JP5325693B2 - 電力シミュレーションのための装置および方法 - Google Patents
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Description
1時間最大電力Y[kw]=P×W×D×C/1000 ・・・・・・・・ (1)
ここで、P:電力消費率[kW・h/(1000t・km)]、
W:列車重量[ton]、
D:き電距離[km]、
C:列車本数[本/h]
瞬時最大電力Z[kw]=Y+C×(√Y) ・・・・・・・・・・・・・ (2)
ここで、係数Cは、C≒k×(√Imax)とされ、kは、統計的に与えられる係数であり、Imaxは、1列車の最大電流であって、kおよびImaxは、例えば、類似線区における値から推定される(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
図1は、本発明にかかる実施の形態による電力シミュレーション装置100の構成を示すブロック図である。本電力シミュレーション装置100は、データを格納するための記憶装置およびデータを処理するための処理装置を備えたコンピュータと、コンピュータの処理装置上で実行されるプログラムによって実現することも可能である。この場合、プログラムは、コンピュータ読取可能なメディアに保持され、コンピュータによって当該メディアから読み出され、コンピュータの処理装置により実行されて、本電力シミュレーション装置を実現する。また、当該プログラムは、インターネット等の通信回線を介して、外部のサーバ装置から、当該コンピュータへ送信され、コンピュータの処理装置により実行されて、本電力シミュレーション装置を実現してもよい。
・計画された列車ダイヤ(ダイヤ初期値)のデータを格納する計画列車ダイヤデータ記憶部311と、
・鉄道線路に設定される閉塞区間や駅場内入口等に関するデータや、自動列車停止装置、自動列車制御装置等の設定等に関するデータを格納する信号保安設備データ記憶部312、
・列車を構成する車両の特性、電気車の電気的特性、旅客の乗車率による電気的特性等の変動特性といった車両に固有のデータを格納する車両特性データ記憶部313、
・模擬対象線区の鉄道線路の線形(平面線形、縦断線形、カント)や分岐器制限速度および曲線制限速度に関するデータを格納する鉄道線路線形データ記憶部314、
・模擬対象線区における任意時刻任意位置における輸送需要に関するデータを格納する旅客データ記憶部315、
・鉄道線路に沿って複数設置されるき電用変電所等き電設備に関するデータを格納するき電設備データ記憶部316と、を備える。
・列車ダイヤのデータ(311)や信号保安設備データ(312)等に基づき、信号設備模擬部333と連動して、進路制御、出発制御、運転整理等を模擬する運行管理模擬部331と、
・信号保安設備データ(312)に基づき、列車検知装置、信号保安装置、連動装置、分岐器等の動作を模擬する信号設備模擬部333と、
・車両特性データ(313)、鉄道線路線形データ(314)、旅客データ(315)等に基づき、信号設備模擬部333およびき電系統模擬部337等と連動して、各列車の運転曲線を生成し、各時刻における各列車の速度、位置、消費電力を算出する列車走行模擬部335と、
・き電設備データ(316)に基づき、列車走行模擬部335等と連動して、き電用変電所や一時的に回生車からの電力を蓄える蓄電設備における電力供給、電力回生を模擬するき電系統模擬部337と、を備える。
き電系統模擬部337は、鉄道線路に沿って配置された各き電用変電所や蓄電設備の各時刻における供給電力等のデータを変電所模擬結果データとして変電所模擬結果データ記憶部355へ出力する。き電系統が、き電用変電所のほか、蓄電設備等を備える場合には、変電所模擬結果データは、き電用変電所が供給する電力と、蓄電設備等その他の設備から供給される電力とを区別して記録されることが好ましい。
・電力基準値 Pth (Pthj) 、ならびに、ダイヤ変動最大時間幅 ta (tai) および tb (tbi) を保持する解析条件データ保持部51と、
・鉄道運行シミュレーションの結果に基づいて、所定の時刻における列車の列車ダイヤからの運行誤差(変動)の量を、当該所定の時刻におけるき電用変電所の供給電力がより大きくなるように決定する列車ダイヤ変動量決定部53と、
・列車ダイヤ変動量決定部53が決定した各列車の運行誤差の量(ダイヤ変動量)を保持する列車ダイヤ変動量データ記憶部55と、
・鉄道運行シミュレーション(一列車運行模擬ならびに第1および第2複数列車運行模擬)の結果、および、変電所電力負担率導出部59が導出した電力負担率に基づいてき電用変電所の瞬時最大電力を抽出する変電所瞬時最大電力抽出部57と、
・走行中の列車が消費する電力における各き電用変電所の電力供給の負担率と当該走行中の列車の位置との関係である電力負担率を導出する変電所電力負担率導出部59と、を備える。
以下、本実施の形態による電力シミュレーション装置によるき電用変電所の電力シミュレーションについて詳細に説明する。
地上信号機等保安システムに関するデータは、信号保安設備データ記憶部312(図2)において保持される。
列車Mを構成する車両の特性に関するデータは、車両特性データ記憶部313(図2)において保持される。
鉄道線路63の線形に関するデータは、鉄道線路線形データ314(図2)において保持される。
駅(St.1等)における旅客の流動量に関するデータは、旅客データ記憶部315(図2)において保持される。
き電用変電所(SS1等)に関するデータは、き電設備データ記憶部316(図2)において保持される。
図5は、本実施の形態による電力シミュレーション装置によるき電用変電所の電力シミュレーションの流れを示すフローチャートである。以下、本フローチャートを参照して、電力シミュレーションの流れについて説明する。
変電所 SSj の電力負担率 Rj(x) については、全ての隣接変電所間区間において求めたと判断した場合には、処理は、ステップS209へ進む。
変電所 SSj の電力負担率 Rj(x) について、未だ、全ての隣接変電所間区間において求めていないと判断した場合には、処理は、ステップS205へ戻る。
全ての変電所 SSj の電力負担率 Rj(x) を求めたと判断した場合には、処理は、終了し、ステップS103b(図5)へ進む。
未だ、電力負担率 Rj(x) を求めていない変電所が残っていると判断した場合には、処理は、ステップS205へ戻る。
列車運行模擬部31は、当該指示を受けて、計画された列車ダイヤ(初期値ダイヤ)(図2の311において保持。)に従って、複数の列車を運行する鉄道運行シミュレーションを実行する。
なお、ステップS103a、S103b、S103cは、少なくともいずれか1ステップあればよい。
第2列から第7列には、各時刻における列車 Mi に関するデータが含まれる。
第2列には、各時刻における列車 Mi の位置 Xi のデータが含まれる。本図においては、列車 Mi の列車位置 Xi は、時刻の関数のように記載されているが、このことは、列車位置 Xi が時刻の関数として、電力シミュレーション装置100に保存されていることを意味するものではない。列車位置 Xi は、第1複数列車運行模擬にかかる列車運行模擬結果データ内に、時刻と関係づけて保持される離散的なデータでよい。
第3列は、各時刻における列車 Mi の速度 Vi のデータが含まれる。
同様、第4列は、各時刻における列車 Mi の消費電力 Pi のデータが含まれる。
第5列、および、第6列の、列車 Mi の許容接近位置 Xai および可能停止位置 Xbi については、ステップS307と関連して後述する。
第7列の変電所 SSj から列車 Mi への供給電力 Pji についても、ステップS307と関連して後述する。
なお、本図は、各データについて、時刻の関数のように示しているが、このことは、列車位置 Xi と同様、各データが時刻の関数として、電力シミュレーション装置100に保存されていることを意味するものではない。各データは、第1複数列車運行模擬にかかる列車運行模擬結果データおよび第1複数列車運行模擬にかかる変電所模擬結果データならびに電力負担率 Rj(x) から取得される。
図11に例示するように、列車 Mi が時間帯 Ti の各時刻において消費する電力(Pi(t))は、第1複数列車運行模擬より既知である。また、列車 Mi の時間帯 Ti の各時刻における列車位置 Xi もまた既知である。よって、一列車運行模擬より求めた電力負担率 Rj(x) を用いれば、時刻tにおいて変電所 SSj から列車 Mi へ供給される電力は、Pi(t)×Rj(Xi(t))より求めることができる。
時刻tにおける列車の後続列車接近許容位置 Xai(t) は、信号保安設備データ(図2の312)と、列車位置 Xi(t) と、予め定める保安余裕距離とから求めることができる。例えば、列車Mが、閉塞区間BLK内にあるとき、列車Mの後方側の閉塞区間BLKの端点からさらに後方へ保安余裕距離ぶん進んだ位置を、後続列車接近許容位置 Xai(t) とすればよい。
現在の処理対象の列車が、列車 M1 である場合(ステップS309における「YES」)、処理は、ステップS311へ進む。
現在の処理対象の列車が、列車 M1 でない場合(ステップS309における「NO」)、処理は、ステップS319へ進む。
図13は、計画された列車ダイヤと、本ステップ等(ステップS313、ステップS323、ステップS335)において決定される運行誤差ε(ステップS335においては「ε’」)を考慮した列車ダイヤとの関係を示す図である。実線で示されるダイヤが、当初計画された列車ダイヤ(初期値ダイヤ)であり、破線で示されるダイヤ95、97、99が、運行誤差ε(ダイヤ99についてはε’)を考慮した列車ダイヤである。当初計画された列車ダイヤ上、候補時刻 Tjk において、模擬対象線区に在線し、例えば、き電用変電所 SS3 に最も近い列車は、本図の例では、列車M1である。その次に変電所 SS3 に近い列車が、列車M2である。(列車M’1は、候補時刻 Tjk よりも後に始発駅 St. 6 を出発する列車であるから、候補時刻 Tjk において在線する列車としては取り扱われない。)先ず、列車M1について、ステップS305〜ステップS313により、運行誤差ε1 が決定される。このとき、列車M1の運行誤差ε1 を考慮した列車ダイヤ95は、図のように、当初計画された列車ダイヤを、ε1 だけ平行移動することで決定される。よって、運行誤差ε1 を考慮した列車M1の運転曲線は、運行誤差を考慮しない場合と、形状は同一であり、時間のみがε1 だけずれる。次に、列車M2については、ステップS319〜ステップS323により、列車M2の後続列車接近許容位置 Xa2 から常用最大制動停止可能位置 Xb2 までの範囲が列車M1の後続列車接近許容位置 Xa1 から常用最大制動停止可能位置 Xb1 までの範囲と重複しないように、運行誤差ε2 が決定される。図示しない、これら以外の列車についても同様である。また、候補時刻 Tjk において模擬対象線区に在線しない列車(例えば、列車M’1)については、ステップS333およびステップS335で、運行誤差ε’が決定される。
電力 Pj1(Tjk, ε1) についてもまた、図13の例図よりも明らかだが、Pji(t, ε) = Pji(t-ε) の関係を有する。この関係より、任意のε1 について、Pj1(t, ε1) も、既得のデータから導出可能である。
また、列車ダイヤ変動量決定部53は、時間帯 T2 (T2: Tjk-ta2 <= T2 <= Tjk+tb2) での現在の処理対象列車 M2 の後続列車接近許容位置 Xa2(T2) および常用最大制動停止可能位置 Xa2(T2) を所定の時間幅Δt刻みで求める。
そして、列車ダイヤ変動量決定部53は、時間帯 T2 を、処理対象列車 M2 の後続列車接近許容位置 Xa2(T2) から常用最大制動停止可能位置 Xb2(T2) までの範囲が列車 M1 の運行誤差ε1 を考慮した場合における候補時刻 Tjk での後続列車接近許容位置 Xa1(Tjk, ε1) から常用最大制動停止可能位置 Xb1(Tjk, ε1) までの範囲のいずれとも重複しないような時間帯に限定し、これを前後列車考慮時間帯 T2' とする。
また、列車ダイヤ変動量決定部53は、時間帯 Ti (Ti: Tjk-tai <= Ti <= Tjk+tbi) での現在の処理対象列車 Mi の後続列車接近許容位置 Xai(Ti) および常用最大制動停止可能位置 Xbi(Ti) を所定の時間幅Δt刻みで求める。
そして、列車ダイヤ変動量決定部53は、時間帯 Ti を、処理対象列車 Mi の後続列車接近許容位置 Xai(Ti) から常用最大制動停止可能位置 Xbi(Ti) までの範囲が列車 Mf (f: f=1, 2, 3, ....,i-1) の運行誤差εf を考慮した場合における候補時刻 Tjk での後続列車接近許容位置 Xaf(Tjk, εf) から常用最大制動停止可能位置 Xbf(Tjk, εf) までの範囲のいずれとも重複しないような時間帯に限定し、これを前後列車考慮時間帯 Ti' とする。
ここでは、ステップS317と同様、電力 Pji(Tjk, εi) は、Pji(t, εi) = Pji(t-εi) の関係を有する。この関係より、任意のεについて、Pji(Tjk, εi) も、既得のデータから導出可能である。
列車ダイヤ変動量決定部53が、候補時刻 Tjk において在線する全ての列車 Mi について、運行誤差εi 等が決定されたと判定した場合(ステップS329における「YES」)、処理は、ステップS333へ進む。
列車ダイヤ変動量決定部53が、候補時刻 Tjk において在線する全ての列車 Mi について、運行誤差εi 等が決定されていないと判定した場合(ステップS329における「NO」)、処理は、ステップS331へ進む。
次に、評価部5の変電所瞬時最大電力抽出部57が、第2複数列車運行模擬にかかる変電所模擬結果データと各き電用変電所 SSj (j:1, 2, ..., J) の電力負担率 Rj(x) とに基づき、候補時刻 Tjk において各き電用変電所 SSj が供給する電力 PSSjk を算出する。ステップS337の処理が完了すると、処理は、ステップS113(図5)へ進む。
変電所瞬時最大電力抽出部57が、全ての候補時刻電力最大値 PSSjk を求めたと判定した場合(ステップS113における「YES」)、処理は、ステップS115へ進む。
変電所瞬時最大電力抽出部57が、未だ、全ての候補時刻電力最大値 PSSjk を求めていないと判定した場合(ステップS113における「NO」)、処理は、ステップS3へ戻り、未だ求めていない候補時刻電力最大値 PSSjk を求める。
評価部5が、全ての変電所 SSj について、供給電力最大値 Max{PSSjk}_k を求めたと判定した場合(ステップS117における「YES」)、処理は、ステップS119へ進む。
評価部5が、未だ、全ての変電所 SSj について、供給電力最大値 Max{PSSjk}_k を求めていないと判定した場合(ステップS117における「NO」)、処理は、ステップS111へ戻り、未だ供給電力最大値が得られていない変電所について、処理を行う。
a. 簡易計算法
b. 従来のシミュレーションによる方法
c. 本実施の形態による電力シミュレーションによる方法、である。
a.の簡易計算法とは、背景技術として紹介した式(1)および式(2)による方法である。
b.の従来のシミュレーションによる方法は、計画された列車ダイヤに従って瞬時最大電力を評価するものであり、ここでは、運行誤差は考慮されない。
c.は、本願実施の形態において示すように、計画された列車ダイヤに運行誤差を考慮して瞬時最大電力を評価するものである。
モデルとした模擬対象線区は、全長20[km](20000[m])の鉄道線路であり、列車は、特定の車種からなる3両編成とした。変電所は、所定の位置に5機設置されているものとした。模擬対象線区および列車は、図3に示したものに類似する。
ここでの評価対象は、模擬対象線区の中央部付近に設置されたき電用変電所 SS3 の瞬時最大電力とした。
a.簡易計算法による評価の結果
電力消費率P=60[kWh/(1000ton・km)]、列車重量W=146.5[ton](乗客率200%とする)、き電距離D=4.206[km]、列車本数N=27[本/h]、とする。このうち、電力消費率Pの値や列車重量を設定する際の乗車率200%は、実在する地下鉄における計算での使用例を引用した。
1時間最大電力 Y= P×W×D×N/1000
= 60×146.5×4.206×27/1000
= 998 [kW]
より、瞬時最大電力Zは次式により算出される。
瞬時最大電力 Z = Y+C√(Y)
= 998+120×√(998)
= 4789 [kW]
ここで、C=120とした。この値もまた、上記実在する地下鉄における使用例からの引用である。)
図16の(a)は、従来のシミュレーションによる電力シミュレーション結果である。
図中MAXにて示す時刻において、瞬時最大電力 3459 [kW]との結果を得た。
図16の(b)は、本実施の形態による電力シミュレーションによる結果である。
図中MAXにて示す時刻において、瞬時最大電力 4063 [kW]との結果を得た。
a. 簡易計算法 :4789 [kW]
b. 従来のシミュレーションによる方法 :3459 [kW]
c. 本実施の形態による方法 :4063 [kW](b.の+17.5%) となった。
ここで、c.(本実施の形態による方法)の結果は、列車運行模擬部3として実機データとの誤差が±5%未満の列車運行シミュレータを用いた結果である。
よって、
実運用の際の瞬時最大電力(推定値)= 4063×0.95 〜 4063×1.05
= 3860[kW] 〜 4266[kW]
と評価できる。
これに対し、
簡易計算法の実運用(推定値)に対する誤差
= 4789/4266〜4789/3860
= 12.3[%] 〜 24.1[%]
となり、誤差は、本発明による方法の計算誤差よりも大きくなった。
簡易計算法では乗車率を固定する(今回の例では200%)ために安全側の設定が必要となるので、計算結果は大きめの値となる。また瞬時最大電力を求める際の係数Cの値として実在する他の地下鉄では140として計算する場合もあり、これも余裕代が大きくなる要因である。
3 ・・・ 列車運行模擬部
5 ・・・ 評価部
7 ・・・ 入力部
9 ・・・ 出力部
11 ・・・ 一列車運行模擬実行管理部
13 ・・・ 複数列車運行模擬実行管理部
31 ・・・ 模擬環境データ記憶部
33 ・・・ 列車運行模擬実行部
35 ・・・ 模擬結果データ記憶部
51 ・・・ 解析条件データ保持部
53 ・・・ 列車ダイヤ変動量決定部
55 ・・・ 列車ダイヤ変動量データ記憶部
57 ・・・ 変電所瞬時最大電力抽出部
59 ・・・ 変電所電力負担率導出部
100 ・・・ 電力シミュレーション装置
Claims (5)
- 所定の列車ダイヤに基づいて、所定の位置に設置されるき電用変電所が供給する電力を模擬する電力シミュレーション装置であって、
前記電力シミュレーション装置は、データを保持するための記憶装置およびデータを処理するための処理装置を備え、
前記記憶装置は、
前記所定の列車ダイヤのデータを保持する模擬環境データ記憶部を含み、
前記処理装置は、
列車ダイヤに基づく鉄道運行シミュレーションを実行することにより、時刻と、前記列車ダイヤに規定された少なくとも1つの列車の位置および消費電力ならびに前記き電用変電所の供給電力それぞれとが関連付けされたデータを含んだ模擬結果データを出力する列車運行模擬実行部と、
前記模擬結果データに基づき、列車の位置と、前記列車が消費する電力における前記き電用変電所が供給する電力の割合を導出する変電所電力負担率導出部と、
前記模擬結果データに基づき、前記き電用変電所が供給する電力の時間変動が極大点を示す時刻の少なくとも1つを候補時刻として抽出する変電所瞬時最大電力抽出部と、
前記候補時刻での前記き電用変電所が供給する電力が、前記鉄道運行シミュレーションにより得られた前記候補時刻における前記き電用変電所の前記供給電力の値よりも大きくなるように、前記列車の運行ダイヤからの運行誤差を決定する列車ダイヤ変動量決定部と、を含み、
列車運行模擬実行部が、前記所定の列車ダイヤに前記運行誤差を与えて得られる列車ダイヤを用いて鉄道運行シミュレーションを実行することにより、前記き電用変電所の供給電力の模擬結果を算出する、ことを特徴とする、電力シミュレーション装置。 - 前記列車ダイヤ変動量決定部は、前記列車の運行ダイヤからの運行誤差を所定の時間幅内で決定し、
前記所定の時間幅は、前記列車が、前記列車の進行方向前方および進行方向後方の少なくともいずれかにある他の列車との距離を所定の距離以上に保って、運行可能な運行誤差の値域と一致するか、または、より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の電力シミュレーション装置。 - 前記列車ダイヤ変動量決定部は、前記候補時刻において複数の列車が前記鉄道線路に在線する場合には、前記候補時刻において前記き電用変電所により近くにある列車から順々に、前記複数の列車のそれぞれについて、前記運行誤差を決定する、ことを特徴とする請求項2に記載の電力シミュレーション装置。
- 所定の列車ダイヤに基づいて、所定の位置に設置されるき電用変電所が供給する電力を、データを保持するための記憶装置およびデータを処理するための処理装置を備えたコンピュータを用いて模擬する電力シミュレーション方法であって、
前記処理装置に含まれる列車運行模擬実行部が、列車ダイヤに基づく鉄道運行シミュレーションを実行することにより、時刻と、前記列車ダイヤに規定された少なくとも1つの列車の位置および消費電力ならびに前記き電用変電所の供給電力それぞれとが関連付けされたデータを含んだ模擬結果データを出力するステップと、
前記処理装置に含まれる変電所電力負担率導出部が、前記模擬結果データに基づき、列車の位置と、前記列車が消費する電力における前記き電用変電所が供給する電力の割合を導出するステップと、
前記処理装置に含まれる変電所瞬時最大電力抽出部が、前記模擬結果データに基づき、前記き電用変電所が供給する電力の時間変動が極大点を示す時刻の少なくとも1つを候補時刻として抽出するステップと、
前記処理装置に含まれる列車ダイヤ変動量決定部が、前記候補時刻での前記き電用変電所が供給する電力が、前記鉄道運行シミュレーションにより得られた前記候補時刻における前記き電用変電所の前記供給電力の値よりも大きくなるように、前記列車の運行ダイヤからの運行誤差を決定するステップと、
前記処理装置に含まれる前記列車運行模擬実行部が、前記記憶装置に保持された前記所定の列車ダイヤに前記運行誤差を与えて得られる列車ダイヤを用いて鉄道運行シミュレーションを実行することにより、前記き電用変電所の供給電力の模擬結果を算出するステップと、を有する電力シミュレーション方法。 - コンピュータに、所与の列車ダイヤに基づいて、鉄道線路に沿って所定の位置に設置されるき電用変電所が供給する電力を模擬する電力シミュレーションを実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
列車ダイヤに基づく鉄道運行シミュレーションを実行することにより、時刻と、前記列車ダイヤに規定された少なくとも1つの列車の位置および消費電力ならびに前記き電用変電所の供給電力それぞれとが関連付けされたデータを含んだ模擬結果データを出力するステップと、
前記模擬結果データに基づき、列車の位置と、前記列車が消費する電力における前記き電用変電所が供給する電力の割合を導出するステップと、
前記模擬結果データに基づき、前記き電用変電所が供給する電力の時間変動が極大点を示す時刻の少なくとも1つを候補時刻として抽出するステップと、
前記候補時刻での前記き電用変電所が供給する電力が、前記鉄道運行シミュレーションにより得られた前記候補時刻における前記き電用変電所の前記供給電力の値よりも大きくなるように、前記列車の運行ダイヤからの運行誤差を決定するステップと、
前記所定の列車ダイヤに前記運行誤差を与えて得られる列車ダイヤを用いて鉄道運行シミュレーションを実行することにより、前記き電用変電所の供給電力の模擬結果を算出するステップとを実行させるためのプログラム。
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