JP5963901B1 - エネルギーマネジメント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー消費量の低減とユーザの利便性の確保とを両立することができるエネルギーマネジメント装置を提供する。【解決手段】エネルギーマネジメント装置1の制御計画演算部13は、走行経路探索部11によって探索された走行経路情報と、車両情報取得部12によって取得された車両情報とに基づいて、モータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算する。制御計画演算部13は、制御計画を補正するための設定情報がユーザ設定入力部15に入力されると、走行経路情報、車両情報および設定情報に基づいて、車両10が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、制御計画を演算する。【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギーマネジメント装置に関し、より詳細には、ハイブリッド車両などの複数のエネルギー源を備える車両のエネルギーを管理するエネルギーマネジメント装置に関する。
ハイブリッド車両は、エンジンおよびモータなどの複数のエネルギー源から駆動力を得て走行する。ハイブリッド車両において、燃料消費量が最小となるように、目的地までの経路状況に応じて、エンジンおよびモータなどのエネルギー源の運転スケジュールを設定するエネルギーマネジメント装置が提案されている。
たとえば、特許文献1には、エネルギーマネジメント装置に相当する、ハイブリッド車両の駆動制御装置が開示されている。特許文献1に開示されるハイブリッド車両の駆動制御装置は、目的地までの経路の道路状況と運転者の運転履歴とに基づいて車速パターンを推定し、車速パターンとエンジンの燃料消費特性とに基づいて、目的地までの燃料消費量が最少となるように、エンジンおよびモータの運転スケジュールを設定する。
特開2000−333305号公報
特許文献1に開示されるハイブリッド車両の駆動制御装置では、燃料消費量の演算のための入力条件、すなわち演算に使用するために入力される条件が、目的地までの経路の道路状況と車速パターンとの2つのみである。したがって、ユーザが走行経路上の特定の区間において特定の走行計画を実行する場合に、所望の設定を行うことができないという問題がある。たとえば、モータによる走行を優先するか、エンジンによる走行を優先するか、またはエンジンおよびモータの両者を使用して走行する場合に、トルク配分などを設定することができないという問題がある。
また、ユーザが、走行経路上の終端地点などの特定の地点における、バッテリなどの蓄電部に蓄積されている電力量(State of Charge;略称:SOC)を計画した蓄電計画を設定することができないという問題がある。
したがって、エネルギー消費量の低減とユーザの利便性の確保という、相反することのある両者を調整することが困難になるという問題がある。
本発明の目的は、エネルギー消費量の低減とユーザの利便性の確保とを両立することができるエネルギーマネジメント装置を提供することである。
本発明のエネルギーマネジメント装置は、複数のエネルギー源から駆動力を得て走行する車両に用いられるエネルギーマネジメント装置であって、前記車両の目的地および経由地に関する情報に基づいて、前記車両の現在地から目的地までの走行経路を探索する走行経路探索部と、前記走行経路探索部によって探索された前記走行経路における前記車両のエネルギーの消費に関係する情報である車両情報を取得する車両情報取得部と、前記走行経路を表す走行経路情報および前記車両情報取得部によって取得された前記車両情報に基づいて、前記車両が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、前記複数のエネルギー源の制御計画を演算する制御計画演算部と、前記走行経路情報、および前記制御計画演算部によって演算された前記制御計画を表示装置に与えて表示させる演算結果表示制御部と、前記走行経路内の1つまたは複数の区間において前記制御計画を補正するための設定情報がユーザによって入力されるユーザ設定入力部と、ユーザによって前記ユーザ設定入力部に過去に入力された前記設定情報を記憶するユーザ設定記憶部とを備え、前記演算結果表示制御部は、前記ユーザ設定記憶部に記憶される、過去に入力された前記設定情報を前記表示装置に与えて表示させて、ユーザによって選択可能とし、前記制御計画演算部は、前記ユーザ設定入力部に前記設定情報が入力されると、前記走行経路情報、前記車両情報および前記設定情報に基づいて、前記車両が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、前記複数のエネルギー源の制御計画を演算することを特徴とする。
本発明のエネルギーマネジメント装置によれば、走行経路探索部によって探索された走行経路内の1つまたは複数の区間において、制御計画演算部によって演算された複数のエネルギー源の制御計画を補正するための設定情報が、ユーザによってユーザ設定入力部に入力されると、走行経路探索部によって探索された走行経路を表す走行経路情報、車両情報取得部によって取得された車両情報、およびユーザ設定入力部に入力された設定情報に基づいて、車両が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、制御計画演算部によって複数のエネルギー源の制御計画が演算される。これによって、エネルギー消費量の低減とユーザの利便性の確保とを両立することができる。また、ユーザによってユーザ設定入力部に過去に入力された設定情報が、ユーザ設定記憶部に記憶され、演算結果表示制御部によって表示装置に与えられて表示され、ユーザによって選択可能とされる。これによって、ユーザが過去の入力情報を直接選択することが可能となり、数値の入力を省略することができる。したがって、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
本発明の実施の一形態であるエネルギーマネジメント装置1を備えるハイブリッド車両10の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の一形態であるエネルギーマネジメント装置1の動作の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の一形態であるエネルギーマネジメント装置1の動作の処理手順を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施の一形態であるエネルギーマネジメント装置1を備えるハイブリッド車両10の構成を示すブロック図である。ハイブリッド車両(以下、単に「車両」という場合がある)10は、化石燃料および電力などの複数のエネルギー源から駆動力を得て走行する。車両10は、エネルギーマネジメント装置1と、モータ2と、エンジン3と、発電機4と、表示装置5とを備えて構成される。本実施の形態のエネルギーマネジメント装置1は、車両10のエネルギー消費を管理する。
エネルギーマネジメント装置1は、走行経路探索部11、車両情報取得部12、制御計画演算部13、演算結果表示制御部14、ユーザ設定入力部15、ユーザ設定記憶部16および車両機器制御部17を備えて構成される。
エネルギーマネジメント装置1は、不図示の制御部を備える。制御部は、たとえば中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)を含んで構成されるプロセッサと、書き込み可能なRAM(Random Access Memory)を含んで構成されるメモリとによって実現される。メモリは、制御プログラムを記憶する。プロセッサが、メモリに記憶されている制御プログラムを実行することによって、エネルギーマネジメント装置1を構成する走行経路探索部11、車両情報取得部12、制御計画演算部13、演算結果表示制御部14、ユーザ設定入力部15、ユーザ設定記憶部16および車両機器制御部17の全部または一部が実現される。
走行経路探索部11は、以下のようにして、車両10の現在地から目的地までの走行経路(以下「車両10の走行経路」という場合がある)を探索する。走行経路探索部11は、車両10の走行経路の探索を行うために、目的地および経由地に関する情報を取得する。
目的地および経由地に関する情報は、たとえば、車両10のユーザによってユーザ設定入力部15に入力され、走行経路探索部11に与えられる。車両10のユーザは、たとえば不図示のユーザインタフェースを用いることによって、目的地および経由地に関する情報を設定情報としてユーザ設定入力部15に入力する。不図示のユーザインタフェースは、車両10に搭載されてもよいし、車両10の外部に設置されてもよい。
目的地および経由地に関する情報は、走行経路探索部11が、車両10の走行履歴などの履歴情報から目的地を推定することによって取得されてもよい。
走行経路探索部11は、車両10の内部であって、エネルギーマネジメント装置1の内部または外部に設置される不図示の全地球測位システム(Global Positioning system;略称:GPS)センサから、車両10の現在地に関する現在地情報を取得する。
走行経路探索部11は、車両10の内部であって、エネルギーマネジメント装置1の内部もしくは外部に設置される記憶装置、または車両10の外部のデータベースから、車両10の現在地、目的地および経由地を含む地域の地図情報を取得する。
走行経路探索部11は、取得した目的地および経由地に関する情報、現在地情報および地図情報に基づいて、車両10の走行経路を探索する。また走行経路探索部11は、取得した地図情報から、探索した走行経路の勾配に関する情報を取得する。また走行経路探索部11は、取得した現在地情報および地図情報に基づいて、車両10が走行経路を走行するときの車両10の走行速度の推定値を演算する。
走行経路探索部11は、探索した車両10の走行経路を表す走行経路情報を制御計画演算部13に与える。また走行経路探索部11は、取得した走行経路の勾配に関する情報、および演算した車両10の走行速度の推定値を制御計画演算部13に与える。
以上に述べた走行経路探索部11の機能を実現する装置としては、たとえばナビゲーションシステムを使用してもよい。
車両情報取得部12は、前述の走行経路探索部11によって探索された走行経路を車両10が走行することで消費するエネルギーの予測値を演算するために必要となる車両情報を取得する。車両情報は、車両自体に関する情報、および車両に関係する情報、たとえば車両に搭載される機器に関する情報を含む。車両情報取得部12は、取得した車両情報を制御計画演算部13に与える。
車両情報としては、車両10の諸元情報、モータ2の特性情報、エンジン3の特性情報、および発電機4の特性情報がある。車両情報は、車両10の走行に必要となる駆動力を、モータ2、エンジン3もしくは発電機4の各機器、またはそれらの組合せで発生させる場合の各機器の回転数、トルク、消費電力、燃料消費量、および発電量の特性を示すデータマップであってもよい。
車両10の諸元情報は、たとえば、車両10の重量、車両10の車体の前面投影面積、空気抵抗係数、転がり抵抗、タイヤの半径、ギア比、回転系のフリクションロス、補機の消費電力などである。モータ2の特性情報は、たとえば、モータ2の回転数、トルクおよび電力消費量の特性を示すデータマップである。エンジン3の特性情報は、たとえば、エンジン3の回転数、トルクおよび燃料消費量の特性を示すデータマップである。発電機4の特性情報は、たとえば、発電機4の回転数およびトルク、ならびに発電機4から出力される電力である。
制御計画演算部13は、走行計画の演算のための入力条件、すなわち演算に使用するために制御計画演算部13に入力される条件が、走行経路探索部11から与えられる走行経路情報と、車両情報取得部12から与えられる車両情報との2つのみである場合は、以下のように演算を行う。制御計画演算部13は、走行経路情報と車両情報とに基づいて、車両10が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、車両10に搭載されたモータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算する。
制御計画演算部13は、走行計画の演算のための入力条件が、走行経路探索部11から与えられる走行経路情報と、車両情報取得部12から与えられる車両情報とに加えて、ユーザによってユーザ設定入力部15に入力された、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか1つまたは両者に関する情報である場合には、以下のように演算を行う。制御計画演算部13は、走行経路上の特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか1つまたは両者に関する情報を制約条件とした上で、走行経路情報と車両情報とに基づいて、車両10が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、車両10に搭載されたモータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算する。
また、制御計画演算部13は、走行経路の終端地点までの到達可否を示す予測値、走行経路の終端地点におけるSOCの予測値、および車両10が走行経路を走行することによって消費する燃料消費量の予測値を演算して、演算結果を演算結果表示制御部14、ユーザ設定入力部15および車両機器制御部17に与える。
制御計画演算部13は、制御計画の演算結果が、車両10が走行経路の途中で燃料残量またはSOCが下限値となって走行経路を完走することが不可能となることを示すと判断した場合、すなわち走行経路の終端地点までの到達可否を示す予測値が、到達不可能であることを示す場合には、条件を変更して再度、制御計画を演算する。具体的には、制御計画演算部13は、ユーザ設定入力部15においてユーザが設定した特定制御計画および特定蓄電計画の優先順位に従って、段階的に特定制御計画および特定蓄電計画を解除して、走行経路の途中で燃料残量またはSOCが下限値とならないように、制御計画を演算する。
制御計画演算部13が演算する走行に係るエネルギーを最適化する方法としては、動的計画法(Dynamic Programming;略称:DP)、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm;略称:GA)、およびラグランジュの未定乗数法(Lagrange multiplier method)のいずれの方法を適用してもよい。
演算結果表示制御部14は、走行経路探索部11によって探索された走行経路を表す走行経路情報、制御計画演算部13から与えられたモータ2、エンジン3および発電機4の制御計画、走行経路の終端地点までの到達可否を示す予測値、走行経路の終端地点におけるSOCの予測値、走行経路を走行することにより消費する燃料消費量の予測値、ユーザ設定記憶部16に記憶されたユーザが過去に入力した特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか1つまたは両者に関する情報(以下「過去の入力情報」という場合がある)を、表示装置5に与えて、表示させる。
表示装置5は、たとえば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;略称:LCD)モニタによって実現される。表示装置5は、本実施の形態では、車両10の内部であって、エネルギーマネジメント装置1の外部に設置されている。これに限定されず、表示装置5は、エネルギーマネジメント装置1の内部に設置されてもよい。
ユーザ設定入力部15は、制御計画演算部13から与えられる走行経路の終端地点までの到達可否を示す予測値が、車両10が走行経路の終端地点に到達不可能であることを示す場合、ユーザに対して、走行計画の再計画を行うように促す。この場合、ユーザ設定入力部15は、演算結果表示制御部14を介して、表示装置5に走行計画の再計画を行うように促す画像を表示させる。ユーザ設定入力部15は、ユーザによって入力される、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか1つまたは両者を変更したもの、ならびに特定制御計画および特定蓄電計画の優先度を変更したものを表す情報を制御計画演算部13に与えて、制御計画演算部13に制御計画の再計画を指示する。
ユーザ設定入力部15は、ユーザによって、制御計画または走行経路の変更を希望する旨の入力が行われた場合にも同様にして、制御計画演算部13に制御計画の再計画を指示する。この場合、ユーザ設定入力部15は、ユーザによって入力された目的地および経由地に関する情報、すなわち変更された目的地および経由地に関する情報を、入力情報として制御計画演算部13に与えて、制御計画演算部13に制御計画の再計画を指示する。
ユーザ設定入力部15は、たとえば、タッチパネルによって構成される。この場合、ユーザによって、ユーザ設定入力部15を構成するタッチパネルが操作されて、前述の情報が入力される。ユーザ設定入力部15は、タッチパネルに限定されるものではなく、たとえば、ユーザのパーソナルコンピュータ(Personal Computer;略称:PC)またはスマートフォンなどから入力された情報を含む信号を受信する受信部として構成され、PCまたはスマートフォンなどから送信された信号を受信することによって、前述の情報が入力される構成であってもよい。
ユーザ設定記憶部16は、過去の入力情報を記憶する。過去の入力情報は、たとえば、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか一つまたは両者に関する情報である。ユーザ設定記憶部16に記憶された過去の入力情報は、制御計画演算部16によって読み出され、演算結果表示制御部14を介して表示装置5に与えられて表示される。これによって、過去の入力情報を再利用することが可能となる。ユーザ設定記憶部16は、たとえばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;略称:HDD)装置、または半導体メモリなどの記憶装置によって実現される。
車両機器制御部17は、制御計画演算部13から与えられる制御信号に従い、モータ2、エンジン3、および発電機4を制御する。
モータ2、エンジン3および発電機4は、化石燃料および電力などの異なるエネルギー源で駆動される車両機器である。モータ2および発電機4は、電力をエネルギー源として駆動される。エンジン3は、化石燃料、具体的にはガソリンをエネルギー源として駆動される。
本実施の形態では、エネルギーマネジメント装置1によって制御される車両機器は、モータ2、エンジン3および発電機4であるが、車両10の構成に応じて増減してもよい。
図2および図3は、本発明の実施の一形態であるエネルギーマネジメント装置1の動作の処理手順を示すフローチャートである。図2および図3に示すフローチャートの処理は、エネルギーマネジメント装置1を構成する走行経路探索部11、車両情報取得部12、制御計画演算部13、演算結果表示制御部14、ユーザ設定入力部15、ユーザ設定記憶部16および車両機器制御部17によって実行される。図2および図3に示すフローチャートの処理は、たとえば車両10の起動、具体的にはモータ2またはエンジン3の起動などによって開始され、ステップS1に移行する。
ステップS1において、走行経路探索部11は、目的地および経由地に関する入力情報があるか否か、すなわち目的地および経由地に関する情報が入力されたか否かを判断する。目的地および経由地に関する入力情報があると判断された場合は、ステップS2に移行し、目的地および経由地に関する入力情報がないと判断された場合は、ステップS14に移行する。
ステップS14において、走行経路探索部11は、予め定める第1の入力待機時間が経過したか否かを判断する。第1の入力待機時間が経過していないと判断された場合は、ステップS1に戻り、第1の入力待機時間が経過したと判断された場合は、全ての処理手順を終了する。第1の入力待機時間が経過したと判断されて、全ての処理手順が終了した場合、エネルギーマネジメント装置1によるエネルギーマネジメントを行わずに車両10の走行が開始されることになる。
ステップS2において、走行経路探索部11は、目的地および経由地に関する入力情報に基づいて、走行経路を探索する。また走行経路探索部11は、目的地および経由地に関する入力情報の他に、GPSなどの装置から得られる車両10の現在地に関する情報、ならびに経路探索のために必要な車両10の現在地、目的地および経由地を含む地域の地図情報を取得する。走行経路探索部11は、取得した前述の情報から、車両10の走行経路、走行経路の勾配に関する情報、および車両10の走行速度の推定値を演算する。ステップS2の処理が終了すると、ステップS3に移行する。
ステップS3において、車両情報取得部12は、車両10が走行経路を走行することによって消費するエネルギーの予測値を演算するために必要となる車両情報を取得する。車両情報としては、車両10の諸元情報、モータ2の特性情報、エンジン3の特性情報、および発電機4の特性情報がある。車両情報は、車両10の走行に必要となる駆動力を、モータ2、エンジン3もしくは発電機4の各機器、またはそれらの組合せで発生させる場合の各機器の回転数、トルク、消費電力、燃料消費量、および発電量の特性を示すデータマップであってもよい。
車両10の諸元情報は、たとえば、車両10の重量、車両10の車体の前面投影面積、空気抵抗係数、転がり抵抗、タイヤの半径、ギア比、回転系のフリクションロス、補機の消費電力などである。モータ2の特性情報は、たとえば、モータ2の回転数、トルクおよび電力消費量の特性を示すデータマップである。エンジン3の特性情報は、たとえば、エンジン3の回転数、トルクおよび燃料消費量の特性を示すデータマップである。発電機4の特性情報は、たとえば、発電機4の回転数およびトルク、ならびに発電機4から出力される電力である。ステップS3の処理が終了すると、ステップS4に移行する。
ステップS4において、制御計画演算部13は、走行経路探索部11から与えられる走行経路情報と、車両情報取得部12から与えられる車両情報とに基づいて、制御計画、行経路の終端地点までの到達可否、走行経路の終端地点におけるSOC、および走行経路を走行することによって消費する燃料消費量を演算する。制御計画は、具体的には、車両10が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、車両10に備えられるモータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算する。ステップS4の処理が終了すると、ステップS5に移行する。
ステップS5において、制御計画演算部13は、ユーザ設定記憶部16に記憶された過去の入力情報を読み込む。過去の入力情報は、たとえば特定制御計画および特定蓄電計画に関する情報である。ステップS5の処理が終了すると、ステップS6に移行する。
ステップS6において、演算結果表示制御部14は、制御計画演算部13から与えられる制御計画、到達可否、SOCおよび燃料消費量の演算結果、走行経路探索部11から与えられる走行経路情報、ならびに過去の入力情報を表示装置5に与えて表示する。演算結果表示制御部14は、過去の入力情報を表示装置5に表示して選択可能とすることによって、ユーザが過去の入力情報を直接選択して数値の入力を省略することができるようにする。これによって、ユーザの利便性を向上させることができる。ステップS6の処理が終了すると、図3に示すステップS7に移行する。
ステップS7において、制御計画演算部13は、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報があるか否かを判断する。たとえば、ユーザが、ステップS6の演算結果表示制御部14による表示装置5を用いた通知内容に基づいて、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか1つまたは両者、ならびに特定制御計画の優先度および特定蓄電計画の優先度のいずれか1つまたは両者についての設定を行う場合、これらの特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する情報(以下「入力情報」という場合がある)を、ユーザ設定入力部15が受付けて制御計画演算部13に与える。
制御計画演算部13は、ユーザ設定入力部15から与えられる情報に基づいて、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報があるか否かを判断する。特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報があると判断された場合は、ステップS8に移行し、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報がないと判断された場合は、ステップS15に移行する。
ステップS15において、制御計画演算部13は、予め定める第2の入力待機時間が経過したか否かを判断する。第2の入力待機時間が経過していないと判断された場合は、ステップS7に戻り、第2の入力待機時間が経過したと判断された場合は、ステップS13に移行する。
ステップS8において、演算計画演算部13は、走行経路探索部11から与えられる走行経路情報と、車両情報取得部12から与えられる車両情報と、ユーザ設定入力部15から与えられる特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報に含まれる特定制御計画および特定蓄電計画の一方または両方とに基づいて、モータ2、エンジン3および発電機4の制御計画、走行経路の終端地点までの到達可否、走行経路の終端地点におけるSOC、および走行経路を走行することによって消費する燃料消費量を演算する。演算計画演算部13は、車両10が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、車両10に搭載されたモータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算する。
制御計画演算部13は、制御計画の演算結果が、車両10が走行経路の途中で燃料残量またはSOCが下限値となり、走行経路を完走することが不可能であることを示すと判断した場合には、ユーザ設定入力部15においてユーザが設定した特定制御計画および特定蓄電計画の優先順位に従って、段階的に特定制御計画および蓄電計画を解除して、走行経路の途中で燃料残量またはSOCが下限値とならないように、制御計画を演算する。ステップS8の処理が終了すると、ステップS9に移行する。
ステップS9において、制御計画演算部13は、ユーザ設定記憶部16に記憶された過去の入力情報を読み込む。過去の入力情報は、たとえば特定制御計画および特定蓄電計画に関する情報である。ステップS9の処理が終了すると、ステップS10に移行する。
ステップS10において、演算結果表示制御部14は、制御計画演算部13から与えられる制御計画、到達可否、SOCおよび燃料消費量の演算結果、走行経路探索部11から与えられる走行経路情報、ならびに過去の入力情報を表示装置5に与えて表示する。過去の入力情報は、ユーザ設定記憶部16から読み込んだ特定制御計画および特定蓄電計画に関する過去の入力情報である。演算結果表示制御部14は、過去の入力情報を表示装置5に表示して選択可能とすることによって、ユーザが過去の入力情報を直接選択して数値の入力を省略することができるようにする。これによって、ユーザの利便性を向上させることができる。ステップS10の処理が終了すると、ステップS11に移行する。
ステップS11において、制御計画演算部13は、目的地および経由地に関する入力情報を変更するか否かを判断する。目的地および経由地に関する入力情報を変更すると判断された場合は、図2に示すステップS1に戻り、目的地および経由地に関する入力情報を変更しないと判断された場合は、ステップS12に移行する。ステップS11の処理が終了すると、ステップS12に移行する。
ステップS12において、制御計画演算部13は、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報を変更するか否かを判断する。特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報を変更すると判断された場合は、ステップS7に戻り、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報を変更しないと判断された場合は、ステップS13に移行する。
たとえば、ユーザが、ステップS10で表示装置5に表示された情報を見ることで、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか一つまたは両者、ならびに特定制御計画の優先度および特定蓄電計画の優先度についての入力情報の変更が必要と判断した場合、ユーザ設定入力部15がユーザからの制御計画および特定蓄電計画、および特定制御計画の優先度および特定蓄電計画の優先度に関する入力情報を受け付け、制御計画演算部13に与える。ユーザが制御計画および特定蓄電計画の再設定を不要であると判断した場合には、ユーザ設定入力部15では入力情報は受け付けられないので、ユーザ設定入力部15から制御計画演算部13に与える入力情報はない。
制御計画演算部13は、ユーザ設定入力部15から与えられる入力情報に基づいて、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれかに関する入力情報を変更するか否かを判断する。
ステップS13において、走行計画の設定を完了し、全ての処理手順を終了する。処理手順の終了を受けて、車両10が走行を開始する。前述のステップS15で第2の入力待機時間が経過したと判断されてステップS13に移行して、全ての処理手順が終了した場合は、特定制御計画および特定蓄電計画のいずれか一方または両方による走行計画の修正が無い、通常のエネルギーマネジメントが行われて、車両10の走行が開始されることになる。
以上のように本実施の形態によれば、走行経路探索部11によって探索された走行経路内の1つまたは複数の区間において、制御計画演算部13によって演算された複数のエネルギー源であるモータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を補正するための設定情報が、ユーザによってユーザ設定入力部15に入力されると、制御計画演算部13によって制御計画が演算される。
制御計画演算部13は、走行経路探索部11によって探索された走行経路を表す走行経路情報、車両情報取得部12によって取得された車両情報、およびユーザ設定入力部15に入力された設定情報に基づいて、車両10が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、モータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算する。
これによって、エネルギー消費量の低減とユーザの利便性の確保とを両立することができる。したがって、走行経路、制御計画、および特定制御計画、特定蓄電計画のいずれについてもユーザの満足が得られ、かつ走行経路を完走することが可能となる、走行計画および制御計画が完成する。
また本実施の形態では、走行経路内の1つまたは複数の区間における制御計画としてユーザによって設定される特定制御計画が、設定情報としてユーザ設定入力部15に入力される。これによって、制御計画演算部13において、走行経路情報および車両情報に加えて、特定制御計画に基づいて、モータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算することができる。したがって、ユーザが所望する制御計画を得ることができる。
また本実施の形態では、走行経路の終端地点または走行経路内の1つまたは複数の地点において、車両10に搭載された不図示のバッテリに蓄積されている電力量の制限値としてユーザによって設定される特定蓄電計画が、設定情報としてユーザ設定入力部15に入力される。これによって、制御計画演算部13において、走行経路情報および車両情報に加えて、特定蓄電計画に基づいて、モータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算することができる。したがって、ユーザが所望する制御計画を得ることができる。
また本実施の形態では、制御計画演算部13は、演算した制御計画が、車両10のエネルギー源が供給可能なエネルギーの残量が走行経路の途中で下限値となり、車両10が走行経路を完走することが不可能となることを示すと判断すると、目的地、走行経路および設定情報の少なくとも1つを再設定するように、ユーザ設定入力部に通知する。これによって、ユーザ設定入力部は、目的地、走行経路および設定情報の少なくとも1つを入力情報として受け付け、制御計画演算部13に与える。したがって、車両10のエネルギー源が供給可能なエネルギーの残量が走行経路の途中で下限値とならず、車両10が走行経路を完走することが可能な制御計画を得ることができる。
また本実施の形態では、ユーザ設定入力部15は、複数の設定情報が入力される場合、複数の設定情報の優先順位をユーザによって設定可能に構成される。これによって、ユーザが設定した優先順位に基づいて、制御計画演算部13による制御計画の演算を行うことができる。したがって、ユーザが所望する制御計画をより確実に得ることができるので、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
また本実施の形態では、制御計画演算部13は、複数の設定情報が入力される場合、ユーザ設定入力部15でユーザによって設定された優先順位に従って、複数の設定情報を段階的に解除して、車両10のエネルギー源であるモータ2、エンジン3および発電機4の供給可能なエネルギーの残量が走行経路の途中で下限値とならないように、エネルギー源の制御計画を演算する。これによって、ユーザの希望に沿った制御計画を得ることができる。したがって、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
また本実施の形態では、複数のエネルギー源は、車両10に搭載されるモータ2、エンジン3および発電機4であり、制御計画は、モータ2、エンジン3および発電機4の回転数およびトルクの時間的変化によって定義される。これによって、車両機器制御部17において、制御計画をより容易に実行することが可能となる。したがって、エネルギー消費量の低減をより確実に実現することができる。
また本実施の形態では、複数のエネルギー源は、車両10に搭載されるモータ2、エンジン3および発電機4であり、制御計画は、(a)モータ2が出力する動力のみを動力源にして走行する第1の走行モード、(b)エンジン3が出力する動力のみを動力源にして走行する第2の走行モード、(c)モータ2およびエンジン3の出力を合成した動力を動力源にして走行する第3の走行モード、ならびに(d)エンジン3の出力を発電機4に入力して回転させて得られた電力を蓄電しつつ車両10を走行させる第4の走行モードを含む。
制御計画演算部13は、走行経路を分割して設定した小区間に、各走行モードを割り当てることによって、モータ2、エンジン3および発電機4の制御計画を演算するので、車両機器制御部17において、より容易に実行可能な制御計画を得ることができる。したがって、エネルギー消費量の低減をより確実に実現することができる。
また本実施の形態では、エネルギーマネジメント装置1は、ユーザ設定記憶部16を備える。ユーザ設定記憶部16は、ユーザによってユーザ設定入力部15に入力された設定情報、すなわち過去の入力情報を記憶する。演算結果表示制御部14は、ユーザ設定記憶部16に記憶される過去の入力情報を、制御計画線残部13を介して取得し、表示装置5に与えて表示させる。
これによって、過去の入力情報を表示装置5に表示して、ユーザによって選択可能とすることができるので、ユーザが過去の入力情報を直接選択することが可能となり、数値の入力を省略することができる。したがって、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。
1 エネルギーマネジメント装置、2 モータ、3 エンジン、4 発電機、5 表示装置、10 車両、11 走行経路探索部、12 車両情報取得部、13 制御計画演算部、14 演算結果表示制御部、15 ユーザ設定入力部、16 ユーザ設定記憶部、 17 車両機器制御部。

Claims (9)

  1. 複数のエネルギー源から駆動力を得て走行する車両に用いられるエネルギーマネジメント装置であって、
    前記車両の目的地および経由地に関する情報に基づいて、前記車両の現在地から目的地までの走行経路を探索する走行経路探索部と、
    前記走行経路探索部によって探索された前記走行経路における前記車両のエネルギーの消費に関係する情報である車両情報を取得する車両情報取得部と、
    前記走行経路を表す走行経路情報および前記車両情報取得部によって取得された前記車両情報に基づいて、前記車両が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、前記複数のエネルギー源の制御計画を演算する制御計画演算部と、
    前記走行経路情報、および前記制御計画演算部によって演算された前記制御計画を表示装置に与えて表示させる演算結果表示制御部と、
    前記走行経路内の1つまたは複数の区間において前記制御計画を補正するための設定情報がユーザによって入力されるユーザ設定入力部と
    ユーザによって前記ユーザ設定入力部に過去に入力された前記設定情報を記憶するユーザ設定記憶部とを備え、
    前記演算結果表示制御部は、前記ユーザ設定記憶部に記憶される、過去に入力された前記設定情報を前記表示装置に与えて表示させて、ユーザによって選択可能とし、
    前記制御計画演算部は、前記ユーザ設定入力部に前記設定情報が入力されると、前記走行経路情報、前記車両情報および前記設定情報に基づいて、前記車両が現在地から目的地まで走行する間に消費するエネルギーが最小となるように、前記複数のエネルギー源の制御計画を演算することを特徴とするエネルギーマネジメント装置。
  2. 前記ユーザ設定入力部には、前記走行経路内の1つまたは複数の区間における前記制御計画としてユーザによって設定される特定制御計画が、前記設定情報として入力されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーマネジメント装置。
  3. 前記ユーザ設定入力部には、前記走行経路の終端地点または前記走行経路内の1つまたは複数の地点において、前記車両に搭載されたバッテリに蓄積されている電力量の制限値としてユーザによって設定される特定蓄電計画が、前記設定情報として入力されることを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギーマネジメント装置。
  4. 前記制御計画演算部は、
    演算によって得られる制御計画が、前記車両の前記エネルギー源が供給可能なエネルギーの残量が、前記走行経路の途中で下限値となり、前記車両が前記走行経路を完走することが不可能となることを示すと判断すると、
    前記目的地、前記走行経路および前記設定情報の少なくとも1つを再設定するように、前記ユーザ設定入力部に通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のエネルギーマネジメント装置。
  5. 前記ユーザ設定入力部は、複数の前記設定情報が入力される場合、複数の前記設定情報の優先順位をユーザによって設定可能に構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のエネルギーマネジメント装置。
  6. 前記制御計画演算部は、複数の前記設定情報を前記優先順位に従って段階的に解除して、前記車両の前記エネルギー源が供給可能なエネルギーの残量が前記走行経路の途中で下限値とならないように、前記制御計画を演算することを特徴とする請求項5に記載のエネルギーマネジメント装置。
  7. 前記複数のエネルギー源は、前記車両に搭載されるモータ、エンジンおよび発電機を含み、
    前記複数のエネルギー源の制御計画は、前記モータ、エンジンおよび発電機の回転数およびトルクの時間的変化によって定義されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のエネルギーマネジメント装置。
  8. 前記複数のエネルギー源は、前記車両に搭載されるモータ、エンジンおよび発電機を含み、
    前記複数のエネルギー源の制御計画は、前記モータが出力する動力のみを動力源にして走行する第1の走行モード、前記エンジンが出力する動力のみを動力源にして走行する第2の走行モード、前記モータおよび前記エンジンの出力を合成した動力を動力源にして走行する第3の走行モード、ならびに前記エンジンの出力を前記発電機に入力して回転させて得られた電力を蓄電しつつ前記車両を走行させる第4の走行モードを含み、
    前記制御計画演算部は、前記走行経路を分割して設定した小区間に、各前記走行モードを割り当てることによって、前記モータ、前記エンジン、および前記発電機の制御計画を演算することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載のエネルギーマネジメント装置。
  9. ユーザによって前記ユーザ設定入力部に入力された前記設定情報を記憶するユーザ設定記憶部を備え、
    前記演算結果表示制御部は、前記ユーザ設定記憶部に記憶される前記設定情報を前記表示装置に与えて表示させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載のエネルギーマネジメント装置。
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