JP5969374B2 - 無線通信システム及びその方法、送信装置及びその方法、受信装置及びその方法、並びに無線通信装置 - Google Patents

無線通信システム及びその方法、送信装置及びその方法、受信装置及びその方法、並びに無線通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、多入力多出力(MIMO)を用いて複数のデータストリームを同時に送受信する無線通信技術に関する。
送受信局において複数のアンテナを用いて複数のデータストリームを同時に送受信することでデータ送受信の高速化を図る、MIMO(Multi−Input Multi−Output)技術が知られている。MIMO技術においては、複数の送信側アンテナから同時に出力された信号が、受信側アンテナにおいて互いに干渉するため、受信側アンテナにおいてその干渉(レイヤ間干渉)を除去する技術が重要となる。
受信側におけるレイヤ間干渉を低減する技術として、受信されることが予想される干渉を、送信側において送信信号に加算するダーティペーパー符号化(Dirty Paper Coding、DPC)が知られている(非特許文献1)。非特許文献1に記載の、送受信局において1本のアンテナを有する最も簡単なDPCのモデルにおいては、送信局が、受信局で受信される干渉信号の波形を知っており、その波形を希望信号の波形から減算した後に送信する。すなわち、例えば、xを希望信号、sを干渉、そしてzを雑音とすると共に、信号xを送信したときに、受信信号がy=x+s+zで表される場合、送信局は送信信号としてu=x−sを送信する。すると、受信局においては、信号はy=u+s+zとして受信され、u+s+z=(x−s)+s+z=x+zとなるため、干渉sがキャンセルされた形で受信される。このようにして、送信側において干渉を考慮して信号を変形して送信することで、受信側において、干渉の影響を受けずに希望信号を取り出すことが可能となる。
非特許文献2には、送信局と受信局との少なくともいずれかが複数のアンテナを有する場合に干渉を抑圧するためのDPCの拡張技術として、トムリンソン−ハラシマ事前符号化(THP)が記載されている。DPCをMIMOに拡張することを考えると、各送信アンテナから各受信アンテナまでのチャネルを規定するチャネル行列が三角(上三角又は下三角)行列である必要がある。チャネル行列が三角行列でない場合には、逐次的に干渉をキャンセルすることができないからである。逆に、チャネル行列が例えば、下三角行列であれば、例えば、第n行のチャネル行列に対応するデータストリームに対する干渉は、第1行から第n−1行に対応するデータストリームからの干渉のみとなるため、DPCの手法を用いて、事前にキャンセルできる。しかしながら、チャネル行列が三角行列であることは極めて稀であり、単純にDPCをMIMOに適用することはできなかった。
これに対し、チャネル行列を三角化するために、従来のTHP手法では、チャネル行列のLQ分解(非特許文献3及び4参照)を採用していた。以下、THP手法について簡単に説明する。なお、以下では、送信アンテナと受信アンテナは共にN本のアンテナを有するものとする。
MIMO受信局において受信される信号は、ベクトルと行列とを用いて、
Figure 0005969374
と表すことができる。ここで、yは各受信アンテナで受信される受信信号を示すN×1ベクトルであり、xは各送信アンテナで送信アンテナが送信する送信信号を示すN×1ベクトルである。また、HはN×Nのチャネル行列であり、zは各受信アンテナにおける雑音を示すN×1ベクトルである。
非特許文献2に記載のTHPでは、チャネル行列のLQ分解を用いてチャネルを三角化する。ここで、チャネル行列HのLQ分解とは、H=LQとなるように、下三角行列Lとユニタリ行列Qとを探す処理のことである。このような行列LとQに対しては、Qがユニタリ行列であるからQQH=I(Iは単位行列)が成立するため、H=LQの両辺に右からQHを乗ずることにより、HQH=Lが成り立つ。したがって、例えば、N=3の場合、
Figure 0005969374
が成り立つ。なお、上付きのHは共役転置を示す。
このことから、例えば、送信信号ベクトルxに左からQHを乗じたベクトル(QHx)を送信することで、受信側では、下三角行列のチャネル行列を経て信号が受信されたものとして処理することが可能となる。この場合、受信アンテナiにおける受信信号yiは、それぞれ以下の通りとなる。
Figure 0005969374
この段階で、受信側においては、第n番目のアンテナで受信した信号については、第1番目から第n−1番目までに受信した信号を用いて干渉をキャンセルすることができるが、DPCの手法に基づいて、さらに、送信信号を変形させる。すなわち、上述のベクトルxを以下のベクトルuに置き換え、v=QHuを送信する。
Figure 0005969374
このようにすることにより、受信信号は、以下のようになる。
Figure 0005969374
このように、THPによれば、送信側で適切に信号を変形して送信することにより、受信側においては、干渉の影響を何ら考慮することなく、信号を受信することができる。
M.Costa、"ダーティペーパーへの書き込み(Writing ondirty paper (Corresp.))"、IEEE Transactions on Information Theory、1983年、pp.439−441 R.F.H.Fischer、C.Windpassinger、A.Lampe、及びJ.B.Huber、"低レート逆方向通信路に対する時空間伝送におけるトムリンソン−ハラシマ事前符号化(Tomlinson−Harashima Precoding In Space−Time Transmission For Low−Rate Backward Channel)"、Proc. International Zurich Seminar on Broadband Communications(IZS)、スイス、2002年2月 J.Francis、"QR変換I(The QR Transformation,I)"、The Computer Journal、1961年、vol.4、no.3、pp.256−261 G.H.Golub及びC.F.Van Loan、"行列計算(Matrix Computations)"、Baltimore:Johns Hopkins University Press、1996年 T.L.Marzetta、"無制限な数の基地局アンテナを伴う非協調セルラ無線電信(Noncooperative Cellular Wireless with Unlimited Numbers of Base Station Antennas)"、IEEE Transactions on Wireless Communications、2010年、vol.9、no.11、pp.3590−3600
上述のTHPでは、チャネル行列をLQ分解することにより、干渉の影響を事前に取り除くことができる。しかしながら、良好な性能を得るためには、極めて大きいシグナリングコストが要求される。すなわち、チャネル行列Hのすべてが送信局へフィードバックされる必要がある。1つのチャネル行列Hに対しては、一意にLとQとが定まるため、チャネル行列の1つの要素が欠けることだけでも、LQ分解の結果が正確でなくなり、干渉を効果的にキャンセルすることが困難となる。さらに、LQ分解は非常に複雑な計算を必要とし、その計算量(乗算回数)はアンテナ本数Nの3乗に比例する。これは、アンテナ本数が十分に小さい場合は問題とならないが、アンテナ本数が増加し、非特許文献5のような大規模なMIMOに対しては、実現が困難なほどの計算量が生じうるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、MIMO通信におけるレイヤ間干渉を抑圧するためのフィードバック情報量及び計算量を抑える技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による無線通信システムは、複数の送信アンテナを有する送信局と、複数の受信アンテナを有する受信局とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムであって、前記受信局は、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列を取得する取得手段と、前記チャネル行列に基づいて重み行列を算出する算出手段と、前記重み行列の上三角部分の各要素を、前記送信局へフィードバックするフィードバック手段と、を有し、前記送信局は、希望信号と前記受信局からフィードバックされた情報とに基づいて、再帰的演算によって前記複数の送信アンテナで送信する送信信号を生成する生成手段と、前記複数の送信アンテナのそれぞれにおいて、前記生成手段で生成した前記送信信号を送信する送信手段と、を有し、前記受信局は、さらに、前記送信局が送信した前記送信信号を前記チャネルを介して前記複数の受信アンテナで受信する受信手段と、前記複数の受信アンテナのそれぞれで受信される受信信号と、前記重み行列の下三角部分とを用いて、前記希望信号を推定する推定手段と、を有し、前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信局へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、ことを特徴とする。
また、本発明による受信装置は、複数の送信アンテナを有する送信装置と、複数の受信アンテナを有する受信装置とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける受信装置であって、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列を取得する取得手段と、前記チャネル行列に基づいて重み行列を算出する算出手段と、前記重み行列の上三角部分の各要素を、前記送信装置へフィードバックするフィードバック手段と、前記送信装置において希望信号と前記受信装置からフィードバックされた情報とに基づいて再帰的演算によって生成され、前記複数の送信アンテナのそれぞれから送信された送信信号を、前記チャネルを介して前記複数の受信アンテナで受信する受信手段と、前記複数の受信アンテナのそれぞれで受信される受信信号と、前記重み行列の下三角部分とを用いて、前記希望信号を推定する推定手段と、を有し、前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信装置へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、ことを特徴とする。
また、本発明による送信装置は、複数の送信アンテナを有する送信装置と、複数の受信アンテナを有する受信装置とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける送信装置であって、前記受信装置から、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列に基づく重み行列の要素のうち、上三角部分の各要素をフィードバックとして受信する受信手段と、希望信号と前記受信装置からフィードバックとして受信した情報とに基づいて、再帰的演算によって送信信号を生成する生成手段と、前記複数の送信アンテナのそれぞれにおいて、前記生成手段で生成した前記送信信号を送信する送信手段と、を有し、前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信装置へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、ことを特徴とする。
本発明によれば、MIMO通信におけるレイヤ間干渉を抑圧するためのフィードバック情報量及び計算量を抑えることができる。
従来のTHP手法を実装する無線通信システムの概略構成を示す図。 実施形態に係るTHP手法を実装する無線通信システムの概略構成を示す図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(概要)
図1と図2は、それぞれ、従来及び本実施形態のTHP手法を実装する無線通信システムを示す概略図である。図1と図2には明示していないが、それぞれの無線通信システムにおいて、送信局と受信局とが、それぞれ複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを有し、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う。
図1及び図2から分かるように、従来の無線通信システムにおいては、受信局はチャネル推定を実行してチャネル推定値(CSI)をそのままフィードバックするのに対し、本実施形態では、行列A及び行列Bを生成して出力している点で異なる。また、THPを実行する部分について、従来では送信局側にのみ存在していたのに対し、本実施形態に係る無線通信システムでは、送信局側と受信局側の双方にその機能部が存在する。すなわち、本実施形態に係る無線通信システムでは、従来と異なり、THPの機能を送信局側と受信局側とに分割し、送信局側の計算負荷を減らす構成となっている。また、本実施形態に係る無線通信システムでは、チャネル行列Hから生成した行列A(の要素)をフィードバックするが、後述するように、行列Aの要素の約半分が値0をとる。したがって、0の要素を送信しないことにより、行列Aについて送信すべき要素の数は、従来のチャネル行列Hそのものをフィードバックする場合と比べて、実質的に半分程度となる。なお、0の要素を送信しなくても、送信局と受信局とで、行列Aが上三角行列であることを共通的に認識していれば、送信局において行列Aを再構成することは容易である。
(従来のTHP手法)
図1に示す従来の無線通信システムについては上で大まかに説明したが、ここでも簡単に説明する。従来の無線通信システムにおいては、送信局は、まず、フィードバックされたチャネル行列HをLQ分解する。そして、送信局は、受信側に送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルxが入力されると、行列Lを用いて希望信号ベクトルxを変形して、別の送信信号ベクトルuを生成する。その後、変形後の送信信号ベクトルuに、QHを左から乗じ、受信局に向けて送信する。受信局では、干渉がない状態で受信され、受信信号とチャネル行列とに基づいて、希望信号ベクトルの推定値x’を再生する。詳細な動作原理は、先述したとおりである。
(本実施形態に係るTHP手法)
一方、本実施形態に係る無線通信システムでは、LQ分解を行わず、まず、所定の重み行列Σを算出する。この重み行列Σは、送信局で使用される部分と、受信局で使用される部分とに分かれる。具体的には、送信局は、受信局へ送信すべき信号を示す希望信号ベクトルとこの重み行列Σの上三角部分(行列の対角成分を含む右上の部分)とを使用して、再帰的演算により、送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を要素とする送信信号ベクトルを算出する。そして、受信局は、受信アンテナのそれぞれが受信した受信信号を要素とする受信信号ベクトルと、重み行列Σの下三角部分(行列の対角成分を含む左下の部分)を用いて、希望信号ベクトルを再生する。なお、行列Σは、送信信号ベクトルのチャネル行列Hによる射影が、希望信号ベクトルの、行列Σの下三角部分以外を0とした下三角行列との射影と一致するように構成される。なお、上述の通り、行列Σの要素は、その上三角部分と下三角部分とが、それぞれ送信局と受信局とで使用されることとなる。そして、送信局は、下三角部分の要素を使用することはない。このため、フィードバックするのは、重み行列Σの上三角部分のみでよいこととなり、結果としてフィードバック情報量を低減することができる。なお、以下では、重み行列Σの上三角成分以外を0とする上三角行列を行列Aと呼び、下三角成分以外を0とする下三角行列を行列Bと呼ぶ。
以下、詳細に説明する。受信局は、チャネル推定によりチャネル行列Hを取得すると、まず、重み行列Σを以下のようにして算出する。
Figure 0005969374
なお、hijは、チャネル行列Hのi行j列成分である。この重み行列Σは、以下の式が成り立つように構成されている。
Figure 0005969374
なお、xiは、送信局が受信局へ送信すべき希望信号であり、uは、各送信アンテナから実際に送信される送信信号uiを要素とする送信信号ベクトルである。すなわち、重み行列Σは、その上三角部分を用いて再帰的演算により算出された送信信号ベクトルuが実際に送受信された場合の受信信号ベクトルが、行列Bによる希望信号ベクトルxの射影に一致するように構成される。なお、受信信号ベクトルは、一般に、送信信号ベクトルuのチャネル行列Hによる射影(Hu)として表される。したがって、受信局は、重み行列Σの上三角成分である行列Aのみを送信局へフィードバックするだけで、送信局が適切な再帰的演算によって送信信号ベクトルuを算出して送信するだけで、チャネル行列の下三角化をすることができる。
なお、式2における送信信号ベクトルは、より厳密に説明すると、その対角成分を除く上三角部分の各要素を各行の対角成分の値で除算した値と送信信号ベクトルuとを乗じた結果を、希望信号ベクトルxから減算した結果のベクトルである。ただし、本発明は、重み行列Σの上三角成分と下三角成分が、それぞれ送信局と受信局で使用されることが特徴であり、この式に限定されるものではない。すなわち、送信側において上三角成分のみを用いて希望信号を加工することで、チャネル行列Hを下三角化し、その下三角化した行列が、重み行列Σの下三角部分となる行列であれば、ほかの形態であってもよい。例えば、式2の構成では、再帰的演算に使用されるのは、αij/αiiである。すなわち、重み行列Σの上三角部分の各要素について、その要素が含まれる行の対角成分の値で除算した結果のみが再帰的演算で使用されている。このことから、重み行列Σの対角成分を除く上三角部分の各要素について、その要素が含まれる行の対角成分の値で除算した結果で置き換えた行列Σ’を重み行列としてもよい。
重み行列Σが計算されると、以下のように、重み行列Σの上三角部分である行列Aと下三角部分である行列Bとを生成する。
Figure 0005969374
受信局は、行列A及び行列Bを生成すると、行列Aのみを送信局へフィードバックする。
送信局は、フィードバック情報である行列Aを受信すると、送信した送信信号ベクトルが、伝送路を経た後に受信側において行列Bと希望信号ベクトルxとの積となるように、送信信号ベクトルuを構成する。すなわち、上述の式2における送信信号ベクトルuの再帰的演算による算出式に従って、送信信号ベクトルuを算出する。なお、ここまで説明してきた通り、式2においては再帰的演算が行われる。すなわち、i本目の送信アンテナで送信される(送信信号ベクトルuのi番目の要素である)uiの計算には、別の要素uj(i<j)が使用される。このため、実際は、他の要素の影響を受けない最後の要素uNから他の全ての要素の影響を受ける1番目の要素u1へ向けて、再帰的演算により1つずつ送信信号ベクトルuの要素の値が確定される。なお、送信信号ベクトルuの各要素uiに着目して式2を記述すると、以下の式が得られる。
Figure 0005969374
そして、送信局は、このようにして得られた送信信号ベクトルuの各成分uiを、それぞれ対応する送信アンテナを介して受信局へ送信する。これにより、受信局では、式2のように、チャネル行列Hを経た後の信号として、希望信号ベクトルxの行列Bによる射影として与えられる受信信号ベクトルyを受信することとなる。この受信信号ベクトルyの要素yiを数式で表現すると、以下の通りとなる。
Figure 0005969374
したがって、受信局では、希望信号ベクトルの推定値x’の要素xi’を、以下の式に従って得ることが可能となる。
Figure 0005969374
すなわち、受信局は、まず、受信信号ベクトルyの要素のうち、希望信号ベクトルの要素を1つのみ含む1番目の要素y1から、希望信号ベクトルの要素x1’の推定値x’を計算して推定する。そして、それ以降は、希望信号ベクトルxの要素を2つ以上含む受信信号ベクトルyから、推定された1つ以上の推定値x’と行列Bの要素とにより構成される干渉成分のレプリカを減算して、次の要素を逐次的に推定する。このようにして、送信局は、x1’から順に、xN’まで、希望信号ベクトルの要素を推定することができる。なお、行列Bの逆行列を求めて、逆行列を受信信号ベクトルの左から乗じることによって、希望信号ベクトルの要素を推定してもよい。
なお、送信信号ベクトルuの計算は、式2からも明らかなように、希望信号ベクトルxの他は、重み行列Σの上三角部分、すなわち行列Aの要素のみが使用される。すなわち、重み行列Σの下三角部分(行列B)は送信側においては使用されない。したがって、送信側においては、行列Σ全部を保持する必要はなく、その上三角部分である行列Aだけを保持していればよいこととなる。ここで、行列Aは重み行列Σの上三角部分であることから、0以外の値をとり得る要素は、N(N+1)/2個である。0の要素はフィードバックする必要がないため、このような構成をとることにより、フィードバック情報量を減らすことができる。具体的には、Nが十分に大きい場合には、フィードバック情報量は約半分となる。なお、行列Aに代えて、上述の行列Σ’の対角成分を除く上三角成分、すなわち、行列Aの対角成分以外の要素をその要素が含まれる行の対角成分の値で除算し、対角成分を0としたものをフィードバックしてもよい。このようにすることで、フィードバックする要素の数が(N−1)N/2個にまで減少することになり、フィードバックの量を半分以下に抑えることが可能となる。
また、式6から明らかなように、希望信号ベクトルxの推定には、重み行列Σの下三角部分のみを使用することとなる。このため、受信局においては、重み行列Σのうち、下三角部分(行列B)のみを保持していればよいこととなり、例えば、メモリの記憶領域を必要以上に使用することを防ぐことが可能となる。
(N=3の場合の例)
続いて、本実施形態に係るTHP手法を実行した場合の動作について、N=3の場合の例について説明する。
[受信局の動作1]
まず、受信局において、チャネル行列Hを推定する。このチャネル推定は、例えば、パイロットチャネルやトレーニング系列を用いて行う。チャネル行列Hは以下のように表されるものとする。
Figure 0005969374
次に、チャネル行列Hから重み行列Σを計算する。この場合、重み行列Σは、以下のようになる。
Figure 0005969374
受信局は、重み行列Σから行列Aを以下のように生成し、送信局へ0以外の要素を送信(フィードバック)する。
Figure 0005969374
[送信局の動作]
送信局は、行列Aの要素と希望信号ベクトルxとを用いて、以下の送信信号ベクトルuの要素uiを生成して、各アンテナから送信する。
Figure 0005969374
[受信局の動作2]
受信局において、受信される信号は、以下のように表される。
Figure 0005969374
ここで、受信局は行列Bの内容を知っているため、以下のようにして、希望信号ベクトルxの推定値x’を以下のように推定する。
Figure 0005969374
このようにして、従来のように、送信局のみが干渉キャンセル動作をするのではなく、送信局と受信局とで分担して干渉キャンセルすることにより、フィードバック情報量を半分程度に減らすことが可能となる。
(フィードバック情報量)
なお、上述の通り、チャネル行列をLQ分解し、QHを希望信号ベクトルxの左から乗じることにより、受信信号ベクトルyを下三角行列Lと希望信号ベクトルxとの積として表すことができる。この場合、受信側において行列Lを用いて逐次的に希望信号を推定できる。この方法は、チャネル行列又は行列Qを、送信側へフィードバックすることとなる。このとき、チャネル行列そのものを送信する場合は、フィードバック情報量が大きいことが問題であると上述したが、この議論は行列Qをフィードバックする場合にも適用される。すなわち、行列Qは三角行列ではないため、無視できる成分はない。また、行列Qの1つの値が異なるだけで、受信側においてチャネル行列を下三角化することができない。したがって、行列Qをフィードバックする場合も、その全成分を送信することとなる。したがって、本実施形態に係る手法は、LQ分解による手法と比べて、フィードバック情報量を減らすことができる。
例えば、倍精度複素浮動小数点数を用いてチャネルの要素を送信することを考える。この場合、各要素の送信には128ビットを要する。すると、送受信アンテナ数をそれぞれN本とすると、従来のようにチャネル情報(CSI、Channel State Information)を1回フィードバックするのに必要な情報量は、128×N2ビットとなる。すなわち、例えば、N=4の場合は2048ビット、N=8の場合は8192ビット、N=32の場合は131072ビットが、それぞれ必要となる。チャネル情報は、チャネルの状態が一定であるうちに可能な限り高速にフィードバックされる必要がある。したがって、チャネル情報のフィードバックのために、高速なフィードバックリンクが必要となる。例えば、チャネルの状態が一定であるのが1ミリ秒とし、その間に10回フィードバックが実行される環境では、N=4の場合は約20Mbps、N=8の場合は約80Mbps、N=32の場合は約1.3Gbpsもの高速なリンクが必要となる。
これに対し、本実施形態に係る手法では、Nが十分に大きい場合にはフィードバック情報量が半分となる。1回のフィードバックに要するビット数は、同様に倍精度複素浮動小数点数を用いる場合、N=4の場合は1280ビット、N=8の場合は4608ビット、N=32の場合は67584ビットとなる。これらから、従来の手法と比べると、情報量が、それぞれ37.5%(N=4)、43.75%(N=8)、及び48.44%(N=32)だけ減少していることが分かる。そして、上述の条件と同様の条件で、フィードバックリンクに要求される速度は、それぞれ約12Mbps(N=4)、約46Mbps(N=8)、及び約0.7Gbps(N=32)となる。このように、本実施形態の手法は、フィードバックリンクに対する要求を大きく緩和させることができることが分かる。
(計算量)
また、本実施形態では、LQ分解を行わないため、計算量を削減することが可能となる。以下、詳述する。
N×N行列HのLQ分解は、N回の行列の乗算(例えば、N回のギブンス回転又はN回のハウスホルダー変換)を実行することで行われる。各行列の乗算は、要素ごとの処理のための2つの(行及び列に対応する)入れ子構造のFORループにより実行される。したがって、LQ分解の全体としての計算の複雑度を示すCLQは、CLQ=N×O(N2)=O(N3)となる。ここで、Oはラージオーダーを意味する。すなわち、従来手法においてLQ分解の複雑度(計算量)は、チャネル行列HのサイズであるNの3次式のオーダーとなる。
一方、本実施形態の手法では、LQ分解を行わず、重み行列Σの要素αijの計算のみを行う。上述の通り、このような要素の計算は、要素ごとの処理のための2つの(行及び列に対応する)入れ子構造のFORループによってのみ実行される。したがって、要素αijの計算の複雑度Cpropは、Cprop=O(N2)となる。すなわち、本実施形態に係る手法では、複雑度(計算量)は、チャネル行列HのサイズNの2次式のオーダーに抑えられる。
このように、本実施形態に係る方法によれば、従来技術と比べてフィードバック情報量と共に計算量を抑えながら、干渉をキャンセルしてMIMOによる通信を行うことが可能となる。
なお、上述のチャネル推定、重み行列の計算などの各処理は、専用のハードウェアにより実現してもよいし、当該計算等を実現するプログラムをCPU等のプロセッサを含むコンピュータに実行させることによりソフトウェア的に実現してもよい。
また、基地局や携帯電話などの無線通信装置は、上述の送信局と受信局とのいずれかを含んでもよいし、両方を含んでもよい。すなわち、上述の処理を行う送信装置と受信装置との少なくともいずれかが、無線通信装置に含まれることにより、当該無線通信装置が本発明の技術範囲に属することとなる。

Claims (15)

  1. 複数の送信アンテナを有する送信局と、複数の受信アンテナを有する受信局とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムであって、
    前記受信局は、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列を取得する取得手段と、
    前記チャネル行列に基づいて重み行列を算出する算出手段と、
    前記重み行列の上三角部分の各要素を、前記送信局へフィードバックするフィードバック手段と、
    を有し、
    前記送信局は、
    希望信号と前記受信局からフィードバックされた情報とに基づいて、再帰的演算によって前記複数の送信アンテナで送信する送信信号を生成する生成手段と、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれにおいて、前記生成手段で生成した前記送信信号を送信する送信手段と、
    を有し、
    前記受信局は、さらに、
    前記送信局が送信した前記送信信号を前記チャネルを介して前記複数の受信アンテナで受信する受信手段と、
    前記複数の受信アンテナのそれぞれで受信される受信信号と、前記重み行列の下三角部分とを用いて、前記希望信号を推定する推定手段と、
    を有し、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信局へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、
    前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記送信信号ベクトルは、前記重み行列の対角成分を除く上三角部分の各要素を当該要素の含まれる行の対角成分の値で除算した値と、前記送信信号ベクトルとを乗じた結果を、前記希望信号ベクトルから減算した結果のベクトルである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記フィードバック手段は、前記重み行列の上三角部分の各要素に代えて、当該重み行列の上三角部分の対角成分を除く各要素を当該要素が含まれる行の対角成分の値で除算した値を、前記送信局へフィードバックする、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記重み行列は、前記チャネル行列のi行j列成分をhijとするときに、
    Figure 0005969374
    のように計算される行列Σである、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の無線通信システム。
  5. 前記再帰的演算は、i本目の前記送信アンテナで送信される、前記送信信号ベクトルのi番目の要素をuiとするときに、
    Figure 0005969374
    のように定められる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 複数の送信アンテナを有する送信装置と、複数の受信アンテナを有する受信装置とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける受信装置であって、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列を取得する取得手段と、
    前記チャネル行列に基づいて重み行列を算出する算出手段と、
    前記重み行列の上三角部分の各要素を、前記送信装置へフィードバックするフィードバック手段と、
    前記送信装置において希望信号と前記受信装置からフィードバックされた情報とに基づいて再帰的演算によって生成され、前記複数の送信アンテナのそれぞれから送信された送信信号を、前記チャネルを介して前記複数の受信アンテナで受信する受信手段と、
    前記複数の受信アンテナのそれぞれで受信される受信信号と、前記重み行列の下三角部分とを用いて、前記希望信号を推定する推定手段と、
    を有し、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信装置へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、
    前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、
    ことを特徴とする受信装置。
  7. 前記送信信号ベクトルは、前記重み行列の対角成分を除く上三角部分の各要素を当該要素の含まれる行の対角成分の値で除算した値と、前記送信信号ベクトルとを乗じた結果を、前記希望信号ベクトルから減算した結果のベクトルである、
    ことを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
  8. 前記フィードバック手段は、前記重み行列の上三角部分の各要素に代えて、当該重み行列の上三角部分の対角成分を除く各要素を当該要素が含まれる行の対角成分の値で除算した値を、前記送信装置へフィードバックする、
    ことを特徴とする請求項7に記載の受信装置。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の受信装置を含むことを特徴とする無線通信装置。
  10. 複数の送信アンテナを有する送信装置と、複数の受信アンテナを有する受信装置とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける送信装置であって、
    前記受信装置から、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列に基づく重み行列の要素のうち、上三角部分の各要素をフィードバックとして受信する受信手段と、
    希望信号と前記受信装置からフィードバックとして受信した情報とに基づいて、再帰的演算によって送信信号を生成する生成手段と、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれにおいて、前記生成手段で生成した前記送信信号を送信する送信手段と、
    を有し、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信装置へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、
    前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、
    ことを特徴とする送信装置。
  11. 前記送信信号ベクトルは、前記重み行列の対角成分を除く上三角部分の各要素を当該要素の含まれる行の対角成分の値で除算した値と、前記送信信号ベクトルとを乗じた結果を、前記希望信号ベクトルから減算した結果のベクトルである、
    ことを特徴とする請求項10に記載の送信装置。
  12. 請求項10又は11に記載の送信装置を含むことを特徴とする無線通信装置。
  13. 複数の送信アンテナを有する送信局と、複数の受信アンテナを有する受信局とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける通信方法であって、
    前記受信局において、
    取得手段が、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列を取得する取得工程と、
    算出手段が、前記チャネル行列に基づいて重み行列を算出する算出工程と、
    フィードバック手段が、前記重み行列の上三角部分の各要素を、前記送信局へフィードバックするフィードバック工程と、
    を有し、
    前記送信局において、
    生成手段が、希望信号と前記受信局からフィードバックされた情報とに基づいて、再帰的演算によって前記複数の送信アンテナで送信する送信信号を生成する生成工程と、
    送信手段が、前記複数の送信アンテナのそれぞれにおいて、前記生成手段で生成した前記送信信号を送信する送信工程と、
    を有し、
    前記受信局において、さらに、
    受信手段が、前記送信局が送信した前記送信信号を前記チャネルを介して前記複数の受信アンテナで受信する受信工程と、
    前記複数の受信アンテナのそれぞれで受信される受信信号と、前記重み行列の下三角部分とを用いて、前記希望信号を推定する推定工程と、
    を有し、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信局へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、
    前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、
    ことを特徴とする通信方法。
  14. 複数の送信アンテナを有する送信装置と、複数の受信アンテナを有する受信装置とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける受信装置の受信方法であって、
    取得手段が、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列を取得する取得工程と、
    算出手段が、前記チャネル行列に基づいて重み行列を算出する算出工程と、
    フィードバック手段が、前記重み行列の上三角部分の各要素を、前記送信装置へフィードバックするフィードバック工程と、
    受信手段が、前記送信装置において希望信号と前記受信装置からフィードバックされた情報とに基づいて再帰的演算によって生成され、前記複数の送信アンテナのそれぞれから送信された送信信号を、前記チャネルを介して前記複数の受信アンテナで受信する受信工程と、
    推定手段が、前記複数の受信アンテナのそれぞれで受信される受信信号と、前記重み行列の下三角部分とを用いて、前記希望信号を推定する推定工程と、
    を有し、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信装置へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、
    前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、
    ことを特徴とする受信方法。
  15. 複数の送信アンテナを有する送信装置と、複数の受信アンテナを有する受信装置とが、多入力多出力(MIMO)による無線通信を行う無線通信システムにおける送信装置の送信方法であって、
    受信手段が、前記受信装置から、前記複数の送信アンテナのそれぞれと前記複数の受信アンテナのそれぞれとの間のチャネルの状態を示す値を要素とするチャネル行列に基づく重み行列の要素のうち、上三角部分の各要素をフィードバックとして受信する受信工程と、
    生成手段が、希望信号と前記受信装置からフィードバックとして受信した情報とに基づいて、再帰的演算によって送信信号を生成する生成工程と、
    送信手段が、前記複数の送信アンテナのそれぞれにおいて、前記生成手段で生成した前記送信信号を送信する送信工程と、
    を有し、
    前記複数の送信アンテナのそれぞれが送信する送信信号を示す送信信号ベクトルが、前記受信装置へ送信するべきシンボルを要素とする希望信号ベクトルと当該重み行列の上三角部分とを用いて前記再帰的演算により算出され、
    前記重み行列は、前記送信信号ベクトルの前記チャネル行列による射影が、当該重み行列の下三角部分からなる下三角行列による前記希望信号ベクトルの射影と一致するように構成される、
    ことを特徴とする送信方法。
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