以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る切替装置を校正パラメータ生成システムに用いた場合を例として、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る校正パラメータ生成システムの構成を示すブロック図である。
校正パラメータ生成システムBは、高周波測定装置3の校正パラメータの生成を行うためのものであり、基準負荷のインピーダンスを測定して校正パラメータを算出するためのものである。校正パラメータ生成システムBにおいて、切替装置8の入力側には、高周波電源装置1が接続されたインピーダンス整合装置2と、インピーダンスアナライザ7とが接続されており、切替装置8の出力側には、ダミーロード6が接続された高周波測定装置3が接続されている。すなわち、校正パラメータ生成システムBは、図15(b)に示す接続状態において、インピーダンス整合装置2と高周波測定装置3との間に切替装置8を挿入し、インピーダンスアナライザ7を切替装置8に接続したものである。制御装置9は、後述する校正パラメータの生成の手順(図5参照)に基づいて、各装置を制御するものである。なお、校正パラメータ生成システムBは、特性インピーダンスが50Ω系として構成されている。
なお、プラズマ処理システムA(図14参照)において、高周波電源装置1が周波数を変化させることでインピーダンス整合を行うものである場合などには、インピーダンス整合装置2が用いられない場合がある。その場合には、校正パラメータ生成システムBにおいても、同様の高周波電源装置1を用いて、インピーダンス整合装置2を用いない。
切替装置8は、インピーダンス整合装置2と高周波測定装置3とが接続された状態と、インピーダンスアナライザ7と高周波測定装置3とが接続された状態とを切り替えるものである。インピーダンス整合装置2と高周波測定装置3とを接続して高周波電源装置1から電力を供給することで、ダミーロード6の温度が上昇し、この状態で高周波測定装置3によって基準負荷のインピーダンスを測定することができる。そして、インピーダンスアナライザ7と高周波測定装置3とを接続した状態に短時間で切り替えて、ダミーロード6の温度が殆ど変化しないうちに(低下度合いが少ないうちに)、インピーダンスアナライザ7によって基準負荷のインピーダンスを測定することができる。
図2は、切替装置8の内部構造を説明するための図である。
切替装置8は、筐体81、入力端子移動部82、および出力端子移動部83を備えている。図2は、筐体81の一部を省略(筐体81の底板のみを表示している。)し、切替装置8を上方から見た図である。説明の都合上、水平面にX軸とY軸とを定義しており、図2における筐体81の底板の左右方向がX軸方向(左側が正の方向)とし、筐体81の底板の奥行き方向(図2においては上下方向)がY軸方向(上側が正の方向)としている。また、筐体81の底板の垂直方向(図2において紙面の表裏方向)をZ軸方向(表側が正の方向)としている(図3参照)。
筐体81は、例えばアルミなどによって形成されており、入力端子移動部82および出力端子移動部83の各部材を格納するものである。筐体81は接地されて0ボルト電位の基準(グランド)となっている。
入力端子移動部82は、入力側の端子を移動させるものであり、駆動モータ82a、送りネジ82b、移動板82c、レール82d、第1入力端子82e、および、第2入力端子82fを備えている。駆動モータ82aは、筐体81の底板に固定されており、回転軸に取り付けられた送りネジ82bを回転駆動する。送りネジ82bがY軸方向を中心軸として回転することで、図示しないボールネジが取り付けられた移動板82cが、送りネジ機構により、レール82d上をY軸方向に移動する。第1入力端子82eおよび第2入力端子82fは、それぞれの軸方向がX軸方向となるように、移動板82cの右端(X軸の負の側)にY軸方向に並べて(第1入力端子82eが第2入力端子82fよりY軸の正の側になるように)固定されている。第1入力端子82eの左側(X軸の正の側)には、インピーダンス整合装置2と接続するための同軸ケーブル(図示しない)が取り付けられる。第2入力端子82fの左側には、インピーダンスアナライザ7と接続するための同軸ケーブル(図示しない)が取り付けられる。
図3は、各端子の構造、および、各端子と各同軸ケーブルとの接続を説明するための図である。図3(a)は、図2に示すC−C線に沿う断面図であり、図2で図示していない同軸ケーブルおよびコネクタの断面図も記載している。図3(b)は、接続状態を示している。
図3(a)に示すように、第1入力端子82eは、移動板82cの右端から垂直方向(Z方向)に延びる固定板に穿設された穴に嵌入して固定されており、外部導体11、内部導体12、および絶縁体13を備えている。外部導体11は、筒状の導体(例えば銅など)であって、一方端(図3においては左端)の外面にネジ溝が形成されている。移動板82cは筐体81を介して接地されているので、移動板82cに接続されている外部導体11も接地されている。内部導体12は、円柱状の導体(例えば銅など)であって、外部導体11の内側に配置されている。内部導体12の一方端(図3においては左端)には同軸ケーブルのコネクタ30の内部導体32が挿入されるための穴部12aが形成されており、他方端(図3においては右端)には出力端子83e(後述)の内部導体22の穴部22bに挿入するための凸部12bが形成されている。絶縁体13は、外部導体11と内部導体12とを絶縁し、内部導体12の中心軸が外部導体11の中心軸に一致するように固定している。絶縁体13の他方端(図3においては右端)には、出力端子83eの内部導体22を嵌合するための空間が形成されている。
切替装置8とインピーダンス整合装置2とを接続するための同軸ケーブルのコネクタ30は、外部導体31、内部導体32、および絶縁体33,34を備えている。外部導体31は、筒状の導体(例えば銅など)であって、一方端(図3においては右端)の内面にネジ溝が形成されている。内部導体32は、円柱状の導体(例えば銅など)であって、外部導体31の内側に配置されている。絶縁体33は、外部導体31と内部導体32とを絶縁し、内部導体32の中心軸が外部導体31の中心軸に一致するように固定している。なお、コネクタ30は、例えばN型コネクタなどであるが、図3においては簡略化して記載しており、例えば、外部導体31を螺合のために回転させる機構などを省略している。同軸ケーブルの外部導体および内部導体は、それぞれコネクタ30の外部導体31および内部導体32に接続されている。コネクタ30の外部導体31を第1入力端子82eの外部導体11に螺合することで、コネクタ30の内部導体32が第1入力端子82eの内部導体12の一方端の穴部12aに挿入されて、コネクタ30と第1入力端子82eとが接続される(図3(b)参照)。これにより、同軸ケーブルを介して、インピーダンス整合装置2が第1入力端子82eに接続される。同軸ケーブル、コネクタ30、および第1入力端子82eは、すべて特性インピーダンス(50Ω)となるように設計されている。
第2入力端子82fも、第1入力端子82eと同様の構造であり、移動板82cの右端から垂直方向(Z方向)に延びる固定板に穿設された穴に嵌入して固定されている。切替装置8とインピーダンスアナライザ7とを接続するための同軸ケーブルのコネクタもコネクタ30と同様の構造であり、同様にして第2入力端子82fに接続される。これにより、同軸ケーブルを介して、インピーダンスアナライザ7が第2入力端子82fに接続される。同軸ケーブルおよび第2入力端子82fは、すべて特性インピーダンス(50Ω)となるように設計されている。
図2に戻って、出力端子移動部83は、出力側の端子を移動させるものであり、駆動モータ83a、送りネジ83b、移動板83c、レール83d、および出力端子83eを備えている。駆動モータ83aは、筐体81の底板に固定されており、回転軸に取り付けられた送りネジ83bを回転駆動する。送りネジ83bがX軸方向を中心軸として回転することで、図示しないボールネジが取り付けられた移動板83cが、送りネジ機構により、レール83d上をX軸方向に移動する。出力端子83eは、軸方向がX軸方向となるように、移動板83cの左端(X軸の正の側)に固定されている。出力端子83eの右側には、高周波測定装置3と接続するための同軸ケーブル(図示しない)が取り付けられる。
図3(a)に示すように、出力端子83eは、移動板83cの左端から垂直方向(Z方向)に延びる固定板に穿設された穴に嵌入して固定されており、外部導体21、内部導体22、および絶縁体23を備えている。外部導体21は、筒状の導体(例えば銅など)であって、一方端(図3においては右端)の外面にネジ溝が形成されている。移動板83cは筐体81を介して接地されているので、移動板83cに接続されている外部導体21も接地されている。内部導体22は、円柱状の導体(例えば銅など)であって、外部導体21の内側に配置されている。内部導体22の一方端(図3においては右端)には同軸ケーブルのコネクタ40の内部導体42が挿入されるための穴部22aが形成されており、他方端(図3においては左端)には第1入力端子82e(または第2入力端子82f)の内部導体12の凸部12bが挿入されるための穴部22bが形成されている。また、内部導体22の他方端は、外部導体21の他方端(図3においては左端)より突出しており、第1入力端子82e(または第2入力端子82f)の絶縁体13に形成された空間に嵌合されるようになっている。絶縁体23は、外部導体21と内部導体22とを絶縁し、内部導体22の中心軸が外部導体21の中心軸に一致するように固定している。
なお、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fの構造と出力端子83eの構造とは、図3(a)に示すものに限られない。例えば、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fの構造が図3(a)に示す出力端子83eと同様の構造(すなわち、内部導体が外部導体より突出した構造)であり、出力端子83eの構造が図3(a)に示す第1入力端子82eと同様の構造(すなわち、絶縁体に空間が形成された構造)であってもよい。
切替装置8と高周波測定装置3とを接続するための同軸ケーブルのコネクタ40は、外部導体41、内部導体42、および絶縁体43,44を備えている。外部導体41は、筒状の導体(例えば銅など)であって、一方端(図3においては左端)の内面にネジ溝が形成されている。内部導体42は、円柱状の導体(例えば銅など)であって、外部導体41の内側に配置されている。絶縁体43は、外部導体41と内部導体42とを絶縁し、内部導体42の中心軸が外部導体41の中心軸に一致するように固定している。なお、コネクタ40も、例えばN型コネクタなどであるが、図3においては簡略化して記載している。同軸ケーブルの外部導体および内部導体は、それぞれコネクタ40の外部導体41および内部導体42に接続されている。コネクタ40の外部導体41を出力端子83eの外部導体21に螺合することで、コネクタ40の内部導体42が出力端子83eの内部導体22の一方端の穴部22aに挿入されて、コネクタ40と出力端子83eとが接続される(図3(b)参照)。これにより、同軸ケーブルを介して、高周波測定装置3が出力端子83eに接続される。同軸ケーブル、コネクタ40、および出力端子83eは、すべて特性インピーダンス(50Ω)となるように設計されている。
図2に示すように、駆動モータ82aの回転を制御して移動板82cをY軸方向に移動させることで、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fをY軸方向に移動させることができる。また、駆動モータ83aの回転を制御して移動板83cをX軸方向に移動させることで、出力端子83eをX軸方向に移動させることができる。これにより、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態と、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態とを切り替えることができる。また、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態から第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態への切り替え(以下では、「第1切り替え」とする。)、および、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態から第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態への切り替え(以下では、「第2切り替え」とする。)のいずれの切り替えも、1秒程度の短い時間で行うことができる。
図4は、切替装置8の動作を説明するための図である。
同図(a)は、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態を示している。この状態から駆動モータ83aを駆動して移動板83cをX軸の負の方向(同図(a)の矢印参照)に移動させる。出力端子83eの内部導体22(外部導体21から突出している部分)が第1入力端子82eの凹部(絶縁体13に形成された空間)から完全に抜けきった後(同図(b)参照)に、駆動モータ82aを駆動して移動板82cをY軸の正の方向(同図(b)の矢印参照)に移動させる。第2入力端子82fの中心軸と出力端子83eの中心軸とが同軸上になったところ(同図(c)参照)で、駆動モータ83aを駆動して移動板83cをX軸の正の方向(同図(c)の矢印参照)に移動させる。同図(d)は、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態を示している。
同図(d)の状態(第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態)から同図(a)の状態(第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態)に切り替える場合は、移動板83cをX軸の負の方向に移動させて出力端子83eの内部導体22が第1入力端子82eの凹部から完全に抜けきった後(同図(c)参照)に移動板82cをY軸の負の方向に移動させ、第1入力端子82eの中心軸と出力端子83eの中心軸とが同軸上になったところ(同図(b)参照)で移動板83cをX軸の正の方向に移動させる。
第1入力端子82eおよび第2入力端子82fと出力端子83eとが正確に接続されるように、駆動モータ82aおよび駆動モータ83aを制御して、移動板82cおよび移動板83cの位置決めを正確に行う必要がある。なお、図4においては、移動板83cの移動を誇張して記載しているが、出力端子83eの内部導体22が第1入力端子82eまたは第2入力端子82fの凹部から完全に抜けきっていればよいので、移動板83cの移動量はもっと少なくてもよい。
図3(b)は、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態(図4(a)の状態)を示している。図3(b)に示すように、出力端子83eの突出部分(内部導体22)と第1入力端子82eの凹部とが嵌合され、内部導体12の凸部12bが内部導体22の穴部22bに挿入されることで、内部導体12と内部導体22とが接続されている。また、第1入力端子82eの外部導体11と出力端子83eの外部導体21とは、それぞれ移動板82cおよび移動板83cを介して接地されている。
第1入力端子82eと出力端子83eとが間に特性インピーダンスの異なる部材を介さずに直接接続されているので、インピーダンス整合装置2と高周波測定装置3とが、切替装置8も含め全て50Ωの特性インピーダンスの伝送線路で接続される。また、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態(図4(d)の状態)も同様であり、第2入力端子82fと出力端子83eとが間に特性インピーダンスの異なる部材を介さずに直接接続されているので、インピーダンスアナライザ7と高周波測定装置3とが、切替装置8も含め全て50Ωの特性インピーダンスの伝送線路で接続される。つまり、切替装置8は、伝送線路のインピーダンスを変化させることなく、高周波測定装置3への接続を、インピーダンス整合装置2とインピーダンスアナライザ7との間で切り替えることができる。
次に、高周波測定装置3の校正パラメータの生成を行う手順について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
図5は、校正パラメータ生成システムBにおける校正パラメータの生成の手順を説明するためのフローチャートである。当該フローチャートは、高周波測定装置3のメモリに記憶される校正パラメータを算出するための処理手順を示している。
3つの基準負荷に基づいて校正を行うので、ステップS2〜S6の処理を3回繰り返す。そのため、基準負荷を特定するための番号Nを変数として、ステップS1でNを「1」とし、ステップS7でNに「1」を加算して、ステップS8でNが「4」より小さいか否かを判別している。これにより、3つの基準負荷に対して、それぞれステップS2〜S6の処理が行われる。
まず、ダミーロード6によって基準負荷Nを再現して(S2)、切替装置8の切り替え(第2切り替え)によって、インピーダンス整合装置2と高周波測定装置3とを接続する(S3)。つまり、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態(図4(d)の状態)であった場合、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態(図4(a)の状態)に切り替える。切り替え後、高周波測定装置3で基準負荷Nのインピーダンスを測定する(S4)。この場合、高周波電源装置1からダミーロード6に電力を供給し、所定時間が経過してダミーロード6の温度が上がった状態でインピーダンスを測定する。
次に、高周波電源装置1からの電力供給を停止してから、切替装置8の切り替え(第1切り替え)によって、インピーダンスアナライザ7と高周波測定装置3とを接続する(S5)。つまり、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態(図4(a)の状態)から、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態(図4(d)の状態)に切り替える。切り替え後、インピーダンスアナライザ7で基準負荷Nのインピーダンスを測定する(S6)。測定後、ダミーロード6によって次の基準負荷を再現する(S2)。
ステップS2〜S6をN=1〜3の場合で繰り返すことで、3つの基準負荷のインピーダンスを、高周波測定装置3およびインピーダンスアナライザ7でそれぞれ測定する。なお、上記のように、切替装置8は、第1切り替えおよび第2切り替えのいずれも、1秒程度の短い時間で行うことができる。そのため、3つの基準負荷のインピーダンスを、高周波測定装置3およびインピーダンスアナライザ7でそれぞれ測定した状態(ステップS6の後)でも、ダミーロード6の温度低下が少ない。この温度低下が許容範囲内であれば、N=2,3の場合のステップS4では、ダミーロード6の温度を上げるための時間を省略することができる。しかし、温度低下が許容できない場合は、N=2,3の場合のステップS4で、ダミーロード6の温度を上げるために、高周波電源装置1からダミーロード6に所定時間だけ電力を供給することによって、ダミーロード6の温度が、N=1の場合のステップS4の状態とほぼ同温度になるようにすればよい。
次に、インピーダンスアナライザ7と高周波測定装置3とで測定した、3つの基準負荷のそれぞれのインピーダンスから、校正パラメータを算出し、高周波測定装置3の図示しないメモリに記録する(S9)。なお、校正パラメータの算出方法についての詳細な説明は省略する。
本実施形態では、高周波測定装置3の図示しない演算回路が、測定したインピーダンスとインピーダンスアナライザ7より入力されるインピーダンスとをメモリに記録しておき、3つの基準負荷を測定した後に校正パラメータの各要素を算出してメモリに記録する。なお、校正パラメータの算出は高周波測定装置3の演算回路が行う場合に限定されず、例えば、作業者が別途行うようにしてもよい。この場合、作業者が高周波測定装置3の図示しない入力手段で校正パラメータを入力することで、メモリに記録すればよい。
本実施形態では、ダミーロード6による基準負荷の切り替え、切替装置8による接続の切り替え、高周波電源装置1への電力供給指示、高周波測定装置3およびインピーダンスアナライザ7への測定指示、高周波測定装置3への校正パラメータの算出指示を、制御装置9からの信号で行うようにして、校正作業を自動化している。すなわち、制御装置9が、図5のフローチャートに応じたプログラムに基づいて、ステップS2〜S6およびS9の処理を各装置が行うように指示するようになっている。なお、作業者が、図5のフローチャートに応じて各装置を操作するようにしてもよい。
本実施形態では、3つの基準負荷を、特性インピーダンス(50Ω)を有する基準負荷と、開放状態のインピーダンスおよび短絡状態のインピーダンスにそれぞれ近く反射係数が0.9以下である2つの基準負荷としているが、これに限られない。高周波測定装置3で測定される測定対象の負荷の変動範囲があらかじめわかっている場合は、その変動範囲に応じて、3つの基準負荷を決定すればよい。
本実施形態において、切替装置8は、第1切り替え(ステップS5)を1秒程度の短い時間で行うことができる。したがって、ステップS4における高周波電源装置1からの電力供給で上がったダミーロード6の温度が殆ど変化しないうちに(低下度合いが少ないうちに)、ステップS6においてインピーダンスアナライザ7でインピーダンスを測定することができる。ダミーロード6の温度が同程度の状態で測定された測定値に基づいて校正パラメータが算出されるので、校正パラメータの精度が高くなり、正確に校正を行うことができる。
また、切替装置8は、第2切り替え(ステップS3)も1秒程度の短い時間で行うことができる。したがって、基準負荷を変更して高周波測定装置3で再度インピーダンスを測定する場合(ステップS8:YESの後のS4)、ダミーロード6の温度が殆ど変化しないうちに(低下度合いが少ないうちに)測定することができる。これにより、ダミーロード6の温度を上げるための電力供給時間を省略または短縮することができる。さらに、第1切り替えにかかる時間にバラツキが少なく、第2切り替えにかかる時間にもバラツキが少ない。したがって、変更後の基準負荷(N=2,3)の測定を同様の温度状態で行うことができる。これにより、算出される校正パラメータの精度が高くなるので、正確に校正を行うことができる。
また、図3に示すように、切替装置8は、インピーダンスを変化させる他の接続部材を介することなく、第1入力端子82e(または第2入力端子82f)と出力端子83eとを直接接続する。したがって、切替装置8は、他の接続部材によって伝送線路のインピーダンスが変化することを防止することができる。これにより、インピーダンスアナライザ7で基準負荷のインピーダンスを正確に測定することができ、精度の高い校正パラメータを算出することができる。さらに、切替装置8は、半導体スイッチなどとは異なり、第1入力端子82eと出力端子83eとが直接接続されている場合には第2入力端子82fが第1入力端子82eおよび出力端子83eと切り離されている。したがって、第2入力端子82fに電流が流れることを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、校正パラメータ生成システムBを特性インピーダンスが50Ω系としているが、これに限られず、その他の特性インピーダンスで各装置や伝送線路を構成してもよい。
なお、上記第1実施形態においては、切替装置8が送りネジによる駆動形式で移動板82c,83cを移動させる場合について説明したが、これに限られず、どのような駆動形式で移動させてもよい。例えば、移動板82c,83cをベルト駆動形式で移動させるようにしてもよい。すなわち、駆動モータ82aでベルトをY軸方向に循環させて、当該ベルトに固定された移動板82cをY軸方向に移動させ、同様にして、移動板83cをX軸方向に移動させるようにしてもよい。
上記第1実施形態においては、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fがY軸方向に平行移動する場合について説明したが、これに限られない。例えば、図6(a)に示すように、入力端子移動部82’を、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fが垂直方向を中心軸として回転移動する構成としてもよい。すなわち、駆動モータ82aを回転軸が垂直方向となるように固定し、当該回転軸に直交するように移動板82cを固定する。そして、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fを、それぞれの中心軸が駆動モータ82aの回転軸と直交するように移動板82cに固定する。この場合、駆動モータ82aを制御して移動板82cを回動させることで、第1入力端子82e(または第2入力端子82f)の中心軸と出力端子83e(図示せず)の中心軸とを一致させて、移動板83cをX軸の正の方向に移動させることで接続する。
また、図6(b)に示すように、入力端子移動部82”を、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fが垂直方向に平行移動する構成としてもよい。すなわち、駆動モータ82aおよび送りネジ82bを回転軸が垂直方向(Z軸方向)となるように配置し、送りネジ機構でZ軸方向に移動するように移動板82cを設ける。そして、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fを、それぞれの軸方向がX軸方向となるように、移動板82cの右端(X軸の負の側)にZ軸方向に並べて固定する。この場合、駆動モータ82aを制御して移動板82cをZ軸方向に平行移動させることで、第1入力端子82e(または第2入力端子82f)の中心軸と出力端子83e(図示せず)の中心軸とを一致させて、移動板83cをX軸の正の方向に移動させることで接続する。
上記第1実施形態においては、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fと、出力端子83eとが、いずれも移動する場合について説明したが、これに限られない。一方が固定され、他方のみが移動するようにしてもよい。以下に、図7を参照して、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fが固定され、出力端子83eのみが移動する場合の実施例について説明する。同図において、図2に示す切替装置8と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図7に示す切替装置8’は、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fが固定されて出力端子83eのみが移動する点で、図2に示す切替装置8と異なる。
出力端子移動部83’は、出力端子83eをX軸方向およびY軸方向に移動させるものである。駆動モータ83aによって送りネジ83bを回転駆動し、送りネジ83bがX軸方向を中心軸として回転することで移動板83cがレール83d上をX軸方向に移動する点は、図2に示す切替装置8と共通している。しかし、駆動モータ83a、送りネジ83b、移動板83c、およびレール83dは、筐体81の底板に配置されているのではなく、移動板83hに配置されている。移動板83hは、筐体81の底板上をY軸方向に移動する。すなわち、筐体81の底板に固定された駆動モータ83iによって送りネジ83jを回転駆動し、送りネジ83jがY軸方向を中心軸として回転することで移動板83hがレール83k上をY軸方向に移動する。第1入力端子82eおよび第2入力端子82fは筐体81に固定されている。
出力端子移動部83’は、駆動モータ83aを制御して移動板83cをX軸方向に移動させ、駆動モータ83iを制御して移動板83hをY軸方向に移動させることで、移動板83cに固定された出力端子83eをX軸方向およびY軸方向に移動させる。切替装置8’においても、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態と、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態とを切り替えることができる。
なお、出力端子83eが固定され、第1入力端子82eおよび第2入力端子82fが移動するようにしてもよい。また、第1入力端子82eと第2入力端子82fとが、別々に移動するようにしてもよい。
上記第1実施形態においては、第1切り替えおよび第2切り替えを1秒程度の短い時間で行うために、第1入力端子82eと第2入力端子82fとが隣接するように設けられている。しかし、第1入力端子82eと第2入力端子82fとを近付けすぎると、第1入力端子82eと出力端子83eとを接続して高周波電源装置1から電力を供給した場合に、第1入力端子82eと出力端子83eとの接続部分から漏洩した電磁波が第2入力端子82fに侵入する場合がある。この場合、第2入力端子82fに接続されたインピーダンスアナライザ7に電流が流れて破壊される可能性がある。一方、第1入力端子82eと第2入力端子82fとを離しすぎると、第1切り替えおよび第2切り替えにかかる時間が長くなる。また、移動板82cのY軸方向の寸法を大きくする必要があり、移動板82cの移動ための空間も広く設けなければならないので、切替装置8が大きくなってしまう。
第1入力端子82eと第2入力端子82fとが隣接するように設けられている場合でも、第1入力端子82eから漏洩した電磁波が第2入力端子82fに侵入することを抑制することができるようにした場合を、図8ないし図10を参照して、第2実施形態として以下に説明する。
図8は、第2実施形態に係る切替装置の内部構造を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る切替装置8(図2参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図8に示すように、第2実施形態に係る切替装置8”は、第1入力端子82e’および第2入力端子82f’の構成が異なる点と、第2入力端子82f’が設けられている固定板と移動板82cとの間に絶縁体82gが設けられている点と、移動板83cに絶縁体83gを介して金属蓋83fが設けられている点とで、第1実施形態に係る切替装置8と異なる。
金属蓋83fは、第1入力端子82e’と出力端子83eとを接続したときに第2入力端子82f’の外部導体11(後述する図10参照)の図10(a)における右端の面(以下では、他の端子等と接続される面なので、「接続面」とする。)を覆うものであり、第1入力端子82e’と出力端子83eとの接続部分から漏洩した電磁波が第2入力端子82f’に侵入することを抑制するものである。金属蓋83fは、本発明の「シールド部材」に相当する。本実施形態においては、金属蓋83fとしてアルミの板を用いているが、これに限れられない。電磁波を遮断すればよいので、導電性を有するその他の金属であってもよいし、導電性を有する他の素材であってもよい。また、金属蓋83fには、直径が遮断する電磁波の波長(すなわち、高周波電源装置1が出力する高周波電圧の波長)の1/2以下である穴が設けられていてもよい。この場合でも、電磁波は当該穴を通り抜けることができないので、穴がない場合と同様に漏洩した電磁波の侵入を抑制することができる。金属蓋83fは、移動板83cの左端(X軸の正の側)に、出力端子83eのY軸の負の側に並べて固定されている。すなわち、第1入力端子82e’と出力端子83eとが対向する位置にあるとき(図8参照)に、第2入力端子82f’と金属蓋83fとが対向する位置にくるように、金属蓋83fは配置されている。
図9は、第1入力端子82e’と出力端子83eとを接続したときの状態(同図(a))と、第2入力端子82f’と出力端子83eとを接続したときの状態(同図(b))とを説明するための図である。同図(a)および同図(b)は、第1実施形態における図4(a)および(d)の状態に対応するものである。
図9(a)に示すように、第1入力端子82e’と出力端子83eとを接続した場合、金属蓋83fが第2入力端子82f’の外部導体11の接続面を覆うので、第1入力端子82e’と出力端子83eとの接続部分から漏洩した電磁波が第2入力端子82f’に侵入することを抑制することができる。なお、同図(b)に示すように、第2入力端子82f’と出力端子83eとを接続した場合、第1入力端子82e’の外部導体11の接続面は金属蓋83fで覆われない。しかし、第2入力端子82f’に接続されたインピーダンスアナライザ7が供給する電力は小さいので、第2入力端子82f’と出力端子83eとの接続部分から漏洩する電磁波は無視することができる。また、漏洩した電磁波が第1入力端子82e’に侵入したとしても、第1入力端子82e’に接続されたインピーダンス整合装置2および高周波電源装置1に与える影響は無視することができる。
絶縁体82gは第2入力端子82f’が設けられている固定板と移動板82cとを絶縁するものであり、絶縁体83gは金属蓋83fと移動板83cとを絶縁するものである。図9(a)に示すように、第1入力端子82e’と出力端子83eとを接続した場合、第2入力端子82f’と金属蓋83fとの接続部分は、絶縁体82g、83gによって、移動板82c、83cと絶縁される。したがって、第1入力端子82e’と出力端子83eとの接続部分から漏洩した高周波電力が移動板82c、83cを介して第2入力端子82f’に侵入することを抑制することができる。なお、同図(b)に示すように、第2入力端子82f’と出力端子83eとを接続した場合、第2入力端子82f’の外部導体11は出力端子83eの外部導体21および移動板83cを介して接地される。
図10は、各端子の構造を説明するための図である。同図(a)は、図8に示すD−D線に沿う断面図であり、第2入力端子82f’と金属蓋83fを示している。同図(b)は、第2入力端子82f’を金属蓋83f側から見た図(図8に示すE−E線から見た図)である。
図10に示すように、第2入力端子82f’の外部導体11の接続面には、同心円状の溝が設けられており、当該溝に電磁波を遮断するためのシールドガスケット14が配置されている。本実施形態では、シールドガスケット14として、導電性を有する薄い帯状の金属をらせん状に巻いて形成し、弾性と柔軟性をもたせたものを用いている。シールドガスケット14は、金属蓋83fが第2入力端子82f’の外部導体11の接続面を覆ったときに、隙間から電磁波が侵入するのを抑制する。なお、シールドガスケット14の構成はこれに限られない。例えば、弾力性を有する芯材の周りを導電布や導電性の網(ワイヤーメッシュ)で被覆したものなどでもよい。また、第2入力端子82f’の外部導体11にシールドガスケット14を設ける場合に限られず、金属蓋83fの方にシールドガスケット14を設けるようにしてもよい。
図示しないが、第1入力端子82e’の外部導体11の接続面にも同様に、同心円状の溝が設けられ、シールドガスケット14が配置されている。シールドガスケット14は、第1入力端子82e’と出力端子83eとを接続した場合に、隙間から電磁波が漏洩するのを抑制する。なお、第1入力端子82e’の外部導体11にシールドガスケット14を設ける場合に限られず、出力端子83eの外部導体21(図3参照)にシールドガスケット14を設けるようにしてもよい。
なお、第1入力端子82e’および第2入力端子82f’の構造が図3(a)に示す出力端子83eと同様の構造(すなわち、内部導体が外部導体より突出した構造)の場合、金属蓋83fは、突出した内部導体を嵌合するための空間が形成された構造になる。
本実施形態においては、第1入力端子82e’と出力端子83eとを接続したときに金属蓋83fが第2入力端子82f’の外部導体11の接続面を覆うので、高周波電源装置1から電力を供給して第1入力端子82e’と出力端子83eとの接続部分から電磁波が漏洩しても、第2入力端子82f’に当該電磁波が侵入することを抑制することができる。また、第1入力端子82e’の外部導体11の接続面に設けられたシールドガスケット14が隙間から電磁波が漏洩することを抑制し、第2入力端子82f’の外部導体11の接続面に設けられたシールドガスケット14が隙間から電磁波が侵入することを抑制するので、第2入力端子82f’に電磁波が侵入することをさらに抑制することができる。また、第2入力端子82f’と金属蓋83fとの接続部分は、絶縁体82g、83gによって、移動板82c、83cと絶縁される。したがって、第1入力端子82e’と出力端子83eとの接続部分から漏洩した高周波電力が移動板82c、83cを介して第2入力端子82f’に侵入することを抑制することができる。第1入力端子82e’と第2入力端子82f’とが隣接するように設けられている場合でも、第2入力端子82f’への高周波電力の侵入が可及的に抑制されるので、第2入力端子82f’に接続されたインピーダンスアナライザ7に電流が流れて破壊されることを防止することができる。
図11は、第2実施形態に係る切替装置8”の別の実施例を説明するための図であり、電磁波の侵入をさらに抑制する実施例を示している。同図において、第2実施形態に係る第2入力端子82f’および金属蓋83f(図10(a)参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図11に示すように、本実施例に係る第2入力端子82f”の外部導体11の接続面に段差が設けられ、金属蓋83f’のこれに対向する面にも段差が設けられている点と、第2入力端子82f”にシールドガスケット15がさらに設けられている点で、第2実施形態に係る第2入力端子82f’および金属蓋83fと異なる。金属蓋83f’の段差の部分は、第2入力端子82f”の段差の部分に嵌合するようになっている。これらの段差部分とシールドガスケット14およびシールドガスケット15によって、第2入力端子82f”と金属蓋83f’との隙間から電磁波が侵入することを、より抑制することができる。
第1入力端子82e”(図示しない)の外部導体11の接続面にも第2入力端子82f”と同様の段差およびシールドガスケット15がさらに設けられており、出力端子83e’(図示しない)の外部導体21の接続面にも金属蓋83f’と同様の段差が設けられている。これらの段差部分とシールドガスケット14およびシールドガスケット15によって、第1入力端子82e”と出力端子83e’との隙間から電磁波が漏洩することを、より抑制することができる。なお、シールドガスケット14およびシールドガスケット15は、金属蓋83f’および出力端子83e’の方に設けるようにしてもよい。
上記第1および第2実施形態においては、切替装置8(8’,8”)が電力の入力側を切り替える場合について説明したが、これに限られない。切替装置8(8’,8”)は、電力の出力側を切り替える場合にも用いることができる。すなわち、電力を入力する側の同軸ケーブルを出力端子83eに接続し、電力を出力する側の同軸ケーブルを第1入力端子82eおよび第2入力端子82fに接続すれば、電力の出力側を切り替える場合にも切替装置8(8’,8”)を用いることができる。
特許文献1に記載の多段階の校正方法(すなわち、低精度だが広いインピーダンスの範囲で校正可能な校正パラメータで校正を行って測定対象のインピーダンスの変化範囲を確認し、当該変化範囲でのみ高精度に校正可能な校正パラメータで校正を行う校正方法)を採用する場合、高周波測定装置3をダミーロード6に接続した状態と、プラズマ処理装置4に接続した状態とを切り替える必要がある。この場合の校正パラメータ生成システムを、以下に説明する。
図12は、電力の入力側を切り替える切替装置と電力の出力側を切り替える切替装置とを備えている校正パラメータ生成システムの構成を示すブロック図である。
校正パラメータ生成システムB’は、高周波測定装置3の校正パラメータの生成を行うためのものであり、上述した多段階の校正方法を行うためのものである。校正パラメータ生成システムB’において、高周波測定装置3の入力側(電力が入力される側)および出力側(電力が出力される側)に、それぞれ切替装置8が接続されている。高周波測定装置3の入力側に接続された切替装置8(以下では、「切替装置8a」とする。)の入力側には、高周波電源装置1が接続されたインピーダンス整合装置2と、インピーダンスアナライザ7とが接続されており、この接続状態は第1実施形態に係る校正パラメータ生成システムBと共通する(図1参照)。高周波測定装置3の出力側に接続された切替装置8(以下では、「切替装置8b」とする。)の出力側には、ダミーロード6とプラズマ処理装置4とが接続されている。すなわち、校正パラメータ生成システムB’は、図1に示す校正パラメータ生成システムBの接続状態において、高周波測定装置3とダミーロード6との間に切替装置8bを挿入し、プラズマ処理装置4を切替装置8bの出力側に接続したものである。なお、校正パラメータ生成システムB’は、特性インピーダンスが50Ω系として構成されている。
切替装置8bにおいては、高周波測定装置3と接続するための同軸ケーブル(電力を入力する側の同軸ケーブル)が出力端子83e(図2参照)に接続され、ダミーロード6およびプラズマ処理装置4と接続するための同軸ケーブル(電力を出力する側の同軸ケーブル)がそれぞれ第1入力端子82eおよび第2入力端子82fに接続される。切替装置8bは、高周波測定装置3とダミーロード6とが接続された状態と、高周波測定装置3とプラズマ処理装置4とが接続された状態とを、1秒程度の短い時間で切り替えることができる。
本実施形態において、切替装置8bは、第1入力端子82eと出力端子83eとが接続された状態と、第2入力端子82fと出力端子83eとが接続された状態とを、1秒程度の短い時間で切り替えることができる。したがって、高周波測定装置3をダミーロード6に接続した状態とプラズマ処理装置4に接続した状態とを、容易に短時間で切り替えることができる。これにより、校正作業を簡略化することができ、校正作業にかかる時間を短縮することができる。
また、切替装置8bは、インピーダンスを変化させる他の接続部材を介することなく、第1入力端子82e(または第2入力端子82f)と出力端子83eとを直接接続する。したがって、高周波測定装置3で入力端bから負荷側を見たインピーダンスを正確に測定することができる。
なお、切替装置8(8’,8”)は、校正作業(測定作業)以外にも用いることができ、電力の入力または出力を切り替えるための装置として、あらゆる場合に用いることができる。例えば、2台の高周波電源装置1と1台のプラズマ処理装置4とを接続しておき、プラズマ処理装置4に電力を供給する電源を適宜切り替える場合(図13(a)参照)や、2台のプラズマ処理装置4と1台の高周波電源装置1とを接続しておき、高周波電源装置1が電力を供給するプラズマ処理装置4を適宜切り替える場合(図13(b)参照)などにも、切替装置8(8’,8”)を用いることができる。
また、入力端子および出力端子の数は限定されない。例えば、3つの入力端子と1つの出力端子とを設け、出力端子がいずれかの入力端子に接続されるようにして、3つの入力を切り替えるようにしてもよい。また、2つの入力端子と2つの出力端子とを設けるようにしてもよい。また、高周波電力を扱う場合に限定されず、低周波の交流電力や直流電力を扱う場合でも、本発明に係る切替装置を用いることができる。
本発明に係る切替装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る切替装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。