JP5954662B2 - 電力供給装置及び電力供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力供給装置及び電力供給方法に関し、特に誘導加熱方式の焼入れ電源として用いる電力供給装置及び電力供給方法に関する。
従来、被加熱物の焼入れを行う誘導加熱装置及びその電力供給装置は、単一周波数である高周波の交流電力を誘導加熱コイルに供給している(例えば、非特許文献1参照)。また、一般に、高い周波数の交流電力は透過深度が浅く、低い周波数の交流電力は透過深度が深いことから、加熱対象、被加熱物の形状又はそのサイズによっては、単一周波数ではなく、二周波等の多周波の交流電力を用いて、それらを重畳したり時分割したりして加熱することが望ましい場合もある。例えば、特許文献1に記載の電力供給装置は、低周波および高周波の二周波の交流電力を切替制御し、異なる周波数の交流電力を誘導加熱コイルに供給している。この電力供給装置の構成を図9に示す。
図9に示すように、誘導加熱装置901は、誘導加熱コイル902と、電力供給装置903と、を備えている。電力供給装置903は、発振回路部910と、整合回路部920と、制御回路部930と、を備えている。発振回路部910は、例えば電圧形で、商用交流電源eを直流電力に変換するコンバータ911と、直流電力を平滑する平滑コンデンサCfと、高周波および低周波の交流電力に変換するインバータ912と、を備えている。
整合回路部920は、低周波および高周波に対応した異なる2つの直列共振周波数を有し、発振回路部910から出力される高周波あるいは低周波の電力により、誘導加熱コイル902とにより直列共振し、ワーク(被加熱物)Wを誘導加熱する。この整合回路部920は、低周波整合変圧器921と、高周波整合変圧器922と、電流変成器923と、第1のコンデンサC1と、第2のコンデンサC2と、リアクトルLとを備えている。
低周波整合変圧器921は、低周波の共振周波負荷のインピーダンスと、発振回路部910から出力される直流電力の出力インピーダンスとを整合(一致)させるものである。
低周波整合変圧器921の1次巻線921Aには、発振回路部910が接続されている。低周波整合変圧器921の2次巻線921Bには、リアクトルLおよび第1のコンデンサC1が接続され、さらに電流変成器923の1次巻線923Aが直列に接続されている。電流変成器923の2次巻線923Bには、誘導加熱コイル902が接続されている。2次巻線923Bの巻数比をNとし、誘導加熱コイル902の等価インダクタンスをL0とすると、電流変成器923の1次側に、N2L0の負荷コイル等価インダクタンスが生じる。なお、リアクトルLは負荷コイル等価インダクタンスN2L0より例えば4〜5倍大きい。低周波直列共振回路925は、リアクトルL、第1のコンデンサC1および負荷コイル等価インダクタンスN2L0により構成され、低周波で直列共振する。この低周波直列共振回路925の共振インピーダンスと一致するように、低周波整合変圧器921の2次巻線921Bの出力等価インピーダンスが設定されている。
高周波整合変圧器922は、高周波の共振周波負荷のインピーダンスと、発振回路部910から出力される直流電力出力インピーダンスとを整合(一致)させるものである。この高周波整合変圧器922の1次巻線922Aと、低周波整合変圧器921の1次巻線921Aとは、並列に発振回路部910に接続されている。また、高周波整合変圧器922の2次巻線922Bには、第2のコンデンサC2および電流変成器923の1次巻線923Aが直列に接続されている。高周波直列共振回路926は、第2のコンデンサC2および負荷コイル等価インダクタンスN2L0により構成され、高周波で直列共振する。この高周波直列共振回路926の共振インピーダンスと一致するように、高周波整合変圧器922の2次巻線922Bの出力等価インピーダンスが設定されている。
制御回路部930は、順変換制御回路931と、周波電力比率制御回路932と、低周波同期回路933と、高周波同期回路934と、を備えている。順変換制御回路931は、コンバータ911の出力側の電圧値を検出するとともに、電流検出手段931Aにて電流値を検出し、図示しない入力手段からの加熱電力に関する設定入力信号に基づいて、出力される直流電力の出力値を制御する。周波電力比率制御回路932は、インバータ912から出力する低周波または高周波の交流電力を、図示しない入力手段からの電力比率に関する設定信号に基づいて所定の電力比率(デューティ比)で切り替えさせる制御をする。また、周波電力比率制御回路932は、低周波および高周波を切り替えるタイミングに関する信号を順変換制御回路931に出力する。
低周波同期回路933は、整合回路部920の低周波電流を低周波電流検出手段933Aにて検出し、発振回路部910から出力する低周波の出力周波数が、低い共振周波数(例えば10kHz)となるように、インバータ912の発振周波数を制御させるための信号を周波電力比率制御回路932に出力する。高周波同期回路934は、整合回路部920の高周波電流を高周波電流検出手段934Aにて検出し、発振回路部910から出力する高周波の出力周波数が、高い共振周波数(例えば200kHz)となるように、インバータ912の発振周波数を制御させるための信号を周波電力比率制御回路932に出力する。
上記構成により、誘導加熱装置901において、インバータ912から出力される低周波の交流電力が整合回路部920に供給されると、第2のコンデンサC2のインピーダンスが第1のコンデンサC1のインピーダンスよりも遙かに大きいことから、低周波に対して高周波直列共振回路926を構成する第2のコンデンサC2が開状態となる。このため、高周波整合変圧器922には低周波電流が流れず、低周波整合変圧器921に低周波電流が流れ、低周波直列共振回路925に低周波の交流電力が供給される。この低周波の交流電力の供給により、低周波直列共振回路925が直列共振状態となってワーク(被加熱物)Wを誘導加熱する。
また、インバータ912から高周波の交流電力が整合回路部920に供給されると、高周波整合変圧器922の出力等価インピーダンスよりも低周波整合変圧器921の出力等価インピーダンスの方が大きく、リアクトルLが負荷コイル等価インダクタンスN2L0より例えば4〜5倍大きいので、高周波に対して低周波直列共振回路925を構成するリアクトルLおよび第1のコンデンサC1の直列回路が開状態となる。このため、低周波整合変圧器921には高周波電流が流れず、高周波整合変圧器922に高周波電流が流れ、高周波直列共振回路926に高周波の交流電力が供給される。この高周波の交流電力の供給により、高周波直列共振回路926が直列共振状態となってワーク(被加熱物)Wを誘導加熱する。
これに対して、非特許文献1に記載の電力供給装置は、単一の高周波の交流電力を出力するものであって、出力負荷回路として、単一の直列共振回路を備えている。非特許文献1に記載の電力供給装置は、交直変換する整流部にダイオードスタックを使用し、直交変換するインバータ部の高周波電圧と電流位相とを制御する位相制御方式を用いている。この位相制御方式は、インバータ部のスイッチング周波数を出力負荷の共振周波数よりも高い領域で可変することで共振回路における高周波電流の位相を走査し、出力電力を可変するものである。これにより、整流部にダイオードスタックを使用しないサイリスタ制御方式よりも出力立ち上がり時間を低減させている。
特許第4427417号公報
村松護、外2名、「焼入れ用高周波高速インバータ」、島田理化技報、島田理化工業株式会社、2006年3月15日、No.17、p.42−47
しかしながら、非特許文献1に記載の位相制御方式は、加熱開始の操作をした後、共振周波数よりも高い領域で可変する走査中の周波数の中から共振周波数を探す時間を要する。このとき、例えば、加熱開始を示す電源オン信号に応答してスイープ指令を出すことで、位相制御回路(周波数可変回路)が、インバータ部のゲートドライバのスイッチング周波数を例えば一様に変化させ、これに伴って検出された高周波電流と位相制御回路の出力信号との位相差が0になった時点の駆動周波数が共振周波数とされる。
また、従来の方法で焼入れを行う場合、出力電圧が0Vの時点から、焼入れ用パワー(焼入れ用出力)に対応して予め設定された電圧値へ上昇するまでの時間が長く、設定出力電圧値に達する前に被加熱物が低温で加熱される期間が比較的長く存在し、この期間と、設定出力電圧値での加熱期間とを合わせた合計の加熱時間で、焼入れが行われることになる。被加熱物の加熱時間が長くなると、熱処理した被加熱物の変形が多くなったり、被加熱物の中の応力が多くなったりするという不都合があった。そのため、出力電圧が、焼入れに実質的に寄与する電圧値になった時点から、焼入れ用出力に対応した設定出力電圧値に達するまでの実質的な焼入れ立ち上がり時間を低減して焼入れの品質を良好にすることが望まれていた。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、実質的な焼入れ立ち上がり時間を低減することができる電力供給装置及び電力供給方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本願発明者らは、低周波および高周波の二周波の交流電力を時分割で切り替えて出力する電力供給装置を用いた測定を行いながら、単一の高周波の交流電力を出力する電力供給装置における高周波電力の立ち上がり時間について種々検討を行った。その結果、焼入れ用出力に対応した設定出力電圧を印加しながら、負荷のインピーダンスの大きな状態から小さな状態にスイッチングすることで、実質的な焼入れ立ち上がり時間を低減できることを見出した。
そこで、本発明に係る電力供給装置は、順変換部と、逆変換部と、前記順変換部および前記逆変換部を制御する制御回路部とを備え、被加熱物の焼入れ用の予め定められた周波数範囲の値を有する動作周波数にて所定の焼入れ用出力の電力を誘導加熱コイルに供給する電力供給装置であって、前記制御回路部が、焼入れ前において、被加熱物の焼入れ用出力よりも低い出力であって焼入れに寄与しない予め定められた低出力にて電力を供給して負荷インピーダンスの最小となる共振周波数を検出すると共に、検出した共振周波数を前記動作周波数として記憶し、前記被加熱物の焼入れには寄与しない電流しか流れない負荷インピーダンスに対応した周波数であって前記動作周波数よりも高く予め設定された非動作周波数にて前記順変換部からの出力電圧を、前記低出力に対応した電圧値から前記焼入れ用出力に対応した目標値まで引き上げ、焼入れのための所定のタイミングで前記共振周波数に切り替えることを特徴とする。
また、本発明に係る電力供給方法は、被加熱物の焼入れ用の予め定められた周波数範囲の値を有する動作周波数にて所定の焼入れ用出力の電力を誘導加熱コイルに供給する電力供給装置による電力供給方法であって、前記電力供給装置は、順変換部と、逆変換部と、前記順変換部および前記逆変換部を制御する制御回路部とを備えており、前記制御回路部により、焼入れ前において、被加熱物の焼入れ用出力よりも低い出力であって焼入れに寄与しない予め定められた低出力にて電力を供給して負荷インピーダンスの最小となる共振周波数を検出する第1ステップと、検出した共振周波数を動作周波数として記憶する第2ステップと、前記被加熱物の焼入れには寄与しない電流しか流れない負荷インピーダンスに対応した周波数であって前記動作周波数よりも高く予め設定された非動作周波数にて前記順変換部からの出力電圧を、前記低出力に対応した電圧値から前記焼入れ用出力に対応した目標値まで引き上げる第3ステップと、焼入れのための所定のタイミングで前記共振周波数に切り替える第4ステップと、を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、本発明に係る電力供給装置は、制御回路部が、動作周波数よりも高い非動作周波数から共振周波数に切り替えると、共振が起こり、主回路である順変換部および逆変換部を有する電源装置側から見た負荷のインピーダンスが低く、そのため、大きな電流が急激に立ち上がって誘導加熱コイルに流れる。このように高周波電流が急速に立ち上ることによって、被加熱物を短時間で急速に加熱することができる。その結果、超短時間加熱で熱処理した被加熱物の変形は少なく(低変形)、被加熱物の中の応力が少ない(残留応力の低減)という、品質の良い焼入れを行うことができる。
また、本発明に係る電力供給装置は、前記制御回路部は、前記逆変換部における周波数の位相を制御すると共に前記共振周波数を検出する位相制御手段と、前記検出された共振周波数を前記焼入れ用出力の動作周波数として記憶する共振周波数記憶手段と、前記共振周波数を含む動作周波数で発振する第1発振手段と、前記非動作周波数で発振する第2発振手段と、前記第1発振手段と前記第2発振手段とのうちの一方を前記逆変換部に電気的に接続するスイッチ手段と、前記位相制御手段および前記スイッチ手段を制御することで、前記逆変換部における周波数を、前記動作周波数および前記非動作周波数の一方に切り替える周波数切替制御手段と、を備え、前記周波数切替制御手段は、焼入れ前において、前記スイッチ手段の接続を前記第1発振手段の側に切り替えさせ、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記低出力に対応した電圧値で出力させた状態で前記位相制御手段により前記共振周波数を検出させ、前記共振周波数を検出後かつ焼入れ前において、前記スイッチ手段の接続を前記第2発振手段の側に切り替えさせ、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記焼入れ用出力に対応した目標値にまで引き上げさせ、前記出力電圧が前記目標値に達した後において、前記所定のタイミングで、前記スイッチ手段の接続を前記第1発振手段の側へ切り替えさせることが好ましい。
また、本発明に係る電力供給方法は、前記制御回路部は、前記動作周波数の発振信号と前記非動作周波数の発信信号とのうちの一方を前記逆変換部に出力するスイッチ手段を備えており、前記制御回路部により、前記第1ステップにて、前記スイッチ手段の出力を前記動作周波数の発振信号の側に切り替え、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記低出力に対応した電圧値で出力させた状態で前記共振周波数を検出し、前記第3ステップにて、前記スイッチ手段の出力を前記非動作周波数の発振信号の側に切り替え、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記焼入れ用出力に対応した目標値にまで引き上げ、前記第4ステップにて、前記スイッチ手段の出力を前記動作周波数の発振信号の側に切り替えることが好ましい。
かかる構成によれば、本発明の電力供給装置は、焼入れ前において、位相制御手段が、焼入れに寄与しない低出力にて共振周波数を検出するので、焼入れ対象とする被加熱物を用いたときの実際の共振周波数を求めることができる。また、周波数切替制御手段は、共振周波数を検出後かつ焼入れ前において、焼入れをしない非動作周波数にて、順変換部からの出力電圧を前記焼入れ用出力に対応した目標値にまで引き上げさせる。これにより、順変換部からの出力電圧は目標値にまで上昇するが、共振していないので負荷のインピーダンスが高く、そのため、高電圧にも関わらず、高周波電流がほとんど流れない。その後、周波数切替制御手段は、実質的な焼入れを開始するにあたって、所定のタイミングで非動作周波数から共振周波数へと切り替えるので、高電圧を保持しつつ共振が起こり負荷のインピーダンスが低く、そのため、高周波電流が急速に立ち上がる。また、本発明に係る電力供給装置は、所定のタイミングである焼入れの開始時には、出力電圧が既に焼入れ用出力に対応した目標電圧値(設定出力電圧値)に達しているので、低出力電圧値の加熱期間がごく僅かであり、殆どが設定出力電圧値の加熱期間である、といった時間幅で焼入れが行われる。そのため、被加熱物の実質的な加熱時間を短縮することができる。また、加熱時間の殆どが設定出力電圧値の期間なので、品質の良い焼入れを行うことができる。
また、本発明に係る電力供給装置は、前記周波数切替制御手段は、前記スイッチ手段を前記第1発振手段の側へ切り替えるための第1制御信号を出力した後に、前記スイッチ手段を前記第2発振手段の側に切り替えるための第2制御信号を出力し、前記第1制御信号と前記第2制御信号とを交互に繰り返し出力することが好ましい。
また、本発明に係る電力供給方法は、前記第4ステップの後に、前記スイッチ手段の出力を前記非動作周波数の発振信号の側に切り替える第5ステップを有し、前記第4ステップと前記第5ステップとを交互に繰り返すことが好ましい。
かかる構成によれば、本発明の電力供給装置は、焼入れ用出力の供給と、その供給の実質的な停止とを交互に行うことができる。そのため、例えば歯車形状の被加熱物の回転中にその回転に同期させて歯先にだけ焼入れを行うといった使用法が可能となる。
本発明によれば、実質的な焼入れ立ち上がり時間を低減することができる。また、本発明によれば、高周波電流が急速に立ち上ることによって、被加熱物を短時間で急速に加熱することができる。その結果、超短時間加熱で熱処理した被加熱物の変形は少なく(低変形)、被加熱物の中の応力が少ない(残留応力の低減)という、品質の良い焼入れを行うことができる。
本発明に係る電力供給装置の構成を模式的に示す回路図である。 本発明に係る電力供給装置の制御回路部の内部構成を模式的に示す回路図である。 本発明に係る電力供給装置の負荷の説明図であって、(a)は負荷インピーダンスの周波数特性、(b)は負荷の抵抗分を用いた等価回路を示している。 本発明に係る電力供給装置の第1使用例における周波数切替信号のタイミングチャートの一例を示す図である。 本発明に係る電力供給装置の第1使用例における焼入れの流れを示すフローチャートである。 本発明に係る電力供給装置の第2使用例における焼入れの様子を模式的に示す説明図である。 本発明に係る電力供給装置の第2使用例における周波数切替信号のタイミングチャートの一例を示す図である。 本発明に係る電力供給装置の第2使用例における焼入れの流れを示すフローチャートである。 従来の電力供給装置の構成を模式的に示す回路図である。
本発明に係る電力供給装置及び電力供給方法を実施するための形態を、いくつかの具体例を示した図面と共に詳細に説明する。
図1に示す誘導加熱装置1は、誘導加熱コイル2と、電力供給装置3と、を備えている。電力供給装置3は、被加熱物の焼入れ用の予め定められた周波数範囲の値を有する動作周波数にて焼入れ用出力を誘導加熱コイル2に供給するものである。
電力供給装置3は、電源装置4と、整合盤5と、変成盤6と、を備えている。
電源装置4は整合盤5に接続されており、整合盤5は変成盤6に接続されており、変成盤6は誘導加熱コイル2に接続されている。これらの間の接続には、不図示の送電用のブスバーなどが含まれている。
誘導加熱コイル2で加熱する対象の被加熱物は、特に限定されないが、例えば、土木・建築・自動車等の部品として用いる鋼棒やフープ筋などの線材、ばね材、歯車、ねじ、ボルト、ナットなどを含む。本実施形態では被加熱物をワークWと呼ぶ。
図1には、誘導加熱コイル2の中にワークWを挿入して加熱する状態を例示したが、これに限定されるものではない。また、ワークWの外周面に限らず、例えば円環状のワークの内周面を加熱するようにしてもよい。
電源装置4は、発振回路部10と、制御回路部30と、を備えている。
整合盤5は、主として整合変圧器21を有し、変成盤6は、主として電流変成器23を有している。整合変圧器21の1次巻線21Aには、発振回路部10が接続されている。これにより、整合変圧器21には、後記するインバータ12にて変換された交流電力が入力される。整合変圧器21の2次巻線21Bには、整合コンデンサCと、電流変成器23の1次巻線23Aとが直列に接続されている。
本実施形態では、整合盤5は、コンデンサやトランス巻線を自動変更可能に構成されている。整合盤5は、公知のマッチングボックスのように、整合変圧器21の1次巻線21A側に、図示しない複数の1次側電圧タップが設けられており、整合変圧器21の1次側電圧タップを切り替えることで、整合変圧器21の1次巻線と2次巻線との巻線比を変更し、2次側電圧を変化させることができるように構成されている。また、整合盤5の整合コンデンサCは、静電容量を変更できるように構成されている。
電流変成器23の2次巻線23Bには、誘導加熱コイル2が接続されている。電流変成器23の2次巻線23Bの巻数比をNとし、誘導加熱コイル2の等価インダクタンスをL0とすると、電流変成器23の1次側に、N2L0の負荷コイル等価インダクタンスが生じる。よって、直列共振回路25は、整合コンデンサCおよび負荷コイル等価インダクタンスN2L0により構成される。
なお、電流変成器23の1次巻線23A側に、図示しない複数の1次側電圧タップを設けて、電流変成器23の1次側電圧タップを切り替えることで、電流変成器23の1次巻線と2次巻線との巻数比を変更し、2次側電圧を変化させるように構成することもできる。
発振回路部10は、例えば電圧形で、コンバータ11と、インバータ12と、平滑コンデンサCfと、を備えている。
コンバータ(順変換部)11は、例えば各種のブリッジ整流回路が用いられる順変換回路で、商用交流電源eに接続されて商用交流電源eを直流電力に変換するものである。この変換された直流電力は、平滑コンデンサCfを介して適宜平滑されてインバータ12へ出力される。インバータ(逆変換部)12は、コンバータ11から出力される直流電力を、所定の周波数(動作周波数または非動作周波数)の電圧方形波の単相の交流電力に変換するものである。このインバータ12は、スイッチング素子である図示しないトランジスタなどを有し、スイッチング素子のオンオフ制御により交流電力を整合盤5に出力する。
発振回路部10の使用素子は、サイリスタでもよいし、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子、またはMOS-FETを用いてもよい。なお、コンバータ11とインバータ12との間には、高調波電流を阻止して力率を改善するために、図示しない直流リアクトルが接続されている。
<制御回路部>
制御回路部30は、例えばシーケンサ(プログラマブルコントローラ)やCPU(Central Processing Unit)などを備えている。
制御回路部30は、焼入れ前に負荷インピーダンスの最小となる共振周波数を検出すると共に、検出した共振周波数を動作周波数として記憶し、動作周波数よりも高い非動作周波数にてコンバータ11からの出力電圧を、焼入れ用出力に対応した目標値に高めてから、焼入れのための所定のタイミングで共振周波数に切り替えるものである。
ここで、非動作周波数は、ワークWの焼入れには寄与しない電流しか流れない負荷インピーダンスに対応した周波数であって予め設定されている。また、制御回路部30が焼入れ前に共振周波数を検出する際には、ワークWの焼入れ用出力よりも低い出力であって焼入れに寄与しない予め定められた低出力にて電力を供給して共振周波数を検出する。なお、焼入れ用出力が例えば数百kW程度の場合、低出力とは例えば数kW程度のことを表す。
制御回路部30は、順変換制御回路31と、周波電力比率制御回路32と、同期回路33と、を備えている。
順変換制御回路31は、コンバータ11の出力側の直流電圧を検出し、設定電圧になるように制御するものである。順変換制御回路31は、周波電力比率制御回路32からの制御信号に応じて、コンバータ11の出力電圧を、ワークの焼入れに寄与しない予め定められた低電圧にて出力させたり、焼入れ用出力に対応した目標値にて出力させたりする。
周波電力比率制御回路32は、動作周波数および非動作周波数を切り替えるタイミングに関する制御信号を順変換制御回路31に出力するものである。この出力する制御信号によって変化するコンバータ11の出力側の電圧値等の時間変化の説明については後記する。周波電力比率制御回路32は、同期回路33からの制御信号に応じて、インバータ12の発振周波数を制御する。周波電力比率制御回路32の詳細については後記する。なお、後記する第2使用例では、周波電力比率制御回路32は、インバータ12から出力する動作周波数または非動作周波数の交流電力を、図示しない入力手段からの焼入れ電力の有無の期間の比率(以下、単に電力比率という)に関する設定信号に基づいて所定の電力比率(デューティ比)で切り替えさせるように制御している。
同期回路33は、インバータ12の出力電流(負荷に流れる電流に相当)を例えば電流センサなどの電流検出手段33Aにて検出し、周波電力比率制御回路32に所定の制御信号を出力する。この出力する制御信号は、焼入れを行うときには、周波電力比率制御回路32にて発振回路部10から出力する動作周波数f1が、図3(a)に示す負荷曲線の最小インピーダンスに対応した共振周波数f0となるように、インバータ12の発振周波数を制御させるための信号である。
また、この出力する制御信号は、焼入れ前において共振周波数を検出するときには、周波電力比率制御回路32にて発振回路部10から出力する非動作周波数が、図3(a)に示す負荷曲線の共振周波数よりも遅れ位相となる周波数f2となるように、インバータ12の発振周波数を制御させるための信号である。
<周波電力比率制御回路部の詳細>
周波電力比率制御回路32は、図2に示すように、スイッチSW1〜SW4と、インバータGと、位相制御部321と、共振周波数記憶部322と、共振周波数発振器323と、非動作周波数発振器324と、周波数切替制御部325と、を備える。
スイッチ(スイッチ手段)SW1〜SW4は、共振周波数発振器323と非動作周波数発振器324とのうちの一方をインバータ12に電気的に接続するものである。
共振周波数発振器323は、その上流のスイッチSW1と下流のSW2とが閉状態のときに、インバータ12の出力ドライバ121に電気的に接続している。非動作周波数発振器324は、その上流のスイッチSW3と下流のSW4とが閉状態のときに、インバータ12の出力ドライバ121に電気的に接続している。ここで、出力ドライバ121は、共振周波数または非動作周波数に応じて、インバータ12を構成するトランジスタ等の図示しない複数のスイッチング素子のゲートに制御信号を順次供給するものである。
スイッチSW1〜SW4は、例えばトランスミッションゲート、所謂アナログスイッチで構成される。アナログスイッチは、例えばPチャネルMOS-FETとNチャネルMOS-FETとから構成される。
スイッチSW1,SW2を動作させる制御信号F1がON状態のとき、すなわちHレベルのとき、スイッチSW1,SW2はスイッチとしての閉状態となり、スイッチSW1,SW2への入力信号を通過させてそのまま出力する。
スイッチSW1,SW2を動作させる制御信号F1がOFF状態のとき、すなわちLレベルのとき、スイッチSW1,SW2はスイッチとしての開状態となり、スイッチSW1,SW2への入力信号を遮断する。
スイッチSW3,SW4を動作させる制御信号F2がON状態のとき、すなわちHレベルのとき、スイッチSW3,SW4はスイッチとしての閉状態となり、スイッチSW3,SW4への入力信号を通過させてそのまま出力する。
スイッチSW3,SW4を動作させる制御信号F2がOFF状態のとき、すなわちLレベルのとき、スイッチSW1,SW2はスイッチとしての開状態となり、スイッチSW3,SW4への入力信号を遮断する。
制御信号F1は、インバータGによりレベル反転されて、制御信号F2となる。つまり、制御信号F1がON状態のときに制御信号F2がOFF状態となり、制御信号F1がOFF状態のときに制御信号F2がON状態となる。
位相制御部(位相制御手段)321は、インバータ12における周波数の位相を制御すると共に共振周波数を検出するものである。共振周波数の検出は公知の方法で行うことができる。このために、例えば位相制御部321は、図示しない位相比較回路およびアナログ加減算器を備える。
位相比較回路は、位相制御部321から出力する位相制御の出力信号と、インバータ12の出力電流の検出信号との位相差を比較するものである。
アナログ加減算器は、予め設定された周波数設定値に位相差を加減算し、電圧信号を共振周波数発振器323に出力するものである。
ここで、共振周波数発振器323は、図示しないアナログ加減算器が出力する電圧に応じた周波数の信号を出力ドライバ121に出力する。また、出力ドライバ121は、インバータ12を構成するスイッチング素子に制御信号を供給する。これにより、位相制御部321は、スイッチング周波数を走査して例えば一様に変化させ、出力ドライバ121への出力信号(位相制御の出力信号)と、インバータ12の出力電流の検出信号と、の位相差が0になった時点のスイッチング周波数を共振周波数として検出し、検出した共振周波数を共振周波数記憶部322に記憶する。なお、インバータ12の出力電流の検出信号は、電流検出手段33Aにて検出されるものであり、位相制御部321は、この信号を、同期回路33を介して取得している。
共振周波数記憶部(共振周波数記憶手段)322は、位相制御部321による周波数の位相制御によって得られる共振周波数f0を焼入れ用出力の動作周波数f1として記憶するものである。
共振周波数発振器(第1発振手段)323は、共振周波数を含む動作周波数で発振するものであり、動作周波数f1の発振信号を出力ドライバ121に出力する。共振周波数発振器323は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)基板で構成される。
非動作周波数発振器(第2発振手段)324は、非動作周波数f2の発信信号を出力ドライバ121に出力するものである。非動作周波数発振器324は、VCO基板で構成される。
周波数切替制御部(周波数切替制御手段)325は、位相制御部321およびスイッチSW1〜SW4を制御することで、インバータ12における周波数を、動作周波数および非動作周波数の一方に切り替えるものである。
周波数切替制御部325は、焼入れ前において、スイッチSW1,SW2が閉状態、かつ、スイッチSW3,SW4が開状態となるように制御すると共に、コンバータ11からの出力電圧を低出力に対応した電圧値で出力させた状態で、位相制御部321に共振周波数を検出させる。
周波数切替制御部325は、共振周波数を検出後かつ焼入れ前において、スイッチSW1,SW2が開状態、かつ、スイッチSW3,SW4が閉状態となるように制御すると共に、コンバータ11からの出力電圧を焼入れ用出力に対応した目標値に高める。
周波数切替制御部325は、出力電圧が目標値に達した後において、焼入れを実際に行うタイミングで、スイッチSW1,SW2が閉状態、かつ、スイッチSW3,SW4が開状態となるように切り替える。
この周波数切替制御部325によるスイッチの切り替えは、いずれも例えば1ms以下で行うことができる。
<負荷曲線>
図3は負荷曲線を示す図である。ここで、負荷とは、電源装置4から負荷側を見たすべてを含む。すなわち、整合盤5、変成盤6、誘導加熱コイル2、ワークW、送電するためのブスバーなどすべてを含む。図3(a)のグラフの横軸は、周波数f(kHz)を示し、縦軸は、負荷のインピーダンスの大きさ|Z|(Ω)を示している。負荷曲線の最小値となる周波数f0が共振周波数(共振点)を示している。周波数が共振点のとき、負荷インピーダンスが小さく、電流が最も流れ易くなる。本実施形態では、位相制御部321によって、焼入れ用出力の動作周波数f1が、負荷のインピーダンスの共振点となるように制御している。
周波数fが共振点よりも小さい場合や大きい場合、負荷インピーダンスが大きく、電流が流れにくくなる。このうち、周波数fが共振点よりも小さいときには、キャパシタンス成分が出てきて負荷はC負荷となり、位相は進み位相となる。また、周波数fが共振点よりも大きいときには、インダクタンス成分が出てきて負荷はL負荷となり、位相は遅れ位相となる。本実施形態では、焼入れ用の動作周波数f1に切り替える前の非動作周波数f2が、遅れ位相となるように設定されている。
動作周波数f1の値は負荷インピーダンスが最小になるように対応して設定されており、非動作周波数f2の値は焼入れに寄与しない電流しか発生しないような負荷インピーダンスに対応して設定されている。このように設定されていれば、動作周波数f1および非動作周波数f2の値は、特に限定されない。本実施形態では、電源装置4は、電圧形インバータ(直列共振)であるものとしており、直流電圧が一定となるように制御している。このような電圧形インバータは出力電圧に対する出力電流の位相が遅れ位相でなければならない。つまり、非動作周波数f2は動作周波数f1よりも高くなければならない。例えば、動作周波数f1=10kHz、非動作周波数f2=200kHzとしたり、動作周波数f1=200kHz、非動作周波数f2=400kHzとしたりすることができる。このように周波数の高低は決まっているので、動作周波数f1のことを低周波、非動作周波数f2のことを高周波とも呼ぶ。
以下では、一例として、動作周波数f1=10kHz、非動作周波数f2=200kHzのように設定していることとして説明する。この場合、200kHz(高周波)から10kHz(低周波)へ切り替えて、すなわち、高インピーダンス(遅れ位相)から低インピーダンスへ切り替えて、10kHzの共振周波数(動作周波数)にて焼入れを行う。
<電力供給装置の主回路電流の応答速度>
電力供給装置3の主回路電流の応答速度について図3(b)を参照して説明する。図3(b)は、電源装置4と負荷との関係を簡単な等価回路で表した回路図である。直列共振回路25が共振しているとき、負荷インピーダンスにおいて、L負荷の成分とC負荷の成分が無くなってRの分だけ残るため、電力供給装置3の主回路は、等価的には図3(b)に示すRL回路になる。
等価回路に示すEは、電源装置4のコンバータ(順変換部)11に対応している。
等価回路に示すLは、電源装置4のコンバータ11とインバータ12との間にある図示しない直流リアクトルのインダクタンスに対応している。
等価回路に示すRは、電源装置4から負荷側を見た抵抗分に対応しており、整合盤5、変成盤6、誘導加熱コイル2、ワークW、送電するためのブスバーなどのすべての抵抗分を含む。
図3(b)に示すRL回路の時定数τは、τ=L/Rとなる。例えば、出力が600[kW]、直流リアクトルが0.5[mH]、定格負荷インピーダンスR=0.34[Ω]、焼入れ用の設定出力電圧値(目標値)が480[V]である電源装置を、電力供給装置3の電源装置4として用いた場合、時定数はτ=L/R=1.47[msec]となる。つまり、この場合、スイッチSW1,SW2が開状態、かつ、スイッチSW3,SW4が閉状態のときに、コンバータ(順変換部)11から480[V]の電圧が印加された状態において、スイッチSW1,SW2が閉状態、かつ、スイッチSW3,SW4が開状態となるように切り替えると、負荷に印加される電圧が、0Vから、理論的には1.47[msec]で設定出力電圧値の約63%まで立ち上がることとなり、実質的な焼入れ立ち上がり時間を大幅に低減できる。なお、本発明の制御を行わない場合、負荷に印加される電圧が、0Vから設定出力電圧値に立ち上がるまでに約200[msec]もの時間が必要である。
[電力供給装置の第1使用例における焼入れのタイミングチャート]
本発明の実施形態に係る電力供給装置の第1使用例における焼入れのタイミングチャートについて図4を参照(適宜図1および図2参照)して説明する。図4の時間軸において、時刻t0は、電力供給装置3の図示しない加熱開始ボタンが押下された時刻を示すと共に、共振周波数を探し始める時刻を示している。
時刻t1は、共振周波数の検出後にコンバータ11からの出力電圧を上昇させ始める時刻を示している。
時刻t2は、焼入れを開始する時刻を示している。
時刻t0から時刻t1の区間Δ1では、位相制御部321が、共振点(共振周波数)を探して、検出した共振周波数を共振周波数記憶部322に記憶する。
時刻t1から時刻t2の区間Δ2では、周波数切替制御部325が、非共振状態にてコンバータ11の出力電圧を設定値(目標値)まで上げる制御を行う。
時刻t2以降では、周波数切替制御部325が、共振周波数に切り替える制御を行う。これにより、急速に大電流が立ち上がる。区間Δ1の値と区間Δ2の値とは所望の値に適宜設定することができる。一例としては、区間Δ1の値は約10〜100ms、区間Δ2の値は約200msのように設定することができる。
図4(a)は周波数切替信号を示している。この周波数切替信号は、周波数切替制御部325が出力する制御信号である。この例では、周波数切替信号は、区間Δ1においてHレベルであり、区間Δ2においてLレベルであり、時刻t2以降において加熱時間が終わるまでHレベルである。
周波数切替信号がHレベルである区間では、スイッチSW1,SW2への制御信号F1はON状態となり、スイッチSW3,SW4への制御信号F2はOFF状態となる。
周波数切替信号がLレベルである区間では、スイッチSW1,SW2への制御信号F1はOFF状態となり、スイッチSW3,SW4への制御信号F2はON状態となる。
よって、図4(a)に示す周波数切替信号は、制御信号F1と同じ波形となる。図4(a)に示す周波数切替信号をレベル反転した信号を図4(b)に示す。このレベル反転信号は制御信号F2と同じ波形となる。
図4(a)および図4(b)を参照すると、区間Δ1においては、制御信号F1がON状態となり、区間Δ2においては、制御信号F2がON状態となり、その後は、制御信号F1がON状態となる。つまり、区間Δ1においては、共振周波数(低周波)で発振し、区間Δ2においては、非動作周波数(高周波)に切り替えて発振し、時刻t2以降においては、共振周波数(低周波)に切り替えて発振する。
このように、周波数切替信号はHレベルのときに制御信号F1をON、制御信号F2をOFFとすることで、共振周波数(低周波)で発振させる制御を行うことができる。そのため、Hレベルの周波数切替信号のことを第1制御信号(F1:ON、F2:OFF)と呼ぶ場合もある。
また、周波数切替信号はLレベルのときに制御信号F1をOFF、制御信号F2をONとすることで、非動作周波数(高周波)で発振させる制御を行うことができる。そのため、Lレベルの周波数切替信号のことを第2制御信号(F1:OFF、F2:ON)と呼ぶ場合もある。
図4(c)は直流電圧Vdcを示している。この直流電圧Vdcは、コンバータ11からの出力電圧を表している。
区間Δ1においては、直流電圧Vdcは、ワークの焼入れに寄与しない予め定められた低電力、例えば、順変換制御回路31で制御できる最小出力(≠0V)となっている。
時刻t1になると、周波数切替制御部325は、順変換制御回路31を介して、コンバータ11からの出力電圧(直流電圧Vdc)を上昇させ始める。直流電圧Vdcは、区間Δ2において、焼入れ用出力に対応した目標値に達し、その後は、一定値となっている。さらに、直流電圧Vdcは、時刻t2以降も加熱時間が終わるまで一定値となっている。
図4(d)は直流電流Idcを示している。この直流電流Idcは、所定時刻の直流電圧Vdcを、そのときの負荷インピーダンスZの抵抗分Rで除したものを示している。
区間Δ1では、図4(a)に示すように共振周波数(低周波)で発振しているので負荷インピーダンスZが小さく、また、図4(c)に示すように直流電圧Vdcが最小出力(≠0V)となっている。そのため、図4(d)に示すように直流電流Idcの電流値(≠0A)も小さくなっている。
区間Δ2では、図4(c)に示すように直流電圧Vdcが上昇し、焼入れ用出力に対応した目標値に達するが、図4(a)に示すように非動作周波数(高周波)に切り替えて発振していることから負荷インピーダンスZが大きい。そのため、図4(d)に示すように直流電流Idcの電流値(≠0A)が小さくなっている。したがって、電圧と電流との積である電力は、焼入れに寄与しない低い電力(例えば数kW)で出力される。
時刻t2以降においては、図4(c)に示すように直流電圧Vdcが設定出力電圧(目標値)であり、また、図4(a)に示すように共振周波数(低周波)に切り替えて発振しているので負荷インピーダンスZが小さい。そのため、図4(d)に示すように直流電流Idcの電流値が大きくなっている。特に、時刻t2の直後に電流が急速に立ち上がっている。また、電圧と電流との積である電力は、焼入れを行うことができる大電力(例えば数百kWまたは千kW以上)で出力されることになる。
図4(e)は出力電流Ihfを示している。この出力電流Ihfは、誘導加熱コイル2に流れる高周波(high frequency)の交流電流を示している。
区間Δ1では、出力電流Ihfは、周波数切替信号のHレベルに応じて共振周波数(低周波)の周期となっており、直流電流Idcの値が小さいために振幅が小さくなっている。
区間Δ2では、出力電流Ihfは、周波数切替信号のLレベルに応じて非動作周波数(高周波)の周期となっており、直流電流Idcの値が小さいために振幅が小さくなっている。
時刻t2以降、出力電流Ihfは、周波数切替信号のHレベルに応じて共振周波数(低周波)の周期となっており、直流電流Idcの値が大きいために振幅が大きくなっている。
なお、図4に示す例では、直流電圧Vdcが、区間Δ2内において、既に焼入れ用出力に対応した出力電圧値に達して一定値(出力電圧値)になっているものとしたが、周波数切替制御部325は、直流電圧Vdcが焼入れ用出力に対応した電圧に到達したタイミングに、第2制御信号(F1:OFF、F2:ON)から第1制御信号(F1:ON、F2:OFF)に切り替えるようにしてもよい。
[電力供給装置の第1使用例における焼入れの流れ]
本発明の実施形態に係る電力供給装置の第1使用例における焼入れの流れについて図5を参照(適宜図1、図2および図4参照)して説明する。この電力供給方法は、以下のステップS101〜S108,S111,S112を含む。ここで、ステップS102〜S104は、図4における区間Δ1の動作に対応している。ステップS105,S106は、図4における区間Δ2の動作に対応している。ステップS107は、図4における、時刻t2の動作に対応している。
操作者によって、図示しない加熱開始ボタンが押されると、ステップS101にて、電力供給装置3の制御回路部30は、処理を開始する。
ステップS102にて、周波電力比率制御回路32は、直流電圧Vdcの最小出力で共振周波数f0を探す。具体的には、周波数切替制御部325は、Hレベルの周波数切替信号、すなわち第1制御信号(F1:ON、F2:OFF)を出力する。これにより、スイッチSW1,SW2への制御信号F1はON状態となり、スイッチSW3,SW4への制御信号F2はOFF状態となる。位相制御部321は、インバータ12における出力ドライバ121のスイッチング周波数を走査して例えば一様に変化させ、これに伴って検出されたインバータ出力電流検出信号と当該位相制御部321の出力信号との位相差が0になった時点のスイッチング周波数を共振周波数として検出する。
ステップS103にて、位相制御部321は、共振点が動作範囲内か否かを判別する。位相制御部321は、焼入れ用の周波数範囲において共振周波数が見つかったと判定した場合(ステップS103:Yes)、ステップS104にて、検出した共振周波数を動作周波数として共振周波数記憶部322に記憶する。以下、動作周波数として記憶された共振周波数のことを共振周波数f1と表記する。
ステップS105にて、周波数切替制御部325は、Lレベルの周波数切替信号、すなわち第2制御信号(F1:OFF、F2:ON)を出力し、非動作周波数f2に切り替える。
ステップS106にて、周波数切替制御部325は、直流電圧Vdcを目標値まで上げる。
ステップS107にて、周波数切替制御部325は、Hレベルの周波数切替信号、すなわち第1制御信号(F1:ON、F2:OFF)を出力し、共振周波数f1に切り替える。これにより、インバータ12から出力される共振周波数f1の交流電力が整合盤5に供給されると、整合盤5、変成盤6、誘導加熱コイル2および図示しないブスバーは、動作周波数にて直列共振状態となり、ワークWが誘導加熱される。
ステップS108にて、周波数切替制御部325は、加熱時間が終わったか否かを判別する。加熱に必要な時間が経過していないと判定した場合(ステップS108:No)、判別を繰り返し、一方、加熱に必要な時間が経過したと判定した場合(ステップS108:Yes)、焼入れを終了する。
前記ステップS103において、焼入れ用の周波数範囲内で共振周波数f0が見つからなかったと判定した場合(ステップS103:No)、つまり、検出した共振点が焼入れ用の周波数範囲の上限を超えた場合や下限を下回った場合、ステップS111にて、周波数切替制御部325は、加熱不可と判定し、その旨を整合盤5に通知する。
ステップS112にて、整合盤5において、整合コンデンサCの容量を変更したり、トランス(整合変圧器21)の図示しない1次側電圧タップを切り替えて巻数比を変更したりする。変更が完了した場合、整合盤5は、その旨を周波電力比率制御回路32に通知する。そして、周波電力比率制御回路32は、ステップS2に戻って、処理を繰り返す。
使用例1によれば、電力供給装置3は、超短時間加熱で熱処理したワークWの変形が少なく(低変形)、ワークWの中の応力が少ない(残留応力の低減)という、品質の良い焼入れを行うことができる。
[電力供給装置の第2使用例]
使用例2において、被加熱物は、図6(a)に示すように例えば1周360度に8つの歯先を有した歯車形状のワークW2であるものとする。誘導加熱装置1は、回転中のワークW2の表面の焼入れを行う。また、表面の焼入れに関しては、ワークW2の一部分(例えば歯先の部分)だけを加熱し、それ以外(例えば歯底)は加熱しないことを想定している。
このために、第2使用例では、周波数切替制御部325は、スイッチSW1〜SW4を共振周波数発振器323の側へ切り替えるための第1制御信号(F1:ON、F2:OFF)を出力した後に、スイッチSW1〜SW4を非動作周波数発振器324の側に切り替えるための第2制御信号(F1:OFF、F2:ON)を出力し、第1制御信号と第2制御信号とを交互に繰り返し出力することとした。
周波数切替制御部325は、図示しないワークの回転機構の回転周期に関する信号を取得し、このワークW2の回転動作に同期させて、第2制御信号と第1制御信号とを交互に出力する制御を行っている。図示する具体例においては、周波数切替制御部325は、歯先の個数に合わせて、図6(a)に示すように誘導加熱コイル2に対してワークW2の歯先が対面する場合と、図6(b)に示すように誘導加熱コイル2に対してワークW2の歯底が対面する場合とを1セットとした第1制御信号および第2制御信号の交互出力を8セット行う。つまり、図6(a)に示す状態→図6(b)に示す状態→図6(c)に示す状態→図6(d)に示す状態、の順番で表すサイクルを4サイクル分だけ行う。
[電力供給装置の第2使用例における焼入れのタイミングチャート]
本発明の実施形態に係る電力供給装置の第2使用例における焼入れのタイミングチャートについて図7を参照(適宜図1、図2および図4参照)して説明する。図7のタイミングチャートは時刻t2以前については図4と同様なので、同様の符号を付して説明を省略し、時刻t2以降の相違点について説明する。
図7の時間軸において、時刻t3,t5,…は、焼入れを一旦終了する時刻を示している。時刻t4,t6,…は、焼入れを再び開始する時刻を示している。
時刻t2から時刻t3の区間Δ3の動作状態は、図6(a)に示す状態に対応している。
時刻t3から時刻t4の区間Δ4の動作状態は、図6(b)に示す状態に対応している。
時刻t4から時刻t5の区間Δ5の動作状態は、図6(c)に示す状態に対応している。
時刻t5から時刻t6の区間Δ6の動作状態は、図6(d)に示す状態に対応している。
区間Δ3の値と区間Δ5の値とは等しく、区間Δ4の値と区間Δ6の値とは等しい。区間Δ3の値と区間Δ4の値とは所望の値に適宜設定することができ、必ずしも等しくする必要はない。一例としては、区間Δ3の値は約50ms、区間Δ4の値は約50msのように設定することができる。
図7(a)に示す周波数切替信号は、区間Δ1,Δ3,Δ5,…においてHレベルであり、区間Δ2,Δ4,Δ6,…においてLレベルである。
図7(b)に示すレベル反転信号は、区間Δ2,Δ4,Δ6,…においてHレベルであり、区間Δ1,Δ3,Δ5,…においてLレベルである。
図7(c)に示す直流電圧Vdcは、時刻t2以降、周波数切替信号の変化に関わらず、加熱時間が終わるまで一定値となっている。
時刻t2以降、周波数切替制御部325は、区間Δ4,Δ6,…において非動作周波数(高周波)に切り替え、非動作周波数発振器324が発振している。よって、これらの区間では負荷インピーダンスZが大きいため、図7(d)に示す直流電流Idcは、電流値(≠0A)が小さくなっている。直流電流Idcは、時刻t3,t5,…の直後に急速に下がり、このとき、電圧と電流との積である電力は、焼入れに寄与しない低い電力で出力される。つまり、時刻t3,t5,…では焼入れを一旦終了している。
また、時刻t2以降、周波数切替制御部325は、区間Δ3,Δ5,…において共振周波数(低周波)に切り替え、共振周波数発振器323が発振している。よって、これらの区間では負荷インピーダンスZが小さいため、図7(d)に示す直流電流Idcは、電流値が大きくなっている。直流電流Idcは、時刻t4,t6,…の直後に急速に立ち上がり、このとき、電圧と電流との積である電力は、焼入れを行うことができる大電力で出力される。つまり、時刻t4,t6,…では焼入れを再び開始している。
図7(e)に示す出力電流Ihfは、時刻t2以降、区間Δ4,Δ6,…において、周波数切替信号のLレベルに応じて非動作周波数(高周波)の周期となっており、直流電流Idcの値が小さいため、振幅が小さくなっている。
また、出力電流Ihfは、区間Δ3,Δ5,…において、周波数切替信号のHレベルに応じて共振周波数(低周波)の周期となっており、直流電流Idcの値が大きいため、振幅が大きくなっている。
[電力供給装置の第2使用例における焼入れの流れ]
本発明の実施形態に係る電力供給装置の第2使用例における焼入れの流れについて図8を参照(適宜図1および図5参照)して説明する。この電力供給方法において、図5と同様の処理には同様の符号を付して説明を省略し、相違点について説明する。
図8に示すステップS101〜S107,S111,S112は、図5に示す電力供給方法と同じである。ステップS107に続いて、ステップS121にて、周波数切替制御部325は、Lレベルの周波数切替信号、すなわち第2制御信号(F1:OFF、F2:ON)を出力し、共振周波数f1から非動作周波数f2に切り替える。ここで、ステップS121は、図7における区間Δ4,Δ6,…の動作に対応している。
ステップS108Bにて、周波数切替制御部325は、加熱時間が終わったか否かを判別する。加熱に必要な時間が経過していないと判定した場合(ステップS108B:No)、前記ステップS107に戻って、第1制御信号(F1:ON、F2:OFF)を出力し、非動作周波数f2から共振周波数f1に切り替える。一方、加熱に必要な時間が経過したと判定した場合(ステップS108B:Yes)、焼入れを終了する。ここで、ステップS108B:Noのときに行うS107は、図7における区間Δ5,…の動作に対応している。
使用例2によれば、使用例1と同様の効果を奏すると共に、加えて、ワークが回転している状態でも焼入れを行うことができ、さらに、歯車形状のワークの一部分だけを加熱し、それ以外には低電力で熱影響を与えないような熱処理を行うことができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る電力供給装置および電力供給方法は、焼入れを行うときに、負荷のインピーダンスの大きな状態から小さな状態にスイッチングするので、実質的な焼入れ立ち上がり時間を低減し、品質の良い焼入れを行うことができる。
以上、本発明の電力供給装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、一例として、非動作周波数f2を共振周波数f1の20倍であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。共振の持続のし易さの目安となるQ値(Quality Factor)が高く負荷曲線のカーブが急峻になるようなワークであれば、例えば、共振周波数f1=10kHzに対して、非動作周波数f2=20kHz程度にしても構わない。なお、直列共振の場合、Q値はωL/Rで表すことができる。
前記実施形態では、ステップS112の処理を整合盤5が自動で行うこととして説明したが、手動で行ってもよい。その場合には、直前のステップS111にて、周波数切替制御部325が加熱不可と判定した際に、その旨を図示しない表示手段や音声アナウンス手段によって、操作者に報知する。これにより、操作者が、整合盤5において、整合コンデンサCの容量を変更したり、トランス(整合変圧器21)の図示しない1次側電圧タップを切り替えて巻数比を変更したりする操作を行うことができる。
1 誘導加熱装置
2 誘導加熱コイル
3 電力供給装置
4 電源装置
5 整合盤
6 変成盤
10 発振回路部
11 コンバータ(順変換部)
12 インバータ(逆変換)
121 出力ドライバ
21 整合変圧器
23 電流変成器
25 直列共振回路
30 制御回路部
31 順変換制御回路
33A 電流検出手段
32 周波電力比率制御回路
321 位相制御部(位相制御手段)
322 共振周波数記憶部(共振周波数記憶手段)
323 共振周波数発振器(第1発振手段)
324 非動作周波数発振器(第2発振手段)
325 周波数切替制御部(周波数切替制御手段)
33 同期回路
C 整合コンデンサ
Cf 平滑コンデンサ
SW1〜SW4 スイッチ(スイッチ手段)
W,W2 ワーク(被加熱物)

Claims (6)

  1. 順変換部と、逆変換部と、前記順変換部および前記逆変換部を制御する制御回路部とを備え、被加熱物の焼入れ用の予め定められた周波数範囲の値を有する動作周波数にて所定の焼入れ用出力の電力を誘導加熱コイルに供給する電力供給装置であって、
    前記制御回路部は、
    焼入れ前において、被加熱物の焼入れ用出力よりも低い出力であって焼入れに寄与しない予め定められた低出力にて電力を供給して負荷インピーダンスの最小となる共振周波数を検出すると共に、検出した共振周波数を前記動作周波数として記憶し、前記被加熱物の焼入れには寄与しない電流しか流れない負荷インピーダンスに対応した周波数であって前記動作周波数よりも高く予め設定された非動作周波数にて前記順変換部からの出力電圧を、前記低出力に対応した電圧値から前記焼入れ用出力に対応した目標値まで引き上げ、焼入れのための所定のタイミングで前記共振周波数に切り替える
    ことを特徴とする電力供給装置。
  2. 前記制御回路部は、
    前記逆変換部における周波数の位相を制御すると共に前記共振周波数を検出する位相制御手段と、
    前記検出された共振周波数を前記焼入れ用出力の動作周波数として記憶する共振周波数記憶手段と、
    前記共振周波数を含む動作周波数で発振する第1発振手段と、
    前記非動作周波数で発振する第2発振手段と、
    前記第1発振手段と前記第2発振手段とのうちの一方を前記逆変換部に電気的に接続するスイッチ手段と、
    前記位相制御手段および前記スイッチ手段を制御することで、前記逆変換部における周波数を、前記動作周波数および前記非動作周波数の一方に切り替える周波数切替制御手段と、を備え、
    前記周波数切替制御手段は、
    焼入れ前において、前記スイッチ手段の接続を前記第1発振手段の側に切り替えさせ、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記低出力に対応した電圧値で出力させた状態で前記位相制御手段により前記共振周波数を検出させ、
    前記共振周波数を検出後かつ焼入れ前において、前記スイッチ手段の接続を前記第2発振手段の側に切り替えさせ、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記焼入れ用出力に対応した目標値にまで引き上げさせ、
    前記出力電圧が前記目標値に達した後において、前記所定のタイミングで、前記スイッチ手段の接続を前記第1発振手段の側へ切り替えさせる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
  3. 前記周波数切替制御手段は、
    前記スイッチ手段を前記第1発振手段の側へ切り替えるための第1制御信号を出力した後に、前記スイッチ手段を前記第2発振手段の側に切り替えるための第2制御信号を出力し、前記第1制御信号と前記第2制御信号とを交互に繰り返し出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力供給装置。
  4. 被加熱物の焼入れ用の予め定められた周波数範囲の値を有する動作周波数にて所定の焼入れ用出力の電力を誘導加熱コイルに供給する電力供給装置による電力供給方法であって、
    前記電力供給装置は、順変換部と、逆変換部と、前記順変換部および前記逆変換部を制御する制御回路部とを備えており、
    前記制御回路部により、
    焼入れ前において、被加熱物の焼入れ用出力よりも低い出力であって焼入れに寄与しない予め定められた低出力にて電力を供給して負荷インピーダンスの最小となる共振周波数を検出する第1ステップと、
    検出した共振周波数を動作周波数として記憶する第2ステップと、
    前記被加熱物の焼入れには寄与しない電流しか流れない負荷インピーダンスに対応した周波数であって前記動作周波数よりも高く予め設定された非動作周波数にて前記順変換部からの出力電圧を、前記低出力に対応した電圧値から前記焼入れ用出力に対応した目標値まで引き上げる第3ステップと、
    焼入れのための所定のタイミングで前記共振周波数に切り替える第4ステップと、
    を有することを特徴とする電力供給方法。
  5. 前記制御回路部は、前記動作周波数の発振信号と前記非動作周波数の発信信号とのうちの一方を前記逆変換部に出力するスイッチ手段を備えており、
    前記制御回路部により、
    前記第1ステップにて、前記スイッチ手段の出力を前記動作周波数の発振信号の側に切り替え、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記低出力に対応した電圧値で出力させた状態で前記共振周波数を検出し、
    前記第3ステップにて、前記スイッチ手段の出力を前記非動作周波数の発振信号の側に切り替え、かつ前記順変換部からの出力電圧を前記焼入れ用出力に対応した目標値にまで引き上げ、
    前記第4ステップにて、前記スイッチ手段の出力を前記動作周波数の発振信号の側に切り替える
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力供給方法。
  6. 前記第4ステップの後に、前記スイッチ手段の出力を前記非動作周波数の発振信号の側に切り替える第5ステップを有し、前記第4ステップと前記第5ステップとを交互に繰り返す
    ことを特徴とする請求項5に記載の電力供給方法。
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