JP5947969B1 - 歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造装置及び製造方法 - Google Patents

歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】現段階の歯列模型から、次段階の矯正に適合するマウスピース型用歯列模型を、高品質に効率的に且つ低コストで作製できる歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具と当該歯列模型の製造方法を提供する。【構成】患者の現段階の歯列形状を示すように前記形状に基づいて形成された現段階歯列模型(歯列模型中の各歯模型の位置が変動可能なように歯茎模型が軟化されている現段階歯列模型)の内側に配置可能な支持体(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具)を構成する2つ以上の支持体片と、それらの間の距離が左右、前後又はそれらの間の方向に変動可能なように連結する連結部(ネジ機構部を含むもの)とを備えた製造用具である。また、このような製造用具を使用して次段階歯列模型を製造する方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、歯列矯正用マウスピース型を成型するために使用される歯列模型を、効率的・高品質に且つ低コストで製造するための製造装置及び製造方法に関する。
従来より、患者の問題のある歯並びを矯正するために、例えば図13(特許文献1の図22Bより引用)に示すような、透明な薄片で少しずつ歯を矯正すべき方向に移動させる形に成型した成型物(マウスピース又はアライナー。以下「マウスピース」という。)を、段階的に用意して、それらを定期的に交換することにより矯正治療を進めていく方法が知られている。このようなマウスピースは、従来のマルチブラケットシステムなどと比較して、審美的であることや違和感や痛みが少ないことなどから、近年、歯列矯正治療で一般的に使用されている。
このようなマウスピースを使用する歯列矯正治療は、例えば数ヶ月から数年に渡る治療計画を策定し、その計画の下で、数十回から数百回に及ぶ各段階(例えば1週間毎の各段階)毎に歯列形状が微妙に異なるマウスピースを製作し、それを患者が各段階毎に交換的に装着していくことにより、徐々に歯列(歯並び)を矯正していくものである。
このような前記各段階毎に交換的に装着する各マウスピースは、現在とその直後のものとが例えば約0.1mmという微小な単位のサイズで互いに形状が異なるように、患者の矯正治療の進行に対応して製作される。
このような約0.1mmなどの微小な単位のサイズで互いに形状が異なるマウスピースの製作は、従来は、図14(a)に示すように、患者の口腔内の歯及び歯茎の印象を採取して作成した複数の歯模型及び歯茎模型を含む現段階歯列模型51a(作業用模型・タイトポント模型)を製作し、この現段階歯列模型51aを、熟練した歯科技工士が手作業で0.1mm単位で微小に動かしながら、次段階での歯列の移動・矯正のために装着する「マウスピース型作成用の次段階歯列模型」51b(図14(d)参照)を製作していた。
このような次段階歯列模型51bの製作は、概略、次のように行われていた。まず、患者の各歯及び歯茎の印象を採取して対応する各歯模型と歯茎模型を製作し、この各歯模型を歯茎模型に埋設して「患者の現段階(歯列矯正治療前の段階と歯列矯正治療の途中の各段階を含む)の歯列をほぼ再現した現段階歯列模型」51aを製作する(図14(a)参照)。そして、この現段階歯列模型51aを咬合器52に装着する。その上で、作業者(歯科技工士)は、手作業で現段階歯列模型51aを約0.1mm程度移動させ、これにより、「患者が現段階の歯列から次段階の矯正で目指すべき歯列(次段階で移動・矯正されるであろうその後の歯列)を示す次段階歯列模型」(マウスピース型を作成するために用いられる次段階歯列模型)51b(図14(d)参照)を、製作する。以上の作業が図14(a)で示しているものである。
上記のような「マウスピース型作成用の次段階歯列模型」51bを製作した後は、図14(b)〜(f)に示す手順で、マウスピース型を製作する。すなわち、まずアルギン酸塩などの印象材53を容器内に入れて(図14(b))、この印象材53中に前記次段階歯列模型51bを押し込み(図14(c))、前記次段階歯列模型51bの印象採取(型取り)を行う(図14(d))。その後、前記印象材53中において採取された前記次段階歯列模型51bの印象(凹部)中に石膏54aを塗布・充填する(図14(e))。前記石膏54aが硬化した後、前記石膏54aを前記印象材53から取り出すことにより、石膏製のマウスピース型54bを得る(図14(f))。
上記のようにして石膏製のマウスピース型54bを得た後は、図15に示すような手順により、マウスピースを製作する。すなわち、まず前記マウスピース型54bをプレス用装置55にセットし(図15(a))、このマウスピース型54bを例えば薄いプラスチック製の円形シート56にプレスする(図15(b))。その後、このシート56から前記移動後の歯列(マウスピース型54b)に対応する部分以外の部分をカットし(図15(c))、微調整し(図15(d))、前記マウスピース型54bから取り外し(図15(e))、研磨し(図15(f))、洗浄し(図15(g))、消毒する(図15(h))。以上により、次段階用のマウスピースとして患者の口腔内の歯列に装着してもらうべきマウスピース57が、完成する。なお、以上の説明に用いた図14,15は、「ストレートライン 臨床と装置の製作(成人矯正編)」(オールクリアオルソ・ジャパン編 オールクリアオルソ・ジャパン出版部より2011年11月10日発行)p.89,90から引用した。
特表2011−500142号公報
ところで、前述のように、歯列矯正治療においては、歯列矯正の治療計画における各段階に適合した各マウスピース型54bを順次製作し、この各マウスピース型54bを用いて各段階のマウスピースを成型し作製している。しかしながら、そもそも前記マウスピース型54b(図14(f)参照)を作製するためには、現段階歯列模型51a(図14(a)参照)を製作した後に、この現段階歯列模型51aから次段階歯列模型51b(図14(d)参照)を作製する必要があるところ、従来は、前述のような現段階歯列模型51aから次段階歯列模型51bを作製する作業は歯科技工士の熟練と勘に頼っていたたため、次段階歯列模型51bを作製するに当たり作業効率が悪く、また作製後の次段階歯列模型の品質にも大きなバラツキが生じてしまうという問題があった。
そのため、近年、マウスピースを成型するためのマウスピース型を、患者の歯列データに基づきCAD(コンピュータ支援設計)及びCAM(コンピュータ支援製造)システムにより製作することが一部で行われている。しかしながら、このようなCAD/CAMシステムを導入、利用するには多額の費用が必要になるので、マウスピース型及びこれによるマウスピース成型を低コストで行うことが難しいという問題があった。
本発明はこのような従来技術における問題点に着目して為されたものであって、現段階歯列模型から次段階歯列模型(歯列矯正マウスピース型作製用の歯列模型)を作製する作業を効率化・低コスト化し且つ製作後の次段階歯列模型の品質のバラツキを低減することができる、歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
前述のような課題を解決するための本発明による歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造装置は、患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状を示す歯列模型(以下「次段階歯列模型」という)であって、前記次段階で使用される歯列矯正マウスピースを成型するための歯列矯正マウスピース型を製作するために使用される次段階歯列模型の製造装置であって、咬合器と、前記咬合器にセットされており、患者の現段階における歯列形状に基づいて形成されており、且つ当該歯列模型中の歯茎模型が当該歯列模型中の各歯模型の位置の変動が可能なように軟化されている現段階歯列模型の内側に配置される2つ以上の各支持体片であって、現段階歯列模型の正面側から見て左右、前後又はそれらの間の方向に互いに近接離反可能であり且つ自らの各外側縁部が現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分に当接又は対向可能である2つ以上の各支持体片と、前記2つ以上の各支持体片をそれらの各内側縁部が互いに近接対向して並ぶように互いに連結し、現段階歯列模型中の各歯模型の位置を次段階において在るべき次段階歯列形状に沿うように微小に移動させて位置決めする際に、自らが内蔵するネジ機構部により前記左右、前後又はそれらの間の方向に自らが伸張又は収縮することにより、現段階歯列模型の内側に前述のように互いに連結された状態で配置された2つ以上の各支持体片の間の距離を前記各方向に微小に変動させ又は調整するための部材として機能する位置決め調整用具とを含むものである。
また、本発明に係る製造装置において、前記ネジ機構部は、前記各支持体片間の距離を、0.01〜0.2mmの微小なサイズの変動をも可能なように調整するものであり、前記各支持体片中の現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分と当接又は対向可能な外側縁部は、現段階歯列模型の各歯模型の内側形状に対応するように形成されていることが望ましい。
また、本発明による歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造方法は、患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状(次段階での矯正の後に在るべき歯列形状)を示す歯列模型(以下「次段階歯列模型」という)であって、前記次段階で使用される歯列矯正マウスピースを成型するための歯列矯正マウスピース型を製作するために用いられる次段階歯列模型を製造する方法であって、患者の現段階における歯列形状を示すように前記形状に基づいて形成された現段階歯列模型(歯列模型中の各歯模型の位置が変動可能なように歯茎模型が軟化されている現段階歯列模型)を用意する第1ステップと、現段階歯列模型の内側に、「自ら(各支持体片)がその内側に配置される現段階歯列模型の正面側から見て左右、前後又はそれらの間の方向に互いに近接離反可能であり且つ自ら(各支持体片)の各外側縁部が現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分に当接又は対向可能である2つ以上の各支持体片が、連結部により、それらの各内側縁部が互いに近接して並ぶように互いに連結されることにより構成されている、支持体」(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型を製造するために用いる用具)を配置する第2ステップと、現段階歯列模型の内側に配置された前記支持体が、現段階歯列模型中の各歯模型の位置を次段階において在るべき歯列形状(次段階での矯正の後に在るべき歯列形状)に沿うように微小に移動させる際の位置決めのための機能(位置決め用の部材としての機能)を果たすように、前記各支持体片の間の距離を、前記左右、前後又はそれらの間の方向に、ネジ機構部により変動又は調整する第3ステップと、を含むようにしたものである。
さらに、本発明に係る製造方法において、前記ネジ機構部は、前記各支持体片間の距離を、0.01〜0.2mmの微小なサイズの変動をも可能なように調整するものであり、前記各支持体片中の現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分と当接又は対向可能な外側縁部は、現段階歯列模型の各歯模型の内側形状に対応するように形成されていることが望ましい。
本発明においては、前記ネジ機構部により前記支持体の長さを微小なサイズで調整する(例えば0.01〜0.15mm又は0.01〜0.2mmの微小なサイズで調整する)ことにより、現段階歯列模型(歯列模型中の各歯模型の位置が変動可能なように歯茎模型が軟化されている現段階歯列模型)の歯列中の各歯模型の間の距離を微小なサイズで変動させる(例えば0.01〜0.15mm又は0.01〜0.2mmの微小なサイズで変動させる)ことができる。すなわち、本発明においては、作業者(歯科技工士)は、現段階歯列模型の内側に前記支持体(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型を製造するために用いる用具)を配置し、前記支持体の外側縁部を現段階歯列模型の内側部分に配置・当接させた上で前記ネジ機構部を操作するだけで、前記支持体の長さを微調整し、前記支持体を、現段階歯列模型中の各歯模型の位置を微小なサイズで変動させる際の位置決め用の部材として、用いることができる。このように、本発明によるときは、作業者(歯科技工士)は、現段階歯列模型中の各歯模型を微小なサイズだけ移動させて次段階歯列模型(患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状(次段階での矯正の後に在るべき歯列形状)を示す次段階歯列模型)を作製しようとするとき、現段階歯列模型の内側に前記支持体を配置して前記ネジ機構部を操作するだけで、前記支持体を、前記各歯模型の位置を微小に移動させる際の位置決め用の部材として用いることができる。よって、本発明によれば、作業者は、長年の熟練を積んでいなくても、現段階歯列模型から次段階歯列模型を作製する際に、現段階歯列模型中の各歯模型を「次段階での在るべき歯列形状」に適合するように移動するための位置決めを容易に行えるようになるので、次段階歯列模型を、高品質に、効率的に且つ低コストで、製造できるようになる。
特に、本発明において、前記各支持体片中の現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分と当接又は対向可能な外側縁部を現段階歯列模型の内側形状(各歯模型の内側部分の形状を含む)に対応するように形成し、且つ前記ネジ機構部を前記各支持体片間の距離を0.1mm以下の微小なサイズの変動をも可能なように調整するものとして構成したときは、前記支持体の長さ等を前記ネジ機構部の操作により変動させるだけで、現段階歯列模型中の各歯模型の位置を0.1mm以下の微小なサイズで移動させることが容易にできるようになる。
(a)は本発明の実施形態1に係る支持体(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造に用いる用具)の表面側を示す斜視図、(b)はその裏面側を示す斜視図である。 本実施形態1において、現段階歯列模型の内側に支持体を配置した状態を示す斜視図である。 図2の一部を拡大して示す斜視図である。 本実施形態1のネジ機構部の一例を説明するための図である。 本実施形態1のネジ機構部の一例を説明するための図(特公平7−55223号公報の図1から引用した図)である。 本実施形態1における支持体の製造方法を説明するための図である。 本実施形態1における支持体の製造方法を説明するための図である。 (a)は本発明の実施形態2に係る支持体(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具)の表面側を示す斜視図、(b)はその裏面側を示す斜視図である。 本実施形態2に係る支持体を現段階歯列模型の内側に配置した状態を示す斜視図である。 図9の一部を拡大して示す斜視図である。 (a)は本発明の実施形態3に係る支持体(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具)の表面側を示す斜視図、(b)はその裏面側を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施形態4に係る支持体(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具)に使用されるネジ機構部(連結部を構成するもの)を示す斜視図、(b)は本実施形態4の支持体を説明するための概略図である。 従来のマウスピースの一例を示す図である。 従来の患者の口腔内の印象を示す現段階歯列模型を使用してマウスピース型を製造する方法を説明するための図である。 従来のマウスピース型を使用してマウスピースを製造する方法を説明するための図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具(支持体)を示す斜視図で、図1(a)はその表面側を示す斜視図、同(b)はその裏面側を示す斜視図である。図1において、1は後述の現段階歯列模型の内側に配置・装着される支持体であって、2枚の略シート状の支持体片1a,1bの内側縁部(図1において、各支持体片1a,1b中の互いに対向している側の縁部)が互いに近接して並ぶように互いに連結されて成る支持体、2は前記2枚の各支持体片1a,1bを前記各内側縁部が互いに近接して並ぶように互いに連結する金属製の連結部(後述するネジ機構部を備えている)である。
次に図2及び図3は、前記支持体1を、患者の現段階における歯列形状を示すように前記形状に基づいて形成された現段階歯列模型3(咬合器20にセットされている)の内側(図示のように平面略半円状の歯模型の列により挟まれている内側の領域)に、配置・装着したときの状態を示す斜視図である。図2において、現段階歯列模型3は、現段階歯列模型3中の各歯模型4の位置が変動可能なようにそれらが埋め込まれた歯茎模型5が例えば約55〜60℃に加温されて軟化されている。
図2及び図3は、現段階歯列模型3の内側に前記支持体1を配置し、前記支持体1の各外側縁部(前記各内側縁部と反対側の縁部)を現段階歯列模型3の内側部分に当接させたときの状態を示す斜視図である。詳しくは図6,7に関して後述するが、本実施形態1では、前記各支持体片1a,1b中の現段階歯列模型3中の各歯模型4の内側部分に当接又は対向可能な外側縁部は、現段階歯列模型3の各歯模型4の内側形状に対応するように形成されている。また、本実施形態1では、前記連結部2は、図4,5に関して後述するネジ機構部により、前記各支持体片1a,1b間の距離を、例えば約0.01〜0.1mm又は約0.01〜0.2mmの微小なサイズに変動できるように、構成されている。
よって、図2,3に示す状態において、前記連結部2に備えられたネジ機構部を操作すると、前記各支持体片1a,1b間の距離を例えば0.1mm前後の微小サイズで調整できる。よって、作業者が、患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状(次段階での矯正の後に在るべき歯列形状)に基づいて、ネジ機構部を操作して、前記各支持体片1a,1b間の距離を例えば約0.1mmだけ拡張(又は縮小)したときは、前述のように現段階歯列模型3中の歯茎模型は軟化されているため、現段階歯列模型3中の複数の各歯模型4の図示左右の間の距離(図1,2における現段階歯列模型3中の平面略半円状の歯模型の列中の図示左側の歯模型4と図示右側の歯模型4との間の図示左右方向の距離)を約0.1mmだけ変動・拡張(又は縮小)する。よって、作業者は、前記支持体1の長さ等を前述のように変動・調整させることにより、前記支持体1を、前記各歯模型4の位置を作業者が微小に移動させる際の位置決め用の部材として、用いることができる。
次に、前記ネジ機構部の構成及び動作について説明する。本実施形態1では、図2,3に示す連結部2に備えられたネジ機構部として、例えば図4に示す公知の製品「機械器具58 整形用機械器具 歯列矯正用アタッチメント 41059000/歯列矯正用咬合誘導装置 70732000 管理医療機器 エキスパンション スクリュー」(製造販売業者:白水貿易株式会社(大阪市淀川区新高1−1−15)、製造業者:デントラウム GmbH & Co.KG(DENTAURUM GmbH & Co.KG)ドイツ国)の中で使用されているネジ機構部(図4ではその左右に別個の製品をそれぞれ示しているが、それぞれの製品において、図4に示すような、互いに近接して並ぶように配置された左右の各部品とそれらを互いに連結するネジ機構部とが備えられている)を利用した。
図5は、特公平7−55223号公報の図1から引用した図であるが、前記の図4に示す公知製品「エキスパンション スクリュー」中に使用されているネジ機構部(エキスパンション ボルト)と類似のネジ機構部を示すものである。図5に示すネジ機構部は、第1及び第2のネジ体部10,12と、スピンドル頭部16を有するネジ切りスピンドル14と、2本のガイドピン18とから成る。ネジ切りスピンドル14は、スピンドル頭部16の両側にスピンドル部14a及び14bを有し、ネジが両方向へ形成されている。上記スピンドル部14は、ネジ体部10及び12と対応するネジ切りボアと係合し、2つのネジ体部10,12間の間隔(距離)は、ネジ切りスピンドル14を回転することにより変動・調整される。2本のガイドピン18は、ネジ切りスピンドル14が回転するときに2つのネジ体部10,12が反対方向へ捩れるのを基本的に防止するためのものであるから、各々2つのネジ体部10,12の1つの内に固定される。スピンドル頭部16内の孔16a(横ボア)はネジ切りスピンドル14を回動するための器具(ピンなど)の挿入を可能とする。前記ネジ切りスピンドル14は、例えばチタンで形成されている(以上の説明は特公平7−55223号公報から部分的に引用した)。
本実施形態1では、例えば図5において、前記ネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16よりも図示右上側に在るスピンドル部14aが装着されたネジ体部12に一方の支持体片1aが固定され、前記ネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16よりも図示左下側に在るスピンドル部14bが装着されたネジ体部10に他方の支持体片1bが固定されている。よって、本実施形態1では、作業者が図5のネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16を操作する(具体的には、図5のスピンドル頭部16に形成された孔16a(横ボア)にピン等の器具を挿入して、スピンドル頭部16を所望の角度だけ回動させる)と、図5のネジ体部10,12の間の距離が微小なサイズの単位(例えば約0.01mm〜0.2mm単位)で変動・調整されるので、スピンドル部14aが装着されたネジ体部12側に固定された一方の支持体片1aと、スピンドル部14bが装着されたネジ体部10側に固定された他方の支持体片1bとの距離も同様に変動・調整される。
このように、本実施形態1によるときは、作業者は、図5のネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16を操作する(所望の角度だけ回動させる)だけで、前記スピンドル部14aが装着されたネジ体部12とスピンドル部14bが装着されたネジ体部10との間の距離を変動させ、前記各支持体片1a,1b間の距離を変動させ、前記各支持体片1a,1bの外側縁部の位置を変動させることができる。よって、本実施形態1によれば、前記各支持体片1a,1bの外側縁部(現段階歯列模型3中の各歯模型4の内側部分に当接・対向する部分)を、現段階歯列模型3中の各歯模型4の位置を微小に移動させるための(例えば約0.01mm〜0.1mmの微小なサイズ単位で移動させるための)位置決め用の部材として、用いることができる。
すなわち、作業者は、もし現段階歯列模型3中の各歯模型4(前記各支持体片1a,1bの外側縁部が当接・対向している各歯模型4)の位置を、例えば約0.01mm〜0.2mmの微小な単位で患者の口腔の左右の外側方向に移動(拡張)させたい又は口腔の左右の内側方向に移動(縮小)させたいときは、前記支持体1を現段階歯列模型3の内側に配置・装着し、前記支持体1の外側縁部を現段階歯列模型3の各歯模型4の内側部分に当接させた上で、図5のネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16を所望方向に回動操作して、前記ネジ体部10,12の間の距離を拡張(又は縮小)させる。これにより、前記各支持体片1a,1b間の距離が拡張(又は縮小)し、前記各支持体片1a,1bの各外側縁部間の距離も拡張(又は縮小)する。
そこで、作業者は、前記の各外側縁部間の距離が拡張(又は縮小)した各支持体片1a,1bの各外側縁部を、現段階歯列模型3中の各歯模型4(前記各支持体片1a,1bの外側縁部が当接(又は対向)している各歯模型4)の位置を例えば約0.01mm〜0.2mmの微小な単位で患者の口腔の左右の外側方向(又は内側方向)に移動させて次段階歯列模型を作製する際の(そのように作業者が手作業で各歯模型4を微小に移動させる際の)位置決め用の部材として、用いることができる。
次に図6及び図7を参照して、本実施形態1において、前記各支持体片1a,1b中の各外側縁部(現段階歯列模型3の各歯模型4の内側部分と当接又は対向可能な各外側縁部)を、現段階歯列模型3の内側形状(各歯模型4の内側部分の形状を含む)に対応するように形成する方法について、説明する。
まず、現段階歯列模型3(図2,3参照)の内側(図示のように平面略半円形状の歯模型の列に挟まれた領域)に、図6(a)のように、パテ(又は粘土)6を塗布・充填する。その後、前記パテ6の表面に、位置決め用の十字形の印6aを形成し(図6(b)参照)、その上に光重合レジン(例えばエポキシ樹脂などの紫外線硬化樹脂など)から成る柔軟な光重合レジンシート6cを塗布等により配置・形成し、前記歯列模型3の各歯模型4の内側部分の形状に対応するように前記光重合レジンシート6cの外周縁部をカッターなどで適宜切断する。その後、前記光重合レジンシート6c上の前記十字形の印6aの真ん中の部分(十字がクロスしている部分)6bに対応する位置に、図4などの公知製品中に含まれているネジ機構部7(図5などに示すような複合部品)を配置する(図6(c)参照)。その後、前記配置したネジ機構部7を前記光重合レジンシート6c内に押し込み、その一部を埋没させる(図7(a)参照)。その後、紫外線等の光を照射して前記光重合レジンシート6cを硬化させる(これにより、前記ネジ機構部7は、前記光重合レジンシート6cに対し、その一部が前記光重合レジンシート6c中に埋没した状態で、固定される)。その後、図7(a)で示す状態で前記光重合レジンシート6cが硬化したら、それを裏返して、その裏側に対して再度、紫外線等の光を照射して前記光重合レジンシート6cを硬化させる(図7(b))。その後、前記光重合レジンシート6cが硬化して形成された1枚の板状部分の左右中央部を、カッターなどで図示縦方向に切断し、図示左右の2枚の支持体片1a,1bへと分割する。
以上の過程により、左右にほぼ対称な2枚の支持板片1a,1b(図1参照)が製造された。このようにして製造された各支持体片1a,1bの各外側縁部は、現段階歯列模型3中の各歯模型4の内側部分の形状に対応する形状となっている。よって、本実施形態1では、作業者は、前記各支持体片1a,1bを現段階歯列模型3の内側に配置した上で、前記各支持体片1a,1b間の距離(よって前記各支持体片1a,1bの各外側縁部の位置)を、次段階の在るべき歯列(次段階で矯正された後の在るべき歯列)に対応するように、前記ネジ機構部7で変動・調整する。これにより、次段階歯列模型を作製するために現段階歯列模型3中の各歯模型4を微小なサイズだけ移動させる(作業者が手作業で移動させる)とき、前記各支持体片1a,1bの各外側縁部を、前記各歯模型4を微小に移動させる際の位置決め用の部材として、用いることができる。
次に、本実施形態1に係る製造用具(支持体1)を使用して、現段階歯列模型3から(現段階歯列模型3を元にして)次段階歯列模型(次段階で患者が装着するマウスピースを製作するためのマウスピース型を製造するための押し型)を製造するときの動作について説明する。
図6,7について説明したように、前記各支持体片1a,1bは、その各外側縁部が、現段階歯列模型3中の各歯模型4の内側部分の形状に対応する形状となっている。よって、前述のように各支持体片1a,1b間の距離を次段階の在るべき歯列に対応するようにネジ機構部7で微小サイズだけ調整した後の各支持体片1a,1bより成る支持体1(現段階歯列模型3の内側に配置されている支持体1)は、現段階歯列模型3から各歯模型4を微小サイズだけ動かして(移動させて)次段階歯列模型を製造する際の、前記各歯模型4を微小に移動させる(作業者が手作業で移動させる)際の位置決め用の部材として、用いる(作業者が用いる)ことができる。具体的には次のとおりである。
(1)各歯模型4が外側方向へ移動されている次段階歯列模型を製造する方法
作業者が、例えば約0.01mm〜0.2mmの微小な単位で患者の歯の位置を患者の口腔の左右の外側方向(拡張方向)に移動させる(矯正させる)ためのマウスピース型用の次段階歯列模型を作製したいときは、次のような動作を行う。前提として、図6,7に関して説明したように、ここで使用する支持体1の各支持体片1a,1b及びその間の距離は、現段階歯列模型3の内側形状に沿う形状に形成されている。そこで、今、作業者が、前記支持体1を現段階歯列模型3の内側に配置・装着し、前記支持体1の外側縁部を現段階歯列模型3の内側部分に当接させた上で、図5のネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16を所定方向に回動操作して、前記ネジ体部10,12(図5参照)の間の距離を例えば0.01〜0.2mm程度の微小サイズで拡張させたときは、これにより、前記各支持体片1a,1b間の距離が同じサイズだけ拡張し、前記各支持体片1a,1bの各外側縁部間の距離も同じサイズだけ拡張する。
よって、前記支持体1が現段階歯列模型3(図2,3参照)の内側に配置・装着された上で、前述のように前記支持体1の各支持体片1a,1bの各外側縁部間の距離が拡張されたときは、前記支持体1の各支持体片1a,1bの各外側縁部間の距離が、現段階歯列模型3の各歯模型4の間の距離(図2,3における現段階歯列模型3の平面略半円状の歯模型の列の左側の歯模型4と同右側の歯模型4との間の左右方向における距離)よりも、前記拡張したサイズだけ大きくなる。また、このとき、現段階歯列模型3に含まれる歯茎模型5は約55〜60℃に加温されて軟化しているので、歯茎模型5に下端部が埋められた各歯模型4は容易にその位置を移動させられる状態となっている。そのため、現段階歯列模型3(図2,3参照)の内側に配置・装着された前記支持体1の前記左右方向の長さを、前述のように拡張させると、現段階歯列模型3の各歯模型4の位置は、前記支持体1の左右方向の長さが拡張することに対応して、前記サイズ(0.01〜0.2mm程度の微小サイズ)だけ、外側(患者の口腔の外側)方向に移動する。このとき、作業者は、前記支持体片1a,1bの各外側縁部を、前記各歯模型4の微小な移動のための位置決め用の部材として用いながら、自らの手で、前記各歯模型4の位置を微小に調整する。その後、前述のように各歯模型4の位置が前記微小サイズだけ移動した状態で、現段階歯列模型3中の歯茎模型5を冷却させて硬化させる。これにより、各歯模型4の位置が前記微小サイズだけ次段階の矯正に対応するように移動されている次段階歯列模型が完成する。
(2)各歯模型4が内側方向へ移動されている次段階歯列模型を製造する方法
作業者が、例えば約0.01mm〜0.2mmの微小な単位で患者の歯の位置を患者の口腔の左右の内側方向(縮小方向)に移動させる(矯正させる)ためのマウスピース型用の次段階歯列模型を作製したいときは、次のような動作を行う。すなわち、今、作業者が、前記支持体1を現段階歯列模型3の内側に配置・装着し、前記支持体1の各外側縁部を現段階歯列模型3の内側部分に当接させた上で、図5のネジ切りスピンドル14のスピンドル頭部16を所定方向に回動操作して、前記ネジ体部10,12の間の距離を例えば0.01〜0.2mm程度の微小サイズで縮小させたときは、これにより、前記各支持体片1a,1b間の距離が同じサイズだけ縮小し、前記各支持体片1a,1bの各外側縁部間の距離も同じサイズだけ縮小する。
よって、このようにして縮小された前記支持体1の各支持体片1a,1bの各外側縁部間の距離は、現段階歯列模型3の各歯模型4の間の距離(図2,3における現段階歯列模型3中の平面略半円状の歯模型列の左側の歯模型4と同右側の歯模型4との間の左右方向における距離)よりも、前記縮小したサイズだけ小さくなる。そのため、現段階歯列模型3(図2,3参照)の内側に配置・装着された前記支持体1の左右方向の長さを、このように縮小させると、前記支持体1中の各支持体片1a,1bの外側縁部と現段階歯列模型3の各歯模型4との間に微小な隙間が生じる(また、このとき、前述のように現段階歯列模型3に含まれる歯茎模型5は約55〜60℃に加温されて軟化されているので、歯茎模型5に下端部が埋められた各歯模型4は容易にその位置を移動させられる状態となっている)。そこで、作業者は、前記支持体片1a,1bの各外側縁部を、前記各歯模型4を微小に移動させる際の位置決め用の部材として用いながら、自らの手で、前記微小な隙間が無くなるまで、現段階歯列模型3中の各歯模型4を外側から内側方向に軽く押圧しつつ、前記各歯模型4の位置を、前記微小サイズだけ、内側(患者の口腔の内側)方向に移動させる。そして、前述のようにして各歯模型4の位置が前記微小サイズだけ移動した状態で、現段階歯列模型3中の前記歯茎模型5を冷却させて硬化させる。これにより、各歯模型4の位置が前記微小サイズだけ次段階の矯正に対応するように移動された次段階歯列模型が完成する。
以上のように、本実施形態1においては、前記ネジ機構部7(図6,7参照)により前記支持体1の左右方向の長さを微小サイズで調整することにより、前記支持体1の各外側縁部を、現段階歯列模型3中の各歯模型4の位置を微小なサイズで変動させる際の位置決め用に用いることができる。すなわち、本実施形態1においては、作業者(歯科技工士)は、現段階歯列模型3の内側に前記支持体1を配置し、前記支持体1の各外側縁部を現段階歯列模型3の各歯模型4の内側部分に当接させてから前記ネジ機構部7を操作するだけで、前記支持体1の長さを微調整し、前記支持体1を、現段階歯列模型3の歯列中の各歯模型4の位置を微小なサイズで変動させる際の位置決め用の部材として用いることができる。よって、本実施形態1によれば、長年の熟練を積んだ作業者(歯科技工士)でなくても、現段階歯列模型3の内側に前記支持体1をセットして前記ネジ機構部7を操作するだけで、現段階歯列模型3中の各歯模型4を微小なサイズだけ移動させて次段階歯列模型(患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状(次段階での矯正の後に在るべき歯列形状)を示す次段階歯列模型)を作製する際に、前記支持体1を、前記各歯模型4を微小に移動させるための位置決め用の部材として用いることができ、その結果、次段階歯列模型を、高品質に効率的に且つ低コストで、製造できるようになる。
また、特に本実施形態1においては、前記各支持体片1a,1b中の現段階歯列模型3中の各歯模型4の内側部分と当接可能な各外側縁部を、現段階歯列模型3の内側形状(各歯模型4の内側部分の形状を含む)に対応するように形成し且つ前記ネジ機構部7が前記各支持体片1a,1b間の距離を0.01〜0.2mmの微小なサイズで調整できるように構成したので、前記ネジ機構部7の操作により調整した後の支持体1(特にその中の各外側縁部)を、現段階歯列模型3中の各歯模型4の位置を0.01〜0.2mmの微小なサイズで移動させるための位置決め用の部材として利用することができる。
〔第2の実施形態〕
次に図8〜10を参照して本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2の基本的構成は前記実施形態1と共通であるから、以下では異なる部分についてだけ説明する。図8(a)は支持体21の表側、同(b)は支持体21の裏側を示す斜視図である。図8において、21a,21bは、患者の歯列の正面側から見て前後方向に2つに分割された2枚の支持体片、22は前記各支持体片21a,21bを前記前後方向に近接して並ぶように且つ互いに近接及び離反可能に連結する連結部(ネジ機構部を含む連結部)である。
図9,10は、咬合器20にセットした患者の現段階歯列模型3の内側に前記支持体21を配置した状態を示す斜視図である。前記各支持体片21a,21bの各外側縁部は、前記実施形態1と同様に患者の現段階歯列模型3の内側形状に沿う形状に形成されている。よって、前記支持体21が現段階歯列模型3の内側に配置されると、前記各支持体片21a,21bの各外側縁部は現段階歯列模型3の各歯模型4の内側に当接する状態となる。
そこで、作業者は、この状態から、前記連結部22中のネジ機構部を操作する(例えば図5のスピンドル頭部16に形成された孔16aにピン等の器具を挿入して、スピンドル頭部16を所望の角度だけ回動させる)ことにより、前記各支持体片21a,21bの各外側縁部を微小なサイズで移動(患者の歯列の正面側から見て前後方向に移動)させ、以って前記移動させた後の前記各支持体片21a,21bの各外側縁部を、現段階歯列模型3中の各歯模型4(前歯など)を作業者が微小に移動させる際の位置決め用の部材として、用いることができる。よって、本実施形態2によれば、前記実施形態1と同様に、作業者は、長年の熟練を積んでいなくても、現段階歯列模型3から次段階歯列模型を作製する場合に、現段階歯列模型3中の各歯模型4を「次段階での在るべき(矯正されるべき)歯列形状」に適合するように微小に移動させる際の位置決めを(前記支持体21を利用して)容易に行えるようになるので、次段階歯列模型を、高品質に、効率的に且つ低コストで、製造できるようになる。以上に説明したこと以外の構成及び作用効果は前記実施形態1と同様であるから説明を省略する。
〔第3の実施形態〕
次に図11を参照して本発明の実施形態3について説明する。本実施形態3の基本的構成は前記実施形態1,2と共通であるから、以下では異なる部分についてだけ説明する。図11(a)は支持体31の表側、同(b)は支持体31の裏側を示す斜視図である。図11において、31a,31bは、患者の歯列の正面側から見て左右方向に分割された2枚の各支持体片である。また32は、前記各支持体片31a,31b中の互いに近接する各内側縁部の図示上下方向における中央部分を、前記左右方向に互いに近接及び離反可能に連結する連結部(ネジ機構部を備えた連結部)である。また33は、前記各支持体片31a,31bの互いに近接する各内側縁部の図示中央側上端部を互いに回動可能に接続する接続部(ヒンジ部)である。
本実施形態3では、前記実施形態1と異なって、前記各支持体片31a,31bの図示中央側上端部間が接続部33により回動可能に接続されている。そのため、前記連結部32により前記各支持体片31a,31b間の距離が変動(拡張又は縮小)された場合、前記各支持体片31a,31b(特にその各外側縁部)は、図示左右方向に直線状に移動するのではなく、図の矢印A1,A2のような略円弧状に沿う方向に移動する。このような略円弧状に沿う方向への移動を可能とする前記各支持体片31a,31bから成る支持体31(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具)は、特に、歯列矯正のため患者の前歯及びその周辺の歯を重点的に外側方向又は内側方向に移動させるためのマウスピース型製作用の次段階歯列模型を製造する(そのために現段階歯列模型中の各歯模型の位置を作業者が微小に移動させる)ときの位置決め用として、有用である。以上に説明したこと以外の構成及び作用効果は前記実施形態1,2と同様であるから説明を省略する。
〔第4の実施形態〕
次に図12を参照して本発明の実施形態4について説明する。本実施形態4の基本的構成は前記実施形態1〜3と共通しているので、以下では異なる部分についてだけ説明する。図12(a)は、図4に関して説明した公知製品「エキスパンション スクリュー」と同じ製造業者が同じシリーズ製品群の中の1つとして製造販売しているネジ機構部42(本実施形態4において各支持体片を互いに連結する連結部を構成するもの)を示す斜視図である。このネジ機構部42は、図示左右方向(患者の歯列の正面側から見て左右方向)だけでなく図示上下方向(患者の歯列の正面側から見て前後方向)にも各支持体片を互いに近接離反可能に連結する点に特徴がある。
図12(b)は、前記ネジ機構部42(連結部を構成するもの)により連結される3枚の各支持体片41a,41b,41cの一例を模式的に示す概略平面図である。図12(b)のAで示す位置に、前記ネジ機構部42が配置される。前記3枚の各支持体片41a,41b,41cが前記ネジ機構部42により互いに連結されたときは、前記支持体片41aと支持体片41bとが前記実施形態1と同様に互いに図示左右方向に近接離反可能に連結されると共に、前記各支持体片41a及び41bと支持体片41cとが前記実施形態2と同様に互いに図示上下方向に近接離反可能に連結される。
このように、本実施形態4のネジ機構部42(連結部)は、前記各支持体片41a,41b,41cを、図示左右方向(患者の歯列の正面側から見て左右方向)と図示上下方向(患者の歯列の正面側から見て前後方向)との2つの方向に同時に移動させることができる点に特徴がある。このような2つの方向への同時の移動を可能とする前記各支持体片41a,41b,41cから成る支持体41(歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造用具)は、特に、歯列矯正のため患者の前歯及び奥歯とそれらの周辺の歯の全てを外側方向又は内側方向に移動させるためのマウスピース型製作用の次段階歯列模型を製造する(そのために現段階歯列模型中の各歯模型の位置を作業者が微小に移動させる)ときの位置決め用として、有用である。以上に説明したこと以外の構成及び作用効果は前記実施形態1〜3と同様であるから説明を省略する。
以上、本発明の各実施形態1〜4について説明したが、本発明は前記の各実施形態1〜4として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態1〜4においては、前記連結部2,22,32,42を構成するネジ機構部として図4,5に示すような部品を使用したが、本発明においては他の様々な構成から成るネジ機構部をも使用できることはもちろんである。
1,21,31,41 支持体
1a,1b,21a,21b,31a,31b,41a,41b,41c 支持体片
2,22,32 連結部(ネジ機構部から構成されるもの)
3 現段階歯列模型
4 歯模型
5 歯茎模型
6 パテ
6a 十字形の印
6c 光重合レジン・シート
7,42 ネジ機構部
10,12 ネジ体部
14 ネジ切りスピンドル
14a,14b スピンドル部
16 スピンドル頭部
16a 孔
18 ガイドピン
20 咬合器
33 接続部

Claims (4)

  1. 患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状を示す歯列模型(以下「次段階歯列模型」という)であって、前記次段階で使用される歯列矯正マウスピースを成型するための歯列矯正マウスピース型を製作するために使用される次段階歯列模型の製造装置であって、
    咬合器と、
    前記咬合器にセットされており、患者の現段階における歯列形状に基づいて形成されており、且つ当該歯列模型中の歯茎模型が当該歯列模型中の各歯模型の位置の変動が可能なように軟化されている現段階歯列模型の内側に配置される2つ以上の各支持体片であって、現段階歯列模型の正面側から見て左右、前後又はそれらの間の方向に互いに近接離反可能であり且つ自らの各外側縁部が現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分に当接又は対向可能である2つ以上の各支持体片と、
    前記2つ以上の各支持体片をそれらの各内側縁部が互いに近接対向して並ぶように互いに連結し、現段階歯列模型中の各歯模型の位置を次段階において在るべき次段階歯列形状に沿うように微小に移動させて位置決めする際に、自らが内蔵するネジ機構部により前記左右、前後又はそれらの間の方向に自らが伸張又は収縮することにより、現段階歯列模型の内側に前述のように互いに連結された状態で配置された2つ以上の各支持体片の間の距離を前記各方向に微小に変動させ又は調整するための部材として機能する位置決め調整用具と、
    を含むことを特徴とする歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造装置
  2. 前記ネジ機構部は、前記各支持体片間の距離を、0.01〜0.2mmの微小なサイズの変動をも可能なように調整するものであり、
    前記各支持体片中の現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分と当接又は対向可能な外側縁部は、現段階歯列模型の各歯模型の内側形状に対応するように形成されている、請求項1に記載の歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造装置
  3. 患者の歯列矯正過程での次段階において在るべき歯列形状を示す歯列模型(以下「次段階歯列模型」という)であって、前記次段階で使用される歯列矯正マウスピースを成型するための歯列矯正マウスピース型を製作するための次段階歯列模型を製造する方法であって、
    患者の現段階における歯列形状を示すように前記形状に基づいて形成された現段階歯列模型であって歯列模型中の各歯模型の位置が変動可能なように歯茎模型が軟化されている現段階歯列模型を用意する第1ステップと、
    現段階歯列模型の内側に、「自らがその内側に配置される現段階歯列模型の正面側から見て左右、前後又はそれらの間の方向に互いに近接離反可能であり且つ自らの各外側縁部が現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分に当接又は対向可能である2つ以上の各支持体片が、連結部により、それらの各内側縁部が互いに近接して並ぶように互いに連結されることにより構成されている、支持体」を配置する第2ステップと、
    現段階歯列模型の内側に配置された前記支持体が、現段階歯列模型中の各歯模型の位置を次段階において在るべき歯列形状に沿うように微小に移動させる際の位置決め用の部材としての機能を果たすように、前記各支持体片の間の距離を、前記左右、前後又はそれらの間の方向に、ネジ機構部により変動又は調整する第3ステップと、
    を含むようにした、歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造方法。
  4. 前記ネジ機構部は、前記各支持体片間の距離を、0.01〜0.2mmの微小なサイズの変動をも可能なように調整するものであり、
    前記各支持体片中の現段階歯列模型中の各歯模型の内側部分と当接又は対向可能な外側縁部は、現段階歯列模型の各歯模型の内側形状に対応するように形成されている、請求項3に記載の歯列矯正マウスピース型作製用歯列模型の製造方法。
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