<実施形態1>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態1に係る遊技台(スロットマシン)について説明する。
<基本構成>
まず、図1および図2を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、入賞ラインの一例を示す図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。
図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、左リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110乃至112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。
そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。入賞ラインとは、後述する図5で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことである。
本実施形態では左リール中段図柄、中リール中段図柄および右リール中段図柄で構成される中段入賞ラインL1、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインL2、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインL3、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段入賞ラインL4、の4つの入賞ラインが設けられている。図2には、これらの入賞ラインが示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。
本実施形態のスロットマシン100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満のときはどの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに全入賞ラインL1〜L4が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ラインの数については4ラインに限定されるものではない。例えば、中段入賞ラインL1、右下がり入賞ラインL2および右上がり入賞ラインL3の3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役)に内部当選していること、または、後述する特別遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。
より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第一停止操作、次の停止操作を第二停止操作、最後の停止操作を第三停止操作という。
また、これらの停止操作に対応して停止されるリールを順に第1停止リール、第2停止リール、第3停止リールと称する。さらに、回転中の各リール110乃至112を全て停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。さらに、第一停止操作を左リール110の停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第一停止操作を右リール112の停止操作とする停止操作を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
演出ボタン170は、遊技者による各種操作を受け付けるためのボタンであり、この例では、上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン、OKボタン、および、キャンセルボタンの6つのボタンを有して構成されている。この演出ボタン170は、遊技に関する各種操作(例えば、後述する演出モードの選択など)に用いられる他、パスワード入力などにも用いられるものである。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。なお、この液晶表示装置157は、本発明の報知手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、右リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および、右リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、ベットボタンランプ200、リールバックライト等)が接続されている。また、第1副制御部400は、センサ回路172を備えており、CPU404は、割り込み時間ごとに演出ボタン170の操作を受付けたかどうかを監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号0のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号2のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役と、一般役(再遊技役1〜再遊技役4、小役1〜小役3)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。本実施形態における入賞役のうち、特別役は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役4は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役および再遊技役1〜再遊技役4への入賞が含まれる。
特別役は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、「セブン1−セブン1−セブン1」または「セブン2−セブン2−セブン2」である。
特別役に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせが、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT3)については後述する。
主制御部300は、特別役に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT4と称することがある)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると再遊技低確率状態(以下、この状態をRT0と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態(RT4)および再遊技低確率状態(RT1)については後述する。
再遊技役1〜再遊技役4は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−リプレイ−ベル(昇格リプレイ)」、再遊技役3は「ベル−リプレイ−リプレイ(転落リプレイ)」、再遊技役4は「BAR−BAR−BAR(特典リプレイ)」である。
主制御部300は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態を再遊技低確率状態(RT1)から再遊技高確率状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行させ、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態を再遊技高確率状態(RT2)から再遊技低確率状態(RT1)に移行させる。
上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
「小役(小役1〜小役3)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役2が「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」、小役3が「ANY−ベル−ANY(ベル)」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。また、「ANY−ベル−ANY」の場合、中リール111の図柄が「ベル」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6は、スロットマシン100の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100は、大別すると再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、特別遊技状態(RT4)の計4つの遊技状態があり、これらの遊技状態は主制御部300によって制御されている。図6(a)には、これらの4つの遊技状態が示されている。また、図6(b)には各遊技状態の移行条件が記載され、図6(a)には、各遊技状態を結ぶ矢印上に図6(b)に示す移行条件に対応する記号が記載されている。各矢印に記載された記号に対応する移行条件が成立すると、その矢印方向に向かって遊技状態が遷移する。この遊技状態が移行する条件には、例えば、所定の役に入賞すること、所定の役に内部当選すること、特定の入賞ラインに特定の図柄組み合わせが停止表示すること、規定回数の遊技が消化されたこと、および所定枚数の払出しがされることなどがある。
図7は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。以降説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。
例えば、再遊技低確率状態(RT1)においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536*100≒8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
<再遊技低確率状態(RT1>
再遊技低確率状態は、再遊技の内部当選確率が他の遊技状態(例えば特別遊技状態を除く遊技状態)のうち最も低い(遊技者にとって不利な)遊技状態であり、通常遊技状態と称することもある。再遊技低確率状態では、図7に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技低確率状態において内部当選する入賞役には、特別役、再遊技役1、再遊技役1−2、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで、「再遊技役1−2」とは、再遊技役1および再遊技役2が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、再遊技役2に対応する図柄組み合わせ(昇格リプレイ)が表示され(図7備考欄中、操作順序正解時参照)、それ以外の場合には、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される(図7備考欄中、操作順序不正解時参照)。
実施形態のスロットマシン100においては、第一停止操作、第二停止操作、第三停止操作の組み合わせによって複数の操作順序がある(例えば、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の計6通り)。上記説明した「再遊技役1−2」は、これらの操作順序のうちの一つを上記正解操作順序とする「再遊技役1−2」が複数種類存在する。また、これら複数種類の「再遊技役1−2」の内部当選確率は均等である。図7に示す内部当選確率は、これら複数種類の「再遊技役1−2」の内部当選確率の総和である。この「再遊技役1−2」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが操作順序によって決定される再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。
ここまで、図7における「再遊技役1−2」について説明したが、「小役3a」でも遊技者の操作順序に応じて遊技者の有利不利が異なるように設定されている。以下、具体的に説明する。「小役3a」に内部当選した場合には、遊技者の操作順序に応じて小役3に対応する図柄組み合わせが表示される入賞ラインが決定される(図7備考欄参照)。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合には、「ベル図柄」が中リール111の中段(図2に示す番号5の位置参照)に表示され、それ以外の場合には、「ベル図柄」が中リール111の下段(図2に示す番号6の位置参照)に表示される。
「ベル図柄」が中リール111の中段(図2に示す番号5の位置参照)に表示されると、図2に示す中段入賞ラインL1、右下がり入賞ラインL2、および右上がり入賞ラインL3の3つの入賞ラインで小役3に対応する図柄組み合わせが揃い、12枚のメダルが払出される(図7備考欄中、操作順序正解時参照)。また、「ベル図柄」が中リール111の下段(図2に示す番号6の位置参照)に表示されると、図2に示す下段入賞ラインL4に対応する図柄組み合わせが揃い、4枚のメダルが払出される(図7備考欄中、操作順序不正解時参照)。
本実施形態のスロットマシン100においては、第一停止操作、第二停止操作、第三停止操作の組み合わせによって複数の操作順序がある(例えば、左右中、左中右、右中左、右左中、中第1停止の計5通り)。上記説明した「小役3a」は、これらの操作順序のうちの一つを上記正解操作順序とする「小役3a」が、複数の操作順序のそれぞれに応じて複数種類存在する。また、これらの「小役3a」の内部当選確率は、均等に設定されている。すなわち、特定の操作順序で停止操作を行うと遊技者に有利になる、というような有利不利が存在しない。なお、本実施形態は一例であって、例えばこれらの内部当選確率を異ならせて特定の操作順序に従って停止操作をした場合に遊技者に有利になるようにしてもよい。この「小役3a」のように、当選役に対応する図柄組み合わせが操作順序によって決定される小役を「押し順小役」と呼ぶ場合がある。
図6に戻って、再遊技低確率状態(RT1)において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合(再遊技役2に入賞した場合。移行条件(A)が成立した場合)には、後述する再遊技高確率状態(RT2)に移行することが示されている。また、同図には、特別役に内部当選した場合(移行条件(C)が成立した場合)には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示されている。さらに、特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合(特別役に入賞した場合。移行条件(D)が成立した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT1)よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率状態(RT2)では、図7に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技高確率状態(RT2)において内部当選する入賞役には、特別役、再遊技役1、再遊技役1−3、再遊技役1−4、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
ここで、「再遊技役1−3」とは、再遊技役1および再遊技役3が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合は、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示され(図7備考欄中、操作順序正解時参照)、それ以外の場合には、再遊技役3に対応する図柄組み合わせ(転落リプレイ)が表示される(図7備考欄中、操作順序不正解時参照)。
また、「再遊技役1−4」とは、再遊技役1および再遊技役4が同時に内部当選したことを指す。この場合、遊技者の操作順序、および遊技者の停止操作のタイミングに応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされ、かつ入賞ラインのいずれかにおいて再遊技役4(特典リプレイ)の入賞が不可能でない限り、その入賞ラインに再遊技役4を構成する図柄(BAR図柄)を停止させる。一方、それ以外の場合には、いずれかの入賞ラインに再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(通常リプレイ)が表示される(図7備考欄中、操作順序不正解時参照)。
本実施形態のスロットマシン100は、表示窓113内の所定の領域からリールの回転方向上流側の所定の範囲内にある図柄を、この所定の領域に停止させる停止制御(いわゆる引込み制御)を行うことが可能となっている。この引込み制御によって、内部当選した役に応じた図柄を表示窓113の中に停止させやすくなっており、再遊技役4に入賞する可能性がある場合には、再遊技役4を構成する図柄の停止が優先される。
ここで、図8を用いて、「再遊技役1−4」に内部当選し、再遊技役4を構成する図柄が所定の入賞ラインから所定範囲(最大引込み範囲と同一の範囲、または最大引込み範囲に含まれる範囲)内にあるタイミングで停止操作がされた場合と、このタイミング以外とは異なるタイミングで停止操作がされた場合の一例について説明する。なお、本実施形態では上記所定範囲を最大引込み範囲と同一の範囲としている。図8は、再遊技役1−4に内部当選した場合の停止態様の一例を示す図である。
図8の中央の列(b)には、再遊技役1−4に内部当選し、予め定められた操作順序である正解操作順序(この例では、右、中、左、の逆押し)で、かつ、再遊技役4を構成するBAR図柄が中段入賞ラインL1から所定範囲(最大引込み範囲と同一の範囲、または最大引込み範囲に含まれる範囲)内にあるタイミングで停止操作がされ、再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(BAR−BAR−BAR)が中段入賞ラインL1に揃った様子が示されている。
一方、同図の左側の列(a)には、再遊技役1−4に内部当選し、予め定められた操作順序ではない不正解操作順序(この例では、左、中、右、の順押し)で停止操作がされ、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(ベル−ベル−ベル)が右下がり入賞ラインL2に揃った様子が示されている。
また、同図の右側の列(c)には、再遊技役1−4に内部当選し、予め定められた操作順序である正解操作順序(この例では、右、中、左、の逆押し)で停止操作がされたが、左リール110の停止操作時に、再遊技役4を構成するBAR図柄が中段入賞ラインL1から所定範囲(最大引込み範囲と同一の範囲、または最大引込み範囲に含まれる範囲)外にあるタイミングで停止操作がされ、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(ベル−ベル−ベル)が下段入賞ラインL4に揃った様子が示されている。
<ステッピングモータの概要>
ここで、本実施形態の遊技台において、リールの回転駆動を担うステッピングモータの概要と、通常の遊技におけるリール110〜112の制御(通常回転)について図面を用いて説明する。図9は、ステッピングモータの概要を示す図である。
図9(a)は、ステッピングモータの回転軸を中心にステッピングモータの構造を示す断面図である。このステッピングモータは所謂PM型のステッピングモータであり、その周囲に複数の磁石が配置された回転子Rと、所謂二相の巻線構成による4系統の電磁石が順に配置された固定子Sを備えている(図9(a)の拡大図参照)。なお、本実施形態ではPM型のステッピングモータを用いているが、例えば所謂HB型のステッピングモータのように、別の形式のモータを用いてもよい。
回転子Rに配置された磁石は、N極とS極が等間隔で交互に並ぶように配置されたものであり、その総数は252個である。固定子Sに配置された、電磁石A1、電磁石B1、電磁石A2、および電磁石B2の4系統の電磁石は、回転子Rに配置された磁石に対向するように等間隔で並べられている。1系統の電磁石の数は63個であり、固定子S全体には252個の電磁石が配置されている。
このステッピングモータは、固定子Sに配置された4系統の電磁石を制御することによって回転子Rの周囲に配置された磁石との間に力を与え、回転子Rを回転させるものである。図9(b)には、4系統の電磁石を制御する際に用いられる制御用のパルスの一例が示されている。このパルスは1−2相励磁と呼ばれる励磁方式のパルスである。この方式では、固定子Sの励磁パターンは8パターンになる。図9(c)には、この8つの励磁パターンが、4系統の電磁石に対する信号によって示されている。このパターンは主制御部300のROM306に記憶されている。
リール110〜112を順方向に回転させる場合には、パターン1、パターン2、パターン3、・・・というように、図9(c)に示すパターンを上から下に向かって順に切り替える制御を行う。なお、パターン8の次はパターン1に切り替える制御を行う。また、リール110〜112を逆方向に回転させる場合には、順方向に回転させる場合と逆に、図9(c)に示すパターンを下から上に向かって順に切り替える制御を行う。なお、パターン1の次はパターン8に切り替える制御を行う。さらに、リール110〜112を停止させる場合には、励磁パターンを維持する制御を行えばよい。ただし、本実施形態では、停止状態をより大きいトルクで維持するために、所謂2相励磁と呼ばれる励磁方式によりリール110〜112の停止状態を維持している。
本実施形態のステッピングモータは、励磁パターンを504回切り替えることで、リール110〜112を一回転させることができるものである。すなわち、リール110〜112の位置を0.71°(360°/504)刻みで制御することができる。なお、図柄1つ分移動させる場合は、順方向あるいは逆方向のいずれかの方向に励磁パターンを24回(504回/21図柄)切り替えることが必要になる。
以下、リール制御を行う際の励磁パターンの変化について、図10および図11を用いて説明する。図10は、リール制御の状態に対応する励磁切換パターンを表で示す、全2図中の1つ目の図である。図11は、リール制御の状態に対応する励磁切換パターンを表で示す、全2図中の2つ目の図である。
図10には、スタートレバー135の操作によって停止状態(停止制御状態)にあるリール110〜112を、一定速度になるまで徐々に加速(加速制御状態)し、その後停止操作の操作によって一定速度で回転(定速制御状態/引込み制御状態)しているリール110〜112をそれぞれ停止(ブレーキ制御状態)させるまでの、一連の制御を行うために切り換えられる励磁パターン(以下、励磁切換パターン)の詳細が示されている。
なお、例えば、リール110〜112に施された図柄の位置が表示窓113の有効ライン上に停止するように励磁パターンを調整する等の理由により、停止状態の励磁パターンが必ずしも同じ励磁パターンにならない。このため、図10では、図9(c)に示す励磁パターンのうち停止状態を維持している励磁パターンを基準(励磁パターンオフセット値が0の状態であるもの)とし、そこから順方向に励磁パターンを切り替える回数によって、励磁切換パターンを表している。図10には、この回数が励磁パターンオフセット値として示されている。例えば、励磁パターン2の状態でリールが停止状態である場合には、励磁パターンオフセット値が0であることが励磁パターン2であること示し、励磁パターンオフセット値が1であることが励磁パターン3であること示し、励磁パターンオフセット値が7であることが励磁パターン1であることを示す。また、図10および図11に示す表の保持時間の欄に示された値は、割込み時間である1.504msを基準とし、これに割込み回数を乗じた値となっている。
まず、項目「状態」の「停止制御状態」には、リール110〜112の停止状態を維持するための励磁切換パターンが示されている。この励磁切換パターンによれば、2相励磁方式により一つの励磁パターンを維持することによってリール110〜112の停止状態が保持され、その際のステッピングモータの使用電流は20%であることが示されている。
続いて、スタートレバー135の操作によりリール110〜112の回転を開始する制御が行われる。項目「状態」の「加速制御状態」には、リール110〜112の回転を加速させる制御を行うための励磁切換パターンが示されている。例えば、最初の励磁パターンオフセット値が0の状態から励磁パターンオフセット値が2の状態になるまでには、励磁パターンオフセット値が0の状態を18ms(12回の割込み)、励磁パターンオフセット値が1の状態を18ms(12回の割込み)、励磁パターンオフセット値が2の状態を4.5ms(3回の割込み)、それぞれ保持することが示されている。この励磁切換パターンによれば、1−2相励磁方式の励磁パターンを順次切り替えてゆき、その保持時間を徐々に短くしていくことにより、リール110〜112の回転を加速させる制御が実行されることが示されている。なお、この制御におけるステッピングモータの使用電流は100%であることが示されている。
リール110〜112の回転速度が一定速度に到達した後、ストップボタン137〜139の操作に基づき後述するブレーキ制御状態となるまで、リール110〜112の回転速度は一定速度に保たれる。項目「状態」の「定速制御状態/引込み制御状態」には、リール110〜112の回転速度を一定速度に保つための励磁切換パターンが示されている。ここでは、全ての励磁パターンが1.5ms(1回の割込み)保持されることが示されている。すなわち、この励磁切換パターンでは、所望の速度に合わせて1−2相励磁方式の励磁パターンを等間隔で順次切り替えることが示されている。この制御により、リール110〜112の回転速度が一定に保たれる。この制御におけるステッピングモータの使用電流は60%となっている。なお、定速制御状態/引込み制御状態には励磁パターンオフセット値が0〜7の計8つしか示されていないが、リール110〜112がブレーキ制御状態になるまで、この制御状態が繰り返される。
リール110〜112の回転速度が一定速度に到達した後、ストップボタン137〜139の操作がされたことに基づいて、リール110〜112の回転を停止する制御が行われる。項目「状態」の「ブレーキ制御状態」には、リール110〜112の回転を停止するための励磁切換パターンが示されている。この励磁切換パターンによって、2相励磁方式により一つの励磁パターンが維持(75.2秒)され、リール110〜112の回転にブレーキがかけられ、リール110〜112が停止される。なお、このブレーキ制御状態1の後、2相励磁方式の停止制御状態に移行させるために、このブレーキ制御状態では常に2相励磁となるように構成されている。また、この制御におけるステッピングモータの使用電流は100%であることが示されている。
図10に示す励磁切換パターンによって、通常の遊技進行に関するリール制御が行われるが、所定の条件(詳細は後述)を満たした場合には、図11に示す励磁切換パターンを用いて、リール110〜112を演出回転制御状態に移行させる。図11には、この演出回転制御状態における励磁切換パターンの詳細が示されている。
例えば、最初の励磁パターンオフセット値が0の状態から励磁パターンオフセット値が2の状態になるまでには、励磁パターンオフセット値が0の状態を18ms(12回の割込み)、励磁パターンオフセット値が7の状態を18ms(12回の割込み)、励磁パターンオフセット値が6の状態を4.5ms(3回の割込み)、それぞれ保持することが示されている。この励磁切換パターンによれば、1−2相励磁方式の励磁パターンを順次切り替えていくことにより、リール110〜112を逆方向に回転させる制御が実行されることが示されている。なお、この逆回転制御におけるステッピングモータの使用電流は60%であることが示されている。また、最後の励磁パターンオフセット値が0の状態においては、2相励磁方式により一つの励磁パターンが維持(37.6秒)され、リール110〜112の回転にブレーキがかけられ、リール110〜112が停止される。また、この制御におけるステッピングモータの使用電流は100%であることが示されている。
<処理の概要>
以下、上記説明した主制御部300、第1副制御部400、および第2副制御部500における処理をフローチャートを用いて説明する。この説明に先立って、これらの処理によってもたらされる動作の概要を説明する。
まず、引込みについて説明する。大半の遊技者は所定の停止領域に所定の図柄がきたタイミングに停止操作をすることは困難である。よって、所定の停止領域からリールの回転方向上流側の所定の範囲にこの所定の図柄がある場合には、所定の停止領域に所定の図柄を止める停止制御を行うことで、遊技の興趣の低下を抑制、または、遊技の公平性の担保している。このような処理を引込みと呼び、この引込みが行われる範囲を引込み範囲という。しかし、無制限にこの引込み範囲を設けてしまうと、かえって遊技の興趣を低下させてしまうため、引込み範囲には最大値を設けている。この引込み範囲の最大値を最大引込み範囲と称する(本実施形態では、図柄4つ分に相当する範囲)。また、この引込みによって停止操作がされたタイミングからリールが停止するまでに移動する距離に相当する図柄の数を引込み図柄数と称する。以下、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS103では、メダル投入/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、入賞役内部抽選処理(詳細は後述)を行う。
ステップS111では、ステップS107の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。ステップS113では、リール回転開始処理を行う。詳細は後述するが、このリール回転処理では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップS115では、リール停止制御処理が実行される。詳細は後述するが、このリール停止制御処理では、いずれかのストップボタン137〜139が押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させ、リール110〜112の全てを停止させる。次のステップS117では、入賞判定処理(詳細は後述)を行う。ステップS119では、入賞判定処理の結果、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS121では、遊技状態制御処理(詳細は後述)を行い、以上により1遊技が終了する。以降、ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部300タイマ割込処理>
次に、図13を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。ステップS207では、各種遊技処理を行う。詳細は後述するが、この各種遊技処理では、割込みステータスに応じた処理が実行される。ステップS209では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、投入コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部当選コマンド、演出回転制御実行コマンド、リール110乃至112の回転の開始に伴うリール回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、入賞判定コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、リール停止コマンド、遊技状態更新コマンド)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等を行う。その後、主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、主制御部メイン処理に復帰する。
<入賞役内部抽選処理>
次に、図14を用いて、上記主制御部メイン処理における入賞役内部抽選処理(ステップS109)について詳細に説明する。なお、同図は、入賞役内部抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、ステップS107の乱数取得処理で取得した乱数値を用いて内部抽選を行う。そして、内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグをオンに設定する。ステップS302では、この内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
ステップS303では、内部抽選により再遊技1−4に内部当選したか否かを判定し、内部当選した場合にはステップS304に進み、内部当選していない場合には処理を終了する。ステップS304では、RAM308に設けた第1の準備フラグをオンに設定(例えば、数値の1の情報を記憶。以下同様)した後に処理を終了する。
<リール回転開始処理>
次に、図15を用いて、上記主制御部メイン処理におけるリール回転開始処理(ステップS113)について詳細に説明する。なお、同図は、リール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、RAM308に記憶している遊技間隔タイマの値が0であるか否か(予め定めた遊技間隔時間が経過したか否か)を判定し、遊技間隔タイマの値が0でない場合(予め定めた遊技間隔時間が経過していない場合)には、ステップS401の判定処理を繰り返し実行することにより遊技間隔時間が経過するのを待ち、遊技間隔タイマの値が0の場合(予め定めた遊技間隔時間が経過した場合)には、ステップS402に進む。
ステップS402では、遊技間隔タイマの初期値(例えば、4.1秒に相当する値)を設定し、次のステップS403では、RAM308に記憶している割込み制御状態に、リール制御中を示す情報を設定する。ステップS404では、RAM308に記憶している第2の準備フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップS405に進んで演出回転制御実行処理A(詳細は後述)を行い、オフの場合には演出回転制御実行処理Aを行うことなくステップS406に進む。ここで、第2の準備フラグは、後述する入賞判定処理において、第1の準備フラグがオン(再遊技役1−4に内部当選)、かつ再遊技役4に入賞したと判定した場合にオンに設定されるフラグである。
ステップS406では、各リール110〜112を上述の「加速制御状態」に設定し、次のステップS407では、RAM308に記憶している加速制御開始フラグをオンに設定した後に処理を終了する。
<演出回転制御実行処理A>
次に、図16を用いて、上記リール回転開始処理における演出回転制御実行処理A(ステップS405)について詳細に説明する。なお、同図は、演出回転制御実行処理Aの流れを示すフローチャートである。
ステップS501では、後述のステップS505で行う抽選の当選確率を設定する。なお、本実施形態では当選確率を90%に設定するが、当選確率は90%以外の数値でもよいし、当選確率を複数用意して演出回転制御実行処理Aの中で当選確率を変化させてもよい。ステップS502では、RAM308に記憶している操作受付タイマに初期値を設定し、次のステップS503では、この操作受付タイマの値が0であるか否か(予め定めた操作受付時間が経過したか否か)を判定する。そして、操作受付タイマの値が0の場合(予め定めた操作受付時間が経過した場合)には、ステップS505に進み、そうでない場合には、ステップS504に進む。
ステップS504では、スタートレバー135の操作を受付けたか否かを判定し、受付けた場合には、ステップS505に進み、受付けていない場合には、ステップS503に戻る。ステップS505では、ステップS501で設定された当選確率に従って、抽選を実行し、ステップS506では、この抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合にはステップS508に進み、当選しなかった場合にはステップS507に進み、上述の第2の準備フラグをオフに設定する。
ステップS508では、演出回転制御実行コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行い、次のステップS509では、各リール110〜112を上述の「演出回転制御状態」に設定することによりステップS505の抽選に当選したことを示唆し、次のステップS510では、RAM308に記憶している演出回転制御開始フラグをオンに設定する。ステップS511では、演出回転制御が終了したか否かを判定し、終了していない場合にはステップS511の判定処理を繰り返し実行することにより演出回転制御が終了するのを待ち、終了した場合にはステップS502に戻る。
この演出回転制御実行処理Aでは、ステップS505で抽選を実行し、ステップS506で当該抽選に当選したと判定した場合、ステップS508〜S511の処理を実行した後に、ステップS502〜S505の処理を実行し、再びステップS505で抽選を実行する。すなわち、演出回転制御実行処理Aでは、ステップS505の抽選に当選し続ける限り(ステップS505の抽選結果として非当選が導出されるまで)、ステップS506〜S511の処理とステップS502〜S505の処理からなる「ループ抽選処理」を繰り返し実行することになる。
なお、この演出回転制御実行処理Aで示すループ抽選処理は、ステップS503、S504に示す通り、遊技者によるスタートレバー操作があった場合または操作受付タイマが0になった場合に抽選処理を実行する、すなわち、抽選処理を断続的に実行するものであり、この抽選処理に当選した場合には、対応する処理(本実施形態では、演出回転制御を実行する処理)が実行されるものである。よって、このループ抽選処理は、抽選処理に当選するごとに当選したことを遊技者に認識させるものである。
また、この演出回転制御実行処理Aでは、ステップS506において抽選の当選と非当選を判定する例を示したが、ステップS505における抽選結果が複数種類ある場合にはステップS506において各々の抽選結果に応じた処理に分岐させてもよい(例えば、抽選結果Aに当選した場合には処理Xを行い、抽選結果Bに当選した場合には処理Yを行い、抽選結果A、Bのいずれにも当選しなかった場合には処理Zを行う、など)。また、ステップS511において演出回転制御が終了したと判定した場合に後続の処理に進む例を示したが、例えば、当該処理に替えて、ステップS506で抽選に当選したと判定した場合にタイマを設定し、当該タイマが0になった場合(抽選に当選した後に予め定めた時間が経過した場合)に後続の処理に進むようにしてもよい。
<リール停止制御処理>
次に、図17を用いて、上記主制御部メイン処理におけるリール停止制御処理(ステップS115)について詳細に説明する。なお、同図は、リール停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601では、リール110〜112の全てが上述の「定速制御状態」であるか否かを判定し、該当しない場合には該当するまでステップS601の判定処理を繰り返し実行し、該当する場合にはステップS602に進む。次のステップS602では、全てのリール110〜112の各々のインデックスセンサを検知したか否かを判定し、検知していない場合には検知するまでステップS602の判定処理を繰り返し実行し、検知した場合にはステップS603に進む。
ステップS603では、全てのストップボタン137〜139を有効化し、次のステップS604では、RAM308に記憶している停止制御実行フラグがオンかオフかを判定し、オフの場合にはオンになるまでステップS604の判定処理を繰り返し実行し、オンの場合にはステップS605に進む。ステップS606では、全てのストップボタン137〜139を無効化し、次のステップS606では、上述の停止制御実行フラグをオフに設定する。
ステップS607では、リール110〜112の全てが上述の「停止制御状態」であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS608に進んで、上述の割込み制御状態に特殊処理なし(主制御部タイマ割込み処理の各種遊技処理において処理を実行しない割込み制御状態)を示す情報を設定し、該当する場合にはステップS609に進む。ステップS609では、RAM308に記憶している次回停止データに初期値を設定した後に、ステップS610では、停止可能リールに対応するストップボタンを有効化してステップS604に戻る。
<入賞判定処理>
次に、図18を用いて、上記主制御部メイン処理における入賞判定処理(ステップS117)について詳細に説明する。なお、同図は、入賞判定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS701では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ANY−ベル−ANY」が揃っていたならば小役3に入賞したと判定する。
ステップS702では、上述の第1の準備フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合(上述の入賞役内部抽選処理のステップS303において再遊技役1−4に内部当選したと判定した場合)には、ステップS703に進み、オフの場合には、ステップS703〜S705の処理を行うことなくステップS706に進む。ステップS703では、入賞判定の結果、再遊技役4に入賞したかどうかを判定し、入賞した場合には、ステップS704に進んで上述の第2の準備フラグをオンに設定した後にステップS705に進み、入賞していない場合には、ステップS705に進む。ステップS705では、上述の第1の準備フラグをオフに設定する。ステップS706では、入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行った後に、処理を終了する。
<遊技状態制御処理>
次に、図19を用いて、上記主制御部メイン処理における遊技状態制御処理(ステップS121)について詳細に説明する。なお、同図は、遊技状態制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801では、遊技状態更新処理を行う。この遊技状態更新処理では、再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、特別遊技状態(RT4)の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。次のステップS802では、遊技状態更新コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行った後に、処理を終了する。
<各種遊技処理>
次に、図20を用いて、上記主制御部タイマ割込み処理における各種遊技処理(ステップS207)について詳細に説明する。なお、同図は、各種遊技処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、RAM308に記憶している割込み制御状態がリール制御中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS902に進んでリール制御処理(詳細は後述)を行い、該当しない場合にはステップS903に進んで、その他の各種遊技処理を行った後に、処理を終了する。
<リール制御処理>
次に、図21を用いて、上記各種遊技処理におけるリール制御処理(ステップS902)について詳細に説明する。なお、同図は、リール制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1001では、ストップボタンが有効であるか否かを判定し、条件を満たす場合にはステップS1002に進み、そうでない場合にはステップS1003に進む。ステップS1002では、ストップボタン受付処理(詳細は後述)を実行した後、ステップS1003に進む。
次に、以下に説明するステップS1003〜S1006までの処理をリールの個数分(リールそれぞれに対して)繰り返し、リール制御処理を終了する。ステップS1003では、RAM308に記憶している励磁切換フラグがオンに設定されているか否かを判定し、励磁切換フラグがオンに設定されている場合にはステップS1004に進み、そうでない場合にはステップS1006に進む。なお、この励磁切換フラグは、励磁パターンオフセット値を更新するために、割込み処理中にオンに設定されるフラグである。
ステップS1004では、RAM308に記憶している励磁パターンオフセット値を更新する。より具体的には、この処理において駆動回路322に励磁パターンオフセット値を更新させる指示を行う。ステップS1005では、励磁切換フラグをオフに設定し、ステップS1006に進む。ステップS1006では、リール制御状態に応じた各リール制御処理(詳細は後述)を実行する。
<ストップボタン受付処理>
次に、図22を用いて、上記リール制御処理におけるストップボタン受付処理(ステップS1002)について詳細に説明する。なお、同図は、ストップボタン受付処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101では、ストップボタン137〜139のうち、2つ以上のストップボタンの操作を受け付けた(ストップボタン重複受付)か否かが判定される。2つ以上のストップボタンの操作を受け付けた場合にはストップボタン受付処理を終了する。一方、2つ以上のストップボタンの操作を受け付けていない場合にはステップS1102に進む。
ステップS1102では、未停止リールに対応したストップボタンの操作を受け付けたか否かが判定される。未停止リールに対応したストップボタンの操作を受け付けた場合にはステップS1103に進む。一方、未停止リールに対応したストップボタンの操作を受け付けていない場合にはストップボタン受付処理を終了する。
ステップS1103では、ストップボタンが操作されたタイミングにおいて、停止対象となったリールの図柄位置を取得する処理が実行され、次のステップS1104では、ステップS1103で取得した図柄位置と、設定された停止データに基づいて、引込み図柄数を導出する処理が実行される。また、ステップS1105では、リール制御状態を引込み制御状態に設定し、ステップS1106に進む。
ステップS1106では、RAM308に記憶している停止可能リールの情報を更新し、次のステップS1107では、操作を受け付けたストップボタンに対応するリールに対し、停止制御実行フラグがオンに設定され、処理を終了する。
<リール制御状態に応じた各リール制御処理>
次に、図23を用いて、上記リール制御処理における、リール制御状態に応じた各リール制御処理(ステップS1006)について詳細に説明する。なお、同図は、リール制御状態に応じた各リール制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1201では、RAM308に記憶したリール制御状態を参照し、リール制御状態が加速制御状態であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1202に進んで加速制御処理(詳細は後述)を実行した後に処理を終了し、該当しない場合にはステップS1203に進む。ステップS1203では、リール制御状態が定速制御状態であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1204に進んで定速制御処理(詳細は後述)を実行した後に処理を終了し、該当しない場合にはステップS1204に進む。
ステップS1205では、リール制御状態が引込み制御状態であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1206に進んで引込み制御処理(詳細は後述)を実行した後に処理を終了し、該当しない場合にはステップS1207に進む。ステップS1207では、リール制御状態がブレーキ制御状態であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1208に進んでブレーキ制御処理(詳細は後述)を実行した後に処理を終了し、該当しない場合にはステップS1209に進む。
ステップS1209では、リール制御状態が演出回転制御状態であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS1210に進んで演出回転制御処理(詳細は後述)を実行した後に処理を終了し、該当しない場合には処理を終了する。
<加速制御処理>
次に、図24を用いて、上記リール制御状態に応じた各リール制御処理における加速制御処理(ステップS1202)について詳細に説明する。なお、同図は、加速制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1301では、RAM308に記憶している加速制御開始フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップ1302に進み、オフの場合にはステップS1305に進む。ステップS1302では、RAM308に記憶している励磁切換カウンタに初期値を設定し、次のステップS1303では、上述の加速制御開始フラグをオフに設定してステップS1304に進む。
ステップS1304では、RAM308に記憶している次の励磁維持カウンタを設定した後に処理を終了する。具体的には、1回目には12、2回目には12、3回目には3、というように、図10に示す各励磁パターンオフセット値の保持時間に相当する割込み回数の値が設定される。例えば、励磁維持カウンタの値が12の場合、18.0ms(1回の割込み:1.504ms×12回)の保持時間に相当する。ここで設定された値により、図10の加速制御状態中の各励磁パターンオフセット値に応じた保持時間が確保される。
ステップS1305では、上述の励磁維持カウンタを更新する。ここで、励磁維持カウンタは、励磁パターンを維持する割込み回数をカウントするために用いられるカウンタである。上記図10および図11に示す表の保持時間の欄に示された値は、割込み時間である1.504msを基準とし、これに割込み回数を乗じた値となっている。本実施形態では、励磁維持カウンタにこの割込み回数を設定し、必要な割込み回数を満たすまで同じ励磁パターンを維持することにより、図10および図11に示す保持時間に亘って同じ励磁パターンが維持されるように構成されている。なお、励磁維持カウンタの値は、加速開始要求がされたとき、および励磁パターンの切り換え毎に、上記ステップS1304で設定される。
ステップS1306では、励磁維持カウンタが0か否か(予め定めた励磁維持期間が経過したか否か)を判定し、0の場合(予め定めた励磁維持期間が経過した場合)にはステップS1307に進み、0でない場合には処理を終了する。ステップS1307では、RAM308に記憶している励磁切換フラグをオンに設定する。この励磁切換フラグがオンに設定されることで、上述のリール制御処理のステップS1004において、励磁パターンオフセット値が更新される。
ステップS1308では、励磁切換カウンタを更新する。ここで、励磁切換カウンタは、図10および図11に示す励磁パターンオフセット値を切り換える回数をカウントするために用いられるカウンタである。例えば、加速制御状態では、励磁パターンオフセット値を32回を順次更新する(図10参照)ことによりリールを加速させている。なお、この更新回数が、励磁切換カウンタの初期値として、上記ステップS1302で設定される。
ステップS1309では、RAM308に記憶している図柄間隔カウンタを更新し、次のステップS1310では、図柄間隔カウンタが0か否か(予め定めた図柄間隔期間が経過したか否か)を判定し、0の場合(予め定めた図柄間隔期間が経過した場合)にはステップS1311に進み、0でない場合にはステップS1312に進む。ステップS1311では、図柄位置を更新する。
ステップS1312では、励磁切換カウンタが0か否か(予め定めた励磁切換期間が経過したか否か)を判定し、0でない場合(予め定めた励磁切換期間が経過していない場合)にはステップS1304に進んで次の励磁維持カウンタを設定し、0の場合には処理を終了する。ステップS1313では、対象リールを定速制御状態に設定した後に処理を終了する。
<定速制御処理>
次に、図25を用いて、上記リール制御状態に応じた各リール制御処理における定速制御処理(ステップS1204)について詳細に説明する。なお、同図は、定速制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1401では、図柄間隔カウンタ(詳細は後述)の値を更新(カウントダウン)し、次のステップ1402では、図柄間隔カウンタが0か否か(予め定めた図柄間隔期間が経過したか否か)を判定し、0の場合(予め定めた図柄間隔期間が経過した場合)にはステップS1403に進み、0でない場合にはステップS1405に進む。ステップS1403では、図柄間隔カウンタの値を初期化し、次のステップS1404では、図柄位置を更新した後にステップS1405に進む。
ステップS1405では、励磁切換フラグをオンに設定し、次のステップS1406では、各種センサ318のうち、インデックスセンサからの信号(Lレベルの信号)が検出されたか否かを判定する。そして、この信号が検出された場合にはステップS1407に進み、そうでない場合には処理を終了する。ステップS1407では、図柄位置および図柄間隔カウンタを初期化する。すなわち、上記ステップS1406とこのステップS1407によって、リールが基準位置になる度に図柄位置および図柄間隔カウンタが初期化される。この構成により、脱調などによって生じる図柄位置および図柄間隔カウンタによって導出されるリールの状態と実際のリールの状況との誤差がクリアされる。
ここで、上述の図柄位置および図柄間隔カウンタについて説明を補足する。まず、図柄位置とは、表示窓113に表示されている図柄がリールのどの位置に施されている図柄であるかを示す情報である。また、図柄間隔カウンタとは、上記図2に示す各位置から図柄がどの程度ずれているかを示す情報である。本実施形態では、以下のようにして、図柄の位置および図柄のずれを計測している。
まず、図2に示す各位置に図柄が一致した時に、1図柄分の移動に要する励磁パターンの切換回数を、図柄間隔カウンタに設定する(ステップS1403)。本実施形態では、定速制御状態において1回の割込みに対して励磁パターンの切り換えが1回行われる。このため、割込みの度に図柄間隔カウンタの値をカウントダウンすることで、励磁パターンの切換回数をカウントしている。ここで、図柄間隔カウンタの値が0になると1図柄分の移動がされたことになる。このため、図柄間隔カウンタの値が0になった時点で、再度図柄間隔カウンタの値が設定される(ステップS1403)とともに、1図柄分の移動後の状態を表すように図柄位置が更新される(ステップS1404)。なお、リールが基準位置(例えば、図4に示す番号0に対応する図柄が、表示窓113の中段に表示される位置)となる度に、図柄位置および図柄間隔カウンタが初期化される(ステップS1406およびステップS1407)。
すなわち、図柄位置および図柄間隔カウンタを用いることで、現在のリール110〜112の状態を把握することができる。なお、本実施形態では、図10に示すように、停止制御状態から加速制御状態を経て定速制御状態となるまで励磁パターンが32回切り換られる。従って、図24に示すステップS1311では、加速制御処理が終了した時点のリール110〜112の状態を示すように、図柄位置および図柄間隔カウンタの情報が更新される。また、上記説明したように、本実施形態では、定速制御状態において1回の割込みに対して励磁パターンの切り換えが1回行われる。このため、各励磁パターンオフセット値に対応する保持時間のデータを使用することなく、図柄間隔カウンタだけを用いてリールの状態を把握する構成を採用している。しかし、例えば複数回の割込みによって、1回の励磁パターンの切り換えが実行されるような場合、図柄間隔カウンタだけを用いてリールの状態を把握することができない場合がある。このような構成の場合には、例えば割込み回数を示すカウンタと励磁パターンの切り換え回数を示すカウンタを別途設けてもよい。
<引込み制御処理>
次に、図26を用いて、上記リール制御状態に応じた各リール制御処理における引込み制御処理(ステップS1206)について詳細に説明する。なお、同図は、引込み制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1501では、RAM308に記憶している引込みカウンタの更新(カウントダウン)を実行し、次のステップS1502では、引込みカウンタの値が0であるか否かを判定し、0の場合にはステップS1503に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS1503では、RAM308に記憶しているブレーキカウンタの値を初期化した後に、ステップS1504に進む。なお、このブレーキカウンタは、リール110〜112を停止させる処理を行うブレーキ制御状態を維持する(ブレーキ制御処理を割込みの度に実行する)ため、用いられるカウンタである。本実施形態ではブレーキ制御状態を50回の割込みが行われるまで維持する(図10の保持時間参照)。このため、この値(50)がブレーキカウンタの初期値として設定される。ステップS1504では、リール制御状態をブレーキ制御状態に設定した後に処理を終了する。
<ブレーキ制御処理>
次に、図27を用いて、上記リール制御状態に応じた各リール制御処理におけるブレーキ制御処理(ステップS1208)について詳細に説明する。なお、同図は、ブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1601では、ブレーキカウンタの更新(カウントダウン)を実行し、次のステップS1602では、ブレーキカウンタの値が0であるか否かを判定し、0の場合にはステップS1603に進み、そうでない場合には処理を終了する。ステップS1603では、リール制御状態を停止制御状態に設定した後に処理を終了する。
<演出回転制御処理>
次に、図28を用いて、上記リール制御状態に応じた各リール制御処理における演出回転制御処理(ステップS1210)について詳細に説明する。なお、同図は、演出回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1701では、RAM308に記憶している演出回路制御開始フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップ1702に進み、オフの場合にはステップS1705に進む。ステップS1702では、上述の励磁切換カウンタに初期値を設定し、次のステップS1703では、上述の加速制御開始フラグをオフに設定してステップS1704に進む。
ステップS1704では、上述の次の励磁維持カウンタを設定した後に処理を終了する。具体的には、1回目には12、2回目には12、3回目には3、というように、図11に示す各励磁パターンオフセット値の保持時間に相当する割込み回数の値が設定される。例えば、励磁維持カウンタの値が12の場合、18.0ms(1回の割込み:1.504ms×12回)の保持時間に相当する。ここで設定された値により、図11の演出回転制御状態中の各励磁パターンオフセット値に応じた保持時間が確保される。
ステップS1705では、上述の励磁維持カウンタを更新し、ステップS1706では、励磁維持カウンタが0か否か(予め定めた励磁維持期間が経過したか否か)を判定し、0の場合(予め定めた励磁維持期間が経過した場合)にはステップS1707に進み、0でない場合には処理を終了する。ステップS1707では、上述の励磁切換フラグをオンに設定する。この励磁切換フラグがオンに設定されることで、上述のリール制御処理のステップS1004において、励磁パターンオフセット値が更新される。
ステップS1708では、励磁切換カウンタを更新し、ステップS1709では、励磁切換カウンタが0か否か(予め定めた励磁切換期間が経過したか否か)を判定し、0でない場合(予め定めた励磁切換期間が経過していない場合)にはステップS1710に進んで次の励磁維持カウンタを設定し、0の場合には処理を終了する。ステップS1710では、対象リールを加速制御状態に設定し、次のステップS1711では、加速制御開始フラグをオンに設定した後に処理を終了する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図29を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、ステップS1801では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS1801で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS1802では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS1803では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS1804では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。ステップS1805では、演出制御処理を行う。詳細は後述するが、この演出制御処理では、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS1806では、ステップS1805の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS1805で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。ステップS1807では、ステップS1805の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS1805で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。ステップS1808では、ステップS1805の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS1805で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS1802に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS1901では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2001では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS1802において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1802において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS2002では、ステップS1808で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<演出制御処理>
次に、図30を用いて、上述の第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS1805)の詳細について説明する。なお、同図は、演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2101では、遊技中であるか否かを判定し、遊技中の場合にはステップS2102に進み、遊技中でない場合にはステップS2103に進む。ステップS2102では、遊技中演出制御処理(詳細は後述)を行った後に処理を終了し、ステップS2103では、非遊技中演出制御処理を行った後に処理を終了する。なお、非遊技中演出制御処理では、センサ回路172を介して演出ボタン170の操作を受付けた場合に、演出モードを切り替える処理等を行う。
図31は、演出モード切り替えの一例を示した図である。第1副制御部400は、非遊技中に演出ボタン170のOKボタンの押下操作を受付けた場合に、演出モードを選択させるための演出データを設定するとともに、演出モード選択状態に移行する。また、第2副制御部500に対して、演出画像表示装置157を用いて演出モード選択演出を開始させるコマンドを送信する。
また、第1副制御部400は、演出モード選択状態において演出ボタン170の右ボタンまたは左ボタンの押下操作を受付けた場合に、告知モード(第1の演出状態)または秘匿モード(第2の演出状態)のいずれかを選択させるための演出データを設定するとともに、第2副制御部500に対して、演出画像表示装置157を用いて告知モードと秘匿モードの表示を切り替えさせるコマンドを送信する。
また、第1副制御部400は、演出モード選択状態において演出ボタン170のOKボタンの押下操作を受付けた場合に、選択状態にある演出モードを演出状態としてRAM408に記憶する(演出状態を決定する)とともに、第2副制御部500に対して、演出モード選択演出を終了させるコマンドを送信する。
なお、この例では、演出ボタン170の押下操作の検出処理を第1副制御部400で行う例を示したが、この例に限定されず、他の制御部(例えば、主制御部300)に演出ボタン170のセンサ回路を設け、当該センサ回路を介して演出ボタン170の押下操作の検出処理を行ってもよく、この場合、他の制御部から第1副制御部400に演出ボタン170の押下操作を知らせるコマンドを送信すればよい。
<遊技中演出制御処理>
次に、図32を用いて、上述の演出制御処理における遊技中演出制御処理(ステップS2102)の詳細について説明する。なお、同図は、遊技中演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2201では、上述のコマンド記憶領域に記憶した情報を参照し、主制御部300から内部当選コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信した場合にはステップS2202において内部当選コマンド受信時処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了し、当該コマンドを受信していない場合にはステップS2203に進む。
ステップS2203では、主制御部300から入賞判定コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信した場合にはステップS2204において入賞判定コマンド受信時処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了し、当該コマンドを受信していない場合にはステップS2205に進む。
ステップS2205では、主制御部300から遊技状態更新コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信した場合にはステップS2206において遊技状態更新コマンド受信時処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了し、当該コマンドを受信していない場合にはステップS2207に進む。
ステップS2207では、主制御部300から演出回転制御実行コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信した場合にはステップS2208において演出回転制御実行コマンド受信時処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了し、当該コマンドを受信していない場合にはステップ2209において、その他コマンド受付時処理を行った後に処理を終了する。
<内部当選コマンド受信時処理>
次に、図33を用いて、上述の遊技中演出制御処理における内部当選コマンド受付時処理(ステップS2202)の詳細について説明する。なお、同図は、内部当選コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2301では、RAM408に記憶している第4の準備フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップS2302に進み、オフの場合にはステップS2303に進む。ステップS2302では、代替ループ抽選処理A(詳細は後述)を行った後にステップS2303に進む。ここで、第4の準備フラグは、後述する入賞判定コマンド受信時処理において、再遊技役4に入賞していないと判定した場合にオンに設定するフラグである。したがって、ステップS2302の代替ループ抽選処理Aは、再遊技役4に入賞していないと判定した場合(例えば、再遊技役1−4に内部当選し、再遊技役1に入賞した場合)に行われる処理である。
ステップS2303では、現在の遊技状態がAT遊技状態(遊技者にとって有利な操作条件を示唆する遊技状態)であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS2305に進み、該当しない場合にはステップS2304に進む。ステップS2304では、内部当選役に基づいて、RAM408に記憶している残ATセット数を更新する処理を行う。ここでは、例えば、小役1や小役2に内部当選した場合に残ATセット数を所定数、増加させる処理等を行う。なお、この処理はAT遊技状態において実行するように構成してもよく、この場合には、残ATセット数や内部残AT遊技回数を増加させるようにすればよい。
ステップS2305では、RAM408に記憶している内部残AT遊技回数を減算し、次のステップS2306では、RAM408に記憶している表示残AT遊技回数を減算してステップS2307に進む。このステップ2307では、操作条件報知用演出データを設定した後にステップS2308に進む。ここでは、例えば、小役3aに内部当選した場合に、正解の押し順報知用の演出データ(例えば、正解の押し順が「順押し」の場合には、「左→中→右」のように順押しで操作することを遊技者に報知するための演出データ)を設定する処理等を行う。
ステップS2307では、再遊技役1−4に内部当選したか否かを判定し、該当する場合にはステップS2309に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップS2309では、RAM408に記憶している第3の準備フラグをオンに設定し、次のステップS2310では、現在の演出状態が第1の演出状態か否かを判定し、第1の演出状態の場合には、ステップS2311に進んで再遊技役4入賞用演出データ(図34を用いて後述)を設定した後に処理を終了し、第1の演出状態以外の場合には、再遊技役1入賞用演出データ(図34を用いて後述)を設定した後に処理を終了する。
なお、本実施形態では、AT遊技状態に移行するか否かを内部残AT遊技回数や表示残AT遊技回数に基づいて決定しているが(後述する遊技状態更新コマンド受付時処理を参照)、例えば、操作条件の報知を行った回数に基づいて決定してもよいし、所定の役の入賞回数等に基づいて決定してもよい。
図34(a)は、第1の演出状態において再遊技役4入賞用演出データを設定した場合に、演出画像表示装置157に表示される再遊技役4入賞用演出の一例である。上述のとおり、再遊技役1−4に内部当選し、予め定められた操作順序である正解操作順序(この例では、左、中、右、の逆押し)で、かつ、再遊技役4を構成するBAR図柄が入賞ラインから所定範囲内にあるタイミングで停止操作がされた場合に、再遊技役4に対応する図柄組み合わせ(BAR−BAR−BAR)が揃うことになる。
第1の演出状態では、再遊技役4入賞用演出データに基づいて、これらの正解操作順序と停止操作タイミングを報知することによって、再遊技役4に入賞し易くなるように構成している。具体的には、正解操作順序が「右、中、左、の逆押し」の場合、「逆押し」という文字表示と、左向きの矢印「←」を表示することで、右リール112に対応する右ストップボタン139、中リール111に対応する中ストップボタン138、左リール110に対応する左ストップボタン137の順番で停止操作を遊技者に行わせるような報知を行う。
また、再遊技役4を構成する図柄がBAR図柄の場合、BAR図柄を模した画像表示と、「を狙え!」という文字表示の組み合わせによって「BAR図柄を狙え!」という表示を行うことで、BAR図柄が入賞ラインから所定範囲内にあるタイミングで右ストップボタン139、中ストップボタン138、および左ストップボタン137の各々の停止操作を遊技者に行わせるような報知を行う。
図34(b)は、第2の演出状態において再遊技役1入賞用演出データを設定した場合に、演出画像表示装置157に表示される再遊技役1入賞用演出の一例である。上述のとおり、再遊技役1−4に内部当選し、予め定められた操作順序である正解操作順序(この例では、左、中、右、の順押し)で停止操作がされた場合に、再遊技役1に対応する図柄組み合わせ(リプレイ−リプレイ−リプレイ)が揃うことになる。
第2の演出状態では、再遊技役1入賞用演出データに基づいて、この正解操作順序を報知することによって、再遊技役1に入賞し易くなるように構成している。具体的には、正解操作順序が「左、中、右、の順押し」の場合、「順押し」という文字表示と、右向きの矢印「→」を表示することで、左リール110に対応する左ストップボタン137、中リール111に対応する中ストップボタン138、右リール112に対応する右ストップボタン139の順番で停止操作を遊技者に行わせるような報知を行う。
なお、本実施形態では、リール110〜112の各々に、BAR図柄を最大引込み範囲を超えるように配置しているため、正解操作順序の報知に加えて、停止操作タイミングの報知を行っているが、リール110〜112の各々に、BAR図柄を最大引込み範囲を超えることなく配置している場合には、どのタイミングで停止操作を行ってもリールの引込み制御によってBAR図柄を必ず揃えることが可能となるため、この場合には、停止操作タイミングを報知せずに、正解操作順序のみを報知してもよい。また、上述した押し順の概念は必ずしも用いる必要はなく、操作タイミングによってのみBAR図柄を入賞ラインに停止させるか否かを決定するように構成してもよく、この場合には、上記した第1の演出状態において停止操作タイミングのみ報知するように構成すればよい。
<代替ループ抽選処理A>
次に、図35を用いて、上述の内部当選コマンド受付時処理における代替ループ抽選処理A(ステップS2302)の詳細について説明する。なお、同図は、代替ループ抽選処理の流れを示すフローチャートである。
上述のとおり、この代替ループ抽選処理Aは、再遊技役4に入賞していないと判定した場合(例えば、再遊技役1−4に内部当選し、再遊技役1に入賞した場合)に行われる処理である。代替ループ抽選処理AのステップS2401では、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定し、AT遊技状態の場合にはステップS2403に進み、AT状態以外の場合にはステップS2402に進む。ステップS2402では、遊技状態にAT遊技状態を設定する。
ステップS2403では、後述のステップS2405で行う抽選の当選確率を設定する。なお、本実施形態では当選確率を90%に設定するが、当選確率は90%以外の数値でもよいし、当選確率を複数用意して代替ループ抽選処理Aの中で当選確率を変化させてもよい。また、本実施形態では、この代替ループ抽選処理Aで行う抽選の当選確率(90%)と、主制御部300における演出回転制御実行処理Aで行う抽選の当選確率(90%)を同じ確率に設定しているが、両者を異なる当選確率に設定してもよい。さらに、本実施形態のように代替ループ抽選処理における当選回数に上限値を設けなくてもよいし、設けてもよいが、演出回転制御処理Aと合わせることが好ましい。
ステップS2404では、ステップS2403で設定された当選確率に従って、抽選を実行し、ステップS2405では、この抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合にはステップS2407に進み、当選しなかった場合にはステップS2406に進み、上述の第4の準備フラグをオフに設定する。
この代替ループ抽選処理Aでは、ステップS2404で抽選を実行し、ステップS2405で当該抽選に当選したと判定した場合、ステップS2407の処理を実行した後に、再びステップS2404で抽選を実行する。すなわち、代替ループ抽選処理Aでは、ステップS2404の抽選に当選し続ける限り(ステップS2404の抽選結果として非当選が導出されるまで)、ステップS2405、S2407の処理とステップS2404の処理からなる「ループ抽選処理」を繰り返し実行することになる。
ステップS2407では、内部残AT遊技回数に所定ゲーム数(この例では10ゲーム)を加算し(利益を付与し)た後に、処理を終了する。ここでは、内部残AT遊技回数を加算する一方で、表示残AT遊技回数を加算しないように構成することで、再遊技役4に入賞していないと判定した場合(例えば、再遊技役1−4に内部当選し、再遊技役1に入賞した場合)には内部残AT遊技回数(付与した利益)を秘匿する遊技状態(第2の遊技状態)にしている。なお、内部残AT遊技回数に加算するゲーム数は10ゲームに限定されるものではなく、他のゲーム数でもよいし、内部残AT遊技回数に限らず、内部残ATセット数であってもよい。
なお、この代替ループ抽選処理Aで示すループ抽選処理は、上述した演出回転制御実行処理Aのように抽選処理を実行する際に判定を行うことなく、抽選処理を連続的に実行するものであり、上述した演出回転制御実行処理Aで示すループ抽選と異なり、抽選処理に当選するごとに当選したことを遊技者に認識させないものである。
<入賞判定コマンド受付時処理>
次に、図36を用いて、上述の遊技中演出制御処理における入賞判定コマンド受付時処理(ステップS2204)の詳細について説明する。なお、同図は、入賞判定コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2501では、第3の準備フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップS2502に進み、オフの場合には処理を終了する。ここで、第3の準備フラグは、上述の内部当選コマンド受信時処理において、再遊技役1−4に内部当選したと判定した場合にオンに設定するフラグである。ステップS2502では、再遊技役4に入賞したか否かを判定し、該当する場合にはステップS2504に進み、該当しない場合にはステップS2503に進む。ステップS2503では、第4の準備フラグをオンに設定し、次のステップS2504では、第3の準備フラグをオフに設定した後に処理を終了する。上述のとおり、ステップS2503で第4の準備フラグがオンに設定された場合、すなわち、再遊技役1−4に内部当選し、かつ、再遊技役4に入賞した場合に、内部当選コマンド受信時処理において代替ループ抽選処理Aが実行される。
<遊技状態更新コマンド受付時処理>
次に、図37を用いて、上述の遊技中演出制御処理における遊技状態更新コマンド受付時処理(ステップS2601)の詳細について説明する。なお、同図は、遊技状態更新コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2601では、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定し、AT遊技状態の場合にはステップS2602に進み、AT状態以外の場合にはステップS2607に進む。ステップS2602では、表示残AT遊技回数が0であるか否かを判定し、0の場合にはステップS2603に進み、0でない場合には処理を終了する。
ステップS2603では、内部残AT遊技回数が0であるか否かを判定し、0の場合にはステップS2606に進み、0でない場合にはステップS2604に進む。ステップS2604では、表示残AT遊技回数に内部残AT遊技回数を設定し、ステップS2605では、内部残AT遊技回数を報知する演出データを設定する。
ステップS2606では、AT遊技状態を解除し、ステップS2607では、残ATセット数が0よりも大きいか否か(残ATセット数があるか無いか)を判定し、残ATセット数がある場合にはステップS2608以降の処理を行い、残ATセット数が無い場合には処理を終了する。ステップS2608では、遊技状態にAT遊技状態を設定し、次のステップS2609では、内部残AT遊技回数に初期値(この例では50)を設定してステップS2610に進む。ステップS2610では、表示残AT遊技回数に初期値(この例では50)を設定し、次のステップS2611では、残ATセット数を1つ減算した後に、処理を終了する。
なお、本実施形態では、上記ステップS2602〜S2604の処理において、内部残AT遊技回数と表示残AT回数に差がある場合に、表示残AT回数に内部残AT遊技回数を設定するように構成しているが、例えば、両者に差がある場合に、両者に差ができてから表示残AT回数が0になるまでの任意のタイミングで表示残AT回数に内部残AT遊技回数を設定してもよい。また、両者に差がある場合に、表示残AT回数に内部残AT遊技回数の一部を設定してもよい。
<演出回転制御実行コマンド受付時処理>
次に、図38を用いて、上述の遊技中演出制御処理における演出回転制御実行コマンド受付時処理(ステップS2208)の詳細について説明する。なお、同図は、演出回転制御実行コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2701では、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定し、AT遊技状態の場合にはステップS2703に進み、AT状態以外の場合にはステップS2702に進む。ステップS2702では、遊技状態にAT遊技状態を設定する。
ステップS2703では、内部残AT遊技回数に所定ゲーム数(この例では10ゲーム)を加算し(遊技者にとって有利な特典を付与し)、次のステップS2703では、表示残AT遊技回数を加算してステップS2705に進む。ステップS2705では、ステップS2704で加算した表示残AT遊技回数を報知する演出データを設定した後に、処理を終了する。
本実施形態では、ステップS2703において内部残AT遊技回数に加算するゲーム数(10ゲーム)と、代替ループ抽選処理AのステップS2407において加算するゲーム数(10ゲーム)を同じゲーム数にしている。なお、本実施形態では、主制御部300でループ抽選処理を行う場合と第1副制御部400でループ抽選処理を行う場合で、それぞれの利益量の期待値が同一になるように構成されているが、必ずしも同一の期待値になるように構成しなくともよいし、同一の期待値となるように構成した場合であっても、それぞれの当選確率が異なるように構成してもよい。
また、代替ループ抽選処理Aと同様に、加算される内部残AT遊技回数および表示残AT遊技回数は如何なる値としてもよく、例えばループ抽選処理が実行されるごとに内部残AT遊技回数および表示残AT遊技回数の値を変化させるように構成してもよい。また、内部残AT遊技回数の値と表示残AT遊技回数を異なる値にしてもよく、この場合、表示残AT遊技回数を、内部残AT遊技回数より小さな値(0より大きい値とすることが好ましい)とすればよい。
<第2副制御部500の処理>
次に、図39を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS3001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。ステップS3004では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3005では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS3006では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS3005で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データおよびシャッタ演出に関する演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいて画像制御処理を行った後にステップS3002に戻る。詳細は後述するが、この画像制御処理では、例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、同図(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS3202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS3008の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS3301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS3302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否か(タイマ変数の値が10以上か否か)を判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS3303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS3303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS3301でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS3304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。ステップS3305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS3306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS3306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<演出回転制御実行処理Aにおけるループ抽選処理>
次に、図40を用いて、上述の演出回転制御実行処理Aにおけるループ抽選処理の内容について説明する。なお、同図は、ループ抽選処理の流れを示した図である。
<前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役4に入賞した場合>
主制御部300は、例えば、N(Nは正の整数)回目の遊技において入賞役内部抽選処理(図14参照)を実行し、ステップS301の内部抽選で再遊技役1−4に内部当選した場合、ステップS304において第1の準備フラグをオンに設定する。続いて、主制御部300は、ステップS302において再遊技役1−4に内部当選したことを示す情報を含む内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行い、ステップS211のコマンド設定送信処理において当該内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する。
この内部当選コマンドを受信した第1副制御部400は、当該N回目の遊技において内部当選コマンド受付時処理(図33参照)を実行するが、この例では内部当選コマンドに再遊技役1−4に内部当選したことを示す情報が含まれることから、ステップS2308において再遊技役1−4に内部当選したと判定し、ステップS2309において第3の準備フラグをオンに設定する。
続いて、主制御部300は、当該N回目の遊技において入賞判定処理(図18参照)を実行し、ステップS701の入賞判定で再遊技役4に入賞したと判定した場合、この例では第1の準備フラグがオンに設定され、かつ、再遊技役4に入賞していることから、ステップS704において第2の準備フラグをオンに設定する。続いて、主制御部300は、ステップS706において再遊技役4に入賞したことを示す情報を含む入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行い、ステップS211のコマンド設定送信処理において当該入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信する。
この入賞判定コマンドを受信した第1副制御部400は、当該N回目の遊技において入賞判定コマンド受付時処理(図36参照)を実行するが、この例では第3の準備フラグがオンに設定され、かつ、入賞判定コマンドに再遊技役4に入賞したことを示す情報が含まれることから、ステップS2502において再遊技役4に入賞したと判定し、ステップS2503において第4の準備フラグをオンに設定することなく後続の処理を実行する。
続いて、主制御部300は、N+1回目の遊技においてリール回転開始処理(図15参照)を実行するが、この例ではN回目の遊技において第2の準備フラグがオンに設定されていることから(N回目の遊技において再遊技役1−4に内部当選し、かつ再遊技役4に入賞していることから)、ステップS405において演出回転制御実行処理A(図16参照)を実行する。
この演出回転制御実行処理Aでは、ステップS505で抽選を実行し、ステップS506で当該抽選に当選したと判定した場合、ステップS508〜S511の処理を実行した後に、ステップS502〜S505の処理を実行し、再びステップS505で抽選を実行する。すなわち、演出回転制御実行処理Aでは、ステップS505の抽選に当選し続ける限り(ステップS505の抽選結果として非当選が導出されるまで)、ステップS506〜S511の処理とステップS502〜S505の処理からなる「ループ抽選処理」を繰り返し実行することになる。
より具体的には、ステップS502〜S505では、図40の(1)に示すように、スタートレバー135の押下操作を受付けた場合、または、所定の操作受付時間が経過した場合に、抽選を実行する。そして、ステップS506の判定処理で当選と判定した場合には、図40の(2)、(3)に示すように、ステップS509〜S511においてリール110〜112を演出回転制御状態に移行させ、再びステップS502〜S505の処理を開始する。一方、ステップS506の判定処理で非当選と判定した場合には、図40の(4)に示すように、ループ抽選処理を抜けてステップS507において第2の準備フラグをオフに設定した後、後続の通常遊技の処理を継続する。
また、主制御部300は、ループ抽選処理のステップS508において演出回転制御実行コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行い、ステップS211のコマンド設定送信処理において当該演出回転制御実行コマンドを第1副制御部400に送信する。この演出回転制御実行コマンドを受信した第1副制御部400は、当該N+1回目の遊技において演出回転制御実行コマンド受付時処理(図38参照)を実行し、内部残AT遊技回数および表示残AT遊技回数を加算する。
<前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合>
主制御部300は、例えば、N(Nは正の整数)回目の遊技において入賞役内部抽選処理(図14参照)を実行し、ステップS301の内部抽選で再遊技役1−4に内部当選した場合、ステップS304において第1の準備フラグをオンに設定する。続いて、主制御部300は、ステップS302において再遊技役1−4に内部当選したことを示す情報を含む内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行い、ステップS211のコマンド設定送信処理において当該内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する。
この内部当選コマンドを受信した第1副制御部400は、当該N回目の遊技において内部当選コマンド受付時処理(図33参照)を実行するが、この例では内部当選コマンドに再遊技役1−4に内部当選したことを示す情報が含まれることから、ステップS2308において再遊技役1−4に内部当選したと判定し、ステップS2309において第3の準備フラグをオンに設定する。
続いて、主制御部300は、当該N回目の遊技において入賞判定処理(図18参照)を実行し、ステップS701の入賞判定で再遊技役1に入賞したと判定した場合、この例では第1の準備フラグがオンに設定され、かつ、再遊技役1に入賞している(再遊技役4に入賞していない)ことから、ステップS704において第2の準備フラグをオンに設定することなく後続の処理を実行する。続いて、主制御部300は、ステップS706において再遊技役1に入賞したことを示す情報を含む入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行い、ステップS211のコマンド設定送信処理において当該入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信する。
この入賞判定コマンドを受信した第1副制御部400は、当該N回目の遊技において入賞判定コマンド受付時処理(図36参照)を実行するが、この例では第3の準備フラグがオンに設定され、かつ、入賞判定コマンドに再遊技役1に入賞したこと(再遊技役4に入賞していないこと)を示す情報が含まれることから、ステップS2503において第4の準備フラグをオンに設定する。
続いて、主制御部300は、N+1回目の遊技においてリール回転開始処理(図15参照)を実行するが、この例ではN回目の遊技において第2の準備フラグがオンに設定されていないことから(N回目の遊技において再遊技役1−4に内部当選し、かつ再遊技役1に入賞していることから)、ステップS405において演出回転制御実行処理A(図16参照)のループ抽選処理を実行することはない。
一方、N+1回目の遊技において内部当選コマンドを受信した第1副制御部400は、当該N+1回目の遊技において内部当選コマンド受付時処理(図33参照)を実行するが、この例では第4の準備フラグがオンに設定されていることから、ステップS2302において代替ループ抽選処理A(図35参照)を実行する。
この代替ループ抽選処理Aでは、ステップS2404で抽選を実行し、ステップS2405で当該抽選に当選したと判定した場合、ステップS2407において内部残AT遊技回数を加算する処理を実行した後に、再びステップS2404で抽選を実行する。すなわち、代替ループ抽選処理Aでは、ステップS2404の抽選に当選し続ける限り(ステップS2404の抽選結果として非当選が導出されるまで)、ステップS2405〜S2407、およびS2404の処理からなるループ抽選処理を繰り返し実行することになる。なお、この例では、主制御部300は演出回転制御実行コマンドを第1副制御部400に送信しないことから、第1副制御部400が当該N+1回目の遊技において演出回転制御実行コマンド受付時処理を実行することはない。
<従来のループ抽選処理と実施形態1の相違点>
次に、図41および図42を用いて、従来のループ抽選処理と実施形態1の相違点について説明する。なお、図41は、従来のループ抽選処理の問題点を説明するための図であり、図42は、実施形態1の効果を説明するための図である。
図41および図42には、規定枚数のメダルが設定された状態でスタートレバー135の押下操作を受付けた後、遊技間隔タイマが0になったことを契機として、ループ抽選処理を開始する例を示している。なお、ループ抽選処理の開始タイミングは、この例に限定されず、例えば、規定枚数のメダルが設定された状態でスタートレバー135の押下操作を受付けたことを契機として、ループ抽選処理を開始してもよい。
図41に示す従来のループ抽選処理では、ループ抽選処理内における抽選が当選し続ける限り連続的に実行可能に構成されているため、ループ抽選処理内における抽選の当選回数が少ない場合(当選によって遊技者が得られる特典が小さい場合)のループ抽選処理に要する時間を「ループ抽選期間1」とすると、ループ抽選処理内における抽選の当選回数が多い場合(当選によって遊技者が得られる特典が大きい場合)のループ抽選処理に要する時間は、「ループ抽選期間1」よりも長い時間である「ループ抽選期間2」となる。
すなわち、従来のループ抽選処理では、ループ抽選処理内における抽選の当選回数によってループ抽選処理に要する時間が変動する。このため、ループ抽選処理の後続の処理(この例では、リールを通常の方向で加速し始める処理)であって実行されたことを遊技者が認識できる(実行されたことを外部から認識可能な)処理の開始タイミングが、ループ抽選処理内における抽選の当選回数に左右されることになり、開始タイミングの違い(この例では、リールの加速開始タイミングの違い)によってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)を報知する前に結果が推測されてしまうおそれがある。特に、このループ抽選処理の結果を段階的に報知する場合や複数回に分けて報知する場合、すなわち、同結果すべてを一のタイミングで報知しない場合があるものに関して問題となる。
よって、上記した従来のループ抽選処理を本実施形態に適用すると、所定の条件(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役4に入賞した場合に成立する条件)が満たされなかった場合、従来のループ抽選処理をそのまま実行してしまうこととなり、上記と同様の問題が起きてしまう。
そこで、本実施形態1では、上記した所定の条件が満たされなかった場合には、主制御部300において演出回転制御実行処理A(ループ抽選処理)を行うことなく、第1副制御部400において、当該ループ抽選処理に替わる代替ループ抽選処理A(ループ抽選処理)を行うように構成している。
このため、図42に示すように、実施形態1では、主制御部300におけるループ抽選処理の後続の処理(この例では、リールを加速し始める処理)であって実行されたことを遊技者が認識できる処理の開始タイミングの違い(この例では、リールの加速開始タイミングの違い)によってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうことがない。
また、代替ループ抽選処理Aに示すループ抽選処理において、抽選処理に一度も当選しなかった場合には、抽選処理に当選した場合に実行される処理(本実施形態では、ステップS2407)が一度も実行されることなく、ループ抽選処理が終了するように構成されているが、例えば、ループ抽選処理が開始されてから所定の回数は抽選処理に当選したとみなすように構成してもよく、このように構成することで、ループ抽選処理に要する時間に対して当選回数により生じる時間差が占める割合を低くすることができ、代替ループ抽選処理Aにおける当選回数が副制御部に与える影響を低減することができる場合がある。なお、このような場合、演出回転制御実行処理Aに示すループ抽選処理においても代替ループ抽選処理Aと同一の回数は抽選処理に当選したとみなすように構成することが好ましい。
<変形例1>
次に、変形例1に係るスロットマシンについて詳細に説明する。この変形例1は、上記した所定の条件が満たされなかった場合に、図41を用いて上述した従来のループ抽選処理の問題を、後述する第1副制御部400における期待値加算処理Aを用いて解決する変形例である。なお、重複説明を回避するため、上記スロットマシン100と同一の構成については図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略し、以下、上記スロットマシン100と異なる構成についてのみ説明する。
この変形例1に係るスロットマシンは、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理に替えて、図43に示す内部当選コマンド受付時処理を適用するとともに、上記図35に示す代替ループ抽選処理Aに替えて、図44に示す期待値加算処理Aを適用したものである。
図43に示すように、変形例1に係る内部当選コマンド受付時処理では、第4の準備フラグがオンの場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、ステップS3502において期待値加算処理A(非ループ抽選処理)を行う。
図44に示すように、この期待値加算処理A(非ループ抽選処理)のステップS3601では、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定し、AT遊技状態の場合にはステップS3603に進み、AT状態以外の場合にはステップS3602に進む。ステップS3602では、遊技状態にAT遊技状態を設定してステップS3603に進む。ステップS3603では、内部残AT遊技回数に所定ゲーム数を加算(利益を付与)し、次のステップS3604では、内部残AT数加算処理フラグをオフに設定した後に処理を終了する。すなわち、この期待値加算処理Aは、抽選処理が繰り返し実行されることがない「非ループ抽選処理」である。
このように、変形例1に係るスロットマシンでは、所定の条件が満たされなかった場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、主制御部300において、演出回転制御実行処理A(ループ抽選処理)を行うことなく、第1副制御部400において、当該ループ抽選処理に替わる期待値加算処理A(非ループ抽選処理)を行うように構成している。
このような構成とすれば、主制御部300におけるループ抽選処理の後続の処理であって実行されたことを遊技者が認識できる処理の開始タイミングの違いを出さないようにすることができる。さらに、非ループ抽選処理(期待値加算処理A)に要する時間は、抽選結果に関わらず一律であるため、第1副制御部400においても、非ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングが、非ループ抽選処理に要する時間に左右されることがない。
なお、ステップS3603において内部残AT遊技回数に加算する所定ゲーム数は特に限定されないが、主制御部300のループ抽選処理の結果によって加算される内部残AT遊技回数(演出回転制御実行コマンド受付時処理のステップS2703において加算される内部残AT遊技回数)の期待値(平均値)と略同一の値とすることが好ましい。また、所定ゲーム数は、複数の値の中から一回の抽選によって決定された一の値としてもよく、この場合においても上記の期待値と当該処理における期待値とが略同一となるようすることが好ましい。このように、それぞれの処理において付与される利益の期待値を略同一にすることで遊技者に安心感を与え、遊技意欲の減退を防止することができる場合がある。
<変形例2>
次に、変形例2に係るスロットマシンについて詳細に説明する。この変形例2は、上記した所定の条件が満たされなかった場合に、図41を用いて説明した従来のループ抽選処理の問題を、後述する主制御部300における期待値加算処理Bを用いて解決する変形例である。なお、重複説明を回避するため、上記スロットマシン100と同一の構成については図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略し、以下、上記スロットマシン100と異なる構成についてのみ説明する。
<変形例2/主制御部>
この変形例2に係るスロットマシンでは、主制御部300で行う主制御部メイン処理のうち、上記図14に示す入賞役内部抽選処理に替えて図46に示す入賞役内部抽選処理を適用し、上記図15に示すリール回転開始処理に替えて図47に示すリール回転開始処理を適用し、上記図18に示す入賞判定処理に替えて図50に示す入賞判定処理を適用し、上記図19に示す遊技状態制御処理に替えて図51に示す遊技状態制御処理を適用している。
具体的には、図46に示すように、上記図14に示す入賞役内部抽選処理にステップS3601の処理を追加している。ステップ3601では、上記スロットマシン100の第1副制御部400が内部当選コマンド受付時処理(図33参照)のステップS2304で行っていた処理、すなわち、内部当選役に基づいて残ATセット数を更新する処理を行う。
また、変形例2では、図47に示すように、上記図15に示すリール回転開始処理にステップS3701〜S3704の処理を追加している。これらのステップ3701〜S3704では、第1の準備フラグがオン、かつ第2の準備フラグがオンの場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役4に入賞した場合)には、図48に示す演出回転制御実行処理B(ループ抽選処理)を行い、第1の準備フラグがオン、かつ第2の準備フラグがオフの場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、図49に示す期待値加算処理B(非ループ抽選処理)を行うように構成している。
図48に示す演出回転制御実行処理B(ループ抽選処理)では、上記図16に示す演出回転制御実行処理A(ループ抽選処理)にステップS3801〜S3802の処理を追加している。ステップS3801では、上記スロットマシン100の第1副制御部400が演出回転制御実行コマンド受付時処理(図38参照)のステップS2703で行っていた処理、すなわち、内部残AT遊技回数に所定ゲーム数(この例では10ゲーム)を加算する処理を行う。また、次のステップS3802では、この内部残AT遊技回数の情報を含む内部残AT遊技回数加算コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
なお、この演出回転制御処理Bで示すループ抽選処理は、演出回転制御処理Aと同様に、ステップS503、S504に示す通り、遊技者による演出ボタンの操作があった場合に抽選処理を実行する、すなわち、抽選処理を断続的に実行するものであり、この抽選処理に当選した場合には対応する処理(本実施形態では、演出回転制御を実行する処理)が実行されるものである。よって、このループ抽選処理は、抽選処理に当選するごとに当選したことを遊技者に認識させるものである。
また、図49に示す期待値加算処理B(非ループ抽選処理)では、上記図44に示す期待値加算処理A(非ループ抽選処理)からステップS3601〜S3602、S3604の処理を削除するとともに、ステップS3901の処理を追加している。ステップS3901では、内部残AT遊技回数の情報を含む内部残AT遊技回数加算コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
また、変形例2では、図50に示すように、上記図18に示す入賞判定処理からステップS705の処理を削除しており、ここでは、第1の準備フラグをオフに設定しないようにしている。
また、変形例2では、図51に示すように、上記図19に示す遊技状態制御処理にステップS4001〜S4005の処理を追加している。ステップS4001では、上記スロットマシン100の第1副制御部400が内部当選コマンド受付時処理(図33参照)のステップS2305で行っていた処理、すなわち、内部残AT遊技回数を減算する処理を行っている。また、ステップS4002〜S4005では、上記スロットマシン100の第1副制御部400が遊技状態更新コマンド受付時処理(図37参照)のステップS2603、S2607、S2609、およびS2611で行っていた処理、すなわち、内部残AT遊技回数が0、かつ、残ATセット数が0よりも大きい場合に内部残AT遊技回数に初期値を設定するとともに残ATセット数を減算する処理を行う。
<変形例2/第1副制御部>
また、この変形例2に係るスロットマシンでは、第1副制御部400で行う第1副制御部メイン処理のうち、上記図32に示す遊技中演出制御処理に替えて図52に示す遊技中演出制御処理を適用し、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理に替えて図53に示す内部当選コマンド受付時処理を適用し、上記図37に示す遊技状態更新コマンド受付時処理に替えて図54に示す遊技状態更新コマンド受付時処理を適用し、上記図38に示す演出回転制御実行コマンド受付時処理に替えて図55に示す内部残AT遊技回数加算コマンド受付時処理を適用している。
具体的には、図52に示すように、上記図32に示す遊技中演出制御処理からステップS2203〜S2204、およびS2207〜S2209の処理を削除するとともに、ステップS4101〜S4103の処理を追加している。これらのステップS4101〜S4103では、主制御部300から内部残AT遊技回数加算コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信した場合には、図55に示す内部残AT遊技回数加算コマンド受付時処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了し、当該コマンドを受信していない場合には、その他のコマンド受付時処理を行う。
また、変形例2では、図53に示すように、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理からステップS2301〜S2302、S2304〜S2305、S2309の処理を削除しており、ここでは、ループ抽選処理、残ATセット数の更新処理、および内部残AT遊技回数の減算処理を行わず、第3の準備フラグをオンに設定しないようにしている。
また、変形例2では、図54に示すように、上記図37に示す遊技状態更新コマンド受付時処理からステップS2606〜S2611の処理を削除しており、ここでは、AT遊技状態の解除、残ATセット数が0より大きい場合の各種処理を行わないようにしている。また、図55に示す内部残AT遊技回数加算コマンド受付時処理では、上記図38に示す演出回転制御実行コマンド受付時処理のステップS2701〜S2702、S2704〜S2705の処理を行うようにしている。
このように、変形例2では、所定の条件が満たされなかった場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、主制御部300において、ループ抽選処理(演出回転制御実行処理B)を行う替わりに、非ループ抽選処理(期待値加算処理B)を行うように構成している。
このような構成とすれば、主制御部300におけるループ抽選処理の後続の処理であって実行されたことを遊技者が認識できる処理の開始タイミングの違いを出さないようにすることができる。さらに、非ループ抽選処理(期待値加算処理B)に要する時間は、抽選結果に関わらず一律であるため、主制御部300において、非ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングが、非ループ抽選処理に要する時間に左右されることがない。
なお、変形例2では、主制御部300における演出回転制御実行処理B(ループ抽選処理)に替えて主制御部300における期待値加算処理B(非ループ抽選処理)を実行することで図41を用いて説明した従来のループ抽選処理の問題を解決する例を示したが、このような例に限らず、同一の制御部(例えば、第1副制御部400)において、ループ抽選処理に替えて非ループ抽選処理を行うように構成してもよい。
さらに、複数の制御部(例えば、主制御部300および第1副制御部400)それぞれにおいて、ループ抽選処理に替えて非ループ抽選処理を行うように構成してもよい。
<従来のループ抽選処理と変形例1、2の相違点>
次に、図56を用いて、従来のループ抽選処理と変形例1、2の相違点について説明する。なお、同図(a)、従来のループ抽選処理の問題点を説明するための図であり、同図(b)、変形例1、2の効果を説明するための図である。
同図(a)に示す従来のループ抽選処理では、上述した通り、ループ抽選処理内における抽選の当選回数によってループ抽選処理に要する時間が変動する。このため、ループ抽選処理の後続の処理であって実行されたことを遊技者が認識できる処理の開始タイミングが、ループ抽選処理内における抽選の当選回数に左右されることになり、当該開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果を報知する前に結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれがある。
一方、変形例1では、所定の条件が満たされなかった場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、主制御部300において、演出回転制御実行処理A(ループ抽選処理)の替わりに上記した従来のループ抽選処理を行うことなく、第1副制御部400において、当該ループ抽選処理に替わる期待値加算処理A(非ループ抽選処理)を行うように構成している。
このため、変形例1では、主制御部300におけるループ抽選処理の後続の処理であって実行されたことを遊技者が認識できる処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうことを防止することができる。また、同図(b)に示すように、非ループ抽選処理(期待値加算処理A)に要する時間は、抽選結果に関わらず一律であるため、第1副制御部400においても、非ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングが、非ループ抽選処理に要する時間に左右されることがない。
同様に、変形例2では、所定の条件が満たされなかった場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、主制御部300において、ループ抽選処理(演出回転制御実行処理B)の替わりに上記した従来のループ抽選処理を行うことなく、同制御部300において、非ループ抽選処理(期待値加算処理B)を行うように構成している。
このため、第1変形例と同様に第2変形例でも、主制御部300におけるループ抽選処理の後続の処理であって実行されたことを遊技者が認識できる処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうことを防止することができる。また、同図(b)に示すように、非ループ抽選処理(期待値加算処理B)に要する時間は、抽選結果に関わらず一律であるため、主制御部300において、非ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングが、非ループ抽選処理に要する時間に左右されることがない。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2に係る遊技台(スロットマシン)について説明する。本実施形態2は、上記した所定の条件が満たされなかったに従来のループ抽選処理を実行しつつも、図41を用いて説明した従来のループ抽選処理の問題を解決する方法の一例である。なお、重複説明を回避するため、上記スロットマシン100と同一の構成については図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略し、以下、上記スロットマシン100と異なる構成についてのみ説明する。
<実施形態2/主制御部>
この実施形態2に係るスロットマシンでは、上記図12に示す主制御部メイン処理に替えて図57に示す主制御部メイン処理を適用し、上記図13に示す主制御部タイマ割込み処理に替えて図58に示す主制御部タイマ割込み処理を適用するとともに、主制御部メイン処理のうち、上記図15に示すリール回転開始処理に替えて図59に示すリール回転開始処理を適用している。
具体的には、図57に示すように、上記図12に示す主制御部メイン処理のステップS117の入賞判定処理を、ステップS4301の入賞判定処理に変更し、変更後の入賞判定処理では、入賞判定処理と入賞判定コマンドの送信準備処理のみを行うようにしている。また、実施形態2では、図58に示すように、上記図13に示す主制御部タイマ割込み処理のステップS207の各種遊技処理を、ステップS4401の各種遊技処理に変更し、変更後の各種遊技処理では、上述の演出回転制御状態を設けずに、当該演出回転制御状態に関する処理を行わないように構成している。また、実施形態2では、図59に示すように、上記図15に示すリール回転開始処理のステップS404以降の処理を削除し、演出回転制御状態に関する処理を行わないように構成している。
<実施形態2/第1副制御部>
また、この実施形態2に係るスロットマシンでは、第1副制御部400で行う第1副制御部メイン処理のうち、上記図30に示す演出制御処理に替えて図61に示す演出制御処理を適用し、上記図32に示す遊技中演出制御処理に替えて図62に示す遊技中演出制御処理を適用し、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理に替えて図63に示す内部当選コマンド受付時処理を適用し、上記図35に示す代替ループ抽選処理Aに替えて図64に示す代替ループ抽選処理Bを適用し、上記図37に示す遊技状態更新コマンド受付時処理に替えて図65に示す遊技状態更新コマンド受付時処理を適用し、図66に示す非遊技中演出制御処理を新たに追加している。
具体的には、図61に示すように、上記図30に示す演出制御処理のステップS2103の非遊技中演出制御処理を、ステップS4501の非遊技演出制御処理に変更している。なお、この非遊技演出制御処理については後述する。また、実施形態2では、図62に示すように、上記図32に示す遊技中演出制御処理のステップS2203〜S2204、S2207〜S2208を削除し、上述の入賞判定コマンドと演出回転制御実行コマンドに関する処理を行わないように構成している。
また、実施形態2では、図63に示すように、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理からステップS2301〜S2302、S2309、S2312の処理を削除するとともに、当該内部当選コマンド受付時処理にステップS4601〜S4604の処理を新たに追加している。新たに追加したS4604では、再遊技役1−4に内部当選した場合に第5の準備フラグをオンに設定し、ステップS4601〜S4603では、次回の遊技において、第5の準備フラグがオンに維持されている場合に「所定の演出」を示す演出データの読み出しを行った後に、図64に示す代替ループ抽選処理B(ループ抽選処理)を行うように構成している。
ここで、「所定の演出」とは、ループ抽選処理の結果を示す演出(後述する「特定の演出」)とは異なる演出のことであり、その演出内容は特にされるものではない。なお、所定の演出を開始するタイミングは、本実施形態のようにループ抽選処理が実行されるタイミングであってもよく、ループ抽選処理が実行されるタイミング以降の任意のタイミングで実行されるように構成されていればよい。
図64に示す代替ループ抽選処理Bは、上記図35に示す代替ループ抽選処理AからステップS2406の処理を削除するとともに、当該代替ループ抽選処理AにステップS4701〜S4703の処理を新たに追加した処理である。新たに追加したステップS4701〜S4703では、第5の準備フラグをオフに設定した後に、内部残AT遊技回数に基づいて表示残AT遊技回数を加算し、この加算後の表示残AT遊技回数を報知する演出を行うための演出データを設定するように構成している。
この「加算後の表示残AT遊技回数を報知する演出」が上述の「特定の演出」の一例に該当し、この特定の演出は、上述の「所定の演出」が終了した後に行われる演出である。この特定の演出は、この演出に限定されず、ループ抽選処理によって付与された特典の少なくとも一部を報知する演出など、ループ抽選処理の結果に関連する演出であればよい。
なお、この代替ループ抽選処理Bで示すループ抽選処理は、後述する非遊技中演出制御処理で示すループ抽選処理のように、抽選処理を実行する際に判定を行うことなく、抽選処理を連続的に実行するものであり、抽選処理に当選するごとに当選したことを遊技者に認識させないものである。
また、ステップS4702における表示残AT遊技回数の加算処理は、加算後の表示残AT遊技回数が、内部残AT遊技回数以下になる処理であればよい。また、内部残AT遊技回数の加算処理は、ループ抽選処理内で抽選に当選するたびに行っているが、ループ抽選処理外(例えば、ステップS4701の処理の後)で行うようにしてもよい。また、本実施形態のように代替ループ抽選処理における当選回数に上限値を設けなくてもよいし、設けてもよいが、後述する非遊技中演出制御処理と合わせることが好ましい。
また、実施形態2では、図65に示すように、上記図37に示す遊技状態更新コマンド受付時処理にステップS4801〜S4802の処理を新たに追加している。新たに追加したS4801〜S4802では、第5の準備フラグがオンの場合(この例では、再遊技役1−4に内部当選した場合)に、演出ボタン170の押下操作を促す演出を行うための演出データを読み出すように構成している。
図66は、実施形態2の遊技状態更新コマンド受付時処理における非遊技中演出制御処理(ステップS4501)の流れを示すフローチャートである。ステップS5001では、第5の準備フラグがオンかオフかを判定し、オンの場合(この例では、再遊技役1−4に内部当選した場合)にはステップS5002に進み、オフの場合には処理を終了する。
ステップS5002では、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判定し、AT遊技状態の場合にはステップS5004に進み、AT状態以外の場合にはステップS5003に進む。ステップS5003では、遊技状態にAT遊技状態を設定してステップS5004に進む。
ステップS5004では、後述するステップS5008で行う抽選の当選確率を設定する。なお、本実施形態では当選確率を90%に設定するが、当選確率は90%以外の数値でもよいし、非遊技中演出制御処理の中で複数種類の当選確率に変動させてもよい。ステップS5005では、演出ボタン170の操作を受付けたか否かを判定し、受付けた場合には、ステップS5007に進み、受付けていない場合には、ステップS5006に進む。ステップS5006では、次の遊技が開始されたか否かを判定し、開始された場合には処理を終了し、そうでない場合にはステップS5005に戻って演出ボタン170の操作の受付を待つ。なお、本実施形態2では、次の遊技が開始された場合、すなわち、予め定められた賭け数が設定されている状態でスタートレバー135が操作された場合に処理を終了する(代替ループ抽選処理Bが実行される)ように構成されているが、予め定められた賭け数を設定するために操作される操作手段が操作されたこと、または賭け数が設定されたことに基づいて処理を終了するように構成してもよい。
ステップS5007では、ステップS5004で設定された当選確率に従って、抽選を実行し、ステップS5008では、この抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合にはステップS5009に進み、当選しなかった場合にはステップS5012に進み、上述の第5の準備フラグをオフに設定する。ステップS5009では、内部残AT遊技回数に所定ゲーム数(この例では10ゲーム)を加算し、次のステップS5010では、表示残AT遊技回数を加算し、ステップ5011では、加算後の表示残AT遊技回数を報知する演出を行うための演出データを設定し、ステップS5005に戻る。
このように、非遊技中演出制御処理では、ステップS5007で抽選を実行し、ステップS5008で当該抽選に当選したと判定した場合、ステップS5009〜S5011の処理を実行した後に、ステップS5005〜S5006の処理を実行し、再びステップS5007で抽選を実行する。すなわち、非遊技中演出制御処理では、次回の遊技が開始されることなく演出ボタン170が操作された場合、ステップS5007の抽選に当選し続ける限り、ステップS5009〜S5011の処理とステップS5005〜S5006の処理からなる「ループ抽選処理」を繰り返し実行することになる。
なお、この非遊技中演出制御処理で示すループ抽選処理は、ステップS5005に示す通り、遊技者による演出ボタンの操作があった場合に抽選処理を実行する、すなわち、抽選処理を断続的に実行するものであり、この抽選処理に当選した場合には対応する処理(本実施形態では、演出回転制御を実行する処理)が実行されるものである。よって、このループ抽選処理は、抽選処理に当選するごとに当選したことを遊技者に認識させるものである。
<従来のループ抽選処理と実施形態2の相違点>
次に、図67〜図70を用いて、従来のループ抽選処理と実施形態2の相違点について説明する。なお、図67は、従来のループ抽選処理の問題点を説明するための図であり、図68〜図69は、実施形態2の効果を説明するための図である。
図67に示す従来のループ抽選処理では、ループ抽選処理内における抽選の当選回数によってループ抽選処理に要する時間が変動する。このため、ループ抽選処理の後続の処理(この例では、特定の演出を行う処理)の開始タイミングが、ループ抽選処理内における抽選の当選回数に左右されることになり、当該開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれがある。
一方、実施形態2では、所定の実行条件が満たされた場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選した場合であって、非遊技中演出制御処理に示すループ抽選処理が終了する前に次遊技が開始された場合)には、第1副制御部400においてループ抽選処理(代替ループ抽選処理B)を行う前に所定の演出を開始し、当該所定の演出の終了を待ってから特定の演出を開始するように構成している。
まず、ループ抽選処理における当選回数に上限値が設けられている場合、すなわち、ループ抽選処理に要する最大時間が存在する場合、実施形態2では、図68に示すように、所定の演出に要する時間を、この最大時間以上に設定しておけば、第1副制御部400におけるループ抽選処理の後続の処理(この例では、特定の演出を行う処理)の開始タイミングが、ループ抽選処理に要する時間に左右されることがなく、開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうことがない。なお、当選回数の上限値は特に制限されないが、例えば、予め定められた値としてもよいし、抽選などによって予め定めた最小値と最大値の範囲内で決定するようにしてもよい。なお、所定の演出に要する時間がループ抽選処理に要する最大時間未満である場合であっても、所定の演出に要する時間内にループ抽選処理が終了する場合においては上述の効果と同様の効果を得ることができる。
また、ループ抽選処理における当選回数に上限が設けられていない場合、すなわち、ループ抽選処理に要する最大時間が存在しない場合であっても、ループ抽選処理における当選回数に上限が設けられている場合であって、所定の演出に要する時間がループ抽選処理に要する最大時間未満である場合と同様に、図69に示すように、所定の演出が終了するまでは特定の演出の開始を遅延させることが可能であるため、特定の演出の開始タイミングが異なる場合でも、そのタイミングの差を分かりにくくすることができ、開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれを従来よりも低減することができる。
また、図70は、実施形態2の変形例の効果を説明するための図である。実施形態2の変形例では、所定の実行条件が成立した場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選した場合であって、非遊技中演出制御処理に示すループ抽選処理が終了する前に次遊技が開始された場合)には、第1副制御部400において最初にループ抽選処理(代替ループ抽選処理B)を行い、次に所定の演出を開始し、当該所定の演出の終了を待ってから特定の演出を開始するように構成する。
この場合、ループ抽選処理における当選回数に上限が設けられているか否かに関わらず、特定の演出の開始タイミングを完全に同じにすることは難しいが、ループ抽選処理の結果の違いによる特定の演出の開始タイミングの差が、ループ抽選処理の開始から所定の演出の終了までの総時間に占める割合を小さくすることができる。このため、特定の演出の開始タイミングが異なる場合でも、そのタイミングの差を分かりにくくすることができ、開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれを従来よりも低減することができる。
なお、この例のようにループ抽選処理(代替ループ抽選処理B)を行ってから所定の演出を開始する場合に限らず、このループ抽選処理の実行を開始してから終了するまでの任意のタイミングで所定の演出を開始するように構成しても上述の効果を得ることができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係る遊技台(スロットマシン)について説明する。本実施形態3は、従来のループ抽選処理を実行しつつも、図41を用いて説明した従来のループ抽選処理の問題を解決する方法の一例である、なお、重複説明を回避するため、上記スロットマシン100と同一の構成については図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略し、以下、上記スロットマシン100と異なる構成についてのみ説明する。
<実施形態3/主制御部>
この実施形態3に係るスロットマシンでは、主制御部300で行う主制御部メイン処理のうち、上記図14に示す入賞役内部抽選処理に替えて、実施形態1の変形例2と同一の図46に示す入賞役内部抽選処理を適用し、上記図15に示すリール回転開始処理に替えて図73に示すリール回転開始処理(詳細は後述)を適用し、上記図18に示す入賞判定処理に替えて、実施形態1の変形例2と同一の図51または図75に示す入賞判定処理を適用し、上記図19に示す遊技状態制御処理に替えて、実施形態1の変形例2と同一の図51または図76に示す遊技状態制御処理を適用している。なお、実施形態1の変形例2と同一の処理の説明は省略する。
実施形態3では、図73に示すように、上記図15に示すリール回転開始処理にステップS5101〜S5104の処理を追加している。これらのステップS5101〜S5104は、第1の準備フラグがオン、かつ第2の準備フラグがオンの場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役4に入賞した場合)には、上記図48に示す演出回転制御実行処理B(ループ抽選処理)を行い、第1の準備フラグがオン、かつ第2の準備フラグがオフの場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、図74に示す代替ループ抽選処理C(ループ抽選処理)を行うように構成している。
図74に示す代替ループ抽選処理C(ループ抽選処理)のステップS5201では、RAM308に記憶している遅延タイマに初期値を設定する。また、ステップS5202では、後述のステップS5203で行う抽選の当選確率を設定する。なお、本実施形態では当選確率を90%に設定するが、当選確率は90%以外の数値でもよいし、演出回転制御実行処理Aの中で複数種類の当選確率に変動させてもよい。
ステップS5203では、ステップS5202で設定された当選確率に従って、抽選を実行し、ステップS5204では、この抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合にはステップS5205に進み、当選しなかった場合にはステップS5206に進む。ステップS5206では、遅延タイマの値が0であるか否か(予め定めた遅延時間が経過したか否か)を判定する。そして、遅延タイマの値が0の場合(予め定めた遅延時間が経過した場合)には、ステップS5207に進み、そうでない場合には、ステップS5206の判定処理を繰り返し実行する。ステップS5207では、内部残AT遊技回数の情報を含む内部残AT遊技回数加算コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
なお、この代替ループ抽選処理Cで示すループ抽選処理は、上述した演出回転制御実行処理Bで示すループ抽選処理のように、抽選処理を実行する際に判定を行うことなく、抽選処理を連続的に実行するものであり、抽選処理に当選するごとに当選したことを遊技者に認識させないものである。
<実施形態3/第1副制御部>
また、この実施形態3に係るスロットマシンでは、第1副制御部400で行う第1副制御部メイン処理のうち、上記図32に示す遊技中演出制御処理に替えて、実施形態1の変形例2と同一の図52および図77に示す遊技中演出制御処理を適用し、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理に替えて図78に示す内部当選コマンド受付時処理を適用している。
具体的には、図78に示すように、上記図33に示す内部当選コマンド受付時処理からステップS2301〜S2302、S2304〜S2305、S2309〜S2310、S23112の処理を削除しており、ここでは、ループ抽選処理、残ATセット数の更新処理、および内部残AT遊技回数の減算処理を行わず、第3の準備フラグをオンに設定しないようにしている。
<従来のループ抽選処理と実施形態3の相違点>
次に、図79〜図82を用いて、従来のループ抽選処理と実施形態3の相違点について説明する。なお、図79は、従来のループ抽選処理の問題点を説明するための図であり、図80〜図81は、実施形態3の効果を説明するための図である。
図79に示す従来のループ抽選処理では、ループ抽選処理内における抽選の当選回数によってループ抽選処理に要する時間が変動する。このため、ループ抽選処理の後続の処理(この例では、リールを加速制御状態に移行させる処理)の開始タイミングが、ループ抽選処理内における抽選の当選回数に左右されることになり、当該開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれがある。
一方、実施形態3では、所定の条件が満たされなかった場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役1に入賞した場合)には、主制御部300においてループ抽選処理(代替ループ抽選処理C)を行う前に遅延タイマに初期値を設定し、当該遅延タイマが0になるのを待ってからリールを加速制御状態に移行させる処理を開始するように構成している。
まず、ループ抽選処理における当選回数に上限値が設けられている場合、すなわち、ループ抽選処理に要する最大時間が存在する場合、実施形態3では、図80に示すように、遅延タイマに設定する初期値の時間を、この最大時間以上に設定しておけば、主制御部300におけるループ抽選処理の後続の処理(この例では、リールを加速制御状態に移行させる処理)の開始タイミングが、ループ抽選処理に要する時間に左右されることがなく、開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうことがない。また、当選回数の上限値は特に制限されないが、例えば、抽選などによって予め定めた最小値と最大値の範囲内で当選回数の上限値を決定するようにしてもよい。なお、遅延タイマによる遅延時間がループ抽選処理に要する最大時間未満である場合であっても、この遅延時間内にループ抽選処理が終了する場合においては上述の効果と同様に効果を得ることができる。
また、ループ抽選処理における当選回数に上限が設けられていない場合、すなわち、ループ抽選処理に要する最大時間が存在しない場合であっても、ループ抽選処理における当選回数に上限が設けられている場合であって、遅延時間がループ抽選処理に要する最大時間未満である場合と同様に、図81に示すように、遅延タイマが0になるまではリールを加速制御状態に移行させる処理を遅延させることが可能であるため、リールを加速制御状態に移行させる処理の開始タイミングが異なる場合でも、そのタイミングの差を分かりにくくすることができ、開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれを従来よりも低減することができる。また、ループ抽選処理における当選回数に上限値が設けられている場合であって、遅延タイマに設定する初期値の時間が、このループ抽選処理に要する時間が最大時間以上に設定されていない場合にであっても同様の効果を得ることができる。
また、図82は、実施形態3の変形例の効果を説明するための図である。実施形態3の変形例では、所定の条件が満たされなかった場合(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技1に入賞した場合)には、主制御部300において最初にループ抽選処理(代替ループ抽選処理B)を行い、次に遅延タイマの初期値を設定し、当該遅延タイマが0になるのを待ってからリールを加速制御状態に移行させる処理を開始するように構成する。
この場合、リールを加速制御状態に移行させる処理の開始タイミングを完全に同じにすることは難しいが、ループ抽選処理の結果の違いによる加速制御状態の移行タイミングの差が、ループ抽選処理の開始からリールを加速制御状態に移行させる処理の終了までの総時間に占める割合を小さくすることができる。このため、リールを加速制御状態に移行させる処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうおそれを従来よりも低減することができる。
なお、この例のようにループ抽選処理(代替ループ抽選処理C)を行ってから遅延タイマを設定する場合に限らず、このループ抽選処理の実行を開始してから終了するまでの任意のタイミングで遅延タイマを設定するように構成しても上述の効果を得ることができる。
以上説明したように、上記実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、回転中の前記複数のリールを停止させるために操作されるストップボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、数値を更新する数値更新手段(例えば、図83に示す乱数値生成回路316の数値更新回路A,B)と、第一の抽選手段(例えば、図14に示す入賞役内部抽選処理)と、前記第一の抽選手段とは異なる第二の抽選手段(例えば、図74に示す代替ループ抽選処理CのステップS5203〜S5205)と、処理の進行を遅延させる遅延手段(例えば、図74に示す代替ループ処理CのステップS5201やステップS5206)と、を備え、前記第一の抽選手段による抽選の結果および前記ストップボタンに対する操作の結果に基づいて回転中の前記複数のリールを停止させ、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する遊技台であって、前記数値更新手段は、第一の数値更新手段、および該第一の数値更新手段とは異なる第二の数値更新手段で構成されるものであり、前記第二の数値更新手段は、更新している数値を所定の周期で一周させるものであり、前記第一の抽選手段は、前記第一の数値更新手段から数値を取得し、取得した該数値を用いた判定を行うものであり、前記第二の抽選手段は、所定の抽選によって所定の結果が導出されるまで該所定の抽選を繰り返し行うループ抽選を行うことが可能であり、前記所定の抽選として、前記第二の数値更新手段から数値を取得し、取得した該数値を用いた判定を少なくとも行い、前記ループ抽選における前記所定の抽選を遊技操作なしに行うことが可能なものであって、前記所定の抽選における数値の取得から次の前記所定の抽選における数値の取得までの期間が前記所定の周期以上となるように、前記ループ抽選を行うものであり、前記遅延手段は、前記ループ抽選と並行して処理の進行を遅延させることが可能なものであることを特徴とする遊技台である。
上記実施形態に係る遊技台によれば、第一の抽選手段と第二の抽選手段とで異なる数値更新手段から数値を取得して判定を行うため、第一の抽選手段による抽選結果から、第二の抽選手段におけるループ抽選の結果が推測されてしまうような事態を未然に防止することができ、遊技の公平性を担保できる場合がある。また、遅延手段によってループ抽選の終了後に実行される処理の進行を遅延させることが可能なため、ループ抽選に要する時間に時間差(バラツキ)がある場合でも、当該ループ抽選の終了後に実行される処理の開始タイミングの時間差を従来よりも減らすことが可能となる。この結果、ループ抽選の終了後に実行される処理の開始タイミングの違いによってループ抽選の結果が推測されてしまうような事態を未然に防止することができ、ループ抽選の結果を、より一層、推測させ難くすることができる場合がある。
また、遊技に関する演出を実行する演出手段(例えば、演出画像表示装置157、各種ランプ420、スピーカ272・277)を備え、前記第二の制御手段は、前記第二のループ抽選処理の抽選結果に関連する第一の演出(例えば、図68に示す「特定の演出」)、および前記第二のループ抽選処理の抽選結果に関連しない第二の演出(例えば、図68に示す「所定の演出」)を、前記演出手段に実行させる処理を実行可能に構成され、前記第二のループ抽選処理の実行が開始されたタイミング以降に前記第二の演出を実行させる処理を実行し、前記第二の演出が実行されたタイミング以降に前記第一の演出が実行されるように前記演出手段を制御するものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の演出が実行されるタイミングの差をなくすこと、または第二のループ抽選処理の終了タイミングの差と比較して第一の演出が実行されるタイミングの差を小さくすることができる場合があり、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。 また、前記第二の制御手段は、前記第二の抽選処理によって前記第二の抽選結果が導出されていない場合であっても、前記第二の抽選処理があらかじめ定められた回数だけ実行されたことに基づいて前記第二のループ抽選処理の実行を終了するものであり、前記第二の演出は、前記第二のループ抽選処理に要する最大の時間以上の時間に亘って実行されるものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の演出が実行されるタイミングの差をなくすことができ、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、前記第二の制御手段は、前記第二のループ抽選処理において、少なくともあらかじめ定められた回数だけ前記第二の抽選処理によって第二の抽選結果が導出されたとみなすものであってもよい。
このような構成とすれば、第二のループ抽選処理が開始されてから第一の演出が開始されるまでの時間のうちの第二のループ抽選処理に要する時間の差が占める割合を小さくすることができ、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、遊技の進行を制御する第一の制御手段(例えば、主制御部300)と、前記第一の制御手段から送られる情報に基づいて遊技に関する演出を制御する第二の制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記第一の制御手段および前記第二の制御手段のうちの少なくともいずれか一方の制御手段は、所定の抽選処理(例えば、図48に示す演出回転制御実行処理BのステップS505の抽選処理)によって所定の抽選結果(例えば、非当選、当選、複数種類の抽選結果のうちの少なくとも一つの抽選結果)が導出されるまで該所定の抽選処理を断続的に実行するループ抽選処理(例えば、図48に示す演出回転制御実行処理BのステップS502〜S506およびS508〜S511のループ抽選処理)、および抽選処理を繰り返し実行しない非ループ抽選処理(例えば、図49に示す期待値加算処理B)を実行可能に構成され、所定の条件(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役4に入賞した場合に成立する条件)が充足された場合には、前記ループ抽選処理を実行可能に構成され、前記所定の条件が充足されなかった場合には、前記ループ抽選処理に替えて、前記非ループ抽選処理を実行可能に構成されたものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の制御手段または第二の制御手段においてループ抽選処理の実行が可能でありながら、所定の条件が充足されなかった場合には、当該ループ抽選処理に替えて、第一の制御手段または第二の制御手段において非ループ抽選処理を実行することができ、後続の処理の開始タイミングの違いによって抽選結果が推測されてしまうことがなく、遊技の興趣の減退を防止できる場合がある。
また、遊技の進行を制御する第一の制御手段(例えば、主制御部300)と、前記第一の制御手段から送られる情報に基づいて遊技に関する演出を制御する第二の制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記第一の制御手段は、所定の抽選処理(例えば、図16に示す演出回転制御実行処理AのステップS505の抽選処理、図48に示す演出回転制御実行処理BのステップS505の抽選処理)によって所定の抽選結果(例えば、非当選、当選、複数種類の抽選結果のうちの少なくとも一つの抽選結果)が導出されるまで該所定の抽選処理を断続的に実行するループ抽選処理(例えば、図16に示す演出回転制御実行処理AのステップS502〜S506およびS508〜S511のループ抽選処理)を実行可能に構成され、所定の条件(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選し、今回遊技で再遊技役4に入賞した場合に成立する条件)が充足された場合には、前記ループ抽選処理を実行可能に構成されたものであり、前記第二の制御手段は、抽選処理を繰り返し実行しない非ループ抽選処理(例えば、図44に示す期待値加算処理A)を実行可能に構成され、前記所定の条件が充足されなかった場合には、前記ループ抽選処理に替えて、前記非ループ抽選処理を実行可能に構成されたものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の制御手段においてループ抽選処理の実行が可能でありながら、所定の条件が充足されなかった場合には、当該ループ抽選処理に替えて、第二の制御手段において非ループ抽選処理を実行することができ、後続の処理の開始タイミングの違いによって抽選結果が推測されてしまうことがなく、遊技の興趣の減退を防止できる場合がある。
なお、本発明に係る「第一の抽選処理」、「第二の抽選処理」、および「所定の抽選処理」は、リールを演出回転制御状態にするかどうかを決定する抽選や、内部残AT遊技回数を加算するかどうかを決定する抽選などに限定されず、例えば、遊技者にとって有利な利益や遊技状態を付与するか否かを決定する抽選や、遊技者にとって不利なペナルティを付与するか否かを決定する抽選や、所定の演出を実行するか否かを決定する抽選などが含まれる。また、本発明に係る「非ループ抽選処理」は、抽選処理が繰り返し実行されることがない処理であればよく、抽選処理を全く行わない処理と、抽選処理を一度だけ行う処理の両方が含まれる。
さらに、上記した「非ループ抽選処理」は、対応する「ループ抽選処理」よりも不利な抽選処理(例えば、付与される利益の期待度が小さい)としてもよく、このような構成とすることで、所定の条件が遊技者の操作に依存する条件を少なくとも含む場合には、この所定の条件が充足されることを促すことができる場合がある。
また、上記実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100)は、所定の制御手段(例えば、第1副制御部400)を備えた遊技台であって、前記所定の制御手段は、所定の抽選処理(例えば、図74に示す代替ループ抽選処理CのステップS5203の抽選処理)によって所定の抽選結果(例えば、非当選、当選、複数種類の抽選結果のうちの少なくとも一つの抽選結果)が導出されるまで該所定の抽選処理を連続的に実行するループ抽選処理(例えば、図74に示す代替ループ抽選処理CのステップS5203〜S5205のループ抽選処理)を実行可能に構成され、所定の実行条件が充足されたこと(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選したこと)に基づいて前記ループ抽選処理を実行し、前記所定の実行条件が充足された以降に次に実行すべき次処理が実行されるタイミングを遅延させる遅延処理(例えば、図74に示す代替ループ抽選処理CのステップS5206において遅延タイマが0になるまで待つ処理)を実行するものであることを特徴とする遊技台である。なお、本発明に係る「制御手段」は、第1副制御部400に限定されず、他の制御部(例えば、主制御部300、第2副制御部500)でもよい。
上記実施形態に係る遊技台によれば、所定の実行条件が充足された場合には、制御手段においてループ抽選処理を用いながらも、後続の処理の開始タイミングのバラツキを減らすことが可能となる。このため、後続の処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の結果が推測されてしまうことがなく、遊技の興趣の減退を防止できる場合がある。
また、前記所定の制御手段は、前記所定の抽選処理によって前記所定の抽選結果が導出されなかった場合であっても、前記所定の抽選処理があらかじめ定められた回数だけ実行されたことに基づいて前記ループ抽選処理を終了させるものであり、前記遅延処理は、前記所定のループ抽選処理に要する最大時間以上の時間だけ前記次処理が実行されるタイミングを遅延させるものであってもよい。
このような構成とすれば、ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングがループ抽選処理に要する時間に左右されることがなくなるため、ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、遊技に関する演出を実行する演出手段(例えば、演出画像表示装置157、各種ランプ420、スピーカ272・277)と、前記演出手段を制御する演出制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台であって、前記演出制御手段は、所定の抽選処理(例えば、図35に示す代替ループ抽選処理AのステップS2404の抽選処理、図64に示す代替ループ抽選処理BのステップS2404の抽選処理)によって所定の抽選結果(例えば、非当選、当選、複数種類の抽選結果のうちの少なくとも一つの抽選結果)が導出されるまで該所定の抽選処理を連続的に実行するループ抽選処理(例えば、図35に示す代替ループ抽選処理AのステップS2404〜S2405およびS2407のループ抽選処理、図64に示す代替ループ抽選処理BのステップS2404〜S2405およびS2407のループ抽選処理)を実行可能に構成され、所定の実行条件が充足されたこと(例えば、前回遊技で再遊技役1−4に内部当選したこと)に基づいて前記ループ抽選処理を実行し、前記ループ抽選処理の抽選結果に関連する第一の演出(例えば、図68に示す「特定の演出」)、および前記ループ抽選処理の抽選結果に関連しない第二の演出(例えば、図68に示す「所定の演出」)を、前記演出手段に実行させる処理を実行可能に構成され、前記ループ抽選処理の実行が開始されたタイミング以降に前記第二の演出を実行させる処理を実行し、前記第二の演出が実行されたタイミング以降に前記第一の演出が実行されるように前記演出手段を制御するものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の演出が実行されるタイミングの差をなくすことができ、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、前記演出制御手段は、前記所定の抽選処理によって前記所定の抽選結果が導出されなかった場合であっても、前記所定の抽選処理があらかじめ定められた回数だけ実行されたことに基づいて前記ループ抽選処理を終了させるものであり、前記第二の演出は、前記ループ抽選処理に要する最大の時間以上の時間に亘って実行されるものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の演出が実行されるタイミングの差をなくすことができ、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。 <実施形態4>
次に、実施形態4に係るスロットマシンについて詳細に説明する。なお、重複説明を回避するため、上記スロットマシン100と同一の構成については図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略し、以下、上記スロットマシン100と異なる構成についてのみ説明する。
<実施形態4/乱数値生成回路>
図83は、上記図3を用いて説明した乱数値生成回路316の詳細を示すブロック図である。この乱数値生成回路316は、数値更新回路Aと数値レジスタA(CH1)からなる乱数生成チャンネル1と、数値更新回路Bと数値レジスタB(CH2)からなる乱数生成チャンネル2と、を備えている。なお、乱数生成チャンネル1および乱数生成チャンネル2の用途は特に限定されないが、本実施形態では、乱数生成チャンネル1を、入賞役の内部抽選に使用し、乱数生成チャンネル2を、後述するループ抽選処理に使用している。
2つの数値更新回路A、Bは、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づいて(例えば、クロック信号の立上りエッジまたは立下りエッジを検出した場合に)、数値をカウントアップし、カウントアップ後の数値を乱数値として出力するものである。本実施形態では、数値更新回路Aは、水晶発振器315aから入力されるクロック信号(または、クロック信号を逓倍もしくは分周した信号)が入力される毎に、第1の数値範囲(この例では、0〜65535)で数値をカウントアップし、カウントアップ後の数値を乱数値として出力する。
なお、数値更 新回路Aは、第1の数値範囲(この例では、0〜65535)に含まれる数値のすべてを乱数値として出力するまでは(乱数値が一巡(一周)するまでは)、同一の数値を乱数値として出力しないように構成されている。ここで、例えば、水晶発振器315aから入力されるクロック信号の周波数が12MHzの場合、数値更新回路Aの乱数値(0〜65535)が一巡するまでに要する時間は5120μ秒である。
また、数値更新回路Bは、水晶発振器315aから入力されるクロック信号(または、クロック信号を逓倍もしくは分周した信号)が入力される毎に、第2の数値範囲(この例では、0〜255)で数値をカウントアップし、カウントアップ後の数値を乱数値として出力する。
なお、数値更新回路Bは、第2の数値範囲(この例では、0〜255)に含まれる数値のすべてを乱数値として出力するまでは(乱数値が一巡(一周)するまでは)、同一の数値を乱数値として出力しないように構成されている。ここで、例えば、水晶発振器315aから入力されるクロック信号の周波数が12MHzの場合、数値更新回路Bの乱数値(0〜255)が一巡するまでに要する時間は20μ秒である。なお、数値更新回路A、Bが出力する乱数値の数値範囲(第1の数値範囲および第2の数値範囲)は一例であって、他の数値範囲であってもよいし、乱数値の数値範囲を適宜変更する構成であってもよい。
これらの数値更新回路A、Bに対応する数値レジスタA、Bは、CPU304からのラッチ信号を受信したことに基づいて(例えば、ラッチ信号の立上りエッジまたは立下りエッジを検出した場合に)、数値更新回路A、Bが出力した乱数値を内部に保持(ラッチ)する。また、CPU304からのリード信号を受信したことに基づいて(例えば、リード信号の立上りエッジまたは立下りエッジを検出した場合に)、その時に内部に保持している乱数値をCPU304に出力する。このように、乱数値生成回路316は、水晶発振器315aのクロック信号に基づいて乱数値を更新し、CPU304からの命令に応じて乱数値を保持および出力するものである。
なお、乱数値の生成方法は、上記説明した以外の方法であってもよい。例えば、本実施形態では、クロック信号に基づいてカウントアップした値を乱数値として出力したが、予め設けられた乱数値の配列を順次参照して出力するようにしてもよい。また、このような乱数値の配列を複数用意しておき、参照が一巡した時点で別の配列を参照するようにしてもよい。また、本実施形態ではハードウェアを用いて乱数値を生成する構成であるが、CPU304によるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、基本回路302用に設けられた水晶発振器315bとは別に、乱数値生成回路316用に水晶発振器315aを設けているが、これらを一つの(共通の)水晶発振器としてもよい。また、CPU304から数値レジスタA、Bにラッチ信号およびリード信号を送信して乱数値を間接的に取得する構成ではなく、CPU304が数値更新回路A、Bから出力される乱数値を直接取得する構成であってもよい。また、CPU304から数値レジスタA、Bに1本の信号(例えば、リード信号)だけを送信することで乱数値を取得する構成でもよい。
また、以降の説明において乱数値(数値)を取得するとは、数値レジスタにラッチ信号を出力すること、数値レジスタにラッチ信号を出力してリード信号を出力すること、または、数値更新回路(ソフトウェア乱数でもよい)から出力される乱数値(数値)を直接取得することのいずれかを指す。
<実施形態4/一般的なループ抽選処理>
次に、図84を用いて、上述の乱数値発生回路316を用いた一般的なループ抽選処理について説明する。なお、同図は、乱数値発生回路316を用いた一般的なループ抽選処理の流れを示したフローチャートである。
この一般的なループ抽選処理は、上述の乱数値発生回路316から乱数値を取得し、取得した乱数値に基づいて当否判定を行うものである。
この一般的なループ処理のステップS6001では、数値レジスタA、Bに対してラッチ信号を出力することで、当該数値レジスタA、Bに、数値更新回路A、Bが出力した乱数値を保持させる。また、次のステップS6002では、数値レジスタA、Bに対してリード信号を出力することで、当該数値レジスタA、Bに、保持している乱数値を出力させる。これにより、CPU304は数値レジスタA、Bから乱数値を取得する。
続いて、ステップS6003では、ステップS6002で取得した乱数値を用いて、当否判定処理を行う。この当否判定処理は、ステップS6002で取得した乱数値が、予め定めた値であるか否かを判定することで、当選か非当選(はずれ)かの判定を行うものである。
ステップS6004では、ステップS6003の当否判定結果が当選であるか非当選(はずれ)であるかを判定し、非当選(はずれ)の場合には処理を終了し、当選の場合にはステップS6005に進む。このステップS6005では、RAM308に記憶している当選回数の情報に1を加算した後、ステップS6001に戻って、再び、ステップS6001以降の処理を実行する。
すなわち、このループ抽選処理では、ステップS6003の当否判定による当否判定結果が当選である限り(ステップS6003の当否判定結果として非当選(はずれ)が導出されるまで)、ステップS6001〜S6005の処理からなる抽選処理を繰り返し実行することになる。ここで、1回の抽選処理に要する時間は、例えばCPU304の動作クロック信号の周波数が12MHzの場合に3.59μ秒である。
<実施形態4/一般的なループ抽選処理の問題点>
図85(a)は、上述の数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに要する時間Xと、一般的なループ抽選処理内の1回の抽選処理に要する時間Yと、を比較して示した図である。
上述のとおり、数値更新回路Aの乱数値が一巡するまでに要する時間Xは、水晶発振器315aから入力されるクロック信号の周波数が12MHzの場合に5120μ秒であり、数値更新回路Bの乱数値が一巡するまでに要する時間Xは、水晶発振器315aから入力されるクロック信号の周波数が12MHzの場合に20μ秒である。
これに対して、一般的なループ抽選処理内の1回の抽選処理に要する時間Yは、例えばCPU304の動作クロック信号の周波数が12MHzの場合に3.59μ秒であり、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに要する時間Xよりも短く、時間Y<時間Xの関係がある。
時間Xと時間Yがこのような大小関係にあるため、一般的なループ抽選処理内の抽選処理は、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに、少なくとも2回は実行されることになり、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに、当該数値更新回路A(または、数値更新回路B)から乱数値が少なくとも2回取得される。なお、このような大小関係は、CPU304の動作クロック信号の周波数と、水晶発振器315aから入力されるクロック信号の周波数を増減することによって調整することは可能であるが、CPU304の動作性能や不正対策などを考慮すれば、時間Y<時間Xの大小関係を逆転させる程度まで各々の周波数を増減させることは極めて困難である。
したがって、一般的なループ抽選処理では、例えば、1回目の抽選処理で当選となる乱数値が取得された場合、2回目の抽選処理では前回に取得された乱数値(当選となる乱数値)が取得されることはなくなる。このため、同図(b)に示すように、抽選処理で一度、当選と判定されることにより、それ以降、乱数値が一巡するまでは、当否判定の当選確率が低下してしまう結果となり、特定の抽選処理がその後の抽選処理に影響を与えてしまい、当否判定の当選確率を設計通りに設定することができないといった問題が発生する。
より明確な例として、当選となる乱数値が一つしかない場合を考えると、1回目の抽選処理で当選となる乱数値が取得された場合、2回目の抽選処理では当選となる乱数値が取得できず、必ず非当選と判定されてしまうことになり、当否判定の当選確率を設計通りに設定することができないといった問題が発生する。
<実施形態4/ループ抽選処理1>
次に、図86を用いて、上述の乱数値発生回路316を用いたループ抽選処理1について説明する。なお、同図は、乱数値発生回路316を用いたループ抽選処理1の流れを示したフローチャートである。
このループ抽選処理1は、上記図84に示す一般的なループ抽選処理に、ステップS6010およびステップS6011の遅延処理を加えたものであり、例えば、上記図12に示す主制御メイン処理の乱数取得処理(ステップS107)等から呼び出されて実行される処理である。
具体的には、ステップS6004の当否判定処理において当選と判定された場合に、ステップS6005において、当選回数の情報に1を加算した後、ステップS6010において、RAM308に記憶している遅延タイマに初期値(詳細は後述)を設定する。これにより、上述のタイマ更新処理(ステップS209)において遅延タイマのカウントダウンが開始される。
また、次のステップS6011では、タイマ更新処理で定期的にカウントダウンされる遅延タイマの値が0になったか否かを判定し、遅延タイマの値が0になった場合(遅延タイマに設定した時間が経過した場合)にはステップS6001に戻り、遅延タイマの値が0になっていない場合(遅延タイマに設定した時間が経過していない場合)にはステップS6011の判定処理を繰り返し実行する。なお、遅延タイマをカウントアップすることによって同様の遅延処理を行ってもよいことは言うまでもない。さらに、このような遅延タイマを用いた遅延処理は、少なくとも前回の乱数値を取得してから今回の乱数値を取得されるまでの間に実行されればよい。
ここで、ステップS6010において遅延タイマに設定する初期値に相当する時間は、ステップS6001〜S6005の処理からなる抽選処理に要する時間(上述の時間Yに相当する時間)と、ステップS6010〜S6011の処理からなる遅延処理に要する時間Zと、の加算時間が、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに要する時間(上述の時間Xに相当する時間)よりも大きくなる、すなわち、(時間Y+時間Z)>時間Xの大小関係を成立させることができる時間であればよい。
なお、この例では、ステップS6002で乱数値を取得してから次にステップS6002で乱数値を取得するまでの時間を、遅延タイマを用いて遅延させる方法を例示したが、遅延タイマによる方法に限定されるものではない。したがって、例えば、ステップS6002で乱数値を取得してから次にステップS6002で乱数値を取得するまでの期間中に、抽選処理に関連する他の処理(または、抽選処理に関連しない他の処理)を実行することで当該時間を遅延させてもよい。
また、ステップS6010〜S6011の処理からなる遅延処理は、上記図35に示す代替ループ処理AのステップS2404の「設定された当選確率で抽選を実行する処理」、または、上記図64に示す代替ループ処理BのステップS2404の「設定された当選確率で抽選を実行する処理」、または、上記図74に示す代替ループ処理CのステップS5203の「設定された当選確率で抽選を実行する処理」のいずれかの処理の直前で実行することも可能である。なお、これらの「設定された当選確率で抽選を実行する処理」は、ループ抽選処理1におけるステップS6001〜S6003の処理に相当する処理である。
また、この実施形態では、当否判定処理の当選回数に応じたループ抽選処理1に要する時間の変動幅が大きくなるため、実施形態2および3の発明を適用することで、ループ抽選処理の結果を報知する前に結果(当選回数の多少、特典の大小)が推測されてしまうことを防止することができる場合がある。
<実施形態4/ループ抽選処理1の効果>
図87(a)は、上述の数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに要する時間Xと、ループ抽選処理1内の1回の抽選処理に要する時間Y´と、を比較して示した図である。
上述のとおり、ループ抽選処理1内の1回の抽選処理に要する時間Y´は、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに要する時間Xに、遅延処理に要する時間Zを加算した時間であり、時間Y´(=時間X+時間Z)>時間Xの関係がある。
時間Xと時間Y´がこのような大小関係にあるため、ループ抽選処理1内の抽選処理は、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまで最大で1回実行されることになり、数値更新回路A(または、数値更新回路B)の乱数値が一巡するまでに、当該数値更新回路A(または、数値更新回路B)から乱数値が2回以上取得されることがない。
したがって、ループ抽選処理1では、1回目の抽選処理で当選と判定された場合でも、2回目の抽選処理では前回に取得された乱数値(当選となる乱数値)が取得される可能性を持たせることができる。このため、特定の抽選処理がその後の抽選処理に影響を与えてしまうことがなく、同図(b)に示すように、当否判定の当選確率を設計通りに設定することが可能となる。
<実施形態4/ループ抽選処理2>
次に、図88および図89を用いて、本実施形態に係るループ抽選処理2について説明する。なお、図88は、上記図13に示すタイマ割込み処理の変形例を示したフローチャートであり、図89は、同タイマ割込み処理から呼び出されるループ抽選処理2の流れを示すフローチャートである。
図88に示すタイマ割込み処理は、上記図13に示すタイマ割込み処理にループ抽選処理2を追加したものである。また、図89に示すループ抽選処理2は、上記図84に示す一般的なループ抽選処理にステップS6020、S6021の処理を追加したものである。
ループ抽選処理2のステップS6020では、RAM308に記憶しているループ抽選処理フラグの情報がオンかオフかを判定し、オンの場合にはステップS6001に進んで上述のステップS6001〜S6005の処理を行い、オフの場合には処理を終了する。一方、ステップS6004で非当選(はずれ)と判定した場合には、ステップS6021に進み、ループ抽選処理フラグをオフに設定した後に処理を終了する。
なお、図示はしないが、ループ抽選処理フラグはある条件が成立した場合にオンに設定するように構成しており、このある条件とは、例えば、実施形態1〜3における「所定の条件」や「所定の実行条件」が該当するが、これらに限定されるものではない。
このように、このループ抽選処理2では、ある条件が成立した場合に、ステップS6001〜S6003の乱数値の取得処理や当否判定処理を行い、ステップS6004において当該当否判定処理に当選したと判定した場合には、一度、ループ抽選処理2を終了し、次回のタイマ割込み処理においてループ抽選処理2が実行されたときに、再び、ステップS6001〜S6003の乱数値の取得処理や当否判定処理を行うように構成している。すなわち、ループ抽選処理2内におけるステップS6001の処理(乱数値のラッチ処理)は、タイマ割込み処理において最大で1回しか実行されないように構成している。したがって、タイマ割込み処理の実行周期(ループ抽選処理2の実行周期)が乱数値の更新周期よりも長くなるように構成すれば、ループ抽選処理2のステップS6001で乱数値をラッチしてから次にループ抽選処理2のステップS6001で乱数値をラッチするまでの時間を遅延させることができる。
また、タイマ割込み処理内でループ抽選処理2の実行が開始されるまでに他の処理を実行する場合には、当該他の処理の処理時間によってループ抽選処理2の実行開始時期がタイマ割込み処理の実行毎に変動する場合があり(いわゆる「揺らぎ」が発生する可能性があり)、この場合、ループ抽選処理2の実行周期が変動する。このため、ループ抽選処理2における乱数値の取得タイミングにランダム性を持たせることができる場合がある。特に、ループ抽選処理2の実行が開始されるまでに何らかの判定処理が実行されるように構成されていればより上記のランダム性を高めることができる。
また、この例では、ステップS6001〜S6005の処理をすべてタイマ割込み処理内で実行する例を示したが、少なくともステップS6001の乱数値の取得をタイマ割込み処理内で実行すればよく、その他のステップS6002〜S6005の処理は、主制御部メイン処理などで実行するように構成してもよい。
<実施形態4/乱数値生成回路の他の例>
図90は、他の例に係る乱数値生成回路700の詳細を示すブロック図である。この乱数値生成回路700は、数値更新回路1と数値レジスタ1からなる乱数生成チャンネル1、数値更新回路2と数値レジスタ2からなる乱数生成チャンネル2、…、数値更新回路n(nは3以上の正の整数。以下同様)と数値レジスタnからなる乱数生成チャンネルnの合計n個の乱数生成チャンネルを備えている。この乱数値生成回路700が、例えば4つの乱数生成チャネル1〜4を備えている場合、1つの乱数生成チャンネル1は、役の内部抽選に使用し、残りの3つの乱数生成チャンネル2〜4は、リール110〜112の各々の加速遅延カウンタに割り当てて使用することができる。
また、この乱数値生成回路700の乱数生成チャンネル1〜nは、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づいて数値をカウントアップし、カウントアップ後の数値を乱数値として出力するものであり、各々の更新範囲は、同一(本実施形態では0〜255)である。また、各々の乱数生成チャンネル1〜nの乱数値が一巡する周期も同一である。
<ループ抽選処理3>
次に、図91を用いて、本実施形態に係るループ抽選処理3について説明する。なお、同図は、ループ抽選処理3の流れを示すフローチャートである。
このループ抽選処理3は、上記図86に示すループ抽選処理1のステップS6001〜S6002のラッチ&リード処理に替えて、ステップS6031〜S6032のラッチ&リード処理を適用するとともに、ステップS6010〜S6011の遅延処理に替えて、ステップS6033のレジスタ切換え処理を適用したものである。
具体的には、このループ抽選処理3のステップS6031では、上記図90に示す乱数値生成回路700の乱数生成チャンネル1〜nのうちの1つの乱数生成チャンネルを対象とし、当該対象の乱数生成チャンネル(の数値レジスタ)に対してラッチ信号を出力する。また、次のステップS6032では、対象の乱数生成チャンネル(の数値レジスタ)に対してリード信号を出力することで乱数値を取得し、当該ラッチ&リード処理で取得した乱数値を以降の当否判定処理で使用する。
また、ステップS6004の当否判定処理で当選と判定した場合には、ステップS6005の次にステップS6033に進み、このステップS6033では、ステップS6031〜S6032のラッチ&リード処理の対象となる乱数生成チャンネルを指定するためのレジスタを切り換える。なお、この例では、ラッチ&リード処理の対象となる乱数生成チャンネルを指定するためのレジスタを、1→2→…→n−1→n→1→2→…の順番で1つずつ昇順に切り換えるように構成しており、指定されたレジスタの数値に対応する乱数生成チャンネル(例えば、レジスタに1が指定された場合には乱数生成チャンネル1)が、ステップS6031〜S6032のラッチ&リード処理の対象となる。
なお、レジスタの切換え順序(ラッチ&リード処理の対象となる乱数生成チャンネルの切換え順序)は、この例に限定されず、例えば、降順(n→n−1→…→2→1→n→n−1→…)でもよいし、ランダムに切換えてもよい。
<実施形態4/ループ抽選処理3の効果>
図92(a)は、上述の数値更新回路1〜nの各々の乱数値が一巡するまでに要する時間X´´と、ループ抽選処理3内の1回の抽選処理に要する時間Y´´と、を比較して示した図である。
上述のとおり、ループ抽選処理3では、ラッチ&リード処理の対象となる乱数生成チャンネルを1〜nの範囲で切換えるように構成している。このため、ラッチ&リード処理の対象となる乱数生成チャンネルを1〜nの範囲で切換える時間Y´´が、数値更新回路1〜nの各々の乱数値が一巡するまでに要する時間X´´よりも長くなるように構成すれば、数値更新回路1〜nの各々の乱数値が一巡するまでに、当該数値更新回路1〜nの各々から乱数値が2回以上取得されることがない。したがって、特定の抽選処理がその後の抽選処理に影響を与えてしまうことがなく、同図(b)に示すように、当否判定の当選確率を設計通りに設定することが可能となる。
なお、各々の乱数生成チャネル1〜nの起動タイミングは同一のタイミングで起動させるように構成(例えば、CPUから出力される一の起動信号で起動させる)してもよいが、各々の乱数生成チャネル1〜nの起動タイミングを異なるタイミングとなるように構成(例えば、CPU304から出力される異なる起動信号によって起動させる)よしてもよく、このように構成することで、各々の乱数生成チャネル1〜nの関連性を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態4に係る遊技台は、所定の制御手段(例えば、CPU304)と、数値を更新し、更新されている該数値を所定の周期で一周させる数値更新手段(例えば、乱数値生成回路316の数値更新回路A,B)と、を備えた遊技台であって、前記所定の制御手段は、所定の抽選処理によって所定の抽選結果(例えば、非当選、当選、複数種類の抽選結果のうちの少なくとも一つの抽選結果)が導出されるまで該所定の抽選処理を繰り返し実行するループ抽選処理(例えば、図86に示すループ抽選処理1、図89に示すループ抽選処理2、図91に示すループ抽選処理3)を実行可能に構成され、前記所定の抽選処理として、前記数値更新手段から数値を取得する数値取得処理(例えば、ループ抽選処理1〜3のステップS6002のリード処理)、および取得された該数値を用いた当否判定を行う当否判定処理(例えば、ループ抽選処理1〜3のステップS6003の当否判定処理)を少なくとも実行し、先に前記数値取得処理が実行されてから次の前記数値取得処理が実行されるまでの期間(例えば、図87(a)に示す、ループ抽選処理内の1回の抽選処理に要する時間Y´)が少なくとも前記所定の周期(例えば、図87(a)に示す、数値更新回路の乱数値が一巡するのに要する時間X)以上となるタイミングで、前記数値取得処理を実行するものであることを特徴とする遊技台である。
本実施形態4に係る遊技台によれば、数値更新手段が更新する数値が一周するまでに、当該数値更新手段から数値が2回以上取得されることがない。このため、先の抽選処理における数値取得処理が、その後の他の抽選処理における数値取得処理に影響を与えてしまうことがなく、ループ抽選処理のうちの抽選処理によって所定の抽選結果が導出される確率を、一定に保つことができる場合がある。
また、前記所定の制御手段は、所定の実行条件が充足されたことに基づいて前記ループ抽選処理を実行し、前記所定の実行条件が充足された以降に次に実行すべき次処理が実行されるタイミングを遅延させる遅延処理を実行するものであってもよい。
このような構成とすれば、所定の実行条件が充足された場合には、制御手段においてループ抽選処理を用いながらも、制御手段におけるループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングのバラツキを減らすことが可能となる。このため、後続の処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことがなく、遊技の興趣の減退を防止できる場合がある。
また、前記所定の抽選処理によって前記所定の抽選結果が導出されなかった場合であっても、前記所定の抽選処理があらかじめ定められた回数だけ実行されたことに基づいて前記ループ抽選処理の実行を終了させるものであり、前記遅延処理は、前記ループ抽選処理に要する最大時間以上の時間だけ前記次処理が実行されるタイミングを遅延させるものであってもよい。
このような構成とすれば、ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングがループ抽選処理に要する時間に左右されることがなくなるため、ループ抽選処理の後続の処理の開始タイミングの違いによってループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、遊技に関する演出を実行する演出手段(例えば、演出画像表示装置157、各種ランプ420、スピーカ272・277)を備え、前記所定の制御手段は、前記演出手段を制御し、所定の実行条件が充足されたことに基づいて前記ループ抽選処理を実行し、前記ループ抽選処理の抽選結果に関連する第一の演出(例えば、図68に示す「特定の演出」)、および前記所定のループ抽選処理の抽選結果に関連しない第二の演出(例えば、図68に示す「所定の演出」)を、前記演出手段に実行させる処理を実行可能に構成され、前記所定のループ抽選処理の実行が開始されたタイミング以降に前記第二の演出を実行させる処理を実行し、前記第二の演出が実行されたタイミング以降に前記第一の演出が実行されるように前記演出手段を制御するものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の演出が実行されるタイミングの差をなくすことができ、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、前記所定の制御手段は、前記所定の抽選処理によって前記所定の抽選結果が導出されなかった場合であっても、前記抽選処理があらかじめ定められた回数だけ実行されたことに基づいて前記ループ抽選処理を終了させるものであり、前記第二の演出は、前記所定のループ抽選処理に要する最大の時間以上の時間に亘って実行されるものであってもよい。
このような構成とすれば、第一の演出が実行されるタイミングの差をなくすことができ、第一の演出の開始タイミングの違いによって第二のループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、所定の制御手段(例えば、CPU304)と、数値を更新し、更新されている該数値を所定の周期で一周させる数値更新手段(例えば、乱数値生成回路700の数値更新回路1〜n)と、を備えた遊技台であって、前記所定の制御手段は、所定の抽選処理によって所定の抽選結果が導出されるまで該所定の抽選処理を繰り返し実行するループ抽選処理を実行可能に構成され、前記所定の抽選処理として、前記数値更新手段から数値を取得する数値取得処理(例えば、図91に示すステップS6032のリード処理)、および取得された該数値を用いた当否判定を行う処理(例えば、図91に示すステップS6003の当否判定処理)を少なくとも実行するものであり、前記数値更新手段は、複数の更新チャネル(例えば、1〜nチャンネル)を有し、該複数の更新チャネルそれぞれにおいて数値を更新するものであり、前記所定の制御手段は、前記数値取得処理を実行するごとに前記複数の更新チャネルのうちの数値を取得する対象となる更新チャネルを順次切り換えるものであってもよい。
このような構成とすれば、数値を取得する対象となる更新チャネルを順次切り換えることで、数値更新手段が更新する数値が一周するまでに、当該数値更新手段から数値が2回以上取得されないように構成することができる。このため、先の抽選処理における一の更新チャネルに対する数値取得処理が、その後の他の抽選処理における一の更新チャネルに対する数値取得処理に影響を与えてしまうことがなく、ループ抽選処理のうちの抽選処理によって所定の抽選結果が導出される確率を、一定に保つことができる場合がある。
また、前記所定の制御手段は、前記所定の抽選処理によって前記所定の抽選結果が導出されなかった場合であっても、前記所定の抽選処理があらかじめ定められた回数だけ実行されたことに基づいて前記ループ抽選処理を終了させるものであり、前記複数の更新チャネルそれぞれに対応する前記所定の周期の合計時間は、前記ループ抽選処理に要する最大時間よりも長い時間であってもよい。
このような構成とすれば、ループ抽選処理の後続の処理が当該ループ抽選処理に要する時間に左右されることがなくなるため、当該ループ抽選処理に要する時間によってループ抽選処理の抽選結果が推測されてしまうことを防止できる場合がある。
また、前記複数の更新チャネルそれぞれは、互いに異なるタイミングで数値の更新が開始されるものであってもよい。
このような構成とすれば、更新チャネルの各々の更新開始タイミングを異ならせることができ、ループ抽選処理のうちの抽選処理によって所定の抽選結果が導出される確率を均一に保つことができる場合がある。
また、本発明に係る遊技台は、所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機などにも好適である。
また、本発明に係る遊技台は、封入式遊技機に適用することもできる。ここで、「封入式遊技機」は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用するものである。また、主制御部、第1副制御部、および第2副制御部をワンチップで構成してもよいし、主制御部と第1副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、主制御部と第1副制御部で双方向の通信を可能とする一方で、第1副制御部から第2副制御部への通信は一方向の通信としてもよい。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。