JP5947596B2 - 旅客流動情報生成システムおよび旅客流動情報生成方法 - Google Patents

旅客流動情報生成システムおよび旅客流動情報生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道利用者に関する情報を生成するためのサーバ及びコンピュータプログラムに係り、特に、電子乗車券の利用履歴データから鉄道輸送における経路ごとの利用状況を算出するのに適した、旅客流動に関する情報を生成するためのサーバ及びコンピュータプログラムに関する。
従来より、鉄道輸送における旅客流動を把握し、この情報から将来の流動を予測する方法が提案されている。例えば特許文献1によれば、自動改札機から得られる乗車情報を統計的に処理することにより、旅客流動データを把握し、将来の流動を予測する方法が開示されている。すなわち、自動改札機を通過した利用者の人数を時間帯別および乗車券種別ごとに集計し、出発駅(O)と到着駅(D)を組み合わせた「ODデータ」として扱うことにより、ある日の旅客流動を網羅的に把握する。このデータをもとに、将来の流動を予測するものである。
一方、昨今導入が進んでいる鉄道のIC(Integrated Circuit)カード等の電子乗車券は、切符を買う手間が要らず、電子マネーとしても利用できるなどといった乗客への利便性を提供しつつ、不正の防止や効率向上など、鉄道業者にとっても大きな効果を生み出している。非特許文献1によれば、改札の入出場やチャージ・購買といった処理のたびに、乗車券の利用履歴情報が処理端末およびカードに格納され、その後サーバに集約される。乗車券として利用するICカード(携帯電話に内蔵されたICチップも含む)には、それぞれを識別するID(Identification)コードが付与されていることから、乗車券のIDをもとに、各駅の改札機の通過や購買の履歴を利用して、その利用者の行動を把握することができる。
特開2010−61321号公報
情報処理学会 デジタルプラクティスVol.1 No.3 「特集:ICカードが社会を変える」 2010年7月15日刊行 P114−128
特許文献1に代表される方法で利用されるODデータで得られる旅客流動データは、改札の入場から改札の出場までを追ったものである。しかし、首都圏や関西圏等、複数の鉄道事業者がそれぞれ鉄道網を提供しており、乗客がある場所からある場所に行くのに、複数の鉄道事業者の路線を乗り継いでいく場合も多い。乗継を含めて乗客の移動をある地点からある地点に向かうものと捉えた場合に、異なる経路をどのように使い分けるかは、ODデータからだけではわからない。
本発明の目的は、旅客流動を、異なる鉄道事業者間の乗り継ぎも含めて把握し、ある地点からある地点に行くのにどの経路がどの程度利用されているのかを定量化することにより、乗客が複数経路をどのように使い分けているかを把握し、これにより将来の流動予測、また乗客に対する誘導や案内にまで役立てることができる、応用範囲の広い旅客流動情報を生成・管理することのできるサーバおよびコンピュータプログラムを提供することにある。
上記課題は、入場と出場を識別する処理種別とカードIDと処理日時と駅IDと取引額を含む改札通過ログと、経路IDと入場駅IDと出場駅IDと運賃情報とを含む経路マスタと、事業者情報と前記駅IDとを含む路線マスタと、前記駅IDと代表駅IDとを含む駅グループマスタと、を格納するデータ格納部と、前記改札通過ログの処理種別に基づいて乗り継ぎフラグを付与して、前記経路マスタに含まれる前記運賃情報を用いて、前記乗り継ぎフラグと前記カードIDと前記運賃情報とを含む移動ログを複数生成する移動ログ生成部と、
前記移動ログに基づいて前記複数生成された移動ログを連結して、連結数と事業者別運賃情報と出発駅IDと到着駅IDとを生成し、前記カードIDと前記連結数と前記事業者別運賃情報と前記出発駅IDと前記到着駅IDとを含む連結済み移動ログを生成する移動ログ連結部と、前記生成された連結済み移動ログに含まれる前記出発駅IDと前記到着駅IDとを前記駅グループマスタを用いて発代表駅IDと着代表駅IDとにそれぞれ変換し、前記変換された発代表駅IDと前記着代表駅IDとの組み合わせ毎に件数による利用割合情報と運賃による利用割合情報とを算出した利用割合集計結果リストを生成する集計処理部と、前記生成された利用割合集計結果リストを画面に表示するインターフェイス部と、を有し、前記インターフェイス部は、第一の発代表駅IDと第一の着代表駅IDとの入力を受け付け、前記第一の発代表駅IDと前記第一の着代表駅IDとの間の経路の前記件数による利用割合情報と前記運賃による利用割合情報とを前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成システムによって解決される。
本発明により、大量の電子乗車券履歴データから、異なる鉄道事業者間の乗り継ぎも含めた旅客流動情報を把握し、ある地点からある地点に行くのにどの経路がどの程度利用されているのかを定量化することにより、乗客が複数経路をどのように使い分けているかを把握することができるようになる。これにより、将来の流動予測や、乗客に対する誘導や案内等にも役立てることができる、応用範囲の広い旅客流動情報を生成・管理することが可能となる。
乗客の移動と履歴の関係の例を示す図。 同一区間・複数移動経路の例を示す図。 本発明の第1の実施例となるシステムの全体構成の例を示す図。 実施例1におけるサーバの機能的構成の例を示す図。 実施例1におけるデータ構造(マスタ)の例を示す図。 実施例1におけるデータ構造(履歴)の例を示す図。 実施例1におけるデータ構造(集計データ)の例を示す図。 実施例1における移動ログ生成処理の手順の例を示す図。 実施例1における移動ログ連結処理の手順の例を示す図。 実施例1における経路別集計データ生成処理の手順の例を示す図。 移動経路と利用割合の例を示す図。 実施例1における利用割合計算処理の手順の例を示す図。 実施例1における制御用端末画面例(条件送信)。 実施例1における制御用端末画面例(結果表示)。 実施例1における制御用端末画面例(詳細表示)。 実施例1における制御用端末画面例(時系列表示)。
本発明は、電子乗車券の履歴として残される改札入出場の情報から、改札内の移動(列車による移動)と改札外の乗継を含めた移動に関する情報を生成し、経路別の移動を集計することで旅客流動情報を生成する方法と、この情報の活用方法について開示する。
まず、図1および図2により、本発明で把握しようとする移動の概要と、移動経路の関係等を説明する。
図1に、鉄道利用者の移動と履歴の関係を、簡単な例を使って示す。この例は、A駅(401)からX社の改札に入場してB駅(402)の改札を出場したのち、さらにY社線に乗り継いでD駅(404)で改札入場し、E駅(405)で改札出場する移動を示している。A駅(401)からB駅(402)に至る際に、乗換無しでそのまま行く経路と、C駅(403)で別の路線に乗り換える経路とがあるものとする。図中、実線は改札内の移動(列車による移動)で、破線は改札を越えた乗継を示すものとする。また点線の楕円で囲んだ複数の駅は、乗継可能な駅のグループを表す。
ここで、「乗換」(422)とは同一の鉄道事業者の改札内である路線から別の路線に乗り換えることと定義し、「乗継」(423)とは他社線の路線に乗り換えるために一旦改札を出て、別の改札に入ることと定義する。乗継のための駅(ここではX社のB駅(402)とY社のD駅(404))は、別の鉄道事業者の駅ではあるが、同じ敷地内に存在する場合もあるし、また少し離れた場所にあり徒歩での移動が必要な場合もある。また、時に複数の鉄道事業者間での相互乗り入れがあるが、この場合は改札を経ない乗継なので、「乗継」の定義には含まない。
図1において、電子乗車券の履歴としては、A駅の改札入場(424)・B駅の改札出場(425)・D駅の改札入場(426)・E駅の改札出場(427)である。B駅からD駅の「乗継」は電子乗車券の履歴から明らかであるが、C駅の「乗換」は改札内で行われるため電子乗車券の履歴としては残らない。そのため、A駅からB駅に至る経路については、移動にかかった時間やその時間帯ダイヤ、また乗換駅での購買履歴等を考慮して、経路の推定を行う処理が必要となる(本発明では、改札内の経路推定処理の方法については特に規定しない)。
図2は、図1の例を発展させて、同一区間における複数経路の関係について説明する。ここで、「区間」(400)とは、乗継を含めた移動の出発駅(最初の入場駅)と到着駅(最後の出場駅)の組み合わせである。図1の例では、A駅が出発駅でE駅が到着駅であるので、区間は「A駅→E駅」と定義される。
この例で、A駅(401)の近くにF駅(406)・G駅(407)があり、E駅(405)の近くにJ駅(410)があり、いずれも徒歩で簡単に行き来が出来るものとする。ここで、A駅・F駅・G駅はひとつの「駅グループ」(430)であり、E駅・J駅はひとつの「駅グループ」(430’)であると定義する。駅グループには「代表駅」が定義されており、それぞれA駅とE駅を代表駅とする。
ここで、A駅付近のある地点(ランドマーク)からE駅付近のある地点(ランドマーク)に向かう場合、選択可能な経路としては、A駅(401)を出発しB駅(402)−D駅(404)で乗り継ぎE社(405)に到着する経路(経路1:431)と、F駅(406)からE駅(405)に乗換・乗継無しで行く経路(経路2:432)と、G駅(407)を出発しH駅(408)−I駅(409)で乗り継ぎJ駅(410)に到着する経路(経路3:433)が考えられる。経路の記述方法は、入場駅と出場駅は「−」でつなぎ、他社間の乗継は「:」でつないで表記する。従って、区間「A駅→E駅」の移動経路は、
経路1:「A駅−B駅:D駅−E駅」、経路2:「F駅−E駅」、経路3:「G駅−H駅:I駅−J駅」と表記される。またこの例では、経路1はX社とY社、経路2はY社、経路3はZ社とX社を利用していることになる。
このように、同一区間に複数の経路が存在する場合、どの経路がどの程度選ばれているのかを把握することで、人の流れ(流動)をモデル化したり、乗客に対する誘導に役立てたりする等の応用に繋げることが可能となる。
本発明は、このような状況において、鉄道乗車券の履歴を用いることにより、複数の経路間の利用状況を正確に把握することができる方法およびシステムを開示するものである。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
本発明によって実現されるシステムの第1の実施例を、図3から図15により説明する。
図3に、実施例1の全体構成を示し、図4に、図3におけるサーバのデータ格納部の構成例を示す。
図3において、本システムは、データの格納と処理を行うサーバ(001)を備えており、サーバ(001)は電子乗車券管理サーバ(003)とオンラインまたはオフラインで結ばれている。電子乗車券管理サーバ(003)は通信ネットワーク(002’)を介して、駅の各地に設置された改札機(006,006’,…)と接続されており、改札機で収集した電子乗車券の利用履歴を適宜収集・格納する。この格納された履歴情報(004)は、適当なタイミングで処理サーバ(001)のデータ格納部(110)に格納される。
サーバ(001)は、CPU(101)と、メモリ(102)と、記録装置(103)及びデータ格納部(110)と、ネットワークI/F(104)とを備える。サーバ内の各装置は、内部バスによって接続され相互にデータの送受信が可能である。CPU(101)は、マイクロプロセッサを主体に構成され、メモリ(102)や記録装置(103)に格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータに各種の機能を実現させる。メモリ(102)は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリーメモリ(ROM)等によって実現され、CPU(101)によって実行されるプログラムや処理されるデータ等を格納する。記録装置(103)は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、データ格納部(110)は、例えばハードディスクやDVDとそれらのドライブにより構成され、CPU(101)によって実行されるプログラムや処理されるデータ等を格納する。
サーバ(001)はまた、データ抽出・分析を行うオペレータ(009)向けの制御用端末(007)とネットワーク(002)を介して接続されており、サーバ(001)において生成・集計・分析されたデータは、制御用端末(007)とやり取りされる。
鉄道利用者(=ユーザ)(008)が電子乗車券(005)を持って駅の改札機(006)に触れると、このユーザ(008)のIDと端末(006)の場所・処理コード・処理日時等を含んだ情報がサーバ(001)に送信される(301)。この情報送信は、リアルタイムで行われてもよいし、一旦改札機(006)のデータ格納部に格納されてから、適当なタイミングで送信されるのでもよい。
鉄道乗車券履歴を活用した鉄道網上の経路の使い分け状況を調べるために、オペレータ(009)が制御用端末(007)を用いてサーバ(001)にアクセスし、条件を入力(選択)すると(302)、条件に応じた結果が返され(303)、制御用端末(007)の画面上に表示されたり(304)、レポートとして出力されたり(305)する。
図4に示すように、サーバ(001)は機能的にみると、主に、データ格納部(110)と制御部(300)とからなる。データ格納部(110)は、各種処理に必要になるマスタデータ格納部(111)と、電子乗車券の履歴であるログデータ格納部(112)と、ログデータを集計した結果得られる各種集計データ格納部(113)に分けられる。
マスタデータ格納部(111)に保持されるデータには、駅に関する情報を管理する「駅マスタ」(120)、路線に関する情報を管理する「路線マスタ」(130)、経路に関する情報を管理する「経路マスタ」(140)、カードやユーザに関する情報を管理する「カード/ユーザマスタ」(150)、駅グループに関する情報を管理する「駅グループマスタ」(160)等が含まれる。
ログデータ格納部(112)に保持されるデータには、電子乗車券管理サーバ(009)から取得した電子乗車券利用履歴(元データ)を格納する「改札通過ログ」データ(200)、改札通過ログから改札入場と改札出場を関連付けることで得られる「移動ログ」データ(210)、移動ログを改札外の乗継を連結して得られる「連結済み移動ログ」データ(220)等のログデータが含まれる。
集計データ格納部(113)に保持されるデータには、移動ログを移動経路別に集計した「経路別集計データ」(230)等の集計データが含まれる。
制御部(300)には、移動ログの生成を行う「移動ログ生成処理ユニット」(311)、移動ログの連結を行う「移動ログ連結処理ユニット」(312)、ログを集計する「集計処理ユニット」(313)、利用割合計算や可視化処理を行う「利用割合計算・可視化処理ユニット」(314)、外部とのデータ通信や入出力を行う「データ通信処理ユニット」(315)、格納されたデータへのアクセスを行う「データアクセス処理ユニット」(316)等が含まれる。
図4におけるデータ格納部(110)のうち、代表的なデータのデータ構造を示したのが、図5〜図7である。
まず、図5を用いて、各種マスタデータについて説明する。
駅マスタ(120)は、駅に関する情報を管理するマスタデータであり、駅ID(121)、駅名(122)、鉄道事業者(123)、駅の所在地(124)、緯度経度(125)等の情報を含む。
路線マスタ(130)は、路線に関する情報を管理するマスタデータであり、路線ID(131)、路線名(132)、鉄道事業者(133)、普通/特急などの路線タイプ(135)と、停車駅のID(134)等の情報を含む。
経路マスタ(140)は、経路に関する情報を管理するマスタデータであり、基本的には入場駅と出場駅が指定された移動データに対して、どの路線を乗り継いでいくかの経路を割り当てるために使われる。一対の入場駅と出場駅の組(区間)に対して、少なくとも一種類以上の経路の候補が定義されている必要がある。経路マスタは、経路ID(141)、入場駅ID(142)、出場駅ID(143)、曜日(144)、時間帯(145)、乗車回数(146)、標準所要時間(147)、料金(148)、乗車経路(149)等の情報を含む。乗車経路(149)には、入場駅から出場駅に行くのに、どの駅からどの駅までどの路線に乗車し、どの駅で乗り継いでいくかという詳細な経路情報を定義する。乗車経路の優先度や所要時間等は、曜日や時間帯等によって変動することもある。例えば、図に示すように、入場駅と出場駅が同じであっても、朝は乗車回数4回・所要時間42分、昼は乗車回数5回・所要時間45分というように異なる最適経路が割り当てられることになる。
カード/ユーザマスタ(150)は、カードやユーザに関する情報を管理するマスタデータで、カードID(151)、ユーザID(152)、氏名(153)、性別(154)、生年月日(155)、居住地域(156)等の個人情報、および会員種別(157)等の情報を含む。ここで、氏名や詳細な住所などの個人を識別可能な情報は、システムの動作上は必須ではない。性別や年齢などの属性情報も本発明の方法に必ずしも必要なものではないが、データ処理後のマーケティング活動のために有用である(例えば、性別や年代によって経路選択の傾向に違いがあるか等の分析)ことが多いため、格納しておくことが望ましい。
駅グループマスタ(160)は、図1において点線の楕円で囲んだ「駅グループ」(乗継可能な駅、または目的地が同じであれば同じように使われる駅)を定義するマスタデータで、駅ID(161)に対し、グループとして定義する駅の代表駅のID (162)と、代表駅からの距離(163)等の情報を含む。
図6では、各種ログデータについて説明する。
改札機(006)から電子乗車券管理サーバ(003)を経て収集された元のログである改札通過ログ(200)は、ログID(201)、カードID(202)、改札を通過した日時(203)とその駅ID(204)、処理種別(205)、取引額(206)の情報を含む。処理種別(205)とは、「出場」「入場」の別を示す情報である。
移動ログ(210)は、元の改札通過ログ(200)から、同一カードIDの、ある入場のログと連続する出場のログを関連付けたものである。移動ログ(210)には、ログID(211)、カードID(212)、改札入場時刻(213)、改札出場時刻(214)、改札入場駅ID(215)、改札出場駅ID(216)、支払運賃(217)、経路ID(218)、乗継フラグ(219)等の情報を含む。ここで、経路ID(218)は経路マスタ(140)で定義された乗車経路である。また、乗継フラグ(219)とは、ひとつ前の移動ログとの乗継関係を表すフラグであり、対象となる移動ログとひとつ前の移動ログが、同一駅グループ間で乗継を行ったと判断されるときに「1」がセットされる。それ以外の場合は、「0」がセットされる。
連結済み移動ログ(220)は、移動ログ(210)から、改札外の乗継を連結して得られるものであり、出発地から目的地までの一連の移動を記録したものである。連結済み移動ログ(220)には、ログID(221)、カードID(222)、出発日時(223)、到着日時(224)、出発駅ID(225)、到着駅ID(226)、連結数(227)、入出場履歴(228)、事業者別運賃(229)等の情報を含む。
図7では、各種集計データについて説明する。
経路別集計データ(230)は、移動ログ(210)を移動経路別に集計したものであり、図6で説明したログの生成に応じて、あらかじめ生成しデータ格納部(110)に格納されるものである。
経路別集計データ(230)は、出発駅(231)、到着駅(232)、入出場履歴(233)、日付(234)、時間帯(235)、件数(236)、鉄道事業者別の運賃累計(237)、所要時間別の件数内訳(238)等の情報を保持する。ここで「入出場履歴」(233)は、出発駅(231)から到着駅(232)までの移動経路を、乗継を含めた出発から到着までの入出場の履歴をつなげて表記したものである。表記の方法については、図2の例で示したものに準ずる。それぞれの経路をとる移動の数を、日別または時間帯別にカウントしたものが「件数」(236)である。時間帯(235)は出発時刻または到着時刻に応じて集計する際のベースとなるものであるが、1日分の合計数を「計」として集計しておいてもよい。また、乗客が各鉄道事業者に支払った運賃の累計を鉄道事業者ごとにまとめた「事業者別運賃累計」(237)と、所要時間別の件数(238)が集計される。
利用割合集計結果(240)と経路別内訳(250)は、経路別集計データ(230)から特定の期間や区間を対象としてそれぞれの利用割合およびその経路別内訳を求めたものであり、制御用端末からの要求に応じて適宜生成されるものである。
利用割合集計結果(240)は、出発代表駅(241)、到着代表駅(242)、日付(期間)(243)、平日/休日フラグ(244)、時間帯(245)、事業者(246)、件数による利用割合(247)、運賃による利用割合(248)等の情報を含む。ここで「出発代表駅」(231)とは、乗継を考慮した一連の移動において、最初に入場した駅(図2の例ではA駅、F駅、G駅)を駅グループマスタ(160)の定義に従い代表駅で置き換えたものである。同様に、「到着代表駅」(232)は、一連の移動で最後に出場した駅を代表駅で置き換えたものである。これにより、同じ駅(グループ)を出発地とし、同じ駅(グループ)を目的地とする移動を対象とした経路の利用割合を集計することができる。
経路別内訳(250)は、出発代表駅(251)、到着代表駅(252)、日付(期間)(253)、平日/休日フラグ(254)、時間帯(255)、入出場履歴(256)、移動距離(257)、標準運賃(258)、件数(259)、最短所要時間(260)、中心所要時間(261)等の情報を含む。「入出場履歴」(256)は経路別集計データのもの(233)と同様である。「移動距離」(257)はより正確には、移動経路ごとに出発駅から到着駅までに経由する各駅間の線路の長さを累計したものになるが、簡易的には駅マスタ(120)と路線マスタ(130)を使って、経由する各駅間の直線距離を累計したものでも代用可能である。「標準運賃」(258)は、その経路の移動にかかる大人ひとりあたりの運賃であって、経路マスタ(140)から算出可能である。「最短所要時間」(260)は、日付や期間を指定した中でその経路を移動したログのうち、発駅から着駅までの所要時間が一番短いもの、「中心所要時間」(261)はすべての所要時間の中央値(メディアン)であり、所要時間ヒストグラムの中央となる所要時間と定義する。これは標準的な移動にかかる所要時間を知るために使われるもので、所要時間の平均値やヒストグラムの最頻値等で代用してもよい。
次に、図8〜図12を用いて、本発明の実施例1における各種処理の処理手順を示す。
図8は、移動ログ(210)の生成処理の手順をステップごとに表したものである。この処理は、図4における「移動ログ生成処理ユニット」(311)において実行される。
ここでは、処理対象として、改札通過ログが1日(=1営業日:始発から終電まで)単位にまとめられて格納されているものとするが、ログの単位を1日単位でなく、1週間や1か月等の特定の期間でまとめられたものであっても、基本的な処理手順は同様である。
まず、1営業日単位にまとめられた改札通過ログを、カードIDごとに分離し、それぞれのユーザIDについて、データを時系列に並べる事前処理(S330)を行う。
次に、分離したカードIDごとのデータについて以下を繰り返す(S331)。まず、メモリ上の入場情報(入場駅・入場日時・乗継フラグ)および出場情報(出場駅・出場日時)をクリアし(S332)、次に、以下の分岐処理を時系列に並んだ各ログについて繰り返す(S333)。
ログの処理種別が「入場」の場合は(S334)、メモリ上の入場情報に適宜ログの値をセットする(S335)。出場情報があらかじめセットされている場合には、格納済み出場情報と今回の入場情報から所定の手続きにより乗継判定を行い、乗継フラグに値を格納、出場情報はクリアする(S336)。ここで乗継判定処理とは、前回の移動ログと今回の移動ログが一連の移動として行われたかどうか(他社間の乗継が行われたか)を判定する処理であり、前回の出場駅と今回の入場駅が同じ駅グル―プかつ(または)前回の出場時刻と今回の入場時刻の差が所定の時間以内であれば乗継フラグを「1」とし、それ以外の場合は乗継フラグを「0」 とする(S342)。出場情報がセットされていない場合には、これがこのカードIDの当日初めての入場となる(ログの単位が1日単位でなく特定の期間の場合は、その期間の中で初めての入場となる)ので、乗継フラグに「0」をセットする(S337)。
ログの処理種別が「出場」の場合は(S338)、メモリ上の出場情報に適宜ログの値をセットする(S339)。ここで入場情報があらかじめセットされている場合には、前回の入場情報と今回の出場情報を組合せて所定の手続きにより経路判定を行い、移動ログに値を出力し、入場情報および経由情報をクリアする(S340)。ここで経路判定処理とは、入場駅と出場駅の組み合わせと所要時間等から、経路マスタを参照してどの経路を通ったかを割り当てる処理である。本処理については、本発明では詳しくは規定しない。入場情報がセットされていない場合は、移動ログが生成できないので、無効な出場とし、出場情報をクリアする(S341)。
以上の処理により、改札通過ログ(200)が移動ログ(210)に変換される。
図9は、移動ログ(210)から連結済み移動ログ(220)を生成するためのログ連結処理の手順をステップごとに表したものである。この処理は、図4における「移動ログ連結処理ユニット」(312)において実行される。
まず、1営業日分の移動ログを、カードIDごとに時系列にソートし、ワーキングメモリのカードIDおよびログ連結用メモリをクリアする(S350)。ここで、ログ連結用メモリ(360)は、連結済み移動ログ(220)を生成するための一時的なメモリ領域であり、カードID(361)、出発日時(362)、到着日時(363)、出発駅(364)、到着駅(365)、連結数(366)、入出場履歴(367)、事業者別運賃(368)等の情報を含む。
1営業日分の移動ログを順番に、下記の手順を繰り返す(S351)。すなわち、今回のログのカードIDが、メモリに格納した前回のカードIDと同じであって、かつ今回のログの乗換フラグが「1」の場合(前回の移動ログと今回の移動ログが乗継として連結される場合)は(S352)、一連の移動が続いているものとして、今回のログの内容をログ連結用メモリ(360)に追記する。具体的には、到着駅および到着日時を今回のログの出場駅および出場日時に置き換え、入出場履歴に、「:今回の入場駅−今回の出場駅」を追記する。また連結数をインクリメントして事業者別の運賃を加算する(S353)。
今回のログのカードIDが、メモリに格納した前回のカードIDと異なるか、今回のログの乗換フラグが「0」の場合(前回の移動ログが新たな一連の移動の開始である場合)は(S354)、ログ連結用メモリ(360)に値が格納されていれば、メモリの内容を連結済み移動ログ(220)に出力する(S355)。続いて、ログ連結用メモリ(360)を以下のように書き換える。出発駅および出発時刻を今回の入場駅および今回の入場時刻とし、到着駅および到着日時を今回のログの出場駅および出場日時とし、入出場履歴を「今回の入場駅−今回の出場駅」とし、連結数を1として業者別の運賃を加算する(S356)。
以上のステップを最後のログまで繰り返し、最後に残ったログ連結用メモリの内容を連結済み移動ログ(220)に出力する(S357)。
以上の処理により、移動ログ(210)が連結済み移動ログ(220)に変換される。
図10は、連結済み移動ログ(220)から経路別集計データ(230)を生成するための集計処理の手順をステップごとに表したものである。この処理は、図4における「集計処理ユニット」(313)において実行される。
まず、集計用配列をクリアする(S370)。そして、1日分の連結済み移動ログ(220)について下記を繰り返す(S371)。すなわち、
連結済み移動ログ(220)から、出発駅・到着駅・出発時刻・到着時刻・入出場履歴・事業者別運賃の情報を取得する(S372)。出発駅・到着駅・入出場履歴・時間帯をキーに、集計用配列の「件数」の値をインクリメントする(S373)。次に、出発駅・到着駅・入出場履歴・時間帯・事業者をキーに、集計用配列の「運賃」の値を加算する(S374)。そして、出発駅・到着駅・入出場履歴・時間帯・出発から到着までの所要時間をキーに、集計用配列の「件数」の値をインクリメントする(S375)。
全ての連結済み移動ログについて上記の処理を行ったら、集計用配列について、「出発駅・到着駅・入出場履歴・時間帯」の組ごとに下記を繰り返す(S376)。すなわち、それぞれの項目について、件数と事業者別運賃の値を、経路別集計データ(230)に出力する(S377)。
以上の処理により、連結済み移動ログ(220)を集計し、経路別集計データ(230)を得る。
ここで、図11により移動経路と利用割合の例について説明する。
図11では、説明の都合上、区間を移動する人数の全体を100人とし、この100人が複数の経路を使い分けているものとする。件数ベースの利用割合と運賃ベースの利用割合の2種類を定義する。それぞれの利用割合の算出方法について、3つのケースに基づき説明する。
ケース1(434)として、最もシンプルな複数経路の使い分けの例を示す。この例においては、2本の路線がX社とY社で完全に並行して走っており、双方の料金も10円差、利用人数も6対4と拮抗している。この例では、件数をベースとした利用割合はX社60%:Y社40%となるのに対し、運賃をベースとした利用割合は、200円×60人=12000円対210円×40人=8400円となり、X社59%:Y社41%と算出される。
ケース2(435)は、出発駅がそれぞれX社のK駅とY社のM駅であるが、2番目の経路は途中でX社の路線に乗り換え、最終的にはX社のO駅に到着する経路となっている。この区間「K駅→O駅」については、到着駅にY社の路線が乗り入れていないため、全経路をY社で移動することが不可能である。従って、X社の利用割合は全経路X社で移動した70%とし、Y社の利用割合を30%とする。運賃ベースの利用割合は、それぞれの経路でX社およびY社に支払われた運賃の合計を計算し、X社79%(290円×70人+120円×30人=23900円):Y社21%(210円×30人=6300円)と算出される。
ケース3(436)はもっと複雑で、3種類の鉄道事業者が関連した3種類の経路が存在する。件数ベースの利用割合は、全経路その鉄道事業者の路線で移動できるときは全経路その鉄道事業者の路線で移動した件数を利用割合とし、全経路その鉄道事業者の路線で移動できないときは部分的にその鉄道事業者の路線で移動した件数を利用割合とするという算出方法に基づき、X社50%:Y社20%:Z社30%となる。運賃ベースの利用割合は、それぞれの鉄道事業者に支払われた運賃の合計を計算することで、X社30%(200円×50人=10000円):Y社13%(210円×20人=4200円):Z社57%(140円×50人+140円×20人+300円×30人=18800円)と算出される。
件数ベースの利用割合は、実際に路線を利用した人数に基づいているので、移動のボリュームを把握することができる一方、場合分けがやや面倒であるという問題点がある。運賃ベースの利用割合は、場合分けが要らないのでシンプルであり料金的なインパクトがある区間をみつけることができるという利点がある一方、運賃が高めな鉄道事業者は利用割合が高めに出てしまうので、輸送人員を正確に把握できない場合がある。件数ベースの利用割合と運賃ベースの利用割合は、それぞれに利点と問題点があるので、把握したい経路の使い分け状況や区間によって使い分けるのが望ましい。
以上説明した利用割合の定義に基づき、経路別集計データ(230)を用いて各区間における事業者ごとの利用割合を算出する処理を、図12により説明する。この処理は、図4における「利用割合計算・可視化処理ユニット」(314)において実行される。
制御用端末(007)を通じて利用割合を算出する対象発着区間のリストと、対象日(期間)・必要に応じて対象時間帯が入力される(S380)と、集計用配列がクリアされる(S381)。
集計対象日(期間)の日数分、下記の処理を繰り返す(S382)。すなわち、対象日の「経路別集計データ」(230)を読み出し、その各行分下記の処理を繰り返す(S383)。すなわち、抽出対象の時間帯が指定されている場合は、その時間帯にマッチするデータについて以下の処理を実行し、マッチしない場合は次のデータに移る(S384)。出発駅および到着駅を、駅グループマスタ(160)を参照して代表駅に変換し(S385)、出発代表駅(231)・到着代表駅(232)の組み合わせからなる区間が、集計対象発着区間のリストに含まれる場合は、集計用配列の「出発代表駅・到着代表駅・事業者」の組み合わせごとに、その件数に集計データの件数を、運賃に集計データの運賃を、それぞれ加算し(S386)、さらに経路とその所要時間別に件数を加算する(S387)。
経路別集計データ(230)の読み込みが終了したら、抽出対象となる発着区間の区間分、下記の処理を繰り返す(S388)。すなわち、集計用配列の事業者別内訳を合計することにより、区間全体の合計件数と全体の合計運賃を算出する(S389)。そして、事業者ごとに、下記の処理を繰り返す(S390)。すなわち、区間内のその事業者の件数と運賃から、全体の件数と運賃に占める割合を算出する(S391)。続いて、対象区間を発着する経路別に、下記の処理を繰り返す(S392)。すなわち、対象とする経路について、入出場履歴から移動距離を算出する(S393)。移動距離は、正確には移動経路ごとに出発駅から到着駅までに経由する各駅間の線路の長さを累計したものになるが、簡易的には駅マスタ(120)と路線マスタ(130)を使って、経由する各駅間の直線距離を累計したものでも代用可能である。同様に、入出場履歴から経路マスタ(140)を利用して標準運賃を算出する(S394)。さらに、その経路の最短所要時間と中心所要時間を算出する(S395)。最後に、集計結果(240)および経路別内訳データ(250)を出力し、必要に応じて可視化する(S396)。
以上の処理により、経路別集計データ(230)から、対象日(期間)・対象区間における利用割合集計結果(240)を得る。
このように、あらかじめ日別・時間帯別の経路別集計データ(230)を生成しておくことにより、任意の対象日や期間・また時間帯と任意の対象区間に対して、事業者ごとの利用割合を素早く求めることができる。
次に、図13から図15を用いて、制御用端末(007)の画面表示例を説明する。図13に、利用割合の集計を行うための条件を送信するための画面の例を示す。制御用端末(007)のディスプレイ(500)に、条件入力のための画面(501)が表示され、オペレータ(009)はここから利用割合集計の条件を入力する。
利用割合集計のためには、対象となる発着区間(又はその集合)が必要になるので、「出発駅リスト」(502)と「到着駅リスト」(503)により対象区間を選択する。駅のリストは、路線から選ぶ方法(503)(506)と、あらかじめ定義した駅リストを呼び出す方法(504)(507)とがある。出発駅と到着駅の組み合わせを路線で選ぶと、路線全体の利用状況を大きく把握できたり、同一路線の中でも急行や快速等の停車駅や他の路線との乗入れ状況によってその利用割合がどのように異なるのか等を把握することができる。特定の駅について状況を見たい場合は、あらかじめ対象となる駅をいくつかのグループに登録しておいて、そこから選ぶようにすることもできる。
続いて、「期間・日付選択」(508)により利用割合を集計する期間または日付を選択する。特定の日付を選択する方法(509)と、開始日と終了日を指定して期間を選択する方法(510)と、年月および平日/休日の別を指定する方法(514)等がある。さらに、指定した期間について、その時間帯を選択するオプション(516)も用意されている。最後に、前述した利用割合の集計方法(件数または運賃)(518)を選び、「計算」ボタン(520)を押下する。すると、サーバ側では図12で示した手順により指定された条件で利用割合の計算を行い、結果表示画面(図14)を制御用端末(007)のディスプレイ(500)に表示する。
図14に、利用割合算出結果表示の例を示す。この画面例は発駅と着駅の集合をそれぞれ縦軸(523)と横軸(524)にとり、その間の利用割合算出結果をマトリクス形式で可視化した例である。ここでは、出発代表駅と到着代表駅の各組み合わせについて、それぞれのマスに大きさと色の違う丸(525)を配置する。例えば移動件数の大小で丸の大きさを変え、利用割合の値で丸の色(濃さ)を変えて表示する。すなわち、件数のボリュームが大きいほど丸を大きく、利用割合の値が高いほど丸の色の濃さを濃くすることにより、直感的に重点的なエリアや利用割合の分布を把握することができる。件数による利用割合と運賃による利用割合の切り替えボタン(522)を押下することにより、それぞれを切り替えて結果を見ることができる。「条件再設定」ボタン(526)を押下して条件設定画面(図13)に戻ったり、「印刷」ボタン(527)を押下して結果を印刷することもできる。
さらに、それぞれのマスを選択(クリック)すると、図15に示すような、対象区間における利用割合の詳細情報を見ることができる。利用割合の詳細画面(531)には、個別の利用割合内訳(532)や、それぞれの経路の選択率・運賃や所要時間といった詳細な情報を確認することができる。複数経路が存在する区間において、それぞれの経路がどのように選ばれるかは、所要時間の差や運賃の差、列車待ちの便利さ等様々な要因が考えられる。まず全体的な利用割合の状況を把握し、注目する区間についてその経路別の内訳を詳細に見ることにより、利用者の経路選択の要因を特定することが可能となる。
また、時系列ボタン(536)を押される入力を受け付けることで、図16に示すような、対象区間における利用割合の時系列推移の表示を見ることもできる。時系列表示画面(541)は、ある区間の利用割合の変化を時系列に見るための画面であり、件数による利用割合・運賃による利用割合切替ボタン(542)や、月別・日別切替ボタン(543)により、表示を切り替えることができる。このように時系列で利用割合の推移を把握することにより、新駅・新線開通の影響や、ダイヤ改正等の施策の影響を、利用者視点で確認することができる。
以上、本発明によって実現されるシステムの実施例について説明した。本実施例では、経路別集計データ(230)として、事業者別の運賃の累計(237)や所要時間別の件数内訳(238)の情報を保持していたが、集計処理を簡略化して集計データを軽量化するために、経路別の件数のみを集計データとして保持しておく構成も可能である。このとき、利用割合を計算する際の運賃は、件数と経路マスタ(140)にある標準運賃を掛け合わせることで簡易的に求められる。また、所要時間についても、経路マスタ(140)にある標準的な所要時間で代用してもよい。
また、本実施例では、利用割合の計算と可視化処理をサーバ(001)上で行い、制御用端末(007)にてその内容を確認していたが、サーバ上で生成した経路別集計データ(230)を適当なタイミングで制御用端末にコピーしておき、利用割合計算と可視化処理・レポート出力等を制御用端末(007)上にてオフラインで行う構成も可能である。
大量の電子乗車券履歴データをもとに、あらかじめ経路別の利用状況を集計したデータを用意しておくことにより、条件を変えながら任意の区間の間の経路選択状況を正確に把握可能にすることで、人の流れ(流動)をモデル化したり、乗客に対する誘導に役立てたりする等の応用に繋げることが可能となる。
001: サーバ, 002: ネットワーク,003: 電子乗車券管理サーバ, 004: 電子乗車券管理サーバに格納される履歴情報, 005: 電子乗車券, 006: 改札機, 007: 制御用端末, 008: ユーザ, 009: オペレータ。
101: CPU, 102: メモリ, 103: 記録装置, 104: ネットワークI/F, 110: データ格納部, 111: マスタデータ, 112: ログデータ, 113: 集計データ, 120: 駅マスタ, 121: 駅ID, 122: 駅名, 123: 駅鉄道事業者, 124: 所在地, 125: 位置情報(経度・緯度), 130: 路線マスタ, 131: 路線ID, 132: 路線名, 133: 路線鉄道事業者, 134: 路線タイプ, 135: 停車駅ID, 140: 経路マスタ, 141: 経路ID, 142: 入場駅ID, 143: 出場駅ID, 144: 曜日, 145: 時間帯, 146: 乗車回数, 147: 標準所要時間, 148: 料金, 149: 乗車経路, 150: カード・ユーザマスタ, 151: カードID, 152: ユーザID, 153: 氏名, 154: 性別, 155: 生年月日, 156: 居住地域, 157: 会員種別, 160: 駅グループマスタ, 161:駅ID, 162: 代表駅ID, 163: 代表駅からの距離。
200: 改札通過ログ, 201: ログID, 202: カードID, 203: 処理日時, 204: 駅ID, 205: 処理種別, 206: 取引額, 210: 移動ログ, 211: ログID, 212: カードID, 213: 入場日時, 214: 出場日時, 215: 入場駅ID, 216: 出場駅ID, 217: 運賃, 218: 経路ID, 218: 乗継フラグ, 220: 連結済み移動ログ, 221: ログID, 222: カードID, 223: 出発日時, 224: 到着日時, 225: 出発駅, 226: 到着駅, 227: 連結数, 228: 入出場履歴, 229: 事業者別運賃, 230: 経路別集計データ, 231: 出発駅, 232: 到着駅, 233: 入出場履歴, 234: 日付, 235: 時間帯, 236: 件数, 237: 事業者別運賃累計, 238: 所要時間別件数内訳, 240: 利用割合集計結果, 241: 発代表駅, 242: 着代表駅, 243: 日付(期間), 244: 平休フラグ, 245: 時間帯, 246: 事業者, 247: 件数ベースの利用割合, 248: 運賃ベースの利用割合。
300: 制御部, 301: 履歴情報送信処理, 302: 条件入力(選択)処理, 303: 結果取得処理, 304:可視化, 305: レポート出力, 311: 移動ログ生成処理ユニット, 312: 移動ログ連結処理ユニット, 313: 集計処理ユニット, 314: 利用割合計算・可視化処理ユニット, 315: データ通信・入出力処理ユニット, 316: データアクセスユニット, 330〜399: 処理ステップ。
400: 区間, 401: A駅, 402: B駅, 403: C駅, 404: D駅, 405: E駅, 406: F駅, 407: G駅, 408: H駅, 409: I駅, 410: J駅, 411: K駅, 412: L駅, 413: M駅, 414: N駅, 415: O駅, 416: P駅, 417: Q駅, 418: R駅, 420: 改札内移動, 421: 改札内移動, 422: 改札内での乗換, 423: 改札を越える乗継, 424: A駅入場(日時), 425: B駅入場(日時・運賃), 426: D駅入場(日時), 427: E駅出場(日時・運賃), 430: 駅グループ, 431: 経路1, 432: 経路2, 433: 経路3, 434: ケース1, 435: ケース2, 436: ケース3。
500: 制御用端末の表示画面, 501: 条件入力用画面, 502: 出発駅リスト選択, 503: 路線から選択, 504: 駅リスト呼び出しボタン, 505: 到着駅リスト選択, 506: 路線から選択, 507: 駅リスト呼び出しボタン, 508: 期間・日付選択, 509: 日付指定チェックボックス, 510: 日付選択, 511: 期間指定チェックボックス, 512: 開始日選択, 513: 終了日選択, 514: 年月・平休指定チェックボックス, 515: 年月および平休選択, 516〜517: 時間帯選択, 518−519: 利用割合計算方法選択, 520: 計算実行ボタン, 521: 利用割合表示画面, 522: 件数/運賃切替ボタン, 523: 出発駅リスト, 524: 到着駅リスト, 525: 利用割合表示マス, 526: 条件再設定ボタン, 527: 印刷ボタン, 531: 詳細情報表示画面, 532: 利用割合の値, 533: 第1経路詳細情報, 534: 第2経路詳細情報, 535: 第3経路詳細情報, 536: 時系列画面表示ボタン, 537: 戻るボタン, 541: 時系列表示画面, 542: 件数・運賃利用割合切替ボタン, 543: 月別・日別グラフ切替ボタン, 544: 時系列グラフ, 545: 戻るボタン。

Claims (6)

  1. 入場と出場を識別する処理種別とカードIDと処理日時と駅IDと取引額を含む改札通過ログと、経路IDと入場駅IDと出場駅IDと運賃情報とを含む経路マスタと、事業者情報と前記駅IDとを含む路線マスタと、前記駅IDと代表駅IDとを含む駅グループマスタと、を格納するデータ格納部と、
    前記改札通過ログの処理種別に基づいて乗り継ぎフラグを付与して、前記経路マスタに含まれる前記運賃情報を用いて、前記乗り継ぎフラグと前記カードIDと前記運賃情報とを含む移動ログを複数生成する移動ログ生成部と、
    前記移動ログに基づいて前記複数生成された移動ログを連結して、連結数と事業者別運賃情報と出発駅IDと到着駅IDとを生成し、前記カードIDと前記連結数と前記事業者別運賃情報と前記出発駅IDと前記到着駅IDとを含む連結済み移動ログを生成する移動ログ連結部と、
    前記生成された連結済み移動ログに含まれる前記出発駅IDと前記到着駅IDとを前記駅グループマスタを用いて発代表駅IDと着代表駅IDとにそれぞれ変換し、前記変換された発代表駅IDと前記着代表駅IDとの組み合わせ毎に件数による利用割合情報と運賃による利用割合情報とを算出した利用割合集計結果リストを生成する集計処理部と、
    前記生成された利用割合集計結果リストを画面に表示するインターフェイス部と、
    を有し、
    前記インターフェイス部は、第一の発代表駅IDと第一の着代表駅IDとの入力を受け付け、前記第一の発代表駅IDと前記第一の着代表駅IDとの間の経路の前記件数による利用割合情報と前記運賃による利用割合情報とを前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成システム。
  2. 請求項1に記載の旅客流動情報生成システムであって、
    前記インターフェイス部は、事業者別利用割合表示入力を受け付け、前記事業者毎に前記件数による利用割合情報と前記運賃による利用割合情報を算出し前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成システム。
  3. 請求項1に記載の旅客流動情報生成システムであって、
    前記インターフェイス部は、第一の出発駅IDと第一の到着駅IDの入力を受け付け、前記第一の出発駅IDと前記第一の到着駅IDとの組み合わせに対応する前記件数による利用割合情報及び/又は前記運賃による利用割合情報とを時系列で前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成システム。
  4. 入場と出場を識別する処理種別とカードIDと処理日時と駅IDと取引額を含む改札通過ログと、経路IDと入場駅IDと出場駅IDと運賃情報とを含む経路マスタと、事業者情報と前記駅IDとを含む路線マスタと、前記駅IDと代表駅IDとを含む駅グループマスタと、を格納するデータ格納部を用いて旅客流動に関する情報を生成する旅客流動情報生成方法であって、
    前記改札通過ログの処理種別に基づいて乗り継ぎフラグを付与して、前記経路マスタに含まれる前記運賃情報を用いて、前記乗り継ぎフラグと前記カードIDと前記運賃情報とを含む移動ログを移動ログ生成部によって複数生成する移動ログ生成工程と、
    前記移動ログに基づいて前記複数生成された移動ログを連結して、連結数と事業者別運賃情報と出発駅IDと到着駅IDとを生成し、前記カードIDと前記連結数と前記事業者別運賃情報と前記出発駅IDと前記到着駅IDとを含む連結済み移動ログを移動ログ連結部によって生成する移動ログ連結工程と、
    前記生成された連結済み移動ログに含まれる前記出発駅IDと前記到着駅IDとを前記駅グループマスタを用いて発代表駅IDと着代表駅IDとにそれぞれ変換し、前記変換された発代表駅IDと前記着代表駅IDとの組み合わせ毎に件数による利用割合情報と運賃による利用割合情報とを算出した利用割合集計結果リストを集計処理部によって生成する集計処理工程と、
    前記生成された利用割合集計結果リストを画面にインターフェイス部によって表示するインターフェイス工程と、
    を含み、
    前記インターフェイス工程において、第一の発代表駅IDと第一の着代表駅IDとの入力を前記インターフェイス部によって受け付け、前記第一の発代表駅IDと前記第一の着代表駅IDとの間の経路の前記件数による利用割合情報と前記運賃による利用割合情報とを前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成方法。
  5. 請求項4に記載の旅客流動情報生成方法であって、
    前記インターフェイス工程において、事業者別利用割合表示入力を前記インターフェイス部によって受け付け、前記事業者毎に前記件数による利用割合情報と前記運賃による利用割合情報を算出し前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成方法。
  6. 請求項に記載の旅客流動情報生成方法であって、
    前記インターフェイス工程において、第一の出発駅IDと第一の到着駅IDの入力を前記インターフェイス部によって受け付け、前記第一の出発駅IDと前記第一の到着駅IDとの組み合わせに対応する前記件数による利用割合情報及び/又は前記運賃による利用割合情報とを時系列で前記画面に表示することを特徴とする旅客流動情報生成方法。
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