JP5953697B2 - 燃料劣化推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料の劣化を推定する燃料劣化推定装置に関する。
従来、燃料劣化を推定する装置として、駆動源として機能するモータと、燃料タンクから燃料が供給されるエンジンとを備え、外部から充電可能に構成された電動車両に適用されたものが知られている(特許文献1参照)。
この従来装置は、燃料タンク内の燃料の劣化を検出すると、燃料が劣化した旨を乗員に報知するよう構成されており、燃料性状の悪化を乗員に報知することによって、乗員に燃料の交換を促すことができる。
特開2008−302772号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、燃料劣化を、単に給油してから経過した日数や、エンジンの駆動効率に基づいて推定していたため、劣化の推定精度が十分に高いものではなかった。
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたもので、燃料タンク内の燃料劣化の推定精度を向上可能な燃料劣化推定装置を提供することを目的とする。
本発明は、燃料の劣化状態を推定する燃料劣化推定部が、燃料残量と燃料タンクの容量とに基づいて燃料タンク内の空気量を求め、この空気量に含まれる酸素量と燃料残量との物質量比に基づいて燃料の劣化状態を推定するようにした。
本発明によれば、燃料の劣化状態の推定に、燃料タンク内の空気量に含まれる酸素量と燃料量との物質量比を用いるようしている。すなわち、燃料の劣化の一因が、空気中の酸素と化学反応(酸化)することであることから、劣化推定に燃料タンク内の空気量と燃料量との物質量比を用いることにより、単に給油からの日数で劣化を検出するものと比較して、燃料劣化の検出精度を向上できる。なお、燃料の劣化は、空気中の酸素による酸化により生じるもので、空気量は、酸素量に置き換えることができる。
図1は、本発明の実施形態の燃料劣化推定装置を備えた電動車両を示す全体システム図である。 図2は、前記電動車両においてEV走行時の電費やHEV走行時の燃費を算出する制御ロジックを示すフローチャートである。 図3は、前記電動車両において給油の際の燃料給油量および燃料を給油すべき旨を乗員に報知する制御ロジックを示すフローチャートである。 図4は、給油後の経過日数と燃料の劣化度合いとの関係を示す特性図である。 図5は、給油後の経過日数と燃料の残量と燃料劣化開始日数との関係を示す特性図である。 図6は、前記電動車両において演算された燃料給油量を報知する画面の一例を示す図である。 図7は、前記電動車両において演算された燃料給油量を報知する画面の他の例を示す図である。 図8は、前記電動車両において最適給油量を演算する制御ロジックを示すフローチャートである。 図9は、前記電動車両において平均燃料消費量の演算方法を説明するための図である。 図10は、前記電動車両において空気量/燃料量の比率と給油量との関係を示す特性図である。 図11は、前記電動車両において空気量/燃料量の比率と劣化開始日数との関係を示す特性図である。 図12は、前記電動車両において平均燃料消費量と最適給油量との関係を示す特性図である。 図13は、前記電動車両におけるタンク内燃料量と劣化開始日数との関係を説明するための特性図である。 図14は、前記電動車両におけるタンク内燃料量と劣化開始日数との関係を説明するための特性図である。 図15は、前記電動車両において推定燃料消費量を演算する制御ロジックを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の燃料劣化検出装置を備えた電動車両100を示す全体システム図である。
この電動車両100は、いわゆるシリーズ方式のプラグイン・ハイブリッド車両である。
電動車両100の駆動系は、エンジン1と、発電モータ2と、駆動モータ3と、強電バッテリ4と、減速差動機構5と、駆動輪6と、発電モータ用インバータ7と、駆動モータ用インバータ8と、充電変換器9と、切替器10と、充電ポート11と、燃料タンク14と、を備えている。
この車両は、走行モードとして、電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEV走行モード」という。)を有する。EV走行モードとは、強電バッテリ4に蓄えられた電力で駆動モータ3を駆動し、駆動モータ3のみを駆動源として走行しつつ、エンジン1は非稼動のモードである。一方、HEV走行モードとは、駆動モータ3を駆動源として走行しつつも、エンジン1が充電等のために稼動するモードである。
エンジン1は、発電要求時、発電モータ2により始動され、完爆後、発電モータ2を駆動して発電する。そして、発電要求有り(HEVモード)から発電要求無し(EVモード)に移行すると、エンジン1と発電モータ2は停止する。
発電モータ2は、エンジン1に連結され、モータ機能と発電機能を発揮するモータジェネレータである。モータ機能は、エンジン1が停止状態で発電要求があったとき、強電バッテリ4の電力を消費し、エンジン1のクランキングに続いて点火させることによってエンジン1を始動するときに発揮される。発電機能は、エンジン1が駆動状態の場合、エンジン1から回転駆動パワーを受け、これを三相交流の電力に変換し、発電電力を強電バッテリ4に充電するときに発揮される。
駆動モータ3は、減速差動機構5を介して車両の駆動輪6に繋がれ、モータ機能と発電機能を発揮するモータジェネレータである。モータ機能は、発進加速時や定速走行時や中間加速時、強電バッテリ4の電力を消費し、車両を駆動するときに発揮される。発電機能は、減速時や制動時等において、駆動輪6から回転駆動パワーを受け、これを三相交流の電力に変換し、発電電力を強電バッテリ4に充電する回生発電を行うときに発揮される。
強電バッテリ4は、リチウムイオン二次電池や高容量キャパシタ等が用いられ、発電モータ2で発電された電力や駆動モータ3で回生発電された電力を蓄えると共に、駆動モータ3や発電モータ2に蓄えた電力を供給する。
発電モータ用インバータ7は、発電モータ2と強電バッテリ4との間に配置され、三相交流と直流を相互に変換する。三相交流は、発電モータ2の駆動・発電に用いられ、直流は、強電バッテリ4の充放電に用いられる。
駆動モータ用インバータ8は、駆動モータ3と強電バッテリ4との間に配置され、三相交流と直流を相互に変換する。三相交流は、駆動モータ3の駆動・発電に用いられ、直流は、強電バッテリ4の充放電に用いられる。
充電変換器9は、強電バッテリ4と充電ポート11との間に配置され、プラグイン充電中、充電ポート11から供給される交流の外部電力を、強電バッテリ4に充電可能な直流の電力に変換する。
切替器10は、発電モータ2と発電モータ用インバータ7と充電ポート11の間に配置され、発電経路・給電経路を切り替える。発電経路は、充電ポート11を切り離し、発電モータ2と発電モータ用インバータ7を接続するパターンとする。給電経路は、下記Pa,Pb,Pcの3パターンの何れかを切り替え選択する。
Pa:充電ポート11を切り離し、発電モータ2と発電モータ用インバータ7を接続することで、強電バッテリ4の電力を使用するパターン。
Pb:発電モータ2と発電モータ用インバータ7と充電ポート11を接続することで、充電ポート11と強電バッテリ4の双方の電力を使用するパターン。
Pc:発電モータ用インバータ7を切り離し、発電モータ2と充電ポート11を接続することで、充電ポート11の電力を使用するパターン。
充電ポート11は、車体の外周位置に設定され、外部充電器12の設定位置に車両を停車し、この停車状態でリッド等を開けて外部充電器12の給電プラグ13を差し込んで接続すると、充電変換器9を介して強電バッテリ4に充電(プラグイン充電)する。ここで、外部充電器12とは、自宅で深夜電力を用いて低速充電するための家庭用充電システムや、自宅から離れた出先での急速充電が可能な急速充電スタンド等をいう。
燃料タンク14は、エンジン1に供給される燃料を蓄えるための機器である。燃料タンク14に蓄えられた燃料は、燃料供給通路、燃料噴射装置(いずれも図1では不図示)を介してエンジン1に供給される。
電動車両100の制御系は、エンジンコントローラ(ECM)20と、ジェネレータコントローラ(GC)21と、モータコントローラ(MC)22と、バッテリコントローラ(LBC)23と、車両統合コントローラ(VCM)24と、ナビゲーションコントローラ(NAVI/C)25と、イグニッションキースイッチ(IGN SW)26と、燃料レベルセンサ(検出部)27aと、圧力センサ(検出部)27bと、燃料温度センサ(検出部)27cと、他のセンサ類28と、スピーカ29と、を備えている。なお、各コントローラ20、21、22、23、24は、各種データを共有化できるように、情報交換が可能なCAN通信線30により接続されている。また、各コントローラ20、21、22、23、24は、プログラムを実行するプロセッサと、プロセッサによって実行されるプログラムを格納するメモリと、プロセッサに接続されたインターフェースと、を備える。
エンジンコントローラ20は、車両統合コントローラ24からの制御指令にしたがって、エンジン1の吸入空気量・点火時期・燃料噴射量を操作することで出力トルクを制御する。
ジェネレータコントローラ21は、車両統合コントローラ24からの制御指令にしたがって、発電モータ2の入出力トルクを制御するために発電モータ用インバータ7を操作する。
モータコントローラ22は、車両統合コントローラ24からの制御指令にしたがって、駆動モータ3の入出力トルクを制御するために駆動モータ用インバータ8を操作する。
バッテリコントローラ23は、強電バッテリ4の充電率(充電容量)や入出力可能パワー等の内部状態量を推定すると共に、強電バッテリ4の保護制御を行う。以下、強電バッテリ4の充電率(充電容量)を、バッテリSOC(SOCは「State Of Charge」の略)という。
車両統合コントローラ24は、共有化した各種データに基づき、複数のコントローラ20、21、22、23を協調させながら、運転者の要求に沿ってモータ駆動出力を制御する。また、運転性と燃費(経済性)の両方を考慮しながら発電出力を制御する。この車両統合コントローラ24は、ナビゲーションコントローラ25、イグニッションキースイッチ26、燃料レベルセンサ27aと、圧力センサ27bと、燃料温度センサ27cと、他のセンサ類28からの情報を入力し、運転者を含む乗員に通知すべき情報をナビゲーションコントローラ25、スピーカ29に出力する。
ナビゲーションコントローラ25は、衛星からのGPS信号を用いて自車位置を検出すると共に、DVD等に記憶された地図データに基づいて、目的地までの経路探索や誘導を行う。ナビゲーションコントローラ25により得られた地図上での自車位置情報は、自宅位置情報や充電スタンド位置情報と共に、車両統合コントローラ24に対して供給される。このナビゲーションコントローラ25は、乗員が各種情報を入力するための入力装置を備えている。乗員は、入力装置を用いて目的地や予定走行距離を入力することができる。
イグニッションキースイッチ26は、エンジン1の点火装置のスイッチである。このイグニッションキースイッチ26は、スターターモータとして発電モータ2を駆動させるスイッチも兼ねている。
燃料レベルセンサ27aは、燃料タンク14に蓄えられた燃料の残量を検知するセンサである。
圧力センサ27bは、燃料タンク14内の圧力を検出するセンサである。
燃料温度センサ27cは、燃料タンク14内の燃料の温度を検出するセンサである。
他のセンサ類28は、アクセル開度センサや車輪速センサ等の各種センサである。
スピーカ29は、音声を出力する装置である。
次に、図2に基づいて、電動車両100においてEV走行時の電費やHEV走行時の燃費を算出する制御ロジックを説明する。なお、以下の説明においては、各コントローラ20、21、22、23、24を総称して、コントローラ31という。
まず、ステップS1では、コントローラ31が、イグニッションキースイッチ26がオンか否かを判定し、イグニッションキースイッチ26がオンの場合はステップS2に進み、イグニッションキースイッチ26がOFFの場合は1回の処理を終了する。
イグニッションキースイッチ26がONの場合に進むステップS2では、コントローラ31は、バッテリSOC(現時点での強電バッテリ4の充電残容量)が、あらかじめ設定された閾値SOCh(HEV走行モードに移行するSOC下限値)よりも大きいか否かを判定し、SOC>SOCh(YES)の場合はステップS3に進み、SOC≦SOCh(NO)の場合はステップS4に進む。
バッテリSOCが閾値SOChより大きい場合に進むステップS3では、強電バッテリ4への充電を行う必要がないため、コントローラ31は、電動車両100がEV走行モードで走行するよう制御して、ステップS5に進む。
一方、バッテリSOCが閾値SOChより小さい場合に進むステップS4では、強電バッテリ4への充電が必要であるため、コントローラ31は、電動車両100がHEV走行モードで走行するよう制御して、ステップS5に進む。
ステップS5では、コントローラ31は、イグニッションキースイッチ26がオフか否かを判定し、オフの場合はステップS6に進み、オフでない場合はステップS2に戻る。
イグニッションキースイッチ26がオフの場合に進むステップS6では、コントローラ31は、前回給油時(給油を認識した時)からの経過日数Df(単位「日」)、1トリップ(1回の走行)あたりの走行距離D(単位「km」)、EV走行に使った電力消費量FCev(単位「kWh」)、HEV走行に使った燃料消費量FEhev(単位「L」)、EV走行時の電費(単位「km/kWh」)、HEV走行時の燃費(単位「km/L」)を演算し、コントローラ31のメモリ(図示省略)に記録する。
なお、EV走行時の電費(km/kWh)は、EV走行モードでの走行時に強電バッテリ4から持ち出した電力量(kWh)と、EV走行モードでの走行距離(km)とに基づいて算出する。
また、HEV走行時の燃費(km/L)は、HEV走行モードでの走行時のインジェクタ(図示省略)からの燃料噴射量を積算することで燃料消費量(L)を算出し、算出された燃料消費量(L)と、HEV走行モードでの走行距離(km)とに基づいて算出する。
また、燃料消費量FEhevの演算は、燃料タンク14に設置された燃料レベルセンサ27aによる計測値に基づいて、前回給油時の燃料レベルと、その時点で検出される燃料レベルとの差に基づいて算出してもよいし、エンジンコントローラ20などにより燃料噴射パルスを積分した値から算出してもよい。
以上に示す処理により、コントローラ31は、1トリップあたりのEV走行時の電費やHEV走行時の燃費を算出し、算出されたEV走行時の電費やHEV走行時の燃費に加え、前回給油時からの経過日数Dfを記録する。
次に、図3に基づいて、電動車両100において、給油量FEの報知及び燃料を給油すべき旨の乗員への報知を行なう制御ロジックについて説明する。なお、コントローラ31は2つのフラグa、bを有し、このフラグa、bを用いて図3に示す制御ロジックを実行する。これらフラグa、bの値は1トリップ毎に0にリセットされる。
まず、ステップS11では、コントローラ31は、フラグa=1であるか否かを判定し、フラグa=1の場合はステップS13に進み、フラグa≠1の場合はステップS12に進む。
ステップS11にてフラグa≠1の場合に進むステップS12では、コントローラ31は、前回給油時からの経過日数Dfが、あらかじめ設定された閾値日数Tre以下であるか否かを判定し、Df≦Treの場合はステップS13に進み、Df>Treの場合はステップS26に進む。
ここで、閾値日数Treについて、図4を用いて説明する。
図4は、給油後の経過日数Dfと燃料の劣化度合いとの関係を示す図であって、この図に示すように、給油後の経過日数Dfは、ある閾値日数Tre(目安としては、例えば90日程度)より大きくなると、燃料の劣化度合いが高くなる性質を有する。燃料の劣化とは、燃料タンク14内の燃料が同タンク内の酸素と化学反応し、酸化劣化することである。
このような燃料の酸化劣化は、この実施形態で示すようなシリーズ方式のプラグイン・ハイブリッド車両においては、毎日充電を行い、通勤の往復は全てEV走行モードで走行するような使用形態の場合、平日に燃料が消費されにくくなって生じる傾向にある。
なお、燃料の酸化劣化について補足すると、燃料は満タン時が最も空気層が少なく酸化劣化が起こりにくい。また、新たに入れた燃料には酸化防止剤が入っているため、給油後は燃料の劣化度合いが下がる傾向にある。また、燃料タンク14として密閉タンクを用いることによって、燃料タンク14内の酸素温度は変化しないため、より効果的に燃料劣化を防止できる。
以上のことから、閾値日数Treは、燃料タンク14内の燃料の劣化を防止し、燃料の性能を保障可能な日数であると言い換えることができる。そのため、前述のステップS12では、前回給油時からの経過日数Dfと閾値日数Treとを比較することによって、燃料の劣化度合いが高いか否かを判定している。なお、この閾値日数Treは、燃料劣化開始日数より小さい(燃料劣化開始日数より大きくない)ことが望ましい。
さらに、図5を用いて給油後の経過日数Df及び閾値日数Treと燃料残量FEzaとの関係を説明する。
パターン1は、閾値日数Treの経過前に燃料タンク14内の燃料を消費可能なパターンを示している。この場合、運転者への報知は給油時における給油量FEの報知のみに限られる。これは、満タン給油しても燃料が劣化しない使用形態のケースである。
パターン2は、燃料劣化が起こり得る環境にあるパターンである。この場合、運転者への給油の報知は、劣化開始日数(閾値日数Tre)より前に行われることが望ましい。
パターン3は、ほとんどEV走行モードでの走行のため、燃料消費が少なく、最も燃料劣化しやすい環境にあるパターンを示している。この場合、運転者への給油の報知は、パターン2と同様に、劣化開始日数(閾値日数Tre)より前に行われることが望ましい。また、可能な限り燃料を多く入れることが望ましい。
なお、図5に示すパターン2、パターン3において、例えば、15L燃料が減った段階で、満タンにすることにより、空気(酸素)がなくなることで、酸化が抑制される。さらに、新たに給油した15Lの燃料の中に酸化防止剤が入っているため、これによっても酸化が抑制される。
図3に戻り、ステップS12にてDf≦Treであって燃料が劣化していない場合に進むステップS13では、コントローラ31は、ガソリン給油意図が検知されたか否か判定し、給油意図検知の場合はステップS14に進み、給油意図否検知の場合は1回の処理を終了する。
なお、ガソリン給油の意図がある場合とは、ナビゲーションコントローラ25によって得られるGPS情報に基づいて、電動車両100が給油所にいると判定された場合や、給油口が開かれたことを検出した場合等である。
ステップS13においてガソリン給油意図検知の場合に進むステップS14では、コントローラ31は、燃料タンク14内の燃料残量FEza(単位「L」)を演算した後、ステップS15に進む。この燃料残量FEzaの演算は、本実施の形態では、イグニッションキースイッチ26のキーオフの毎に実行されるが、常時行われるものであっても構わない。また、燃料残量FEzaの演算方法には、燃料レベルセンサ27aによって計測される燃料タンク14内の燃料の油面と、Gセンサ情報によって取得される現在の傾斜とに基づいて演算する方法や、給油終了後初回の燃料タンク14内の燃料の油面を燃料レベルセンサ27aによって計測し、計測される燃料の油面と、HEV走行時の燃料消費量FEhevの演算値とに基づいて演算する方法等がある。
ステップS15では、コントローラ31は、最適給油量FEsa(単位「L」)を演算した後、ステップS16に進む。最適給油量FEsaとは、ユーザの行動パターン(過去の車両の使用履歴を含む)を考慮して決定される、燃料の劣化を防止可能な給油量の最適値である。この最適給油量FEsaの演算方法については、図8を用いて具体的に後述する。
ステップS16では、コントローラ31は、フラグb=1であるか否か判定し、フラグb=1の場合はステップS23に進み、フラグb≠1の場合はステップS17に進む。
ステップS17では、コントローラ31は、タンク容量FEta(最大燃料容量、単位「L」)が、燃料残量FEzaと最適給油量FEsaとの和よりも大きいか否か、すなわち、最適給油量FEsaを燃料タンク14に給油可能か否かを判定する。そして、ステップS17において、FEta>FEza+FEsaの場合、すなわち、燃料タンク14内に、最適給油量FEsaを給油するだけの空きがある場合、コントローラ31は、ステップS18に進む。一方、ステップS17において、FEta≦FEza+FEsaの場合(S17でNO)、すなわち、燃料タンク14内に、最適給油量FEsaを給油するだけの空きがない場合、コントローラ31は、ステップS23に進む。
ステップS18では、コントローラ31は、ナビゲーションコントローラ25においてナビ目的地情報が有るか否か、すなわち目的地が設定されているか否かを判定し、目的地設定時はステップS19に進み、目的地非設定時はステップS22に進む。
ステップS19では、コントローラ31は、推定燃料消費量FEsu(単位「L」)を演算した後、ステップS20に進む。推定燃料消費量FEsuとは、それまでの走行距離から推定される、目的地までの燃料消費量である。推定燃料消費量FEsuの演算方法については、図9を用いて具体的に後述する。
ステップS20では、コントローラ31は、タンク容量FEtaが、燃料残量FEza、最適給油量FEsa、推定燃料消費量FEsuの和よりも大きいか否か判定し、前記和よりも大きい場合はステップS21に進み、前記和以下の場合はステップS23に進む。
すなわち、ステップS20では、最適給油量FEsa及び推定燃料消費量FEsuを燃料タンク14に給油可能か否かを判定する。FEta>FEsa+FEsu+FEzaの場合(S20でYES)は、燃料タンク14内に、最適給油量FEsa及び推定燃料消費量FEsuを給油するだけの空きがある場合である。この場合、コントローラ31は、ステップS21に進んで、ユーザに報知する給油量FE(単位「L」)として、FE=FEsa+FEsu−FEzaを設定する。
一方、FEta≦FEsa+FEsu+FEzaの場合(S20でNO)は、燃料タンク14内に、最適給油量FEsa及び推定燃料消費量FEsuを給油するだけの空きがない場合である。この場合、コントローラ31は、ステップS23に進んで、ユーザに報知する給油量FEとして、FE=FEta−FEza、すなわち満タンを設定する。
なお、ステップS18において、目的地が設定されていない場合(S18でNO)に進むステップS22では、コントローラ31は、ユーザに報知する給油量FEとして、FE=FEsa−FEzaを設定する。
ステップS21、S22、S23から進むステップS24では、コントローラ31は、ユーザに給油量FEを報知した後、ステップS25に進む。給油量FEの報知方法には、スピーカ29を用いたナビ音声ガイダンス、ナビゲーションコントローラ25を用いたナビ画面上へ表示、メータ内インジゲ―タへ表示、ナビゲーションコントローラ25と接続された携帯電話を介した報知方法等がある。
図6は、給油量FEを報知する画面の一例を示す図である。図7は、給油量FEを報知する画面の他の例を示す図である。
図6のケースは、ステップS21、S22で給油量FEが演算された場合に、18Lの燃料を給油すべき旨をナビ画面上に表示する例である。図7のケースは、ステップS23で給油量FEが演算された場合に、満タンの燃料を給油すべき旨をナビ画面上に表示する例である。
図3に戻りステップS25では、コントローラ31は、ユーザによる給油後、燃料タンク14内の燃料残量FEzaを演算し、この燃料残量FEzaをメモリに記録して、1回の処理を終える。
次に、ステップS12において、経過日数Dfが閾値日数Treより大きい場合に進むステップS26では、燃料が劣化しているため、コントローラ31は、給油に行くよう報知した後、ステップS27に進む。ここでは報知方法は、前述の給油量の報知方法と同様である。
ステップS27では、コントローラ31は、フラグa、フラグbのそれぞれに、1を設定した後、1回の処理を終える。このステップS27の処理により、同一のトリップ内で図3に示す一連の処理が再び実行されると、必ずステップS11でYESとなり、ステップS26に進まない。そのため、ステップS26の報知処理が繰り返されることによる乗員の煩わしさを低減できる。同様に、同一のトリップ内で図3に示す一連の処理が再び実行されると、必ずステップS16でYESとなり、その後ステップS23においてユーザに報知する給油量FEとして、満タンが設定される。そのため、燃料が劣化している場合には、一律満タンの燃料を給油するよう指示することによって、燃料の劣化を抑制することができる。
以上に示す処理により、コントローラ31は、前回給油時からの経過日数や、ガソリン給油の意図や、ナビ目的地情報に応じて、給油すべき給油量、又は、給油所に行くべき旨の給油指示を乗員に報知する。
なお、ステップS13の処理により、コントローラ31は、ナビゲーションコントローラ25によって得られるGPS情報に基づいて、電動車両100が給油所にいると判定された場合に給油量を報知している。このように、燃料給油前であるという報知が必要なタイミングでのみ報知することによって、乗員の煩わしさを低減することができる。
また、ステップS21の処理により、コントローラ31は、給油量FEが、最適給油量FEsaと目的地までの推定燃料消費量FEsuとの和になるようにしている。燃料劣化を考慮した少量の給油(最適給油量FEsa)では、長距離走行時には、乗員の給油所に行く回数を増やし、逆に煩わしさを伴ってしまう。そこで、目的地が設定されている場合は、目的地までの距離に基づいて決定される推定燃料消費量FEsuを加味した給油量FEを報知することによって、乗員の煩わしさを低減しつつ、燃料タンク14内で劣化し得る余分な燃料の給油を防止することができる。なお、詳細には図10を用いて後述するが、予定走行距離が入力された場合、入力された予定走行距離に基づいて決定される推定燃料消費量FEsuを加味した給油量FEを報知してもよい。
また、ステップS26の処理により、コントローラ31は、前回給油時からの経過日数Dfが燃料劣化を考慮した所定の閾値日数Treを超えた場合、運転中であっても給油所に行くべき旨を報知している。このように、燃料タンク14内に燃料が残っていて給油する必要が無い状態であっても給油をするよう報知することによって、燃料の劣化を回避することができる。
また、ステップS24、S26の処理において、コントローラ31は、乗員に、給油すべき給油量FE、又は給油に行くべき旨を通知しているが、報知対象者は乗員には限らない。例えば、報知対象者は、給油所の店員でもよい。
また、ステップS23及びS24の処理において、コントローラ31は、給油すべき給油量FEが満タンである旨を報知しているが、満タンにするための給油量を報知してもよい。
なお、ステップS26の処理において、コントローラ31は、給油所に行くべき旨を報知する代わりに、給油すべき給油量FEが満タンである旨を報知してもよい。このように、満タン給油をするよう報知することによって、燃料タンク14内の燃料を劣化させる酸素の量を減らすことができるとともに、新たな燃料に含まれる酸化防止剤によって、燃料の酸化を抑制することができる。
また、ステップS12、S26の処理において、コントローラ31は、前回給油時からの経過日数Dfが燃料劣化を考慮した所定の閾値日数Treを超えた場合、給油所に行くべき旨を報知しているが、給油所に行くべき報知を行うのは、この場合に限らない。例えば、従来のように、燃料タンク14内の燃料残量FEzaが所定の閾値(例えば図5の破線min)よりも少なくなった場合、給油所に行くべき旨を報知してもよい。
次に、ステップS15においてコントローラ31が最適給油量FEsaを演算するための制御ロジックを、図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS31では、コントローラ31は、記録されている前回給油時からの経過日数Dfを求め、次のステップS32に進む。
ステップS32では、前回給油時からの燃料消費量FEhevを求め、次のステップS33に進む。なお、前回給油時からの経過日数Dfと燃料消費量FEhevとは、いずれも図2のステップ6において算出されている。
次のステップS33では、1日あたりの平均燃料消費量FEdayを算出した後、ステップS34に進む。ここで、1日あたりの平均燃料消費量FEdayは、下記の式(1)のように、前回給油時からの燃料消費量FEhevを前回給油時からの経過日数Dfで除算して求める。
FEday=FEhev/Df ・・・・(1)
なお、平均燃料消費量FEdayの算出について、図9により説明を加える。図9は、給油後の経過日数Dfと、EV走行モード及びHEV走行モードでの走行距離(km/day)との関係の一例を示している。
この図に示すように、過去の使用履歴の中で、イレギュラーな走行履歴が存在する場合がある。例えば、給油後の経過日数Dfが21日目では、HEV走行モードでの走行距離が飛びぬけて多くなっている。仮に、このようなイレギュラーな走行履歴を加味して、ステップS33において平均燃料消費量FEdayを演算すると、演算された平均燃料消費量FEdayに基づいて算出される燃料消費量FEhevに誤差が生じてしまう。
そこで、ステップS33において平均燃料消費量FEdayを演算する場合、コントローラ31は、このようなイレギュラーな走行履歴を除いて平均燃料消費量FEdayを演算することが望ましい。これにより、正確な平均燃料消費量FEdayを計算し、燃料タンク14内で劣化し得る余分な燃料の給油を防止することができる。なお、図9では縦軸は、一日当たりの走行距離を示しているが、この縦軸を、1トリップあたりの走行距離としてもよい。
ステップS34では、給油予定の燃料性状を読み込んで、還元剤量を求めた後、次のステップS35に進む。ここで、燃料性状とは、レギュラーガソリン、ハイオクガソリンなどであり、これはユーザが、車載のナビゲーションコントローラ25の入力装置の画面やスイッチなどを用いて、あらかじめあるいは給油時に入力する。また、還元剤量は、コントローラ31のメモリに、燃料性状に応じた還元剤量があらかじめ入力されており、入力された燃料性状に応じて還元剤量を求める。また、還元剤量に代えて燃料に対する還元剤の物質量をデータとして記録し、このステップS34で求めるようにすることもできる。
ステップS35では、コントローラ31は、圧力センサ27b及び燃料温度センサ27cの出力に基づいて、燃料タンク内空気等価温度Tt、燃料等価温度Tf、燃料タンク内等価圧力Ptを求めた後、ステップS36に進む。
ここで、燃料タンク内空気等価温度Tt及び燃料等価温度Tfは、本実施の形態では、燃料タンク14内に設置された燃料温度センサ27cの出力に基づいて燃料等価温度Tfを算出し、これに基づいてさらに燃料タンク内空気等価温度Ttを算出する。なお、各温度Tt,Tfを求めるにあたり、燃料タンク14内の燃料温度、空気温度をそれぞれ検出してもよいし、あるいは、本実施の形態とは逆に燃料タンク14の空気温度を検出して、この値から燃料等価温度Tfを算出してもよい。さらに、車両に設置された外気温度センサが検出する外気温度あるいは燃料タンク14の外部に設置された燃料タンク温度センサが検出する燃料タンク温度などを用いて、各温度Tt,Tfを算出してもよい。
また、燃料タンク内等価圧力Ptは、本実施の形態では、燃料タンク14内に設置された圧力センサ27bにより検出しているが、車両に設置された外気圧センサの検出値から推定値を算出するようにしてもよい。
ステップS36では、予定給油量FEyoと酸素量/燃料量比(物質量比Rof)との関係を演算し、次のステップS37に進む。ここで、酸素量は、燃料タンク14のタンク容量から燃料量を差し引いて燃料タンク14内の空気量を求め、さらに、この空気量に占める酸素量を求めることで得られる。
すなわち、図10に示すように、燃料タンク14における給油量と、酸素量/燃料量比である物質量比Rofとは、1対1で関係付けられ、コントローラ31のメモリにデータとして記録されている。このように、給油量と物質量比Rofとの関係は、給油量が多いほど物質量比Rofが下がる特性である。また、燃料タンク内空気等価温度Ttが高いほど、あるいは燃料タンク内等価圧力Ptが低いほど、燃料タンク14内の酸素量が減るため、給油量に対する物質量比Rofは、図において矢印Y1で示す側である点線で示す低比率側にシフトする特性に設定されている。
そこで、ステップS36では、以下に述べる手順で予定給油量FEyoから物質量比Rofを求める。まず、ステップS35において読み込まれた燃料タンク内等価圧力Pt、燃料タンク内空気等価温度Tt及び予め車両ごとに設定されているタンク容量FEtaと、これから給油されるであろう予定給油量FEyoとから、給油後の燃料タンク14内に存在する酸素の物質量nO2を、下記の式(2)により算出する。
nO2(mol)=
Pt(Pa)×酸素分率×(FEta−FEyo−FEza)/(気体定数(Jmol/K)×Tt(K) ・・・・(2)
なお、(FEta−FEyo−FEza)は、給油後に燃料タンク14内に空気が占める容積である。
さらに、燃料タンク14内の燃料残量FEza(m)と、予定給油量FEyo(m)と、燃料密度(g/m)と燃料分子量(g/mol)と、に基づいて、下記の式(3)により給油後の燃料タンク14内の燃料の物質量(nf)を算出する。
nf=(FEza+FEyo)×燃料密度÷燃料分子量・・(3)
そして、給油後の燃料タンク14内に存在する酸素の物質量nOと上記給油後の燃料タンク14内の燃料の物質量nfとに基づいて、給油後の燃料タンク14内の酸素と燃料との物質量比Rofを、下記式(4)により算出する。
Rof=nO(mol)÷nf(mol) ・・・(4)
このステップS36で求めた燃料タンク14内の酸素と燃料の物質量比Rofと予定給油量FEyoとの関係とは、1対1で関係付けられ、コントローラ31のメモリにデータとして記録する。
ステップS37では、ステップS36で得られた酸素と燃料との物質量比Rofとあらかじめ記憶された燃料劣化特性に基づいて、劣化開始日数との関係を算出し、次のステップS38に進む。
この燃料劣化特性は、あらかじめコントローラ31のメモリに記憶されている。この燃料劣化特性は、図11に示すように、酸素と燃料との物質量比Rofが低くなるほど、劣化開始日数が長くなる特性を有している。さらに、この燃料劣化特性は、温度が高いほど、また、還元剤量が少ないほど、酸化が進みやすく、矢印Y2で示す側にシフトして点線で示すように劣化開始日数が少なくなる特性となっている。なお、この燃料劣化特性は、燃料を空気に触れさせた状態で放置した際の量と劣化開始までの日数との関係を、燃料の性状別にあらかじめ実験により計測し、燃料タンク14内の酸素と燃料との物質量比Rofと劣化開始日数とが1対1で関係付けられ、これがコントローラ31のメモリにあらかじめ記録されている。
ステップS38では、ステップS33で得られた1日あたりの平均燃料消費量FEdayとステップS37で得られた劣化開始日数に対応した図12に示すマップとに基づいて、最適給油量FEsaを演算する。
すなわち、まず、予定給油量FEyoとステップS37で得られた劣化開始日数とに基づき劣化開始までに1日あたりに消費すべき平均燃料との関係を算出する。さらに、ステップS33で得られた前回の給油時からの1日の平均燃料消費量FEdayと読み込まれた燃料性状の違いによる還元剤量及び温度(燃料等価温度Tf)に応じ、最適給油量FEsaを演算する。つまり、1日あたりに消費すべき平均燃料が、1日の平均燃料消費量FEdayを越えない範囲で、図12のマップに基づいて最適給油量FEsaを設定する。この最適給油量FEsaは、燃料を給油してから閾値日数Treが経過するまでの毎日、平均燃料消費量FEdayでの走行を維持するために必要な燃料の量である。
なお、図12に示すマップは、1日あたりの平均燃料消費量FEdayに応じた最適給油量FEsa(L)を示すマップである。そして、最適給油量FEsaは、温度(燃料等価温度Tf)が高いほど、還元剤の量が少ないほど、図において矢印Y3の方向にシフトして、点線で示すように平均燃料消費量FEdayに応じた値が低くなるよう設定されている。
この最適給油量FEsaは、劣化開始日数として従来のように一定値を用いた場合には、図において一点鎖線に示すように、1日あたりの平均燃料消費量FEdayに対する1次関数で設定することができる。それに対し、本実施の形態では、劣化開始日数として、一定値ではなく、酸素/燃料の物質量比Rofに応じて設定する変数を用いるため、図12に示すように、一次特性とは異なる特性となる。すなわち、劣化開始日数が一定の1次特性と比較して、平均燃料消費量FEdayが低い側では最適給油量FEsaを低く抑えるように垂れ下がり、平均燃料消費量FEdayが高い側では最適給油量FEsaを高く立ち上がるような曲線的な特性に設定されている。加えて、温度(燃料等価温度Tf)及び還元剤量に応じ、温度が高くなるほど、還元剤量が少なくなるほど、最適給油量FEsaを抑え、燃料タンク14における燃料の残存期間を短くして劣化を抑えるように設定している。
以上述べてきた処理により、コントローラ31は、最適給油量FEsaを演算することができる。
なお、コントローラ31は、特に、電動車両100の過去の使用履歴(過去の燃料消費量、図9参照)を基に、最適給油量FEsaを演算している。すなわち、過去の車両使用履歴から求めた燃料消費量FEhevを基に、給油してから燃料劣化に至るまでの閾値日数Treを走行するのに必要な燃料を推定し、給油時に、給油し過ぎないように報知する。これにより、燃料タンク14内の燃料が劣化し始める前に、通常通りの燃費で燃料を消費することができる。
また、コントローラ31は、一連の処理により求められる燃料を給油してから燃料の劣化が開始するまでの日数を走行するのに必要な最適給油量FEsaに基づいて、図3に示す制御フローに従って、給油すべき給油量FEを決定している。これにより、給油した燃料が劣化し始める日前までに、燃料タンク14内の燃料を使い切ることができる。そのため、燃料タンク14内で劣化し得る余分な燃料の給油を防止することができる。
また、コントローラ31は、前回給油時からの経過日数Dfと、その間HEV走行に使った燃料消費量FEhevとから求められる1日当たりの平均燃料消費量FEdayと、給油してから燃料の劣化が開始するまでの閾値日数Treとに基づいて、最適給油量FEsaを算出している。これにより、給油した燃料が劣化し始める日前までに、燃料タンク14内の燃料を消費することができる。そのため、燃料タンク14内で劣化し得る余分な燃料の給油を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、燃料タンク14の内の燃料の劣化程度は、燃料タンク14内に存在する酸素量により異なることから、劣化開始日数を、酸素/燃料の物質量比Rofに応じて推定するようにした。このため、従来のように劣化開始日数を一定とした場合と比較して、劣化推定時の予測精度が向上する。
その例を図13及び図14に示している。
図13に示す例では、点線で示す劣化開始日数が一定の場合では、燃料劣化が生じてしまっていたケースで、本実施の形態では、実線で示すように、燃料劣化が生じる前に燃料を使い切る最適給油量指示を行っている。これは、物質量比Rofに応じ、タンク内の酸素量が多い場合には、劣化開始日数を短く設定することや、あるいは、燃料等価温度Tfが高い場合や、還元剤量が少ない場合には、劣化開始日数を低く設定することにより得られる。
また、図14に示す例では、点線で示す劣化開始日数が一定の場合、燃料劣化前に燃料不足となり得るケースで、本実施の形態では、実線で示すように、燃料劣化時点まで燃料が残るような最適給油量指示を行っている。これは、物質量比Rofに応じ、タンク内の酸素量が少ない場合には、劣化開始日数を長く設定することや、あるいは、燃料等価温度Tfが低い場合や、還元剤量が多い場合には、劣化開始日数を高く設定することにより得られる。
しかも、本実施の形態では、図10に示すように、燃料タンク内空気等価温度Ttと燃料タンク内等価圧力Ptに基づいて、給油量FEに対応する物質量比Rofを補正している。このため、この補正を行わないものと比較して、物質量比Rofの推定精度が向上し、これにより、物質量比ROFに基づいて推定する劣化開始日数(劣化状態)の推定精度が向上する。
加えて、本実施の形態では、図11に示すように、燃料等価温度Tf及び還元剤量に応じ、温度が高くなるほど、還元剤量が少なくなるほど、物質量比Rofに対する劣化開始日数が早まる側に補正している。このため、燃料等価温度Tfと還元剤量とに応じた補正を行わないものと比較して、劣化開始日数(劣化状態)の推定精度がより高くなる。
さらに、本実施の形態では、図12に示すように、最適給油量FEsaの設定において、燃料等価温度Tf及び還元剤量に応じ、温度が高くなるほど、還元剤量が少なくなるほど、最適給油量FEsaを抑えている。これにより、燃料タンク14における燃料の残存期間を短く設定して燃料劣化を抑えることができる。
次に、ステップS19における推定燃料消費量FEsuの演算の制御ロジックを図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS41では、コントローラ31は、現時点での強電バッテリ4の充電残容量であるバッテリSOC、目的地までの距離Dmo、目的地までの道路の勾配、ヒータ及びエアコンのオン/オフ状態から、強電バッテリ4が劣化しない場合のEV走行モードでの走行距離De(単位「km」)を演算し、次のステップS42に進む。
ステップS42では、コントローラ31は、それまでの使用履歴から、強電バッテリ4の劣化度合いを示す劣化係数Kbを演算し、次のステップS43に進む。
なお、劣化係数Kbとは、強電バッテリ4が劣化しない場合のEV走行モードでの走行可能距離Deに対する目減りを表す。なお、ステップS42でいう「これまでの使用履歴」とは、過去の走行における、強電バッテリ4からの電力取り出し量や時間等から決まる経時劣化の履歴である。
ステップS43では、コントローラ31は、EV走行モードでの走行可能距離Dev(単位「km」)を算出して、ステップS44に進む。なお、EV走行モードでの走行可能距離Devは、ステップS41で演算されたEVモードでの走行距離Deと、ステップS42で演算された劣化係数Kbとの乗算によって、強電バッテリ4が劣化する場合を考慮して求める。
ステップS44では、コントローラ31は、ナビゲーションコントローラ25における目的地の設定に基づいてステップS41において算出した目的地までの距離Dmo(単位「km」)を読み込み、ステップS45に進む。
ステップS45では、コントローラ31は、ステップS44で読み込んだ目的地までの距離Dmoから、ステップS43で算出したEV走行モードでの走行可能距離Devを減算して、HEV走行モードでの走行距離Dhev(単位「km」)を演算し、ステップS46に進む。
ステップS46では、コントローラ31は、ステップS45で演算されたHEV走行モードでの走行距離Dhev(単位「km」)を、メモリ中に格納されたHEV走行時の平均燃費(図2のステップS6の説明を参照、単位「km/L」)によって除算することによって、推定燃料消費量FEsuを演算する。
以上の処理により、コントローラ31は、推定燃料消費量FEsuを演算することができる。
なお、コントローラ31は、一連の処理により、強電バッテリ4の劣化度合いを示す劣化係数Kbを用いてEV走行モードでの走行可能距離Devを算出し、目的地までの距離DmoからEV走行モードでの走行可能距離Devを減じたHEV走行モードでの走行距離Dhevに基づいて、推定燃料消費量FEsuを演算している。このように、強電バッテリ4の劣化状態を加味したEV走行モードでの走行可能距離Devを用いることによって、より正確なHEV走行モードでの走行距離Dhevを推定することができる。また、推定された走行距離Dhevを考慮して推定燃料消費量FEsuを算出することができる。そのため、より正確に給油すべき給油量を報知することができ、乗員の煩わしさを低減しつつ、燃料タンク14内で劣化し得る余分な燃料の給油を防止することができる。
また、ステップS44の処理において、コントローラ31は、ナビゲーションコントローラ25における目的地の設定に基づいて、目的地までの距離Dmoを算出しているが、この距離Dmoの算出方法はこれに限定されない。例えば、ナビゲーションコントローラ25が備える入力装置への予定走行距離の入力を乗員に促し、乗員によって入力された予定走行距離を目的地までの距離Dmoとして設定してもよい。この場合、給油すべき給油量FEを報知する前に、乗員に対して予定走行距離の入力を促すことによって、正確な予定走行距離を踏まえた給油量FEを報知することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
具体的には、実施の形態では、本発明をシリーズ方式のプラグイン・ハイブリッド車両に適用した例を示したが、このような電動車両としては、エンジンとモータを有し、少なくともモータを駆動源とする車両であれば、シリーズ方式のプラグイン・ハイブリッド車両には限らない。例えば、パラレル方式のプラグイン・ハイブリッド車両などでもよい。さらに、本発明は、エンジン及び燃料タンクを有したものであれば、電動車両以外の車両に適用できる他、車両以外の船舶や産業機器などにも適用することができる。
1 エンジン
14 燃料タンク
25 ナビゲーションコントローラ(性状検出部)
27a 燃料レベルセンサ(検出部:燃料量検出部)
27b 圧力センサ(検出部:タンク内圧力検出部)
27c 燃料温度センサ(燃料等価温度検出部)
28 他のセンサ類(検出部)
31 コントローラ(燃料劣化推定部:燃料等価温度検出部)

Claims (5)

  1. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクから燃料が供給されるエンジンと、
    前記燃料の消費に関するデータを検出する検出部と、
    前記検出部に含まれ、前記燃料タンクの燃料残量を検出する燃料量検出部と、
    前記燃料残量と前記燃料タンクの容量とに基づいて前記燃料タンク内の空気量を求め、この空気量に含まれる酸素量と前記燃料残量との物質量比に基づいて前記燃料の劣化状態を推定する燃料劣化推定部と、
    給油時からの燃料消費量と経過日数とに基づいて1日あたりの平均燃料消費量を演算する処理部と、
    給油時に、給油してから燃料の劣化が開始するまでの日数を走行するのに必要な最適給油量を演算する処理部と、
    を備え、
    前記最適給油量を演算する処理部は、
    給油前の前記燃料残量と給油量と給油後の前記酸素量とに基づいて、給油後の前記燃料タンク内の前記酸素量と給油後の前記燃料タンク内の前記燃料残量との物質量比を算出し、前記給油量と前記物質量比とを関係付ける処理と、
    あらかじめ記憶された燃料劣化特性に基づいて、前記物質量比と劣化開始日数との関係を算出する処理と、
    前記給油量と前記物質量比との関係と、前記物質量比と前記劣化開始日数との関係と、に基づいて給油してから劣化開始日が経過するまで、毎日の前記平均燃料消費量の走行を可能とする最適給油量を算出する処理と、を実行することを特徴とする燃料劣化推定装置。
  2. 前記燃料劣化推定部は、あらかじめ前記物質量比と劣化開始日数との関係を示す劣化開始日数特性が設定され、この劣化開始日数特性は、前記燃料残量に対する前記酸素量の前記物質量比が大きくなるほど劣化開始日数が短くなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料劣化推定装置。
  3. 前記検出部は、前記燃料タンクの燃料温度、前記燃料タンクのタンク内温度、前記燃料タンクの温度、外気温度の少なくとも一つを用いて前記燃料タンク内の燃料温度を求める燃料等価温度検出部を備え、
    前記燃料劣化推定部は、前記劣化状態の推定に前記燃料等価温度を用いて前記酸素量と前記燃料残量との前記物質量比を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料劣化推定装置。
  4. 前記検出部は、前記燃料タンク内の圧力を検出するタンク内圧力検出部を備え、
    前記燃料劣化推定部は、前記タンク内圧力を用いて前記酸素量と前記燃料残量との前記物質量比を補正することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料劣化推定装置。
  5. 前記検出部は、前記燃料タンクの燃料の性状を検出する性状検出部を備え、
    前記燃料劣化推定部は、前記燃料性状を用い、この燃料性状が示す還元剤量に応じ、この還元剤量が少ないほど劣化が早まる側に前記劣化状態を補正することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料劣化推定装置。
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