JP5949450B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、ターボ過給機付き内燃機関が開示されている。この従来の内燃機関では、低負荷領域からの加速時における加速初期に、吸気弁の閉じ時期を吸気下死点に近づけるように設定した後、排気弁の開弁期間と吸気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を拡大させるようにしている。このような制御によれば、吸気弁の閉じ時期の変更によって実圧縮比を高めることで、充填効率の向上を図ることができる。また、バルブオーバーラップ期間の拡大によって吸気通路から排気通路に吹き抜ける空気量を増やしてターボ回転数を高めることで(過給機を活性化させることで)、吸気圧力の上昇による充填効率の向上を図ることができる。上記制御は、過渡時のトルク応答性の向上を狙ったものである。
特開2010−216464号公報
過渡時には、ドライバーからの要求に基づく目標トルクが得られる目標吸気量指標値(例えば、目標吸気量KLref)に向けて吸気量指標値(例えば、吸気量KL)を速やかに近づけること(すなわち、過渡時のトルク応答性を向上させること)が要求される。吸気量KLなどの吸気量指標値は、吸気弁(もしくは排気弁)のバルブタイミングと吸気圧(もしくは排気弁)などとの間で一意的な関係にある。トルク応答性の向上のために過渡時(加速時もしくは減速時)に吸気弁や排気弁のバルブタイミングを目標値に向けて動かす際に、上記関係をうまく利用しないと、トルク応答性を効果的に向上させることができない場合が生じ得る。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、過渡時にトルク応答性を好適に高められるバルブタイミング制御を実現することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
吸気弁および排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを変更可能な可変動弁機構と、
内燃機関に要求された目標吸気量指標値に向けて吸気量指標値が変化していく過渡状態におけるバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御手段と、
を備え、
前記バルブタイミング制御手段は、所定時間中に移動可能なバルブタイミングの可動範囲内で、現在の吸気量指標値から当該所定時間の経過時の吸気量指標値への変化量が最大となる吸気量変化最大バルブタイミングを目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記バルブタイミング制御手段は、
バルブタイミングをx座標とし、吸気圧もしくは排気圧をy座標とするxy平面上で吸気量指標値が等しい等吸気量指標値曲線に対して、現在の機関運転状態のバルブタイミングおよび吸気圧もしくは排気圧をそれぞれx座標値およびy座標値とする現在の動作点を通る近似直線を算出し、
前記近似直線の傾きの絶対値が所定値未満である場合には、前記可動範囲内のバルブタイミングであって、かつ、前記吸気量変化最大バルブタイミングでの前記変化量に対して吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で前記内燃機関の所定の性能値を最も高められるバルブタイミングを、目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
今回の過渡状態は、吸気量指標値が増加方向に変化する加速状態であって、
前記バルブタイミング制御手段は、近似直線の傾きの絶対値が前記所定値未満である場合であって、かつ、吸気量指標値が今回の過渡状態の目標吸気量指標値で等しい等目標吸気量指標値曲線上において吸気圧もしくは排気圧が最も低い動作点でのバルブタイミングである最低圧力下バルブタイミングに関して、当該最低圧力下バルブタイミングと現在の動作点でのバルブタイミングとの乖離幅が所定値以上である場合には、前記可動範囲内のバルブタイミングであって、かつ、前記吸気量変化最大バルブタイミングでの前記変化量に対して吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で前記最低圧力下バルブタイミングに最も近いバルブタイミングを、目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする。
また、第4の発明は、第2の発明において、
今回の過渡状態は、吸気量指標値が減少方向に変化する減速状態であって、
前記バルブタイミング制御手段は、近似直線の傾きの絶対値が前記所定値未満である場合であって、かつ、吸気量指標値が今回の過渡状態の目標吸気量指標値で等しい等目標吸気量指標値曲線上において吸気圧もしくは排気圧が最も高い動作点でのバルブタイミングである最高圧力下バルブタイミングに関して、当該最高圧力下バルブタイミングと現在の動作点でのバルブタイミングとの乖離幅が所定値以上である場合には、前記可動範囲内のバルブタイミングであって、かつ、前記吸気量変化最大バルブタイミングでの前記変化量に対して吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で前記最高圧力下バルブタイミングに最も近いバルブタイミングを、目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、
前記可変動弁機構は、前記バルブタイミングとしての吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構であって、
前記バルブタイミング制御手段は、前記吸気バルブタイミングを制御するものであることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか1つにおいて、
前記可変動弁機構は、吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構と、排気バルブタイミングを変更可能な排気可変動弁機構と、を含み、
前記バルブタイミング制御手段は、前記過渡状態における前記吸気バルブタイミングおよび前記排気バルブタイミングをそれぞれ制御するものであって、
前記過渡状態において前記吸気弁の開弁期間と前記排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を縮小させることが要求された場合には、吸気弁用の前記近似直線および排気弁用の前記近似直線のうちで傾きの絶対値が小さい近似直線を利用する方の弁のバルブタイミングを、要求されたバルブオーバーラップ期間の縮小のために、他方の弁のバルブタイミングよりも優先して調整するバルブタイミング制御調整手段を更に備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1の発明において、
前記可変動弁機構は、吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構と、排気バルブタイミングを変更可能な排気可変動弁機構と、を含み、
前記バルブタイミング制御手段は、前記過渡状態における前記吸気バルブタイミングおよび前記排気バルブタイミングをそれぞれ制御するものであって、
前記バルブタイミング制御手段は、吸気バルブタイミングと排気バルブタイミングと吸気圧との間の関係を3次元で見たときに、前記所定時間中に移動可能な吸気バルブタイミングの可動範囲内であって、かつ、前記所定時間中に移動可能な排気バルブタイミングの可動範囲内で、現在の吸気量指標値から当該所定時間の経過時の吸気量指標値への変化量が最大となる吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングをそれぞれ目標吸気バルブタイミングおよび目標排気バルブタイミングとする吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関に要求された目標吸気量指標値に向けて吸気量指標値が変化していく過渡状態において、所定時間中に移動可能なバルブタイミングの可動範囲内で、現在の吸気量指標値から当該所定時間の経過時の吸気量指標値への変化量が最大となる吸気量変化最大バルブタイミングを目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御が上記所定時間毎に実行される。このような制御によれば、等吸気圧下で現在値に対して最も吸気量指標値を変化させることができるバルブタイミングを所定時間毎に選択したバルブタイミング制御を行うことが可能となる。これにより、所定時間毎に吸気量指標値を効果的に変化させていくことができるので、過渡時のトルク応答性を好適に高めることが可能となる。
第2の発明によれば、近似直線の傾きの絶対値が所定値未満である場合(すなわち、バルブタイミングの変化に対する吸気量指標値の感度が低い場合)に、吸気量変化最大バルブタイミングの選択時と比べて吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で内燃機関の所定の性能値を最も高められるバルブタイミングを目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御が上記所定時間毎に実行される。これにより、上記所定の許容幅内で過渡時のトルク応答性を確保しつつ、燃費性能や排気エミッション性能などの内燃機関の所定の性能の向上を図ることができる。
第3の発明によれば、近似直線の傾きの絶対値が上記所定値未満であり、かつ、等目標吸気量指標値曲線上の最低圧力下バルブタイミングと現在の動作点でのバルブタイミングとの乖離幅が所定値以上である場合には、上記最低圧力下バルブタイミングに早く近づけられるように所定時間毎にバルブタイミングが制御されていくようにすることができる。上記最低圧力下バルブタイミングは、加速途中に吸気圧が上昇していく際に目標吸気量指標値を最も低い吸気圧下で得ることのできるバルブタイミングである。したがって、本発明によれば、上記傾きの絶対値が小さく、かつ上記乖離幅が大きい場合であっても、加速時のトルク応答性の向上を図ることができる。
第4の発明によれば、近似直線の傾きの絶対値が上記所定値未満であり、かつ、等目標吸気量指標値曲線上の最高圧力下バルブタイミングと現在の動作点でのバルブタイミングとの乖離幅が所定値以上である場合には、上記最高圧力下バルブタイミングに早く近づけられるように所定時間毎にバルブタイミングが制御されていくようにすることができる。上記最高圧力下バルブタイミングは、減速途中に吸気圧が下降していく際に目標吸気量指標値を最も高い吸気圧下で得ることのできるバルブタイミングである。したがって、本発明によれば、上記傾きの絶対値が小さく、かつ上記乖離幅が大きい場合であっても、減速時のトルク応答性の向上を図ることができる。
第5の発明によれば、吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構を備えている場合において、上記第1〜第4の発明による効果を奏することができる。
第6の発明によれば、バルブオーバーラップ期間を縮小させることが要求された場合に、バルブタイミングの変化に対する吸気量指標値の損失の小さい方のバルブタイミングの優先的な調整によって、バルブオーバーラップ期間が縮小される。これにより、所定の要求に従ってバルブオーバーラップ期間を制限しつつ、過渡時のトルク応答性をできるだけ確保できるようになる。
第7の発明によれば、過渡状態における上記所定時間中に移動可能な吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングのそれぞれの可動範囲内において、現在値に対する所定時間経過時の吸気量指標値の変化量が最大となる吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングを、3次元の広がりをもって探索できるようになる。このため、過渡時のトルク応答性をより効果的に向上させられるようになる。
本発明の実施の形態1の内燃機関のシステム構成を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1における加速時の吸気VVTによる吸気バルブタイミング制御の概要を説明するための図である。 等吸気量曲線の近似直線Aの算出手法の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1における加速時の吸気バルブタイミング制御のうちで、吸気量KLが目標吸気量KLrefに到達した後に、目標吸気量KLrefを維持しつつ最終的な目標吸気バルブタイミングに近づけるフェーズ2における制御内容を説明するためのものである。 図4中に示す近似直線Bの算出手法の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 加速時に近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合における吸気バルブタイミング制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 加速時に近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合であって、かつ、VT1と現在のVTとの乖離幅が大きい場合における吸気バルブタイミング制御を説明するための図である。 等目標吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミングVT1の算出ルーチンを示すフローチャートである。 吸気バルブタイミングVT1の具体的な算出例を示す図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3の吸気バルブタイミング制御の効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4の加速時の吸排気バルブタイミング制御の効果を説明するための図である。 吸気バルブタイミング、吸気圧、排気バルブタイミングをそれぞれx、y、z座標とする空間上に等吸気量曲面を表した図である。 図16中の矢視A、Bのそれぞれの方向から見た等吸気量曲線を表した図である。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10のシステム構成を説明するための模式図である。本実施形態のシステムは、火花点火式の内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)10を備えている。内燃機関10の各気筒には、吸気通路12および排気通路14が連通している。
吸気通路12の入口近傍には、エアクリーナ16が取り付けられている。エアクリーナ16の下流近傍には、吸気通路12に吸入される空気(吸気)の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18が設けられている。エアフローメータ18の下流には、ターボ過給機20のコンプレッサ20aが設置されている。コンプレッサ20aは、排気通路14に配置されたタービン20bと連結軸を介して一体的に連結されている。
コンプレッサ20aの下流には、圧縮された空気を冷却するインタークーラ22が設けられている。インタークーラ22の下流には、電子制御式のスロットルバルブ24が設けられている。スロットルバルブ24の下流(吸気マニホールド12a)には、吸気圧を検知するための吸気圧センサ26が配置されている。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁28が設けられている。また、内燃機関10の各気筒には、混合気に点火するための点火プラグ30が設けられている。
更に、内燃機関10は、吸気弁(図示省略)のバルブタイミング(ここでは、作用角は固定のままで開き時期および閉じ時期の双方)を調整するための吸気可変バルブタイミング機構(以下、「吸気VVT」と称する)32と、排気弁(図示省略)のバルブタイミング(ここでは、作用角は固定のままで開き時期および閉じ時期の双方)を調整するための排気可変バルブタイミング機構(以下、「排気VVT」と称する)34とを備えている。また、吸気カム軸36および排気カム軸38の近傍には、それぞれのカム軸36、38の回転角度、すなわち、吸気カム角および排気カム角を検出するための吸気カム角センサ40および排気カム角センサ42がそれぞれ配置されている。これらの吸気VVT32および排気VVT34を備えておくことで、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を調整することができる。また、これらのカム角センサ40、42と後述のクランク角センサ52とを用いることで、吸気弁や排気弁のバルブタイミングの制御位置を把握できるようになる。
排気通路14には、タービン20bをバイパスする排気バイパス通路44が接続されている。排気バイパス通路44の途中には、排気バイパス通路44を流れる排気ガスの量を調整するウェイストゲートバルブ(WGV)46が設けられている。また、タービン20bの下流側における排気バイパス通路44との接続部位よりも更に下流側の排気通路14には、排気ガスを浄化するための排気浄化触媒(以下、単に「触媒」と称する)48が配置されている。
更に、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したエアフローメータ18、吸気圧センサ26およびカム角センサ40、42に加え、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ52等の内燃機関10の運転状態を検知するための各種センサが接続されている。また、ECU50の入力部には、内燃機関10を搭載する車両のアクセルペダル(図示省略)の踏み込み量(アクセル開度)を検知するためのアクセル開度センサ54が接続されている。また、ECU50の出力部には、上述したスロットルバルブ24、燃料噴射弁28、点火プラグ30、吸気VVT32、排気VVT34およびWGV46等の内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、上述した各種センサの出力と所定のプログラムに従って各種アクチュエータを作動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
[実施の形態1における加速時の特徴的な吸気バルブタイミング制御]
(吸気量KLを目標吸気量KLrefに近づけるフェーズ1)
加速時には、ドライバーからの要求に基づく目標トルクが得られる目標吸気量指標値(例えば、目標吸気量KLref)に向けて吸気量指標値(例えば、吸気量KL)を速やかに近づけること(すなわち、加速時のトルク応答性を向上させること)が要求される。吸気量KLなどの吸気量指標値は、後述の(1)式に示すように吸気バルブタイミングおよび吸気圧などとの間で一意的な関係にある。トルク応答性の向上のために加速時に吸気バルブタイミングを目標値に向けて動かす際に、上記関係をうまく利用しないと、トルク応答性を効果的に向上させることができない場合が生じ得る。尚、KLは、より具体的には、筒内への新気の充填率(負荷率)を表す吸気量指標値であるが、以下、単に吸気量KLと表記する。
図2は、本発明の実施の形態1における加速時の吸気VVT32による吸気バルブタイミング制御の概要を説明するための図である。尚、図2に示す関係は、排気弁のバルブタイミングとエンジン回転数とを一定とした場合のものである。図2の横軸は、吸気VVT32により制御される吸気弁のバルブタイミングを示している。また、図2中において、下に凸となる複数の曲線は、吸気圧と吸気弁のバルブタイミングとの関係において吸気量が等しい点を繋げて得られる等吸気量指標値曲線(以下、単に「等吸気量曲線」と略する)を示している。
図2(A)は、現在の機関運転状態の動作点(現在値P)から今回の過渡(加速)状態の目標動作点(目標値O)に向けて吸気圧および吸気量KLが変化していく過渡状態における吸気弁のバルブタイミングの動作の軌跡の一例を表したものである。より具体的には、加速時にアクセルペダルが操作された場合には、アクセル開度に基づいて、ドライバーからの要求トルクが算出される。そして、要求トルクを実現するための目標吸気圧および目標吸気バルブタイミングが算出されることで、図2(A)に示すような過渡時の目標動作点Oが決定される。そのうえで、目標吸気圧が得られるようにスロットルバルブが制御される。本実施形態の吸気バルブタイミング制御は、このようなスロットルバルブの制御に伴って目標値Oでの吸気量と等しい目標吸気量KLrefに向けて吸気量KLを速やかに変化させていく過程における吸気バルブタイミングの制御(フェーズ1)、更には、目標吸気量KLrefの近傍にまで吸気量KLが到達した後に最終的な目標吸気バルブタイミング(O点)が得られるようにする過程における吸気バルブタイミングの制御(フェーズ2)を扱ったものである。
吸気圧pmは、吸気量KL、吸気バルブタイミングINVT、排気バルブタイミングEXVTおよびエンジン回転数NEの関数として、次の(1)式のように表すことができる。
pm=f(KL、INVT、EXVT、NE) ・・・(1)
この関係式において排気バルブタイミングEXVTおよびエンジン回転数NEを固定することで、図2に示すように吸気バルブタイミングINVTをx座標とし、吸気圧pmをy座標とするxy平面上に等吸気量曲線を描くことができるようになる。
図2(B)は、図2(A)に示す関係を、現在の動作点Pの近傍において拡大した図である。過渡状態において所定時間T(ECU50の制御周期であり、例えば、8ms)内で現在値Pから移動可能(調整可能)な吸気バルブタイミングの範囲(以下、「可動範囲」と称する)Qは、吸気バルブタイミングの調整を担う吸気VVT32のハード構成上の条件によって決まった既知の値となる。また、加速中は、所定時間Tの経過に伴って吸気圧が上昇する。したがって、図2上において現在値Pから所定時間Tを経過した時点で取り得る動作点(吸気バルブタイミング)の可動範囲Qは、図2(B)に示すようなものとなる。尚、所定時間Tの経過に伴う吸気圧の上昇量は、加速条件や運転条件、更には、加速時の吸気圧の変化に影響を与える内燃機関10のハード構成上の条件によって決まるものである。このため、所定時間T毎の吸気圧の上昇量は、上記の各種条件に応じた値として予めECU50に記憶させておくことで、実機上で取得可能となる。
加速時の吸気圧の立ち上がりには遅れを伴う。吸気圧の立ち上がりの遅れは、本実施形態の内燃機関10のようにターボ過給機付き内燃機関において顕著である。より具体的には、大気圧付近までは吸気圧が比較的早く立ち上がるが、大気圧よりも高い圧力に吸気圧が立ち上がっていく際に、ターボラグと呼ばれるように遅れが大きくなる。したがって、加速時のトルク応答性を高めるうえでは、如何に低い吸気圧の下で多くのトルクを発生させられるか(吸気量KLを高められるか)が重要となる。
しかしながら、上記のような目的のために単純に目標吸気バルブタイミングVT1(目標吸気量KLrefが得られる等目標吸気量曲線上で吸気圧が最も低くなる時の吸気バルブタイミング)を目指すこととし、可動範囲Q内での最大の変化量で吸気バルブタイミングを調整すること(図2(B)に示すケースでは、動作点P1に向けて吸気バルブタイミングを調整すること)は、加速途中の各時点での空気量(トルク)を常に最大限高めていけるとは限らない。すなわち、図2(B)に例示したケースでは、動作点P1への調整と比べて吸気バルブタイミングの変化量としては少ないが、等吸気圧下の吸気バルブタイミングの可動範囲Q内において吸気量KLを最も高められる動作点PKLHIが存在する。このため、図2(B)に示すケースでは、吸気バルブタイミングを動作点P1での値となるように調整するよりも動作点PKLHIでの値となるように調整する方が、現在値Pから所定時間Tを経過した時点での吸気量KLをより効果的に高めることができるといえる。
そこで、本実施形態では、目標吸気量KLrefに向けて吸気量KLが増加していく過渡状態(加速状態)における吸気バルブタイミングを所定時間毎に次のように制御するようにした。すなわち、加速状態における所定時間T中に移動可能な吸気バルブタイミングの可動範囲Q内で、現在値Pでの吸気量KLに対する吸気量KLの増加量が最大となる動作点PKLHIでの吸気バルブタイミングを目標吸気バルブタイミングとする吸気バルブタイミングを、吸気量KLが目標吸気量KLrefに到達するまで(より具体的には、目標吸気量KLrefが得られる等目標吸気量曲線の近傍に動作点が移動するまで)所定時間T毎に繰り返し実行するようにした。尚、所定時間Tが繰り返し経過していくうちにエンジン回転数が変化していく。ECU50は、上記(1)式の関係に従って吸気圧、吸気バルブタイミングおよび吸気量との関係を定めたマップ(図2に示すような関係をマップ化したもの)をエンジン回転数毎に記憶しており、所定時間Tが経過する毎にその時点のエンジン回転数に合ったマップが参照されるものとする。また、図2(A)は、以上のようなフェーズ1における制御の実行時の吸気バルブタイミングの動作の軌跡の一例を概略的に示したものである。
(目標吸気量KLrefを維持しつつ最終的な目標吸気バルブタイミングに近づけるフェーズ2)
また、本実施形態では、吸気量KLが目標吸気量KLrefの近傍に到達した後の加速状態においては、図2(A)に示すように、目標吸気量KLrefを維持しつつ、加速時の最終的な目標動作点Oでの吸気バルブタイミングである目標吸気バルブタイミングVT(O)に近づけられるように吸気バルブタイミングが所定時間T毎に調整されていく。
図3は、等吸気量曲線の近似直線Aの算出手法の一例を示す図である。
本実施形態では、フェーズ2において所定時間T毎の目標吸気バルブタイミングを算出する際に用いるために、図3に示すような手法で、現在の動作点(現在値P)を通る等吸気量曲線の近似直線Aの算出が行われる。
近似直線Aの算出は、次のような手順で行われる。すなわち、図3に示すように、現在値Pにおける吸気圧pm0が、上記(1)式に対して現在の吸気量KL0および吸気バルブタイミングVT0を代入することによって次のように算出される。
pm0=f(KL0、VT0、EXVT、NE)
図3における点P’は、近似直線Aを求めるための点であって、吸気バルブタイミングINVTがVT0に対して所定量dだけ移動された値(VT0−d)であるときに現在値Pと同じ等吸気量曲線上にある点である。この点P’における吸気圧pm0’は、上記(1)式を用いて次のように算出することができる。
pm0’=f(KL0、VT0−d、EXVT、NE)
尚、吸気量(負荷率)KLは、エアフローメータ18により計測される吸入空気量とクランク角センサ52を用いて取得されたエンジン回転数とに基づいて算出することができる。また、現在の吸気バルブタイミングVTは吸気カム角センサ40とクランク角センサ52とを用いて取得することができる。尚、近似直線Aの算出に用いられる排気バルブタイミングEXVTおよびエンジン回転数NEには所定の固定値(現在値)が代入されるものとする。
近似直線Aの傾きaは、図3に示すように、((pm0−pm0’)/d)として算出することができる。従って、近似直線Aを表す式を次式のように算出することができる。
pm=a×(INVT)+pm0−a×VT0
図4は、本発明の実施の形態1における加速時の吸気バルブタイミング制御のうちで、吸気量KLが目標吸気量KLrefに到達した後に、目標吸気量KLrefを維持しつつ最終的な目標吸気バルブタイミングに近づけるフェーズ2における制御内容を説明するためのものである。図5は、図4中に示す近似直線Bの算出手法の一例を示す図である。
図4は、目標吸気量KLrefでの等目標吸気量曲線の近傍に現在値Pが到達している状態(すなわち、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内に等目標吸気量曲線が収まっている状態)を示している。加速途中にこの状態が到来した後には、目標吸気量KLrefを維持しつつ目標吸気圧が得られるように動作点を目標動作点Oに近づけるために、図4に示す吸気バルブタイミングの制御(この場合には吸気バルブタイミングの遅角制御)が所定時間T毎に実行される。
図4に示す吸気バルブタイミングの制御では、先ず、等目標吸気量曲線の近似直線Bが算出される。近似直線Bは、目標吸気量KLrefでの等目標吸気量曲線上において現在値Pのバルブタイミング(VT0)をx座標値とする特定動作点Cを通過する近似直線である。
近似直線Bの算出は、次のような手順で行われる。すなわち、図5に示すように、特定動作点Cにおける吸気圧pm1は、図3のために既述したのと同様の考えに基づいて上記(1)式に従って次のように算出することができる。
pm1=f(KLref、VT0、EXVT、NE)
図5における点C’は、近似直線Bを求めるための点であって、吸気バルブタイミングINVTがVT0に対して所定量dだけ移動された値(VT0−d)であるときに特定動作点Cと同じ等吸気量曲線上にある点である。この点C’における吸気圧pm1’は、上記(1)式を用いて次のように算出することができる。
pm1’=f(KLref、VT0−d、EXVT、NE)
近似直線Bの傾きbは、図5に示すように、((pm1−pm1’)/d)として算出することができる。従って、近似直線Bを表す式を次式のように算出することができる。
pm=b×(INVT)+pm1−b×VT0
本実施形態の手法では、上記のように近似直線Bを算出したうえで、図4中の現在値Pに対する所定時間T経過時の吸気バルブタイミングの可動範囲Qがxy平面上に設定される。次いで、設定された可動範囲Q内で近似直線Bを通る動作点P2での吸気バルブタイミングが現在の制御周期における目標吸気バルブタイミングとして算出される。そして、算出された目標吸気バルブタイミングが得られるように吸気VVT32によって吸気バルブタイミングが制御される。このような吸気バルブタイミングの制御によって動作点が点P2に到達した場合には、次の所定時間Tに対する制御として、到達した動作点P2を新たな現在値Pとして、近似直線Bの算出、可動範囲Qの設定、新たな動作点P2の算出、および当該動作点P2への吸気バルブタイミングの制御が実行される。
フェーズ2では、このような制御が、最終的な目標吸気バルブタイミングVT(O)が得られる最終的な目標動作点Oに動作点が到達するまで、所定時間T毎に繰り返し実行される。
(実施の形態1における加速時の吸気バルブタイミング制御を実現するための具体的な処理)
図6は、上述した加速時の吸気バルブタイミング制御を実現するために、本実施の形態1においてECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、アクセル開度センサ54を用いて加速要求が出された際に起動され、目標動作点Oでの吸気バルブタイミングVT(O)が目標吸気バルブタイミングに設定されるまで所定の制御周期(上記所定時間T)毎に繰り返し実行されるものとする。
図6に示すルーチンでは、先ず、現在の吸気量KLが目標吸気量KLrefの近傍に到達したか否かが判定される(ステップ100)。具体的には、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内に等目標吸気量曲線が収まっている状態にあるか否かが判断される。
ステップ100の判定が不成立である場合、すなわち、現在の吸気量KLが目標吸気量KLrefの近傍に未だ到達していないと判断できる場合には、上記フェーズ1の吸気バルブタイミング制御が実行される。具体的には、ステップ102において、現在値Pに対する所定時間T経過時の吸気バルブタイミングの可動範囲Q内で、現在値Pでの吸気量KLに対する吸気量KLの増加量が最大となる動作点PKLHIでの吸気バルブタイミングが目標吸気バルブタイミングとして算出される。吸気VVT32は、算出された目標吸気バルブタイミングを実現するべく駆動される。本ステップ102の処理は、加速途中にステップ100の処理が成立するまで所定時間T毎に繰り返し実行されることとなる。
一方、ステップ100の判定が成立した場合、すなわち、現在の吸気量KLが目標吸気量KLrefの近傍に到達したと判断できる場合には、上記フェーズ2の吸気バルブタイミング制御が実行される。具体的には、先ず、ステップ104において、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内に目標動作点Oでの吸気バルブタイミングVT(O)が収まっているか否かが判定される。
ステップ104の判定が不成立である場合、すなわち、現在値Pに対する所定時間Tの経過時では吸気バルブタイミングVT(O)に未だ到達できないと判断できる場合には、次いで、目標吸気量KLrefでの等目標吸気量曲線上において現在値Pのバルブタイミング(VT0)をx座標値とする特定動作点Cを通過する近似直線Bが算出される。そのうえで、今回の可動範囲Q内で近似直線Bを通る動作点P2での吸気バルブタイミングVT(P2)が算出され、この値が今回の制御周期における目標吸気バルブタイミングに設定される(ステップ106)。
一方、ステップ104の判定が成立する場合、すなわち、現在値Pに対する所定時間Tの経過時に吸気バルブタイミングVT(O)に到達可能であると判断できる場合には、目標動作点Oでの吸気バルブタイミングVT(O)が今回の制御周期における目標吸気バルブタイミングに設定される(ステップ108)。
以上説明した本実施形態のフェーズ1での吸気バルブタイミング制御によれば、加速途中の各時点(各制御周期)において、現在値Pに対する所定時間Tの経過時点の可動範囲Q内で最も吸気量KLを高められる動作点PKLHIでの吸気バルブタイミングを目標吸気バルブタイミングとして吸気バルブタイミングが制御される。このような制御によれば、等吸気圧下で最も吸気量KLを高くすることができる吸気バルブタイミング(言い換えれば、できるだけ低い吸気圧の下で効果的に吸気量KLを高められる吸気バルブタイミング)を所定時間T毎に選択して吸気バルブタイミングを制御することが可能となる。これにより、所定時間T毎に吸気量KLを効果的に高めていくことができるので、加速時のトルク応答性を好適に高めることが可能となる。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「バルブタイミング制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図7および図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態2は、実施の形態1と同様の構成および加速時の吸気バルブタイミング制御に対して、現在値Pでの近似直線Aの傾きの絶対値が所定値以上であるか否かに応じてフェーズ1での吸気バルブタイミングの制御内容を変更したことに特徴を有している。尚、本実施形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値以上である場合の制御は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態2における加速時の特徴的な吸気バルブタイミング制御]
(加速時に近似直線Aの絶対値が小さい場合の吸気バルブタイミング制御の概要)
図7は、加速時に近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合における吸気バルブタイミング制御を説明するための図である。
近似直線Aは、現在値Pの近傍での仮想的な等吸気量の直線であるので、その軸線方向に動作点を動かしても吸気量KLをあまり変化させることができない。このため、図7中に示す現在値Pでの近似直線Aのように、その傾きの絶対値が小さい場合、すなわち、吸気バルブタイミングの変化に対する吸気量(負荷率)KLの感度が低い場合には、この傾きが急な場合と比べ、実施の形態1と同じ考えの下で可動範囲Q内で最も吸気量KLを高められる動作点PKLHIでの吸気バルブタイミングが得られるように吸気バルブタイミングを動かしたとしても、近似直線Aの軸線方向に動かした場合との違いが小さくなる。その結果、吸気量KLを大きく増やすことはできず、加速時のトルク応答性の向上効果をあまり見込めなくなる。
そこで、本実施形態では、加速途中のフェーズ1において、現在値Pでの近似直線Aの傾きの絶対値が所定値以上であるか否かを判断するようにした。そして、この傾きの絶対値が所定値以上である場合には、実施の形態1で説明した吸気バルブタイミングの制御を行う一方で、当該傾きの絶対値が所定値未満である場合には、図7に示す手法によって求められる可動範囲Q内の動作点Pでの吸気バルブタイミングを目標吸気バルブタイミングとして吸気バルブタイミングを制御するようにした。
図7に示すように、動作点Pは、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内の動作点であって、動作点PKLHIで得られる吸気量KLに対する吸気量の減少量が所定の空気量損失許容幅(例えば、動作点PKLHIで得られる吸気量KLに対してマイナス3%までの吸気量KLの範囲)内にある吸気バルブタイミングの範囲R内で内燃機関10の燃費が最良となる動作点である。
(実施の形態2における加速時の吸気バルブタイミング制御を実現するための具体的な処理)
図8は、上述した加速時の吸気バルブタイミング制御を実現するために、本実施の形態2においてECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、図8において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8に示すルーチンでは、ステップ100の判定が不成立である場合、すなわち、上記フェーズ1に該当する場合には、次いで、現在値P(現在の動作点)での等吸気量曲線の近似直線Aが既述した手法に従って算出される(ステップ200)。次いで、算出された近似直線Aの傾きの絶対値が所定値以上であるか否かが判定される(ステップ202)。本ステップ102の所定値は、近似直線Aの傾きを利用して吸気バルブタイミングの変化に対する吸気量感度の程度を判断するための閾値として予め設定された値である。
ステップ202において近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値以上であると判定された場合、すなわち、吸気バルブタイミングの変化に対する吸気量感度が高い状況にあると判断できる場合には、実施の形態1で上述した動作点PKLHIを目標とする吸気バルブタイミングの制御が実行される(ステップ102)。
一方、ステップ202において近似直線の傾きの絶対値が上記所定値未満であると判定された場合、すなわち、吸気バルブタイミングの変化に対する吸気量感度が低い状況にあると判断できる場合には、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内の動作点であって、動作点PKLHIで得られる吸気量KLに対する吸気量の減少量が所定の空気量損失許容幅内にある吸気バルブタイミングの範囲R内で内燃機関10の燃費を最も高められる動作点である動作点Pでの吸気バルブタイミングが目標吸気バルブタイミングとして算出される(ステップ204)。上述したステップ200、202、および、ステップ102もしくは204の処理は、ステップ100の判定が成立するまで繰り返し実行されることとなる。
既述したように、近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合、すなわち、吸気バルブタイミングの変化に対する吸気量感度が低い場合には、フェーズ1において実施の形態1のように動作点PKLHIでの吸気バルブタイミング(出力重視)を選択しても、加速時のトルク応答性の改善効果が小さい。以上説明した図8に示すルーチンの手法によれば、このような場合には、目標吸気バルブタイミングとして出力重視の上記吸気バルブタイミングを狙うのではなく、所定の空気量損失許容幅内で燃費が最良となる吸気バルブタイミングが目標吸気バルブタイミングとして算出されるようになる。このようにして得られる目標吸気バルブタイミングに向けて吸気バルブタイミングを制御することにより、上記吸気量感度が低い場合であっても、所定の空気量(出力)損失の許容範囲内で加速時のトルク応答性を確保しつつ、燃費性能の向上を図ることができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合には、所定の空気量損失許容幅内で燃費が最良となる吸気バルブタイミングを目標吸気バルブタイミングとして算出することとしている。しかしながら、このような場合に本発明において目標バルブタイミングとされるバルブタイミングは、上記許容幅内で燃費が最良となるバルブタイミングに限られるものではなく、燃費以外の内燃機関の所定の性能値(例えば、排気エミッション)を最も高められるバルブタイミングであってもよい。
尚、上述した実施の形態2おいては、ECU50が上記ステップ200、202および204の一連の処理を実行することにより前記第2の発明における「バルブタイミング制御手段」が実現されている。また、近似直線Aが前記第2の発明における「近似直線」に相当している。
実施の形態3.
次に、図9乃至図13を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施の形態3は、実施の形態1と同様の構成および実施の形態1、2と同様の加速時の吸気バルブタイミング制御に対して、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値未満であり、かつ、等目標吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミング(吸気バルブタイミングVT1(図9参照))と現在の動作点の吸気バルブタイミングVTとの乖離幅が所定値以上であるか否かに応じてフェーズ1での吸気バルブタイミングの制御内容を変更したことに特徴を有している。尚、本実施形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値以上である場合の制御は、実施の形態1と同じであり、かつ、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値未満であり、かつ、上記吸気バルブタイミングVT1と現在の吸気バルブタイミングVTとの乖離幅が上記所定値未満である場合の制御は、実施の形態2と同じである。
[実施の形態3における加速時の特徴的な吸気バルブタイミング制御]
(加速時に近似直線Aの絶対値が小さく、かつ、吸気バルブタイミングVT1と現在の吸気バルブタイミングVTとの乖離幅が大きい場合の吸気バルブタイミング制御の概要)
図9は、加速時に近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合であって、かつ、VT1と現在のVTとの乖離幅が大きい場合における吸気バルブタイミング制御を説明するための図である。
図9に示す制御例は、加速時のフェーズ1の初期に、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値未満となり、かつ、ECU50に設定されている等目標吸気量曲線上(マップ上)で吸気圧が最も低い動作点での吸気バルブタイミングVT1と現在の動作点Pでの吸気バルブタイミングVTとの乖離幅が所定値以上となっている状況を表している。既述したように、近似直線Aの傾きの絶対値が小さい場合、すなわち、吸気バルブタイミングの変化に対する吸気量感度が低い場合では、フェーズ1において実施の形態1の吸気バルブタイミング制御(出力重視)を選択しても、加速時のトルク応答性の改善効果が小さい。その一方で、VT1は、加速時に吸気圧が上昇していく際に最も低い吸気圧下で目標吸気量KLrefが得られる吸気バルブタイミングである。このようなVT1に対する現在の吸気バルブタイミングVTの乖離が大きいと、吸気VVT32による吸気バルブタイミングの応答遅れが大きな要因となって、加速時のトルク応答性に顕著な低下が表れる場合がある。
そこで、本実施形態では、加速途中のフェーズ1において、現在値Pでの近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値未満である場合には、更に、VT1に対する現在の吸気バルブタイミングVTの乖離幅が上記所定値以上であるか否かを判断するようにした。そして、この乖離幅が所定値未満である場合には、実施の形態2で説明した吸気バルブタイミングの制御を行う一方で、当該乖離幅が所定値以上である場合には、図9に示す手法によって求められる可動範囲Q内の動作点Pでの吸気バルブタイミングを目標吸気バルブタイミングとして吸気バルブタイミングを制御するようにした。
図9に示すように、動作点Pは、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内の動作点であって、動作点PKLHIで得られる吸気量KLに対する吸気量の減少量が所定の空気量損失許容幅(例えば、動作点PKLHIで得られる吸気量KLに対してマイナス3%までの吸気量KLの範囲)内にある吸気バルブタイミングの範囲R内で吸気バルブタイミングVT1に最も近い吸気バルブタイミングが得られる動作点である。
(実施の形態3における加速時の吸気バルブタイミング制御を実現するための具体的な処理)
先ず、図10および図11を参照して、等目標吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミングVT1の算出手法の一例について説明する。
図10は、等目標吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミングVT1の算出ルーチンを示すフローチャートである。図11は、そのような吸気バルブタイミングVT1の具体的な算出例を示す図である。尚、pm(n)は、吸気バルブタイミングと吸気量KLの関数として、関係式(pm(n)=f(VTref+(もしくは−)d、KLref))のように表される。
図10に示すルーチンでは、先ず、加速時の最終的な目標動作点(図9中の目標値O参照)での目標吸気圧pmrefが吸気圧pm1よりも高いか否かが判定される(ステップ300)。ここで用いられる吸気圧pm1は、目標吸気圧pmrefが得られる点(目標値O)の目標吸気バルブタイミングVTrefに所定値dを加算した吸気バルブタイミング(VTref+d)が得られる点の吸気圧値である。
ステップ300において目標吸気圧pmrefが吸気圧pm1よりも高いと判定された場合(図11(A)に示す例が該当)には、吸気圧pm(n)が吸気圧pm(n−1)よりも高いか否かが判定される(ステップ302)。この場合の吸気圧pm(n)は、目標吸気圧pmrefと比べ、吸気バルブタイミングが所定値dだけ加算された点の吸気圧値である。本ステップ302が最初に実行される際には、nに1が代入される。
ステップ302の判定が成立する場合には、nを1だけ増やした状態で、再度ステップ302の判定が実行される。このような判定が繰り返し実行されていく間にステップ302の判定が不成立となった場合には、等目標吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミングVT1が、ステップ302の判定が不成立となる時のnを用いた加算値n×dを目標吸気バルブタイミングVTrefに加えた値として算出される(ステップ304)。図11(A)に示す例の場合には、nが2とされた場合にステップ302の判定が不成立となる。その結果、吸気圧pm2が得られる点の付近に極小点が存在すると判断することができるため、この場合のVT1は、VTrefに2dを加えた値として算出される。
一方、ステップ300において目標吸気圧pmrefが吸気圧pm1以下であると判定された場合(図11(B)に示す例が該当)には、吸気圧pm(−n)が吸気圧pm(−n−1)よりも高いか否かが判定される(ステップ306)。この場合の吸気圧pm(−n)は、目標吸気圧pmrefと比べ、吸気バルブタイミングが所定値dだけ減算された点の吸気圧値である。本ステップ306が最初に実行される際には、nに1が代入される。
ステップ306の判定が成立する場合には、nを1だけ増やした状態で、再度ステップ306の判定が実行される。このような判定が繰り返し実行されていく間にステップ306の判定が不成立となった場合には、吸気バルブタイミングVT1が、ステップ306の判定が不成立となる時のnを用いた減算値n×dを目標吸気バルブタイミングVTrefから減じた値として算出される(ステップ308)。図11(B)に示す例の場合には、nが1とされた場合にステップ306の判定が不成立となる。その結果、吸気圧pm(−1)が得られる点の付近に最小点が存在すると判断することができるため、この場合のVT1は、VTrefからdを減じた値として算出される。
次に、図12は、上述した吸気バルブタイミング制御を実現するために、本実施の形態3においてECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、図12において、実施の形態2における図8に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図12に示すルーチンでは、ステップ202において現在値Pに対する近似直線Aの傾きの絶対値が所定値未満であると判定された場合には、次いで、等目標吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミングVT1が上記図10に示すルーチンを利用して算出される(ステップ400)。次いで、算出されたVT1に対する現在の吸気バルブタイミングVTの乖離幅が所定値以上であるか否かが判定される(ステップ402)。
ステップ402の判定が不成立となる場合、すなわち、上記乖離幅が所定値未満である場合には、実施の形態2で上述した動作点Pを目標とする吸気バルブタイミングの制御が実行される(ステップ204)。
一方、ステップ402の判定が成立する場合、すなわち、上記乖離幅が所定値以上である場合には、現在値Pに対する所定時間T経過時の可動範囲Q内の動作点であって、動作点PKLHIで得られる吸気量KLに対する吸気量の減少量が所定の空気量損失許容幅内にある吸気バルブタイミングの範囲R内で吸気バルブタイミングVT1に最も近い動作点である動作点Pでの吸気バルブタイミングが目標吸気バルブタイミングとして算出される(ステップ404)。上述したステップ202以降の一連の処理は、ステップ100の判定が成立するまで繰り返し実行される。
図13は、本発明の実施の形態3の吸気バルブタイミング制御の効果を説明するための図である。尚、図13において、太線で示す波形は、それぞれ実施の形態3の制御によるものであり、細線で示す波形は、それぞれ、比較のための実施の形態1の制御によるものである。
吸気バルブタイミングVT1が得られる等目標吸気量曲線上の動作点は、等目標吸気量曲線上で最も吸気圧が低い状態で目標吸気量KLrefを確保できる動作点である。そして、目標吸気量KLrefよりも吸気量KLが少ない吸気量KLに関する吸気量曲線についても、特に等目標吸気量曲線の近くの吸気量曲線であれば、それらの吸気量曲線上で吸気圧が最低となる動作点での吸気バルブタイミングの値は、比較的VT1に近い値となることが多いといえる。このため、本実施形態の吸気バルブタイミング制御が対象とする状況、すなわち、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値未満であり、かつ、VT1に対する現在の吸気バルブタイミングVTの乖離幅が上記所定値以上である状況では、加速時のトルク応答性を効果的に高めるには、できるだけ早い段階で吸気バルブタイミングVT1に近づけておくことが有効であるといえる。
比較のための実施の形態1の制御は、加速時のフェーズ1の個々の制御周期において効果的に吸気量KLを高められる動作点PKLHIをトレースしていくものである。このような制御と比べ、本実施の形態3の制御によれば、フェーズ1において上記乖離幅が上記所定値以上である状況では、所定の空気量(出力)損失を許容しつつ、動作点Pを利用して個々の制御周期における吸気バルブタイミングを早い段階からVT1にできるだけ近づけられるように目標バルブタイミング(目標VVT)が設定され、それに伴い、実際の吸気バルブタイミング(実VVT)が制御されていく(図13(A)参照)。これにより、図13(B)に示すように、実施の形態1の制御と比べると、所定の空気量損失を許容したことで加速初期段階には吸気量(負荷率)KLの立ち上がりが若干遅くなるが、VT1に到達する時刻T1以降においては効果的に吸気量KLを目標吸気量KLrefに高められるようになる。
以上説明したように、本実施形態の制御によれば、近似直線Aの傾きの絶対値が上記所定値未満であり、かつ、VT1に対する現在の吸気バルブタイミングVTの乖離幅が上記所定値以上である場合に、目標吸気量KLrefを最も低い吸気圧で得ることのできる吸気バルブタイミングVT1を先行して算出し、早い段階からこのVT1に近づけられるように吸気バルブタイミングが制御されていく。これにより、上記傾きの絶対値が小さく、かつ上記乖離幅が大きい場合であっても、加速時のトルク応答性の向上を図ることができる。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU50が上記図12に示すルーチンのステップ202以降の一連の処理を実行することにより前記第3の発明における「バルブタイミング制御手段」が実現されている。また、吸気バルブタイミングVT1が前記第3の発明における「最低圧力下バルブタイミング」に相当している。
実施の形態4.
次に、図14および図15を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施の形態4は、実施の形態1〜3と同様の構成および加速時の吸気バルブタイミングの制御に対して、更に以下に説明する制御を行う点に特徴を有している。尚、本実施形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態4における加速時の特徴的な吸排気バルブタイミング制御の概要]
本実施形態では、排気バルブタイミングについても、上述した実施の形態1乃至3における吸気バルブタイミング制御と同様の思想の制御が加速時に行われる。具体的には、上記(1)式において吸気バルブタイミングINVTおよびエンジン回転数NEを固定することで、ここでは図示を省略するが、排気バルブタイミングEXVTをx座標とし、吸気圧pmをy座標とするxy平面上に等吸気量曲線を描くことができるようになる。加速時のフェーズ1では、加速状態における所定時間T中に移動可能な排気バルブタイミングの可動範囲Q内で、現在値Pでの吸気量KLに対する吸気量KLの増加量が最大となる動作点P’KLHIでの排気バルブタイミングを目標排気バルブタイミングとする排気バルブタイミングを、吸気量KLが目標吸気量KLrefに到達するまで(より具体的には、目標吸気量KLrefが得られる等目標吸気量曲線の近傍に動作点が移動するまで)所定時間T毎に繰り返し実行される。フェーズ2における排気バルブタイミングの制御、および実施の形態2、3で説明した特定の状況下での排気バルブタイミングの制御についても、これまでに説明した吸気バルブタイミングの制御と同じ考え方に基づいて行うことができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
加速時に吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングをそれぞれ制御してバルブオーバーラップ期間を拡大させることにより、加速時のトルク応答性の向上を図ることができる。ところが、内燃機関10の運転中には、例えば、新気の流入による触媒48の温度過上昇の防止のためにバルブオーバーラップ期間が制限される場合がある。本実施形態では、このような場合には、現在の動作点Pについての吸気弁用の近似直線AINおよび排気弁用の近似直線AEXのうちで傾きの絶対値が小さい近似直線を利用する方の弁のバルブタイミングの調整を、要求されたバルブオーバーラップ期間の縮小のために選択するようにした。
(実施の形態4における加速時の吸排気バルブタイミング制御を実現するための具体的な処理)
図14は、本発明の実施の形態4で実行される加速時の吸排気バルブタイミング制御を実現するために、ECU50が実行するルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、吸気弁用および排気弁用の近似直線AIN、AEXが算出される加速時のフェーズ1において、所定時間T毎に繰り返し実行されるものとする。
図14に示すルーチンでは、先ず、バルブオーバーラップ(O/L)期間の上限値が現在のバルブオーバーラップ期間よりも小さいか否かが判定される(ステップ500)。現在のバルブオーバーラップ期間は、バルブオーバーラップ期間の初期値OFSに、吸気バルブタイミングの調整量(初期値OFSに対する進角量)と排気バルブタイミングの調整量(初期値OFSに対する進角量)とを加算して得られる値である。O/L上限値は、上述した触媒48の温度過上昇防止などの理由によって運転中に適宜設けられるバルブオーバーラップ期間の上限値である。
ステップ500の判定が成立する場合、すなわち、バルブオーバーラップ期間を縮小させることが要求された場合には、次いで、吸気弁用の近似直線AINの傾きの絶対値が排気弁用の近似直線AEXの傾きの絶対値よりも大きいか否かが判定される(ステップ502)。その結果、吸気弁用の近似直線AINの傾きの絶対値が排気弁用の近似直線AEXのそれよりも大きいと判定された場合には、バルブオーバーラップ期間をO/L上限値以下に縮小するために、傾きが小さい方の排気バルブタイミングが調整される(戻される)(ステップ504)。
一方、ステップ502の判定が不成立となる場合には、次いで、排気弁用の近似直線AEXの傾きの絶対値が吸気弁用の近似直線AINの傾きの絶対値よりも大きいか否かが判定される(ステップ506)。その結果、排気弁用の近似直線AEXの傾きの絶対値が吸気弁用の近似直線AINのそれよりも大きいと判定された場合には、バルブオーバーラップ期間をO/L上限値以下に縮小するために、傾きが小さい方の吸気バルブタイミングが調整される(戻される)(ステップ508)。また、ステップ502および506の判定が共に不成立となる場合、すなわち、近似直線AIN、AEXの両者の傾きの絶対値が等しい場合には、バルブオーバーラップ期間をO/L上限値以下に縮小するために、均等に分配された調整量(戻し量)で、吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングがそれぞれ調整される(ステップ510)。
図15は、本発明の実施の形態4の加速時の吸排気バルブタイミング制御の効果を説明するための図である。図15は、吸気弁用の近似直線AINの傾きの絶対値(図15(A))が排気弁用の近似直線AEXの傾きの絶対値(図15(B))よりも小さいケース(ステップ506の判定が成立するケースが該当)を表している。
既述したように、近似直線Aの傾きの絶対値が小さいということは、バルブタイミングの変化に対する吸気量(負荷率)感度が低いことを意味する。このため、図16に例示したケースの場合には、近似直線AINの傾きの絶対値が小さい方の吸気バルブタイミングを所定量だけ調整する(遅角させる)場合の方が、近似直線AEXの傾きの絶対値が大きい方の排気バルブタイミングを同じ所定量だけ調整する(進角させる)場合よりも、図16(A)、(B)に比較して示すように、吸気量損失が小さくなる。本実施形態の制御によれば、このような場合にはバルブタイミングの変化に対する吸気量損失の小さい方の吸気バルブタイミングの調整が優先して実行される。これにより、所定の要求に従ってバルブオーバーラップ期間を制限しつつ、加速時のトルク応答性をできるだけ確保できるようになる。
ところで、上述した実施の形態4においては、吸気弁用の近似直線AINと排気弁用の近似直線AEXとの間で傾きの絶対値に差が生じている場合には、図14に示すように、バルブオーバーラップ期間を縮小するために、傾きの絶対値の小さい方の弁のバルブタイミングのみを調整する例について説明を行った。しかしながら、本発明の制御は、傾きの絶対値の小さい方の弁のバルブタイミングを他方のそれと比べて優先して実行するものであれば、上記の態様によるものに限られない。すなわち、例えば、傾きの絶対値の小さい方の弁のバルブタイミングの調整量よりも少ない調整量であれば、傾きの絶対値の大きい方の弁のバルブタイミングを調整するようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態4においては、近似直線AINが前記第6の発明における「吸気弁用の近似直線」に、近似直線AEXが前記第6の発明における「排気弁用の近似直線」に、それぞれ相当している。また、ECU50が上記ステップ500〜508の一連の処理を実行することにより前記第6の発明における「バルブタイミング制御調整手段」が実現されている。
実施の形態5.
次に、図16および図17を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
本実施の形態5は、実施の形態1と同様の構成および加速時の吸気バルブタイミングの制御に対して、更に以下に説明する制御を行う点に特徴を有している。尚、本実施形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態5における加速時の特徴的な吸排気バルブタイミング制御の概要]
図16は、吸気バルブタイミング、吸気圧、排気バルブタイミングをそれぞれx、y、z座標とする空間上に等吸気量曲面を表した図である。図17は、図16中の矢視A、Bのそれぞれの方向から見た等吸気量曲線を表した図である。
図16に示すように、吸気バルブタイミング、吸気圧、排気バルブタイミングをそれぞれx、y、z座標とする3次元空間上では、吸気量KLが等しい等吸気量曲面(図示の簡素化のために、図16では複数の直線を繋いで得られる曲面として図示)を得ることができる。ECU50は、このような等吸気量曲面を所定の吸気量KLおよびエンジン回転数毎にマップ化して備えているものとする。
加速時にトルク応答性を向上させるためには、既述したように、フェーズ1において現在値Pに対する所定時間Tの経過時の可動範囲Q内で最も吸気量KLを高められる(言い換えれば、等吸気圧下で最も多い吸気量KLを得られる)動作点での吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングが選択されることが望ましい。そこで、本実施形態では、加速途中のフェーズ1において、吸気バルブタイミングと吸気圧と排気バルブタイミングとの間の関係を3次元で見たときに、所定時間T中に移動可能な吸気バルブタイミングの可動範囲QIN内であって、かつ、当該所定時間T中に移動可能な排気バルブタイミングの可動範囲QEX内で吸気量KLが最大となる動作点(図16中の星印)での吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングをそれぞれ目標吸気バルブタイミングおよび目標排気バルブタイミングとする吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングの制御を所定時間毎に繰り返し実行するようにした。
ここで、本実施形態の手法とは異なり(すなわち、3次元的に捉えずに)、フェーズ1における目標吸気バルブタイミングおよび目標排気バルブタイミングをそれぞれ算出しようとした場合の問題点を図17(A)、(B)を参照して説明する。
ここで、図16中の等吸気量曲面における線分L1は、排気バルブタイミングが一定値となるものである。図17(A)は、排気バルブタイミングが上記一定値である時のxy平面を矢視A方向から見た図である。図16に示す等吸気量曲面において線分L1以外の部分については、排気バルブタイミングが上記一定値とは異なるため、図17(A)に示すxy平面上には表れず、図17(A)に示すxy平面上に表れる線(すなわち、等吸気量曲線)は、線分L1のみとなる。したがって、排気VVT34の調整を考慮せずに目標吸気バルブタイミングを求める実施の形態1の手法は、図17(A)に示すxy平面上に表れる線分L1上で最も吸気圧の低い動作点での吸気バルブタイミング(黒丸印)を目標吸気バルブタイミングとして算出するものに相当するといえる。
図17(B)についても、図17(A)と同様である。すなわち、図16中の等吸気量曲面における線分L2は吸気バルブタイミングが一定値となるものであり、図17(B)は、吸気バルブタイミングが上記一定値である時のzy平面を矢視B方向から見た図となる。図16に示す等吸気量曲面において線分L2以外の部分については、吸気バルブタイミングが上記一定値とは異なるため、図17(B)に示すzy平面上には表れず、図17(B)に示すzy平面上に表れる線(すなわち、等吸気量曲線)は、線分L2のみとなる。したがって、実施の形態1の手法を適用して吸気VVT32の調整を考慮せずに目標排気バルブタイミングを求めた場合には、図17(B)に示すzy平面上に表れる線分L2上で最も吸気圧の低い動作点での排気バルブタイミング(黒丸印)を目標吸気バルブタイミングとして算出するものとなる。
その結果、実施の形態1の手法によって得られる目標吸気バルブタイミングおよび目標排気バルブタイミングを図16上に図示すると、黒丸印の動作点のようになる。これに対し、3次元上で目標吸気バルブタイミングおよび目標排気バルブタイミングを探索する本実施形態の手法によれば、3次元の広がりをもって上記のL1、L2以外の等吸気量曲面上の曲線(情報)についても視野に入れた探索が可能となる。このため、等吸気量曲面上において実施の形態1で得られる動作点(黒丸印)よりも更に吸気圧が低い(より具体的には、等吸気量曲面上で最も吸気圧が低い)動作点(星印)を発見できるようになる。これにより、加速時のトルク応答性をより効果的に向上させられるようになる。
ところで、上述した実施の形態1乃至5においては、吸気量指標値(例えば、KL)が増加方向に変化する加速状態を例に挙げて本発明のバルブタイミング制御について説明を行った。しかしながら、本発明による過渡状態におけるバルブタイミング制御は、加速状態を対象とするものに限定されるものではなく、上述した内容のバルブタイミング制御を基本的に逆に行うことによって減速状態に対しても適用可能である。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、吸気バルブタイミングを対象とした加速時のバルブタイミング制御を例に挙げて説明を行った。更に、実施の形態4、5においては、吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングの双方を対象とした加速時のバルブタイミング制御を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明におけるバルブタイミング制御は、これに代え、排気バルブタイミングのみを対象としたものであってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至5においては、作用角を固定としたままで吸気弁や排気弁の開き時期および閉じ時期の双方を調整可能とする吸気VVT32および排気VVT34を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明に用いる可変動弁機構は、吸気弁や排気弁のバルブタイミングとして、作用角は固定のままで開き時期および閉じ時期を調整するVVTに限定されるものではなく、開き時期および閉じ時期を個別に変更可能とするものであってもよい。すなわち、本発明の対象とするバルブタイミングの制御には、吸気弁や排気弁の開き時期のみもしくは閉じ時期のみを制御するもの、更には、作用角の変更を伴いながら吸気弁や排気弁の開き時期および閉じ時期の双方を制御するものも含まれ得る。
また、上述した実施の形態1乃至5においては、ターボ過給機20を備える内燃機関10を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる内燃機関は、必ずしも過給機付きの内燃機関に限定されるものではなく、自然吸気式の内燃機関であってもよい。
10 内燃機関
12 吸気通路
12a 吸気通路の吸気マニホールド
14 排気通路
16 エアクリーナ
18 エアフローメータ
20 ターボ過給機
20a ターボ過給機のコンプレッサ
20b ターボ過給機のタービン
22 インタークーラ
24 スロットルバルブ
26 吸気圧センサ
28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気可変動弁機構(吸気VVT)
34 排気可変動弁機構(排気VVT)
36 吸気カム軸
38 排気カム軸
40 吸気カム角センサ
42 排気カム角センサ
44 排気バイパス通路
46 ウェイストゲートバルブ(WGV)
48 排気浄化触媒
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 クランク角センサ
54 アクセル開度センサ

Claims (7)

  1. 吸気弁および排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを変更可能な可変動弁機構と、
    内燃機関に要求された目標吸気量指標値に向けて吸気量指標値が変化していく過渡状態におけるバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御手段と、
    を備え、
    前記バルブタイミング制御手段は、所定時間中に移動可能なバルブタイミングの可動範囲内で、現在の吸気量指標値から当該所定時間の経過時の吸気量指標値への変化量が最大となる吸気量変化最大バルブタイミングを目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記バルブタイミング制御手段は、
    バルブタイミングをx座標とし、吸気圧もしくは排気圧をy座標とするxy平面上で吸気量指標値が等しい等吸気量指標値曲線に対して、現在の機関運転状態のバルブタイミングおよび吸気圧もしくは排気圧をそれぞれx座標値およびy座標値とする現在の動作点を通る近似直線を算出し、
    前記近似直線の傾きの絶対値が所定値未満である場合には、前記可動範囲内のバルブタイミングであって、かつ、前記吸気量変化最大バルブタイミングでの前記変化量に対して吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で前記内燃機関の所定の性能値を最も高められるバルブタイミングを、目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 今回の過渡状態は、吸気量指標値が増加方向に変化する加速状態であって、
    前記バルブタイミング制御手段は、近似直線の傾きの絶対値が前記所定値未満である場合であって、かつ、吸気量指標値が今回の過渡状態の目標吸気量指標値で等しい等目標吸気量指標値曲線上において吸気圧もしくは排気圧が最も低い動作点でのバルブタイミングである最低圧力下バルブタイミングに関して、当該最低圧力下バルブタイミングと現在の動作点でのバルブタイミングとの乖離幅が所定値以上である場合には、前記可動範囲内のバルブタイミングであって、かつ、前記吸気量変化最大バルブタイミングでの前記変化量に対して吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で前記最低圧力下バルブタイミングに最も近いバルブタイミングを、目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 今回の過渡状態は、吸気量指標値が減少方向に変化する減速状態であって、
    前記バルブタイミング制御手段は、近似直線の傾きの絶対値が前記所定値未満である場合であって、かつ、吸気量指標値が今回の過渡状態の目標吸気量指標値で等しい等目標吸気量指標値曲線上において吸気圧もしくは排気圧が最も高い動作点でのバルブタイミングである最高圧力下バルブタイミングに関して、当該最高圧力下バルブタイミングと現在の動作点でのバルブタイミングとの乖離幅が所定値以上である場合には、前記可動範囲内のバルブタイミングであって、かつ、前記吸気量変化最大バルブタイミングでの前記変化量に対して吸気量指標値の変化量の減少量が所定の許容幅内にあるバルブタイミングの範囲内で前記最高圧力下バルブタイミングに最も近いバルブタイミングを、目標バルブタイミングとするバルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記可変動弁機構は、前記バルブタイミングとしての吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構であって、
    前記バルブタイミング制御手段は、前記吸気バルブタイミングを制御するものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記可変動弁機構は、吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構と、排気バルブタイミングを変更可能な排気可変動弁機構と、を含み、
    前記バルブタイミング制御手段は、前記過渡状態における前記吸気バルブタイミングおよび前記排気バルブタイミングをそれぞれ制御するものであって、
    前記過渡状態において前記吸気弁の開弁期間と前記排気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を縮小させることが要求された場合には、吸気弁用の前記近似直線および排気弁用の前記近似直線のうちで傾きの絶対値が小さい近似直線を利用する方の弁のバルブタイミングを、要求されたバルブオーバーラップ期間の縮小のために、他方の弁のバルブタイミングよりも優先して調整するバルブタイミング制御調整手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記可変動弁機構は、吸気バルブタイミングを変更可能な吸気可変動弁機構と、排気バルブタイミングを変更可能な排気可変動弁機構と、を含み、
    前記バルブタイミング制御手段は、前記過渡状態における前記吸気バルブタイミングおよび前記排気バルブタイミングをそれぞれ制御するものであって、
    前記バルブタイミング制御手段は、吸気バルブタイミングと排気バルブタイミングと吸気圧との間の関係を3次元で見たときに、前記所定時間中に移動可能な吸気バルブタイミングの可動範囲内であって、かつ、前記所定時間中に移動可能な排気バルブタイミングの可動範囲内で、現在の吸気量指標値から当該所定時間の経過時の吸気量指標値への変化量が最大となる吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングをそれぞれ目標吸気バルブタイミングおよび目標排気バルブタイミングとする吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングの制御を前記所定時間毎に実行することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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