JP5968093B2 - リードスイッチの製造方法及びリードスイッチ - Google Patents

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本発明はリードスイッチ接点の製造方法及びそれにより得られたリードスイッチに関する。
リードスイッチは、一対の細長いリード片のそれぞれの一端に金属磁性体などで構成した接点部を有し、磁界を付与することで、接点が閉じ、磁界が除かれることで接点部が開くことでオン/オフするものであり、様々な感度を有するものを作製可能であることから、種々の分野に使用されている。
リードスイッチの構造について説明する。図1は、リードスイッチ10の構造を示す概略断面図である。リードスイッチ10は、一対の細長いリード片12A、12Bのそれぞれの一端が接点部16A、16Bとされ、この接点部16A、16Bを真空状態又は不活性ガスと共にガラス管等よりなる容器14の空隙(図1中Gと表記)に封入した構造となっている。
上記リード片12A、12Bは例えば、鉄・ニッケル合金のような金属磁性体で形成されており、それぞれの接点部16A、16Bは互いに所定の重なりと間隔を保って配置されている。リード片12A、12Bにおける接点部16A、16Bとの接続部18A、18Bは、リード片12A、12Bの接点部16A、16Bを有しない端部がプレス加工され板バネ状になっており、磁界の付与による可動性が良好となっている。上記構造のリードスイッチ10にコイルまたは永久磁石から磁界が加わると、リード片12A、12BにN極とS極が誘導され、この磁気吸引力により接点部16A、16Bが閉じる。磁界が除かれるとリード片12A、12B、接続部18A、18Bの弾性により接点部16A、16Bが開く。
このように、磁気によって動作するリードスイッチ10は、弱い接触力で安定な接触を得るために、金、銀、銅、ニッケルなどの遷移金属を用いた下地めっき皮膜20を設け、その上層にロジウム、ルテニウム、イリジウム、プラチナなどの貴金属を主成分とする単層或いはこれら貴金属を主成分とする表面めっき皮膜22との積層めっきで構成されていた。図2は、リード片12Aの先端に存在する接点部16Aの部分拡大図である。図2に示すように、リード片12Aの先端は、下地めっき皮膜(下地めっき層)20と表面めっき皮膜(表面めっき層)22との積層めっき膜が形成されており、従来、表面めっき層22には、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、プラチナなどから選ばれる貴金属が用いられ、リード片12A、12Bと表面めっき層22との間には、両者の密着性を向上させる目的で、金(Au)を下地めっき層20に使用していた。しかしながら、金(Au)は性能が良好であるものの、高価であり安定入手の面で問題があった。
このような、下地めっき層と表面めっき層との積層構造を有するめっき層を形成する方法として、従来は、以下の工程を経る方法が行われている。
まず、電解液の入った処理槽に、リード片12Aの接点部16A付近を浸漬し、電解処理により表面酸化膜の除去を行う(表面前処理工程)。
次に、金めっき液の入っためっき槽に、リード片12Aの接点部16A付近を浸漬し、金めっき処理を行い、金の下地めっき皮膜20を形成する(下地めっき処理工程)。
最後に、ロジウム、ルテニウム、イリジウムなどから選ばれた1種以上を含むめっき液の入っためっき槽に、表面に金めっき皮膜(下地めっき皮膜)20が形成されたリード片12Aの接点部16A付近を浸漬し、めっき処理を行い、表面めっき皮膜22を形成する(表面めっき処理工程)。
また、多層めっき層を有する接点部の耐久性を向上させるために下地めっき層表面を粗面化した後、表面めっき層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法では、リード片に形成した下地めっき層に放電処理を施すなど大がかりな装置を必要とするものであり、生産性の点でなお改良の余地がある。
特開2001−43762号公報
金めっきに代わる下地めっき材料を検討した結果、本発明者は、パラジウムめっき処理を行うことにより、リード片12A、12B先端の接点部16A、16Bと表面めっき層22との密着性向上が達成されることを見出した。しかしながら、前記した従来の製造方法を適用したところ、パラジウムが有する水素を吸蔵する性質に起因して、それ以降のガラス管14の封止工程をはじめ、いくつかの加熱工程により、下地めっき層であるパラジウムめっき皮膜に吸蔵された水素のガス化により、下地めっき皮膜20と表面めっき皮膜22との間に空孔が発生し、表面めっき皮膜22が剥離して密着性不良が発生する問題点を発見した。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、低コストであるパラジウムを下地めっき層に使用した場合においても、パラジウムに起因する表面めっき層の剥がれが抑制され、リード片の先端部に重層のめっき層を有する接点部を備えたリードスイッチを製造しうるリードスイッチの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のリードスイッチの製造方法の第1の実施形態は、一対のリード片のそれぞれの一端が接点部とされ、該接点部が真空状態又は不活性ガスと共に容器に封入されてなるリードスイッチの製造方法であって、前記接点部にパラジウムストライクめっきを施す工程と、前記パラジウムストライクめっきを施した前記接点部にパラジウムめっきを施す工程と、前記パラジウムめっきを施した接点部に、陽極電解による脱水素処理を施す工程と、前記脱水素処理を施した接点部に、表面めっき処理を行って、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びプラチナから選ばれる少なくとも1種を含む表面めっき層を形成する工程と、を少なくとも有するリードスイッチの製造方法である。
本発明のリードスイッチの製造方法において、前記脱水素処理を施す工程が、無機酸塩を主成分とした脱水素処理液を用いて陽極電解する工程であること、電流密度を約0.5ASD以上約5.0ASD以下として陽極電解する工程であることが、好ましい態様である。
前記脱水素処理は、陽極電解処理時間が約10秒以上約300秒以下であることが好ましく、陽極電解処理時間が約60秒以上であることがより好ましく、陽極電解処理時間が約180秒以上であることがさらに好ましい。より長時間の陽極電解処理を行っても、一定時間を経過した後はそれ以上の効果向上が望めず、却って電解処理による下地めっき層への影響が懸念されるため、処理時間の上限としては300秒程度が好ましい。
前記表面めっき処理には特に制限はないが、接点部の性能の観点から、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、プラチナなどが好ましく、イリジウムがより好ましい。
また、接点部にパラジウムめっきを施す工程に先だって、パラジウムストライクめっきを施して、接点部表面に予めパラジウムの皮膜を形成することが密着性向上の観点から好ましい。第1の実施形態のリードスイッチの製造方法は、接点部にパラジウムめっきを施す工程に先だって、パラジウムストライクめっきを施す工程を有する。
なお、前記パラジウムめっきを施した前記接点部に、陽極電解処理に代えて、加熱による脱水素処理を施す工程を行うことも、本発明の別の好ましい態様である。即ち、本発明の第2の実施形態は、一対のリード片のそれぞれの一端が接点部とされ、該接点部が真空状態又は不活性ガスと共に容器に封入されてなるリードスイッチの製造方法であって、前記接点部にパラジウムめっきを施す工程と、前記パラジウムめっきを施した接点部に、加熱による脱水素処理を施す工程と、前記脱水素処理を施した接点部に、表面めっき処理を行って、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びプラチナから選ばれる少なくとも1種を含む表面めっき層を形成する工程と、を少なくとも有するリードスイッチの製造方法である。
前記加熱による脱水素処理を施す工程において、加熱温度は、約400℃以上約1200℃以下の範囲であり、加熱処理時間は、約300秒以上約1200秒以下の範囲であることが好ましい。第2の実施形態のリードスイッチの製造方法では、前記加熱による脱水素処理を施す工程の加熱温度は、約400℃以上約1200℃以下の範囲で実施される。
本発明のリードスイッチの製造方法の第3の実施形態として、一対のリード片のそれぞれの一端が接点部とされ、該接点部が真空状態又は不活性ガスと共に容器に封入されてなるリードスイッチの製造方法であって、前記接点部に第1の貴金属めっきを施す工程と、前記第1の貴金属めっきを施した接点部に、陽極電解による脱水素処理を施して、第1の貴金属1mg中の水素分子数を2×10 16 個以下とする工程と、を少なくとも有するリードスイッチの製造方法が挙げられる。
前記第1の貴金属めっきを施した接点部には、さらに、前記第1の貴金属とは異なる第2の貴金属により金属めっきを施して表面めっき層を形成する工程を有していてもよい。
第3の実施形態のリードスイッチの製造方法では、前記第1の貴金属とは異なる第2の貴金属めっきを施して表面めっき層を形成する工程を有する。
本発明のリードスイッチは、前記本発明のリードスイッチの製造方法により製造されたものであり、接点部が重層構造のめっき層を有し、下地めっき層と表面めっき層との密着性に優れたリードスイッチである。
本発明によれば、低コストであるパラジウムを下地めっき層に使用した場合においても、パラジウムに起因する表面めっき層の剥がれが抑制され、リード片の先端部に重層のめっき層を有する接点部を備えたリードスイッチを製造しうるリードスイッチの製造方法を提供することができる。
リードスイッチの構成の一態様を示す概略断面図である。 図1に記載のリードスイッチのリード片先端における接点部を示す部分概略断面図である。 脱水素処理時間とパラジウム皮膜中に存在する水素分子数の関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<実施形態>
本発明のリードスイッチの製造方法は、一対のリード片12A、12Bのそれぞれの一端が接点部16A、16Bとされ、該接点部16A、16Bが真空状態又は不活性ガスと共に容器14に封入されてなる、図1に示すリードスイッチ10の製造方法であって、前記接点部16A、16Bにパラジウムめっきを施してパラジウムめっき層(下地めっき層)20を形成する工程と、前記パラジウムめっきを施した接点部16A、16Bに、陽極電解による脱水素処理を施す工程と、前記脱水素処理を施した接点部16A、16Bに、表面めっき処理を行って、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、プラチナなどの貴金属から選ばれる少なくとも1種を含む表面めっき層22を形成する工程と、を少なくとも有するリードスイッチの製造方法である。本発明のリードスイッチの製造方法は、第1の実施形態では、パラジウムめっき層を形成する工程に先立ち、パラジウムストライクめっきを施す工程を含む。第2の実施形態では、脱水素処理を施す工程は、加熱温度を400℃以上1200℃以下で加熱する工程である。
本発明の製造方法は、上記必須の各工程を有する以外には、特に制限されず、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて種々の公知の工程、例えば、前処理工程、水洗工程、後処理工程などを有していてもよい。
(表面前処理工程)
前記パラジウムめっき処理を行うに先立って、前処理を行い、リード片12A、12Bの先端部における接点部16A、16Bを形成する箇所を清浄にしたり、表面酸化膜を除去したりすることが好ましい。なお、以下、リード片12A、12Bのうち一方のリード片12Aを例に挙げて説明するが、他方のリード片12Bについても全く同様に行われる。
まず、電解液の入った処理槽に、リード片12Aの接点部16A付近を浸漬し、電解処理により表面酸化膜の除去を行う(表面前処理工程)。
より具体的には、例えば、濃度85%、温度50℃の燐酸溶液が入った処理槽に、リード片12Aを接点部16A付近まで浸漬した後、10ASD程度の電流密度で電解処理を行い、表面酸化膜を除去する。この処理は、リード片12Aの表面に形成された酸化膜の厚さにより、電流密度及び処理時間などを適宜変更して行えばよく、その変更によりできる限り酸化膜を除去する。
(下地めっき処理工程)
次に、パラジウムストライクめっき液の入っためっき槽に、リード片12Aの接点部16A付近までを浸漬し、1ASD程度の電流密度で0.1μm程度の処理を行い、薄いパラジウムめっき皮膜を形成して、接点部16Aとのめっき密着性を確保する。このストライクめっき処理は、任意の工程であり、後述するパラジウムめっき処理において、パラジウムめっき層20と接点部16Aとの密着性が確保できる場合には、必ずしも行わなくてもよい。本発明の第1の実施形態のリードスイッチの製造方法は、ストライクめっき処理工程を含む。
次に、パラジウムめっき液の入っためっき槽に、リード片12Aの接点部16A付近を浸漬し、2ASD程度の電流密度でパラジウムめっき皮膜(下地めっき層)20を形成する。このパラジウムからなるめっき皮膜20は、必要な膜厚を形成するために、電流密度や処理時間などの条件を変更してもよい。一般的には、パラジウムめっき層20の膜厚は、0.1μm〜5.0μmであることが好ましい。
ここで、パラジウム下地めっき層20を形成する際に、陰極より発生した水素ガスがパラジウムめっき層20表面に吸着し、その触媒作用により水素ガスから水素原子に解離される。この解離した水素原子は、パラジウムめっき層18表面からめっき層20内へ拡散していくことによって、所望されない水素を含むパラジウムめっき層20が形成される。
(脱水素処理工程)
このパラジウムめっき層20内に吸蔵された水素を放出させるため、無機酸塩を含んだ溶液の入った処理槽にリード片12Aの接点部16A付近を浸漬し、3ASD程度の電流密度、処理時間180秒の条件で陽極電解することにより脱水素処理を行う。
パラジウムめっき皮膜に吸蔵された水素原子は、陽極電解を行うことにより、パラジウムめっき皮膜20の表面に水素原子が誘導され、原子同士が再結合することによって水素ガスの泡となり、パラジウムめっき皮膜20内から放出されるものである。
この脱水素処理条件は、水素ガスが放出し始める0.5ASDから、パラジウムめっき表面が荒れて表面めっきに支障を与え始める5.0ASD程度の範囲の電流密度で処理可能である。
陽極電解を用いて脱水素処理を行なう場合、電流密度を、水素が放出し始める約0.5ASDから、パラジウムめっき表面が荒れて表面めっきに支障を与え始める約5.0ASD程度の範囲で行うと、処理時間10秒程度経過すると水素分子が気体の水素となって形成された泡が発生し始めた。
図3は、脱水素処理時間とパラジウム皮膜中に存在する水素分子数の関係を示すグラフである。本発明者の検討の結果、水素分子数がパラジウム1mg中に2×1016個以下になる処理時間:約60秒行えば、実用に耐えうる脱水素が行われることが分かった。より好ましくは、水素原子数がパラジウム1mg中に1×1016個以下になる処理時間である約180秒以上であり、この条件にて処理することにより、引き続き行われる表面めっき層の形成において、外観不良(表面めっき剥がれや毛羽立ちなど)が大幅に抑制できた。
(表面めっき処理工程)
こうして脱水素処理を行ったパラジウムの下地めっき層20上に、0.5ASD程度の電流密度でイリジウムめっきを行ってイリジウムめっき層(表面めっき層)22を形成した。
形成されたイリジウムめっき層22は、リードスイッチのガラス封止工程などの加熱工程に耐え得る密着性を有することが確認された。
なお、表面めっき層22の形成において、前記パラジウムのストライクめっき処理を省けるための条件としては、表面めっき層の形成後に、肉眼又は顕微鏡などによる確認でパラジウムめっき層20の剥がれが観察されない場合である。これらの確認により確認できる剥がれが生じている場合には、下地めっき処理工程において、パラジウムストライクめっき処理を行うことが好ましい。
以上のように、本実施形態によれば、リードスイッチ10の接点部16Aにパラジウム−イリジウム積層めっき皮膜(下地めっき層20と表面めっき層22との積層めっき層)を形成し、パラジウムめっき処理後に脱水素処理を行うことにより、パラジウムめっき層20中の水素を放出する効果が得られ、ガラス管14の封止工程等により加熱されても高い密着性を維持した信頼性の高い表面めっき層22が簡易に高い生産性で製造できる。
さらに、図3のグラフより明らかなように、脱水素処理時間を長く行うと、パラジウムめっき層20中の水素が放出され、水素残存量が減少することもわかった。よって、以降の加熱工程に於いて、パラジウムめっき層20が吸蔵した水素のガス化も減少し、パラジウムめっき層20とその表面に形成されたイリジウムめっき層(表面めっき層)22との密着性不良、或いは、気泡発生に起因した層間の剥離を効果的に防止することができることがわかる。
<変型例1>
以下、変形例について説明する。
本実施形態では、リードスイッチ10の接点部16Aにパラジウム−イリジウム積層めっきを形成する態様を例に挙げて説明したが、脱水素処理は、積層めっきの下層がパラジウムめっき層20の場合、その上層に他金属のめっきを積層する全ての積層めっき、例えば、表面めっき層22の形成に、貴金属、例えば、ロジウム、ルテニウム、プラチナなどを使用する場合のいずれにおいても、下地めっき層20と表面めっき層22との密着性不良の防止に適応できる。
即ち、本発明の製造方法においては、まず、リード片12Aの接点部16Aにパラジウムなどの第1の貴金属によりめっきを行って下地めっき層20を形成し、その後、脱水素処理を行うことで、下地めっき層20上に、表面めっき層22を形成する際に、第1の貴金属とは異なる第2の貴金属を用いる工程を有する、種々の互いに異なる貴金属を用いた積層構造のめっき層の形成に適用されうる。この製造方法によれば、下地めっき層20と表面めっき層22との剥離が効果的に抑制される。
<変形例2>
また、第1実施の形態では、脱水素処理工程は、陽極電解処理により行ったが、第2の実施形態では、脱水素処理工程は加熱によって行うことができる。
脱水素加熱条件としては、温度は、約400℃〜約1200℃程度の範囲であり、加熱時間は約300秒〜約1200秒程度の範囲で行うことが挙げられる。加熱による脱水素処理においても、加熱により分子化した水素が気泡となってパラジウムめっき層から脱離することで脱水素処理の進行を確認することができる。なお、上記温度及び時間の条件は、加熱手段の温度や時間の制御精度により若干の変動範囲があることはいうまでもなく、充分な脱水素処理が行われる条件で適宜調整され得る。
なお、脱水素処理工程においては、前記陽極電解処理と前記加熱処理の双方を行ってもよい。
<比較例>
上記実施形態において、脱水素処理工程を行わなかった以外は、同様にして接点部16Aの表面にパラジウムめっき層20とイリジウムめっき層22とを形成した。
本実施形態の工程と比較例の工程との相違、及び、加熱処理を行った場合のめっき層の評価結果を下記表1に示す。
得られた接点部16Aは、本実施形態で得られたものと外観上は異ならなかったが、接点部を約550℃で加熱した時に、接点部16A、16Bより気泡が発生し、イリジウムめっき層22の一部が剥離した。
Figure 0005968093
表1における本実施形態と比較例との対比により、下地めっき層であるパラジウムめっき層の形成後に脱水素処理工程を施して、下地めっき層に含まれる水素を除去することで、下地めっき層表面に積層される表面めっき層(イリジウムめっき層)の剥がれを抑制しうることが確認された。
10 リードスイッチ
12A リード片
12B リード片
14 容器(ガラス管よりなる容器)
16A 接点部
16B 接点部
20 下地めっき層(パラジウムめっき層)
22 表面めっき層

Claims (11)

  1. 一対のリード片のそれぞれの一端が接点部とされ、該接点部が真空状態又は不活性ガスと共に容器に封入されてなるリードスイッチの製造方法であって、
    前記接点部にパラジウムストライクめっきを施す工程と、
    前記パラジウムストライクめっきを施した接点部にパラジウムめっきを施す工程と、
    前記パラジウムめっきを施した接点部に、陽極電解による脱水素処理を施す工程と、
    前記脱水素処理を施した接点部に、表面めっき処理を行って、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びプラチナから選ばれる少なくとも1種を含む表面めっき層を形成する工程と、
    を少なくとも有するリードスイッチの製造方法。
  2. 前記脱水素処理を施す工程が、無機酸塩を主成分とした脱水素処理液を用いて陽極電解する工程である請求項1に記載のリードスイッチの製造方法。
  3. 前記脱水素処理を施す工程が、電流密度を0.5ASD以上5.0ASD以下で陽極電解する工程である請求項1又は請求項2に記載のリードスイッチの製造方法。
  4. 前記脱水素処理を施す工程において、陽極電解処理時間が10秒以上300秒以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリードスイッチの製造方法。
  5. 前記脱水素処理を施す工程において、陽極電解処理時間が60秒以上である請求項4に記載のリードスイッチの製造方法。
  6. 前記脱水素処理を施す工程において、陽極電解処理時間が180秒以上である請求項4に記載のリードスイッチの製造方法。
  7. 前記表面めっき処理が、イリジウムめっき処理である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリードスイッチの製造方法。
  8. 一対のリード片のそれぞれの一端が接点部とされ、該接点部が真空状態又は不活性ガスと共に容器に封入されてなるリードスイッチの製造方法であって、
    前記接点部にパラジウムめっきを施す工程と、
    前記パラジウムめっきを施した接点部に、加熱温度400℃以上1200℃以下での加熱による脱水素処理を施す工程と、
    前記脱水素処理を施した接点部に、表面めっき処理を行って、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びプラチナから選ばれる少なくとも1種を含む表面めっき層を形成する工程と、
    を少なくとも有するリードスイッチの製造方法。
  9. 前記脱水素処理を施す工程において、加熱処理時間が、300秒以上1200秒以下である請求項に記載のリードスイッチの製造方法。
  10. 一対のリード片のそれぞれの一端が接点部とされ、該接点部が真空状態又は不活性ガスと共に容器に封入されてなるリードスイッチの製造方法であって、
    前記接点部に第1の貴金属めっきを施す工程と、
    前記第1の貴金属めっきを施した接点部に、陽極電解による脱水素処理を施して、第1の貴金属1mg中の水素分子数を2×10 16 個以下とする工程と、
    前記脱水素処理を施した接点部に、さらに第1の貴金属とは異なる第2の貴金属めっきを施して表面めっき層を形成する工程と、
    を少なくとも有するリードスイッチの製造方法。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のリードスイッチの製造方法により製造されたリードスイッチ。
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