場合は計測地点間の電路の抵抗、交流き電の場合は計測地点間の電路のインピーダンスを算出する。例えば、図5に示すように、上り線上のk1番目の計測地点と下り線上のk2番目の計測地点との間に、変電所またはき電タイポストといった複数の電力受け渡しルート6がある場合は、抵抗/インピーダンス算出手段22は合成の抵抗またはインピーダンスを算出する。
抵抗/インピーダンス算出手段22は、抵抗またはインピーダンスを算出した後に、それらを記憶装置5に送り、図6に示すようなテーブルとして記憶させる。なお、計測地点間の電路の抵抗またはインピーダンスは、必ずしも処理装置2によって算出される必要はなく、人力で算出し、その結果を記憶装置5に記憶させてもよい。
ステップS4において、第1時刻歴データ導出手段23は、列車の種別ごとに上りの代表列車と下りの代表列車を選択し、その代表列車のそれぞれについて、始発駅から終着駅まで走行したときの走行シミュレーションを行う。換言すれば、第1時刻歴データ導出手段23は、全ての種類の列車に対して上りおよび下りの代表列車の走行シミュレーションを行う。代表列車は、例えば、パターンダイヤの一周期内で最初に始発駅を発車する列車である。走行シミュレーションには、公知の手法を用いることができる。
走行シミュレーションでは、き電系統の電気回路モデルは用いられず、架線電圧は一定であり、かつ、架線から取得できる電力および架線に戻すことができる電力に上限はないと仮定される。なお、制動中の回生電力は路線上の他の列車の状態に依存するため、走行シミュレーションでは回生電力ではなく回生可能電力が求められる。走行シミュレーションの結果、図3に示すような、代表列車の力行時の消費電力および制動時の回生可能電力ならびに位置の時刻歴データが得られる。
ステップS5において、第2時刻歴データ導出手段24は、上りまたは下りの代表列車の時刻歴データを時間的にシフトさせることにより、他の列車の時刻歴データを求める。すなわち、第2時刻歴データ導出手段24は、代表列車の時刻歴データを他の列車の発車時刻まで時間軸に沿って平行移動させることにより、他の列車の時刻歴データを生成する。なお、上述したように、パターンダイヤの一周期内では少なくとも1種類の列車が上り下りのそれぞれで複数本走行すればよいため、複数種類の列車が走行する場合には、1種類の列車だけしか代表列車以外の列車が存在しない可能性もある。すなわち、第2時刻歴データ導出手段24は、複数種類の列車が走行する場合でも、1種類の列車に対してしか機能しない場合もある。
ステップS6において、個別回生電力算出手段25は、各時刻において、制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる回生電力を、制動中の各列車の回生可能電力、力行中の各列車の消費電力、および制動中の各列車と力行中の各列車との位置関係に基づいて算出する。まず、個別回生電力算出手段25は、ある時刻における全列車の状況、すなわち各列車が制動中であるか力行中であるか惰行中であるかを把握する。惰行中の列車の時刻歴データは回生電力の算出には使用されないため、個別回生電力算出手段25は惰行中の列車を除外する。
ついで、個別回生電力算出手段25は、制動中の各列車と力行中の各列車との位置関係から、制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを決定する。この電路の抵抗またはインピーダンスの決定には、記憶装置5に記憶された、計測地点間の電路の抵抗またはインピーダンスが予め定められたテーブルを使用する。具体的には、制動中のある列車と力行中のある列車が共に計測地点に位置している場合は、それら列車の間の抵抗またはインピーダンスとしてテーブル上の数値を採用する。制動中のある列車と力行中のある列車の一方または双方が2つの計測地点の中間に位置している場合は、テーブル上の列車の両側の計測地点の数値を使用して内挿する。
その後、個別回生電力算出手段25は、制動中の各列車のパンタ点電圧、および制動中の各列車から力行中の各列車に流れる回生電流を決定しながら、制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる個別の回生電力を求める。例えば、個別回生電力算出手段25は、制動中の列車の本数をm、そのうちのi番目(i=1〜m)の列車のパンタ点電圧および回生可能電力をVRi,PRiとし、力行中の列車の本数をn、そのうちのj番目(j=1〜n)の列車の消費電力をPPjとしたときに、以下の3つの制約条件(1)〜(3)を満たし、かつ、式(4)における回生電力の路線全体の合計値Pを最大化するように、制動中の各列車のパンタ点電圧、および制動中の各列車から力行中の各列車に流れる回生電流を決定する。
Figure 0005973340
Figure 0005973340
Figure 0005973340
Figure 0005973340
式中、
ij:列車iから列車jに与えられる回生電力
P:回生電力の路線全体の合計値
ij:列車iから列車jに流れる回生電流
0:架線電圧
lim:制動中の列車のパンタ点電圧の上限
ij:列車iと列車jとの間の抵抗またはインピーダンス
Lij:列車jが列車iの基点側にあれば1、終点側にあれば0をとる係数
Rij:列車jが列車iの基点側にあれば0、終点側にあれば1をとる係数
である。
ここで、制約条件(1)は制動中の列車が他の列車に受け渡し可能な回生電力に関する制約、制約条件(2)は制動中の列車のパンタ点電圧に関する制約、制約条件(3)は力行中の列車が他の列車から受け取り可能な電力に関する制約を示している。制約条件(2)に関し、max(・・・)の項は、言葉で表現すれば、制動中の各列車から見たときに、当該列車の基点側にある力行中の列車に回生電力を受け渡す際に架線の抵抗またはインピーダンスによって生じるパンタ点電圧の上昇量と、当該列車の終点側にある力行中の列車に回生電力を受け渡す際に架線の抵抗またはインピーダンスによって生じるパンタ点電圧の上昇量のうち、より大きい方を意味する。
ijは、線形計画問題の解として公知のアルゴリズムによって求めることができる。計算の簡略化のため、回生中の1つの列車が電力を受け渡す力行中の列車の数を制限してもよい。この場合、力行中の列車はRijの小さなものから順に選択される。
あるいは、やや精度が低下するが、線形計画問題を用いずに、以下の(A)から(D)のステップからなる簡易的な代替手法で求めることもできる。
(A)全てのIij=0とし、全ての(i,j)の組み合わせを「未処理」とする。
(B)未処理の(i,j)の組み合わせのうち、最もRijが小さなものを選び、上記の制約条件(1)〜(3)を満たす最大のIijを求め、(i,j)を「処理済」とする。
(C)このとき、制約条件(1),(2)で等号が成立する場合は(i,1)、(i,2)、…、(i,n)を全て「処理済」、制約条件(3)で等号が成立する場合は(1,j)、(2,j)、…、(m,j)を全て「処理済」とする。
(D)他に未処理の(i,j)の組み合わせがあれば(B)に戻る。さもなければ、計算を終了する。
ステップS7において、総所要電力算出手段26は、力行中の列車の時刻歴データに含まれる消費電力およびステップS6において算出された個別の回生電力を用い、各時刻において、力行中の全列車の消費電力の合計値から個別の回生電力の合計値Pを差し引いて総所要電力を算出する。
なお、総所要電力算出手段26は、消費電力の合計および回生電力の合計をプロットすることにより、電力シミュレーションの1つの結果である総所要電力を出力装置4に表示してもよい。
ステップS8およびステップS9において、最適化計算手段27は、総所要電力が最小となる最適化計算を行う。この最適化計算には、公知のヒューリスティック探索アルゴリズム等が適用できる。具体的に、最適化計算手段27は、少なくとも1つの代表列車を基準列車とするとともに、基準列車以外の列車の始発駅からの発車時刻をパラメータとし、第2時刻歴データ導出手段24、個別回生電力算出手段25および総所要電力算出手段26を繰り返し働かせ、総所要電力が最小となる発車時刻を決定する。基準列車は、1種類の列車しか走行しない場合は、上りの代表列車と下りの代表列車の一方または双方としてもよいし、複数種類の列車が走行する場合は、全種類の代表列車の一部または全部としてもよい。
例えば、図7に示すようなパターンダイヤの場合、上りの代表列車の発車時刻t0を固定とすることにより上りの代表列車を基準列車とし、それ以外の5本の列車の発車時刻t1〜t5をパラメータとする。発車時刻t1〜t5は、最適化計算により、所要電力が最小となるような組み合わせに収束するように選択される。
総所要電力が最小となる発車時刻を求めた後は、最適化計算手段27はそれを出力装置4を介してユーザに提示する。
以上説明したように、本実施形態の電力シミュレーション装置1では、代表列車に対して走行シミュレーションを行うだけで、全ての列車の時刻歴データ(電力波形および位置情報)が得られる。また、各時刻における制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる回生電力の概算値は、その電力波形および位置情報に基づく簡易な計算によって算出することができる。個別の回生電力が算出されれば、総所要電力はさらに単純な足し算および引き算によって算出される。すなわち、総所要電力を算出するためには、代表列車に関するデータを入力するだけでよいため、入力の手間が少ない。また、代表列車についての走行シミュレーション以外は簡易な計算を用いるため、短時間で総所要電力を算出することができる。
また、制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる回生電力を算出する際には、計測地点間の抵抗またはインピーダンスが予め定められたテーブルを使用して制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを決定するため、制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを簡単に決定することができる。
また、鉄道路線に複数種類の列車が走行する場合に第1時刻歴データ導出手段23が全ての種類の列車に対して上りおよび下りの代表列車の走行シミュレーションを行えば、複数種類の列車が走行する鉄道路線を対象として電力シミュレーションを行うことができる。
従来のように鉄道路線全体の列車運行に対してシミュレーションを行う場合には、列車の発車時刻を変更した場合には再度シミュレーションを行わなければ総所要電力を算出することができない。すなわち、総所要電力を最小とする発車時刻を決定するには、多大な時間がかかる。これに対し、本実施形態では、最適化計算手段27が個別回生電力算出手段25および総所要電力算出手段26を繰り返し働かせるので、簡易な計算が繰り返されるだけである。このため、総所要電力を最小とする発車時刻を極めて短時間で決定することができる。
本発明の電力シミュレーション装置は、鉄道路線のダイヤを検討する際に特に有用である。
1 電力シミュレーション装置
2 処理装置
23 第1時刻歴データ導出手段
24 第2時刻歴データ導出手段
25 個別回生電力算出手段
26 総所要電力算出手段
27 最適化計算手段
3 入力装置
4 出力装置
5 記憶装置

Claims (7)

  1. 一定周期で同じダイヤが繰り返されるパターンダイヤの鉄道路線であって前記周期内に複数の上り列車および複数の下り列車が走行する鉄道路線における各時刻の総所要電力を求めるための電力シミュレーション装置であって、
    上りの代表列車と下りの代表列車のそれぞれについて走行シミュレーションを行って、当該代表列車の力行時の消費電力および制動時の回生可能電力ならびに位置の時刻歴データを求める第1時刻歴データ導出手段と、
    他の列車の時刻歴データを、上りまたは下りの前記代表列車の時刻歴データを時間的にシフトさせることにより求める第2時刻歴データ導出手段と、
    各時刻において、制動中の各列車から力行中の各列車に与えられる回生電力を、制動中の各列車の回生可能電力、力行中の各列車の消費電力、および制動中の各列車と力行中の各列車との位置関係に基づいて算出する個別回生電力算出手段と、
    各時刻において、力行中の全列車の消費電力の合計値から前記回生電力の合計値を差し引いて総所要電力を算出する総所要電力算出手段と、
    を備えた、電力シミュレーション装置。
  2. 前記個別回生電力算出手段は、前記回生電力を求める際に、制動中の各列車と力行中の各列車との位置関係から、制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを決定する、請求項1に記載の電力シミュレーション装置。
  3. 前記鉄道路線上に設定された複数の計測地点間の電路の抵抗またはインピーダンスが予め定められたテーブルを記憶する記憶装置をさらに備え、
    前記個別回生電力算出手段は、前記記憶装置に記憶された前記テーブルを使用して制動中の各列車と力行中の各列車との間の電路の抵抗またはインピーダンスを決定する、請求項2に記載の電力シミュレーション装置。
  4. 前記個別回生電力算出手段は、制動中の各列車のパンタ点電圧、および制動中の各列車から力行中の各列車に流れる回生電流を決定しながら、前記回生電力を求める、請求項2または3に記載の電力シミュレーション装置。
  5. 前記個別回生電力算出手段は、制動中の列車の本数をm、そのうちのi番目(i=1〜m)の列車のパンタ点電圧および回生可能電力をVRi,PRiとし、力行中の列車の本数をn、そのうちのj番目(j=1〜n)の列車の消費電力をPPjとしたときに、以下の3つの制約条件(1)〜(3)を満たし、かつ、式(4)における回生電力の路線全体の合計値Pを最大化するように、制動中の各列車のパンタ点電圧、および制動中の各列車から力行中の各列車に流れる回生電流を決定する、請求項4に記載の電力シミュレーション装置。
    Figure 0005973340
    Figure 0005973340
    Figure 0005973340
    Figure 0005973340
    式中、
    ij:列車iから列車jに与えられる回生電力
    P:回生電力の路線全体の合計値
    ij:列車iから列車jに流れる回生電流
    0:架線電圧
    lim:制動中の列車のパンタ点電圧の上限
    ij:列車iと列車jとの間の抵抗またはインピーダンス
    Lij:列車jが列車iの基点側にあれば1、終点側にあれば0をとる係数
    Rij:列車jが列車iの基点側にあれば0、終点側にあれば1をとる係数
    である。
  6. 前記鉄道路線は、複数種類の列車が走行するものであり、
    前記第1時刻歴データ導出手段は、全ての種類の列車に対して上りおよび下りの代表列車の走行シミュレーションを行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力シミュレーション装置。
  7. 少なくとも1つの前記代表列車を基準列車とするとともに、前記基準列車以外の列車の始発駅からの発車時刻をパラメータとし、前記第2時刻歴データ導出手段、個別回生電力算出手段および前記総所要電力算出手段を繰り返し働かせ、前記総所要電力が最小となる発車時刻を決定する最適化計算手段をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力シミュレーション装置。
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