JP5947449B2 - 体内水分計及び端末 - Google Patents

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Description

本発明は、被検者の生体内の水分量を測定する体内水分計及び該体内水分計と無線通信する端末に関するものである。
被検者の生体内の水分量を測定することは重要である。生体における脱水症状は、生体内の水分が減少する病態であり、発汗や体温上昇により多くの水分が体内から体外に排出される運動時や気温の高い時に多く発現する。
通常、生体内の水分が体重の3%以上失われた時点で体温調整の障害が起こると言われている。体温調整の障害が起こり体温が上昇すると、生体内の更なる水分の減少を引き起こすため悪循環に陥り、遂には熱中症と称される病態に至ることとなる。熱中症には、熱痙攣、熱疲労、熱射病等の病態があり、時には全身の臓器障害が起こることもある。
特に、病院内の入院患者や老人ホーム等の高齢者の場合、健常者や非高齢者と比較して体温調整機能が低下しているため、脱水症状が重症化しやすい傾向にある。このため、例えば、病院等の医療機関や老人ホーム等の介護施設においては、看護師や介護士等が入院患者や高齢者等の生体内の水分量を定期的に確認し、管理しておくことが不可欠である。
特開2012−176120号公報
しかしながら、看護師や介護士等の測定者の場合、体内水分計を用いて、入院患者や高齢者の生体内の水分量を測定したとしても、測定結果を見ただけでは、重症化する危険性を直ちに判断できない場合がある。
上述したように、生体内の水分の減少は、体温調整機能と密接に関わっており、重症化する危険性は、水分量以外の生体情報も考慮したうえで、総合的に判断する必要があるからである。
また、看護師や介護士等の測定者の場合、測定結果から、被検者の生体内の水分が減少していることが把握できたとしても、それが被検者固有のものなのか、周辺環境の問題によるものなのかを判断することは困難である。一般に、体内水分計の場合、測定者に対して、今回の測定結果が提示されるだけであり、その被検者の平常時の水分量を把握しておかなければ、総合的な判断を行うことはできないからである。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、体内水分計により測定された測定結果に基づいて、被検者の状態を総合的に判断できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る体内水分計は以下のような構成を備える。即ち、
被検者の生体内の水分量を測定する体内水分計であって、
前記被検者の生体内の水分量を測定することで水分量データが得られた場合に、被検者の生体情報に関するデータを管理するサーバに対して、前記被検者の水分量以外の生体情報を測定することで得られた他のデータであって、所定の測定条件を満たす他のデータの検索を指示する指示手段と、
前記指示手段による指示に応じて受信した、前記被検者の他のデータと、前記水分量データとに基づいて判断される、前記被検者の状態を示すメッセージを出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、体内水分計により測定された測定結果に基づいて、被検者の状態を総合的に判断することが可能になる。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる体内水分計100の外観構成を示す図である。 図2は、体内水分計100の機能構成を示す図である。 図3は、体内水分計100の測定回路を説明するための図である。 図4は、体内水分計100を含む管理システムの全体構成を示す図である。 図5Aは、体内水分計100における水分量測定及び判断処理の流れを示すフローチャートである。 図5Bは、体内水分計100における水分量測定及び判断処理の流れを示すフローチャートである。 図6Aは、体内水分計100における水分量測定及び判断処理の流れを示すフローチャートである。 図6Bは、体内水分計100における水分量測定及び判断処理の流れを示すフローチャートである。 図7Aは、体内水分計100における水分量測定及び判断処理の流れを示すフローチャートである。 図7Bは、体内水分計100における水分量測定及び判断処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、体内水分計100を含む管理システムの全体構成を示す図である。 図9は、体内水分計100を含む管理システムの全体構成を示す図である。
以下、本発明の各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
[第1の実施形態]
<1.体内水分計の外観構成>
図1は、本実施形態に係る体内水分計100の外観構成の一例を示す図である。体内水分計100は、被検者の体表面である腋窩の皮膚にセンサ部121を接触させ、センサ部121において供給した電気信号に応じた物理量を検出することで被検者の体内の水分量を検出する。本実施形態に係る体内水分計100では、当該物理量(生体内の水分に関するデータ)として被検者の静電容量を測定することにより、腋窩の皮膚の湿り具合を検出し、体内の水分量を算出する。
図1に示すように、体内水分計100は本体部110と挿入部120とを備える。本体部110は、上面114、下面115、側面116、117がそれぞれ長軸方向(不図示)に略平行に形成されており、全体として、直線状に形成されている。また、本体部110の筐体表面には、各種ユーザインターフェースが配置され、筐体内部には体内の水分量を算出するための電子回路が収納されている。
図1の例では、ユーザインターフェースとして、電源スイッチ111及び表示部112が示されている。電源スイッチ111は、本体部110の後端面113の凹部に配されている。このように凹部に電源スイッチ111を配する構成とすることで、電源スイッチ111の誤操作を防ぐことができる。なお、電源スイッチ111がオンされると後述の電源部211(図2)から体内水分計100の各部への電源供給が開始され、体内水分計100は動作状態となる。
表示部112は、本体部110の側面117上において、長軸方向のやや前方側に配されている。これは、体内水分計100を用いて被検者の水分量を測定するにあたり、測定者が把持領域118を把持した場合であっても、測定者の把持した手で表示部112が完全に覆われることがないようにするためである(把持した状態でも表示内容が視認できるようにするためである)。
表示部112には、今回の水分量の測定結果131が表示される。また、参考として前回の測定結果132もあわせて表示される。さらに、電池表示部133には、電池(図2の電源部211)の残量が表示される。また、無効な測定結果が得られた場合や測定エラーが検出された場合には、表示部112に“E”が表示され、その旨がユーザに報知される。なお、表示部112に表示される文字等は、本体部110の上面114側を上とし、下面115側を下として、表示されるものとする。
体内水分計100の挿入部120は、上面124及び下面125が曲面形状を有しており、本体部110に対して、全体として、下向きに緩やかに湾曲している。挿入部120の先端面122(後端面113とは反対側の端面)には、センサ部121がスライド可能に保持されている。
センサ部121は、先端面122に略平行な接触面123を有しており、センサ部121の皮膚への密着を保証する上での押圧を確保するため、不図示のばねにより、矢印141bの方向へ付勢されている(たとえば150gf程度の付勢力)。そして、センサ部121の接触面123全体が被検者の腋窩の皮膚に均等に押し当てられ、かつ、センサ部121が矢印141aの方向(先端面122と略直交する方向、すなわち先端面122の法線方向)に所定量(例えば1mm〜10mm、本実施形態では3mm)スライドすると、測定が開始されるよう構成されている(以下、矢印141aの方向をスライド方向と称す)。
具体的には、ユーザが電源スイッチ111をオンして体内水分計100を動作状態とした後、センサ部121が矢印141aの方向へ所定量以上押圧されると、水分量の測定が開始される。あるいは、ユーザが電源スイッチ111をオンして体内水分計100を動作状態とした後、センサ部121の接触面123全体が被検者の腋窩に均等に所定負荷(例えば20gf〜200gf、さらに好ましくは100gf〜190gf、本実施形態では150gf)で押し当てられたことが検知されると、水分量の測定が開始される。このような仕組みにより、測定時におけるセンサ部121の接触面123の腋窩への密着の程度を一定にすることができる。
<2.体内水分計100の機能構成>
次に、体内水分計100の機能構成について説明する。図2は、体内水分計100の機能構成を示すブロック図である。
図2において、制御部201は、CPU202、メモリ203を有し、CPU202はメモリ203に格納されているプログラムを実行することにより、体内水分計100における種々の制御を実行する。
例えば、CPU202は、図5A、図5Bのフローチャートにより後述する表示部112の表示制御、ブザー222やLEDランプ223の駆動制御、水分量の測定(本実施形態では静電容量測定)、測定結果の判断などを実行する。メモリ203は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含み、不揮発性メモリはプログラムメモリとして、揮発性メモリはCPU202の作業メモリとして利用される。
電源部211は、交換が可能なバッテリー、或いは充電が可能なバッテリーを有しており、体内水分計100の各部へ電源を供給する。電圧レギュレータ212は、制御部201等へ一定電圧(例えば、2.3V)を供給する。電池残量検出部213は、電源部211から供給される電圧値に基づいて、電池の残量を検出し、その検出結果を制御部201に通知する。制御部201は、電池残量検出部213からの電池残量検出信号に基づいて、電池表示部133の表示を制御する。
電源スイッチ111が押下されると、各部への電源部211からの電力供給が開始される。そして、制御部201は、電源スイッチ111のユーザによる押下が1秒以上継続したことを検出すると、電源部211からの各部への電源供給を維持させ、体内水分計100を動作状態とする。測定スイッチ214は、センサ部121が矢印141aの方向へ所定量以上押されるとオン状態になる(つまり、押圧状態を検出する押圧検出部として機能する)。制御部201は、センサ部121が矢印141aの方向へ所定量以上押圧されると、水分量の測定を開始する。なお、電源部211の消耗を防止するために、体内水分計100が動作状態になってから2分経過しても水分量の測定が開始されない場合は、制御部201は自動的に体内水分計100を電源オフの状態へと移行させる。
測定回路221は、水分量検出部225と接続され、静電容量を測定する。図3は、測定回路221の構成例を示す図である。図3に示すように、インバータ301、302、抵抗303、304、被検者容量310によりCR発振回路が形成される。被検者容量310によって出力信号305の発振周波数が変化するので、制御部201は、出力信号305の周波数を計測することにより、被検者容量310を算出する。
図2に戻る。測定された水分量データは、通信部215を介して、不図示のサーバに無線送信される。また、必要に応じて、通信部215を介して、サーバより、他の生体情報や他の患者の測定結果を取得する。
表示部112は、図1で説明したような表示を制御部201の制御下で行う。ブザー222は、水分量の測定を開始した際や測定が完了した際に鳴動し、測定の開始や完了をユーザに報知する。LEDランプ223もブザー222と同様の報知を行う。すなわち、LEDランプ223は、水分量の測定を開始した際や、測定が完了した際に点灯し、測定の開始や完了をユーザに報知する。計時部224は、電源がオフの状態であっても電源部211からの電源供給を受けて動作し、動作状態においては時刻を制御部201に通知する。
<3.管理システムの全体構成>
次に、本実施形態に係る体内水分計100により測定された被検者の生体内の水分量を含む、各種生体情報を管理する管理システムの全体構成について説明する。
図4は、体内水分計100を含む管理システム400の全体構成を示す図である。図4において、410は、病院等の医療機関において、看護師等がいるナースステーション等に配置され、入院患者等の生体情報を管理するサーバである。
サーバ410では、体内水分計や体温計等の各種生体情報測定装置において測定された生体情報を、患者を識別する識別子である患者IDと対応付けてデータベース420に記憶する。データベース420において、421は患者IDであり、422、423は生体情報測定装置を識別するための識別子である。このうち、422は体内水分計IDを、413は体温計IDをそれぞれ示している。
なお、図4の例では、各患者ごとに、異なる体内水分計及び体温計を使用することを前提としているが、本発明はこれに限定されず、体内水分計や体温計等の生体情報測定装置は、複数の患者において共有としてもよい。
424、425は生体情報測定装置により測定された生体情報であり、このうち、424は体内水分計100により測定された水分量データを、425は体温計により測定された体温データをそれぞれ示している。なお、水分量データ424及び体温データ425は、測定日時と測定結果とが対応付けて記憶されているものとする。
なお、上記データベース420では、生体情報測定装置として体内水分計及び体温計を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の生体情報測定装置により測定された測定結果を管理するよう構成してもよい。
なお、上述したように、体内水分計100は通信部215を有しており、サーバ410と通信することにより、各種データの送受信を行うことが可能である。例えば、本実施形態に係る体内水分計100では、測定前に、被検者の患者IDを入力する構成となっており、患者IDを入力して水分量測定を行った場合にあっては、測定結果に、患者IDと測定日時とが付加されたうえで、サーバ410に送信される。
サーバ410では、体内水分計100より測定結果が送信された場合には、データベース420のうち、該測定結果に付加された患者IDに対応する領域に、該測定結果を、測定日時と対応付けて記憶する。
また、体内水分計100の場合、水分量測定が完了した後に、サーバ410に対して、当該被検者が直近に測定した体温データの検索を指示する指示機能が備えられており、患者IDとともに、体温データ検索コマンドが送信される。
サーバ410では、体内水分計100より体温データ検索コマンドを受信した場合には、データベース420内を検索し、体温データ検索コマンドに付加された患者IDに対応する体温データであって、測定日時が所定の測定条件を満たす体温データを抽出する。また、検索結果を体内水分計100に送信する。体内水分計100では、測定した水分量データと、検索結果に含まれる体温データとに基づいて、被検者の状態を総合的に判断する。
<4.体内水分計における水分量測定及び判断処理>
以上のような構成を備えた、本実施形態に係る体内水分計100の動作(水分量測定及び判断処理)を、図5A、図5Bのフローチャートを参照して説明する。
電源スイッチ111がオンされると、体内水分計100では、図5A、図5Bに示す水分量測定及び判断処理が開始される。
ステップS501では、看護師等の測定者が体内水分計100に対して、被検者の患者IDを入力する。ステップS502では、ステップS501において入力された患者IDを受け付ける。
ステップS503では、測定者が被検者の腋窩に体内水分計100の先端を接触させることで、水分量測定処理を行う。測定者による水分量測定処理が完了すると、ステップS504では、測定結果を表示部112に表示する。また、ステップS505に進み、ステップS502において認識された患者ID及び測定日時とともに、測定結果をサーバ410に無線送信する。
更に、ステップS506では、ステップS503における水分量測定により得られた水分量データが所定値(例えば、35%)以下であるか否かを判定する。ステップS506において、水分量データが所定値以下であると判定された場合には、図5BのステップS511に進む。一方、ステップS506において、水分量データが所定値以下でないと判定された場合には、水分量測定及び判断処理を終了する。
図5Bにおいて、ステップS511では、体温データ検索コマンドを患者IDとともにサーバ410に送信する。サーバ410では、体温データ検索コマンドを受信すると、当該コマンドに付加された患者IDに対応付けて記憶された体温データであって、現在時刻より過去所定時間内(24時間内)に測定された体温データを、データベース420より検索する。検索の結果、該当する体温データが抽出された場合には、検索結果として、当該抽出した体温データを体内水分計100に送信する。
ステップS512では、サーバ410より送信された検索結果に基づいて、過去所定時間内に測定された体温データの値が、所定値(閾値)以上、例えば37℃以上であるか否かを判定する。ステップS512において、体温データの値が、37℃以上でないと判定された場合には、ステップS515に進み、受信した体温データを、既に表示済みの水分量データとともに表示部112に表示した後、水分量測定及び判断処理を終了する。
一方、ステップS512において、体温データの値が37℃以上であると判定された場合には、ステップS513に進む。ステップS513では、被検者の水分量データが35%以下であり、かつ、体温データが37℃以上であることから、当該被検者の状態が重症化する可能性があると判断する。このため、ステップS514では、被検者の状態が重症化する可能性がある旨のメッセージ(警報)を出力する。なお、上記閾値は、被検者(例えば、高齢者だけでなく乳幼児など)に応じて、適宜、0.1℃ごとに変更できるようにしてもよい。また、上記閾値は、予め測定された各被検者の平熱に応じて設定するようにしてもよい。
更に、ステップS515では、既に表示済みの水分量データとともに、体温データを表示部112に表示し、水分量測定及び判断処理を終了する。なお、水分量データや体温データの他に、感染の疑いのある被検者に対しては、感染の可能性がある旨のメッセージを出力するようにしてもよい。あるいは、感染の可能性があるという情報を、水分量データまたは体温データと紐付けて記憶するようにしてもよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体内水分計100では、測定結果が所定値以下となった場合に、サーバにアクセスし、当該被検者の直近の体温データを参照する構成とした。更に、測定結果が所定値以下であって、かつ、当該被検者の直近の体温データが所定値以上であった場合には、当該被検者の状態が重症化する可能性がある旨のメッセージを出力する構成とした。
このように、水分量データ以外の生体情報として体温データを考慮することで、被検者の状態を、総合的に判断することが可能となった。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、体内水分計において測定結果が所定値以下となった場合にのみ、サーバにアクセスし、当該被検者の体温データを参照する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、水分量測定を行う前に、当該被検者の体温データを参照しておき、水分量測定が完了した際には、ただちに当該被検者の状態を総合的に判断する構成としてもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明を行うものとする。
図6A、図6Bは、本実施形態に係る体内水分計100の水分量測定及び判断処理を示すフローチャートである。
電源スイッチ111がオンされると、本実施形態に係る体内水分計100では、図6A、図6Bに示す水分量測定及び判断処理が開始される。
ステップS601では、看護師等の測定者が体内水分計100に対して、被検者の患者IDを入力する。ステップS602では、ステップS601において入力された患者IDを受け付ける。
ステップS603では、体温データ検索コマンドを患者IDとともにサーバ410に送信する。サーバ410では、体温データ検索コマンドを受信すると、当該コマンドに付加された患者IDに対応づけて記憶された体温データであって、現在時刻より過去所定時間内(24時間内)に測定された体温データを、データベース420より検索する。
検索の結果、該当する体温データが抽出された場合には、検索結果として、当該抽出した体温データを体内水分計100に送信する。ステップS604では、サーバ410より送信された検索結果として、体温データを受信する。
ステップS605では、被検者の腋窩に体内水分計100の先端を接触させることで、水分量の測定処理を行う。測定者による水分量の測定処理が完了すると、ステップS606では、測定結果を表示部112に表示する。また、ステップS607に進み、ステップS602において認識された患者ID及び測定日時とともに、測定結果をサーバ410に無線送信する。
更に、ステップS611では、検索結果としてステップS604においてサーバ410より受信した体温データの値が、37℃以上であるか否かを判定する。ステップS611において、体温データの値が、37℃以上でないと判定された場合には、ステップS615に進み、受信した体温データを、既に表示済みの水分量データとともに表示部112に表示した後、水分量測定及び判断処理を終了する。
一方、ステップS611において、体温データの値が37℃以上であると判定された場合には、ステップS612に進む。ステップS612では、ステップS605において水分量測定された水分量データが所定値以下(例えば、35%以下)であるか否かを判定する。
ステップS612において、水分量データが所定値以下でないと判定された場合には、ステップS615に進み、受信した体温データを、既に表示済みの水分量データとともに表示部112に表示した後、水分量測定及び判断処理を終了する。
一方、ステップS612において、水分量データが所定値以上であると判定された場合には、ステップS613に進む。ステップS613では、当該被検者の水分量データが35%以下であり、かつ、体温データが37℃以上であることから、当該被検者の状態が重症化する可能性があると判断する。
そして、ステップS614では、被検者の状態が重症化する可能性がある旨のメッセージを出力するとともに、ステップS615では、既に表示済みの水分量データとともに、体温データを表示部112に表示する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体内水分計100では、水分量測定を行う前に、サーバにアクセスし、当該被検者の直近の体温データを参照する構成とした。そして、水分量測定の測定結果が所定値以下であり、かつ、当該被検者の直近の体温データが所定値以上であった場合には、ただちに当該被検者の状態が重症化する可能性がある旨のメッセージを出力する構成とした。
このように、水分量データ以外の生体情報として体温データを考慮することで、被検者の状態を、総合的に判断することが可能となった。
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、患者IDを入力する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、患者ごとに異なる体内水分計を使用し、かつ、サーバ410において、患者IDと体内水分計IDとが対応付けて記憶されている場合にあっては、測定者は、患者IDを入力することなく水分量測定を行うことができる。この場合、体内水分計では、測定結果として、水分量データ及び測定日時に加え、体内水分計IDを付加して送信することとなる。
[第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、水分量データと体温データとから、被検者の状態について総合的に判断する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、当該被検者の水分量データが、平常時と比較して変動しているのか否か、更には変動している場合には、当該被検者固有のものなのか、あるいは周辺環境に起因するものなのかについても判断するよう構成してもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
図7A、図7Bは、本実施形態に係る体内水分計100の水分量測定及び判断処理を示すフローチャートである。
電源スイッチ111がオンされると、体内水分計100では、図7A、図7Bに示す水分量測定及び判断処理が開始される。
ステップS701では、看護師等の測定者が体内水分計100に対して、被検者の患者IDを入力する。ステップS702では、ステップS701において入力された患者IDを受け付ける。
ステップS703では、被検者の腋窩に体内水分計100の先端を接触させることで、水分量測定処理を行う。測定者による水分量の測定処理が完了すると、ステップS704では、測定結果を表示部112に表示する。また、ステップS705に進み、ステップS702において認識された患者ID及び測定日時とともに、測定結果をサーバ410に無線送信する。
ステップS706では、サーバ410に対して、ステップS705において送信した患者IDと同一の患者IDの水分量データであって、前日(測定日が1日前)に測定された水分量データの検索を指示する(前日の水分量データ検索コマンドを送信する)。
サーバ410では、体内水分計100から前日の水分量データ検索コマンドを受信すると、データベース420内を検索し、検索結果を体内水分計100に送信する。具体的には、前日の水分量データ検索コマンドに含まれる患者IDと同一の患者IDの水分量データであって、測定日が1日前の水分量データを、データベース420より検索する。なお、検索結果は、体内水分計100に無線送信される。
ステップS707では、サーバ410より送信された検索結果(同一患者の前日の水分量データ)と、今回の測定結果(ステップS703において測定された水分量データ)とを比較する。
ステップS708では、ステップS707における比較の結果、前日の水分量データと今回の水分量データとの間に所定割合(例えば、5%)以上の差があるか否かを判定する。
ステップS708における判定の結果、所定割合以上の差がないと判定した場合には、水分量測定及び判断処理を終了する。一方、ステップS708における判定の結果、所定割合以上の差があると判定した場合には、ステップS711(図7B)に進む。
ステップS711では、今回の被検者と同じグループに属する他の患者の水分量データの検索を指示する(他の患者の水分量データ検索コマンドを送信する)。
ここで、今回の被検者と同じグループに属する他の患者とは、例えば、今回の被検者と同じ病室の他の患者、あるいは、今回の被検者と同じフロアの他の患者等、同じ環境下にいる他の患者のことをいう。なお、同じグループに属する患者には、データベース420内において、同じグループIDが付されているものとする。また、他の患者の水分量データには、他の患者の今日の測定結果と、他の患者の前日の測定結果とが含まれるものとする。
ステップS711において送信された他の患者の水分量データ検索コマンドに基づいて、サーバ410では、ステップS705において送信された患者IDが属するグループと同じグループに属する他の患者の水分量データについて、今日の測定結果と、前日の測定結果とを検索し、検索結果(同じグループに属する他の患者の水分量データ)を体内水分計100に送信する。
ステップS712では、サーバ410より送信された検索結果に基づいて、他の患者の前日の水分量データと今日の水分量データとの差を算出する。
ステップS713では、ステップS712において算出された差が、所定割合(例えば、5%)以上である患者の数をカウントする。更に、ステップS714では、ステップS713においてカウントした患者の数が、同じグループの患者の数の50%以上に該当するか否かを判定する。
ステップS714において、50%以上に該当しないと判定した場合には、ステップS716に進み、被検者の今回の測定結果が、前日の測定結果に対して大きく変動したのは、当該被検者に起因するものであると判断する。
一方、ステップS714において、50%以上に該当すると判定した場合には、ステップS715に進み、被検者の今回の測定結果が、前日の測定結果に対して大きく変動したのは、被検者の属する環境に問題があると判断し、周辺環境の改善を促すメッセージを出力する。
例えば、同じ病室の患者の測定結果が一様に水分量が低下する方向に変動していた場合には、当該病室の温度が高いか、乾燥しすぎている等、周辺環境自体に問題があり、一被検者の問題ではないと判断する。そして、測定者が周辺環境の改善を行うことで、患者の脱水症状等の発現等を未然に防ぐことができる。
ステップS715またはステップS716における処理が完了すると、水分量測定及び判断処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体内水分計100では、水分量測定が完了した場合に、サーバにアクセスし、前日の測定結果との差を算出する構成とした。また、前日の測定結果との差が所定割合以上であった場合には、再度、サーバにアクセスし、当該被検者と同じグループに属する他の患者の前日の測定結果と、今日の測定結果との差を算出する構成とした。
そして、当該被検者の測定結果の変動が、当該被検者に起因するものなのか、当該被検者が属する周辺環境の問題なのかを判断し、周辺環境の問題であると判断した場合には、測定者にその旨のメッセージを出力する構成とした。
この結果、測定者は、被検者の測定結果を総合的に判断することが可能となり、被検者に対して、適切な対応をとることが可能となった。
[第5の実施形態]
上記第1乃至第4の実施形態では、体内水分計100がサーバ410と直接通信する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各病室の各患者ごとに割り当てられた固定端末をサーバと接続しておき、当該固定端末と体内水分計とが通信する構成としてもよい。
図8は、本実施形態に係る体内水分計100を含む管理システム800の全体構成を示す図である。図8において、810は、病院等の医療機関において、看護師等がいるナースステーション等に配置され、入院患者等の生体情報を管理するサーバである。
サーバ810は、上記第1の実施形態において図4を用いて説明したサーバ410と同様の機能を有している。ただし、管理システム800では、各病室の各患者ごとに専用の固定端末を配置する構成となっており、データベース820では、当該固定端末を識別するための端末ID(822)と、当該固定端末に対応する患者を識別するための患者ID(421)とが対応づけられている。
このため、サーバ810では、いずれの固定端末から送信された水分量データあるいは体温データであるかを判断することで、当該水分量データあるいは体温データが、いずれの患者の水分量データあるいは体温データであるかを判断し、データベース820内の対応する領域に記憶する。
831〜834は固定端末であり、各病室の各患者ごとに、例えば、ベットのそばに固定配置されている。固定端末831〜834はそれぞれ、固有の端末IDを有しており、上述したようにデータベース820において管理されている。
各固定端末831〜834はそれぞれ同様の機能を有しており、例えば、水分量測定処理を完了した体内水分計100が固定端末831に近づけられると、固定端末831では体内水分計100との間で通信を行い、測定結果を受信する。受信した測定結果は、端末IDとともにサーバ810に送信される。
また、体温データ検索コマンド等の各種コマンドを送信する体内水分計100が固定端末831に近づけられると、固定端末831では体内水分計100より当該コマンドを受信する。受信したコマンドは、端末IDとともにサーバ810に送信される。また、サーバ810より受信した検索結果は、体内水分計100に送信される。
以上の説明から明らかなように、管理システムとして、各病室の各患者ごとに専用の固定端末を配置し、体内水分計を当該固定端末と通信させる構成とした場合であっても、上記第1乃至第4の実施形態と同様の処理を実現し、同様の効果を享受することができる。
[第6の実施形態]
上記第5の実施形態では、各病室の各患者ごとに専用の固定端末を配置する構成としたが、本発明はこれに限定されず、看護師等が、専用の端末を移動可能に保持する構成としてもよい。
図9は、本実施形態に係る体内水分計100を含む管理システム900の全体構成を示す図である。図9において、910は、病院等の医療機関において、看護師等がいるナースステーション等に配置され、入院患者等の生体情報を管理するサーバである。
サーバ910は、上記第1の実施形態において図4を用いて説明したサーバ410と同様の機能を有している。ただし、管理システム900では、各看護師等が移動端末を持参する構成となっており、各看護師等は、生体情報の測定結果を当該移動端末に入力する前に、被検者の患者IDを入力する。このため、当該移動端末からサーバ910に対して送信される各種生体情報には、当該患者IDが付与される。そして、データベース920では、患者ID(421)と生体情報(424、425)とを対応付けて記憶する。
930は移動端末であり、各看護師等が、各病室をまわる際に持参する。そして、例えば、体内水分計100による水分量測定を行うにあたっては、当該被検者の患者IDを移動端末930に入力する。その後、体内水分計100による水分量測定を行い、測定結果を体内水分計100より受信すると、移動端末930では、当該測定結果に、入力された患者IDを付加してサーバ910に送信する。
また、体内水分計100より体温データ検索コマンド等の各種コマンドを受信すると、当該移動端末930では、患者IDを付加したうえで、サーバ910に送信する。更に、サーバ910より受信した検索結果を、体内水分計100に送信する。
以上の説明から明らかなように、管理システムとして、各看護師等が移動端末を持参し、当該移動端末に体内水分計での測定結果を送信する構成とした場合であっても、上記第1乃至第4の実施形態と同様の処理を実現し、同様の効果を享受することができる。
[第7の実施形態]
上記第6の実施形態では、移動端末930を、体内水分計100とサーバ910とを接続するための中継器として機能させる構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5AのステップS506以降の処理、あるいは、図6BのステップS611以降の処理、図7AのステップS706以降の処理を、移動端末930において実行する構成としてもよい。
[その他の実施形態]
上記第1乃至第3、第5乃至第7の実施形態では、他の生体情報として体温データを取得する場合について説明したが、生体内の水分量の測定結果を総合的に判断する際に用いる他の生体情報は、体温データに限定されない。例えば、体温データに加えて、あるいは、体温データの代わりに、動脈血酸素飽和度(SpO)等を取得するようにしてもよい。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。

Claims (9)

  1. 被検者の生体内の水分量を測定する体内水分計であって、
    前記被検者の生体内の水分量を測定することで水分量データが得られた場合に、被検者の生体情報に関するデータを管理するサーバに対して、前記被検者の水分量以外の生体情報を測定することで得られた他のデータであって、所定の測定条件を満たす他のデータの検索を指示する指示手段と、
    前記指示手段による指示に応じて受信した、前記被検者の他のデータと、前記水分量データとに基づいて判断される、前記被検者の状態を示すメッセージを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする体内水分計。
  2. 前記他のデータは、前記被検者の体温を測定することで得られた体温データであることを特徴とする請求項1に記載の体内水分計。
  3. 前記指示手段は、前記水分量データが、所定値以下であった場合に、前記体温データの検索を指示することを特徴とする請求項2に記載の体内水分計。
  4. 前記指示手段は、前記水分量データが測定された測定日時から遡って、所定時間内に測定された体温データの検索を指示することを特徴とする請求項2または3に記載の体内水分計。
  5. 前記出力手段は、前記水分量データが、所定値以下であって、かつ、前記体温データが、所定値以上であった場合に、前記被検者の状態が重症化する可能性があることを示すメッセージを出力することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の体内水分計。
  6. 前記被検者を識別する識別子を受け付ける受け付け手段と、
    前記受け付け手段が受け付けた識別子を、前記被検者の生体内の水分量を測定することで得られた水分量データと対応付けて送信する送信手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の体内水分計。
  7. 被検者の生体内の水分量を測定する体内水分計と通信する端末であって、
    前記被検者の生体内の水分量を測定することで得られた水分量データを前記体内水分計より受信した場合に、被検者の生体情報を管理するサーバに対して、前記被検者の水分量以外の生体情報を測定することで得られた他のデータであって、所定の測定条件を満たす他のデータの検索を指示する指示手段と、
    前記指示手段による指示に応じて受信した、前記被検者の他のデータと、前記水分量データとに基づいて判断される、被検者の状態を示すメッセージを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする端末。
  8. 被検者の生体内の水分量を測定する体内水分計であって、
    前記被検者の生体内の水分量を測定することで得られた第1の水分量データをサーバに送信する送信手段と、
    前記第1の水分量データが測定された測定日よりも前に測定された水分量データである第2の水分量データを検索するよう、前記サーバに指示する第1の指示手段と、
    前記第1の指示手段による指示に応じて受信した前記第2の水分量データと、前記第1の水分量データとの差が所定値以上であった場合に、前記被検者と同じグループに属する他の被検者の水分量データであって、前記第1の水分量データが測定された測定日と同じ測定日の第3の水分量データと、前記第3の水分量データが測定された測定日よりも前に測定された水分量データである第4の水分量データとを検索するよう、前記サーバに指示する第2の指示手段と、
    前記第2の指示手段による指示に応じて受信した前記第3の水分量データと第4の水分量データとの差が所定値以上である他の被検者の割合が、所定割合以上であった場合に、前記被検者の前記第2の水分量データに対する前記第1の水分量データの変動が、前記被検者の周辺環境に起因するものであることを示すメッセージを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする体内水分計。
  9. 被検者の生体内の水分量を測定する体内水分計と通信する端末であって、
    前記被検者の生体内の水分量を測定することで得られた第1の水分量データを受信した場合に、該第1の水分量データをサーバに送信する送信手段と、
    前記第1の水分量データが測定された測定日よりも前に測定された水分量データである第2の水分量データを検索するよう、前記サーバに指示する第1の指示手段と、
    前記第1の指示手段による指示に応じて受信した前記第2の水分量データと、前記第1の水分量データとの差が所定値以上であった場合に、前記被検者と同じグループに属する他の被検者の水分量データであって、前記第1の水分量データが測定された測定日と同じ測定日の第3の水分量データと、前記第3の水分量データが測定された測定日よりも前に測定された水分量データである第4の水分量データとを検索するよう、前記サーバに指示する第2の指示手段と、
    前記第2の指示手段による指示に応じて受信した前記第3の水分量データと第4の水分量データとの差が所定値以上である他の被検者の割合が、所定割合以上であった場合に、前記被検者の前記第2の水分量データに対する前記第1の水分量データの変動が、前記被検者の周辺環境に起因するものであることを示すメッセージを出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする端末。
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