JP5945341B1 - 空間位相変調器 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏向パタンの位相を維持しつつ液晶素子に対する位相クロストークを抑えることができる空間位相変調器およびその補正方法を提供すること。【解決手段】光スイッチ1は、液晶素子10の各画素に印加する偏向パタンを生成する演算器21と、各画素間の電圧差と、複数の補正係数の中から選択された補正係数とを用いて、前記電圧差に比例した補正値を算出する演算器23と、補正値に基づいて偏向パタンを補正する減算器25とを含み、演算器23は、所望の偏向パタンとなる補正係数をメモリ24から選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、通信用光伝送装置や波長ルーティング装置などに使用される空間光スイッチにおいて偏向素子として用いられる液晶ベースの空間位相変調器に関する。
近年の光通信では光信号を電気信号に変換することなく、光信号のまま通信先に送ることで高速通信を実現している。また、一つの波長に一つの光信号を対応させて波長多重するWDM (Wavelength Division Multiplexing)技術により、一本の光ファイバを使って大容量の光伝送が行えるようになっている。このような光通信技術の発展に伴い、光信号のままで通信経路を切り替える光スイッチの役割が重要性を増している。
光通信ネットワークの大規模化に伴い、光信号の波長数も増え、数十もの波長の中から任意の波長を選択して複数の出力ファイバのいずれかから出力する波長選択スイッチの小型化および高機能化が進んでいる。このような高機能な波長選択スイッチを小型にすることができるものとして、液晶素子を空間位相変調器として用いた空間光学系光スイッチが注目されている(非特許文献1)。
従来の波長選択光スイッチの基本的な構成について、図11を参照して説明する。図11は、反射型の液晶ベースの空間位相変調器を偏向素子として用いた波長選択光スイッチの基本的な構成を示す図である。
図11に示す波長選択光スイッチは、入出力ポート101,102と、波長多重信号を空間に波長分けする分散空間光学系103と、103の分散方向に直交する形で光ビームを偏向する空間位相変調器104とを備える。
次に、この波長選択光スイッチによって実現される偏向原理などについて、図12を参照して説明する。図12は、位相状態の変化により発生する偏向角の変化や光クロストークの発生態様を示す模式図であって、(a)は偏向原理、(b)はディスクリネーションによる位相ずれ、(c)は位相ずれに起因する散乱、を示す。
図12(a)に示すように、空間位相変調器104である液晶素子の画面上において、周期的な偏向パタンで、かつその周期端で位相差が2πの連続する偏向パタンが表示される。この偏向パタンでは、画面に照射された光は、ミラー反射と同じような形で反射される。これは、液晶素子の各画素に適切な電圧を印加することにより、ミラー反射するのと同様の空間的な位相遅延を入射光に与えるためである。
図12(a)では、光が有する波の特性を利用して、偏向パタンにおいて2πの位相差が設けられている。この場合、偏向パタン自体は断続しているが、入射された光からみると位相変化は連続しているように感じられ、あたかも角度をつけた平面ミラーに当たっているように偏向する。これは周期構造を持つフレネルレンズがレンズとして機能する場合と同様である。
通常、周期的な偏向パタンは、画面上の位置に対して位相が線形に変化するように設定される。空間位相変調器104の最大の位相変調量は一般的には、有限である。しかし、最大の位相変調量に達する前に、ある位置の前後で位相を2πだけ変化させることで、その位置の位相は、2π分もどっているにも関わらず、光の波面は位相差がない状態に戻るので、どこまでも線形的な変化をしているような状態となる。この時の偏向パタンは、鋸波状のパタンとなる(図12(a))。
液晶をベースとした空間位相変調器104に鋸波状の偏向パタンを印加した場合、位相が2πから0に戻る位置、つまり鋸波の1周期の境界面では、急激な位相変化が生じることによりディスクリネーション(偏向パタン境界などで液晶分子の回転方向が周囲と異なる、素子間の位相クロストーク現象)が発生し得る。ディスクリネーションが発生すると、あらかじめ設定した位相から多少の位相ずれが生じる(図12(b))。例えば、2πの位置が2π未満に、0の位置が0よりも大きな位相になる。この結果、光の波面が揃うように2πの位相差を設定したにもかかわらず、この位相ずれの分だけ、波面に歪みが生じる。上述した図11に示した光スイッチにおいて、空間位相変調器104で波面に歪みが生じると、光ビームが散乱し、接続されていないポートへの光クロストークの原因にもなり、スイッチ特性が劣化し得る。
図12(b)では、偏向パタンで位相が2π→0に変わる不連続な位置で、ディスクリネーションによる位相ずれが生じる。この結果、光の波面は2πの位相差で連続するように設定されていたにもかかわらず、位相ずれのために、偏向パタンの断続的な位置においては光の波面に対して位相が不連続に変化するように感じられる。これは、ミラーに凹凸を有する場合と同じような状況であり、この位置の光は、偏向方向が連続的な位置と異なる方向に散乱する(図12(c))。その結果、接続先ではないポートにこの散乱した光が結合し、光クロストークが発生し得る。
空間位相変調器104として用いられる液晶素子は、液晶プロジェクタなどの画像装置で用いられる液晶素子と同じ構造である。画像装置として用いられる液晶素子には、画質を良くするという観点からディスクリネーションの対策が提案されている。画像装置の場合、ディスクリネーションが現れやすい駆動電圧の差が大きい隣接画素間において、例えば、白い画面に黒い線が現れたり、その逆に黒い画面に白い線が現れたりすることが、画像品質の低下を招くとして問題視されている。
画像装置に関するディスクリネーションに対して、特許文献1では、注目画素に対して、注目画素に隣接する画素のレベルに応じたレベルの補正方法が開示されている。また、特許文献2では、画像の階調範囲に関して上限値と下限値とを調整する方法が開示されている。
特開2000−330084号公報 特開2012−237828号公報
上述したディスクリネーションの対策は主として、横電界が強くなる画素間の印加電圧差が小さくするようにその印加電圧値を補正することである。しかし、液晶素子が空間位相変調器として用いられる場合、画像品質の観点よりも、位相クロストークを如何に抑えるかが重要になる。
偏向パタンどおりの理想的な位相に近い位相になるほど、無用な散乱光が抑えられるので、光クロストークを抑えることができる。その点では、横方向の電界が増加しディスクリネーションが大きくなることは大きな問題とならない。
空間位相変調器の場合には、ディスクリネーションだけが低減すれば良いのではなく、偏向パタンの位相を維持しながら光クロストークを抑えることが重要となる。しかしながら、このような観点から位相クロストークを抑える技術は存在しない。
本発明では、上述した状況下において、偏向パタンの位相を維持しつつ液晶素子に対する位相クロストークを抑えることができる空間位相変調器およびその補正方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための本発明は、液晶素子を有する空間位相変調器であって、 前記液晶素子の各画素に印加する偏向パタンを生成する電圧パタン生成部と、前記各画素間の電圧差と、複数の補正係数の中から選択された補正係数とを用いて、前記電圧差に比例した補正値を算出する補正値算出部と、前記補正値に基づいて前記偏向パタンを補正する補正部とを含み、前記補正値算出部は、液晶の配向方向、前記電圧差の正負、前記電圧差の大きさ、または、光の減衰率に応じて、所望の偏向パタンとなる前記補正係数を選択する。
前記補正値算出部は、画素の印加電圧に応じて、予め対応付けられた前記補正係数を選択するようにしてもよい。
前記補正値算出部は、画素の印加電圧に応じて連続的に変化する前記補正係数を選択するようにしてもよい。
また、上記の課題を解決するための本発明は、液晶素子を有する空間位相変調器の駆動電圧の補正方法であって、前記液晶素子の各画素に印加する偏向パタンを生成するステップと、前記各画素間の電圧差と、複数の補正係数の中から選択された補正係数とを用いて、前記電圧差に比例した補正値を算出するステップと、前記補正値に基づいて前記偏向パタンを補正するステップとを含み、前記補正値を算出するステップは、液晶の配向方向、前記電圧差の正負、前記電圧差の大きさ、または、光の減衰率に応じて、所望の偏向パタンとなる前記補正係数を選択する。
本発明によれば、偏向パタンの位相を維持しつつ液晶素子に対する位相クロストークを抑えることができる。
本発明の実施形態における空間位相変調器の概要構成の一例を示す図である。 矩形歯電圧の印加時におけるディスクリネーションの見え方を説明するための図である。 各画素間の電圧差に応じて注目画素の電圧値を補正するための処理を説明するための図である。 各画素における配向方向および電圧差に応じて選択される各補正係数を説明するための図である。 補正処理が実行された場合の位相波形を示す図である。 直線パタンおよび二次元パタンを適用した場合の注目画素および隣接画素の設定例を示す図である。 実施形態の空間位相変調器における電圧値の補正処理のフロー図である。 図7の補正処理に続いて実行される残りの補正処理のフロー図である。 駆動電圧差の大きさに応じて補正係数を連続的に変化するようにした補正処理のフロー図である。 図9の補正処理に続いて実行される残りの補正処理のフロー図である。 従来の空間位相変調器の概要構成を示す図である。 位相状態の変化により発生する偏向角の変化や光クロストークの発生態様を示す模式図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態である空間位相変調器である光スイッチ1について説明する。
図1は、第1実施形態の光スイッチ1の概要構成の一例を示す図である。この光スイッチ1は、光クロストークを抑えることを主目的とするものであり、偏向パタンを補正する機能を実装している。
図1において、光スイッチ1は、液晶素子10と、この液晶素子10に画面情報をD/Aコンバータ30を介して与えるコントローラ20とを備える。なお、図1では、液晶を制御する構成のみが示されているが、光スイッチ1は、図11と同様に、入出力ポート101,102と、分散空間光学系103と、液晶素子の空間位相変調器104とを備える。この実施形態の光スイッチ1では、ディスクリネーションを有する液晶素子10を空間位相変調器104として備える。
コントローラ20は、演算器(電圧パタン生成部)21と、メモリ22と、演算器(補正値算出部)23と、メモリ24と、減算器(補正部)25とを備える。またコントローラ20へは、光スイッチ1の接続先ポートおよび接続光パワーの減衰率が外部より入力される。
演算器21は、液晶に任意の偏向パタンを生成する。メモリ22には、偏向パタンそのものや、偏向パタンの基となるデータが記録されている。演算器21は、メモリ22の偏向パタンやデータを参照して、偏向パタンを必要に応じて加工する。
演算器21は、接続先ポートおよび減衰率の要求を外部から入力した場合、この要求に対応した偏向パタンを生成する。
演算器23は、演算器21によって生成された偏向パタンの注目画素を対象として、駆動電圧の補正値を求める。
メモリ24には、補正係数が予め記録されており、演算器23は、メモリ24から後述する補正係数を読み出し、注目画素と隣接画素との間の電圧差(以下、単に「画素間の電圧差」ともいう。)と当該補正係数とを用いて、注目画素を対象として、偏向パタンに含まれる当該電圧の補正値を算出する。この処理は、後述で詳細に説明する。
減算器25は、演算器21によって生成された偏向パタンから、演算器23によって求められた補正値を減算して偏向パタンを補正する。なお、算出した補正値の符号の取り方によっては減算ではなく、加算となる場合もあるが、表現の違いによるものなので、ここではどちらのケースにせよ減算器で説明する。補正後の偏向パタンは、D/Aコンバータ30を介して液晶素子10の電極に印加される。
減算器25の減算処理は、後述する式(1)に示してある。
なお、図1の例では、2つの演算器21,23が示してあるが、実際の回路構成では、一つの演算器(例えば、CPUまたはDSP)で演算器21,23の機能を兼ねるように構成することが想定される。D/Aコンバータ30は、液晶素子10の基板側に備えることが多いので、コントローラ20側にない場合もある。
[偏向パタンの補正処理]
次に、光スイッチ1によって実現される偏向パタンの補正処理について説明する。
この光スイッチ1では、コントローラ20は、画素間の電圧差と、補正係数とを用いて、注目画素を対象として、偏向パタンの電圧値を補正する。ここで、注目画素の電圧をV0、その隣接画素の電圧をVaとすると、補正後の注目画素の電圧値V1 は下記式(1)で表される。
1={ V0 − k ×(Va −V0)} (1)
式(1)中、kは補正係数を示す。kは‐2〜+2の実数である。
上記式(1)において、例えば、V0>Vaでkが正の値の場合、V1>V0となる。すなわち、補正後の電圧値V1は補正前の電圧値V0よりも大きくなる。このことは、ディスクリネーションを抑えるという観点からは横方向の電界が強くなるため好ましくないものの、波面の乱れが生じにくくなるような、偏向パタンの位相を持つ電圧値を有するのであれば、光クロストークを抑えるという点からは好ましい。
なお、この光スイッチ1において、所望の偏向パタンとなるように補正係数kを最適化する場合、このkは必ず正値になるとは限らない。後述するように、複雑な偏向パタンのときに最適な補正係数kを求める場合、演算器23は、まず、負値も含むあらゆる値の中から、補正係数kの値を仮に設定して補正値を算出する。そして、演算器23は、与えられた補正係数kの中から、所望の偏向パタンとなる補正係数kを決定する。所望の偏向パタンか否かについては、例えば、補正後の電圧値を有する偏向パタンが所定の位相(設計条件から歪みのないもの)に近づくよう位相クロストークが最少となるか否か(図12(b)を参照)、または、補正後の電圧値を有する偏向パタンに基づく画面上の散乱(測定値)による光クロストークの程度(図12(c)を参照)、の観点から判断される。
後述するように、位相クロストークは、液晶の配向方向、画素間の電圧差の正負、または/および、画素間の電圧差の大きさに応じて変化することから、上述した補正係数kは、これらの要素も考慮して設定するのが好ましい。
[配向方向]
液晶素子10には配向方向が存在する。これは、液晶分子を規則正しく並べたことにより生じる向きである。この配向方向によって、ディスクリネーションの現れ方が異なる。
図2は、配向方向軸上に矩形波の矩形電圧パタンPを印加した時におけるディスクリネーションの見え方を説明するための図である。
矩形電圧パタンPは、矩形の立ち上がりや立下りで電圧値が0からVmまで変化しており、その電圧に追従して位相φ1は図2に示すような値をとる。位相φ1が矩形電圧パタンP通りでないのはディスクリネーションによるものだが、さらに左右対称の矩形パタンPに対して位相φ1は左右対称にならない。すなわち、位相φ1は、矩形中央から紙面左側または右側において異なる形状を示す。以下の説明では、紙面左側を「マイナス側」と称し、右側を「プラス側」と称す。
図2において、マイナス側の位相φ1では、矩形電圧パタンPは、プラス側の位相φ1よりも、0からVmまでの変化(勾配)が急になっている。つまり、プラス側の位相φ1の変化は、マイナス側の位相φ1の変化よりも緩やかになっている。
この観点から、補正係数kは、配向方向に応じて変えるのが好ましい。この実施形態の光スイッチ1では、演算器23は、配向方向の違いにより、異なる補正係数kを使用して注目画素の電圧値を補正するようにしている。演算器23は、注目画素のマイナス側またはプラス側に位置する画素か否かにより、補正係数kの値を変えるようにしている。この処理は後述で詳述する。
[画素間の電圧差の正負]
ディスクリネーションの影響は、電圧差の正負でも異なる。注目画素の電圧が高く、隣接画素の電圧が低い場合と、その逆の場合とでは、注目画素と隣接画素との間の電圧差の大きさが同じであったとしても、位相は異なる。そのため、演算器23は、画素間の電圧差の正負に応じて、補正係数kの値を変えるようにしている。この処理についても後述で詳述する。
[画素間の電圧差の大きさ]
ディスクリネーションの影響は、画素間の電圧差の大きさでも異なる。例えば、画素間の電圧差が大きい場合、偏向パタンの位相が0から2πに変化するなど、位相の変化が大きくなることが考えられる。これに対して、画素間の電圧差が小さい場合、偏向パタンの位相はそれほど大きく変化しない。このような例として、鋸波の折り返し部分で位相変化が大きく、傾斜部分で位相変化が小さいことが考えられる。
ディスクリネーションは、画素間の電圧差が大きい場合のほうが小さい場合よりも、横方向の電界が強くなるので、影響を受けやすい。
この観点から、この実施形態の光スイッチ1では、演算器23は、画素間の電圧差が大きい場合は、上記式(1)で示した補正値、すなわち、{k×(Va −V0)}の値が大きくなるような補正係数kを用いて補正値を算出する。一方、画素間の電圧差が小さい場合は、式(1)で示した補正値が小さくなるような補正係数kを用いて補正値を算出する。この処理は、後述する図3を参照して説明する。
位相クロストークは、液晶の配向方向、画素間の電圧差の正負、または/および、画素間の電圧差の大きさに応じて変化し、これらの組合せによっては、図2に示したディスクリネーションの見え方と異なり、オーバーシュートやアンダーシュートが発生することがある。この場合、オーバーシュートとして所望よりも大きくなった位相を補正するため、補正値kは負値が最適値となることがある。
図3は、画素間の電圧差の大きさに応じた補正係数を選択して注目画素の電圧を補正するための処理を説明するための図である。
図3において、注目点nである注目画素の電圧は「V0」、マイナス側の隣接画素(図3中、「−1」で表記)の電圧は「V-」、プラス側の隣接画素(図3中、「+1」で表記)の電圧は「V+」に設定されている。
光スイッチ1は、画素間の電圧差と、補正係数とを用いて、注目画素を対象として、その電圧V0の補正値を算出するように構成されている。
この実施形態では、演算器23は、画素間の電圧差を算出する。図3の例では、注目画素とマイナス側の隣接画素との電圧差ΔV−は(V-−V0)、注目画素とプラス側の隣接画素との電圧差ΔV+は(V+ −V0)である。
次に、演算器23は、上述した電圧差ΔV−,ΔV+の大きさに対応する補正係数kをメモリ24から選択する。メモリ24は、複数の補正係数k(例えば、マイナス側隣接画素の影響を補正する場合のkはkm1,km2,km3,km4, プラス側隣接画素の影響を補正する場合のkはkp1,kp2,kp3,kp4)と、閾値ΔVthとを記憶している。
演算器23は、各電圧差ΔV−,ΔV+と、閾値ΔVthとの関係に応じた補正係数kをメモリ24から読み出す。どの補正係数k(例えば、km1〜4, kp1〜4)が読み出されるかについては、後述する図4において、詳細な場合分けを示してある。
そして演算器23は、マイナス側とプラス側のそれぞれについて、上記式(1)に示した補正値、すなわち{k×(Va−V0)}を算出する。ここで、マイナス側の隣接画素の影響を補正するための補正値をVc-、プラス側の隣接画素の影響を補正するための補正値をVc+とすると、それらは下記式(2)および式(3)で表される。
Vc- =k×ΔV− (2)
Vc+ =k×ΔV+ (3)
なお、上記式(2)において、kには、ΔV−とΔVthとの差分値に対応するkm1〜4のいずれかの値が設定される。また、上記式(3)において、kには、ΔV+とΔVthとの差分値に対応するkp1〜4のいずれかの値が設定される。
減算器25は、上記式(1)に示したように、偏向パタンにおける注目画素(図3では、例えば、注目点n)の電圧V0を補正する。補正後の注目画素の電圧V1は、下記式(4)で表される。
V1 = V0−(Vc- +Vc+) (4)
このように本実施形態の光スイッチ1では、画素間の電圧差の大きさに応じた補正係数を選択して注目画素の電圧を補正する。
ここでは、プラス側、およびマイナス側の隣接画素の影響を補正する例を示したが、2次元の隣接画素の影響を補正する場合も同様であり、その場合も各隣接画素の影響を補正する補正値を加算して補正すればよい。
図4は、画素間の電圧差と閾値との関係に応じて選択される各補正係数km1〜km4,kp1〜kp4を説明するための図である。なお、図4では、電圧差ΔV−,ΔV+を、「ΔV」として表記している。
図4に示すように、この光スイッチ1において、電圧の補正時には、画素間の電圧差と閾値との関係に応じた補正係数(km1〜km4,kp1〜kp4)が選択される。
例えば、ΔV≧ΔVthの場合には補正係数kとして「km1」,「kp1」、ΔVth≧ΔV≧0の場合には補正係数kとして「km2」,「kp2」がそれぞれ設定される。 また、例えば、0>ΔV≧−ΔVthの場合には補正係数kとして「km3」,「kp3」、ΔV<−ΔVthの場合には補正係数kとして「km4」,「kp4」がそれぞれ設定される。
このように、すべての画素を対象として、各画素の電圧が補正された偏向パタンが生成される。補正前後の偏向パタンおよび位相波形は、後述する図5において例示してある。
図5は、補正前後の偏向パタンであって、(a)は補正前の偏向パタン、(b)は補正前の偏向パタンをそのまま印加したときの位相波形の様子、(c)は補正後の偏向パタン、(d)は補正後の偏向パタンを印加したときの位相波形の様子、を例示している。
図5(a)において、補正前の偏向パタンとして、三角形状の鋸波が設定されている。コントローラ20は、この偏向パタンをそのまま液晶素子10に印加した場合、図5(b)に示すように、ディスクリネーションにより三角形状の角が鈍った波形となる。波形が鈍った部分では、目的ポートの向きに光が向かず、光クロストークの要因になり得るので、なるべくその鈍りを取り除くようにすることが好ましい。
そこで、本実施形態の光スイッチ1において、コントローラ20は、上述した偏向パタンの補正処理を実行し、図5(c)に示すように偏向パタンを補正する。すなわち、図5(c)の例では、偏向パタン中の三角形状の角に対して補正値を加え、その角が突出するように偏向パタンを補正している。そしてコントローラ20は、この補正後の偏向パタンを液晶素子10に印加する。このような偏向パタンが印加された場合、図5(d)によれば、元の鋸波形に近い位相波形(図5(a)を参照)が得られる。
図5(a)に示した偏向パタンは、画面に対して、電圧が直線状の一方向に従って変化する直線状パタンとしてもよいし、画面の任意の方向に電圧が変化する二次元パタンとしてもよい。
図6は、かかる偏向パタンの例を示す図であって、(a)は直線状パタン、(b)は二次元パタンを示す。
図6(a)においては、注目画素nの隣接画素として、2つの隣接画素(n−1,n+1)が存在するので、それぞれの隣接画素の電圧状態に応じて、注目画素nの電圧値が補正される。
図6(b)においては、注目画素nの隣接画素として、4つの隣接画素(n−h1,n+h1,n−v1,n+v1)が存在するので、それぞれの隣接画素の電圧状態に応じて、注目画素nの電圧値が補正される。
[光スイッチの動作]
以下、上述した偏向パタンの補正を実現する光スイッチ1の動作について図7〜図8を参照して説明する。図7〜図8はともに、光スイッチ1における電圧値の補正処理のフロー図である。
この光スイッチ1では、演算器21は、補正前の偏向パタンとして、図7に示すような鋸歯状の波形が設定される。補正処理時には、この偏向パタンが演算器23に入力されて、演算器23は、後述するステップS1〜S3の処理を実施する。
ステップS1では、演算器23は、入力された偏向パタンから、画面位置上の電極電圧を取得する。なお、図7のフローチャートによると、電極電圧はV[N](ただし、Nは、画面上の位置を表す画素の番号を示す。)で表記する。
ステップS2では、N=1から、偏向パタンの最大画素番号まで、下記ステップS21〜S24のループ処理を繰り返す。
ステップS21では、電圧情報を取得する。具体的には、演算器23は、注目画素およびその隣接画素の電極電圧を取得する。図7の例では、隣接画素は、マイナス側とプラス側の2つ存在する(図3を参照)ので、演算器23は、注目画素の電極電圧V0と、それぞれの隣接画素の電極電圧V-,V+を取得することになる。
ステップS22では、マイナス側画素による補正値を算出する。このとき、演算器23は、画素の印加電圧に応じて、予め対応付けられた補正係数を選択することになるが、ステップS22の具体的な処理は、後述するステップS221〜S228に示してある。図4を参照して説明すると、まず、演算器23は、V- −V0(=ΔV−)≧ΔVthかどうかを判断し(ステップS221)、V- −V0≧ΔVthの場合(ステップS221のYES)、補正係数k=km1をメモリ24から読み出し(ステップS222)、補正値Vc-を算出する(ステップS228)。上記式(2)によれば、補正値Vc- は、k・(V-−V0)(=k×ΔV−)から算出される。
-−V0(=ΔV−)≧ΔVthではない場合(ステップS221のNO)、次に演算器23は、V-−V0(=ΔV−)≧0かどうかを判断し(ステップS223)、V-−V0≧0の場合(ステップS223のYES)、補正係数k=km2をメモリ24から読み出し(ステップS224)、補正値Vc-を算出する(ステップS228)。
- −V0(=ΔV−)≧0ではない場合(ステップS223のNO)、次に演算器23は、V- −V0(=ΔV−)<−ΔVthかどうかを判断し(ステップS225)、V- −V0<−ΔVthの場合(ステップS225のYES)、補正係数k=km4をメモリ24から読み出し(ステップS224)、補正値Vc-を算出する(ステップS228)。
- −V0(=ΔV−)<−ΔVthではない場合(ステップS225のNO)、次に演算器23は、補正係数k=km3をメモリ24から読み出し(ステップS227)、補正値Vc-を算出する(ステップS228)。
図8のフローチャートを参照すると、ステップS23では、上述のステップS22と同様に、プラス側画素による補正値を算出する。ステップS23の具体的な処理は、後述するステップS231〜S238に示してある。図4を参照すると、まず、演算器23は、V+−V0(=ΔV+)≧ΔVthかどうかを判断し(ステップS231)、V+−V0≧ΔVthの場合(ステップS221のYES)、補正係数k=kp1をメモリ24から読み出し(ステップS232)、補正値Vc+を算出する(ステップS238)。上記式(3)によれば、補正値Vc+は、k・(V+−V0)(=k×ΔV+)から算出される。
+−V0(=ΔV+)≧ΔVthではない場合(ステップS231のNO)、次に演算器23は、V+−V0(=ΔV+)≧0かどうかを判断し(ステップS233)、V+−V0≧0の場合(ステップS233のYES)、補正係数k=kp2をメモリ24から読み出し(ステップS234)、補正値Vc+を算出する(ステップS238)。
+−V0(=ΔV+)≧0ではない場合(ステップS233のNO)、次に演算器23は、V+−V0(=ΔV+)<−ΔVthかどうかを判断し(ステップS235)、V+−V0<−ΔVthの場合(ステップS235のYES)、補正係数k=kp4をメモリ24から読み出し(ステップS234)、補正値Vc+を算出する(ステップS238)。
+−V0(=ΔV+)<−ΔVthではない場合(ステップS235のNO)、次に演算器23は、補正係数k=kp3をメモリ24から読み出し(ステップS237)、補正値Vc+を算出する(ステップS238)。
ステップS24では、減算器25は、ステップS22およびS23で補正した電極電圧を算出する。上記式(4)によれば、補正後の電圧V1 は、V0−(Vc- +Vc+)で表される。
すべての画素V[N](N=1,2,・・・)を対象として、上述したステップS2(S21〜S24)の処理が実施される。これにより、所望の偏向パタンとなるような補正係数kが選択され、偏向パタンの電圧値が補正されていくことになる。
この結果、図5(c)に示したように、補正した電極電圧が設定された偏向パタンが生成される(ステップS3)。これにより、補正後の偏向パタンは、周期パタンの折り返し部の歪が少ない、理想の位相に近い状態のままで電圧値が補正され、結果として、光クロストークが抑えられる。
以上説明したように、本実施形態の光スイッチ1によれば、液晶素子の各画素に印加する偏向パタンを生成し、各画素間の電圧差と複数の補正係数の中から選択された補正係数とを用いて電圧差に比例した補正値を算出し、この補正値に基づいて偏向パタンを補正する。ここで、補正係数は、各画素間の位相クロストークが最小となる係数が選択される。これにより、光クロストークが抑えられる。
次に、本実施形態の光スイッチ1の変形例について説明する。
(変形例1)
以上では、図1、図4、図7および図8を参照して、画素間の電圧差と閾値ΔVthとの関係から、あらかじめ設定された補正係数が選択される場合について説明した。しかしながら、演算器23は、画素間の電圧差に比例した補正係数を使用して補正値を算出するようにしてもよい。
この変形例1における偏向パタンの補正を実現するために実行される処理の全体について、図1、図9および図10を参照して説明する。
図9および図10は、図7および図8と類似のフローチャートであって、画素間の電圧差に比例した補正係数が使用される場合について示している。図9における電極電圧の取得処理(ステップS1)と、電圧情報の取得処理(ステップS21)はそれぞれ、図7に示したものと同一である。また、図10における電極電圧の補正処理(ステップS24)と、偏向パタンの補正処理(ステップS3)はそれぞれ、図8に示したものと同一である。以下では、図7および図8に示したものと異なる図9のステップS22AおよびS23Aの処理について説明する。
ステップS22Aでは、マイナス側画素による補正値を算出する。このとき、演算器23は、画素の印加電圧に応じて連続的に変化する補正係数を選択することになるが、ステップS22Aの具体的な処理は、後述するステップS221A〜S224Aに示してある。まず、演算器23は、V-−V0(=ΔV−)≧0かどうかを判断し(ステップS221A)、V-−V0≧0の場合(ステップS221AのYES)、補正係数kとして、αm1をメモリ24から読み出し、これに│V-−V0│を掛けてkとする(ステップS222A)。なお、│V-−V0│は電圧差ΔV−の絶対値、αm1はあらかじめ設定された係数を示す。
そして演算器23は、補正値Vc-を算出する(ステップS224A)。図9のフローチャートによれば、上記式(2)で示したように、補正値Vc- は、k・(V-−V0)(=k×ΔV−)から算出される。
-−V0(=ΔV−)≧0ではない場合(ステップS221AのNO)、演算器23は、補正係数kとして、αm2をメモリ24から読み出し、これに│V-−V0│を掛けてkとし(ステップS223A)、ステップS224Aに進む。なお、αm2はあらかじめ設定された係数を示す。
ステップS23Aでは、上述のステップS22Aと同様に、プラス側画素による補正値を算出する。ステップS23Aの具体的な処理は、後述するステップS231A〜S234Aに示してある。まず、演算器23は、V+−V0(=ΔV+)≧0かどうかを判断し(ステップS231A)、V+−V0≧0の場合(ステップS231AのYES)、補正係数kとして、αp1をメモリ24から読み出し、これに│V+−V0│を掛けてkとする(ステップS222A)。なお、│V+−V0│は電圧差ΔV+の絶対値、αp1はあらかじめ設定された係数を示す。
そして演算器23は、補正値Vc+を算出する(ステップS234A)。図9のフローチャートによれば、上記式(3)で示したように、補正値Vc+ は、k・(V+−V0)(=k×ΔV+)から算出される。
+−V0(=ΔV+)≧0ではない場合(ステップS231AのNO)、演算器23は、補正係数kとして、αp2をメモリ24から読み出し、これに│V+−V0│を掛けてkとし(ステップS233A)、ステップS234Aに進む。なお、αp2はあらかじめ設定された係数を示す。
このようにしても、図10に示す処理において、図8のステップS3と同様に、偏向パタンを補正する(ステップS3)。したがって、光クロストークが抑えられる。
(変形例2)
以上では、補正係数kは、配向方向、電圧差の正負および/または電圧差の大小を考慮して選択されるものとして扱ったが、光の減衰率に応じて補正係数kを決定するようにしてもよい。
一般に、偏向パタンに減衰パタンが加わると偏向パタンの大きさおよび位相が複雑になる。減衰パタンは、偏向パタンに重畳するもので、偏向パタンの周期よりも短い周期を有するパタンである。減衰パタンを偏向パタンに重畳した場合、あるポートと結合した状態の主信号を減衰パタンの周期で変調したことになり、主信号のパワーの一部が変調光に移る。その結果、主信号が減衰することになる。変調光が別のポートに結合すると大きな光クロストークとなる。減衰パタンは偏向パタンよりも周期が短いパタンであるので、ディスクリネーションの影響も受けやすい。
このため、減衰パタンを重畳した配向パタンの場合、規則的な周期を有する偏向パタンだけを考慮したのでは、最適な補正係数kを選択し得ないことも考えられる。そこで、この実施形態の変形例2における光スイッチ1では、演算器23は、減衰率に応じた補正係数kを選択するようにしている。
変形例2における光スイッチ1では、まず、減衰率に応じた最適な補正係数kを求めるために、所望のポートで減衰率を伴う偏向パタンを、液晶素子10に印加した状態で補正係数kをある範囲で変化させ、その中から、光クロストークが最小となる補正係数kの値を求める。補正係数kは、必ずしも減衰率の数学的関数で表現できるとは限らない。そこで、この変形例2の光スイッチ1では、減衰率ごとに、補正係数kの値を記録したテーブルを作成してそのテーブルを参照する、または、補正係数kを減衰率の近似関数として求めて近似関数の係数を記録するようにすることで、減衰率に対応した補正係数kを算出する。
以下では、偏向パタンに減衰パタンが重畳されている場合について説明する。この場合、 光スイッチ1に特定の接続先ポートを設定し、その状態で特定の減衰率になるための減衰パタンを偏向パタンに重畳して減衰状態を発生させる。この状態において、前述の図7および図8のフローチャート、または、図9および図10のフローチャートにおいて補正された偏向パタンを液晶素子10に表示すると、この偏向パタンは光クロストークに何らかの影響を与える。
変更例2における光スイッチ1では、予め補正係数kの値をある範囲で変化させ、与えられた補正係数kに対して、光クロストークの依存性を得る。光クロストークの依存性は、最小の位相クロストークが得られるか否かの観点(例えば、補正後の電圧値を有する偏向パタンが所定の位相(設計条件から歪みのないもの)となるかを有するか否か(上記図12(b)を参照)、または、補正後の電圧値を有する偏向パタンに基づく画面上の散乱(測定値)による光クロストークの程度(上記図12(c)を参照)、の観点)から判断される。そして、その依存性から、光クロストークが最小となる補正係数kを予め決定しておく。このようにして決定された補正係数kは、特定ポートと特定の減衰率とに関連付けて、メモリ24上にあらかじめテーブル化しておく。
例えば、ある接続先ポートと、ある減衰率とに光スイッチを設定する場合、演算器23は、上述のテーブルを参照して、当該接続先ポートと当該減衰率とに関連付けられた補正係数kを読み出し、この補正係数kを用いて、上記式(1)の演算式に基づく補正処理を行う。これにより、減衰状態においても、光クロストークが抑えられる。
なお、全ての接続先ポートと全ての減衰率とに関連つけられる補正係数を有する場合、上述のテーブルは巨大になり得る。そのため、例えば、補正係数kは、減衰率の近似関数になると想定して、この近似関数中の補正係数をメモリに記憶するようにしてもよい。このようにすると、近似関数による誤差を含むものの、メモリの容量を減らすことができる。
このようにして、本実施形態の空間位相変調器は、接続先ポートまたは/および減衰率に応じて光クロストークを最小とする最適な補正係数kを算出し、偏向パタンまたは/および減衰パタンを補正する。そのため、この空間位相変調器を用いた光スイッチは液晶のディスクリネーションに起因する光クロストークを低く抑えることができる。
なお、以上の説明では、理解の容易のため、偏向パタンは電極への印加電圧として説明したが、実際には、物理的な電圧ではなく、8〜12bitのグレースケール値で偏向パタンを与えるのが一般的である。ただし、このグレースケール値は、印加電圧と比例関係、または、γ補正を介して印加電圧に変換することができる値であるため、本発明をグレースケールで与えられた偏向パタンに適用するのは容易である。
1 光スイッチ(空間位相変調器)
10 液晶素子
20 コントローラ
21,23 演算器
22,24 メモリ
25 減算器

Claims (4)

  1. 液晶素子を有する空間位相変調器であって、
    前記液晶素子の各画素に印加する偏向パタンを生成する電圧パタン生成部と、
    前記各画素間の電圧差と、複数の補正係数の中から選択された補正係数とを用いて、前記電圧差に比例した補正値を算出する補正値算出部と、
    前記補正値に基づいて前記偏向パタンを補正する補正部と
    を含み、
    前記補正値算出部は、液晶の配向方向、前記電圧差の正負、前記電圧差の大きさ、または、光の減衰率に応じて、所望の偏向パタンとなる前記補正係数を選択することを特徴とする空間位相変調器。
  2. 前記補正値算出部は、画素の印加電圧に応じて、予め対応付けられた前記補正係数を選択することを特徴とする請求項に記載の空間位相変調器。
  3. 前記補正値算出部は、画素の印加電圧に応じて連続的に変化する前記補正係数を選択することを特徴とする請求項に記載の空間位相変調器。
  4. 液晶素子を有する空間位相変調器の駆動電圧の補正方法であって、
    前記液晶素子の各画素に印加する偏向パタンを生成するステップと、
    前記各画素間の電圧差と、複数の補正係数の中から選択された補正係数とを用いて、前記電圧差に比例した補正値を算出するステップと、
    前記補正値に基づいて前記偏向パタンを補正するステップと
    を含み、
    前記補正値を算出するステップは、液晶の配向方向、前記電圧差の正負、前記電圧差の大きさ、または、光の減衰率に応じて、所望の偏向パタンとなる前記補正係数を選択することを特徴とする補正方法。
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