JP5971746B2 - テンプレートマッチング位置合わせ方法および荷電粒子線装置 - Google Patents

テンプレートマッチング位置合わせ方法および荷電粒子線装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子線装置におけるテンプレートマッチング位置合わせ方法、および、そのテンプレートマッチング位置合わせ方法を適用した荷電粒子線装置に関する。
SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)などを用いて半導体ウェーハや半導体チップ(以下、単に、試料という)の表面に形成されたパターンの観察、測長、検査など(以下、単に、観察という)をする場合には、対象となるパターンの位置を特定する必要がある。その位置の特定は、ユーザの立場からは、当該試料のパターン設計時に用いられた座標値を用いるのが便利である。一方、その試料の観察画像上の位置を特定する場合には、試料ステージの移動量などに基づく座標値を用いるほうが便利である。そこで、設計上の座標値と観察画像上の座標値との対応付けが行われる。
設計上の座標値と観察画像上の座標値との対応付けは、設計上の座標軸と観察時の座標軸の位置合わせである。通常、その位置合わせは、テンプレートを用いて行われる。テンプレートは、位置合わせのために設けられた特定形状のパターンである。多くの試料には、あらかじめ多数のテンプレートが埋め込まれている。なお、必要に応じて、試料上に形成された特徴的な配線パターンや素子パターンを切り出してテンプレートとする場合もある。
設計上の座標値と観察画像上の座標値との対応付けは、SEMなどで試料表面を観察することによりテンプレートを検出し、そのテンプレートの観測画像上の位置座標を取得し、その取得した観察画像上の位置座標を当該テンプレートの設計上の位置座標に一致させることにより行われる。
ところが、現実の半導体ウェーハや半導体チップ(試料)では、パターン形成工程での製造出来栄えによって、そのパターンをSEMなどで観察したときに、パターンの大きさに変動があったり、パターンエッジが不明りょうであったりする。そのような場合には、テンプレートをうまく検出できなかったり、周囲のパターンの状況にもよるが、他のパターンに誤ってマッチングしたりすることがある。その結果、設計上の座標値と観察画像上の座標値との対応付けが誤って行われる。
一般的には、このようなマッチングエラーの対策としては、観察対象の試料に複数のテンプレートを配置しておき、マッチングに成功するまで、順番にテンプレートマッチングを実施することが行われている(慣用技術)。しかしながら、その慣用技術では、テンプレートが他の類似したパターンに誤ってマッチングしても、それを検知することができないので、誤ったマッチングが行われることがある。
そこで、例えば、特許文献1に記載の半導体検査装置では、観察対象の試料に複数のテンプレートを配置しておき、その複数のテンプレートについてそれぞれマッチングを行い、マッチングで検出されたテンプレートの相対位置関係(相対距離)があらかじめ設定した範囲内に入る場合にマッチングが成功したと判定している。従って、このテンプレートマッチングの方法によれば、あるテンプレートのマッチング処理で、他のパターンにマッチングするエラーが生じたとしても、その場合には、その相対位置関係が変わることから、そのマッチングエラーを検出することが可能になる。
特開2004−95657号公報
ところで、本発明の主要な適用対象である半導体ウェーハの表面には、類似するパターンが多数並べられることが多く、また、その表面のパターンを荷電粒子線装置(例えば、SEM)で観察し、取得した画像においては、そのパターンのエッジが不明りょうになることがしばしば生じる。従って、特許文献1に記載のテンプレートマッチング方法のように、複数のテンプレートについてマッチングし、その相対位置関係をチェックしたとしても、たまたま他の類似したパターンに誤ってマッチングするマッチングエラーを完全に排除することは困難である。
そこで、本発明は、マッチングエラーを可能な限り排除することができ、かつ、精度よい位置合わせが可能なテンプレートマッチング位置合わせ方法およびそれを適用した荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
本発明に係る荷電粒子線装置は、荷電粒子線を試料に照射する荷電粒子光学系装置と、前記荷電粒子線の照射を受けたとき、前記試料から放出される二次荷電粒子の検出信号に基づき、前記試料の観察画像を生成する画像処理装置と、前記試料の設計データを含む情報を記憶する記憶装置および前記観察画像を表示する表示装置を備えて、前記荷電粒子光学系装置を制御する制御コンピュータと、を含んで構成される。
そして、前記荷電粒子線装置において、前記制御コンピュータが、前記設計データに含まれる複数のテンプレートを登録する処理と、前記登録した複数のテンプレートそれぞれを前記観察画像上で個別的にマッチングする処理と、前記マッチングする処理でマッチングに成功したテンプレートについて、マッチングに成功したときの前記テンプレートの観察画像上での位置座標と設計上の位置座標との差分である座標差分ベクトルを算出するとともに、マッチングの一致度を表すマッチング成績値を算出し、前記算出した座標差分ベクトルおよびマッチング成績値を前記テンプレートに対応付けて記憶装置に格納する処理と、前記算出した座標差分ベクトルを、その大きさおよび方向に基づきグループ化する処理と、前記座標差分ベクトルをグループ化したグループのうち、属する座標差分ベクトルの数が最も多いグループを選択する処理と、前記選択したグループに属する座標差分ベクトルにそれぞれ対応するテンプレートのうち、マッチング成績値が最も高いテンプレートを選択する処理と、 前記選択したテンプレートに対して前記個別的なマッチングの処理の結果に基づき算出された座標差分ベクトルを用いて、前記観察画像上での位置座標を設計上の位置座標に対応付ける処理と、を前記に記載した処理の順序で実行することを特徴とする。
本発明では、複数のテンプレートを個別的にマッチングする処理で、あるテンプレートのマッチングに失敗したとしても、その後の処理で、失敗の結果は実質的に無視され、残りのテンプレートでマッチングが行われる。従って、本発明は、パターンのエッジが不明りょうになり易い半導体ウェーハなどにも適切に適用することができる。
また、本発明では、個別的なテンプレートのマッチングに成功したものを採用するだけでなく、さらに、そのマッチングの結果得られる観察画像上での位置座標と設計上の位置座標との差分(座標差分ベクトル)やマッチングの一致度(マッチング成績値)を考慮して、位置合わせのデータを求めているので、マッチングエラーをほとんど排除することができるとともに、精度よい位置合わせが可能となる。
本発明によれば、マッチングエラーを可能な限り排除することができ、かつ、精度よい位置合わせが可能なテンプレートマッチング位置合わせ方法およびそれを適用した荷電粒子線装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る荷電粒子線装置の構成の例を模式的に示した図。 (a)位置合わせ用のテンプレートを配置した半導体チップのレイアウト設計図の例、および、(b)テンプレート登録テーブルの構成の例を示した図。 複数のテンプレートマッチングに基づく位置合わせの処理フローの例を示した図。 個々のテンプレートについてのマッチング処理で作成されるマッチング結果テーブルの例を示した図。 代表座標差分ベクトルの例を模式的に示した図。 複数のテンプレートのマッチングが行われる過程の例を模式的に示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る荷電粒子線装置の構成の例を模式的に示した図である。図1に示すように、荷電粒子線装置100は、大きく分ければ荷電粒子光学系装置10と制御コンピュータ20とを含んで構成される。
荷電粒子光学系装置10は、荷電粒子源1、集束レンズ3、偏向レンズ4、対物レンズ5、二次電子検出器6などを含んで構成され、荷電粒子源1から出射した荷電粒子線2を集束レンズ3で集束させ、偏向レンズ4で走査、偏向させ、対物レンズ5で焦点を合わせて、試料ステージ7上に保持された試料8に照射するとともに、試料8の荷電粒子線2の照射箇所から放出される二次電子9を二次電子検出器6によって検出する。
そして、二次電子検出器6によって検出された二次電子9の検出信号は、図示しない増幅器、A/D(Analog to Digital)変換器などを介して画像処理装置22へ送信される。画像処理装置22は、二次電子検出器6からの検出信号と偏向レンズ4の走査制御信号とに基づいて、試料8表面の二次電子9に基づく画像を、観察画像として生成するとともに、生成した観察画像を表示装置23に表示する。
制御コンピュータ20は、試料8のパターン設計についての設計データ21を含む情報を記憶した記憶装置を有するとともに、画像処理装置22、表示装置23、入力装置24(キーボード、マウスなど)に接続され、さらに、図示しない制御装置を介して荷電粒子光学系装置10に接続されている。
このとき、制御コンピュータ20は、入力装置24を介してユーザが入力する観察画像取得のための様々な情報(観察領域、倍率、明るさなど)を取得して、その情報に基づき、前記した図示しない制御装置を介して、荷電粒子光学系装置10内の荷電粒子源1、集束レンズ3、偏向レンズ4、対物レンズ5、試料ステージ7などの動作を制御する。また、制御コンピュータ20は、画像処理装置22により生成された観察画像に対し、さらに処理を加えて、より高度な観察、測長、検査のための画像を生成し、その結果を表示装置23に表示する。
ここで、荷電粒子線装置100の具体的な例は、試料8表面を観察する装置としての走査型電子顕微鏡(SEM)であるが、観察用のSEMに限定されず、SEMを応用した測長装置、検査装置などであってもよく、さらには、走査型イオン顕微鏡やイオンビーム加工装置などであってもよい。
図2は、(a)位置合わせ用のテンプレートを配置した半導体チップのレイアウト設計図の例、および、(b)テンプレート登録テーブルの構成の例を示した図である。本実施形態では、図2(a)に示すように、半導体チップ81の上に、複数の位置合わせ用のテンプレートTA,TB,TC,TDが配置され、また、その配置の設計に用いられた座標軸82が設けられているものとする。
ここで、設計上の座標軸82は、そのX軸が半導体チップ81の横方向のダイシングライン81aに平行で、Y軸が半導体チップ81の縦方向のダイシングライン81bに平行であるものとする。なお、ここでは、座標軸82の原点位置Oは、レイアウト設計図上での半導体チップ81のダイシングライン81a,81bの外側に設けられているが、その内側やダイシングライン81a,81bに設けられていてもよい。
また、図2(a)では、位置合わせ用のテンプレートTA〜TDの大きさは、説明の便宜上、半導体チップ81の大きさに比べ大きく描かれているが、実際の大きさは、はるかに微小な大きさである。また、図2(a)では、テンプレート(以下、位置合わせ用のテンプレートは、単に、テンプレートという)が4つ描かれているが、テンプレートの数が4つに限定されるわけではない。
また、図2(b)に示すように、テンプレート登録テーブルは、それぞれのテンプレートについて、テンプレート名称、代表座標値、形状データを含んで構成される。ここで、代表座標値とは、それぞれのテンプレートの位置を1つの座標値で代表して表したものである。代表座標値としては、例えば、それぞれのテンプレートの図形の重心位置の座標値や、それぞれの図形の最下部、最左側の頂点の座標値などが用いられる。なお、図2(b)では、テンプレートTA,TB,TC,TDの代表座標値は、設計データ21から得られるものとし、それぞれを(X,Y),(X,Y),(X,Y),(X,Y)と表している。
また、テンプレートの形状データは、テンプレートの形状を定めるデータであり、例えば、テンプレートを多角形図形で表したときの各頂点の点列の座標値のデータとして表される。
なお、本実施形態では、半導体チップ81は、ダイシングされる前の半導体ウェーハの一部を構成するものであってもよく、ダイシングされた後のチップであってもよく、さらには、そのダイシングされたチップがパッケージにマウントされたものであってもよい。
さて、図2(a)に示したようなテンプレートTA〜TDが形成された半導体チップ81が製造され、その半導体チップ81を荷電粒子線装置100で観察するときには、観察対象の半導体チップ81に対し、観察時の座標軸(観察画像上の座標軸ともいう)が設定される。その場合、観察時の座標軸は、通常、試料8である半導体チップ81を載置した試料ステージ7の移動方向および移動量、ならびに、荷電粒子線2の走査(偏向)方向および走査(偏向)量によって定められる。
そこで、本実施形態では、試料ステージ7のx軸移動方向と荷電粒子線2の水平走査方向とは平行であるとし、また、試料ステージ7のy軸移動方向と荷電粒子線2の垂直走査方向とは平行であるとする。さらに、試料ステージ7のx軸移動方向およびy軸移動方向は、それぞれ、試料ステージ7に載置された半導体チップ81の横方向のダイシングライン81aおよび縦方向のダイシングライン81bに平行になるように設定されているものとする。これは、観察時の座標軸のx軸方向およびy軸方向が、設計上の座標軸82のX軸方向およびY軸方向と平行であることを意味している。
さらに、本実施形態では、簡単のために、観察時の座標軸の原点位置は、設計上の座標軸82の原点位置Oと同じ位置に略々合わせられているものとし、パターン寸法の倍率も合わせられているものとする。なお、試料8が半導体ウェーハや半導体チップ81などである場合、観察時の座標軸と設計上の座標軸の位置合わせは、いったんした後もたびたびする必要がある。これは、試料ステージ7の移動誤差は、拡大された観察画像上のパターンの大きさに比べ無視できないからである。
以下、図3〜図6を参照して、複数のテンプレートを用いて観察時の座標値を設計上の座標値に対応付けをする位置合わせの方法について説明する。ここで、図3は、複数のテンプレートマッチングに基づく位置合わせの処理フローの例を示した図、図4は、個々のテンプレートについてのマッチング処理で作成されるマッチング結果テーブルの例を示した図、図5は、代表座標差分ベクトルの例を模式的に示した図、図6は、複数のテンプレートのマッチングが行われる過程の例を模式的に示した図である。
まず、ユーザは、入力装置を介して観察対象の半導体チップ81の設計データ21やその設計データ21に含まれるテンプレートを識別する情報などを入力する。そこで、制御コンピュータ20は、その入力された情報および設計データ21に基づき、当該半導体チップ81に含まれる複数個のテンプレートの設計時のデータを、テンプレート登録テーブル211に登録する(ステップS10)。
次に、制御コンピュータ20は、テンプレート登録テーブル211に登録された複数のテンプレートのそれぞれを用いて個別的なマッチングを実施するために、そのマッチング対象のテンプレートを指定するマッチングカウンタ(i)を初期化する(すなわち、i=0)(ステップS11)。ここで、個別的なマッチングとは、ある1つのテンプレートを単独に用いて、観察画像との間でマッチング処理をすることをいう。
続いて、制御コンピュータ20は、マッチングカウンタ(i)をインクリメントして(すなわち、i=i+1)(ステップS12)、個別的なマッチングで用いるテンプレートを定める。
次に、制御コンピュータ20は、マッチングカウンタ(i)で指定される第i番目のテンプレートを用いて、荷電粒子線装置100によって得られる観察画像との間で個別的なマッチングを実施し(ステップS13)、そのマッチングに成功した場合には、そのマッチングの結果に基づき、代表座標差分ベクトルおよびマッチング成績値を算出し、マッチング結果テーブル212(図4参照)に格納する(ステップS14)。
ここで、マッチング結果テーブル212は、図4に示すように、テンプレート登録テーブル211に登録されている第i番目のテンプレートについての、設計上の代表座標値(X,Y)、観察時の代表座標値(x,y)、代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)およびマッチング成績値を含んで構成される。
このとき、設計上の代表座標値(X,Y)は、テンプレート登録テーブル211から得られる第i番目のテンプレートの代表座標値であり、また、観察時の代表座標値(x,y)は、第i番目のテンプレートが観察画像上のパターンにマッチングしたとき、そのテンプレートの代表座標値を観測時の座標軸に基づき表したものである。
また、代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)は、設計上の代表座標値(X,Y)の観察時の代表座標値(x,y)に対する差分座標値として表されるベクトル量である。なお、「代表座標差分ベクトル」は、請求項では、単に、「座標差分ベクトル」と記載している。
例えば、図5に示すように、設計時のテンプレートTAの代表座標点をP、設計上の代表座標値を(X,Y)と表し、さらに、そのテンプレートTAを観察画像上のパターンでマッチングしたとき、マッチングに成功したときのテンプレートTAに対応するテンプレートTAの代表座標点をQ、その観察時の代表座標値を(x,y)と表すと、代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)は、
(Δx,Δy)=(X,Y)−(x,y
という式で表される。
すなわち、代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)は、有向線分Q→Pが表すベクトルを表している。つまり、代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)は、設計上の座標軸に基づく座標値の、観察時の座標軸に基づく座標値に対するずれの量および方向を表したものといえる。従って、テンプレートTAについての代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)により、観測時の座標軸に基づく座標値を、設計時の座標軸に基づく座標値に変換し、対応付けすることが可能になる。
また、図4のテンプレート登録テーブル211において、マッチング成績値は、ステップS13の個別的なマッチングで、第i番目のテンプレートが観察画像上のパターンにマッチングしたとき、そのマッチングの一致度を表す値である。例えば、設計時のテンプレートが観察画像上のパターンに完全に一致する場合を、100(点)とし、一部一致しない部分がある場合には、その一致しない部分の大きさの割合などに応じて、例えば、85(点)などとする。また、マッチングに失敗したときは、0(点)とする。
なお、ステップS13におけるマッチング処理の具体的な方法としては、どのようなマッチングの方法を用いてもよいが、一般的には、いわゆる正規化相関法が用いられることが多い。
再び、図3の処理フローの説明に戻る。制御コンピュータ20は、ステップS14の処理の次には、マッチングカウンタ(i)がテンプレート登録テーブル211に登録されているテンプレートの数(登録テンプレート数)以上であるか否かを判定する(ステップS15)。そして、マッチングカウンタ(i)が登録テンプレート数未満であった場合には(ステップS15でNo)、制御コンピュータ20は、ステップS12へ戻って、ステップS12以下の処理を再度実行する。
また、ステップS15の判定でマッチングカウンタ(i)が登録テンプレート数以上であった場合には(ステップS15でYes)、制御コンピュータ20は、テンプレート登録テーブル211に登録されているすべてのテンプレートについて個別的なマッチングが終了したと判断して、マッチング結果テーブル212からそれぞれの代表座標差分ベクトルを取り出し、取り出した代表座標差分ベクトルを方向および大きさに基づきグループ化する(ステップS16)。
なお、ここでいう代表座標差分ベクトルのグループ化とは、代表座標差分ベクトルの方向や大きさがよく似たもの同士を集めて分類する処理であり、より一般的には、クラスタリングの処理に対応する。
次に、制御コンピュータ20は、ステップS16でのグループ化で得られた代表座標差分ベクトルのグループについて、属する代表座標差分ベクトルの数が最も多いグループを選択し(ステップS17)、さらに、その選択したグループに属する代表座標差分ベクトルに対応付けられたテンプレートのうち、マッチング成績値が最も高いテンプレートを選択する(ステップS18)。
その後、制御コンピュータ20は、ステップS18で選択したテンプレートに対してステップS14で算出された代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)を用いて、観察時の位置座標を設計上の位置座標との対応付けをする(ステップS19)。
すなわち、そのとき観察対象となっている試料8の観察画像上で、ある観察時の座標値(x,y)が得られた場合には、その座標値(x,y)にステップS18で選択されたテンプレートの代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)を加算することにより、設計上の座標値(X,Y)に対応付けることができる。つまり、
(X,Y)=(x,y)+(Δx,Δy
と表される。
このステップS19の処理は、ステップS18で選択したテンプレートに対して個別的にマッチングした結果をもって、テンプレート登録テーブル211に登録した複数のテンプレートをすべて用いたテンプレートマッチングの結果として代表させることを意味している。
以上、図3を用いて説明したテンプレートマッチングに基づく位置合わせの処理について、図2および図6の具体例を用いて、さらに詳しい説明を補足する。まず、ここでは、観察対象の半導体チップ81について、図2に示すようなテンプレートTA〜TDが登録され、テンプレート登録テーブル211が制御コンピュータ20の記憶装置に記憶されているものとする。さらに、半導体チップ81を荷電粒子線装置100で観察したとき、図6(a)に示すような観察画像の中にテンプレートの像TAim〜TDimが得られたものとする。
このとき、テンプレートTA〜TDそれぞれについて個別的なマッチング処理(図3、ステップS13参照)を行った結果、テンプレートTA〜TDがTA〜TDの位置で観察画像上のテンプレートの像TAim〜TDimへのマッチングが成功したものとする(図6(b)参照)。
ただし、図6(b)の例では、テンプレートの像TCimは、その像のコントラストが十分に得られなかったため、マッチングに失敗したものとしている。また、図6(b)において、白抜きのテンプレートTA〜TDは、設計上の位置座標に基づく配置位置を表している。
なお、荷電粒子線装置100による観察画像の視野の大きさは限定されているので、複数のテンプレートの像TAim〜TDimが同じ視野内に含まれることはほとんどない。従って、一般には、複数のテンプレートの像TAim〜TDimがそれぞれ視野に含まれる観察画像を複数回に分けて取得する必要がある。図6(a),(b)においては、それぞれのテンプレートの像TAim〜TDimが取得されるときの観察画像の視野を一点鎖線の四角形で表している。
次に、制御コンピュータ20は、テンプレートTA,TB,TDの代表座標差分ベクトルをその方向および大きさに基づきグループ化する(図3、ステップS16参照)。このとき、マッチングに失敗したテンプレートTCについては無視する。
図6(b)のマッチング結果の例では、テンプレートTB,TDの設計上の位置(白抜き図形)はマッチングした位置(黒色塗りつぶし図形)に比べ、同じように左下側に位置しているので、制御コンピュータ20は、テンプレートTB,TDの代表座標差分ベクトルを、同じ第1のグループに属しているものと判断する。それに対して、テンプレートTAの設計上の位置(白抜き図形)は、マッチングした位置(黒色塗りつぶし図形)に比べ、右上側に位置しているので、制御コンピュータ20は、テンプレートTAの代表座標差分ベクトルを、前記の第1のグループとは異なる第2のグループに属しているものと判断する。
続いて、制御コンピュータ20は、第1のグループに属する代表座標差分ベクトルのほうが多いので、第1のグループを選択する(図3、ステップS17参照)。そして、マッチング結果テーブル212を参照して、第1のグループに属する代表座標差分ベクトルに対応するテンプレートTB,TDについてのマッチング成績値を取得すると、テンプレートTDのマッチング成績値が最も高いので、テンプレートTDの代表座標差分ベクトルを取得する(図3、ステップS18参照)。
次に、制御コンピュータ20は、マッチング成績値が最も高いテンプレートTDの個別的なマッチングの結果をもって、複数のテンプレートTA〜TDをすべて用いたテンプレートマッチングの結果として採用する。すなわち、制御コンピュータ20は、テンプレートTDのマッチングで得られた代表座標差分ベクトル(Δx,Δy)を用いて、観察時の位置座標を設計上の位置座標に対応付ける(図3、ステップS19参照)。
以上、本実施形態によれば、複数のテンプレートを用いたテンプレートマッチングにおいて、マッチングに失敗したテンプレートについては無視することになるので、一部のテンプレートの観察画像が明りょうでない場合であってもテンプレートマッチングを行うことができる。
また、本実施形態では、代表座標差分ベクトルをその方向および大きさに基づいてグループ化し、属する代表座標差分ベクトルが最も多いグループを選択している。これは、代表座標差分ベクトルが、いわば多数決によって選択されていることを意味する。しかも、その多数決で選択された代表座標差分ベクトルに対応するテンプレートのうち、マッチング成績値が最も高いテンプレートのマッチング結果が観察時の位置座標を設計上の位置座標に対応付けるデータとして採用される。
従って、もし、複数のテンプレートの個別的なマッチング処理で、誤ってマッチングしたものがあったとしても、そのマッチング結果は排除され易いことになる。よって、本実施形態に基づき実施する観察時の位置座標の設計上の位置座標への対応付けは、精度が高く、かつ、信頼性が高いものといえる。
さらに、本実施形態では、観察時の座標軸の原点位置は、設計上の座標軸82の原点位置Oと同じ位置に略々合わせられているものとして説明したが、さらにこのことを利用すれば、図3のステップS13におけるテンプレートの個別的なマッチングにおいては、テンプレートマッチングする範囲を限定することが可能であるから、テンプレートマッチングの時間を短縮することができる。しかも、範囲を限定することで、類似する他のパターンに誤ってマッチングすることを回避することが可能になるので、マッチングの信頼性を向上させることができる。
なお、以上に説明した実施形態では、試料8は、半導体ウェーハや半導体チップとしているが、それに限定されず、半導体ウェーハの製造に用いられるマスク基板や、LCD(Liquid Crystal Display)のガラス基板などであってもよい。
1 荷電粒子源
2 荷電粒子線
3 集束レンズ
4 偏向レンズ
5 対物レンズ
6 二次電子検出器
7 試料ステージ
8 試料
9 二次電子
10 荷電粒子光学系装置
20 制御コンピュータ
21 設計データ
22 画像処理装置
23 表示装置
24 入力装置
81 半導体チップ
81a,81b ダイシングライン
82 座標軸
100 荷電粒子線装置
211 テンプレート登録テーブル
212 マッチング結果テーブル

Claims (2)

  1. 荷電粒子線を試料に照射する荷電粒子光学系装置と、前記荷電粒子線の照射を受けたとき、前記試料から放出される二次荷電粒子の検出信号に基づき、前記試料の観察画像を生成する画像処理装置と、前記試料の設計データを含む情報を記憶する記憶装置および前記観察画像を表示する表示装置を備えて、前記荷電粒子光学系装置を制御する制御コンピュータと、を含んで構成された荷電粒子線装置におけるテンプレートマッチング位置合わせ方法であって、
    前記制御コンピュータは、
    前記設計データに含まれる複数のテンプレートを登録する処理と、
    前記登録した複数のテンプレートそれぞれを前記観察画像上で個別的にマッチングする処理と、
    前記マッチングする処理でマッチングに成功したテンプレートについて、マッチングに成功したときの前記テンプレートの観察画像上での位置座標と設計上の位置座標との差分である座標差分ベクトルを算出するとともに、マッチングの一致度を表すマッチング成績値を算出し、前記算出した座標差分ベクトルおよびマッチング成績値を前記テンプレートに対応付けて記憶装置に格納する処理と、
    前記算出した座標差分ベクトルを、その大きさおよび方向に基づきグループ化する処理と、
    前記座標差分ベクトルをグループ化したグループのうち、属する座標差分ベクトルの数が最も多いグループを選択する処理と、
    前記選択したグループに属する座標差分ベクトルにそれぞれ対応するテンプレートのうち、マッチング成績値が最も高いテンプレートを選択する処理と、
    前記選択したテンプレートに対して前記個別的なマッチングの処理の結果に基づき算出された座標差分ベクトルを用いて、前記観察画像上での位置座標を設計上の位置座標に対応付ける処理と、
    前記に記載した処理の順序で実行すること
    を特徴とするテンプレートマッチング位置合わせ方法。
  2. 荷電粒子線を試料に照射する荷電粒子光学系装置と、前記荷電粒子線の照射を受けたとき、前記試料から放出される二次荷電粒子の検出信号に基づき、前記試料の観察画像を生成する画像処理装置と、前記試料の設計データを含む情報を記憶する記憶装置および前記観察画像を表示する表示装置を備えて、前記荷電粒子光学系装置を制御する制御コンピュータと、を含んで構成された荷電粒子線装置であって、
    前記制御コンピュータは、
    前記設計データに含まれる複数のテンプレートを登録する処理と、
    前記登録した複数のテンプレートそれぞれを前記観察画像上で個別的にマッチングする処理と、
    前記マッチングする処理でマッチングに成功したテンプレートについて、マッチングに成功したときの前記テンプレートの観察画像上での位置座標と設計上の位置座標との差分である座標差分ベクトルを算出するとともに、マッチングの一致度を表すマッチング成績値を算出し、前記算出した座標差分ベクトルおよびマッチング成績値を前記テンプレートに対応付けて記憶装置に格納する処理と、
    前記算出した座標差分ベクトルを、その大きさおよび方向に基づきグループ化する処理と、
    前記座標差分ベクトルをグループ化したグループのうち、属する座標差分ベクトルの数が最も多いグループを選択する処理と、
    前記選択したグループに属する座標差分ベクトルにそれぞれ対応するテンプレートのうち、マッチング成績値が最も高いテンプレートを選択する処理と、
    前記選択したテンプレートに対して前記個別的なマッチングの処理の結果に基づき算出された座標差分ベクトルを用いて、前記観察画像上での位置座標を設計上の位置座標に対応付ける処理と、
    前記に記載した処理の順序で実行すること
    を特徴とする荷電粒子線装置。
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