JP5956854B2 - 地絡方向継電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統における零相電圧および零相電流など、2つ以上の零相電気量の位相関係から地絡事故点の方向の判別を行い、保護範囲内の事故の場合に遮断器のトリップ信号を出力する地絡方向継電装置に関するもので、より具体的には、所定周期のサンプリングにより得られる電力系統の瞬時値データを使用して零相電気量について位相差演算を行う演算技術の改良に関する。
地絡方向継電装置は、電力系統における零相電圧および零相電流など、2つ以上の零相電気量の位相関係を比較して地絡事故点の方向を判別し、保護範囲内の事故の場合に遮断器のトリップ信号を出力する構成になっている。この地絡方向継電装置については、例えば、特許文献1等に開示されるように、一定周期でサンプリングして得られた電圧および電流のアナログ入力データを使用して地絡判定を行うものがある。
地絡事故点の方向の判定は、2つ以上の零相電気量として零相電圧,零相電流を利用するものでは、図1に示すように、零相電圧−Vを位相基準とし、零相電流Iが零相電圧−Vに対して遅れとなった場合は前方での地絡事故と判定し、零相電流Iが零相電圧−Vに対して進みとなった場合は後方での地絡事故と判定する。図中に示すφは判定しきい値との境界に対する垂線のなす角になっていて、地絡方向継電装置の最大感度角である。
最大感度角が0度の場合、地絡事故は零相電圧と零相電流との位相関係は両者の内積を演算することにより調べることができる(図2参照)。そこで、地絡事故点の方向判定は、零相電圧Vと零相電流Iの内積を演算し、その演算結果を所定値Kと比較することで行い、その判定式(1)は、


|V|・|I|・cosθ ≧ K …(1)

となり、θは零相電圧Vと零相電流Iとの位相差になっている。
判定式(1)の左辺は、各相の電圧瞬時値,電流瞬時値により零相電圧V,零相電流Iを演算することで求めることができ、所定周期のサンプリングによる瞬時値データを使用して演算を行う演算方法を適用している。
しかしながら、そうした従来の演算方法では以下に示すような問題がある。電力系統において周波数に変動が生じると、サンプリング周波数と電力系統の電気量との間に成立していた周期性の関係が成り立たなくなり、判定式(1)の左辺は周波数変動に起因した演算誤差を含むものとなる。また、周期波形に対するサンプリングでは、サンプリングする時点つまり時間軸で見た波形位置(サンプリング位置)の影響があり、これに起因した演算誤差がある。このため、地絡方向継電装置が演算誤差に起因した誤動作を起こす問題がある。
この周波数の変動における影響は、以下の通りとなる。地絡方向継電装置において取り込む2つの電気量が電圧v,電流iであるとき、それらは正弦関数なので、


vn(t)=Vn・sin(ωt+θ) …(2)
in(t)=In・sin(ωt) …(3)

となり、それぞれ時刻tでの瞬時値を示している。ここで、Vnは電圧の振幅値、Inは電流の振幅値、ωは電圧および電流の角周波数、θは電流に対する電圧の進み位相である。角周波数ωは電力系統の周波数fに関してω=2πfという関係になる。各電気量において添え字nは、a相,b相,c相それぞれを意味する。
電圧vn(t),電流in(t)は各相において所定周期のサンプリングにより得ており、これには電力系統において定格周波数の12倍のサンプリング周波数により電圧,電流の瞬時値をサンプリングして記憶する。電力系統の定格周波数が50Hzの場合、その12倍をサンプリング周波数とすると600Hzとなり、サンプリングの周期Tは1/600secとなる。
零相電気量は、サンプリング周期Tでの各相の電圧瞬時値,電流瞬時値をそれぞれで全相を合成することで演算し、零相電圧V0b,零相電流I0bは、

0b=V・sin(ωkT+θ) …(4)
0b=I・sin(ωkT) …(5)

と表すことができる。
ここで、Vは零相電圧の振幅値、Iは零相電流の振幅値、θは零相電圧と零相電流の位相差であり、各電気量において添え字kは瞬時値データの時点を意味し、瞬時値データの時点kは1,2,3,…という値をとることになる。
電力系統の周波数fの変動(周波数変動率α)は基本周波数fに関して、


α=(f−f)/f …(6)

と定義し、例えば基本周波数fが50Hzであるとき、電力系統の周波数fが60Hzに変動したのであれば周波数変動率αは0.2となる。
そこで、地絡方向継電器において、零相電気量に周波数変動率αを考慮するのと、上記式(4),(5)は、


0b=V・sin{ω(1+α)kT+θ} …(7)
0b=I・sin{ω(1+α)kT} …(8)

となる。
サンプリングは、サンプリング位置をmとして、ある時点kを基準時点(m−0)とおくことができ、基準時点k=m−0および基準時点から90°前のk=m−3における零相電圧,零相電流は、

0(m−0)=Vsin{ω(1+α)(m−0)T+θ} …(9)
0(m−0)=Isin{ω(1+α)(m−0)T} …(10)

0(m−3)=Vsin{ω(1+α)(m−3)T+θ} …(11)
0(m−3)=Isin{ω(1+α)(m−3)T} …(12)

となる。これらの式(9)〜(12)は判定式(1)の左辺つまり位相差演算に対して代入するので、

|V0b|・|I0b|・cosθ=
0(m−0)・I0(m−0)+V0(m−3)・I0(m−3)
…(13)

となり、この式(13)は数1に示す式(14)となる。
Figure 0005956854

…(14)
式(14)には周波数変動率αの項とサンプリング位置mの項が存在するため、周波数変動がない場合(α=0)は位相差演算を正確に行えるが、周波数変動がある場合には誤差が生じることになる。
つまり、この式(14)を適用することでは、図3に示す誤差率の特性となる。同図において、横軸は周波数変動率α、縦軸が位相差演算での誤差率であり、演算の条件はθ=0つまり電圧,電流の位相差は0°であると仮定している。図中に示す実線はサンプリング位置mをm−0とした特性であり、点線はサンプリング位置mを変えた場合の特性である。同図から明らかなように、周波数変動があるときに誤差が生じ、時間軸でのサンプリング位置mの違いでも誤差が生じることがわかる。
この周波数による影響を抑制するため、ある時点を基準時点とし、基準時点の電圧瞬時値と電流瞬時値、基準時点から電力系統の定格周波数の電気角90°前の時点における電圧瞬時値と電流瞬時値、基準時点から電力系統の定格周波数の電気角180°前の時点における電圧瞬時値と電流瞬時値とから、2つ以上の電気量について零相電気量を求める技術が提案されている。これにより、電力系統において周波数変動がある際でも、電力系統における2つ以上の零相電気量の位相関係を十分な精度で算出することができる。この種の技術は、例えば特許文献1,2等に開示されている。
一方、地絡方向継電装置は、接地方式、充電電流およびリアクトル電流を考慮して最適な最大感度角が選択される。例えば、直接接地系の最大感度角は−Vに対して遅れ60°、高抵抗接地系では、充電電流やリアクトル電流を考慮して最適な最大感度角が選ばれる。充電電流が多い系統の場合、−Vに対して進みの特性が用いられる。
最大感度角φがあらかじめ選択されている地絡方向継電装置の場合における地絡事故点の方向判定は、図4に示すように零相電圧Vを最大感度角φだけ移相したV’と零相電流Iの内積を演算し、その演算結果を所定値Kと比較することで行い、その判定式(15)は、


|V’|・|I|・cos(θ−φ) ≧ K …(15)

となる。ここでφはあらかじめ選択された最大感度角であり、固定値である。そして最大感度角φが設定で決められている場合にも同様に周波数変動率α(例えば30°)を考慮した場合には、図5に示す誤差率の特性となる。
特開昭57−106336号公報
従来の装置では、零相電圧Vを最大感度角φだけ移相したV’の実効値を求める必要があり、例えばサンプリング周期を最大感度角φにあわせて適切に設定したり、|V’|を精度良く求めたりするのが煩雑であり、最大感度角φが固定値に対応するものであった。よって、任意に設定される最大感度角φに対して、精度良く地絡方向判定を行いたいという課題がある。
さらに、特許文献1に開示された従来の装置では、周波数変動に強い装置を開発することを目的としているものの、演算式に周波数変動の指数αが残るため周波数変動の影響が完全に回避することはできないという課題もある。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、電力系統において周波数変動がある際でも、電力系統における2つ以上の零相電気量の位相関係を十分な精度で算出することができ、時間軸でのサンプリング位置にかかわりなく正しく判定が行え、しかも、係る判定が任意に設定される最大感度角に対して行うことのできる地絡方向継電装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の地絡方向継電装置は、(1)電力系統の電圧,電流の瞬時値を記憶するメモリ部と、前記メモリ部から電圧の瞬時値データと電流の瞬時値データを抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した瞬時値データに基づき、電圧と電流の内積値であるVI・cosθを求める内積値演算部と、前記抽出部が抽出した瞬時値データに基づき、前記電圧と前記電流の外積値であるVI・sinθを求める外積値演算部と、前記内積値演算部で求めた内積値と、前記外積値演算部で求めた外積値から位相差θを求める位相差演算部と、位相差演算部で求めた位相差θと、設定された地絡方向継電装置の最大感度角φを用いて地絡事故点判定を行う判定部と、を備えた。最大感度角φは、0度の場合もある。
本発明は、sin成分とcos成分から位相差θを直接算出するようにしたため、系統周波数の変動の影響を受けず、仮に系統周波数が基本波から変動している場合でも2つの電気量の位相差を正しく演算することができる。また、位相差θを直接求めることで、最大感度角φが整定されている地絡方向継電装置において、系統周波数が変動しても正しい系統事故判定ができる。さらに、サンプリング周期は任意の所定周期に設定でき、サンプリング周波数に応じた演算式に変更する必要がなく、汎用性が高くなる。
(2)前記内積値演算部は、下記式を演算するものであり、
Figure 0005956854
前記外積値演算部は、下記式を演算するものであり、
Figure 0005956854
上記の各式において、
基準時点(m−a)で、mがサンプリング位置、aは0以上の整数、xはサンプリングステップで正の整数とするとよい。
a=0とすると、基準時点は、現時点、すなわち、判定処理をするその時点となる。時系列で順次サンプリングしてmの具体的な値はインクリメントされていく。本発明における判定処理はサンプリング位置にとらわれないので、何時の時点で判定しても良い。aが正の整数となると過去のある時点を基準とし、その時に地絡事故があったかの判定を行うことになる。aが小さいほど、メモリ部に記憶保持するデータ数を少なくすることができる。xが大きいほどメモリ部に記憶保持するデータ数は多くなるが、ノイズやサージなど瞬間的な電気量変化によって生じる演算誤差の影響を小さく抑えるメリットを有する。
また、xは1とすると、使用するデータは、基準時点の(m−a)の瞬時値データと、1個前の(m−1−a)の瞬時値データと、2個前の(m−2−a)の瞬時値データと、4個前の(m−4−a)の瞬時値データととなり、基準時点からさかのぼる過去のデータは最大で4個前までとなる。xが2とすると基準時点からさかのぼる過去のデータは最大で8個前まで必要となる。つまり、xが小さいほど、メモリ部に記憶保持するデータ数を少なくすることができる。
(3)前記判定部は、
Figure 0005956854

を演算するものとするとよい。
(4)前記地絡方向継電装置の最大感度角φを入力する入力手段を備えるとよい。入力手段により、ユーザが簡単に最大感度角φを設定し、それに基づいて地絡判定を行うことができる。
本発明では、外積値演算部と内積値演算部を備え、それらの演算結果に基づいて位相差θを直接求めるようにしたため、電力系統において周波数変動がある際でも、電力系統における2つ以上の零相電気量の位相関係を十分な精度で算出することができ、時間軸でのサンプリング位置にかかわりなく正しく判定が行え、しかも、係る判定が任意に設定される最大感度角に対して行うことができる。
地絡方向の判定に係る位相特性の一例を示すグラフである。 最大感度角が0度の場合の地絡方向の判定アルゴリズムを説明する図である。 従来の位相差演算式(14)における誤差率を示すグラフである。 最大感度角がφ(0度以外)の場合の地絡方向の判定アルゴリズムを説明する図である。 最大感度角が30度における誤差率を示すグラフである。 本発明に係る方向継電装置の好適な一実施形態を示す構成図である。 周波数が変動した場合の位相差演算の誤差率を示すグラフである。
図6は本発明の好適な一実施形態を示している。本実施形態において、地絡方向継電装置は、メモリ部1,抽出部2,内積値演算部3,外積値演算部4,位相差演算部5,判定部6を備える。さらに判定部6に対し、最大感度角φを設定する入力部7を備える。この入力部7は、例えば各種の入力マンマシンインタフェースを利用でき、例えば、最大感度角θの値を直接指定するテンキー・ダイヤル等や、予め用意された複数の候補の中から一つを選択するスイッチ等を用いると良い。最大感度角φは、例えば60〜90°の範囲でユーザが指定し、判定部6に整定値として記録される。角度範囲は、上記のものに限ることは無く、種々の範囲としてもよい。
本実施形態では、電力系統の電圧v,電流iのそれぞれの瞬時値データを所定の周期でサンプリングし各相それぞれメモリ部1へ取り込み、抽出部2にてそのメモリ部1に記憶した現在並びに所定の過去の瞬時値データを抽出し、抽出した瞬時値データを用いて各演算部3,4,5に演算処理をして2つの電気量(例えば、電圧・電流)の位相差θを求める。そして、求めた位相差θを判定部6に与え、判定部6において整定値φを使用し、地絡事故点の判定を行う構成になっている。具体的には以下の通りである。
例えば電力系統の定格周波数が50Hzの場合、12倍のサンプリング周波数は600Hz、周期T=1/600となる。サンプリング間隔は、例えば定格周波数が50Hzでは電気角30°となる。ここでは、電気角30°でサンプリングしたが、さらに短い周期で細かくサンプリングするとよい。そしてメモリ部1は、各相それぞれ電圧vnk ,電流inkの瞬時値をサンプリング周期Tによりサンプルして記憶する。このサンプリングは、添え字nで示すa相,b相,c相それぞれにおいて、添え字kで示す瞬時値データの時点は1,2,3,…という値をとる。
抽出部2は、メモリ部1に記憶されている瞬時値データから特定データを抽出する。特定データは、ある時点を基準時点とし、当該基準時点の電圧瞬時値vm0 と電流瞬時値im0 、前記基準時点から電力系統の定格周波数の電気角90°前の時点における電圧瞬時値vm3と電流瞬時値im3、前記基準時点から電力系統の定格周波数の電気角180°前の時点における電圧瞬時値vm6と電流瞬時値im6とを抽出する。各電気量において添え字nは、a相,b相,c相それぞれを意味する。抽出部2は、上記の抽出した各相の瞬時値データを、内積値演算部3と外積値演算部4にそれぞれ与える。
内積値演算部3は、電圧と電流の内積値演算をするもので、
VI・cosθ
を求め、求めた内積値を次段の位相差演算部5に渡す。具体的には、内積値演算部3は、取得した6つの各特定データを下記式(16)に代入し、内積値演算処理を実行する。
Figure 0005956854

・・・(16)
上記の式(16)により内積値演算が求められるのは、以下の通りである。まず、式(16)の演算式を展開する。分子を構成する各項は、以下のようになる。
Figure 0005956854
よって、分子は、
Figure 0005956854

となる。
同様に分母を構成する各項は、以下のようになる。
Figure 0005956854
よって、分母は、
Figure 0005956854

となる。本実施形態では、式(16)の分母を算出するのに電気量として電圧のサンプリングデータを適用したが、電流を利用してもよい。
従って、上記のそれぞれ求めた分母・分子から、式(16)は、
Figure 0005956854

となり、cos成分を算出することができる。
外積値演算部4は、電圧と電流の外積値演算をするもので、
VI・sinθ
を求め、求めた外積値を次段の位相差演算部5に渡す。具体的には、外積値演算部4は、取得した6つの各特定データを下記式(17)に代入し、外積値演算処理を実行する。
Figure 0005956854

・・・(17)
上記の式(17)により外積値演算が求められるのは、以下の通りである。まず、式(17)の演算式を展開する。分子を構成する各項は、以下のようになる。
Figure 0005956854
よって、分子は、
Figure 0005956854

となる。
同様に分母を構成する各項は、以下のようになる。
Figure 0005956854
本実施形態では、式(17)の分母を算出するのに電気量として電圧のサンプリングデータを適用したが、電流を利用してもよい。従って、上記のそれぞれ求めた分母・分子から、式(17)は、
Figure 0005956854

となり、sin成分を算出することができる。
位相差演算部5は、内積値演算部3並びに外積値演算部4から取得した内積値と外積値を用い、下記式(18)に代入して位相差θを求める。
Figure 0005956854

・・・(18)
上記の式(18)は、式(16)および式(17)より下記式(19)に示すように変換できる。
Figure 0005956854

・・・(19)
式(19)には周波数変動率αおよびサンプリング位置mの項を含んでいない。従って、電圧および電流の位相差を正確に算出することができる。
判定部5は、地絡方向検出演算を行う。具体的には、下記式(20)の左辺を演算して求め、設定値K以上か否かにより地絡事故点の方向判定をする。


|V|・|I|・cos(θ−φ)≧K ・・・ (20)
式(20)中、θは、位相差演算部5で求めた値を取得し代入する。最大感度角φは、入力部7から与えられた値を用い式(20)に代入する。さらに各実効値|V|および|I|については、例えば特開2008−292227号公報に開示された技術を採用することにより、系統周波数の変動によらず正しい実効値を算出することが可能となる。すなわち、例えば電力系統の条件は、定格周波数fbが50Hz、サンプリング周波数fsは12倍では600Hz、サンプリング間隔は電気角30°とし、基準時点(m−0),電気角60°前の時点(m−2),電気角120°前の時点(m−4),電気角240°前の時点(m−8)を使用し、8サンプリング前までの各瞬時値データim−0,im−2,im−4,im−8を用い、下記式(21)から電気量の振幅値、実効値をもとめることができる。
Figure 0005956854

・・・(21)
式(20)の左辺の代入する各値は、いずれも系統周波数の変動の影響を受けない値となるため、算出結果も系統周波数の変動の影響を受けない。よって、精度の良い判定処理が行える。
図7は、周波数が変動した場合の位相差演算の誤差率の特性を示している。図において横軸は周波数変動率α、縦軸は地絡方向判定演算結果の誤差率である。演算条件として、最大感度角φ=30°とした。図中に示す実線はあるサンプリング位置m−0とし、点線はサンプリング位置m−3とした場合の特性である。同図から明らかなように両者は一致していて図中には実線のみとなっている。
本実施形態では、電圧および電流の位相差θを正確に算出することができるため、最大感度角φが任意にあたえられる場合でも周波数変動の影響を受けずに地絡事故判定を行うことができる。また、時間軸でのサンプリング位置mにかかわりなく地絡事故点の方向判定を正しく行える。そして、系統誤差に起因した誤動作を回避することができる。
(変形例)
上述した実施形態では、使用するサンプリングデータは、ある任意の時点を基準時点とm−0とし、3回前と6回前のデータ(m−3,m−6)を用いたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば下記の一般式(xは正の整数)を用いて外積値演算や内積値演算を行い、位相差を算出する。
Figure 0005956854

・・・(16)′
Figure 0005956854

・・・(17)′
上述した実施形態・変形例で示したように、ある時点を基準時点(m−0)として演算・判定処理が行えるため、リアルタイムで何時の時点でも判定処理が行える。さらに、本発明では、基準時点は現時点に限ることは無くサンプリングして記憶した過去の瞬時値データを基準に判定処理をすることもできる。たとえは、現時点のa回前のサンプルデータを基準時点(m−a)として、下記の一般式(16)″,(17)″に基づいて外積値演算や内積値演算を行い、位相差を算出するとよい。ここで、ここで、a≧0、xは0以外の整数である。
Figure 0005956854

・・・(16)″
Figure 0005956854

・・・(17)″

1 メモリ部
2 抽出部
3 内積値演算部
4 外積値演算部
5 位相差演算部
6 判定部
7 入力部

Claims (4)

  1. 電力系統の電圧,電流の瞬時値を記憶するメモリ部と、
    前記メモリ部から電圧の瞬時値データと電流の瞬時値データを抽出する抽出部と、
    前記抽出部が抽出した瞬時値データに基づき、電圧と電流の内積値であるVI・cosθを求める内積値演算部と、
    前記抽出部が抽出した瞬時値データに基づき、前記電圧と前記電流の外積値であるVI・sinθを求める外積値演算部と、
    前記内積値演算部で求めた内積値と、前記外積値演算部で求めた外積値から位相差θを求める位相差演算部と、
    位相差演算部で求めた位相差θと、設定された地絡方向継電装置の最大感度角φを用いて地絡事故点判定を行う判定部と、
    を備えたことを特徴とする地絡方向継電装置。
  2. 前記内積値演算部は、下記式を演算するものであり、
    Figure 0005956854
    前記外積値演算部は、下記式を演算するものであり、
    Figure 0005956854
    上記の各式において、
    基準時点(m−a)で、mがサンプリング位置m、aは0以上の整数
    xはサンプリングステップで正の整数であることを特徴とする請求項1に記載の地絡方向継電装置。
  3. 前記判定部は、下記式を演算するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の地絡方向継電装置。
    Figure 0005956854
  4. 前記地絡方向継電装置の最大感度角φを入力する入力手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の地絡方向継電装置。
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