JP5945044B2 - 自動車用電子制御装置、自動車用電子制御装置の書込みシステム、及び車両制御の制御プログラムの書込み方法 - Google Patents
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Description
また、本発明に係る自動車用電子制御装置は、その一態様として、少なくとも、車両制御の制御プログラムの書込みと通信バッファの設定プログラムの書込みを行う外部書込み装置に接続される電子制御装置であって、前記電子制御装置は、一時的に制御プログラム及びデータを保持する揮発性メモリと、電気的にデータの消去および書込みが可能な不揮発性メモリと、前記外部書込み装置との通信に用いる第1の通信バッファと車両制御を行う外部装置との通信に用いる第2の通信バッファを有する通信回路部と、を含んで構成され、前記外部書込み装置から受信した前記設定プログラムによって、前記第2の通信バッファを前記第1の通信バッファとして割り当て、前記第1の通信バッファ及び前記第1の通信バッファとして割り当てられた前記第2の通信バッファを用いて制御プログラム及びデータを受信する。
また、本発明に係る自動車用電子制御装置の書込みシステムは、その一態様として、少なくとも、車両制御の制御プログラムの書込みと通信バッファの設定プログラムの書込みを行う外部書込み装置と当該外部書込み装置に接続される電子制御装置とからなる自動車用電子制御装置の書込みシステムであって、前記外部書込み装置は前記設定プログラムを前記電子制御装置に送信し、前記電子制御装置はそれぞれ異なる外部装置との通信のために割り当て可能な複数の通信バッファを含んで構成され、前記設定プログラムによって複数の通信バッファのうち少なくとも2以上の通信バッファを前記外部書込み装置から転送される前記制御プログラムの受信のために割り当て、前記複数の通信バッファのうち前記外部書込み装置以外の外部装置との通信に割り当てられた通信バッファを含む2以上の通信バッファを用いて前記制御プログラムを受信する。
更に、本発明に係る車両制御の制御プログラムの書込み方法は、その一態様として、それぞれ異なる外部装置との通信のために割り当て可能な複数の通信バッファを有する電子制御装置への車両制御の制御プログラムの書込み方法であって、外部書込み装置から前記通信バッファの設定プログラムを受信するステップと、前記設定プログラムによって、前記複数の通信バッファのうち少なくとも2以上の通信バッファを前記外部書込み装置から転送される前記制御プログラムの受信のために割り当てるステップと、前記設定プログラムによって、前記複数の通信バッファのうち前記外部書込み装置以外の外部装置との通信に割り当てられた通信バッファを含む2以上の通信バッファを用いて前記制御プログラムを受信するステップと、を有する。
ECU100に搭載されたROM(例えば,フラッシュROM)に対し、アプリケーションプログラム(例えばエンジン制御プログラム)を書込むためのECU製造工程10及びアプリケーションプログラム書込み工程20を図1に示す。
RAM130には、第1のバッファ領域133及び第2のバッファ領域134が存在する。第1のバッファ領域133及び第2のバッファ領域134は、ROM110にデータを書込むときに使用される。
書込みツール200は、ストレージ210(例えばハードディスク)及び通信回路240を含んで構成される。また、書込みツール200は、端末(例えば、パーソナルコンピュータ)及びECU100と接続する装置を含み、書込みツール200を操作する作業者が、書込みツール200に対し対話的に指示を出すことができる。書込みツール200はストレージ210に格納されている書込みデータを、ECU100に対して転送する。
通信回路240には、通信バッファ領域241が存在する。通信バッファ領域241は、書込みツール200が通信回路240によってECU100と通信するときに使用される。
ECU100の通信バッファ領域141には、一定のサイズの通信バッファ(例えば、CANにおけるメールボックス)が複数存在する。ECU100は、各装置と通信するとき、通信バッファ領域141の通信バッファのうち、通信相手となる装置との通信用として予め割当てられている通信バッファを使用する。なお、それぞれの通信バッファは、データの送信に使用される送信バッファ(TX)、データの受信に使用される受信バッファ(RX)に分かれている。また、通信相手となる装置との通信用として予め割当てられている通信バッファの数を、車載状態の通信環境で使用する数とする。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、作業者が、書込みツール200に、ECU100を接続する。ECU100は、接続されると電源が投入され、マイクロコンピュータ120が最低限プログラムを実行することによって、書込みツール200と通信可能になり、書込みツール200から転送されるデータの受信待ち状態となる。
なお、この後、ECU100は、各自動車に組付けられる。また、検査工程において、ECU100のROM110に正しいアプリケーションプログラムが書き込まれた否か(例えば、組付けられた自動車に応じたアプリケーションプログラムか否か)チェックされる。正しいアプリケーションプログラムが書き込まれていなければ、自動車に組付けられたECU100に対し、書込みツール200を接続し、正しいアプリケーションプログラムを書込む。
ステップ11では、書込みツール200は、作業者によって書込みプログラム及びROM110に書込むためのアプリケーションプログラムが指定されると、書込みプログラム及びアプリケーションプログラムを転送するデータ転送プログラムを起動する。そして、書込みツール200は、データ転送プログラムによって、ECU100に対し、書込みプログラム(例えば書込みプログラム2)の転送を開始するメッセージを送信すると共に、指定された書込みプログラムを転送する。
ステップ14で、ECU100は、書込みプログラムによって、ECU100と書込みツール200との間の通信環境を、その書込みプログラムに応じた通信環境に変更し、書込みツール200に対し、アプリケーションプログラムの送信を要求するメッセージを送信する。
なお、ECU100に書込みツール200に加えて他の装置が接続された状況でも、ECU100は、プログラム書込み全体処理の間、他の装置との通信を遮断し、書込みツール200のみと通信するようにすれば、プログラム書込み全体処理を実行することができる。
アプリケーションプログラム書込み工程20のような状況において、ECU100は、書込みツール200以外の装置と通信しないため、書込みツール200以外の装置と通信するために予め割当てられた通信バッファ(以下、他の装置用通信バッファと略記する)は、使用されない。
図6の例では、ECU100は、書込みツール200と通信するとき、書込みツール用通信バッファとして2個の通信バッファ、及び、他の装置用通信バッファのうちの7個の通信バッファを使用する。このとき、ECU100が使用する9個の通信バッファは、TXとして1個、RXとして8個を設定する。なお、このとき、書込みツール200の通信バッファ領域241の通信バッファは、TXが8個、RXが1個となる。
RXが使用できるため、ECU100が64バイトのデータを書込みツール200から取得するまで、従来と比較して、9回の通信ですむことになる。即ち、書込みツール200が64バイトのデータを1つのデータとして8バイトごとに分けて転送し、ECU100は8バイトのデータを8個受信するごとに書込みツール200に応答を返す。このため、通信回数が9回となる。
図7及び図8は、書込みツール200において、書込みプログラム及びアプリケーションプログラムが作業者によって指定されたことを契機として、データ転送プログラムが、書込みツール200によって実行する処理のフローチャートを示す。
ステップ33では、データ転送プログラムが、ECU100から次のデータの要求メッセージを受信したか否かを判定する。データ転送プログラムは、ECU100から次のデータの要求メッセージを受信していれば、処理をステップ34に進める(Yes)一方、ECU100から次のデータの要求メッセージを受信していなければ、処理をステップ33に戻す(No)。
ステップ41では、データ転送プログラムは、書込みツール200がECU100よりメッセージを受信したか否かを判定する。データ転送プログラムは、ECU100よりメッセージを受信していれば、処理をステップ42に進める(Yes)一方、ECU100よりメッセージを受信していなければ、処理をステップ41に戻す(No)。
なお、TXに格納されたデータは、通信回路240によって、ECU100に転送される。
ステップ55では、RAM展開プログラムが、RAM130に展開した書込みプログラムのなかの書込みメインプログラムを起動する。
ステップ57では、RAM展開プログラムが、書込みツール200に対し、次のデータの要求メッセージを送信する。
ステップ71では、書込みメインプログラムが、第1のバッファ領域133を、書込みツール200から受信する分割データをコピーするためのコピー用の領域に設定する。
ステップ73では、書込みメインプログラムが、ROM110に書込むデータ(アプリケーションプログラムのデータ)のうち、何番目のデータが処理中であるかを表わすカウンタである変数nに1を代入する。
ステップ75では、書込みメインプログラムは、書込みツール200から受信した分割データがコピー用の領域にコピーされたことを示すメッセージ(分割データのコピー完了メッセージ)を書込みサブプログラムより通知されたか否か判定する。書込みメインプログラムは、分割データのコピー完了メッセージが通知されていれば、処理をステップ76に進める(Yes)一方、分割データのコピー完了メッセージが通知されていなければ、処理をステップ75に戻す(No)。
ステップ85では、書込みメインプログラムが、書込みを行ったROM110の領域のデータを消去する。
ステップ87では、書込みメインプログラムが、コピー用の領域にコピーされたn+1番目の分割データをチェックサムにより検証することによって、n+1番目の分割データが正常に受信できたか否かを判定する。書込みメインプログラムは、n+1番目の分割データが正常に受信できていれば、処理をステップ88に進める(Yes)一方、n+1番目の分割データが正常に受信できていなければ、処理をステップ91に進める(No)。なお、n+1番目の分割データの検証は、n+1番目の分割データを受信した直後に書込みサブプログラムが行ってもよい。
なお、分割データの送信要求メッセージと共に、n番目の分割データをROM110に書込んだ旨のメッセージ(分割データの書込みOKメッセージ)及びn+1番目の分割データを受信した旨のメッセージ(分割データの受信OKメッセージ)を書込みツール200に送信するようにしてもよい。
ステップ91では、書込みメインプログラムが、n+1番目の分割データを再度取得するために、分割データの再送要求メッセージを書込みツール200に送信する。なお、分割データの再送要求メッセージと共に、n+1番目の分割データが正常に受信できなかった旨のメッセージ(分割データの受信NGメッセージ)を、書込みツール200に送信するようにしてもよい。
ステップ101では、書込みサブプログラムが、受信した分割データを、通信バッファ領域141のRXからコピー用の領域にコピーする。
なお、コピー用の領域を、通信バッファ領域141のRXに相当する領域に設定し、ECU100が、コピー用の領域を使用してデータを受信するようにしてもよい。この場合、通信バッファ領域141のRXからコピー用の領域に分割データをコピーする処理が不要となる。
書込みツール200は、アプリケーションプログラムのデータのうち、最初の62バイトのデータを読み、2バイトのチェックサムを付加して初回の分割データを作成し、ECU100に転送する。
書込みツール200は、第4の分割データの送信要求メッセージを受信すると、アプリケーションの転送完了メッセージをECU100に送信する。
(イ)少なくとも、車両制御の制御プログラムと通信バッファの設定プログラムの書き込みを行う外部書き込み装置に接続される自動車用電子制御装置であって、
前記自動車用電子制御装置は、
一時的に制御プログラム及びデータを保持する揮発性メモリと、
電気的にデータの消去および書き込みが可能な不揮発性メモリと、
前記外部書き込み装置との通信に用いる第1の通信バッファと車両制御を行う外部装置との通信に用いる第2の通信バッファを有する通信回路部と、
を含んで構成され、
前記外部書き込み装置から受信した前記通信バッファの設定プログラムによって、前記第2の通信バッファを前記第1の通信バッファとして割り当て、前記第1の通信バッファ及び前記第1の通信バッファとして割り当てられた前記第2の通信バッファを用いて制御プログラム及びデータを受信し、
前記制御プログラムの受信において使用する通信バッファは、前記車載状態の通信環境で未使用な通信バッファを含むことを特徴とする自動車用電子制御装置。
前記プログラムの受信を、車載状態の通信環境で使用する数を超える数の通信バッファを使用して行うことを特徴とする自動車用電子制御装置。
前記プログラムの受信を、車載状態の通信環境で使用する数を超える数の通信バッファで行うことを特徴とするデータ通信方法。
110 ROM
141 通信バッファ領域
Claims (8)
- 少なくとも、車両制御の制御プログラムの書込みと通信バッファの設定プログラムの書込みを行う外部書込み装置に接続される電子制御装置であって、
それぞれ異なる外部装置との通信のために割り当て可能な複数の通信バッファを有する通信回路部を含んで構成され、
前記外部書込み装置から受信した前記設定プログラムによって、前記複数の通信バッファのうち少なくとも2以上の通信バッファを前記外部書込み装置から転送される前記制御プログラムの受信のために割り当て、
前記複数の通信バッファのうち前記外部書込み装置以外の外部装置との通信に割り当てられた通信バッファを含む2以上の通信バッファを用いて前記制御プログラムを受信する、自動車用電子制御装置。 - 少なくとも、車両制御の制御プログラムの書込みと通信バッファの設定プログラムの書込みを行う外部書込み装置に接続される電子制御装置であって、
前記電子制御装置は、
一時的に制御プログラム及びデータを保持する揮発性メモリと、
電気的にデータの消去および書込みが可能な不揮発性メモリと、
前記外部書込み装置との通信に用いる第1の通信バッファと車両制御を行う外部装置との通信に用いる第2の通信バッファを有する通信回路部と、
を含んで構成され、
前記外部書込み装置から受信した前記設定プログラムによって、前記第2の通信バッファを前記第1の通信バッファとして割り当て、前記第1の通信バッファ及び前記第1の通信バッファとして割り当てられた前記第2の通信バッファを用いて制御プログラム及びデータを受信する、自動車用電子制御装置。 - 少なくとも、車両制御の制御プログラムの書込みと通信バッファの設定プログラムの書込みを行う外部書込み装置と当該外部書込み装置に接続される電子制御装置とからなる自動車用電子制御装置の書込みシステムであって、
前記外部書込み装置は前記設定プログラムを前記電子制御装置に送信し、
前記電子制御装置はそれぞれ異なる外部装置との通信のために割り当て可能な複数の通信バッファを含んで構成され、前記設定プログラムによって複数の通信バッファのうち少なくとも2以上の通信バッファを前記外部書込み装置から転送される前記制御プログラムの受信のために割り当て、
前記複数の通信バッファのうち前記外部書込み装置以外の外部装置との通信に割り当てられた通信バッファを含む2以上の通信バッファを用いて前記制御プログラムを受信する、自動車用電子制御装置の書込みシステム。 - 前記電子制御装置は、揮発性メモリと電気的にデータの消去および書込みが可能な不揮発性メモリとを有し、
前記電子制御装置は、
接続された前記外部書込み装置から書込みプログラムを受信して前記揮発性メモリに展開し、
展開した前記書込みプログラムを実行することにより前記外部書込み装置から前記制御プログラムを受信して不揮発性メモリに書込む、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の自動車用電子制御装置又は自動車用電子制御装置の書込みシステム。 - 前記電子制御装置は、電気的にデータの消去及び書込みが可能な不揮発性メモリを備え、前記制御プログラムを所定サイズごとに分割した分割データを通信によって取得可能に構成され、
前記複数の通信バッファを順次使用し分割データを受信し、受信した分割データを検証することと並行して、分割データの受信に使用しない前記通信バッファを使用して受信した分割データを前記不揮発性メモリに書込み、書込んだ不揮発性メモリ上の分割データを検証する、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の自動車用電子制御装置又は自動車用電子制御装置の書込みシステム。 - それぞれ異なる外部装置との通信のために割り当て可能な複数の通信バッファを有する電子制御装置への車両制御の制御プログラムの書込み方法であって、
外部書込み装置から前記通信バッファの設定プログラムを受信するステップと、
前記設定プログラムによって、前記複数の通信バッファのうち少なくとも2以上の通信バッファを前記外部書込み装置から転送される前記制御プログラムの受信のために割り当てるステップと、
前記設定プログラムによって、前記複数の通信バッファのうち前記外部書込み装置以外の外部装置との通信に割り当てられた通信バッファを含む2以上の通信バッファを用いて前記制御プログラムを受信するステップと、
を有する、車両制御の制御プログラムの書込み方法。 - 前記電子制御装置は、揮発性メモリと電気的にデータの消去および書込みが可能な不揮発性メモリとを有し、
前記外部書込み装置から受信した書込みプログラムを前記揮発性メモリに展開するステップと、
展開した前記書込みプログラムを実行することにより前記外部書込み装置から前記制御プログラムを受信して不揮発性メモリに書込むステップとを更に含む、請求項6記載の車両制御の制御プログラムの書込み方法。 - 前記電子制御装置は電気的にデータの消去及び書込みが可能な不揮発性メモリを備え、
前記制御プログラムを受信するステップは、
前記複数の通信バッファを順次使用して前記制御プログラムを所定サイズごとに分割した分割データを受信するステップと、
受信した分割データを検証することと並行して、分割データの受信に使用しない前記通信バッファを使用して受信した分割データを前記不揮発性メモリに書込むステップと、
書込んだ不揮発性メモリ上の分割データを検証するステップと、
を含む、請求項6又は請求項7記載の車両制御の制御プログラムの書込み方法。
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