JP5946010B2 - 量子ドット太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、量子ドット太陽電池およびその製造方法に関する。
太陽電池は、光起電力効果を利用して光エネルギーを直接電気エネルギーに変換するデバイスであり、光電池と呼ばれることもある。この太陽電池は、一次電池や二次電池のように電気エネルギーを蓄えるものではなく、吸収した光エネルギーを即時に電気エネルギーに変換して出力するものである。このような太陽電池としては、シリコン太陽電池が主流であるが、種々の化合物半導体からなる太陽電池も実用化されている。また、有機色素を用いた色素増感型太陽電池などについても研究されている。しかしながら、これらの太陽電池の光電変換効率は高いものではなく、実用化の上で、この光電変換効率の向上が大きな課題となっている。
近年、光電変換効率が高い太陽電池として量子ドット太陽電池が注目されている。この量子ドット太陽電池は、量子効果を利用した太陽電池であり、通常、p−i−n構造を有し、このp−i−n構造中のi層に数nm〜数十nmの量子ドットが配置したものである。例えば、Physica E、2010年、第42巻、2757頁〜2760頁(非特許文献1)には、GaNAs層を形成し、その上に直径が約25nm、高さが約5nm、直径の揺らぎが約11%のInAs量子ドットを堆積させ、これらを20〜50回繰り返して、GaNAs層中にInAs量子ドットが規則的に配置された量子ドット太陽電池が記載されている。このような量子ドット太陽電池においては、赤外線を含む広範囲の波長領域の光を吸収することが可能となり、16.1%の光電変換効率を達成している。
しかしながら、非特許文献1に記載の量子ドット太陽電池は、GaNAs層とInAs量子ドットとを交互に積層して作製するため、その製造プロセスが煩雑であり、また、InAs量子ドットの大きさが不均一になりやすく、光電変換効率は十分に高いものではなかった。
R.Oshimaら、Physica E、2010年、第42巻、2757頁〜2760頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ナノ粒子が規則的に配置しているi層を備えるp−i−n構造を有し、光電変換効率に優れた量子ドット太陽電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ブロックコポリマーを構成する第一ポリマーブロック成分と光照射により電荷を生成する粒子状無機成分および真性半導体材料からなるマトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体と、第二ポリマーブロック成分と前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体とをそれぞれ組み合わせて用いることにより、ブロックコポリマーの自己組織化を利用してナノ相分離構造体を形成せしめ且つ前記前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめると共にブロックコポリマーを除去することによって、前記粒子状無機成分が前記マトリックス無機成分中に三次元的にナノスケールの周期性をもって配置したナノヘテロ構造体が得られ、このナノヘテロ構造体からなるi層を備えるp−i−n構造の太陽電池が光電変換効率に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の量子ドット太陽電池の製造方法は、
互いに混和しない少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなるブロックコポリマーと、光照射により電荷を生成する粒子状無機成分および真性半導体材料からなるマトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体である第一無機前駆体と、前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体である第二無機前駆体と、を溶媒に溶解して原料溶液を調製する第一の工程と、
少なくとも、前記第一無機前駆体が導入された前記第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と、前記第二無機前駆体が導入された前記第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相と、が自己組織化により規則的に配置しており、前記第一ポリマー相および前記第二ポリマー相のうちの前記粒子状無機成分の前駆体が導入されたポリマー相の形状が球状であるナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理と、前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とを含み、前記粒子状無機成分と前記マトリックス無機成分とからなるナノヘテロ構造体を、p型半導体層およびn型半導体層のうちの一方の半導体層上に形成せしめる第二の工程と、
前記ナノヘテロ構造体上に、p型半導体層およびn型半導体層のうちの他方の半導体層を形成せしめ、p−i−n構造を有する量子ドット太陽電池を得る第三の工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
本発明にかかる前記第二の工程における変換処理としては、還元ガス雰囲気中で前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体を熱処理することによって、それぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめる処理であることが好ましい。
本発明に用いる前記粒子状無機成分の前駆体としては、Si、InおよびAsからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有するものが好ましく、前記マトリックス無機成分の前駆体としては、Ga元素およびAs元素を含有するものが好ましい。
本発明に用いる前記第一無機前駆体と前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差は2(cal/cm1/2以下であることが好ましく、前記第二無機前駆体と前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差は2(cal/cm1/2以下であることが好ましい。
さらに、本発明に用いる前記第一ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第一ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことが好ましい。また、前記第二ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第二ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことが好ましい。
さらに、本発明に用いる前記ブロックコポリマーが、ポリスチレン成分、ポリイソプレン成分およびポリブタジエン成分からなる群から選択される少なくとも1種の第一ポリマーブロック成分と、ポリメチルメタクリレート成分、ポリエチレンオキシド成分、ポリビニルピリジン成分およびポリアクリル酸成分からなる群から選択される少なくとも1種の第二ポリマーブロック成分とが結合してなるものである場合、
前記第一無機前駆体としては、フェニル基、炭素数5以上の長鎖炭化水素鎖、シクロオクタテトラエン環、シクロペンタジエニル環、およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの構造を備える、有機金属化合物および有機半金属化合物のうちの少なくとも1種が好ましく、
前記第二無機前駆体としては、金属または半金属の塩、金属または半金属を含む炭素数1〜4のアルコキシド、および金属または半金属のアセチルアセトナート錯体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
なお、前記本発明の方法によって光照射により電荷を生成する粒子状無機成分が真性半導体材料からなるマトリックス無機成分中に三次元的且つ周期的に配置しているナノヘテロ構造体を備える前記本発明の太陽電池が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、互いに混和しないAおよびBの2種類のポリマーブロック成分が結合してなるブロックコポリマーは、ガラス転移点以上の温度で熱処理することでA相とB相とが空間的に分離したナノ相分離構造を構成する(自己組織化)。その際、ポリマーブロック成分の分子量比によって一般的に相分離構造は変化する。具体的には、A:Bの分子量比が1:1の場合には一般的に層状の層状構造をとり、分子量比が1:1からずれるにしたがい、二つの連続相が絡み合ったようなジャイロイド状構造から柱状構造、さらに球状構造へと変化してゆく。なお、図1は、ブロックコポリマーから生成されるナノ相分離構造を示す模式図であり、左から、層状構造(a)、ジャイロイド状構造(b)、柱状構造(c)、球状構造(d)をそれぞれ示しており、右側の構造ほど一般的にAの割合が高い。
本発明の量子ドット太陽電池の製造方法においては、先ず、上記のブロックコポリマーの自己組織化を利用して、複数の無機前駆体を三次元的にナノスケールの周期性をもって配置させる。すなわち、互いに混和しない複数のポリマーブロック成分からなるブロックコポリマーは、前述のように自己組織化によりナノスケールで相分離する。その際、第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分の分子量を1:1からずれるように設計することによりナノ相分離構造は図1(d)に示すような球状構造となる。そして、本発明においては、ブロックコポリマーを構成する第一ポリマーブロック成分と光照射により電荷を生成する粒子状無機成分および真性半導体材料からなるマトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体である第一無機前駆体と、第二ポリマーブロック成分と前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体である第二無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用い、さらには、前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第二無機前駆体とを組み合わせて用いることが好ましい。これにより、第一無機前駆体および第二無機前駆体はそれぞれ第一ポリマーブロック成分中および第二ポリマーブロック成分中に十分に導入された状態でブロックコポリマーの自己組織化と共にナノ相分離構造を構成する。上述したように、このナノ相分離構造は球状構造となっているので、前記無機前駆体は、球状のナノ相分離構造として三次元的にナノスケールの周期性をもって配置される。
さらに、本発明においては、前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめると共にブロックコポリマーを除去することによって、球状のナノ相分離構造に対応して粒子状無機成分がマトリックス無機成分中に三次元的に特定のナノスケールの周期性をもって配置されたナノヘテロ構造体が得られる。なお、本発明においては、前記第一無機前駆体および前記第二無機前駆体と第一ポリマーブロック成分および第二ポリマーブロック成分とをそれぞれ組み合わせて用いており、さらには、これらの溶解度パラメータの差がそれぞれ2(cal/cm1/2以下であることが好ましい。これにより、各ポリマーブロック成分に対する各無機前駆体の導入量が十分に多くなり、そのため前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめると共にブロックコポリマーを除去してもナノスケールの三次元的周期構造が十分に維持されると本発明者らは推察する。
なお、本発明における「溶解度パラメータ」とは、ヒルデブラントによって導入された正則溶液論により定義されたいわゆる「SP値」であり、以下の式:
溶解度パラメータδ[(cal/cm1/2]=(ΔE/V)1/2
(式中、ΔEはモル蒸発エネルギー[cal]、Vはモル体積[cm]を示す。)
に基づいて求められる値である。
また、本発明における「平均粒子間距離」および「粒子間距離の分散度」は、マトリックス無機成分中に配置されている粒子状無機成分の隣接するもの同士の中心間の距離の平均値および分散度であり、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。すなわち、TEM観察において、マトリックス無機成分中の粒子状無機成分100個を無作為に抽出し、これらの粒子間距離を測定し、その平均値および分散度を算出し、それぞれ「平均粒子間距離」および「粒子間距離の分散度」とする。また、このとき、抽出した粒子状無機成分の粒子径も測定し、その平均値および分散度を求め、それぞれ「平均粒子径」および「粒子径の分散度」とする。なお、「分散度」は次式:
分散度=((測定値−平均値)の2乗)の総和/個数
により求められる値である。
さらに、前記TEM観察においては、本発明に係る球状構造や周期性を判別・評価することも可能である。また、様々な方向からの観察や三次元トモグラフィーを用いることによって、三次元性をより詳しく判別することもできる。さらに、本発明に係る球状構造は、以下のように小角X線回折により測定される特徴的な回折パターンにより規定することも可能である。すなわち、小角X線回折により、球状、柱状、ジャイロイド状、層状などの形状の構造体がマトリックス中に周期的に配置した擬似結晶格子の特徴的な格子面からのBragg反射が観察される。その際、周期構造が形成されていると回折ピークが観察され、それら回折スペクトルの大きさ(q=2π/d)の比から、球状、柱状、ジャイロイド状、層状などの構造を特定することができる。以下の表1に、各構造とピーク位置の回折スペクトルの大きさ(q)の比の関係を示す。なお、表1に示すようなピークが全て確認される必要はなく、観察されたピークから構造が特定できればよい。
本発明によれば、光照射により電荷を生成する粒子状無機成分が真性半導体材料からなるマトリックス無機成分中に三次元的にナノスケールの周期性をもって配置したナノヘテロ構造体をp−i−n構造のi層として備えており、光電変換効率に優れた量子ドット太陽電池を得ることが可能となる。
A−B型ブロックコポリマーから生成されるナノ相分離構造を示す模式図である。 本発明の量子ドット太陽電極の好適な一実施態様を示す模式図である。 実施例1で得られたナノヘテロ構造体の透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の量子ドット太陽電池について説明する。本発明の量子ドット太陽電池は、平均粒子径が2〜50nmおよび粒子径の分散度が1.2以下であり、光照射により電荷を生成する粒子状無機成分が、真性半導体材料からなるマトリックス無機成分中に、平均粒子間距離が2〜50nmおよび粒子間距離の分散度が1.2以下の状態で、三次元的且つ周期的に配置しているナノヘテロ構造体からなるi層と、p型半導体層と、n型半導体層とを備えるp−i−n構造を有しているものである。
このような本発明の量子ドット太陽電池は、従来の製造方法では実現することができなかった構造を有するi層を備えるものであり、粒子状無機成分とマトリックス無機成分との組み合わせについて、それらの配置、組成、構造スケールなどを様々に制御したナノヘテロ構造体を有するものとして得ることが可能である。そのため、本発明の量子ドット太陽電池によれば、従来の量子ドット太陽電池以上の界面増大効果、量子ドットの規則性、ナノサイズ効果、耐久性などの飛躍的な向上が発揮され、結果として優れた光電変換効率が発揮されるようになる。
本発明にかかるナノヘテロ構造体を構成する粒子状無機成分としては、光照射により電荷を生成するものであれば特に制限はないが、例えば、SiおよびInAsのうちの少なくとも1種を含有するものが好ましい。また、本発明にかかるナノヘテロ構造体を構成するマトリックス無機成分は真性半導体材料からなるものであり、真性半導体材料としてはGaAsが好ましい。
本発明の量子ドット太陽電池において、前記粒子状無機成分の平均粒子径は2〜50nmである。粒子状無機成分の平均粒子径が前記下限未満になると、界面エネルギーが増大し、粒子の結晶性が低くなるため、太陽電池としての特性が低下し、他方、前記上限を超えると、ミニバンドを形成する部分が減少し、電荷移動度が低下する。また、このような観点から、粒子状無機成分の平均粒子径としては、2〜40nmが好ましく、2〜30nmがより好ましい。
また、前記粒子状無機成分の粒子径の分散度は1.2以下である。粒子状無機成分の粒子径の分散度が前記上限を超えると、粒子間隔が広い部分が増大するため、電荷移動度が低下する。また、このような観点から、粒子状無機成分の粒子径の分散度としては、1.1以下が好ましい。
本発明にかかるp−i−n構造を有するナノヘテロ構造体を構成するi層において、前記粒子状無機成分は、前記マトリックス無機成分中に平均粒子間距離が2〜50nmおよび粒子間距離の分散度が1.2以下の状態で、三次元的且つ周期的に配置している。粒子状無機成分がこのように配置していることによって太陽電池の光電変換効率が向上する。
特に、粒子状無機成分の平均粒子間距離が前記範囲になると、波動関数の染み出しによってマトリックス無機成分を構成する真性半導体材料の禁制帯にミニバンドが形成され、従来のp−i−n構造を有する太陽電池に比べて、広範囲の波長領域(特に、長波長領域)の光を吸収して電荷を生成させることができ、さらに、生成した電荷を前記ミニバンドを介して効率よく輸送することができるため、電荷移動度が増大し、光電変換効率が向上する。このような現象は、粒子状無機成分の間隔が狭いほど起こりやすいため、粒子状無機成分の平均粒子間距離としては2〜30nmが好ましく、2〜20nmがより好ましい。
また、粒子状無機成分の粒子間距離の分散度が前記範囲になると、粒子状無機成分の配置の規則性が高まり、i層全体にわたって均一にミニバンドが形成される。その結果、電荷の生成や輸送もi層内で均一に起こり、光電変換効率がさらに向上する。このような観点から、粒子間距離の分散度としては1.1以下が好ましい。
本発明の量子ドット太陽電池を構成するp型半導体層およびn型半導体層は、それぞれ公知のp−i−n構造を有する太陽電池のp型半導体層およびn型半導体層を採用することができる。このような半導体層は、公知の半導体材料に公知の不純物元素をドープしたものである。前記半導体材料としては、IV族半導体(Si、Gなど)、III−V族半導体(GaAs、InP、GaNなど)、IV族化合物半導体(SiC、SiGeなど)、I−III−VI族半導体(CuInSeなどのカルコパイライト系半導体)などが挙げられる。前記p型半導体材料は、このような半導体材料にその価数より少ない価数を有する不純物元素をドープしたものであり、例えば、シリコン(Si)などの4価の元素からなる結晶にホウ素(B)などの3価の元素をドープしたものが挙げられる。また、前記n型半導体材料は、前記半導体材料にその価数より多い価数を有する不純物元素をドープしたものであり、例えば、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)などの4価の元素の結晶にヒ素(As)などの5価の元素をドープしたものが挙げられる。
本発明の量子ドット太陽電池は、上述したナノヘテロ構造体からなるi層とp型半導体層とn型半導体層を備えるものであり、p型半導体層とn型半導体層とによってナノヘテロ構造体(i層)が挟持されたp−i−n構造を有するものである。また、本発明の量子ドット太陽電池においては、p型半導体層およびn型半導体層のそれぞれのi層側と反対側の面に電極が配置されていてもよく、一方の電極は透明電極であることが好ましい。前記透明電極としては、ITO透明電極などの公知の透明電極が挙げられ、他方の電極としてはAu電極などの公知の金属電極が挙げられる。
図2は、このような本発明の量子ドット太陽電極の一例を示す模式図である。透明電極5側から太陽光を照射すると、粒子状無機成分31において太陽光が吸収され、粒子状無機成分31内に電荷(電子および正孔)が生成する。生成した電子および正孔は、マトリックス無機成分32に形成されたミニバンドを介してそれぞれn型半導体層(4または2)およびp型半導体層(2または4)に輸送され、その後、電極1および透明電極5から太陽電池の外部に取り出される。
次に、このような本発明の量子ドット太陽電池の製造方法について説明する。本発明の量子ドット太陽電池の製造方法は、
互いに混和しない少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなるブロックコポリマーと、光照射により電荷を生成する粒子状無機成分および真性半導体材料からなるマトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体である第一無機前駆体と、前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体である第二無機前駆体と、を溶媒に溶解して原料溶液を調製する第一の工程と、
少なくとも、前記第一無機前駆体が導入された前記第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と、前記第二無機前駆体が導入された前記第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相と、が自己組織化により規則的に配置しており、前記第一ポリマー相および前記第二ポリマー相のうちの前記粒子状無機成分の前駆体が導入されたポリマー相の形状が球状であるナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理と、前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とを含み、前記粒子状無機成分と前記マトリックス無機成分とからなるナノヘテロ構造体を、p型半導体層およびn型半導体層のうちの一方の半導体層上に形成せしめる第二の工程と、
前記ナノヘテロ構造体上に、p型半導体層およびn型半導体層のうちの他方の半導体層を形成せしめ、p−i−n構造を有する量子ドット太陽電池を得る第三の工程と、
を含む方法である。以下に、それぞれの工程を説明する。
[第一の工程:原料溶液調製工程]
係る工程は、以下に説明するブロックコポリマーと以下に説明する無機前駆体とを溶媒に溶解して原料溶液を調製する工程である。
本発明で用いられるブロックコポリマーは、少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなるものである。このようなブロックコポリマーの具体例として、繰り返し単位aを有するポリマーブロック成分A(第一ポリマーブロック成分)と、繰り返し単位bを有するポリマーブロック成分B(第二ポリマーブロック成分)と、が末端同士で結合した、−(aa…aa)−(bb…bb)−という構造をもつA−B型、A−B−A型のブロックコポリマーがある。また、1種類以上のポリマーブロック成分が中心から放射状に伸びたスター型や、ブロックコポリマーの主鎖に他のポリマー成分がぶらさがった形でもよい。
本発明で用いられるブロックコポリマーを構成するポリマーブロック成分は、互いに混和しないものであれば、その種類に特に限定はない。したがって、本発明で用いられるブロックコポリマーは、極性がそれぞれ異なるポリマーブロック成分からなるものが好ましい。係るブロックコポリマーの具体例としては、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−b−PMMA)、ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(PS−b−PEO)、ポリスチレン−ポリビニルピリジン(PS−b−PVP)、ポリスチレン−ポリフェロセニルジメチルシラン(PS−b−PFS)、ポリイソプレン−ポリエチレンオキシド(PI−b−PEO)、ポリブタジエン−ポリエチレンオキシド(PB−b−PEO)、ポリエチルエチレン−ポリエチレンオキシド(PEE−b−PEO)、ポリブタジエン−ポリビニルピリジン(PB−b−PVP)、ポリイソプレン−ポリメチルメタクリレート(PI−b−PMMA)、ポリスチレン−ポリアクリル酸(PS−b−PAA)、ポリブタジエン−ポリメチルメタクリレート(PB−b−PMMA)などが挙げられる。中でも、ポリマーブロック成分の極性の差が大きいほど導入する前駆体も極性の差が大きいものを用いることができるため、それぞれのポリマーブロック成分に前駆体を導入し易くなるという観点から、PS−b−PVP、PS−b−PEO、PS−b−PAAなどが好ましい。
このようなブロックコポリマーを構成する各ポリマーブロック成分の分子量は、製造するナノヘテロ構造体を構成する粒子状無機成分の所望の平均粒子径や平均粒子間距離に応じて適宜選択すればよい。例えば、ブロックコポリマーを構成する各ポリマーブロック成分のうち、ナノ相分離構造体の球状のポリマー相を構成するポリマーブロック成分の分子量を調整することによって粒子状無機成分の平均粒子径を所望の値に制御することができ、球状のポリマー相を構成するポリマーブロック成分の分子量を絶対的に小さくすると、粒子状無機成分の平均粒子径を小さくすることができる。また、前記球状のポリマー相を構成するポリマーブロック成分とマトリックスポリマー相を構成するポリマーブロック成分との分子量の比を調整することによって粒子状無機成分の平均粒子間距離を所望の値に制御することができ、前記マトリックスポリマー相を構成するポリマーブロック成分の分子量を相対的に小さくすると、粒子状無機成分の平均粒子間距離を短くすることができる。さらに、各ポリマーブロック成分の分子量分布を小さくすると、粒子状無機成分の粒子径の分散度や粒子間距離の分散度を小さくすることができる。なお、各ポリマーブロック成分の数平均分子量としては100〜1000万(より好ましくは1000〜100万)が好ましい。また、後述する熱処理(焼成)または光照射により容易に分解されるブロックコポリマーや、溶媒により容易に除去されるブロックコポリマーを用いることが好ましい。
本発明で用いられる粒子状無機成分の前駆体およびマトリックス無機成分の前駆体は、それぞれ前述した粒子状無機成分およびマトリックス無機成分を後述する変換処理によって形成できる無機前駆体であれば特に制限はない。具体的には、前記粒子状無機成分およびマトリックス無機成分を構成する金属または半金属の塩(例えば、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、有機酸塩(アクリル酸塩など))、前記金属または前記半金属を含む炭素数1〜4のアルコキシド(例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド)、前記金属または前記半金属の錯体(例えば、アセチルアセトナート錯体)、前記金属または前記半金属を含む有機金属化合物または有機半金属化合物(例えば、フェニル基、炭素数5以上の長鎖炭化水素鎖、シクロオクタテトラエン環、シクロペンタジエニル環、およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の構造を備えるもの)が好ましい。このような粒子状無機成分およびマトリックス無機成分の前駆体は、目的とするナノヘテロ構造体を構成する粒子状無機成分とマトリックス無機成分との組み合わせに応じて、且つ、それらが前述の諸条件を満たすように1種または2種以上を適宜選択して使用される。
また、本発明で用いられる粒子状無機成分の前駆体においては、Si、InおよびAsからなる群から選択される少なくとも1種の元素が含まれていることが好ましく、一方、マトリックス無機成分の前駆体においては、Ga元素およびAs元素が含まれていることが好ましい。
本発明で用いられる溶媒としては、用いるブロックコポリマーと第一および第二無機前駆体とを溶解できるものであればよく、特に限定されないが、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、クロロホルム、ベンゼンなどが挙げられる。このような溶媒は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本明細書において、「溶解」とは、物質(溶質)が溶媒に溶けて均一混合物(溶液)となる現象であって、溶解後、溶質の少なくとも一部がイオンとなる場合、溶質がイオンに解離せず分子状で存在している場合、分子やイオンが会合して存在している場合、などが含まれる。
本発明においては、前記第一ポリマーブロック成分と前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分と前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体である第二無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用い、さらには、前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第二無機前駆体とを組み合わせて用いることが好ましい。このような条件を満たす第一無機前駆体と第二無機前駆体とを組み合わせて用いることにより、後述するナノ相分離構造体を形成する工程において、第一ポリマーブロック成分中に第一無機前駆体が、第二ポリマーブロック成分中に第二無機前駆体がそれぞれ十分に導入された状態でブロックコポリマーの自己組織化と共にナノ相分離構造が構成され、前記無機前駆体は三次元的にナノスケールの周期性をもって配置される。
本発明に用いる前記第一ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第一ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことが好ましい。また、前記第二ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第二ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことが好ましい。さらに、これらの両方の条件を満たすことがより好ましい。
さらに、本発明において用いる前記第一無機前駆体は前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2超であることが好ましい。また、前記第二無機前駆体は前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2超であることが好ましい。さらに、これらの両方の条件を満たすことがより好ましい。
このような条件を満たす第一無機前駆体と第二無機前駆体とを組み合わせて用いることにより、後述するナノ相分離構造体を形成する工程において、第一ポリマーブロック成分中に不純物として第二無機前駆体の一部が、また、第二ポリマーブロック成分中に不純物として第一無機前駆体の一部が導入されてしまうことがより確実に防止される傾向にあり、得られるナノヘテロ構造体におけるマトリックスを構成する無機成分の純度および/またはマトリックス中に配置される粒子状無機成分の純度がより向上する傾向にある。
このような条件を満たす第一および第二ポリマーブロック成分と第一および第二無機前駆体との組み合わせとしては、第一ポリマーブロック成分がポリスチレン成分、ポリイソプレン成分およびポリブタジエン成分からなる群から選択される少なくとも1種の極性の小さいポリマーブロック成分であり、第二ポリマーブロック成分がポリメチルメタクリレート成分、ポリエチレンオキシド成分、ポリビニルピリジン成分およびポリアクリル酸成分からなる群から選択される少なくとも1種の極性の大きいポリマーブロック成分であり、第一無機前駆体が前記有機金属化合物および前記有機半金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種の極性の小さい無機前駆体であり、第二無機前駆体が前記金属または前記半金属の塩、前記金属または前記半金属を含む炭素数1〜4のアルコキシド、ならびに前記金属または前記半金属のアセチルアセトナート錯体からなる群から選択される少なくとも1種の極性の大きい無機前駆体である組み合わせが好ましい。
また、前記第一無機前駆体および前記第二無機前駆体のうちの少なくとも一方(より好ましくは両方)は、用いる溶媒との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下であることが好ましい。このような条件を満たす第一無機前駆体および/または第二無機前駆体を用いることにより、溶媒に無機前駆体がより確実に溶解し、後述するナノ相分離構造体を形成する工程においてポリマーブロック成分中に無機前駆体がより確実に導入される傾向にある。
さらに、得られる原料溶液における溶質(ブロックコポリマー、第一無機前駆体および第二無機前駆体)の割合は特に限定されないが、原料溶液の全量を100質量%としたときに、溶質の合計量を0.1〜30質量%程度とすることが好ましく、0.5〜10質量%とすることがより好ましい。また、ブロックコポリマーに対する第一および第二無機前駆体の使用量を調整することにより、各ポリマーブロック成分に導入される各無機前駆体の量が調整されるため、得られるナノヘテロ構造体における粒子状無機成分の平均粒子径や平均粒子間距離を所望の値に制御することができる。例えば、球状のポリマー相を構成するポリマーブロック成分に導入される無機前駆体の量を絶対的に少なくすると、粒子状無機成分の平均粒子径を小さくすることができる。また、マトリックスポリマー相を構成するポリマーブロック成分に導入される無機前駆体の量を球状のポリマー相を構成するポリマーブロック成分に導入される無機前駆体の量に比べて少なくすると、粒子状無機成分の平均粒子間距離を短くすることができる。
[第二の工程:ナノヘテロ構造体形成工程]
この工程は、以下に詳述する相分離処理と変換処理と除去処理とを含み、粒子状無機成分とマトリックス無機成分とからなるナノヘテロ構造体を、p型半導体層およびn型半導体層のうちの一方の半導体層上に形成せしめる工程である。
先ず、前記第一の工程において調製された原料溶液は、ブロックコポリマー、粒子状無機成分の前駆体およびマトリックス無機成分の前駆体を含むものであるが、本発明においては、前記第一ポリマーブロック成分と粒子状無機成分およびマトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分と前記無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体である第二無機前駆体とをそれぞれ組み合わせて用い、さらには、前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第一無機前駆体と、前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下である第二無機前駆体とを組み合わせて用いることが好ましい。これにより、第一無機前駆体および第二無機前駆体はそれぞれ第一ポリマーブロック成分中および第二ポリマーブロック成分中に十分に導入された状態で存在する。そのため、ブロックコポリマーの自己組織化によりナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理により、第一無機前駆体が導入された第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と第二無機前駆体が導入された第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相とが規則的に配置し、前記第一無機前駆体および前記第二無機前駆体のいずれか一方は球状で三次元的にナノスケールの周期性をもって配置される。
このような相分離処理としては、特に限定されないが、用いるブロックコポリマーのガラス転移点以上の温度で熱処理することにより、ブロックコポリマーは自己組織化され、相分離構造が得られる。
次に、本発明においては、相分離処理により形成されたナノ相分離構造体に対して、前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とが施される。係る変換処理により前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめると共に、係る除去処理によりブロックコポリマーを除去することによって、球状のナノ相分離構造に対応して粒子状無機成分がマトリックス無機成分中に三次元的に特定のナノスケールの周期性をもって配置されたナノヘテロ構造体が得られる。
このような変換処理としては、前記無機前駆体が前記無機成分に変換される温度以上で加熱して無機成分に変換する工程であってもよいし、前記無機前駆体を加水分解するとともに脱水縮合させて無機成分に変換する工程であってもよい。
また、除去処理としては、ブロックコポリマーが分解する温度以上で熱処理(焼成)することによってブロックコポリマーを分解する工程であってもよいが、溶媒によりブロックコポリマーを溶解して除去する工程や、紫外線などの光照射によりブロックコポリマーを分解する工程であってもよい。
さらに、本発明における前記第二の工程においては、前記第一の工程において調製された原料溶液に対してブロックコポリマーが分解する温度以上で熱処理(焼成)を施すことによって、前記相分離処理、前記変換処理および前記除去処理を一度の熱処理で行うことができる。このように一度の熱処理により前記相分離処理、前記変換処理および前記除去処理を完結させるためには、用いるブロックコポリマーや無機前駆体の種類によっても異なるが、300〜1200℃(より好ましくは400〜900℃)で0.1〜50時間程度の熱処理を施すことが好ましい。
また、このような熱処理は、還元ガス雰囲気(例えば、水素など)中で行なうことが好ましい。このように還元ガス雰囲気中で前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体を熱処理することによって、前記金属または前記半金属からなる粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換することができる。なお、このような還元ガス雰囲気中での熱処理の条件は特に制限されないが、300〜1200℃(より好ましくは400〜900℃)で0.1〜50時間程度の処理が好ましい。
また、前記熱処理の後あるいは前記熱処理の際に、それぞれ公知の方法により、アルゴン雰囲気などを用いて無機成分を炭化せしめる処理、アンモニア雰囲気などを用いて無機成分を窒化せしめる処理、炭化ホウ素含有雰囲気などを用いて無機成分を硼化せしめる処理などを更に施すようにしてもよい。
本発明の量子ドット太陽電池の製造方法においては、前記第一の工程の後、先ず、前述したp型半導体層およびn型半導体層のうちの一方の半導体層の表面に前記原料溶液を塗布し、その後、前記相分離処理、前記変換処理および前記除去処理を施すことによって、前記半導体層上に本発明にかかるヘテロナノ構造体を形成することができる。原料溶液の塗布方法としては、ハケ塗り、スプレー法、ディッピング法、スピン法、カーテンフロー法などが用いられる。
本発明の量子ドット太陽電池の製造方法において、前記半導体層は基板上に形成されているものであることが好ましい。前記基板としては、公知のp−i−n構造を有する太陽電池に用いられる基板を使用することができ、例えば、AU電極基板などの金属電極基板、ITO電極基板などの透明電極基板といった各種電極基板を使用することができる。前記半導体層の形成方法としては特に制限はなく、例えば、化学気相蒸着法(CVD法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシャル法(MBE法)など公知の製膜方法が挙げられる。また、本発明においては、前記半導体層として、公知のp−i−n構造を有する太陽電池に用いられる半導体層(基板上に形成されたものを含む)を使用することも可能である。
[第三の工程:半導体層形成工程]
この工程は、ナノヘテロ構造体上に、p型半導体層およびn型半導体層のうちの他方の半導体層を形成せしめる工程である。
前記第二の工程で形成せしめたナノヘテロ構造体上にp型半導体層およびn型半導体層のうちの他方の半導体層を形成せしめることによって、本発明にかかる前記ナノヘテロ構造体がp型半導体層とn型半導体層とによって挟持されたp−i−n構造を有する本発明の量子ドット太陽電池を得ることができる。前記半導体層の形成方法としては特に制限はなく、例えば、化学気相蒸着法(CVD法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシャル法(MBE法)など公知の製膜方法が挙げられる。
また、本発明の量子ドット太陽電池の製造方法においては、前記第三の工程で作製した半導体層上に公知の方法により電極を形成することが好ましい。このような電極としては、Au電極などの金属電極、ITO電極などの透明電極が挙げられるが、前記電極基板が金属基板などの不透明な電極基板である場合には、透明電極を形成する必要がある。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ブロックコポリマーとしてポリスチレン−b−ポリエチレンオキシド(PS−b−PEO、PS成分の数平均分子量:10×10、PEO成分の数平均分子量:40×10)0.1gと、粒子状無機成分の前駆体であるInAs前駆体(In前駆体およびAs前駆体)としてジメチルフェニルインジウム(InPh(CH)0.042gおよびトリフェニル砒素(AsPh)0.058gと、マトリックス無機成分の前駆体であるGaAs前駆体(Ga前駆体およびAs前駆体)としてガリウムエトキシド(Ga(EO))0.156gおよび砒素エトキシド(As(EO))0.160gとを10mLのトルエンに溶解し、原料溶液を得た。
次に、Au電極基板上にn型半導体層として形成されたn型結晶Si層(ホウ素をドープしたSi層、厚み:1μm)の表面に、前記原料溶液を熱処理後の厚みが1.6μmとなるように塗布し、4%水素含有アルゴン気流下、650℃で5時間熱処理することによって、前記n型結晶Si層上に無機構造体を作製した。なお、前記n型半導体層と無機構造体との接触面積は9mmであった。
得られた無機構造体を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したところ、図3に示すように、マトリックス無機成分であるGaAs中に粒子状無機成分である球状のInAsが三次元的且つ周期的に配置しているナノヘテロ構造体であることが確認された。また、無作為に抽出した100個の球状InAsについて粒子径および粒子の中心間距離を測定したところ、平均粒子径は10.2nm、粒子径の分散度は1.08であり、平均粒子間距離(粒子の中心間距離の平均値)は16.2nm、粒子間距離の分散度は1.06であった。
また、得られた無機構造体について小角X線回折測定装置(リガク社製、商品名:NANO−Viewer)を用いて小角X線回折パターンを測定したところ、球状構造に特徴的な回折ピークパターン(ピーク位置の回折スペクトルの大きさ(q)の比)が確認された。
次に、このナノヘテロ構造体の表面にMBE法によりp型半導体層としてp型アモルファスSi層(ヒ素をドープしたSi層)を厚みが1μmとなるように作製し、さらに、ITO透明電極を積層して図2に示す量子ドット太陽電池を作製した。得られた量子ドット太陽電池に入射光強度1W/cmの疑似太陽光を照射し、電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を求めたところ、24%であった。
以上説明したように、本発明によれば、特定の粒子径を有し、光照射により電荷を生成する粒子状無機成分が、真性半導体材料からなるマトリックス無機成分中に、特定の粒子間距離で三次元的且つ周期的に配置しているナノヘテロ構造体からなるi層と、p型半導体層と、n型半導体層とを備える量子ドット太陽電池を得ることが可能となる。
そして、このような本発明の量子ドット太陽電池は、従来の製造方法では実現することができなかった構造を有するものであり、粒子状無機成分とマトリックス無機成分との組み合わせについて、それらの配置、組成、構造スケールなどを様々に制御したナノヘテロ構造体を備える量子ドット太陽電池として得ることが可能である。
このようなナノヘテロ構造体を備える量子ドット太陽電池は、従来の量子ドット太陽電池以上の界面増大効果、ナノサイズ効果、耐久性などの飛躍的な向上が発揮され、結果として優れた光電変換効率が発揮されるようになる。したがって、本発明の量子ドット太陽電池は、電気自動車の動力源や太陽光発電システムなどに利用できる太陽電池として有用である。
1:電極、2:p型半導体層(またはn型半導体層)、3:ナノヘテロ構造体(i層)、31:粒子状無機成分(量子ドット)、32:マトリックス無機成分、4:n型半導体層(またはp型半導体層)、5:透明電極、6:端子。

Claims (8)

  1. 互いに混和しない少なくとも第一ポリマーブロック成分と第二ポリマーブロック成分とが結合してなるブロックコポリマーと、光照射により電荷を生成する粒子状無機成分および真性半導体材料からなるマトリックス無機成分のうちの一方の無機成分の前駆体である第一無機前駆体と、前記粒子状無機成分および前記マトリックス無機成分のうちの他方の無機成分の前駆体である第二無機前駆体と、を溶媒に溶解して原料溶液を調製する第一の工程と、
    少なくとも、前記第一無機前駆体が導入された前記第一ポリマーブロック成分からなる第一ポリマー相と、前記第二無機前駆体が導入された前記第二ポリマーブロック成分からなる第二ポリマー相と、が自己組織化により規則的に配置しており、前記第一ポリマー相および前記第二ポリマー相のうちの前記粒子状無機成分の前駆体が導入されたポリマー相の形状が球状であるナノ相分離構造体を形成せしめる相分離処理と、前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体をそれぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめる変換処理と、前記ナノ相分離構造体から前記ブロックコポリマーを除去する除去処理とを含み、前記粒子状無機成分と前記マトリックス無機成分とからなるナノヘテロ構造体を、p型半導体層およびn型半導体層のうちの一方の半導体層上に形成せしめる第二の工程と、
    前記ナノヘテロ構造体上に、p型半導体層およびn型半導体層のうちの他方の半導体層を形成せしめ、p−i−n構造を有する量子ドット太陽電池を得る第三の工程と、
    を含むことを特徴とする量子ドット太陽電池の製造方法。
  2. 前記第二の工程における変換処理が、還元ガス雰囲気中で前記粒子状無機成分の前駆体および前記マトリックス無機成分の前駆体を熱処理することによって、それぞれ粒子状無機成分およびマトリックス無機成分に変換せしめるものであることを特徴とする請求項に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
  3. 前記粒子状無機成分の前駆体が、Si、InおよびAsからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
  4. 前記マトリックス無機成分の前駆体が、Ga元素およびAs元素を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
  5. 前記第一無機前駆体と前記第一ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下であり、前記第二無機前駆体と前記第二ポリマーブロック成分との溶解度パラメータの差が2(cal/cm1/2以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
  6. 前記第一ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第一ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
  7. 前記第二ポリマーブロック成分と前記第二無機前駆体との溶解度パラメータの差は、前記第二ポリマーブロック成分と前記第一無機前駆体との溶解度パラメータの差よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
  8. 前記ブロックコポリマーが、ポリスチレン成分、ポリイソプレン成分およびポリブタジエン成分からなる群から選択される少なくとも1種の第一ポリマーブロック成分と、ポリメチルメタクリレート成分、ポリエチレンオキシド成分、ポリビニルピリジン成分およびポリアクリル酸成分からなる群から選択される少なくとも少なくとも1種の第二ポリマーブロック成分とが結合してなるものであり、
    前記第一無機前駆体が、フェニル基、炭素数5以上の長鎖炭化水素鎖、シクロオクタテトラエン環、シクロペンタジエニル環、およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの構造を備える、有機金属化合物および有機半金属化合物のうちの少なくとも1種であり、
    前記第二無機前駆体が、金属または半金属の塩、金属または半金属を含む炭素数1〜4のアルコキシド、および金属または半金属のアセチルアセトナート錯体からなる群から選択される少なくとも1種である、
    ことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の量子ドット太陽電池の製造方法。
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