JP5971651B2 - 緊張力計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、グラウンドアンカーのテンドン(引張部材:張力支持部材)に作用する緊張力(軸力)を計測する技術に関する。
グラウンドアンカーは、張力支持部材であるテンドンに作用する緊張力を地盤や構造物に伝達して、法面の崩壊を防止し、構造物の安定化を図る技術であり、テンドンの地中側の拘束長を固定する構造物である。
その施工に際しては、地上側からジャッキ等によりテンドンに緊張力を負荷した後、定着させる。
ここで、テンドンの緊張力(引張力)が増減してしまう場合が存在する。
テンドンの緊張力が増加する要因としては、例えば、地山の滑り、降雨、地震、或いは、過緊張等がある。
一方、テンドンの緊張力が減少する要因としては、例えば、定着後に長期間が経過してことによる老朽化等がある。
何れの場合においても、テンドンの緊張力が変動することは、何らかの異常を意味している。
そのため、テンドンの緊張力の変動から、テンドンの異常を検出したいという要請が存在している。
しかし、グラウンドアンカーを施工して、定着してしまうと、その後にテンドンの緊張力を計測することは困難である。
そして、グラウンドアンカーは一つの現場で多数の施工を行なうので、その全てを検査するためには、低コストで且つ簡便に計測する必要がある。
ここで、定着後にテンドンの緊張力を計測する手法として、リフトオフ試験が存在する。
しかし、リフトオフ試験は、多大なコスト、時間を必要とする。そのため、低コストで且つ簡便に計測することは困難である。
そして、緊張力(軸力)の監視が必要なアンカーは膨大な数が存在するが、リフトオフ試験では、予定されたアンカーの維持管理予算の範囲内でしかアンカーの緊張力を監視することしか出来ない。
その他の従来技術として、アンカープレートに歪センサを設け、当該歪センサと電気的に接続された緊張力モニター装置を設けた技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、歪センサは耐久性が低く、長期間に亘って建造物や地盤を強固に支持するためのアンカーに要求される寿命に比較して、その寿命も短いという問題がある。
そして、歪センサを使用するためには歪センサの出力(計測データ)を取得して、電子的に処理するための装置(いわゆる「データーロガー」)が必要となるため、テンドン(50)の緊張力の計測システム全体が大規模となり、当該緊張力を簡易に求めることが困難である。
さらに、歪センサの使用に際しては、データの較正等において複雑な手順や特別なノウハウが必要になる場合が多い。その様な複雑な手順や特別なノウハウを必要とする場合には、テンドン(50)の緊張力を簡易に求めることが困難である。
特開2006−162511号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、定着されたグラウンドアンカーにおけるテンドンの緊張力を、低コストで且つ簡便に計測することが出来る緊張力計測装置の提供を目的としている。
本発明によれば、地中に埋没したコンクリート製埋設物と接続されたテンドン(50)に作用する緊張力を計測するための緊張力計測装置において、前記テンドン(50)を地上側で受け止める受圧構造体(10)の地表側端面(10u)上に受圧板載置用板材(3)を設け、該受圧板載置用板材(3)の上面にテンドン(50)の貫通孔(3o)を挟んで対称的な位置に相互に平行となるように配置された1対の支持部材(4)が固定されており、前記1対の支持部材(4)と線接触する受圧板(1)が設けられ、該受圧板(1)の貫通孔(1o)を貫通しているテンドン(50)の地上側端部が定着ナット(5)で受圧板(1)の上面に当接しており、前記受圧板(1)の周縁部近傍にテンドン(50)の緊張力による該受圧板(1)の変動量を示す長尺の変動量表示部材(2)を配置し、該変動量表示部材(2)は全体がL字状に形成されており、該L字状の短辺に相当する部分(21)が前記受圧板(1)の周縁部に固定され、該L字状の長辺に相当する部分(22)は地山表面と平行な方向に延在しており、該長辺に相当する部分(22)の端部(22e)は受圧板(1)から隙間(δ)だけ離隔しており、そして前記隙間(δ)を計測するための計測装置(7)を有している。
また本発明によれば、地中に埋没したコンクリート製埋設物に接続されたテンドン(50)に作用する緊張力を計測するための緊張力計測装置において、前記テンドン(50)を地上側で受け止める受圧構造体である1対の架台(10A)の地表側の上端(10Ae)に受圧板(1)が支持されており、該受圧板(1)の貫通孔(1o)を貫通しているテンドン(50)の地上側端部が定着ナット(5)で受圧板(1)の上面に当接され、該受圧板(1)はテンドン(50)に緊張力が作用すると下側に湾曲するようになっており、前記受圧板(1)の周縁部近傍にテンドン(50)の緊張力による該受圧板(1)の変動量を示す長尺の変動量表示部材(2)を配置し、該変動量表示部材(2)は全体がL字状に形成されており、該L字状の短辺に相当する部分(21)が前記受圧板(1)の周縁部に固定され、該L字状の長辺に相当する部分(22)は地山表面と平行な方向に延在しており、該長辺に相当する部分(22)の端部(22e)は受圧板(1)から隙間(δ)だけ離隔しており、そして前記隙間(δ)を計測するための計測装置(7)を有している。
そして本発明によれば、地中に埋設したコンクリート製埋設物と接続したテンドン(50)に作用する緊張力を計測するための緊張力計測装置において、前記テンドン(50)を地上側で受け止める受圧構造体(10)の地表側端面(10u)上に受圧板載置用板材(3)を設け、該受圧板載置用板材(3)の上面にテンドン(50)の貫通孔(3o)を挟んで対称的な位置に相互に平行となるように配置された1対の支持部材(4)が固定されており、前記1対の支持部材(4)と線接触する受圧板(1A)が設けられ、該受圧板(1A)の貫通孔(1Ao)を貫通しているテンドン(50)の地上側端部が定着ナット(5)で受圧板(1)の上面に当接しており、前記受圧板(1A)の上面にテンドン(50)の緊張力による該受圧板(1A)の変動量を示す変動量表示部材(2A)を配置し、該変動量表示部材(2A)は全体が長辺に相当する部分(21a)と短辺に相当する部分(22a)とを有するL字状に形成されており、前記長辺に相当する部分(21a)の端部(21ae)は受圧板(1A)の周縁部に固定され、前記短辺に相当する部分(22a)は地山に平行に延在しており、対向する1対の変動量表示部材(2A)の前記短辺に相当する部分(22a)は距離(δ)だけ隔てられており、そして前記距離(δ)を計測するための計測装置(7)を有している。
上述する構成を具備する本発明によれば、全体がL字状に形成された当該変動量表示部材(2、2A)の受圧板(1)から離隔した側の端部(22e、22ae)の位置を、計測装置(例えば、ノギス7等)により計測するという簡便な作業により、テンドン(50)の緊張力による受圧板(1)の撓み量を決定し、当該撓み量からテンドン(50)の緊張力を演算することが出来る。
したがって、リフトオフ試験の様に多大な労力やコストを必要とすることなく、定着されたグラウンドアンカーのテンドン緊張力を求めることが出来る。
そして、テンドン緊張力の変動を求めることにより、施工されたグラウンドアンカーにおける各種異常を判定することが出来る。
ここで、受圧板(1)を受圧構造体(10:例えば、コンクリートパネル、法枠等)上に直接載置したのでは、受圧板(1)は、受圧構造体(10)におけるテンドン挿入用孔(10o)の直上の部分のみが変形可能であるため、その撓み量は極めて小さく、当該小さな撓み量からテンドン緊張力を正確に求めるのは非常に困難である。
これに対して、本発明において、受圧板(1)と受圧構造体(10)の間に受圧板載置用板材(3)を設け、受圧板載置用板材(3)に受圧板(1)と線接触する支持部材(4)を載置して、受圧板(1)が支持部材(4)と線接触した状態で受圧板載置用板材(3)上に配置すれば、受圧板(1)は、支持部材(4)間の領域がテンドン緊張力により撓むことになる。したがって、支持部材(4)の間隔を大きくすれば(換言すれば、1対の支持部材4を受圧板載置用板材3の向かい合う縁部近傍に配置することにより)、受圧板(1)の撓み量を大きくして、撓み量からテンドン緊張力を容易且つ正確に求めることが出来る。
あるいは、受圧板(1)を仮設アンカーの架台(10A)上に配置すれば、架台(10A)における受圧板(1)を支持する部分の間隔を大きく設定することにより、受圧板(1)の撓み量を大きくして、撓み量からテンドン緊張力を容易且つ正確に求めることが出来る。
本発明において受圧板(1)と線接触する支持部材(4)を設ければ、リフトオフ試験でアンカー頭部を引っ張り、アンカー頭部を浮かせることにより数mmの隙間が生じれば、当該隙間に前記支持部材(4:例えば鋼棒)を配置して、リフトオフ試験終了後に、上方のプレートである受圧板(1)に前記変動量表示部材(2、2A)を設ければ、本発明によりテンドンの緊張力を計測することが出来る。すなわち、上述した構成を採用すれば、既に設置されているアンカーを、リフトオフ試験以降において、安価に監視することが出来る。
本発明によれば、受圧板(1)と受圧構造体(10)の間に受圧板載置用板材(3)を設け、受圧板載置用板材(3)と支持部材(4)を線接触させ、支持部材(4)と受圧板(1)を線接触させているので、受圧板(1)に作用する摩擦抵抗を小さくして、受圧板(1)の変形量あるいは撓み量からテンドン(50)の緊張力を求める際に、受圧板(1)に作用する摩擦抵抗に起因する誤差を最小限にすることが出来る。
その結果、受圧板(1)の変形量あるいは撓み量からテンドン(50)の緊張力を求める際に、その精度を向上させることが出来る。
さらに本発明によれば、前記変動量表示部材(2)のL字の短辺に相当する部分(21)の端部(21e)が受圧板(1)の周縁部に固定されており、L字状の長辺に相当する部分(22)はテンドン(50)に緊張力が負荷する以前の状態の受圧板(1)と平行に延在しており、前記計測部材(7)は前記変動量表示部材(2)におけるL字の長辺に相当する部分(22)の端部(22e)と受圧板(1)の間隔を計測する機能を有する様に構成することにより、耐久性が低い(寿命が短い)歪センサを使用すること無く、受圧板(1)の撓み量を計測することが出来る。
そして、歪センサを使用しないため、歪センサの計測データを取得、処理するための装置(いわゆる「データーロガー」)が不要となり、テンドン(50)の緊張力を簡易に求めることが可能である。
さらに、本発明によれば、歪センサの場合の様に較正等において複雑な手順や特別なノウハウを必要とせず、テンドン(50)の緊張力を簡易に求めることが出来る。
本発明において、変動量表示部材(2)のL字の短辺に相当する部分(21)の端部(21e)が受圧板(1)の周縁部に固定されており、L字状の長辺に相当する部分(22)はテンドン(50)に緊張力が負荷する以前の状態の受圧板(1)と平行に延在しており、前記計測部材(7)は前記変動量表示部材(2)におけるL字の長辺に相当する部分(22)の端部(22e)と受圧板(1)の間隔を計測する機能を有する様に構成すれば、L字状部材(2)がアンカー頭部や、ヘッドキャップ等と干渉しないので、好都合である。
本発明の第1実施形態を示す断面図である。 第1実施形態において、テンドンに緊張力が作用した状態を示す断面図である。 実験例1で用いられた実験用装置を示す断面図である。 図3で示す実験装置による予備実験の結果を示す特性図である。 実験例1の結果を示す特性図である。 実験例1における図5とは別の結果を示す特性図である。 実験例1において、図5、図6とは別の実験結果を示す特性図である。 実験例1において、図5〜図7とは異なる実験結果を示す特性図である。 実験例1において、図5〜図8とは異なる実験結果を示す特性図である。 実験例1において、図5〜図9とは異なる実験結果を示す特性図である。 実験例1において、図5〜図10とは異なる実験結果を示す特性図である。 実験例1において、図5〜図11のデータとは異なるデータである。 実験例2の実験結果を示す特性図である。 実験例2において、図13とは異なる実験結果を示す特性図である。 第1実施形態の変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態を示す断面図である。 実験例3の実験結果を示す特性図である。 実験例3において、図17とは異なる実験結果を示す特性図である。 実験例3において、図17、図18とは異なる実験結果を示す特性図である。 実験例3において、図17〜図19とは異なる実験結果を示す特性図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1、図2を参照して、第1実施形態を説明する。
図1において、全体を符号101で示す緊張力計測装置は、受圧板1と、変動量表示部材2と、受圧板載置用板材3と、支持部材4と、計測装置(例えば、電子ノギス)7を備えている。
受圧板載置用板材3は、受圧構造体(以下、「コンクリートパネル」と言う)10の地表側端面10u上に載置されている。
コンクリートパネル10は、地中に埋設した図示しないコンクリート製埋設物(アンカー体)と接続された緊張部材(テンドン)50を、地表側(例えば、法面)で受け止めるための構造体である。
受圧板載置用板材3は、図示の例では正方形の厚板で、板の中心には貫通孔3oが形成されている。一方、コンクリートパネル10の地上側端面10uの中心にも貫通孔10oが形成されている。そして、受圧板載置用板材3は、その貫通穴3oがコンクリートパネル10の貫通孔10oに同心となる(あるいは、一致する)ようにコンクリートパネル10上に載置されている。
受圧板載置用板材3の上面には、1対の支持部材4が、貫通孔3oを挟んで対称な位置に相互に平行となるように配置されている。そして1対の支持部材4は、公知の手段(例えば、溶接)によって受圧板載置用板材3の上面に固定されている。
ここで、支持部材4は例えば棒鋼を材料としており、受圧板1及び受圧板載置用板材3も高い鋼板を材料としている。受圧板1あるいは受圧板載置用板材が軟らかい材料で構成されていると、支持部材4がめり込んでしまい、支持部材4を設けたことによる作用効果が発揮できなくなるからである。
図示の例では、受圧板1の外縁形状は受圧板載置用板材3の外縁形状と同じで、中心には貫通孔1oが形成されている。
テンドン50の地上側端部は、図1の下方から上方に向かって、コンクリートパネル10の貫通孔10o、受圧板載置用板材3の貫通孔3o、受圧板1の貫通孔1oを貫通している。そして、テンドン50の地上側端部には雄ねじ(図示せず)が形成され、当該雄ねじに定着ナット5が螺合している。定着ナット5の座面は受圧板1の上面に当接している。
図示しないジャッキによってテンドン50に緊張力を与え、テンドン50の図示しない雄ねじに定着ナット5を螺合して、定着ナット5の座面を受圧板1の上面に当接させることにより、テンドン50は緊張力が作用した状態で定着される。これにより、グラウンドアンカーは所定の性能を発揮する。
上述したグラウンドアンカーにおいて、テンドン50の緊張力(引張力)が増減した場合(テンドン50の緊張力が変化した場合)に、テンドン50の緊張力の変化量が変動量表示部材2によって正確に検出できる。
変動量表示部材2は全体が概略L字状に構成されており、L字の短辺に相当する部分21と、L字の長辺に相当する部分22とを有している。L字の短辺に相当する部分21の端部21eは、溶接等の公知技術によって受圧板1の周縁部に固定されている。一方、L字状の長辺に相当する部分22は、地山表面と平行な方向(あるいは、テンドン50に緊張力が負荷する以前の状態の受圧板1と平行な方向)に延在している。
変動量表示部材2におけるL字の長辺に相当する部分22の端部22eと、受圧板1の端部1eとの間隔(δ)は、テンドン50の緊張力による受圧板1の変形量に比例して増減する。したがって、計測部材(例えば、電子ノギス)7により、変動量表示部材2の端部22eと受圧板1の端部1eとの間隔(δ)を計測することにより、受圧板1の変形量が把握され、テンドン50の緊張力を求めることが出来る。
第1実施形態において、図2は、施工後の経年変化によりテンドン50に作用する緊張力が、図1で示す状態に比較して増加した状態が示されている。
図2において、受圧板1にはテンドン50の緊張力増加による下向きに作用する力が大きくなる。そのため、受圧板1は、図1の状態に比較して、下に凸の形状に、より曲げられる(撓む)ことになる。
受圧板1がより撓むことにより、その左端上面は(図1の状態に比較して)より左上がりの勾配が生じる。そして、受圧板1の左端上面に固着された変動量表示部材2は、図1の状態に比較して、全体が時計方向(図2において矢印CWで示す方向)に回動(変動)する。その結果、変動量表示部材2の(L字の長辺に相当する)部分22の端部22eと、受圧板1の端部1eとの隙間δの値は、図1の状態における隙間δの値に比較して、小さくなる。
図2で示すのとは逆に、テンドン50に作用する緊張力が、図1で示す状態に比較して減少した場合には、受圧板1における下に凸の曲げ量あるいは撓み量が図1の場合に比較して減少し、変動量表示部材2は全体が反時計方向(矢印CWの反対方向)に回動する(図示せず)。
そのため、変動量表示部材2の(L字の長辺に相当する)部分22の端部22eと、受圧板1の端部1eとの隙間δの値は、図1の状態における隙間δの値に比較して、大きくなる。
ここで、テンドン50の緊張力が増加すると、変動量表示部材2の端部22eは下向きに変位し、受圧板1の端部1eは上向きに変位する。そして、テンドン50の緊張力が減少すると、変動量表示部材2の端部22eは上向きに変位し、受圧板1の端部1eは下向きに変位する。すなわち、変動量表示部材2の(L字の長辺に相当する)部分22の端部22eと、受圧板1の端部1eとの隙間δの値を計測することは、動く場所(例えば22e)が変位した際に、それとは反対側に動く部分(1e:22eが上方に動くときは1eは下方に動き、22eが下方に動くときは1eは上方へ動く)の間の相対変化を計測することになり、変位を大きくとらえることが出来る。
図示の第1実施形態によれば、受圧板1の端部1eと変動量表示部材2の端部22eの間隔を、電子ノギス7により計測するという簡便な作業により、テンドン50の緊張力による受圧板1の撓み量を決定し、当該撓み量からテンドン50の緊張力を演算することが出来る。
したがって、リフトオフ試験の様に多大な労力やコストを必要とすることなく、定着されたグラウンドアンカーにおいて、テンドン50に作用している緊張力を求めることが出来る。そして、テンドン50に作用している緊張力を求めることにより、施工されたグラウンドアンカーにおける各種の異常を判定することが出来る。
隙間δの計測に際しては、電子ノギスのみならず、通常のノギスその他の計測装置で計測することが可能である。
変動量表示部材2の受圧板1から離隔した側の端部22eは、L字の短辺に相当する部分21の端部21eを固定した受圧板1の周縁部とは反対側の周縁部まで延在している。
受圧板1全体が下に凸に撓むと、前記反対側の周縁部も上方に変動する(撓む)。上述した様に、例えば図2で示す場合では、変動量表示部材2は全体が時計方向(矢印CW)に回動すると端部22eは下降し、その下降量は、変動量表示部材2の短辺に相当する部分21の端部21eを固定した受圧板1の周縁部が上方に変動する量(撓み量)に等しい。
従って、前記隙間δにおける変動量(図2の場合には減少量)は、受圧板1周縁部の撓み量の変動量の2倍に拡大されることになる。そのため、第1実施形態によれば、テンドン50の緊張力の変動による前記隙間δの変動量が、正確且つ容易に計測される。
ここで、受圧板1をコンクリートパネル10上に直接載置すると、コンクリートパネル10におけるテンドン50挿入用の孔10o直上の部分に位置している受圧板1の領域のみが変形する。係る撓み量は極めて小さく、当該小さな撓み量を正確に計測して、テンドン50の緊張力を正確に求めることは非常に困難である。
これに対して、図示の第1実施形態では、受圧板1とコンクリートパネル10の間に受圧板載置用板材3を設け、受圧板載置用板材3に受圧板1と線接触する支持部材4を固着させているため、受圧板1における1対の支持部材4間の領域が、受圧板載置用板材3と接触することなく、テンドン50の緊張力により撓む。
したがって、1対の支持部材4の間隔を大きくして(例えば、1対の支持部材4を、受圧板載置用板材3の向かい合う縁部直近に配置する)、受圧板1がテンドン50の緊張力により撓む領域を大きくすれば、受圧板1の撓み量が大きくなり、テンドン50の緊張力を容易且つ正確に求めることが可能である。
また、受圧板1とコンクリートパネル10の間に受圧板載置用板材3を設け、受圧板載置用板材3と支持部材4を線接触せしめ、支持部材4と受圧板1を線接触せしめることにより、受圧板1に作用する摩擦抵抗を小さくして、受圧板1の変形量(撓み量)からテンドン50の緊張力を求める際において、受圧板1に作用する摩擦抵抗に起因する誤差を最小限にすることが出来る。
そして、受圧板1とコンクリートパネル10の間に受圧板載置用板材3を設けることにより、テンドン50の緊張力を求める精度を向上させることが可能になる。
例えば、歪センサであれば、長くても4〜5年程度の耐久性しかなく、アンカーの様な構造部材に要求される寿命に比較して、遥かに短い寿命しか有していない。
これに対して、図1、図2の第1実施形態では歪センサ等のセンサは設けておらず、テンドン50の緊張力を求めるに際して、寿命の短い部材の使用を必要としていない。従って、長期間に亘ってテンドン50の緊張力を求めることが出来る。
そして、図1、図2の第1実施形態では、ノギス7の計測データを取得、処理するためには、必ずしも、データーロガーは必要ではなく、簡便な装置によりテンドン50の緊張力を求めることが出来る。
また、ノギス7による隙間δの計測に際しては、較正その他の複雑な手順や特別なノウハウを必要としないので、テンドン50の緊張力を簡易に求めることが出来る。
ここで、緊張力計測装置101を構成する各部材については、テンドン50の緊張力により塑性変形を起こさないような材質、寸法、形状とする必要がある。
緊張力計測装置101を構成する部材、例えば受圧板1が塑性変形を起こしてしまうと、受圧板1の撓み量からテンドン50の緊張力を正確に求めることが困難になってしまうからである。
図示の第1実施形態では、変動量表示部材2のL字の短辺に相当する部分の端部21eが受圧板1の周縁部に固定されており、L字状の長辺に相当する部分22は地山表面と平行な方向(あるいは、テンドン50に緊張力が負荷する以前の状態の受圧板1と平行な方向)に延在している。
そのため、変動量表示部材2が、アンカー頭部を構成する部材や図示しないジャッキ(テンドン50に緊張力を付与するジャッキ)等と干渉せず、アンカー定着作業に際して、変動量表示部材2が邪魔になることもない。
[実験例1]
第1実施形態に係る緊張力計測装置101と同様な構造を具備する実験装置を用いて、実験例1を行った。
実験例1においては、予備実験として、図3で示す実験装置を用いた実験を行った。
図3で示す実験装置では、受圧構造体であるコンクリートパネル10Bにテンドン挿通孔10Boを形成し、コンクリートパネル10Bにおける上面10Buに受圧板1Aを直接載置しており、受圧板1Aには全体が概略L字状の変動量表示部材2Aを立設して固定している。なお、図3の実験装置の変動量表示部材2Aは、図1、図2における変動量表示部材2とは異なっているが、受圧板の変動量を拡大して表示する点では同様の作用効果を奏する。
テンドン50は受圧板1Aの貫通孔1Aoを貫通し、テンドン50の地上側端部には定着ナット5が螺合している。そして、図示しない緊張力付与部材(ジャッキ)によりテンドン50に緊張力(テンドン50の軸力)を負荷するように構成している。
図3の実験装置を用いた予備実験では、概略L字状の変動量表示部材2AにおけるL字の短辺に相当する部分の端部の間隔(第1実施形態における間隔δに相当)を、電子ノギスで測定した。
測定に用いた電子ノギスの仕様は以下の通りである。
測定範囲:0.01〜150mm
最小読取値:0.01mm
精度: ±0.02mm(0.01〜100mm)あるいは±0.03mm(100〜150mm)
使用温度:5〜40℃
図3の実験装置を用いた予備実験ではテンドン50に緊張力を変動して、各緊張力に対する前記間隔(変動量表示部材2AにおけるL字の短辺に相当する部分の端部の間隔)を計測した。
軸力(緊張力)は、無負荷状態のテンドンに50kNずつ軸力を増加(載荷)させ、800kNに達した時点で、50kNずつ軸力を減少(徐荷)させ、最終的にはテンドンを無負荷状態にする。
また、予備実験においては、変動量表示部材2Aの長辺21aにおける受圧板1Aからの高さ寸法H(図3参照)を2種類(H=200mm、H=300mm)設定した。
図4に予備実験の結果を示す。図4において、縦軸はテンドンに付加された軸力を示し、横軸は1対の変動量表示部材2A間の隙間δ(変動量表示部材2AにおけるL字の短辺に相当する部分の端部の間隔)の変位量(変動量)を示している。
図4の実験結果によれば、図3に示すような実験装置では、1対の変動量表示部材2A間の隙間δの値は、載荷時と徐荷時とでは明らかに異なっており、テンドンを無負荷状態とした場合の隙間δの値も、載荷前と徐荷後で異なっている(いわゆる「ヒステリシス」が生じている)。
係るヒステリシスは、テンドンに軸力が作用して受圧板1Aが撓む際に、受圧板1Aとコンクリートパネル10Bとの間に板間摩擦力が生じることに起因しているものと推測される。そして、受圧板1Aとコンクリートパネル10Bとの間に板間摩擦力によるヒステリシスが存在する場合には、受圧板1Aの変位を計測して、テンドン50に作用する緊張力を正確に求めることは困難である。
このことは、図3の実験装置と同様に、受圧板がコンクリートパネル上に直接載置されている一般的なアンカー頭部構造では、受圧板1Aの変位を計測して、テンドン50に作用する緊張力を正確に求めることは困難であることを示している。
これに対して実験例1は、図1、図2で説明した緊張力計測装置101と同様な構造の実験装置を用いて行った。
実験例1における実験条件を、下表1に示す。
表1
Figure 0005971651
表1に示すように、受圧板1の材質の違いによる影響を確認するために、受圧板1の材質として、SS400と、S45Cの2種を用意した。
また、一対の支持部材4の間隔が及ぼす影響を確認するために、支持部材4の配置間隔を150mmに設定した受圧板載置用板材3と、230mmに設定した受圧板載置用板材3を用意した。
支持部材4の配置間隔が150mmに設定した場合、無負荷状態(0kN)から、50kNずつ緊張力を増加して(測定ピッチ50kN)、最大で800kNの緊張力を負荷してから、50kNずつ緊張力を減少して無負荷状態(0kN)に戻した(載荷サイクル「0kN−800kN−0kN」)。
一方、支持部材4の配置間隔が230mmに設定した場合には、無負荷状態(0kN)から、50kNずつ緊張力を増加して(測定ピッチ50kN)、最大で600kNの緊張力を負荷してから、50kNずつ緊張力を減少して無負荷状態(0kN)に戻した(載荷サイクル「0kN−600kN−0kN」)。
図1で説明したとおり、テンドン50に所定の緊張力を作用させた後、変動量表示部材2の先端22eと受圧板1の上面1uとの隙間δを、測定者2名(測定者A、測定者B)によって電子ノギス7で計測した。
また、電子ノギス7での測定とは別に、図示しない2台の変位計を用いて、受圧板1の定着ナット5近傍箇所(変位計1により計測)と、支持部材4近傍箇所(変位計2により計測)における変位も測定した。
実験例1の実験結果を図5〜図12に示す。図5〜図12は何れも縦軸がテンドンに作用する軸力を示し、横軸が隙間δの変位量(変動量)を示している。
図5、図6は表1の「実験No.1−1」における実験条件に対する結果であり、図5が電子ノギスによる測定結果、図6が変位計による測定結果を示している。
図7、図8は表1の「実験No.1−2」における実験条件に対する結果であり、図7が電子ノギスによる測定結果、図8が変位計による測定結果を示している。
図9、図10は表1の「実験No.1−3」における実験条件に対する結果であり、図9が電子ノギスによる測定結果、図10が変位計による測定結果を示している。
図11、図12は表1の「実験No.1−4」における実験条件に対する結果であり、図11が電子ノギスによる測定結果、図12が変位計による測定結果を示している。
「実験No.1−1」〜「実験No.1−4」では、受圧板載置用板材3に配置(溶接)した1対の支持部材4の配置間隔や、変位計による測定箇所に差異を設けているが、図5〜図12で示すように、図1、図2で説明した緊張力計測装置101と同様な構造の実験装置を用いて行った実験例1では、電子ノギス7と変位計との計測結果はことなるが、テンドン50に作用する緊張力を変動させた場合に、変動量表示部材2の先端部と受圧板1との間隔δの変位を確実に計測することができた。
また、電子ノギス7で計測した間隔δの計測値について、計測者が異なることによる影響は非常に小さかった。
さらに、受圧板1の材質や、1対の支持部材4間の配置間隔が及ぼす影響は、測定箇所にかかわらず同様の傾向を示した。
受圧板1の材質による影響は、塑性域に達したであろう時点での軸力や、徐荷後の残留変形に現れている。SS400(図9、図10)に比べてS45C(図11、図12)は、降伏点が高いため、塑性域に達したであろう時点での軸力は、S45Cの方が大きく、また、徐荷後の残留変形(塑性変形)はS45Cの方が小さい。
これ等の結果より、実験例1の条件では、S45Cが受圧板1の素材として好適であることが分かる。
図5〜図8(支持部材4の間隔が150mm)は、図9〜図12(支持部材4の間隔が230mm)に比較して、同一のテンドン50の緊張力に対する間隔δの計測結果が小さい。換言すれば、支持部材4の間隔が大きいほど、間隔δの変位量は大きくなる。しかし、塑性域に達する荷重は小さい。
支持部材4の間隔が大きいほど間隔δの変位量は大きくなるので、間隔δを正確に計測するためには、支持部材4の間隔を大きくすることが好適である。
なお、変動量表示部材2の取付け位置を調整することで、より大きな撓み(変動量)を計測することができることが判明した。
[実験例2]
実際に施工された地中アンカーでは、テンドン50に緊張力を付与した後に、構造物や周辺地盤の影響を受け、当該緊張力が多様に推移することが想定され、繰り返し荷重が負荷されることが予想される。
実験例2では、図1、図2で示す様な緊張力計測装置101を用いて、繰り返し載荷が受圧板1の撓みにどのような影響を及ぼすかを検証した。
図13、図14に基づいて、実験例2を説明する。
実験例2における実験条件を、下表2に示す。
表2
Figure 0005971651
表2において、載荷履歴の無い受圧板1(表2では符号「E」、「F」で示す)を用いた。
そして、1対の支持部材4の間隔は150mmとした。
載荷サイクルは、無負荷状態(0kN)から、250kNずつ緊張力を増加して(測定ピッチ250kN)、最大で750kNの緊張力を負荷してから、250kNずつ緊張力を減少して無負荷状態(0kN)に戻した(載荷サイクル「0kN−750kN−0kN」)。繰り返しを載荷回数は4回である。
実験例2において、2測定者による測定結果を平均したものが、図13、図14である。図13、図14では、何れも、縦軸がテンドンに作用する軸力を示し、横軸が隙間δの変動量を示している。
図13は表2の「実験No.2−1」に対応しており、図14は「実験No.2−2」に対応している。
図13、図14から明らかなように、繰り返し載荷が作用しても、大きな影響はないものと考えられる。そして、実際のアンカーに想定されるテンドン緊張力の推移が、テンドンの緊張力と受圧板の撓み量の関係に及ぼす影響は、測定誤差に比べて小さいものであることが確認された。
なお、図13では除荷後に僅かな残留変形量が確認されているので、実験例2においても、受圧板1は、SS400よりもS45Cが適していることが確認された。
次に、図15を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。
図1、図2の第1実施形態では、受圧構造体であるコンクリートパネル10の上端10uには受圧板載置用板材3が載置されており、受圧板載置用板材3には支持部材4が固着している。
これに対して、図15の変形例に係る緊張力計測装置103には、受圧板載置用板材3に相当する部材は設けられておらず、支持部材4も存在しない。
図15において、緊張力計測装置103の受圧板1は、受圧構造体である架台(鋼材でできた枠体:例えば、仮設アンカーにおける架台)10Aの端部10Aeに支持されている。そして、架台10Aの上端10Aeは、地上側に突出しており、受圧板1は、1対の端部10Aeを架橋する様に配置されている。
図15の緊張力計測装置103は、図1、図2における支持部材4を固着させた受圧板載置用板材3を有していないが、1対の架台10Aの端部10Aeが(図1、図2における)支持部材4と同様な作用効果を奏する。そのため、図15において、テンドン50に緊張力が作用すると、受圧板1は(図2と同様に)下側に凸に湾曲する(撓む)。
受圧板1が撓むと、変動量表示部材2の先端部22eと受圧板1との間隔δが変動する。従って、間隔δを計測することにより受圧板1の撓み量が求まり、テンドン50に作用する緊張力が求まる。
受圧板1が撓んだ際に、受圧板1における1対の架台10A間の領域が変形する(撓む)ので、撓み量が比較的大きい。従って、受圧板1の撓み量からテンドン50の緊張力を正確に求めることが出来る。
また、受圧板1は、1対の架台10Aによって支持されるので、受圧板1に対して、図3における受圧板1とコンクリートパネル10Bとの板間摩擦力が作用することはない。その結果、図15の緊張力計測装置103では受圧板1に作用する摩擦抵抗は比較的小さいので、テンドン50の緊張力を正確に求めることが可能である。
受圧板1には、図1、図2で示すのと同様の変動量表示部材2が設けてあるので、変動量表示部材2の長辺に相当する部分22の端部22eと受圧板1の端部1eとの隙間δの変化を計測することで、テンドン50に作用する緊張力の変化を知ることができる。
図15の変形例におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図14で説明した第1実施形態と同様である。
次に、図16を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図16において、全体を符号112で示す緊張力測定装置112は、図1、図2の第1実施形態の緊張力測定装置101に比較して、変動量表示部材2Aが異なっている。
以下、第1実施形態に係る緊張力測定装置101と異なる点を、主として説明する。
図16において、第2実施形態の緊張力測定装置112では、1対の変動量表示部材2Aが、受圧板1Aのテンドン挿入用貫通孔1Aoの中心位置に対して点対称に配置されている。
図16では変動量表示部材2Aは1対のみ設けられているが、複数対設けても良い。変動量表示部材2Aを複数対設ける場合には、テンドン挿入用貫通孔1Ao(と同心の仮想円)の円周方向について、等間隔に配置することが好ましい。
変動量表示部材2Aは、長辺に相当する部分21aと短辺に相当する部分22aとを有し、全体が概略L字状に形成されている。
変動量表示部材2AにおけるL字状の長辺に相当する部分21aの端部21aeは、受圧板1Aの周縁部に、溶接等の公知技術によって固定されている。
変動量表示部材2AにおけるL字状の短辺に相当する部分22aは地山と平行に(テンドン50に緊張力が負荷する以前の受圧板1Aと平行に)延在している。
テンドン50の緊張力計測に際しては、電子ノギス7(通常のノギスでも可)によって、対向する1対の変動量表示部材2Aにおける(L字の短辺に相当する部分22aの)端部22ae間の距離δを計測する。
図16において、受圧板1Aは支持部材4の上に載置されている。そして、1対の変動量表示部材2AにおけるL字状の長辺に相当する部分21aの端部21aeの各々は、受圧板1Aにおける1対の支持部材4の各々が設けられている周縁部近傍に固定されている。
テンドン50の緊張力が変動すると、変動量に対応して受圧板1Aの撓み量が変動し、対向する1対の変動量表示部材2Aにおける(L字の短辺に相当する部分22aの)端部22ae間の距離δも変動する。そして、距離δの変動量は、受圧板1Aにおいて、1対の支持部材4の各々が設けられている周縁部の撓み量の変動量の和となる。
距離δを計測することにより、受圧板1Aの変動量が求まり、テンドン50の緊張力も求まる。
図16で示した第2実施形態における上記以外の構成及び作用効果は、図1〜図14の第1実施形態と同様である。
[実験例3]
実験例3は、図16で示す緊張力計測装置112を用いた実験例である。
実験例3の実験条件を、表3に示す。
表3
Figure 0005971651
表3において、受圧板1Aの材質を2通り(A:SS400、B:S45C)設定されている。
載荷サイクルも2通り設定されており、一方の載荷サイクルでは、無負荷状態(0kN)から、50kNずつ緊張力を増加して(測定ピッチ50kN)、最大で750kNの緊張力を負荷してから、50kNずつ緊張力を減少して無負荷状態(0kN)に戻した(載荷サイクル「0kN−750kN−0kN」)。
他方の載荷サイクルでは、600kNから、30kNずつ緊張力を増加して(測定ピッチ30kN)、750kNの緊張力を負荷してから、30kNずつ緊張力を減少して450kNの緊張力を負荷した後、再度、30kNずつ緊張力を増加して、600kNに戻した(載荷サイクル「600kN−750kN−450kN−600kN)」)。
実験例3の実験結果を図17〜図20に示す。図17〜図20は、縦軸がテンドンに作用する緊張力を示し、横軸が隙間δ(図16参照)の変動量を示している。
図17は表3における「実験No.3−1」の結果を示し、図18は「実験No.3−2」の結果を示し、図19は「実験No.3−3」の結果を示し、図20は「実験No.3−4」の結果を示している。
図17〜図20で明らかなように、全ての変数において、載荷時と徐荷時で顕著なヒステリシスが生じることなく、変動量表示部材2Aの軸力の増減に伴った変動量が確認できた。支持部材4を設けることにより、受圧板1Aと受圧板載置用板材3の板間摩擦が存在しなくなり、摩擦抵抗の影響が小さくなったことに起因するものと考えられる。
図示はされていないが、実験例3において、受圧板1Aの受圧板載置用板材3に設けた支持部材4との接触部分に僅かな変形が見られた。しかし、図17〜図20では、テンドン50の緊張力と隙間δの変動量の関係が概ね線形となったので、受圧板1A全体としては弾性範囲内に留まっていると考えられる。
実験No.3−1(図17)及び実験No.3−2(図18)については共に、軸力変動750kNに対して、1対の変動量表示部材2A間(δ)で2mm以上の変動が生じている。
電子ノギス7の最小読取値と精度とを考慮すると、実験例3によれば、10kNほどの誤差を含みつつも、テンドン50に作用する緊張力の測定は可能であると考えられる。
実験No.3−3(図19)及び実験No.3−4(図20)は、初期軸力600kNのアンカーについて、軸力が5%ずつ変動する状況を想定しており、施工現場における実際の維持管理で要求される程度のアンカー緊張力の変動についても測定可能であることが確認された。
なお、実験例3においては2名の測定者により測定を行ったが、測定車の相違による顕著な差異は存在しなかった。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
1・・・受圧板
2・・・変動量表示部材
3・・・受圧板載置用板材
4・・・支持部材
5・・・定着ナット
10・・・受圧構造体
50・・・テンドン
101、103、112・・・緊張力計測装置

Claims (3)

  1. 地中に埋没したコンクリート製埋設物と接続されたテンドン(50)に作用する緊張力を計測するための緊張力計測装置において、前記テンドン(50)を地上側で受け止める受圧構造体(10)の地表側端面(10u)上に受圧板載置用板材(3)を設け、該受圧板載置用板材(3)の上面にテンドン(50)の貫通孔(3o)を挟んで対称的な位置に相互に平行となるように配置された1対の支持部材(4)が固定されており、前記1対の支持部材(4)と線接触する受圧板(1)が設けられ、該受圧板(1)の貫通孔(1o)を貫通しているテンドン(50)の地上側端部が定着ナット(5)で受圧板(1)の上面に当接しており、前記受圧板(1)の周縁部近傍にテンドン(50)の緊張力による該受圧板(1)の変動量を示す長尺の変動量表示部材(2)を配置し、該変動量表示部材(2)は全体がL字状に形成されており、該L字状の短辺に相当する部分(21)が前記受圧板(1)の周縁部に固定され、該L字状の長辺に相当する部分(22)は地山表面と平行な方向に延在しており、該長辺に相当する部分(22)の端部(22e)は受圧板(1)から隙間(δ)だけ離隔しており、そして前記隙間(δ)を計測するための計測装置(7)を有していることを特徴とする緊張力計測装置。
  2. 地中に埋没したコンクリート製埋設物に接続されたテンドン(50)に作用する緊張力を計測するための緊張力計測装置において、前記テンドン(50)を地上側で受け止める受圧構造体である1対の架台(10A)の地表側の上端(10Ae)に受圧板(1)が支持されており、該受圧板(1)の貫通孔(1o)を貫通しているテンドン(50)の地上側端部が定着ナット(5)で受圧板(1)の上面に当接され、該受圧板(1)はテンドン(50)に緊張力が作用すると下側に湾曲するようになっており、前記受圧板(1)の周縁部近傍にテンドン(50)の緊張力による該受圧板(1)の変動量を示す長尺の変動量表示部材(2)を配置し、該変動量表示部材(2)は全体がL字状に形成されており、該L字状の短辺に相当する部分(21)が前記受圧板(1)の周縁部に固定され、該L字状の長辺に相当する部分(22)は地山表面と平行な方向に延在しており、該長辺に相当する部分(22)の端部(22e)は受圧板(1)から隙間(δ)だけ離隔しており、そして前記隙間(δ)を計測するための計測装置(7)を有していることを特徴とする緊張力計測装置。
  3. 地中に埋設したコンクリート製埋設物と接続したテンドン(50)に作用する緊張力を計測するための緊張力計測装置において、前記テンドン(50)を地上側で受け止める受圧構造体(10)の地表側端面(10u)上に受圧板載置用板材(3)を設け、該受圧板載置用板材(3)の上面にテンドン(50)の貫通孔(3o)を挟んで対称的な位置に相互に平行となるように配置された1対の支持部材(4)が固定されており、前記1対の支持部材(4)と線接触する受圧板(1A)が設けられ、該受圧板(1A)の貫通孔(1Ao)を貫通しているテンドン(50)の地上側端部が定着ナット(5)で受圧板(1)の上面に当接しており、前記受圧板(1A)の上面にテンドン(50)の緊張力による該受圧板(1A)の変動量を示す変動量表示部材(2A)を配置し、該変動量表示部材(2A)は全体が長辺に相当する部分(21a)と短辺に相当する部分(22a)とを有するL字状に形成されており、前記長辺に相当する部分(21a)の端部(21ae)は受圧板(1A)の周縁部に固定され、前記短辺に相当する部分(22a)は地山に平行に延在しており、対向する1対の変動量表示部材(2A)の前記短辺に相当する部分(22a)は距離(δ)だけ隔てられており、そして前記距離(δ)を計測するための計測装置(7)を有していることを特徴とする緊張力計測装置。
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