≪実施形態1≫
以下、本発明の一実施形態として、本発明の位置依存機能制御装置を、ユーザインタフェース(UI;User Interface)システム、すなわち、スマートフォンとタブレットPCとで実現した場合について、図1〜図17に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付すものとし、それらの説明は重複して行なわない。また、図面における長さ、大きさおよび幅などの寸法関係ならびに形状は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法および形状を表してはいない。
〔機器連携システム100の概要〕
図2は、機器連携システム100の概要を示す図である。
図2に示す機器連携システム100は、まず、2以上の機器が連携して1つのメイン機能(アプリケーションなど)を共有し分担するとともに、該メイン機能に係る入出力を協働して実行する。これを「機器連携機能」と称する。これにより、ユーザにとってより使いやすいユーザインタフェースを提供できる。2以上の機器とは、例えば、図2に示すとおり、スマートフォン1およびタブレットPC2である。
次に、本発明の位置依存機能制御装置を実現する機器連携システム100は、各機器の位置関係に応じて、機器が分担する機能(以下、分担機能)を切り替える機能を有する。この位置依存機能制御機能のことを、以下では、「エリアファンクション」と称する。
本実施形態では、一例として、機器連携システム100において連携して1つのメイン機能を実現するにあたって、タブレットPC2に対するスマートフォン1の相対位置に応じて、スマートフォン1またはタブレットPC2が担う分担機能を切替える。
各機器が連携してエリアファンクションを行うためには、スマートフォン1およびタブレットPC2が、共にエリアファンクションが起動されたことを認識し、なおかつ、互いに通信可能に接続され、互いの機器を認識している状態でなければならない。この状態を以下「エリアファンクションモード」と称する。
スマートフォン1とタブレットPC2とは、適宜の通信手段、例えば、IrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、WiFi(登録商標)通信、ZigBee(登録商標)などの無線通信手段によって互いに通信可能となっている。
本実施形態の機器連携システム100は、上記機器連携機能を実現するために、少なくとも、メイン機能実行機器と、補助機器とを有する。メイン機能実行機器は、上記メイン機能のプログラムを主動的に実行し、該メイン機能の実行に際し主導権を有するものである。図2に示す例では、タブレットPC2がメイン機能実行機器として動作する。補助機器は、上記メイン機能実行機器から供給される制御データにしたがって、上記メイン機能の一部または入出力の一部を担って、該メイン機能の実行を補助するものである。図2に示す例では、スマートフォン1が補助機器として動作する。
また、本発明の機器連携システム100において、当該システムを構成する、メイン機能実行機器および補助機器の少なくともいずれか1つが、エリアファンクションを主動的に実行するための構成を備えている。本実施形態では、一例として、エリアファンクションに関する構成は、スマートフォン1およびタブレットPC2に分散して搭載されているものとする。後述のスマートフォン1およびタブレットPC2の構成を詳細に説明することによって、本発明のエリアファンクションがどのようにして実現されるのかを説明する。
本発明のエリアファンクションを実現するために、スマートフォン1において、タブレットPC2に対するスマートフォン1の相対位置が、エリアとしてあらかじめ定義されている。スマートフォン1は、自機が保持する相対位置の定義に基づいて、自機が、タブレットPC2に対して、相対的にどの位置にあるか(例えば、図2のア〜クのいずれか)を認識し、認識した自機の相対位置に応じて、機器が担う機能を決定することができる。本実施形態では、処理の簡略化のため、スマートフォン1の相対位置を厳密に定義し、特定することは行わない。
本実施形態では、タブレットPC2の周囲を所定の数に区切ってできるエリアを予め定義し、各エリアの情報をスマートフォン1に保持させる。図2に示すとおり、例えば、タブレットPC2の周囲8方向に基づいて、8つのエリアが定義されてもよい。本実施形態では、タブレットPC2の左側のエリアA、左下側のエリアB、下側のエリアC、右下側のエリアD、右側のエリアE、右上側のエリアF、上側のエリアG、および、左上側のエリアHの8つのエリアが定義されているものとする。タブレットPC2の位置を基準にして、スマートフォン1が存在する位置を識別するために予め定義された上記各エリアを、以下では「相対エリア」と称する。
次に、機器連携システム100の基本的な動作について説明する。
タブレットPC2に設けられたエリアファンクション起動ボタン5が押されると、タブレットPC2はエリアファンクションモードに移行する。タブレットPC2は、エリアファンクションを起動したことを、スマートフォン1と通信して通知し、これにしたがい、スマートフォン1もエリアファンクションモードに移行する。これにより、タブレットPC2は、以後起動されたメイン機能(アプリケーション)をスマートフォン1と連携して実行していくことができる。
エリアファンクションモード時にスマートフォン1がタブレットPC2の存在を認識できる距離に置かれると、スマートフォン1は、自機とタブレットPC2との位置関係を検知し、検知結果に基づいて、自機が置かれた相対エリア決定する。スマートフォン1は、実行中のアプリケーションに関して担う分担機能を、決定した相対エリアに応じて切り替える。スマートフォン1は、自機が担う分担機能だけを切り替えてもよいし、タブレットPC2が担う分担機能だけを切り替えてもよいし、両方の機器の分担機能を切り替えてもよい。本実施形態では、メイン機能(アプリケーション)のプログラムは、タブレットPC2が保持し、タブレットPC2によって主動的に実行される。そこで、スマートフォン1は、必要に応じて、タブレットPC2に対して、切り替えられた分担機能を実行するために必要な制御データをタブレットPC2に要求し、そこから取得してもよい。
なお、エリアファンクション起動方法は、上記に限定されず、別の方法でエリアファンクションを起動させてもよい。例えば、エリアファンクション起動ボタン5は、ソフトウェアキーによって実現されているが、タブレットPC2のハードウェアボタンで実現されてもよい。また、エリアファンクション起動ボタン5は、スマートフォン1に設けられてもよい。エリアファンクション起動方法の他の例は、変形例として後述する。
また、事前に定義しておく相対エリアは、図2に示した8つのエリアに限られない。例えば、タブレットPC2の側面にスマートフォン1を接触させた場合には、非接触の場合の相対エリア(図2など)とは、異なる相対エリアとして扱われるように、別途相対エリアを定義してもよい。例えば、左側で接触する場合を、「相対エリアCA」、上側で接触する場合を、「相対エリアCG」などと定義してもよい。あるいは、相対エリアは、2次元座標系だけでなく、3次元空間座標系において定義されてもよい(この場合は、相対空間となる)。例えば、スマートフォン1をタブレットPC2の表面上方に固定したり、重ねて載せた場合を、「相対空間US」、スマートフォン1をタブレットPC2の裏面下方に固定したり、敷いたりした場合を「相対空間DS」と定義したりしてもよい。
あるいは、事前に定義される相対エリアの数は、8つに限られず、これよりも少なくても多くてもよい。例えば、タブレットPC2の上下左右4方向に対応する4つの相対エリアが定義されてもよい。
次に、本発明に係る機器連携システムを構築する各機器の要部構成を図1に基づいて説明する。図1は、機器連携システム100に含まれるスマートフォン1およびタブレットPC2の要部構成を示すブロック図である。
〔スマートフォン1の構成〕
図1に示す通り、本実施形態に係るスマートフォン(位置依存機能制御装置)1は、入力部12、表示部13、通信部14、位置検知部15、制御部10、および、記憶部11を備えている。さらに、スマートフォン1は、図示しないが、音声入力部、音声出力部、放送受像部、GPSなど、スマートフォンが標準的に備えている各種部品を備えていてもよい。
入力部12は、ユーザがスマートフォン1を操作するための指示信号を、タッチパネルを介して入力するためのものである。入力部12は、指示体(指またはペンなど)の接触を受け付けるタッチ面と、指示体とタッチ面との間の接触/非接触(接近/非接近)、および、その接触(接近)位置を検知するためのタッチセンサとで構成されている。タッチセンサは、指示体とタッチ面との接触/非接触を検知できればどのようなセンサで実現されていてもかまわない。例えば、圧力センサ、静電容量センサ、光センサなどで実現される。
表示部13は、スマートフォン1が情報処理した結果物を表示したり、ユーザがスマートフォン1を操作するための操作画面をGUI(Graphical User Interface)画面として表示したりするものである。特に、本実施形態では、表示部13には、スマートフォン1が、タブレットPC2と協働して実現するアプリケーションに関する入出力のインターフェース(ソフトウェアキーなど)が表示される。表示部13は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。
本実施形態では、入力部12と表示部13とは一体に成形されており、これらがタッチパネルを構成している。しかし、本発明の機器連携システム100を構成する各機器(メイン機能実行機器および補助機器)は、上記構成に限定されず、入力部12(キーボード、マウスなど)と、表示部13とを別に備える構成であってもよい。
通信部14は、通信網を介して外部の装置と通信を行うものである。通信部14は、タブレットPC2に接続し、スマートフォン1とタブレットPC2との間でのデータの送受信を実現する。通信部14は、例えばIrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、WiFi(登録商標)通信、ZigBee(登録商標)通信などのいずれかのワイヤレス通信手段であることが望ましい。
位置検知部15は、タブレットPC2の位置を検知するものである。位置検知部15によって実行される位置の検知は、例えば、以下のようにして行われる。スマートフォン1が同時に発信した超音波と電波とを、タブレットPC2の異なる3点に配置された図示しない検知部によって検知する。そして、タブレットPC2は、超音波と電波とが各検知部に到達した時間差をスマートフォン1に送信する。これにより、位置検知部15は、タブレットPC2の位置を検知するようにしてもよい。あるいは、スマートフォン1が複数の赤外線受光部を備え、タブレットPC2の赤外線発光部(図示せず)が周囲に向けて発光する赤外線の方向を位置検知部15が検知するという構成であってもよい。
他にも、光または磁気など、機器が他の機器の位置を検知して、自機と他の機器との位置関係を把握する公知の技術が適宜採用されてもよい。本実施形態においては、スマートフォン1が、自機の相対エリアを判断するに足る位置情報が得られるならば、位置検知部15はどのような方法でタブレットPC2の位置を検知してもよい。
位置検知部15は、検知したタブレットPC2の位置を示す位置情報を制御部10に供給する。なお、位置検知部15は、常時タブレットPC2の位置を監視して、逐次位置情報を取得する構成であるが、スマートフォン1がエリアファンクションモードでないときには、この逐次監視する動作をオフにしてもよい。また、位置検知部15は、スマートフォン1およびタブレットPC2の両方が静止していることにより、両者の位置関係が固定されている間は、タブレットPC2の位置情報を相対エリア決定部20に供給しないようにする。そして、スマートフォン1またはタブレットPC2が動かされることによって位置関係が変動する間だけ、タブレットPC2の位置情報を相対エリア決定部20に逐次供給することが好ましい。
制御部10は、スマートフォン1が備える各部を統括制御するものである。制御部10は、機器連携機能およびエリアファンクションを実現するために、機能ブロックとして、相対エリア決定部20、機能決定部21、機能実行部22、および、表示制御部23を備えている構成である。必要に応じてエリアファンクション起動部24を備えていてもよい。
制御部10は、例えば、CPU(central processing unit)などで実現され、上述した各機能ブロックは、制御部10としてのCPUが、ROM(read only memory)などに記憶されているプログラムを、RAM(random access memory)などに読み出して実行することで実現される。制御部10の各機能ブロックについては後述する。
記憶部11は、(1)スマートフォン1の制御部10が実行する制御プログラム、(2)制御部10が実行するOSプログラム、(3)制御部10が、スマートフォン1が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを非一時的に記憶するものである。例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの記憶装置に記憶される。
例えば、本実施形態の記憶部11は、割当情報記憶部40およびエリア定義情報記憶部41を含む。各記憶部の詳細については後述する。
スマートフォン1は、図示しない一時記憶部を備えていてもよい。一時記憶部は、スマートフォン1が実行する各種処理の過程で、演算に使用するデータおよび演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリであり、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置で構成される。
どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、スマートフォン1の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
制御部10の相対エリア決定部20は、位置検知部15が検知したタブレットPC2の位置情報に基づいて、スマートフォン1の相対エリアを決定するものである。
相対エリア決定部20は、位置検知部15が検知した位置情報を受け取る。位置情報には、例えば、タブレットPC2が存在する方向、タブレットPC2の向きなどが含まれている。この位置情報に基づいて、相対エリア決定部20は、スマートフォン1のタブレットPC2との位置関係を把握する。より詳細には、相対エリア決定部20は、エリア定義情報記憶部41に記憶されているエリア定義情報(例えば、図2に示す相対エリアA〜Hの情報)を参照する。そして、エリア定義情報と、上記位置情報とに基づいて、スマートフォン1が、タブレットPC2から見て上、下、左、右、左上、左下、右下、右上、のいずれの方向に位置しているのかを決定し、スマートフォン1の現在位置を示す相対エリアを決定することができる。相対エリア決定部20は、決定した相対エリアを機能決定部21に通知する。
機能決定部21は、決定された相対エリアに応じて、機器連携システム100に含まれる機器が実行すべき機能を決定するものである。決定された相対エリアは、現在の各機器の位置関係を示している。機能決定部21は、各機器の現在の位置関係に応じて、各機器(または、いずれか一方の機器)が担う分担機能を決定することが可能である。
本実施形態では、一例として、機能決定部21は、スマートフォン1が位置する相対エリアに応じて、スマートフォン1が担うべき分担機能を決定する構成である。
より詳細には、まず、機能決定部21は、記憶部11の割当情報記憶部40を参照する。割当情報記憶部40には、予め定義されている各相対エリアに対して、そのエリアにスマートフォン1があるときにスマートフォン1が担うべき分担機能が対応付けられた割当情報が記憶されている。
機能決定部21は、割当情報記憶部40に記憶されている割当情報を参照し、相対エリア決定部20が決定した相対エリアに対応付けられている分担機能を特定する。機能決定部21は、これを、スマートフォン1に割り当てる分担機能として決定し、機能実行部22に通知する。なお、割当情報記憶部40に記憶されている割当情報のデータ構造については後に詳述する。
機能実行部22は、機能決定部21によって決定された、スマートフォン1が担うべき分担機能を実現するものである。
機能実行部22は、機能決定部21より決定された分担機能の通知を受けると、当該分担機能がスマートフォン1において実現されるよう、スマートフォン1の各部を制御する。より詳細には、機能実行部22は、決定された分担機能のプログラムを実行する。このプログラムが処理結果を表示部13に表示することを規定している場合には、機能実行部22は、プログラムにしたがって処理した実行結果の情報を、表示制御部23を介して、表示部13に表示する。
なお、決定された分担機能を実現するために必要な情報(例えば、プログラム、または、画像などのUI部品)が、自機の記憶部11に記憶されていない場合が考えられる。この場合には、機能実行部22は、タブレットPC2に対して、上記分担機能を実現するために必要な情報(以下、制御データ)を要求してもよい。機能実行部22は、受け取った制御データを用いて、機能決定部21が決定した分担機能を実行することができる。
表示制御部23は、制御部10によって処理された情報を映像信号化して表示部13に出力し、表示部13に情報を表示させるものである。また、本実施形態では、表示制御部23は、上記機能実行部22と協働し、機能決定部21によって決定された分担機能を実現する。より詳細には、当該分担機能に係る出力機能を担う。例えば、上記機能実行部22が受け取った制御データ(画像など)を表示部13に表示して、相対エリアに対応する分担機能の変更に伴う表示制御を行う。
〔割当情報について〕
図3は、割当情報記憶部40に記憶されている割当情報のデータ構造および具体例を示す図である。
なお、図3において、割当情報をテーブル形式のデータ構造にて示したことは一例であって、割当情報のデータ構造をテーブル形式に限定する意図はない。以降、データ構造を説明するためのその他の図においても同様である。テーブル形式で実現された割当情報を以下では、機能テーブルと称する。
図3に示すとおり、機能テーブルは、相対エリアごとに分担機能を対応付けたデータ構造を有している。
「相対エリア」の列は、エリア定義情報記憶部41において予め定義されている各相対エリアの識別情報を格納する。識別情報として図示されているのは、A〜Hのアルファベットの符号であるが、スマートフォン1が、個々の相対エリアを識別できるものであれば、どのような値が格納されてもよい。
「分担機能」の列は、各相対エリアに割り当てられている分担機能の識別情報を格納する。識別情報として図示されているのは、分担機能の名称であるが、これは発明の理解を容易にする目的で記載したものであって、実際には、スマートフォン1およびタブレットPC2が、個々の分担を識別できさえすれば、どのような値が格納されてもよい。
なお、機能テーブルは、予め定められたものが固定で割当情報記憶部40に記憶されていてもよいが、ユーザによって書き換え可能なように記憶されていてもよい。つまり、どのエリアにスマートフォン1を置いたときに、どのような分担機能を持たせるのかを、ユーザが希望通りに予め設定できてもよい。
上記機能テーブルを参照すれば、機能決定部21は、スマートフォン1の、タブレットPC2に対する相対位置に応じて、スマートフォン1が担うべき分担機能を決定することができる。
例えば、スマートフォン1が図2に示すとおり「ア」の位置にある場合を想定する。相対エリア決定部20は、位置検知部15が送出する位置情報に基づいて、スマートフォン1が、タブレットPC2の左側にあることを把握し、相対エリアを「A」と決定する。
機能決定部21は、図3に示す機能テーブルを参照し、相対エリア「A」をキーとして、レコードを検索する。そして、相対エリア「A」に、分担機能「ショートカットキー」が割り当てられたレコードを検出する。機能決定部21は、こうして、スマートフォン1が存在する現在位置(相対エリア)に応じて、スマートフォン1が担うべき分担機能を「ショートカットキー」と決定することができる。
続いて、機能実行部22は、スマートフォン1が「ショートカットキー」として機能するようにプログラムを実行する。本実施形態では、「ショートカットキー」はソフトウェアキーとして実現される。そのため、表示制御部23は、機能実行部22の指示にしたがって、「ショートカットキー」のGUI部品を、表示部13に表示する。「ショートカットキー」として機能するために必要な制御データが記憶部11に記憶されていない場合には、機能実行部22は、分担機能「ショートカットキー」の識別情報をタブレットPC2に送信して、分担機能「ショートカットキー」を実現するための制御データをタブレットPC2に要求する。
こうして、スマートフォン1が、タブレットPC2の左側に配置されたことに伴って、スマートフォン1は、分担機能「ショートカットキー」を実行する。すなわち、スマートフォン1は、相対エリアAの位置にある場合には、「ショートカットキー」として、タブレットPC2と連携して、タブレットPC2が実行するメイン機能(アプリケーション)の一部を担う。
このように、スマートフォン1とタブレットPC2との位置関係に応じて分担機能を切り替えることには、以下の利点がある。
例えば、スマートフォン1が相対エリアCの位置にある場合には、スマートフォン1は「キーボード」として機能する。一方、相対エリアDの位置にある場合には、スマートフォン1は、「テンキー」として機能する。
上記の例によれば、タブレットPC2またはスマートフォン1において、文字を入力するためのソフトウェアキーと、数字を入力するためのソフトウェアキーとを同時に表示する必要がなくなる。そのため、各機器の表示部の表示スペースを、その他の用途に有効に使うことができる。
その上、文字入力機能と数字入力機能とを切り替える場合には、ユーザは、左側に文字入力キー、右側に数字入力キーがある一般的なハードウェアキーボードの配置と同じようにスマートフォン1を動かすだけでよい。そのため、直感的に機能を切り替えることができる。
〔タブレットPC2の構成〕
タブレットPC2は、入力部51、表示部52、通信部53、制御部50および図示しない記憶部を備えている。また、図示しないが、タブレットPC2は、スマートフォン1の位置検知部15に対応して、位置検知部15がタブレットPC2の位置情報をつきとめるために必要な信号を送出する位置信号送出部を備えていてもよい。
なお、入力部51、表示部52、通信部53および記憶部については、スマートフォン1が備える入力部12、表示部13、通信部14および記憶部11と同様のハードウェア構成および役割を有しているので、重複する説明を割愛する。
制御部50は、タブレットPC2が備える各部を統括的に制御するものである。具体的には、本実施形態では、制御部50は、機能ブロックとして、アプリケーションを実行するアプリケーション実行部60、エリアファンクションを開始するエリアファンクション起動部24、および、スマートフォン1の送信要求に応答して、スマートフォン1が担うべき分担機能の制御データをスマートフォン1に送信する連携制御部61を備えている構成である。
〔機器連携システムの処理フロー〕
図4は、機器連携システム100において実行されるエリアファンクションの処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、タブレットPC2のエリアファンクション起動部24が、エリアファンクションを起動し、スマートフォン1およびタブレットPC2がエリアファンクションモードに遷移した後の処理の流れを説明する。また、ここでは、タブレットPC2のアプリケーション実行部60が、あるメイン機能(例えば、Word(登録商標)などの文書編集アプリケーション)を実行しており、スマートフォン1は、タブレットPC2の連携制御部61の指示にしたがって、一部の分担機能を担当し、タブレットPC2と連携して上記アプリケーションを実現しているものとする。
エリアファンクションモード下では、位置検知部15は、タブレットPC2の位置を逐次監視する。各機器の位置が変更されない間は、位置検知部15が検知する位置情報は変化しない。よって、位置検知部15は、位置情報を相対エリア決定部20に供給しないでよい。この場合、スマートフォン1は、現行の分担機能を実行している状態を維持する(S100においてNO)。
スマートフォン1またはタブレットPC2が動かされて、位置関係が変化すると、位置検知部15は、タブレットPC2の位置を監視して得られたタブレットPC2の位置情報を逐次相対エリア決定部20に供給する。
相対エリア決定部20は、位置検知部15から位置情報を取得すると(S100においてYES)、タブレットPC2に対するスマートフォン1の位置を検知する(S102)。そして、相対エリア決定部20は、検知したスマートフォン1の位置が、どの相対エリアに対応するのかを決定する(S104)。決定した相対エリアは機能決定部21に通知される。
ここで、位置検知部15は、位置関係が継続して変化していれば、逐次位置情報を供給し続けるので、相対エリア決定部20は、逐次相対エリアを決定する。そこで、機能決定部21は、今回S104で決定された相対エリアと、前回決定された相対エリアとを比較して、直前にスマートフォン1が存在していた相対エリアから変化したか否かを判断する(S106)。
位置が変化していても、同じ相対エリア内で移動しただけの場合、つまり、相対エリアは直前のものから変化していない場合(S106においてNO)、分担機能を切り替える必要がないため、相対エリア決定部20が、再びS100に戻り、位置検知部15からの位置情報を受け付ける状態に戻る。
一方、相対エリアが変化した場合(S106においてYES)、機能決定部21は、変化した相対エリアに応じて分担機能を切り替えるために、S108に進む。
続いて、機能決定部21は、割当情報記憶部40から機能テーブルを読み出す(S108)。機能決定部21は、相対エリア決定部20が決定した相対エリアに割り当てられている分担機能を上記機能テーブルから特定する。ここで、当該相対エリアに分担機能が割り当てられていない場合(S110においてNO)、分担機能を切り替えることはできないため、相対エリア決定部20が、再びS100に戻り、位置検知部15からの位置情報を受け付ける状態に戻る。
一方、機能テーブルにおいて、上記相対エリアに割り当てられた分担機能を特定できた場合(S110においてYES)、機能決定部21は、特定できた分担機能を、スマートフォン1が担うべき新たな分担機能として決定する(S112)。決定した分担機能は機能実行部22に通知される。
機能実行部22は、機能決定部21によって決定された分担機能を実行する(S116)。ここで、機能実行部22は、決定された分担機能を実行するのに必要な制御データがスマートフォン1に記憶されていない場合には、決定された分担機能の識別情報をタブレットPC2に対して送信して、上記制御データを要求してもよい。この場合は、S116に先立って、機能実行部22は、通信部14を介して、S112にて決定された分担機能の制御データをタブレットPC2に要求する。タブレットPC2の連携制御部61は、指定された分担機能をスマートフォン1が実行するために必要な制御データをスマートフォン1に送信する。機能実行部22は、上記制御データをタブレットPC2から受信する(S114)。機能実行部22は、受信した制御データに基づいて、上記分担機能を実行する。
こうして、スマートフォン1のタブレットPC2に対する相対位置が変更されたことに伴い、スマートフォン1の分担機能が切り替えられる。
〔変形例1〕
上述の実施形態では、タブレットPC2が、1つのメイン機能(アプリケーション)を実行するケース、または、タブレットPC2が、どのアプリケーションを実行しても、スマートフォン1が相対エリアに応じて担う分担機能のセットは、1通りしかないケースが想定されている。しかし、本発明の機器連携システム100において、タブレットPC2は、複数種類のアプリケーションを実行できてもよい。そして、相対エリアに加えて、タブレットPC2が実行しているアプリケーションの種類を考慮して、スマートフォン1に分担させる分担機能を決定してもよい。
この場合、割当情報記憶部40が保持する機能テーブルは、図3に示す機能テーブルとは異なるデータ構造を有する。すなわち、タブレットPC2が実行しているアプリケーションと相対エリアとが決定されて、はじめて、スマートフォン1に実行させるべき分担機能が一意に決定されるというデータ構造となる。
図5は、割当情報記憶部40に記憶されている機能テーブルの他の例を示す図である。
図3に示す機能テーブルと異なる点は、図5に示す機能テーブルが、さらに、「メイン機能」のカラムを有している点である。
「メイン機能」の列は、タブレットPC2が実行しているアプリケーションの識別情報を格納する。図示の通り、メイン機能および相対エリアの組み合わせをキーに使えば、機能決定部21は、スマートフォン1が実行すべき分担機能を一意に決定できる。
アプリケーションの識別情報として図示されているのは、アプリケーションの名称であるが、これは発明の理解を容易にする目的で記載したものであって、実際には、スマートフォン1およびタブレットPC2が、個々のアプリケーションを識別できさえすれば、上記カラムにはどのような値が格納されてもよい。
なお、図5で示したデータ構造の他に、割当情報記憶部40の機能テーブルは、アプリケーションごとに図3に示す機能テーブルを作成して保持する構成でもよい。
本変形例の場合、スマートフォン1の機能決定部21が、エリアファンクションモード時に担うべき分担機能を決定するためには、タブレットPC2がアクティブ状態にしているアプリケーションを、機能決定部21が知る必要がある。アクティブ状態のアプリケーションの識別情報は、例えば、以下のようにして、タブレットPC2からスマートフォン1へと供給されればよい。
エリアファンクションが起動された時、タブレットPC2は、その時点で実行していたアプリケーションをスマートフォン1に通知してもよい。あるいは、タブレットPC2が新たなアプリケーションを起動した時にそのアプリケーションを通知してもよい。あるいは、スマートフォン1の相対位置が変更されたときに、新たな分担機能を決定するためにスマートフォン1の機能決定部21が、都度、タブレットPC2に対して実行中(かつアクティブ状態の)アプリケーションを問い合わせてもよい。
これに加えて、タブレットPC2において、1または複数の実行中のアプリケーションのアクティブ状態と非アクティブ状態とが切り替わった時などに、タブレットPC2からスマートフォン1に対して、各アプリケーションのアクティブ状態または非アクティブ状態が通知される。
本変形例では、以上のとおり、図5に示す機能テーブルが割当情報記憶部40に記憶されている。そのため、機能決定部21は、タブレットPC2が複数のアプリケーションを実行できる場合であって、アプリケーションごとに分担機能が異なる場合であっても、スマートフォン1の相対位置に応じて適切な分担機能を決定することができる。結果として、タブレットPC2とスマートフォン1との位置関係に応じて、機器連携システム100の各機器の分担機能をアプリケーションごとに切り替えることが可能となる。
〔変形例2〕
上述の実施形態では、スマートフォン1の機能決定部21は、図3または図5に示す機能テーブルを参照して、スマートフォン1の分担機能を決定する構成であった。しかし、これに限定されず、機能決定部21は、機器連携システム100においてエリアファンクションに参加する自機以外の機器の分担機能を決定し、機器の位置関係に応じて切り替えることができてもよい。
図6は、割当情報記憶部40に記憶されている機能テーブルのさらに他の例を示す図である。
図5に示す機能テーブルと異なる点は、図6に示す機能テーブルは、「分担機能」のカラムを、スマートフォン1向けと、タブレットPC2向けとに分けて有している点である。
「分担機能(スマートフォン1)」のカラムは、スマートフォン1向けの分担機能の識別情報を格納するものである。機能決定部21は、このカラムを参照して、スマートフォン1が担うべき分担機能を決定する。
「分担機能(タブレットPC2)」のカラムは、タブレットPC2向けの分担機能の識別情報を格納するものである。機能決定部21は、このカラムを参照して、タブレットPC2が担うべき分担機能を決定する。
本変形例では、機能決定部21は、タブレットPC2が実行中のアプリケーション、および、スマートフォン1が位置する相対エリアに応じて、スマートフォン1の分担機能と、タブレットPC2の分担機能とをそれぞれ決定する。
機能決定部21がスマートフォン1の分担機能を決定すると、実施形態1と同様に、機能実行部22および表示制御部23が、決定された分担機能を実現するために動作する。
一方、機能決定部21がタブレットPC2の分担機能を決定すると、機能決定部21は、通信部14を介して、タブレットPC2が担うべき分担機能の識別情報をタブレットPC2に対して通知する。こうして、タブレットPC2のアプリケーション実行部60は、機能決定部21によって決定された分担機能を実行する。例えば、アプリケーション実行部60は、図示しない、表示制御部に対して、新たに決定された分担機能を実現するための画面を表示部52に表示するように指示を送る。
上記構成によれば、各機器の位置関係に応じて、補助機器であるスマートフォン1の分担機能のみでなく、メイン機能実行機器であるタブレットPC2の分担機能を切り替えることが可能となる。
図7の(a)〜(f)は、スマートフォン1およびタブレットPC2の表示部に表示される表示画面の具体例を示す図である。
図6に示す機能テーブルにしたがえば、タブレットPC2が、文書編集アプリケーションを実行しているときに、スマートフォン1が、図7に示す相対エリアA〜Eにある場合、機能決定部21は、タブレットPC2の分担機能を「文字入力画面」と決定する。この場合、機能決定部21は、タブレットPC2に対して、決定した分担機能「文字入力画面」を通知する。
図7の(a)〜(e)に示すとおり、タブレットPC2の図示しない表示制御部は、上記通知に応じて、表示部52に、上記文書編集アプリケーションの文字入力画面を表示する。ここで、スマートフォン1が、相対エリアA〜Eにある間は、タブレットPC2の分担機能は、「文字入力画面」から変更されない。分担機能が変更されない間は、機能決定部21は、タブレットPC2に対して分担機能を通知することを省略することが好ましい。
一方、図6の機能テーブルに示すとおり、6か所の相対エリアA〜Eに対しては、それぞれ、分担機能として「メニュー」表示機能、「トラックパッド」表示機能、「キーボード」表示機能、「ショートカットキー」表示機能、および、「テンキー」表示機能が割り当てられている。
したがって、例えば、図7の(a)に示すとおり、スマートフォン1が相対エリアCにある場合、機能決定部21の決定にしたがって、機能実行部22および表示制御部23は、スマートフォン1を、文字編集アプリケーションにおける「キーボード」として機能させる。具体的には、表示制御部23は、ソフトウェアキーボードを表示部13に表示する。そして、機能実行部22は、入力部12を介して、ソフトウェアキーボードに対するユーザの操作を受け付け、操作に応じた処理を実行する。
同様に、図7の(b)〜(e)に示すとおり、スマートフォン1が各相対エリアD、E、B、Aに置かれると、スマートフォン1は、各相対エリアに対応した上述の分担機能を果たすデバイスとなる。
図7の(f)に示すとおり、スマートフォン1が、相対エリアGにあるとする。この場合、機能決定部21は、図6の機能テーブルを参照して、スマートフォン1の分担機能を「文字入力画面」と決定する。一方、機能決定部21は、タブレットPC2の分担機能を「キーボード」と決定する。
機能決定部21は、タブレットPC2に対して分担機能「キーボード」を通知する。この通知を受けて、アプリケーション実行部60は、タブレットPC2がソフトウェアキーボードとして機能するように各種処理を実行する。この結果、表示部52に、ソフトウェアキーボードが表示される(図7の(f))。
一方、スマートフォン1の機能実行部22は、機能決定部21の決定にしたがい、文字入力画面を表示する分担機能を実行する。具体的には、機能実行部22は、タブレットPC2に対して文字入力画面の制御データを要求してこれを受信する。そして、上記文字入力画面を表示部13に表示するように、表示制御部23に対して指示する。結果、表示部13に、文字入力画面が表示され(図7の(f))、「文字入力画面」という分担機能が、スマートフォン1において実現される。このように、スマートフォン1は、スマートフォン1とタブレットPC2との位置関係に応じて、双方の分担機能を入れ替えることが可能である。
なお、1つの機器に対して、複数の相対エリアに同じ分担機能を重複して割り当ててもよい。相対エリアBと相対エリアDとの両方に、「トラックパッドおよびショートカットキー」両方を表示するという同じ機能を割り当てることができる。こうして、右利きのユーザにも左利きのユーザにも使い勝手の良いUIを提供することが可能である。また、よく使う機能を複数の相対エリアに対し多く割り当てておくことも可能である。
図6および図7に示す分担機能の割り当ては、文書編集アプリケーションの他にも、メールアプリケーション、Excel(登録商標)などの表計算アプリケーション、Webブラウジングアプリケーションなど、文字を入力するシーンがあるアプリケーションに広く応用できる。
〔応用例〕
上述の例以外の他のアプリケーションに関して、分担機能の割り当ての具体例を図8〜図11に示す。
(写真アルバムアプリケーションの場合)
図8の(a)〜(d)は、メイン機能が写真アルバムアプリケーションである場合の、分担機能の割り当ての具体例を示す図である。写真アルバムアプリケーションは、タブレットPC2に保存されている複数の写真のデータをアルバム(フォルダ)にまとめて管理し、アルバム内の写真をスライドショー表示したり、サムネイル画像で一覧表示したりする機能である。
図8の(a)〜(d)に示す例では、タブレットPC2の分担機能は、アルバム内の特定の1枚の写真を全画面表示する機能である。一方、スマートフォン1の分担機能は、図5および図8に示すとおり、相対エリアB、C、D、および、Eに対して、それぞれ、「前の写真」を表示する機能、「サムネイル」を表示する機能、「次の写真」を表示する機能、および、「レタッチツール」を表示する機能が割り当られている。
例えば、図8の(c)に示すとおり、スマートフォン1が相対エリアB内に置かれた場合には、スマートフォン1は、アルバム内で現在選択されてタブレットPC2に表示されている写真の1つ前の写真を表示する機能を担当する。あるいは、スマートフォン1が相対エリアDにある場合には、スマートフォン1は、現在選択されている写真の次の写真を表示する機能を担当する。あるいは、スマートフォン1が相対エリアCにある場合には、スマートフォン1は、アルバム内の複数の写真をサムネイル表示する機能を担当する。あるいは、スマートフォン1が相対エリアEにある場合には、スマートフォン1は、タブレットPC2に表示されている写真に対して編集を行うためのレタッチツールボタンを表示し、編集操作を受け付ける機能を担当する。これにより、スマートフォン1を、タブレットPC2に対する補助的な表示装置または写真編集操作の入力支援装置として使用することができる。
(動画共有アプリケーションの場合)
図9の(a)〜(c)は、メイン機能が動画共有アプリケーションである場合の、分担機能の割り当ての例を示す図である。動画共有アプリケーションは、動画共有サイトのサービスを利用して、インターネット介してアップロードされた動画を閲覧したり、該動画に付加されたコメントを閲覧したり、閲覧した動画に対してコメントを投稿したりする機能である。
図5および図9に示すとおり、相対エリアA、C、および、Eに対して、それぞれ、「動画情報およびコメント」を表示する機能、「再生、停止、スキップ、サーチ、音量」の操作を行うためのGUI(graphical user interface)部品を表示する機能、および、「動画リスト」を表示する機能が割り当てられている。
なお、スマートフォン1が相対エリアA、C、Eにある場合、タブレットPC2は、再生される動画を表示する領域を有した「動画再生画面」を表示する機能を担っている。
(スケジュールアプリケーションの場合)
図10の(a)〜(c)は、メイン機能がスケジュールアプリケーションである場合の、分担機能の割り当ての具体例を示す図である。
図5および図10に示すとおり、相対エリアA、C、および、Eに対して、それぞれ、「前の月のスケジュール」を表示する機能、選択された特定の日の「1日のスケジュール」を表示する機能、および、「次の月のスケジュール」を表示する機能が割り当てられている。
なお、スマートフォン1が相対エリアA、C、Eにある場合、タブレットPC2は、選択された特定の月の「1ヶ月のスケジュール」を表示する機能を担っている。
(マルチタスク時のアクティブアプリケーションの切替)
図11の(a)〜(c)は、タブレットPC2が、複数のメイン機能(仮に、アプリケーション1〜4と称する)を、同時に起動している場合の、分担機能の割り当ての具体例を示す図である。
図11の(a)〜(c)に示すとおり、タブレットPC2は、アプリケーション1〜4を同時に実行しているが、アプリケーション1をアクティブな状態にしている。なお、スマートフォン1が相対エリアD、E、Fにある場合、タブレットPC2は、アクティブな状態のアプリケーション(ここでは、アプリケーション1)の作業ウィンドウを表示する分担機能を担っている。
一方、図5および図11に示すとおり、相対エリアD、E、および、Fに対して、それぞれ、「アプリケーション4」のウィンドウを表示する機能、「アプリケーション3」のウィンドウを表示する機能、および、「アプリケーション2」のウィンドウを表示する機能が割り当てられている。
タブレットPC2が、複数のアプリケーション1〜4を実行している場合には、機能決定部21は、図5に示す機能テーブルを参照して、スマートフォン1とタブレットPC2との位置関係に応じて、非アクティブ状態のアプリケーション2〜4のうち、どのアプリケーションの作業ウィンドウをスマートフォン1が表示すべきかを決定する。
機能決定部21は、例えば、アプリケーション2を表示する機能を担当すると決定した場合には、アプリケーション2の作業ウィンドウを表示するための制御データをタブレットPC2から取得する。そして、表示制御部23が、上記制御データに基づいて、アプリケーション2の作業ウィンドウを表示部13に表示する。
以上のとおり、本発明のスマートフォン1は、(a)タブレットPC2が実行中のアプリケーション、および、(b)スマートフォン1とタブレットPC2との位置関係に応じて、各機器が担当する分担機能を切り替えることが可能である。
これにより、ユーザは、スマートフォン1またはタブレットPC2に対して分担機能を切り替えるための別途の操作を行わなくても、スマートフォン1の置き場所、または、タブレットPC2の置き場所を変えて、スマートフォン1とタブレットPC2との位置関係を変更するだけで、簡単に、各機器に担当させる分担機能を切り替えることができる。
本変形例では、図5に示すとおり、実行中のアプリケーションに応じて、相対エリアと分担機能との対応関係を設定することができる。よって、当該アプリケーションにおいて使い勝手がよいように、相対エリアに分担機能を割り当てておくことができる。
結果として、ユーザが、複数の機器を連携させて、アプリケーションを利用する際に、アプリケーションごとに、各機器の操作性および利便性を向上させることが可能になるという効果を奏する。
〔変形例3〕
上述の実施形態では、相対エリアは、タブレットPC2の周辺8方向に基づいて8つ定義されており、スマートフォン1は、図2に示す相対エリアA〜Hのように、8つの相対エリアを定義したエリア定義情報をエリア定義情報記憶部41に格納しておく構成であった。
しかし、これに限定されず、スマートフォン1の位置検知部15は、方向に加えて、スマートフォン1とタブレットPC2との距離を検知する構成であってもよい。この場合、エリア定義情報記憶部41には、同じ方向でも、距離に応じて異なる相対エリアを定義したエリア定義情報を記憶しておくことができる。
図12は、エリア定義情報記憶部41に記憶されているエリア定義情報の他の具体例を示す図である。
本変形例のエリア定義情報において、実施形態1のエリア定義情報(図2に示す相対エリアA〜H)と異なる点は、タブレットPC2の左側のエリアのうち、タブレットPC2に近いエリアが相対エリアAと定義され、遠いエリアが相対エリアIと定義されている点である。さらに、タブレットPC2の下側のエリアのうち、タブレットPC2に近いエリアが相対エリアCと定義され、遠いエリアが相対エリアJと定義されている点も異なる。さらに、タブレットPC2の右側のエリアのうち、タブレットPC2に近いエリアが相対エリアEと定義され、遠いエリアが相対エリアKと定義されている点も異なる。さらに、タブレットPC2の上側のエリアのうち、タブレットPC2に近いエリアが相対エリアGと定義され、遠いエリアが相対エリアLと定義されている点も異なる。
上記構成によれば、相対エリア決定部20は、位置検知部15が検知した、タブレットPC2の位置情報(方向および距離の情報を含む)を利用して、図12に示すエリア定義情報に基づいて、より詳細に、スマートフォン1が位置する相対エリアを識別することが可能である。
相対エリア決定部20が識別できる相対エリアの種類が増えるということは、各機器に割り当てられる分担機能の種類が増えるということを意味する。本変形例によれば、1つのメイン機能(アプリケーション)に対し、より多くの種類の分担機能を割り当てることができる。したがって、メイン機能がさらに複雑で機能が多様化している場合にも対応することが可能である。
なお、本変形例では、位置検知部15が距離を測る仕組みとして、実施形態1で説明したような超音波と電波との時間差を利用する技術、または、受光した赤外線の強度から距離を求める技術などを用いることができる。その他に、近赤外光やツインカメラ等による公知の測距センサを用いてもよい。位置検知部15は、スマートフォン1の移動方向および移動距離を検知することができる。相対エリア決定部20は、位置検知部15によって検知された移動方向および移動距離を利用して、移動前にスマートフォン1が存在した相対エリアに基づいて、移動後のスマートフォン1が存在している相対エリアを割り出すことが可能である。
〔変形例4−エリアファンクション起動方法〕
上述の実施形態では、図2に示すとおり、タブレットPC2に設けられた(または、表示部13に表示されたソフトウェアの)エリアファンクション起動ボタン5を介して、タブレットPC2が、エリアファンクションの開始指示を受け付ける構成であった。しかし、エリアファンクションの開始指示は、以下に示す、他の方法でスマートフォン1またはタブレットPC2に入力されてもよい。
図13は、機器連携システム100におけるエリアファンクション起動方法を説明する図である。図13に示す例では、タブレットPC2に設けられたエリアファンクション起動ボタン5の代わりに、エリアファンクション起動ボタン6がスマートフォン1に設けられる。例えば、エリアファンクション起動ボタン6は、ソフトウェアキーで実現される。図13に示す例では、ユーザは、エリアファンクションを開始させたい場合には、スマートフォン1のエリアファンクション起動ボタン6を押下し、スマートフォン1を、タブレットPC2と通信可能な範囲内に近づければよい。これにより、まず、スマートフォン1は、自機をエリアファンクションモードに移行させる。次に、スマートフォン1はタブレットPC2との通信を確立し、タブレットPC2に対してエリアファンクションモードに移行するように指示を送ることができる。
図14は、音声認識技術を採用したエリアファンクション起動方法を説明する図である。図14に示す例では、タブレットPC2は、図示しない音声認識部を備えている。図14の(a)に示すように、タブレットPC2に対し、ユーザは、エリアファンクションの開始指示に対応する所定のキーワード(例えば、「エリアファンクション」)を発声すればよい。タブレットPC2の音声認識部は、ユーザが発した音声を、「エリアファンクション」と認識する。これに応じて、タブレットPC2のエリアファンクション起動部24は、エリアファンクションを開始する。その後、ユーザは、図14の(b)に示すように、スマートフォン1を、エリアファンクションモードに遷移したタブレットPC2と通信可能な範囲内に近づければよい。これにより、タブレットPC2は、スマートフォン1との通信を確立し、スマートフォン1に対してエリアファンクションモードに移行するように指示を送ることができる。
図15は、音声認識技術を採用したエリアファンクション起動方法の他の例を説明する図である。図15に示す例では、図14の例と異なり、スマートフォン1が図示しない音声認識部を備えている。ユーザがスマートフォン1に対して「エリアファンクション」と発声すると、まず、スマートフォン1は、自機をエリアファンクションモードに遷移させる。この場合、スマートフォン1がエリアファンクション起動部24を備えている。あとは、図13に示した方法と同様に、スマートフォン1とタブレットPC2とが接近したら、スマートフォン1からタブレットPC2対してエリアファンクションモードに移行するように働きかける。
図16は、スマートフォン1とタブレットPC2との側面上の接触をトリガにしたエリアファンクション起動方法を説明する図である。
図16の(a)に示すように、ユーザは、タブレットPC2にスマートフォン1を接触させればよい。これにより、タブレットPC2のエリアファンクション起動部24は、タブレットPC2の側面に設けられた図示しない接触センサを介してスマートフォン1との接触を認識する。なお、スマートフォン1との通信の確立は、スマートフォン1が通信可能範囲内に接近した時点で、完了していればよい。接触を認識すると、エリアファンクション起動部24は、エリアファンクションを起動するか否かの選択画面を表示部52に表示する。ここで、「Yes」がユーザによってタッチされると、エリアファンクション起動部24は、このタッチ操作を受け付けて、エリアファンクションを開始する。
あるいは、図16の(b)に示すように、タブレットPC2が、接触および接触した相手(ここでは、スマートフォン1)を認識した場合、タブレットPC2は、スマートフォン1と連携して実行できる各種機能のメニューを表示部52に表示する。エリアファンクションに対応するアイコン7がユーザによってタッチされると、エリアファンクション起動部24は、このタッチ操作を受け付けて、エリアファンクションを開始する。
図17は、スマートフォン1とタブレットPC2との平面上の接触をトリガにしたエリアファンクション起動方法を説明する図である。
図17の(a)に示すように、ユーザは、スマートフォン1およびタブレットPC2の電源が入った状態で、タブレットPC2の表示面上にスマートフォン1を載せればよい。これにより、スマートフォン1は、スマートフォン1の裏面(タッチパネル設置面と反対の面)に設けられた図示しない接触センサを介してタブレットPC2との接触を認識する。図17に示す例では、スマートフォン1が接触を認識すると、スマートフォン1のエリアファンクション起動部24は、表示制御部23を介して、エリアファンクションを起動するか否かの選択画面を表示部13に表示する。ユーザによって「Yes」がタッチされると、エリアファンクション起動部24は、スマートフォン1をエリアファンクションモードに遷移させるとともに、タブレットPC2と通信して、タブレットPC2に対してエリアファンクションを開始するよう指示する。
図17の(b)に示すように、スマートフォン1の表示制御部23は、上記選択画面を表示する代わりに、エリアファンクションを含む、タブレットPC2との各種連携機能のアイコンを表示部13に表示してもよい。入力部12が、エリアファンクションに対応するアイコン8のタッチ操作を受け付けると、スマートフォン1のエリアファンクション起動部24が、上述のとおり、各機器をエリアファンクションモードに遷移させる。
このように、煩雑な起動手順を必要とせず、ユーザは、容易な操作でエリアファンクションを起動させることができる。
〔変形例5〕
上述の実施形態では、各機器の位置関係に応じて、各機器の分担機能を切り替えることが可能な機器連携システム100について説明した。しかし、ユーザは、各機器の位置関係に関わらず、機器に割り当てられている分担機能を固定したいと望むケースが想定される。
このようなケースに対応して、スマートフォン1およびタブレットPC2の少なくともいずれか一方に、分担機能の切り替えを無効にするための無効ボタンを設けることが好ましい。無効ボタンは、ハードウェアボタンとして各機器の筐体に設けられてもよいし、ソフトウェアボタンとして各機器のタッチパネルに表示される構成であってもよい。
例えば、タブレットPC2とスマートフォン1とが連携してメイン機能を実行している状態で、タブレットPC2が、無効ボタンを表示したとする。ユーザは、タブレットPC2が今担当している分担機能を切り替えたくない場合には、上記無効ボタンをタッチすればよい。
タブレットPC2は、無効ボタンのタッチ操作を受け付けた場合には、スマートフォン1から送信される分担機能を切り替える指示をロックして、今担当している上記分担機能を維持する。無効ボタンは、スマートフォン1に設けられてもよく、この場合、スマートフォン1の分担機能が固定される。
あるいは、スマートフォン1とタブレットPC2との位置関係が変化することに応じて、ユーザの望みに反して分担機能が切り替えられることが考えられる。このような場合には、ユーザは、タブレットPC2またはスマートフォン1に表示される無効ボタンをタッチすればよい。無効ボタンがタッチされると、スマートフォン1は、スマートフォン1の相対エリアが変化して分担機能が切り替えられた後でも、その変化前に位置していた相対エリアに対応する分担機能を実行するようにスマートフォン1の状態を戻す。
上記のように、無効ボタンを設けることにより、ユーザは、各機器に対して、意図どおりに分担機能を割り当てることが可能になり、アプリケーション操作の利便性が向上する。
〔変形例6〕
本発明の機器連携システム100は、機器連携機能を実現するシステムとして、少なくとも、別筐体の複数の機器にて実現されていればよい。
複数の機器とは、これには限定されないが、例えば、メイン機能を主動的に実行するメイン機能実行機器と、上記メイン機能実行機器と連携して、上記メイン機能を補助する機能を実行する補助機器とである。
機器連携システム100を構築する各機器としては、あらゆるサイズおよび種類の通信機器を採用することができる。上述の実施形態では、メイン機能実行機器としてタブレットPC2、また、補助機器としてスマートフォン1を採用した場合について説明した。しかし、これに限定されず、メイン機能実行機器および補助機器をともにスマートフォンで実現してもよいし、ともにタブレットPCで実現してもよい。あるいは、反対に、メイン機能実行機器としてスマートフォン1を採用し、補助機器としてタブレットPC2を採用してもよい。
加えて、機器連携システム100の各機器はタッチパネルを有した携帯型通信端末機器であることが好ましいが、タッチパネルを持たない機器によって機器連携システム100を構築することも可能である。また、通信機能を有しているならば、デスクトップPC、または、デジタルテレビなどのように、機器が据え置き型の機器で実現されても構わない。
また、本発明のエリアファンクションを実現するための機器連携システム100、すなわち、「位置依存機能制御装置」は、特定の機能を実現する機能モジュールが論理的に集合した物のことを言い、これらの機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。すなわち、本発明の位置依存機能制御装置として機能する、エリアファンクションに係る機能ブロック、特に、相対エリア決定部20、機能決定部21、機能実行部22、および、エリアファンクション起動部24の各々は、上記機器連携機能を実行する複数の機器(すなわち、メイン機能実行機器および補助機器)のうちの、どちらの機器に設けられていてもよい。
上述の実施形態では、相対エリア決定部20、機能決定部21および機能実行部22が、補助機器であるスマートフォン1に設けられており、エリアファンクション起動部24が、メイン機能実行機器であるタブレットPC2に設けられている構成であった。これに限らず、相対エリア決定部20、機能決定部21、機能実行部22およびエリアファンクション起動部24は、それぞれが、スマートフォン1およびタブレットPC2のいずれに設けられても構わない。また、相対エリア決定部20、機能決定部21、機能実行部22およびエリアファンクション起動部24のすべてが、スマートフォン1またはタブレットPC2に設けられてもよい。
あるいは、相対エリア決定部20、機能決定部21、機能実行部22、および、エリアファンクション起動部24は、上記機器連携機能を実行する複数の機器とは別の、第3の装置に設けられ、当該第3の装置が、位置依存機能制御装置として機能してもよい。
さらに、上述の実施形態では、機器連携システム100は、メイン機能実行機器1台と、補助機器1台とによって構築されているものとして説明した。しかし、本発明の機器連携システム100は、2台よりも多くの機器によって、上記機器連携機能を実現してもよい。例えば、メイン機能実行機器(タブレットPC2)1台に対して、複数台の補助機器(スマートフォン1)が機器連携システム100に含まれていてもよい。
〔まとめ〕
本発明に係る位置依存機能制御装置は、上記課題を解決するために、複数の機器に割り当てられた機能を制御する位置依存機能制御装置であって、上記複数の機器の中の第1機器が第2機器の位置を基準としてどこに位置するのかを示す相対エリアごとに、少なくとも上記第1機器に担当させる機能を対応付けて記憶する割当情報記憶部と、上記第2機器と上記第1機器との位置関係に基づいて、上記第1機器が位置している相対エリアを決定する相対エリア決定手段と、上記相対エリア決定手段によって決定された相対エリアに対応する機能を、上記割当情報記憶部から決定する機能決定手段と、上記機能決定手段によって決定された機能を実行するように、少なくとも上記第1機器を制御する機能実行手段とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、割当情報記憶部には、相対エリアごとに、第1機器に担当させる機能が対応付けて記憶されている。相対エリアとは、第1機器が第2機器の位置を基準としてどこに位置するのかを示す情報である。
まず、相対エリア決定手段が、上記第2機器と上記第1機器との位置関係に基づいて、上記第1機器が位置している相対エリアを決定する。なお、位置関係は、例えば、第1機器が把握する第2機器の位置情報、または、第2機器が把握する第1機器の位置情報、などに基づいて把握される。
次に、機能決定手段が、上記割当情報記憶部を参照し、上記相対エリア決定手段によって決定された相対エリアに対応付けられている機能を決定する。決定された機能は、少なくとも上記第1機器に実行させる機能である。
次に、機能実行手段が、上記機能決定手段によって決定された機能を実行するように、少なくとも上記第1機器を制御する。
これにより、上記第1機器と上記第2機器との位置関係に応じて、少なくとも第1機器に担当させる機能を、動的に決定することが可能となる。したがって、ユーザは、第1機器または第2機器の位置を動かすだけで、簡単に、少なくとも第1機器の機能を意図どおりに切り替えることができる。結果として、操作性が良く、利便性が高い機器連携システムを実現できるという効果を奏する。
上記第1機器および上記第2機器は、連携して、それぞれに割り当てられた分担機能を実行することにより、1つのメイン機能を実行するものであり、上記割当情報記憶部は、上記相対エリア、かつ、上記メイン機能の種類ごとに、上記分担機能を対応付けて記憶しており、上記機能決定手段は、決定された上記相対エリア、かつ、上記第1機器と上記第2機器とが実行しているメイン機能に対応付けられている分担機能を、上記第1機器に担当させる分担機能として決定してもよい。
これにより、上記第1機器および上記第2機器が実行中のメイン機能の種類に応じて、相対エリアと分担機能との対応関係を設定することができる。よって、メイン機能の各々において使い勝手がよいように、相対エリアに分担機能を割り当てておくことができる。
結果として、ユーザが、複数の機器を連携させて、メイン機能を利用する際に、メイン機能の性質に特化した分担機能を割り当てによって、各機器の操作性および利便性を向上させることが可能になるという効果を奏する。
上記割当情報記憶部は、上記相対エリアごとに、上記第1機器に担当させる分担機能と、上記第2機器に担当させる分担機能とを対応付けて記憶しており、上記機能決定手段は、決定された上記相対エリアに基づいて、上記第1機器に担当させる第1の分担機能と、上記第2機器に担当させる第2の分担機能とをそれぞれ決定し、上記機能実行手段は、上記第1の分担機能を実行するように上記第1機器を制御するとともに、上記第2の分担機能を実行するように上記第2機器を制御してもよい。
上記構成によれば、各機器の位置関係に応じて、第1機器の分担機能のみでなく、第2機器の分担機能も併せて切り替えることが可能となる。
上記相対エリアは、上記第2機器の位置を中心とする周囲の各方向に基づいて予め定義されており、上記相対エリア決定手段は、上記第1機器が上記第2機器のどの方向に位置するのかを示す位置情報に基づいて、上記第1機器の相対エリアを決定してもよい。
上記構成によれば、第2機器から見て上記第1機器がどの方向にあるのかに応じて、機器に担当させる機能が決定される。
ユーザは、第1機器を動かす場合は、第2機器の周囲の所望の方向に第1機器を設置し、第1機器(第2機器でもよい)の機能を意図どおりに切り替えることができる。
上記相対エリアは、上記方向に加えて、上記第2機器からの距離に基づいて予め定義されており、上記相対エリア決定手段は、上記第1機器が上記第2機器のどの方向に、かつ、どのくらいの距離に位置するのかを示す位置情報に基づいて、上記第1機器の相対エリアを決定してもよい。
上記構成によれば、上記方向、および、上記第1機器の上記第2機器からの距離に応じて、機器に担当させる機能が決定される。
ユーザは、第1機器を動かす場合は、第2機器の周囲の所望の方向に第1機器を移動させて、さらに、第2機器から離したり近づけたりするだけで、第1機器(第2機器でもよい)の機能を意図どおりに切り替えることができる。
位置依存機能制御装置は、第1機器であってもよいし、第2機器であってもよい。あるいは、第1機器と第2機器とが連携して位置依存機能制御装置として機能してもよい。
本発明の位置依存機能制御方法は、上記課題を解決するために、複数の機器に割り当てられた機能を制御する位置依存機能制御方法であって、上記複数の機器によって構築される機器連携システムは、上記複数の機器の中の第1機器が第2機器の位置を基準としてどこに位置するのかを示す相対エリアごとに、少なくとも上記第1機器に担当させる機能を対応付けて記憶する割当情報記憶部を含み、上記第2機器と上記第1機器との位置関係に基づいて、上記第1機器が位置している相対エリアを決定する相対エリア決定ステップと、上記相対エリア決定ステップにて決定された相対エリアに対応する機能を、上記割当情報記憶部から決定する機能決定ステップと、上記機能決定ステップにて決定された機能を実行するように、少なくとも上記第1機器を制御する機能実行ステップとを含むことを特徴としている。
なお、上記位置依存機能制御方法は、上記位置依存機能制御装置によって実行される。
なお、上記位置依存機能制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記位置依存機能制御装置をコンピュータにて実現させる位置依存機能制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、本発明の位置依存機能制御装置としてのスマートフォン1およびタブレットPC2の各ブロック、特に、相対エリア決定部20、機能決定部21、機能実行部22、表示制御部23およびエリアファンクション起動部24、ならびに、アプリケーション実行部60および連携制御部61は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、スマートフォン1およびはタブレットPC2は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるスマートフォン1およびタブレットPC2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記スマートフォン1およびタブレットPC2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、スマートフォン1およびタブレットPC2を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。