JP5951149B1 - 情報処理装置及び情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
ピーク電力は、任意の期間(例えば、一日)における最大の需要電力量である。
ピーク電力を抑制する方法の1つにピークシフト技術がある。
ピークシフト技術では、図32のようにピーク電力前に予冷もしくは予熱を行い、ピーク電力時に空気調和機を停止することで、快適性を保ちつつピーク電力を抑制する技術である。
これにより、ピーク電力となる時刻に空気調和機を停止しても冷房時は事前に室温が低く、暖房時は高くなっているため、快適性の低減を抑えつつ、ピーク電力の抑制を達成している。
また、特許文献1の技術では、空気調和機から供給される熱量を元に決められた室温まで下げるのにかかる予冷時間、もしくは、決められた室温まで上げるのにかかる予熱時間を算出し、図33のように決められた範囲内で室温を変化させることで快適性を維持している。
そして、その予冷/予熱効果を元に1つの単位時間の電力を抑制している。
その結果、図32のようにピーク電力が生じる単位時間の前後の単位時間(以下、隣接単位時間という)の需要電力が大きい場合に、予冷/予熱によって、隣接単位時間の需要電力が増加する。
この結果、隣接時間の需要電力が、電力抑制を行った単位時間の需要電力より大きくなり、新たなピーク電力ができてしまうという課題がある。
空気調和機が通常運転している場合の需要電力量を単位時間ごとに予測する需要電力予測部と、
需要電力量が閾値を上回る単位時間を電力抑制単位時間として抽出し、前記電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記空気調和機の運転を停止させる運転停止時間を前記電力抑制単位時間内に設定する電力抑制運転計画部と、
前記電力抑制単位時間に先行する単位時間及び前記電力抑制単位時間に後続する単位時間のうちのいずれかであって、需要電力量が前記閾値以下の単位時間を室温調整単位時間として抽出し、前記空気調和機の運転の停止による前記電力抑制単位時間での室温変化を相殺するための相殺運転を前記空気調和機に行わせる相殺運転時間を、前記室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持される範囲で、前記室温調整単位時間内に設定する室温調整運転計画部とを有する。
このため、本発明によれば、隣接単位時間に新たなピーク電力を生じさせることなく、快適性を保ちつつ、ピークシフトによりピーク電力をより確実に抑制することができる。
***構成の説明***
図1は、実施の形態1に係る制御装置100の機能モジュール構成例を示す。
制御装置100は、ビル等の施設において電力の管理に用いられる。
制御装置100は、例えばサーバやPC(Personal Computer)等の一般的なコンピュータやコントローラにより実現される。
なお、制御装置100は、情報処理装置の例に相当する。
気象情報収集部101が収集する気象実績データは、例えば、ビル等の施設がある地域の過去の気温や湿度、日射時間、降水量、気圧等のデータである。
また、気象情報収集部101が収集する気象予報データは、例えば、今後の気温や湿度、日射時間、降水量、気圧等の推移の時系列(1時間単位など)での予報データである。
なお、気象情報収集部101は、気象実績データ及び気象予報データを、気象庁以外の他の機関から収集するようにしてもよい。
また、制御装置100のユーザがキーボード等を用いて気象実績データ又は気象予報データを気象情報収集部101に入力してもよい。
また、気象情報収集部101が、任意のデータベースから気象実績データ及び気象予報データを読み出すようにしてもよい。
なお、気象情報記憶部102はRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、またはハードディスクなどで実現される。
稼働実績収集部103が収集する稼働実績は、吸い込み温度や設定温度、ON/OFF、運転モード、能力セーブ値、外気温、圧縮機周波数等の室内機及び室外機から収集できるデータである。
また、稼働実績収集部103は、室内機や室外機から得られる全てのデータを収集してもよいし、熱特性算出部107や需要電力予測部109を用いて必要なデータのみ収集してもよい。
また、稼働実績収集部103は、ネットワークを介して室内機や室外機から稼働実績を直接収集してもよい。
また、稼働実績収集部103は、空気調和機の集中コントローラなどから纏めて稼働実績を収集してもよい。
また、制御装置100のユーザがキーボード等を用いて稼働実績収集部103に稼働実績を入力してもよい。
また、稼働実績収集部103が、任意のデータベースから稼働実績を読み出すようにしてもよい。
なお、稼働実績記憶部104はRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスクなどで実現される。
受電電力収集部105が収集する受電電力データは、単位時間ごとのデータである。
受電電力収集部105は、ネットワークを介して分電盤、電力量計(電力メーターやスマートメーター)等から受電電力データを収集する。
なお、受電電力記憶部106はRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスクなどで実現される。
例えば、制御装置100の外部の記憶装置が気象実績データ、気象予報データ等を記憶する場合は、制御装置100に気象情報記憶部102や稼働実績記憶部104及び受電電力記憶部106が含まれていなくてもよい。
また、熱特性算出部107、熱負荷算出部108及び需要電力予測部109が必要なデータを一括して収集できる場合は、制御装置100に気象情報記憶部102や稼働実績記憶部104及び受電電力記憶部106が含まれていなくてもよい。
なお、熱負荷算出部108は、熱負荷の時系列データとして、通常運転により室温が通常時の室温で保たれている場合の熱負荷のみでなく、予冷や予熱により室温が変化している場合の熱負荷の推移も算出する。
つまり、需要電力予測部109は、空気調和機が通常運転している場合のビル等の施設の需要電力量を単位時間ごとに予測する。
通常運転とは、ビル等の施設の室内(空間)の温度を設定温度にするための運転形態である。
どのような種類の運転形態を通常運転とするかは、制御装置100のユーザが任意に決定する。
なお、需要電力予測部109の処理は、需要電力予測処理の例に相当する。
なお、電力抑制運転計画部110では、需要電力が高い単位時間が複数あってもピーク電力が抑制できるように、1つの単位時間ではなく、複数の単位時間で需要電力を抑制することがある。
需要電力の抑制の対象となる個々の単位時間を電力抑制単位時間という。
また、電力抑制単位時間の集合を電力抑制期間という。
また、電力抑制運転計画部110は、各電力抑制単位時間で空気調和機の運転を停止する時間(以下、運転停止時間という)の長さを算出し、電力抑制期間の運転スケジュールを作成する。
電力抑制運転計画部110は、空気調和機の運転停止による電力抑制により各電力抑制単位時間の需要電力が等しくなるように、各電力抑制単位時間における運転停止時間の長さを決定する。
また、電力抑制運転計画部110は、予冷/予熱期間中に蓄積した予冷/予熱効果(通常時から変化させた室温)を全て利用して最も電力抑制期間の需要電力(ピーク電力)が抑制できるように運転停止時間の長さを決定する。
なお、電力抑制運転計画部110は、作成した電力抑制期間の運転スケジュールを元に電力抑制後のピーク電力と電力抑制期間の開始までに変化させるべき室温も算出する。
また、電力抑制運転計画部110の処理は、電力抑制運転計画処理の例に相当する。
なお、室温調整運転計画部111は、予冷/予熱により需要電力が電力抑制後のピーク電力を超えないようにするため、1つの単位時間ではなく、複数の単位時間を予冷/予熱の対象とすることがある。
また、後述すように、室温調整運転計画部111は、予冷/予熱に代えて、電力抑制期間後に冷却/加熱する後追い冷却/後追い加熱を計画する場合がある。
このような室温調整制御(予冷/予熱、後追い冷却/後追い加熱)の対象となる個々の単位時間を室温調整単位時間という。
また、室温調整単位時間の集合を室温調整期間という。
室温調整運転計画部111は、各室温調整単位時間の需要電力が電力抑制単位時間の需要電力を超えずに、かつ、電力抑制期間の開始までに決められた室温まで変化できるようにするため、各室温調整単位時間で実施する予冷運転/予熱運転の時間も算出する。
室温調整運転計画部111は、後追い冷却/後追い加熱を計画する場合は、各室温調整単位時間の需要電力が電力抑制単位時間の需要電力を超えずに、かつ、電力抑制期間後の室温を通常の室温に戻すために、各室温調整単位時間で実施する後追い冷却/後追い加熱の時間を算出する。
予冷運転/予熱運転(もしくは、後追い冷却/後追い加熱)は、電力抑制期間での空気調和機の運転停止による室温変化を相殺するための運転であり、相殺運転ともいう。
従って、室温調整単位時間での予冷運転/予熱運転(もしくは、後追い冷却/後追い加熱)の時間は、相殺運転時間ともいう。
なお、相殺運転では、通常運転よりも空気調和機の電力消費量が多い。
また、室温調整運転計画部111の処理は、室温調整運転計画処理の例に相当する。
より具体的には、電力抑制運転計画部110は、需要電力予測部109により予測された需要電力量のうちの最大需要電力量を抽出し、抽出した最大需要電力量から規定値を減算して得られる需要電力量を閾値に設定する。
そして、電力抑制運転計画部110は、需要電力予測部109により予測された需要電力量が閾値を上回る単位時間を電力抑制単位時間として抽出する。
より具体的には、電力抑制運転計画部110は、電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制される、最小の運転停止時間を導出し、導出した運転停止時間を電力抑制単位時間内に設定する。
また、電力抑制運転計画部110は、1つの単位時間を電力抑制単位時間として抽出した場合は、運転停止時間以外の電力抑制単位時間内の時間で空気調和機に通常運転を行わせる運転シナリオに基づき、電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、運転停止時間を電力抑制単位時間内に設定する。
また、電力抑制運転計画部110は、複数の連続する単位時間をそれぞれ電力抑制単位時間として抽出した場合は、例えば、最後尾の電力抑制単位時間に対しては、最後尾の電力抑制単位時間内の運転停止時間以外の時間で空気調和機に通常運転を行わせる運転シナリオに基づき、最後尾の電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、運転停止時間を最後尾の電力抑制単位時間内に設定する。
また、電力抑制運転計画部110は、例えば、最後尾の電力抑制単位時間以外の電力抑制単位時間に対しては、当該電力抑制単位時間内の運転停止時間以外の時間で室温維持運転を空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、当該電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、運転停止時間を当該電力抑制単位時間内に設定する。
室温維持運転は、室温を維持するための運転形態である。
また、電力抑制運転計画部110は、複数の電力抑制単位時間を抽出した場合は、電力抑制単位時間ごとに、空気調和機の運転の停止による室温変化量を算出し、算出した電力抑制単位時間ごとの室温変化量の総和を室温変化総量として算出する。
また、室温調整運転計画部111は、空気調和機の運転の停止による電力抑制期間での室温変化を相殺するための相殺運転を空気調和機に行わせる相殺運転時間を、室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持される範囲で、室温調整単位時間内に設定する。
より具体的には、室温調整運転計画部111は、室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持される範囲で、電力抑制期間での室温変化量以内で室温調整単位時間での相殺量が最大となる相殺運転時間を導出し、導出した相殺運転時間を室温調整単位時間内に設定する。
室温調整運転計画部111は、相殺運転時間以外の室温調整単位時間内の時間で室温維持運転を空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持される範囲で、相殺運転時間を室温調整単位時間内に設定する。
更に、室温調整運転計画部111は、空気調和機の相殺運転による室温調整単位時間での相殺量を算出する。
そして、室温調整運転計画部111は、相殺量により室温変化量(室温変化総量)の全てが相殺されたか否かを判定し、室温変化量の少なくとも一部が相殺されていない場合に、新たな室温調整単位時間を抽出する。
室温調整運転計画部111は、電力抑制期間に先行する単位時間を室温調整単位時間として抽出した場合は、室温調整単位時間に先行する単位時間を新たな室温調整単位時間として抽出する。
また、室温調整運転計画部111は、電力抑制期間に後続する単位時間を室温調整単位時間として抽出した場合は、室温調整単位時間に後続する単位時間を新たな室温調整単位時間として抽出する。
室温調整運転計画部111は、室温変化量(室温変化総量)の全てが相殺されたと判定するまで、新たな室温調整単位時間の抽出と、相殺運転時間の設定と、相殺量の算出を繰り返す。
以降では、本実施の形態に係る制御装置100の動作例を図2のフローチャートを元に説明する。
なお、以降の説明では、冷房稼働時期に予冷を活用してピーク電力を抑制する場合を例に説明する。
また、制御対象期間が1日であり、単位時間が30分である場合を例に説明する。
さらに、過剰な予冷により室温を下げすぎて快適性が損なわれないように、予冷によって下げられる室温に下限値がある場合を例に説明する。
また、制御装置100のユーザがキーボード等を用いて任意のタイミングで運転スケジュール生成処理を開始させてもよい。
具体的には、気象情報収集部101が、過去の30分間隔の気温と湿度、日射時間を収集する。
また、気象情報収集部101は、今後24時間の30分間隔の気温と湿度、天候の予報値を収集する。
そして、気象情報収集部101は、収集した情報を気象情報記憶部102に格納する。
更に、稼働実績収集部103が、過去の空気調和機の30分間隔の吸い込み温度と設定温度、圧縮機周波数を収集し、稼働実績記憶部104に格納する。
また、受電電力収集部105が、過去の30分間隔の受電電力を収集し、収集した受電電力を受電電力記憶部106に格納する。
気象情報収集部101、稼働実績収集部103及び受電電力収集部105が収集する過去のデータは、前回の運転スケジュール生成処理の実行から今回の運転スケジュール生成処理の実行までに発生したデータである。
また、単位時間より細かい間隔で、気象実績や気象予報、空気調和機の稼働実績、受電電力が収集できるのであれば、単位時間より細かい間隔でこれらのデータを収集してもよい。
本実施の形態では、気象情報収集部101が収集するデータを気温と湿度、日射時間としている。
また、稼働実績収集部103が収集するデータを吸い込み温度と設定温度、圧縮機周波数としている。
しかし、気象情報収集部101及び稼働実績収集部103は、熱特性算出部107や熱負荷算出部108、需要電力予測部109で利用するデータに合わせて収集するデータを変えてもよい。
また、データの収集は運転スケジュール生成処理の開始時に纏めて実施するのではなく、任意の時間帯や時間間隔で自動的に収集し、収集したデータを気象情報記憶部102、稼働実績記憶部104及び受電電力記憶部106に格納するようにしてもよい。
熱特性算出部107は、例えば日射時間または外気温の影響、建物内の人数、端末機器などから放出される熱の影響などを考慮して熱特性を算出する。
熱特性算出部107は、気象情報記憶部102に保存されている過去の気象実績データと稼働実績記憶部104に保存されている過去の空気調和機の稼働実績データを用いた熱回路網法で熱特性を求めることができる。
なお、熱特性算出部107は、熱回路網法以外の方法で熱特性を求めてもよい。
熱負荷算出部108は、今後24時間の熱負荷の推移を算出する。
なお、熱負荷算出部108は、様々な室温を保つために必要な熱負荷の推移(時系列データ)を算出する。
例えば、通常運転時の室温が27℃で予冷運転時の室温26℃であれば、室温を26℃に保つための熱負荷、26.1℃に保つための熱負荷、26.2℃に保つための熱負荷、・・・、27℃に保つための熱負荷などを算出する。
なお、熱負荷算出部108は、熱特性算出部107で求めた熱特性に気象情報記憶部102に保存されている気象予報データや建物内の人数の予測値、端末機器などから放出される熱の予測値、室温などを用いて、熱負荷の推移(時系列データ)を算出することができる。
なお、需要電力予測部109は、例えば受電電力記憶部106に保存されている各時刻の需要電力を目的変数にし、気象情報記憶部102に保存されている各時刻の外気温や湿度等を説明変数にした回帰分析により、各単位時間の需要電力を求めることができる。
なお、需要電力予測部109は、別の方式を用いて各単位時間の需要電力を求めてもよい。
なお、本実施の形態で今後24時間の熱負荷と需要電力の推移を予測しているのは、制御対象期間を1日(今後24時間)としているためである。
もし、制御対象期間が1日ではなく、午前や午後などの特定の時間帯であれば、その時間帯のみの熱負荷と需要電力の推移を予測してもよい。
電力抑制期間の運転スケジュール計画(ステップ150)の詳細を、図3及び図4のフローチャートを元に説明する。
通常の室温Tnormalは、電力抑制のために空気調和機を制御していない場合の室温であり、ユーザが任意に設定するものである。
室温許容範囲の下限値Tminは、ユーザが許容できる室温の下限値であり、ユーザが任意に設定するものである。
電力抑制運転計画部110が計画する電力抑制期間の運転スケジュールは、ユーザが設定した室温許容範囲内で室温を維持しつつ、ピーク電力(電力抑制期間の各単位時間の需要電力)が最も抑制できるようにするものである。
そして、電力抑制運転計画部110は、電力抑制後のピーク電力Pmaxから任意の定数εを引いた需要電力をPtempとして設定する(ステップ153)。
つまり、電力抑制運転計画部110は、電力抑制の対象となる単位時間である電力抑制単位時間を抽出する。
まず、電力抑制運転計画部110は、電力抑制期間の最後からa(=1)番目の単位時間(以下、単位時間a)の運転スケジュールを計画する(ステップ155)。
次に、電力抑制運転計画部110は、単位時間aの運転停止時間xを1分(x=1)に設定する(ステップ156)。
そして、電力抑制運転計画部110は、単位時間aにおいてx分間空気調和機を停止し、(30−x)分間通常運転した場合の需要電力Pa,xを算出する(ステップ157)。
需要電力Pa,xは、熱負荷算出部108で算出した単位時間aの熱負荷の推移と需要電力予測部109で算出した単位時間aの需要電力予測値により求められる。
まず、電力抑制運転計画部110は、単位時間aで通常運転した場合の熱負荷の推移を元にx分間の運転停止時間に供給される予定であった熱負荷bを算出する。
図5は、熱負荷bの算出方法を示す。
供給される予定であった熱負荷bは、熱負荷算出部108で算出した単位時間aの熱負荷の時系列データを時間積分することにより算出できる。
次に、電力抑制運転計画部110は、熱負荷bを電力に変換し、x分間の空気調和機の停止により削減できる需要電力を算出する。
そして、空気調和機の停止により削減できる需要電力を需要電力予測部109で算出した単位時間aの需要電力予測値から引けば、単位時間aにおいてx分間空気調和機を停止し、(30−x)分間通常運転した場合の需要電力Pa,xを算出することができる。
もし、需要電力Pa,xがPtempよりも大きいのであれば、電力抑制運転計画部110は、単位時間aの運転停止時間xを1分長く(x=x+1)する(ステップ159)。
そして、ステップ157に戻り、電力抑制運転計画部110は、再度x分間空気調和機を停止し、(30−x)分間通常運転した場合の需要電力Pa,xを算出する。
もし、需要電力Pa,xがPtempより小さいのであれば、電力抑制運転計画部110は、単位時間aの運転スケジュールとして、単位時間aの開始x分間を空気調和機の運転停止時間に設定し、その後(30−x)分間を通常運転時間に設定する(ステップ160)。
電力抑制運転計画部110は、室温変化量Ta,xを、ステップ157で算出した熱負荷bと熱特性算出部107で算出した熱特性の熱容量により、以下の式1で求めることができる。
室温変化量=熱負荷/熱容量 ・・・ (式1)
もし、全ての単位時間で運転スケジュールの計画が完了していないのであれば、a=a+1として、電力抑制期間の最後からa(≧2)番目の単位時間の運転スケジュールを計画する(ステップ163)。
次に、電力抑制運転計画部110は、単位時間a(≧2)においてx分間空気調和機を停止し、(30−x)分間室温維持運転した場合の需要電力Pa,xを算出する(ステップ165)。
室温維持運転とは、事前に予冷や予熱をした効果(冷やされた室温や温められた室温)を保つための運転である。
予冷を活用している場合の室温維持運転は、通常時Tnormalよりも低い室温を維持するために設定温度を下げた運転となるため、通常運転している場合よりも需要電力は増加する。
まず、電力抑制運転計画部110は、単位時間aの通常運転時の熱負荷の推移を元にx分間の運転停止時間に供給される予定であった熱負荷bを算出する。
供給される予定であった熱負荷bは、ステップ157と同様に熱負荷算出部108で算出した単位時間a(≧2)の熱負荷の時系列データを時間積分することにより算出できる。
次に、電力抑制運転計画部110は、室温維持運転時の熱負荷の推移と通常運転時の熱負荷の推移を元に、室温維持運転により通常運転よりも過剰に供給される熱負荷cを算出する。
熱負荷cは、図6で示すように室温維持運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものと通常運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものの差分をとれば算出することができる。
なお、室温維持運転では、維持する室温により必要な熱負荷が変化する。
単位時間a(≧2)で維持しなければならない室温は、通常の室温Tnormalとこれまでに運転スケジュールを計画した各単位時間の室温変化量Ta,xにより求めることができる。
例えば単位時間a=3の運転スケジュールを計画している場合、単位時間a=3の室温維持運転時に維持しなければならない室温は、通常の室温Tnormalから単位時間a=1と単位時間a=2の室温変化量合計値(T1,x+T2,x)を引いた室温となる。
なお、各室温を維持するための熱負荷の推移は、熱負荷算出部108で算出している。
熱負荷bは、x分間の空気調和機の停止により削減できる需要電力であり、熱負荷cは、(30−x)分間を室温維持運転したことにより増加する需要電力である。
そして、電力抑制運転計画部110は、需要電力予測部109で算出した単位時間aの需要電力予測値からx分間の空気調和機の停止で削減できる需要電力を引く。
更に、電力抑制運転計画部110は、減算値に(30−x)分間を室温維持運転したことで増加する需要電力を加えれば、単位時間a(≧2)において、x分間空気調和機を停止し、(30−x)分間室温維持運転した場合の需要電力Pa,xを算出することができる。
もし、需要電力Pa,xがPtempよりも大きいのであれば、電力抑制運転計画部110は、単位時間aの運転停止時間xを1分長く(x=x+1)する(ステップ167)。
そして、ステップ165に戻り、電力抑制運転計画部110は、再度x分間空気調和機を停止し、(30−x)分間室温維持運転した場合の需要電力Pa,xを算出する。
単位時間a(≧2)の運転スケジュールは、x分間空気調和機を停止することで予冷の効果を利用して電力を抑制し、また、予冷の効果を他の単位時間でも利用するために、(30−x)分間室温を維持することとなる。
もし、全ての単位時間で運転スケジュールが計画されたならば、電力抑制運転計画部110は、電力抑制期間の空気調和機の停止により上昇する室温変化量の合計値「Σa n=1Tn,x」を算出する(ステップ170)。
そして、室温変化量の合計値「Σa n=1Tn,x」が通常の室温Tnormalから室温許容範囲の下限値Tminの間に収まっているのであれば、電力抑制期間の各単位時間(各電力抑制時間)の運転停止時間を長くして、更なるピーク電力抑制が可能であるということである。
このため、電力抑制運転計画部110は、電力抑制後のピーク電力Pmaxをさらに抑制した運転スケジュールを再度計画する。
具体的には、電力抑制運転計画部110は、Ptempを電力抑制後のピーク電力Pmaxとして設定し(ステップ172)、電力抑制期間までに下げるべき室温Tgoalに「Tnormal−Σa n=1Tn,x」を設定する(ステップ173)。
そして、ステップ153に戻り、電力抑制運転計画部110は、さらにピーク電力を抑制した場合の電力抑制期間の運転スケジュールを計画する。
したがって、ステップ152もしくはステップ172で設定したPmaxが室温許容範囲を保ちつつ、最も抑制できたピーク電力となる。
そして、ピーク電力がPmaxの際にステップ154で設定した電力抑制期間とステップ160とステップ168で計画した各単位時間の運転スケジュールが電力抑制期間の運転スケジュールとなり、電力抑制運転計画処理が完了する。
また、図8は、電力抑制期間の運転スケジュールと各単位時間の需要電力の推移について示したものである。
電力抑制運転計画処理(ステップ150)で電力抑制運転計画部110により計画される運転スケジュールは、図7のように室温が許容範囲内(下限値Tminと通常値Tnormalの間)で推移するものであり、また、図8のように電力抑制期間の各単位時間の需要電力がピーク電力Pmax以下となるものである。
予冷/予熱期間の運転スケジュール計画の流れを図9及び図10のフローチャートを元に説明する。
Tnormalは、電力抑制運転計画で設定したものと同じものである。
また、室温調整運転計画部111は、電力抑制期間(先頭の電力抑制単位時間)までに下げなければならない室温Tgoal,1を設定する(ステップ182)。
Tgoal,1は、電力抑制運転計画のステップ173で算出した値Tgoalを設定する。
次に、室温調整運転計画部111は、電力抑制をした場合のピーク電力Pmaxを設定する(ステップ183)。
Pmaxは、電力抑制運転計画のステップ172で算出した値を設定する。
TnormalとTgoal,1、Pmaxの設定が終わった後は、室温調整運転計画部111は予冷/予熱期間の運転スケジュールを計画していく。
つまり、室温調整運転計画部111は、先頭の電力抑制単位時間のd(=1)個前の単位時間を室温調整単位時間として抽出する。
また、室温調整運転計画部111は、単位時間dにおいてx分間の予冷により下げられる室温変化量Td,xを算出する(ステップ186)。
室温調整運転計画部111は、Td,xを、熱負荷算出部108で算出した単位時間dの熱負荷の推移を元に算出する。
具体的には、室温調整運転計画部111は、単位時間dのx分間の予冷運転中に通常運転よりも過剰に供給した熱負荷eを元にTd,xを算出する。
熱負荷eは、予冷運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものと通常運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものの差分をとれば算出することができる。
室温変化量Td,xを算出した後は、室温調整運転計画部111は、単位時間dにおいて、(30−x)分間を室温維持運転、x分間を予冷運転した場合の需要電力Pd,xを算出する(ステップ187)。
需要電力Pd,xは、熱負荷算出部108で算出した単位時間dの熱負荷の推移と需要電力予測部109で算出した単位時間dの需要電力予測値により求められる。
需要電力Pd,xの算出では、室温調整運転計画部111は、まず熱負荷算出部108で算出した単位時間dの熱負荷の推移を元に単位時間dのx分間の予冷運転中に通常運転よりも過剰に供給した熱負荷eと(30−x)分間の室温維持運転により通常運転よりも過剰に供給した熱負荷fを求める。
熱負荷eは、ステップ186で求めたものを利用する。
熱負荷fは、図12で示すように室温維持運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものと通常運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものの差分をとれば算出することができる。
なお、先にも述べたように、室温維持運転では、維持する室温により必要な熱負荷が変化する。
単位時間dで維持しなければならない室温は、室温Tgoal,dに室温変化量Td,xを足し合わせたものとなる。
維持しなければならない室温がわかれば、室温調整運転計画部111は、熱負荷算出部108で算出した各室温を維持するための熱負荷の推移から室温維持運転時の熱負荷の推移を選択することができる。
熱負荷eと熱負荷fの算出後は、室温調整運転計画部111は、熱負荷eと熱負荷fのそれぞれを電力に変換し、x分間の予冷運転により増加する需要電力と(30−x)分間の室温維持運転により増加する需要電力を算出する。
そして、需要電力予測部109で算出した単位時間dの需要電力予測値にx分間の予冷運転で増加した需要電力と(30−x)分間を室温維持運転により増加した需要電力を加えれば、単位時間dにおいて(30−x)分間を室温維持運転、x分間を予冷運転した場合の需要電力Pd,xを算出することが可能である。
もし、Pd,xがPmaxよりも小さいのであれば、単位時間dでは予冷時間をさらに増やすことが可能である。
Pd,xがPmaxよりも小さい場合、単位時間dで予冷時間を増やすべきか確認するため、室温調整運転計画部111は、x分間の予冷により通常の室温Tnormalから室温Tgoal,dまで下げられるか室温変化量Td,xで確認する(ステップ189)。
もし、x分間の予冷による室温変化量Td,xがTnormalからTgoal,dの変化よりも小さいのであれば、予冷時間を長くしなければならない。
この場合は、室温調整運転計画部111は、単位時間dの予冷時間を1分長く(x=x+1)する(ステップ190)。
そして、室温調整運転計画部111は、ステップ187に戻り再度需要電力Pd,xを算出する。
もし、ステップ188のPd,xと電力抑制後のピーク電力Pmaxとの比較でPd,xがPmaxよりも大きいのであれば、単位時間dではx分間予冷するとピーク電力Pmaxを超えてしまうということになる。
このため、単位時間dでは予冷時間を(x−1)分間としなければならない。
したがって、単位時間dでは、まず(30−x+1)分間の室温維持運転を行い、(x−1)分間の予冷運転を行う運転スケジュールとなる(ステップ191)。
そのために、まず単位時間dで下げなければならない室温Tgoal,dを算出する(ステップ193)。
Tgoal,dは、単位時間(d−1)で下げなければならなかったTgoal,d−1に単位時間(d−1)で下げられた室温変化量Td−1,x−1を足し合わせれば算出することができる。
単位時間dで下げなければならない室温Tgoal,dが決まった後は、室温調整運転計画部111は、ステップ185に戻り、ピーク電力Pmaxを超えず、かつ、予冷時間x分が最も長くなるような単位時間dの運転スケジュールをステップ186〜ステップ190で求める。
このため、室温調整運転計画部111は、単位時間dでは、まず(30−1)分間の通常運転を行い、x分間の予冷運転を行う運転スケジュールとする(ステップ194)。
ステップ180〜194により室温調整期間の運転スケジュールの計画が可能である。
計画された運転スケジュールは、図13のように、電力抑制期間の開始までに複数の単位時間に分けて徐々に室温を下げていくものとなる。
また、計画された運転スケジュールは、図14のように、室温調整期間の各単位時間の需要電力がピーク電力Pmaxを超えないように予冷時間x分が調整されている。
なお、電力抑制期間と室温調整期間以外の各単位時間は図15のように通常運転を実施するようにする。
後追い冷却とは、電力抑制期間に空気調和機を停止し、電力抑制期間以降の後追い冷却期間の各単位時間に後追い冷却する(冷房を強める)ことで、空気調和機の停止により上がった室温を徐々に下げて通常の室温Tnormalまで戻すピークシフト技術である。
同様に、後追い加熱(後加熱とも表記する)により、電力抑制期間に空気調和機を停止し、電力抑制期間以降の後追い加熱期間の各単位時間に後追い加熱する(暖房を強める)ことで、空気調和機の停止により下がった室温を徐々に上げて通常の室温Tnormalまで戻すこともできる。
図2の予冷/予熱を活用した場合とは、電力抑制期間の運転スケジュールを計画する処理(ステップ210)と後追い冷却・後追い加熱期間の運転スケジュールを計画する処理(ステップ240)が異なる。
以降の説明では、冷房稼働時期に後追い冷却を活用してピーク電力を抑制する場合を例に説明する。
室温許容範囲の上限値Tmaxは、ユーザが許容できる室温の上限値であり、ユーザが任意に設定するものである。
次に、電力抑制運転計画部110は、需要電力予測部109で算出した今後24時間の各単位時間の需要電力予測値の中で最も高い需要電力を電力抑制後のピーク電力Pmaxとして設定する(ステップ212)。
そして、電力抑制運転計画部110は、電力抑制後のピーク電力Pmaxから任意の定数εを引いた需要電力をPtempとして設定する(ステップ213)。
つまり、電力抑制運転計画部110は、電力抑制の対象となる単位時間である電力抑制単位時間を抽出する。
まず、電力抑制運転計画部110は、電力抑制期間の最初からg(=1)番目の単位時間(以下、単位時間g)の運転スケジュールを計画する(ステップ215)。
次に、電力抑制運転計画部110は、単位時間gの運転停止時間xを1分(x=1)に設定する(ステップ216)。
そして、電力抑制運転計画部110は、単位時間gにおいてx分間空気調和機を停止し、(30−x)分間通常運転した場合の需要電力Pg,xを算出する(ステップ217)。
需要電力Pg,xは、熱負荷算出部108で算出した単位時間gの熱負荷の推移と需要電力予測部109で算出した単位時間gの需要電力予測値により求められる。
まず、電力抑制運転計画部110は、単位時間gで通常運転した場合の熱負荷の推移を元にx分間の運転停止時間に供給される予定であった熱負荷hを算出する。
図21は、熱負荷hの算出方法を示す。
供給される予定であった熱負荷hは、熱負荷算出部108で算出した単位時間gの熱負荷の時系列データを時間積分することにより算出できる。
次に、電力抑制運転計画部110は、熱負荷hを電力に変換し、x分間の空気調和機の停止により削減できる需要電力を算出する。
そして、空気調和機の停止により削減できる需要電力を需要電力予測部109で算出した単位時間gの需要電力予測値から引けば、単位時間gにおいてx分間空気調和機を停止し、(30−x)分間通常運転した場合の需要電力Pg,xを算出することができる。
もし、需要電力Pg,xがPtempよりも大きいのであれば、電力抑制運転計画部110は、単位時間gの運転停止時間xを1分長く(x=x+1)する(ステップ219)。
そして、ステップ217に戻り、電力抑制運転計画部110は、再度(30−x)分間通常運転し、x分間空気調和機を停止した場合の需要電力Pg,xを算出する。
もし、需要電力Pg,xがPtempより小さいのであれば、電力抑制運転計画部110は、単位時間gの運転スケジュールを単位時間gの開始(30−x)分間を通常運転時間に設定し、その後x分間を空気調和機の運転停止時間に設定する(ステップ220)。
電力抑制運転計画部110は、室温変化量Tg,xを、ステップ217で算出した熱負荷hと熱特性算出部107で算出した熱特性の熱容量により、式1で求めることができる。
もし、全ての単位時間で運転スケジュールの計画が完了していないのであれば、g=g+1として、電力抑制期間の最初からg(≧2)番目の単位時間の運転スケジュールを計画する(ステップ223)。
次に、電力抑制運転計画部110は、単位時間g(≧2)において(30−x)分間室温維持運転し、x分間空気調和機を停止した場合の需要電力Pg,xを算出する(ステップ225)。
後追い冷却を活用する場合の室温維持運転は、通常時Tnormalよりも高い室温を維持するために設定温度を上げた運転となるため、通常運転している場合よりも需要電力は減少する。
まず、電力抑制運転計画部110は、単位時間gの通常運転時の熱負荷の推移を元にx分間の運転停止時間に供給される予定であった熱負荷hを算出する。
供給される予定であった熱負荷hは、ステップ217と同様に熱負荷算出部108で算出した単位時間g(≧2)の熱負荷の時系列データを時間積分することにより算出できる。
次に、電力抑制運転計画部110は、室温維持運転時の熱負荷の推移と通常運転時の熱負荷の推移を元に、室温維持運転により通常運転よりも少なくなった熱負荷iを算出する。
熱負荷iは、図22で示すように通常運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものと室温維持運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものの差分をとれば算出することができる。
なお、室温維持運転では、維持する室温により必要な熱負荷が変化する。
単位時間g(≧2)で維持しなければならない室温は、通常の室温Tnormalとこれまでに運転スケジュールを計画した各単位時間の室温変化量Ta,xにより求めることができる。
例えば単位時間g=3の運転スケジュールを計画している場合、単位時間g=3の室温維持運転時に維持しなければならない室温は、通常の室温Tnormalに単位時間g=1と単位時間g=2の室温変化量合計値(T1,x+T2,x)を足した室温となる。
なお、各室温を維持するための熱負荷の推移は、熱負荷算出部108で算出している。
熱負荷hは、x分間の空気調和機の停止により削減できる需要電力であり、熱負荷iは、(30−x)分間を室温維持運転したことにより削減できる需要電力である。
そして、電力抑制運転計画部110は、需要電力予測部109で算出した単位時間gの需要電力予測値からx分間の空気調和機の停止で削減できる需要電力と(30−x)分間を室温維持運転で削減できる需要電力を引けば、単位時間g(≧2)において、(30−x)分間室温維持運転し、x分間空気調和機を停止した場合の需要電力Pg,xを算出することができる。
もし、需要電力Pg,xがPtempよりも大きいのであれば、電力抑制運転計画部110は、単位時間gの運転停止時間xを1分長く(x=x+1)する(ステップ227)。
そして、ステップ225に戻り、電力抑制運転計画部110は、再度(30−x)分間室温維持運転し、x分間空気調和機を停止した場合の需要電力Pg,xを算出する。
単位時間g(≧2)の運転スケジュールは、電力抑制期間のこれまでの単位時間で実行した空気調和機の停止により上昇した室温を(30−x)分間保ちつつ、さらに単位時間g(≧2)の需要電力を抑制するためx分間空気調和機を停止するものである。
この運転スケジュールでは、室温を下げる運転はしないため需要電力は増加しない。
また、ユーザが許容する室温の範囲内で室温を上げることで需要電力を抑制することができる。
単位時間gの運転スケジュールを計画した後は、ステップ221と同様に、電力抑制運転計画部110は、単位時間gにおいて、x分間空気調和機を停止したことにより上昇する室温変化量Tg,xを式1により算出する(ステップ229)。
もし、全ての単位時間で運転スケジュールが計画されたならば、電力抑制運転計画部110は、電力抑制期間の空気調和機の停止により上昇する室温変化量の合計値「Σg n=1Tn,x」を算出する(ステップ230)。
そして、室温変化量の合計値「Σg n=1Tn,x」が通常の室温Tnormalから室温許容範囲の上限値Tmaxの間に収まっているのであれば、電力抑制期間の各単位時間(各電力抑制時間)の運転停止時間を長くして、更なるピーク電力抑制が可能であるということである。
このため、電力抑制運転計画部110は、電力抑制後のピーク電力Pmaxをさらに抑制した運転スケジュールを再度計画する。
具体的には、電力抑制運転計画部110は、Ptempを電力抑制後のピーク電力Pmaxとして設定し(ステップ232)、電力抑制期間の空気調和機の停止によって上昇する室温Tstartに「Tnormal+Σg n=1Tn,x」を設定する(ステップ233)。
そして、ステップ213に戻り、電力抑制運転計画部110は、さらにピーク電力を抑制した場合の電力抑制期間の運転スケジュールを計画する。
したがって、ステップ212もしくはステップ232で設定したPmaxが室温許容範囲を保ちつつ、最も抑制できたピーク電力となる。
そして、ピーク電力がPmaxの際にステップ214で設定した電力抑制期間とステップ220とステップ228で計画した各単位時間の運転スケジュールが電力抑制期間の運転スケジュールとなり、後追い冷却活用時の電力抑制運転計画処理が完了する。
また、図24は、後追い冷却活用時の電力抑制期間の運転スケジュールと各単位時間の需要電力の推移について示したものである。
後追い冷却活用時の電力抑制期間計画処理(ステップ210)で電力抑制運転計画部110により計画される運転スケジュールは、図23のように室温が許容範囲内(上限値Tmaxと通常値Tnormalの間)で推移するものであり、また、図24のように電力抑制期間の各単位時間の需要電力がピーク電力Pmax以下となるものである。
後追い冷却/後追い加熱期間の運転スケジュール計画の流れを図25及び図26のフローチャートを元に説明する。
Tnormalは、電力抑制運転計画で設定したものと同じものである。
また、室温調整運転計画部111は、電力抑制期間の空気調和機の停止によって上昇した室温Tstart,1を設定する(ステップ242)。
Tstart,1は、電力抑制運転計画のステップ233で算出した値Tstartを設定する。
次に、室温調整運転計画部111は、電力抑制をした場合のピーク電力Pmaxを設定する(ステップ243)。
Pmaxは、電力抑制運転計画のステップ212かステップ232で算出した値を設定する。
TnormalとTstart,1、Pmaxの設定が終わった後は、室温調整運転計画部111は、後追い冷却/後追い加熱期間の運転スケジュールを計画していく。
まずは、電力抑制期間のj(=1)個後の単位時間(以下、単位時間j)の運転スケジュールを計画する(ステップ244)。
つまり、室温調整運転計画部111は、最後尾の電力抑制単位時間のj(=1)個後の単位時間を室温調整単位時間として抽出する。
そして、室温調整運転計画部111は、単位時間jにおいてx分間の後追い冷却により下げられる室温変化量Tj,xを算出する(ステップ246)。
室温調整運転計画部111は、Tj,xを、熱負荷算出部108で算出した単位時間jの熱負荷の推移を元に算出する。
具体的には、室温調整運転計画部111は、単位時間jのx分間の後追い冷却運転中に通常運転よりも過剰に供給した熱負荷kを元にTj,xを算出する。
熱負荷kは、後追い冷却運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものと通常運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものの差分をとれば算出することができる。
室温変化量Tj,xを算出した後は、室温調整運転計画部111は、単位時間jにおいて、x分間を後追い冷却運転、(30−x)分間を室温維持運転した場合の需要電力Pj,xを算出する(ステップ247)。
需要電力Pj,xは、熱負荷算出部108で算出した単位時間jの熱負荷の推移と需要電力予測部109で算出した単位時間jの需要電力予測値により求められる。
需要電力Pj,xの算出では、室温調整運転計画部111は、まず熱負荷算出部108で算出した単位時間jの熱負荷の推移を元に単位時間jのx分間の後追い冷却運転中に通常運転よりも過剰に供給した熱負荷kと(30−x)分間の室温維持運転により通常運転から減らした熱負荷lを求める。
熱負荷kは、ステップ246で求めたものを利用する。
熱負荷lは、図28で示すように通常運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものと室温維持運転時の熱負荷の時系列データを時間積分したものの差分をとれば算出することができる。
なお、先にも述べたように、室温維持運転では、維持する室温により必要な熱負荷が変化する。
単位時間jで維持しなければならない室温は、室温Tstart,jから室温変化量Tj,xを引いたものとなる。
維持しなければならない室温がわかれば、室温調整運転計画部111は、熱負荷算出部108で算出した各室温を維持するための熱負荷の推移から室温維持運転時の熱負荷の推移を選択することができる。
熱負荷kと熱負荷lの算出後は、室温調整運転計画部111は、熱負荷kと熱負荷lのそれぞれを電力に変換し、x分間の後追い冷却運転により増加する需要電力と(30−x)分間の室温維持運転により減少する需要電力を算出する。
そして、需要電力予測部109で算出した単位時間jの需要電力予測値にx分間の後追い冷却運転で増加した需要電力を加え、(30−x)分間を室温維持運転により減少した需要電力を引けば、単位時間jにおいてx分間を後追い冷却運転、(30−x)分間を室温維持運転した場合の需要電力Pj,xを算出することが可能である。
もし、Pj,xがPmaxよりも小さいのであれば、単位時間jでは後追い冷却時間をさらに増やすことが可能である。
Pj,xがPmaxよりも小さい場合、単位時間jで後追い冷却時間を増やすべきか確認するため、室温調整運転計画部111は、x分間の後追い冷却により電力抑制期間の空気調和機の停止により上昇した室温Tstart,jから通常の室温Tnormalまで下げられるか室温変化量Tj,xで確認する(ステップ249)。
もし、x分間の後追い冷却による室温変化量Tj,xがTstart,jからTnormalの変化よりも小さいのであれば、後追い冷却時間を長くしなければならない。
この場合は、室温調整運転計画部111は、単位時間jの予冷時間を1分長く(x=x+1)する(ステップ250)。
そして、室温調整運転計画部111は、ステップ247に戻り再度需要電力Pj,xを算出する。
もし、ステップ248のPj,xと電力抑制後のピーク電力Pmaxの比較でPj,xがPmaxよりも大きいのであれば、単位時間jではx分間後追い冷却するとピーク電力Pmaxを超えてしまうということになる。
このため、単位時間jでは後追い冷却時間を(x−1)分間としなければならない。
したがって、単位時間jでは、まず(x−1)分間の後追い冷却運転を行い、(30−x+1)分間の室温維持運転を行う運転スケジュールとなる(ステップ251)。
そのために、まず電力抑制期間の空気調和機の運転停止により上昇し、単位時間(j−1)までの後追い冷却期間の後追い冷却により通常の室温Tnormalまで近づけた室温Tstart,jを算出する(ステップ253)。
Tstart,jは、単位時間(j−1)までの後追い冷却により通常の室温Tnormalまで近づけた室温Tstart,j−1から単位時間(j−1)で下げられた室温変化量Tj−1,x−1を引けば算出することができる。
単位時間jの時点で通常の室温Tnormalまで近づけた室温Tstart,jが決まった後は、室温調整運転計画部111は、ステップ245に戻り、ピーク電力Pmaxを超えず、かつ、後追い冷却時間x分が最も長くなるような単位時間jの運転スケジュールをステップ246〜ステップ250で求める。
このため、室温調整運転計画部111は、単位時間jでは、まずx分間の後追い冷却運転を行い、(30−x)分間の通常運転を行う運転スケジュールとする(ステップ254)。
ステップ240〜254により後追い冷却・後追い加熱期間の運転スケジュールの計画が可能である。
計画された運転スケジュールは、図16のように電力抑制期間中の空気調和機の停止により上昇した室温を複数の単位時間に分けて徐々に下げていくものとなる。
また、図17のように後追い冷却・後追い加熱期間の各単位時間の需要電力がピーク電力Pmaxを超えないように後追い冷却時間x分が調整されている。
予冷を活用する場合との違いは、空気調和機の停止により上昇した室温を維持するために室温維持運転を行うことである。
後追い冷却をする場合の室温維持運転は、通常時Tnormalよりも高い室温を維持するために設定温度を上げた運転となるため、通常運転している場合よりも需要電力は減少する点が冷房稼働時期に予冷を活用する場合と異なる。
予冷と後追い冷却の両方を活用する場合は、予冷によって下げられる室温に下限値Tminを、空気調和機の停止によって上げられる室温に上限値Tmaxを設定する。
そして、図29のように室温調整期間では、室温をTnormalからTminまで予冷する。
電力抑制期間では、室温をTminからTmaxに上昇するまで空気調和機を停止する。
後追い冷却/後追い加熱期間では、室温をTmaxからTnormalまで下げるために後追い冷却をする。
このようにして、室温をTminからTmaxの間で保ちつつ、図30のようにピーク電力を抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態では、冷房稼働時期に予冷や後追い冷却を活用する場合を例に説明したが、暖房稼働時期に予熱や後追い加熱を活用してピーク電力を抑制することも可能である。
後追い加熱とは、電力抑制期間に空気調和機を停止し、電力抑制期間以降の後追い冷却/後追い加熱期間の各単位時間に暖房を強めることで、空気調和機の停止により下がった室温を徐々に上げて通常の室温Tnormalまで戻すピークシフト技術である。
このように、実施の形態1によれば、室温維持運転を利用して予冷/予熱した効果を複数の単位時間に分けて利用する。
これにより1つの単位時間で電力抑制をするのではなく、複数の単位時間で電力抑制することが可能となる。
また、予冷/予熱の際にも室温維持運転を利用して複数の単位時間に分けて予冷/予熱する。
これにより1つの単位時間で予冷/予熱をするのではなく、複数の単位時間で予冷/予熱することが可能となる。
複数の単位時間で電力抑制や予冷/予熱をすることにより、ピーク電力前後の単位時間の需要電力が大きい場合でも、室温をユーザの許容範囲内に保って快適性を保ちつつ、ピーク電力を抑制することが可能となる。
最後に、制御装置100のハードウェア構成例を図31を参照して説明する。
制御装置100はコンピュータである。
制御装置100は、プロセッサ901、補助記憶装置902、メモリ903、通信装置904、入力インタフェース905、ディスプレイインタフェース906といったハードウェアを備える。
プロセッサ901は、信号線910を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
入力インタフェース905は、入力装置907に接続されている。
ディスプレイインタフェース906は、ディスプレイ908に接続されている。
プロセッサ901は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
補助記憶装置902は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
メモリ903は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
図1に示す気象情報記憶部102、稼働実績記憶部104、受電電力記憶部106は、補助記憶装置902又はメモリ903により実現される。
通信装置904は、データを受信するレシーバー9041及びデータを送信するトランスミッター9042を含む。
通信装置904は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
入力インタフェース905は、入力装置907のケーブル911が接続されるポートである。
入力インタフェース905は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。
ディスプレイインタフェース906は、ディスプレイ908のケーブル912が接続されるポートである。
ディスプレイインタフェース906は、例えば、USB端子又はHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。
入力装置907は、例えば、マウス、キーボード又はタッチパネルである。
ディスプレイ908は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
このプログラムは、メモリ903にロードされ、プロセッサ901に読み込まれ、プロセッサ901によって実行される。
更に、補助記憶装置902には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がメモリ903にロードされ、プロセッサ901はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
図31では、1つのプロセッサ901が図示されているが、制御装置100が複数のプロセッサ901を備えていてもよい。
そして、複数のプロセッサ901が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
また、「部」の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値が、メモリ903、補助記憶装置902、又は、プロセッサ901内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
また、「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の記憶媒体に記憶される。
また、「部」を「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。
「回路」及び「サーキットリー」は、プロセッサ901だけでなく、ロジックIC又はGA(Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field−Programmable Gate Array)といった他の種類の処理回路をも包含する概念である。
Claims (11)
- 空気調和機が通常運転している場合の需要電力量を単位時間ごとに予測する需要電力予測部と、
設定された室温許容範囲内で室温を維持しつつ、特定期間の単位時間ごとの需要電力を最も抑制できる閾値を算出し、需要電力量が前記閾値を上回る単位時間を電力抑制単位時間として抽出し、前記電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記空気調和機の運転を停止させる運転停止時間を前記電力抑制単位時間内に設定する電力抑制運転計画部と、
前記電力抑制単位時間に先行する単位時間及び前記電力抑制単位時間に後続する単位時間のうちのいずれかであって、需要電力量が前記閾値以下の単位時間を室温調整単位時間として抽出し、前記空気調和機の運転の停止による前記電力抑制単位時間での室温変化を相殺するための相殺運転を前記空気調和機に行わせる相殺運転時間を、前記室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記室温調整単位時間内に設定する室温調整運転計画部とを有し、
前記電力抑制運転計画部は、
複数の連続する単位時間をそれぞれ前記電力抑制単位時間として抽出した場合に、
最後尾の電力抑制単位時間に対しては、前記最後尾の電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で前記空気調和機に通常運転を行わせる運転シナリオに基づき、前記最後尾の電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を前記最後尾の電力抑制単位時間内に設定し、
前記最後尾の電力抑制単位時間以外の電力抑制単位時間に対しては、当該電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で、室温を維持するための室温維持運転を前記空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、当該電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を当該電力抑制単位時間内に設定する情報処理装置。 - 前記電力抑制運転計画部は、
前記空気調和機の運転の停止による前記電力抑制単位時間での室温変化量を算出し、
前記室温調整運転計画部は、
前記空気調和機の相殺運転による前記室温調整単位時間での相殺量を算出し、
算出した前記相殺量により前記室温変化量の全てが相殺されたか否かを判定し、前記室温変化量の少なくとも一部が相殺されていない場合に、新たな室温調整単位時間を抽出し、
前記新たな室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記新たな室温調整単位時間内に前記相殺運転時間を設定する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記室温調整運転計画部は、
前記室温変化量の全てが相殺されたと判定するまで、前記新たな室温調整単位時間の抽出と、前記相殺運転時間の設定と、前記相殺量の算出を繰り返す請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記室温調整運転計画部は、
前記電力抑制単位時間に先行する単位時間を前記室温調整単位時間として抽出した場合は、前記室温調整単位時間に先行する単位時間を前記新たな室温調整単位時間として抽出し、
前記電力抑制単位時間に後続する単位時間を前記室温調整単位時間として抽出した場合は、前記室温調整単位時間に後続する単位時間を前記新たな室温調整単位時間として抽出する請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記室温調整運転計画部は、
前記相殺運転時間以外の前記室温調整単位時間内の時間で、室温を維持するための室温維持運転を前記空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、前記室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記相殺運転時間を前記室温調整単位時間内に設定する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記電力抑制運転計画部は、
電力抑制単位時間ごとに、前記空気調和機の運転の停止による室温変化量を算出し、算出した電力抑制単位時間ごとの前記室温変化量の総和を室温変化総量として算出し、
前記室温調整運転計画部は、
先頭の電力抑制単位時間に先行する単位時間であって、需要電力量が前記閾値以下の単位時間を前記室温調整単位時間として抽出し、
前記空気調和機の相殺運転による前記室温調整単位時間での相殺量を算出し、
前記相殺量により前記室温変化総量の全てが相殺されたか否かを判定し、前記室温変化総量の少なくとも一部が相殺されていない場合に、前記室温調整単位時間に先行する単位時間を新たな室温調整単位時間として抽出し、
前記新たな室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記新たな室温調整単位時間内に前記相殺運転時間を設定する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記電力抑制運転計画部は、
複数の連続する単位時間をそれぞれ前記電力抑制単位時間として抽出した場合に、
先頭の電力抑制単位時間に対しては、前記先頭の電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で前記空気調和機に通常運転を行わせる運転シナリオに基づき、前記先頭の電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を前記先頭の電力抑制単位時間内に設定し、
前記先頭の電力抑制単位時間以外の電力抑制単位時間に対しては、当該電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で、室温を維持するための室温維持運転を前記空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、当該電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を当該電力抑制単位時間内に設定する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記電力抑制運転計画部は、
電力抑制単位時間ごとに、前記空気調和機の運転の停止による室温変化量を算出し、算出した電力抑制単位時間ごとの前記室温変化量の総和を室温変化総量として算出し、
前記室温調整運転計画部は、
最後尾の電力抑制単位時間に後続する単位時間であって、需要電力量が前記閾値以下の単位時間を前記室温調整単位時間として抽出し、
前記空気調和機の相殺運転による前記室温調整単位時間での相殺量を算出し、
前記相殺量により前記室温変化総量の全てが相殺されたか否かを判定し、前記室温変化総量の少なくとも一部が相殺されていない場合に、前記室温調整単位時間に後続する単位時間を新たな室温調整単位時間として抽出し、
前記新たな室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記新たな室温調整単位時間内に前記相殺運転時間を設定する請求項7に記載の情報処理装置。 - 前記電力抑制運転計画部は、
前記電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制される、最小の運転停止時間を導出し、導出した運転停止時間を前記電力抑制単位時間内に設定し、
前記室温調整運転計画部は、
前記室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記電力抑制単位時間での室温変化量以内で前記室温調整単位時間での相殺量が最大となる相殺運転時間を導出し、導出した相殺運転時間を前記室温調整単位時間内に設定する請求項1に記載の情報処理装置。 - コンピュータが、空気調和機が通常運転している場合の需要電力量を単位時間ごとに予測する需要電力予測処理と、
前記コンピュータが、設定された室温許容範囲内で室温を維持しつつ、特定期間の単位時間ごとの需要電力を最も抑制できる閾値を算出し、需要電力量が前記閾値を上回る単位時間を電力抑制単位時間として抽出し、前記電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記空気調和機の運転を停止させる運転停止時間を前記電力抑制単位時間内に設定する電力抑制運転計画処理と、
前記コンピュータが、前記電力抑制単位時間に先行する単位時間及び前記電力抑制単位時間に後続する単位時間のうちのいずれかであって、需要電力量が前記閾値以下の単位時間を室温調整単位時間として抽出し、前記空気調和機の運転の停止による前記電力抑制単位時間での室温変化を相殺するための相殺運転を前記空気調和機に行わせる相殺運転時間を、前記室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記室温調整単位時間内に設定する室温調整運転計画処理とを有する情報処理方法であって、
前記電力抑制運転計画処理において、
複数の連続する単位時間がそれぞれ前記電力抑制単位時間として抽出された場合に、
前記コンピュータが、
最後尾の電力抑制単位時間に対しては、前記最後尾の電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で前記空気調和機に通常運転を行わせる運転シナリオに基づき、前記最後尾の電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を前記最後尾の電力抑制単位時間内に設定し、
前記最後尾の電力抑制単位時間以外の電力抑制単位時間に対しては、当該電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で、室温を維持するための室温維持運転を前記空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、当該電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を当該電力抑制単位時間内に設定する情報処理方法。 - 空気調和機が通常運転している場合の需要電力量を単位時間ごとに予測する需要電力予測処理と、
設定された室温許容範囲内で室温を維持しつつ、特定期間の単位時間ごとの需要電力を最も抑制できる閾値を算出し、需要電力量が前記閾値を上回る単位時間を電力抑制単位時間として抽出し、前記電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記空気調和機の運転を停止させる運転停止時間を前記電力抑制単位時間内に設定する電力抑制運転計画処理と、
前記電力抑制単位時間に先行する単位時間及び前記電力抑制単位時間に後続する単位時間のうちのいずれかであって、需要電力量が前記閾値以下の単位時間を室温調整単位時間として抽出し、前記空気調和機の運転の停止による前記電力抑制単位時間での室温変化を相殺するための相殺運転を前記空気調和機に行わせる相殺運転時間を、前記室温調整単位時間での需要電力量が前記閾値以下に維持され相殺運転時の室温が前記室温許容範囲内に維持される範囲で、前記室温調整単位時間内に設定する室温調整運転計画処理とをコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記電力抑制運転計画処理において、
複数の連続する単位時間がそれぞれ前記電力抑制単位時間として抽出された場合に、
前記コンピュータに、
最後尾の電力抑制単位時間に対しては、前記最後尾の電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で前記空気調和機に通常運転を行わせる運転シナリオに基づき、前記最後尾の電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を前記最後尾の電力抑制単位時間内に設定させ、
前記最後尾の電力抑制単位時間以外の電力抑制単位時間に対しては、当該電力抑制単位時間内の前記運転停止時間以外の時間で、室温を維持するための室温維持運転を前記空気調和機に行わせる運転シナリオに基づき、当該電力抑制単位時間での需要電力量が前記閾値以下に抑制されるように、前記運転停止時間を当該電力抑制単位時間内に設定させる情報処理プログラム。
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