JP3618284B2 - 鉄道電力管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道電力管理システムに係り、特に、鉄道電力管理システムの変電所,き電区分所など被制御所の機器の動作を列車のダイヤ情報に従って模擬するシミュレータ装置を備える鉄道電力管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道に関するシステムのうち、列車運行管理システムでは、例えば特開2000―16295号公報に記載されているように、列車ダイヤに従って列車の運行を模擬するシミュレータ装置が発達しており、事故や故障発生時の対策を模擬することが可能となっている。
しかし、鉄道の電力供給/遮断を管理する鉄道電力管理システムのシミュレータ装置は、従来から、被制御所の機器開閉の模擬だけができるだけであり、実際の列車の走行に併せて動作する機器の開閉までは、模擬を行うことができていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の鉄道電力管理システムのシミュレータ装置は、列車の走行に併せた機器動作の模擬ができないため、鉄道電力管理システムの試験時と実運用時とでは、機器動作が異なることがあるという問題がある。また、列車が走行する際に開閉動作する機器の模擬を行うには、動作させたい機器を人為的に指定して開閉動作させる方法しかなく、シミュレータ装置の画面上で模擬実験をすることができず、鉄道電力管理システムでの事故発生や故障発生時の対策を立てることが困難であるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、列車を走行させる模擬を行なうことにより列車の走行によって動作する機器の模擬を可能とするシミュレータ装置を備える鉄道電力管理システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、列車走行に従って電力供給/遮断を行う機器の動作を制御する被制御所とネットワークを介して接続され該被制御所に対して制御を行う鉄道電力管理装置を備える鉄道電力管理システムにおいて、列車運行のダイヤ情報を保有し該ダイヤ情報に従って前記列車の走行位置を示す軌道回路の落下/扛上を模擬する軌道回路情報を作成して前記鉄道電力管理装置へ送信すると共に該軌道回路情報に従う前記被制御所の前記機器の動作を模擬するシミュレータ装置を設けることで、達成される。
【0006】
好適には、上記において、前記シミュレータ装置は、複数の被制御所のうち指定された被制御所の機器動作情報のみ模擬し、それ以外の被制御所の機器動作は実際の機器動作情報を取得し、これら機器動作情報に基づいて軌道回路情報を模擬し、また、列車走行の模擬を、き電線が加圧されている区間のみ行い、き電線が無加圧状態の区間については列車を停止させ、走行中の事故発生の模擬を行い、更に、き電線が加圧状態の区間と、き電線が無加圧状態の区間との間のセクションで、き電線が加圧状態の区間から列車走行の模擬を行い、セクションを列車が跨いだことによりセクションオーバーの発生を模擬する。また、シミュレータ装置はこれを独立に設けるのではなく、鉄道電力管理装置にそのシミュレーション機能を内蔵させる。
【0007】
鉄道電力管理システムを実運用に近い形でシミュレーション可能となるため、新規製作または改造/改修するときに、オンライン投入前の事前確認が容易となり、また、運用者の教育,訓練に際しても実際の列車走行に近い状態を計算機上で模擬することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシミュレータ装置を備える鉄道電力管理システムの全体構成図である。ネットワーク伝送路1には、通信装置2を介して環状のネットワーク伝送路3が接続されており、この環状伝送路3には、被制御所4,5,…,6等と接続される通信装置7,8,…,9が接続されている。また、ネットワーク伝送路1には、鉄道電力管理装置10と、本実施形態に係るシミュレータ装置11とが接続されている。鉄道電力管理装置10には、別にネットワーク伝送路12が接続され、この伝送路12に、前記各被制御所4,5,…,6等の被制御機器各々の状態(投入状態,開放状態等)を表示すると共に制御入力指示を行う表示装置(鉄道電力管理装置10やシミュレータ装置11とシステム運用者との間のマンマシンインタフェース部分となる。)13,14が接続されている。鉄道電力管理装置10内には被制御所機器状態テーブル15が設けられており、シミュレータ装置11内には上記テーブル15と同じ被制御所状態テーブル16と、列車ダイヤテーブル17とが設けられている。
【0009】
被制御所4〜6は、鉄道電力管理装置10の制御/監視対象である変電所や,き電区分所,補助き電区分所などが該当する。
鉄道電力管理装置10は、オンラインで各被制御所4,5,…,6の各被制御機器を制御しているオンラインモード時には、各被制御所4〜6からの機器状態情報を通信装置7〜9,2で経由で受信し、被制御所機器状態テーブル15に格納すると共に表示装置13,14に送信し、また、表示装置13,14からの制御入力や、周期的に自動で実行する制御、もしくは、被制御所4〜6からの機器状態情報に基づいて自動的に判断した制御出力を、通信装置2,7〜9経由で被制御所4〜6に対し出力する。また、開発訓練モード時には、詳細は後述するようにして、シミュレータ装置11からの被制御所機器の状態情報を受信し、制御結果をシミュレータ装置11に出力する。
【0010】
シミュレータ装置11は、被制御所の機器開閉状態を記憶した被制御所機器状態テーブル16と、列車運行のダイヤを表した列車ダイヤテーブル17とを保有し、開発訓練モードの時、鉄道電力管理装置10からの制御指令に対する被制御所の機器開閉状態の応答を模擬して鉄道電力管理装置10に返信し、また、保有している列車ダイヤに従って列車走行の模擬を行い、列車の通過による被制御所機器の開閉の模擬を鉄道電力管理装置10に送信する。
【0011】
図2は、鉄道電力管理装置10が開発訓練モードとなり、シミュレータ装置11が模擬を行うときの、被制御所のき電系統図の一例を示す図である。SS1,SS2,SS3は、シミュレータ装置11にて模擬する変電所を表す。SP4,SP5は、き電区分所の被制御所である。A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,Lは、被制御所間の夫々のき電線の区間である。O,P,Q,R,S,T,U,Vは、被制御所の中セクションである。
【0012】
区間A,Bは変電所SS1の機器A1,K1が投入されることにより、き電線加圧状態となる。区間C,Dは変電所SS1の機器C1,L1が投入されることにより、き電線加圧状態なる。同様に、区間E,Fは、変電所SS2の機器A2,K2が投入状態となることで、区間G,Hは変電所SS2の機器C2,L2のが投入状態となることで、区間I,Jは変電所SS3の機器A3,K3が投入状態となることで、区間K,Lは変電所SS3の機器C3,L3が投入状態となることで、夫々、き電線加圧状態となる。
【0013】
中セクションMは機器E1,I1が投入状態となることで、き電線加圧状態となる。中セクションNは機器H1,J1が投入状態となることで、き電線加圧状態となる。同様に、中セクションOは機器O4,S4が投入状態となることで、中セクションPは機器R4,T4が投入状態となることで、中セクションQは機器E2,I2が投入状態となることで、中セクションRは機器H2,J2が投入状態となることで、中セクションSは機器O5,S5が投入状態となることで、中セクションTは機器R5,T5が投入状態となることで、中セクションUは機器E3,I3が投入状態となることで、中セクションVは機器H3,J3が投入状態となることで、夫々、き電線加圧状態となる。
【0014】
シミュレータ装置11は、模擬した被制御所(変電所SS1〜3,き電区分所SP4,5)の各機器の開放状態/投入状態と、き電線の加圧状態とを、鉄道電力管理装置10に送信し、また、鉄道電力管理装置10から制御要求を受け付けると、該当する模擬機器を開放状態もしくは投入状態に変更し、鉄道電力管理装置に送信する。
【0015】
次に、列車ダイヤに従って列車の走行による機器の開放/投入については、図3に示す機器E1,F1,I1を用いて具体的に説明する。この図3(a)(b)(c)は、図2の機器E1,F1,I1部分を拡大した図であり、列車Zの走行状態に合せて各機器E1,F1,I1の機器動作(開放/投入)の推移を示す図である。即ち、列車の走行位置に従って、列車が中セクションMに進入する前の状態(a)、中セクションMに進入中の状態(b)、中セクションMを通過後(c)の3つの状態を示している。
【0016】
列車Zは、中セクションMに進入する前の軌道回路aから、中セクションMの軌道回路bに入り、次に、中セクションMから出た後の軌道回路cに進む。列車Zが当該軌道回路上に在線すると当該軌道回路は落下し、列車Zが当該軌道回路を通過すると扛上する。シミュレータ装置11は、保有している列車のダイヤ情報に従って、列車の走行を模擬するために、列車Zを軌道回路aから出発させると共に、順次、軌道回路a,b,cを落下/扛上させ、この軌道回路a,b,cの落下/扛上の情報を鉄道電力管理装置10に送信する。
【0017】
ダイヤ情報に従って走行してきた列車Zが、中セクションMに進入する前の状態は、軌道回路aが落下状態となる。前述した通り、機器E1,I1が投入状態のため、区間aのき電線の電気で中セクションMのき電線を加圧する。列車が中セクションMに進入した時は、軌道回路bが落下状態となり、軌道回路aが扛上する。この状態になると、シミュレータ装置11は機器E1を開放し、機器F1を投入する。これにより、中セクションMは、区間Cのき電線の電気により、き電線が加圧される。列車が中セクションMを通過した後は、軌道回路cが落下状態となり、軌道回路bが扛上する。シミュレータ装置11は、この状態で機器F1を開放すると共に機器E1を投入し、列車Zが通過する前の状態に戻す。
【0018】
このようにして、シミュレータ装置11は、列車の走行により機器E1,F1の開放/投入の機器動作模擬を行う。また、図2において、列車が区間A〜区間Kまで走行した場合、機器の開閉動作は、変電所SS1では、E1開放→F1投入→F1開放→E1投入となり、き電区分所SP4では、O4開放→P4投入→P4開放→O4投入となる。また、変電所SS2では、E2開放→F2投入→F2開放→E2投入となり、き電区分所SP5では、O5開放→P5投入→P5開放→O5投入となり、変電所SS3では、E3開放→F3投入→F3開放→E3投入という動作となる。
【0019】
図4は、シミュレータ装置11の列車走行機能と被制御所の機器開閉動作機能の動作手順を示すフローチャートである。このフローチャートの説明の前に各用語の説明をする。列車の在線している軌道回路を「在線軌道回路」といい、列車の在線している軌道回路の進行方向側の軌道回路を「前方軌道回路」といい、列車が2つの軌道回路に跨って在線しているときの進行方向と反対側の軌道回路を「後方の在線軌道回路」という。また、列車が中セクション軌道回路に進入前に中セクションのき電線を加圧する機器を「中セクション用機器X」(例えば、図3では、機器E3を表す)とし、列車が中セクション軌道回路に在線中に中セクションのき電線を加圧する機器を「中セクション用機器Y」(例えば、図3では、機器F3を表す)とする。
【0020】
処理ステップ1では、図1に示すテーブル17の列車ダイヤに基づいて、列車が出発駅を出発時刻となったときから、到着駅の到着時刻まで、ステップ2以降の処理を実施し、列車走行と被制御所の機器の開閉動作を行う。
【0021】
ステップ2では、軌道回路の落下中のものが1つであるか否か、つまり、在線軌道回路が1つであるか否かの判定を行う。判定の結果、在線軌道回路が1つの場合にはステップ3に進み、前方軌道回路を落下させ、列車を1軌道回路分だけ進めると共に、ステップ4で、前方軌道回路の落下情報を鉄道電力管理装置10に送信した後、ステップ1にリターンする。
【0022】
ステップ3で列車を1軌道回路分だけ進める状態になると、列車は、2つの軌道回路を跨って走行する状態となる。このため、次にステップ1からステップ2に進んで在線軌道回路が1つで在るか否かの判定が行われると、判定結果は否定(在線軌道回路は2つのため)となり、ステップ5に進むことになる。ステップ5で後方の在線軌道回路を扛上させることにより、列車は1つだけ軌道回路が進んだ状態となる。そして、次のステップ6で、後方の在線軌道回路の扛上情報を鉄道電力管理装置10に送信する。
【0023】
次のステップ7では、進行した列車の在線軌道回路が中セクションの軌道回路であるか否かの判定を行う。中セクションの軌道回路の場合はステップ8に進み、中セクション用機器Xを開放すると共に、ステップ9で、中セクション用機器Xの開放状態情報を鉄道電力管理装置10に送信する。そしてステップ10では、中セクション用機器Xの開放により中セクション用き電線を無加圧状態とし、ステップ11で、中セクション用き電線の無加圧状態情報を鉄道電力管理装置10に送信する。
【0024】
次に、ステップ12に進み、中セクション用機器Yを投入し、ステップ13で、中セクション用機器Yの投入状態情報を鉄道電力管理装置に送信する。ステップ14では、中セクション用機器Yの投入により中セクション用き電線を加圧状態とし、ステップ15で、中セクション用き電線の加圧状態情報を鉄道電力管理装置10に送信した後、ステップ1にリターンする。
【0025】
ステップ7での中セクション用軌道回路に在線しているか否かの判定結果が、否定(在線なし)の場合には、ステップ16に進み、中セクション用機器Yが投入状態であるか否かの判定を行う。判定の結果、投入状態の場合にはステップ17に進み、中セクション用機器Yを開放し、ステップ18で、中セクション用機器Yの開放状態情報を鉄道電力管理装置10に送信する。次のステップ19では、中セクション用機器Yの開放により中セクション用き電線を無加圧状態とし、ステップ20で、中セクション用き電線の無加圧状態情報を鉄道電力管理装置10に送信する。
【0026】
次のステップ21では、中セクション用機器Xを投入し、ステップ22で、中セクション用機器Xの投入状態情報を鉄道電力管理装置10に送信する。そして、ステップ23で、中セクション用機器Xの投入により中セクション用き電線を加圧状態とし、ステップ24で、中セクション用き電線の加圧状態情報を鉄道電力管理装置に送信した後、ステップ1にリターンする。ステップ16の判定結果が否定(即ち、開放状態)の場合には、ステップ1にリターンする。
【0027】
図5は、列車ダイヤを保有している鉄道運行管理システムから、ネットワーク伝送路を経由して図1に示す鉄道電力管理システムに列車ダイヤのデータをオンラインにて転送を受けるときの説明図である。鉄道運行管理システムは、列車の運行を管理するシステムで運行を司るダイヤ情報を保有している。この鉄道運行管理システムのダイヤ情報を、ネットワーク伝送路経由で、鉄道電力管理システムのシミュレータ装置11が受信する。
【0028】
図6、列車ダイヤ保有している鉄道運行管理システムから、オフラインにて、即ち、フレキシブルディスク(フロッピーディスク)等の記憶媒体により、列車ダイヤのデータを受け取る説明図である。鉄道運行管理システムは、図5と同じシステムであり、鉄道運行管理システムで保有している列車ダイヤ情報を、フレキシブルディスクにセーブし、鉄道電力管理システムのシミュレータ装置11は、このフレキシブルディスク内の列車ダイヤ情報を自身のメモリ内に読込む。
【0029】
図7は、あるポストのみ被制御所と接続し、当該ポスト以外はシミュレータ装置の模擬を用いる場合の構成図である。変電所SS2は、通信装置を経由して被制御所として実際に鉄道電力管理システムに接続され、鉄道電力管理装置10によって、直接、監視され、制御される。その他の被制御所(変電所SS1,変電所SS3,き電区分所SP4,き電区分所SP5)は、シミュレータ装置11が模擬を行い、鉄道電力管理装置10は、シミュレータ装置11に対し、監視し、制御を行う。シミュレータ装置11は、実際に接続している被制御所SS2から実際の状態情報も受け付ける。
【0030】
変電所SS2の状態変化(投入,開放等)が発生した場合、変電所SS2の状態情報は、通信装置を経由して鉄道電力管理装置10にて受信され、同じ情報はシミュレータ装置11も受信する。シミュレータ装置11は、この状態情報に従って、き電線の加圧状態など加圧情報の作成を行う。変電所SS2の機器A2が開放状態のとき、その投入制御指令を鉄道電力管理装置10が送信した場合、通信装置を経由して投入制御指令は被制御所に送信される。この投入制御指令を受けた被制御所においては、機器A2の投入を行い、機器A2の投入に従い、区間E,区間Fのき電線が加圧状態となる。
【0031】
機器A2の投入状態情報や区間Eのき電線加圧状態情報、区間Fのき電線加圧状態情報は通信装置に送信され、これらの情報は、鉄道電力管理装置10とシミュレータ装置11で受信される。シミュレータ装置11は、区間E,Fのき電線加圧状態情報から、き電区分所SP4の区間E,Fのき電線加圧状態を作成する。また、実際に接続中の変電所SS1以外の箇所は、前記の軌道回路情報送信を模擬し、軌道回路情報に従って機器開閉動作を模擬する。
【0032】
図8は、き電線の加圧状態(a)、無加圧状態(b)の概略を示す図である。列車走行の模擬は、き電線が加圧している区間のみ行い、き電線が無加圧状態の区間については、列車は停止する。図8(a)のき電線加圧状態では、区間AA,区間BB,区間CC,区間DDは、機器A4,機器B4,機器A6,機器B6が投入されているため、き電線加圧状態である。区間EEは、列車の走行状態に併せて、機器E4または機器F4を投入することで、き電線加圧状態となる。同様に、区間FFは、列車の走行状態に併せて機器E5または機器F5を投入することで、区間GGは機器E6または機器F6の投入により、き電線加圧状態となる。これにより、区間AA→EE→BB→FF→CC→GG→DDに沿って列車は走行可能となり、列車走行の模擬ができるようになる。
【0033】
図8(b)のき電線無加圧状態では、区間AAと区間DDは、機器A4,機器B6が投入しているため、き電線加圧状態である。しかし、区間BB,区間CCは、機器B4,機器A6が開放しているため、き電線無加圧状態である。区間EEは、機器E4が投入されているときは、き電線加圧状態となるが、機器E4が開放され機器F4が投入されたときは、き電線無加圧状態となる。区間FFは機器E5,機器F5のどちらを投入しても、き電線無加圧状態となる。区間GGは、機器E6が投入されているとき、き電線無加圧状態となるが、機器F6が投入されると、き電線加圧状態となる。
【0034】
このため、区間AA,区間DD,機器E4の投入時の区間EE,機器F6の投入時の区間GGは、列車の走行が可能状態となり、列車走行の模擬を行うことができる。区間BB,区間CC,機器F4の投入時の区間EE,区間FF,機器E6の投入時の区間GGは、き電線無加圧状態のため、列車の走行が出来ない状態となり、列車走行の模擬は実施しない。図8(a)のき電線加圧状態で列車の走行の模擬を行っているときに、地震発生の模擬を行って図8(b)のき電線無加圧状態となった場合、機器の開放により、き電線が加圧から無加圧状態へ変わることにより列車の走行停止の模擬を行うことができる。
【0035】
図9は、セクションオーバー発生時の概略を示す図である。機器B7と機器D7が投入状態で、機器D7が開放状態のとき、区間B’のき電線は加圧状態となるが、機器D7が開放状態のため、区間C’のき電線は無加圧状態となる。S1は、区間B’と区間C’のセクションとなる。セクションS1を挟んで区間B’はき電線加圧状態で列車の走行が可能状態であり、区間C’はき電線無加圧状態で列車の走行が不可能状態となっている。き電線加圧状態の区間B’から列車の走行の模擬を行い、セクションS1を列車が跨ぐと、列車を通して区間C’が加圧状態となるセクションオーバーの発生を模擬することができる。
【0036】
図1に示す実施形態は、シミュレータ装置11と鉄道電力管理装置10とを別々に設けたが、鉄道電力管理装置10内にシミュレータ機能を設けることも可能である。図10は、シミュレータ機能を持つ鉄道電力管理装置を示す図である。この鉄道電力管理装置20は、シミュレータ機能を持つと共に自身内に列車ダイヤテーブル17を持っている。このように、図1に示すシミュレータ装置11と同機能を果たすシミュレータ機能を鉄道電力管理装置20内に装備することで、図1の実施形態と同様の効果が得られると共に、ハードウェア量の削減を図ることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、鉄道電力管理システムの従来のシミュレータ装置が鉄道電力管理システム内で閉じられた世界での検証しかできなかったのに対し、列車のダイヤ情報を保有して列車走行を模擬することにより、列車の運行を管理する運行管理システムなど鉄道システム全体の中での鉄道電力管理システムの動作の検証を行なうことができる。また、本発明に係るシミュレータ装置により、新規製作または、改造/改修時のオンライン投入前の事前確認が列車走行の実運用に近い状態で可能となり、また、運用者の教育,訓練に際しても実際の列車走行に近い状態をシミュレーションすることができ、教育,訓練と実オペレーションとの間の差をなくすことができため、十分な教育,訓練が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る鉄道電力管理システムの全体構成図である。
【図2】被制御所のき電系統図である。
【図3】列車の走行による機器動作の概略を示す図である。
【図4】図1に示すシミュレータ装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ネットワーク伝送路経由で列車運行ダイヤを受信する説明図である。
【図6】媒体経由で列車運行ダイヤをシミュレータ装置が受け取る説明図である。
【図7】図1に示すシミュレータ装置と被制御所混在での監視・制御を行うときのき電系統図である。
【図8】き電線加圧時と、き電線無加圧時の列車走行の概略を示す図である。
【図9】セクションオーバー発生時の概略を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るシミュレータ機能を持つ鉄道電力管理装置の構成図である。
【符号の説明】
1、3、12 ネットワーク伝送路
2、7、8、9 通信装置
4、5、6 被制御所
10 鉄道電力管理装置
11 シミュレータ装置
20 シミュレータ機能付き鉄道電力管理装置。
Claims (5)
- 列車走行に従って電力供給/遮断を行う機器の動作を制御する被制御所とネットワークを介して接続され該被制御所に対して制御を行う鉄道電力管理装置を備える鉄道電力管理システムにおいて、列車運行のダイヤ情報を保有し該ダイヤ情報に従って前記列車の走行位置を示す軌道回路の落下/扛上を模擬する軌道回路情報を作成して前記鉄道電力管理装置へ送信すると共に該軌道回路情報に従う前記被制御所の前記機器の動作を模擬するシミュレータ装置を設けたことを特徴とする鉄道電力管理システム。
- 請求項1において、前記シミュレータ装置は、複数の被制御所のうち指定された被制御所の機器動作情報のみを前記ダイヤ情報に従って模擬し、それ以外の被制御所の機器動作は実際の機器動作情報を取得してき電線の加圧状態など加圧情報を作成し、前記軌道回路に従って前記指定された被制御所の機器動作を模擬することを特徴とする鉄道電力管理システム。
- 請求項1または請求項2において、前記シミュレータ装置は、列車走行の模擬を、き電線が加圧されている区間のみ行い、き電線が無加圧状態の区間については列車を停止させること特徴とする鉄道電力管理システム。
- 請求項1において、前記シミュレータ装置は、き電線が加圧状態の区間と、き電線が無加圧状態の区間との間のセクションで、き電線が加圧状態の区間から列車走行の模擬を行い、セクションを列車が跨いだことにより列車を通して無加圧状態の区間へ電気が流れ、き電線が加圧状態となるセクションオーバーの発生を模擬することを特徴とする鉄道電力管理システム。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、前記鉄道電力管理装置は、前記シミュレータ装置の機能を併せ持つことを特徴とする鉄道電力管理システム。
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