JP5968005B2 - 電子写真機器用導電性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真機器用導電性組成物に関し、さらに詳しくは、電子写真機器用導電性ロールの弾性体層を形成する材料として好適な電子写真機器用導電性組成物に関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されるようになってきている。電子写真機器の内部には、通常、感光ドラムが組み込まれており、その周囲には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの各種導電性ロールが配設されている。
この種の導電性ロールとしては、導電性を有する軸体(芯金)の外周に低硬度の導電性ゴム弾性体層が形成され、必要に応じて導電性ゴム弾性体層の外周に抵抗調整層や表面保護層などが形成されたものが知られている。
導電性ゴム弾性体層の材料には、種々のゴム材料が用いられている。用いられるゴム材料としては、イオン導電性を有するヒドリンゴム(ECOなど)やニトリルゴム(NBR)を主成分とするものなどが知られている。用いられるゴムが固形ゴムである場合には、可塑剤などを添加してゴム材料全体の粘度を調整することがある。
例えば特許文献1には、ヒドリンゴムを主成分とするゴム組成物全体の粘度を低下させて押出成形性を向上させる目的で、ヒドリンゴムに所定量の液状可塑剤や液状ゴムを配合することが記載されている。
特開2007−291331号公報
固形ゴムに対し、液状可塑剤や液状ゴムを配合してゴム組成物を可塑化させる場合、押出成形や射出成形に十分な低粘度特性が得られるまでゴム組成物を可塑化させるには、液状可塑剤や液状ゴムの配合量をかなり多くする必要がある。しかしながら、液状可塑剤や液状ゴムの配合量を多くすると、成形品である導電性ロールの導電性ゴム弾性体層からこれらの成分がブリードするおそれがある。また、これらの成分は、その配合量の増加に伴い、導電性ゴム弾性体層の弾性回復性(耐ヘタリ性)を悪化させるという問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、ブリードやブルームの問題が生じることなく、成形性に優れ、低硬度で耐ヘタリ性に優れる電子写真機器用導電性ロールの弾性体層を形成できる電子写真機器用導電性組成物を提供することにある。
本発明に係る電子写真機器用導電性組成物は、エチレン共重合体と、過酸化物架橋剤と、導電剤と、を含有し、前記エチレン共重合体が、前記過酸化物架橋剤によって架橋されるものであることを要旨とするものである。
この場合、前記エチレン共重合体は、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、および、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
そして、本発明に係る電子写真機器用導電性組成物は、さらに、前記エチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムを含有し、前記エチレン共重合体が、前記過酸化物架橋剤によって前記極性ゴムと共架橋されるものであっても良い。
本発明に係る電子写真機器用導電性組成物によれば、エチレン共重合体と、過酸化物架橋剤と、導電剤と、を含有し、過酸化物架橋剤によってエチレン共重合体が架橋されるものであるから、ブリードやブルームの問題が生じることなく、成形性に優れ、低硬度で耐ヘタリ性に優れる電子写真機器用導電性ロールの弾性体層を形成できる。
また、本発明に係る電子写真機器用導電性組成物が、さらにエチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムを含有し、過酸化物架橋剤によってエチレン共重合体と極性ゴムとが共架橋されるものであると、形成される電子写真機器用導電性ロールの弾性体層の硬度をさらに低くできる。
一実施形態として示される電子写真機器用導電性ロールの模式図(a)とそのA−A線断面図(b)である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る電子写真機器用導電性組成物(以下、本組成物ということがある。)は、エチレン共重合体と、過酸化物架橋剤と、導電剤と、を含有するものからなる。エチレン共重合体は、過酸化物架橋剤によって架橋されるものである。
本組成物における重合体成分は、エチレン共重合体のみから構成されていても良いし、エチレン共重合体に加えてエチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムが含有されるものから構成されていても良い。このような極性ゴムが含有される場合には、エチレン共重合体は、過酸化物架橋剤によって極性ゴムと共架橋されるものである。
重合体成分がエチレン共重合体のみから構成される場合には、本組成物の溶融粘度(ムーニー粘度)が低く抑えられるので、成形性、特に、射出成形性により優れる。溶融粘度(ムーニー粘度)が低いと、溶融状態で柔らかいため、押出成形あるいは射出成形の成形時に成形金型への負荷がかかりにくく、成形物としての形成される導電性ロールの振れが小さくなり、寸法精度に優れる。重合体成分がエチレン共重合体に加えてエチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムが含有されるものから構成される場合には、本組成物によって得られる成形物がより低硬度になる。
エチレン共重合体としては、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが挙げられる。これらは単独で用いられても良いし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。
エチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムとしては、ヒドリンゴムやニトリルゴムなどが挙げられる。これらは単独で用いられても良いし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。
ヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などが挙げられる。
極性ゴムと併用される場合、極性ゴムとの相溶性に優れるなどの観点からいうと、エチレン共重合体としては、EMA、EEA、EBA、EVAなどが好ましい。極性ゴムとの相溶性に優れることにより、抵抗のばらつきが小さくなるので、抵抗均一性に優れる。また、粘着性が抑えられるなどの観点からいうと、エチレン共重合体としては、EMA、EEA、EBAなどが好ましい。エチレン共重合体としてEVAが単独で用いられる場合には、粘着性があるため、加工性が低下しやすく、成形後の成形物表面への異物の付着が生じやすい。したがって、これらの観点からいえば、エチレン共重合体としてEVAを用いる場合には、他のエチレン共重合体と併用することが好ましい。
極性ゴムと併用される場合、本組成物によって得られる成形物をより低硬度にできるなどの観点からいえば、エチレン共重合体と極性ゴムの配合割合としては、エチレン共重合体/極性ゴム(質量比)が1/99〜20/80の範囲内であることが好ましい。より好ましくは5/95〜15/85の範囲内である。一方、極性ゴムと併用される場合でも本組成物の溶融粘度(ムーニー粘度)が低く抑えられるなどの観点からいえば、エチレン共重合体/極性ゴム(質量比)が20/80〜90/10の範囲内であることが好ましい。より好ましくは25/75〜50/50の範囲内である。
極性ゴムと併用される場合で、エチレン共重合体がEVAの場合には、EVA中に占める酢酸ビニル(VA)の割合が多いと、極性ゴムとの相溶性に優れるが、過酸化物架橋剤との反応性が低下して耐ヘタリ性が低下する傾向にある。この観点からいえば、EVA中に占める酢酸ビニル(VA)の割合は、90質量%以下であることが好ましい。より好ましくは50質量%以下である。また、酢酸ビニル(VA)の割合が少ないと、極性ゴムとの相溶性が低下してEVAがブルームしやすくなる。この観点からいえば、酢酸ビニル(VA)の割合は、10質量%以上であることが好ましい。より好ましくは20質量%以上である。そして、過酸化物架橋剤との反応性は低下するが、極性ゴムとの優れた相溶性を確保する観点からいえば、酢酸ビニル(VA)の割合は65〜90質量部の範囲内であることが好ましい。
そして、極性ゴムと併用される場合において、極性ゴムよりもエチレン共重合体の割合が少ない場合には、低硬度化を図るなどの観点から、エチレン共重合体のメルトフローレイト(MFR)が、5g/10分以上であることが好ましい。より好ましくは10g/10分以上である。
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤などが挙げられる。これらは単独で用いられても良いし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。
過酸化物架橋剤の配合量は、特に限定されるものではなく、架橋される重合体成分100質量部に対し、0.05〜4質量部の範囲内であれば良い。
導電剤としては、イオン導電剤や電子導電剤が挙げられる。導電剤の配合により、本組成物の体積抵抗率が、その用途に応じた所望の体積抵抗率となるように抵抗調整が行われる。具体的には、例えば体積抵抗率が1×10〜1×1010Ω・cmの範囲内の所望の体積抵抗率に設定される。
本組成物における重合体成分に極性ゴムが含まれず、エチレン共重合体のみから構成される場合には、低抵抗化の観点から、導電剤として電子導電剤が含まれることが好ましい。この場合、イオン導電剤は含まれていても良いし、含まれていなくても良いが、抵抗均一性の観点からいうと、イオン導電剤が含まれていることが好ましい。本組成物における重合体成分に極性ゴムが含まれる場合には、導電剤として、イオン導電剤のみ、電子導電剤のみ、あるいは、イオン導電剤と電子導電剤の両方が用いられても良い。この場合、抵抗均一性の観点からいうと、少なくともイオン導電剤が含まれていることが好ましい。
イオン導電剤や電子導電剤は、特に限定されるものではなく、電子写真機器分野で使用される公知のものを用いることができる。イオン導電剤としては、例えば、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウム塩や、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウムなどの過塩素酸塩、ホウ酸塩などが挙げられる。電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイトや、導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどの導電性金属酸化物などが挙げられる。
イオン導電剤の配合量は、特に限定されるものではなく、架橋される重合体成分100質量部に対し、0.1〜5質量部の範囲内であれば良い。電子導電剤のの配合量は、特に限定されるものではなく、架橋される重合体成分100質量部に対し、1〜20質量部の範囲内であれば良い。
本組成物は、ブリードあるいはブルームを抑える点において、可塑剤が含まれないことが好ましい。ただし、本組成物は、可塑剤が含まれる場合を排除するものではない。同様に、ブリードあるいはブルームしやすい他の重合体成分(例えばエチレン共重合体などと共架橋されない重合体成分)が含まれる場合を排除するものではない。例えば少量の添加で、ブリードあるいはブルームしない範囲では、低硬度化などを目的として、可塑剤や他の重合体成分が含まれていても良い。この観点から、可塑剤の添加量としては、重合体成分100質量部に対し、15質量部以下であることが好ましい。より好ましくは10質量部以下である。また、他の重合体成分の添加量としては、重合体成分100質量部に対し、15質量部以下であることが好ましい。より好ましくは10質量部以下である。なお、可塑剤の添加量が多くなるに伴い、耐ヘタリ性も低下する傾向にある。
可塑剤としては、液状NBR、液状BR、液状IR、液状SBRなどの液状ゴムや、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジオクチルセバケート(DOS)、プロセスオイルなどが挙げられる。他の重合体成分としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などが挙げられる。
本組成物には、必要に応じて、滑剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などの各種添加剤が1種または2種以上含有されていても良い。
以上の構成の本組成物は、電子写真機器に用いられる現像ロール、帯電ロール、転写ロールなどの電子写真機器用導電性ロールの導電性弾性体層を形成する材料として好適である。この場合の導電性弾性体層としては、導電性を有する軸体(芯金)の外周に形成されるベース層としての導電性弾性体層や、ベース層の外周に形成される抵抗調整層などとしての導電性弾性体層などが挙げられる。
次に、本組成物を用いて得られる電子写真機器用導電性ロール(以下、導電性ロールということがある。)について説明する。図1には、導電性ロールの一実施形態を示す。導電性ロール10は、導電性を有する軸体12の外周にベース層としての導電性弾性体層14を備えたもので構成されている。この導電性弾性体層14を形成する材料として、上記の本組成物が用いられる。
導電性弾性体層14の外周には、必要に応じて、導電性弾性体層14の表面を保護する、導電性ロールの表面特性(低摩擦性、高離型性、高帯電性など)を付与するなどの目的で、表層が形成されていても良い。また、導電性弾性体層14の外周で表層下には、導電性ロール全体の抵抗を調整する抵抗調整層などの中間層が形成されていても良い。
また、表層の形成に代えて、導電性弾性体層14あるいは抵抗調整層などの中間層に表面改質を施すことにより、表層を形成することと同等の表面特性を有するようにすることもできる。表面改質方法としては、UVや電子線を照射する方法、基層の不飽和結合やハロゲンと反応可能な表面改質剤、例えば、イソシアネート基、ヒドロシリル基、アミノ基、ハロゲン基、チオール基などの反応活性基を含む化合物と接触させる方法などが挙げられる。
導電性弾性体層14は、軸体12をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、本組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する方法(注入法)、あるいは、軸体12の表面に本組成物を押出成形する方法(押出法)などにより、形成できる。加熱・硬化により、本組成物のエチレン共重合体が過酸化物架橋剤によって架橋される。これにより、低硬度で優れた耐ヘタリ性が発揮される。本組成物がエチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムを含有する場合には、加熱・硬化により、過酸化物架橋剤によって本組成物のエチレン共重合体と極性ゴムとが共架橋される。この場合には、より低硬度で優れた耐ヘタリ性が発揮される。
本組成物は、上記構成よりなるものであるため、射出成形において十分な低粘度特性を有している。また、押出成形においても十分な流動特性を有している。このため、成形性に優れる。そして、このような優れた成形性を確保するために、液状ゴムやオイルなどの可塑剤を用いて低粘度化を図ることを主眼においたものではないので、ブリードのおそれもない。
押出成形や射出成形の成形温度は、過酸化物架橋剤の分解温度などを考慮して、120℃以下であることが好ましい。したがって、本組成物の溶融温度は、120℃以下であることが好ましい。より好ましくは40〜120℃である。この観点からいえば、エチレン共重合体の融点は、120℃以下であることが好ましい。より好ましくは100℃以下である。そして、過酸化物架橋剤の分解温度は、押出成形や射出成形の成形温度を考慮して、150℃以上であることが好ましい。すなわち、架橋温度は150℃以上であることが好ましい。
導電性弾性体層14の厚さは、通常、0.1〜10mmに設定される。導電性弾性体層14の体積抵抗率は、用途によって異なるが、通常、10〜1010Ω・cmに設定される。
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
表層を形成する主材料としては、特に限定されるものではなく、ポリアミド(ナイロン)系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、変性されたものであっても良い。変性基としては、例えば、N−メトキシメチル基、シリコーン基、フッ素基などを挙げることができる。
表層には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。また、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。
表層を形成するには、表層形成用組成物を用いる。表層形成用組成物は、上記主材料、導電剤、必要に応じて含有されるその他の添加剤を含有するものからなる。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
表層形成用組成物は、粘度を調整するなどの観点から、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、THF、DMFなどの有機溶剤や、メタノール、エタノールなどの水溶性溶剤などの溶剤を適宜含んでいても良い。
表層は、導電性弾性体層14の外周に表層形成用組成物を塗工するなどの方法により、形成できる。塗工方法としては、ロールコーティング法や、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を適用することができる。塗工された表層には、必要に応じて、紫外線照射や熱処理を行なっても良い。
表層の厚さは、通常、0.01〜100μm、0.1〜20μm、あるいは、0.3〜10μmに設定される。表層の体積抵抗率は、通常、10〜10Ω・cm、10〜10Ω・cm、あるいは、10〜10Ω・cmに設定される。
以上の構成の本組成物によれば、エチレン共重合体と、過酸化物架橋剤と、導電剤と、を含有し、過酸化物架橋剤によってエチレン共重合体が架橋されるものであるから、ブリードやブルームの問題が生じることなく、成形性に優れ、低硬度で耐ヘタリ性に優れる電子写真機器用導電性ロールの導電性弾性体層を形成できる。また、本組成物が、さらにエチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムを含有し、過酸化物架橋剤によってエチレン共重合体と極性ゴムとが共架橋されるものであると、形成される電子写真機器用導電性ロールの導電性弾性体層の硬度をさらに低くできる。また、本組成物によれば、体積抵抗率を1×10〜1×1013Ω・cmの範囲に設定できるので、低抵抗で電気特性に優れた電子写真機器用導電性ロールの導電性弾性体層を形成できる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
使用した材料の詳細について以下に示す。
<エチレン共重合体>
・エチレン−酢酸ビニル共重合体<1>(EVA<1>)
官能基含有率=28質量%、MFR=400g/10分、融点=62℃
三井・デュポンポリケミカル社製「エバフレックスEV210」
・エチレン−酢酸ビニル共重合体<2>(EVA<2>)
官能基含有率=68質量%、MFR=25g/10分、融点=93℃
LANXESS社製「LEVAMELT 686」
・エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)
官能基含有率=20質量%、MFR=8g/10分、融点=92℃
三井・デュポンポリケミカル社製「エルバロイAC1820」
・エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
官能基含有率=25質量%、MFR=250g/10分、融点=87℃
日本ユニカー社製「NUC−6070」
・エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)
官能基含有率=27質量%、MFR=4g/10分、融点=94℃
三井・デュポンポリケミカル社製「エルバロイAC3717」
・エチレン−αオレフィン共重合体
融点=50℃
三井化学社製「タフマーA4050S」
・エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)
官能基含有率=25質量%、MFR=20g/10分、融点=79℃
住友化学社製「アクリフトWK402」
<極性ポリマー>
・ニトリルゴム(NBR)
日本ゼオン社製「DN219」
・ヒドリンゴム(ECO)
日本ゼオン社製「Hydrin T 3106」
<その他の重合体成分>
・ポリプロピレン
MFR=21g/10分、融点=160〜170℃
日本ポリプロ社製「ノバテックPP MA1B」
<架橋剤(加硫剤)>
・過酸化物架橋剤:ジクミルパーオキサイド(日油社製「パークミルD40」)
・加硫促進剤<1>:三新化学社製「サンセラーDM」
・加硫促進剤<2>:三新化学社製「サンセラーTT」
・粉末硫黄
<導電剤>
・電子導電剤:カーボンブラック、ライオン社製「ケッチェンブラックEC300J」
・イオン導電剤:過塩素酸テトラブチルアンモニウム
(実施例1〜7)
<導電性組成物の調製>
表1に示す配合組成で、エチレン共重合体と、過酸化物架橋剤と、電子導電剤とを配合し、攪拌機により撹拌、混合して、導電性組成物を調製した。
<導電性ロールの作製>
φ12mmの円筒状の成形キャビティを有する成形金型を準備し、成形金型の中心軸上に芯金(直径6mm)をセットし、この成形金型内に上記導電性組成物を射出した。その後、加熱・架橋させ、冷却、脱型して、芯金の外周に、厚さ3mmの導電性弾性体層を形成した。これにより、導電性ロールを作製した。
(実施例8〜31)
表2〜3に示す配合組成で、エチレン共重合体と、極性ゴムと、過酸化物架橋剤と、電子導電剤あるいはイオン導電剤とを配合し、攪拌機により撹拌、混合して、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(実施例32)
表4に示す配合組成で、2種類のエチレン共重合体と、過酸化物架橋剤と、イオン導電剤とを配合し、攪拌機により撹拌、混合して、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(実施例33〜34)
表4に示す配合組成で、2種類のエチレン共重合体と、極性ゴムと、過酸化物架橋剤と、イオン導電剤とを配合し、攪拌機により撹拌、混合して、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(実施例35〜36)
表4に示す配合組成で、エチレン共重合体と、極性ゴムと、過酸化物架橋剤と、イオン導電剤と、可塑剤とを配合し、攪拌機により撹拌、混合して、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(比較例1〜2)
過酸化物架橋剤に代えて硫黄系架橋剤を用いた以外は実施例1〜2と同様にして、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(比較例3〜4)
過酸化物架橋剤を配合しなかった以外は実施例1〜2と同様にして、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(比較例5)
エチレン共重合体に代えてポリプロピレンを用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(比較例6〜7)
エチレン共重合体に代えて極性ゴムを用い、導電剤として電子導電剤に代えてイオン導電剤を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(比較例8〜10)
比較例6の構成において、さらに可塑剤を添加して、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
(比較例11)
表5に示す配合組成で、エチレン共重合体と、極性ゴムと、硫黄系架橋剤と、イオン導電剤とを配合し、攪拌機により撹拌、混合して、導電性組成物を調製した。導電性ロールの作製は、実施例1に準じて行った。
調製した各導電性組成物を用いて、160℃で30分間プレス架橋成形を行い、厚さ2mmのシート状サンプル(100×100mm)を作製した。作製したシート状サンプルを用いて、材料特性評価を行った。測定方法および評価方法を以下に示す。
(TypeA硬度)
作製したシート状サンプルに対し、JIS K 6253に記載の方法に準拠し、デュロメータ硬度(TypeA)を測定した。この値が70以下であれば、電子写真機器用導電性ロールのベース層としての導電性弾性体層に用いることができる。
(圧縮永久歪み)
作製したシート状サンプルに対し、JIS K 6262に準拠して、圧縮永久歪みを測定した。この値が25%以下であれば、圧縮永久歪みの低減が良好になされていることを示す。
(体積抵抗率)
作製したシート状サンプルを用いて、JIS K6271の二重リング電極法に準拠して、体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。体積抵抗率が5×10Ω・cm以下の範囲内であれば、電子写真機器用導電性ロールのベース層としての導電性弾性体層に用いる材料として十分に低抵抗であるとして「○」とした。
(ムーニー粘度)
調製した各導電性組成物について、JIS K6300に準拠し、L形ロータを用いて121℃の試験温度にて、ムーニー粘度(ML(1+3)121℃)を測定した。
(ブリード・ブルーム性)
作製した各導電性ロールを40℃、95%RHの環境下で2週間放置し、放置後のロール表面を目視で確認した。ロール表面にブリード・ブルーム物がない場合を「○」、ロール表面にブリード・ブルーム物がある場合を「×」とした。
(ロールフレ)
作製した各導電性ロールについて、両端を支点として、周方向に回転させ、基準ゲージからロール表面までの距離をレーザーで計測し、その距離の最大値と最小値の差を振れ(μm)とした。
Figure 0005968005
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表5から、比較例1〜2では、導電性組成物のマトリックスポリマーがエチレン共重合体のみからなる場合において、硫黄系架橋剤を配合しているので、加硫されていない。また、比較例3〜4では、導電性組成物のマトリックスポリマーにエチレン共重合体のみからなる場合において、架橋剤を配合してないので、架橋されていない。このため、比較例1〜4では、圧縮永久歪みが測定できないほど耐ヘタリ性が悪い。比較例5では、導電性組成物のマトリックスポリマーがポリプロピレンのみからなるため、過酸化物架橋剤と反応せず、圧縮永久歪みが測定できないほど耐ヘタリ性が悪い。また、比較例5では、マトリックスポリマーの融点が高すぎて、ムーニー粘度の測定ができなかった。
比較例6〜7では、導電性組成物のマトリックスポリマーが極性ゴムのみからなるので、ムーニー粘度が高すぎて成形性が悪い。また、ロールフレが大きすぎて寸法精度が悪い。比較例8〜10では、比較例6の構成においてさらに可塑剤を添加してムーニー粘度を下げようとした。しかしながら、可塑剤の配合量が10質量部程度では成形性が良くなる程度までムーニー粘度が下がらなかった。そして、可塑剤の配合量を30質量部まで上げて成形性が良くなる程度までムーニー粘度を下げた場合には、可塑剤のブリードが生じた。
比較例11では、導電性組成物のマトリックスポリマーがエチレン共重合体と極性ゴムの組み合わせからなる場合において、硫黄系架橋剤を配合しているので、極性ゴムは加硫されているが、エチレン共重合体は加硫されていない。すなわち、エチレン共重合体は極性ゴムと共架橋されていない。このため、エチレン共重合体のブルームが生じた。
これに対し、実施例によれば、低硬度、低圧縮永久歪み、低抵抗、低粘度であり、ブリードやブルームの問題が生じることなく、成形性に優れ、低硬度で耐ヘタリ性に優れることが確認された。また、低粘度であるため、ロールフレも小さく、寸法精度に優れることも確認された。
また、実施例同士を比較すれば、実施例1〜7、32では、導電性組成物のマトリックスポリマーがエチレン共重合体のみからなることから、比較的低粘度であり、特に成形性に優れることがわかる。また、ロールフレも特に小さいことがわかる。一方、実施例8〜31、33〜34では、導電性組成物のマトリックスポリマーがエチレン共重合体と極性ゴムの組み合わせからなることから、比較的低硬度であることがわかる。このうち、実施例8〜19では、極性ゴムに対するエチレン共重合体の割合が比較的多いことから、低硬度、低圧縮永久歪みのバランスに優れるとともに低粘度であることがわかる。一方、実施例20〜31では、極性ゴムに対するエチレン共重合体の割合が比較的少ないことから、より低硬度であることがわかる。さらに、実施例20〜21、35〜36によれば、比較的少ない量の可塑剤を添加することで、より低硬度および低粘度とすることができ、この場合においてもブリードやブルームの問題が生じないことが確認された。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 電子写真機器用導電性ロール
12 軸体
14 導電性弾性体層

Claims (1)

  1. エチレン共重合体と、前記エチレン共重合体と共架橋可能な極性ゴムと、過酸化物架橋剤と、導電剤と、を含有し、前記エチレン共重合体が、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体から選択される1種または2種以上であり、前記エチレン共重合体が、前記過酸化物架橋剤によって前記極性ゴムと共架橋されるものであることを特徴とする電子写真機器用導電性組成物。
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